フランスのクラウドプラットホームもGPUインスタンスでデータ指向ユーザー狙う

フランスのClever Cloudは、PaaS(Platform as a Service)タイプのクラウドホスティングサービスだ。同社は米国時間7月4日、機械学習のためのGPUインスタンスをローンチし、それをClever Gridという新しいブランド名で提供することになった。。

同社が使用するGPUはNvidiaのGeForce GTX 1070、分単位で課金される。最もベーシックなインスタンスが1時間0.42ユーロ(約51円)、1日10ユーロ(約1200円)、1か月300ユーロ(約36500円)だ。このお値段でメモリー6GB、8コアCPU、1GPU、ストレージ250GBを使える。

もちろん仕様アップは可能で、GPUインスタンスの最大仕様はメモリー60GB、32コアCPU、4GPUとなる。その料金は、月額1200ユーロ(約14万6000円)だ。

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クラウドインフラストラクチャについてあまりよく知らない、データサイエンティストなどのユーザーのためにClever Cloudは、インフラストラクチャの管理をできるだけ抽象化している。ユーザーは自分のPythonコードをWebインタフェイスから自分のクラウドインスタンスの上で直接実行できる。

GPUインスタンスはTensorflowやscikit-learn、CUDA、Keras、pytorchなどをサポートしている。GPUインスタンスの上でDockerのコンテナを動かせる。

Clever CloudはGitHubのリポジトリを直接統合しているから便利だ。自分のGitHubアカウントにコネクトして、そのリポジトリでクラウドのインスタンスをスタートできる。するとユーザーのコードがサーバー上でデプロイし実行される。

そんなシームレスなデプロイに加えて、Clever Cloudにはモニタリングやバックアップ、セキュリティアップデートなど、ユーザーのサービスが円滑に動くための、ユーザー環境の脇を固める機能がいろいろある。

Clever Cloudのクライアントには、Airbus(エアバス)、MAIF、Compte Nickel、Sogeti、South African Ministry of Health(南アフリカ保健省)などが名を連ねる。

Clever Grid

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

完全栄養の麺・パンをリニューアルしたベースフード、まもなくアメリカでの販売を開始

完全栄養の主食「BASE PASTA(ベースパスタ)」ならびに「BASE BREAD(ベースブレッド)」を開発してきたフードテック領域のスタートアップ、BASE FOOD(ベースフード)。

同社は7月1日、BASE PASTAならびにBASE BREADをリニューアルしたと発表した。BASE PASTAは「BASE NOODLE(ベースヌードル)」に一新、BASE BREADは常温保存が可能となった。

また、同社の代表取締役社長、橋本舜氏はTechCrunch Japanの取材に対し、今秋には同社商品のアメリカでの販売を開始する予定だと明かした。

完全栄養の主食をリニューアル

BASE FOODいわく、従来商品のBASE PASTAに対し、「雑穀感が強い為、アレンジしにくい」「あわせるソースが限られてしまう」などの声が挙がっており、また、和洋中を問わず様々なソースに合わせて食べられるようにするため、同社はBASE PASTAを改めBASE NOODLEとしての販売を開始した。

確かに、BASE PASTAは味に癖が強かったのに対し、BASE NOODLEはよりスッキリとしている印象だ。

橋本氏いわく「10種類以上の原材料を使って作る麺というのは他にはないので、それぞれの配合の仕方や順番、加えて、製麺する時の工程の順序などを工夫したことによって、より歯切れやツルッと感、美味しさが改善している」が、詳しい内容は企業秘密とのことだ。

ソースは「コクと旨みのボロネーゼソース」「とろとろ玉ねぎとアンチョビのソース」「具材たっぷり 中華風あんかけソース」「ピリ辛 台湾まぜそばソース」の4種が用意されている。以前はより多くのソースが用意されていたが、整理して4種類にした。橋本氏いわく、以前の麺は癖が強く市販のソースにはあまり合わなかったが、BASE NOODLEでは十分美味しく食べることができる。

日清食品が3月にパスタで完全栄養食の新ブランド「All-in PASTA」の展開を開始したため、「PASTAからNOODLEに変更したのはこのためか?」と聞いたところ、橋本氏は「NOODLEの構想はもともとあった」と回答。

「大手が入ってくるとスタートアップは厳しいという話を多くの人がするが、実際はそんなことはない。スタートアップは『このプロダクト』『このビジョン』に専念・集中している。一方、日清は多くのプロダクトがある中でのAll-in PASTA。同社が参入したことによってBASE FOODの客が減った印象はなく、むしろ、認知が相当大きくなっている」(橋本氏)

また、このPASTAからNOODLEへの名称変更には、「焼きそばなどにして食べるような工夫が広がってきている中、PASTAという名前の場合、一見の客はPASTAとしてしか食べられないと勘違いしてしまう」(橋本氏)といった、マーケティング面での理由もある。

1食で1日に必要な栄養素の1/3を含み、一般的なパスタと比べて糖質45%OFFのBASE NOODLEには以下の栄養素が含まれている。

完全栄養パンのBASE BREADは常温保存が可能な商品へとリニューアルされている。

2月に同商品が発表された時、「冷凍での保存」が必須なため「解凍が手間だ」と僕は感じた。BASE FOODいわく、ユーザーからも「冷凍庫に入りきらない」「冷凍便での配送受け取りが面倒」といった声が挙がっていたという。

そのため、常温でも商品が届いてから約1ヵ月保存できるようBASE BREADは改良された。

橋本氏いわく「保存料を加える形ではなく、水分や酸素、アルコール、酸性アルカリ性などの細かな工夫により、完全栄養かつ、一定の消費期限があるものを作り上げている」が、こちらに関しても詳細は企業秘密。

1食で1日に必要な栄養素の1/3を含み一般的なロールパンに比べ糖質35%OFFのBASE BREADに含まれる栄養素は以下のとおりだ。

今秋にはアメリカでの販売も開始予定

BASE FOODは2018年、米国法人を立ち上げ、サンフランシスコにオフィスを開設。現在は日本人のアメリカ代表と食品開発のCTOが米オフィスに常駐しており、アメリカ人も3人採用している。

橋本氏は「販売開始も近い」と話し、今年の秋にはアメリカでの発売を開始する予定だと明かした。同社は設立当初より海外展開を目指していたのだという。

「もともと海外展開を予定していたので、ガラパゴス化しないように、アメリカや中国でもできるようなビジネスモデルでやっている。それは『D2C掛けるフードテック』。ゆえに、どちらかというと日本市場のほうが厳しい。日本にはD2Cで買うようなミレニアル世代が少ない上、フードテックの認知度も低い。ただ、同じやり方をD2Cもフードテックも既にあるアメリカでやると、より楽に広められると思っている。アメリカの方が日本よりスピーディーに立ち上がる可能性は十分にある。アメリカ人の社員もいるので日本人としての不利もない」(橋本氏)

現在、アメリカでは植物性の肉を製造するBEYOND MEAT(ビヨンド・ミート)などにより、フードテック領域が話題だ。橋本氏はBEYOND MEATに関して「(同社が)解決する課題は、国連SDGsのサスティナビリティ関連の話であり、『買い物にいくのが面倒だ』などといった話ではない。地球規模の社会課題解決をするために、『肉』という人類史上変わらなかったものをひっくり返そうとしている。それがフードテックの面白いところだ」と話した。同氏はBEYOND MEATのビジョンに強く共鳴しているようだった。

