大ヒットのきっかけをつくる、インフルエンサーと若手ミュージシャンをつなぐ音楽アプリBreakrが4.6億円調達

音楽アプリのBreakrは2021年7月中旬、Slow Venturesが率いる420万ドル(約4億6000万円)のシードラウンドを調達したと発表した。Andreessen HorowitzのTxOファンドによる70万ドル(約7700万円)の資金調達は、このサービスの開発者がアイデアを実現するための概念実証のようなものだと考えられていたが、今回の資金調達はそれに続くものである。

Breakrのサービスが投資家にとって魅力的な理由は明白である。新進気鋭のミュージシャンとソーシャルメディアのインフルエンサーを結びつける手段として機能する同プロダクト。ミュージシャンはメディアへの露出を高めることができ、インフルエンサーは業務時間中にリスニングセッションを効果的にホストすることで報酬を得る。そしてBreakrは収益の10%を得るという仕組みである。

画像クレジット:Breakr

このサービスは、飽和状態となった音楽市場においてとてもユニークなアプローチを用いたものだ。音楽を発掘すること、発掘されることはともに困難であると誰もがわかっているが、音楽を聴く人のためにアルゴリズムを調整するのではなく、発掘されていない音楽を適切なリスナーの耳に届けるということに焦点をあてているのである。同スタートアップは6人の創業者によって設立されているが、そのうちの2人に話を聞いた際、ラッパーたちがレコード店の前に立ち、ミックステープのCD-Rを1枚5ドルで売ろうとしていた時代のことを思い出した。以来、さまざまなことが進化を遂げてきたが、音楽の発掘に関する問題はまだ誰も完璧に解くことができていない。

「Breakrはアーティスト、インフルエンサー、ブランドを効率的につなげるために必要不可欠なツールです。私自身の経験からいうと、多様なインフルエンサーを見つけるだけでなく、彼らを効果的に動かし、このプロセスを手動で行うというのは非常に手間がかかる作業です」とAMP TechnologiesのMarc Byers(マーク・バイヤーズ)氏はリリース中で述べている。「インフルエンサー・モールと私は呼んでいますが、同社のサービスを活用すれば、キャンペーンが必要とするテイストに最適な才能を購入するだけで良いのです」。

媒体がソーシャルメディアに変わっても、苦労の大きさや無益感は変わっていない。Def Jam(デフ・ジャム)のオフィスから出てきたラッパーのQ-Tipがその場で数小節聞いてくれたという、モブ・ディープの成功話はどこでも起き得る話ではない。もちろん、一般論として世界にはもっと多くのQ-Tipが必要であることは間違いない。しかし人間のクローンを作る技術はまだ存在しないため、Breakrは金銭的なインセンティブを加えて、その体験に近いものを提供したいと考えている。

「世界的に有名なDJやメジャーレーベルのA&RのメールやDMSには、彼らの気を引こうとするアーティストからのメッセージで溢れかえっています」。金融大手のGoldman Sachsに勤務していたこともあるCEOのTony Brown(トニー・ブラウン)氏はそう話す。「私たちは彼らに固有のURLを渡し、彼らはそのURLを送信して『おい、俺のDMSには近づくな、ここで会おう。価格はこうで、あとは話し合おう』という感じになるわけです」。

インフルエンサーがアーティストに対して課金する価格はフォロワー数に応じて高くなる。Breakrによると、約1万2000人のユーザーがインフルエンサーアカウントに登録しており、現在審査が行われているが、すでに3000〜4000のアカウントが承認されている。

「WarnerやSonyのような大企業から、SoundCloud上のラッパーのような無名アーティストまで、あらゆる企業や人々と仕事をしてきました」と、元Adobe勤務の創案者兼製品責任者のAmeer Brown(アミール・ブラウン)氏は付け加える。

ラッパーおよびインフルエンサーであり、長年の友人でもあるTobe Nwigwe(トビー・ノウィーグェ)氏も共同設立者に名を連ねており、自らリスニングセッションを開催するなど、ソーシャルメディアを通じてブランドの普及に積極的に貢献している。

「Breakrチームが構築しようとしていた、インフルエンサーとアーティスト間の技術的な仲介役としてのビジョンを見た瞬間、Breakrこそが未来だとすぐに感じました」とノウィーグェ氏は振り返る。「エリカ・バドゥやデイブ・シャペルのような文化的アイコンが私の音楽を後押ししてくれて、彼らのプラットフォームで私を徐々に広げてくれたことが私にとって非常に大きなチャンスでした。今後はBreakrで、あらゆるレベルのアーティストやインフルエンサーに対してこういったことができるのです」。

文化的アイコンとしては、ラッパーのNasも注目すべき投資家の1人である。TechCrunchに寄せられたコメントによると「つながりを知る前から同社のことは気に入っていましたが、この偶然がこの取引をさらに特別なものにしてくれました」とNasは話している。

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画像クレジット:Breakr

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

グーグルがGoogleマップの山火事追跡、森林被覆率、Plus Codeを強化

Google(グーグル)はGoogleマップの価値を高め、まだの人には使い始めてもらうためにいくつかのツールを改訂した。同社は山火事を追跡する機能を改善し、都市の樹冠被覆率を測定するツールを拡張した他、Plus Code(プラス・コード)によるバーチャル住所作成の自動化を進めている。

山火事は多くのユーザーにとって最も緊急な利用方法であり、それはかつて稀だったこの災害が繰り返し起こる事象へと発展したからだ。Googleは2020年、衛星データを利用した山火事追跡ツールをこの種の火災を探している人たちのために提供した。たとえば「焚き火」などを探すと、ニュースを提供するだけでなく、頻繁に更新される情報センターには火災の専門家による最も有力な予測がリアルタイムで報告される。

その情報が、マップアプリに交通情報や自転車経路のようなレイヤーの1つとして表示されるようになった。機能をオンにすると、近くで起きている火災がすべてマップにマークされ、タップすると約1時間前時点のライブ概要が表示される。危険地帯にもマークがついているので、ある場所に車で行っても安全なのか現場に留まったほうがよいかを知ることができる。山火事が非常に多くて危険であり、状況の追跡が困難であることを考えると、非常に役立つツールだ。

画像クレジット:Google

都市部向けに、Googleは航空写真を利用してヒートアイランドその他の危険地帯を識別する 「Environmental Insights Explorer(EIE) Tree Canopyツール」 を提供している。市政機関はこれを、新たな樹木を植えたりその他の資源を配分する参考に利用できる。ロサンゼルスで最初にテストされたこのツールは、現在世界の100都市、メキシコ、グラダラハラ、英国、ロンドン、オーストラリア、シドニー、カナダ、トロント、日本の東京などで利用されている。

もう1つ、都市当局、特に人口が希薄な地域や急変する都市環境の行政が持っていないデータが住所だ。ある場所に住所がないなんておかしい、と思うかもしれないが、そもそも郵便や荷物が配達されるためには、行政が街路名と番地を割当て、登録し、追跡する必要がある。貧困な田舎町では、近所の公的住所を使い、追加の指示や詳しい配達員に頼って郵便が正確に配達されていることもよくある。

数年前、Googleは「Plus Codes」を導入した。基本的にGPS座標を文字と数字の短い列に結びつけたもので、さまざまなオンライン住所サービスに入力することができる(もちろんGoogleマップにも)。正式な住所を持たない人でも、Plus Codeを持つことは可能で、誰かが自分を尋ねてくるには十分だ。

画像クレジット:Google

このほど、通常の方法で住所を割り当てるのに苦戦しているいくつかの地方自治体と協力して、Plus Codesを公式の政治機構に組み込んだ。たとえばガンビアとケニヤでは、国の身分証明書など、通常政府が検証した住所を必要とする場面でPlus Codeが使用されている。なお、情報を所有、管理しているのは当局でありGoogleではない。会社はコードの生成と既存オンラインインフラとの統合に協力しているだけだ(経路案内の生成にも役立つ新たな一括生成ツールもある)。

一連のツールは、Googleの公私連携への関心を強調している。批判する人たちはGoogleが人々の生活のあらゆる側面を捕まえようとしているだけだと考えるかもしれないが、実際この会社は、広告と観察のビジネスモデルに関わらず、常にこの種のプロジェクトを推進している。産業と政府の転換を純粋に望み、ときには成功している。少なくとも、これらのプロジェクトに私利は見つからず、世界中の人たちにとって大いに役立つ可能性がある。

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルがウェブサイトの写真を購入可能な商品に、「検索」に新たなショッピング方法を追加

