東大発スタートアップ「ノイカ」が世界初のサンゴの人工産卵実証実験を再始動

環境移送技術 イノカ サンゴ 人工産卵 実証実験

東大発スタートアップ企業のイノカは7月26日、IoT技術による水温調整により、沖縄の久米島付近の海面水温と同期させた完全閉鎖環境内の実験で、サンゴの人工抱卵を実現したと発表した。また、サンゴの人工産卵のための実証実験を2020年8月から再始動すること、2021年3月に世界初の産卵時期をコントロールした人工産卵の成功を目指すことを明らかにした。

イノカは、「自然の価値を、人々に届ける」をミッションに2019年に創業した、東京大学発のスタートアップ企業。国内最高峰の「生態系エンジニア」とAI・IoTエンジニアとを中心に、生態系の理解と再現(=「人工生態系」技術)の研究開発および社会実装を推進する。

地球上の全海洋面積のうち、サンゴ礁が占める面積の割合は世界の0.2%程度にすぎない一方、約9万3000種(海洋生物種の25%程度)の生物種が生息し、1km2のサンゴ礁が年間15トンの食料を生産しているという。

サンゴの生態系は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を海洋に固定するブルーカーボン生態系としても注目されている。温室効果ガスの抑制効果も期待されていることから、世界的に減少を続けているサンゴを保護し、残していくことでSDGsに貢献できると考え、2019年10月より実験を開始した。

環境移送技術 イノカ サンゴ 人工産卵 実証実験

今回イノカが成功した実験は、独自で研究開発を進める「環境移送技術」を用い、虎ノ門・オフィスビル内の会議フロア一角にて実施した。IoT技術を活用し、四季の変化をサンゴの採種元である沖縄・久米島付近の海と同期させ、水槽内の水温調整、また水流を作ることで沖縄の海のような波を人工的に発生させた。

環境移送技術とは、水質(30種以上の微量元素の溶存濃度)をはじめ、水温・水流・照明環境・微生物を含んだ様々な生物の関係といったパラメーターのバランスを取りながら、自社開発のIoTデバイスを用いて実際の自然環境と同期させ、特定地域の生態系を自然に限りなく近い状態で水槽内に再現するイノカ独自の技術。

同実験では沖縄産の成熟したサンゴを利用し、アクアリウム用サンゴライトで紫外線を照射。ライトについては、昼は太陽を浴びるような明るさ、夜間は月明かりに照らされる程度の明るさとすることで、水槽内の環境を沖縄の海に可能な限り近づけたという。

環境移送技術 イノカ サンゴ 人工産卵 実証実験

産卵実験時のシステムは24時間ライブ配信し、産卵の予兆を常時監視。5月中旬にサンゴを折って確認したところ、体内での抱卵を確認したものの、産卵タイミングである6月中旬に再度サンゴを折って確認した際にはサンゴの体調の悪化に伴い卵が確認できず、産卵に至らなかったという。

環境移送技術 イノカ サンゴ 人工産卵 実証実験

同社は、サンゴが産卵しなかった原因を「体調不良によってサンゴ本体に卵が吸収されたのではないか」と考えており、体調悪化を食い止めるため卵を自分自身のエネルギーに変えた可能性を挙げている。

同社は、今回の結果をもとに、2020年8月より再び実証実験を開始する予定。生体へのストレスを可能なかぎり低減できるよう、水槽内の各パラメーターをさらに精緻に調整し、サンゴの健康状態の判別のために画像解析技術も応用。世界初の産卵時期をコントロールした人工産卵の成功を目指す。

また暑い時期を経験させず、かつ次の産卵タイミングまで最短でたどり着くように季節を3ヵ月ずらす。11月の水温設定から実験をスタートさせ、約半年後の2021年3月に産卵を目指すとしている。

小型水槽内での人工産卵技術が確立すれば、ビルなどの一般的な都市空間のような場所でも人工産卵が可能になるため、サンゴ研究が飛躍的に促進されるという。

また本来、自然界におけるサンゴの産卵は年に1回と限定的だが、水槽内の各パラメーター調整により、理論上産卵時期をコントロール可能となる。何世代にもわたって研究調査を行うモデル生物としてサンゴを扱えるようになるため、サンゴの基礎研究が進み、サンゴ保全に大きく寄与すると同社は考えている。

イノカは今後も、国内初のサンゴの人工産卵の成功を目指しながら、地球温暖化や環境汚染などの危機に対し、生態系の価値を「のこす」ための取り組みを進めるとしている。

関連記事
京大発スタートアップ「バイオーム」が大阪府内の生物ビッグデータの構築・生物多様性の調査に協力
健康なサンゴ礁から出る音を死んだサンゴ礁で鳴らすと海域に活気が戻る

DATAFLUCTがビッグデータを活用した青果物サプライチェーンの垂直統合・DXを支援するサービスを開始

DATAFLUCT food supply chain. データフラクト フードサプライチェーン

データサイエンスで企業課題を解決するDATAFLUCT(データフラクト)は7月22日、青果分野サプライチェーンの構築支援サービス「DATAFLUCT food supply chain.」(データフラクト フードサプライチェーン)の提供開始を発表した。青果分野における生産から出荷、流通、加工・販売、消費までを、ビッグデータの活用によって垂直統合し、未来予測によって最適化を実現する。

2019年1月創業のDATAFLUCTは、データとサイエンスの⼒で社会と事業の課題を解決するデータサイエンス・スタートアップスタジオ。2020年7月13日には、東芝の共創アクセラレータープログラム「Toshiba OPEN INNOVATION PROGRAM 2020」において、テーマ「GridDB:ビッグデータのリアルタイム分析で新たな価値創出を目指す」の協業検討企業に選定された。

同社は、「あらゆるデータを収集したデータレイクを活用した『未来予測モデルの構築』に対するニーズ」に応えるため、多種多様なデータの収集・蓄積、クラウド上でのリアルタイム分析・活用など、データに関するテクノロジーを駆使。データ活用におけるクライアントのあらゆる課題を解決、ビジネスの創出を支えているという。データレイクとは、データベース内のデータなど属性を構造的に管理する構造化データ、画像・映像・音声など特定の構造を持たない非構造化データかを問わず多種多様なデータを1つに集約し一元管理可能にしたデータ分析基盤を指す。

食のサプライチェーンを支援するサービスでは、「DATAFLUCT agri.」、「DATAFLUCT foodloss.」、「DATAFLUCT intelligent.」をすでに展開。これらの開発経験に加え、オープンデータのほか、「同社がこれまで展開してきたサービスで蓄積されたデータ」と「異なる業種の企業内に留まったままのデータ」を組み合わせるデータレイク構築技術や知見などの活用により、青果物のサプライチェーンのDX推進に貢献できると考え、新たに「DATAFLUCT food supply chain.」をサービスとして提供するという。

  • DATAFLUCT agri.: 農地の衛星画像や気象データ、価格データをAIで解析し、原料調達にかかわる収穫量や収穫日、市場取引価格を予測するサービス
  • DATAFLUCT foodloss.: 店舗のPOSデータや気象・人流などの外部データの活用によって精度の高い需要予測モデルを構築し、食品廃棄ロス削減に貢献するAIサービス
  • DATAFLUCT intelligent.: 売上管理や予約管理、発注手続きなど、サービス業における作業の自動化を補助するチャットボットサービス

DATAFLUCT food supply chain.は、分断し管理されている生産から出荷、流通、加工・販売、消費までの商流・物流におけるデータを垂直統合し、未来予測によって青果物のサプライチェーンの再構築を支援するサービス。これにより、適切な範囲での生産量や在庫量の実現、ルートや調達コストの最適化を実現し、利益の最大化に貢献するという。

利用が想定されるサービス業態は、青果物に関連するサプライチェーンに携わる企業・団体(農業生産組合、農業生産法人、食品メーカー、卸売業、スーパーマーケット、飲食店チェーン など)。特に、青果物の仕入れや販売において、原価高騰や材料ロス、在庫管理に悩む企業・団体としている。

