動画マーケ=テレビCMは古い、ウェブで成長の映像制作「LOCUS」が1.8億円調達

去年も聞いたかもしれないが、2014年は「動画元年」と言われる。調査会社のシード・プランニングによれば、2013年の国内ネット動画広告市場は、前年比329%の132億円に成長しているのだとか。いつが動画元年かはさておき、日本では広告以外にもサービスやアプリの紹介、求人、展示会などで動画の採用が進んでいるは確かだ。こうした動画マーケティングの波を受けてか、映像制作を手がけるLOCUS(ローカス)が15日、ニッセイ・キャピタルとみずほキャピタルから1億8000万円の資金調達を実施した。

クラウドソーシング×受託制作で競合優位

LOCUSの特徴は、審査を通過したフリーランス映像クリエイター400人超に制作を依頼できる「クラウドソーシング機能」と、従来型の「受託制作機能」のいいとこ取りをしていることだ。

実写やCG、アニメーションなど幅広い表現が可能なクリエイター、クライアントとの直接取引による中間マージンの排除、社員によるクライアントのヒアリングやクリエイターの品質管理――こうした強みで、競合となる制作会社や広告代理店、クラウドソーシングに優位点を出そうとしている。

8月には、ランサーズがパートナー企業向けに自社会員のデータベースを公開する「Lancers Open Platform」を発表するのに伴い業務提携。ランサーズに寄せられる動画制作依頼に対して、LOCUSが企画や要件定義、クリエイターのアサイン、ディレクションを行う取り組みも開始している。

制作の流れはまず、営業担当が映像を作る目的をヒアリングし、ぼやっとした要望を具現化して映像の企画概要を提案する。企画概要と見積りにOKが出たら、実際にLOCUSの営業とディレクター、フリーランスのクリエイター、クライアントがミーティングを実施。映像のシナリオ、スケジュール、役割分担、キャスティングなどをすり合わせた上で、撮影と編集に入る。

映像の初稿はクライアントと一緒に確認しながら修正し、その後はメールか電話でやりとりをして完成となる。映像修正のやりとりもオンラインでできれば便利そうだが、この点については今回調達した資金でシステムを強化する。具体的には、クライアントとクリエイターが同じ画面で動画を共有し、修正点をテキストで動画にかぶせることができる。当事者限定のニコニコ動画のようなイメージだという。

「動画マーケティング=テレビCM」の固定概念は崩れ始めている

サービスプランは映像編集やナレーションなどの限られた工程のみを請け負うパッケージ(19万円〜)とオーダーメイドがあり、2013年の制作実績は1000件以上。受注件数の6割以上を占めるオーダーメイドの料金は2万円〜1000万円とピンキリだが、発注件数ベースでは50万円〜60万円がボリュームゾーンだ。

これまでに、日本生命やすかいらーく、LINEといった大手企業から中小ベンチャーまで600社以上と直接取引。売上は2013年度が2億1000万円、今期はその倍近くの約4億円を見込んでいる。LOCUS代表取締役の瀧良太によれば、最近では初めてウェブ動画を作る大手企業からの引き合いが多いのだという。

「例えば、消費財メーカーが新商品を出すときに、反響が読めないテレビCMの予算枠を抑えるのはなかなか難しい。だったら、ウェブ広告の反応を見てからテレビCMを流すか決めよう、というメーカーが増えてきました。テレビ以外に動画を流せる面(ウェブ)が整ったことで、『動画マーケティング=テレビCM=高価』といった固定概念は崩れつつあります。」

入社1年目に社内ベンチャーで映像事業→黒字化→事業撤退→MBOで会社設立

2010年4月に設立したLOCUSは、映像制作に特化したクラウドソーシング「Viibar」の競合と言える。LOCUSもスタートアップのように見えるが、その歴史は少し長い。

瀧は人材派遣のビー・スタイルに新卒入社した2006年、社内ベンチャーとして映像制作の受託事業を発足。自社の顧客から採用に使う動画の受注が相次ぎ、その後は企業紹介や研修用の動画に横展開して黒字化を達成した。しかし、リーマンショックの煽りで新規事業を撤退することが決定。そこで瀧が自らMBOを行い、LOCUSを設立するに至った。

今回調達した資金では、先述したクライアントとクリエイター間で動画データの授受を行うシステムの強化に加えて、営業人材を増員。さらには、
動画コマースや動画クリエイター育成などの新規事業開発も進め、2019年までにIPOを目指すそうだ。


10代がハマるサービスってどんなもの–TechCrunch Tokyoでツイキャス、uuum、アオイゼミに聞く


先日、グラフティ社の高校生向け雑誌「HR」を見せてもらう機会があったのだけれど、その読者アンケートに「よく使うLINEのスタンプは?」「よく読む芸能人ブログは?」「Instagramでよく見かける芸能人は?」といった質問が並んでいた。当たり前と言えば当たり前なのだが、LINEの「5億ユーザー」という数字が物語るように、LINEやInstagramといったサービスは幅広いユーザーに受け入れられているわけだ。

僕らテック系のオンラインメディアでは最新のサービスやビジネス動向について伝えている。でも、ユーザー個々の利用実態については、まだまだ伝え足りないところがあるのではないかな、とも思っている。もちろん「ユーザー数○○○○万人突破」という話を紹介することは大事だ。でも、その1人1人がどんな風にサービスを使っているかにだって目を向けないといけない。Instagramが世界で2億ユーザーを抱えていると聞いても、ではどんな芸能人がどんな写真をアップロードしていて10代にウケているかなんてあまり意識することが無かった。TechCrunchの読者は20〜40代のIT系の方々が中心。多くの読者もそんな10代の実態を知らないのではないだろうか。

