スマートサーモスタットのEcobeeを発電機メーカーのGeneracが買収

ウィスコンシンの発電機のメーカーGeneracが今日(米国時間11/1)、ホームオートメーションのEcobeeを買収する計画を発表した。表面的には意外な組み合わせだが、従来的な企業がこのような買収でスマートホーム分野へ事業を広げるのは、これが初めてではない。たとえば数年前には、Assa AbloyがAugust Homeを買収した

Generacは社歴60年を超える企業だが、いずれにしても古参の企業が新しい技術開発に手を染めるには、買収がいちばん容易な方法だ。買収の価額としてGeneracは、2億ドルのキャッシュと4億5000万ドルの株式をEcobeeの株主たちに支払う。完了の前に追加のターゲットが発生した場合はGeneracは最大で1億2000万ドルの株式、最大で合計7億7000万ドルを払う。

トロントのEcoboeeが創業されたのは2007年で、その後、2014に買収されたNestなどと並び、インターネットに接続されたサーモスタット(コネクテッドサーモスタット)の著名企業になった。その後Nestは、Googleのスマートホーム製品のデファクトのブランドになった。そしてそのNestと同じくEcobeeも、セキュリティカメラやセンサーなど、そのほかのスマートホームデバイスを製品群に加えた。

EcobeeのCEO、Stuart Lombard氏が声明でこう述べている: 「エネルギーの技術におけるGeneracが成し遂げてきた進化により、わたくしたちEcobeeのプロダクトを同社の住宅用デバイス製品に統合する機会が数多く生まれてきた。とくにそれらの統合により、家庭の電力負荷の相当大きな部分を監視しコントロールすることが可能になった。そういう意味で今回Generacのチームに加わることはエキサイティングであり、私たちは共に、私たちの顧客とコミュニティに、よりクリーンで、より強度のある持続可能なエネルギーの未来をお届けできる」。

Ecobeeはこれまでに、AmazonのAlexa Fundを含め約1億500万ドルを調達した。ここしばらく、すでにRingのようなスマートホームのブランドを持つAmazonがEcobeeを買収する企業の当然の候補と見なされていたが、最近同社はHoneywellと共同開発したサーモスタットを発表した。

この買収は、規制当局の承認を待って、完了は本年第四四半期と目されている。

(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Ecobee

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Josh.aiが「ほとんど見えない」硬貨サイズのAmazon Echo対抗製品を発表

この数週間、スマートホーム用バーチャルアシスタントの世界では、ほぼすべてのメーカーから製品のリニューアルや拡大が発表されている。Apple(アップル)はHomePod Mini(ホームポッドミニ)を、Google(グーグル)は待ちに待ったGoogle Home(グーグルホーム)の最新モデルを発表し、Amazon(アマゾン)は、Alexa(アレクサ)を住まわせるスピーカーの種類をさらに増やしてきた。

そして米国時間11月10日、この分野で競合するスタートアップから新たな製品が追加された。Josh.ai(ジョシュ・エーアイ)は、専門業者が取り付けを行い、さまざまなスマートホーム製品を管理できるようにするスマートアシスタントというニッチな製品を開発しているが、11月10日午後に新製品を発表した。

このデバイスの名前はJosh Nano(ジョシュ・ナノ)。高級住宅向けというニッチ市場を狙ったもので、50セント硬貨よりわずかに大きい(直径3cmほど)、目立たない製品だ。本体はほとんどが壁の中に埋め込まれ、PoEにより電気配線を通じて中央ユニットに有線接続される。このデバイスにはマイクが4基付属している。スピーカーは内蔵されておらず、家庭のホームサウンドシステムに直接統合できるようになっている。Joshでは、Sonos(ソノズ)などの企業と提携しているが、その他にも主要なAVレシーバーのメーカーとの互換性を誇っている。その他は、光による視覚的なフィードバック、多目的タッチセンサー、心の落ち着きが欲しいときにマイクをオフにする物理スイッチといった程度で、多くの機能を持たない。

画像クレジット:Josh.ai

この新型ハードウェアの狙いは、業界標準の時代遅れなタッチスクーンから脱却して、家庭用のスマート機能を目立たなくすることにある。Josh.aiは、スマートホーム製品を基本機能だけに絞り込むことで、より多くのユーザーが、新製品が出ても現在使っている製品が古臭いつまらないものにはならないと安心して購入できるようにしたいと考えている。同スタートアップは、このデバイスの予約受付を行っている(色は黒と白の2種類)。出荷は2021年初頭を計画している。

このデバイスは、同社がJosh Core(ジョシュ・コア)と呼ぶ製品を必要とする。基本的に、ユーザーの住宅内でJoshが対話するあらゆるデバイスのハブとなる小型サーバーだ。これにより、スマートホーム製品同士が、外部への要求を最小限に抑えつつ確実にローカルで対話できるようなる。同スタートアップは、壁に埋め込まれたハードウェアに専用のスピーカーを統合する従来製品Josh Micro(ジョシュ・マイクロ)も引き続き販売する。

Josh.aiは、ハードウェアの取り付け事業者と直接提携するかたちを取っているが、ソフトウェア事業としての拡大も行ってきた。顧客に同社のテクノロジーを1年、5年、永久の各期間ごとにライセンスするというものだ。料金は、取り扱う住宅の規模に応じて異なる。「スモール」は、15部屋以下の住宅が対象となる。ハードウェアに関しては、費用はまちまちだとJosh.aiは話すが、最も多い事例で、平均的なコストは1部屋あたり500ドル(約5万3000円)前後だという。

大手テック企業は、当然のことながら大衆向けの製品を開発する。Josh.aiなどのスタートアップから見れば、この現実は、10億人のユーザー共通の需要に応える以外の製品を開発する道を示している。実際、同社のセールスポイントは、顧客の多くがグーグルやアマゾンやアップルのデバイスは購入せず、家の中のフィードバック用マイクを有線接続しているという事実から導かれたものだ。

同スタートアップの現在の事業は95%が住宅向けだが、商業的なシナリオでそのテクノロジーを活かす方向での拡大にも彼らは興味を示している。会議室や、エレベーターなども考えられると同社は話していた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカースマートアシスタントスマートホームJosh.ai

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(翻訳:金井哲夫)

富士山麓にスマートシティー、トヨタが野心的プロジェクトを発表!

トヨタ自動車は世界中でロボティクス、新素材、人工知能、自動運転車、代替エネルギーの開発を続けてきたが、さらに野心的なプロジェクトを明らかにした。富士山麓に170万平方メートルにもおよぶ新テクノロジーの実証都市を建設するという。このスマートシティーの住民は、自動運転シャトルやロボットを含むトヨタが開発している最新のテクノロジーを利用して暮らすことになる。

ラスベガスにおけるCES 2020の開幕を控えて1月6日の月曜に開催されたプレスイベントに登壇した豊田章男社長は「都市の建設は2021年に開始される」と述べた。設計はデンマークの世界的建築家、Bjarke Ingels(ビャルケ・インゲルス)氏が率いるBIG(Bjnarke Ingels Group)だ。インゲルス・グループはニューヨークの2 ワールドトレードセンター(工事中断中)やデンマークのレゴハウス、Googleのマウンテンビューとロンドン本社などの著名なビルの設計を手がけている。

トヨタの幹部によれば、この実験都市は豊田章男社長が情熱を傾けているプロジェクトだというが、それはプレスイベントの壇上からも伝わってきた。

豊田社長は「これは私の『フィールド・オブ・ドリームズ』だ。『それを造れば人は来る』」と有名な映画に託して希望を語った。

「科学的に制御された現実に人が暮らす環境で、オートノミーやMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、ロボティクス、スマートホーム、人工知能など人々をつなげる最新テクノロジーを研究者やエンジニアが自由に開発し、テストできるところを想像して欲しい」と豊田社長は力説した。

つながる都市(Woven City)と呼ばれるこのスマートシティーは、窒素利用の燃料電池をエネルギー源とするという。

この都市の住居はインハウスのロボティクス、高度なセンサーを備えたAIデバイスが装備されて生活を助ける。住居の各種ニーズに応えるだけでなく、健康チェック機能も持つという。

この町ではカムリもプリウスも運転する必要がない。メインストリートの走行を許されるのはゼロ・エミッションの完全自動走行車だけだという。人や物資の輸送にはトヨタが開発中のe-Paletteが利用される。

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滑川海彦@Facebook

スマート家電メーカーは見聞きした情報を政府に開示するのか?