また、活用可能なデータは、気象データ、衛星データ、主産地の生産計画、過去の生産計画、出荷履歴、入荷履歴、在庫データ、市場取引価格データ、輸入量、道路状況、配送履歴、トラックGPSデータ、人流データ、SNSデータ、POSデータなど。

活用事例としては、気象データや衛星データ、過去の生産計画・出荷履歴、市場取引価格、POSデータなどを用いて青果物の需要を予測し、最適な単価となるような生産計画に寄与するなどを挙げている。衛星データによる撮影画像を解析したキャベツ圃場の生育状態ヒートマップなどを利用するという。

DATAFLUCT food supply chain. データフラクト フードサプライチェーン

またPOSデータ、人流データ、SNSデータ、気象データなどを用いて飲食店の需要を予測し、それらを反映させたチャットボットを利用して発注を自動化する例にも触れている。

DATAFLUCT food supply chain. データフラクト フードサプライチェーン

関連記事
欧州で生花のサプライチェーンの再編を目指すスペイン拠点のColvinが16億円調達
GoogleのAutoMLで誰もが機械学習を利用できる――プログラミング不要、ビジネス利用へも

HRTechのHAB&Co.が資金調達を実施、ハローワークAPI活用の新サービスで完全API連携も開始

HAB&Co. ハブアンドコー SHIRAHA WORK

HRTechサービスの開発・展開を行うHAB&Co.(ハブアンドコー)は7月22日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資として資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は非公開。引受先は九州オープンイノベーション1号投資事業有限責任組合、Miraise1号投資事業有限責任組合、ABBALabスタートアップファンド投資事業有限責任組合。

また、ハローワークユーザーが採用サイトを手軽に作れるサービス「SHIRAHA WORK」において、7月より完全API連携が可能となったと発表した。

HAB&Co.は、HRTech/SaaSの自社サービス事業、有料職業紹介事業、就職・移住相談が可能なコミュニティスペースの運営管理、UI/UX領域を中心としたクライアントワーク事業を展開。調達した資金は、日本の中小零細企業の人材不足問題の解決に向けた事業の加速に利用するという。

AI技術を活用した採用サイト・オウンドメディアを作れるサービス「SHIRAHA -シラハ-」は、2019年のローンチ以降、全国の中小企業を中心に350社以上に導入されているという。

また、SHIRAHA運営の過程で人事担当者の声からスピンオフでリリースした「SHIRAHA WORK -シラハワーク-」は、ハローワークを活用している企業が有する「求人番号」を入力するだけで自社独自の採用サイトを作成可能。

HAB&Co. ハブアンドコー SHIRAHA WORK

同サービスでは、AI技術とハローワーク求人・求職情報提供サービスのAPIを利用し、すでに提出済みの求人情報を取得・一部活用することで、ノーコードでのサイト構築を実現できる。一般的なサイト制作と比べ、所用時間を90%以上削減、数十〜百万円単位でのコストカットが可能となったという。

また、制作後の運用や応募者管理を円滑にするためのCMS(コンテンツ管理システム)・ATS(採用管理システム)、求人検索エンジンとのクローリング連携なども備えており、中小企業の人事採用担当者を総合的にサポートできる。

HAB&Co. ハブアンドコー SHIRAHA WORK

LINE Fukuokaが自治体向けにLINE公式アカウント機能のソースコードを無償提供、福岡市アカウントがモデル

LINE Fukuoka LINE SMART CITY GovTechプログラム 福岡市 ソースコード

LINE Fukuokaは7月21日、自治体が汎用的に活用できる「LINE SMART CITY GovTechプログラム」のソースコードについて、2020年秋頃から無償で提供開始すると発表した。同プログラムは、LINE公式アカウントの機能について、福岡市LINE公式アカウントをモデルに開発したもの。

また同日、「LINE SMART CITY GovTechプログラム公式ページ」において、詳細な情報を希望する自治体向けの事前登録受付を開始した。事前登録を行った場合、提供可能となり次第ソースコードを提供する。希望者にはLINE Fukuokaと開発について相談の機会を設け、その後同プログラムを用いて開発を行える開発パートナーを案内するという。

今回のLINE SMART CITY GovTechプログラムは、福岡市LINE公式アカウントの機能開発の知見を活かし開発した、全国の自治体が汎用的に活用できるLINE公式アカウントの機能。同ソースコードを活用して機能を開発することで、ゼロから機能を開発する場合と比べ、企画の工数や開発コストを抑えられる。ソースコードを無償提供することで、より多くの自治体がLINE公式アカウントを市民の暮らしの利便性向上に役立てられることを目指しているという。

なお、無償で提供するのはソースコードのみで、機能を実装する際には別途開発やサーバーなどが必要となる。LINE Fukuokaは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を用いることで、提供ソースコードを改変することなくそのまま活用できるしている(AWSの利用は必須ではない)。

LINE Fukuoka LINE SMART CITY GovTechプログラム 福岡市 ソースコード

LINE SMART CITY GovTechプログラムのソースコードに含まれる機能は、「セグメント配信機能」、「申請/アンケート機能」、「FAQ機能 – チャットボット形式応答」「管理機能」の4機能。セグメント配信は、自治体から導入に関する問い合わせの多かったものという。

LINE Fukuoka LINE SMART CITY GovTechプログラム 福岡市 ソースコード

セグメント配信機能では、管理者画面の配信リストで対象ユーザーの条件を絞り込み、指定ユーザーだけに情報を配信できる。また、ユーザー自身が受け取りたい情報を選択し、自分に必要なカテゴリのメッセージだけを受け取れるよう設定することも可能。防災や子育てなど、市民の興味・関心に合わせた情報配信に活用できるとしている。

申請/アンケート機能は、LINEのチャット機能やLINE上でひらくWebアンケートフォームを使い、ユーザーからの申請や情報提供を受け付けられるというもの。FAQ機能は、よくある問い合わせへの回答をチャットボット形式で紹介できる機能。チャットボットのシナリオは管理画面で設定可能。

管理機能では、機能利用の統計情報やロールごとの権限の設定、システムユーザーの管理などのシステム運用に必要な機能を提供する。

LINE Fukuokaは福岡市と共働し、福岡市LINE公式アカウントの機能を拡張。現在では、友だち数は169万人を超え、行政情報の選択受信をはじめ、申請手続き・市民から行政への通報・災害時のサポート機能など様々なサービスを提供している。

福岡市LINE公式アカウントでは、コミュニケーションプラットフォームであるLINEの特徴を活かし、市民と行政のコミュニケーションをサポート。特別定額給付金の支給の際には、市民の不安・疑問の解消、また手続きをスムーズにするため、チャットボットで回答する「特別定額給付金案内機能」を提供。10万回以上の利用があったという。

このほか、災害時に最新の災害情報を地区ごとに通知する機能や、地域の不具合を市民が発見し、自らLINEで行政に通報する機能などを提供。市民と行政の様々なコミュニケーションをLINEでサポートしている。

関連記事
TRUSTDOCKが福岡市の実証実験プロジェクトに採択、デジタル身分証による行政手続きを検証
福岡県がAIリアルタイム危機管理情報のSpectee Proを採用、災害対応に活用
ANAやLINE Fukuokaがドローン配送実験、玄界島からアワビとサザエ運ぶ
コード決済の1つの未来がここに、LINE Fukuokaが木の葉モール橋本でモバイルオーダー&LINE Pay決済の実証実験

DMM.make AKIBAが東大IPC起業支援プログラムを通じスタートアップを支援

DMM.make AKIBA 東大IPC 1stRound

DMM.comは7月21日、事業課題解決型プラットフォーム「DMM.make AKIBA」がコンソーシアム型インキュベーションプログラム「東大IPC 1stRound」を通じ起業支援を開始したと発表した。

DMM.comは、スタートアップ支援を目的に東大IPC 1stRoundと連携し、採択されたチームに対しDMM.make AKIBA施設を無料で利用できる取り組みを開始する。これにより、採択されたチームは無料で機材を利用しプロダクトを開発したり、ビジネスの拠点として施設を利用したりできるようになる。