「BEYOND MEATは肉をプラントベースのものに入れ替えることによって、評価されている。入れ替える理由は、『美味しいから』。従来のものは美味しくなく、ビーガン向けだったので市場は小さかった。だが、BEYOND MEATは美味しいので『一般人向け』。海外の投資家はBASE FOODを全く同じように見ている。肉と同じくらい大きい市場は主食くらいしかないと思うが、BASE FOODは炭水化物中心の主食を栄養バランスの良い主食に切り替えようとしている。その理由は『美味しいから』」

「古着女子」のyutoriが仮想モデルエージェント「VIM」設立

インスタメディア/コミュニティの「古着女子」や古着ECショップ連動型のインスタグラムアカウント「9090」などを運営するyutori。同社が6月、追加資金調達を発表した際に、「インスタグラムを軸にしたIP創出」に関するものと言及していた新規事業の詳細が7月5日、明らかになった。

yutoriが展開するのは、バーチャルインフルエンサーのみが所属するモデルエージェント「VIM(ヴィム)」。VIMでは、バーチャルインフルエンサーのプロデュース、マネジメントのほか、企業やブランドとのコラボレーションなどのサポートを行っていく。

米国では開発・投資が続くバーチャルインフルエンサー

「バーチャルインフルエンサー」の概念誕生は、インスタグラムに仮想セレブアカウントのLil Miquelaが登場した時点にさかのぼる。2016年4月に投稿が始まったMiquelaのインスタグラムアカウントは現在フォロワー数160万。“彼女”はPRADAやMONCLERなど有名ブランドとのコラボレーションに加え、自身のブランドやミュージシャンとしての活動も行っている。

「Miquelaプロジェクト」を動かすスタートアップ、Brudの企業価値は、最新の調達ラウンドで少なくとも1億2500万ドルと見積もられている。ほかにも“よりリアルな”バーチャルアバターの開発と投資が、米国では盛んに行われている(参考記事〈英文〉)。

日本人により親しみやすいキャラクターでは「バーチャルガール」immaが挙げられる。ピンクのボブスタイルのimmaの写真を見たことがある、という人も多いのではないだろうか。

今回VIMに所属が決まったのは、葵プリズムuca(ウカ)の2名のバーチャルインフルエンサーだ。“彼女”たちに共通するのは「世界観」や「キャラ」の濃さ、精密さ。葵プリズムは「バーチャルギャル」、ucaは「バーチャルドール」と銘打っており、投稿で身に付けるファッションアイテムや撮影場所、コメントなどに“彼女”たちの好みや性格が反映されている。VOCALOIDの初音ミクが「何でも歌えるし何でも歌う」のと比較すると、一口にバーチャルなキャラクターと言っても対照的に感じられる。

「バーチャルギャル」葵プリズム

「バーチャルドール」uca

「インスタハックで服を売る」腹を決めた片石氏

「腹決めができた」。yutori代表取締役CEOの片石貴展氏は、古着女子アカウント開設から約1年半、会社設立から約1年を経た現在の心境について、そう語る。

2018年5月に元エウレカの赤坂優氏らから、同年10月には家入一真氏らが率いるNOWから資金調達を行ったyutoriは、今年に入ってさらにNOW、アカツキ、KVP、野口圭登氏、中川綾太郎氏を引受先とする第三者割当増資を実施した。

昨年10月の資金調達を機に「広く浅く、いろいろやってみた」という片石氏。だが「非IT出身で『インスタ起業』をきっかけにして、カルチャーやファッション、コミュニティをベースに事業を進めてきたところを、ITスタートアップの動向など情報量の多い中に入ることになり、自信が持ちきれずにいた」という。

その後「やはり、インスタグラムハックによって洋服を売る、というところが軸になる」と確信した片石氏。「インスタグラムによるファッションのコミュニティという基盤もあり、人材もいて、ECなども含めたノウハウもある。“古着”という世界観を踏まえながら、新品の洋服も売れると考えている。ファッションレーベルを生産基盤を持ってプロデュースし、他社とも協業していきたい」と、今後の古着事業の展開について述べている。

現在、古着女子をはじめ、同社が運営するインスタグラムアカウントの総フォロワー数は35万を超え、古着女子のフォロワーは現在でも毎日300〜500アカウントほど増えているという。2つあるECストアも毎月売上がアップして順調に推移し、いずれも継続的に数字を伸ばしているとのことだ。

「Tシャツなど型のあるアイテムについては、工場と提携して(新アイテムを)5日で発送できる体制も整備した。古着事業については数字はまだまだ伸びるので、ブレずにやっていこう、と話している」(片石氏)

yutoriでは「コンプレックスをベースにポップなプロダクトをつくる」ところに核があると片石氏はいう。以前から古着を通じて「好きなことを好きと言う」「誰も恐れずに好きを体現できる」ことを目指してきた、片石氏らしい言葉だ。「(小柄な女性のためのブランド)COHINAとちょっと似ているかもしれない。メディアっぽいブランド展開は、ストリートブランドより再現性がある」(片石氏)

バーチャルだからできる日本発インフルエンサー

モデルエージェントのVIM立ち上げのきっかけは、2018年秋のことだと片石氏はいう。古着女子などの運営を通して「モデルとして服を着せたり、インフルエンサーのマネジメントをしたり、人のプロデュースもしたい」と考えていた片石氏だが「インスタグラマーでは、せっかく育ててきた人がより大きな事務所へ移るといったことも起こり得るので、よりウェットに攻めなければならない」と人主軸のプロデュースに難しさを感じていた。そんなとき、友人から前述したMiquelaについて書かれた記事を紹介してもらい、求めていたものだと考えたそうだ。

「バーチャルインフルエンサーなら、今までになかったアプローチでグローバルに展開でき、日本をいろんなアングルからシームレスに世界に打ち出して、認知を取ることができる」(片石氏)

片石氏は「CGのテッキーな部分とファッション性、キャラクターによるマーケティングの3つをすべて備えてバーチャルインフルエンサーを提供できる人は、まだ日本ではいないのではないか」と話している。「VTuber(のアバター)と違い、クオリティがすごく求められる」というCG制作については、業務委託によりプロの技を借りる。

「周りにどれだけ頼れるかがカギだ」と語る片石氏。2月に葵プリズムのアカウントが開設されてから5カ月が経ち、「ファッションもCGも含めて、周りの人を巻き込んで風を渦巻きのように起こすゲーム」と新事業についての感想を述べる。

既にいくつかの企業と協業でうごいており、グローバルに向けて強いメディアを持つ企業との提携も進んでいるというVIM事業。今後グローバルで100万フォロワーを獲得するため、認知拡大をさらに進めていくという。

「今後は所属するキャラクターを育てつつ、実在する売れっ子モデルをアバター化して登場機会を増やすことや、亡くなった著名人に現代なりの解釈を付加して教育に役立てることも可能性として検討している。あるいは、葵プリズムのように全く新しい人を生み出し、世界をつくることも考えている。アバターを取り巻く人やメディアも含めて、色を付け、ぬり続けることになるので、こちらは総力戦で取りかかることになるだろう。動画作成や生配信にもチャレンジしたい」(片石氏)

yutori代表取締役CEO 片石貴展氏

Alexaの音声記録は無期限に保存するとアマゾンが米議員に回答

Amazonは、Alexaユーザーがバーチャルアシスタントに話しかけた後のAlexa音声記録とデータがどうなるのかという、民主党でデラウェア州選出の米上院議員であるChris Coons氏(クリス・クーンズ)からの質問状に答えた。議員の質問状は、5月のCNETの調査報道を受けてのものだ。CNETは、ユーザーが音声記録をマニュアルで削除しない限りAmazonはそれらを保存し、音声録音のトランスクリプションを無期限に保存するかもしれない、と報道していた。

