タクシー予約・配車業務をクラウド化する徳島拠点の電脳交通が総額5億円を調達、 タクシー会社とのDX推進が超加速

電脳交通

タクシー会社でいまだ人力業務が多い配車・予約管理などのバックオフィス業務のDXを進めてきた、徳島を拠点とする電脳交通は10月8日、総額5億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、既存投資家のほか、今回新規投資家として三菱商事、JR東日本スタートアップ、第一交通産業グループ、エムケイ、阿波銀行、いよぎんキャピタルが加わっている。既存投資家には、日本交通グループのJapan Taxi(Mobility Technologies)、JR西日本イノベーションズ、NTTドコモベンチャーズなどが名を連ねる。

今回の資金調達では、タクシー事業会社の第一交通産業グループ、エムケイが参加している点に注目。なお、第一交通産業グループは7月に、電脳交通が開発したクラウド型タクシー配車システムの「自動配車機能」と「データ解析機能」を、三重県津市を拠点とするグループ会社のタカモリ第一交通に導入済みだ。

電脳交通最近は都市部の大手タクシー会社を中心に配車アプリにより利便性が高まっている一方で、国内のタクシー事業者は市場の縮小や従業員の高齢化などに悩まされている。IT化の遅れにより、配車・予約業務の75%が未だに電話対応など、非効率・長時間と厳しい労働環境も問題だ。

電脳交通その結果、地方では観光や地元住民の移動手段としてのタクシーの需要が減っており、交通空白地帯の拡大も起きている。電脳交通は、配車・予約業務やデータ解析などをクラウド化・集約化して、資本投下に限りのある地方のタクシー会社を中心にDXや労働環境の支援・改善するのが狙い。

電脳交通具体的には、経営効率化、配車業務の負担軽減・コストの削減、配車アプリ間のデータ共有・交換を実現する。将来的には、QRチケットや決済レスコール機能、フードデリバリー、公共タクシー配車などの計画もある。

電脳交通なお配車・予約業務については、全国各地に配車センターを開設しリモート配車業務を手掛けている。導入企業は社内に配車業務のスタッフなどを配置する必要がなくなり、平均30〜50%のコスト削減につながっているという。

電脳交通今後は各社との提携により、タクシー業界全体のさらなるDXを推進。今回の資金調達は、全国への事業展開、機能強化と配車センターの拡充など事業に充てられる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:電脳交通、資金調達、配車サービス

インドのOlaが2月10日にロンドンで配車サービスを開始

インドの配車サービスOlaは、2019年ロンドンにオフィスを開設していたが、2月10日にそのロンドンでサービスを開始すると正式に発表した。同都市は世界最大の配車サービスマーケットの1つだ。Uberやソフトバンクが出資するその他の企業との競争が激しくなる中で、マーケット拡大はOlaの国際戦略において発展の鍵を握っている。

2019年11月以降、ドライバー2万人超がすでに登録しており、Olaは「サービス開始初日から本格稼働する」と話した。

これまでに35億ドル(約3790億円)もの資金を調達しているOlaは、年中無休のヘルプラインやアプリ内緊急SOSボタンといったあらゆるセキュリティ機能がそのプラットフォームに搭載されている、と強調した。

安全性は全世界で懸案のテーマとなっている。特に英国の首都ロンドンにおいてはその傾向が強く、Olaが2018年に英国マーケットに参入し、2019年7月にタクシー事業免許を取得したのち、ロンドンでのサービス開始にさらに数カ月要したのはそのせいかもしれない。

2019年11月、TechCrunchは政府ロビー活動を専門とするPR会社からOlaに宛てられた提案文を入手した。そこには、配車サービス企業が物事を首尾よく進めるために注意すべきことが書かれていた。OlaはPR会社の利用を否定した。

明らかにUberは積極的に拡大路線を追求するあまり安全ガイドラインの順守に失敗し、その結果、ロンドンでの事業免許を失った。地元当局のTfL(ロンドン交通局)がUberの事業免許を取り上げた。Uberの免許停止は2回目で、当局は2019年末にUberがプライベートハイヤー事業者の基準に達していないと裁定した。

裁定の中でTfLは、偽IDを使ったドライバーによるサービスが1万4000回以上も提供されていたことが明らかになった、と指摘した。UberのCEO、Dara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はTfLの決定に不満を示した。その際、彼は「このTfLの決定は間違っている。過去2年にわたって我々はロンドンにおける事業形態を根本的に変えた」と語った。

同社は不服を申し立てており、Uberのタクシーはロンドンで今も営業している。Olaは「業界を引っ張るような、そして世界的にも最善の事例となるよう安全性に明確に照準を当てると同時に、地元当局と協同的なアプローチを続ける」と話す。

加えて、Olaは6週間コミッション(手数料)を課金しないことでドライバーに動機付けを与えている。Uber同様、Olaは乗客が最終的に払う金額のおおよそ20〜25%というコミッションを課している。同社はまたサービス開始から1週間の間にサインアップした顧客に25ポンド(約3600円)分のクレジットを提供する。

Olaインターナショナルのトップ、Simon Smith(サイモン・スミス)氏は、2018年の英国におけるサービス開始以来、Olaは「かなりポジティブ」な反応を得てきた、と話した。同社はバーミンガムやコベントリー、ワーウィックなどを含む英国の28自治区でサービスを展開している。前述の自治体では直近の四半期中の乗車が2桁成長したとのことだ。Olaはこれまでに、ドライバー1万1000人超による300万回あまりの乗車サービスを英国で提供した。

「ロンドンの人々に高品質で確かなサービスを提供しようと、我々はドライバーと緊密に連携をとっている。ロンドンでのサービス開始は我々にとって大きなマイルストーンであり、すべての顧客にファーストクラスの体験を提供したい」とスミス氏は声明文で述べた。

世界で最ももうかるマーケットの1つであるロンドンへの進出はOlaにとって大きなステップとなる。同社はオーストラリアとニュージーランドにも進出していて、250以上の都市でサービスを提供している。

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(翻訳:Mizoguchi

GMとホンダが協業開発した配車サービス用電動無人運転車が登場

Cruise(クルーズ)は米国時間1月21日の夕方に、「量産準備が整った」無人運転車「Origin」を発表した。これは親会社のGMと投資家としてのホンダが、配車サービスに向けて何年もかけて協業してきた製品だ。

Cruiseのトレードマークであるオレンジ色と黒色で彩られた、シャトルのような形状の車両には、ハンドルやペダルがなく、高速道路を走行可能な速度で巡航できるように設計されている。インテリアは、旅行者たちが列車の中で見ることができるような、広々とした対面シートになっている。CTOで共同創業者のKyle Vogt(カイル・ヴォート)氏は、プレゼンテーションの中で、各座席には個人のニーズに応えるために専用USBポートが搭載されていると述べた。またおそらく旅行者に乗車情報を提供するために、頭上にディスプレイが備えられている。

ドアは蝶番で外向きに開くわけではないとヴォート氏は付け加えた。「ドアはスライド式なので、自転車に乗る人にとってより安全なのです」と彼は語った。

派手な外見はさておきこのOriginは、Cruiseが持つ、大規模な自動配車サービスを展開する力と意図を示すことを目的としている。重要な問いかけである、何が、いつ、そしてどのようにそれが行われるのかに対しては、まだ答えは示されていない。

cruiseの内観

CEOのDan Ammann(ダン・アンマン)氏は、この車両はコンセプトではなく、同社が配車サービスに使用することを意図している量産可能車両であることを強調した。

とはいえ、Originがすぐに公道に出ることを期待することはできない。無人運転車両は、FMVSSとして知られる米国の連邦規制を満たしていないからだ(FMVSSは、自動車の設計、構造、性能、そして耐久性の要件を規定したもの)。

現在のところOriginは、ミシガン州のGMの施設内や米国外のホンダの事業所内などの、プライベートな閉鎖環境で使用されることになるとアンマン氏はプレゼンテーション後のインタビューで語った。