DMM.make AKIBAは、今後も教育機関などと連携し支援を広げるとともに、様々なステークホルダーを巻き込んだネットワーク・コミュニティによりオープンイノベーションの推進に取り組むとしている。

DMM.make AKIBA 東大IPC 1stRound

2014年11月開設のDMM.make AKIBAは、ハードウェア開発・試作に必要な最新機材を取り揃えたモノづくりの拠点「Studio」、コワーキングスペースやイベントスペース、会議室として利用できるビジネスの拠点「Base」で構成された、ハードウェア開発をトータルでサポートする総合型のモノづくり施設。

ハードウェア開発用に約5億円を投じた機材と、技術やビジネス面でサポートするスタッフ、さらに24時間利用可能なコワーキングスペースを備えており、新たなモノづくりに挑戦するイノベーターをトータルで支援している。

またDMM.make AKIBAは、スタートアップ150社を含む600社、4000名以上の会員、スポンサー企業、地方自治体、国内外のパートナー機関、ベンチャーキャピタルなどを含む広いネットワーク・コミュニティを形成。施設常駐のコミュニティマネージャーやテックスタッフ、イベントなどを通して事業を加速するパートナーや協業先、切磋琢磨する仲間とも出会えるという。

東大IPC 1stRoundは、東京大学のイノベーションエコシステム拡大を担う「東大IPC」(東京大学協創プラットフォーム開発)が運営する、コンソーシアム型の起業支援プログラム。起業前やシードラウンドの現役学生、卒業生などの東京大学関係のスタートアップに対し、活動資金に加えて、開発リソース・オフィス・ITシステムなど、本格的な事業開始に必要なリソースをハンズオン支援6ヵ月間とともに提供することで事業の垂直立上げを実現。プログラムは年2回開催され、各回約5社を採択している。

2019年より開始した同プログラムでは累計22の団体が採択され、うち12組が1年以内に資金調達に成功している(2020年 6月末現在)。

DMM.make AKIBA 東大IPC 1stRound

関連記事
ゴミテック、道路点検AI、小型衛星エンジンなど、東大IPC起業支援プログラムが新たな支援先を発表
漫画の自動翻訳、手術支援AI、下膳ロボ、昆虫食など、東大IPC起業支援プログラムが第4回目の支援先を発表
東大IPCが新たな起業支援プログラム開始へ、JR東日本スタートアップや三井不動産らと連携

集英社・少年ジャンプ編集部と新規事業開発部が「マンガテック2020」参加スタートアップを募集

集英社 少年ジャンプ編集部 新規事業開発部 スタートアップ アクセラレータープログラム マンガテック2020

集英社・少年ジャンプ編集部と新規事業開発部は7月21日、新たなマンガビジネス創造を目指す「集英社スタートアップアクセラレータープログラムマンガテック2020」(マンガテック2020)において、スタートアップ企業の募集開始を発表した。募集期間は9月30日23時59分まで。

集英社 少年ジャンプ編集部 新規事業開発部 スタートアップ アクセラレータープログラム マンガテック2020

マンガテック2020は、多くのマンガ作品を送り出してきた集英社が、従来のマンガビジネスにとらわれない斬新な事業アイデアを持つスタートアップとともに、新たなビジネスを生み出すための共創プログラム。もっとマンガの可能性を拡げたい・変えてみたいという、マンガビジネス開拓に熱い想いとアイデアを持つ起業家・スタートアップを募集する。

1次選考(書類選考)、2次選考(選考面談)の実施後、通過者は3次選考「マンガテック選考会」に参加可能となる。同選考会では、アクセラレータープログラムの対象者(5者予定)を選定。メンターの協力のもと「少年ジャンプ」編集部と新規事業開発部が中心となり行う。

また、マンガテック選考会で選出された対象企業に対しては、メンターによる伴走型アドバイス、少年ジャンプ編集部と新規事業開発部の持つマンガビジネスノウハウ、チャネルなどの資産の提供を通じて、事業ステージを進める起業・経営支援を実施する。

アクセラレータープログラムの成果発表は、2021年3月下旬予定。詳細なスケジュールなどは専用サイトで順次公開する。

  • 募集テーマ: 「エンタメ業界を変革するような新規アイデア、ビジネス」。自由な発想で、これまでに思いつかなかった分野・アイデア・テクノロジーとマンガを組み合わせ、新たな価値を生み出せるもの
  • 募集対象: 従来のマンガ、パブリッシングビジネス領域をアップデートできる、常識にとらわれないビジネスへのチャレンジを志す起業家・スタートアップ、新規事業を計画中の起業志望者(個人)。国籍・年齢などは問わないが、同プログラムはすべて日本語で実施される
  • 応募方法: 専用サイトにおいて募集受付
  • 募集期間: 9月30日23時59分まで
  • 賞品・賞金: アクセラレータープログラムへの参加権。副賞として最優秀賞1者「100万円分の事業化支援金」、優秀賞1者「50万円分の事業化支援金」、入賞3者「10万円分の事業化支援金」を用意

少年ジャンプ編集部では、マンガ・キャラクターに関する新しいアプリ・Webサービスの開発案募集について、2017年4月より「少年ジャンプアプリ開発コンテスト」として実施。これまでの入賞企画は、電子コミックマッピングサービス「マワシヨミジャンプ」、マンガアプリ「瞬刊少年ジャンプ」として配信を行った実績がある。

そうした中で、アプリ開発だけではない、新しいマンガビジネスの可能性を感じるようになったという。従来出版ビジネスの範囲では出会えなかったスタートアップや個人から、マンガ、キャラクター、パブリッシング分野に関連するイノベーティブな事業アイデアを広く募集し、共に新たなマンガビジネスを創出、発展させたいとしている。

関連記事
マンガへの危機感から「少年ジャンプ」が3期目アプリコンテストにかける思い
ブロックチェーンサービスのGaudiyとマンガアプリのコミックスマートがイーサリアム基盤の電子書籍事業を推進

Plug and Play Japanが国内3拠点目を大阪府に開設、「スマートシティ」をテーマにスタートアップ募集

Plug and Play Osaka

グローバル・ベンチャーキャピタル/アクセラレーターのPlug and Play Japanは7月21日、昨年の京都拠点開設に続き、3拠点目となる「Plug and Play Osaka」を大阪府大阪市に開設すると発表した。

Plug and Playは、革新的な技術やアイディアを持つスタートアップを大手企業とともに支援を行う、シリコンバレー本拠のグローバル・ベンチャーキャピタルおよびアクセラレーター。世界33拠点に展開し、日本ではすでに東京と京都の2拠点を構えている。

Plug and Play Osakaは大阪府大阪市のナレッジキャピタル内に開設(大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館8階)。ファウンディング(創設)アンカーパートナーであるダイキン工業、近鉄グループホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングス、大林組、電通、エコシステムパートナーの竹中工務店の7社とともに、「スマートシティ」をテーマとしたアクセラレータープログラムを実施する。なおスマートシティとは、都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、計画、整備、管理・運営などマネジメントが行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区を指す。

Plug and Play Osaka

Plug and Play Japanは、2025年の大阪・関西万博などの世界的なイベント開催に向けた新しいスマートシティの発展と、うめきた二期や天王寺などの再開発による既存のまちのスマートシティ化の推進に貢献するとしている。

Plug and Play Osakaの1つ目のプログラムは、「スマートシティ」をテーマとして実施。また、この「スマートシティ」に基づいた注力分野は、「Smart Life & Construction」、「Travel & Experiences」、「Urban Mobility & Clean Tech」、「Hospitality & Health」の4つを予定している。締め切りは9月7日予定。

また、大阪府や大阪市、経済産業省近畿経済産業局、ナレッジキャピタルとも連携し、地域を挙げてプログラムを運営していくという。

Plug and Play Osaka

関連記事
Plug and Play Japanが「Winter/Spring 2021 Batch」参加スタートアップの募集開始
日本のスタートアップ成長に重要な5つの要素とは——Plug and Play SHIBUYA開設から1年