クーンズ氏のウェブサイトで今日公開されたAmazonからの返答で、同社はCNETの指摘を認め、ユーザーが削除を選択するまでユーザーの音声記録を保存すると説明した。言い換えれば、録音はどの時点においても自動削除されない。

しかし、最初のCNETの報道は、音声記録のテキストトランスクリプトについては「ユーザーには削除するという選択肢はない」として、ユーザーが録音を削除した後もAmazonのサーバーに保持される、としていた。CNETが説明したように、AmazonはAlexaのメーンシステムからテキストログを削除しても、他のサブシステムからは削除しない。議員の質問への回答の中で、Amazonは何を保存し、何を保存していないのか詳細を明らかにした。

トランスクリプトそのものは、ユーザーがAlexaのプライバシーハブダッシュボードを使って音声記録の削除を選んだときに削除される、とAmazonは明確にした。しかしCNETが報じたように、トランスクリプトはAlexaの主要ストレージシステムから削除される。Amazonは、トランスクリプトが他のAlexaストレージシステムに保存されていないことを確かめるための“現在進行形の努力”をしているとだけ言い、トランスクリプトが他でも保存されているかどうかについては明らかにしていない。

音声記録の削除後に他のデータもまた保存されるかもしれないが、これはさほど懸念されることではない。

Amazonはまた「我々はAlexaのレスポンスのオーディオを保存しない」と明らかにした。「しかしユーザーのリクエストへのレスポンスとしてAlexaがとったアクションの記録を含め、顧客のAlexaとのやり取りの記録を我々は保持している」ともしている。

こうしたアクションの記録は、Alexaスキル(音声アプリ)がかかわる場合にはAmazon、またはサードパーティーのデベロッパーにより保持されるかもしれない。

「たとえば、顧客がAmazon Music Unlimitedを購読しているとき、Amazon Freshで注文するとき、UberやLyftに配車を依頼するとき、Dominoにピザを注文するとき、プレミアムなデジタルコンテンツをスキルで購入するときなど、Alexaにリクエストする多くのタイプでは、Amazonそして(または)当てはまるスキルのデベロッパーは明らかに取引の記録を保有しなければならない」。

これは実用的だろう。結局、あなたがUberやピザを頼んだり、購読を始めたりしたとき、受注した企業との間で記録があるはずだとあなたは思うだろう。そして誰もピザ注文の履歴の削除をピザ屋に依頼したりはしない。

Amazonはまた、アラームのリピート設定、Alexaへのリマインド依頼、カレンダーへのミーティングの入力、友達へのメッセージといった種類のリクエストで、音声記録またはデータの削除はされず、もし削除を望めば、Alexaがタスクを実行できないかもしれない、とした。

Amazonはなぜトランスクリプトを使うかについて、Alexaの機械学習システムを訓練・改善するのに役立ち、ユーザーが言ったことやAlexaが聞いたこと、バーチャルアシスタントがどう応じたかについてユーザーに直接ログを提供するため、と説明した。加えて、Amazonはユーザーが話すのをやめるとシステムも録音をやめることを明らかにした。

そしてAmazonはデバイスの短いバッファーについてのテクニカル的詳細に言及した。これは繰り返し書かれていることだが、Alexaは録音して処理するユーザーのオーディオを可能な限り少なくするようにデザインされていて、Alexaに向けられていないオーディオの処理は高くつき、Amazonにとっては価値がない、としている。

議員がAmazonにあてた質問の回答期限は6月30日で、返事の手紙は6月28日付だった。クーンズ氏は期限内に返事があったことを讃えたが、「まだ疑問が残る」と語った。

「Amazonが私の懸念に対してすぐさま応えてくれたことに対し感謝する。彼らの返答はユーザーの個人情報を保護することの重要性とコミットメントへの理解を示すものと確信している」と自身のウェブサイトで述べた。

「しかしながらAmazonの返答では、Alexaとのやり取りでのユーザー音声のトランスクリプトが、ユーザーが音声の録音を消去した後でもAmazonの全てのサーバーから削除されていない可能性を残している。さらに、このデータがどれくらいの範囲でサードパーティと共有され、そうしたサードパーティが情報をどのように使用し、コントロールしているかは不明だ。人々は自分たちの個人情報がテック企業にどのように使用されているか知る権利がある。私は米国民の個人情報を保護する最善の策を模索すべく、引き続き消費者、そして企業と協力して取り組んでいく」とも述べている。

多くの企業がユーザーのデータを無期限に保存している一方で、テック大企業を調査する議員にみられるように消費者のプライバシーへの関心の高まりは変化を生み出している。例えば、先週GoogleはiOSとAndroidで位置情報履歴が自動的に削除されるように消費者が自分たちのアカウントを設定できる新しい機能の提供を開始した。しかしこの措置は、Googleが何年もユーザーのデータを取り込んだ後のものであり、設定はまだマニュアルで操作しなければならない。

多くの人は、音声アシスタントが少なくとも同様のセッティングを提供すべきと主張するだろう。マニュアルでやることを覚えていなければならない代わりに、音声データを自動消去するようセットする方法の提供だ。

ユーザーの音声データを溜め込んでいるのはAmazonだけではない、と指摘しておくのは意義あることだろう。Googleはまた、音声とオーディオのクリップを、記録のレビューや削除というオプション付きでユーザーのアカウントに保存する。データの保存はデフォルトである一方で、ユーザーが望めば音声とオーディオのアクティビティをオフにできる。一方、AppleはSiriの音声記録を6カ月間保存する。その後、データのコピーを匿名化して最長2年間保存する。

しかし広く言えば、Amazonのレビュープロセスそのものと、ユーザーのプライバシーへの配慮の欠如が問題となっている。

Bloomberg(ブルームバーグ)が最近報じたように、Amazonの社員や契約労働者はレビュー中に記録やアカウント番号、ユーザーの名前、デバイスのシリアル番号にアクセスできる状態にあった。そして彼らは社内チャットルームで、トランスクリプトを作成するのを手伝ってもらったり、面白い録音を一緒に笑ったりするのにオーディオクリップを共有していたことも明らかになった。

言い換えれば、Amazonがいかに消費者のプライベートなデータを尊重すべきかという点において、Amazonにはプライバシー文化はない。これは、Appleの最近のスタンスとは異なる点だ。Appleは部分的なデータの保持の必要性と、高まる消費者のプライバシーへの関心との間のバランスをとることに注力している。

テック大企業がきちんと自らを律することができないという観点から、ゆくゆくは規則が適用されることになるだろう。今や、彼らは私たちがキーボードにタイプしたり、スマホを持って世界中を移動したりするときにデータを集めるだけでなく、彼らは私たちの家の中に存在し、私たちがシステムに直接話すときに私たちや子供たちの話を聞いているのだ。

TechCrunchはクーンズ氏の意見についてAmazonにコメントを求めている。

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(翻訳:Mizoguchi)

TikTokの子どものデータの安全な取り扱いを英政府も調査開始

TikTok(ティックトック)は、未成年ユーザーの安全性と個人データの扱いに関して、英国でも調べられている。The Guardian(ガーディアン)紙によると、英国の個人情報保護監督機関であるICOの長官を務めるElizabeth Denham(エリザベス・デンハム)氏が「米国の連邦取引委員会(FTC)が児童のプライバシーに関する法律違反でTikTokに570万ドルの罰金を課した直後の2月に、その調査は始まった」と委員会で述べたそうだ。

