ついにwatchOS 7でApple Watchの文字盤カスタマイズ、共有が可能に

Apple(アップル)はWWDC 2020でカスタムウォッチフェイスの共有など、これまで強く要望されていた機能をApple Watchに追加すると発表した。

Apple WatchのApp Storeには2万以上のApple Watch用のアプリが登録されているが、お気に入りのアプリのデータをすべてWatchのメイン画面に集約する機能が欠けていた。watchOS 7に導入されるサードパーティーのウォッチフェイス(文字盤)をカスタマイズして共有する機能などによってこの状況は変わる。

watchOS 7ではデベロッパーはアプリごとに個別の機能を統合し、これを表示するカスタムウォッチフェイスをデザインできる。例えばサーファー向けウォッチアプリのデベロッパーは、ユーザーがお気に入りのビーチを登録すれば水温や波高、風速などを予測する「サーフィンウォッチ」の文字盤をデザインできる。赤ちゃんの両親向けの専用アプリであれば授乳時間のアラームを設定したり、成長を記録したりできる。Nike(ナイキ)社のNike Run Clubは、前回のランニングのペースや毎週のランニング目標などの情報を表示する。

アップルは「デベロッパーは新しいSwiftUIを利用して複雑な機能をデザインできるようになる」と述べている。

またwatchOS 7では、ユーザーはこうした複合的な機能を持つカスタムアプリを利用したお気に入りのウォッチフェイスを公開、共有できる。

watchOS App Storeでは、キュレーションされたサードパーティのアプリやウォッチフェイスを発見できる。また新しい共有機能を利用して、App Storeその他で発見したウォッチフェイスを家族や友人と共有することができる。

共有は簡単だ。表示されたウォッチフェイスを長押して、送信先を選択するだけでよい。デベロッパーはアプリから直接、事前にカスタマイズされた文字盤を提供することもできる。これは各種のソーシャルメディアに公開できるため、ウォッチフェイスがバイラルで拡散される可能性もある。

iOSなどアップルの他のプラットフォームと比べて、遅れ気味だったwatchOSにとってこうした新機能はエコシステムを活性化するのに役立つだろう。

Appleはまた、タコメーター付きの新しいクロノグラフや更新されたXLフェイスのアップデートなど、今後独自の複合機能の文字盤デザインを提供していくと述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 14はホーム画面にウィジェットが来るなど大幅アップデート

オンライン・オンリーで開催されたWWDCのキーノートで、Appleは今年後半にリリースされる予定のiOSのメジャーバージョンアップ、iOS 14について初めて公式に詳細を発表した。ビジュアルでいちばん目立つ変化は、ホーム画面にウィジェットが追加されることだ。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏は「今年は、iPhoneの視覚的体験を再構築することに集中した。AppleはiOSのコアとなる要素のいくつかを再考した」と述べた。

周知のように、iOSにはすでに「今日」のビューでウィジェットを使っている。ウィジェットにアクセスするには、ホーム画面を左にスワイプすればよい。こうしたウィジェットは完全に新しく設計されており、 ディスプレイの全幅を使うものもあるし小さな正方形に制限できるものもある。ウィジェットは2列に表示できる。

しかしiOS 14ではウィジェットは「今日」のページに限定されない。「今日」からドラッグして、ホーム画面にドロップすることができる。 ホーム画面でアイコンを移動するときに新しく設けられたウィジェットギャラリーからウィジェットを追加できる。

 

ホーム画面の整理する場合、多くのユーザーが無数のアイコンを表示してしまうためかえってホーム画面を使いにくくしていることにAppleは気づいていた。そこでいくつかのスマートな整理機能が追加された。

フェデリギ氏は「今日のホーム画面の機能は素晴らしいが、アプリを追加するとすべて表示される。そのためページも増えていく」と述べている。

ホーム画面の最後にApp Libraryと呼ばれる新しいページが追加された。 ホーム画面に配置されないアプリはApple Arcadeなど、自動的にカテゴリ分類されてここに置かれる。

マルチタスクとホーム画面に関連する新機能のひとつは、iPadと同じようにiPhoneでピクチャーインピクチャーを使用できるようになった点だ。画面の隅にビデオを表示したままiPhoneで別の処理を行うことができる。

 

メッセージのグループ会話が改良された

Appleのメッセージは、WhatsApp、Telegramなど人気あるメッセージングアプリと競争するためにアップデートが必要だと以前からみられていた。今回、メッセージ・アプリを画面上部に固定して簡単にアクセスできるようになった。

会話機能そのもののアップデートとしては、個別のメッセージに返信できるようになった。また返信をタップして、会話を別のスレッドにすることができる。ユーザーは別のユーザーをメンションできるようになったので、「自分がメンションされたメッセージ」のみをフィルターして通知を受け取ることができる。

会話自体もさらにリッチ化され、写真や絵文字を挿入できるようになった。また、特定の連絡相手はアイコン表示される。メッセージに最も頻繁に現れる相手は大きなアイコンで表示される。

Appleの「ミー文字」には、新しい髪型、年齢、各種フェイスカバーなどの新しいオプションが追加された。 ハグする、こぶしバンプ、頬を赤らめるなどの新しい絵文字ステッカーも提供された。

マップなどのアプリ

Appleは地図アプリにも新機能を追加した。アメリカのマップは新データに更新されたが、他の国も独自データに基づくさらに優れたマップを展開する計画だという。イギリス、アイルランド、カナダでは新しくさらに詳細な地図が表示されるようになる。Appleは新しいデータセットによって新たな可能性を切り開く予定であり「これは最初のステップにすぎない」という。

バーチャル・カンファレンスにはマップのデザイン担当ディレクター、メグ・フロスト(Meg Frost)氏が登場し「iOS 14では、マップチームが信頼性の高いブランドと協力して各種のガイドを提供する予定だと述べた。フロスト氏にyろえばAppleマップは近々、AllTrailsやZagatなどの有名なソースからの情報をリアルタイムで見ることができるようになるという。

一部の都市では、Appleは移動手段に自転車を取り入れる予定だ。移動時間の推定には現地の標高も考慮される。自転車移動はまずニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、上海、北京に導入される。徒歩の経路案内では階段や急な坂道を避けるように設定することができる。

自動車のドライバー向けについてもEV向けルート設定や市街地の自動車進入制限情報の提供など機能が強化されている。自動車がCarPlayをサポートしている場合、駐車アプリ、EV充電アプリ、食品注文アプリなど、今後さらに多くのアプリが登場するはずだ。

iPhoneを車のキーとして使える機能を提供する自動車メーカーも出る。これには最新のiPhoneモデルのU1チップが利用される。iMessageを通じてこうした車のキーを送信し、自動車を友達と共有することができるようになるのは興味深い。

 

Siriと翻訳機能もリニューアル

Siriの精度にはややむらがあるが、Appleはこの音声アシスタントの改良を続けている。 Siriは起動時に画面全体を占有しなくなる。画面の下部にある小さなバブルで表示されるので画面の他の部分を隠さない。作動の結果は画面の上部に通知として表示される。

またSiriにiMessageでボイスメッセージを送るよう命令できるようになった。実は私自身はボイスメッセージが好きではないが、ディクテーションによるテキスト化が改善されている。音声の処理はローカルデバイス上で実行されるようになったのでスピードが改善されたはずだ。

Siriにはすでに単語の翻訳機能があるが、Appleはこれを一歩進めて翻訳アプリをリリースする。Google翻訳と同様、2言語で双方向の会話ができるようになる。音声からテキスト化し、翻訳語さらにテキストから音声化できる。iPhoneを横向きモードで使えばそれぞれが画面の片側を使える。

アプリ疲れ

これは多くの読者が感じているだろうと思う。 友達からなにか新しいアプリのダウンロードを求められてもApp Storeに行くのに乗り気になれない。そこでAppleはApp Clipsを発表した。これはアプリをインストールせずに起動できる一種のミニアプリだ。これはアプリの一部を切り出して簡単に共有できるようにしたものだ。

App Clipsはさまざまな方法で共有できる。ウェブサイト上やメッセージからはもちろん、マップ、NFCタグ、QRコードからも起動できる。 カフェでの注文、キックスクーターのレンタル、ミュージアムで説明を見る、などさまざまな場面で活用できそうだ。コードをスキャンしたりスマートフォンをタップしたりすると、アプリの機能の一部がすぐに利用できる。全機能を利用したければライブラリからアプリ全体をダウンロードしてインストールすればよい。

いつものように、iOS 14は夏にテストが行われ、9月に一般公開されるというスケジュールが予定されている。

 

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カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Apple  WWDC

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滑川海彦@Facebook

WWDC参加に最適なApple Developer AppがMacでも利用可能に、新ステッカーなどアップデート多数

オンラインで開催されるAppleの開発者向けカンファレンスであるWWDCを控えてApple Developer Appがバージョンアップされ、Macからも利用できるようになった。同時にデザインも一新され多数のアップデートも行われている。

これはWWDCそのものを含めデベロッパーにとって有用なApple関連の情報を提供するアプリだが、参加者が完全にバーチャルとなったことを考慮して、アプリケーションの「Discover (見つける)」セクションがリニューアルされた。「これによりデベロッパーは関連あるニュース、コラム、ビデオなどを見つけやすくなった」とAppleは述べている。「見つける」セクションには、最新ニュースに加えて新機能の実装に関する推奨事項、エンジニアやデザイナーにヒントを与える情報、ビデオなど「実行可能」なコンテンツが収集され定期的に更新される。

画像クレジット:Sarah Perez

また「ブラウズ」タブも一新された。ユーザーはこのセクションではさまざまなセッション、セミナー、ビデオ、記事、ニュースが検索できる。またWWDCタブ内にすでに存在するテクノロジー、デザインを紹介する100本以上のビデオも検索できる。米国時間6月22日から始まるオンライン配信を控えてWWDCタブ自体もアップデートされた。

今回のリニューアルでは、セッションやビデオに加えて個別記事を「お気に入り」に追加できるようになった。また各種機能強化とバグ修正に加えてスクリーンショットのように新しいiMessage用のステッカーも追加された。

画像クレジット:Sarah Perez

Apple Developer AppはこれまでiPhone、iPad、Apple TVで提供されていたが、今回のアップデートでMac App Storeにも登場した。

アップデートの発表でAppleは「30年以上にわたり、世界中の開発者が人々を楽しませ、文化に影響を与え、生活を変えるような優れたアプリを生み出してきた。Apple Developer Appは開発者全員がより良いアプリを開発するための最新のテクノロジ-を学び、最新の情報を得ることを助ける」と述べている。

現在のApple Developer Appは既存のWWDCアプリの後継として2019年11月にリリースされた。 新アプリのリリースノートには「Appleのデベロッパーコミュニティーを助けるために、WWDC関連コンテンツだけでなく、デザイナー、デベロッパー向け最新ニュース、ビデオなどの主要なリソースに広くアクセスできるようにした」と書かれていた。新アプリはインド、ブラジル、インドネシアなどの新興市場で成長中のデベロッパーにAppleのリソースを提供するのが目的だった。

ただし、この認識は2019年秋のことで、2020年に入って新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックが発生して以後、デベロッパー向けアプリははるかに大きな役割を果たすようになった。

Appleは2020年3月にWWDCを対面で開催することを止めて、セッションの内容をすべてビデオで共有するオンライン開催に切り替えた。先週、AppleはWWDCの詳細を発表したが、これにはキーノート講演、テクノロジーセッションに加えてAppleのエンジニアがデベロッパーの個別の質問に直接に答えるDeveloper Labsのバーチャル版も含まれる。WWDCのスペシャルコンテンツの多くはApple Developer App経由で視聴するのが便利だ。

来週のWWDCは単に現実のイベントを補完するものではなく、オンライン開催がWWDCそのものとなる。つまりアプリにはWWDCに興味ある世界のデベロッパーが殺到することが予想される。今後数日のうちに、アプリは開催中の膨大な負荷に耐えて安定した動作を保てるよう十分な準備をすませておかなければならない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナで9月に延期されていた台北のComputex 2020中止が決定

2020年3月にComputex主催者は開催時期を6月から9月下旬に延期した。当時、世界の多くの国が新型コロナウイルス(COVID-19)を現実のものとしてとらえつつあった一方で、開催地の台北は新型コロナの再発に対処していた。その頃は、9月下旬までには正常に戻っているだろうと思われていた。