Cruise Origin

Cruiseは配車サービス用に設計された無人運転シャトルであるOriginを1月21日に発表

また、アンマン氏は車両のコストの低さも強調し、100万マイル(約160万km)運行可能なように設計されていると付け加えた。

「私たちは、Originでの体験が可能な限り安価に提供できるように、最大限の努力を続けてきました」とアンマン氏はステージ上で語った。 「なぜなら、もし私たちが生活と都市を真剣に良くしようと考えているのなら、本当に多くの人たちにCruise Originを使っていただく必要があるからなのです。そしてもし私たちが単純明快な提案とより良い体験を、現在よりも安価に提供できなかったとしたら、そうした目標を達成することができないからです」。

この車両を製造するのはGMだが、どこで製造されるかに関してはアンマン氏は「数日中には発表する」と言った以上の詳細な情報を提供することはなかった。また彼は「現在提供されている従来型の電動SUVの約半分のコストで」車両は生産されるとも述べた。

この発表は、Cruiseのハードウェア開発に関するより多くの手がかりを提供した。同社の開発は過去18カ月にわたって、ハードウェア担当副社長であるCarl Jenkins(カート・ジェンキンス)氏と、自律型ハードウェアシステムのディレクターであるBrendan Hermalyn(ブレンダン・ハーマリン)氏のリーダーシップの下で成長を続けている

車両の外部には、ヴォート氏が「owl」(フクロウ)と呼ぶハイブリッドセンサーが装着されているが、これはおそらくカメラとレーダーを組み合わせたものだ。「owl」の開発担当チームもイベントに参加しており、プレゼンテーションが終了し、ほとんどの聴衆が立ち去ったあとでも長く写真のためのポーズをとっていた。

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(翻訳:sako)

アウディは自ら運営するライドシェアサービスを南ドイツで実験

Audi Business Innovation(アウディ・ビジネスイノベーション)は、南ドイツでBITSと呼ばれるライドシェアサービスをテストしている。ガソリン車と電気自動車の両方からなるフリート(車群)を使うもの。

アウディは、このサービスを管理するために、Fleetonomy(フリートノミー)に協力を仰いだ。ホワイトラベルの配車アプリサービスと、フリート管理テクノロジーを提供する会社だ。

同社は、車両の利用率を管理し、効率を向上させる技術を開発している。メンテナンスのタイミングを調整し、需要と供給のバランスをリアルタイムで可視化する技術によるもの。

このサービスでは、電動車と内燃機関車を組み合わせて、南ドイツ全域をカバーする長距離の運行を提供する。

「お客様に柔軟なモビリティを提供する必要性が高まっています。そこは、自動車業界にとって注力すべき領域に加えられるはずです」と、アウディ・ビジネスイノベーションのNico Gropper(ニコ・グロッパー)氏は声明で述べている。「私たちはそうした領域の開発で、常に最前線にいることを目指しています。電動車と内燃機関車の両方を含むサービスは、スムーズに運営するために、さらに高いレベルの複雑さに対処する必要があります。そうした複雑な課題を解決するためには、適切なテクノロジーパートナーと協力することが不可欠です。そうしてこそ、サービスの運用面でも、財務面でも成功することができるのです」。

アウディは、10月の初期段階のテストを成功させ、このサービスをさらに拡張することを計画している。Fleetonomyとの新しいパートナーシップにより、アウディとしては、アプリを活用したカスタムメイドの配車サービスと、電動車と内燃機関車を組み合わせた車群を管理する手法の両方を手にすることができた。

この技術を使うことで、走行距離が問題となる状況を解決できる。あらかじめ距離が分かっている走行に対して、それに適した車を配置できるからだ。そのため、バッテリー容量はそれほど問題ではなくなる。また経路も、充電時間と充電可能な場所を考慮して最適化するよう管理できる。

Fleetonomyによって、アウディは配車とスケジューリング管理用のダッシュボードが使えるようになった。また、乗客とドライバーの両方に向けたモバイルアプリも提供できる。これは自動車メーカー自身がコントロールするUberのような世界だ。

「世界中の自動車メーカーは、オンデマンドのモビリティサービスのプロバイダーとしての役割まで果たすようになっています。そして、収益性を確保するのはもちろん、素晴らしい乗車体験を提供できるサービスを作り出すため、フリートを管理する効率的な方法を探し求めています」と、Fleetonomyの創立者兼CEOであるIsrael Duanis(イスラエル・ドゥアニス)氏は声明で述べた。

「Fleetonomyの高度なモビリティプラットフォームは、アウディ・ビジネスイノベーションの新しいモビリティプロジェクト、BITSを支える技術の候補となり、この業界初のサービスを実現するためのテクノロジーパートナーに選ばれたことを非常に光栄に感じています。アウディ・ビジネスイノベーションが掲げるNew Mobility(ニュー・モビリティ)への旅をサポートし続けることを楽しみにしています」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

配車サービスのHeetchがシリーズBで約4億円を追加調達

配車サービスのHeetch3800万ドル(約41億円)のシリーズBラウンドAfricInvestという新たな投資家を加えた。AfricInvestはHeetchに400万ドル(約4億円)を出資する。これによりHeetchのシリーズBラウンドでの調達額は計4200万ドル(約46億円)となった。既存投資家にはCathay Innovation、Idinvest、 Total Ventures(現在はTotal Carbon Neutrality Venturesと呼ばれている)が名を連ねる。

Heetchは当初、純粋にピアトゥーピアの配車プラットフォームでスタートした。誰でもドライバーになれて、誰でも乗車を依頼できる。フランスで規制の問題を抱えたのち、Heetchはハイブリッドなアプローチをとっている。いくつかのマーケットでプロの運転手と提携し、ほかのマーケットでは地元のタクシーやバイクタクシーと提携している。

Heetchのホームマーケットであるフランスで同社はUberやKapten、そして既存の配車アプリと競争を展開している。Heetchがとるコミッションは多く競合相手(15%)よりも低く設定され、ユーザーは現金とカードのどちらででも支払える。

Heetchによると、同社は事業を展開しているフランス国内の9都市(パリ、リヨン、リール、ニース、マルセイユ、トゥールーズ、ボルドー、ストラスブール、ナント)で上位3社のうちの1社だ。同社はまたベルギーでもサービスを展開している。

直近では、フランス語圏のアフリカ諸国にフォーカスしてマーケットを拡大している。現在はモロッコ、アルジェリア、カメルーンでサービスを提供している。モロッコではHeetchは、ユーザーがアプリを通じてタクシーを予約できるよう、大手タクシー組合と提携している。現在のところ現地で唯一合法の配車アプリだ。

カメルーンのドゥアラでは、バイクタクシーのサービスを構築した。同社はドライバーをトレーニングし、また現地では事故が多いためバイクタクシーにはヘルメットを備えているとのことだ。

次の段階として、Heetchは2020年にチュニジアやセネガルを含む6カ国に事業を拡大する計画だ。

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(翻訳:Mizoguchi)

インドのOlaがロンドンのタクシー事業免許を取得、9月サービス開始

配車サービスを利用して移動する消費者にとって、ロンドンは世界最大のマーケットの一つだ。そしていま、この移動手段を提供する企業にとってロンドンは最も競争の激しいマーケットになりつつあるようだ。今日、インドのOlaはロンドンでアプリベースの配車サービスを展開するために必要な事業許可を取得したことを認めた。同社の広報はTechCrunchに対し、2カ月後の9月に事業を開始する見込みだと語った。

「OlaはTfL(ロンドン交通局)からPHV運行ライセンスを取得した」とOlaの広報TechCrunchにあてた文書で明らかにした。「ロンドンは世界で最もアイコン的な都市であり、革新的モビリティ環境を有している。ロンドンでOlaを展開するというのは、これ以上の喜びはない。ドライバー、乗客、政府、地元当局と協力しながらワールドクラスのモビリティを構築することを楽しみにしている。サービス開始の準備を進め、サービス開始近くになったらロンドン市民に詳細を提供する」。