デンハム氏はガーディアン紙に、今調べているのはTikTokのプライバシーデータの集め方であり、特にオープンなメッセージングシステムは大人のユーザーが子どもに接触できる点で懸念がある、と述べている。彼女は曰く「我々は子どもたちに情報の防御服がないことを懸念している。メッセージングシステムが完全にオープンであることにも着目している。子どもたちがオンラインで集めたり共有したりしているビデオも調べている。目下、TikTokに対する積極的な調査をしているので、しばらく見守っていただきたい」。

調査は、TikTokの運営元であるByteDanceが保有するこの人気アプリが、EUの一般データ保護規則(GDPR)に違反していないかも調べている。EUのこの規則は、企業が未成年ユーザーに対する特別の保護策をとっていることと、彼らには大人向けとは異なる別のサービスを提供することを要求している。

FTCの調査は、TikTokがまだMusical.lyという名前だったころに始まり、その結果、13歳未満の子どもが名前やメールアドレスなどの個人情報を入力する前に親の同意を求めるなどの、児童オンラインプライバシー保護法(Children’s Online Privacy Protection Act)の規定に違反していると判定した。この判定の結果アプリには年齢制限が加えられ、13歳未満のユーザーによるビデオの撮影や投稿が禁じられた。

ByteDanceは評価額が750億ドルに達し、ガーディアン紙への声明ではこう述べている。「ICOのような機関とは協力して弊社のプロダクトに関する適切な情報を提供し彼らの仕事を支援している。データの保護という原則を堅持することはTikTokの最上位のプライオリティである」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonはサードパーティが売っている製品の欠陥にも責任があるとの判決

米国控訴裁がこのほど、アマゾン(Amazon)にとって痛い判決を下した。この巨大リテイラーは、サードパーティが売った商品についても責任があることになった。今週、フィラデルフィアにある第3巡回区控訴裁判所(United States Court of Appeals for the Third Circuit、12の巡回区に設置されている控訴裁判所の1つ)は、Amazonに有利だった下級審の判決を覆した。

この判決が確定すれば、同社の事業のやり方に大きな影響が及ぶことになる。今Amazonで売られている商品の半分近くは、サードパーティのセラーが売っている。それは前四半期のAmazonの全売上の中で約110億ドルを占める。

この判決はペンシルベニア州の州法に準じている。製品に対する責任範囲は、州によって異なることが多い。原告Heather Oberdorf(ヘザー・オーバードルフ)氏は2016年に同社を訴え、収納式の犬のリードが跳ね返ったために彼女のメガネが割れて、左の目の視力が恒久的に失われたと主張した。

オーバードルフ氏の弁護士がロイターにこう語っている。「控訴裁判所が私たちの主張に同意し、ペンシルベニア州の製品責任法のこれまでの解釈が、Amazonの市場支配力という現実に対応していないと認めたことに満足している」。

Amazonはコメントを発表していないが、上訴もありうるだろう。オーバードルフ氏の傷害の原因が本当に製品の欠陥であったのか、それをあらためて下級裁が判断することになる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国独立記念日に合わせてGoogle Doodleに野球ゲームが隠されている

Google Doodleは、ご存知のとおり、Google検索ページのロゴがときおりイラストに変わり何かその日に起きた出来事を記念するという仕掛けだ。最初のDoodleはすでに1998年に登場しており、Googleロゴのoの文字の後にバーニング・マン・フェスティバルのロゴが配置されるというシンプルなものだった。バーニング・マンというのは夏休みにネバダの砂漠にお金が存在しない臨時の町をつくり、参加者が力を合わせて生活するというフェスティバルで、シリコバレーでとても人気がある。

さて米国時間7月3日のDooleは、7月4日の米国独立記念日がテーマだ。たぶん今日と明日の当日くらいしか公開されないと思うが、今回は米国を代表するスポーツ、野球がゲーム化されている。大変よくできており中毒性が高い。キャラのアニメはもちろん、サウンド、BGMつきだ。

試してみたいならGoogleのホームページを開くだけでいい。住んでいる地域で表示されない場合、このページからアクセスできる

ゲームの仕組みはいたってシンプルで、三角アイコンでゲームがロードされ、バットのアイコンでスタートする。ピッチャーがボールを投げてきたらタイミングを見計らってアイコンを押す。バッターはホットドッグ、ケチャップ、フライドポテトなど野球場でおなじみの面々だ。バットがボールを捉えると結果が表示される。スリーストライクでゲームが終了する。

面白いのはピッチャーの球がどんどん難しくなること。最初の2、3球はバットを振れば当たるがその後ピッチャーはカーブやナックルボールを投げてくる。球筋が見えなくなる魔球も登場する。

カジュアルゲームに革命をもたらすようなものでないことは確かだが、楽しいし、無料で誰でもプレイできる。ともあれ明日は米国中お祭り騒ぎで仕事は休みだから肩のこらないゲームでリラックスしてはどうか?ことにFacebook、Instagramなど普段読者の時間を食っているであろうサイトの動作不安定があちこちで報告されている折から、Doodleでゲームをプレイするのは休暇前のヒマつぶしに好適かもしれない。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

トランプ大統領が「ソーシャルメディア・サミット」に保守系評論家を招待

保守系NPOのTurning Point USAのファウンダーを務めるCharlie Kirk(チャーリー・カーク)氏と、政治、経済、哲学などのビデオを右翼的視点で制作するNPOのPragerUが、来週のホワイトハウス「ソーシャルメディア・サミット」に招待された。このニュースを報じたThe Washington Postに、7月11日に行われる現代のオンライン環境のチャンスと課題を主題とするイベントのプログラムが一部紹介されている。

トランプ氏が大統領に就任してからニュースをフォローしている人にとっては、驚きではないだろう。ソーシャルメディアは、左翼・右翼のどちらからも多くの批判を浴びているが、中でも保守派の人々は、Google、Facebook、Twitterといった「リベラル寄り」とされる企業にかねてから狙いをつけてきた。

つい昨日トランプ氏は、Fox NewsのTucker Carison(タッカー・カールソン)氏に、これらのサイトは自分に「喧嘩を売っている」と話した。「多くの人々が私をフォローしようとしてもなかなかできないという事実を知っている」と大統領は言った。「多くの人たちが私のところに来て『大統領、フォローするのがすごく大変です。サイトがフォローしにくくしています』と言った。サイトのやり方は間違っているし違法の可能性もある。今、いろいろ調べているところだ」

トランプ氏は自分の主張に関する具体的証拠を示していないが、これはトランプ氏や他の保守派の声に対する「シャドウバン」(特定アカウントを本人にわからないように凍結する)を非難するときと同じパターンだ。先週Twitterは、著名人による「悪質発言」に対して警告を発することを発表した。これはブロックやアカウント凍結ではないが、悪質な発言と「報道価値のある」コンテンツとのバランスを取ろうとする動きだ。多くの人は今回の措置がトランプ氏に向けられたものと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google関連会社のLoonが成層圏バルーン滞空223日の新記録を樹立

Googleの持ち株会社であるAlphabet傘下のLoonは、今年中に初の商用テストを行う準備中だが、純粋な性能面でも新たな記録を打ち立てた。米国時間7月2日、同社が回収したバルーン飛行システムP-496は、連続飛行時間最長記録を達成した。

P-496は、2018年11月18日にプエルトリコを出発し、成層圏を計223日間飛行した。その間同機は世界を一周し、その半分以上の期間(連続140日間)を南アフリカ共和国の西海岸沖の定位置に滞在し、比較的固定された位置を長時間維持する試験を行った。これは、高速携帯通信ネットワークサービスの行き届いていない地域をカバーするというLoonの最終目標にとって不可欠な能力だ。