しかしその3カ月後の現在、このタイムラインはかなり楽観的すぎたようだ。米国時間6月12日、主催者はComputex 2020の中止を発表した。2021年6月に「リスケジュール」される。これは2020年開催のキャンセルをすてきに言い換えた表現だ。この中止は、最初に新型コロナの影響を受けたバルセロナで開催されるMWCのような他の大規模テックイベントの動きに続くものだ。

プレスリリースには、台湾はほぼ新型コロナを抑え込んだとある。台湾で確認された感染者数は443人、死者は7人で、中国本土に近いことを考えるとなおさら驚くべきことだ。当然のことながら、新型コロナ封じ込めには移動禁止が影響するところが大きい。人気の高い都市で開催される屋内イベントに、世界中から4万3000人を招待することは、非常に感染しやすいウイルスを拡散するのに絶好のシナリオとなるだろう。

Computexは2021年6月1日〜5日に開催される。またいくつかのオンラインプログラミングもある見込みだ。一方で、当初の計画通り開催すると発表したイベントもある。出席者人数に制限があるものの、IFAはベルリンで2020年9月に開催される予定だ(未訳記事)。2021年1月のCESも予定通りラスベガスで開催される。

画像クレジット: CHRIS STOWERS/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

アップルがWWDCの詳細日程を発表、6月22日にはバーチャル基調講演も

新型コロナウイルスのパンデミックは、Apple(アップル)が毎年開催しているWWDC(ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス)の予定を引っかき回してしまったものの、今年は31年目となる。衛生上の理由から同社は3月、ほかの多くの企業に倣い、実際に人を集めて行うはずだったWWDC20をバーチャル開催に移行すると発表していた。本日、同社はこのバーチャル開発者会議の詳細な日程を公開した。6月22日には、多くのユーザーが楽しみにしている特別イベント基調講演もある。

アップルが発表したWWDC20の内容は、基調講演、製品の最新情報を発表するPlatforms State of the Union、100を超えるエンジニア・セッション、開発者の質問に1000名を超えるAppleエンジニアが個別に答えるDeveloper Labs(開発者ラボ)、「オールニュー」Apple Developer Forums(開発者フォーラム)と、開発者たちが毎年のイベントに期待するものとほぼ同じものになっている。

開発者フォーラムの「オールニュー」とは、6月18日にアップルのこれまでの開発者フォーラムのデザインが一新されることを意味している。開発者が、これまでのように個人で手続きを踏むことなく同社のエンジニアとバーチャル環境でつながれることに重点を置いてデザイン変更される。

同社によると、WWDC初日から1000人以上のエンジニアが質問や技術的な討論に対応できるよう待機するとのことだ。Apple Developer Program(開発者プログラム)のメンバーも、エンジニアに質問を提出して答えてもらうことができる。

同様にアップルは、今年の開発者ラボもバーチャル化する。同社のエンジニアと対面して座るのではなく、開発者が自らのアプリに採り入れたい先進的技術の担当エンジニアを指名して、予約が取れるようになる。ラボは6月23日から26日まで開かれるが、開発者プログラムのメンバーも、空きがあれば利用できる。

6月23日からアップルは、エンジニアによる100を超える技術とデザインに特化したセッションの動画を配信する。動画は毎日、米国太平洋夏時間の午前10時(日本時間で翌日午前3時)に公開され、iPhone、iPad、Apple TVの新しいApple DeveloperアプリとDeveloperウェブサイトで見ることができる。

もちろん、開発者のみならず、一般の人にとっても大きな楽しみはSpecial Event Keynoteだろう。

今年は、米国太平洋夏時間6月22日午前10時(日本時間6月23日午前3時)に予定されている。Apple Parkからのストリーミング配信が、apple.com、Apple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、Apple TVアプリ、そして今回もYouTubeで視聴できる。中国では、Tencent、iQIYI、Bilibili、Youkuで視聴できる。ライブ配信の後は、さまざまなプラットフォームでオンデマンド視聴が可能になる。

開発者を対象としたPlatforms State of the Union(各プラットフォームの状況報告会)の基調講演は、米国太平洋夏時間午後2時(日本時間の6月23日午前7時)から。同社エンジニアのリーダーたちが、新機能や iOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOSの技術面の深い話を聞かせてくれる。この基調講演は、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトでオンデマンド配信される。特別イベント基調講演と同じく、Platforms State of the Unionでも Tencent、iQIYI、Bilibili、YouKuを通じて中国でも視聴できる。

WWDC20に先立つ6月16日に同社は、Swift Student Challenge(Swift学生チャレンジ)の最終選考組の発表も行うとしている。

同社もこれで、自社イベントをオンラインで行おうと努力する企業のひとつに加わった。しかし、WWDCのような人気イベントのバーチャルかには難しい点もある。生のリアクション、偶然の出会い、人と人が直接触れ合っての人脈の構築、対面での技術サポートといった、同社が以前からずっと提供してきたものが失われるからだ。開発者の動画やフォーラムはいつでも見られるのだが、それでも世界中の開発者たちは同社のイベントで集いたいと願っている。

アップルによると、今年のWWDCに関するさらなる詳細はApple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、または電子メールで事前に公表されるという。

スケジュールの概要をここに示すので、ご参照まで(日時は米国太平洋夏時間、カッコの中は日本時間)。

  • Special Event Keynote(基調講演):6月22日午前10時(6月23日午前2時)
  • Platforms State of the Union(プラットフォームごとの状況報告会):6月22日午後2時(6月23日午前6時)
  • Engineering Sessions(エンジニアリング・セッション):6月23日〜26日
  • New Apple Developer Forums(新Apple開発者フォーラム):6月18日に新デザインに切り替え、エンジニアのQ&Aは6月22日
  • 1-on-1 Developer Labs(個別開発者ラボ):6月23日〜26日
画像クレジット:Apple

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(翻訳:金井哲夫)

CES 2021はベガスでのリアル開催を計画、新型コロナ感染防止対策や関連イベントのオンライン化も進める

今年1月に開催された消費者向けエレクトロニクスのトレードショーであるCESは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの直前という際どいタイミングだった。翌月バルセロナで開催が予定されていたMWCは一時は延期が検討されて、新型コロナウイルスの流行がヨーロッパに拡大したことで結局は開催そのものがキャンセルされた。その後は「ドミノ倒し」のように次々にカンファレンスやトレードショーの開催が中止になった。中には実際の会場ではなくオンラインに場所を移して開催されたイベントもあった。

CESは来年もリアルな会場での開催を計画していることがわかった。米国時間6月2日、CESの運営組織であるCTA(Consumer Technology Association)は「2021年のカンファレンスをラスベガスで開催することを計画している」と発表した。ベルリンで開催されるIFA(未訳記事)で入場者数の制限を計画しているが、CESでは意図的に規模を縮小するような手段を取るつもりはない。しかしCESでもイベントの関連行事の多くをオンライン化して対面開催のリスクを最小限にする努力をするという。

さらにCTAは、来場者の安全を確保するために以下のような一連の対策を採る。

  • 会場全体のスペースを頻繁に清掃・消毒し、各所に来場者向け消毒ステーションを設置
  • 展示エリアでは通路を拡張。講演会場その他参加者が密集する可能性のあるエリアでは席の間隔を広くするなど、ソーシャルディスタンスの確保に努める
  • 参加者、出展者は、マスクを着用する、握手をしないなど、感染の予防、拡大の防止に効果がある手段を採ることを勧める
  • 購入や契約にキャッシュレスシステムを導入するなど、イベント全体で対人接触が必要となる場所を制限
  • 会場の主要な入り口で非接触式サーマルスキャンによる体温測定を行うために各種システムをテスト
  • 会場における救急・医療サービスを強化

ほかの効果的方法についてもラスベガス市その他の地元コミュニティと「緊密に協力している」と主催者は述べた。ラスベガス市長のCarolyn Goodman(キャロリン・グッドマン)氏は、これまでも新型コロナウイルスによるイベントの中止に激しく反対してきたことで知られている。4月中旬にグッドマン市長は感染拡大防止のためのロックダウンを「馬鹿げている」と非難し、内外の旅行者にカジノやその他のビジネスをオープンし続けることによりラスベガスを「コントロールグループ」(比較対象を設定した対照実験の対象)とするよう提案した。困難な情勢が続くいてるが、総工費に1000億円以をかけたLVCC(ラスベガス・コンベンション・センター)のリニューアルは完成に近づいており、CESのような大型イベントを開催を確保する必要性はかつてなく高まっている。

他方、イベント主催の多くは新型コロナウイルスの第2波、第3波を世界中に拡散することになるのを恐れて、引き続き対面開催には慎重だ。パンデミックが起きる以前でも関してコンベンションが風邪やインフルエンザの拡大に大きな役割を果たしてきたことを考えれば、多くの常連企業が参加を中止することになるのは無理ない。また今回の発表でCTAが「計画」という言葉を使っていることに注意すべきだろう。世界が明日どうなるのか分からない時期だ。まして7か月後の状況となると想像することさえ難しい。

画像: ROBYN BECK/AFP/Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナで8月に延期されていたニューヨーク国際オートショーが中止

ニューヨーク国際オートショーの主催団体は、8月に延期していたイベントの開催を2020年は見送ることを決めた。新型コロナウイルス(COVID-19)のために正式に中止する、と米国時間5月22日に発表した。

次回の開催は2021年4月2〜11日で、報道機関向け発表日は3月31日〜4月1日だ。

広域ニューヨーク自動車ディーラー連盟が主催するニューヨーク国際オートショーは、ニューヨーク市のJacob K. Javits Convention Center(ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター)で4月10日に始まる予定だったが、新型コロナが欧州と北米に広がったことを受け、8月下旬に延期された。

ショーが例年開催されてきたJacob K. Javits Convention Centerは新型コロナ用野戦病院となった。患者は受けれ入れていない。しかし主催者によると、まだ病院として機能しており、先が見通せないために待機状態となっている。

同連盟の会長、Mark Schienberg(マーク・シェンベルク)氏は、ショーの構成を準備するには自動車メーカーや展示会のパートナーには「かなりの計画」が必要とされる、と記した。

「新型コロナで見通しが立たないため、2020年のショー開催の模索を続けるのは賢明ではないと判断し、その代わりさらにすばらしい2021年のショーに向けて準備する」と述べた。

「自動車販売業者の代表として、このコロナ危機が過ぎ去るときにニューヨーク地域、そして米国全体でかなりの新車需要が遅れて出てくると確信している」とシェンベルク氏は付け加えた。「このショーが消費者を誘導するプロセスでいかに重要かも理解している」。

関連記事:ニューヨークオートショーが新型コロナ懸念で8月に開催延期

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

アップルのWWDC20は6月22日開幕、初のオンライン開催

話は3月にさかのぼるが、テック企業が次から次へとオンライン限定の年次イベントを発表する動きにApple(アップル)も加わった。世界中のイベント開催者が深刻化するパンデミックによる新たな現実を受け入れようとする中で、Apple上級副社長のPhil Schiller(フィル・シラー)氏は当時、「デベロッパーコミュニティに新たな体験をもたらし、世界中の数百万のデベロッパーにリーチする画期的な方法になる」ことを約束した。

アップルは米国時間5月5日朝、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)と外出禁止の最中に開催されるWWDCがどのようなものになるか情報を出した。年次開発者会議は6月22日に開幕する。既に示されていたように、イベントは iOS、iPadOS、そしてMacOSのデベロッパー向けのオンラインセッションで構成される。全デベロッパーが、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトを通じて無料でカンファレンスに参加できる。物理的に集うことが制限されているためではあるが、こうした形でアップルがイベントを開催するのは、過去30年で初めてのことだ。アップルのサイトからアクセスできるようになることに、サンノゼマッケンナリーコンベンションセンターはもちろん青ざめているだろう。

プレスリリースの中で、シラー氏は不透明な時代に新たな方式を導入することについて、またもやポジティブな発言をしている。「WWDC20は世界の2300万人超のデベロッパーコミュニティが集う、これまでで最大規模のものになる。Appleプラットフォームの未来を学ぶために6月に1週間にわたって前例のない方法で開催される」と述べた。「グローバルのデベロッパーコミュニティと6月にオンライン上で顔を合わせ、デベロッパーがこれまで以上にすばらしいアプリやサービスを創造するのをサポートすべく現在取り組んでいる新たなツールを共有するのが楽しみだ」。