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.12~18)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年7月12日~18日の情報をまとめた。

デジタル日本円の行方は? 日本における中央銀行デジタル通貨(CBDC)動向

日本銀行の「中央銀行発行デジタル通貨とは何ですか?」によると、一般には、中央銀行デジタル通貨(CBDC。Central Bank Digital Currency)とは「デジタル化されていること」「円などの法定通貨建てであること」「中央銀行の債務として発行されること」の3要素を満たすものという。簡単にいえば、デジタル日本円、デジタル米ドルなどにあたるデジタル通貨と考えて差し支えない。

国内におけるCBDCについて日本銀行は、現時点では発行は未定であるとするも中央銀行がCBDCを発行すべきかどうかは重要な検討課題であるとしている。

2017年9月6日、欧州中央銀行と共同で分散型台帳技術(DLT。Distributed Ledger Technology)に関する調査「プロジェクト・ステラ」による共同調査報告書を公表

2020年1月21日には、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行、国際決済銀行(BIS)とともに、それぞれの国・地域においてCBDCの活用可能性の評価に関する知見を共有するために、グループを設立したことを報告した

また日本銀行決済機構局は2020年7月2日、「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」と称したCBDCにおける課題についてレポートを公開した。レポートでは、CBDCが現金と同等の機能を持つためには、「誰もがいつでも何処でも、安全確実に利用できる決済手段」であることが求められることから、CBDCが多様なユーザーが利用可能になる「ユニバーサル・アクセス」と、通信・電源途絶への耐性を備えたオフライン決済機能等を備える「強靭性」という2つの特性が技術的に実現可能かどうかを検討することが重要なテーマになることを報告している。

7月17日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020~危機の克服、そして新しい未来へ~」(骨太方針2020)でも、短いながらCBDCの話題が登場した。「中央銀行デジタル通貨については、日本銀行において技術的な検証を狙いとした実証実験を行うなど、各国と連携しつつ検討を行う」としている。

タイ中央銀行がCBDCの実証実験を開始、実際に利用されている企業システムに統合

Facebook(フェイスブック)が支援するLibra(リブラ)プロジェクトへの懸念を皮切りに、中国のデジタル通貨/電子決済(DECP。Digital Currency/Electronic Payment。デジタル人民元)の試験運用などがすでに2020年4月には報じられており、積極的なスタンスを採っている国もある。

タイ中央銀行(BOT。Bank of Thailand)は、研究開発中のCBDCが次の段階へと進み、大手企業間の金融取引にて実証実験を開始した。この実験について、BOT副総裁のバチラ・アロムディー氏が語った説明をタイ英字メディア「The Nation」が7月16日に報じている

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間

BOTは6月18日、CBDCを利用した、企業向け決済システムのプロトタイプ開発プロジェクトを発表している。同プロジェクトは、実現可能性調査の実施に加えて、実際に企業で利用されているシステムにCBDCを統合するようで、バチラ氏の発言はその発表内容について公に語ったものとなっている。

また、バチラ氏は「中央銀行はCBDCの利用を一般向けに拡大することも考えているが、それには包括的な調査をする必要がある」と、課題についても述べている。CBDCが実現できれば金融取引のコストを削減できるだろうと、メリットについても言及。同氏は、中国においてはトークンの形でのデジタル通貨の公共利用は金融システムには影響を与えなかったことを引用し、付け加えている。

BOTのプロジェクトは、セメント・建設資材会社Siam Cementとそのサプライヤーの調達・財務管理システムに、プロトタイプCBDCを統合するという。プロトタイプCBDCは、企業間の資金移動の柔軟性を高め、サプライヤー間でより迅速かつ機動的な決済を実現するなど、企業にとってより高い決済効率を実現する金融イノベーションとして期待されている。同プロジェクトは年内には終了する予定で、その後、BOTはプロジェクト概要と成果を公表する予定。

また、BOTとタイの主要金融機関8社によるCBDC共同研究プロジェクト「Project Inthanon」では、ホールセール(機関投資家・公共機関等大口顧客対象の営業)CBDCを利用した国内ホールセール資金移動の研究・開発を行っている。同プロジェクトは、2019年5月より香港金融管理局(HKMA)とも共同研究を実施。越境決済のプロトタイプを開発し、タイバーツと香港ドルのリアルタイム交換および送金の実現可能性を探ってきた。2020年1月にプロトタイプの完成を報告している。バチラ氏は今回、2020年9月にはBOTと香港金融管理局との取引にCBDCを利用し始めることも明らかにしている。

マネックス証券が暗号資産CFD(差金決済取引)取扱い開始

マネックス証券は7月17日、新たに提供を開始した金融商品サービス暗号資産CFD(差金決済取引)に対応する専用アプリ「MONEX TRADER CRYPTO」のiOS版リリースしたAndroid版は公開済み)。

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.12~18)

同証券の暗号資産CFDは、ビットコイン(BTC)・ビットコインキャッシュ(BCH)・イーサリアム(ETH)・XRP(リップル)の4銘柄、最大2倍のレバレッジ取引が行える。専用アプリは、暗号資産CFDのストリーミング注文や指値・逆指値注文ほか、OCO、IFD、IFOなどの複合注文にも対応している。アプリは、マネックス証券に口座を開設していない場合も暗号資産の相場価格やチャートなどの機能のみ利用可能。

改正金融商品取引法(金商法)の2020年5月1日施行により、暗号資産のデリバティブ取引は金商法の「金融商品」と規定されたため、改正法施行後に暗号資産デリバティブ取引を取り扱うには、金融庁の第一種金融商品取引業ライセンスが必要となった。それに伴い、ライセンス取得済みの証券会社は、暗号資産デリバティブ取引を取り扱うことが可能となった。

マネックス証券は、7月8日より主要ネット証券では初となる暗号資産関連店頭デリバティブ取引の取り扱いを開始した

また、これまで(5月1日以前)暗号資産デリバティブ取引を行ってきた暗号資産交換業者(仮想通貨交換業者)は、第一種金融商品取引業ライセンスがなくとも「みなし金融商品取引業者」として業務を継続できるとした。また、経過措置として改正法施行日以後6ヵ月以内に金融商品取引業の登録申請を行うことで、原則1年6ヵ月間業務を継続できるとしている。ただし経過措置は既存の業務範囲に限られるため、新規の顧客を獲得するといったことはできない。

NFTマーケットプレイス「miime」で、ブロックチェーンゲーム内キャラクター・アイテムが日本円で取引・決済可能に

メタップスアルファは7月14日、ブロックチェーンゲームのキャラクターやアイテムなどNFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)をの売買できるマーケットプレイス(取引所)「miime」(ミーム)において、日本円による決済機能を追加したことを発表した

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.12~18)

ブロックチェーンゲームにおけるデジタルアイテム(NFT)は、一般には(ゲーム会社のものではなく)プレイヤーの保有物として設計されており、プレイヤー間で自由に取引できるようになっている。

ただし取引の際、イーサリアム(ETH)など暗号資産を事前に準備しておく必要がある。暗号資産を保有していない新規ユーザーにとってこれが大きなハードルとして存在するとともに、NFT取引市場の発展における課題となっていた。

従来miimeも例外ではなく、取引にはイーサリアムを必要としていたため、その解決に取り組んできたという。

今回miimeでは、クレジットカード(VISA・マスターカード)による決済方法に加えて、グループ会社が運営する送金アプリ「pring」による決済手段を導入。暗号資産を保有していないユーザーもmiimeを介してデジタルアイテム(NFT)の取引を日本円で行えるようになった。

ちなみにNFTとは、イーサリアムのトークン規格ERC-721準拠など、代替不可能性を備えるトークンを指す。NFTは、発行するトークンそれぞれに固有の性質や希少性を持たせられるため、ゲーム内のアイテムやキャラクターをNFTとして設計することで、他と交換不可能(代替不可能)な世界にひとつしかないアイテムやキャラとして表現できる。またそもそもブロックチェーン技術を基盤としているため、NFT保有者(プレイヤー)は、所有権やその移転について、改ざん・偽造が不可能な形で透明性を保ちつつ管理できる。

miimeの場合は、ブロックチェーンと組み合わせたWebアプリケーションとして動作し、ブロックチェーン上において様々な処理を自動化する仕組み「スマートコントラクト」によりデジタルアイテムの売買成立と同時に所有権の移転を実行しているという。