1年前、TechCrunchは名の通ったスマートホーム機器のメーカーに対して、ユーザーの個人データを政府に提供するか否かを質問した。その結果はさまざまだった。Amazon(アマゾン)、Facebook(フェイスブック)、Google/Nest(グーグル/ネスト)のビッグ3はみな、政府がユーザーの個人データを求めてきたときの対処法を透明性報告書で公表した。Apple(アップル)は収集したデータは匿名化されるので報告書は必要ないと話していた。残りのメーカーは、政府からの個人データ提出の要求への対応を公表しなかった。

あれから1年が経過し、スマートホーム市場は急成長したが、その残りのメーカーの対応に関する情報公開は、ほとんど、あるいはまったく進展していない。中には以前より悪くなったケースもある。スマートホーム機器に限らず、インターネットに接続できる機器は便利で、どこでも売られているが、それらは私たち自身や私たちの家庭の情報を大量に収集している。スマートロックは、いつ人が家に入ったかを知っている。

スマートドアホンは訪問者の顔をキャプチャーする。スマートTVは、どんなテレビ番組を見たかを知っている。一部のスマートスピーカーは、私たちが何に興味を持っているかを知っている。使われていない間は、スマートホーム機器の多くはデータを集め、メーカーに転送している(なかには、無線ネットワークの情報のような、こちらが思いも寄らない要素のデータ点を収集するものもある)。製品や私たちの家をよりスマートにするためというのが表向きの理由だ。

そのデータはメーカーによってクラウドに保存されるため、警察や政府の役人が犯罪捜査のためにそのデータを提供せよと要求できる。しかし、収集したデータの量が膨大になると、企業の、データの提出要求に関する透明性が低下する。私たちに届くのは事例報告だけだが、その数は非常に多い。警察はAmazon Echoのデータを入手して殺人事件を解決。Fitbitがデータを提出したことにより男を殺人罪で起訴。Samsung(サムスン)は児童虐待画像を見ていた性犯罪者の逮捕に協力。Nestは監視映像を提出してギャングのメンバーの逮捕に協力。そしてAmazon傘下のRingの最近の事例報告では、スマートホーム機器メーカーと警察との密接な関係が露わになった。

各メーカーの回答は次のとおりだ。スマートロックとスマートドアホンのメーカーであるAugustは、去年とまったく同じ声明を返してきた。「現在は透明性報告書を作成していませんが、外国諜報活動偵察法(FISA)に基づくユーザーコンテンツまたは非コンテンツの提供を求める国家安全保障書簡(訳注:FBIからの令状を必要としない情報提供命令書)も命令も受け取たことがありません」というものだ。しかし、Augustの広報担当者Stephanie Ng(ステファニー・エン)氏は、裁判所の召喚状、捜査令状、裁判所命令などの国家安全保障関係以外の要求を同社がどれほど受け取ったかは明らかにしていない。法的な要求があった場合には「あらゆる法律」に準拠するとだけ話している。

ロボット掃除機のRoomba(ルンバ)のメーカーであるiRobotは、去年と同じく、政府からのデータ提出要求は「受け取っていない」と答えた。「現在iRobotでは、透明性報告書を発表する予定はない」が「政府から顧客データの提出を要求された場合」には報告書の公表を検討するとのことだ。

Netgearのスマートホーム部門から2018年に独立したArloは、コメントの求めに応じなかった。今でもスマートホーム技術を所有しているNetgearは「透明性報告書の一般公開はしない」と話している。

Amazonの子会社であるRingは、警察との協力関係が国会議員たちの怒りを買い、ユーザーのプライバシーを守る能力に疑問を持たれているが、去年、時期は明言しないものの、将来的に透明性報告書を公開するつもりだと話していた。今年、Ringの広報担当者Yassi Shahmiri(ヤッシ・シャミリ)氏はコメントを出さず、その後繰り返し送った電子メールへの返信も止まってしまった。

Honeywellの広報担当者Megan McGovern(ミーガン・マクガバン)氏はコメントせず、元Honeywellのスマートホーム部門で1年前に独立したResideoに私たちの質問を投げたが、ResideoのBruce Anderson(ブルース・アンダーソン)氏もコメントしなかった。

また、スマートホーム機器やインターネットに接続できるテレビや家電のメーカーであるサムスンも、昨年とまったく変わらず、コメントの依頼に応答しなかった。

全体として、これらの企業の反応はほぼ去年どおりの回答だった。さらに昨年、「2018年末」の透明化報告書の公開を約束していたスマートスイッチとセンサーのメーカーのEcobeeは、約束を果たさないままだ。理由を尋ね再三コメントを求めたが、Ecobeeの広報担当者Kristen Johnson(クリステン・ジョンソン)氏は応答しなかった。

入手可能な範囲で最も信頼できる情報から判断するに、August、iRobot、Ringそしてその他のスマートホーム機器メーカーは、貴重な個人データが政府に差し出される可能性を秘めたまま、全世界に数億人のユーザーや顧客を擁しているが、ユーザーも顧客も、それに関して一切説明を受けていない。

透明性報告書は完全ではないかも知れない。透明度が他より低いものもある。しかし、メディアで叩かれたり、監視国家への協力を要求された後であっても、大企業がその情報を開示したなら、小さな企業も言い逃れができなくなる。

今年は、ライバルよりもややマシな企業がいくつかあった。しかし、プライバシーに関心の高い人間なら(誰もが高くあるべきなのだが)これでは満足できない。

関連記事:スマートテレビのセキュリティーについてFBIが警告

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(翻訳:金井哲夫)

iRobot最新の掃除ロボとモップロボはデバイス間通信によりシンクロ掃除可能に

iRobotから、新しいお掃除ニュースが発表された。米国マサチューセッツ州ベッドフォードを拠点とする同社は、汚れた床にタッグチームで対応する新しいペアロボットを公開した。発表されたRoomba s9+とBraava Jet m6は、どちらもiRobotのマッピング技術とImprint Linkを組み合わせたもので、2つのデバイス間で交信しながら順番にフロアを掃除することができる。

s9+はRoomba(ルンバ)の新しいプレミアムスタンダードだ。間違いなくロボット掃除機の17年の歴史の中で、初めて根本的な設計見直しが行われている。開始時からその製品を特徴付けてきた、円形の平たい形状からは離れて、少なくともその正面はBraava(ブラーバ)のデザインを借用している。

掃除機の正面はフラットだが、これは壁に近づくことを可能にする新しいPerfectEdge技術の一部だ。おそらく最近のRoombaの機種たちに対して最も要求されたものだったのだろう。コーナーブラシは、初期のモデルでは届かなかった汚れに対処できるように、5本の30mmアームを備えている。しかしフラットな側面を持つことの欠点は、より多くの動作を行わなければならないということで、結果的にバッテリーをより多く消費する。