詳細はイベントが始まる半月ほど前に明らかになる見込みだ。アップルはまた、優秀者がWWDCノベルティをもらえるSwift Student Challengeを5月16日まで開催する。新型コロナウイルス(COVID-19)のために再調整された多数の他のイベントのように、アップルのような大企業のものであっても多少の不具合はあるかもしれない。そうだとしてもオンラインファーストの会議が、新型コロナの脅威が落ち着いた後に特例ではなく常態になるかどうか興味深いところだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

マイクロソフトが無料開催のオンライン版Build 2020の登録を開始

Microsoft(マイクロソフト)は、5月19日から20日まで、今年はオンラインのみで開催するBuild 2020デベロッパー・カンファレンスへの参加登録を開始した。

通常なら、このイベントには6000人以上のデベロッパーが参加する。しかし新型コロナウイルスのパンデミックのため、いつも通りの開催はできない。今年はGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスを完全に廃止したGoogleとは対照的に、マイクロソフトは仮想イベントとして開催することにした。これは非常に異例のBuildとなるが、オンラインのみの開催だからというだけではない。

まず基調講演が短くなる。ただし、第1日と第2日に、それぞれ基調講演の枠は確保されている。もう1つの違いは、デベコンの参加者のみに焦点を合わせることにしたこと。これは、以前に参加したデベロッパーからのフィードバックに、マイクロソフトのチーム応えたものだ。過去数年間、マイクロソフトは、Buildを消費者向け製品を発表する場としても利用してきた。GoogleがI/Oでそうするのと同じだ。しかし今年はそれはない。さらに基調講演でも、半年以上経っても利用できないような機能に先走ってスポットライトを当てるのではなく、デベロッパーがすぐに利用可能なもの、あるいはすぐに登場するか、数ヶ月のうちにはデベロッパーの手に渡る新機能について取り上げることになる。

マイクロソフトのCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、引き続き基調講演に登場するとしても、企業哲学についての大局的な話は減り、デベロッパー向けのツールやAPIについての話が増えることになるはずだ。

基調講演とデモの一部はライブで配信されるが、その他のコンテンツは事前に録画されたものとなる。それでも全体的に、Buildのルックアンドフィールは、これまでにリモートで視聴したことのあるデベロッパーの体験から、そう大きくかけ離れたものとはならないはずだ。とはいえ、期間は短くなり、これまでよりも集約されたものとなる。それは必ずしも悪いことではない。

米国ワシントン州シアトルで2018年5月7日月曜日に開催されたMicrosoft Developers Build Conferenceで、参加者がポッドの中に座っている様子。Buildカンファレンスは、シアトルで2年連続で開催され、同社のクラウドテクノロジーと、クラウドサービスとして提供される人工知能関連の機能に重点を置くものとなった(写真:Grant Hindsley/Gtty Images経由のBloomberg)

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

IPO果たしたChatwork、スペースマーケットの組織づくりと採用:TC School #17レポート2

TechCrunch Japanが主催するテーマ特化型イベント「TechCrunch School」第17回が1月23日、開催された。スタートアップのチームビルディングを一連のテーマとして展開する今シーズンの4回目、最終回となるイベントでは「チームを拡大する(拡大期の人材採用)」を題材として、講演とパネルディスカッションが行われた。

この記事では、パネルディスカッションの模様をお伝えする(キーノート講演のレポートはこちら)。千葉道場ファンドで取締役パートナーを務める石井貴基氏は、キーノートに続いてパネルディスカッションにも登壇。Chatwork代表取締役CEO兼CTOの山本正喜氏、スペースマーケット取締役CFO兼人事責任者の佐々木正将氏、エン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏を加えて、IPO前後の社内組織づくりや人材採用などについて聞いた。

Chatwork、スペースマーケットの設立からIPOまでの軌跡

まずは登壇者それぞれの自己紹介と、各社事業の簡単な紹介があった(石井氏の紹介については、キーノート講演レポートをご覧いただきたい)。

トップバッターは、Chatwork代表取締役CEO兼CTOの山本正喜氏。Chatworkは2000年、大学在学中に兄の山本敏行氏と正喜氏が兄弟で創業した企業で、実は20年事業を続けている。創業当時は兄・敏行氏がCEOで、正喜氏はCTOだった。

設立から11年目に、ビジネスコミュニケーションツールの「Chatwork」を正喜氏が中心となってリリースし、プロダクトの成長に合わせて社名も変更。2018年に正喜氏がCEO兼CTOに就き、2019年9月に東証マザーズへの上場を果たした。

2019年12月末時点での従業員数は106名。大阪本社、東京オフィスのほかにベトナム、台湾に拠点を置くChatwork。「働くをもっと楽しく、創造的に」をミッションに掲げる同社は、Chatwork以外にも、セキュリティソリューションのESETを扱っている。

「我々はChatwork以前から行っていたセキュリティ事業で収益を上げて、そこからChatworkへ投資していたので、外部から資金調達を行ったのは、結構後になってからのことだった」(山本氏)

代表取締役CEO兼CTO 山本正喜氏

Chatworkは2011年、国内ビジネスチャットプロダクトのパイオニアとして誕生した。電話やメールに代わるビジネスコミュニケーションツールとして、グループチャットのほか、タスク管理、ファイル共有、ビデオ・音声通話といった機能を提供。ビジネスチャットツールとしての利用者数は国内ナンバーワン、導入社数は24万6千社以上(2019年12月末日現在)に到達している。

IPOまでの売上の軌跡も紹介してくれた山本氏。設立から10年で既存事業が踊り場に来たときに、新たに投入されたプロダクトがChatworkで、「しばらくは苦しい時期が続いたが、2015年のシリーズAラウンドで資金調達を行い、そこからぐっと売上が伸びた」と説明する。設立以来の売上の比率は、集客支援(SEO関連)、ESET事業と移り変わり、長く会社を支えてきたが「いつまでも他社製品に頼っていてはいけない。自社製品をつくろう」として開発されたChatworkが、現在は売上の中心となっているそうだ。

続いては、2019年12月20日に東証マザーズへの上場を果たしたばかりのスペースマーケット佐々木氏からの自己紹介・事業紹介だ。佐々木氏は、スペースマーケットでCFOとしてファイナンスを担当しながら、人事責任者を兼任する。2017年にベンチャーキャピタルからの紹介で代表取締役CEOの重松大輔氏と出会い、ジョインした。入社後はコーポレートの組織構築、上場準備開始から着手し、ファイナンス、組織、経営管理を主に担当している。

スペースマーケットは、さまざまなスペースを1時間単位で貸し借りできる、スペースシェアリングのプラットフォームを運営するスタートアップだ。「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」をビジョンに掲げ、「世界中のあらゆるスペースをシェアできるプラットフォームを創る」ことをミッションに、2014年、代表取締役CEOの重松大輔氏が創業した。現在は約50人の従業員を擁し、1万2000件以上のスペースをサイトに掲載する。

スペースを借りたいゲストと貸したいホストをマッチングし、ゲスト手数料を5%、ホスト手数料を30%として、双方から手数料を得るビジネスモデルを採るスペースマーケット。現在は「全国47都道府県にある、種類もさまざまなスペースを掲載している」と佐々木氏は説明する。

「家を一軒貸すケースもあれば、部屋を一部屋、使っていない時間帯だけ貸すケースもある。住居だけでなく、オフィスの空き会議室や、空き時間の飲食店、スポーツ施設などもある。スペースマーケットで特徴的なスペースとしては廃校や、お寺といったものも提供されている」(佐々木氏)

スペースマーケット取締役CFO兼人事責任者 佐々木正将氏

利用用途として多いのは、パーティーなどの会合で使われるケースだそうだ。会議や撮影などにも使われるほか、ボードゲームの集まりで使われることも。「実現している世界としては、ママ会などが有用に使われる例となっている。子ども連れでも安心・安全に、レストランなどと違って気を遣わずに使える場として活用されている」(佐々木氏)

貸す側のニーズとしては「古民家で、全く使っておらず、維持費はかかるが壊すのはもったいないので、誰かに使ってほしい」という事例や、「取り壊し予定のビルで新たな賃貸契約は結べないが、壊すまでの間は時間貸ししたい」といった事例があるという。「少子高齢化で浮上している空き家問題解決の対策にも貢献できるのではないか」と佐々木氏は言う。

事業は2019年9月(2019年度3Q)時点でGMV(流通取引総額)が16億円規模まで伸張。GMVを因数分解し、「利用されているスペース数」と「スペース当たりの平均利用金額」も主要KPIとしているそうだ。全社総取扱高・営業損益については、「数値・コストを厳しく管理して、3Q時点で黒字転換。黒字でIPOを果たせるよう進めてきた」と佐々木氏は述べている。

佐々木氏は「今後、広告媒体としてのスペース活用により、法人向けイベントプロデュースやプロモーション支援なども強化していきたい」と話している。

シェアリングエコノミー業界に属する企業として、スペースマーケットには「業界全体の発展推進にも貢献したい」という意向もあり、代表の重松氏は、シェアリングエコノミー協会を設立し、代表理事も務める。「スペースマーケットではこれからも、新たなスペース利用の可能性を創造し、スペースシェアのモデルを確立していきたいと考えている」(佐々木氏)

TechCrunch Schoolの一連のシリーズのスポンサーとして登壇してきた、エン・ジャパン執行役員の寺田氏。今回のディスカッションでは、モデレーターを務めるTechCrunch Japan 編集統括・吉田博英とともに、進行役として参加してもらっている。

寺田氏はエン・ジャパンで2016年8月に、採用支援サービス「engage(エンゲージ)」を立ち上げ、中心となって運営している。engageは「誰でも採用が始められて続けられる」(寺田氏)ことをコンセプトに誕生したサービスだ。

「engageでは、エン・ジャパンが求人サービスを提供する中で得たエッセンスやノウハウを応用し、企業独自の採用ページを、クックパッドのレシピが投稿できる人なら誰でも作成できるようにした。また採用情報がつくれても、応募が集まらなければ続けられないので、オンラインの採用マーケティング機能も強化してきた。IndeedやYahoo!しごと検索、Google しごと検索といった求人のメタ検索エンジンにも自動連携し、求職者にリーチすることができるようにしている」(寺田氏)

寺田氏は「LINEキャリア」を運営するLINEとのジョイントベンチャー、LENSAの代表取締役も務めており、LINEキャリアへの求人情報掲載無料も実現している。

engageは2020年1月現在、25万社が利用。スタートアップから大手企業まで多くの企業の採用に活用されている。スタートアップでは「本業にデザイナーやエンジニアのリソースを集中したいというニーズが大きい一方、採用広報やHR担当者にはテクニカルスキルが十分でなく、情報発信が難しいことも多い。そういう方でも簡単に採用情報を発信できるということで利用されている」とのこと。

また、大手企業の場合は「会社としての採用情報は公開されているが、セールス部門とエンジニアリング部門ではカラーがかなり違う、といったこともある。そういう各部署でチームメンバーを募集するために利用されることもある」そうだ。

事業の信頼性、安心感がIPOで社会に広く伝わる

ディスカッションではまず、昨年マザーズ上場を果たしたばかりの2社に「なぜ、このタイミングで上場したのか」という質問が投げかけられた。

Chatworkの山本氏は「自己資金で黒字経営でずっと来ていたので、元々は上場する気はなかった」としながら、「Chatworkのビジネスをきっちり成長させるには、資金調達やIPOというモデルが合っていた」と話している。

「成長するSaaSほど、初期は赤字になると言われている。Chatworkはユーザー数も大変増え、チャーンレートも低く、伸びるとは分かっていたが、エンジニアをたくさん採用すると大赤字になっていた」(山本氏)

同社には黒字経営のポリシーがあり、Chatwork事業も「ほかの事業を食い潰しながら、我慢しながらやっていた」という山本氏。だが、2015年ごろ、ビジネスチャットのカテゴリが盛り上がりを見せ、サンフランシスコやシリコンバレーのスタートアップエコシステムの中でも資金調達が活発になる。日本では先行していた同社としては「Chatworkを利用する顧客のためにも、会社のポリシーよりプロダクトの成長にコミットすることを決断した」そうだ。

「ビジネスチャットはコミュニケーションの根幹を預けるインフラビジネス。そこへの信頼性という点でも上場は向いていたし、モデルとしてもエクイティで成長させるというのが向いていた。資金調達から、順調に背徴させて、無事上場することができた」(山本氏)