現在miimeは、「My Crypto Heroes」 や「CryptoSpells」など、国内主要ブロックチェーンゲームタイトルのデジタルアイテム(NFT)を中心に、全9タイトルに対応している。今後は、コレクション要素を持ったカードアイテムや、ワイン・アートといった高付加価値商品など、非ゲーム領域におけるデジタルアイテムの売買も視野に事業展開を考えているという。

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.12~18)

NFTおよびNFTマーケットプレイスは、あらゆるデジタルアイテムの所有権売買の取引をユーザー間で行うことを可能にし、将来有望なブロックチェーン技術・サービスのひとつともいわれている。

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.12~18)

関連記事
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.7.5~11)

コード・フォー・ジャパンが飲食店情報をオープン化する「OPEN EATS JAPAN」プロジェクトを開始

コード・フォー・ジャパン シビックテック OPEN EATS JAPAN

一般社団法人「コード・フォー・ジャパン」(Code for Japan)は7月20日、各地のシビックテック団体や民間サービスと連携し、飲食店情報をオープン化し社会で共有するためのプロジェクト「OPEN EATS JAPAN」を開始した。コード・フォー・ジャパンは、情報技術を活用し、全国の自治体・コミュニティと地域課題の解決に取り組んでいる。

新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために多くの飲食店が休業を余儀なくされた状況を受け、各地では飲食店を支援するためにテイクアウトやデリバリーが可能な飲食店情報を収集して公開する多くのプロジェクトが立ち上がったという。

これら取り組みを一過性のものに終わらせず、今後も地域で協力し飲食店情報の発信を進めるため、コード・フォー・ジャパンは、各地で収集された飲食店データを広く様々なアプリやサービスで利用可能にするための標準フォーマット「飲食店情報オープンデータ項目定義書」を作成し公開。詳細はOPEN EATS JAPANプロジェクトページから参照できる。

飲食店データの標準フォーマットの検討においては、すでに飲食店情報やテイクアウト・デリバリー情報の検索サービスを運営している民間企業、各地のシビックテック団体と協力し、互いの所有するデータやサービスデザインを共有しながら進めたという。

協力団体(五十音順)は、うちたべ、オープン川崎/Code for Kawasaki、KATTE、Code for YOKOHAMA、Save the tables、トレタ。

今後各協力団体において、今回作成した標準フォーマットに準拠した形での飲食店オープンデータの公開を進める予定。さらに、飲食店情報をより検索しやすくするため、飲食店の分類のための標準タグ(キーワード)の整備を進める予定としている。

また、同プロジェクトはオープンに議論を進めており、誰でも参加可能。コード・フォー・ジャパンは、すでに飲食店の検索サービスを運用している方や、飲食店情報の収集や公開を計画している方からの参加を呼びかけている。

オープンデータを進めるにあたり支援の必要な自治体担当者向けの問い合わせ先、シビックテックに興味があるエンジニア・デザイナーの方や、飲食店情報の標準化に興味がある方向けの参加方法に関する情報もプロジェクトページに掲載されている。

関連記事
「東京都 新型コロナウイルス感染症 支援情報ナビ」のソースコードが公開
2016年、市民により良いサービスを提供するために行政はいかに変わるのか

細胞培養スタートアップのインテグリカルチャーがエビ細胞培養肉の研究開発を開始、シンガポール企業とタッグ

培養肉 細胞培養 細胞農業 インテグリカルチャー Shiok Meats

細胞培養スタートアップのインテグリカルチャーは7月20日、シンガポールのShiok Meats Pte. Ltd.(Shiok Meats)とともにエビ細胞培養肉の共同研究を開始すると発表した。

インテグリカルチャーの食品グレード培養液と汎用大規模細胞培養技術「CulNet System」は、これまでに牛と家禽の細胞における有効性を確認済み。同共同研究では、これらを新たに甲殻類の細胞にも拡張し、長期的にはエビの細胞培養肉を安価で大規模に製造することを目指す。

細胞培養肉の原料である培養液は、タンパク質・糖質・脂肪・ビタミン・ミネラル・血清成分からなり、特に血清成分の低価格化が培養肉の実用化において鍵となるという。同研究ではCulNet Systemの技術をベースに、血清成分を添加せずにエビの細胞を大量培養する技術を開発。Shiok Meatsは、この培養技術を活用し製造される培養エビ肉を2022年頃商品化することを目指す。

また同研究は、2020年5月開始のCulNet Systemにおいて、個別企業の細胞培養商用化をサポートする「CulNetパイプライン」ソリューションにおいて運用する。

インテグリカルチャーは、細胞農業(細胞培養)が普及する世界の実現に向けて、その低価格化・大規模化の技術開発を行うスタートアップ企業。

従来の細胞培養方法で純肉を生産するには、100gで数百万円のコストがかかっていたという。そこで同社では、食品材料を用いた培養液とCulNet Systemとともに、細胞培養のコストを大幅に下げる技術を開発した。

CulNet Systemは、汎用性の高い細胞培養プラットフォーム技術で、動物体内の細胞間相互作用を模した環境を擬似的に構築する装置となっているという。同技術は、理論的にはあらゆる動物細胞を大規模・安価に培養可能で、培養肉をはじめコスメから食材まで様々な用途での活用を想定している。

すでにラボスケールでは、管理された制御装置下で種々の細胞を自動培養し、高コストの一因であった血清成分の作出を実現している(国内外で特許取得済み)。血清成分の内製化実現により、従来の細胞培養が高コストとなる主因の牛胎児血清や成長因子を使わずに済み、細胞培養の大幅なコストダウンを実現した。

CulNetパイプラインは、CulNet Systemを用いて、個々の企業が希望する動物種の細胞を使い、細胞農業商用化をサポートするソリューション。

Shiok Meatsは、幹細胞の研究者Dr. Sandhya Sriram(CEO。写真右)とDr. Ka Yi Ling(CTO。写真左)が共同設立した、シンガポールおよび東南アジアで初の細胞農業企業。同社は、動物ではなく細胞から食肉を製造することで、クリーンで上質で健康的な魚介類や食肉を提供することをミッションとしており、エビ・カニ・ロブスターなど甲殻類の細胞培養肉に取り組んでいる。

培養肉 細胞培養 細胞農業 インテグリカルチャー Shiok Meats

関連記事
食品の未来に取り組むKFC、ロシアの3Dプリント肉から米国の人工肉まで
人工肉のNuggsがSimulateにリブランド、資金とCTOを得てチキンナゲット代替品のみから製品ライン拡大へ
ジャックフルーツで人工肉を作るシンガポール拠点のKaranaが1.8億円調達
Beyond Meatの代替肉バーガーが中国アリババのスーパーに登場
浮遊植物アオウキクサから卵白代替品を開発するPlantibleが約5億円調達
Impossible Foodsの代替肉バーガーが全米1000店で販売に
日本発の代替肉スタートアップDAIZ、ニチレイフーズと資本業務提携を締結
代替肉製造Beyond Meatのファーストフードチェーン開拓は試行錯誤
代替タンパク質の次なる大きな波は植物由来や細胞培養のシーフード

ITエンジニア向け求職・学習サービス「paiza」が登録者数35万人突破

paiza パイザ

ITエンジニア向け総合求職・学習プラットフォーム「paiza」(パイザ)は7月20日、2020年7月に登録者数が35万人を突破したと発表した。

2013年のサービス開始以来、2019年1月に登録者数が20万人に到達。その後も月8000人を超えるペースで登録者数を伸ばし、今年7月に35万人を突破したという。求職サービスの利用企業数は、現在2164社に上る。

paizaの特徴は、登録者がいつでも受験可能な「スキルチェック」。アルゴリズムの理解度やコーディング能力などをプログラミング問題を使って判定し、ITエンジニアやITエンジニア志望者のスキルを6段階(paizaランク)で可視化している。またpaizaランクを利用し、求職者と企業をミスマッチなくつなげる「paiza転職」「paiza新卒」、第2新卒向け「EN:TRY」を提供している。

paiza パイザ

学習サービスとしては、ITエンジニアや志望者が自身のレベルを把握した上で、楽しみながらスキルアップを目指せる動画プログラミング学習サービス「paizaラーニング」を提供。企業向け「paizaラーニング for TEAM」、学校向け「paizaラーニング 学校フリーパス」も展開。

