NFTをもっと親しみやすいものに、販売・オークション可能なNFTマーケットプレイスRaribleが約15.8億円調達

NFT(非代替性トークン)の販売が、最近のピーク時に比べて大幅に減少しているというニュースを目にしたことがあるだろう。この数週間で90%も減少したという報告もあるほどだ。多くの暗号資産投機家がこの急激な落ち込みの犠牲になっている一方で、デジタル収集品やデジタル商品がインターネットを席巻する未来を見据えている人々もいる。

NFTのマーケットプレイスであるRarible(ラリブル)は、シリーズA投資ラウンドで、Venrock Capital(ヴェンロック・キャピタル)、CoinFund(コインファンド)、01 Advisors(ゼロワン・アドバイザーズ)から、1420万ドル(約15億8000万円)の資金を調達したことを、米国時間6月23日に発表した。このスタートアップ企業は、ユーザーの誰もがデジタルアートを購入したり、オークションにかけることができるマーケットプレイスを運営している。Raribleには独自のガバナンストークンがあり、これを保有するユーザーはプラットフォームの機能や手数料に関する提案を行ったり、それらの提案に投票することができる。

同社によると、18カ月前にサービスを開始して以来、その売り上げ総額は1億5000万ドル(約166億5000万円)に上るという。

デジタル収集品分野における初期のプレイヤーを支援しようと投資家が集まり、NFT関連のスタートアップ企業はこの数カ月の間に、多額の資金を調達している。最も人気のあるNFTハブの1つであるOpenSea(オープンシー)は、春先にAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)とNaval Ravikant(ナヴァル・ラヴィカント)氏から2300万ドル(約25億5000万円)の資金を調達した。3月には招待制のNFTマーケットプレイスを運営するSuperRare(スーパーレア)が900万ドル(約10億円)のシリーズA資金を調達し、2021年5月には「NFTのShopify(ショッピファイ)」を目指すBitski(ビツキ)が1900万ドル(約21億1000万円)を調達した。

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Raribleは資金調達の発表と同時に、デジタルトレードゲームのNBA Top Shot(NBAトップショット)を起ち上げたDapper Labs(ダッパー・ラボ)と正式に提携し、RaribleのNFTマーケットプレイスをDapper Labsのブロックチェーン「Flow(フロー)」上に導入することを発表した。Dapper Labsは、Ethereum(イーサリアム)ネットワーク上の取引よりも、エネルギー効率が高く、コストも低い独自のブロックチェーン上で、より幅広いNFTプラットフォームの連合を構築し始めているが、それによって中央集権化も進めている。Raribleによると、この移行は「今後数カ月」以内に行われる予定だという。

このスタートアップは、NFTの世界を一般のウェブユーザーにとってもっと親しみやすいものにするための幅広い目標を掲げており、今回の資金調達を利用して、クレジットカードでの支払いに対応するなど、よりユーザーフレンドリーな開発を探求したいと、ブログ記事の中で述べている。「私たちには、独立系クリエイターが簡単にNFTを作成して支援者のコミュニティに5ドル(約555円)で販売できたり、ポップアイコンがNFTを使って数百万人のオーディエンスと持続的に親密な関係を築けるような世界が必要なのです」と、その記事には書かれている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:RaribleNFT資金調達Flow

画像クレジット:Rarible

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日提供開始、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日実施、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

コインチェックは6月24日、IEO(Initial Exchange Offering)プラットフォーム「Coincheck IEO」の提供を7月1日に開始すると発表した。またその第1弾として、HashPort子会社Hashpalette(ハッシュパレット)発行の「Palette Token」(PLT)の購入申し込みを7月1日より実施すると明らかにした(購入申し込み参加には暗号資産取引所の口座開設が必要)。IEOによる資金調達は、国内初の試みとなる。同日、HashpaletteがPaletteのホワイトペーパー(PDF)を正式公開した。

  • 7月1日 12:00:購入申込み開始
  • 7月15日 18:00:購入申込み終了
  • 7月20日 順次:抽選およびPalette Token受渡し
  • 7月27日 12:00:取引所においてPalette Tokenの取扱いを開始

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日実施、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日実施、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産交換業者(取引所)が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとなっている。

コインチェックのCoincheck IEOでは、企業やプロジェクトなどが発行したユーティリティ・トークンの審査、また販売をコインチェックが行う。Coincheck IEOにより、日本の暗号資産投資家が国内外の有望なプロジェクトに参加できる環境を提供することで、暗号資産・ブロックチェーン関連のプロジェクトを支援し、暗号資産市場の発展に貢献するとしている。

オープンソースのブロックチェーン「Quorum」を基盤とする「Palette」と、ERC-20規格の暗号資産「Palette Token」(PLT)

HashpaletteのPaletteは、オープンソースの「Quorum」(GoQuorum。GitHub)を基盤とするコンソーシアム型プライベートチェーン。Quorumは、ブロックチェーン企業Consensys(コンセンシス)が手がけているもので、ブロックチェーンネットワークへのアクセス権限を管理可能なほか、許可を得た特定の企業によって運営できるようになっている。またPaletteは、Quorumで利用できるコンセンサスアルゴリズムのうち「プルーフ・オブ・オーソリティ」(Proof of Authority、PoA)を採用しており、信頼できる複数企業による安定した運⽤を行うとしている。

Palette Token(PLT)は、Ethereum上で発行するERC-20規格準拠の暗号資産となっており、クロスチェーン技術(他ブロックチェーンとの接続機能)を用いてパレットチェーン上でも利用できるようにしているという。同社は、Paletteについてエンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォームとしており、PLTは「コンセンサスノード運営報酬」「スマートコントラクトの発行手数料(GAS)」「NFT売買の決済」といった用途の支払いに使用できるユーティリティ性の高いトークンと位置付けている。なおNFTの発行には、EthereumのERC-721規格と同様の仕様として実装した「PRC721」規格を用いるという。

Palette Token(PLT)の用途例

  • 発行されたNFT(Non-fungible token)の購入費
  • Paletteにおけるノード運用報酬の支払い
  • Paletteコンソーシアムメンバーへの委任
  • スマートコントラクトやNFT発行の手数料

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:IEO(用語)暗号資産 / 仮想通貨(用語)ERC-20(用語)ERC-721(用語)Ethereum / イーサリアム(製品・サービス)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)オープンソース / Open Source(用語)Quorumコインチェック(企業・サービス)Hashpaletteブロックチェーン(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

どの暗号資産でも店舗での支払いで使えるようにする独SALAMANTEX、店側も安心して導入可能

日々の支払いで暗号資産を手軽に活用することはできないか?ドイツのフィンテック企業SALAMANTEXはまさにそうした要望を叶えるプラットフォームを展開している。同社のCOOであるMarkus Pejacsevich(マーカス・ペヤセヴィッチ)氏は「このプラットフォームなら、どんな種類の暗号資産でも、あらゆる店で、オンラインでもオフラインでも使えます」と語る。どのように可能なのか?時代に合っているのか?店舗側に負担はかからないのか?同氏が詳しく語った。

広がる「暗号資産で支払いたい」という声

Harris PollとMasterCardが2021年2月26日から3月10日に行ったオンライン調査によると、ミレニアル世代の回答者のうち40%が今後、暗号資産で決済をしようとしているという。また75%は暗号資産をよりよく理解できたら、決済に暗号資産を使用したいと考えており、さらに93%は新しい決済方法を検討するつもりだという。

ペヤセヴィッチ氏は「コロナ禍によって非接触の決済が好まれるようになったのも、この調査結果の背景にあるでしょう」と見ている。

この他、同氏は世界の中央銀行によるデジタル通貨導入の動きにも注目している。2021年3月、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は2025年頃にデジタル通貨を発行できる可能性に言及した。

こうした流れの中でペヤセヴィッチ氏が懸念しているのは、ヨーロッパのフィンテック企業のプレゼンスだ。現在、VISA、Mastercard、Rippleなどが世界中の中央銀行にプロトコルを提供しており、米国企業の存在感が増しているのだ。だからこそ、ペヤセヴィッチ氏はヨーロッパのフィンテック企業として一石を投じたいのだ。

暗号資産で決済するプラットフォームとは?

SALAMANTEXが提供しているのは、単純に「暗号資産を使用するためのサービス」ではない。あらゆる種類の暗号資産を使って取引・決済を行い、ユーザーが使用するさまざまなエコシステムの中でポイント還元を行うプラットフォームだ。

例えば、ユーザーが飛行機でウィーンからフランクフルトに移動し、ホテルに向かい、公共交通機関を使って買い物に行き、レストランで食事をし、その支払いをSALAMANTEXを使って行ったとする。ユーザーはここまでの移動手段、買い物や食事をした店でポイントを獲得することができ、このポイントでまた移動や買い物ができる。さらに、こうした決済にはあらゆる暗号資産を使用することが可能だ。

ここで、SALAMANTEXで実際に買い物をする場合のプロセスを見てみよう。

まず店舗など事業者が支払い内容を現地の通貨で打ち込む。その後事業者が支払いに使用する暗号資産の種類を選択する。この後支払い用のQRコードが作成される。買い物をする客はこのQRコードを自身の端末でスキャンし、取引を確認する。数秒後には決済が確定する。

ペヤセヴィッチ氏は「もちろん、当社のプラットフォームを広く使ってもらうには、事業者に安心してもらうことが重要です。そこで、特に事業者の5つの懸念点に対応しています」と自信を見せる。

1つ目はプラットフォームの管理だ。管理はSALAMANTEXが行い、透明性も担保され、規制も遵守している。事業者はこうしたことを心配する必要がない。

2つ目はボラティリティーのリスクだ。SALAMANTEXではレートが固定されているため、事業者がレートのリスクを考える必要はない。

3つ目は事業者が為替の知識に自信がない点だ。SALAMANTEXでは、事業者は受け取る通貨を暗号資産にするのか、一般的な通貨にするのかを選択することができる。したがって、事業者が暗号資産のレートやリスクに詳しくなくても、導入しやすい。

4つ目がSALAMANTEXのプラットフォームと、既存のシステムの統合だ。統合に大きなコストやリソースがかかるのであれば、事業者の負担は大きくなる。しかし、SALAMANTEXには自社開発のハードウェア、ソフトウェアがあり、それらを事業者の既存のレジシステムやチェックアウトページにシームレスにつなぐことができる。