スペースマーケットの佐々木氏は、上場を前提にCFOとして同社に入社している。「投資契約の上場ターゲットが2019年だった。私が2017年に入社した後、一番最初にやった仕事が、主幹事会社の選定だった」と振り返る。その後も事業計画の変更など、2019年の上場を目指して準備を進めていったという佐々木氏だが、「最後の最後、上場承認が発表される1〜2週間前になって、バリュエーションなどの話で社内で議論となり、(ボードメンバー間で)悩んだ」と明かす。

それでも上場したのは「スペースシェア、シェアリングエコノミーについて、個人のデリバリーサービスへの不安やアメリカの民泊サービスでの事件などがあった中で、スペースマーケットは『安心・安全に使ってもらえるサービスだ』と社会に知ってもらいたい」(佐々木氏)との思いからだったそうだ。

石井氏が創業したアオイゼミでも「IPOストーリーで考えてはいたが、具体的に上場を考える手前でM&Aとなった」とのこと。石井氏自身は「IPOという世界を見たことがない」として、2人の話に「勉強になる」と述べていた。

IPOまでの社内組織の変化・変更点

続けて「IPO前後の社内組織の変化や、変更した点はあるか」との問いに、佐々木氏が答えた。

「IPO後の方は1カ月ほどしかないが、前について言えば、アーリー・ミドル期からレイターへ移るころに変化はあった。ミドル期ぐらいまでは、何もできていない状態なので、チャレンジをすれば当たる確率が高く、やれば伸びる、という状況だった。そこから上場を見据えて利益づくりに動くようになると、施策の精度や予算達成が求められるようになる。だから去年1年間ぐらいは、社内的には閉塞感を感じていたメンバーもいたかもしれない。それが上場承認を社内で発表した途端に雰囲気が明るくなり、『また新しいチャレンジをしていこう』というモードになっている」(佐々木氏)

組織変更については「IPO後の1月から早速、権限委譲を始め、部長職の擁立などを進めている」と佐々木氏は話している。

山本氏も「うちもIPOからそれほど間がない」と前置きしつつ、上場前後で「あまり大きな変化はなかったように感じる」と述べている。「よく言われることだが、IPO申請期は事業計画の蓋然性の証明がきつい。売上・利益を計画の上下5%に収めるように、というかなりの『無理ゲー』をみんなクリアしなければいけない。ただ僕らはそれほど大変ではなかった。そこはSaaSビジネスの強みだが、変動が小さく、数字が読みやすいこともあって、計画周りではそれほど苦労しなかった」(山本氏)

組織については「上場というよりは、資金調達前後で変わっている」と山本氏は言う。「もともと30人ぐらいのスモールビジネスで15年やってきて、社員満足度が大事という『ファミリー』なカルチャーだった。資金調達後は、Excelで言えば2次曲線を描くような成長を求められ、後半は特に新規事業づくりなど、やり遂げるためのプレッシャーがかかる。以前は知り合いの紹介で社員が入社して、離職も少ない会社だったところを、18億円調達して『使わなければならない』ということで採用を活発にして、1年でそれまでの倍の50人になった」(山本氏)

急な人数増、というだけでなく、「それまでのファミリーなカルチャーの人に対して、少し山っ気のある『一発当ててやろう』というような人も入ってくるようになり、カルチャーの衝突が起きた」と山本氏は振り返る。「会社としては、スケールさせる組織のカルチャーや事業の仕組みにアップデートしていかなければならないので、アジャストするんだけれども、変わりきれない部分もあり、そこがぶつかって組織崩壊も何度か経験し、2016〜17年ぐらいはしんどかった」(山本氏)

その後「アップデートの仕方を経営陣も学んで、50人の壁を乗り越えるメドがつく頃には組織も落ち着き、IPO前後には安定していた」(山本氏)ということだ。

IPOに関連して寺田氏が「社員が盛り上がったタイミングはいつだったか」と聞くと、佐々木氏は「上場承認日だった」とのこと。「15時に有価証券届出書がウェブで公開されるのだが、これが社内での発表前だったので、社内はザワザワしていた。15時半ごろに、社内でも正式に公表した」(佐々木氏)

一方の山本氏は「IPOの発表は盛り上がったことは盛り上がったけれども、盛り上げすぎないように気をつけていた」そう。「スタートアップの失敗談として、IPOを目標にしすぎると、IPO後ヤバいと聞いていたので、離脱や燃え尽きが起きないように、発表前から繰り返し『IPOはゴールではなくてスタートだ』と話していた。『IPOは、運転免許が取れたようなもの。我々はやっとクルマに乗れるようになったところ』と社員には説明していて、上場当日も意図的に盛り上がらないようにして、『社会的責任が出たから、これからもがんばろうね』という話をした」(山本氏)

IPOに向けた採用・事業での取り組み

IPOに向けて、集中して取り組んだ採用や事業についても、2人に聞いた。

佐々木氏がスペースマーケットに入社したのは2017年1月だが、「直前の2016年冬は業績が良かったのに、入社後の1月から3月はあまりよくなかったので、騙されたと思った(笑)」という。そして3月、千葉道場に参加した佐々木氏は、あるスタートアップのCEOにKPIの生データを見せてもらい、やり方を持ち帰って細かいKPI管理を行うようになった。

「スペースマーケットの掲載物件には、いろいろな場所、用途がある。ユーザーも法人、個人ともにいて、エリアもさまざま。料金も数百円から100万円まで幅広い。そうしたサービスを数字で判断するということを、2017年から始めた。2017年4月から6月は毎日KPIをみるようにしたところ、夏ごろから施策の精度が段々上がっていった」(佐々木氏)

千葉道場ファンド取締役パートナー 石井貴基氏

ここで石井氏から「KPIをゴリゴリ管理するようになって『社風が変わる』ではないが、既存メンバーから嫌がられなかったか」と佐々木氏に質問があった。

佐々木氏は、「確かに当初は嫌がられたが、重松氏が『新しいことをやろう!』という部分を担当した」と回答。自身が数字管理などの「厳しい方」を担当することで棲み分けを行ったということだった。

山本氏も、IPO前の数字の管理については「かぶるところがある」と話す。「IPOに向かう前は、事業が当たって勝手に伸びていく、といった具合で、フィーリングで経営していた。しかしVCからの投資が入ってからは、『ケーパビリティを超えることをやろうとしているのに、科学的にやらなければ実現は無理だ』ということで、なぜうまくいっているのか、数字を解明することから始めた。ひたすらデータ化し、分解しまくって、巨大なスプレッドシートに何百個というデータを最初は手作業で入力し、それを徐々に自動化して、データの見える化に3年ぐらいかかった」(山本氏)

山本氏は見える化によって「ようやくファクトで議論できるようになった」といい、「経営や事業は、科学しないとスケールしない」と語っている。

また山本氏は、役員からのトップダウンで組織で経営するにあたっては「経営会議をしっかり開くことも有効だった」と話している。ボードメンバーは5人。経営の意思決定が進まないという課題に対し、経営会議を週3回の頻度で開催するようにしたが、「話すことはなくならなかった」と山本氏はいう。

監査役も入った正式な会議を週2回、週1回はボードメンバーだけで集まって、よもやま議論を行っていくことで「ボードメンバーの結束が高まった」と山本氏。「今は週2回実施となったが、今でもまだまだ話すことがある。経営会議の頻度で、経営陣、社長と役員が一枚岩になったことは、100人の組織の壁を乗り越えるためのひとつのプラクティスでもあるのかなと考えている」(山本氏)

CEOでもあり、CTOでもある山本氏には「経営会議ではCEO、CTOのどちらの立場として発言するのか」との質問も投げかけられた。山本氏は「話題によって、帽子をかぶり分けている」と答えている。

「これは結構難しいのだけれども、経営会議ではCEOの帽子をかぶらざるを得ないときが多い。ボードメンバーのひとりに開発本部長、VPoE的な役割のメンバーがいるので、必要なときには、彼にCTO的な立場を取ってもらって、自分は結構厳しいフィードバックをするようにしている」(山本氏)

目的達成に影響を与えたキードライバーは?

エン・ジャパンの寺田氏からは2社に「どんなKPIを見て、それをどう上げていったか」という問いかけがあり、それぞれの目的達成に強く影響を与えた「キードライバー」について、佐々木氏、山本氏に聞いていくことになった。

スペースマーケットの佐々木氏は、同氏の入社以前の2016年までは「なぜ事業が伸びているのかは、しっかり分析できていなかった」という。そして「特にどの指標がキードライバーだったとは言えないが、要因分析をすることは重要だ」と話している。KPIのレポーティングは、「エンジニアやデザイナー、PMがそれぞれ行っている」そうだ。「CVRや利用率、利用額、高額利用の金額など、四半期ごとに確認するKPIを変えているので、追う数値が何かによって担当を変えている」とのことだった。

Chatworkの山本氏は「事業のキードライバーは、2つのエンジン。ひとつはフリーミアムモデルで、もうひとつがダイレクトセールスモデル」と答える。

「Chatwork事業は、無料利用のユーザーが機能を開放して有料コースを使うようになる、フリーミアムモデルでスタートしている。最初はそれしかなかったが、資金調達前は、それで自然成長していた」(山本氏)

しかし自然成長だけでは「VCが要求する成長に間に合わない」タイミングが来る。資金調達後はそこから成長をさらに加速するために、フリーミアムモデルに加えて、ダイレクトセールスモデルを立ち上げたと山本氏はいう。

「BtoB、SaaSモデルではむしろこちらがメインだと思う。マーケティングチームが見込み客のリードを展示会などのイベントで集めて、そこから電話でアポイントを取り、セールスが訪問して、1〜2カ月のトライアルはあるが、はじめから有料でサービスが始まる、直販モデル。それをやることを前提に調達したので、調達後に我々がまずやったことは、営業がゼロの状態から、営業部、マーケティング部を作ることだった」(山本氏)

もともとはエンジニア中心のChatworkには、営業、マーケティングで入った人材とは「カルチャーが全然違う」状況だったが、それを両方やる、あるいは営業側を推していかなければならない。山本氏は「フリーミアムでいいものを作ればプロダクトが広がる、というのはアーリーアダプターまで。そこから先のマジョリティ層は、自分で良いものがないかとプロダクトを探したりはしない。プッシュマーケティング、プッシュセールスが必要」として、開発と営業の両部門を担当し、「知ってもらわなければ」という文化へカルチャーの変革に乗り出した。

「カルチャーを変えることはすごく大変だったが、4〜5年かけて、フリーミアムとダイレクトセールス、両方のエンジンがあったからこそ、成長が2次曲線になった」(山本氏)

採用時の体験入社は強くおすすめしたい

キードライバーを加速させるための採用戦略について聞かれて、山本氏は次のように答えている。

「Chatworkの調達資金の使途は、マーケティングと開発が多く、エンジニアとビジネス系人材をほぼ同数、採用していた。調達しているスタートアップでは、ビジネス系人材の採用ではエージェントを使うのがスピードが早いと思う。ただし紹介を依頼すればいい人が採れるかというと、そういうわけでもない。ただ候補者リストが流れてくるだけで、ヒットする人材が見つからず、うまくいかないことも多い。エージェントを使いこなさなければ、いい採用にはつながらないだろう」(山本氏)

山本氏はエージェントを活用した採用でうまくいったケースとして「小さな人材紹介会社の社長と仲良くなって、こちらの思いを語り、ファンになってもらったことをきっかけに、向こうも『うちを人事部と思って使ってくれ』と言ってくれるようになった」という例を紹介した。

「どういう人が欲しいかが伝わると、とても(質の良い)熱いリストを用意してくれるようになる。そうして2〜3社と濃く付き合うようになった」(山本氏)

ちなみに「初期には採用計画といったものは特になかった」と山本氏は言う。石井氏も投資家の立場から考えても「採用計画は用意してもらうとしても、必ずしも当てにはならず、そこまで厳密にはできないと思う」と述べている。

「上場が近づくとようやく、計画通り採用できるようになる」という山本氏。スタートアップがスケールするときの人材採用について、「シニアマネージメントや、マーケティングスペシャリスト、スーパーエンジニアといった、成長にとって欠かせないケーパビリティを持つキーパーソンに、いかにいい人が採用できるかが肝。そういう人が採用できれば、その人の下にメンバーを入れていけばいいので、組織はスケールする。そこで失敗すると、半年、1年遅れてしまう」と語っている。

佐々木氏は、経営管理チームだけでなく、エンジニアでも数字も読みながら開発の優先順位が決められるという人材を重視していたということで、「エンジニアとコーポレートの採用については注意していた」と話す。一方で「キーマンを採用した後は、カルチャーフィットを重視しながら、ほぼ未経験の人も採用してきた」そうだ。