223日という数字は、Loonがこれまで持っていた198日間という記録を1カ月近く上回るもので、システムの効率をいっそう高めようという同社のミッションにとって大きなニュースだ。これまで通信環境が貧弱あるいは皆無だった地域にサービスを提供する商業的可能性を証明するうえで、効率は非常に重要だ。
0成層圏バルーンの商用化を目指す会社はLoonだけではない。スタートアップのWorld Viewは、さまざまな商用サービスを開発するクライアント向けに高高度バルーンを提供しようとしている。同社の 連続飛行記録はLoonと比べると見劣りするが、これは純粋に同じ土俵での比較ではない。Loonが高高度飛行ネットワーク基盤に特化しているのに対して、World Viewは高高度撮影を中心にその他の応用もターゲットにしており、成層圏ツアーの可能性も視野に入れている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google関連会社Loonによる気球インターネットが商業トライアルを実施

Google(グーグル)からスピンアウトしたAlphabet(アルファベット)傘下のLoonは、Telkom Kenyaと提携してケニアで数カ月以内に最初の商業トライアルを開始する。

Loonの目標は、遠隔地にインターネット接続を提供することで、太陽光発電による通信機器を搭載した高高度気球を使用し、設置が難しかったり、価格が手頃でなかったりする、恒久的な地上施設を置き換えることにある。

この新たな商業トライアル(数週間以内に装置が目的地に到着した後、年内に実施される)では、Telkom Kenyaは山岳地域に位置する複数の村に在住する顧客に対し、従来型のネットワーク施設と同額でインターネットへのアクセスを提供する。

Reuterによると、インターネット接続を提供する新しいモデルが、安定したサービスを利益の出る価格で提供することに懐疑的な提携通信事業者にとって、ビジネス的に理にかなうのかを証明するという点で、Loonはにやるべきことが残っているという。

この点において、Loonは気球ネットワークがペルーやプエルトリコでの取り組みにおいて、地上との接続を提供する技術的な能力を持っており、自然災害によってダウンしたネットワークを強化するために地元の通信事業者が無料でこの技術を利用し実証したため、次は商業的な能力の実証に熱心なようだ。

アルファベットの気球インターネット計画は、同じように遠隔地に固定設備によらないインターネットを遠隔地に提供する衛星インターネット、例えばSpaceX(スペースX)の「Starlink」などと最終的には競合するものだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Cloudflareがまたしてもダウン、広域のサイトに影響

もし「502 Bad Gateway」という表示を見たとしたら、良くも悪くも、あなた一人だけではない。Cloudflareでは米国時間7月2日の朝に大きな障害が発生し、多くのサイトがその影響を受けている。実際に同社のシステム状況ページには世界的な障害状況が記載されており、世界中の主要都市がずらりと並んでいる。

Cloudflareは非常に広域に及んでいるこの問題を認めており、またその解決に取り組んでいるようだ。「Cloudflareは問題の修正を実装しており、現在経過を監視している」と、同社は伝えていえる。「問題が解決したら、ステータスを更新する」

 

アップデート:Cloudflareの共同創設者かつCEOのMatthew Prince氏は、現在起きている状況を説明している。「CPU使用率の大幅な上昇により、プライマリとバックアップのシステムの両方が停止した。これにより、すべてのサービスが影響を受けた。ただ、アタックの兆候は認められない。CPU使用率の上昇の原因となったサービスを停止しており、通信トラフィックは通常レベルに戻った。現在、根本的な原因を解明している」

Prince氏によれば、問題は解決したという。影響を受けたサイトは、通常のサービスに復帰する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ボイスメディア「Voicy」に3つの新機能、ユーザープロフィールの設定が可能に

ボイスメディア「Voicy」を展開するVoicyは、VoicyのiPhone版、Android版、ウェブ版に3つの新機能が追加されたと発表した。

「未聴・既聴機能」では、放送・チャプターごとに未聴・既聴がわかるように。

「放送並び替え機能」では、各チャンネルの放送を「新しい順」「古い順」「人気順」の3つの順番で再生できるように。

 

そして「プロフィール設定機能」では、ユーザープロフィールの設定が可能となった。ユーザープロフィールにはアイコン、名前、自己紹介文やメッセージ、そしてフォローしているチャンネルの一覧が表示される。

 

Voicyいわく、プロフィール設定機能により「Voicyの双方向性を利用して、パーソナリティとリスナー、リスナーとリスナーの新しいコミュニケーションを生み出していく」。

同社は3月に1.2億円の追加調達を発表。今後は、より多くのデバイスメーカーやコンテンツメーカーと連携していく。

マコノヒーの語りで眠りに誘う瞑想アプリのCalmが約29億円を調達

瞑想アプリのユニコーンスタートアップCalmは、俳優マシュー・マコノヒーの南部なまりや作家スティーヴン・フライの英国アクセントといった甘美なトーンであなたを眠りにつかせる。昨年始まったCalmのスリープ・ストーリー機能はヒットし、200万人の有料購読者が1億5000万回超も聴き、5000万回のダウンロードがあった。多くの人が瞑想したい一方で、彼らは眠りにつく必要がある。リリースされて7年のこのアプリはついにアスピリンを服用するより習慣化できるマストの機能を見つけた。

世界中の人々を悩ましてる不眠問題を解決するのに投資したくてたまらなかったLightspeedは、企業価値10億ドル(約1084億円)のセレブエンジェルとともにシリーズBのエクステンションラウンドでCalmに2700万ドル(約29億円)を投資した、とTechCrunchに明らかにした。この資金は購読料年間70ドル(約7600円)のこのアプリが瞑想ガイドにとどまらず、自立マスタークラスやルーティーンの拡大、リラックス音楽、呼吸エクササイズ、子供への読み聞かせ、眠りに誘うセレブの語りへと中身を充実させるのに使われる。

企業価値が10億ドルになったと2月に発表のあったTPG主導のCalmの8800万ドル(約95億円)のシリーズBへ追加された今回の投資により、Bラウンドの総額は1億1500万ドル(約125億円)に、累計の調達額は約1億4100万ドル(約153億円)となった。Lightspeedのパートナー、Nicole Quinn氏は同社はTPGと同時期にCalmと話し合いを始めたもののデューデリジェンスを終わらせるのに時間がかかったことを認めた。2月からCalmは成長しているにもかかわらず企業価値が増えていないのはそのためだ。

「NicoleとLightspeedは大切なパートナーで、コンテンツを通じて我々はエンターテイメントに賭け続ける」とCalmのコミュニケーション責任者のAlexia Marchetti氏は私に語った。Calmは晩夏にさらにセレブとタイアップしたコンテンツを発表する計画だ。

Headspace、Simple Habit、Insight Timer、そしてPelotonのマインドフルネスセッションやJourneyのライブグループクラスといった新参のサービスなど、競合相手が多い瞑想アプリ業界にあって、広くアピールすることはCalmにとって重要なことだ。オンラインで無料の瞑想ガイドを見つけるのは簡単になっていて、だからこそCalmは全体的なメンタルウェルネスハブになる必要がある。

あまりやり過ぎると効果が薄くなるリスクはあるが、Calmのサービス過多は、セラピーや瞑想、そして風通しの良い服からヨガマットに至るまでのヘルス関連商品を含め、パーソナルヘルスの支出を膨らますゲートウェイにする可能性がある。しかし購読料金だけでも大きな事業となっている。Calmの売上高は2018年に4倍の1億5000万ドル(約163億円)に達し、黒字を達成した。