Olaの国際展開は興味深いシフトだ。(Lyftのように)Olaは、主要な競争相手であるUberが世界の複数のマーケットで事業拡大するのに何億ドルもの金を投入していたとき、地域のリーダーであることにフォーカスしていた初期の配車サービススタートアップの一つだった。

また、今週はOlaにとってロンドンの事業免許獲得の他にも国際展開に関するニュースがあった。同社のスピンアウトである電気車両事業を行うOla Electricが間もなく南米で事業展開することをほのめかした。

Olaは英国で2018年にローンチし、いくつかの大都市を含む5つの地域で配車サービスを展開している。5つの地域は、サウスウェールズ(カーディフ、ニューポート、ベール・オブ・グラモーガン)、サウスウェスト(バース、ブリストル、エクセター、ノース・サマセット、サウス・グロスターシャー)、マージーサイド(ノウズリー、リバプール、セフトン、セント・へレンズ、ウィラル)、ウェスト・ミッドランズ(バーミンガム、ダドリー、サンドウェル、ソリフル、ウォールソール、ウルヴァーハンプトン)、そしてリーディングだ。

ロンドンがこのリストに加わるのは、いくつかの理由でかなり意義がある。一つにはサイズだ。ロンドンに比べると他の都市は小さい。二つ目には、ロンドンの交通を管轄するロンドン交通局(TfL)がここ何年もタクシー会社への免許発行をかなり厳しくコントロールしていて、事業を始めるにあたって運行規則に則ることを強制するからだ。これは少なくとも、Uberに対する多くの抗議を企てたロンドンのブラックキャブ運転手のロビー活動のためではない。

TfLの対応に関しては、Bolt(旧Taxify)が先月サービスを再開するまでの22カ月間、サービスを一時停止する事態となった。この前には、TfLはUberへの免許更新にからみ、プラクティスを大幅に変えなければ却下するとして、Uberは法的にかなり困った事態に陥った(現在Uberは暫定的な免許で運営している)。

Olaがロンドンのタクシー事業免許を取得したというのは、同社(Didi、ソフトバンク、Accel、Sequoia、Kia、その他60社近くを含む投資家から40億ドル近くを調達している)がインドでサービスを立ち上げた後に国際展開を続ける中でのニュースだ。インドでのOlaの利用はこれまでに1億2500万回を数えている。

また、同社のスピンアウトで電動車両事業を展開するOla Electricは昨日、ソフトバンクから2億5000万ドルを調達し、企業価値が10億ドルになったと発表した。Ola Electricを立ち上げた一つの理由は、インドにおけるエミッション抑制の必要性に応えるためだ。二つめはOlaを海外展開(ソフトバンクインターナショナルのCEOで、グループのCOOであるMarcelo Claure氏と、Olaの創業者でCEOのBhavish Aggarwal氏とのやり取りによると、特に南米だ)するのにEV事業を活用するというものだ。

Olaの広報は、ロンドンではOlaが現在英国の他の地域で提供しているものに似た標準的なサービス、そして自分の車を使ってサービスを提供する契約労働者であるドライバーのネットワークを構築したUberやBolt、その他の小さなミニキャブ会社のような配車サービス企業で利用できるものを提供することにフォーカスする、と語った。

インドでは、Olaは圧倒的なシェアを持つ配車サービス企業だ。英国に加え、同社はインド外ではオーストラリア(シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース、キャンベラ、ゴールドコースト)とニュージーランド(オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ)でサービスを展開してる。

イメージクレジット: Matt Brown / Flickr under a CC BY 2.0 license

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(翻訳:Mizoguchi)

Lyftの上場初日株価は9%アップで引ける

米国時間3月29日に有力配車サービスのLyftがNASDAQに上場した。これを祝って天井からピンクの紙吹雪が共同ファウンダー、Logan Green氏とJohn Zimmer氏の上に舞い落ちた。公募売出価格設定は上出来だったようで、Lyftが設定した1株72ドルを21%も上回る$87.24ドルで初値がついた。初終値は若干下げて78.29ドルとなった。

Lyftは上場の直前、木曜日に23億ドルの資金を調達していた。今回の上場でLyftの時価総額は240億ドル前後となった。 公開前の会社評価額は151億ドルだったので上場で約1.6倍にアップしたことになる。株価売上高倍率は11倍だ。

Lyftの共同ファウンダーはBloomberg TVで国際展開、自動運転車、新しい自動車の所有形態、自動車保険などを含めて会社の長期目標について語った。Green氏はEmily Chang記者に対してこう述べている。

我々のビジネスは極めて利益率の高いものになると確信している。1兆2000億ドルという巨大な自動車市場は1世代に一度という変革期を迎えている。自動車は所有するものからサービスを利用するものに変わりつつある。我々はこのトレンドの先頭にあって驚異的な前進を遂げている。

Green氏とJohn Zimmer誌の共同ファウンダー2人は、同社の最大の市場であるロサンゼルスを上場の舞台に選んだ。Zimmer氏はこう述べている。

我々はLyftのコミュニティー全体の利益となるような形で大きなビジネスを作り上げることができると実証したい。上場の鐘を鳴らしたとき、Lyftのドライバーもその喜びを分かちあった。Lyftは株式をボーナスとしてドライバーに分配しているからだ。

画像:Mario Tama / Staff / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Taxifyも電動キックスクーター事業に参入

エストニアの配車サービスTaxifyは、欧州でBird、Limeと競合することになる。 新たな電動キックスクーターブランドBoltを立ち上げ、木曜日にパリでシェアリングサービスを開始した。

Taxifyはスクーターシェアに既存のモバイルアプリを活用している。このアプリは2013年8月に立ち上げて以来、25カ国でユーザー1000万人を獲得した。

同社の広報はTechCrunchに対し、今後はすでにアプリが展開されている欧州と豪州のいくつかの都市でスクーター事業を始める計画だと述べた。しかし、ドイツやスペインなど規則が障害となって配車サービスを展開できていない新マーケットも開拓する。

現在のところ、Taxify が米国のスクーター市場に参入する計画はない。

「Taxifyでは乗車の5回に1回が距離にして3キロ以下で、これはスクーターでカバーするのにちょうどいい長さだ」と、TaxifyのCEOで創設者のMarkus Villigは話す。「配車サービスのユーザーの中には、短い距離の移動にスクーターを選ぶ人もいるだろう。また、違うニーズをもった、完全に新規の客も引き付けるだろう。つまり、多くの人の毎日の移動を手伝えることになる」。

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Boltの利用料金は1分あたり15セントで、最低料金は1ユーロ。他の電動キックスクーターサービスを展開するスタートアップと同じように、GPSで追跡可能なスクーターのロックを解除するには、TaxifyのアプリでスクーターにあるQRコードをスキャンする。そして夜、Taxifyがスクーターを充電するために回収する。

6月末にLimeはパリで電動キックスクーターサービスを開始した。その1カ月後、Birdも参入。Birdはグローバル展開の一部としてパリとテルアビブでサービスを開始した。GoBee Bike、Obike、OfoそしてMobikeなど、これら全てのドックレスバイク事業者もパリでサービスを立ち上げた。その後、GoBee BikeはMobikeのような有力企業との競争に破れ、撤退した。Mobikeは企業価値何十億ドルもの中国の大企業Meituan(美団)が所有する。

この点でTaxifyはプライベート投資家の間で人気だ。5月、TaxifyはDaimlerやDidi Chuxing、その他から資金1億7500万ドルを調達した。これによりTaxifyの企業価値は10億ドルになり、配車サービス大手のLyftや Uber、Careemその他の企業と同じユニコーンクラブ入りを果たした。

電動キックスクーターが米国と同様に欧州でも人気を得るかは、今後見えてくるはずだ。そして、こうした企業が新マーケットに進出し続ける限り、いくつかの米国の都市で直面したような規制の問題がつきまとうことが予想される。