発表では詳細は示されてはいないものの、iRobotはそれに応じてmAHを強化したと語っている。一方、その上部はブラシ仕上げの金属製円盤となっていて、そこを開けてフィルターを取り出し、交換することができる。昨年発表のi7+と同様に、システムにはオプションのClean Baseが付属していて(ただし、これらのClean Baseはコネクタ形状も違う別物なので、お互いに利用することはできない)、ドッキングしている最中に内部の埃が吸い出される。

新しいモデルは、システムマップとナビゲートに役立ち、毎秒25回障害物をスキャンする、アップグレードされた3Dセンサーを備えている。さらに新しい機能が、同社の床掃除支配計画ための次のステップであるImprint Linkテクノロジだ。この技術により、Roombaは新しいBraavaと通信できるようになり、床をお互いに協力して清掃することができる。

これまで同様に、清掃はHomeアプリを使って開始される。まずs9+が清掃のために送り出され、その後をm6が追うことになる。CEOのコリン・アングル(Colin Angle)氏はTechCrunchに対して、この新しいロボットたち(そして新しい芝刈りロボットTerra)は、社内でiRobot 2.0と位置付けられていると語った。

「これは機能性の水準を引き上げるように設計された、デザインとコミュニケーションの観点からも一貫したトップエンドロボットたちなのです」と彼は説明した。

確かにそれは、スマートホームの一部になるという、同社の長年にわたるホームロボットのビジョンを(特にマッピングがAlexaやGoogle Assistantの機能と組み合わされた場合に)1歩前進させるものだ。

一方で新しいBraavaは、床掃除ロボットのScoobaが使っているような洗浄液タンクを用いるのではなく、これまでのように水スプレーと乾燥パッドを利用して動作する。またフロアプランを作成し、障害物を回避するために、同様のマッピングテクノロジを使用している。清掃システム自身は大幅にアップデートされていて、改良されたスプレーと様々な素材を採用したパッドが用いられている。

当然のことながら、これらはどれも安価なものではない。そして実際のところ、お手頃価格路線をこれまでiRobotが打ち出したことはないのだ。s9+は、Clean Base付きのものが1299ドル(約14万2000円)、なしのものが999ドル(約10万9000円)となる。Braava m6は499ドル(約5万4500円)で、7枚入りクリーニングパッドは8ドル(約900円)になる予定だ。いずれも6月9日に発売予定となっている。掃除機は、高度な部屋マッピングならびに物体検出のために新しい3Dセンサーを利用している。これまでのモデルとは異なり、このRoombaは前方にあるものを知るために部屋の中を1秒間に25回の速さでスキャンしている。

これは、部屋の隅をよりよく移動するために設計された、iRobotの新しい独自のPerfectEdgeテクノロジーと組み合わされる。ブラシや他の清掃パーツも同様に手を加えられている。

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(翻訳:sako)

Googleが新しいアシスタント開発者用ツールを発表

米国時間5月7日に開催されたGoogle I/Oカンファレンスで、Googleは同社のアシスタントプラットフォームのエクスペリエンス開発者向けに、たくさんの新しいツールを発表した。提供されるのは、Nest Hubのようなスマートディスプレイ向けゲームを開発できるようにするツール、アシスタントの返した答えからネイティブアプリケーションを呼び出すApp Action、そして開発者たちが自身のスマートホームコードをGoogle Home SpeakerやNest Display上でローカルに実行することを可能とする新しいLocal Home SDKなどである。

このLocal Home SDKが、発表されたもののリストの中では最も重要なものかもしれない。なぜならこれを利用することで、それぞれのデバイスをスマートホームデバイスのための真のハードウェアハブにすることができ、クラウドに問い合わせることなくローカルな計算能力を提供することができるようになるからだ。当初のパートナーとして名前を連ねているのはPhilips、Wemo、TP-Link、そしてLIFXなどだが、来月にはすべての開発者がSDKを利用できるようになる予定だ。

さらに、このSDKを使用することで、新しいユーザーがGoogle Homeアプリを使って、スマートデバイスをより簡単に設定できるようになる。Googleは昨年10月にGEとこの機能をテストしており、今では他のパートナーにそれを展開する準備が整っている。

アシスタントの中から自分たちのネイティブアプリ内の適切な場所へと、ユーザーを誘導したい開発者たちのために、昨年GoogleはApp Actionsのプレビュー版を発表していた。健康やフィットネス、金融、銀行、配車、そして食品注文アプリなどは、この組み込み機能を利用することができる。「もしNike Run Clubでご自分のランニングを追跡したい場合には、単に「Hey Google, start my run in Nike Run Club」と言えばいいだけです。そうすればアプリが自動的にランニングを追跡してくれます」とGoogleは本日の発表の中で説明した。

またハウツーサイト向けに、標準的なschema.orgのマークアップを使って、スマートディスプレイ向けのGoogleアシスタントの回答や、Google検索結果に含まれるコンテンツを用意できるように、Googleは拡張マークアップサポートも発表した。

スマートディスプレイ用のゲームを書くための新しい機能の詳細については、ここで読むことができるが、これは明らかに最初の一歩に過ぎない。Googleは時間をかけて、より多くのサードパーティエクスペリエンスにプラットフォームを開放することを計画している。

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(翻訳:sako)

好みを踏まえて室温を自動調整、自宅をスマートにする「LiveSmart」が三菱地所らから3億円を調達

アプリやスマートスピーカーを通じて家電を操作できるサービス「LiveSmart」を運営するLive Smartは3月29日、複数の投資家を引受先とする第三者割当増資により約3億円を調達したことを明らかにした。

同社に出資したのは三菱地所、みずほキャピタル、三井住友海上キャピタル、イノベーション・エンジン、加賀電子の5社。三菱地所とは住宅やマンションなどの住環境における「スマートライフの実現」に向けて業務提携も結んでいる。

Live Smartでは調達した資金を活用して開発体制やビジネスサイドの組織体制を強化するほか、プロダダクトの販売拡大やスマートホームの認知度向上に向けたマーケティング施策を展開する計画。なお今回を含めると、同社の累計調達額は5億円を超えるという。

スマートホームコントローラーを軸に快適な生活をサポート

Live Smartは現在個人向けと法人向けにそれぞれスマートホームサービスを展開している。

個人向けには自社開発のスマートホームコントローラー「LS Mini」を軸に、アプリやスマートスピーカーを介して家電を操作できるプラットフォームを提供。たとえば外出先からアプリやLINEを使ってエアコンを操作したり、Amazon Echoなどを用いて音声でテレビや照明を操作したり。ユーザーの日常生活を便利にする。

「各家電を一度の操作で全部オン/オフにする」「毎日7時に自動的に照明をつける」などのルールを設定すれば操作を自動化できるほか、独自のAI(Adaptive Intelligence)機能を搭載。この機能を通じて身長や体重を始めとしたパーソナルなデータと、自分が心地いいと感じる温度など“個々人の好み”を考慮した上で最適な環境を整えてくれる。

現在はエアコンのみに限られるが、AI機能をオンにしておくと「夜間に外の気温や日射量低下の影響で室温が変化するのを察知して、ユーザーが快適な温度を保つべく自動でエアコンを稼働する」といった使い方が可能だ。

一方で法人向けにはLS Miniの上位機種である「LS Hub」を中心に、主に不動産ディベロッパーに対して管理画面やライフアシスタントボットを用いたサービスなどを提供している。

Live Smart取締役の上田大輔氏によると「通信規格のバリエーションの多さ」と「オープンプラットフォームであること」が大きな特徴とのこと。個人向けのLS Miniでは赤外線とWi-Fi、法人向けのLS Hubではそれに加えてBluetooth、ZigBee、Z-Wave対応のデバイスと接続できる。