従来ITエンジニアの採用は、スキルが不明確なまま行われることが多く、求職者と企業の間でミスマッチが起きていたという。paizaはそうした課題解決を図るサービスとして、求職者・企業双方から支持を得ているという。またプログラミングスキルを可視化して、求職者と企業のマッチングを行う仕組みについては、特許番号:第5649148号「プログラミングスキル評価装置、プログラミングスキルの評価方法、求人情報選択装置及び求人情報の選択方法」として特許を取得している。

ユーザーの内訳を見ると、近年、特に「paizaランク」B以上(中・上位レベル)が増えているという。世代別では、20代前半のユーザーが半数を占める一方、30代以上も4割を超えており、現役エンジニアの登録が増加傾向にあるとした。

paiza パイザ

paiza パイザ

関連記事
エンジニアコミュニティ「Qiita」の会員数が50万人を突破、質問機能を正式公開
プログラミング学習サービスのProgateが世界登録ユーザー数150万人突破
Preferred Networksが教育事業に参入、独自のプログラミング教材「Playgram」を開発
堅実ではあるが成長の遅いスタートアップはこの先どうなるか?
プログラミング学習をゲーム化、paiza運営のギノが「ガルこれ」をリリース
環境構築に時間をかけず、プログラミング学習に専念できる「paiza 動画ラーニング」

クラウド型建設プロジェクト管理のアンドパッドが約40億円の資金調達、アライアンスも開始

ANDPADアライアンス アンドパッド

クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」運営のアンドパッド(旧社名オクト)は7月20日、第三者割当増資として約40億円の資金調達を発表した。引受先はグロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とする、DNX Ventures、Salesforce Ventures、BEENEXTの既存投資家。今後2020年9月をめどに、総額約60億円(今回の調達額を含む)の資金調達を完了する予定。また建築業界のDX化に貢献する「ANDPADアライアンス」の開始を明らかにした。

アンドパッドは、「幸せを築く人を、幸せに。」というミッションを掲げ、業界の人手不足解決、働き方改革を加速させる建設・建築業に特化したクラウド型建設プロジェクト管理サービスANDPADを提供。2016年のサービスリリース以来、2020年7月現在で2000社の企業に導入されているという。ANDPADは、国土交通省のNETIS (新技術情報提供システム) にも登録されており、14万人以上の建設・建築関係者が利用しているクラウド型建設プロジェクト管理サービスとなっている。

今回の調達資金によって、プロダクト開発体制の増強による顧客体験の圧倒的な向上、そしてR&Dとして、業界全体のDX化に貢献するテクノロジーを追求し、社会実装の検証を進めるとしている。

また、現場仕事が多い建設・建築業界の働き方も、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機にテレワーク化が進行などデジタル化への動きが加速、また建設業就業者の約3割が55歳以上と高齢化しているなどの社会背景により、今後さらなるDX化・IT化への投資拡大が予想されるという。

そこでアンドパッドは、建築会社の業務DX化に貢献するべく、ANDPADと併用できるサービスとのシステム連携を進めるという。業界に精通したERPや原価管理パッケージ、見積作成、B2Cマッチング、瑕疵保険、教育サービスといった建築業界特化のソリューション・サービスとの連携、電子契約、営業管理、マーケティングツール、IoT、産業用ドローンなど建築業界に今後貢献するテクノロジーとの連携・共同研究を行うことを明らかにした。

ANDPADアライアンス アンドパッド

関連記事
建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」開発のオクトが14億円を調達
設プロジェクトSaaS「ANDPAD」開発のオクトが4億円を資金調達、経営プラットフォームへの進化目指す

ロボティクスプラットフォームのRapyuta RoboticsがBizTech ファンドから資金調達

Rapyuta Robotics rapyuta.io マーキュリア

ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」提供のRapyuta Roboticsは7月20日、マーキュリアインベストメントおよび伊藤忠商事が共同組成したBizTech ファンド(マーキュリア・ビズテック投資事業有限責任組合)からの資金調達を発表した。調達額は非公開。

調達した資金は、複数・異種ロボットの協調連携を実現する、同社独自の群制御AIおよびソフトウェアの開発に投資する予定。同分野は、まだ世界的にも黎明期にあり、rapyuta.ioの技術を発揮できる分野であること、様々な商品を扱う倉庫物流を自動化する上で不可欠な技術となることから、戦略的な注力分野と位置づけているという。

Rapyuta Roboticsは、チューリッヒ工科大学(ETH Zürich)からスピンオフした大学発スタートアップ。2014年7月設立の同社はEU出資の研究プロジェクト「RoboEarth」出身チームにより日本で創業した。

「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、世界でも最先端の制御技術および人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」を開発。

複数および複数種類のロボットの協調制御を得意としており、特に倉庫物流の自動化に注力している。自律移動ロボットや自動フォークリフト、ロボットアームなど、多種多様、かつ複数のロボットを、クラウドから一括管理し、協調制御や、ロボットナビゲーションなどが可能となる。

また、rapyuta.ioにより、システム構成要素を一から作り上げる必要がなくなり、ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中できるとしている。

2020年5月には、このプラットフォーム構想の第1歩として、物流倉庫用協働型ピッキングアシスタントロボット(自律走行型のAMR、Autonomous Mobile Robot)の商用化を実現した。

マーキュリアインベストメントは、日本政策投資銀⾏が中心となり設⽴された、東証一部上場のプライベート・エクイティ投資の運⽤企業。BizTech ファンドは、マーキュリアの戦略株主である伊藤忠商事を中心に、不動産・物流業界の事業会社をパートナーに迎え、当業界の変革に挑戦する企業の⽀援を目的としている。

関連記事
クラウドロボティクスプラットフォーム開発のRapyuta Roboticsは“物流ロボのサブスク化”を目指す

店舗比較サイトのオトコロドットコムが1.5億円の資金調達

オトコロドットコム

店舗比較サイト「オトコロドットコム」運営のオトコロドットコムは7月20日、プレシリーズ Aラウンドにおいて、第三者割当増資として1.5億円の資金調達を実施した。引受先はニッセイ・キャピタル。設立から約1年3ヵ月での累計調達額は2億円。

今回の調達した資金は、オトコロドットコムのサービス拡充と開発強化を行う。店舗などを検索するユーザーのニーズがより細分化されてきており、住所・電話番号に加えてサービスの特徴・料金など、より細かな目的に沿った具体的な情報について、既存の業種分類ではなく「ニーズ別にわかりやすい」表示が求められているという。

同社では、それら需要に応えるため「ITシステム、機械学習、人力での情報収集」を組み合わせることで、良質なコンテンツを素早く生み出す仕組みを構築していくとしている。

オトコロドットコムは、2019年3月に会社設立。店舗・施設の比較サイト「オトコロドットコム」を2019年6月にローンチし、2020年5月には掲載店舗数が約5万5000店となった。消費者の「検索疲れ」軽減を目的に、消費者が求めている店舗・施設をデータベース化し比較一覧を提供している。

また、昨今オンライン対応のニーズが高まる中、ヨガ、パーソナルトレーニング、動物病院、料理教室、占いなどのジャンルでオンライン対応ラベルを表示。その店舗でどのようなオンラインサービスを提供しているかなどの情報も掲示している。