米国拠点のモビリティスタートアップを相手に競争を展開する欧州企業として、Taxifyは優位かもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi)

中国Didi、殺人事件を受けて相乗りサービスを一時停止へ

中国最大の配車サービスDidi Chuxing(滴滴出行)は、乗客がドライバーに殺害されるという事件の発生を受け、同社が展開する相乗りサービスの一つのHitchを1週間停止する。

殺害されたのは21歳の女性客室乗務員Liさんだ。中国の官営英字メディアGlobal Timesの報道によると、事件は5月5日夜に発生した。仕事を終えたLiさんは、河南省の鄭州新鄭国際空港から帰宅するためHitchで配車を依頼。Hitchは、同一の目的地に向かう人が相乗りできるサービスだ。報道では、Liさんはドライバーに凶器を使って殺害された、との警察発表を伝えている。

Didiは2016年から、ドライバーを確認するのに顔認証システムを活用している。最初に行うドライバー登録手続きをスピードアップし、また運転業務を行う際の不正行為を防ぐためのものだ。このシステムでは、アカウントを持つドライバーが自撮り写真を撮り、そのデータがDidiの持つ情報と一致したときにだけアプリが使えるようになる。

今回の悲惨な事件では、このセーフガードは機能しなかった。

Didi によると、Liu Zhenhua容疑者はプラットフォームに登録はしていなかったが、父親が持つドライバーアカウントを利用し、アプリにアクセスして配車依頼を受けることができる状態にあった。Didiは、その日は顔認識システムに“欠陥”があり、アカウントの不正利用を防ぐことができなかったとしている。

しかしながら、予兆はあったようだ。Didiによると、そのアカウントに関しては、今回の事件が起こる以前に乗客からセクハラの苦情があった。その苦情は父親に対するものなのか、アカウントにアクセスしていた容疑者へのものなのかは不明だが、苦情を受けてDidiは少なくとも5回アカウントに連絡を試みて、結局つながらなかった。苦情があったにもかかわらず、このアカウントはログインでき、配車依頼を受けることができたのだ。

「プラットフォーム上の仲裁規則が完全でなかったために、苦情はその後適切に処理されていなかった」とDidiは文書で認めている。

Hitchは、通勤や中長距離移動にフォーカスした都市をまたぐ相乗りサービスで、乗り合わせた人が燃料代とドライバーの基本料金を割り勘にするというものだ。Didiの稼ぎ頭の相乗りサービスには影響はないが、Hitchの一時停止は5月12日からだ。この一時停止期間中、同社はドライバー全員を対象にドライバーと車両の情報にミスマッチがないか再調査を行う。

Didiはまた、プラットフォームの運用と顧客サポートシステムの改善を約束している。

TechCrunchへのコメントで、Didiは事件に関して責任があることは“否定できない”として“深い自責の念”を明らかにしている。

我が社が提供するサービスDiDi Hitchの利用中にLiさんに起こった悲劇につきまして、遺憾の意とともに深くお詫び申し上げます。極めて非道な事件であり、慚愧に堪えません。Liさんのご家族に対し、心からのお悔やみとお詫びを申し上げます。利用者の信頼を得るためには、何らかの行動が必要と考えております。今回の事件に関しましては、当社に責任があることは否定できません。

この件に関しては専従の職員を配置し、現在、捜査当局にできる限りの協力を行なっております。殺人犯は処罰されるべきであり、これはLiさん、そしてLiさんのご家族が当然望むものです。

被害に遭われたLiさんとLiさんのご家族、そして広く皆さまにも重ねてお詫びを申し上げます。このような事件が二度と発生しないよう、今後、事業全般を見直す所存です。

Global Timesの報道では、同社は今回の殺人事件に関する情報提供者には100万元(15万ドル超)の懸賞金を支払うとしている。

Didiはいま、同業他社との競争に直面している。ライバルであるMeituan Dianping(美団−大衆点評)はつい最近ライドシェアサービスを導入し、またMobikeの買収でドックレスの自転車シェアサービスにも参画を果たした

Didiは2016年にUberの中国事業を買収して以来、中国唯一そして最大のライドシェア事業者となったわけだが、今回のような乗客が被害に遭う殺人事件は初めてではない。2年前、深セン市の女性がDidiのドライバーにより強盗殺人に遭っている。

UberやLyftでも同様に極めて重大な事件が発生している。

米国では、2014年にサンフランシスコで7歳の少女がUberドライバーによってひかれ、2016年にはミシガン州でドライバーが配車サービスの業務中に6人を殺害した。そのほか、オーストラリアやレバノン、シンガポール、インドなどでも深刻な事件が起きている。

Uberの自動運転車は今年、市民を巻き込んだ交通事故を起こしている。3月にはアリゾナ州テンペで自動運転中だったUberのSUVに女性がひかれ、死亡した。警察は、この事故に関しUberに責任はないとしたが、同社はその後自動運転テストを一時停止した。

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(翻訳:Mizoguchi)

Uber、自動運転車を「数カ月以内に」復活させることを表明

Uber CEO Dara Khosrowshahiは、3月にアリゾナ州テンピで起きた死亡事故を踏まえ、Uberの自動運転車の今後について手短に語った。今日(米国時間5/9)ロサンゼルスで行われたUber ElevateカンファレンスでKhosrowshahiは、Uberが「はっきりとは言えないが、数カ月以内に」自動運転車を復活させると言った。

正確に言うとKhosrowshahiは100%確信を持って答えたわけではない。つまり数カ月より長くかかっても私は驚かない。

彼は続けて、Uberが自動運転車を再び走らせるときは、「可能な限り安全な方法をとる」と言った。

Uberは3月の死亡事故のあと、自動運転車をすべて引き上げた。その後Uberはカリフォルニア州の試験運転許可を再申請しない決定を下した。同社の以前の許可は3月31日に失効している。

Uberがカリフォルニア州でテストを続けたければ、新たな許可申請が必要になり、さらに「アリゾナで起きた事故の追跡調査結果を提出する必要がある」とDMVの所長代理・法務責任者のBrian Soubletが3月のUber宛て書簡に書いている。UberはDMVとの打ち合わせも設定しなければならない。

国家運輸安全委員会(NTSB)の調査経過にづいて質問されたKhosrowshahiは、調査は継続中であると答えた。Teslaがオートパイロットシステムに関わる死亡事故についてよくしゃべりNTSBとの関係を損ねているのとは対照的に、Khosrowshahiは「調査結果を事前にツイートすることはない」と語った。

だからといってリークがないというわけではない。今週、The InformationがUberのソフトウェアに欠陥があったと報じた。具体的には、どの物体を無視してどの物体に注意するかを判定するソフトウェアに問題があったと記事は書いている。

この記事を受けUberはNTSBと積極的に協調していること、また事故の詳細についてはコメントできないことを話した。

「なお現在当社では、自動運転車プログラムの徹底した安全審査を進めており、元NTSB委員長のChristopher Hartを招いて当社の安全対策全般について助言を受けている」とUber広報担当者が声明で語った。「われわれの審査では、当社のシステムの安全性から運転手の訓練プロセスにいたるまですべてを精査しており、近いうちに詳しく報告したいと思っている」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberの空飛ぶタクシー、料金がどれくらいになるか最新情報

Uberは、空飛ぶタクシー事業についての情報共有を目的とした大規模な会議Uber Elevateを今日8日からロサンゼルスで開いている。この事業についてよく知らない人のために説明すると、Uberは2020年に垂直離着陸可能な機体のテストフライトを実施し、最終的には2023年に商業運転を開始するという計画を立てている。今日の会議では、空飛ぶタクシー事業の最高責任者Eric Allisonがコンシューマー向け空飛ぶタクシーのライドシェアuberAIRのコストについて言及した。

Allisonが言うには、乗客が払う1マイルあたりのコストは、車を所有したときのコストと比べても競争力を持つものでなければならない、とのこと。全米自動車協会によると、自家用車を所有した場合、1マイルあたりのコストは0.464〜0.608ドルになると試算されている。