Googleは、オンラインおよびGoogle検索モバイルアプリを利用した新たなショッピング方法を紹介した。近日に行われるiOS用「Google検索」アプリのアップデートでは、デバイス上での処理を利用した新しい機械学習モデルを活用して、ウェブサイト上の画像に含まれる商品を認識し、即座に「ショッピング可能」な状態にする。これにより、オンラインショッピングをするユーザーは、検索結果から洋服やアクセサリーを見たり、近くの店舗に在庫があるかどうかを確認したりすることが簡単になる。

iOS用のGoogleアプリでは間もなく、ユーザーはウェブサイト上の画像をGoogleレンズでショッピング可能な商品に変える新しいボタンを目にすることができる。ウェブサイトを見ていて、写真の中に気になるものがあれば、タップしてその商品の購入先を確認することができるのだ。この機能は、すでに画像内の商品を識別できる「Googleレンズ」の技術を拡張したもので、これまでと違う新たな文脈での利用となる。

画像クレジット:Google

Googleによると、デスクトップのChromeにも「Googleレンズ」が登場し、ユーザーは「レンズ」でウェブサイト上の画像、動画、テキストコンテンツを選択すると、同じタブで検索結果を見ることができるようになる。

別のアップデートでは、モバイル端末で服や靴、アクセサリーを見ているときに検索結果から簡単に買い物ができるようになる。

例えば「クロップドジャケット」といった検索条件にマッチする商品が、複数の色やスタイルでビジュアルフィードとして表示される。また、スタイルガイドや動画、購入場所の詳細情報なども表示される。さらにスタイル、ブランドなどで検索結果をフィルタリングしたり、評価やレビューを確認したり、価格を比較したりすることもできる。

画像クレジット:Google

この機能は、Googleが提供する「ショッピンググラフ」によって実現される。ショッピンググラフは、現在240億件以上の商品情報をリアルタイムで提供している。

また「在庫あり」のフィルターを選択すると、近くの店舗で今すぐ購入できる商品を確認することができる。この機能は、忙しい年末商戦の前に、プレゼントや子どものおもちゃを買う際に特に役立つだろう。

今回のアップデートは、本日開催されたGoogleのイベント「Search On」で発表された。同社はGoogleマップ、レンズ、検索の他の製品アップデートについても詳細に説明しており、その中には新しいAIの機能強化を活用するプロダクトもある。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Facebookリールは米国内でのベータを終了、再生回数の多い動画のクリエイターに対する報酬支払手段を提供

Facebook(フェイスブック)は、2021年8月にベータテストを開始したばかりの機能「リール(Reels)」を、米国時間9月29日、iOSとAndroidの両方で、米国内のすべてのFacebookユーザー向けに提供を始めた。この機能は、TikTok(ティックトック)に対するFacebookからの回答だ。クリエイターは、音楽やオーディオ、ARエフェクト、タイマーやカウントダウンの使用といった、さまざまな編集ツールを使って短編動画コンテンツを作成し、共有することができる。今回の公開によって、クリエイターはFacebook上で直接リールを作成することができるようになり、また、Instagram(インスタグラム)で公開したリールをFacebookにも共有することで、両方のアプリでフォロワーを増やすことができるようになる。

またFacebookは、リールの制作をどのように強化していくかについての、より詳細な計画を公開している。

同社は、他の人がリールを見たときに、そのクリエイターに報酬が支払われるような新しいボーナスプログラムを導入する。このプログラムには、2022年までにクリエイターに10億ドル(約1120億円)以上を投資するFacebookの大きなコミットメントの一部として資金が投じられる。また、クリエイターが特定の種類の広告を掲載する場合や、Facebookスター(仮想チップ)による支払いを受ける場合などにも報酬が支払われることになる。

関連記事:フェイスブックがクリエイターを呼び込む約1100億円のボーナス報酬プログラムを発表

Reels Play(リール・プレイ)ボーナスプログラムは、InstagramのReels Summer(リール・サマー)ボーナスを拡張したものだ。対象となるクリエイターには、FacebookとInstagramでのリールの再生回数に応じて報酬が支払われ、30日間で1000回以上の再生回数を記録したリールに対して支払いが行われる(ただし、Facebookは最終的な支払い額については言及していない)。

この新しいプログラムは、米国のクリエイターのみが対象で、当面は招待制である。最終的には、より広くグローバルマーケットに展開する予定だ。

Facebookによれば、クリエイターがリールから収益を得るための他の方法の開発にも取り組んでおり、スタンプ広告やバナー広告などの新しい広告フォーマットをリール内でテストする予定だ。また、仮想チップシステムであるFacebookスターをリールに統合し、ファンがお気に入りのリールクリエイターに直接支払いができるようにすることも検討している。
また、TikTokの広告のように、リールの間に表示されるフルスクリーン広告や没入型広告をテストすることで、プロダクトとしてのリールの収益化も図る予定だ。こうした広告を通して、ユーザーはブランドや他のスモールビジネスつながることができるようになる、とFacebookはいう。また、視聴者はリール自身と同様に、すでにInstagramリールに表示されている広告に対して、コメント、いいね!、閲覧、保存、共有、スキップすることができる。

関連記事:TikTok広告価格上昇の中、Instagramがライバル機能「リール」広告をグローバルに展開

InstagramリールをFacebookへオプトインで共有(画像クレジット:Facebook)

Facebookユーザーがリールを作成できる場所はいくつか用意されている。ニュースフィードをスクロールすると表示される新しいリールセクションの中の「作成」ボタンや、リールを見ているときやニュースフィードの上部にある「リール」をタップすることでも作成することができる。一方、ユーザーはニュースフィードからリールを見ることができる(ここには、Instagramから共有されたリールも加わる)。また、一部のページやグループでもリールを見ることができる。

当初リールは、TikTokのクローンのようなものとして、ちょうど1年前に世界のユーザーに向けてローンチされた。現在、リールはTikTokと同様の機能を提供しており、オーディオや音楽の大規模なカタログへのアクセス、タイマーやカウントダウン、ARエフェクトなどを使って動画を編集するツール、速度調整やクリップをつなぎ合わせるためのツールなどが含まれている。リールの編集ツール、特にARエフェクトのラインナップはTikTokには及ばないが、クリエイターが他社の編集アプリで作成した動画をそのままリールにアップロードすることも簡単にできる。また、TikTokのウォーターマークが表示されたリールは、アルゴリズムによってランクダウンされるものの、現在のところ、複数のサービスにクロスポストされたコンテンツが禁止されることはない。

グループ内のリール(画像クレジット:Facebook)

Facebookは、TikTokの台頭を自社のビジネスにとっての脅威と考えていることを明言してきた。競合他社に直接言及しない企業もある中で、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は2021年6月に、Instagramがより多くの動画を含むように進化している理由の1つとして、TikTokを具体的に名指ししている 。さらに同氏は「私たちはもはや写真共有アプリでも、単なる正方形写真共有アプリでもありません」とユーザーに訴えた。

一方、TikTokの成長には目を見張るものがある。それは、2020年に最もダウンロードされたアプリとなった。7月には、Facebook以外のアプリとしては初めて、全世界で30億ダウンロードを達成。そして今週、TikTokは月間アクティブユーザー数が10億人に達したことを発表している。これに対して、Facebookのアプリ群の月間アクティブユーザー数は現在35億1000万人に達している。

Facebookのリール機能は、米国時間9月29日から米国のユーザーを対象にFacebookのモバイルアプリ上で展開される。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

一般電話での国際衛星通信を実現するLynk、商用化に向けて準備中

Lynk(リンク)の衛星ネットワークの登場により「電波が届かない」という時代は終わるかもしれない。Lynkの衛星ネットワークでは、最新の携帯電話が、特別なアンテナやチップを必要とせず、頭上の衛星と直接データを交換することができるようになる。同社は今週、双方向データリンクのデモンストレーションを行い、アフリカとバハマでの最初のネットワークパートナーを発表したばかりだが、順調にいけば、世界のどこでも電波を受信できるようになる日もそう遠くないかもしれない。

かつてUbiquitilink(ユビキティリンク)と呼ばれていたLynkは、元Nanoracks(ナノラック)の創業者であるCharles Miller(チャールズ・ミラー)氏を中心に、何年も前からこの段階に向けて取り組んできた。彼らは2019年の初めにまったく知られていない状態から突如姿を現し、普通の電話機が地球低軌道の衛星に接続できるという理論を示すために、いくつかのテスト衛星を打ち上げたと説明してみせた。初期のテストでは、ノイズやドップラーシフトなど、一部の専門家から「不可能」と言われていた要素を打ち消すことができたことが実証され、2020年には、衛星から直接、普通の電話機に初めてSMSを送信した。