オトコロドットコム

関連記事
Spotifyがヨガやランニングなどユーザーのワークアウトに合わせたプレイリストの提供を開始
犬の飼い主向けアプリ「parnovi」が企業・店舗がプレゼント企画を実施できる「キャンペーン機能」を追加
ウォルマートが打倒アマゾン、オンラインマーケットプレイス拡大でShopifyと提携
スキルマッチングのZehitomoが総額8.2億円を調達、中小企業や個人事業主の集客支援を強化
Googleが実店舗のネット活用を支援するスタートアップPointyを買収へ

カテゴリー:ネットサービス

タグ:オトコロドットコム 資金調達 日本

モーションリブが力加減を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発、汎用力触覚ICチップを利用

慶應義塾大学 モーションリブ 力触覚 ハプティクス AbcCore

慶應義塾大学発スタートアップのモーションリブは7月17日、汎用力触覚ICチップ「AbcCore」により、市販の協働ロボットを使って力触覚を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発したと発表した。

ロボットの遠隔操作による人手作業の代行は、危険作業における作業員の安全確保や、製造・保守作業のリモート化による業務効率改善など、様々な場面での活用が期待されている。また、力加減を伴う作業をロボットの遠隔操作で行う場合、位置や力の力触覚情報をリアルタイムかつ双方向に伝えることが作業効率に影響することが知られている。

モーションリブが開発したシステムでは、市販の協働ロボットで「作業者の力加減を伴う動作」「作業対象のモノの感触」といった力触覚情報を双方向に伝送する遠隔操作システムを構築可能。協働ロボットの力加減を直感的に操作できるため、離れた場所からの安全・柔軟な遠隔作業を行えるようになる。

また、力触覚を有する遠隔操作システムをAbcCoreで構築するには、これまで専用装置の製作が必要だったが、今回のシステムでは市販協働ロボットをそのまま活用できるようになった。短期間かつ容易に、力触覚伝送機能を有する安全な遠隔操作システムを構築可能としている。

モーションリブは、機械による力触覚の制御に必要なリアルハプティクス(Real-Haptics)について、機械への実装に向けた研究開発から、AbcCoreの製造販売までを行う慶應義塾大学発スタートアップ。リアルハプティクスとは、アクチュエーター(サーボモーターなど)の力加減を思うように制御できる、慶應義塾大学が発明した技術。この技術により、力触覚の可視化・分析、遠隔操作、自動化、感触が再現可能。

AbcCoreは、力センサーや特殊なモーターなどを必要とせず、市販モーターを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現できる点で技術的優位性を備えるという。モーターにかかる負荷力は推定アルゴリズムにより算出するため、力センサーやトルクセンサーも不要。AbcCoreは、すでに50社以上の企業に先行提供されており、共同研究や実用化が始まっている。

慶應義塾大学 モーションリブ 力触覚 ハプティクス AbcCore

また同社は、共同研究を行うソリューション事業、AbcCoreを提供する「デバイス事業」、技術を提供するライセンス事業の3事業を柱に、顧客の製品企画から量産販売までをサポートできる体制を構築している。

関連記事
ロボットの力加減を容易にする力触覚IC開発のモーションリブが総額1.8億円を調達
ロボットに透明な物体をつかませる方法をカーネギーメロン大学が開発

北九州市がIoT特化の「IoT Maker’s Project」参加スタートアップを募集

福岡県 北九州市 IoT Maker's Project

福岡県北九州市は7月16日、IoT関連ビジネスプランを募集し、開発資金提供からプロトタイプ製作完成まで支援する「IoT Maker’s Project」の開催を発表した。募集締め切りは8月24日まで。7月22日18:00~19:15にオンライン説明会を実施する。

IoT Maker’s Projectは、北九州市からIoTで世界を変えることを目指すビジネス創出プロジェクト。IoT関連の「事業アイデア」を数ヵ月で「プロトタイプ完成」へと導く取り組みとなっている。学生・スタートアップ企業・中小企業(第二創業)でのチャレンジなど、個人法人を問わず全国から応募可能。

プロジェクト説明会への参加は、公式サイトから申し込める。

募集するビジネスプランのテーマは共創企業から提示される。テーマを提示した企業と一緒にビジネスプランを磨き上げながら、本格的な事業化に向けた取り組みが期待できるという。テーマに関する詳細などは、本年度プロジェクトの募集要項から確認できる。

  • IoTデバイス特化: IoTの「事業アイデア」を「プロトタイプ完成」まで具現化するプロジェクト
  • 募集テーマ: 「自由テーマ」(第一交通産業・ドーワテクノス・トヨタ自動車九州・ラック)、「特定テーマ」(トヨタ自動車九州)
  • 参加・応募資格: 個人または企業(学生も可能)。対象は全国エリアで、登記住所を北九州市内に限定するなどの条件はなし
  • 募集締め切り: 2020年8月24日まで
  • 技術・経験不問: 「事業アイデア」と「熱意」が必要。「ものづくり」の経験がなくても、制作のデザインからプロトタイプ製作まで、プロ集団による手厚いサポートを受けられる
  • 大手企業との共創機会: 過去にも共創企業とのコラボレーションが誕生
  • 開発資金支援: 1チームあたり最大100万円の開発費を支援

福岡県 北九州市 IoT Maker's Project

同プログラムでは、ビジネス開発およびものづくりのプロ集団であるメンター陣が徹底的にサポート。事業化を見据え、大手企業との連携や北九州市のフィールドを使った実証実験を行うチャンスもあるという。4年目となる今回はものづくりに関するセミナーを組み込むなど、さらに力を入れたプログラムを予定している。

スマートねこトイレ「トレッタ」を展開するトレッタキャッツ(旧社名: ハチたま)は、IoT Maker’s Projectを通じてプロトタイプを制作。その後事業化に成功し、資金調達を実施した。

関連記事
IoT猫トイレのハチたまがマネックスなどから2億円調達、健康状態の自動判定機能を実装、そして世界へ
+Styleから天気・GPS連動や音声操作に対応した「スマート全自動コーヒーメーカー」が登場、6月25日までは9980円
サブスクのIoT家庭用浄水器を提供するスタートアップ
BLEでIoT家電を制御できる最新スマートリモコンNature Remo 3が登場、カーテン開閉ロボmornin’ plusと連携

行政サービスのDXを手がけるグラファーが約2.5億円の資金調達、凸版印刷との業務提携も発表

グラファー 凸版印刷 資金調達

行政サービスのデジタル化を手がけるグラファーは7月16日、第三者割当増資として総額約2.5億円の資金調達を実施した。引受先は既存株主および凸版印刷。また凸版印刷との資本業務提携を発表した。グラファーと凸版印刷のリソースを融合した新たな自治体向け事業を共同で推進し、2021年度中の新サービス開発を目指す。

今回の提携により、グラファーが持つ行政手続きのデジタル化を支援する非対面型SaaSおよびGovTechスタートアップとしての知見と、凸版印刷が持つ窓口申請業務電子化サービス、凸版印刷のデータセンターなどのセキュアビジネスソリューションやBPOソリューションを融合。住民と自治体をシームレスにつなぎ、双方にとって利便性の高い行政手続きの実現を支援する。

グラファー 凸版印刷

グラファーは、スマホなどで質問に答えるだけで自分に必要な手続きが分かる「Graffer 手続きガイド」、行政手続きをスマホで完結できる「Graffer スマート申請」を展開。また凸版印刷は、自治体窓口の業務効率化を支援システム「SpeedEntry Goverment」(スピードエントリーガバメント)を提供している。

行政手続きのデジタル化支援サービスとしては、これらグラファーによる住民向けの行政手続き事前確認・申請サービスと、凸版印刷の窓口業務効率化システムの連携などを視野に、庁内外の行政手続きのデジタル化・シームレス化を共同で推進する。

さらに、グラファーが展開する自治体と住民をつなぐ非対面ソリューションと、凸版印刷が自治体向けに展開するBPOソリューションを連携。住民への通知、申請受付け、審査、給付・発行までをワンストップで対応する、自治体向けの新たな行政事務代行BPOソリューションの提供を目指す。