5つ目は経理作業だ。こうしたプラットフォームでの会計をどうやって経理に反映させるのか?同社は優れたAPIとレポーティングツールを用意しており、経理データの処理はシンプルに行えるという。

「あらゆる暗号資産でお買い物」を実現するエコシステム

では、こうしたプラットフォームの全体像はどうなっているのか。

買い物をする客が取引情報のQRコードをスキャンすると、支払らわれた通貨は事業者のウォレットに送られる。この通貨は固定レートで一般的な通貨に両替され、決済銀行に送られる。ここからドイツのシステムに存在するdisagioというものを引いた額が事業者の銀行口座に送られる。事業者の決済の仕組みによって多少流れに違いが生じるが、基本的にはこのように決済が処理される。

ペヤセヴィッチ氏は「当社は『1つの国で使われるソリューション』以上のものを提供しようとしています。私たちのパートナーシップはヨーロッパの75%をカバーできます」と語る。

一方で、SALAMANTEXのようなプラットフォーム展開には、地域ごとの法令遵守も重要になる。同社はオーストリアではFMA(Finantial Market Authority、金融市場当局)の規制を受けている。また、ドイツではこうしたビジネスの展開に銀行が必要になるため、TEN31というフィンテック銀行とパートナーシップを組んで対応している。

「今、決済サービス提供企業にデジタル通貨のことを知ってもらい、協業することが必要です。お買い物をするお客さまにも、理解を深めていただけるよう働きかけが必要です。何より、ヨーロッパの暗号資産決済プレイヤーが暗号資産の可能性の扉を開くために、ヨーロッパのソリューションを提供していくことが不可欠です」とペヤセヴィッチ氏は今後の展望をまとめた。

【Japan編集部注】本記事はCrypt Asetts Conference 2021中のセッションを再構成したものとなる。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:SALAMANTEXドイツ暗号資産

LayerX Labsと東京工業大学とのEthereum 2.0関連共同研究がインターネットアーキテクチャ最優秀研究賞を受賞

LayerX Labsと東京工業大学とのEthereum 2.0関連共同研究がインターネットアーキテクチャ最優秀研究賞を受賞

すべての経済活動のデジタル化を推進するLayerX(レイヤーエックス)は6月21日、研究開発組織LayerX Labs(レイヤーエックス・ラボ)と東京工業大学情報理工学院の首藤研究室との共同研究に関する学術論文「Saving attackのブロックチェーンコンセンサスに対する影響」が、電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会の「インターネットアーキテクチャ最優秀研究賞」を受賞したと発表した。

2018年に創設されたLayerXは、ブロックチェーン技術で業務や生産をはじめとした経済活動の摩擦を解消し、「この国の課題である生産性向上」の実現を目指している。2021年1月には、請求書の受け取りから会計、支払い処理までを自動化するクラウド型経理DX支援システム「LayerX インボイス」をリリースした。

LayerX Labsは、「デジタル通貨」「スマートシティ」「パブリックブロックチェーン」をテーマに、行政、各国の中央銀行、大学、民間企業と連係しブロックチェーンなどの技術の実用化に向けた研究開発を行う組織として、2020年8月に設立された。

今回、インターネットアーキテクチャ最優秀研究賞を受賞した研究は、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに関するもの。「Ethereumの次期バージョンであるEthereum 2.0におけるコンセンサスアルゴリズムに対する攻撃やその緩和手法の分析・評価」が行われている。首藤研究室が開発するパブリックブロックチェーンのシミュレーター「SimBlock」と、LayerX執行役員兼LayerX Labs所長の中村龍矢氏が提案し、Ethereum 2.0の仕様に採用された研究とが結びついたものだという。

東京工業大学情報理工学院、首藤一幸准教授は、「ブロックチェーンが示した価値のインターネットという可能性、そして、まずはDeFi(分散金融)として始まったDAO(自律分散組織)という人類社会の未来。それらを産み、育んでいるEthereumを主な対象とした、学術らしい強固な貢献」と自負している。

論文の詳細:

タイトル: Saving attackのブロックチェーンコンセンサスに対する影響
著者: 大月 魁(東工大)・中村 龍矢(LayerX)・首藤 一幸(東工大)
掲載誌情報: 電子情報通信学会 技術研究報告, Vol.120, No.381, IA2020-37, pp.15-22

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Ethereum / イーサリアム(製品・サービス)Ethereum 2.0DAO / 自律分散型組織(用語)電子情報通信学会 / IEICE(組織)DeFi / 分散型金融(用語)東京工業大学(組織)LayerX(企業)LayerX Labs日本(国・地域)

デジタル証券・セキュリティトークンの発行管理を手がけるブロックチェーン企業Securitizeが約52億円調達

デジタル証券・セキュリティトークンの発行管理を手がけるブロックチェーン企業Securitizeが約52億円のシリーズB調達

デジタル証券(セキュリティトークン)の発行・管理プラットフォームを提供するSecuritize Japan(セキュリタイズジャパン)は6月22日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による4800万ドル(約52億9800万円)の資金調達を調達したと発表した。引受先は、共同リードインベスターのBlockchain CapitalとMorgan Stanley Tactical Value、またBorderless Capital、IDC Ventures、三井住友信託銀行など。当初の投資枠を超える投資希望があり、オーバーサブスクライブ・ラウンドとなった。

Securitizeは、プライベート資本市場の流動性向上を目指すデジタル証券向けマーケットプレイス「Securitize Markets」のローンチを予定しており、この資金調達はそれに先立つもの。これにより同社は「北米、欧州、アジア太平洋地域の大手機関投資家からの投資を受けた初めてのブロックチェーン企業」になったという。また、「ベンチャーキャピタルおよび資産運用会社が一体となってSecuritizeに投資したことは、業界の関係者が、デジタル証券が今後普及・発展を確信していることを示しています」とSecuritizeは話している。

Securitizeは、「資金調達を目指す企業とプライベート資本市場への投資を目指す個人や機関を結びつける存在」としてデジタル証券の発行・管理を行い、流動性を高める取り引きを推進する完全にデジタル化および法規制に準拠したプラットフォームを提供している。今回のラウンドに参加した投資家は、Securitizeのプラットフォーム上で発行されるデジタル証券の形で株式を受け取ることになるという。

この資金調達にともない、Morgan Stanley Tactical Valueの共同責任者ペドロ・テイシェイラ氏が取締役会に加わる。

今回のラウンドに参加した投資家は、リードインベスターとなったSecuritizeの最大の投資家Blockchain Capitalと資産運用会社のMorgan Stanley Tactical Value、新規投資家にAva Labs、IDC Ventures、Migration Capital、NTTデータ、三井住友信託銀行など、既存投資家はBlockchain Ventures、Borderless Capital、Global Brain、Mouro Capital、Ripio、Ripple、SPiCE VCとなっている。

デジタル証券(セキュリティトークン)とは、有価証券をブロックチェーン上のトークンとして表現し、価値移転を可能にしたもの。Securitizeは、2017年設立のデジタル証券会社で、発行から流通市場まで対応するセキュリティトークン・ソリューションを提供。企業による法令に準拠した資金調達、個人投資家の参加を可能にし、資本市場を再構築するとしている。同社プラットフォームはすでに30万人以上の投資家に利用されており、過去4年間で150社以上の企業の資金調達をサポートしてきた。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:STO(用語)Securitize(企業)セキュリティトークン(用語)ブロックチェーン(用語)
資金調達(用語)

【コラム】3億円のNFTを買っても著作権は手に入らない

編集部注:本稿の著者Harrison Jordan(ハリソン・ジョーダン)氏は、HP.LIFEの創設者兼CEO。

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現代アーティストにとって、作品を非代替性トークン(NFT)という形でブロックチェーンに紐づけることは、アートをオンラインで販売するための安全で検証可能な方法のように思えるかもしれない。

いくつかの点では、それは正しい。ブロックチェーンは本質的に、すべてのトランザクションについてタイムスタンプ付きのデータを記録し、分散型台帳上で所有権を永続的に示すものだ。ブロックチェーンのトランザクションを見れば、NFTがいつ取引されたのか、誰がその取引に関わったのか、いくら使われたのかを知るのに、必要な情報がすべて得られる。

しかし、NFTのオーナーシップの実態は、想像以上に複雑だ。新しい暗号資産クラスであるNFTは、現行の規制システムにほとんど縛られずに存在しているように見える。しかしアートと組み合わせた場合、考慮すべきオーバーラップがある。現代のNFTエコシステムの法的落とし穴を理解することが、その可能性を引き出すための最初のステップとなるだろう。

ブロックチェーンに著作権は存在するのか?

NFTが著作権の代替となる可能性に大きな期待が寄せられており、NFTが著作権そのものであると信じている人も多い。額面通りに見れば、その混乱は容易に理解できる。

実際には、NFTは資産を表すトークンに過ぎず、資産そのものとはまったく別物だ。すべてのNFTは唯一無二の資産であるため、オリジナルと同じ価値を維持したまま複製することはできない。多くの人はこの独占的な所有権を作品そのものの所有権と同一視しているが、その違いを強調しておく必要がある。

この誤解はさらに奥深くなる。NFTになり得るものの範囲は、著作権の対象となる作品と驚くほどよく一致している。「著作物」の定義は各国・地域で異なるが、本質から大きく外れることはない。例えばカナダでは、著作権の保護は、文学的、芸術的、演劇的または音楽的な作品に加えて、演奏、録音、その他の関連作品にまで及ぶ。創作者がこれらの保護を申請する必要はなく、作品の創作時に国が本質的に提供するようになっている。

もちろんこの保護は、NFT化されるオリジナル作品に対しても保証されている。アート作品が制作され、NFTマーケットプレイスでオークションに出品された場合、その著作権はアーティストに帰属し、対面での取引とほぼ同様に機能する。国際法に準拠した著作権取引のインフラが整っていないため、現在のプラットフォームでNFTの著作権をやりとりすることは不可能だ。

つまり、アーティストと購入者の間で外部契約が交わされない限り、NFTのさまざまな著作権はオリジナルアーティストに帰属することになる。NFTの購入者が所有するのは、ブロックチェーン上のユニークなハッシュと、トランザクション記録、作品ファイルへのハイパーリンクだけだ。