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それだけでも、政府やネットワーク事業者にとっては注目すべき便利な機能だったはずだ。自然災害や停電などの緊急時には、通常のモバイルネットワークでは重要なメッセージを被災地に届けることができないからだ。Lynkは、衛星を使って都市全体に避難メッセージを送ることができることを示し、この技術が実際に将来的に使われる1つの例になるかもしれない。

しかし、先週初めて、同社は携帯電話と衛星(同社の5番目の衛星[Shannon]との間の双方向接続を実演してみせた。これにより、特別な装置を持たない地上の人間でも、頭上にLynkの衛星があれば、データの受信と送信の両方が可能になる。もちろん大したデータ量ではないが、SMSやGPSの位置情報、天気予報などには十分すぎるほどのデータ量だ(後により多くの衛生が配置ができるようになると、より多くのデータ量に対応する)。

「私たちは、携帯電話が宇宙のセルタワーに接続するために必要な双方向通話フローを何度も実証してきました。この双方向通話フローには、機器がチャネルアクセスを要求し、それに対応する認証や位置情報の更新手続きを含む、アップリンクとダウンリンクの複数のシグナリングが含まれます。現在までに、英国、バハマ、米国で数百台の携帯電話でこれを実現しています。これまで衛星セルタワーでは実証されてきておらず、Lynkがそれを成し遂げたのです」。とミラー氏はプレスリリースの中で述べている。

これはゲームチェンジャーと言っても過言ではないだろう。同社がさらにいくつかの衛星を軌道に乗せれば、地球上のかなりの部分をカバーすることができる。確かに電波の幅は狭く、断続的ではあるが、ハイキング中に足首を骨折したり、ハリケーンで街が停電したときに家族に無事を知らせるためには、何もないよりははるかにマシだ。

画像クレジット:Lynk

「いつでもどこでもテキストメッセージを送ることができるということは、すべての安全の基礎となります。友人や家族、隣人にメッセージを送ることができれば、それだけで命を救うことができます。あなたは必要ないかもしれませんが、あなたの奥さんや旦那さんは、心配しなくてすむためにも欲しいと思っているはずです。人々は安心を買っているのです」とミラー氏は教えてくれた。

まずは、より多くの人が緊急サービスを受けられるようにすることが先決だという。911コールはまだ無理でも、基本的な情報や座標を含むSOSメッセージは確実に可能であり、このサービスは、完全に彼ら次第というわけではないが、ゼロもしくは最小限のコストで提供されるようにしたいという。しかし、公式の緊急サービスに関連するものはすべて無料となるだろう。

通常のメッセージ機能は、通常の電波と同じように、衛星が頭上にあるときにリアルタイムで送信するか、送信ボックスや送信予約に入れておいて、宇宙ベースのネットワーク通信バーが表示されたときに送信するかのどちらかになる。

世界中のどこにいても、何があっても自分のいる場所の天気予報を配信できるデモアプリを無料で提供する予定で、ミラー氏は、ぜひ携帯電話メーカーやアプリメーカーと協力して、彼らのOSやサービスに統合したいと述べている。

驚くべきことに、アクセスにはユーザーはほとんど何も必要ない。軌道上にある電波塔なので、衛星が利用可能になると、他の通信事業者のセルタワーと同じように、あなたの携帯電話に通知してくれる。携帯電話というのは、あなたが使用しているネットワーク以外にも、周囲のさまざまなネットワークを常に認識している。異なるタワーに問い合わせ、信号を他のタワーに引き継いだり、何らかの理由でネットワークに再登録したりと、バックグラウンドでは常に相互作用が行われている。ユーザーは何らかの方法でそれを承認しなければならないが、それを手助けするアプリや、ネットワーク間の契約も用意される。

この点については、まずバハマのAliv(アリヴ)、中央アフリカ共和国のTelecel Centrafrique(テレセル・セントラフリック)と提携している。ミラー氏によると、米国を含む数十カ国のネットワーク事業者と交渉中とのことだが、これらの小規模な展開はその第一歩であり、現地の人々が本当に必要としているものだ。中央アフリカの農村部とバハマの離島には、あまり共通点がないかもしれないが、電波の届かない地域が広いという点では共通している。

通信事業者がどのような料金を設定しようとも、Lynkはその分け前を得ることができる。ミラー氏は、ネットワーク事業者の判断に委ねているという。「人々はメッセージごとに妥当な価格を支払うでしょう。最初のうちは1メッセージあたり5セント(約5円)、10セント(約10円)、20セント(約20円)としておけば、パートナーの判断に任せることができ、人々はそれにお金を払うでしょう」。時間の経過とともにサービスが普及し、Lynkが提供する費用が安くなれば、価格も下がることになるだろう(おそらく)。

常に接続されているという考えは、当然ながら、多くの人が持つプライバシーに関する考えとぶつかる可能性がある。しかし、ミラー氏は、自分たちは顧客データに興味がないことを強調した。「あなたは私たちの顧客であって、私たちの製品ではありません。私たちは興味がありません。それは非常に危険なことです」と述べている。911番通報やSOSメッセージが位置情報の提供を暗黙の了解としているという大きな例外を除いて、意図的にこの種の衝突を避けるよう構築しているという。

同社は現在、世界中の数十社のネットワーク事業者と交渉を進めているが、FCC(米国連邦通信委員会)の意見を聞く必要がある米国のように、規制や市場に関する問題が残っている地域も多い。しかし、ミラー氏は、自分たちが世界の通信インフラの主要な部分になるだろうと確信している。

「ポケットの中のスマートフォンは、人間としての能力を拡大してくれるスーパーパワーのようなものです。しかし、接続されていないと、その能力は失われてしまいます。私たちはその問題を解決しているのです」。とミラー氏は語った。

画像クレジット:Ubiquitilink

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Akihito Mizukoshi)

共同作業プラットフォームNotionが全世界のスタートアップに有料プラン用クレジットを無料で提供、AWS・Stripeとも連携

共同作業プラットフォームのNotionは2019年に多くのアクセラレーターやインキュベーターの協力を得て、その投資先のスタートアップがNotionプラットフォームを無料で使えるクレジットを提供した。今度はもっと積極的に、同様のプログラムをすべてのスタートアップを対象に展開する。

Notionは米国時間9月28日にスタートアップ向けの新たなプログラムを開始し、全世界のスタートアップに500ドル(約5万5000円)以上のクレジットを提供して同社製品を無料で試用できるようにした。スタートアップの規模や資金調達の状況は問わない。チームの規模に応じて、スタートアップはこのクレジットでNotionの有料機能を無料で最長1年間利用できる。

Notionの最高執行責任者であるAkshay Kothari(アクシェイ・コサリ)氏はTechCrunchの取材に応じ、同社がこのプログラムを最初に始めたときは「Notionが世界中のスタートアップに受け入れられること」を試していたと述べた。

この2年間で同社の状況は劇的に変化した。直近の資金調達ラウンドで20億ドル(約2200億円)のバリュエーションとなり、多くのスタートアップ(ごくわずかだが例を挙げればFigma、Substack、Modern Health、Mixpanel、Buffer、Headspaceなど)や開発者、クリエイター、デザイナーなどに選ばれる生産性スイートとして頭角を表している。

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世界中の企業がリモートワークを取り入れたことから、Notionを利用するスタートアップの数はこの1年間で4倍に急増したと同社は説明する。Yコンビネーターに直近で参加したスタートアップの半数以上がNotionのワークスペースを利用し、Forbesが発表したクラウド企業トップ100のうち90社がNotionのチーム向けワークスペースを持ち、Crunchbaseに掲載され100万ドル(約1億1000万円)以上を調達した全世界のスタートアップのおよそ28%がNotionのプラットフォームを使っている。

Notionがそれほど重視していなかった市場であるインドの起業家の間でもNotionはかなり一般的になり、作成したピッチの資料をNotionに保存して潜在的な投資家に公開している。多くのスタートアップがNotionに発表を掲載し、Notionのページでノートを書いてチームで共有している。

コサリ氏は新たな展開の1つとして、Notionはこのようなユースケースでのフリクションを取り除く新しいテンプレートも開発していると述べた。さらにスタートアップ向けのスターターパックも公開した。これはガイド、チュートリアル、ライブストリームのイベント、カスタマーストーリー、FAQを集めたものだ。

同氏は「我々のゴールは、Notionを世界中のスタートアップが意識せずに使えるツールにすることです」と語る。

その規模に到達することを目指して、Notionはスタートアップの多くが高く評価するインフラ大手2社とも連携する。AWSとStripeだ。コタリ氏によれば、両社は今後、自社プログラムを利用する数十万のスタートアップに対してNotionの有料プランで利用できる一定のクレジットを提供する。