しかし、uberAIRのサービス開始時の乗客1人が支払う1マイルあたりの料金は自家用車のコストほどにはならなさそうだ。当初は1マイルあたり5.73ドルになると見込む。0.44ドルというのが理想で、そこにたどり着く前にまずは1.86ドルにすることができると踏んでいる。

Allisonは、今後空での移動が早く安くなり、車を所有するのはコスト的に見合わなくなるはずだ、と述べた。一方で、空でのライドシェア需要は驚くほど大きい、とも語った。もしuberAIRを今使える状況であれば7億人が利用するだろう、というUberが実施した調査の結果に基づく発言だ。

私はいま、Elevateに来ているが、この後も新たなニュースが出てくるかアンテナを張っておこう。

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(翻訳:Mizoguchi)

Lyftがドライバーの稼ぎを公表、それが本当なら空車時も含めて1時間平均20ドル弱

LyftやUberのドライバーはどれぐらい稼いでいるのか。この疑問は長いあいだ、世間話の話題や大学などの研究テーマになってきた。そして今回はLyft自身が、同社のドライバーの稼ぎを、やや明らかにしてくれた。

Lyftのドライバーコミュニケーションとコミュニティ部門のトップLaura CopelandがMediumに書いている: “Lyftのドライバーの稼ぎ高、とくにその1時間あたりの平均額を、これまでいろんな外部グループが独自に推測してきた。その気持ちや動機は十分理解できるし、確かにこれは重要なトピックだ。そこでこの際、われわれの方から誤解を正すべきだろう。そしてまた、ドライバーの収入を高めるための弊社のやり方を、ご説明したいと思う”。

もちろん給金の額は、市場の性格や、客数、時間帯、乗車距離、渋滞の程度、などなどの条件で変わる。しかし時間給に関しては、Lyftによると、その間の有客走行の売上額がいちばん確かな数字だ、という〔その1時間が空車でなかった場合〕。そのシナリオに従うなら、Lyftによると1時間あたりの稼ぎ高のメジアンは全国平均で29ドル47セントだ。Lyftの上位25の市場では、1時間あたり31ドル18セントだ。

しかし呼び出しを待ちながら空車で過ごす時間も含めると、全国平均で1時間あたり18ドル83セント、上位25の市場で21ドル8セントになる。

もちろんこの全額がドライバーの収入になるわけではない。税金、ガソリン代、車のメンテナンス費用などの経費合計は、1時間あたり3〜5ドル、とLyftはThe Rideshare Guyに説明している。

先月はUberが、ドライバーの稼ぎ高に関して数字をやや明らかにした:

たとえば、2015年10月にプリンストン大学のAlan Kruegerと共に行った調査によると、アメリカにおけるUberの上位20市場の1時間あたりの平均収益は19ドル4セントだった。スタンフォード大学の教授たちと行ったより最近の調査では、2015年1月から2017年3月までのアメリカの全ドライバーの1時間当たりの収益は21ドル7セントだった。

Uberの完全な分析はこの記事にある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MITの調査により、UberとLyftのドライバーたちの過酷な状況が明らかに

配車サービスの巨人であるUberとLyftは、自分の車と運転スキルを提供して会社のコアサービスを支える何十万人もの米国の独立契約者たちに対して、お話にならない手取り金額しか与えていないことが、2つのアプリプラットフォームの経済性を調査したMIT CEEPRの調査によって明らかになった。

この報告書は、ギグエコノミー(ネットを通して一時的な仕事を請け負う労働形態)プラットフォームの労働者たちの、労働環境に関する議論を巻き起こしている。そして同時に、VCが資金を提供するテクノロジーの巨人たちが、税金を逃れることによる社会的影響についての深刻な疑問も引き起こしているのだ。

MIT CEEPR(MIT Center for Energy and Environmental Policy Research:MITエネルギー・環境政策研究センター)が実施した「The Economics of Ride-Hailing: Driver Revenue, Expenses and Taxes (配車サービスドライバーの収入、費用、税金の経済学)」と題された研究では、1100人以上のUberとLyftのドライバーに対して詳細な車両コスト情報を含めた調査が行われている。コストは燃料、保険、保守、修理などの各要素を考慮し、1時間あたりの利益の中央値を算出した。

その結果は?研究者たちが見出したのは、配車サービスから得られる利益は「とても低い」ことだった。時間当たりの利益の中央値は3.37ドルであり、ドライバーの74%が、運転している州における最低賃金よりも低い利益しか挙げていない。

彼らはまた、中央値のドライバーが運転1マイル当たり0.59ドルを得ているものの、同時にマイルあたり0.30ドルの費用を負っていることも発見した。およそ3分の1(30%)のドライバーたちが、収益を上回る費用を負担している、言い換えれば1マイル運転するごとにお金を失っているのだ。

また同研究では、配車サービスの利益に対してどのような課税が行われているかも報告されており、米国内では大部分のドライバーの利益に対しての課税が、走行距離控除のために行われていないことも報告されている。すわなわちUberとLyftの事業は公共の財布も損なっているのだ。

研究からの引用:

毎月の平均利益は、661ドル/月(中央値は310ドル/月)である。運転手たちは、標準走行距離控除(Standard Mileage Deduction)を受ける権利があり、2016年の段階ではそれは0.54ドル/マイルである。これはマイル当たりのコストの中央値である0.30ドル/マイルを遥かに上回っている。この控除のために、大部分の配車サービスドライバーたちは、大幅に低い利益を申請することができる。このため標準走行距離控除を使うドライバーたちの平均課税対象所得は、661ドルではなく、175ドルとなる。これらの数字が示すことは、ドライバーたちの利益のおよそ74%が課税されていないということである。

著者らは、その661ドル/月の平均利益が代表的な数字であるならば、米国の標準走行距離控除によって「米国中の数十万人の配車サービスドライバーたちの収入の数十億ドル」が課税されていないことになる、と付け加えている。

ということで、この調査が配車サービスのビジネスモデルに関して教えてくれるものは何だろう?「このレポートが語っていることは、そこは働くに値しない場所だということです」と語るのはMangrove Capital Partnersの共同創業者でCEOのMark Tluszczだ。彼はギグエコノミーモデルを現代版搾取工場と呼んでいる。そして彼のVCファームはその搾取的なビジネスモデル故にギグエコノミー企業には意識して投資しないようにしているのだと語る。

「もしあなたが経営側なら、そこは素晴らしい場所だと言えるでしょう。しかし、そこで被雇用者になったり、作業員になったりすることはとても辛いことなのです」。

配車サービスプラットフォームの非対称な搾取性が登場する理由は、働き手にはある程度の固定コストが掛かるのに、媒介をするプラットフォームは、自由にその手数料を引き上げたり、ライバルに対して競争を仕掛ける際にエンドユーザーに対するサービス料を、引き下げたりすることが可能だからだ。

「結局、日々(ドライバーたちには)ある程度の固定コストが掛かっています」とTluszczは言う。「車を買わなければならず、保険にも入らなければならず、ガソリン代も払う必要があり…そしてプラットフォームが請求する手数料は10%、15%、そして今や20%にも達しています。そして利用料金が競争相手に勝つために引き下げられて…ドライバーはコストは固定されているのに、収入は減少しています。率直に言えば、コストをカバーするために、より長い時間を車の中で過ごす必要があるのです」。

「それがこの研究によってあからさまに報告されていることなのです。こうした人たちは、時間あたりに換算したときのお話にならない位低い収入でコストをカバーしているので、より長い時間働くことを余儀なくされているのです。そして、まず自分自身の面倒を見るので精一杯になるため、それを社会に還元する余力が与えられていないのです」。

この記事を書いている時点では、UberもLyftもこのMITの研究に関するコメントの要請には反応していない。しかし、Uberの広報担当者はThe Guardianに対して、その研究方法論と調査結果には「深刻な欠陥」があると考えていると述べた上で「私たちは論文の著者たちに連絡して、私たちの懸念を伝え、この研究を共に深めるために協力が可能であると申し出ている」と付け加えた。