法的パラメータがなければ、不正行為は避けられない

盗難や詐欺の可能性を考えると、NFTの著作権追跡の問題はさらに厄介なものになる。NFTがブロックチェーンに追加されるためには、アップロードした者が「署名」する必要がある。画家が自分の絵にサインするのと同様に、この機能はNFTとその作成者を結びつけることを目的としている。しかし、トークン鋳造者が自分の身元を偽った場合には問題が起こる可能性もある。多くのNFTプラットフォームでは、これは珍しいことではない

この問題は、NFT市場に強力な法的枠組みがないことに起因する。プラットフォームによっては、作成者本人でなくてもツイートやアート作品、ニャンキャットのgif画像でさえもNFT化することができる。その結果多くのアーティストが、自分の作品が盗用され、同意なしにNFTの形で販売されていると報告している。従来のアート市場であれば、明らかに著作権侵害となるところだ。

この問題は、特にNFTツイートのやり取りの中で広まっている。2021年初めには、@tokenizedtweetsと呼ばれるTwitterボットが大量にNFT鋳造を行い、Twitter(ツイッター)とNFTコミュニティに衝撃を与えた。このボットは、作者の同意や通知なしにバイラルツイートからNFTを作成するという方針をとったため、俳優やアーティストなどのクリエイターから反発を買った。「スタートレック」で知られる俳優のWilliam Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏は「@tokenizedtweetsがコンテンツを盗み、私がアップロードした画像や私のツイートなど、すべて私の著作権のもとにあるものが無断でトークン化され、販売されている」と懸念を表明した。

強力な法的インフラを持たないプラットフォームでは、盗難や詐欺は当然の結果だ。現在Twitterの利用を禁止されている@tokenizedtweetsの行為は、この問題をよく表している。

何が足りないのか?国際的なコンプライアンス

これまでのところNFTプラットフォームは、NFT販売が表すアートの著作権について、国際的なコンプライアンスの領域に踏み込んでいない。それが起これば、NFTのエコシステムにとって非常に大きな飛躍となるだろう。著作権の行使を強化することで不正行為を最小限に抑えるだけでなく、国際的なコンプライアンスを実現することにより、ブロックチェーン上でのトークンによる著作権交換が可能になるからだ。

1886年に締結されたベルヌ条約は、179の加盟国において著作物が創作された時点で標準的な著作権保護を保証する国際協定であり、そのおかげですでに下地はできている。例えば2014年にはシンガーソングライターのTom Petty(トム・ペティ)が、Sam Smith(サム・スミス)のヒット曲「Stay With Me」が自身の「I Won’t Back Down」とメロディがほぼ同じであるとしてサム・スミスを著作権侵害で訴え、この条約が試された。この訴訟と、トム・ペティの財産へのロイヤルティ支払いを含む和解は、ベルヌ条約の継続的な機能を証明している。

1996年のWIPO著作権条約により、デジタルアートの領域にベルヌ条約の原則が正式に導入されたが、ベルヌ条約加盟国の多くはこの条約に署名しなかった。新たな条約の目途が立たない中、世界政府が残した不足を民間セクターが補わなければならないかもしれない。

国際条約で統一が図られているにもかかわらず、NFTの世界では世界各地の著作権法の多様性に対応できていないのが現状だ。業界を投機的なものからグローバルな機能性へと移行させるためには、国際的な著作権コンプライアンスをこの新興エコシステムに組み込む必要がある。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:コラムNFTアート著作権アーティスト

画像クレジット:John M Lund Photography Inc / Getty Images

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(文:Harrison Jordan、翻訳:Aya Nakazato)

GaudiyがNFTや分散型IDなどブロックチェーン技術を活用しファン体験を統合する新規ゲームIPパートナーを募集

GaudiyがNFTや分散型IDなどブロックチェーンを活用しファン体験を統合する新規ゲームIPパートナーを募集

ブロックチェーンとエンターテインメントを結び付け「これまでにないエンタメ体験」を創出するブロックチェーン・スタートアップGaudiy(ガウディ)は6月17日、ゲームIP事業者を対象に「数社限定」の新規パートナー募集を行うと発表した。

Gaudiyは、「ソニー・ミュージックエンタテインメントや集英社(週刊少年ジャンプ)などの大手エンタメ企業と協業し、漫画、アニメ、ゲーム、スポーツ、アイドルなどのエンターテインメント領域で、IPコンテンツを中心としたコミュニティサービス事業を展開」している。IPコンテンツ事業者に向けては、複数メディアを横断するデータ連携により「これまで分断されていたファン体験を統合」し、ファンのエンゲージメントを高める「FPaaS」(ファン・プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を提供しており、今回の新規パートナー募集によってその活用の幅を拡大する。

このFPaaSは、ファンのエンゲージメントの「科学的」手法による向上、ゲーム外のメディアを横断するファン体験、自社の課題に合わせたカスタマイズ、外部プラットフォームに依存しない独自の経済圏の実現を目指すものという。具体的には、次の4つのソリューション事業を軸に展開している。

  • ファン共創型のコミュニティーサービス:誰でも簡単にファン主導によるゲーム大会などの企画、実施が可能になる機能を提供
  • NFTなどのブロックチェーン技術を活用した、新しいエンタメ体験:NFTを利用して、クロスメディア連携によるイラスト、音楽、チケットなどのデジタルコンテンツを提供
  • あらゆるファン活動に正しく還元する、分散型ID(DID)システム:分散型IDシステムと機械学習でメディア横断的にファンの活動をスコアリング、ファンへの還元や統合的ファン体験を提供
  • ファン参加型のカスタマーサポート機能:ユーザー同士の助け合いや、ファンから企業への要望を投票で優先させるなど。炎上リスクを抑えつつ企業側のカスタマーサポートコストを削減

新規パートナーの募集数は、「課題解決や実現したいファン体験づくりに全力でコミットさせていただくため」に数社に限定するとのこと。

例えば、Gaudiyが提供する大手ゲームIPの公式ファンコミュニティサービスの場合では、コアなファンを中心に1万人以上が登録し、同時接続数は1000人を超えているという(2021年6月時点)。

コミュニティのMAU(月間アクティブユーザー。Monthly Active Users)率は40%を超え、ファンアートやゲーム大会などのファン主催コンテンツや、ファン同士で疑問や困りごとを解決し合うなどの「ファン主体で楽しむ文化」が醸成されている。コミュニティサイエンスなどの知見をGaudiyの外部顧問である大学教授から取り入れることで、炎上リスクを抑えつつ、ファンの自律的な行動を生み出しているのが特徴としている。SNSと連動した参加型のキャンペーン企画(クイズ・投票・マストバイなど)では、累計27万票以上を集めるなどの事例も出ているという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:アニメ / アニメーション(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)Gaudiy(企業)ゲーム(用語)DID / 分散型ID(用語)ブロックチェーン(用語)マンガ / コミック / デジタルコミック(用語)日本(国・地域)

「キャプテン翼」原作・高橋陽一氏代表のサッカークラブ「南葛SC」がFiNANCiEでクラブトークン販売開始

「キャプテン翼」原作・高橋陽一氏代表のサッカークラブ「南葛SC」がブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン販売開始

ブロックチェーン基盤のクラウドファンディング「FiNANCiE」やNFT事業を提供するフィナンシェは6月17日、関東サッカーリーグ2部所属「南葛SC」のクラブトークン発行と販売を6月17日15時より開始したと発表した。また、double jump.tokyoとのNFTコラボを皮切りにした3社による協業開始を明らかにした。

クラブトークン販売売上は、主に南葛SCのクラブ運営費用に利用する。またクラブトークンを購入した方は、クラブの投票企画へのご参加や、参加型イベントへの招待、特典抽選などに応募できる。

南葛SCは東京都葛飾区からJリーグ入りを目指して活動中の社会人チーム。現在、国内最高峰のプロサッカーリーグ「J1」から数えて6部相当にあたる関東サッカーリーグ2部に所属している。「キャプテン翼」原作者の高橋陽一氏が代表取締役を務め、2020年2月にはJリーグ入りに必要な前段階の資格となる「Jリーグ百年構想クラブ」に認定されている。

今回の取り組みによりFiNANCiEは、南葛SCの「南葛からJリーグへ!」というビジョン実現に向けて、南葛SCが発行するクラブトークンを活用したファン・サポーター・地域・パートナー企業の絆を強めるための体験を提供しつつ、Jリーグまでの道のりを一緒に歩んでいくコミュニティ運営を支援するという。

クラブトークンとは、チーム応援の「しるし」や支援の「証」の役割を果たしており、保有することでクラブ発の投票企画への参加や、トークン保有者限定特典に応募できるなど、新しい体験ができるデジタル上のアイテムとなっている。南葛SCクラブトークンを購入した場合も同様にクラブ運営を支援可能で、高橋陽一先生直筆サイン入りユニフォームプレゼントや選手との1on1トークイベント参加などが特典例として挙げられている。

「キャプテン翼」原作・高橋陽一氏代表のサッカークラブ「南葛SC」がブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン販売開始

クラブトークンは、ブロックチェーンに記録されるとともに、ポイントのように数量を持つ仕組みとなっており、トークン保有者のニーズに応じて価格が変動する。今後サポーターが増えると、トークンの価値が変わる可能性もあり、サポーターにとっても初期から応援している証や継続的に応援するモチベーションにつながる、新しい応援の形としている。

「キャプテン翼」原作・高橋陽一氏代表のサッカークラブ「南葛SC」がブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン販売開始

今回の南葛SCクラブトークン販売では、特定の支援コースを購入した方を対象に南葛SCコレクションカード(NFT)が特典として提供される。このNFTは初回限定で、今後再販しないとしている。現時点では、FiNANCiEアプリ内のみでの取り扱いになり、暗号資産ウォレットや外部マーケットへは移転できず、アプリ内での売買が可能。外部ネットワークへの対応は、将来的に予定しているという。

「キャプテン翼」原作・高橋陽一氏代表のサッカークラブ「南葛SC」がブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン販売開始

南葛SCコレクションカード(イメージ)

また、クラブトークン販売メニューの支援コースの中には、高橋陽一先生直筆のイラストサイン入りユニフォーム(サイズXL/背番号10番/ネーム=TSUBASA)を特典としてプレゼントするというものある。先着順限定20口(1名1口まで)、数購入した場合特典として提供するユニフォームは1着までとしている。

「キャプテン翼」原作・高橋陽一氏代表のサッカークラブ「南葛SC」がブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン販売開始