AWSとStripeがスタートアップにとって重要な存在になったのと同様に「NotionはAWSやStripeと協力することで情報のインフラになれると考えています」とコタリ氏はいう。さらに同氏は「この連携をスタートしたので、今後も引き続きさらなるパートナーシップを構築する機会を検討していきます」と述べた。

Stripeのスタートアップビジネス責任者であるKrithika Muthukumar(クリティカ・ムスクマール)氏は発表の中で「NotionはStripe Atlasコミュニティに恩恵をもたらし、あらゆる規模の企業が重要なマイルストーンを通じてまとまり、意識を合わせ、従業員同士の距離を縮めるのに役立っています。我々はNotionをAtlasのプログラムに迎え、コミュニティをともに支える新たな方法を探っていくことをうれしく思います」と述べた。AWSは発表の中で、同社の顧客はNotionを「絶賛」し、Notionと戦略的に協業する方法をさらに調査すると述べている。

画像クレジット:Notion

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(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)

YouTubeが新型コロナに続きワクチン全般の誤情報も禁止対象に

YouTube(ユーチューブ)は米国時間9月29日、ワクチンについての誤情報を禁止する新しいガイドラインを医療誤情報の規則に含めた。Google(グーグル)所有の動画プラットフォームYouTubeは以前、新型コロナウイルス感染症について危険な誤情報を広めた100万本を超える動画削除している。そして現在、YouTubeはワクチンの安全性、有効性、成分に関する誤情報を広めるコンテンツも削除するという。YouTubeは以前、新型コロナワクチンに限定して誤情報を禁止したが、今回、はしかやB型肝炎のような定期接種に関する誤情報や、地域の健康衛生当局や世界保健機構(WHO)によって安全が確認されたワクチンについての一般的な嘘も禁止するために規則をアップデートする。

関連記事:YouTubeは2020年2月以降、新型コロナに関する100万の危険な誤情報動画を削除

規則の変更は、新型コロナワクチン接種率が低い中でのものだ。米国のコロナワクチン接種完了者の割合は約55%だが、この数字はカナダと英国ではそれぞれ71%と67%で、米国より高い。バイデン大統領はソーシャルメディア上でワクチン誤情報が拡散していると指摘した。さらにホワイトハウスは国民にワクチン接種を促すためにOlivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)氏のような新星のスーパースターに助けを求めすらした。

YouTubeの今回の新しいガイドラインはFacebook(フェイスブック)に倣っている。Facebookは2月に、誤ったワクチン情報を取り締まるために使用している基準を拡大した。Twitter(ツイッター)もまた、ミスリードする新型コロナ情報の拡散を禁止し、AIと人間の組み合わせでミスリードしているツイートにラベルを貼っている。Twitterは、ワクチンとマスクは新型コロナ拡散を抑制しないという誤った主張を展開したジョージア州選出の議員、Marjorie Taylor Greene(マジョリー・テイラー・グリーン)氏を一時停止措置にすらした。

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YouTubeの新ガイドラインに違反するコンテンツの例としては、ワクチンはがんや糖尿病など慢性的な副作用を引き起こすと主張する動画、ワクチンには接種した人を追跡できるデバイスが含まれていると主張するビデオ、ワクチンは人口抑制計画の一環だと主張する動画などが挙げられる。ユーザーがこれらのガイドラインに違反するコンテンツを投稿すると、YouTubeはそのコンテンツを削除し、なぜビデオが削除されたのかをアップロードした人に案内する。初めての規則違反である場合、警告を受けるだけで罰則は科されないとYouTubeは話す。もし違反が初回でなければ、ユーザーのチャンネルはストライク1つとなる。そして90日以内にストライク3つとなると、チャンネルは削除される。YouTubeはまた、Joseph Mercola(ジョセフ・メルコラ)氏やRobert F. Kennedy Jr.(ロバート・F・ケネディ・ジュニア)氏のようなワクチン反対派の有名人に関連するチャンネルも取り締まる。

「新しいガイドラインでは重要な例外もあります」とYouTubeはブログ投稿で述べている。「科学的なプロセスにおける自由公開討論や議論の重要性を踏まえ、当社は引き続き、ワクチン政策や新しいワクチンの試験、これまでのワクチンの成功や失敗などについてのコンテンツがYouTube上にあることを認めます」。

YouTubeはまた、コンテンツが他のガイドラインに違反しない限り、ユーザーがワクチンに関する個人的な体験を議論することも認める。しかしチャンネルが反ワクチンを促進する動きをみせると、YouTubeはコンテンツを削除する。これらのガイドラインは9月29日から適用される。だが、新しい規則にはよくあることだが「完全適用」にはしばらく時間がかかる、とYouTube書いている。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Cloudflareがクラウドストレージ「R2」で市場参入、「第4のパブリッククラウド」目指す

企業のウェブアプリケーションのパフォーマンスとセキュリティを向上させるCloudflareには、現在、世界中でおよそ250のデータセンターがある。同社はこのほど、R2と名づけたクラウドストレージを提供し、初めてインフラサービスを始めることを発表した。

同社の共同創業者でCEOのMatthew Prince(マシュー・プリンス)氏によると、ストレージサービスの提供は、同社がこれまで行ってきた他のプロダクトの提供と何ら変わるところはない。まず社内で何かが必要になり、それを自分たちで開発し、それを顧客にも提供するようになるというパターンだ。

「プロダクトを作るときは、それを自分たちが必要だから作ることが多い」とプリンス氏はいう。彼によると、ストレージは、画像などのオブジェクトを同社のネットワークに保存するニーズから生まれた。一度それができ上がると、クラウドストレージの市場を眺めてみて、これはプロダクトとして顧客にも提供した方が良いと思われてきた。

「他のストレージソリューションが提供するすべての機能を備えたものを構築できるかどうかを考えました。このソリューションは、当社のグローバルネットワークを利用しているため、非常に優れたパフォーマンスを発揮し、お客様にとって非常に魅力的な価格を設定することができます」とプリンス氏は語る。

「R2」という名称は、Amazonのストレージプロダクト「S3」を少々揶揄したもので、明らかに名前をもじったものだ。プリンス氏によると、その違いは、エグレスの料金をなくすことで、ストレージのコストを最大10%削減することができたという。Cloudflareでは、ストレージの価格を、保存データ1GBあたり月額0.015ドル(約1.67円)に設定する予定だ。これに対してS3の価格は月に50TBまでは1GBあたり0.023ドル(約2.56円)からとなっている。

「データ転送にかかるコストを考えると、どのクラウド事業者でも、データを上げるのは無料ですが、データを取り出すのにはコストがかかります」とプリンス氏はいう。今回のサービスの目的の1つは、データの移動にかかるコストをなくすことであり、同社がいうところの「不定期のアクセス」には料金を課さない方針だという。

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プリンス氏は、これが帯域幅の価格が年々下がっているにもかかわらず、Amazonなどのクラウドサービスのストレージの価格が高止まりしていることの背景だと考えている。彼の見積もりでは、そうしたコスト削減分の一部を顧客に還元できるという。彼は、パートナーであるBackblazeやWasabiのようなスタートアップと直接競合するつもりはないが、両社とも同じようにクラウドストレージ市場でAmazonや他の大手クラウドプロバイダーに対抗しようとしている。

このプロダクトはまだ開発中で、数カ月後にベータ版のテストができるようになった時点で、参加希望者のためにウェイティングリストを設けている。

プリンス氏は、Cloudflareはストレージ以外のサービスの構築も視野に入れており、最終的にはAWS、Google、Microsoftの3大クラウドベンダーと競合すると考えているという。「私たちは第4のパブリッククラウドになるための道を歩んでいると考えています。私たちのアプローチは、他の3社よりもはるかに差別化されていると考えています」とのことだ。

画像クレジット:Yulia-Images/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

動画クリエイターとクライアントをつなげる動画制作プラットフォームVideoWorksを手がけるCrevoが5億円調達

動画クリエイターとクライアントをつなげる動画制作プラットフォームVideoWorksを手がけるCrevoが約5億円調達

動画クリエイターとクライアントを直接つなげる動画制作プラットフォーム「VideoWorks」(ビデオワークス)などを手がけるCrevo(クレボ)が9月29日、第三者割当増資による約5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はインキュベイトファンド、三井住友海上キャピタル、あいざわアセットマネジメント、Axiom Asia Private Capital。これにより累計調達額が約13億円となった。