Calmは急速な売上高の成長を維持できる状態にある。スリープ・ストーリー機能の開始後、「信じられないような利用の増加とその状態の維持がみられた」とQuinn氏は話す。ユーザーは、マシュー・マコノヒーによる宇宙の不思議についての語り、ジョン・マッケンローが案内するテニスのルールやリトルマーメイドといったおとぎ話などから選ぶことができる。

「スリープ・ストーリーは今や事業の大きな部分を占め、人々がアプリ内でスリープ・ストーリーに費やす時間は劇的に伸びている」とQuinn氏は語る。彼女はまた、多くのスタートアップが「問題がないところに問題を見つけようとしている」とも話す。寝入るのに困難を抱えている人は多く、ユーザーは睡眠薬の代わりにアプリにお金をはらいたいのだ。意識を失うまでSF映画「インターステラー」の俳優による宇宙についての語りは心地よく響く。Alright、Alright、Alright。

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(翻訳:Mizoguchi)

「Facebookの白人至上主義対策は限定的」と監査チームが報告

米国自由人権協会ワシントン支部の前ディレクターLaura Murphy氏による、Facebook(フェイスブック)の市民権に関する取り組みを監査した2回目のレポートが発表された。レポートによると、過去6カ月、Facebookはヘイトや広告での差別対策の実施、きたる米国大統領選と2020年国勢調査での誤情報と隠蔽の防止に取り組んできた。

Facebook3月に白人至上主義を禁止するなど、こうした分野のいくつかの点で変更を行ったが、監査チームは「Facebookの政策はまだ限定的だ」と指摘している。というのもFacebookは露骨な表現や「白人ナショナリズム」「白人分離主義」といった言葉の支持や表記を完全に禁止しているが、テクニカル的にはそうした表現やイデオロギーの言及を禁止していないからだ。

「政策の限定的なスコープは、白人至上主義者という言葉を使うことなく白人至上主イデオロギーを明らかに支持するコンテンツを許容している」とレポートにある。「その結果、同じような害を引き起こすであろうコンテンツがプラットフォーム上に残ることになる」。

それゆえに、監査チームはたとえコンテンツが「白人ナショナリズム」「白人分離主義」という言葉をはっきりと使っていなくても、「実際にはそうした意味を表現している言葉や支持、白人至上主義イデオロギーの支持を表すコンテンツを禁止するよう、政策の適用拡大をFacebookに勧めている。

FacebookCOOSheryl Sandberg氏はメモの中でこの勧告を認めている。

「我々は政策を実行するために、白人ナショナリズムや白人分離主義に関係するヘイトスローガンやシンボルを特定することでこの問題に取り組んでいる」と彼女は書いている。

Sandberg氏はまた、人々を脅したり悩ませたりするイベントを組織するのにFacebookを使うことがないよう、Facebookがいかに政策をアップデートしたかについても触れている。

「政策を正しく実行することは解決策の一部にすぎない」とSandberg氏は言う。「我々はコンテンツの分析と、正しいコンテンツのみにするという点でさらに取り組みを進める必要がある」。

Sandberg氏は、Facebookが時々人種差別や差別についての啓発を意図したコンテンツを間違って分類してきた事実にも言及している。

Murphy氏はレポートの中で「定義と、プラットフォーム上でのヘイトスピーチ・ハラスメントの取り締まりは重要な分野だった。市民権コミュニティはまた、コンテンツの決定を構成する市民権の専門性の欠如が、軽んじられたコミュニティのユーザーに非常に異なる結果をもたらしている、と主張している」。

Facebookは、いまこれに取り組んでいる、と言う。Sandberg氏によると、取り組みのひとつが、ヘイトスピーチにフォーカスしたコンテンツレビュワーの配置だ。

「レビュワーがヘイトスピーチを専門とすることは、精度向上につながるであろう専門性の構築に貢献すると考えている」とSandberg氏は書いている。

加えてSandberg氏はFacebookでの市民権問題部隊を正式に発足させた。専門部隊はFacebook上での市民権問題に関して啓発を続けるために監査以上の業務を行う。

そして大統領選挙を控え、Facebookは投票者への干渉についての新たな対策に取り組んでいて、「投票しないで」広告を禁止する政策を加える。この政策は2019年の州選挙の前に導入される見込みだ。国勢調査に関しては、Facebookは今秋に導入を予定している干渉についての政策に取り組んでいる。

今年3月、FacebookACLUや他の団体と、差別的な仕事の広告に関して取り決めを行なった。その数日後、米住宅都市開発省が、Facebookは広告ターゲットツールで公正住宅取引法に違反している、とした。このケースはまだ未解決だ。

一方、Facebookは住宅、雇用、信用の広告を展開する米国の広告主が年齢や性別、人種、宗教、郵便番号でターゲットを絞ることができないようにする新たなシステムの開発を始めた。

このシステムが立ち上がる時は、ターゲットを絞るオプションは限定的となる見込みだ。加えて、FacebookACLUと他の団体との20193月の取り決めが反映されたものでなければ新たに契約はしない方針だ。

この新システムの実施に伴い、Facebookは広告に住宅、雇用、信用機会が含まれているかどうかを広告主に意思表示させる。もし含んでいるのなら広告主は新システムに案内される。Facebookはまた広告主が知らせなかった広告を特定するためのツールも導入する。

加えてFacebookは、ユーザーが広告の対象かどうかにかかわらず、ユーザーが展開されている住宅広告を広告主別やロケーション別で検索できるようになるツールにも取り組んでいる。これは今年末までに利用できるようになる見込みだ。そして将来は同じようなツールを雇用と信用機会でも提供する計画だ。

「住宅や雇用、信用機会へのアクセスがいかに重要かを考えた時、これは人々の暮らしに大きな影響を及ぼす」とMurphy氏はレポートに書いた。

この監査は、誤情報やFacebookの政策、非白人ユーザーに関して次から次にあったスキャンダルを受け、20185月に始まった。最初の6カ月でMurphy氏は問題を特定するために市民権団体にインタビューを行なった。そして後半の6カ月は主にコンテンツのモデレーションと実行にフォーカスした。市民権の監査は終了には程遠く、Facebookによると来年始めに次のアップデートがある。

イメージクレジット: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP / Getty Images

 
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(翻訳:Mizoguchi)

スタートアップの資金調達と投資家の管理業務を効率化「smartround」が正式ローンチ

スマートラウンドは7月1日、スタートアップ企業の資金調達と投資家の管理業務を効率化するファイナンス・マネジメント・プラットフォーム「smartround」の提供を正式に開始した。同社は3月に、smartroundのβ版を一部利用するかたちでエンジェル投資家20人超から資金調達を実施。投資家に向けた第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資を合わせて総額5500万円を調達していた。

関連記事:スタートアップ資金調達を効率化「smartround」にエンジェル投資

同プラットフォームは、スタートアップ企業を経営するうえで不可欠の資金調達関連の業務を効率化できるのが特徴だ。ファイナンスに詳しくても、ガイドに沿って必要事項を入力するだけでOK。資金調達の準備のほか、投資家へのアピール、交渉の進捗管理、電子契約書締結、株主への報告などをすべてsmartroundで管理・作業できる。

今回のサービス開始に併せてパートナープログラムもスタートしている。同プログラムは、スマートラウンドのコンセプトに賛同しsmartroundの普及促進に協力してくれる投資家や士業法人、金融機関などのためのもの。パートナーから直接smartroundに招待されたり、サービス内で「いいね」されて「つながり」ができたスタートアップはsmartroundのスタンダードプランの利用料金が自動的に無料になる。すでに、以下のVCや金融機関がパートナープログラムに賛同しており、今後も順次増やしていくそうだ。