高橋陽一先生直筆のイラストサイン入りユニフォーム(サイズXL/背番号10番/ネーム=TSUBASA)

さらに、今回の販売ではdouble jump.tokyoとも提携しており、同社ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」と「南葛SC」がコラボしたエクステンション(ゲーム内NFTアイテム)を対象メニューの購入者に抽選でプレゼントする。エクステンションはゲーム内で使えるアイテムで、ブロックチェーンを用いてデジタル上で保有できる南葛SCとのコラボ限定オリジナルアイテムとなっている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
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企業が抱く「暗号資産の恐怖」に打ち勝つために今、考えるべきこと

暗号資産に対し、ある程度のイメージや知識を持っている人も増えてきた。しかし、実際に暗号資産を使っている人や企業はまだ多数派とはいえない。ドイツでデジタル資産に関するプロダクトとAPIを提供しているBloxxonでCEOを務めるJohannes Schmitt(ヨハネス・シュミット)氏は、「現在、暗号資産に対する社会の期待はとても低い」と語る。暗号資産の活用拡大の壁を同氏が詳しく語った。

暗号資産に対する恐怖

シュミット氏は「暗号資産を安心できる形で提供し、もっと活用してもらうために、何が必要なのか」と問う。

同氏はalternative.meが5月21日に分析した「暗号資産市場に関する反応分析:恐怖と欲望インデックス」を披露しながら「現在、社会の暗号資産に対する期待は底抜けに低く、メーターも欲望から恐怖の方向に動き、最大値を振り切っています」という。

alternative.me「暗号資産市場に関する反応分析:恐怖と欲望インデックス」

このような状況で暗号資産に対する恐怖と疑念が広がることに、シュミット氏は理解を示す。ドイツでは、この2〜3カ月の間、メディアで暗号資産に関するポジティブな報道が目立ったものの、同氏がこの話をした直前にはネガティブな報道が再度拡大したからだ。

「暗号資産は終わった」というような論調の記事は俗に「死亡記事」と呼ばれ、こうした「死亡記事」を記録するウェブサイトも登場しているという。

シュミット氏は「死亡記事は市場の心配を反映しているもの」と認識している。

次に同氏はBinanceがツイートした「市場サイクルの心理」という図を見せた。

Binanceがツイートした「市場サイクルの心理」。矢印とコメントはシュミット氏によるもの

この図は、新しいテクノロジーに対して社会がどのようなサイクルで反応するのかを説明したものだ。シュミット氏は、この図を暗号資産に当てはめ、今は「怒り」のフェーズに当たると分析する。

この怒りのフェーズでは、一部のユーザーに対する「どうしてあの人達はあんなことをするのか?」「どうしてあの人たちを止める規制がないのか?」といった怒りが噴出する。

シュミット氏は「おそらく私たちは、図の下の方にしばらくいることになるでしょう。そこから脱するには、市場にある恐怖をしっかり取り除かないといけません。それには半年、短くとも2〜3カ月はかかるでしょう」と考えている。

暗号資産に近寄りたくない5つの理由

シュミット氏は「暗号資産からある程度距離を置いている人たちの疑問は『暗号資産はちゃんとした資産なのか?』ということでしょう。こういう人たちには、暗号資産に近寄りたくない5つの理由があります」と分析する。

1つ目は、暗号資産の極端な変動性だ。暗号資産の価格は頻繁に、大きく変動する。しかしながら、暗号資産に慣れているユーザーは「暗号資産は貯蓄資産として良い」などということもある。

シュミット氏は「こうしたやりとりには、認識の相違があります。暗号資産に慣れているユーザーは、ここでは年単位を念頭に発言しています。一方で、暗号資産に不慣れな人たちは2〜3カ月単位を想定して同じ発言を耳にします。これでは暗号資産に不慣れな人たちは、暗号資産に懐疑的になるのも頷けます。しかし、重要なのは、ここには認識のずれがあるということです」と補足する。

2つ目は、プルーフ・オブ・ワークに関する懸念。3つ目は犯罪のイメージだ。最近では、ランサムウェア攻撃に対する支払いに暗号資産が使われることも多い。犯罪における暗号資産の使用例が増えることで、ネガティブな側面が注目されてしまっている。

4つ目はミームコインだ。ミーム(インターネットで注目された画像)を使って作られた暗号資産の時価総額がS&P500社を上回った時期があった。

「これはちょっと異様ですね。これで投資家が引いてしまったところもあると思います」とシュミット氏は付け加えた。

5つ目は暗号資産コミュニティのインターネット上でのコミュニケーションだ。

「暗号資産関連のコミュニケーションは独特のものがあり、長い経験のある投資家からすれば『一体ここで何が起きているのだろう?』と思ってしまうところもあると思います。そういう理由で距離を置く人もいるでしょうね」とシュミット氏。こうした一種の文化も暗号資産活用拡大の課題になる。

キャズムを超えるために

ここでシュミット氏はイノベーター理論の観点から暗号資産を論じる。

新しいテクノロジーが登場すると、早々にテクノロジーを活用するイノベーター、アーリーアダプターが登場する。しかし、そのテクノロジーが社会に本格的に受容されるかどうかは、アーリーアダプターの後にアーリーマジョリティが登場するかどうかにかかっている。つまり、このアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にあるキャズムを越えられるかどうかが最大の課題だ。

シュミット氏は「いろいろな統計がありますが、暗号資産を使っているのは、全体の14%くらいだと言われています。私たちは今まさにキャズムにいるのです。本格的な暗号資産活用のためには、ここを抜けなければいけません」と強調する。

しかし、ここまで同氏が述べてきたように、暗号資産には逆風が吹いている。今、キャズムを越えることは余計に難しい。

「これまで定着しなかったテクノロジーは、歴史を見ればいくらでもあります。しかし10年後、『暗号資産は失敗だった』と言われるようになって欲しくない。ではどうすればいいのか。鍵となる問いを一緒に考えましょう」と同氏は語り、問いを説明した。

問いは「より多くの消費者と企業による暗号資産活用を推進するために、暗号資産産業は大人しく、退屈なものになった方が良いのか。キャズムを超えるにはそれは必要か」。

同氏は、想定される2つの回答を挙げる。1つは「いいや、そんな必要はない。ジェネレーションZとYはもっと遊び心を持って世界を解釈している」。もう1つは「その通り。投資は真面目なもので、人々の貯蓄に関わる。投資家を怖がらせるようなことはやめるべきだ」。

しかし、シュミット氏自身は「『どちらも一理ある』が私の答えです。暗号資産はほとんどすべての人に利することができます。暗号資産は一部の層や世代の要望だけを叶えるものではありません」と語り、2つの回答の中間が現実的な回答だと述べた。

企業が暗号資産産業に「今」参入する意味はあるのか?

暗号資産と距離を置いている人や企業は、もしかしたら「企業が暗号資産産業に今、参入する意味はあるのか?」と考えているかもしれない。

シュミット氏はこうした疑問に理解を示した上で「暗号資産は今後10年の金融サービス空間の未来を決定するエコシステムであり、多くの企業がこのエコシステムに関わっています。今後10年でビジネスに関わる多くのものがブロックチェーンの上で扱われたり、トークン化されたりするでしょう。これはもはやビジネス上の流行り廃りの問題ではなく、サバイバルの問題なのです」と説明する。

同氏は「デジタル資産サービス市場の大きさを論じるのは難しい」としながら、参考グラフを提示した。

この参考グラフにおける2020年のデジタル資産サービス市場で大きなシェアを占めるのは、CoinbaseやBinanceに代表される暗号資産を扱うサービスだ。その次に大きなシェアを占めるのはUniswapなどの分散化プロトコルを扱うサービスだ。

一方で、2026年に目をやると、分散化プロトコルを扱うサービスがシェアを伸ばしていることがわかる。

「2026年の予測で重要なことは、市場のパイ自体が大きくなる点です」とシュミット氏は要点を示した。

「企業が今考えるべきことは、暗号資産のエコシステムに入りたいのか?今、そのエコシステムに入るためのトランジションを始めたほうが、数年経ってからトランジションを迎えるよりも利益が大きいのではないか?ということです」と語ってシュミット氏は締めくくった。

【Japan編集部注】本記事はCrypt Asetts Conference 2021中のセッションを再構成したものとなる。

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カテゴリー:ブロックチェーン
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NFTマーケットプレイスを手がける暗号資産取引所コインチェックがCyberZとエンタメ領域で協業

暗号資産取引サービス「Coincheck」を運営するコインチェックは6月15日、サイバーエージェント子会社のCyberZとNFT事業において協業を開始すると発表した。両社は、エンターテインメント領域におけるNFT活用を推進する。

コインチェックは2021年3月、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を提供開始。Coincheck NFTは、NFTの取引において課題となっているネットワーク手数料(Gas代)の高騰、複数サービスを介した難しい取引などの解決を目指したサービスだ。

一方CyberZは、スマートフォン広告における運用・効果検証、交通広告やウェブCMの制作など、幅広いマーケティング事業を展開。ライブ配信プラットフォーム「OPENREC.tv」、eスポーツ事業として、国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」を運営しいる。

両社は、タレント・アーティスト・アニメ・ゲームなど、多くのエンターテインメント事業者に対してCoincheck NFTとの連携を推進し、NFTビジネス創出を推進する。またCyberZのこれまでの知見やノウハウを活用し、Coincheck NFTを通じたエンターテインメントの新しい体験の創出を目指す。

これによりコインチェックとCyberZは、事業者収益機会の多様化や新たな顧客体験の創出を支援していくとしている。

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ビットコインの価値はその周りの「ネットワーク効果」で考えるとよくわかる

暗号資産の世界において、Bitcoin(ビットコイン)の価値はどう測れば良いのか?適切な指標はないのか?ドイツのベンチャーキャピタルHigh Tech GründerfondsのAlex von Frankenberg(アレックス・ヴォン・フランケンベルグ)氏はこれらの問いを考えた。暗号資産の価値をStock2Flow(STF)モデルで測るという考え方もあるが、果たしてそれで十分なのか?同氏はビットコインを取り巻く環境がもたらす効果である「ネットワーク効果(ネットワークエフェクト)」こそ重要な観点だと語る。