これによって家電を遠隔操作できるだけでなく、Wi-Fiカメラやスマートロックの「Sesame」に繋ぐことも可能。子どもやペットの見守り用途としてはもちろん、中長期的には不在時の荷物受け取りや家事代行サービスなどにも対応していきたいという。

またサービスだけでなくデバイスについても他社製品と積極的に連携していく方針だ。特に法人向けのサービスについては「Hubは自分たちで作るが、そこに繋がる他のデバイスについては気に入ったものを直接メーカーから買ってもらって構いませんという発想で進めている」(上田氏)そう。今後もオープンなプラットフォームを維持していく。

個人のスマートライフを支える社会インフラ目指す

Live Smartはエンジニアのバックグラウンドを持つ代表取締役CEOのロイ・アショック氏や、Amazon Japanにて玩具事業部の商品戦略部部長を勤めていた上田氏ら4名が2016年に創業したスタートアップだ。

元々アショック氏は海外のパートナーと共同で現在のLS Hubのプロトタイプを作っていたそう。ヒアリングの結果、日本の企業で一定のニーズがあることがわかり国内で会社を作ることを決断したという。

ちなみにアショック氏と上田氏が初めて出会ったのは、近所のレストランとのこと。「偶然隣の席で食事をしていた時に、『こっちの方が美味しいから食べてみなよ』と話しかけられたことがきっかけ」(上田氏)で仲良くなり、最終的には一緒に起業するに至ったのだという。

左からLive Smart代表取締役CEOのロイ・アショック氏、取締役の上田大輔氏

今回の資金調達を踏まえ、Live Smartではプロダクトの開発や他社との連携をさらに加速させる計画。これまでAmazon上でのみ販売していたLS Miniを家電量販店でも販売しチャネルの拡大を図るほか、三菱地所との協業や今後展開予定のライフアシスタントサービスの開発も進める。

三菱地所とは共同で住宅向けのサービスを作っていく方針で、三菱地所グループの住宅開発事業に対するスマートホーム機能の実装に加え、チャットボットやアプリを活用したマンション居住者向けサービスの拡充などを見据えているという。

そしてそこにも関わってくるのが、Live Smartが現在仕込んでいるライフアシスタントサービスだ。

これは上田氏の言葉を借りれば「(様々なサービス、デバイスと繋がった状態で)1人1人にコンシェルジュがつくようなもの」。LINEやFacebookメッセンジャーといたコミュニケーションプラットフォームを介して、家事代行サービスや宅配便受け取りが不在時でも簡単に利用できたり、チャットボット経由で地域のセール情報や便利な情報を入手できる仕組みを考えているようだ。

上田氏自身、Amazon在籍時に物流業務に関わることがあり、その時感じた再配達や不在時の荷物受け取りに対する課題感が起業にも繋がっているのだそう。「LiveSmartをきっかけに、いろいろな社会課題を解決できるのではないか」という考えは以前から持っていたという。

「自分達の中では『スマートホーム』よりも『スマートライフ』という表現をしている。(ライフアシスタントサービスなどの提供を通じて)人々の快適な生活を支える、新しい社会インフラの実現を目指していきたい」(上田氏)

キングジムのタマゴ型リモコン「Egg」は小さくてコンセント不要、どこにでも置けるカワイイやつだった

文具メーカーのキングジムは、2月18日よりクラウドファンディングの「Makuake」で自社製スマートリモコンの支援募集を開始する。TechCrunch Japanは一足先にその実機を手にすることができたので、紹介しておこう。

キングジム製のスマートリモコン「Egg」は、家にあるテレビやエアコンなど、赤外線リモコンに対応した家電をスマートフォンで操作できるようにするためのデバイスだ。デバイスとスマホはBluetooth接続で、事前のWi-Fi設定などは不要。1タップで複数の家電の操作ができる「シーン設定」や、毎日同じ日に家電を起動させる「タイマー設定」などが搭載されている。スマホがEggに近づくと自動で家電が起動する「オートメーション機能」もある。また、IFTTアプリと連携すれば、Amazon Echoなどのスマートスピーカーにも対応させることも可能だ。

 

ただ、Eggの最大の特徴は、デザイン的にも機能的にも「どこにでも置ける」という点だ。Eggはこの手のスマートリモコンにはめずらしく、USBケーブルなどで充電するタイプではなく、電池駆動のデバイス。だから、Eggは置く場所を選ばない。サイズも缶ジュースの半分ほどと小さく、見た目も名前の通り、タマゴ型のシンプルなデザインなのでどんな場所にも馴染む。

たぶん実際にはこんなところに置くことはないが、ヘルシオの上にもちょこんと乗せてみた。

電池を本体に入れるためには、Eggの下側にある蓋を開ければいい。ただ、この蓋を開けるためには小さな溝にコインを差して回す必要があって、そのあとに蓋をパカっと開けるのも、ちょっと固くて一苦労だった。

ちょっと蓋が開けにくいEggだが、スマートホームを気軽に体験するためにはお手頃なデバイスだ。電池を入れ、専用アプリをダウンロードしていくつか設定をするだけで快適なスマートホームが手に入る。Eggは本日からこちらのページで支援の募集を開始。支援価格は7500円からだ。

Amazonは過去を見て未来を作る

この20年間で、スマート家電は夢から日常へと進化した。家電量販店Best Buyの中を歩けば、わずか数分でセットアップできる製品が並んでいる。素晴らしいことだ。おまけに簡単に使えるのも嬉しい。大手からも小さなメーカーからも、照明やドアの鍵やスクリーンが発売されている。しかし、そこに問題がある。規格が統一されていないことだ。そんな中で、自社で販売する製品を統合して消費者や量販店に提供するというAmazonの方法は、解決策になり得る。

もちろん、どのスマート家電も役に立つのだが、いっしょにしたときにうまく協調してくれない。スマートホームは、スイッチを入れれば電灯が点くといった具合に簡単なものでなければいけない。AmazonはメッシュWi-FiのスタートアップEeroを買収したことが、それを物語っている。2つ3つより多くのスマート家電からなるスマートホームを形成するのは、至難の業だ。うまく使えなくなる要因がいくつもあり、スマートホームがトランプタワーのように頼りなく感じられてくる。

平均的な消費者にとってベストなものは、Amazonにとってもベストだ。スマートホームをできる限り簡単で便利なものにするには、それを提供する企業は、どの入口からでも同じ感覚で使えるように環境を整えることが大切だ。これはAppleがスマートフォンで実施している方法であり、Appleは、長年、もっとも簡単でもっとも安全なスマートフォンの使用環境を提供してきた。

理屈からすると、Amazonは、Amazon EchoにEeroルーターを同梱させるとか、Echo製品にメッシュネットワークを組み込むことを考えるだろう。いずれにせよAmazonは、Fire TVとEcho製品がAmazonのコンテンツ配信サービスを安定的に利用できるようにするだろう。それが、Amazonがスマートホームで儲ける形だからだ。

Devinが素晴らしい記事を書いて説明しているが、メッシュネットワークは、すべての部屋に入り込もうとしたAmazon自身が生み出した問題の解決策となる。本格的なスマートホームにWi-Fiは不可欠だが、Wi-Fi以外のネットワークもあれこれ存在する。スマートホームとは複雑なものだ。その始まりは20年以上前まで遡る。

無線ネットワークがまだ一般に普及していなかったころ、マニアや金持ちが立てた家では、エレクトロニクスを利用するために他の方法に頼らざるを得なかった。今でも、そのころのプロトコルの新しいバージョンを使っている製品は現役だ。Z-WaveやZigBeeといった通信方式を使えば、ホームセキュリティー・システムに無線監視カメラを接続したり、通常ならネットワークとは無関係なコーヒーメーカーや電灯などを操作できるようになった。