調達した資金により、VideoWorksの機能充実化と開発、顧客企業のサポート体制拡大に向けた人材採用、市場拡大に向けた販促・促進活動の強化を行う。サービス開発面では、特にスマホ上での使いやすさの向上に注力することを考えているという。その一環としてアプリ開発にも着手し、本格的な5G時代突入により加速するユーザーのスマホファーストのニーズに対応する。これに伴い、開発体制の人員を現状の倍以上に拡大予定としている。

またサービスの数値的な目標としては、登録クリエイター数を現状の1万人から、3年後には10万人の登録を目指す。その実現のために、2年後までにVideoWorksを依頼総額で累計50億円規模のマーケットへと成長させ、クリエイター経済圏の創造に向けて、マーケティングやプロモーションの強化も同時に行う。

2012年設立のCrevoは、動画制作および動画制作サービスの運営を活動の中心とした総合クリエイティブカンパニー。「動画新時代のクリエイター経済圏をつくる」というミッションの下、クリエイティブの価値が最大限に発揮されるインフラ構築を目指している。またVideoWorksに加えて、制作管理ツール「VideoWorksクラウド」といったサービスの提供も行なっている。

VideoWorksには、国内外約1万人のプロクリエイターが所属しているという。「低価格重視」「クオリティにこだわりたい」「短納期で依頼したい」といった様々な要望に対して、最適なクリエイターとマッチングしてもらうことが可能とのこと。

アマゾンが高齢者介護のサブスクサービス「Alexa Together」を開始

Amazon(アマゾン)は本日、自立した生活を送っているものの、特別なサポートを必要とする可能性がある高齢の家族を持つ家族のために設計された新しいサブスクリプションサービス「Alexa Together」を発表した。この月額19.99ドル(約2200円)のサブスクリプションは、Amazonの既存製品であるAlexa Care Hubを拡張したもので、Care Hubの機能の多くを取り入れ、緊急応答機能や専門家による緊急ヘルプラインへのアクセスなど、新たな保護機能を追加している。

同社は2020年11月に、年老いた親や愛する人の活動に関する一般的な情報を受け取ったり、愛する人が助けを求めた場合に警告を受けたりするために(本人の許可のもと)彼らを見守ることができるAlexaモバイルアプリのオプションであるCare Hubを初めて導入した。

画像クレジット:Amazon

Alexa Togetherでは、高齢の家族がAlexaに助けを求めてきたときに家族に知らせるためのケアアラートなどの機能に、家族は引き続きアクセスすることができる。

また、2022年初めから、複数の人が愛する人をサポートできるようになる。これは、例えば、兄弟で両親の介護を分担している場合などに便利だ。近くに住む人もサポート対象となり、緊急時にカスタマーの家族の様子を確認することもできる。

画像クレジット:Amazon

Amazonによると、介護者は、愛する人のデバイスにリマインダーを設定したり、お気に入りの曲を簡単に再生できるように音楽サービスにリンクしたりできる。また、家族のAlexaアカウントに連絡先を追加して、ハンズフリーで友人や家族に電話をかけることもできる。

また、新しいサブスクリプションには、ハンズフリーで24時間365日、緊急ヘルプラインにアクセスすることができる緊急対応機能が導入されている。これにより、高齢の家族が自宅で転倒したり、その他の緊急事態が発生したりした場合、Alexaに助けを求めることができる。

Alexaはそれに応えて、家族や隣人など、アカウントに接続されているすべての人に警告を発する。

このサブスクリプションは、6カ月間は無料で提供され、その後継続する場合は月額19.99ドル(約2200円)の有料会員となる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

マイクロソフト・ナデラCEOがTikTok買収交渉を「これまでで最も珍妙な出来事だった」と明かす

マイクロソフト・ナデラCEOがTikTok買収交渉を「これまでで最も珍妙な出来事だった」と明かす

Anushree Fadnavis / Reuters

テクノロジー業界のトップらが集う招待制のカンファレンス「Code Conference 2021」で、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが昨年のTikTok買収交渉に関する体験談を回想し「これまでに取り組んだ中で最も珍妙な出来事だった」と語っています。

2020年8月、中国のByteDanceが親会社のTikTokに対して、ドナルド・トランプ前大統領政権はセキュリティと国家安全保障上の懸念があるとして、サービスを閉鎖するか、米国企業へ売却するよう迫っていました。TikTokはいくつかの企業との間で売却交渉を進め、その候補のひとつがマイクロソフトでした。

しかし、最終的に売却先として決定、公表されたのはOracleで、マイクロソフトはそこで手を引く結果に。最終的に、TikTokの売却話はバイデン新大統領がトランプ政権下でのTikTok禁止の大統領令を取り消したことでなくなっています。

一連の出来事に関して、ナデラCEOはCodeカンファレンスの舞台上で「まず覚えておいていただきたいのは、もともとはTikTokが我々のところへ来て買収を持ちかけたのであって、我々がTikTokのところに出向いたわけではないということです」と述べました。TikTokはセキュリティサービスを提供できるクラウドプロバイダーと手を組みたいと考えており、自らマイクロソフトにパートナーになって欲しいと連絡を取ってきたとのこと。

さらにナデラCEOは「トランプ大統領からは当初、TikTokの買収に関しておそらくなんらかの考えがあるように感じられていました。しかしある時期にそれが消えてしまいました」と述べ、「そして、私は交渉から抜けることにしました。奇妙なことでしたが、面白くも感じました」と語っています。

一方、今でもあのショート動画アプリを買いたいかとの問いに関しては、明確な返答は避けました。しかし、マイクロソフトには「クラウドプラットフォーム、セキュリティ技術、そして「コードベースを引き継ぐことができるエンジニア」がいて「最も適した立場」だったとして、取り引きが魅力的だったことを認めました。

(Source:GeekWireEngadget日本版より転載)

不動産取引プラットフォーム「カナリー」運営のBluAgeが12億円調達、人材採用・プロダクトマーケティング・新規事業強化

不動産取引プラットフォーム「カナリー」を運営するBluAgeが約12億円調達

不動産情報検索アプリ「カナリー」(Android版iOS版)を開発・運営するBluAgeは9月29日、シリーズBラウンドで総額約12億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のAngel Bridge、新規投資家のNTTファイナンスおよびABCドリームベンチャーズ、ほか複数投資家。

調達した資金は、開発・営業・管理を含む人材採用やプロダクトマーケティング、新規事業に充当。カナリーの運営の強化、不動産仲介会社向けSaaSの展開など、不動産領域の「デジタルなインフラとして産業の発展に貢献する」ミッションの実現を目指す。

カナリーは、2019年6月にリリースされ累計ダウンロード数は100万件を達成。全国の不動産の賃貸・売買に対応しており、同アプリ経由での問い合わせも可能。掲載情報は管理会社や不動産業者向けのデータベースとも連携しているため最新情報が網羅されている。

不動産取引プラットフォーム「カナリー」を運営するBluAgeが約12億円調達

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

LayerXは9月28日、クラウドでの請求書処理業務を可能にする請求書AIクラウド「LayerX インボイス」に付随するワークフロー機能「LayerX ワークフロー」において、支払申請から仕訳を自動起票する機能をリリースした。事業部門が入力した支払申請の情報を活用して仕訳を起票できるようになり、これまで発生していた事業部と経理間の確認コストの極小化が可能になるという。

今回のアップデートにより、経費科目を事前定義することで、事業部がLayerX ワークフローで支払申請を行う際に経費科目を選択すると、LayerX インボイスの仕訳情報にその経費科目に紐付けた勘定科目が登録されるようになった。

また、明細単位で申請した支払申請を元に複数明細行の仕訳起票が可能という。これにより、複数の部門やプロジェクトにまたがる仕訳も、事業部からの申請を元に起票できる。請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

LayerX インボイスは、請求書受取業務の効率化を通じて経理DXを推進するというサービス。請求書の受取り後、AI-OCRで請求書を自動でデータ化の上、仕訳データや振込データの自動作成及び会計システム連携をシームレスに実行する。

ワークフロー機能については、2021年3月より提供を開始。ワークフロー機能を利用することで、経理部門だけではなく、事業部門における支払申請などにかかる作業負荷・入力ミスを解消し、全社のデジタル化並びに生産性向上に寄与することを目指しているという。

 

LinkedInが有料チケット式のイベントサービスをテスト中

LinkedIn(リンクトイン)は先日、そのプラットフォームにオリジナルコンテンツ(とエンゲージメント)を増やすため、クリエイターを中心とした新しい取り組みを発表したが、このネットワークサイトにさらなる活動をもたらそうとする努力は、それだけではない。LinkedInがイベント(特に有料イベント)に関するテストを行っていることも確認した。

我々は匿名を希望する情報源から、そのイベントテストに関連するコードを初めて入手した。そのコードは、LinkedInがチケットを販売して、イベントの企画者がダッシュボードで販売状況や収益を監視し、もちろんLinkedIn自身でもイベントを運営することを示唆していた。LinkedInの広報担当者はこの情報を認め、次のように我々に語った。

「仕事の世界が変化し、ほぼすべてがリモートワークに移行する中で、LinkedIn Events(リンクトイン・イベント)は急成長を遂げており、2020年にはLinkedInのあるイベントに2100万人が参加しました」と、LinkedInの広報担当を務めるNicole Leverich(ニコル・レベリッチ)氏は述べている。「私たちは、メンバーやカスタマーフィードバックから学び、LinkedIn体験を改善するための新しい方法を試し続けています。その一環として、イベント主催者からのフィードバックに基づき、イベントへの支払い方法のオプションを模索しているところです」。

我々の理解しているところによれば、これは同社が映像や音声を使ったサービスを大幅に改善しようとしている取り組みの一環だ。おそらく今後はこれらがイベントサービスの中核になると思われ、すべてが今後数週間から数カ月の間に展開される見込みだ。LinkedInは2021年6月に、バーチャルイベントプラットフォームのHopin(ホピン)へ出資すると発表したが、直近の8月の資金調達ラウンドで77億5000万ドル(約8620億円)の評価を受けたHopinが、これに関与するかどうかは明らかになっていない。

LinkedInは、新型コロナウイルス流行前の2019年に初めて導入したLinkedInイベント機能を中心に、何年も前からイベントに関する機能に取り組んできたが、当初は人と人が対面する集会に重点を置いていた。しかし、新型コロナウイルス感染流行が始まってから数カ月後には、よりバーチャルなイベントで使用されていた方法の一部を形式化し、バーチャルな結びつきを目的としたオンライン投票やビデオイベントを導入した。

このように、LinkedInはプロフェッショナルネットワークのSNSという地位を確立していたため、大規模な業界の展示会やカンファレンスと、より小規模な集会の両方において、すでに自然な強い関わりを持っていた。多くの大規模なイベントでは、参加者のログインを管理するためにLinkedInが使用されており、イベントのコンテンツをLinkedInで共有したり、カンファレンスに参加した人は、実際に会って(あるいは最近ではバーチャルに)交流した後に、LinkedInを使ってネットワークを継続している。

だから、LinkedInにとって、そのプロセスの中で、事業としてより積極的かつ中心的に関わる方法を模索し、自らそのようなイベントを主催して、そしておそらく、そこから少しでも利益を得ようとすることは、理に適っている。

さらなる情報が得られたらまたお伝えする。

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画像クレジット:LinkedIn China via Weibo

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(文:Ingrid Lunden、Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ネット動画広告制作の内製化を後押しするリチカが8億円調達、独自の自動生成技術や広告の自動最適化を強化

ネット動画広告制作の内製化を後押しするリチカが8億円調達、制作自動化に向け独自の自動生成技術や広告の自動最適化を強化広告クリエイティブ運用クラウド「リチカ クラウドスタジオ」の開発・運用などを行う広告テック企業リチカは、9月28日、第三者割当増資による約8億円の資金調達の実施を発表した。引受先は、既存株主であるみずほキャピタル、新生企業投資、FFGベンチャービジネスパートナーズ、DIMENSION、マネックスベンチャーズの他、新規株主としてGMO VenturePartners、大和企業投資、博報堂DYベンチャーズ、rooftopが加わった。これにより累積調達額は約10億6000万円になった。調達した資金は、「ネット広告の制作自動化」に向けた、独自の自動生成技術や広告の自動最適化の強化に充てられるという。

リチカ クラウドスタジオは、「導入したその日からネット広告で戦略的なクリエイティブ制作・改善を実現できる」というクラウドサービス。プロレベルの動画広告が簡単に作れるサービスだ。コロナ禍の影響で、広告を内部で制作する企業が増え、ネット広告制作ツールの需要が高まっているという。リチカのシステムは、ベネッセ、カドカワ、セブン銀行など大手を中心とした400社以上に導入され、月間2万本以上の動画広告が作られているとのこと。ネット広告以外にも、渋谷駅前のサイネージやテレビCMにも使われている。

リチカ クラウドスタジオの特徴は、クリエイティブ、テクノロジーなどの専門家集団「リチカ クリエイティブファーム」や独自のマーケティング研究機関「RC総研」を構え、プロレベルの広告用素材や簡単に使える動画制作ツールなどを提供する他、クライアントには専任のコンサルタントが付き、1対1で寄り添いながら、動画制作から広告運用まで総合的な「ワンストップ」でのマーケティング支援をしてくれる点にある。

代表取締役の松尾幸治氏は、デジタル世界でも「定量化できない曖昧なものの価値」を高めたいと話す。伝えにくいものを伝えるテクノロジーを提供するリチカは、それを「作り方の革命であり、届け方の革命」としている。

 

TikTokの月間アクティブユーザーが10億人に到達

米国時間9月27日、TikTok(ティックトック)はブログ記事で1カ月の利用者数が10億人になったと発表した。つまり地球上のおよそ7.5人に1人が、ダンスや危険な「牛乳ケースチャレンジ」、さらには実際に役立つ教育コンテンツなどのショートビデオを定期的に視聴していることになる。

比較のためにいうと、Facebook(フェイスブック)は2021年6月に月間アクティブユーザーが前年同期比7%増の29億人であると発表した。しかしTikTokは急激に成長している。2020年7月の月間アクティブユーザーは6億8900万人で、そこから45%増えている。さらにアプリ調査会社のSensorTowerによると、TikTokアプリは2021年7月にFacebookアプリ以外では初めて、全世界で30億ダウンロードを達成した。

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TikTokは明らかに欧米のテック大手に競争を突きつけている。Facebook傘下のInstagram(インスタグラム)は重点分野を抜本的にシフトし、もはや写真共有アプリではないと宣言している。InstagramはTikTokそっくりのリールを強烈に推進しているし、ディスカッションフォーラムのReddit(レディット)でさえショートビデオのフィードの誘惑にひかれている。Instagramはクリエイターに対し、TikTokの透かしが入ったビデオをリールに再利用した投稿は見つけにくくするとアドバイスしている。

TikTokによれば、親会社ByteDance(バイトダンス)の本社は中国だがTikTokの最大のマーケットは米国、ヨーロッパ、ブラジル、東南アジアだという。よく知られているように、近年のTikTokは厳しい規制の問題に直面している。米トランプ前大統領は米国の企業とTikTokとの取引を禁止しようとした。13億6000万人を擁するインドでは2020年以降、TikTokは禁止されている

こうした状況にもかかわらず、TikTokはめざましい成長を見せ続けている。つい最近の2021年8月には、TikTokの親会社であるByteDanceがVRハードウェア起業のPicoを買収し、今後VRに進出していく可能性を示した。FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が1兆ドル(約110兆円)規模のプラットフォームであるFacebookを「メタバース」企業にしたいと考えているのは偶然ではない。みんな、大成功したいようだ。

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画像クレジット:TikTok

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

Twitterが投稿動画を従来より高画質化、劣化の原因になっていた処理を削除などアップロード時の処理を変更

Twitterが投稿動画を従来より高画質化、劣化の原因になっていた処理を削除などアップロード時の処理を変更

Twitter

Twitterが、投稿された動画の画質劣化の問題に取り組んでおり、品質向上の修正を行ったことを明らかにしました。

たしかにこれまでのTwitterで見られるアップロード動画は、他のSNSサービスに比べても再エンコードによる画質劣化の度合いが大きく、細部のディテールが失われがちでした。Twitterはアップロードの前段階で動画を細切れにしてから加工していたと説明し、それが画質劣化の原因になっている可能性があるとしました。そしてこの修正では、その前処理を無くすことにしたとのこと。これまでわざわざ前処理をしていたのは、もしかすると今よりも速度や安定性が低かったモバイル通信環境における再生の快適性やデータ容量を考慮していたのかもしれません。

Twitterはまだ、これまでにアップロードしたメディアにアクセスできるTwitter Media Studioには変更が適用されていないと述べています。また画質の改善は新規に投稿される動画には適用されるものの、すでに投稿された過去の動画の画質は変化しないと注意を述べています。

新規アップロードされた動画は、たしかに以前よりは画質が改善していることがわかります。それはまだYouTubeやTwitchとは比べるべくもないレベルなので、過度な期待は抱かない方が良いかもしれません。とはいえ、ゲームプレイ動画のような、くっきりはっきりしているうえに動きの激しい映像の場合は、多少なりとも見やすさが改善しています。

5G通信環境がいまよりも普及すれば、動画の投稿やライブ配信などにも利用される機会も増えるはずなので、さらなる画質改善に期待したいところです。ちなみにTwitterは2019年には、JPEG静止画のアップロード処理における画質劣化を抑える変更も行っていました。

(Source:TwitterEngadget日本版より転載)

批判を受けてInstagramのCEOが10〜12歳向けバージョンの開発を「凍結」と発表

Instagram(インスタグラム)のトップが、13歳以下を対象とするバージョンの計画を「一時停止」することを発表した。ソーシャルメディアサービスはティーンエイジャー女子に不安や精神面での健康問題を引き起こすことをFacebook(フェイスブック)傘下の同社が認識していたことを示す内部資料を明るみに出した、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の批判的な報道を受けての対応だ。

InstagramのCEOであるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は米国時間9月27日、TwitterのスレッドでWSJの報道に言及した。しかし、少女たちのメンタルヘルスへのInstagramの影響について、極めてネガティブな暴露へのパニック反応とは正反対に、意図的かつ思慮深い対応として「一時停止」してやり直すことを模索することで、調査報道の影響を軽く扱おうとしている。

WSJは2019年からの内部調査スライドを入手し、その中でInstagramの親会社Facebookは「10代少女の3人に1人の身体像問題を悪化させている」と認識していた。

「当社は『インスタグラム・キッズ』と呼ばれるトゥイーン向けのInstagramを構築するプロジェクトを一時停止しています」とモセリ氏は9月27日に一連のツイートに書いた。

「このエクスペリエンスは決して子どものためのものではありませんでした。我々はトゥイーン(10〜12歳)むけのエクスペリエンスをデザインしていました。そして今日展開されているInstagramと同じものにはならないはずでした。親がトゥイーンのアカウントを承認し、子どもが誰をフォローするか、誰が子どもをフォローするか、誰が子どもにメッセージを送るか、使用時間などを監視します。しかしプロジェクトは、それがどのようなものになるのかが見えてくる前に漏れました。人々は最悪のケースを恐れました。その時点で答えは持ち合わせていませんでした。最近のWSJの報道はより大きな懸念を引き起こしました。この件にもう少し時間をかける必要があるのは明らかです」

インスタグラム・キッズとよく呼ばれる、トゥイーンのためのInstagramを構築するというプロジェクトを一時停止し、ティーンエイジャー向けの選択制ペアレンタルコントロールを構築することを発表します。詳細はこちらhttps://t.co/fWwkK5yu6R

ーアダム・モセリ (@mosseri) 2021年9月27日27

「もう少し時間をかける」のが「中止」の婉曲表現なら、モセリ氏の結論はFacebookにこの計画を中止するよう何カ月も促してきた、多くの子ども保護グループや関係者に歓迎されるだろう。

例えば米国44州・準州の司法長官らは2021年5月にFacebookに13歳以下向けのInstagramの計画を破棄することを求める書簡を送った。

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しかしながら9月初めにTechCrunchが報じたように、モセリ氏は以前、アプリがティーンエイジャーに及ぼすネガティブな影響の懸念について「極めて少ない」と退け、軽視することを模索した。

13歳以下の子どもが代わりのアプリを見つけて使用することはなおさら悪いものになるかもしれないとも述べたが、その前に「批判家はこれを、プロジェクトが悪いアイデアだったと譲歩したととらえるでしょう。それは違います」とモセリ氏はプロジェクトを棚上げすると発表したツイートのスレッドで続けた。モセリ氏、落ち着いて欲しい。

Instagramトゥイーン(モセリ氏がそう表現している)を一時停止するという大きなニュースに加えて、 Instagramは「ティーンエイジャー向けの選択制ペアレンタルコントロール」というものを構築中であることも明らかにしている。

記事執筆時点で、この取り組みについてのInstagramのブログ投稿へのリンクは機能しておらず、詳細はまったくない。しかしこの動きは、WSJが報じた内部資料によると、ティーンエイジャー女子の32%が Instagramで身体像が悪くなったと回答していることが明らかになったことにInstagramがプレッシャーを感じていることを示している。

WSJの報道ではまた、この調査への参加者で自殺を考えたことのある人は、英国のティーンエイジャーで13%、米国のティーンエイジャーで6%で、自殺への関心を直接Instagramと結びつけていた。

「ティーンエイジャーは、不安や気分の落ち込みの増加をInstagramのせいにしています」と別の内部資料のスライドにはある。「この反応は全グループで自発的かつ一貫したものでした」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

農業DXプラットフォームにより産地とともに持続可能な農業を作るAGRI SMILEが1.7億円調達

産地とともに持続可能な農業を作るDXプラットフォームを提供するAGRI SMILEが1.7億円調達

「耕作することが産業である続ける世界。」というビジョンの下、DXプラットフォームにより産地とともに持続可能な農業を作るAGRI SMILEは9月27日、第三者割当増資による総額約1億7000万円の資金調達を発表した。引受先は、個人投資家の梅田裕真氏(メディカルノート代表取締役CEO)、鈴木達哉氏(ギフティ代表取締役)、既存投資家のマネックスベンチャーズ、THE SEED。調達した資金は、農業DXプラットフォームの展開加速と組織拡大に投資する。累計調達額は2億1000万円となった。

持続可能な農業の実現に向け、AGRI SMILEでは技術の伝承・共有・向上をサポートするDXプラットフォームを展開している。「産地」にフォーカスする理由は、R&Dと連携して技術を向上させるための大規模なデータ集積が可能な点が挙げられるという。

例えば、近しい気象条件で集積された多圃場の栽培管理データから栽培管理方法による差異のメカニズムを実験室レベルで明らかにし、得られた知見を産地へフィードバックする。これに基づき栽培管理を改善し、新たなデータを集積していくことで、科学的根拠に立脚したPDCAサイクルを生み出す。同様に、活用を見据えた形式でマスデータを蓄積し、栽培領域のデータと科学的知見を結びつけることで、大きな価値を産地へもたらせると考えているという。産地とともに持続可能な農業を作るDXプラットフォームを提供するAGRI SMILEが1.7億円調達産地とともに持続可能な農業を作るDXプラットフォームを提供するAGRI SMILEが1.7億円調達

Vungle傘下のモバイルマーケターが「Fontmaker」をApp Storeのトップに押し上げたカラクリとは

よくあることだろうか?TikTokをはじめとするSNSで話題になったアプリが、すぐにApp Storeのトップに躍り出て、その露出度の高さからさらに新規インストール数を増やしていく。最近、米国のApp Storeで1位になった定額制のフォントアプリ「Fontmaker」は、TikTokの動画やその他のSNS投稿による口コミの恩恵を受けていたようだ。しかし、ここで私たちが目にしているのは、App Storeマーケティングの新しい形であり、この分野で最も歴史のある企業の1つ、Vungleを巻き込んだものだ。

Fontmakerは、一見すると、大ヒットしたインディーズのアプリのように見える。

Mango Labsが開発したこのアプリは、ユーザーが自分の手書き文字を使ってフォントを作成し、それをカスタムキーボードで利用できるというもので、1週間あたり4.99ドル(約551円)というかなり高額な料金が設定されている。このアプリが最初に登場したのは7月26日だった。Sensor Towerのデータによると、約1カ月後には、米国のApp Storeで第2位のアプリとなった。8月26日には、さらに1つ順位を上げて1位になったが、その後、無料アプリ総合ランキングの上位から徐々に下がっていったという。

8月27日には15位となり、翌日には一時的に4位まで上昇したが、その後は再びランクダウンした。現在アプリは全体で54位、競争の激しい写真 / ビデオカテゴリーでは4位となっているが、主に若いユーザーをターゲットにした新しくてややニッチな製品としては、堅実な位置にある。Sensor Towerによると、このアプリは現在までに6万8000ドル(約750万円)の収益を上げている。

しかしFontmakerは、ボットではなく実際のユーザーからのダウンロード数の増加によってトップチャートにランクインしたにもかかわらず、真の純粋なサクセスストーリーとは言えないかもしれない。むしろ、モバイルマーケティング担当者がアプリのインストールを促進するために、インフルエンサーのコミュニティを活用する方法を見つけ出した一例と言えるだろう。また、インフルエンサーマーケティングによって流行ったアプリと、真の需要によってApp Storeのトップに躍り出たアプリとを区別するのは難しいということを示す例でもある。例えば、トランシーバーアプリのZelloは、ハリケーン「アイダ」の影響で最近1位になったという。

Fontmakerは、典型的な「インディーズアプリ」ではない。実際のところ、誰が作ったのかは不明瞭だ。そのパブリッシャーであるMango Labs, LLCは、実際には、モバイル成長企業JetFuelが所有するiTunesの開発者アカウントである。JetFuelは最近、モバイル広告・収益化企業のVungleに買収された。Vungleは長年この分野で活躍し、時には物議をかもした企業で、自身も2019年にBlackstoneに買収されている。

Vungleが主に関心を示したのは、JetFuelの主力製品であるインフルエンサー向けアプリThe Plugだった。

モバイルアプリの開発者や広告主はThe Plugを通じて、合計したInstagramのフォロワー数は40億人、TikTokのフォロワー数は15億人、Snapchatの1日の再生回数は1億回になる1万5000人以上の検証済みインフルエンサーが集うJetFuelのネットワークにアクセスできる。

マーケターは、これらのネットワークのそれぞれに組み込まれた広告ツールを使ってターゲット層にリーチしようと試みることもできるが、JetFuelの技術を使えば、Z世代のうち価値の高いユーザーにリーチするためのキャンペーンを迅速に展開することができるとしている。このシステムは、従来のインフルエンサーマーケティングよりも労力をかけずに済む場合がある。広告主は、アプリのインストールに対して、CPA(Cost Per Action)ベースで支払いを行う。一方、インフルエンサーはThe Plugをスクロールして宣伝したいアプリを見つけ、それを自分のSNSアカウントに投稿するだけで、収益を得ることができる。

The Plugのウェブサイト。インフルエンサーにプラットフォームの仕組みを紹介している

つまり、多くのインフルエンサーがFontmakerに関するTikTok動画を作成し、消費者にアプリのダウンロードを促していたかもしれないが、インフルエンサーはそれに対する報酬を得ていたのだ(また、Fontmakerのハッシュタグを見ていると、金銭的な関係を一切開示せずに動画を作成している場合が多く、これはTikTokで増加しているよくある問題であり、FTCも懸念している)。

厄介なのは、Mango LabsとJetFuel / Vungleの関係を整理することだ。App Storeを見ていると、Mango Labsは楽しい消費者向けアプリをたくさん作っているように見えるし、Fontmakerはその中でも最新のものだ。

JetFuelのウェブサイトがこのイメージの促進にも役立っている。

同社はMango Labsという「インディー開発者」のケーススタディと、同社の初期アプリの1つであるCaption Proを使い、インフルエンサーマーケティングの仕組みを紹介していた。Caption Proは2018年1月に配信された(App Annieのデータによると、2021年8月31日にApp Storeから削除されている)。

画像クレジット:App Annie

しかし、VungleはTechCrunchに対し「Caption Proアプリはもう存在しないし、長い間App StoreやGoogle Playにも載っていない」という(App Annieの記録には、Google Playにこのアプリが掲載されている記録は見つからなかった)。

また「Caption Proは、JetFuelになる前にMango Labsが開発したもの」であり、JetFuelの広告機能を強調するためにケーススタディを使用したのだとも話した(しかし、その関係を明確に開示することはなかった)。

「JetFuelが現在のようなインフルエンサーマーケティングプラットフォームになる前、同社はApp Store向けのアプリを開発していました。同社がマーケティングプラットフォームへと方向転換した後、2018年2月にはアプリの作成を中止しましたが、Mango Labsのアカウントを時折使用して、第三者機関と収益化パートナーシップを結んだアプリを公開し続けていました」とVungleの広報担当者は説明している。

つまりこの主張は、Mango Labsは元々、ずっと前に方向転換してJetFuelになった人々やCaption Proのメーカーと同一であったけれども「Mango Labs, LLC」の下で公開されている新しいアプリはすべて、JetFuelのチーム自身が作ったものではないということだ。

「App StoreやGoogle PlayでMango Labs LLCの名前で表示されているアプリは、実際には他社が開発したものであり、Mango Labsはパブリッシャーとしての役割しか果たしていません」と広報担当者はいう。

Mango Labsを「インディー開発者」と表現するJetFuelのウェブサイト

この主張が腑に落ちないのには理由があり、JetFuelのパートナーがMango Labsの名前に隠れて喜んでいるように見えるからだけではなく、Mango Labsが過去にJetFuelチームのプロジェクトであったからでもある。また、Mango LabsとTakeoff Labsが一連の同じアプリを提供していることも奇妙だ。Mango Labsと同じく、Takeoff LabsもJetFuelと関係がある。

この記事を書いている現時点で、Mango LabsはApp StoreとGoogle Playの両方でいくつかの消費者向けアプリを公開している。

iOSでは、最近のNo.1アプリFontmakerをはじめ、FontKey、Color Meme、Litstick、Vibe、Celebs、FITme Fitness、CopyPaste、Part 2などがある。Google Playでは、さらに2つのアプリ、StickeredとMangoを提供している。

画像クレジット:Mango Labs

App StoreにあるMango Labsのリストのほとんどは、アプリの「開発者のウェブサイト」としてJetFuelのウェブサイトを提示しており、VungleがいうJetFuelがアプリのパブリッシャーとして機能していることと一致している。

しかし奇妙なのは、Mango Labsのアプリ、Part2が、App StoreのリストでTakeoff Labsのウェブサイトにリンクしていることだ。

Vungleの広報担当者は当初、Takeoff Labsは「独立したアプリ開発会社」であると説明していた。

Takeoff Labsのウェブサイトには、JetFuelの共同創業者兼CEOのTim Lenardo(ティム・レナルド)や、JetFuelの共同創業者兼CROのJJ Maxwell(JJ・マックスウェル)など、JetFuelのリーダーたちで構成されたチームが表示されている。Takeoff LabsのLLC登記申請書は、レナルドによって署名されている。

一方、Takeoff Labsの共同創業者兼CEOのRhai Goburdhun(ライ・ゴバードハン)は、LinkedInとTakeoff Labsのウェブサイトを見ると、今も同社で働いているのだ。この関係について質問されたVungleは、ウェブサイトが更新されていないことに気づかなかったと答えており、今回の買収ではJetFuelもVungleもTakeoff Labsの所有権を持っていないとのことだ。

Takeoff Labsのウェブサイトには、JetFuelの共同設立者を含むチームが掲載されている

Takeoff Labsのウェブサイトでは、同社の「ポートフォリオ」として、Mango LabsがApp Storeで公開しているCeleb、Litstick、FontKeyの3つのアプリも紹介されている。

Google Playでは、Takeoff LabsはCelebsの他、VibeとTeal(ネット銀行)の2つのアプリの開発者となっている。しかしApp Storeでは、Vibeを公開しているのはMango Labsだ。

Takeoff Labsのウェブサイトでは、同社のアプリのポートフォリオが紹介されている

(さらに事を複雑にするわけではないが、RealLabsという企業もあり、同社はJetFuelやThe Plug、そしてMango LabsがGoogle Playで公開しているアプリMangoなどの消費者向けアプリを提供している。Labsという名前を付けたがっている人がいるようだ)。

Vungleによれば、この混乱は、同社がMango LabsのiTunesアカウントを使ってパートナーのアプリを公開していることと関係があり、これはApp Storeでは「よくあること」だと主張する。Vungleも混乱を招いていると認めており、Mango Labsで公開されているアプリを開発者のアカウントに移行するつもりだという。

またVungleは、JetFuelは「現在アプリストアで公開されているいかなる消費者向けアプリも作っておらず、所有していません。同社がMango Labsとして知られていた頃に作られたアプリは、ずいぶん前にアプリストアから削除されています」と主張している。

JetFuelのシステムは混乱しているが、今のところその目標は成功している。Fontmakerは、インフルエンサーマーケティングによってグロースハックが行われ、確かに1位になった。

しかし消費者としては、自分がダウンロードしているアプリが実際に誰によって作られたのか、そして自分が非公開の広告に「影響」されてダウンロードしたのかどうかを知ることができないということになる。

インフルエンサーによるプロモーションを通じてグロースハックによりトップに躍り出たのは、Fontmakerが初めてではない。夏に大ヒットしたPoparrazziも、同様の方法でApp Storeのトップに躍り出た。しかしPoparazziはその後、写真 / ビデオ部門で89位に沈んだ。

Fontmakerについては、手を回したインフルエンサーのおかげで1位を獲得したものの、トップチャートにいる時間は短いものだった。

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画像クレジット:Fontmaker

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)