スペースマーケットでは、経理未経験で営業事務として入社した人材が、入社3年で決算までできるように成長した例もあるという。財務担当者も新卒2年目で、エンジニアにも未経験者を採用しており、うまくいっているそうだ。

人材エージェントについては「コミュニケーションがうまく取れなくて、50人の候補で1人しか入社しないといった結果になった」と佐々木氏。「給与水準が高くない上に、選考中に1日インターン体験を組み込んでいて、選考ステップが重いことも理由としてある。課題をハックしてもらい、たくさんの社員と面談してもらう1日体験を実施することにより、採用ミスマッチは少なくなるが、早く採用を決めたいエージェントからすると、あまりうまみがないだろう」(佐々木氏)

採用の窓口としては「Wantedlyが6〜7割、次いでGreenとリファラルで2〜3割ぐらい」と佐々木氏は言う。そのほかに「ブログや勉強会などで発信を行い、新しい技術導入もアピールし、スタートアップに興味のあるエンジニア界隈を引きつけることで、採用フィーをかけずに人材を獲得するようにしている」(佐々木氏)

体験入社では「マーケティングならダミーデータを用意して、マーケティング施策を2時間で考えて、といった課題を出す。実際に近い仕事を実践してもらうことで、入社する人にとっても業務がイメージしやすくなる」(佐々木氏)

体験入社については、Chatworkでも実施しているとのことで、山本氏も「体験入社は、カルチャーギャップや入社時のミスマッチが本当になくなるので、メチャクチャおすすめする」と話していた。

Google I/O 2020もまた新型コロナのために開催中止

Googleは、マウテンビューで5月に予定していたI/Oデベロッパー・カンファレンスの開催をキャンセルした。FacebookがF8をキャンセルし、Google自身も4月に予定されていたCloud Nextをデジタルオンリーのカンファレンスに移行した後ではさして驚きとはいえない。

I/Oは2020年5月12日から14日に開催される予定だったが、新型コロナウイルスに対する懸念のためキャンセルされることとなった。Googleは参加予定者にキャンセルを通知するメールを送信した。

【略】

Cloud Nextカンファレンスと異なり、Googleはキーノートやスタートアップのプレゼンなどのセッションをリモートでストリーミングする計画を(今のところ)発表していない。ただしGoogleの声明はその可能性を排除してはいない。

参加者予定者にはチケット料金が払い戻され、2021年のイベントに参加する場合は「チケット購入の抽選」は免除される。 またこのキャンセルによるマウテンビュー近隣地区への経済的影響を緩和するためGoogleはスモールビジネスや生徒のSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリグ、数学)やコンピュータの学習振興を図る団体に100万ドル(約1億1000万円)の寄付を約束した。

Googleが2008年にI/Oカンファレンスをスタートさせて以来、今回が初めてのキャンセルとなる。当初はサンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されていたが、会場はマウンテンビューのGoogle本社に近い野外劇場であるショアライン・アンフィシアターに移された。例年5000人前後がこのイベントに参加する。Googleは開発者向けの最新ツールと一般ユーザー向けのプロダクト多数をここで発表してきた。 2019年には、このイベントでPixel 3aも登場した。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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滑川海彦@Facebook

Nvidiaの開発者イベントGTCは新型コロナ懸念でオンラインでのみ開催

Nvidia(エヌビディア)は3週間後に開催予定で、1万人の参加者がサンノゼに集うGPU Technology Conference(GTC)を中止する。この決定を「新型コロナウイルスに対する懸念の高まり」のためだと同社は説明し、可能な限り多くのコンテンツをオンライン上で提供するように努めると述べた。

NvidiaはGTCページのアップデートで「Jensen(ヤンセン)氏は引き続き基調講演を行い、発表内容を共有する。さらに、講演者による話を共有できるように努力する。これらはすべて、オンラインで実施される」と説明している。

GTCは3月22日から5日間。サンノゼのコンベンションセンターで開催される予定だった。イベントには約250社の企業が出展、参加し、GPUやハイパフォーマンスコンピューティングの最新アプリケーションに関する、プレゼンテーションや講演を行うはずだった。

残念なことに、GTCはGame Developers Conference(GDC)Mobile World Congress(MWC)F8といった数多くのイベントと同じ道をたどった。世界中の旅行者が集まることが新型コロナウイルスの温床になっているのではないかという懸念が、その理由だ。

かなりの数の出展者と参加者がすでに参加をキャンセルしたり、参加に疑問を呈していたことは間違いない。すでに多くの企業がさまざまな理由で、海外渡航を制限している。

GTCのイベントパスを購入した者は、誰でも全額払い戻しを受けることができるが、Nvidiaは少なくともプログラムの一部をサルベージしたいと考えている。

同社は今回の決定に関するブログ投稿で「今後数週間のうちにカンファレンスの講演者と協力して、そのオンライン公開を開始する予定だ」と記している。また「さらに、Nvidiaの開発者プログラムに登録していた参加者のために、研究者、エンジニア、およびソリューションアーキテクトと技術的な質問に答えるためのスケジュールを組む予定だ」としている。

コンテンツを含むすべてのアップデートは、GTCの公式ページに今後追記される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

「千葉道場とファンドで起業家育成のエコシステムを作る」:TC School #17レポート1

TechCrunch Japanが主催するテーマ特化型イベント「TechCrunch School」第17回が1月23日、開催された。スタートアップのチームビルディングを一連のテーマとして展開する今シーズンの4回目、最終回となるイベントでは「チームを拡大する(拡大期の人材採用)」を題材として、講演とパネルディスカッションが行われた。

この記事では、キーノート講演の模様をお伝えする。登壇者は千葉道場ファンドで取締役パートナーを務める石井貴基氏だ。自らもアオイゼミを創業し、Z会へのM&Aを実施した石井氏からは、起業家としての創業からエグジットまでのエピソードと、現在参画する千葉道場の起業家を支える取り組みについてが語られた。

起業家としては情報弱者だった創業期

石井氏は新卒でリクルートに入社。SUUMOの広告営業に従事した後、ソニー生命に転職し、生命保険の販売を行っていた。販売活動の一環で、ライフプランのコンサルティングも行っていた石井氏は、ファイナンシャルプランナーとして、さまざまな家庭の家計を見ていく中で、どの世帯でも教育費負担が非常に多いと感じる。これが起業のきっかけとなり、ライブストリーミングを使って、いい先生から安く学べる学習塾として、オンライン学習塾のアオイゼミを立ち上げた。

アオイゼミはライブストリーミングで授業を配信する、中高生向けオンライン学習塾だ。創業は2012年。石井氏は2019年3月に代表を退任したが、当時の登録生徒数は60万人以上と日本最大級に拡大した。「学習塾としての実績もついてきて、難関大学への合格者も輩出するようになっている」(石井氏)

北海道・札幌出身の石井氏は、函館の高校、東北の大学に進学し、就職では札幌に戻る形となったため、「会社を作るまで東京に出たことがなかった」そうだ。当時はスタートアップ立ち上げのための教科書もなければ、情報もなかったと振り返る石井氏。初めての上京が起業、という境遇で、石井氏が創業の地に選んだのは、中野だった。

「東京のビジネスの中心は新宿だろう、ぐらいにしか思っていなくて、中野なら新宿からも近いからベストではと考えたんですよね。その後、よく見渡してみたら『ベンチャーの中心地って渋谷なんだ』と気づいて、失敗したなと思いました(笑)」(石井氏)

立ち上げ当初はお金もなく、1LDKに創業者の3人で生活していたそうだ。生徒が塾を利用するのは夜間なので、日中はアルバイトで出稼ぎをして、夜にオンライン学習塾を配信するという日々。「極貧生活で体重が15キロ減った」と石井氏はいう。

今でこそファンドのパートナーという立場の石井氏だが、アオイゼミ創業初期はベンチャーキャピタルを紹介されて「投資家って何だ?という感じで、うさんくさいと思っていた」という。それがいろいろと話を聞いて、今度は「株式発行するだけで数千万の大金を、無担保無保証で出してくれるなんて、これは使わない手はない! じゃんじゃん株式発行すればいいじゃないか」と思ったそうだ。「起業家としては完全に分かってない、リテラシーの低い情報弱者だった」(石井氏)

買収後のアオイゼミ退任を決めた深セン訪問

暗黒の創業期を1年半ほど経た2013年、現・千葉道場ファンドの代表で、エンジェル投資も行う個人投資家・千葉功太郎氏と出会った石井氏は、シードラウンドで4000万円の資金調達を実施した。その後、ジャフコからの調達や、KDDI Open Innovation Fundらからの調達を実施。2015年のシリーズAラウンド調達までは「VCや、教育とは縁のない事業会社からしか調達していなかった」という石井氏だが、次のファイナンスのために動く中で、コンテンツ獲得のために既存のリアルの教育事業者と組むことも検討し始めていた。

「学習塾のツラいところはコンテンツ確保で、大学別の対策講座などをやろうとすると、とても大変。そういったコンテンツを持っている会社から出資してもらって、一緒にやった方がいいのではないか、ということで資本業務提携に動いていた。それでZ会と話していたときに、『マイノリティ出資で一緒にできることは限られている。それなら完全に一緒にやらないか』というオファーをいただき、サービスの成長のためには最適のパートナーではないかと考えて、2017年11月にM&Aを果たした」(石井氏)

通信教育で知られてきたZ会グループは、傘下に栄光ゼミナールを持つなど、教育事業を総合的に広く展開するが、「大手とはいえ、教育はレガシーな産業。彼らも私たちのようなテック系を取り入れたかったのだと思う」と石井氏はいう。M&A後は想定していたコンテンツ強化を進めたほか、家庭教師マッチング(現在はサービスを休止)やリアルな塾でオンライン授業の一括配信など、グループ会社と連携して新しい事業を開発していった。

石井氏としては買収後も「特に退任の時期を決めていたわけではなく、もう数年やろうと思っていた」というアオイゼミ。代表退任のきっかけは2019年1月、千葉道場のコミュニティ有志メンバーと中国・深センを訪問したことだった。

「中国では公立の図書館の自習室で、ほとんどの子どもたちがタブレットやスマホを使って、動画で勉強していた。一方、日本国内では、私たちのアオイゼミや競合の『スタディサプリ』などがあるけれども、思った以上にオンライン学習の普及が進んでいない。教育の格差をゼロにして、誰でも立身出世できる世の中にしたい、と会社を作ったが、中国と日本のギャップを見た時に想像以上に衝撃を受けて、ピンと張っていた糸が切れたような感じになった」(石井氏)

石井氏は深セン訪問時の心境について「もしかしたら多くの日本の人たちにとって、オンライン学習はそこまで求められていないんじゃんないだろうか、とも考えたし、日本の教育業界に、これ以上自分の時間を使うことに意義が持てなくなった」と述べている。

1月半ばに深センを訪問した石井氏は、翌週の取締役会で代表退任を宣言。2019年3月、創業した会社を去ることになった。退任後はしばらくの間、東南アジアを中心に旅行していたという石井氏。英語力を鍛えるために、セブ島、シンガポールへ留学もしていたそうだ。

こうして石井氏がフリーの時間を過ごしていた、2019年夏のこと。アオイゼミでエンジェル投資を受けていた千葉氏から「暇だったら千葉道場の運営を手伝ってよ」との声がかかった。石井氏が「以前から参加していた、コミュニティのサポートでもやるのかな」と思い、何を「手伝う」のかよく聞かずにOKの返事をしたところ、「今度ファンドを立ち上げるんだよね」と千葉氏。「気づいたら取締役になっていました」と笑いながら、石井氏は千葉道場ファンド参画のいきさつについて語る。

口外無用、徹底的GIVEの精神で支え合う千葉道場

千葉道場はスタートアップ約60社が参加する、起業家コミュニティだ。ミッションに「Catch The Star(星をつかむ)」、ビジョンに「まだ見ぬ幸せな未来を創造し、テクノロジーで世界の課題を解決する」を掲げる千葉道場について、「スタートアップ起業家が高い視点を持ってチャレンジし、レバレッジがより効きやすい、新しいテクノロジーを活用することを大切にしている」と石井氏は説明する。

そもそも千葉道場コミュニティは、石井氏と、元ザワット創業者の原田大作氏とがKDDIのアクセラレーションプログラム「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」で出会ったことがきっかけとなって始まっている。ザワットは2011年創業で、フリマアプリ「スマオク」などを運営。2012年創業のアオイゼミと同様、千葉氏からのエンジェル投資を受けていた。