後に登場した無線通信規格は、Z-WaveやZigBeeと競合することになった。2000年代の初めにInsteonが現れ、無線電波と電灯線網を利用した冗長なネットワークを提供した。2014年には、Samsungの協力を得たNest、Qualcomm、ARM、その他の企業がThreadネットワーク規格を導入し、現代的な冗長性と高度な安全性をもたらした。それだけではない。Bluetooth 5、Wi-Fi HaLow、そして見渡せる範囲で使える赤外線信号を使った製品もある。

こうした競合する通信方式によってグループが分かれるため、それらに属する製品を同時に使ってスマートホームを形成し、ひとつのデバイスですべてを操作することは困難になる。スマートホーム製品の初期段階である現在は、さまざまな製品の統一的なコントロールを可能にするために自社製品の使用を促すという形をAmazonとGoogleが作り上げている。

Appleはそれを実行し、なんとか成功した。HomeKitフレームワークでは、iOS機器を家の中央コントロールポイントとして使うようになっている。電灯を点けたければ、iOSに表示されるボタンをクリックするか、今ならHomePodに話しかけるだけでいい。宣伝のとおりに機能してくれるが、対応する製品はAppleの認証を受けなければならず、そのため使える製品の数はAmazon Echo対応のものよりも少ない。

一方、GoogleとAmazonは両手を大きく広げてスマートホームに入ってきた。あらゆる製品に対応する姿勢を見せた。

それが功を奏した。この2年間でスマート家電メーカーは、自社製品がGoogle AssistantやAmazon Alexaに対応することで大きく前進できた。先月開催されたCESでは、便器がAlexaに対応したと発表されてジョークのネタにもなったぐらいだ。

スマートトイレには恐れ入るが、これらネットワークに接続される製品のすべてが、それぞれにセットアップを必要とする。すべての電灯、暖房の温度調節器、トイレも、初めてのユーザーがスマートフォンのアプリを操作して快適に使うことを要求している。ネットワークの設定がどうなっているのか、トラブルが起きたときに何をググればいいのかをユーザーが心得ているものと想定されている。なぜなら、トラブルはかならず起きるからだ。

AmazonのAlexaアプリは助けてくれない。ひとつのアプリは、音声通話、スキルの設定、遠隔操作、Alexaへのアクセスなど、さまざまな機能がに支えられている。ひとつのアカウントにいくつものEchoを登録してしまうと、もう仕事が多すぎて手に負えなくなってしまう。

何かを変えなければ。

スマートホームが新しいデモグラフィックに売り込みをかけようとするなら、難しいものは取り除かなければならず、集中コントロールが最重要となる。ITに詳しくない人でも、音声コントロールハブをいくつか買ってきて、照明をつないで、暖房の温度調節器をつないで、それらすべてをひとつのアプリで操作するよう設定できなければならない。個々の製品のネットワーク方式が異なっていてもだ。

Amazonはすでに、異なるスマートホーム用無線プロトコルに対応するという大きな一歩を踏み出している。2017年、AmazonはEcho Plusを発表した。このバージョンのEchoスピーカーは、ZifBee(ZigBee用Philips Hue LEDライトシリーズ)に対応している。さらに2018年、AmazonはEcho Plusをアップグレードし、温度センサーを搭載して、インターネットがダウンしてもオフラインでスマートホーム・ネットワークを使ってスマート家電をコントロールできるようにした。

Amazonは、スマートホーム関連企業のポートフォリオを膨らませている。自社製のEcho製品に加えて、ビデオモニター付きドアベルのメーカーRing、無線ビデオカメラ・システムのメーカーBlink、そして最近では屋外用照明のメーカーMr.Beamsを買収している。これにEeroが加わり、AmazonによるWi-Fi環境を買い手に提案できるようになった。残るは、これらのデバイスの使用環境の統一だ。

どの企業でも、スマートホームで競争に勝ちたいと思えば、消費者の絶対的な信頼を得る必要がある。Amazonは、今のところ、ユーザーのプライバシーに関する問題を起こした回数がもっとも少なく、内容も比較的軽いもので済んでいる。Amazonが音声データを行政当局に渡していたことを、複数の記事が伝えた。またAmazonが所有するビデオモニター付きドアベルのメーカーの製品が近所を監視して個人の特定や差別につながるのではないかと問題を提起した記事もあった。

Amazonは、そうした中傷記事で評判を落とすことはないだろうが、製品の不良により高収益をもたらすサービスが提供できなくなることには耐えられまい。

スマートホームの世界を占領しようと戦いを続けているのはAmazonだけではない。Google、Samsung、そしてAppleは、この成長を続ける市場を真剣に見据えている。彼らは、Amazonがパイをすべて食べてしまう事態を許さないだろう。家電大手も、消費者に人気の製品を持つスマートホーム製品のメーカーの引き抜きを続けてゆくだろう。Arlo、ecobee、Belkin、Wyze Labs、sevenhugs、Brilliantのような企業を買収しようと目を光らせているのだ。これらの企業は、彼らが目指す分野で最高の製品を作っている。大手家電メーカーがこれまでに買収した企業の隙間を埋めることで、完全に統一された使用環境を消費者に提供しようと目論んでいる。

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(翻訳者:金井哲夫)

ソニー、留守でも生活支援サービス業者が開錠できる「MANOMA Entrance」を提供開始

eng-logo-2015ソニーネットワークコミュニケーションズが提供するスマートホームサービスMANOMAが、不在時でもサービス業者が家のスマートロックを解除し、家事代行などのサービスを受けられる「MANOMA Entrance」を3月1日より開始します。

MANOMAは、ソニーネットワークコミュニケーションズが2018年10月に発表したスマートホームサービス。Alexaに対応したAIホームゲートウェイを中心に、室内カメラや開閉センサーなどを組み合わせ、留守中の家の様子を確認したり、留守時に開閉センサーが作動すると警報を鳴らし、オプションでセコムが駆け付けるなど、セキュリティに強いのが特徴です。

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あらたに提供されるMANOMA Entranceは、予約した日時にサービス提供業者が自宅を訪問し、適切なスタッフであることを認証したうえで玄関の鍵を開錠します。あらかじめ鍵を預けておいたり、時間になったら自分で遠隔操作をする手間がないのが特徴です。

室内カメラを使って作業スタッフの様子を確認でき、必要なら直接スタッフとの会話も可能とのこと。

3月から開始するのは、家事代行のダスキン メリーメイドとベアーズ、ハウスクリーニングのおそうじ本舗、ペットシッターの麻生PETの4サービス。2月15日から順次、各サービスの申込受付を開始します。

なお、サービスを受けるには、MANOMAを利用しており、かつQrio LockとQrio HubをMANOMAに登録していることが条件となります。

今後、対応サービスとして、介護やヘルスケア、宅配、ECなどとの連携も検討しているとのこと。宅配業者と連携できるようになると、宅配ボックスも不要で配達員が家の中に荷物を置く、米AmazonのKeyのようなサービスが実現できるかもしれません。

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Engadget 日本版からの転載。

監視カメラのArloに4Kモデルが登場

監視カメラのArloシリーズはNetgearにとってサプライズだったに違いない。おかげでネットワーキング事業の同社は今年、Arloの部門を独立させてIPOを果たした。

最新機種のArlo Ultraは超高解像度で撮影しHDR画像処理をする。400ドルの同製品はもしかしたら——たぶん実際に——ほとんどのユーザーにとっては過剰スペックだ。監視カメラに4Kが必要か? もちろん必要ない。しかし、超高解像度で得られる詳細が役に立つ場面もあるかもしれない。