Tluszczはすぐにその批判を一蹴した。「この研究を行ったMITは、二流組織ではありません」と彼は指摘する。「私にとっては、MITが『ここに問題があるぞ』と指摘したように見えます…ビジネスモデルに何らかの欠陥があって、私たちは少しの間ならその問題点をやり過ごすことはできるものの、最終的には疎外された人たちを生み出してしまうのです」。

「これらのビジネスは、現実的ではない市場の状況の上に成り立っています」と同氏はTechCrunchに語っている。「彼らは立法上の穴を利用したのですが…行政がそれを許したのです。そしてそれは突然すべてのサービスを安くしました。しかし、人々は食べて行かなければなりません。生きて行かなければ。それは大変なことです」。

「英国のタクシー運転手たちは、億万長者ではありません。ただまともな生活を送っているだけです。しかし、彼らがまともな生活を送ることができるのは、サービスの提供に対してある程度の価格が維持されているからです。そしてどんな業界にも、そのようなまともな価格は存在しています。その業界で生きていくことができるための、ある公正な価格が存在しているのです…そして明らかなことは、配車サービス業界にはそれが存在していないということなのです」。

欧州では、Uberのビジネスは一連の法的係争に直面した。同社はそのプラットフォームを利用する労働者たちに対して、ある程度の保険料の補助を始めた。例えば欧州全域のUber Eats宅配業者に対するものや、英国のドライバーたちに対する個人向け傷害保険商品などだ。

またUberは1月には英国で、安全性のために、ドライバーが連続してプラットフォームから受注できる時間に上限を設けることをアナウンスした。これは安全性と労働条件に関する、政治的そして法的圧力の高まりを受けてのことだ。

昨年Uberには、ドライバーたちのグループは同社の主張していたような独立した提携先ではなく、同社の従業員であるという裁定が下された。つまり、ドライバーたちには休日や疾病手当金などの、労働者としての権利が発生するということだ。

Uberはまた、去年の秋にロンドンでの営業許可を失っている。地元の規制当局が、同社の安全性に取り組む意識と企業としての責任に関する懸念から、同社のプライベート配車免許の更新を許可しなかったからだ。

Tluszczの見解によれば、こうした動きは、欧州におけるより大きな動きの予兆となるものだと言う。世界的な労働者の搾取によって成り立つビジネスモデルにとって、恒久的な障害物として立ちふさがることになるからだ。

「労働者から見た場合の、ギグエコノミーの欠陥があまりにも大きいので、欧州の政府たちがこれを禁止し、これは欧州の精神に似合わないと述べることは、明らかだと思います。とにかく価値観に合わないのです」と彼は強調した。「こうしたこと全てが崩壊する瞬間が訪れることでしょう。そしてそれは正に、公正を重んじる欧州の価値観と、単に市場価値を求める米国の価値観の文化的衝突だと思います。

「1時間に3.37ドルしか稼げない人が、年金の掛け金や社会保険料を支払ったりできるとは思えません。どうやって生活するのですか?」と彼は付け加えた。

「私たちは、単純に生きるために必要な資金を持っていない、次の失われた世代を生み出しているのです。そして企業たちは安いサービスを消費者に提供することで、そうしたことを行っているのです…私は欧州がそうしたことを我慢するとは思えません」。

先月英国政府は、ギグエコノミーの勃興に伴う変化に対応することを意図した労働市場改革を発表し、この分野に対する対応を行う意志を明確にした。その戦略は”Good Work Plan”(良い仕事計画)と名付けられた。それは労働者の権利を拡大するもので、「何百万人」もの労働者たちが、正規雇用者と同様の権利を持ち、プラットフォームや企業が、疾病手当金や有給休暇に対するより厳密な運用を行うことを強制するものだ。

「私たちは我が国が、最高の雇用水準を維持していることを誇りに思っていますが、労働者たちの権利も確かに守られるようにしなければならないのです」と英国首相は語り、彼女の目標が「皆に役立つ経済」であることを強調した。

今年の後半には、雇用法改革の詳細が発表されることだろう。しかし、欧州のギグエコノミープラットフォームが進む方向性は明らかなものに思える。法的な抜け穴を自由に利用できるような状況を離れて、より厳密に管理された雇用と労働福祉規則の枠組みに向かい、巧みな工夫と法的手段によって裏をかかれないような構造にする(例えば英国における全国的な最低賃金の設定)ということだ。

「これは私にとって、私たちが欧州で想定するある程度の社会主義性と、資本主義の間に横たわる、切っても切れない矛盾点なのです」とTluszczは語る。「これは世界に対する、根本的に異なる2つのビューの衝突で、究極的には自らの役割を、企業として社会に貢献する一員として捉えなければなりません。そしてテクノロジー企業も事実から目をそむけるわけにはいかないのです。同じような行動が求められます」。

「残念なことに、配車サービスビジネスや多くのギグエコノミー企業たちは、単に法の抜け穴を活用しようとしているだけです。率直に言って彼らには『私が働くこの社会に良いことを為そう』という最低限の志を感じないのです。そう、彼らは全く、何も気にすることがないのです。

「これは、消費者として私たちが抱えるジレンマです。なにしろ一方では私たちはそれが安いことを喜んでいるからです。しかし私たちは、人びとがみなまともな生活を送ることができることを願っているのです」。

米国企業たちが、この先米国労働者との搾取的関係を弱めるかどうかはまだ分からない。

Tluszczの見解では、これらの企業が、ビジネスモデルの運用方法や、彼らが影響力を及ぼしている人びとについて再考するためには、何らかの政府の介入が必要になるだろうということだ。

「テクノロジー企業であっても、もちろん企業市民としての責任は同等です。そして、現段階では、特に多くのテクノロジー企業が米国生まれであるせいで感じることなのですが、まるで良い企業市民である必要はないということが、彼らの『アメリカ主義』を代弁しているようにも聞こえるのです。すなわち世界を自分と株主のために恣(ほしいまま)に利用しても良いという具合に」と彼は語る。

「私は資本家ですが、ビジネスを構築する際には、持っていなければならない道徳的指針があると思っています。そして、世界中で ―― もちろん欧州でも ―― 米国のテクノロジー企業激しく批判されています…道徳的なコンパスはどこにあるのでしょう?残念ながら、彼らはそれを失ったと言わざるを得ないのです」。

更新:Lyftの広報担当者の1人が私たちからのコメント要請に対して、以下のように電子メールで回答した:「ドライバーの皆さまはLyftの成功を支える一部です。国内で順調に増え続ける数の方々が、Lyftを収入を得るための柔軟な手段として利用なさっています。そして私たちはこれからもドライバーコミュニティと関わり、皆さまの成功をお手伝いします。研究結果に関してはまだ精査しておりませんが、ざっとみた限りでは疑問符のつく想定が行われているように思えます」。

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(翻訳:sako)

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Lyftの調査で、その利用者のうち25万人が2017年に自家用車を手放したことが明らかに

Lyftは2017年におけるその「経済的インパクト」 に関する詳しいレポートを発表した。レポートにはその業績に関する沢山の統計情報が含まれている。この配車サービス業者によれば、2017年にはのべ3億7550万回の乗車があり、1年前に比べると130%の成長となった。そのうちユニークな乗客数は2300万人であり、これは1年前に比べて92%の成長である。登録されているドライバーは140万人で、2016年の登録数に比べると100%の増加をみている。

Lyftは車の個人所有に関するインパクトに関する、強い主張も行っている。同社によれば、2017年だけで、Lyftの乗客のおよそ25万人が、配車サービスの存在を主な理由として、個人所有の車を手放しているということだ。また顧客のうち50%が、Lyftのサービスのおかげで運転時間が減少したことも報告されていて、さらに顧客の4分の1は、車の個人所有をもはや重要だとは思っていない。