両社は組織づくりや資金調達で悩みを抱え、「お互いに1年ぐらい、ツラいことが起きていた」(石井氏)という。そこで「同じようなステージの起業家を集めて、飲み会でもやってみよう」と企画。共通の出資者である千葉氏にも相談してみたところ、「せっかく集まるなら、きちんとプログラムを練ってやってみたらどうか」とのアドバイスを受け、2015年に第1回の千葉道場合宿を鎌倉の寺で開催することになった。

いざ開催してみると「実はもうすぐキャッシュが尽きる、とか、役員が辞めそう、といった生々しい話が多く、『これは外では話せない』ということばかり。同じ起業家として何とか助けてあげたい、という気持ちが膨らんだ」(石井氏)

そこで、千葉道場は徹底した「秘密厳守」と徹底的な「GIVEの精神」で支え合う、起業家のためのコミュニティへと発展。その象徴的存在が、通称「血判状」と呼ばれる、合宿参加者の連判状だ。「実際には(血ではなく)朱肉で拇印を押すんですが、毎回『千葉道場で見聞きしたことは、参加者以外には一切口外しないことを約束する』と改めて誓い合う、というものです」(石井氏)

半年ごと、年2回開催されている千葉道場の合宿では、それぞれの起業家から“過去”“現在”“未来”が共有される。失敗をほかの起業家が繰り返さないよう伝えるのが「過去の共有」、新しいテクノロジーを事業に取り入れる方法など、経営ノウハウについて語るのが「現在の共有」、そして未来のために目線を上げて目標を見つめていく「未来の共有」だ。

「CEOといえども、やはり目先のことにとらわれがちで、創業時に思い描いていた、遠い未来のことを忘れてしまうこともある。視点を上げて次の半年間もがんばっていこう、という場を作っている」(石井氏)

現在は半年に1回の合宿だけでなく、特許庁や東京証券取引所などと合同で勉強会も開催されている千葉道場。「少人数ではアクセスしにくいところにも、集団なら対応してもらえるので、情報を聞かせていただいている」(石井氏)

2030年までにユニコーン100社創出を目指す

千葉道場に参加するスタートアップは、ヘルスケア、D2C、シェアエコノミー、SaaS、住宅テック、アグリテックなど、幅広い。その中には、SmartHRWealthNaviスマートニュースなど、既に名の知られたスタートアップも含まれる。

エグジット済みの企業もいくつか出ている。2017年にはザワットをメルカリが買収、宿泊予約サイト「Relux」運営のLoco PartnersをKDDIが買収アオイゼミをZ会が買収と、参加企業のエグジットが続いた。また2019年にも、タウンWiFiがGMOインターネットグループに株式譲渡している。

さらに2019年12月には、千葉道場参加企業の中からの初のIPO案件として、スペースマーケットが東証マザーズへ上場した

「千葉道場が始まって5年間、半年に1度ぐらいしか集まらないが、一緒に成長してきた仲間という感覚がすごく強い。スペースマーケットさんも苦労されてきたことがある程度分かるので、東証の上場セレモニーで鐘をたたく姿を見られて、何とも幸せなことだと正直すごく熱くなってしまった。こういった(千葉道場発の)IPO案件は、これからも増やしていきたい」(石井氏)

石井氏からは、千葉道場参加企業の時価総額別の分布も紹介された。ユニコーン(時価総額10億ドル以上の未上場企業)も現在2社ありつつ、10億円以下の企業から300億円超企業まで「バランス良く含まれている」と石井氏は述べている。

千葉道場のコミュニティには数値目標が設定されている。「2025年までにユニコーン企業を25社、1兆円企業を1社創出する」、さらに「2030年までには100社のユニコーン企業、5社の1兆円企業を生み出したい」というものだ。「既存のメンバーの中からもユニコーンが生まれる確率は高いと思っているが、この目標を実現するためには、もっと多くの会社に投資をしなければならないだろう」と石井氏はいう。

起業家コミュニティから生まれた千葉道場ファンド

ベンチャーキャピタルとしての千葉道場ファンドの設立は、2019年にシリコンバレーで行われた第10回千葉道場で発表され、投資活動が始まった。千葉氏がジェネラルパートナー、石井氏がパートナー、原田氏がフェローを務める千葉道場ファンドの設立は、10月にはメディアにも公開され、本格的に始動した。

ベンチャーキャピタルが出資先を集めてコミュニティ化するのではなく、千葉道場という起業家コミュニティがファンドを持つ、という形は「通常とは逆の事例で、世界的に見ても珍しい取り組みではないか」と石井氏は語る。

また、エグジットした起業家が外に出て、そこからファンドの運営に入る、という点も千葉道場ファンドの特徴だ。「私も今まさに、プロ投資家としての経験を積んでいるところ。投資家の側に立つと、起業家と違う視点になるので、すごく学びが多い。恐らく次に会社を作ったら、ある程度失敗を防げるのではないか。そうした経験を積んで、もう一度会社を作ったときに、より強い起業家として千葉道場のコミュニティに入る。そこで起業したときにはファンドから投資を受ける。このような形で新しい起業家の育成システムを作れれば、という思いでやっている」(石井氏)

「千葉道場ファンドは投資対象も特殊」と石井氏はいう。「私たちはコミュニティファンドなので、コミュニティに入っていただくためのシード・アーリー投資と、最後に『行ってらっしゃい』というときの後押しのレイター投資、基本的にこの両端にしか投資しない」ということで、中間フェイズについては「ほかのVCや事業会社と連携しながらスタートアップを育成していきたい」と石井氏は述べている。

その他、サポート体制としては、コミュニティの仲間同士で支え合い、教え合うということもありつつ、「いろいろな経験を積まれた投資家、起業家にメンターとして入っていただいている」と石井氏。企業とも連携し、特許業務や採用、ディープテックの分野でアドバイスを受けられるようになっているそうだ。

「千葉道場のミッション『Catch The Star』を少しでも多く広げていくことが、日本のスタートアップシーンにとって、すごくいいことにつながっていくと信じて、引き続きがんばっていきたい」(石井氏)

【増席しました】いよいよ1月23日開催!TC School #17「チームビルディング〜チームを拡大する」

TechCrunch Japanは通算17回目となる「TechCrunch School」を2020年1月23日に開催する。今回もスタートアップのチームビルディングに焦点を当てたイベントで、2019年の4月、6月、9月に続いて4回目だ。

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前回のTechCrunch Schoolの様子

2020月1月23日に開始するTechCrunch School #17は、「チームを拡大する(拡大期の人材採用)」をテーマとし、おなじみのキーノート、パネルディスカッション、Q&Aの3部構成となる。

キーノートには、千葉道場ファンドの石井貴基氏が登壇。千葉道場ファンドは、シード、アーリーだけでなくレイターステージのスタートアップを支援するために2019年10月に設立されたファンド。石井氏はパートナーを務め、ジェネラルパートナーである千葉功太郎氏とともにさまざまな業種のスタートアップの育成を進めている人物だ。

千葉道場ファンドの石井貴基氏

自身もアオイゼミというインターネット学習塾を起業した経験を持ち、2017年11月にはZ会ヘの同事業の譲渡も経験している。基調講演では、起業から事業譲渡までに得た経験や知識、千葉道場ファンドのパートナーとしてレイターステージのスタートアップが抱える問題などについて語ってもらう。

パネルディスカッションでは、石井氏のほか、ビジネスチャットツールを開発・提供しているChatworkの代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏、さまざまなスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォームを運営するスペースマーケットで取締役CFO兼人事責任者を務める佐々木正将氏、そしてエン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏の4名で、IPO後の人材採用についての方針や悩みなどを議論していく。Chatworkは2019年9月25日に東証マザーズに上場、スペースマーケットは12月20日に東証マザーズに上場予定だ。

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Chatworkの代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏

スペースマーケットでCFOを務める佐々木正将氏

そのあと、来場者を交えたQ&Aセッションを開催する。Q&Aセッションでは、おなじみの質問ツール「Sli.do」を利用して会場からの質問も募集し、その場で回答していく。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のベライゾンメディア・ジャパンのイベントスペース。Q&Aセッション後はドリンクと軽食を提供するミートアップ(懇親会)も予定している。

スタートアップの経営者はもちろん、スタートアップへの転職を考えているビジネスパーソン、数十人の組織運営に課題を抱えているリーダーなど幅広い参加をお待ちしている。なお、申し込み多数の場合は抽選となるので注意してほしい。

TechCrunch School #17概要
チームビルディング(4) チームを拡大する(拡大期の人材採用)
開催日時:1月23日(木) 18時半開場、19時開始
会場:ベライゾンメディア・ジャパンオフィス
(東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
定員:80人程度(申し込み多数の場合は抽選)
参加費:無料
主催:ベライゾンメディア・ジャパン/TechCrunch Japan
協賛:エン・ジャパン株式会社

イベントスケジュール
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート(30分)
19:45〜20:25 パネルディスカッション(40分) Sponsored by engage
20:25〜20:45 Q&A(20分)
20:45〜21:30 ミートアップ(アルコール、軽食)
※スケジュールは変更の可能性があります。

スピーカー
・キーノート
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏

・パネルディスカッション、Q&A
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏
Chatwork代表取締役CEO兼CTO・山本正喜氏
スペースマーケット取締役CFO兼人事責任者・ 佐々木正将氏
エン・ジャパン 執行役員・寺田輝之氏
TechCrunch Japan 編集統括・吉田博英(モデレーター)

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1月23日に開催迫る!TechCrunch School #17「チームビルディング(4) 〜チームを拡大する〜」セミナー参加者募集中

TechCrunch Japanは、「TechCrunch School」を2020年1月23日に開催する。今回もスタートアップのチームビルディングに焦点を当てたイベントで、2019年の4月、6月、9月に続いて4回目となる。

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前回のTechCrunch Schoolの様子

2020月1月23日に開始するTechCrunch School #17は、「チームを拡大する(拡大期の人材採用)」をテーマとし、おなじみのキーノート、パネルディスカッション、Q&Aの3部構成で進行予定だ。

キーノートには、千葉道場ファンドの石井貴基氏が登壇。千葉道場ファンドは、シード、アーリーだけでなくレイターステージのスタートアップを支援するために2019年10月に設立されたファンド。石井氏はパートナーを務め、ジェネラルパートナーである千葉功太郎氏とともにさまざまな業種のスタートアップの育成を進めている人物だ。

千葉道場ファンドの石井貴基氏

自身もアオイゼミというインターネット学習塾を起業した経験を持ち、2017年11月にはZ会ヘの同事業の譲渡も経験している。基調講演では、起業から事業譲渡までに得た経験や知識、千葉道場ファンドのパートナーとしてレイターステージのスタートアップが抱える問題などについて語ってもらう。

パネルディスカッションでは、石井氏のほか、ビジネスチャットツールを開発・提供しているChatworkの代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏、さまざまなスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォームを運営するスペースマーケットで取締役CFO兼人事責任者を務める佐々木正将氏、そしてエン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏の4名で、IPO後の人材採用についての方針や悩みなどを議論していく。Chatworkは2019年9月25日に東証マザーズに上場、スペースマーケットは12月20日に東証マザーズに上場予定だ。

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そのあと、来場者を交えたQ&Aセッションを開催する。Q&Aセッションでは、おなじみの質問ツール「Sli.do」を利用して会場からの質問も募集し、その場で回答していく。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のベライゾンメディア・ジャパンのイベントスペース。Q&Aセッション後はドリンクと軽食を提供するミートアップ(懇親会)も予定している。

スタートアップの経営者はもちろん、スタートアップへの転職を考えているビジネスパーソン、数十人の組織運営に課題を抱えているリーダーなど幅広い参加をお待ちしている。なお、申し込み多数の場合は抽選となるので注意してほしい。

TechCrunch School #17概要
チームビルディング(4) チームを拡大する(拡大期の人材採用)
開催日時:1月23日(木) 18時半開場、19時開始
会場:ベライゾンメディア・ジャパンオフィス
(東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
定員:80人程度(申し込み多数の場合は抽選)
参加費:無料
主催:ベライゾンメディア・ジャパン/TechCrunch Japan
協賛:エン・ジャパン株式会社

イベントスケジュール
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート(30分)
19:45〜20:25 パネルディスカッション(40分) Sponsored by engage
20:25〜20:45 Q&A(20分)
20:45〜21:30 ミートアップ(アルコール、軽食)
※スケジュールは変更の可能性があります。

スピーカー
・キーノート
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏

・パネルディスカッション、Q&A
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏
Chatwork代表取締役CEO兼CTO・山本正喜氏
スペースマーケット取締役CFO兼人事責任者・ 佐々木正将氏
エン・ジャパン 執行役員・寺田輝之氏
TechCrunch Japan 編集統括・吉田博英(モデレーター)

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TC School #17「チームビルディング(4) 〜チームを拡大する〜」は2020年1月23日に開催決定!