グラファーは、スマホなどを使用してオンライン上で様々な行政手続きを行えるサービスを自治体向けに展開。これまで神戸市・横浜市などの政令指定都市はじめ、全国19の自治体・政府機関との案件実績がある。全国の自治体で使えるシステムを汎用的に開発しクラウドを通じ提供することで、各自治体の多様な手続きに対応できるサービスを提供。デジタル化による非対面での行政手続きの実現により、住民の利便性向上や行政の業務効率化を推進している。

凸版印刷は、セキュア事業のノウハウを活かし、住宅ローンやクレジットカード、自治体の窓口申請業務の手続きをタブレット上で可能にする窓口申請業務電子化サービス「Speed Entry」(スピードエントリー)シリーズを展開。対面サービスのデジタル化・業務効率化を推進するほか、デジタルを活用したBPOソリューションにより、全国の自治体業務を支援している。

家具サブスク「airRoom」が総合インテリア販売の大塚家具と業務提携

家具 インテリア サブスク Elaly エラリー 大塚家具

家具・インテリアのサブスクリプションサービス「airRoom」運営のElalyは7月16日、総合インテリア販売の大塚家具との業務提携契約を発表した。airRoomにおいて大塚家具の家具・インテリアのレンタルを開始する。

airRoomは、人気家具ブランドの商品を月額定額で利用できる家具・インテリアのサブスクリプションサービス。2018年10月のサービスリリース以降、国内家具メーカーと連携し、職人の卓越した技術や能力に裏打ちされた高品質な家具を提供してきた。

家具 インテリア サブスク Elaly エラリー 大塚家具

しかし、「家具を揃えたいが、仮住まいなので高価なものは手を出しづらい」という単身赴任の方、「質の良い家具を使ってみたいが、まだ早いかなと思ってしまう」という若い世代などは、上質な家具の購入は経済的な負担も大きく諦めてしまいがちという。

そこで、日本最大級の老舗家具ブランド大塚家具と業務提携を行い、airRoomを通じ、大塚家具が世界中から厳選した約70種類の家具のレンタルを開始すると決定した。airRoomでは、購入前のお試し利用、気になった家具の継続的レンタルに加えて、レンタル後に気に入った場合は購入が可能。

家具 インテリア サブスク Elaly エラリー 大塚家具

既存の「購入だけ」という選択肢だけではなく、サブスクリプションを通じ買わずに手軽に様々な手段で利用できるようにした。また、両社の顧客ニーズに応えることが可能となり、両社の企業価値の拡大に結びつくとしている。

関連記事
家具レンタルairRoom、セット商品のサブスクを開始
家具の月額制レンタル「airRoom」が東京に加え、埼玉・千葉・神奈川でもサービス提供開始へ

家具レンタルの「airRoom」がオフィス家具レンタルの「Kaggレンタル」と提携
家具レンタル「airRoom」が引越トラックシェア「Hi!MOVE」と提携

野球データ分析・チーム強化の「キューステ!」がミズノMA-Q連携の投球データ・映像分析機能を開発

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

ライブリッツは7月15日、野球の試合スコア・映像を管理・分析しチーム強化に活用できるサービス「キューステ!スポーツチーム向けサービス」において、ミズノ製の野球ボール回転解析システム「MA-Q」(マキュー)のデータを取り込み投球解析を行える機能を開発したと発表した。

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

キューステ!ユーザーは、オプション機能として、専用スマホアプリの投球解析機能を利用可能。MA-Qで取得できる投球の回転数・回転軸・速度などのデータと、ビデオカメラやスマホで撮影した投球の映像を組み合わせ、映像を重ね合わせた状態での比較や取得データのグラフ化を基にした管理・分析を行える。これにより、選手のスキルアップや監督・コーチのアドバイスに役立てられるとしている。

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

キューステ!は、ライブリッツのプロ野球球団向けデータ分析システムで採用しているAI・IoTなどを活用した、スポーツチーム向けチーム強化クラウドサービス。2019年にサービスを開始し、これまで社会人野球チーム「ENEOS野球部」や日本男子ソフトボールリーグ所属の「日本エコシステム」、台湾のプロ野球チーム「楽天モンキーズ」など複数の競技・チームが利用している。

ライブリッツは、複数のプロ野球球団に対しIT戦略的パートナーとしてチーム強化システムの構築・運用を手がけており、導入した球団はリーグ優勝や日本シリーズ制覇という実績を挙げているという。2018年4月にはAI・IoTを活用した選手トラッキングシステム「Fastmotion」を構築し、日本球界で初めて守備や走塁動作などのデータ化に成功した。

今後キューステ!は、アプリの機能拡張を進めるとともに、野球やソフトボール以外の他競技への提供など、サービスの進化と拡充を進めるとしている。

関連記事
野球のピッチャーの肘や腕の酷使を検出し、手術以前に対策できるスポーツ・ウェアラブルZiel
草野球やフットサル対応のチーム管理アプリ「TeamHub」が正式ローンチ、運営元は6000万円調達
Motusのウェアラブルセンサはプロ野球選手のバイオメカニクス測定をラボから球場に持ち込む
RosterBotで少年野球チームのメンバー管理が簡単に

位置情報データ分析のクロスロケーションズが2.2億円の資金調達、顧客の推定居住エリアにSNS広告配信

位置情報 ロケーションテック クロスロケーションズ Location AI Platform

位置情報ビッグデータ活用のクロスロケーションズは7月14日、第三者割当増資により2億2000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は東京理科大学ベンチャーファンド。合わせて、位置情報ビッグデータ活用クラウド型プラットフォーム「Location AI Platform」(LAP。ロケーション エーアイ プラットフォーム)の大幅刷新を明らかにした。

クロスロケーションズは、「多種多様な位置情報や空間情報を意味のある形で結合・解析・可視化し、誰でも活用できるようにすること」をミッションとする、2017年11月設立のスタートアップ企業。位置情報ビッグデータの収集・集計、AIによる分析・視覚化、また活用法開発などにより、新しい情報と価値の創出を可能とする技術「ロケーションテック」の開発・推進に注力している。

今回調達した資金は、 LAPのバージョンアップ開発をはじめ、同社独自技術である位置情報データ解析技術「Location Engine」の高度化や市場導入の推進に対応する資金として活用する。

LAPは、AIが位置情報ビッグデータから消費者行動の分析・見える化を行った上で、エリアマーケティングの実施と効果測定を一気通貫で実行できるプラットフォーム。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた消費者行動など、毎日更新される位置情報ビッグデータから読み取れる市場変化および消費者行動変化を捉え、部門ごと・業務ごとに把握・確認でき、即座にマーケティング活動に利用できるようLAPの大幅なバージョンアップを行った。

LAPの位置情報ビッグデータ解析機能である「人流モニタリング」や「商圏分析」などの各機能のウィジェット化と、ウィジェットを自由に組み合わせて1つのユーザーインターフェースとして把握・確認できる「LAP ダッシュボード」機能をリリース。LAPの解析結果をマーケティング活動につなぎ、商圏が変わった場所・ユーザーに消費者調査を行える「XL ロケーションベースアンケート」、サイネージ広告やSNS広告が出稿可能な「XL ロケーションベース広告」も提供を開始している。

位置情報 ロケーションテック クロスロケーションズ Location AI Platform

XL ロケーションベース広告では、SNSで保有するユーザープロファイルでのターゲティングに加え、LAPから抽出した位置情報ビッグデータの解析結果により、消費者のリアルな行動変化を組み合わせたターゲティングユーザーの設定が可能。特にLAPによる解析では、任意の店舗利用者の居住エリア(推定)だけでなく、前日に来店したと推測される人々も広告配信のターゲットに選定できるという。

また、スマホアプリへのオンライン広告、サイネージ広告に加え、LINE、Facebook、InstagramといったSNSへの広告配信も可能としている。

関連記事
米国でケンタやマックが活用する位置情報データスタートアップのBluedotが約9.8億円を調達
位置情報データ分析のPlacer.aiがシリーズAで約13億円を調達
位置情報アプリ「Family Locator」からリアルタイムで情報が流出していた
位置情報からライフスタイルを推測して広告を配信するジオロジックが1億円を資金調達