価格には一年分のArlo Smart Premierサービス(通常価格120ドル)と家庭のWi-FiにつなぐためのSmartHubも含まれている。

Ultraの画角は180度で、内蔵LEDスポットライトにより暗いところではナイトビジョンより良い映像を得られる。デュアルマイクロフォンも内蔵しており、アクティブノイズキャンセリングによる鮮明な双方向会話が可能だ。。

Arlo Ultraは来年の第1四半期に発売予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマート家電が見聞きした情報を政府に開示するかどうかメーカーに聞いてみた

10年前には、ほぼすべての家電製品がインターネットにつながることなど想像もつかなかった。今では、スマートではない家電製品のほうが大変に貴重になっている。だが、スマート家電は、普段、私たちが考えてもいない新しいデータを大量に吸い上げているのだ。

暖房の温度調節器は部屋の温度を知っている。スマートカメラとセンサーは、家の中で誰かが歩き回われば、それに気づく。スマートアシスタントは、我々が何を求めているかを知っている。スマート・インターホンは、誰が来て誰が出て行ったかを知っている。クラウドのお陰で、そうしたデータはどこからともなくやって来る。スマートフォンを使えば、ペットの様子を見たり、ロボット掃除機が仕事をしているかを確かめることが可能だ。

スマート家電のメーカーは、そうしたデータを蓄積したり利用したりできる。そこで、犯罪解決のためにそれを利用できないかと、警察や政府機関は考え始めている。

スマート家電が、我々を監視するために使われているかどうか、などという質問にはメーカーが答えるはずがない。

何年もの間、技術系企業は透明性に関するレポートを発表してきた。彼らは、ユーザーのデータを提出するよう政府から要求されたり依頼された回数を、半定期的に公開している。最初は2010年のGoogleだった。その他の企業も、ユーザーをスパイするよう政府から協力を求められているとのエドワード・スノーデンの暴露騒動に押されて追従するようになった。盗聴国民の通話記録を提供して政府に加担してきた電話会社ですら、信頼を取り戻そうとその件数を公表するようになっている。

スマート家電が普及し始めると、警察も、これまで持ち合わせていなかったデータの新しい入手方法に期待するようになった。警察は、殺人事件の解決のために、Amazonから提供されたEchoのデータを検証した。Fitbitのデータは、養女を殺した容疑で90歳の男性を起訴する手助けとなった。最近では、Nestが監視映像の提出を強要され、これがギャングのメンバーに窃盗事件の有罪答弁をさせることにつながっている。

しかし、大手スマート家電メーカーの中で、データ提供の要請の件数を公表したのはGoogleの傘下であるNestただ一社だ。

あまり知られていないNestの透明性レポートだが、先週、Forbesは、多くのことは示されていないと指摘した。2015年半ばから、500件分のユーザー情報を約300回提出したという内容に留まっている。またNestによれば、テロやスパイなど国家の安全保障に関連する秘密の依頼は、今日まで受けていないという。Nestの透明性レポートは、地方や政府からの合法的なデータの要求案件を開示したApple、Google、Microsoftの詳細な報告書と比較すると、かなり曖昧だ。

Forbesは「スマートホームは監視ホームだ」と書いているが、その規模はどれほどなのだろう。

我々は、市場でよく知られているスマート家電メーカー数社に、透明性レポートを発表するか、またはスマート家電のデータを提出するよう要求された数を公表するかを聞いてみた。

その返事は、ほとんどが泣きたくなるような内容だった。

最大手4社の返事

Amazonは、Echoのデータの提出要請の数を公表するかという質問には答えなかった。去年、データ提供のニュースに関連して広報担当者に質問した際も、Echoのデータに関する報告は行うが、そうした数字は公表しないと話していた。

Facebookは、透明性レポートには「Portalに関連するすべての要求」が含まれると話している。Portalは、Facebookが先日発売を開始したカメラとマイクを搭載したディスプレイ装置だ。新製品ではあるが、広報担当者は、このハードウエアに関するデータ提出要請の件数を公表するかについては答えなかった。

Googleは、Nestの透明性レポートについては話したが、Google自身のハードウエア、とくにGoogle Home製品に関連するレポートの開示については答えていない。

Appleは、HomePodなどのスマートホームに関する数字の公表は必要ないという立場だ。なぜなら、報告するような事例がないからだそうだ。Appleによれば、HomePodへのユーザーからの命令にはランダム・アイデンティファイアが割り当てられるため、個人の特定は不可能だという。

最大手以外の重要なスマート家電メーカーの場合

スマートロックのメーカーAugustは、「透明性レポートは作成していないが、外国諜報活動偵察法に基づく国家安全保障に関する書簡も、ユーザーのコンテンツまたは非コンテンツの情報の提出を求められたこともありません」と言っている。しかし、召喚状、令状、裁判所の命令の件数については答えていない。「Augustは、あらゆる法律に準拠しており、裁判所からの命令や令状があったときは、応じる前に、かならずその内容を吟味しています」と広報担当者は話していた。

ルンバのメーカーiRobotは、「政府から顧客データの提出を求められたことはありません」と話しているが、透明性レポートを将来公表する予定はあるかとの質問には答えなかった。

Netgearのスマートホーム部門であったArloと、Signify(旧Philips Lighting)は、透明性レポートは作成していないとのこと。Arloは将来についてはコメントせず、Signifyは作成の予定はないと話している。

スマートなドアホンやセキュリティー製品のメーカーRingは、なぜ透明性レポートを作成しないのかという我々の質問には答えなかったが、「市民に適正な利益をもたらす合法的で法的義務が伴う要請がなければ、ユーザー情報は提供しません」と話している。さらにRingは、「当然のことながら、利用範囲が広すぎたり不適切な要求は受け入れません」とのことだ。さらに尋ねると、将来的には透明性レポートを公表する計画はあると答えたが、いつとは言わなかった。

どちらもスマートホームのセキュリティー製品を製造販売しているHoneywellCanaryの広報担当者は、こちらが指定した期限までには返事をくれなかった。

スマートセンサー、トラッカー、インターネットに接続できるテレビなどの家電製品を製造販売しているSamsungは、コメントの依頼に応じなかった。

スマートスイッチとスマートセンサーのメーカーEcobeeだけは、「2018年末に」最初の透明性レポートを公表する計画があると話してくれた。「2018年以前、Ecobeeは政府機関から、いかなるデータの提供の依頼または要請も受けたことがありません」と広報担当者は強調していた。

ともかく、家の中の家電製品が、自分たちのためではなく、政府を助けるためにあると考えるとゾッとする。

スマート家電はますます便利になるが、それが収集するデータがどれだけ広範囲に及ぶものか、さらに使っていないときもデータを集めているということを理解している人は少ない。スマートテレビにスパイ用のカメラが付いていなかったとしても、我々がいつどんな番組を見ているかは把握している。それを使って警察は、性犯罪者を有罪にできる可能性がある。殺人容疑者が家庭用警報装置のリモコンキーのボタンを押したというデータだけで、殺人罪が確定してしまうかも知れない。

2年前、元米国国家情報長官James Clapperはこう話していた。政府は、スマート家電を諜報機関が調査を行うための新しい拠り所として視野に入れていると。インターネットに接続された家電製品の普及が進めば、それは普通のことになってしまう。情報通信アドバイザリー企業Gartnerは、2020年までに200億台以上の製品がインターネットに接続されると予測している。

インターネットに接続された居間のカメラや温度調節器を通して、政府が我々の行動をスパイする可能性は低いだろうが、不可能だと考えるのはお人好し過ぎる。

スマート家電のメーカーは、それをユーザーに知らせようとはしていない。少なくとも、大半のメーカーは。

‘Five Eyes’ governments call on tech giants to build encryption backdoors — or else


アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのいわゆる「ファイブアイ」国家同盟は、大手技術系企業に対して、ユーザーの暗号化されたデータの解読を可能にする「バックドア」を作るよう秘密裏に要請していた(本文は英語)

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(翻訳:金井哲夫)

スマートスピーカーの販売額は来年末までに50%アップする――NPDがアメリカ市場のデータを発表

2014年の後半にEchoをリリースしたときにはAmazon自身もこうなるとは予想していなかったかもしれない。 AIを利用したスピーカーは次世代家電に必須のプラットフォームを作ることになりそうだ。

スマートスピーカーはAIを消費者レベルに浸透させ、さまざまな製品がWiFiなどを経由して協調作動するコネクテッド・ホームの世界へのドアを大きく開いた。

消費動向調査の有力企業、NPDが発表したレポートによれば、スマートスピーカーの売れ行きにはまったくかげりが見えないという。 これらのデバイスの販売額は2016-2017年と2018-2019年を比較して50%の成長を示すと推定されている。スマートスピーカーのカテゴリーには来年末までに16億ドルの売上があるものと期待されている。

AmazonがベストセラーになったDot、スクリーン付のSpotやShowを追加するつれ、Echoシリーズはこの4年間に 急速に売れ行きを伸ばしてきた。一方、GoogleもHomeシリーズでぴったりAmazonの背後につけている。最近LG、Lenovo、JBLが発表したスマートディスプレイはGoogleのホームアシスタントが組み込まれている。

Appleもこの分野に参入し、HomePodを発表した。これによりプレミアム版のスマートスピーカーというジャンルも成立した。Googleもハイエンド製品、Home Maxで続いた。Samsungが近くリリースするGalaxy Home(三脚にHomePodを載せたように見える)もこのジャンルの製品だろう。

こうした大企業はすべてスマートスピーカーがスマートホーム製品の普及に道を開くことになるのを期待しているのは疑いない。NPDの調査によれば、アメリカの消費者の19%は1年以内になんらかのスマートホーム製品を購入する予定があるという。

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滑川海彦@Facebook Google+

中国製ロボット掃除機に脆弱性――ハッカーに家中を覗かれる可能性あり

スマートホーム製品というのはなるほどそこそこ便利だが、家に呼び入れたデバイスのWiFiを誰かが悪用しようと考える可能性があることは知っておく必要がある。

しかし多くのユーザーはロボット掃除機もこのカテゴリーに入るとは考えなかっただろう。

エンタープライズ・セキュリティーを提供する企業、Positive Technologiesの研究者2人はDongguan Diqee 360シリーズのロボット掃除機に存在するセキュリティー上の脆弱性に関して詳しい情報を公開した。このロボット掃除機は広東省東莞市のスマートホーム・デバイスのメーカー、Diqee
Intelligence(缔奇智能)の製品で、 WiFiと360度カメラを備えている。これにより家の中を動き回って監視するダイナミック・モニタリングが可能だというのが売りだ。しかしこの機能に悪用の危険性があるといいう。

CVE-2018-10987として知られるリモートでコードが実行される脆弱性により、デバイスのMACアドレスを知っているハッカーはシステム管理者の権限を乗っ取ることができる。今回のレポートによれば、脆弱性はREQUEST_SET_WIFIPASSWD関数内に存在する。この関数を使用するためには認証が必要だが、デフォルトのユーザー名/パスワードはadmin/888888という弱いものだった。

脆弱性が確認されたのはDongguan Diqee 360ロボット掃除機だが、研究者は同じビデオ・モジュールを使っている他のデバイス、屋外監視カメラやスマートドアホン、デジタルビデオレコーダーなどにもこの脆弱性があるのではないかと懸念している。Diqeeではロボット掃除機を他のブランドでも販売しており、研究者はこうしたOEM製品にも同様の脆弱性があるだろうと考えている。

Positive Technologiesはロボット掃除機には別のリモートコード脆弱性、CVE-2018-10988も存在することを発見したが、これを悪用するためには掃除機のSDカードスロットに物理的にアクセスする必要がある。

ロボット掃除機には「プライバシーカバー」が付属する。Diqeeによればこれは物理的にカメラを覆って情報のリークを防ぐものだ。Positive Technologiesはメーカーに脆弱性について通報したが、今のところまだ修正パッチは発行されていない。TechCrunchではDiqeeに取材を試みているが、この記事を執筆している時点では回答がない。

Positive Technologiesのサイバーセキュリティー責任者、Leigh-Anne Gallowayは「このロボット掃除機を含め、IoTデバイスはすべて乗っ取られてボットネットに組み込まれ、DDoS攻撃の足場に利用される可能性がある。しかしまだそれなら所有者に直接の被害は及ばない。ところがナイトビジョン・ウェブカメラ、スマートフォンによるナビゲーション、WiFiをハッカーが悪用すれば所有者を密かに監視することが可能になる。最大の監視能力を持った、いわば車輪付き盗聴器だ」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DIYで作るこのスマートミラーは小さくてすごくて機能山盛り

数年前にGoogle XのエンジニアMax Braunが、彼が作ったスマートミラーに関する記事をMediumに載せた。その彼が、さらに小さく、さらにスマートなニューバージョンを手にして戻ってきた。これはぼくも支持できるスマートミラーだけど、でもぼく自身はスマートミラーを重要なデバイスとは思えない。

彼は自分のプロジェクトをMediumに発表し、それを作るために必要な工程と部品について説明している。万人向けのプロジェクトではないが、でもMaxは企業が実際に製品化に取り組めるほどの、十分なインストラクションを提供している。

最近スマートミラーをレビューして記事を書いたことがあるが、ちょっと馬鹿げているけど役に立つ、と感じた。それはMaxのスマートミラーのように、ソフトウェアはパッシブで常時動いている。ユーザーは、ミラーと対話することをいちいち意識しなくてよい。正しい情報が、自動的に表示されるはずだ。しかし鏡とディスプレイの両者を兼ねることは、一種の曲芸のようだ。

現時点では、スマートミラーとはマジックミラーのうしろにAndroidタブレットを置いたものにすぎない。同じ情報がスマートフォンや音声アシスタントから得られるのだから、今の高価な小売価格では買う人がいないだろう。そもそも、天気予報を知るために人は何台のデバイスを必要とするのだろうか。

〔訳注: ユーザーの顔(など)を診断して個人化された美容情報や健康情報を提供するミラーが本当のスマートミラー。提供する情報が天気予報やニュースなどだけなら、ミラーのスマート化(“スマートなミラー”)とは言えない。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DIYで作るこのスマートミラーは小さくてすごくて機能山盛り

数年前にGoogle XのエンジニアMax Braunが、彼が作ったスマートミラーに関する記事をMediumに載せた。その彼が、さらに小さく、さらにスマートなニューバージョンを手にして戻ってきた。これはぼくも支持できるスマートミラーだけど、でもぼく自身はスマートミラーを重要なデバイスとは思えない。

彼は自分のプロジェクトをMediumに発表し、それを作るために必要な工程と部品について説明している。万人向けのプロジェクトではないが、でもMaxは企業が実際に製品化に取り組めるほどの、十分なインストラクションを提供している。

最近スマートミラーをレビューして記事を書いたことがあるが、ちょっと馬鹿げているけど役に立つ、と感じた。それはMaxのスマートミラーのように、ソフトウェアはパッシブで常時動いている。ユーザーは、ミラーと対話することをいちいち意識しなくてよい。正しい情報が、自動的に表示されるはずだ。しかし鏡とディスプレイの両者を兼ねることは、一種の曲芸のようだ。

現時点では、スマートミラーとはマジックミラーのうしろにAndroidタブレットを置いたものにすぎない。同じ情報がスマートフォンや音声アシスタントから得られるのだから、今の高価な小売価格では買う人がいないだろう。そもそも、天気予報を知るために人は何台のデバイスを必要とするのだろうか。

〔訳注: ユーザーの顔(など)を診断して個人化された美容情報や健康情報を提供するミラーが本当のスマートミラー。提供する情報が天気予報やニュースなどだけなら、ミラーのスマート化(“スマートなミラー”)とは言えない。〕

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Alexaでコントロールするトイレの作り方…そう、自分で作れるものは作ろう

Alexaでコントロールするトイレは、2018年の話題の一つだが、数千ドルする。意欲果敢な人なら、このとおりやれば自作できる。ちょっと工作があるし、複数の部品を使うし、トイレの費用以外に約750ドル要る。しかしその最終結果は、音声でコントロールするトイレットだ。人間なら、誰もが欲しいと思うだろうね。

かんじんな部分は、赤外線リモコンつきのビデを買うことだ。それから、AdafruitのWi-Fi開発ボード使って、トイレに水を流す別のデバイスをトリガーする。簡単だ!