また同社の調査は、自動運転車とその利用に対しての一般的な好感度が高いことも示している:同社によって調査されたLyftの乗客の83%が、もし利用可能になれば、配車された自動運転車に乗車することに抵抗はないと答えている。

またLyftよれば一年で一番忙しかったのは大晦日だったことも報告している(意外なことではない)。この日の乗車回数は200万回を超えた。これに加えて、ドライバーたちと利用するコミュニティの両者に対して金銭的な伸びがあったことを報告している。ドライバーの年間収入合計は36億ドルで140%の伸びであり、ドライバーへのチップは2億4000万ドルで、こちらは前年に比べて120%の増加となった。Lyftによれば、その営業範囲にあるコミュニティの中で、乗客たちは前年に比べ20億ドル多く支払い、そのことで地域の潤いに貢献しているということだ。そして昨年同社の寄付プログラムを通して、乗客たちは370万ドルを寄付している。

明らかにLyft以下の主張を行おうとしている:そのサービスは交通量を減らし、コミュニティの移動性を高めるということだ。それらは同社にとって特に強調したい点だろう、特に配車サービスが、当初望まれていたような都市交通混雑の緩和には役立たず、短期的には悪化させているのではないかという批判が出ている状況下では。配車サービスやその他の移動手段の変化は、多くの人びとが想像しているよりも、移動というものを徐々に進化させて行く。そしてこのような統計情報は、そうした変化が、将来都市をより住みやすい場所にしていくための、重要なインパクトを持っていることを表す有力な指標なのだ。

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(翻訳:sako)

UberがQ3決算を発表、赤字幅は15億ドルに拡大

Uberが株主向けに2017年第3四半期の業績を発表し、赤字傾向が継続していることがわかった。

第3四半期の赤字幅は14億6000万ドルで、第2四半期の10億6000万ドルから拡大。その一方で、売上高は第2四半期の16億6000万ドルから20億1000万ドルへと増え、総資産価額も同様に87億4000万ドルから97億1000万ドルへと増加した。

Bloombergが最初にこのニュースを報じ、TechCrunchでも情報筋との確認がとれた。Uberは現状を説明することで、株主に対して現地時間11月28日にスタートした公開買付で株式を売却すべきかどうかの判断材料を提供しようとしているようだ。

Softbank GroupとDragoneer、Sequoia Capital、TPG、Tencentから成るコンソーシアムは、既存株主から最大で80億ドル分の株式を取得しようとしている。提示額は一株当たり32.96ドルで、これは直近の評価額をベースにした株価48.77ドルを30%も下回る。

Softbankは既に既存株主のBenchmark、Menlo Venturesと株式取得の合意に至ったという。しかし情報筋によれば、両社は32.96ドルという提示額に満足しない可能性があり、そうなるとコンソーシアム側は買付金額を吊り上げざるを得なくなる。

その他の株主(投資家や従業員)も、保有する株式の数が1万株を超えていれば、公開買付に参加できる。しかし売り手は「適格投資家」でなければならず、総資産額が100万ドル以上、もしくは年収が20万ドルを超えていなければならない。

発行済み株式の取得が終わり次第、SoftbankはUberの直近の評価額700億ドルをもとに10億ドルの直接投資を行う予定だ。Benchmark Capitalも公開買付が無事終われば、Uber前CEOのトラビス・カラニックに対する、取締役の任命に絡んだ訴えを取り下げるとのこと。

前四半期はCEO不在の状態にあったUberだが、先日Expedia前CEOのダラ・コスロシャヒを新たなCEOとして迎えた。その一方でCFOのポジションは未だに埋められていない。

Uberは今年に入ってから、数々の訴訟や同社の企業文化に対する批判に見舞われた。しかしSoftbankによる投資がターニングポイントとなり、2019年のIPOに向けてさらなる成長を遂げるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Uberは2016年にデータ漏洩事件を起こし、5700万人の乗客とドライバーが影響を受けていた

Uberは2016年にデータ漏洩を引き起こし、乗客とドライバーの両方を含む5700万人に影響を与えていた。漏洩したのは名前、電子メールアドレス、そして電話番号だ。その影響を受けたグループには、5000万人の乗客と700万人のドライバーが含まれていたが、ブルームバーグからの新しいレポートによれば、およそ60万人分の米国人ドライバーのライセンス番号も含まれていたということだ。

Uberはこの事件を規制当局や影響を受けた顧客たちに報告しておらず、その代わりに、レポートによれば、漏洩の事実を口外せずデータを削除することと引き換えに「ハッカーたち」に対して10万ドルを支払ったということだ。さらに、セキュリティに影響を及ぼす可能性のある番号や、顧客の移動履歴情報などは攻撃によって奪われておらす、漏洩した情報もこれまでに利用されたとは考えられていないとレポートには書かれている。しかしどこに責任があるのかは書かれていない。

Uberの新CEOであるDara Khosrowshahiは、ブルームバーグに対して電子メールで、事件の「言い訳はしない」が、「これは起こってはならないことだった」と考えていると語っている。共同創業者のTravis Kalanickが同社を去ったあと、その後任として8月にこの配車サービス会社のCEOとして着任したKhosrowshahiは、その攻撃以降、Uberは脆弱性を取り除き、セキュリティ指標を引き上げたが、報告の義務を果たしていなかったと語った。

ブルームバーグによれば、Kalanickは事件の起きた1ヶ月後の2016年11月には、早くもハックの事実を知っていた。Uberのセキュリティ担当役員(CSO)であるJoe Sullivanと、CSOの主席代理人の2人もまた今週会社を去った。サイバー攻撃の事実の秘匿に中心的役割を果たしていたためだ。

レポートによれば、攻撃者は、Uberエンジニアたちが使っていたプライベートのGitHubサイト用の、Uber Amazon Web Servicesアカウントのログイン認証情報を得ることによって、攻撃が可能になったということだ。

漏洩について書かれたブログ記事では、Khosrowshahiはどのように同社が事故の影響に対処するかについての計画を述べている。たとえば、元NSAの担当弁護士を招聘し、Uberのセキュリティ規約を作成し、ライセンス番号が漏洩したドライバーたちに対しては通知を行なう。Uberは、ドライバーたちに対して通知を行なうだけでなく、クレジット調査やID盗難防止サービスも同時に提供している、とはいえプログポストの中には「事件と関連すると思われる詐欺や不正使用の兆候は見つかっていない」と書かれている。

私たちはUberにさらなるコメントを求めている。もし回答を受け取った場合には記事を更新する。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: DAVID PAUL MORRIS/BLOOMBERG VIA GETTY IMAGES

Grab、Uber撃退に向けてミャンマー市場への1億ドルの投資計画を発表

Grabは隣国ミャンマーの配車市場制覇に向け、これから3年間かけて総額1億ドルを投資すると発表した。

ミャンマーは現在世界のネット市場でもっとも注目されている国かもしれない。以前まで軍事政権下にあった同国ではネットへのアクセスが厳しく制限されていたが、2015年の総選挙を受けてインターネットが一般に開放されることになった。

そこに商機を見出した通信会社やテック企業が、かつては人里離れた小国でしかなかったミャンマーになだれ込み、携帯電話が一般市民の間で急速に普及していった。軍の支配下に会った頃には200ドルから最大1500ドル以上もしたSIMカードも、競争激化を受けて5ドル以下にまで値段が下がり、5500万人の人口を誇る同国に一気にモバイル化の波が訪れた。

今日のミャンマーは、登録されているSIMカードの数が人口を上回るという、たった5年前にも想像がつかなかったような状況にある。さらに以前のネット規制のせいで固定回線が普及しなかったこともあり、ミャンマーはオフライン社会から一気にモバイル社会へと変化した世界でも珍しい国なのだ。

まず注目が集まったのはECサービスで、スマートフォンの普及率が高まるにつれて最近では現地版Uberのようなサービスも誕生し始めた。そして今年、GrabとUberはどちらにとっても東南アジアで7つめとなる市場にミャンマーを選び、現地の配車サービス市場は一層の盛り上がりを見せた。

