TumblrやWordPressの保有会社が人気の高いポッドキャストPocket Castsを買収

筆者: Kris Holt

Kris HoltはEngadgetからの寄稿ライター。彼の最近の提供記事は: WhatsAppで「最高品質」を指定して写真や動画を送信可能に

Pocket Castsのホームがもうすぐ新しくなる。TumblrやWordPress.comの親会社であるAutomatticが、NPRBBC Studiosのいる公共ラジオグループの集団から、このポッドキャストアプリを買収している。Automatticは、Pocket Castsのためにいくら払うか、公表しなかった。

共同創業者のRussell Ivanovic氏とPhilip Simpson氏はPocket Castsのチームに残る。Automatticはすでに、このマルチプラットホームアプリを同社のブログツールに組み入れる方法を考えているようだ。

WordPress.comのブログ記事はこう言っている: 「Pocket CastsはAutomatticの一部として、あなたのお気に入りのポッドキャストをエンジョイし、あるいは新しい何かを見つけるために必要な機能の提供を続ける。WordPress.comとPocket Castsの深い統合を作ることを今後は探求し、ポッドキャストを配布したり聴いたりすることを、もっと容易にしていきたい」。

ブログもポッドキャストもRSSフィードを使って配布をしているから、両プラットホームの統合は合理的だ。今年初めには、Spotifyが所有するAnchorがWordPress.comとチームを組み、テキストを音声に変換する技術を使って書かれた素材をポッドキャストに換えた。そのパートナーシップにPocket Castsの買収がどう絡むのか、じっくり見ていきたい。

編集者注記: このポストは最初、Engadgetに載った。

(文:Kris Holt、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Pocket Casts

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アップルが新たにオリジナルのポッドキャストをリリース

Apple(アップル)は5月28日に新しいポッドキャストのシリーズ「The Zane Lowe Interview Series」をリリースして、オリジナルポッドキャストへの取り組みをひっそりと拡大した。このシリーズはApple MusicとApple Podcast、RSS経由で聞くことができる。

厳密にはアップルが初めてリリースするポッドキャストではないが、エンターテインメント系のコンテンツに限定したアップル初のコンシューマー向けシリーズだ。このシリーズでは、アップルのグローバルクリエイティブディレクターのZane Lowe(ゼイン・ロウ)氏がトップアーティストに話を聞いている。これまでにBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、Kanye West(カニエ・ウェスト)、Hayley Williams(ヘイリー・ウィリアムス)などが登場し、最新のエピソードはLady Gaga(レディー・ガガ)だ。

Apple Musicは以前にポッドキャストを公開していたが、このようなタイプのものではなかった。

現在、アップルはポッドキャストのプラットフォームを使って「Apple Keynotes」、「Apple Quarterly Earnings Call」(四半期ごとの収支報告)、「Events at the Apple Store」と自社のニュースを配信している。「Events at the Apple Store」はコンシューマー向けだが、今回リリースされたものとはジャンルがまったく異なる。これは時として有名セレブが登場するなどApple Storeのイベントに関するポッドキャストだが、大きな目的は顧客をApple Storeに呼び込むことと、アップルのデバイスとソフトウェアがアート、音楽、写真、映画の創作に使われていると示すことだ。

2019年2月にはApple Musicチームがポッドキャストで「GRAMMYs Celebration on Beats 1」として初のライブストリーミングを試みた。

これに対し、The Zane Lowe Interview Seriesは1回限りのものではない。

アップルによれば、Apple Musicにこのシリーズの新しいエピソードが定期的に公開されるという。ただし多くのポッドキャストがそうであるように、新しいエピソードの公開スケジュールは決まっていない。ロウ氏が4組のアーティストにインタビューをする週もあれば、翌週にはまったくしないかもしれない。インタビューが必ずしもニューアルバムのリリースと関連するわけではないが、大きな効果はある。

このシリーズが5月28日にリリースされた後、NewYork Timesにはロウ氏が詳しく取り上げられた(NewYork Times記事)。

シリーズのリリース時には7本のエピソードが公開された。アルバム「Chromatica」のリリースに先立って録音されたレディー・ガガの新しいインタビュー、ロックバンド「Paramore」のヘイリー・ウィリアムスが初のソロアルバムリリースにあたって受けたインタビュー、アルバム「Changes」のリリースに関するジャスティン・ビーバーのインタビュー、カニエ・ウェストの9枚目のソロプロジェクト「Jesus is King」のリリース直前に録音されたインタビューの前編と後編、Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)の3枚目のアルバム「Rare」についてのインタビュー、そしてビリー・アイリッシュがデビューアルバム「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」を詳しく語るインタビューだ。

アップルがオリジナルのポッドキャストシリーズを立ち上げるのは、ここ数年、ライバルのSpotifyがポッドキャストにかなりの投資をしているのに続く動きだ。Spotifyは、ポッドキャストのツールを開発していたAnchorなどのスタートアップや、GimletThe Ringerなどポッドキャストネットワークを買収し、2019年の買収金額は4億ドル(約435億6000万円)に達した。その結果、Spotifyは現在、数百ものオリジナル限定ポッドキャストをサブスクリプション利用者に提供している。2020年5月時点で最も人気のあるポッドキャストのひとつは「The Joe Rogan Experience」だ。

一方、アップルの取り組みはこれまでは最小にとどまってきた。2019年のグラミー賞関連コンテンツの実験や自社の情報を発信するいくつかのシリーズ以外には、コンシューマー向けのポッドキャストをリリースしていなかった。ブルームバーグは2020年1月に、アップルはApple TV+の番組を宣伝するためにオリジナルポッドキャストの製作を検討していると報じたが、これに関してはまだ登場していない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

激戦区の中国オーディオコンテンツ市場に社運を賭けるTencent Music

マーケティング会社のiiMediaによる第三者調査によれば、中国内のポッドキャスト、オーディオブック、その他のオーディオショーのリスナーは、今年は5億4200万人に達すると推定されている。これは、2019年の4億8900万人からの順調な増加であり、新しいプレイヤーがこの競争に引き付けられているのは間違いない。

そのプレイヤーの1つがTencent Music Entertainment(TME、テンセント・ミュージック・エンターテイメント)だ。同社はTencent(テンセント)からのスピンオフ企業で、しばしば中国版Spotify(スポティファイ)と呼ばれることもあるが、実際には多くの面で異なっている。グループの主な事業ラインは、音楽ストリーミングを超えて、バーチャルカラオケ、ライブストリーミング、そして同社が最近力を入れ始めたオーディオコンテンツを網羅している。

新しく発表された四半期報告書の中でTMEは、人気の高い既存作品や独立系プロデューサーの作品を追加したことで、オーディオライブラリの拡大に「大きな進展」があったと述べている。これにより、すでに混雑していたスペースでの競争が激化している。

Spotifyと同様に(未訳記事)TMEは音声コンテンツへの参入は遅かった。ここで言う音声コンテンツとは、ポッドキャスト、オーディオブック、ラジオ局などからオーディオライブストリーミングのような、より革新的なリスニングエクスペリエンスまでのすべてを含む包括的な用語だ。中国のこの分野は、サンフランシスコに拠点を置くポッドキャスティング会社Himalayaの主要投資家であるXimalayaや、NASDAQに上場するLizhi(未訳記事)などの大手企業が何年も独占してきた。

TMEのオーディオコンテンツへの取り組みは、収益性への明確な道筋がまだ見えていないため、すぐに将来性が期待できるものではない。中国のユーザーはデジタルコンテンツへの支払いに消極的であることが知られている。例えば、教育や自己啓発のポッドキャストにお金を払っても、その熱意は急速に薄れていく傾向がある。資金力のあるプラットフォームは、しばしば市場シェアを得るために無料でコンテンツを提供し、小規模な競争相手を容赦なく追い出そうとする。その結果、誰もが間接的に収益をあげる方法を見つける必要に迫られることになる。

例えばLizhiは、ライブやインタラクティブオーディオセッション内での仮想アイテムの販売を通して主要な収益を得ているが、リスナーからのサブスクリプションや広告からの収入はわずかなものだ。7年の歴史を持つこの会社はまだ利益を上げておらず、昨年は1億3300万人民元(約20億円)の純損失を記録した。

間接的な収益化は、中国のインターネット業界では新しいものではない。 WeChatによってその名を知られるテンセントは、ソーシャルネットワーキング製品があと押しするゲームの収益に特に依存している。TMEも同様に、音楽をテーマにしたライブストリームで仮想アイテムを販売することにより、大部分の収益を挙げているが、音楽ストリーミングアプリの月間アクティブユーザー6億5700万人の中で支払いをしているのはわずか6%に過ぎない。また、中国のオンライン音楽市場が飽和状態にあることから、月間アクティブユーザー(MAU)の成長も足踏み状態となり、2017年から2020年までの間に、TMEが獲得した音楽ストリーミングサービスの新規ユーザー数は5000万人にとどまっている。問題は、この音楽の巨人が隣接するオーディオ部門に新しい命を吹き込むことができるかどうかだ。

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(翻訳:sako)

約2万円でプロ並の性能を楽しめる万能マイク「Rode Wireless GO」、新色と付属アクセサリーでさらに進化

オーディオ業界をリードするRode(ロード)は、移り変わりの激しいクリエイター業界のニーズに常に対応し、YouTuber、ポッドキャスター、InstagramやTik Tokなどのメディア通に多数の新製品を申し分ない価格で提供し続けている。Rode Wireless GOのマイクシステムは、その中でも最もすばらしい製品と言えるかもしれない。報道のプロが使用していたような高価なワイヤレスのマイクパックシステム相当の品質を備えた製品が、199ドル(約2万1000円)という非常に魅力的な価格で大衆向けに提供されている。設定や使用法も実に簡単だ。今回同社は、Rode Wireless GOの新バーションであるホワイトと、すでに柔軟性に優れた同オーディオデバイスにさらなる汎用性をもたらす新たなアクセサリーを発表した。

著者はWireless GOが発売されて以来のファンであり、これまでにオリジナルのブラックバージョンをさまざまな場面で使用してきた。ホワイトバージョンは、オリジナルの優れた点を損ねることなく、薄い色の服を着用した際のビデオ撮影に適したライトカラーオプションを提供する。Wireless GOに馴染みのない読者のために説明しよう。この製品はトランスミッターとレシーバー(背面には衣服に取り付けるためのクリップ付き)の2点セットで、それぞれUSB-C経由で充電が可能。防風マイクマフ、充電ケーブル、3.5mmオーディオケーブル、持ち運びケースが付属する。

トランスミッターとレシーバーは同期されているため、電源を入れるだけで簡単に使用開始できる。トランスミッターにはマイクが内蔵されており、首元に取り付ければすぐに音を拾って飛ばすことができる。レシーバーパックはデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラのコールドシューマウントに簡単に取り付けできて、付属の標準オーディオケーブルをカメラのマイクインプットに接続すれば直接録音が可能だ。

Rode Wireless GOのUSB-Cポートはオーディオアウトプットとしても機能するため、USB-CヘッドセットやUSB-C-3.5mmアダプターを使用してパックから直接音声をモニタリングすることもできる。トランスミッター側には3.5mmインプットがあり、ラベリアマイク(またはその他のマイク)を接続してオーディオシステムをさらに向上させることができる。ラベリアマイクといえば、Rodeは独自のLavalier GOラペルマイクの新バージョンであるホワイトを展開しており、これも高品質のサウンドを生み出す、手頃な価格のすばらしい製品だ。以下では、GO本体からの直接の音と、トランスミッターに接続されたLavalier GOを使用したサンプルの両方を比べて聞くことができる。

Wireless GOは汎用性が高く、幅広い用途で活躍してくれる。たとえばビデオ会議に使用するために、著者のメインの仕事用MacのUSBオーディオインターフェースに接続しておく。会議の時間になり電源を入れるだけで、こちら側のこもったような低品質の音が解決し、相手はとても聴きやすくなるわけだ。外出先でもWireless GOはポッドキャスティングにうってつけのオプションだ。ワイヤレスイヤフォンやデバイスの内蔵マイクと比較してはるかに優れたサウンドを提供してくれる。その上、同様に高品質のほとんどのUSBマイクと違い同製品はきわめてポータブルである。

Rodeは今回のローンチと同時に複数のアクセサリーも発表。さらに多くの用途に対応できるようになった。たとえばThe Interview GOアダプターを使用すれば、トランスミッターを手持ち式のマイクグリップに取り付け、風音や破裂音を減らすフォームフィルターを装着させてスティックマイクに変身させることができる。つまり、通行人のカメラインタビューや、多くの報道陣が殺到する現場での取材に参加する際に持ち運ぶマイクが1つ減らせるというわけだ。

Rode Wireless GOのトランスミッターを、話し手の衣服のどこにでも簡単に取り付けることができる新しい磁石式クリップアタッチメントも用意されており、これで首元や裾に留める必要がなくなる。これはどんな服装にでも柔軟に対応できるという点で非常に革新的で、装置の写り込まないクリーンなビデオショットが撮りたい場合に活躍する。

同社のWireless GOは、他のオーディオアプリケーションで役立つ裏技も持ち備える。たとえば、ヘッドフォンセットに使用するとレイテンシフリーのワイヤレスコンバーターとして機能する。トランスミッターの3.5mmポートにインプットを接続し、ヘッドフォンセットをレシーバーに接続すれば完成だ。

どの観点から見てもまったく妥協のない、万能なマイクシステムを見つけるのは至難の技ではあるものの、Rode Wireless GOはこの価格帯で得られる比類なき完璧なマイクと言っても過言ではない。Go本体は199ドル(約2万1000円)、Lavalier GOは79ドル(約8400円)である。トランスミッター用の磁石式クリップのMagClipは19ドル(約2000円)で、手持ち式マイクアダプター、Interview GOは29ドル(約3000円)だ。

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Category:ハードウェア

Tags:Rode Rode Wireless GO ポッドキャスト

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(翻訳:Dragonfly)

約2万円でプロ並の性能を楽しめる万能マイク「Rode Wireless GO」、新色と付属アクセサリーでさらに進化

オーディオ業界をリードするRode(ロード)は、移り変わりの激しいクリエイター業界のニーズに常に対応し、YouTuber、ポッドキャスター、InstagramやTik Tokなどのメディア通に多数の新製品を申し分ない価格で提供し続けている。Rode Wireless GOのマイクシステムは、その中でも最もすばらしい製品と言えるかもしれない。報道のプロが使用していたような高価なワイヤレスのマイクパックシステム相当の品質を備えた製品が、199ドル(約2万1000円)という非常に魅力的な価格で大衆向けに提供されている。設定や使用法も実に簡単だ。今回同社は、Rode Wireless GOの新バーションであるホワイトと、すでに柔軟性に優れた同オーディオデバイスにさらなる汎用性をもたらす新たなアクセサリーを発表した。

著者はWireless GOが発売されて以来のファンであり、これまでにオリジナルのブラックバージョンをさまざまな場面で使用してきた。ホワイトバージョンは、オリジナルの優れた点を損ねることなく、薄い色の服を着用した際のビデオ撮影に適したライトカラーオプションを提供する。Wireless GOに馴染みのない読者のために説明しよう。この製品はトランスミッターとレシーバー(背面には衣服に取り付けるためのクリップ付き)の2点セットで、それぞれUSB-C経由で充電が可能。防風マイクマフ、充電ケーブル、3.5mmオーディオケーブル、持ち運びケースが付属する。

トランスミッターとレシーバーは同期されているため、電源を入れるだけで簡単に使用開始できる。トランスミッターにはマイクが内蔵されており、首元に取り付ければすぐに音を拾って飛ばすことができる。レシーバーパックはデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラのコールドシューマウントに簡単に取り付けできて、付属の標準オーディオケーブルをカメラのマイクインプットに接続すれば直接録音が可能だ。

Rode Wireless GOのUSB-Cポートはオーディオアウトプットとしても機能するため、USB-CヘッドセットやUSB-C-3.5mmアダプターを使用してパックから直接音声をモニタリングすることもできる。トランスミッター側には3.5mmインプットがあり、ラベリアマイク(またはその他のマイク)を接続してオーディオシステムをさらに向上させることができる。ラベリアマイクといえば、Rodeは独自のLavalier GOラペルマイクの新バージョンであるホワイトを展開しており、これも高品質のサウンドを生み出す、手頃な価格のすばらしい製品だ。以下では、GO本体からの直接の音と、トランスミッターに接続されたLavalier GOを使用したサンプルの両方を比べて聞くことができる。

Wireless GOは汎用性が高く、幅広い用途で活躍してくれる。たとえばビデオ会議に使用するために、著者のメインの仕事用MacのUSBオーディオインターフェースに接続しておく。会議の時間になり電源を入れるだけで、こちら側のこもったような低品質の音が解決し、相手はとても聴きやすくなるわけだ。外出先でもWireless GOはポッドキャスティングにうってつけのオプションだ。ワイヤレスイヤフォンやデバイスの内蔵マイクと比較してはるかに優れたサウンドを提供してくれる。その上、同様に高品質のほとんどのUSBマイクと違い同製品はきわめてポータブルである。

Rodeは今回のローンチと同時に複数のアクセサリーも発表。さらに多くの用途に対応できるようになった。たとえばThe Interview GOアダプターを使用すれば、トランスミッターを手持ち式のマイクグリップに取り付け、風音や破裂音を減らすフォームフィルターを装着させてスティックマイクに変身させることができる。つまり、通行人のカメラインタビューや、多くの報道陣が殺到する現場での取材に参加する際に持ち運ぶマイクが1つ減らせるというわけだ。

Rode Wireless GOのトランスミッターを、話し手の衣服のどこにでも簡単に取り付けることができる新しい磁石式クリップアタッチメントも用意されており、これで首元や裾に留める必要がなくなる。これはどんな服装にでも柔軟に対応できるという点で非常に革新的で、装置の写り込まないクリーンなビデオショットが撮りたい場合に活躍する。

同社のWireless GOは、他のオーディオアプリケーションで役立つ裏技も持ち備える。たとえば、ヘッドフォンセットに使用するとレイテンシフリーのワイヤレスコンバーターとして機能する。トランスミッターの3.5mmポートにインプットを接続し、ヘッドフォンセットをレシーバーに接続すれば完成だ。

どの観点から見てもまったく妥協のない、万能なマイクシステムを見つけるのは至難の技ではあるものの、Rode Wireless GOはこの価格帯で得られる比類なき完璧なマイクと言っても過言ではない。Go本体は199ドル(約2万1000円)、Lavalier GOは79ドル(約8400円)である。トランスミッター用の磁石式クリップのMagClipは19ドル(約2000円)で、手持ち式マイクアダプター、Interview GOは29ドル(約3000円)だ。

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Category:ハードウェア

Tags:Rode Rode Wireless GO ポッドキャスト

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(翻訳:Dragonfly)

Googleがポッドキャストアプリにリスナー分析機能を追加

あのGoogleも、ポッドキャストでは必ずしも業界をリードしていない。何年もの間Google Playの同カテゴリーでサードパーティーデベロッパーの独占を許してきたあと、同社は2018年に自前のPodcastsアプリを公開した。しかし、その後もApple(アップル)が長年培ってきたこの分野における第2位の座はSpotifyが大差で維持している。

関連記事:Google Podcasts is finally available on iOS

しかし米国時間5月5日、Googleは重要な新機能を追加した。プロデューサー向けの分析機能をGoogle Podcast Mangerツール経由で提供する。番組オーナーがユーザーの利用状況を見るためには、所定の承認プロセス(iTunesやSpotifyでおそらく既に経験済みのものと似ている)を経る必要がある。

分析機能はかなり詳細で、リスナー数や再生時間などの基本的数値の他に、ある番組中にリスナーがどこから聞き始め、どこで離脱したかもわかる。スマートフォン、タブレット、デスクトップ、スマートスピーカーなど、リスナーがどんな機材で聴いているかも見ることができる。

今回の新機能追加は、最近のiOSアプリデビューに合わせたPodcastsのデザイン変更に続くものだ。

画像クレジット:Maskot / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotify傘下のAnchorがビデオチャットを音声ポッドキャストにするツールをリリース

新型コロナウイルス(COVID-19)によるリモートワークが拡大する中、Spotifyはビデオ会議、ビデオ通話をポッドキャストの普及に役立てようとしている。Spotifyのポッドキャスト作成プラットフォームは2019年に1億4000万ドル(150億円)前後で買収したAnchorだ。米国時間4月28日、同社はビデオチャットやビデオハングアウトを誰でも簡単にポッドキャスト化可能な音声ファイルに変換する機能をリリースした。 ビデオファイルからオーディオトラックを抽出する変換ツールはGoogle Meet、Zoom、Skype、Apple FaceTime、Twitch、Instagram Liveなどの人気あるビデオチャットのプラットフォームに対応する。

またローカルで作成したmp4とmovファイルもAnchorにアップロードすればポッドキャスト用に変換してもらえる。

ビデオをオーディオに変換する手順は簡単だ。ビデオチャットのビデオファイルをローカルにダウンロードし、次にAnchorのウェブでAnchorのプラットフォームにアップロードすればよい。

変換されたファイルは、Anchorプラットフォームの編集ツール、エピソードビルダーに即座に表示される。ユーザー自由にトリミング、カット、ペーストその他の編集ができる。AnchorにはBGMや各種サウンドエフェクトを付加する機能があり、音声を録音して追加することもできる。

Anchorは自身でポッドキャストをホストする他、主要なポッドキャストプラットフォームに無料で配信する。ターゲットにはSpotifyはもちろんApple Podcast、Google Podcast、Overcast、Breaker、Castboxなどが含まれる。

手間取る可能性があるのはビデオの変換ではなく、ビデオチャットからビデオファイルを作成するところだろう。

グループチャットのビデオをダウンロードするプロセスは、利用したプラットフォームによって異なる。Anchorの発表には「ビデオチャット録画のハウツー」セクションが設けられ、多数のビデオチャットのヘルプページへのリンクが用意されている。 ただし、ビデオをエクスポートするには有料アカウントが必要になるサービスもあるので注意が必要だ。

またYouTubeは動画を.mp4または.mov形式にダウンロードする方法を公式には提供していない。しかしGoogleで検索すればYouTube動画を取得するヒントが見つかるかもしれない。

Anchorの新機能を使用するには当該ビデオを使用するライセンスとビデオチャット参加者の許可が必要なのはもちろんだ。

新機能は新型コロナウイルスによる大混乱の最中という時期にタイミングよく登場した。ソーシャルディスタンス確保の要請や外出禁止命令により、ユーザーはスタジオなどでゲストと直接対面して会話を録音することができなくなっている

他方、ポッドキャストでは学校や職場が閉鎖され、リモートワークやホームスクーリングに移行することとなったため人々の日常が混乱し、数週間にわたってリスナーの減少がみられた。レイオフされたりスモールビジネスを維持するために苦闘するケースも多かった。そういう状況ではポッドキャストに耳を傾ける時間や心の余裕が持ちにくい。

これによりロックダウンの最初の数週間はポッドキャストのリスニングが減少した。しかしNiemanLabのレポートによれば、先週のポッドキャストのダウンロード数は4%アップ、オーディエンス数は2%アップと、少しずつ回復している

ポッドキャストの制作に関しては事情が異なる。AnchorはTechCrunchに対し「先月、Spotifyにおけるポッドキャストの制作数は大幅に増加した」と語っている。

2020年3月にSpotifyに投稿された新しいポッドキャストの数は対前月比69%増の15万本弱となっている。これはSpotifyにおけるポッドキャストの月間オーガニック成長率で最大のものだという。

ビデオからオーディオへの変換サービスは本日、米国時間4月28日に全ユーザー向けてにウェブで公開される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

経験豊富なポッドキャスターに愛用機材やワークフローを聞く

ポッドキャストのいいところは誰でもすぐに始められることだ。ポッドキャストを作るのは見るのと同じくらい簡単だ。こういうメディアは他にないだろう。しかも複数の人間がまったく同じポッドキャストをすることはありえない。NPRの完備したスタジオからUSBスティクとSkypeという手軽なセットアップまでやり方は無数にある。2020年3月TechCrunchに「家に閉じこもる今、ポッドキャストを始めるためのヒント」という記事を書き、これまで使ってきた各種のハード、ソフトについて紹介した。

最近、私のポッドキャストに作家、ジャーナリスト、ポッドキャスターのSarah Enni(サラ・エンニ)氏がリモートインタビューで登場し、ポッドキャストを始めた経緯やセットアップについて詳しく語ってくれた。

エンニ氏も(私同様)、新型コロアウイルス(COVID-19)の流行で「直接に会って話す」というアプローチを修正せざるを得なかったという。エンニ氏のFirst Draftは著名な作家、アーティストにインタビューするポッドキャストだ。最近、 アメリカで本が出版されるまでのステップを詳しく紹介するTrack Changesというミニシリーズをスピンオフさせている。

以下はエンニ氏のインタビューをまとめたものだ。

2014年に私(サラ・エンニ)はワシントンD.C.で司法関係を扱う記者をしながら著作家を目指していた。NPRのスター司法記者であるNina Totenberg(ニーナ・トテンバーグ)のような存在になりたいと願っていたわけだ。これがきっかけで私は「First Draft」(第1稿)というポッドキャストを始めた。

司法記者として大勢の上院議員や弁護士に取材してきたが、そのとき使っていたのは小さいICレコーダーだったので、ポッドキャストとなればもっとまともな音質でしかもポータブルなマイクと録音装置が必要になった。

まずZoom H2n ハンディーレコーダーを選んだ。これはステレオでもサラウンドでも収録できる小型マイクで、ポッドキャストを始めて最初の2年はこのマイクを三脚に載せて著作家のインタビューに使った。Zoomは手頃な価格だが優れた音質で持ち運びにも適しており、コンパクサイズで相手と顔を合わせてインタビューするときに最適だった。First Draftは作家、著作家に対するロングインタビューがテーマで、「直かに会って話す」のは打ち解けた空気を作り、相手の本音を引き出すために必須と考えた。

収録データは外部ハードディスクにバックアップし、GarageBandで編集した。ヘッドホンはSony MDR-7506 を使い、LibSynでインターネットにアップした。

3年ほど前にポッドキャストをリニューアルしようと決心した。Hayley Hershman(ヘイリー・ハーシュマン)氏にプロデューサーをお願いした。ハーシュマン氏はオンデマンド契約のプロデューサーでセットアップにも詳しく、新しいシステムを紹介してくれた。Zoom H2nをZoom H6にアップグレードし、カーディオイド型コンデンサーマイクのShure BETA 87Aを併用することにした。

携帯についてはTimbuk2のドップキットバッグを購入し、 ポータブルスタジオとして使うことにした(下のGIF画像参照)。これらをGoRuck GR1に詰めて運んでいる。ちなみにGoRuckとはとても相性がいい。他のバックパックではてきめんに肩、腰を傷めてしまう。なおインタビューのときには必ず質問事項を事前にまとめて用意して行く。手書きのほうがゲストをリラックスさせるのに良いようだ。

インタビューはZoom H6nで収録し、オーディオファイルをAirTableにアップロードする。AirTableは私のチームが制作プロセスの管理に使っているスプレッドシートとデータベースを統合したツールだ。ポッドキャストを始めてからの5年間で発見した中で最高のツールだと思う。AirTableは私のポッドキャストのワークフローを全面的に変えた。インタビューと付随するボイスオーバーのオーディファイルと編集指示のテキストをまとめてAirTableにアップしてしまう。

プロデューサーはその通知を受けるオーディオブック制作ツールのHindenburgで編集する。各回のエピソードが完成するとプロデューサーはLibSynにドラフトとしてアップする。私はエピソードをチェックした上でLibSynとSquareSpaceを使って私のウェブサイトで公開するという手順だ。その後でさらに文字起こしツールのTemiにアップロードしてテキスト化する。

パンデミック以前の245本のポッドキャストはすべて相手に直接に会ってインタビューしていた。しかし新型コロナウイルスの感染が問題となり始めたため、パンデミックに進展する前からZoomやSkypeを使い始めた。インタビューを依頼し、日程を決めるときにUSBマイクやスマートフォンのボイスメモアプリを使ってリモートで会話を録音にしてもらうよう依頼した。するとプロデューサーはこうしたファイルをつなぎ合わせ、ブラッシュアップしてゲストと私があたかも対面して会話しているような雰囲気を作ってくれるわけだ。

現在、私はTrack Changesという米国の書籍出版の内幕を紹介するミニシリーズを製作している。機材や仕事のワークフローは上で紹介したとおりだ。新型コロナウイルスのために直接インタビューすることができなくってしまったことを別にすれば、プロデューサーとのコミュニケーションにはAirTableを使っており、ハードウェアもそれ以前と同じだ。しかし新シリーズの編集作業のためにGoogleドキュメントでのファイル共有や電話打ち合わせの回数は増えているかもしれない。

5年間インタビューのポッドキャスティングを続けてきたわけだが、新シリーズでは1つのストーリーに沿ったノンフィクションの制作に挑戦している。困難は多々あるが、こうした新しい試みに没頭できることをたいへん幸運だと考えている。

以上がサラ・エンニ氏へのインタビューとなる。また、著名なポッドキャスターにワークフローや使っているハード、ソフトについてインタビューしてきたので参考にしていただきたい。

RiYL remote podcasting edition
Family Ghosts’ Sam Dingman
I’m Listening’s Anita Flores
Broken Record’s Justin Richmond
Criminal/This Is Love’s Lauren Spohrer
Jeffrey Cranor of Welcome to Night Vale
Jesse Thorn of Bullseye
Ben Lindbergh of Effectively Wild
My own podcast, RiYL

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

家に閉じこもる今、ポッドキャストを始めるためのヒント

もう過去5年以上ポッドキャストをしてきたが、これまではゲストと直接顔を会わせてインタビューできない場合、オファーを断ってきた。リモートで優れたポッドキャストを行う人々は大勢おり、私自身も何回か(そこそこのレベルで)番組に出たことがある。しかし直接、会ってインタビューすることの代わりにはならない。動画や音声がクラウドを通過する間にあまりに多くのニュアンスが失われてしまうからだ。

しかしこの数週間、そういう贅沢は言っていられないことになった。ゲストと直接対話して配信するというオプションは当面使えない。そこで自他の安全を確保しつつ高品質のポッドキャストを作るために、かなりの時間を費やしてハード、ソフトを研究してみた。長めの記事だが、自宅でポッドキャストを始めようと考えている大勢の人々のヒントになれば幸いだ。

ただしいくつかの注意点がある。まずはデマや未確認情報を拡散するなというCDCの警告だ。新型コロナウイルスの影響は広汎で職場、私生活をはじめとして社会生活全般に及ぶ。そうした変化に不用意に触れることはCDCの警告を無視することになる。また退屈した人間が他の人間を退屈に巻き込むつもりなのか、YouTubeにはくだらないポッドキャストが山ほど投稿されている。私は以前から多数のポッドキャストが生まれるのは良いことだと主張してきたが、パンデミックはその主張を検証してくれるものになるでしょう。

2番目の注意点は、これは他のハウツー記事でも同様だが、あくまで現在の状況で私個人にとって最適な解だという点だ。何が最適なのかは、人や状況によって異なる。

ポッドキャストを配信していて気づいた点の1つは視聴者は寛容だということだ。CNNを見ているときと不安定なSkypeを介して専門家の意見を聞いているときでは期待のレベルが違う。ウェブカメラの質が悪いことなどポッドキャストの視聴者は気にしない。そうであっても利用できるリソースで可能なかぎり最高の品質を配信したいと考えるのは当然だ。

私はジャーナリストという職業がら、多数のハードウェアをテストできた。そこで高価なスタジオをレンタルしなくても現在市場に出まわっているUSBマイクに十分な能力があることが確認できた。

BlueのYetiといったマイクはポッドキャストやリモートインタビュー用として十分な品質があると一般に認められている。しかしポッドキャスト、YouTubeチャンネルの利用が拡大するにつれて多数のメーカーがこの分野に参入している。

現在、AKGのLyra(写真左)を使っているが、音質に十分満足している。価格はBlueのYetiと同程度、Yeti Pro(写真右)より100ドル(約1万1100円)ほど安い。Lyraのデザインは非常にスマートだが、私の環境ではやや浮いて見える。Lyraには4つ集音パターン(フロント、フロント&バック、タイトステレオ、ワイドステレオ)があり、どれに設定されているか前面のランプでひと目でわかる。コントロールは非常にシンプルでわかりやすい。せっかく定評あるUSBマイクを使いながら大勢のユーチューバーがマイクの設定を間違えて非常に品質の悪い音声を配信していることを考えるとこれはこの点は大きなプラスだ。

もうひとつ、マイク用のウィンドスクリーンを買っておくことを強く勧める。上の写真でLyraにクリップで取り付けてあるのはEJT Upgraded Microphone Pop Filterだ。サイドに幅を調整できる万力タイプのグリップがあり、さまざまなマイクに取り付けることができる。10ドル(約1100円)以下の買い物だが安いウィンドスクリーンでも音質に大きな違いが出る。ポッドキャストを編集してみれば、不愉快な息継ぎ音や風音を除く手間が格段に減っていることに驚くはずだ。

次点にRodeのNT-USB Miniを挙げておく必要がある。ミニサイズなのに強力でサウンドは驚くほど良い。もっともRodeの製品だから当然かもしれないが、99ドル(約1万1000円)という低価格はやはりすばらしい。Blue Raspberryと並んで携帯性が高い低価格マイクの定番だ。また旅行が可能になったら出先に持っていくマイクにはこれを選ぼうと思っている。マイクは付属のデスクトップスタンドに磁石で吸着するようになっており、外してアームや別のスタンドに取り付けるのが非常に簡単だ。

ただし私がどうしても手放せない重要なBlueのプロダクトが1つある。私はポッドキャストの録音では耳をすっぽり覆うタイプのヘッドフォンを使う。BlueのMo-Fiは大型で頑丈でまさにこの目的に理想的だ。着け心地のいい大型のイヤーパッドは環境雑音をきれいにブロックしてくれる(私はニューヨークのアパートメントビルに住んでいる)。たいていの場合、手近にあるヘッドフォンで用が足りはずだが、これから本格的にポッドキャストを始めるのであれば良質のヘッドフォンに投資することを考えてもいいだろう。

ポッドキャスト用のカメラはMac内蔵のウェブカメラを使っている。上でも言ったように視聴者は画質には寛容だ。それでもポッドキャストを制作したら公開する前にカメラのテストをしておくことを強く勧める。まずフレーム内に何が写っているかを確認する。カメラアングルを変えることができるなら、いろいろ動かして最適な背景を探してみよう。ただしカメラアングル以上に重要なのは照明だ。

正直、私自身まだ照明のセットアップに納得できていない。現状は……「間にあわせ」に近いかもしれない。

Macの上の天井のソケットに取り付けた小さいベッドサイドランプだ。ビデオで私の眼鏡に反射するのが見えるだろう。

ソフトウェアではいくつかのオプションを使っている。オーディオのみのポッドキャストならZencastrがやはり優れている。ポッドキャスト用に最適化されており、複数トラックを個別、同時にクラウドへアップできる。同社は今回のパンデミックに対応して無料枠を大幅に拡大し、ポッドキャスティングの普及を図っている。

現在製作中で未発表の分も含めてビデオポッドキャストの場合、録音はAudacityでローカルに行いSkypeを使ってアップロードしている。Zencasterは優れたアプリだが、共同ホストの1人に接続問題を起こすのでもっと伝統的なやり方をしているわけだ。

パンデミックになってビデオポッドキャストのオプションをあれこれ試しているが、今のところ気に入っているのはZoomとYouTube Liveの組み合わせだ。しかしZoomからYouTubeまたはFacebookでダイレクトにストリーミングするには、有料のアカウントを取得する必要がある。最も安いプランが月額14ドル(日本では2000円/月)だ。私は少なくとも新型コロナウイルスの流行がひと段落するまで有料プランにしておくつもりだ。

Zoomの良い点は参加者がログインすべき時間を指定できる点だ。プレミアムメンバーになれば参加者はダイアルアップでオーディオだけの参加もできる。世界に向けてライブ配信する前に、テストビデオを非公開で配信しすべてが正常に稼働していることを確認しておくことを強くお勧めしておきたい。予定されているゲストには開始時刻の少なくとも数分前に参加をしてもらいデバイス、ソフトなどの動作を確認するようにしよう。

Zoomがユーザーの YouTubeアカウントに接続するために少なくとも24時間は必要だ。トラブルシューティングの時間も考えててライブ配信の始める数日前にZoomの設定を済ませておく。

ライブになってからは配信状況のモニターはYouTube Studioを利用する。視聴者からコメントの処理なども簡単だ。私はポッドキャストの時間を通してギャラリーモードに設定している。これは参加者全員が常時ディスプレイに表示されているので面倒な操作が不要だ。アーティストがゲストで音楽のパフォーマンスがある場合は単一カメラモードとし、その参加者のカメラに切り替えている。もっと高額のプランに切り替えると画面に透かしロゴが入るが、機能に問題はない。サービスには基本的なエディターが含まれており、配信の開始、終了部分トリミングすることができる。

さらに洗練された手法もあるのだろうが、前にも述べたようにポッドキャストであれば視聴者はあまり細かい点は気にしない。例えオンラインにせよ、誰かが仲間になって楽しく時間が過ごせればそれだけで喜んでくれる視聴者も大勢いるのだ。

最近公開したポッドキャスト:

I’m Listening’s Anita Flores
Let’s Talk About Cats’ Mary Phillips-Sandy and Lizzie Jacobs
Broken Record’s Justin Richmond
Criminal/This Is Love’s Lauren Spohrer
Jeffrey Cranor of Welcome to Night Vale
Jesse Thorn of Bullseye
Ben Lindbergh of Effectively Wild
My own podcast, RiYL

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpotifyがポッドキャストのAPIを公開するもストリーミング機能は含まれず

Spotifyがポッドキャストのカタログを他社のアプリに公開する。米国時間3月20日に同社は、ポッドキャスト関連の新しいAPIを発表した。この新しいAPIを使って他社製アプリからSpotifyに接続し、利用者のポッドキャストライブラリの管理、ポッドキャストのカタログの検索、番組やエピソードの詳細情報の取得ができるようになるという。

これはより多くのデベロッパーにアプローチし、Spotifyのポッドキャストのユーザーベースを増やす上で重要な意味がある。さらに、Spotifyにしかない番組をそれ以外のアプリユーザーに知ってもらうことにもなる。

【略】

Spotifyは、ポッドキャストの制作や管理を手がけるテックスタートアップや、業界トップクラスの番組を配信していたThe RingerGimletParcastなど多くのポッドキャストネットワークを買収した。ポッドキャストに投資したことで、聴取時間は前年比200%となり、ターゲット広告の技術向上により広告収入の増加にもつながった。

現在、70万にものぼるポッドキャストの多くはSpotifyでの限定配信だ。したがって、限定の番組を聴くにはSpotifyを利用する必要がある。

つまり、ポッドキャストをストリーミングするリスナーはSpotifyアプリを使わなくてはならないということでもある。Overcast、Pocket Casts、Breaker、Castro、その他たくさんのお気に入りのアプリでは聴けない。

残念ながら、新しいAPIの登場でこの状況が変わるわけではない。

新しいAPIはポッドキャストの発見、検索、番組の管理をするものであり、他社のアプリでSpotifyのポッドキャスト、限定の番組、オリジナル番組をストリーミングするものではない。

新しいAPIは他社製アプリで利用者のSpotifyライブラリに番組をインポートしたり、カレンダーアプリと統合したり、Spotifyユーザーが自分の聴いているものを友達に共有したりするのに役立つだろうと同社は予想している。

Spotifyは発表の中で次のように述べている。「ポッドキャストのAPIの公開は、現在の我々にとって大きな意味がある。我々はポッドキャストリスナーにとっての新しい価値の創造を追求している。デベロッパーコミュニティが創造性を発揮し、まだ進出していない領域にSpotifyが広がっていくことを楽しみにしている」

この新しいポッドキャストのAPI公開に先立ち、Spotifyはフィードバックを得るために外部との統合を開発する一部のパートナーと連携していた。同社はAPIの設計を何度か変更し、デベロッパーがすぐに使い始められるようにしている。ただし、今後半年間はこのプロジェクトにしっかりと取り組み、さらに広く利用できるように改良する計画であるとしている。

今後はSpotifyのデベロッパー向けWebサイトで新しいアプリが取り上げられるものとみられる。

画像:Getty Images

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(抄訳:Kaori Koyama)

Zencastrが趣味でポッドキャストを公開する人のためにアカウントの制限を一部解除

退屈だからといってポッドキャストを始めるなんて、やめてもらいたい。とはいえ、COVID-19の影響でそんなことをしたら、ポッドキャストが山ほど誕生するだろう。延々家に閉じ込められているから、あれこれおしゃべりして公開する時間はいくらでもある。

リモートポッドキャスターのための使いやすい録音ツールのひとつであるZencastrには、有料の「Professional(プロ)」と無料の「Hobbyist(愛好家)」アカウントがある。米国時間3月17日、Zencastrは愛好家アカウントの制限を緩和した。ゲストは最大2人、録音できる時間が1カ月に1時間までという制限を解除する。このポリシーは7月1日まで適用される。それまでには自由に出かけられるようになるといいのだが。

筆者は、ポッドキャストのガイドラインについて書いた中で、SkypeやZoomなどの仮想会議プラットフォームの代替としてZencastrを挙げたことがある。オンラインで同時に話している各人のトラックを自動で録音してアップロードする機能があり、編集をする際にはきわめて便利だ。

画像:pixdeluxe / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

音声コンテンツの新たな指標を目指す「JAPAN PODCAST AWARDS」が開催決定、エントリー受付を開始

優良なポッドキャストを発掘し応援する「JAPAN PODCAST AWARDS」の開催が決定し、本日よりエントリーの受付を開始した。企画、制作はニッポン放送で、オトバンク、Radiotalk、SPOON、himalayaが協力企業として、Spotifyが協賛企業として参加している。

同アワードの目的は「ファンを獲得し熱狂を生んでいながらも、世の中になかなか周知され辛い、本当に優良なオリジナル音声コンテンツを発掘する」こと。同アワードが音声コンテンツの新たな指標となることで、日本でもポッドキャストを含む音声コンテンツが今まで以上に聴かれるようになることを目指す。

本日より始まった一般公募では、専用応募フォームよりエントリーを受付。応募条件は(1)オリジナルの音声コンテンツであること(2)2019年の間に1回でも世に配信されていること(3)日本語圏に向けた音声コンテンツであること。

一次審査では、全ての作品を実行委員会が聴いた上でノミネート20作品を選出。最終審査では選考委員による審査を行う。本日第一弾として発表されている選考委員の4名は、テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏、メディアコンサルタントでBuzzFeed日本版の創刊編集長を務めた古田大輔氏、LINE取締役CSMOの舛田淳氏、そしてアンジェルムおよびハロー!プロジェクトを卒業した和田彩花氏。その他の選考委員は後日発表される予定だ。

選考基準は、今、絶対に聴くべきか、もっと世の中に知られるべきか、そして、そのポッドキャストを通じて、製作者が新しい視点を生み出しているか。

審査の後、最も評価の高かった作品がJAPAN PODCAST AWARDS大賞を受賞する。2020年4月には受賞式が開催される予定だ。大賞とは別に、Spotifyが選ぶ優秀作品に贈られる特別賞のSpotify賞が設置されている。

音声コンテンツプラットフォーマー各社が協力企業として、そしてSpotifyが協賛企業として参加しているJAPAN PODCAST AWARDSが、ポッドキャスト配信者の新たな指標、そしてモチベーションの源となり、日本でもより多くの優良な音声コンテンツが誕生し、注目を浴びることを期待したい。

米国の人気TVドラマ「ロー&オーダー」のインタラクティブ版を提供するSolveが約22億円を調達

20年間続いたTVドラマ「ロー&オーダー」が2010年に終了したとき、すでにそれは歴史上最も長く放映されたTVドラマの記録を樹立していた。その成功は、良質なミステリーの人気が衰えないことを証明するものともなった。

その路線に従い、同じ推理ドラマの需要の井戸を約1年掘り続けてきたロサンゼルスを拠点とするスタートアップであるSolve(ソルブ)は、新世代のメディア消費者向けにこのジャンルをアップデートしようと2000万ドル(約22億円)の資金を調達した。

社名と同じタイトルのソーシャルメディア向け番組はInstagramとSnap(スナップ)で楽しめるが、番組を配信し始めてから1年半でおよそ3000万件を超えるインタラクションを獲得した。今、Solveでは、急成長が見込まれる市場への入口となるラジオ局運営企業であるiHeartMedia(アイハートメディア)とApple(アップル)のプラットフォームで、ノンフィクションの犯罪物語をポッドキャスト配信しようと準備している。

当初Solveは、Vertical Networks(バーティカル・ネットワークス)というモバイル向けの娯楽番組制作スタジオでドラマシリーズとして作られていた。同社は、Tom Wright(トム・ライト)氏が舵を取り、Elisabeth Murdoch(エリザベス・マードック)氏 、ライト氏も経営に加わっているマードック氏のFreelands Ventures(フリーランド・ベンチャーズ)のファンドとSnapからの資金で運営されていた、モバイル用コンテンツの制作スタジオとして資金調達を行った先駆け的な企業だった。だが、モバイル中心の娯楽で儲けようという企業は、ほかにもたくさんあった。インターネット時代の大手メディア企業はみな独自のモバイル戦略を掲げている。

しかしマードック氏は、Solveを企業として独立させる仕事に専念させるためライト氏を更迭し、2カ月前にオンラインメディアのスタートアップWhistle(ホイッスル)に非公開の金額でVertical Networksを売却した。

「私は1年間、SnapとFacebookでのリスナーの動向データを深く、深く、深く観察しました」とライト氏。「(リスナーの)感性だと私が思っていたこのDNAが指し示す方角が、この形式だったのです」。

Vertical Networksが小さくなっていくのと同時に、Solveは、Lightspeed Venture Partners(ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ)、Upfront Ventures(アップフロント・ベンチャーズ)、Advancit Capital(アドバンシット・キャピタル)からの支援で勢いを増していった。

「メディア全体では、人気の高い犯罪ミステリー番組が驚くほど多く観られています。ポッドキャストの「Serial」や「Dirty John」、TV番組の「Making a Murderer」や「ロー&オーダー」、映画では「ユージュアル・サスペクツ」や「ゴーン・ガール」などです」と、Lightspeed Venture PartnersのパートナーであるJeremy Liew(ジェレミー・ルー)氏は声明の中で述べている。「ゲームはメディアとして第一級の地位を獲得しましたが、犯罪ミステリー形式のゲームはまだ同じような成功を収めていません。Solveが、その間違った状況を正してくれます」。

Solveのエピソードが、モバイル機器でソーシャルプラットフォームを利用しているオーディエンスの共鳴を生み出すゲーム要素は、シリーズの初期では控えめになっているとライト氏は言う。しかし今後は、そのインタラクティブ要素は拡大されていく予定だ。

iHeartMediaで「Blackout」や「Carrier」などを制作していたSalt Audio(ソルト・オーディオ)と共同で作られる10話からなる30分ドラマのシリーズでは、同じ「実際の事件を題材にした」物語形式がとられており、リークした音声ファイル、ボイスメール、法廷での証言、その他の証拠の提供を受けて、リスナーは殺人犯の割り出しに挑戦できる。

今のところSolveは、AppleやSnap、Facebook、iHeartMediaその他のプラットフォームでスタジオ制作の広告入りの番組を流すメディアという立場に満足していると、ライト氏は話す。これは、モバイル向けに番組を提供する専用のストリーミング・サービスを持ち、ハリウッドにある数々のメジャーなスタジオから支援を受けているQuibi(クイビー)などの制作スタジオとは異なる路線だ。

現在のペースから計算すると、Solveは毎月18本のオリジナルエピソードを制作することになる。40歳のライト氏にとって、Solveはスタートアップ界での4度目の挑戦となる。彼自身は犯罪ものやミステリーのファンではないが、エンゲージメントに関連するデータを見れば、そこにビジネスを立ち上げないわけにはいかなくなるとライト氏は話していた。

「インターネットは、タクシーからニュースから買い物まで、世界と私たちの関わり方に変革をもたらしました。私たちは、Solveもドラマとの関わり方を根本的に変えるものだと信じています」と、Upfront VenturesのMark Suster(マーク・サスター)氏は声明の中で述べている。「ただ見るだけではなくて、犯罪の謎を「Solve(解く)」ことが求められる短編動画というトムのビジョンを聞いたとき、そこには膨大な可能性があると感じました」。

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(翻訳:金井哲夫)

Spotifyはポッドキャスト強化に本気だ

静聴。Spotifyはポッドキャストの強化に本気だ。同社はこれまでもポッドキャストの普及に大金を使ってきた。大金といったらとんでもない大金だった!しかも今後さらに多額の投資をする構えだという。

もちろん音楽ビジネスも好調だ。しかしSpotifyは2019年だけでもポッドキャストのプラットフォーム整備に4億ドルから5億ドルも投資してきたのだからみんなポッドキャストを聞いてもらわないと困る。今週、Spotifyはすぐに好みのポッドキャストを開くことがきるボタンを導入した。

「ポッドキャストの好みのテーマ」を尋ねるこのポップアップは Vergeが最初に見つけたが、当面は米国、英国、メキシコ、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国とブラジルでまだポッドキャストを聞いていないユーザーに対して表示されるようだ。しかしすぐに世界のユーザーに表示されるようになるだろうと思う。Spotifyはポッドキャスト分野には比較的新しい参入者だ。今もポッドキャストは急成長を続けているが多くのリスナーはすでにお気に入りのポッドキャスト・プラットフォームを持っている。

そこでSpotifyはポッドキャストの強化に大変な力を入れており、多数の人気ポッドキャストを無料で提供するなどライバルとの差別化に懸命だ。今年は「2019年のまとめ」に音楽だけでなくポッドキャストも含めた。もっともこのリストには1、2回聞いただけのアーティストもフィーチャーされるが。

いずれにせ好みのポッドキャストを発見するディスカバリー・システムはきわめて重要だ。ユーザーの好みを推定して「お勧め」として表示する以外にどういう方法があるのか各プラットフォームとも試行錯誤を繰り返している。Spotifyでは同社のプラットフォームだけでなく、外部のポッドキャストも含めて推薦している。この方式が巨額の投資に見合うだけのリターンをもたらすかどうか興味深い。

【Japan編集部追記】Spotifyのデスクトップ・アプリのホーム左サイドバーには「ポッドキャスト」ボタンが表示される。また検索バーからカタカナで「ポッドキャスト」と入力すると日本語ポッドキャストを検索できる。Androidアプリではスクロールダウンすると「2019年、話題になったポッドキャスト」が表示される。また「検索」タブにも「ポッドキャスト」ボタンが表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Logitech傘下のBlueがポッドキャスト向きのUSBマイク「Yeti」の新モデル発売

Logitech(ロジテック)が2018年7月にBlueを買収した理由は明らかだ。この南カリフォルニアのオーディオ会社は、2005年に最初のSnowballを発売して以来、USBマイクロフォンの代名詞となっていたBLUEという頭文字は「Baltic Latvian Universal Electronics」から来たものだ。

その当時はニッチな製品だと思われていたものが、その後文化的な基準となり、会社も、ポッドキャスターたちやTwitchストリーマーたちにまず選ばれるような位置に押し上げられた。BlueのUSBマイクは、ポッドキャストやゲームストリーミングなどの目的のために購入できるものの中で最高の品質を提供するものではないが、そのプラグアンドプレイ機能は最初に登場したときはかなり革新的なものに思えた。

同社は最近ベストセラー商品のYetiに対して、長年待ち望まれていたアップデートを行った。そのYeti Xは、ほとんどの意図と目的にとってはわずかなアップデートだ。私はこの数週間、あちこちで少しずつ使ってみている。私は自分のポッドキャストの最新エピソードのエンディングをこれで録音したし、同僚記者のアンソニーにもオリジナルコンテンツのエピソードの録音のために数回貸し出している。

Blue Yeti X

洗練された黒塗装仕上げは別にして、最大の外装上の変化は、ボリュームノブの周りに配置されたリアルタイムLEDメーターの追加だ。これはちょっとしたことだが、ライブストリーマーにとっては重要なものだ。このモニタリング機能は、多くのストリーミングアプリではほとんど見当たらないか、アクセスするのに苦労するようなものだ。この機能を使えば、ピークがレッドゾーンに飛び込むようなときに、音声レベルを調整するためのヒントを得ることができる。

カプセルコンデンサー(マイクユニット)は3個から4個に増えて、サウンドは改善されている。YetiのサウンドはすでにUSBマイクの世界では確立されているが、それでも同社がその改善を続けているのは素晴らしいことだ。Yeti Nanoのような最近のマイクのいくつかに対しては、正直一歩後退したように感じていた。Xのサウンドは非常に明快である、私は準備中のリモートポッドキャスティングプロジェクトで全面的に採用する予定だ。

ちょっとPの音が耳障りなので、おそらく何らかのポップガード(マイクの前に置くフィルター)を探すことになるだろう。

まだ高品質のスタジオマイクの代わりにはならないが、それは問題ではない。もし真のホームポッドキャスティングスタジオを構築する財力と情熱がある場合には、おそらく他の機種を探したほうがいいだろう。Yetiは、幅広いカテゴリーに広がる大勢のホームブロードキャスター向けに存在している。パートタイムTwitchストリーマーやポッドキャストホビーストの多くは、この機種を気に入ることだろう。

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Blueには設定を微調整するための独自のソフトウェアがあるが、正直に言って重要なことは、基本的に箱から出せばすぐに使用できるという点だ。マイクの先端を自分の方に向けたくなるかもしれないが、そこは説明書に従って先端が上を向くようにしてほしい。背面には、ステレオ、カーディオイド、無指向性、そして双方向といった4種類の標準設定がある。ほとんどのポッドキャストスタイルの利用では、2番目の設定(カーディオイド、片方向に指向性が向けられた設定)を使用するだろう。ここで最も残念なことは、USB-CではなくmicroUSBを使うことを決定したことだ。どちら向きにでも挿せるUSB-Cケーブルと一緒にリリースすれば将来大いに役立つだろうに。

169ドル(約1万8000円)のYeti Xは初心者にとってかなりリーズナブルな位置付けの商品だ。そして確かに長期的には70ドル(約7600円)のSnowballよりもいい投資だ。

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(翻訳:sako)

Netflixオリジナルの「五行の刺客」はめちゃくちゃ面白いカンフードラマ

先週、TechCrunchではNetflixが先月配信したオリジナルドラマであるAnother Lifeについての座談会をポッドキャストで配信した。我々はこのシリーズを「最近10年ほどテレビから姿を消していた宇宙もののハードSFの復活」だと大いに評価した。

今月のNetflixの新オリジナルドラマ「五行の刺客」(Wu Assassins)もある意味リバイバル的なところがある。こちは1990年代の「新・燃えよカンフー」(Kung Fu:The Legend Continues)のような古き良きカンフー映画を思わせる。

詳しくは座談会のポッドキャストを聞いていただきたいが、「五行の刺客」はサンフランシスコのレストランのシェフであるカイが神秘的なパワーを獲得し、伝説の悪「五行の将」を倒し、シャイナタウンを守るために奮戦する。筋書きといいアクションシーンといいツッコミどころは多々あるがが、SFXもよくできていて大いにエキサイティングだ。リバイバルといっても1990年代のカンフーものに比べて格段に出来がいい。

魅力のひとつはカイを演じるインドネシアのスターであるイコ・ウワイス(「ザ・レイド」で主演、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」への出演などが有名) がアクションシーンで見せる圧倒的なパファーマンスだ。ウワイスはの祖父は、インドネシアやフィリピンなどに伝わる伝統的武術「シラト」の達人で、イコ・ウワイス自身もインドネシアのシラトの全国大会の型の部で優勝したことがあるという。

シリーズのプロデューサーはウワイスの相手役もマーシャルアーツの達人で固めたので、カンフーシーンの迫力は並大抵ではない。「五行の刺客」にはいくつか大掛かりなセットを組んだシーンもあるが、ふんだんに登場する格闘が強烈な暴力性とバレーの美しさを兼ね備えている。

さらにカイの敵役でチャイナタウンを牛耳る三合会の冷酷なボス、アンクル・シックスを演じるのがベテランのカンフースターであるバイロン・マンだ。マンにはカリスマがあり、アクション以外のシーンでやや経験が不足しているウワイスを補ってドラマに奥行きを与えている。ウワイスとマンの対決は最高の見せ場だ。マンが敵を叩きのめすところも大迫力だ。

ポッドキャストでは「五行の刺客」以外にもCBS-Viacom合併の背景や「アナザー・ライフ」についてのリスナーのコメントなどについても話し合っている。

ポッドキャストは下のアイコンから直接聞くことができるが、アップルのPodcastsにも登録されているのでサブスクリプションして好みのプレイヤーを使うことができる。フィードバックはこちらへ。ちなみにポッドキャストの33分52秒以降には「五行の刺客」のネタバレがあるのでご注意。

【Japan編集部注】Original Podcastのメンバーは、Anthony Ha、Jordan Crook、Darryl Etherringtonの3名。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

audiobook.jpがポッドキャスト配信者のマネタイズを支援、「課金システム」を提供開始

オーディオブックの配信サービス「audiobook.jp」を展開するオトバンクは8月1日、ポッドキャスト配信者に課金システムの提供を開始した。これにより、配信者はaudiobook.jpの「聴き放題プラン」と「単品販売」を通じ、ポッドキャストでロイヤリティ収益を得ることが可能となる。

オトバンクいわく、近年、ポッドキャスト市場は世界的に急成長している。特に市場が大きいというアメリカでは、「2018年のポッドキャストにおける広告収入が前年比53%、史上最高額となる4億7900万ドル(約520億円)に到達した」そうだ。

同社によると、ポッドキャストは日本でも徐々に注目番組や配信者が増えているなど一定の盛り上がりを見せている一方、「ポッドキャストの配信により収益を得られるシステムが少ない」といった課題が残っているという。

オトバンク代表取締役社長の久保田裕也氏は、「近年個人でポッドキャストを配信する例も増えていますが、サーバー費やコンテンツの制作費の負担により番組の継続が難しいという話も耳にします」と話す。そのため、この課金システムにより、オトバンクはポッドキャストの配信者が継続してコンテンツを配信できるように基盤構築を進め、新しいコンテンツ制作などに寄与していく。

また、久保田氏は「2009年ごろから一部ポッドキャストの有料化を行ってきましたが、限られた番組での実施にとどまっていました」と説明。だが、「昨年から聴き放題を開始し、ユーザーの求めるコンテンツニーズが多様化していること、またポッドキャストを提供する媒体としてもより親和性の高いものになったため」(久保田氏)、audiobook.jpでもポッドキャストの取り扱い、そして課金システムの提供を本格的に開始した。

本日より、audiobook.jpでは2種類のポッドキャストの配信方法を提供開始。1つ目は、「聴き放題プラン」の対象コンテンツとしての配信。配信者には再生時間に応じたロイヤリティが支払われる。そして2つ目は各コンテンツの「単品販売」。配信者には販売数に応じたロイヤリティが支払われる。

近年、声のブログ「Voicy」や「Radiotalk」などの音声配信プラットフォームが誕生してきた。noteでも音声コンテンツに対し料金を課することが可能となっている。ポッドキャスト配信者が活躍できる場は増えてきたが、今後、audiobook.jpの課金システムのような取り組みが増え、より多くの配信者が無理なく優良なコンテンツを継続的に配信できるような環境が整うことを期待したい。

オトバンクでは今後、順次ポッドキャスト配信者を増やしていくべく、応募を受け付けている。

Spotifyが音楽とポッドキャストをミックスしたプレイリストの提供を開始

ここのところ、Spotifyは音楽とポッドキャストの両方を含む「Your Daily Drive(毎日のドライブ)」という新しいプレイリストを一部でテストしていた

米国時間6月12日、同社はこのプレイリストを米国で正式にスタートさせた。同社によれば、米国全体で年間700億時間が車での通勤に費やされているという。

このプレイリストには、自分が「いいね!」した曲、同社のフラッグシップのプレイリスト「Discover Weekly」と同様のおすすめの曲に加え、The Wall Street Journal、NPR、PRI(Public Radio International)の最新のポッドキャストニュースも含まれる。特にNPR News Now、WSJ Minute Briefing、The Dailyを聞けるのが特徴だ。このミックスには時代を越えた定番の曲もちりばめられるという。

Spotifyが音楽とポッドキャストを組み合わせたプレイリストを提供するのは初めてだ。これは同社がポッドキャストのリスナ一を増やそうとする取り組みのひとつである。

ここ数カ月、Spotifyはポッドキャスト市場に投資してきた。GimletParcastAnchorなどを買収し、1週間ほど前に発表されたようにバラク・オバマ氏とミシェル・オバマ氏のプロダクションであるHigher Groundとも提携する。さらに『VOGUE』や『GQ』を出版しているCondé Nastの元エンターテインメント担当プレジデント、Dawn Ostroff氏をコンテンツ担当のトップとして迎えた

Spotifyは自社のパーソナライズの技術をポッドキャストに導入するという計画をかねがね語っていたが、「Your Daily Drive」はまだその例とは言えない。Spotifyはパーソナライズされた音楽と「信頼できるソースからの最新情報」をミックスすることに取り組んでいる。ニュースのコンテンツは、ユーザーが新しいプログラムと出あうためのツールというよりは、Alexaがニュースのヘッドラインや短いコンテンツを提供する「フラッシュブリーフィング」のようなものだ。

とはいえ、繰り返し聞くうちにポッドキャストの順番はパーソナライズされる。例えばWSJ Minute Briefingをいつも聞いていれば、これが最初に再生されるようになる。

さらにAlexaのフラッシュブリーフィングなどの最新ニュース配信サービスと同じように「Your Daily Drive」は常に新しいコンテンツに更新される。帰宅時には、朝の出勤時とは違う曲とニュースが再生されるということだ。

このプレイリストは安全な運転にも役立つかもしれない。音楽やニュースを聞こうとしてラジオ局やプレイリスト、ポッドキャストをしょっちゅう切り替える必要がなくなる。Spotifyは車内で利用してもらうことにも投資している。最近では、車のシガーソケットか充電ポートに接続し、音声でコントロールできるデバイスのテストを開始したと報じられた。

ポッドキャスト市場の競争が激化したこのタイミングで「Your Daily Drive」は登場した。特にPandoraはSiriusXMを買収してオーディオプログラムに力を入れている。最近、同社はゲノム分類技術をポッドキャストに応用し、音楽とポッドキャストの製品であるPandora Storiesを発展させ、約20種類のSiriusXMトークショーをPandoraのポッドキャストにした

今月開催されたアップルのWWDCでは、MacのiTunesが複数のアプリに分かれることが発表された。そのひとつがポッドキャストの専用アプリだ。同社は、機械学習を利用してポッドキャスト中の話し言葉をインデックス化する新しいポッドキャスト検索機能も紹介した。

米国のSpotifyユーザーは「Made for You」セクションから「Your Daily Drive」を利用できる。車内向けの機能である新しい「ドライビングハブ」も展開中であることをSpotifyは明らかにしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

オバマ夫妻がSpotifyと契約しポッドキャスト番組制作へ

Spotifyはバラク&ミシェル・オバマ夫妻のプロダクション会社Higher Groundとの提携を発表した。この提携でオバマ夫妻は「ポッドキャストを制作し、幅広い話題について世界中のリスナーに語りかける」とSpotifyは説明している。

Higher Groundは、オバマ夫妻がコンテンツ制作でNetflixと契約した2018年に設立された。同社が手がけるNetflix向けの最初のコンテンツは1カ月ほど前に発表されたばかりで、オハイオ州の産業開発についてのサンダンス・ドキュメンタリーから、ニューヨークタイムズの死亡記事欄に載らなかったけれど注目すべき人々を取り上げたニューヨークタイムズのシリーズ記事から選んだアンソロジーまで、全てをカバーする。

一方のSpotifyはスタートアップのGimletとAnchorを買収し、そして長らくメディア業界で役員を務めてきたDawn Ostroff氏をコンテンツ責任者に起用するなど、ポッドキャストにかなり力を入れている。

Netflixの最初の発表と同じように、Spotifyの発表には番組の放送日や詳細な情報は含まれていない。今回の提携に伴い、Higher Groundはポッドキャスト専門の部門Higher Ground Audioを立ち上げる。

「ポッドキャストは生産的な会話を育み、人々を笑顔にし、そして人々を考えさせ、また私たちを結びつける稀な機会を提供するものであり、Higher Ground Audioの展開を楽しみにしている」と前大統領のオバマ氏は発表文で述べている。

イメージクレジット: Mark Wilson / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

NYタイムズのポッドキャストリスナーは毎日200万人

ニューヨークタイムズ紙(NYT)の人気ポッドキャスト「The Dailyが成長し続けている。このニュースメディアは今朝、Appleのポッドキャスト部門トップチャートで第7位にランクインしている自社のポッドキャストのデーリーリスナー数が200万人に達した、と発表した。そして当初4人だったスタッフの数を17人に拡充したことも明らかにした。

実際のリスナー数という点でトップのポッドキャストとはどういうものかを示しているこの発表は注目に値する。

今日開かれたNewFrontsでのNYTプレゼンテーションの中で明らかにされた今回の発表は、ポッドキャストがブームを迎えている最中に届いた。NYT報道によると、2006年から現在のスタイルになっているポッドキャストは2018年に最も成長した。3月時点で、米国の消費者の半分以上がポッドキャストを聴いている。ポッドキャスト視聴者が50%を上回ったのはこれが初めてだ。

3分の1の人が先月ポッドキャストを聴いたとEdison Research3月に明らかにしていて、毎月のリスナー数は9000万人とのことだ。

この数字からすると「The Daily」はまだ成長する余地を残しているようだ。

部分的には、ポッドキャストへの関心は、スマートスピーカーが浸透していることとつながっている。スマートスピーカーはNYTが投資している分野でもある。「The Daily」そのものをGoogle Home Amazon Echoのようなスマートスピーカーに持ってきていることに加え、NYT最近Alexaニュースフラッシュを立ち上げた。このニュースフラッシュは「The Daily」からコンテンツを引っ張ってきていて、ホストはMichael Barbaroだ。NYTはまた、インターラクティブニュースクイズやNYTの紙版とつながっているプログラミングなどを含むいくつかのAlexaスキルも立ち上げた。

20193月のPodtrac産業ランキングによると、NYTのポッドキャストの月間ユーザー数は合わせて713万人となっている。

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(翻訳:Mizoguchi)