家の中の音声コントロールはかなり前から、ホームオートメーションの黄金律と見なされていたし、AlexaやGoogle Homeの登場によって自分ち用のJarvisを作ることがいよいよ容易になった。Mark Zuckerbergが家庭用人工知能Jarvisを作って彼の家のあちこちをコントロールしようとしたのは、わずか2年前だ。そして今では、ちょっとしたハッキングとコーディングで誰もが同じことをできる。でもZuckのAIは、声がハリウッドスターのMorgan Freemanだ。Alexaと格が違うのは、この点だけだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「Google Homeは昨年10/19以来毎秒1台以上売れた」――CESを控えてGoogleが発表

今日(米国時間1/5)、Googleは 「昨年は何千万台ものGoogleデバイスが家庭に入っていった。10月にGoogle Home Miniが出荷されて以降、毎秒1台以上の割合で複数のGoogle Homeデバイスが売れている」と発表した

Home Miniが正式に販売開始されたのが昨年10月19日だから、それ以来ざっと675万秒経過している。情報を総合すると各種のGoogle Homeは750万台程度売れたようだ。

2017年に入ってGoogleはGoogle AssistantとGoogle Homeデバイスの普及に本格的に力を入れるようになった。新しく登場したGoogle Home Miniは 29ドル(場合によってはわずか19ドル)で買える。Home MiniでGoogleは低価格デバイスでAmazonのEcho Dotと正面から競争できるようになった。もちろんハードウェア・ビジネスでGoogleが得られる利益自体は大きくないだろうが、全体としてみればこの戦略は功を奏したといえる。

残念ながら, GoogleはGoogle Homeの販売台数の内訳を教えてくれなかったので、レギュラーサイズ機とMiniがそれぞれ何台売れたかは不明だ。常識的に考えれば低価格のMiniのほうがかなり多く売れたはずだ。

また今日GoogleはAssistantが4億台のデバイス上で作動していることを発表した。この台数には各種のAndroid版スマートフォン、スマートウォッチの他にiPhoneで作動するアプリも入っている。作動可能なGoogle AssistantとAmazon Alexaの数を比較してみたら興味深いだろうが、Amazonは知ってのとおり秘密主義で数字については固く口を閉ざしている。公式発表には逸話的情報は多いものの具体性には乏しい。

当然ながら、Google Assistantの拡大とともに、これをめぐるエコシステムもデバイス・メーカーにとって魅力を増しており、自社製品にAssistantを組み込む動きが目立ってきた。当面、ホームオートメーション部門が中心で、Nest、Belkin、Samsung、Philipsその他がすでに製品を投入している。現在Google Assistantをサポートするスマートホームデバイスは225のブランドから1500種類程度が市場に出ている。

Googleが今日この情報を発表したのは偶然ではないだろう。世界最大級のエレクトロニクス製品のトレードショー、CESはこの週末からスタートする。実はGoogleは会社の歴史始まって以来初めてCESに本格的に登場する。(フロアプラン)。目玉となるのはAssistantデバイスとエコシステムだ。この数日中に多数のGoogle Assistantをサポートするスマートデバイスが発表されるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonがインターネットに接続されたWi-FiホームセキュリティカメラのBlinkを買収

Amazonが、2014年に創業されて、インターネットに接続されたWi-Fiのホームセキュリティカメラや、今週発表されたテレビドアホンを作っているBlinkを買収した(Slashgearの記事より)。Blinkは最初、その完全にワイヤレスのホームモニタリングシステムのために、クラウドファンディングで資金を集めた。

Amazonはすでにインターネットに接続されたホームビデオカメラや、あるいは鍵製品までも、Cloud CamやAmazon Keyのような形で提供しており、それらは遠隔地から自分ちの門や玄関の様子を見たり、配達の人にドアを開けてやり、また閉めるといったことが可能だ。

ではBlinkがAmazonに何をもたらすかというと、それは、インターネットに接続されたホームモニタリングとセキュリティの専門技術であり、完全に配線不要なので複雑な据え付け工事もなく、日常の利用も電池交換も簡単な製品仕様だ。

たとえばBlinkのDoorbellは、単三電池2本で、通常の使用なら2年は使える。電池寿命に関しては競合製品Ringのワイヤレスドアホンよりも長く、価格も99ドルと安い。モーションキャプチャーや、双方向オーディオ、防水、暗視などの機能は、両社ほぼ共通だ。

このところAmazonは明らかに、‘コネクテッドホーム’(インターネットに接続された家)の分野に関心があり、それはまるで、自社製品Alexa/Echoの大成功に鼓舞されたような形だ。今回のBlinkの買収でAmazonは、Ringや、Alphabet保有のNestなどに動揺を与えると思われる。なぜなら今後ますますAmazonはこの分野で、安くて利便性に富む製品を市場に投じて行くだろうから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アパート全室をスマートホーム化するDweloが$4.9Mを調達、管理人の仕事も楽に

スマートホームはいいけど、テクノロジーが大好きな人たちの多くは、ホーム(自分の家)には住んでいない。そこでDweloが提供するのは、アパート全体とその各室のための大規模なスマートホームのソリューションだ。

同社のシステムを利用すると、オーナーはスマートロックや、スマートライト、サーモスタットなどを各室に装備でき、居住者はDweloのアプリとハブを使ってそれらをコントロールできる。サポートもすべてアプリから行われるので、電球がちかちかする、とかなんとかで管理者がいちいち連絡する必要はない。

ユタ州でDweloを作っているProvoが今日(米国時間8/30)、Peterson Venturesがリードするラウンドで490万ドルを調達したことを発表した。同社の総調達額は、これで970万ドルになる。

CEOのMichael Rovitoは声明文の中でこう述べている: “発売直後から、需要は爆発的に伸びている。アパートの住民や経営者にスマートホーム技術の利便性を提供できることは、実にすばらしいと感じている”。

これがあるとアパートの管理者がいちいち施錠の状態をチェックする必要もなくなり、一方でDweloは、Nextdoorのようなコミュニティアプリにはできなかったやり方で、アパートのコミュニティに奉仕できる。住民自身がたった一つのアプリでアパートを管理できるだけでなく、今後の機能の追加により、アパートコミュニティの核のようなサービスも提供できるようになるだろう。Rovitoも、今後はその方面を追究していきたい、と言っている。

Dweloの収益源は、最初のハードウェアの据え付けのみだ。それは建設と同時並行でもよいし、あとからでも設備できる。また管理人の仕事の多くを代行することになる、各住民が持つアプリも、月額の使用料が管理者に請求される。

同社は今、アメリカ全体でおよそ100のアパートを顧客にしている。今回得られた資金で、さらなる拡大を図ろうとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))