3月にサービスをローンチしたGrabが現在同市場を牽引しており、1日の予約数は2万5000件、ドライバー数は6000人にのぼる。そして同社はミャンマー配車サービス市場トップの座を確固たるものにするべく、この度アグレッシブな計画を発表した。

東南アジア最大の経済規模を誇るインドネシアに進出したときのように、Grabは単なるモビリティサービスを超えた事業をミャンマーで展開すべく、1億ドルの投資計画を明らかにしたのだ。最近調達した20億ドルもの資金がその後ろ盾となっているのは間違いないだろう。

まず彼らは、首都ヤンゴンをスタート地点に配車サービスを国中に展開し、現地の社員数を200人まで増やす予定だ。しかしインドネシア同様、Grabはミャンマーでも電子決済サービスGrabPayを普及させようとしている。同サービスの使い道の中心となるのは、もちろんGrabの利用料の支払いだが、それ以外にもユーザーのロイヤルティを高めるための試みとして、同社は有名小売企業の協力の下、リワードプログラムを提供している。

インドネシアでは配車サービス以外の目的でもGrabPayが使えるよう努力を重ねている同社は、5%を下回るクレジットカード保有率とモバイル社会への急速な移行で、電子決済サービスの潜在需要が見込まれるミャンマーでも、そのうち同じような動きにでるかもしれない。

「私たちはミャンマーの交通上の課題に、イノベーティブかつ現地の実情に沿った方法で挑戦している。これにより社会経済上のチャンスが生まれ、Grabと現地の人びとの間でウィン・ウィンな関係が築かれている。ミャンマーはGrabの進出先の中でも、もっとも成長速度の早い市場のひとつであり、今後さらに同国との関係を深めていけるのを楽しみにしている」とGrab CEOのAnthony Tanは声明の中で語った。

モバイル通信事業者を除くと、消費者向けのサービスを提供するテック企業の中で、ミャンマーにこれほどまでの投資を行うと決めたのはGrabが初めてに近い。今後さらにミャンマーが盛り上がっていくにつれて、きっと新たなニュースが耳に入ってくることだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

LyftとAmtrakが旅のファーストならびにラストマイルの提供で提携

LyftとAmtrakは、Amtrakアプリユーザーがモバイルから直接旅行の予約ができるように、パートナーシップを組む。Lyft配車要求機能は、旅行者たちが旅の最初と最後の部分をアレンジできるようにデザインされていて、今回の提携により新しいLyftユーザーたちには最初の4回の乗車に5ドルのクレジットが供与される。

これはLyftが1週間のうちに発表した、自身の隣接領域で活動している主要プレーヤーとのパートナーシップを示すもう1つの例だ。他に発表されているものにはリゾートにおけるディズニーとの提携、そして途中立ち寄りを許すTaco Bellとの提携がある。

Lyftはそのエコシステムの成長を加速している。ライバルのUberが内部問題に苦しみ、経営陣の大幅な入れ替わりに対処している隙を突く形だ。このAmtrakとのパートナーシップは、他のトランジットプロバイダーとも共有できるモデルとしての可能性を秘めている。都市交通の改善に対しては、整備された長距離の大量輸送アーキテクチャが肝であり、これと(自宅から駅、駅から目的地などの)ファースト並びにラストマイルの提供はうまく組みわせることができる。

新しいAmtrak/Lyftのパートナーシップは今日(米国時間8月1日)から発効する。Lyftの新規ユーザーはキャンペンコード”AMTRAKLYFT”を使用すれば、最初の4回の乗車で5ドルのディスカウントを得ることができる。Lyftによれば、これによりAmtrakの乗客の97%にリーチすることが可能になるため、多くの新規ユーザー獲得の機会だと捉えているということだ。

FordのChariotをはじめとする他の企業は、ビジネスチャンスとしてのファースト並びにラストマイルを模索中だ。そしてより多くのスタートアップ、自動車メーカー、そして他の運輸会社の興味を、この先引き付けることになるだろう。

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(翻訳:Sako)

Lyftとディズニーが提携して、ディズニーワールドの中で「ミニーバン」を走らせる

Lyftは新しい強力なパートナーを得た。Disney Parksだ。ゲストのための追加のホスピタリティとして、選ばれたリゾート内でのオンデマンド移動を提供する。このサービスには、「ミニーバン」が使われる。すなわちミニーマウスのトレードマークのドレス柄でペイントされたミニバンだ。格好のオヤジギャグネタでもある。

このバンはフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールドリゾート内のあらゆる目的地に客を連れて行く。それぞれ6人までのゲストが乗ることができる。各バンには、幼い子供たちのために2席のチャイルドシートも用意されている。試験運転はディズニーのボードウォークとヨット&ビーチクラブリゾートでサービスを開始している。バンはフルコスチュームに身を包んだキャストによって行われる(おそらく視界を遮るフルフェイスマスクは使わないだろう)。

リゾートのゲストは、既存のLyftアプリを使用してサービスを利用することができる。なおこのオプションは限られたサービスエリアのみで表示される。

これはLyftによる、また別の興味深いビジネスモデルの進化例の1つだ。最近はTaco Bellとも提携を行なっており、乗客が途中Taco Bellへの立ち寄りを追加することができるという車内ネイティブマーケティングのタイアップも始めている。リゾートでの統合は、Lyft共同創業者のJohn Zimmerが、ホスピタリティ業界出身であることに光を当てるものだ。このことはLyft自身の発表資料の中に書かれている。 

ディズニーワールドのような観光地はLyftにとって興味深い対象だ。そして、このようなシャトルサービスが自動的に運行される段階に向けて、Lyftがパートナーとなる後押しもしてくれることだろう。このような用途には自動運転は通常の路上よりも早く採用される可能性がある。何故なら環境条件はより制御可能であり、経路は決まっていて、不測の動きを見せる他の車両もいないからだ。

Uberが組織の中心課題に注力を続けなければならない状況は、Lyftにとって1つのチャンスだ。こうしたユニークなパートナーとの提携は彼らが有効な時間の使い方をしていることの証だ。

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(翻訳:Sako)

ソフトバンク、次は数十億ドル分のUber株取得を検討中との噂

東南アジアの配車サービスGrabへの20億ドルにおよぶDidiとの共同出資が発表されてから1日も経たないうちに、ソフトバンクは上記2社とライバル関係にあるUberに投資しようとしているとの噂が立っている。

Wall Street Journalの報道によれば、ソフトバンクは「数十億ドル分の株式」取得に向けて、Uberと連絡を交わしているとのこと。ちなみにUberはこれまで合計で120億ドルを調達しており、評価額は600億ドルにおよぶと報じられている。

Uberはコメントを控えており、ソフトバンクからの返答はまだない。

ソフトバンクがOla(インドにおけるUberのライバル)にも出資していることを考えると、いかなる形の投資であれ思い切った動きだと言えるが、全くの寝耳に水というわけでもない。Bloombergは今月に入って、Uberの将来に関する不安が広がる中、ソフトバンクが既存株主から同社の株式を購入しようとしていると報じていた。これは前CEOトラビス・カラニック、前シニアVPエミル・マイケルをはじめとする上層部の退陣や、元エンジニアのスーザン・ファウラーによる女性差別・セクハラ行為の暴露を発端とし、6月に結果が発表された元司法長官エリック・ホルダーによる調査などとも関係している。

WSJによれば、Uberは次のCEOが決まるまでは、いかなる財務活動(ここにはセカンダリーマーケットでの売買を越えた新規株式発行も含まれるかもしれない)も控える意向だとされているが、CEO選びにはある程度時間がかかりそうだ。

先日ソフトバンクは巨大ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発表し、5月に総額930ドルの初回出資を完了させたが、同ファンドがUberの投資に関わることはないようだ。というのも、ビジョン・ファンドはソフトバンクとの利益相反を背景に、配車サービス企業への出資を行わないと決めている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake