右往左往の挙句、ソニーはThe Interviewをクリスマスに一部劇場で公開する

映画館チェーン、Alamo Drafthouseの共同ファウンダー、Tim Leagueによれば、ソニー・ピクチャーズは北朝鮮の最高指導者、金正恩第一書記の暗殺をテーマにした映画、The Interviewをクリスマスに一部劇場で公開することに踏み切ったという。Leagueは、ソニーが公開制限を撤回したのでThe Interviewをクリスマスに公開するとツイートした。

今回決定された上映は、以前にキャンセルされた上映とは別個の新規契約となる。すでに前売り券を購入した観客は払い戻しを受けた上で新規に切符を買う必要がある。ソニーはアトランタのPlaza Theatreでもクリスマス公開を行う。ソニーの この映画の公式Twitterページも復活した。

これに先立って、ソニーのサーバーとコンピュータ・システムがハッカー集団に侵入され、漠然とした表現ながら映画の公開を止めるよう脅迫された。FBIはこのハッカーを北朝鮮政府に関連していると断定した(ただし北朝鮮は関与を強く否定)。そのため有力映画館チェーンはThe Interviewの上映を取りやめた。次いでソニー・ピクチャーズ自身もリリースをキャンセルした。.

ソニーは ストリーミング・ビデオ・サービスを通じた公開も検討しているという。ただしその詳細はまだ明らかになっていない。

〔日本版〕ローカルニュースサイトによれば、Alamoは12月25日の午後1時からThe Interviewを上映する予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


スペイン新聞協会、Google Newsの閉鎖に悲鳴


インターネットは、まるで熱帯雨林の繊細な生態系のようだ。一人の演者を取り去ると、残り全員が苦しみ死に至る。先週、政府がGoogleに厳しい処置を取ったスペインでそれが起きた。スペイン政府は同社に対して、スペインのニュースコンテンツがサイトに現れるたびに、ニュース提供者に支払いをすることを要求した。これに応じて検索巨人は当地でGoogle Newsを閉鎖したため、El Pais、La Vanguardiaを始めとする同国の主要新聞コンテンツは現在見ることができない。

ご想像の通り、これは悪いニュースだ。新聞業界は、外部の助けなしにインターネット時代を生き延びられると長年主張しているが、これは大きな間違いだ。ニュースサイトへのトラフィックの大部分が検索から来ていることを考えれば ― 「新しいレーザープリンター」から「ベティ・ホワイトは結婚しているか」まですべてがニュースソースの情報を返している ― スペインの新聞メディアが、リーチやビジター数でどれほどGoogleに依存しているかは容易に想像できる。

Spain Reportによると、スペイン新聞出版社協会は慈悲を請い始めている。

昨夜スペイン新聞出版社協会(AEDE)は声明を発表し、Google Newsは「単に市場で独占的立場を与えられたサービスが閉鎖しただけではない」と述べ、Googleの決定は「間違いなくスペイン市民に負の影響を与える」ことを認識している。

一方Googleは、今回の行動を次のように説明した。

この新たな法律はスペインの全出版社に対して、Google Newsのようなサービスが出版物のたとえわずか一部でも表示した時、望むと望まないとにかかわらず料金を徴収することを義務付けた。Google News自身は収益をもたらしていないため(当社は同サイトに一切広告を掲載していない)、この新しいアプローチを維持することは不可能である。このため誠に遺憾ながら、当社は12月16日(新法が発効される1月以前)をもってGoogle Newsからスペインの出版物を削除し、スペインにおけるGoogle Newsを閉鎖する。

要するに、スペインメディアのロビイストたちひは能力以上のことをやろうとしたわけだが、これは小銭を稼ぐよりずっと効率的な方法があることにメディア企業が気付くまで、何度でも繰り返されるだろう。それまでの間、善意の弁護士たちがメディア列車を脱線させるまで操縦し続けるのを見守るしかないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google Play発「ベスト・オブ 2014」米国版

Googleがさまざまな分野における「2014年のベスト」を発表した。メディアコンテンツについては、Appleの発表したリストとさほど変わらないという傾向もあるようだ。

カテゴリーのトップには、大方が予想する通り「アナと雪の女王」、「ウォーキング・デッド」、そしてIggy Azaleanによる「Fancy」などが並ぶ。ただし、何をフィーチャーするのかといったエディトリアル側の判断に違いがあったアプリケーション分野では、当然ながら内容に違いが生まれている。

たとえばGoogle Playでの人気作品を見るとDuolingo(Apple Storeの方では昨年のリストに含まれていた)、Netflix、Facebook、およびMyFitness Palなどが挙がっている。

ちなみにGoogleによれば、「健康&フィットネス」が、最も成長したジャンルなのだとのこと。

ともかく、発表されたリストを掲載しておこう。関わった方々にはおめでとうを言いたい。

アプリケーション

2014年、カテゴリー毎最多ダウンロードアプリケーション
教育:Duolingo
健康&フィットネス:MyFitnessPal
音楽:Pandora
写真:Flipagram
ソーシャルネットワーク:Facebook
エンタテイメント:Netflix
スポーツ:NFL Mobile
旅行&地域:TripAdvisor

急成長カテゴリー
健康&フィットネス

ゲーム

2014年に最もダウンロードされたゲーム
キャンディークラッシュ
Don’t Tap The White Tile
ファームヒーロー
Subway Surfers
クラッシュ・オブ・クラン

達成アチーブメント数
35億アチーブメント

映画およびTV

ムービー・オブ・ザ・イヤー:アナと雪の女王
TVショー・オブ・ザ・イヤー:ウォーキング・デッド
カムバック映画:トイ・ストーリー
Google Playで最も検索された俳優:ロビン・ウィリアムズ

音楽

アルバム・オブ・ザ・イヤー:アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック
ソング・オブ・ザ・イヤー:Dark Horse(Katy Perry)
ソング・オブ・ザ・サマー:Fancy(Iggy Azalea)
急成長ジャンルサウンドトラック(アナと雪の女王、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、怪盗グルーのミニオン危機一発、LEGO ムービー、および華麗なるギャツビーのサウンドトラックが貢献)

ニューススタンド

ニュースソース・オブ・ザ・イヤー:
The New York Times
TMZ
Forbes Now
The Verge
The Huffington Post
The Daily Beast
The Wall Street Journal
Gizmodo
Android Central

2014年に最も読まれた記事:
Flavorpill – 15 ’90s Teen Heartthrobs Who’ve Resurfaced on TV
Mental Floss – 50 More Awesome Facts (About Everything)
MarketWatch – 10 most miserable cities in America
Houzz – Bathroom Workbook: How Much Does a Bathroom Remodel Cost?
The Verge – The Verge Awards: the best of CES 2014

書籍

ブック・オブ・ザ・イヤー
さよならを待つふたりのために(The Fault in Our Stars)
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(Fifty Shades of Grey)
ダイバージェント 異端者(Divergent)
それでも夜は明ける(Twelve Years a Slave)
Insurgent(Insurgent)

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(翻訳:Maeda, H


サイバー自警行為を考える


人間はどうも人権の扱いを理解していないようだ。もちろんソーシャルメディアの扱いも。両方の無知が合わさると、人々はインターネットという安全地帯から憎悪を吐き出し、その偏見を公の記録に残す。

今そうした出来事が、人種差別者に正義を求める一人のTumblrユーザーによって、公な辱めを受けている。これは一種のサイバー自警行為である。しかし、人種差別をなくすために、もっと効果的で思いやりのある方法はないのだろうか?

【警告:以下に引用されている投稿には著しく攻撃的な表現が使用されているものがある】

レイシストのTwitterユーザーは職を失い、Twitterアカウントは閉鎖された。

RacistsGettingFired.tumblr.comには、マイケル・ブラウン事件に対する、一連の人種差別的投稿のスクリーンショットが掲載され、別のユーザーらは投稿者たちを職場に通報し、ついには、投稿者たちが解雇された証拠も掲載した。

同サイトは、発言したレイシストたちの職場を突き止めるよう呼びかけ、ヘイトスピーチの詳細を雇用者のSNSアカウントに投稿して、懲罰を要求した。中には、辱しめと雇用者への通報を促すために、無断で個人情報を晒されたレイピストもいた。

問題は、サイバー自警主義が、偏見を克服しようとする社会にとって、倫理的あるいは生産的なのか、である。

TwitterユーザーのCameron Dakota(現在は閉鎖)は、この写真や他の人種差別発言を掲載した…しかし、下のスクリーンショットの通り、後に解雇された。

もちろん、私は決してレイシストたちを擁護するつもりも、彼らの憎悪や差別表現を許すつもりもない。この国の誰もが、スクリーンショット投稿にあるような脅しや中傷や、悲しいブラウン事件で浮き彫りにされたような人種差別の恐怖に晒されることなく生活する権利を持っている。

しかし問題なのは、インターネットやソーシャルメディアにおいて、公的でない人々に公の辱めを与える使い方が加速していることだ。

差別は許されないという強いメッセージが発せられるべきであることに、私は心から同意する。恥は強力な教師である。そして今回のケースでは、一連の投稿に見られる露骨な差別性と凶暴性が、深刻な結果を招くであろうことは保証されている。

企業がこの種の発言をする従業員と関わりを持ちたくないことは明白である。紛れもなく嘆かわしい事態であるだけでなく、差別訴訟の時限爆弾が爆発を待っている。表現の自由に関わる可能性のある件で社員を解雇することには、たとえそれがひどく不快なもので不買運動に結びつく可能性があったとしても、法的な問題がある。

Cameron Dakotaは後に解雇された。彼の雇用主である、Brown’s Car Storesの問い合わせページに書かれた告知文は、これ以上の通報が来ないことを期待しているように見える。

それでも私は、復讐を喜ぶかのように、標的にされた人々を笑う風潮に恐れを感じる。そこには慈悲が感じられない。たとえ、レイシストに対して共感を抱くことが極めて困難であるとしても。

理想的には、われわれはそうした人々を教育する努力をすべきだ。確かに、インターネットの愚か者たちに知恵をもたらすことは不可能な仕事であり、労力の無駄だ。しかし、逆方向に行き過ぎることは問題を引き起こす。

恐らく、そうした人々を教育する唯一の方法が恥辱なのだろう。たぶん、#HasJustineLandedYetのJustineという、自分はアフリカでAIDSにならない、なぜなら白人だから、という人種差別発言を投稿した女性は、糾弾される必要がある。そして、ひどい投稿でソーシャルウェブの笑い者になったさらに多くの人々は、干渉されないことに慣れきっているのかもしれない。

しかし、いずれは、誰かが誤って告発されたり罠にはめられたりして、それでも公的に葬られてしまうことが起きるだろう。そしてもしヘイトスピーチの加害者が自殺したらどうするのだろう。それは、われわれが不正と戦う建設的方法を探し始めるために必要なことなのだろうか?

もし彼らが誤って、あるいは周囲の圧力に負けてひどいコメントを書いたのだったとしたらどうするのか? この種の忌しい行動に言い訳は通用しないが、そういう人々もまた人間であることを忘れてはならない。最低限、われわれの暴動を生産的に方向転換させるべきだ。われわれは、AIDS被害者を助けるために寄付すべきなのであって、彼らに対するJustineの無神経な発言を罵ったり笑ったりすることではない。

マイケル・ブラウンの死によってこの国を二分させるのではなく、私たちはこれを歩み寄る好機として利用すべきだ。愚かな世代からの受け売りのレイシズムに浸った連中に対して、忍耐強くいることは容易ではない。しかし、もし怒れる群衆による復讐がインターネットのお気に入りの気晴らしとて拡大を続けるようなら、感染者たちを治療する代わりに、憎悪の症状を悪化させるリスクを抱えることになる。

[Image: Zach T Jordan via You Will Rise]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Aereoが破産申請を提出

【抄訳】

今放送中のテレビをインターネットから視聴できるサービスAereoが今日(米国時間11/21)、連邦倒産法第11章に基づく破産申請をニューヨーク南地区倒産裁判所に提出した。同社はArgusのLawton Bloomを、今後徐々に進む会社閉鎖処理におけるChief Restructuring Officer(再生担当最高責任者)に指名した。

同社はすでに2週間前に、今日に備えて大量の解雇を行った。そのときは、これでAereoの終わりは近い、という印象を与えた。

同社のブログの記事に、CEOでファウンダのChet Kanojiaはこう書いている:

ニューヨークとボストンの連邦地裁や第二巡回控訴裁で大きな勝利をおさめたにもかかわらず、6月に最高裁が下した逆転判決は、克服が困難と判明しました。最高裁の決定は実質的に、Aereoの技術の根拠となっていた法を変えるものであり、法律的な不確定性を作り出しています。これまで弊社は、前進のためのあらゆる方法を全力を傾けて探求して参りましたが、それが明確にならないかぎり、裁定の克服はあまりにも困難と実証されました。

【後略】

関連記事(未訳)、過去記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


テックエリートなんて眼中にない、新ポータル構想「Syn.」仕掛け人が大いに語る

2014年10月16日にKDDI主導で立ち上げたサービス「Syn.(シンドット)」。「中心のないポータル」を目指すとして話題となった。本誌でもローンチの際に取り上げたが、ネットユーザーたちの反響はあまり芳しいものではなかったのが正直な印象だ。11月19日に行われたTechCrunch Tokyo 2014で、編集長の西村賢がストレートに質問をぶつけてみた。

「今どき、ポータルなんて必要?」

「正直言って、必要ないと思いますよ」と森岡氏。「でもそれは、われわれや西村さん、またTechCrunchの読者のようなテックエリートの人たち、わずか一握りの人たちにだけ必要ないんです」。

今やスマートフォンの普及率は53.5%(平成26年年版情報通信白書より)。半数以上が所有していることになる。そしてスマートフォンで提供されているはアプリは250万以上と言われている。しかし、ユーザー1人がダウンロードする平均アプリ数は38。そのうち日常的に利用しているアプリはわずか8つ。さらにカメラやメールアプリなどを除けばわずか4つを普段使っているに過ぎない、と森岡氏。つまり、多くのユーザーは、スマートフォンで利用できるサービスを使いこなせていないのだ。

森岡氏はFacebook日本の元副代表を務めた人物。国内ユーザーが80万人の時代、2010年に入社している。その時も「mixiとTwitterがあるのになぜFacebook?」「実名重視のFacebookは日本のインターネット文化には受け入れられない」という声が多かったと振り返る。

ところが、現在ではその25倍に相当する2000万人以上の国内ユーザーをFacebookは擁し、mixiの月間アクティブユーザー数を上回るようになった。一部の人たちの「匿名性の高い日本のインターネット文化で広まるはずがない」という主張はもろくも崩れ去った形だ。

インターネットの一部のユーザーの憶測が外れたように、今回も「着実にやっていくことによって広がっていくはず」と森岡氏は強調する。

アプリを探してインストールする行為はハードルが高い

「自分たちで新しいサービスを取り入れられる人たちはいいですよ。でも、これだけ多くの人がスマートフォンを使うようになれば、ITに疎い人たちにも広まっていくはずなんです。例えば、大手スーパーが売り出している格安スマートフォンを店員に勧められるままに購入したような人たちとか。少し前はポータルサイトがあって、知りたいことや問題があったらそこにアクセスしたら解決できました。スマートフォン時代の現在ではアプリが解決してくれますよね。でも、一般ユーザーにとっては、問題を解決したくてもそれをしてくれるアプリに何があるかを調べることもできない。それにApp StoreやGoogle Playでアプリを探してダウンロードしてインストールする、という一連の動作は一般ユーザーにはハードルが高いんです。そんな人たちにSyn.という形でサービスの存在を知ってもらい、使ってもらえれば、スマートフォンのパフォーマンスそのものを発揮でき、その楽しさを知ってもらえ、その価値が倍増すると思うんですよ」(森岡氏)

Syn.では、カテゴリだけではなく、アプリとWebの垣根も越え、シームレスにサービスを行き来できるよう設計されている。それにより、ユーザーが複数のサービスを使いこなすための負担を軽減している。テックエリートには不要かもしれないが、どんな人でもスマートフォンを使いこなすために「ポータル的な存在は必要」だと森岡氏は言う。

スマートフォンを使いこなせなかった人たちも年月とともに経験値が上がり、インターネットの歩き方を知るようになる。そうなれば「Syn.そのものも、彼らに合わせてどんどん進化させていく」(森岡氏)ことになる。ただ、現状は「いいサービスをユーザーに届けることを最優先したい」。

「驚くようなビッグネーム」も参入に名乗り

スタート時点でアライアンスパートナーが11社だったSyn.。現在13社に増えたが、まだまだ点在するサービスを線でつなげた、いわば「山手線のようなもの」と森岡氏は語る。

「それらの点(駅)を行き来するのにタクシーを使ってもバスを使ってもいい。ただ、最寄り駅をもっと便利にしようという考えなんですよ。今のサービスの数が最終地点ではなく、あくまでも通過点。あまりにも大きなサービス事業者や有名どころは、志や目的地に共感するだけでなく経済的なものも含めたメリットがないと動けないでしょう。わたしたちの今のフェイズはSyn.の有用性などのファクトを積み上げて彼らの目の前に提出できるようにすることだと思うんです。すでに驚くようなビッグネームが参入への名乗りを上げてくれているので、このやり方は間違っていなかった、と確信しています。」

そのように話が進むことは「計画の一部」だったのだろうか。森岡氏は「計画的だったわけではないですよ」と否定する。しかし「そうなったら嬉しい、と思っていたことが実現した感じではありますよね。実名か匿名かの流れの時もそうですが、以前Facebookに在籍していたときに、リクルートと『コネクションサーチ』という企業内のOBを訪問しようというサービスを立ち上げたことがあったんですが、それで実名制とはどういうものかを示せました。何も考えず現状のインターネット文化に浸かっているのではなく、ユーザーの脳を覚醒する、そんな機会も提供できているのではないかと考えています」と語る。

最近よくあるサービスのように、ユーザーの嗜好を反映したカスタマイズされたサジェストなどは「気持ち悪い」ので取り入れるつもりはないという。しかしサービス参入者を増やし、カテゴリの中からユーザーが好みのコンテンツを表示できるようオープン化したいとのこと。

また、このアライアンス全体で集積したデータをサイドメニューや各社のコンテンツにフィードバックするDMP(Data Management Platform)も年明けに発表したいという。しかしどのように反映させるのかや、どんなデータを集めるのか、などについては言及を避け「もやっとしててください」と語るにとどまった。

ポータル最大手のヤフーは「ライバル視していない」

ポータルサイトといえばYahoo!が最大手だが、「ライバル視していません。むしろ仲間に入ってほしいくらい。僕らが目指しているのはポータルサイトではありませんから」と森岡氏。また、APIを解放し、海外で一般化しているように、「サイドメニューを共有化しその中で回遊できるようにしていきたい。そのツールが日本でも近い将来一般化するのを期待したい」と語った。

現在のところSyn.はKDDIという携帯通信キャリア主導で展開しているが、それはあくまでも「信頼を持って見てもらうためのもの。このサービス自体はキャリアのものではなく、インターネットのサービス」と強調。Syn.の目指すものが一部のユーザーだけではなく、全インターネットユーザーがやがてスマートフォンを使うようになり、それを使いこなし、スマートフォンのパフォーマンスを最大限に発揮することである、そんな未来像を描きながら、森岡氏は話を締めくくった。


Kindleがソフトウェアアップデート。家族とコンテンツの共有ができるようになる!

Kindleの新しいソフトウェアアップデートがアナウンスされた。最新版Kindle、Kindle Voyage、および新しいKindle Paperwhiteにて利用可能となるものだ。アップデートの内容はといえば、難しい語を行間スペースを使って言い換えてくれるWord Wiseの改良や、月間2.99ドルで子供向け書籍が読み放題になるKindle FreeTime Unlimited、そしてFamily Libraryだ。Family Libraryとは、家族間で購入したKindle書籍を共有することのできるサービスだ。

と、さらりと書いてみたが、多くの人はきっとこのFamily Libraryに、大いに盛り上がることとなるのだろう。ペーパーバックのように家族間で自由に書籍を共有したいという意見は、以前から多くあった。今回のアップデートで、デバイス毎にふたつのアカウントを設定できるようになり、家族やパートナーとコンテンツを共有できるようになるのだ。これまでのように、ひとつのアカウントを2人で共有するというような無理なスタイルは無用となる。さらに、ここに4人までの子供アカウントを関連付けることもできるようになっている。

個人的には(多くの人と同様に)Family Libraryでお腹いっぱいの感じでもあるが、他のアップデートについても触れておこう。

まずはKindleのWord Wise。実はこの機能については、知育の成長を無駄に阻害するものであるとも感じていた。しかし読書能力を身につけようとしている人にとっては良い機能であるようだ。またFreeTime Unlimitedも、読書能力を身につけようとする子供たちにとって、大いに役立つものだろう。子供に読書週間を身につけさせようと考えつつ、しかし、たとえばハリーポッターシリーズを全巻買い揃えることに多少の抵抗を感じる保護者にとってありがたいオプションとなり得る。また、間違って成人向けの内容を手にしてしまうリスクもなくすことができる。

さらに、本の概要を知ることのできるX-Ray機能の改良も行われた。AmazonによるGoodreadsのコンテンツをより有効に活用するようにという方向だ。検索機能が拡充され、Kindleストアとの連携が強化され、KindleライブラリとGoodreadsの情報をひと目で確認することができるようにもなった。「About This Book」(この本について」で本を読みながら、書籍の帯に記されるような情報や図書情報などを随時確認できるようにもなった。

アップデートは自動で行われるようになっている。しかし待ちきれないという人はソフトウェアアップデートのページからアップデートすることもできる。

訳注:本記事内容につき、日本での適用範囲については一切確認しておりません。

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(翻訳:Maeda, H


SonyがインターネットTVサービスPlayStation Vueを来年早々に立ち上げ

SonyはこのほどPlayStation Vueと呼ばれる企画を発表して、コンテンツストリーミングのレースに参加する最新の選手になった。このクラウドサービスは75のチャネルから番組を送出し、それをPlayStation 3や4で楽しめる。

Sonyによると、このインターネットTVサービスは今月ニューヨークで、招待制のベータで立ち上がる。番組にはCBSやFox、NBCUniversalなどのものが含まれる。コマーシャルの挿入は2015年の第一四半期から始まるそうだが、視聴料はまだ不明だ。

今聞いている説明では、それは月払いの会員制で提供され、お値段は“公正かつ他社と十分競争できる額”である、と。合衆国以外でのサービス開始についても、現段階では不明だ。

画像提供: USA Today

PlayStation Vueは最新ホヤホヤの番組やムービーをオンデマンドで提供する。各チャネルの過去3日のコンテンツは録画しなくても見られるが、ユーザは放送前の番組の予約録画ができ、それを28日間視聴できる。

Sonyはこのサービスについて、“テレビの見方が完全に変わる”、と勝ち誇ったように宣言しており、たしかに提供コンテンツの編成に相当力を入れていることは分かるが、来年合衆国のストリーミング市場に参入してくる大企業はほかにもいる。

先月はHBOが、2015年に単独でオンラインの会員制サービスを開始し、 NetflixやHuluなどの既存勢力と戦う、と発表した。SonyのオーディエンスはPlayStationのオーナーに限定されるが、ゲームファンはブランドロイヤリティが高いし、Netflixからお客を奪うというよりも、Sonyのお客さんを新たなサービスでさらに囲い込むことが、ねらいだろう。もちろんそれは、合衆国のケーブル企業にとって嬉しくないニュースだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTube、来週より有料音楽配信サービス「Music Key」のベータ公開を開始

長く噂の囁かれていたYouTubeの音楽配信サービスがいよいよ始まる。価格は最初のプロモーション期間についてが月額7.99ドルで、標準価格は月額9.99ドルとなるようだ。サービスの名前はYouTube Music Keyだ。登録すると、広告のないミュージックビデオが閲覧できたり、他アプリケーション利用中でもバックグラウンドで再生できるようになり、さらにオフライン状態であっても再生できるようにもなる。またGoogle Play Musicの楽曲も聞き放題となる(訳注:Google Play Musicも米国などでは配信サービスとして提供されています)。

当初はまず限定的なベータで提供を開始する。これにはYouTube上に開設されているサイトから申し込むことができる(訳注:訳者環境からは白紙ページになります)。YouTubeではこのMusic Keyに加え、サイトのアップデートも行った。興味やトレンドに基づいて、公式ビデオをまとめて提示するプレイリストレコメンデーションなどを行なっている。簡単にいえば、Googleはビデオコンテンツを中心に据えた、本格的音楽ストリーミングサイトの構築を行なっているわけだ。

さらに、お気に入りのアルバムに収録されている曲の公式ビデオないしパートナーからのビデオをまとめて提示するということも行なっている。こうしたMusic Key以外のサービスは従来通り無料で提供され、標準では広告も表示される。ただMusic Keyを使えば、こうしたサービスについても広告なしモードを「アンロック」することができるわけだ。

Music Keyのベータ版は来週月曜日から順次公開される予定だ。なかなか考えられたサービス展開であるように思われる(訳者注:日本での展開予定などについては情報を見つけられませんでした)。

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(翻訳:Maeda, H


YouTube、広告のない有料サービスの提供を準備中?!

Googleが運営するYouTubeが、迷惑がられることも多いプレロール広告を廃する方法を、利用者に提供しようと考案中であるらしい。Wall Street Journalの記事によれば、有料のサブスクリプションサービスを提供し、この有料利用者に対しては一切の広告を表示しないというスタイルを準備中なのだそうだ。

YouTubeのトップであるSusan WojcickiがCode Mobileカンファレンスで語ったところによれば、利用者にさまざまなオプションを提供していきたいのだとのこと。たとえばモバイルでYouTubeを閲覧している人は、広告の間だけ他のアプリケーションを利用するというようなこともやりにくい。したがって増えいく広告に対する不満も徐々に増えつつあるらしいのだ。

そこでひとつの解放として考えられるのが、有料版を提供することだ。広告を表示するかわりにコンテンツを無料で提供するというスタイルに加えて、新たな仕組みを導入することになる。有料版を提供することにすれば、あるいはNetflixに近づいていくということになるのかもしれない。WSJの情報元は、ニュースなどの特定コンテンツ毎の有料オプションを提供する可能性についても言及しているようだ。

コンテンツジャンル毎に、広告のない有料版を提供していくというのは、各ジャンルの閲覧者たちから注目を集めることになるだろう。広告なしで提供する範囲を特定ジャンルに絞ることにより、有料版の費用を抑えることもできるだろう。そして有料で提供するジャンル以外については、従来通り広告付きで配信するという方式は、トータルな収益の面でもプラスに働く可能性がある。

これは噂ばかりが先行する、Googleによる有料の音楽配信サービスとも結びつくものだと考えられる。Wojcickiも、この噂のサービスにつき「間もなく」提供を開始する予定だと話していたが、相変わらず詳細な予定については言及しなかった。

YouTubeが本当に有料サービスの提供を開始するのなら、まずはオリジナルないし人気シリーズの無広告視聴を促すようなものとなるのだろう。特定の番組についてのプロモーションなども増えてくることになりそうだ。これにより、これまでのYouTubeとは別のものが生まれてくることになるのかもしれない。それによる変化に不安を感じる人もいるだろう。しかしともかく広告スキップのためのボタンを押さずに済むことに、魅力を感じる人も多いに違いない。

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(翻訳:Maeda, H


非・検索女子を狙い始めたファッションアプリ「iQON」、講談社と資本業務提携

20〜30代のオシャレに敏感な女性をターゲットにしたファッションアプリ「iQON」を運営するVASILY。10月にはKDDIから推定10億円以上の出資を受け、同月25日から全国でテレビCMを開始した。これまで広告を使わずグロースハックによる「地上戦」でユーザーを集めてきた同社だが、メディアを活用する「空中戦」にシフトし、今までリーチできなかった「非・検索女子」を獲得しようとしている。28日には講談社と資本業務提携し、女性誌のコンテンツ配信で連携する。講談社の出資額は非公表だが、関係者によれば約1億円という。

iQONは提携する60以上のECサイトのファッションアイテムを、ユーザーが自由に組み合わせてコーディネートを投稿できるサービス。ユーザー数は150万人に上り、今まで投稿されたコーデは130万件。ユーザーはコーデの中からお気に入りの商品を提携先のECサイトで購入できる。

iQON経由のECサイトの月間売上は「10億円目前」(VASILY金山裕樹代表取締役)といい、最も売れているECサイトは「月間2億円以上」。提携ECサイトから支払われる手数料(比率は非公表)や、ブランドと実施するコーデ企画の広告料が、iQONの収益の大半を占める。10月27日にはネイティブ広告「iQON AD」を導入し、新たな収益源とする考えだ。

iQON初となるテレビCMでは、コアターゲットと想定する「ITへ興味が低いユーザー」の獲得を狙うと金山さん。IT感度の高いファッション好きの女性だけでなく、地方都市のイオンモールで余暇を過ごすような若い女性も囲い込もうとしているのだろう。「これまでのユーザーはApp Storeで自発的に検索してくれる人たち。今まではグロースハックでユーザーを集められたが、今後の数百万人はそれだけでは無理。どんどん一般化していかないとダメだと思っている」。

テレビCMは4種類のクリエイティブを用意し、各地域で獲得したユーザーを分単位で集計。クリエイティブごとのユーザー獲得数を比較し、何時何分に流したCMの効果があったかを検証するなど、「PDCAのサイクルを詰めまくっている」。テレビCMに投じる金額は「数億円」に上るという。

KDDIポータル構想の意味は?

KDDIは10月16日、iQONやnanapi、はてな、@cosmeなど12社13サービスで構成する「Syn.alliance(シンドットアライアンス)」構想を発表した。KDDIによれば、全てのサービスが入り口となる「中心のないポータル」を構築するという。新鮮味があるのだかないのだかわからない構想だが、要は13サービスに各アプリやサービスのリンクを掲載して、お互いに回遊させようとしているらしい。

iQONにとってSyn.allianceはどんな意味があるのか? この点について尋ねると、金山さんは「アプリを自分で探さないようなマス層にリーチできるのが大きい」と答える。「自分に合うアプリを積極的に探す人は全体で見ればわずか。そんな状況にあって、いつもnanapiを見ているようなユーザーがiQONを目にしてくれれば、検索では届かなかったユーザーに見つけてもらえる」。

講談社との提携を皮切りに他の出版社とも提携へ

10月28日には、講談社とスマホ分野での資本業務提携について合意。「ViVi」を中心とした講談社との女性誌と連携し、スマホに最適化したコンテンツを一部有料で配信していく。iQONより女性誌の公式アプリやウェブサイトへネイティブ広告を配信し、女性誌コンテンツのアドネットワーク化を推進することも視野に入れている。

講談社はニュースアプリ「NewsPicks」を運営するユーザーベースに投資したり、写真共有SNS「Snapeee」を運営するマインドパレットへの出資を通じて「ViVi」や「with」に掲載するファッション写真を配信するなど、スマホ展開を模索してきた。スマホ向けコンテンツの配信に強みを持つVASILYとの提携で、女性誌のスマホシフトやマネタイズを強化する。

一方、iQONは講談社との提携を皮切りに、女性誌を扱う他の出版社との提携を視野に入れている。また、アジアでも人気の女性誌を持つ講談社との提携は、「そう遠くない未来に実現する」(金山さん)というiQONのアジア進出の布石にもなっていそうだ。


KDDIが”入り口のない”新ポータル構想「Syn.」を発表–13サービスと提携し共通メニューを搭載

既報の通りKDDIが、11の事業会社と組んでスマートフォン時代の新しいポータルの創出を目指す。同社は10月16日より「Syn.alliance(シンドットアライアンス)」と銘打った事業者連合体を設立することをあきらかにした。

これまでPCを中心としたインターネットでは、Yahoo!に代表されるポータルサイトが文字通りの玄関口、サービスの入り口になっていた。だがスマートフォンでは各社のサービスはアプリとなり、その連携は取れているとは言えない状況だ。これに対してKDDIでは「Syn.(シンドット)」と呼ぶ構想を唱える。これは、中心となるポータルサイトに依存するのではなく、すべてのサービスがシームレスに繋がる、言わば「入り口のないポータル」による新しいインターネット体験を指すのだという。

その第1弾として、KDDIでは「Syn.menu(シンドットメニュー)」「Syn.ad(シンドットアド)」の展開を開始する。

Syn.menuは、連携するスマートフォン向けサイトとアプリに提供する共通のサイドメニューだ。これによって、各サイト・アプリから別のサイト・アプリへの回遊が可能になる。10月15日時点では、11社13種類のサービスがアライアンスに参加する。各分野とサービス、企業名は以下の通り。なお全サービスで合計4100万ユーザー(重複含む)を抱えているという。KDDIでは今後20種類程度までサービスを拡大し、1年間で1億ユーザーを目指す。

・ビューティ「@cosme」アイスタイル

・ゲーム情報「ゲームギフト」AppBoadCast

・天気「ウェザーニュース」ウェザーニュース

・ニュース「報道ヘッドライン」A3(KDDI)

・カレンダー「ジョルテ」ジョルテ

・音楽「音楽ナタリー」ナターシャ

・コミック「コミックナタリー」ナターシャ

・ノウハウ「nanapi」nanapi

・地図・交通「NAVITIME」ナビタイムジャパン

・ブックマーク「はてなブックマーク」はてな

・ファッション「iQON」VASILY

・ランキング「Qrank」ビットセラー

・タイムセール「LUXA」ルクサ

Syn.menuは、Syn.allianceに参加する各サイト・アプリの更新情報を通知する「Syn.notification」という機能を搭載する。またメニューの上部にはSyn.adと呼ぶ広告が掲載される。Syn.adの収益は、Syn.allianceの参加企業でレベニューシェアされる。Syn.adは、先日KDDIの直接子会社になることが発表されたばかりのスケールアウトによって運営される。

なお今回、KDDIではSyn.allianceのメンバーに対して総額120億円の出資(子会社化含む)を実施したと発表している。すでに発表されているAppBroadCastやルクサ(いずれもKDDI Open Innovation Fundからの出資)やナターシャの子会社化のほか、新たにnanapiやビットセラーへの出資(子会社化)を明らかにしている。またVASILYおよびジョルテが実施する第三者割当増資を引き受けた。VASILYへの出資額や評価額は非公開だが、10億円以上の調達になるという。ビットセラーは今後Syn.menuのプラットフォーム開発を担当する。

なお前述のスケールアウト、ビットセラーの代表には元Facebook Japan副代表でKDDI新規ビジネス推進本部担当部長の森岡康一氏が就任しており、同氏のもとでSyn.構想に関わるサービスが実行されることになる。


オウンドメディア支援のサムライトがグリーベンチャーズなどから1.2億円調達、ネイティブ広告ネットワークを展開

企業が消費者に向けて情報を発信するオウンドメディア。その記事作成や編集といった制作支援事業を手がけてきたサムライトが、これまでの実績を生かしてネイティブ広告ネットワークの展開を本格化する。同社は10月10日、グリーベンチャーズなどを引受先とした1億2000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

サムライトは2013年9月の設立。代表取締役の柴田泰成氏は、楽天でアドネットワークなど事業を手がけた後、リクルートで家具を取り扱うメディア「TABROOM」を立ち上げた人物。インキュベイトファンドが開催するインキュベーションプログラム「Incubate Camp 5th」(2013年開催)の優勝者でもある。

同社では現在、編集者10人、外部ライター100人超をネットワーク化してオウンドメディアのコンテンツ制作から運営までを手がけている。現在20媒体以上のオウンドメディアを手がけている。また、オウンドメディアのキュレーションメディアである「somewrite.jp」も展開している。somewrite.jpでは80社のオウンドメディアと連携している。これらの事業と並行する形でネイティブ広告ネットワーク「somewrite ad」を開発してきた。サムライトでは、ライターのネットワーク、オウンドメディアのネットワーク、ネイティブ広告のネットワークを合わせて「サムライト ネットワークス」と呼んでいる。

somewrite adは、形態素解析によってページの文章を解析し、同時にユーザーの求めるコンテンツをリアルタイムに学習していくことで、コンテンツの内容やユーザーの好みに合わせて関連記事やネイティブ広告を表示するというもの。ネイティブ広告だけでなく、関連記事なども表示されるため、サイト回遊率の向上も見込めるという。サムライトでは10月より試験的な運用を開始している。「リターゲティング広告でユーザーを追いかけ回したり、ミスタップを誘うスマートフォン広告はひどいと思うが、これまでビジネスとしては自分もそこに荷担していたので気持ち悪かった。今の事業では、『自分の見たいと思った記事がたまたま広告だった』という状況に変えていくことができると思っている」(柴田氏)

米Outbrainや東大発スタートアップのpopInなど先行する競合がいるが、オウンドメディアのネットワークやコンテンツ制作までを手がけられるのが同社の強みだと柴田氏は語る。「オウンドメディアの運営代行も、ネイティブ広告が広がることを見越して始めた。これからは広告が記事そのものになる時代だ。だが一方で海外の事業者などは(広告配信の)システムは持っていても、コンテンツを取っていけない。我々はsomewrite.jpを運営することでコンテンツ持っている人たちとの接点作りから始めて、その次にオウンドメディアを運営を手がけてきた。その状態で満を持してsomewrite adを開始した」(柴田氏)。

オウンドメディアの運営代行の金額を聞いたところ、月額15万円程度から展開しているとのことだったで正直利益が出ているのか?とも思ったのだけれど、そもそもそこはメディアのネットワーク作りと割り切っているところがあり、マネタイズの中心となるのはsomewrite adなのだそうだ。オウンドメディア運営代行としてはセールスフォースやDraper Nexusなどから資金を調達しているイノーバなどもあるが、事業の方向性が異なるようだ。

サムライトでは今後、ポータルサイト、ニュースサイトを中心にネイティブ広告ネットワークの拡大を目指す。「ページビュー(PV)は重要視していないが、月間20〜30億PVを1年以内に目指す。ただしネイティブ広告はサイトの一番下に張っておけばいいというわけではない。コンテンツとして広告を表示できるようにしていく必要がある」(柴田氏)


「流出」を気にせず気軽に写真を共有できるXim、Microsoftより登場

誰かにスマートフォンの写真を見せてもらうとき、不適切なものが見えてしまわないかという確認にやけに時間がかかってしまうということを経験した人も多いだろう。あるいは気軽に見せてもらったものの、意図しなかったものが見えてしまい気まずくなってしまったりしたことがある人もいるかもしれない。Microsoftのリサーチ部門が、こうした面倒をなくそうとするアプリケーションをリリースした。名前をXimという。

アプリケーションはWindows Phone版、iOS版、そしてAndroid版があり、いずれも無料となっている(訳注:現在のところ、日本では未公開のようです)。見せてもらう側にはアプリケーションも必要なく、また何らかのサービスにログインする必要もない。アプリケーションは公開する側にのみ必要で、アドレス帳から公開相手を選んだり、あるいはメールアドレスないし電話番号などを入力して相手を追加するようになっている。そして公開開始をすれば完了だ。閲覧者側に送られるのはリンク情報で、XimをインストールしていればXim上で閲覧できるし、インストールしていない場合はブラウザで閲覧することになる。

どの写真を公開するのかについては、当然ながら公開者側が完全にコントロールすることができる。すぐ近くの人と同じ写真を見ながら会話を楽しむような場合にも利用できるし、あるいは遠く離れた人と写真を共有するのにも利用できる。閲覧者側もXimをインストールしているのなら、自分から写真を加えたりすることもできる。さらに閲覧者側のアプリケーションと画面をシンクロナイズして、同時に写真を見ていくような使い方もできる。なお、写真には短い説明などを加えることもできるようになっている。

スマートフォンで写真を撮ることが一般的となっている現在、自分の撮った写真を人に見せたくなることも多くなった。しかしいろいろな写真が入っているもので、なかなか気軽に見せるということができにくいこともあるだろう。そうした問題に対処するためのアプリケーションであるわけだ。余分な機能を削って軽量化していて、また共有した写真は一定時間の後には見えなくもなる。写真を共有するのに容量を気にする必要もなく、あるいは知らないうちに流出してしまうようなリスクも軽減されている。

Microsoftによるこの無料ツールは、日常で具体的に困っていることを解決してくれる。今後もこのジャンルでの活躍を期待したい。

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(翻訳:Maeda, H


Bezosが買ったThe Washington Post紙が今度はKindle上で無料に

Washington Postが、AmazonのタブレットKindle Fireの無料アプリで提供される。これは、AmazonのCEO Jeff Bezosが同紙を買収してから1年あまり後の発表となる。

Bloomberg Businessweekの記事によると、アプリを開発したのはPost内部のProject Rainbowと呼ばれるグループだ。プロジェクトのリーダーKerry Lauermanが今後、このアプリ向けの記事や写真を選んでいく。そのアプリは現在、大型のKindleの上で無料でダウンロードできる。WaPoのそのほかのデジタル提供物と同じく、いずれは有料制が導入されるものと思われる。これから買うKindle Fireには、このアプリがすでにインストールされている。

1年前にBezosが同紙を買ったことは、奇妙に思えた。紙に印刷されたニュースの不人気によりWaPoは、同紙を売る直前に利益が55%落ち込んでいた。だから、Bezosが何をするつもりなのか、よくわからなかった。しかしAmazonのCEOがキャッシュと100名あまりの新たな社員を注ぎ込んだため、この名門紙は息を吹き返した。Timesによると、今年の7月の同紙の読者は前年同期比で63%増加した。

The Washington Postの役員級編集者Marty Baronが、The New York Timesにこう語っている: “記者たちの不安感を一掃する必要がある。自分や仲間がクビにならないこと、安心して仕事に専念できること。楽観主義は、悲観主義と同様、社内に伝染する”。

同紙はすでにiOSとAndroidのアプリがあり、モバイルWebからの提供もある。いずれも、印刷版から選んだ良質なコンテンツを無料で提供し、有料バージョンもある。Web上の購読料は14ドル99セントからだ。

Kindleの新聞アプリはほかに、USA TodayやThe New York Timesがあり、どれもKindle Fire上で無料だ。

〔訳注: この記事からは今回のKindleアプリと、既存のiOS/Androidアプリの違いがよく分からない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon新Kindleの名前は「Voyage」、ベゼル部分にはページ送りのためのセンサーを搭載

Amazonは、専用の電子書籍リーダーであるKindleの次世代版を世に送り込む準備を整えたようだ。ドイツおよび日本のAmazonサイトにて、新製品のデータが漏れでてしまったようなのだ(via The Verge)。どうやら名前はKindle Voyageになるようで、高解像度ディスプレイを備える。またベゼル部分にページ送りのためのセンサーを配置する。漏洩した情報によればリリース日は(少なくともドイツでは)11月4日となっている。もしかするとアメリカではもう少し早めのリリースになるのかもしれない。

Voyageには、従来通り3G対応版とWi-Fi版があって、両者で価格が異なる(繰り返しになるが、リーク情報に基づく話だ)。現行のPaperwhiteと比較すると、両モデルともに価格は上がっている。ディスプレイサイズは6インチで変わらず、しかし解像度が300ppiとなっており、これまでよりもより精細なフォントで電子書籍を楽しめるようになる。

KoboのAura HDおよびAura H2Oの解像度は265ppiとなっている。Aura H2Oのレビュー記事にも書いたように、それくらいの解像度があれば、AppleのiPhoneなどがリードするRetina時代にふさわしい解像度となっている。見やすいe-inkでレティナ解像度を実現することで、さらに見やすく感じもする。

昨年末でも報じたように、Voyageの魅力は300ppiの解像度のみではない。その頃から言っていたように、さらに薄く、そして軽くなっているのだ。日本サイトの情報から見るに、厚さは8mmで重さは186gであるとのこと。これら数値はいずれもPaperwhiteを凌いでいる。リークしたとされるマニュアルによれば、ベゼルの左右部分にセンサーが備えられており、ここでページ送りの操作ができるようにもなっているらしい。画面まで指を伸ばす必要がなくなるわけだ。ちなみに、初代Kindleにはページ送りのためのボタンがあったが、タッチスクリーンモデルとなってからは、このボタンは廃されていた。

どうやら漏れでた情報もかなり確度の高いもののように思える。そのような中、Amazonからはまだ正式なアナウンスはない。ただ、リリース日に関する情報から考えるに、正式なアナウンスもさほど遠くないものと思われる。

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(翻訳:Maeda, H


Apple、ユーザーの音楽テイストを尊重。U2アルバム削除ツールを提供

Appleはユーザーの声に耳を傾けていることが、iTunesライブラリーからU2のアルバムSongs of Innocenceを完全に削除するツールを提供したことで明らかになった(via 9to5Mac)。このアルバムは、先週Appleが新しいiPhone 6を発表した際に、イベントの一環として5億を越えるiTunes登録ユーザーに無料で配布された。しかし、一部のユーザー(例えば本誌のMatt Burns)は、自分のコレクションの中に突然U2のアルバムが入ってくることを喜ばなかった。このアイルランド出身のスーパーポップバンドのファンであるか否かにかかわらず。

無料アルバムは、AppleおよびBono率いる音楽一座による紛れもなく素晴らしいプレゼットだったが、自分のコレクションに存在しているということは、クラウドベースのiTunesから購入する人は、遅かれ早かれこれをダウンロードすることになる。また、コレクションを見た誰かは、あなたの人類における役割について必然的に何か意見を形成するだろう ― 正当であろうとなかろうと。

Songs of Innocenceの削除は簡単で、リンクに従って、iTunesストアアカウントにログインすればよい。これで削除が完了したメッセージが表示されるが、既にダウンロードしている人は、実際の曲を別途削除する必要がある。

U2のSongs of InnocenceをiTunesミュージックライブラリーおよび購入済みから削したい時は、削除することが可能だ。アカウントからアルバムが削除されると、購入済みとして再ダウンロードすることはできない。後日そのアルバムが欲しかなった場合は、再度入手する必要がある。アルバムは2014年10月13日まで誰にでも無料で配布されており、それ以降は購入すれば利用できる。

正直なところ、私の人生にはどちらの意味でも影響はなかったが、Appleがこのツールを提供するという姿勢は歓迎したい。U2は地球最大のポップグループかもしれないが、実質的にこれはAppleが「おっと失礼、それは〈あなたの〉コレクションだ。私たちはそれを尊重しなければならない」と言っている。アルバムに関して心変わりしたら、いつでもiTunesから再ダウンロードできるが、無料なのは10月13日までで、それ以降は有料購入になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Fox Sports、今シーズンNFLでは101試合をストリーミング配信へ

昔々、スポーツのストリーミング中継などあり得ないというような時代もあった。しかし時代は変わった。パソコンやスマートフォン、あるいはタブレットなどからストリーム中継でスポーツを楽しみたいと考える人が増えた。そして放送側も続々とそうしたニーズに応えるようになってきている。そうした時代の流れに乗ろうと今回動いた巨人はFox Sportsだ。今シーズンのNFLの101試合をストリーミング配信すると発表した。

もちろんストリーミング技術事態は既に一般的なものとなっている。たとえばDirecTVのNFL Sunday Ticketもここ数年にわたってNFLゲームのストリーミング配信を行なってきていた。DirecTVとしては独占的にストリーミング中継を行なって、衛星チャネルに加入している人以外にも番組を提供できるメリットがあったわけだ。

そのような中、ストリーミング配信に対する需要は大きく広がってきていた。ESPNが、自社のWatchESPNアプリケーションを使ってMonday Night Footballをオンラインで見ることができるようにするという動きもあった。またここ3回のSuper Bowlはいずれもストリーミングで提供されてもいる。1度目はNBC Sportsで、次がCBS、そして前回がFox Sportsによるものだった。

多くの人が認めているように、前回のストリーミングは大成功であったと評価できる。そこでFox Sportsとしてはさらなる展開をはかることにしたのだ。NFL101試合をウェブおよびタブレットアプリケーションで配信することとしたのだ。内訳は、レギュラーシーズンを97試合、そしてプレイオフゲームを4試合だ。2014年シーズンの間中、ストリーミング配信を楽しめることとなる。

但し、すべての人が無料で楽しめるというわけではない。ストリーミングを見るためにはケーブルテレビの受信契約をして、閲覧登録をする必要があるのだ。

また、シーズン中で100試合以上がストリーミングされるわけだが、自分の地域の試合しか見られない。つまりサンフランシスコ在住ながらもフィラデルフィア・イーグルスのファンであるというような人は、ストリーミングの恩恵を受けることはできないのだ。49ersのストリーミングを見ながら、途中経過報告でも待つしかないことになる。

たいていは地元チームを応援するケースが多いとはいえ、別地域の試合も楽しめるようになれば良いと思う。まあいずれにせよ、テレビの前に陣取っていなくても、日曜の午後にフットボールを楽しむことができるようになるのは嬉しいことだ。

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(翻訳:Maeda, H


Kobo、高解像度で防水加工のAura H20を発表

Koboから業界を震撼させる新たな電子書籍リーダーが登場してきた。標準で防水加工が施された179ドル99セントのデバイスだ。解像度は265DPIで、6.8インチ画面にe-inkを表示する。このKobo Aura H20はAura HDの後継だが、さらに薄く、そして軽くなっており、なによりも他機種に先駆けてIP67準拠の防水/防塵性能を備えている。

搭載するプロセッサは1GHzで、動作が従来よりも機敏になった。また標準搭載のメモリ容量は4GBとなっている(マイナーアップグレードを行ったKindle Paperwhiteも同じ容量となっている)。また一生をかけて、眠らずに、食事もせず、あるいは読書以外のすべてを諦めて読書三昧で過ごしたいという人のためには、32GBまでをサポートするmicroSDスロットも用意されている。

今回発表されたKoboのデバイスの性能としては、Galaxy S5と同様1mの深さで30分までなら防水機能を保つ。但しUSBポートのカバーが閉じられているkとが条件だ。なかなか便利ではあるだろうが、但しスペック的にはこちらの防水Kindle Paperwhiteには及ばない。しかしメーカー保証でかつ200ドル未満のものとしては、なかなか魅力的なデバイスだと言えるだろう。そもそも、こうしたデバイスの防水機能としては、水はねに対処すれば十分で、水中読書に耐える必要はないのだという考え方もある。

Amazonも、秋にはKindle Paperwhiteの後継機を発表するとの噂がある。Aura H20は新Kindleに先立ってプレオーダー可能となる。Kobo.comでは9月1日から販売開始となるそうだ。そして出荷開始は10月1日の予定であるとのこと。より薄く、高解像度になるという噂はきいているものの、Kindleが防水仕様になるという話はないようだ。Amazonの今後の動きに注目したい。

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(翻訳:Maeda, H


Aereoの再起の試みを連邦裁判所が潰す

最高裁に違法と判決されたAereoは、どたんばの生き残り策としてその主張*を変え、同社はケーブルプロバイダである、という申し立てを先月、裁判所に提出した。しかし控訴裁(Second Circuit Court Of Appeals)は、それを聞き入れなかった。〔*: 最初は、受信用アンテナの一種にすぎない、と主張。〕

Washington Post紙の木曜日の記事によると、裁判所は、ケーブルプロバイダとしてロイヤリティも払う、という同社の再審申請を拒否した。原告の放送企業は、これまで高裁でも下級裁でもケーブル企業ではないと繰り返し主張してきた企業が急にそんなことを言い出すのはおかしい、と指摘した。

Aereoは高裁の違法判決以降すでにサービスを停止しているから、今回の判決で変わることは何もない。Post紙によると、Aereoにはまだ、地裁への再審申請という手があるそうだ。

それに同社のCEOは、その“代替プランはない”という発言が有名になったが、そのふところには、まだいくつかの…あまり見込みのない…選択肢をあたためているようだ。

7月に同社はユーザに、そのサービスが合法となるよう現行の著作権法を改正することを、議員たちに陳情してくれ、と頼んだ。でも二大勢力が拮抗している議会がこれから中間選挙に向かう、というタイミングでは、このオプションが近々に同社にとって何らかの結果をもたらすことも、ありえないだろう。

Aereoのそのほかの選択肢は、サービスの内容を変えることだ。過去に法律のエキスパートたちは、DVRサービスに絞ってテレビのライブのストリーミングをやめれば、操業を続けられる、と言っていた。

既存のケーブル企業が確実にこの戦いに勝ち、Aereoの勝機はますます希薄になってきたようだ。

〔余計な訳注: 具体的な個別案件の裁判だからこんなもん、とはいえ、テレビとインターネットの最良の関係のあり方を展望する視点がどこにもないことが、砂を噛むように退屈。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))