ビットコインの価値をStock2Flowモデルで考えるのは適切か

フランケンベルグ氏は、ビットコインの価値を測る考え方として、まずSTFモデルを挙げる。

「STFモデルというのは、簡単にいうと次のようになります。フロー(新規に産出される資源の量)に対するストック(これまでに算出された資源の総量)が増加すると、新しい資源の産出量は減少し、新たに産出される資源の価格が上がります。ビットコインの価格はSTFと相互に関連していることがわかっています」とフランケンベルグ氏。

しかし、STFモデルをビットコインに適用することには批判の声も上がっているという。

「STFモデルはすべての資源に当てはまるものではありません。また、このモデルでは供給は考慮されても、需要が考慮されません。さらに、世の中には複数STFモデルがあり、それぞれ良いものですが、導き出される価格が異なります。こうした批判があるのは確かです」とフランケンベルグ氏は説明する。

では、需要の側面から考えるとどうなるのか。同氏はビットコインとビットコインキャッシュを比較する。

ビットコインとビットコインキャッシュの価格評価

ここで注目すべきは、ビットコインキャッシュの価格評価が低い点だ。ビットコインとビットコインキャッシュのSTFに大きな差はなく、ブロックサイズを除けば技術的にも大きな違いはない。

フランケンベルグ氏は「ビットコインとビットコインキャッシュはそれほど離れた資源ではなく、STFも近いのに、価格評価に違いがある。では、STFモデルが失敗だということになるのでしょうか?そうではありません。これは『STFモデルは完全ではない』ということを意味します。では、ビットコインとビットコインキャッシュの差はどこにあるのか?ネットワーク効果です。そしてネットワーク効果こそ私たちが考えなければいけないことなのです」という。

「ダイレクトネットワークエフェクト」と「インディレクトネットワークエフェクト」

では、ネットワーク効果とは何か?フランケンベルグ氏は「ユーザー数が増えると、効用が上がるという効果のことです」と答える。しかし、ユーザー数の増加は必ずしもより良い効用につながるわけではないという。

ネットワーク効果が発生しない例として、同氏は自動車を挙げる。

例えば、フォルクスワーゲンのゴルフ。より多くの人がゴルフを購入すると、修理できる施設が増えたり、ゴルフに関する情報がより広く流れることになる。この場合、ユーザー数の増加が販売台数の増加につながることがあり得る。しかし、ゴルフの機能そのものは、ユーザー数から影響を受けない。つまり、ネットワーク効果は発生しない。

一方で、ネットワーク効果には、ユーザー数の増加がより良い効用に直接つながる「ダイレクトネットワークエフェクト」と、ユーザー数の増加がより良い効用に間接的につながる「インディレクトネットワークエフェクト」の2種類があるという。

同氏が挙げるダイレクト・ネットワーク効果のわかりやすい例は、eメールなどのコミュニケーション手段だ。なぜなら、あるコミュニケーション手段を使うユーザー数が増えると、そのコミュニケーション手段で連絡できる人の数が増える。そのため、ユーザー数の増加が効用を上げるのだ。逆に言えば、ユーザー数の少ないコミュニケーション手段は、ユーザー数が少ないが故にユーザー数の減少を招くことがある。

インディレクト・ネットワーク・エフェクトの良い例は、WindowsなどのOSだという。なぜかというと、OSのユーザー数が増えると、OS上で動かせるアプリケーションの開発が進み、OSを使うことによる効用が上がるからだ。ここでは、OS の効用がアプリケーションを経由して間接的(インディレクト)に上がっている。

ネットワーク効果はなぜ重要なのか

では、ネットワーク効果の何が重要なのだろうか。

フランケンベルグ氏は「既存の製品のネットワーク効果が強い場合、新規参入者がマーケットの中に場所を見つけられない可能性がある。それが重要なのです」という。

フランケンベルグ氏が挙げた例はこうだ。ここにある製品があるとする。この製品で技術的にできることは限られているが、製品を世に出してから時間が経つにつれ、この新製品はネットワークによる効用を上げていく。その後、新規参入者がより優れた技術とともに市場に登場したとする。しかし、新規参入者は、先程の製品に比べてネットワークによる効用が少ない。そうなると「元々の技術+ネットワークによる効用」で比較した時、先に登場した製品の方が市場でより有利となる。そのため、新規参入者はより優れた技術を持っているにもかかわらず、ネットワーク効果が弱いために、市場の競争で不利になるのだ。

「元々の技術+ネットワークによる効用」で比較した時の既存製品と新規参入製品

ビットコインのネットワーク効果

では、ビットコインにネットワーク効果にはどのようなものがあるだろうか。フランケンベルグ氏は「たくさんある」と強調する。

同氏によると、ダイレクトネットワークエフェクトの観点では、より多くのユーザーがビットコインを使えば、ビットコインを送り合うユーザーの数が増え、効用が上がる。インディレクトネットワークエフェクトの観点では、オンランプが増加すればユーザー数が増加し、ネットワーク効果を増加させ続ける。さらに、ビットコインのネットワークの上に決済やメッセージングなどのアプリケーションが数多く構築されれば、ビットコインの価値も上がるのだという。

フランケンベルグ氏は、上の図を使ってビットコインのネットワーク効果の流れを以下のように説明する。

まず、企業でのビットコイン活用が広まれば、ビットコインの価格に影響する。ハッシュレートが増加すればセキュリティが上昇する。こうしたポジティブなフィードバックのループができる。

規制が進めば、透明化が進み、企業のビットコイン活用が進む。ユーザーフレンドリーになれば、企業のビットコイン活用が進む。

ユースケースが蓄積されれば、ビットコインを決済に使用しやすくなり、やはり企業のビットコイン活用が進む。

リテールでのビットコイン活用が進めば、企業でのビットコイン活用が進み、ビットコインの取引ボリュームが増え、ビットコインやフィンテック関連のカンファレンスの価値が上がる。

最終的には、中央銀行がビットコインを活用するようになれば非常に大きなネットワーク効果を見込むことができる。

「ここまで見てきたように、ビットコインのネットワーク効果を見た時、たくさんのポジティブなフィードバックループが見つけられます。しかし、リスクもあります。規制が非常にネガティブに作用する可能性もあります。セキュリティが弱ければやはりネガティブなことを引き起こすかもしれません。ただ、ビットコインの価値を考えるとき、STFモデル単体で考えてはいけません。STFモデルは完全な指標ではないからです。大切なのは、STFモデルとネットワーク効果の成長を組み合わせて考えることです」とフランケンベルグ氏は述べた。

【Japan編集部注】本記事はCrypt Asetts Conference 2021中のセッションを再構成したものとなる。

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ミレニアル世代が熱狂?NFTを使ったコレクターズアイテムへの投資が今アツいワケ

コレクターズアイテム投資が熱い。Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)がルーキーシーズンに着用した「NIKE AIR JORDAN 1(ナイキエアジョーダン1ハイ)」が競売大手サザビーズのオークションで15万2500ドル(約1670万円)で落札され、Kanye West(カニエ・ウエスト)着用の「NIKE AIR YEEZY 1(ナイキエアイージー1)」が180万ドル(約1億9400万円)で落札された。

ドイツでコレクターズアイテムを使ったNFT投資のためのプラットフォームを提供するスタートアップ Timeless InvestmentのCEOであるJan Karnath(ヤン・カルナート)氏は、「今後3年でコレクターズアイテムはミレニアル世代にとって、株、暗号資産に次ぐ妥当な資産になるでしょう」と予測する。それはなぜか。同氏が詳しく説明する。

Timeless InvestmentのCEOであるヤン・カルナート氏

ミレニアル世代はコレクターズアイテムに夢中

カルナート氏は「ミレニアル世代の42%がコレクター品と何らかの関係を持っており、23.2%がNFTを何らかの形で使用している」と指摘する。23%というのはZ世代の3倍、ベビーブーム世代の10倍に当たるという。冒頭で挙げたスニーカーブームも、こうしたミレニアル世代のトレンドを反映しているという。

スニーカーだけではない。ミレニアル世代が親しんだポケモンカードも注目されている。初版の未開封デッキが高値で落札された例もある。

カルナート氏は、世界でたった1つのコレクターズアイテムの投資額を分割して、より多くの人が投資できるようにすることで市場を活性化することを目指している。これにはNFTの技術が不可欠だ。

「NFTはミレニアル世代によって動かされる次の山です。これによって根本からの変化が起きるでしょう」とカルナート氏は語る。

同氏によると、2021年の第1四半期におけるNFTのセールスボリュームは、その前の四半期よりも20倍に成長しているという。

カルナート氏は「これは何を意味するのか?コレクターズアイテム市場の急激な成長が起きているということです」と述べる。

NFTならお金がないミレニアル世代でも投資しやすい?

カルナート氏は「こうした成長の影響を最も受けるのは、歴史あるブランドとIPホルダーです」と断言する。「アイコン的製品の可能性を解放することで、コレクターズアイテム市場が良い方に変わっていくでしょう」。

しかし、こうした流行にも問題がある、というのが同氏の見解だ。ミレニアル世代がコレクターズアイテムに注目しているといっても、その多くは成長するコレクターズアイテム市場に参加することができていない。なぜなら、この世代はコレクターズアイテムへのアクセスと、コレクターズアイテム市場に参加するための資本が乏しく、また、この世代は市場の理解と資産の流動性を十分保持していないからだ。

「当社はミレニアル世代向けのコレクターズアイテム投資をもっとやりやすくしたいのです。そしてこの成長は今後数世代は続くものだと思います。当社はコレクターズアイテム投資をより便利に、アクセシブルに、インデペンデントにしたいのです」とカルナート氏。

そのため、同社では投資案件を集め、保証している。また、投資案件を小さく「シェア」という形で分割することで、1回の投資を手頃な値段にし、1口50ユーロ(約6660円)で投資することも可能だという。さらに、同社のプラットフォーム上でコレクターズアイテムの取引も可能にし、ユーザーが売りたいときに売りに出せるようにしているという。

カルナート氏「当社のプラットフォームを使ってもらえれば、資産を再度売りに出すまでに2年、4年、と待っていただく必要もないです」という。

カルナート氏がイメージするコレクターズアイテム投資は、アクセサリーや服などのファッションをプラットフォーム上で売買するものに近い。ユーザーがコレクターズアイテムをプラットフォーム上で探し、投資し、必要に応じて他のユーザーと取引するからだ。

21分で決まったロレックス投資

Timelessが100日間コレクターズアイテム投資のプラットフォームを運用してみたところ、さまざまなことが見えてきたという。「まず、どのコレクターズアイテムも1時間以内に買い手がつきました。取引のスピードが早いため、決済などの処理が追いつかない場面もありました」。

この100日間でプラットフォームを使用した投資家は1125人。そのうち複数回取引した投資家は24%だった。

カルナート氏は、取引が行われたコレクターズアイテムから、3つの例を紹介した。

例えば、写真の一番左のスニーカー。シェア売り切れまでにかかった時間は16分。これに関わる通知設定を行なったユーザー(つまり、投資に興味を持ったユーザー)は2900人。発売されたシェアは360だった。

Timelessが実際に扱ったコレクターズアイテム

写真中央はロレックスの腕時計だ。こちらはシェア売り切れまでにかかった時間は21分。通知設定を行なったユーザーは2500人。発売されたシェアは1900だった。

「このロレックスはシェアを持ちたいユーザーが非常に多かったので、2〜3倍の値段でも売れたかもしれないですね」とカルナート氏。

一番右はナイキのスニーカーだ。このシェアは140売り出され、5分間で売り切れてしまった。通知設定を行なったユーザーは1825人だった。「当社では毎週木曜にコレクターズアイテムを出品するのですが、それを見るために通知設定していたユーザーが一定数いたことがわかります」。

ミレニアル世代を惹きつけるためにすべきこと

カルナート氏は「ミレニアル世代を惹きつけるためにすべきことは3つあります」と語る。

1つめはコレクターズアイテムも分割することだ。これをすることで、暗号資産ファンだけでなく、より広い層がコレクターズアイテムに投資しやすくなる。

2つめは、既存のアイコン的なコレクターズアイテムを再度世に出していくことだ。世の中には多くのおもしろいコレクターズアイテムがある。それをデジタルな方法で紹介することが重要だという。

3つめは、新しいアイコン的なコレクターズアイテムを創造していくことだ。歴史あるブランドと若い投資家やミレニアル世代を繋ぐには、新しいコレクターズアイテムが肝要だ。

TImelessが考えるブランドとユーザーの関係

「コレクターズアイテムブームはブランドのチャンスです。この投資の流行をうまく活用できれば、低コストで新しい購買層とつながり、高い収益を狙うことができます。私たちは今、高級ブランドのNFT版を創ろうとしています。当社はブランドとユーザーをつなげ、歴史あるブランドをNFTの世界に呼び込もうとしています」とカルナート氏は語る。

【Japan編集部注】本記事はCrypt Asetts Conference 2021中のセッションを再構成したものとなる。

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NFTゲーム開発のdouble jump.tokyoと日本発のブロックチェーン「Plasm Network」のStakeが提携発表

NFTゲーム開発のdouble jump.tokyoと日本発のブロックチェーン「Plasm Network」のStakeが提携発表

日本発のパブリックブロックチェーン「Plasm Network」(プラズムネットワーク)を手がけるStake Technoloiges(ステイク・テクノロジーズ)と、ブロックチェーン技術を用いたアプリ開発を行うdouble jump.tokyo(ダブルジャンプ・トウキョウ)は6月14日、パートナーシップを締結し、双方のエコシステム拡大に向けた協業を行うと発表した。

マルチチェーン設計のブロックチェーン「Polkadot」(ポルカドット)のR&Dチェーン「Kusama」(クサマ)において、「Shiden Network」(紫電ネットワーク)が(パラチェーンスロットを獲得し)接続した後、doublejump.tokyoがNFTコンテンツなど自社関連プロダクトのShiden Networkへの対応を開始する予定。Plasm Networkにも対応する。

doublejump.tokyoによると、ブロックチェーンゲーム開発支援サービス「MCH+」のブロックチェーンゲームのマルチチェーン対応を支援する「Asset Mirroring System」(AMS)を通じて、MCH+参画タイトルのShiden Network対応を行うという。すでにテストネットにおける実装は完了しているそうだ。

またdouble jump.tokyoは、Plasm NetworkおよびShiden Networkのバリデーターの運用を行い、ネットワークの地理的な分散性に貢献する予定。

「Polkadot」と「Plasm Network」、研究開発が主目的の姉妹チェーン「Kusama」と「Shiden Network」

PolkadotとPlasm Network、またKusamaとShiden Networkがそれぞれどのような存在で、どう関係しているのかは、Stake TechnoloigesのShunP氏による「中学生でもわかるPlasmとShiden」がわかりやすい。

Polkadotは、Web3 Foundation(Web3財団)による、複数の異なるブロックチェーンを相互接続・相互運用するためのオープンソースプロジェクトで、ブロックチェーンの課題である運用性とスケーラビリティーが解決されるものと期待されている。Kusamaは、研究開発が主目的とするPolkadotの姉妹チェーンにあたる。Kusamaでは、より挑戦的でイノベーティブなユースケースがKusama上で展開されるという。

PolkadotおよびKusamaは、本体にあたるブロックチェーン「リレーチェーン」(RelayChain)、またこれにつながる複数のブロックチェーン「パラチェーン‌」(Parachain)で構成されており、ポイントとなるのは、スマートコントラクトの動作環境やDefiなどはパラチェーン側が担当するという点にある。PolkadotおよびKusamaは、あくまで相互につなげる役割のみというわけだ。

Plasm NetworkとShiden Networkは、このPolkadotおよびKusama上でスマートコントラクトを扱うことに特化したパラチェーン(候補)およびパブリックチェーンとなっている。パラチェーンの接続数には限りがあるため、パラチェーンはオークションによって決定されることになっており、6月15日から始まるKusamaの第1回パラチェーンオークションでは、Shiden Networkが参加する。さらにその後Polkadotのオークションが行われ、Plasm Networkが参加する予定だ(日本発パブリックブロックチェーン開発のStake Technoloigesが約11億円調達、「世界で勝つ事例つくる」)。

スマートコントラクト実行環境EVMやWASAMを含む複数VMに対応、アプリ開発者への報酬還元メカニズムも採用

アプリ開発者にとっての注目点は、Plasm NetworkとShiden Networkは、Ethereumのスマートコントラクト実行環境EVMやWASAMを含む複数VMに対応していることだ。Ethereumをベースに開発を行ってきたプロジェクトであれば、既存コードベースを流用して開発できるという。

またDapps報酬と呼ばれる、アプリ開発者にブロック生成報酬の約半分を還元する独自のメカニズムも備えている。アプリのユーザーも、スマートコントラクトにPlasmのトークンをステーキングすることで、報酬の一部を獲得できるという。

Stake Technologiesは、「他国に大きな遅れを取ってしまっているクリプト領域において、日本発のプラットフォームとコンテンツが相互に連携し、日本の地位を向上させていきたいと考えております」と話している。

世界的な評価を得た2018年の「My Crypto Heroes」以来、NFTをめぐる環境の整備を着実に進めるdouble jump.tokyo

double jump.tokyoは、NFT(非代替性トークン。ノン・ファンジブル・トークン)コンテンツのプロデュースや発行と、ブロックチェーンゲームを開発する企業。1日のアクティブユーザー数や取引高で世界一を記録したこともある。今回のパートナーシップにより、Plasm Networkのエコシステムに、質の高いNFTコンテンツとそのコミュニティーを呼び込むことが期待されている。

またdouble jump.tokyoとPlasm Networkは、環境問題にも重点を置いているという。Bitcoin(ビットコイン)やEthereumは、認証に大量の計算を要し、消費電力が大きいPoW(プルーフ・オブ・ワーク)方式を使っているが、PolkadotではPoS方式の一種「NPoS」(ノミネーテッド・プルーフ・オブ・ステイク)という「直接的な経済的インセンティブによってネットワークを維持する」方式が採られているため、消費電力は格段に小さいという。なお、Plasm NetworkとShiden Networkでは、「水力と太陽光により発電された電力のみを用いるデータセンターとの提携」を進めているそうだ。

今後double jump.tokyoは、同社関連NFTコンテンツがPlasm NetworkおよびShiden Networで展開され、Plasmのスケーリングソリューションとさまざまなブロックチェーンとのブリッジを通じた「マルチチェーン化、UXの向上、グローバル展開」を目指すとしている。

2018年4月3日設立のdouble jump.tokyoは、「My Crypto Heroes」「BRAVE FRONTIER HEROES」「MyCryptoSaga」などのブロックチェーンゲームの開発、MCH+およびNFT事業支援サービス「NFTPLUS」、複数人で秘密鍵管理できるビジネス向けNFT管理SaaS「N Suite」の提供・開発を行っている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Ethereum / イーサリアム(製品・サービス)WebAssembly / Wasm(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)オープンソース / Open Source(用語)Kusama(製品・サービス)Shiden Network(製品・サービス)Stake Technoloiges(企業)スマートコントラクト(用語)double jump.tokyo(企業)DeFi / 分散型金融(用語)パラチェーン(用語)Bitcoin / ビットコイン(用語)Plasm Network(製品・サービス)ブロックチェーン(用語)Polkadot / ポルカドット(製品・サービス)リレーチェーン(用語)日本(国・地域)

日本発パブリックブロックチェーン開発のStake Technoloigesが約11億円調達、「世界で勝つ事例つくる」

「パブリックブロックチェーンこそが『未来』だと思います。私たちは日本発のプロダクトで、世界級のユニコーンを目指しています」。そう力強く話すのは、日本発のパブリックブロックチェーンであるPlasm Network(プラズムネットワーク)Shiden Network(紫電ネットワーク)の開発をおこなうStake TechnoloigesのCEO渡辺創太氏だ。

Stake Technoloigesはこれまで、世界最大級の暗号資産取引所であるBinanceからの資金調達や、「Microsoft for Startup」への採択など、ブロックチェーン業界の最先端を走ってきた。同社は2021年6月11日、中国のブロックチェーン特化VC大手のFenbushi Capitalなどから総額約11億円の資金調達を発表した。

今は「インターネットの黎明期」の段階

渡辺氏が率いるPlasm Networkは、Polkadot(ポルカドット)上でスマートコントラクトを扱うことに特化したブロックチェーンだ。Polkadotは、異なるブロックチェーン同士をつなげる「インターオペラビリティ(相互運用性)」を持つ。

この「インターオペラビリティ」の必要性ついて、渡辺氏はこう説明する。「例えば、私たちの生活に欠かせないインターネットも、本格的な普及以前は企業や研究機関が独自のプロトコルやネットワークを使用しており、互換性がなかったのです。でも、共通のレイヤーができ上がることで、各ネットワーク同士に相互運用性が生まれて、世界中どこにいてもつながることができるようになりました」。

「一方で、今世の中に数百あるともいわれるブロックチェーンは、基本的に個々のネットワーク別に運用されていて、つながっていません」。例えば、Bitcoin(ビットコイン)とEthereum(イーサリアム)は完全に別のネットワークであるため、イーサリアム上のDeFiなどでビットコインを利用することはできない。ビットコインの保有者はイーサリアムのそれより圧倒的に多いと予想されるため、現状の機会損失は大きいと言わざるを得ない。

ブロックチェーン同士がつながり合う世界

この課題を解決するのが、Polkadotが持つインターオペラビリティ(相互運用性)だ。Polkadotは、リレーチェーン(心臓部分)と、パラチェーン(手足の部分)に分かれており、約100個あるパラチェーン(手足)同士がつながることで、相互運用が可能になる。わかりやすいメリットの例としては「Polkadotを経由することで、ビットコイン(のバリュー)でイーサリアム上のNFTを購入できたり、ビットコインをイーサリアム上でステーキングできるようになる」と渡辺氏はいう。

Plasm Networkは、このPolkadotのパラチェーンの1つに入ることを目指している。ただ、パラチェーンの枠は約100個と限りがあり、今後、オークション形式で世界中のブロックチェーンプロジェクトと競い合うことになる。しかし渡辺氏は「Plasm Networkは現在、上から2、3番目という位置にいる」と自信を覗かせる。

スマートコントラクトに特化するPlasm Networkは、今後DeFiやNFTゲームといった数多くのdApps(分散型アプリ)が開発される基盤となる存在だ。いわば、Plasm Network上に築かれた「国」と、他の99個のパラチェーンの「国」が、Polkadotを経由して相互に交わり合うという「世界」が実現する。なんだか凄そうではあるが、うまく想像しづらいのが正直なところ。

渡辺氏は「『今できないこと』ができるようになるので、これはイノベーションです。だからこそ、将来的なユースケースやメリットを、現時点で具体的に想像することは少し難しい(笑)。でも、このインターオペラビリティによる変革の波は、この1、2年で一気に来ると思っています」と話す。インターネットが相互につながり世界を一変させたように、ブロックチェーンも今後「相互運用」が常識になると、我々が今想像することもできない使い方が発見されていくのかもしれない。

「日本が世界で勝つ」成功例となる

「日本発の企業が世界級のユニコーンになるためには、DXだけでは難しい。世界と戦うには、やはりプロダクトで勝負するしかないと思っています」。こう話す渡辺氏は、慶應義塾大学在学中の2014年にブロックチェーンと出会った。「黎明期から関わることができるイノベーションって珍しいと思うんです。インターネットが始まった頃、僕は生まれてもいなかったし、モバイルの時は中学生だった。でもブロックチェーンは、2008年から全員が『よーいどん』でスタートしたので、これはチャンスだと」。

渡辺氏は、大学を休学してシリコンバレーのブロックチェーン関連企業で1年間働いた後、日本に帰国してStake Technologiesを設立。総勢13名のチームは日本、韓国、中国、シンガポール、欧米と世界中に散らばっており、将来は法人をなくしてDAO(自律分散型組織)で運営する予定だという。

「日本がグローバルで勝つための『How To』が、まだまだ足りていません。米国では最近上場を果たしたCoinbaseが、過去にCompoundUniswapに投資しています。これらのプロジェクトはすでに育ってきていて、そこからさらに次のプロジェクトに投資するという段階。一方で日本は、まだこの最初の段階さえも完成していない。だから、私たちが先陣を切ってグローバルで勝つ成功例をつくり、日本のブロックチェーン業界に良い循環をつくっていきたい」と同氏は想いを語る。

いよいよ、6月15日からPolkadotのR&DチェーンであるKusamaの第1回パラチェーンオークションが始まり、Shiden Networkが参加する。さらにその後は、本丸であるPolkadotのパラチェーンオークションが始まり、Plasm Networkが参加する予定だ。執筆時点で2兆円を超える時価総額を持つPolkadotは、暗号資産業界全体でもトップ10に入るビッグプロジェクト。そのPolkadotの代表的なパラチェーンへの道を歩むPlasm Networkは、日本だけでなく世界を代表するパブリックブロックチェーンになる可能性さえも秘めているといえるだろう。

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USBキーのような暗号資産ハードウェアウォレットLedgerが415.6億円を調達

現地時間6月10日にフランスのスタートアップLedger(レジャー)は、シリーズCラウンドで3億8000万ドル(約415億7000万円)調達した。10T Holdingsがリードしている。この日のラウンドを終え、同社の評価額は15億ドル(約1641億円)になった。

ラウンドには既存の投資家であるCathay Innovation、Draper Associates、Draper Dragon、Draper Esprit、Korelya Capital、およびWicklow Capitalが参加。他にTekne Capital、Uphold Ventures、Felix Capital、Inherent、Financière Agache、およびiAngels Technologiesが新たに参加した。

Ledgerの主力製品は、暗号資産(仮想通貨)を管理するためのハードウェアウォレットだ。外観はUSBキーに似ていて、小さな画面を備えデバイス上で取引を確認できる。この小さな画面が重要な理由は、プライベートキーをLedgerデバイスの外に出さないためだ。

大きい金額の暗号資産を保管する場合、取引所のアカウントには置きたくない。もし誰かがサインインに成功すれば、あなたの暗号資産はすべて引き出されてしまうからだ。ハードウェアウォレットを使っていれば、暗号資産を自分でコントロールできる。

同社が初めて出した製品はLedger Nano Sだった。デバイスをパソコンと繋ぐにはUSBケーブルが必要だった。その後発売されたLedger Nano Xでは、Bluetoothを通じてスマートフォンで資産の受け渡しができるようになった。Ledgerは、貸借対照表に暗号資産を載せたい企業のために企業向けソリューションも提供している。

Ledgerはこれまでに300万台以上のハードウェアウォレットを販売している。そして毎月150万人が同社の暗号資産管理ソフトウェアソリューションであるLedger Liveを使っている。同社は全世界の暗号資産の15%程度を管理しているとまで言っている。

会社設立からの約7年間は平坦な道のりではなかった。2018年の暗号資産ブームが終わるとハードウェアウォレットへの関心は消滅した。さらに、同社は高額な資産を管理していることから、深刻なデータ侵害を受け27万2000人の顧客が影響を受けた。

この日の調達ラウンドを受け、同社は新製品の発売、Ledger LiveのDeFi(分散型金融)機能強化、さらには暗号資産エコシステム全体の成長支援を計画している。

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画像クレジット:Ledger

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

様々なデジタルID管理を一元化管理可能なクラウドサービス「dAuth」を手がけるシビラが約3億円調達

様々なデジタルID管理を一元化管理可能なクラウドサービス「dAuth」を手がけるシビラが約3億円の資金調達

シンプルで安全なクラウド型デバイス認証プラットフォーム「dAuth」(ディーオース)を提供するシビラは、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による約3億円の資金調達を発表した。引受先は、電通グループ、セレス、アイル。

dAuthは、DID(分散ID。Decentralized IDentity)、W3C Verifiable Credentials(検証可能な資格情報・個人情報)、FIDO2(WebAuthn)などのデジタルID管理を一元化するIDaaS(アイデンティティー・アズ・ア・サービス)。

外部の管理者を介さずに個人が自身のアイデンティティ情報を管理できる自己主権型IDに対応したアプリケーションを、ブロックチェーンの専門知識のない開発者でも構築でき、専門知識のないエンドユーザーに提供できるようにするものだ。OpenID Connectに準拠して設計・実装されているため、任意のプログラミング言語やOSSライブラリーを利用してアプリケーションに組み込める。

たとえば、既存のシステム認証を、認証デバイスとOTP(ワンタイム・パスワード)を使う二要素認証に切り替えることができる。ユーザー認証サービスではないため「既存システムを他サービスよりも圧倒的に少ない改修で連携」でき、「ユーザーという概念がないため、さまざまなシーンで認証デバイスを利用」できるという。クライアントアプリケーションのユーザー情報を外部に保存する必要がないため、安全性も高いとしている。

調達した資金は、電通グループとの新規事業開拓とIDaaS事業促進に向けられる。なかでも電通との協業では、自己主権型IDのインフラ構築、NFTをはじめとしたブロックチェーン上のデジタルアセットとマネタイズ、そして「活動実績のデジタルID化」「活動を楽しくするコミュニティー形成の促進」「金銭的報酬以外のことも含むさまざまなインセンティブの提供」などをプログラマブルに行う価値還元インフラの構築が挙げられている。

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スクウェア・エニックスは6月9日、2021年夏発売予定のNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」のティザーサイトを公開した。発売日・価格・購入方法、購入済みデジタルアセット管理用の「シールホルダー」(仮称)などの詳細な仕様は、決定次第発表する。NFTデジタルシールのトレードに関してはLINEのNFTマーケットプレイスで実施する。またLINEは同日、デジタルアセット管理ウォレット「LINE BITMAX Wallet」内のサービスとして同マーケットプレイスを提供予定と発表している(提供開始時期は、後日公開)。

資産性ミリオンアーサーで提供するNFTデジタルシールは、NFTが持つ特性に加え、絵柄が1枚1枚異なるという。そのため、ユーザーはデザイン面においても唯一無二のNFTデジタルシールを所有することが可能。NFTデジタルシールをコレクションする際には、購入済みデジタルアセットをブラウザー上で管理する専用の「シールホルダー」(仮称)で提供予定。

同NFTデジタルシールは、スクウェア・エニックスとdouble jump.tokyoが共同開発したもの。ブロックチェーンには、LINEがLINE TECH PLUSを通じ提供する「LINE Blockchain」を採用している。

LINEが提供予定のNFTマーケットプレイスは、LINE BITMAX Wallet内のサービスとして提供予定。LINE Blockchain上で発行されたNFTの二次流通市場を構築することで、ユーザー間での取引の中でNFTの付加価値が高まっていく場を提供し、エコシステム内で流通する価値の最大化を目指すという。

「ミリオンアーサー」シリーズは、シナリオに「とある魔術の禁書目録」の鎌池和馬氏、音楽制作に前山田健一氏を起用するなど、豪華スタッフ陣が集結。人気声優が演じるキャラクター、多数の著名イラストレーターが描くキャラクターイラストの競演でヒットを記録したスマートフォン向けゲーム「拡散性ミリオンアーサー」から始まった作品群を指す。

LINE Blockchain採用の理由

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double jump.tokyoによると、LINE Blockchain採用の背景には、NFTを活用したサービスのUX改善があるという。

多くのブロックチェーン関連アプリの場合、暗号資産ウォレットのインストールがユーザーにとって非常に大きなハードルとなっているという課題がある。昨今、NFTが盛り上がりを見せる一方で、マスをターゲットとした日本のコンテンツホルダーにとってはウォレットなどに精通していない人がメインのターゲットユーザーとなっており、UXの改善がNFT市場拡大の大きな足掛かりになると考えているという。

これに対しLINE Blockchainでは、以下特徴によりNFTサービスの様々な改善が期待されるとしている。

LINE Blockchainの特徴

  • ユーザー認証(鍵管理):NFTの取り扱いは多くの場合、カストディの規制などもあり、ユーザー自身が秘密鍵を管理することが求められる。LINE Blockchainでは、ユーザーは秘密鍵を自身で管理することなく、LINEのログインとLINE BITMAX Walletを連携させることで、普段利用しているウェブサービスの認証に近いUXを提供可能
  • ユーザーのGas(トランザクション手数料)負担が不要:通常イーサリアムブロックチェーンなどでは、NFTの転送にはGas代金の負担がユーザーに発生する。LINE Blockchainの場合、サービス運営側が負担する形となり、よりシンプルなUXとなる
  • NFTマーケットプレイス:LINE Blockchainを用いたNFTマーケットプレイスの構築が進められており、今後NFTの出品・購入が可能になる予定。また、LINEのトーク機能を活用したNFTの授受も容易になっていくとみられ、約8800万人が利用するアプリケーションを用いたNFTの二次流通も活発になっていくと考えているという

またdouble jump.tokyoは、「LINE Blockchain Developers」のAPIのGo言語向けライブラリーをオープンソースとしてGitHub上で公開した。同ライブラリーを利用することで、LINE Blockchain DevelopersのAPIへアクセスするためのHTTP設定や署名処理を簡略化し、迅速な開発を可能にするという。


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複数ブロックチェーン間の取引を実現する相互運用性プロジェクト「YUI」がHyperledger Labsプロジェクトとして承認

Datachainは6月7日、Linux Foundationが運営するエンタープライズ向けブロックチェーン・オープンソースソフトウェア(OSS)・コミュニティ「Hyperledger」において、インターオペラビリティ(相互運用性)プロジェクト「YUI」(ユイ)がHyperledger Labsのプロジェクトとして承認されたと発表した。

Datachainはこれまで、ブロックチェーンのインターオペラビリティに関する研究開発を行なってきた。そして同社CTOの木村淳氏を中心にYUIを立ち上げ、Hyperledger Labsのプロジェクトに承認された。

YUIでは、複数ブロックチェーン間におけるアプリケーション開発やコミュニケーションを可能にするためのモジュールやミドルウェアが提供される。ブロックチェーン間の通信プロトコルとしては、IBC(Inter-blockchain communication protocol)を採用。また、Hyperledger Fabric(ファブリック)、Hyperledger Besu(ベイス)、Corda(コルダ)といった主要なエンタープライズ向けブロックチェーンに対応している。

YUIの技術を活用することで、複数ブロックチェーン間において、トークン転送やDvP(Delivery versus Payment)決済を含むアトミックスワップ(Atomic Swap)などの連携を実現できる。具体的には、デジタル通貨・地域通貨などの決済領域、STO(Security Token Offering)・国際貿易などの決済関連領域、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)などの複数のブロックチェーン基盤間での取引が発生する領域など、様々なシーンでの応用が期待される。

Datachainは今後、YUIの研究開発を進めるとともに、Hyperledgerコミュニティとの連携を深め、国内外の企業へのインターオペラビリティソリューションの提供を推進するとしている。

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double jump.tokyoが複数人による秘密鍵管理を含めNFTコンテンツ発行・管理を行えるエンタメ・ビジネス向けSaaS「N Suite」提供

ブロックチェーン技術を用いたアプリケーション開発を行うdouble jump.tokyoは6月7日、エンターテイメントDX向けのSaaS「N Suite」の提供を発表した。

N Suiteは、NFT発行やNFTコンテンツ管理など、NFTコンテンツ・ビジネスをスムーズかつ効果的に行うために必要な製品を揃えたビジネスツールだ。NFTコンテンツを軸にファンとのリレーションを醸成し、エンターテイメントDXを戦略的に行うためのツールセットとして、新たな製品や機能を順次追加する予定。

同社によると、2021年からブロックチェーン技術の一部であるNFTを活用したコンテンツがブームとなっているものの、企業がNFTコンテンツ・ビジネスへ参入する際に、ブロックチェーンの秘密鍵の管理方法が課題となっており、参入の障壁や足枷となっているという。

特に、日本企業には世界で勝負できるコンテンツを抱えている、または創造する力のある企業が多く存在するにもかかわらず、このような課題により、NFTコンテンツ・ビジネスの参入が遅れ、ビジネスチャンスを逃してしまう懸念もあるとしている。

そこで、秘密鍵管理の課題を解決するウォレットをはじめ、企業がNFTコンテンツ・ビジネスをスピーディーに、また効果的に行うために必要な仕組みをSaaSとして提供する。N Suiteのリリース時には、下記製品を公開予定としている。

「N Board」:マネジメント・ボード

N Boardは、NFTコントラクトのデプロイやNFT発行など、秘密鍵を使った各種操作の実行やNFTコンテンツの一元管理を行えるダッシュボードだ。将来的に、NFTコンテンツの販売や企画、活用をサポートする機能も拡充予定。

「N Wallet」:キーレス・ウォレット

N Walletは、秘密鍵を保管しないウォレットとなる。NFTコントラクトのデプロイやNFT発行の際に、ブロックチェーンのトランザクションに署名する際の認証で使用する。また、暗号資産(EthereumやERC-20トークンなど)の送付など、一般的なウォレットの機能にも対応予定だ。リリース時には、Chrome拡張機能(Chrome Extension)として提供予定。

「N Cloud Key」:クラウド・キー・システム

N Cloud Keyは、秘密鍵をクラウドでセキュアに保管するシステム。N Walletの認証機能とN Boardの管理機能を組み合わせることで、本来は個人で管理が必要な秘密鍵を複数人で共有管理可能となる。リリース時にはAWS Key Management Service(AWS KMS)に対応予定だ。

double jump.tokyoが複数人による秘密鍵管理を含めNFTコンテンツ発行・管理を行えるエンタメ・ビジネス向けSaaS「N Suite」提供

今後double jump.tokyoは、複数人ワークフロー、マルチチェーン対応(Flowブロックチェーンなどに順次対応予定)、N Cloud Keyの対応クラウドサービス追加(Microsoft Azureなど)、SDK提供、販売管理システム、版権管理システムとの連携機能、NFTコンテンツ分析機能(N Insight)といった機能を追加する予定だ。そしてNFTコンテンツを軸に、新しいエンターテイメント体験を醸成する強力な基盤となるよう、N Suiteを発展させるとしている。

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国際オリンピック委員会(IOC)公式ライセンス取得のNFTオリンピック・ピンバッジが6月17日販売予定

国際オリンピック委員会・IOC公式ライセンス取得のNFTオリンピック・ピンバッジが6月17日発売予定

国際オリンピック委員会(IOC)と、中国・香港拠点のブロックチェーンゲーム開発会社Animoca Brands(アニモカブランド)の子会社nWayは6月3日、NFT(非代替性トークン)のオリンピック・ピンバッジとビデオゲームを組み合わせた新サービスを近日中に開始すると発表した。NFTオリンピック・ピンバッジは、関連サイトのnWayPlayにおいて6月17日(現地時間)から配信・販売予定。

同社は、オリンピックをテーマにしたリアルタイムの対戦型ビデオゲームを2022年冬季オリンピック北京大会に向け発売予定。NFTを景品とする「Play-to-earn」(遊んで稼ぐ)機能を備えたゲームプラットフォーム「nWayPlay」、同時に公式サイト「nWayPlay」においてNFTの売買や配布を行える分散型マーケットプレイスを運営予定としている。

NFTオリンピック・ピンバッジについては、nWayPlayサイトにおいて6月17日(現地時間)から配信・販売予定。過去のオリンピックのアートとデザインを採用しており、過去125年にわたる近代オリンピックのポスター、エンブレム、ピクトグラム、マスコットなど、世界最大のスポーツイベントとしての歴史を反映した「オリンピック ヘリテージ コレクション」の一部として、セットで発売する。

またNFTの基盤技術であるブロックチェーンを活かし、真正性(Authenticity。真贋保証)やレア度など、物理的なオリンピック・ピンバッジと変わらない特徴を備えているという。

公式ライセンスのNFTピンバッジの購入を希望する者は、以下の方法で入手できるとしている。

    • nWayPlayサイトにおいて、組み合わせパックを6月17日に購入
    • 近日公開予定のnWayPlayマーケットプレイスにおいて、他の者から任意のピンバッジを直接購入
    • nWayPlayプラットフォームの対戦型ビデオゲームをプレイし無料で獲得

IOCテレビ マーケティングサービスのマネージングディレクターのティモ・ルンメ(Timo Lumme)氏は、「元々オリンピック・ピンバッジは、アスリートや審判員、職員を識別するための手段として配布されていたもの。過去125年の間に、アスリート、イベントスタッフ、ジャーナリスト、観客が、オリンピック村やそれ以外の場所で、ピン集めや交換することが、オリンピックの伝統になった」と説明。「今回の発表は、その伝統が自然な進化を遂げ、『オリンピック・アジェンダ2020+5』と、新たなデジタル技術採用したことでオリンピックの価値を広め、ファンとの直接的な関係を深めるというIOCのデジタル戦略に沿ったもの。今やまったく新しい方法でも大会の興奮を味わうことができ、オリンピックの伝統のピンバッジをデジタルで所有できるようになった」と述べている。


TM International Olympic Committee (IOC) / Beijing Organising Committee for the Olympic and Paralympic Games 2022 (BOCOG)/ USOPC 36USC220506. ®2021 − IOC − All Rights Reserved
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