  • アーキタイプベンチャーズ
  • Beyond Next Ventures
  • ディープコア
  • DNX Ventures
  • グローウィン・パートナーズ
  • ジャフコ(JAFCO)
  • 日本スタートアップ支援協会(JSSA)
  • 慶應イノベーション・イニシアティブ
  • KVP
  • みずほ銀行
  • 野村證券
  • オプトベンチャーズ
  • XTech Ventures
  • ゼロワンブースター(01Booster)

なお、スタートアップと投資家に向けにファイナンス業務の効率化を支援するサービスとしては、投資家向け未上場株の管理ツール「FUNDBOARD」もある。FUNDBOARDを提供するケップルは、2018年4月に3000万円を調達、同年12月には日本経済新聞社と資本業務提携を締結している。

関連記事:VCや事業会社の投資先管理を楽にする「FUNDBOARD」が野村総研と資本業務提携

デートアプリのBumbleが電話番号の交換なしに話せる新機能を追加

デートアプリのBumbleは、ユーザーがアプリ内で互いによく知ることができる新たな手段を加える。音声とビデオによる通話だ。

この機能は二重のオプトイン構造になっている。これはマッチした人誰からでもビデオコールがかかってくるというものではない。タップするとテキスト以上の機能が利用できるようになるアイコンがチャット内に表示され、ユーザーが互いにその機能を利用することを選択すれば、電話番号やソーシャルメディアのプロフィールの交換なしに話すことができるようになる。

この機能でユーザーは、写真やメッセージでのやり取りでは十分でないという誰かをもっとよく知ることができる。

新機能の最終目標は「より現実世界のやり取りをユーザーに提供し、マッチした人同士が実際に会ったり、大事なコンタクトインフォメーションを共有すると決める前にもっと深く知り合うことで時間を節約すること」とMagicLab(新しく発表されたBumble、Badoo、Chappy、Lumenの親会社)のCEOであるAndrey Andreev氏はTechCrunchへの電子メールこう述べた。

番号を交換することなしにアプリ内で音声やビデオの通話ができるのは、ハラスメントからユーザーを守るいい方法だ。Bumbleは数カ月前に、チャット内で送られた写真を分析し、開けた時にどんなことになるのかユーザーが把握できるよう、写真に“明白な”ものがあるかどうかをユーザーに知らせる「Private Detector」を発表した。この機能は今夏使えるようになる。

MagicLabは音声とビデオによる通話機能を他のデートアプリにも導入する計画だ。

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(翻訳:Mizoguchi)

フランス旅行ならCozycozyでAirbnbとホテルが同時に探せる

フランスのスタートアップ、Cozycozy.comは広い範囲の宿泊先検索サービスだ。もちろんこれまでもホテルの検索、予約サービスは各種存在しているし、これからも生まれてくるだろう。しかしCozycozyが探してくれるのはホテルだけではない。

何箇所かを回る旅行を計画している場合、それぞれの宿泊先を別々のサービスで探したり予約したりすることが多い。サービスごとに異なるタイプ、料金の部屋を扱わうので、Airbnb、ホテルの口コミ・サイト、ホテル予約サービスなどを同時に使わねばならない。この場合多数のタブやアプリを開くことになる。

こうしたサービスは無数に存在しているが、大部分の有力サービスは次の3グループのいずれかに属する。Booking Holdings はBooking.com、Priceline、Kayak、Agodaなどを、Expedia GroupはExpedia本体の他にHotels.com、HomeAway、Trivago等を、TripAdvisorはTripAdvisor、HouseTrip、Oysterなどを傘下に持っている。これらのグループが多数のサービスを運営しているのは旅行先、旅行の種類別に特化させてできるだけ多数の訪問者を得るためだ。

Cozycozy.comはこうしてフラグメンテーションが進んだサービスを統合し、一つのインターフェイスから利用できるようにしようとしている。つまりホテルに加えてAirbnbをカバーするだけでなく、レンタルのパワーボートやアパート、バケーションの時期に互いの家を交換して滞在するホーム・エクスチェンジも探せる。もちろん料金や宿泊先のタイプによってフィルターをすることができる。

ただし同社は直接各ホテルと契約しているわけではなく、予約は取り扱っていない。これはあくまでも広範囲の検索サービスで、適当な部屋がみつかったらCozycozyのページからAirbnbやBooking.comなどのサイトにジャンプして予約を完了する。

Cozycozyは先ごろ、Daphni、CapDecisif、Raiseなどから400万ユーロの資金を調達した。ラウンドにはXavier Niel氏、Thibaud Elzière氏、Eduardo Ronzano氏などのエンジェル投資家各氏が参加している。

Cozycozy.comの共同ファウンダー、会長のPierre Bonelli氏はLiligo.comの創業者だ。Liligoはフランスでもっとも人気ある航空チケットの比較サービスとなり2010年にSNCF(フランス国鉄)に買収された。同氏は2013年にはオンライン旅行代理店、eDreams ODIGEOを創業している。

cozycozy com page de resultats

(TechchCrunch Japan編集部追記) 上のスクリーンショットのとおり、言語は今のところフランス語のみサポートしているが宿泊先検索なのでGoogle翻訳などで十分内容を確認できる。またフランス国内でポピュラーな旅行サイトにジャンプできるため混雑した時期でも比較的容易に部屋を予約できる。

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滑川海彦@Facebook

話題を集めた「Twitterアドベンチャーゲーム」にアップルも挑戦

【この翻訳記事は、英語版記事を抄訳、編集したものです】

Twitterアドベンチャーゲームは一発屋には終わらないようだ。アップルのソーシャルチームが、この形式を取り入れた。米国時間6月28日、@Apple TVのTwitterアカウントは、ユーザーがぴったりの映画を見つけるためのTwitterのスレッドを投稿した。ただしこの試みは今のところ、この形式のもとになったスレッドほどの話題にはなっていない。今月大きな話題を集めたオリジナルのTwitterアドベンチャーゲームは、ビヨンセの新人アシスタントとしてクビにされないように1日を過ごすというものだ。もしこの傑作を見ていないなら、挑戦してみてほしい。かなり楽しめる。

(ビヨンセのアシスタントの1日。クビにされないようにスレッドを進んでいこう)

TIMEの記事によれば、このスレッドのアイデアはロサンゼルス在住の19歳の学生、Landon Rivera氏によるものだという。

Twitterのスレッド表示を利用して、クイズと複数の選択肢が示されるゲームだ。ゲームはビヨンセの朝食を選ぶことから始まる。5つ星の朝食を注文するか、グラノーラとヨーグルトにするか? 正しい答えをクリックすれば次のタスクに進むことができる。誰とFaceTimeで話すか、ヘアメイクを待つ間はどうするか、とクイズは続いていくが、間違った答えを選択するとアシスタントをクビになってしまう。

このゲームは、Twitterのスレッドが縦につながって表示され、続きが非表示になることを利用している。自分が選んだ答えのツイートにある「このスレッドを表示」をクリックするとスレッドの続きが表示される。選んだ答えによって進むルートが変わる。このスレッドの最初のツイートは25万件以上の「いいね」を集め、10万回近くリツイートされている。

このビヨンセゲームが爆発的な人気を博した後、作者のRivera氏は「カーディ・Bのボディーガード」や「殺人からの逃亡」スレッドを開始した。しかしオリジナルのビヨンセのスレッドほどはまだ拡散していない。

アップルのソーシャルメディアチームがこのアイデアを真似たのは興味深いことだが、アップルのスレッドは短すぎる。アドベンチャーになっていない。

どんな映画を見たいかを2つのシナリオから選ぶと、そのジャンルに誘導され、お勧め映画が表示される。それだけだ。

アップルのゲームは、ビヨンセゲームが話題になった理由を見逃している。ビヨンセゲームは長く複雑で、分岐がたくさんあって、そして面白い。さまざまなスレッドに深く入っていき、クビになる。

ソーシャルメディアチームがこの形式を利用して成功しようと思うなら、直接何かに貢献するわけではない短いスレッドをいくつも作る必要があるだろう。巧妙な分岐のある物語の設計に真剣に取り組むか、いつも通りにただツイートするかの、どちらかだ。

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(抄訳、編集:Kaori Koyama)

Facebook SDKのバグが複数のアプリをクラッシュさせた(現在は解決済み)

Facebookへのログイン、共有、その他の機能を第三者のアプリに追加する、FacebookのSoftware Development Kit(SDK)の不具合により、それを使用するTimehopのようなアプリたちが、既に3時間近くクラッシュを繰り返している。TechCrunchは、Facebook for iOS SDKの問題により、開発者たちが、本日正午(米国時間6月28日の太平洋時間、日本時間では6月29日午前4時)ごろから大量のユーザーの苦情やクラッシュレポートを受け取っているというタレコミを受けた。TechCrunchによるテストでも、Timehop、JoytunesのSimply Piano、そしてMomento GIFなどの製品が、Facebook機能にアクセスしようとするときに、あるいは場合によっては単にアプリを立ち上げようとした場合でも繰り返しクラッシュすることが確認された。

これは、ユーザーの囲い込みのために、様々なアプリに頼っているFacebookにとって、大きな問題だ。なぜならユーザーが、他のアプリへのログインや他のアプリからの共有のために、Facebookを使用していれば、通常は自分のFacebookアカウントを削除する可能性が低くなるからだ。だがもし、Facebook開発者プラットフォームが今日のように動作しなくなったなら、アプリ開発者たちは、代わりにTwitterやSMS経由の共有を推奨するようになり、広告の出稿を他のプラットフォームへ対して行うようになるだろう。最も問題なのは、こうしたバグによって、アプリ開発者たちが、GoogleやAppleの新しい”Sign In With Apple”などの、他のログインプラットフォームを推奨するようになる可能性があるということだ。

【更新】太平洋時間午後3時45分(日本時間7時45分)にFacebookがバグを修正し、SDKと統合されたアプリが再び正常に動作し始めた。Facebookの広報担当者は私に対して「私たちは問題が報告された直後にその解決に取り組みました。現在は解決しています」と語った。Facebookのエンジニアのラム・シャーマ(Ram Sharma)氏は次のように投稿している「私たちのエンジニアリングチームは、この問題が発見されるやいなや、その解決にとりくみました。現在問題は解決されていて、アプリの機能は回復しているはずです」。開発者たちはバグが修正されたことを確認している。なお、この記事の残りの部分は、最初に公開された時点のままである。

Facebook SDKのバグ

このバグは、当初ライアン・レイン(Ryan Layne)氏によってFacebookの開発者フォーラムに投稿された。これらのクラッシュは、他のアプリの通常の使用を妨げ、広告ビューやアプリ内購入を妨害したり、ユーザーがアプリをアンインストールしたり放棄したりすることに繋がる。

Timehop Facebook SDKのクラッシュ

Timehopアプリの”Connect Facebook”(Facebookに接続)ボタンを押すと、アプリがクラッシュする。Facebookのバグ報告フォーラムで開発者たちは、自分のアプリが壊れているという報告を大量に投稿している

この状況は、ますます多くの企業が少数のモバイル、ホスティング、そしてソーシャルプラットフォームに依存することで、ウェブの集中化が増している現象を強調することとなった。今月初めにはGoogle Cloudが機能停止したことにより、SnapchatとDiscordが停止した。こうしたプラットフォームを利用することで会社を立ち上げることが簡単になったり、すべてを内製しなくてもアプリを提供できたりするようになるが、その一方でプラットフォームリスクが生じるのだ。技術的な機能停止問題以外にも、プラットフォームがその洞察を使用してクライアントアプリの機能をコピーしたり、あるいはその機能がゲートキーパーとあまりも激しく競合する場合には、かつてFacebookがチャットやソーシャルメディアアプリに対して行ったようにクライアントアプリを遮断する可能性も懸念されている。

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(翻訳:sako)

今年上半期の米国におけるオンデマンド音楽ストリーミングは史上最多の5000億回

今週発表されたニールセンの中間音楽レポートによると、2019年上半期で史上最多となる5077億回のオンデマンド音楽ストリーミングがあった。昨年の上半期に比べ31.6%増となったこの記録的な数字は主に、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)、Halsey(ホールジー)、Khalid(カリード)、BTS、Lil Nas X(リル・ナスX)、そしてBad Bunny(バッド・バニー)らのシングルやアルバムの成功に寄るところが大きい。

レポートではまた、TikTokの甚大な影響と5億人もの月間ユーザーによるグローバルでの視聴についても触れている。「TikTokほど2019年に曲の大ブレークをサポートした新興アプリはなかった」とニールセンは書いている。

そして最もストリーミングされた曲となったリル・ナスXの「Old Town Road」(今年これまでに13億回オンデマンドストリーミングされた)、3億1000万回ストリーミングされたエイバ・マックスの「Sweet But Psycho」、1億6500万回ストリーミングされたジョージの「Slow Dancing in the Dark」など、さまざまなヒットをTikTokは生み出したと指摘している。

レポートはさらに、記録的な数字となった5077億回ものオンデマンドストリーミングを、SpotifyやApple Musicのようなオーディオストリーミングと、ビデオストリーミングに分け、急成長しているのはビデオストリーミングの方だということも明らかにしている。

ニールセンのデータによると、ビデオストリーミングは2018年上半期の1247億回から今年上半期は1742億回へと39.6%伸びた。それに引きかえ、オーディオストリーミングの方は2018年上半期は2610億回、今年上半期は3335億回で27.8%の伸びにとどまった。

Music Business Worldwideによるさらなる分析では、オーディオストリーミングの年間成長率は実際、減少しているのだという。成長率27.8%は、2017年上半期から2018年上半期にかけての成長率41.5%に比べスローダウンしている。よりシンプルにいうと、この2期の間で米国におけるオーディオストリーミングの年間成長は40億回超減ったことになる。

また減少傾向は、物理的なアルバムの売上(15.1%減の3250万)、デジタルアルバム売上(24.4%減の1910万)、レコード(9.6%減の770万)、デジタルトラック売上(25.6%減の1億5310万)でも見られる。

レポートではまた、2019年の音楽業界では注目に値することがいくつかあると指摘している。テック企業との関係という点において、1つにはFortniteであったMarshmelloのコンサートだ。「Marshmello: Fornite Extended Set」のデビューウィーク期間中に1万3000ユニットとアーティストカタログにおける「大きな増加」につながった。Fortnite(フォーチューン)での露出があった翌週、Marshmello(マシュメロ)のアルバム「Joytime II」の売上は316%増となった。

それぞれのアーティストやトレンドについて深く掘り下げているレポート全文はここで入手できるデータは2019年1月4日から2019年6月20日にかけてのものだ。

イメージクレジット:Getty Images under a license

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(翻訳:Mizoguchi)