TechCrunch Japanは、「TechCrunch School」を2020年1月23日に開催する。今回もスタートアップのチームビルディングに焦点を当てたイベントで、2019年の4月、6月、9月に続いて4回目となる。

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VCが語る「エンゲージメントの基盤」:TC School #16レポート1
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前回のTechCrunch Schoolの様子

2020月1月23日に開始するTechCrunch School #17は、「チームを拡大する(拡大期の人材採用)」をテーマとし、おなじみのキーノート、パネルディスカッション、Q&Aの3部構成で進行予定だ。

キーノートには、千葉道場ファンドの石井貴基氏が登壇。千葉道場ファンドは、シード、アーリーだけでなくレイターステージのスタートアップを支援するために2019年10月に設立されたファンド。石井氏はパートナーを務め、ジェネラルパートナーである千葉功太郎氏とともにさまざまな業種のスタートアップの育成を進めている人物だ。

千葉道場ファンドの石井貴基氏

自身もアオイゼミというインターネット学習塾を起業した経験を持ち、2017年11月にはZ会ヘの同事業の譲渡も経験している。基調講演では、起業から事業譲渡までに得た経験や知識、千葉道場ファンドのパートナーとしてレイターステージのスタートアップが抱える問題などについて語ってもらう。

パネルディスカッションでは、石井氏のほか、ビジネスチャットツールを開発・提供しているChatworkの代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏、さまざまなスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォームを運営するスペースマーケットで取締役CFO兼人事責任者を務める佐々木正将氏、そしてエン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏の4名で、IPO後の人材採用についての方針や悩みなどを議論していく。Chatworkは2019年9月25日に東証マザーズに上場、スペースマーケットは12月20日に東証マザーズに上場予定だ。

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そのあと、来場者を交えたQ&Aセッションを開催する。Q&Aセッションでは、おなじみの質問ツール「Sli.do」を利用して会場からの質問も募集し、その場で回答していく。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のベライゾンメディア・ジャパンのイベントスペース。Q&Aセッション後はドリンクと軽食を提供するミートアップ(懇親会)も予定している。

スタートアップの経営者はもちろん、スタートアップへの転職を考えているビジネスパーソン、数十人の組織運営に課題を抱えているリーダーなど幅広い参加をお待ちしている。なお、申し込み多数の場合は抽選となるので注意してほしい。

TechCrunch School #17概要
チームビルディング(4) チームを拡大する(拡大期の人材採用)
開催日時:1月23日(木) 18時半開場、19時開始
会場:ベライゾンメディア・ジャパンオフィス
(東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
定員:80人程度(申し込み多数の場合は抽選)
参加費:無料
主催:ベライゾンメディア・ジャパン/TechCrunch Japan
協賛:エン・ジャパン株式会社

イベントスケジュール
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート(30分)
19:45〜20:25 パネルディスカッション(40分) Sponsored by engage
20:25〜20:45 Q&A(20分)
20:45〜21:30 ミートアップ(アルコール、軽食)
※スケジュールは変更の可能性があります。

スピーカー
・キーノート
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏

・パネルディスカッション、Q&A
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏
Chatwork代表取締役CEO兼CTO・山本正喜氏
スペースマーケット取締役CFO兼人事責任者・ 佐々木正将氏
エン・ジャパン 執行役員・寺田輝之氏
TechCrunch Japan 編集統括・吉田博英(モデレーター)

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CTO of the year 2019はLegalForce時武氏に決定

11月22日、東京・目黒の「AWS Loft Tokyo」で開催されたTechCrunch Tokyo 2019の関連イベント「TechCrunch Tokyo CTO Night 2019」は、パネルディスカッションと気鋭のスタートアップのCTO(最高技術責任者)によるピッチコンテストで構成される、CTOの祭典だ。

2014年から開催されてきたCTO NightとCTO of the yearを振り返るパネルディスカッションの後、ピッチコンテストでは、6名の審査員により、技術によるビジネスの貢献度について、独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営などを評価対象として審査が行われた。今年のコンテストには8社のCTOが登壇し、CTO of the yearにはLegalForce CTOの時武佑太氏が選ばれた。

■審査委員長
藤本真樹氏(グリー取締役上級執行役員/CTO)

■審査員
白井 英氏(Craft Egg、ジークレスト、サムザップ各社におけるCTO)
竹内 真氏(ビズリーチ取締役/CTO/CPO)
藤倉成太氏(Sansan執行役員/CTO)
名村卓氏(メルカリ執行役員/CTO)
塚田 朗氏(AWSシニア ソリューションアーキテクト)

■モデレータ
吉田博英(TechCrunch Japan編集統括)

時武氏は、LegalForceの提供する契約書レビュー支援サービス開発にあたって、エンジニアと弁護士とのギャップを、共通言語の定義や法務メンバーを開発に取り込む組織改革、AIシステム開発で弁護士向けDSLの導入で乗り越えたことをプレゼンし、見事に受賞。受賞の感想を「うれしいです。これから解決すべき課題はいっぱいあるので、これからの糧にしたい」と述べていた。

審査委員長の藤本氏は「毎年テクノロジーのスタックが広がっているのは面白い」と述べ、「受賞者はもちろん、どの会社もテクノロジーを地に足を付けてビジネスとして使われている」と評価。「また今後5年後振り返って、どの会社もすごくなっていればすごく面白い。そういう未来に向けてがんばっていってほしい」と総評した。

登壇8社CTOのプロフィール(登壇順)

RevComm CTO・平村健勝氏

2011年に東京工業大学大学院修了後、アクセンチュア入社。マネージャーとして通信業界を中心にCRM導入やデータサイエンス部門の立ち上げに従事。2018年6月よりRevCommに創業メンバーとして参画し、AI搭載型IP電話「MiiTel」のR&D及び製品開発を指揮。クラウドサービスの設計、システムアーキテクチャの設計から、音声認識エンジン、自然言語処理、ウェブアプリケーション開発まで幅広く手がける。AWS Summit Tokyo 2019で開催されたStartup Architecture Of The Year 2019にて、『ソリューションアーキテクト賞』を受賞。またTechCrunch Tokyo 2019 Startup Battleでは最優秀賞を受賞している。

関連記事:B Dash Camp 2019 SpringのPitch Arena優勝はAI搭載型クラウドIP電話サービスのRevcomm

ウミトロンCTO:岡本拓磨氏

新卒でグリーに入社。ソーシャルゲームプラットフォームのバックエンドの開発に従事。その後、メタップスにてモバイルアプリマーケティングサービスのバックエンドとネイティブアプリSDKの開発や、新規事業としてウェブサービスやネイティブアプリの立ち上げを行う。2016年にウミトロンを共同創業。

関連記事:海上で魚の食欲を即時判定して給餌を完全自動化、ウミトロンが魚群食欲解析システムを開発

タイミーCTO・阿部勇一郎氏

2017年に神奈川工科大学情報学部を卒業。翌年に同大学院工学研究科にてAI×IoT×ロジスティクスに関する研究を行う。2018年3月にタイミー代表の小川氏との出会いをきっかけにタイミーの立ち上げに携わることを決意する。その後、同年3月に大学院を中退し、CTOとしてジョイン。主にiOSアプリの開発とプロダクトマネジメントを行う。現在では、組織マネジメントや採用活動を行いつつ、引き続きアプリ開発やメンバーの支援を行っている。

関連記事:スキマ時間シェアのタイミーが20億円調達、22歳学生起業家が1年2カ月で

YPER CTO:島添彰氏

大阪府立大学修了後、サントリーシステムテクノロジーに入社。自動販売機の配送管理、販売管理システムの開発・運用・導入を広く担当。同社にて自動販売機の新しいカタチのビジネスモデル提案。2017年8月にYper(イーパー)を創業。同社CTOに就任。日本の宅配の再配達問題を解決するプロダクトOKIPPAの立ち上げを実施。現在もプロダクトのグロースを担当。東洋経済社のすごいベンチャー100、Forbes 30 Under 30 Asia 2019に選出。

関連記事:置き配は再配達率を減らす救世主になるか、置き配バッグ「OKIPPA」が3.5億円調達

NearMe CTO・細田謙二氏

東京大学大学院工学系研究科・工学博士。大学では脳の視覚情報処理を研究。卒業後、エスキュービズムに入社。チーフエンジニアとして解析エンジン、ウェブサービス、タブレットアプリなどさまざまなプロダクトを開発。技術本の執筆や特許取得なども行う。エスキュービズム・テクノロジーCTOを経て、NearMeに参画。

関連記事:都内と成田を結ぶNearMeの定額4000円シャトルが品川や目黒、池袋でも利用可能に

GINKAN CTO・三田大志氏

ウースター工科大学工学部電子工学科卒業、大学時代は災害救助ロボットを企画・開発。大学卒業後はスマートフォン向けアプリの開発会社に就職。2014年に起業し、フリーランスとしてさまざまなプロジェクトに携わる。2015年にGINKAN(ギンカン)を共同創業し、CTOに就任。Android、iOSアプリ開発50本以上の開発経験を持ち、最近ではブロックチェーン、スマートコントラクトの開発、R&Dも精力的に取り組んでいる。

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オクト取締役CTO・金近望氏

1983年生まれ。神奈川県出身。東京工業大学理学部情報科学科を卒業。2009年よりベンチャー企業にて事業立ち上げに参加し、2012年CEOである稲田氏とともにオクトを設立。創業当初はANDPADの前身となるサービスである「みんなのリフォーム」や「ReformPad」をローンチ、2014年に施工管理アプリ「&ANDPAD」をリリース開発・運営。

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LegalForce CTO・時武佑太氏

東京大学大学院 情報理工学系研究科創造情報学(修士)修了。ソフトウェア工学に関する研究を行う傍らウェブサービス開発に携わる。2016年4月にディー・エヌ・エー入社。ヘルスケア事業でアプリエンジニアとして従事。 Android, iOSアプリ開発からサーバーサイド開発やデータベースのパフォーマンス調整まで幅広く担当。2017年9月、LegalForceに参画し現職。

関連記事:AIが瞬時に契約書の内容をレビューする「LegalForce」が正式ローンチ

FacebookがF8 2020デベロッパーカンファレンス開催日時を発表

FacebookがF8 デベロッパーカンファレンスの日程を発表した。Facebookは毎年このイベントで同社が開発したテクノロジーを披露し、将来戦略をプレゼンしている。発表によれば、2020年のイベントは5月5日と6日にサンフランシスコのMcEneryコンベンションセンターで開催される。興味がある読者はwww.f8.comに登録しておけばチケット購入がスタートしたときに通知してもらえる。

昨年のF8ではFacebook本体の大規模なリニューアル、Messenger、WhatsApp、Dating、Marketplaceなどさまざまなプロダクトのアップデートや機能の新設が発表された。またデベロッパーはFacebookが開発中のVRやスマートホームなどのハイテクハードウェアの活用方法、AxBoTorchなどのプロジェクトについて学んだ。

Facebookが発表したのは開催日時だけで、 2020 F8で何が発表されるのかは明かしていない。声明は「(F8 カンファレンスは)多数のプロダクトのデモ、来るべきテクノロジーを検討し、クリエーティブな利用法を深く学ぶセッションが予定されており、世界のデベロッパーコミュニティのトップメンバーの考えを直接聞き、メンバー相互の交流を深める機会でもある」と述べている。個々のテクノロジー、サービスのデモと紹介に加えて、F8はFacebookの野心的なビジョンをどう実現するのかを説明する格好の舞台だ。

例えば、昨年のF8ではFacebookはプロダクトの個人化を進め、現在のユーザーのエンゲージメントをさらに拡大しようとする方針だということがわかった。最近同社は暗号通貨の一種であるLibraを発表してディスラプトを進める姿勢を示している。しかし一方でFacebookはSnapchatやTikTokのような新興メディアに地盤を侵食されていることを痛感しているはずだ。来年のF8ではFacebookがこうしたライバルの挑戦に対し、どのような新たな回答を持っているのかが分かるかもしれない。他方で、同社は反トラスト法に基づく司法省の調査というさらに大きな問題に直面している。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

【いよいよ11月22日開催】TechCrunch Tokyo CTO Night 2019の楽しみ方

TechCrunch Japanでは11月14日、15日の2日間にわたり、スタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」を開催した。今年も国内外から注目のゲストスピーカーが集まり、初日の朝からメインホールは満員、ときには立ち見が出るほどの大盛況だった。

実はTechCrunch Tokyo 2019はまだ終わっておらず、今週金曜の11月22日にはTechCrunch Tokyo 2019のDay3である「TechCrunch Tokyo CTO Night 2019」が開催される。場所は昨年と同様で、東京・目黒駅前にあるAWSのコワーキングスペース「AWS Loft Tokyo」で、スタートアップ企業のCTOもしくはそれに準じる役職であれば、誰でも無料で参加できる。

仮登録はこちらから

CTO Nightは、パネルディスカッションと新進気鋭のスタートアップ企業のCTO(最高技術責任者)によるピッチコンテストで構成されるイベント。ピッチコンテストは、技術によるビジネスの貢献度について、独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営などを評価対象として審査し、最も輝いた人物を「CTO of the year」(最優秀CTO)として表彰する。

今年のCTO Nightには、置き配バッグOKIPPAを開発・提供しているYperの島添CTO、スキマ時間ですぐに働けるワークシェアサービスを運営するタイミーの阿部CTO、タクシー相乗りアプリ「nearMe.」を開発・提供するNearMeの細田CTOなど、TechCrunch読者にはおなじみのTechCrunch Tokyo 2018ファイナリスト企業のCTOも登壇する。

さらにTechCrunch Tokyo 2019のスタートアップバトルで最優秀賞に輝いたAI搭載型クラウドIP電話サービス「MiiTel」を開発・提供するRevCommの平村CTOも同様にピッチを競う。そして、オクトの金近CTOやウミトロンの岡本CTO、GINKANの三田CTOなど着実に事業を拡大しているスタートアップ企業のCTOも登壇する。

果たしてCTO of the year 2019に輝くのは、TechCrunch Tokyo 2018の卒業生なのか、RevCommがスタートアップバトルとの2冠に輝くのか、それとも歴戦のCTOが勝ち取るのか、いまから楽しみでならない。以下、登壇する8社のCTOを詳しく紹介しておく。

Yper CTO:島添彰氏
大阪府立大学修了後、サントリーシステムテクノロジーに入社。自動販売機の配送管理、販売管理システムの開発・運用・導入を広く担当。同社にて自動販売機の新しいカタチのビジネスモデル提案。2017年8月にYper(イーパー)を創業。同社CTOに就任。日本の宅配の再配達問題を解決するプロダクトOKIPPAの立ち上げを実施。現在もプロダクトのグロースを担当。東洋経済社のすごいベンチャー100、Forbes 30 Under 30 Asia 2019に選出。

関連記事:置き配は再配達率を減らす救世主になるか、置き配バッグ「OKIPPA」が3.5億円調達

ウミトロンCTO:岡本拓磨氏
新卒でグリーに入社。ソーシャルゲームプラットフォームのバックエンドの開発に従事。その後、メタップスにてモバイルアプリマーケティングサービスのバックエンドとネイティブアプリSDKの開発や、新規事業としてウェブサービスやネイティブアプリの立ち上げを行う。2016年にウミトロンを創業。

関連記事:海上で魚の食欲を即時判定して給餌を完全自動化、ウミトロンが魚群食欲解析システムを開発

オクト取締役CTO・金近望氏
1983年生まれ。神奈川県出身。東京工業大学理学部情報科学科を卒業。2009年よりベンチャー企業にて事業立ち上げに参加し、2012年CEOである稲田氏とともにオクトを設立。創業当初はANDPADの前身となるサービスである「みんなのリフォーム」や「ReformPad」をローンチ、2014年に施工管理アプリ「&ANDPAD」をリリース開発・運営。

関連記事:建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」開発のオクトが14億円を調達

GINKAN CTO・三田大志氏
ウースター工科大学工学部電子工学科卒業、大学時代は災害救助ロボットを企画・開発。大学卒業後はスマートフォン向けアプリの開発会社に就職。2014年に起業し、フリーランスとしてさまざまなプロジェクトに携わる。2015年にGINKANを共同創業し、CTOに就任。Android、iOSアプリ開発50本以上の開発経験を持ち、最近ではブロックチェーン、スマートコントラクトの開発、R&Dも精力的に取り組んでいる。

関連記事:トークンエコノミー×グルメSNS「シンクロライフ」、トークンへの転換権を付与したスキームで資金調達

タイミーCTO・阿部勇一郎氏
2017年に神奈川工科大学情報学部を卒業。翌年に同大学院工学研究科にてAI×IoT×ロジスティクスに関する研究を行う。2018年3月にタイミー代表の小川氏との出会いをきっかけにタイミーの立ち上げに携わることを決意する。その後、同年3月に大学院を中退し、CTOとしてジョイン。主にiOSアプリの開発とプロダクトマネジメントを行う。現在では、組織マネジメントや採用活動を行いつつ、引き続きアプリ開発やメンバーの支援を行っている。

関連記事:スキマ時間シェアのタイミーが20億円調達、22歳学生起業家が12カ月で

NearMe CTO・細田謙二氏
東京大学大学院工学系研究科・工学博士。大学では脳の視覚情報処理を研究。卒業後、エスキュービズムに入社。チーフエンジニアとして解析エンジン、ウェブサービス、タブレットアプリなどさまざまなプロダクトを開発。技術本の執筆や特許取得なども行う。エスキュービズム・テクノロジーCTOを経て、NearMeに参画。

関連記事:都内と成田を結ぶNearMeの定額4000円シャトルが品川や目黒、池袋でも利用可能に

LegalForce CTO・時武佑太氏
東京大学大学院 情報理工学系研究科創造情報学(修士)修了。ソフトウェア工学に関する研究を行う傍らウェブサービス開発に携わる。2016年4月にディー・エヌ・エー入社。ヘルスケア事業でアプリエンジニアとして従事。 Android, iOSアプリ開発からサーバーサイド開発やデータベースのパフォーマンス調整まで幅広く担当。2017年9月、LegalForce参画し現職。

関連記事:AIが瞬時に契約書の内容をレビューする「LegalForce」が正式ローンチ

RevComm CTO・平村健勝氏
2011年に東京工業大学大学院修了後、アクセンチュア入社。マネージャーとして通信業界を中心にCRM導入やデータサイエンス部門の立ち上げに従事。2018年6月よりRevCommに創業メンバーとして参画し、AI搭載型IP電話「MiiTel」のR&D及び製品開発を指揮。クラウドサービスの設計、システムアーキテクチャの設計から、音声認識エンジン、自然言語処理、ウェブアプリケーション開発まで幅広く手がける。AWS Summit Tokyo 2019で開催されたStartup Architecture Of The Year 2019にて、『ソリューションアーキテクト賞』を受賞。

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なお、審査員は以下の6名が務める。

■審査委員長
藤本真樹氏(グリー取締役上級執行役員/CTO)

■審査員
白井 英氏(Craft Egg、ジークレスト、サムザップ各社におけるCTO)
竹内 真氏(ビズリーチ取締役/CTO/CPO)
藤倉成太氏(Sansan執行役員/CTO)
名村卓氏(メルカリ執行役員/CTO)
塚田 朗氏(AWSシニア ソリューションアーキテクト)

■モデレータ
吉田博英(TechCrunch Japan編集統括)

TechCrunch Tokyo CTO Night 2019の概要は以下のとおり。なお、このイベントに参加できるのは、CTOもしくは、VPoEやVPoPなどCTOに準じるポジションの開発者だ。申し込みは抽選となるので、まずはイベントページで仮登録を済ませてほしい。

TechCrunch Tokyo CTO Night 2019
【日時】11月22日(金)17:30〜20:30(17:00開場)
【会場】AWS Loft Tokyo(東京都品川区上大崎3-1-1 目黒セントラルスクエア内)
【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
【審査】TechCrunch Tokyo CTO Night 2019実行委員会による
【参加資格】CTOもしくは、CTOに準じるポジション
【参加費用】無料
【主催】TechCrunch Japan
【企画・運営協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン
【問い合わせ先】TechCrunch Tokyo CTO Night 2019実行委員会(tips@techcrunch.jp)

仮登録はこちらから

TechCrunch Tokyo 2019バトル優勝は音声解析AI搭載IP電話サービスのRevComm

11月14日、15日に開催されたスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」。設立3年未満、正式ローンチが1年未満のプロダクト/サービスを持つスタートアップ企業が競うピッチコンテストであるスタートアップバトル。今年は過去最多となる約130社の応募があり、最終的に20社がファイナリストに決定。初日11月14日のファーストラウンドを勝ち抜いたのは、Linc’well、オーティファイ、SE4、RevComm、KAICO、Bassetの6社だった。

この6社が11月15日にファイナルラウンドが開催され、最優秀賞に選ばれたのは、音声解析AIを搭載したクラウド型IP電話サービス「MiiTel」(ミーテル)を開発・販売するRevComm。同社は、B Dash Camp 2019 Springに続くダブル受賞となった。

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Linc’well

Linc’wellがプロデュースする診療所であるクリニックフォア田町では、オンライン予約システムやAIを取り入れた問診システムの活用、院内のオペレーションを効率化する電子カルテの導入などを通じて、患者の体験向上とクリニックの経営効率化を目指す。患者は、診断は公式サイトからスマホやPCを通じてオンラインで予約できる。具体的には、希望する診断内容を選択した後にカレンダーから空いている時間帯をチェックして希望の日時を選べばいい。診察時間は15分単位で事前にスケジューリングしているため、具合の悪い人がいる場合などに多少のズレはあったとしても、長時間待たされることはほとんどない。診察後の会計はキャッシュレスに対応している。

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オーティファイ

AIを活用してソフトウェアテストを自動化するプラットフォームを開発。現在、開発サイクルを素早く回す「アジャイル開発」という手法が普及してきたが、その際に問題になるのがソフトウェアの検証作業だ。人手に頼ると時間が掛かりすぎ、早期リリースのボトルネックとなる。同社のサービスを利用すると、非エンジニアでも簡単にウェブアプリの検証作業を自動化できるほか、AIがアプリケーションコードの変更を監視し、検証シナリオの修正を自動で行うため、メンテナンスコストを大幅にカットできるとのこと。
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SE4

VRシミュレーターを使用し、通常では実現が難しい遠距離、もしくは通信遅延が発生するような環境での操作を可能にするロボット遠隔操作技術を開発。将来的には、AIとVRを組み合わせて地球外でのロボット主導産業の実現へ貢献することを目標とする。孫 泰蔵率いるMistletoe(ミスルトウ)から出資を受けている。

RevComm

電話営業や顧客対応を可視化する音声解析AI搭載型クラウドIP電話サービス「MiiTel」を提供。電話営業や電話での顧客対応の内容をAIがリアルタイムで解析することで、成約率を上げつつ、解約率と教育コストの低下を目指す。顧客管理システムとの連携も可能で、顧客名をクリックするだけで簡単に発信できるほか、着信時に顧客情報を自動表示するいった機能もある。電話での会話内容は顧客情報に紐付けてクラウド上に自動録音されるため、すぐにアクセスできる。一部を抜粋して共有することも可能だ。

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KAICO

昆虫のカイコでバイオ医薬品・ワクチンをどこよりも早く大量生産する技術を擁する。現代は世界中の人・物の移動が頻繁に行われており、疫病などが世界中に蔓延するのも一瞬。未知の疫病が発生した時には、人々は感染恐怖にさらされる。そのときの人々が願うのは、治療薬でありまた予防のワクチン。同社の生産プラットフォームは、ほかの方法よりいち早くワクチンを大量に生産可能で、人々を感染の恐怖から救える。

Basset

仮想通貨交換業者や行政機関向けに、ブロックチェーン取引の分析・監視ソリューションを開発するスタートアップ。具体的には、暗号資産のマネーロンダリングを防止するためのデータ分析サービスで、ブロックチェーンデータを分析することで資金の流れを追うプロダクトだ。BTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)をはじめ、金融庁のホワイトリストで指定された暗号資産のリスク検知・評価とマネーロンダリング対策に対応していく予定だ。

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