そこで、11月18〜19日に開催するTechCrunch Tokyoのセッションには、10代のユーザーを多く抱えるスタートアップ——モイ、uuum、葵の3社に登壇頂き、サービスの利用動向を聞いてみたいと思う。

モイはスマートフォンを使ったライブストリーミングサービス「ツイキャス」を手がけている。9月時点でのユーザー数は750万人、これまでの総配信回数は1億回にも上る。ユーザーの55%が24歳以下と、10代後半から20代前半にも人気のサービスだ。

ちょっと驚く数字だったのだけれども、Twitterのフォロワーが10万人以上いる配信者が世界に1000人以上もいるそうで、ここから歌手やタレントデビューした人もいるという。モイ代表取締役の赤松洋介氏には当日、若者が集うストリーミングサービスの実態を教えてもらいたいと思う。

uuumはYouTuberに特化したタレントプロダクションを運営している。同社には、HIKAKINをはじめとした国内の人気YouTuber約30人が所属している。

実は米国で10代に対して行われた「影響力のある人物」に関する調査では、上位20人のうち半数(かつトップ5は全員)はYouTuberが占めるていたそうだ。まだ米国と比較すると、日本には影響力のあるYouTuberは少ないかも知れないが、すでに広告代理店などでは専門のチームも設けられているという。uuum代表取締役社長の鎌田和樹氏には、日本のYouTuberの現状などについて聞いてみたい。

葵が手がけるのは中高生向けオンライン学習塾「アオイゼミ」。都内にあるスタジオで毎週月〜木曜日にライブ授業を配信している。会員登録をすればPCやスマホアプリから無料で受講できるサービスで、現在3000人以上のユーザーがリアルタイムに授業を視聴している。

質問やスタンプの投稿も可能で、リアルタイムかつ活発な意見交換が行われているアオイゼミだが、葵代表取締役の石井貴基氏には、10代のユーザーが学習を継続するためのモチベーション設計などを聞いてみたいと思う。興味があるユーザーは是非ともチケットを購入頂き、イベントに遊びに来て欲しい。

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スペースマーケット、CAVとみずほキャピタルから約1億円の資金を調達

TechCrunchでもローンチ時からご紹介しているスペースマーケット。最近ではInfinity Venture Pertnersが主催するIVS(Infinity Ventures Summit)のLaunchpadで準優勝、B Dash Venturesが主催するB Dash Campのピッチアリーナで優勝、サイバーエージェント・ベンチャーズ主催のRising Expo 2014でも優勝。さらには僕も運営を少しだけお手伝いしているSkyland VenturesとトーマツベンチャーサポートのイベントであるStartup Pressでも、ジャーナリストの田原総一郎氏が最優秀プレゼンとして選出するなど、国内で開催されるスタートアップのプレゼンコンテストを席巻している。

そんなスペースマーケットが、10月14日サイバーエージェント・ベンチャーズとみずほキャピタルを割当先とした総額約1億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。今回の資金調達をもとに経営基盤の強化を図るとともに、サービスの本格展開に向けて採用を強化していくという。

スペースマーケットでは現在800のスペースを取り扱っているそうだ。最近では東京・新宿のスタジオアルタ、東京都の猿島(同社いわく「初の“島”物件」とのこと)、帆船なども利用できるようになっている。現在もインターン、社員含めて積極的な営業で利用スペースの拡大を進めている。

またシナジーのある事業者と提携を進めているという。一例だが、会社のミーティングのためにスペースを借りたのであれば弁当やケータリングが必要になるが、これをスペースとあわせて予約できるようなサービスを目指すのだそうだ。スペースマーケットではすでに複数社と提携に向けて話をしているとのことで、年内にもサービスが始まる予定だ。


ついにRingが一般販売開始、269ドルの「魔法の指輪」で何ができる?

2013年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2013のスタートアップバトルで優勝した指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」が9日、ついに一般販売を開始した。価格は269.99ドル、日本国内での送料は一律15ドルとなっている。購入者の手元に届くまでには約1カ月がかかるという。RingはKickstarterで88万ドル(約9000万円)を集めて「魔法の指輪」と話題を呼んだが、出荷予定が当初の7月から8月末に延び、さらに9月末に延期。Kickstarterの支援者の中に返金を求める人も出ていて、製品化を不安視する向きもあった。

Ringは人差し指につけて空中に絵文字やアルファベット、数字などを描くことで、事前に登録したアクションを実行してくれる。Kickstarterの説明文によると、Bluetoothでスマートデバイスと接続したり、「Ring Hub」と呼ぶ中継器を使って赤外線による家電操作が行える。デモ動画には、人差し指の動作ひとつで電気やテレビをつけたり、音楽を再生したり次の曲に飛ばしたり、Ringを付けている人同士で連絡先を交換したり、果ては「$12」と指で描くと目の前にいる人に送金する利用シーンが紹介されている。

気になるのは、「実際にRingで何ができるの?」ということではないか。そう思って販売ページを見てみると、機能の紹介が見当たらない。そこでRingを開発するログバー創業者の吉田卓郎に聞いてみたところ、現時点で使える機能がいくつかわかった。彼によれば、デモ動画にあった連絡先の交換や音楽の再生・曲送りに加えて、スマホ経由で操作できるLED照明「Philips hue」や「Belkin WeMo」のオン・オフ、iPhoneのカメラ撮影、TwitterやFacebook、Evernoteへの位置情報と写真の送信などが可能なのだとか。

そのほかに彼がオススメする機能としては、Google Glassのカード型UIである「タイムライン」に情報を送信できることだという。Google Glassに命令する文をあらかじめRingに登録しておき、それをジェスチャーで送信するわけだ。例えば、指で太陽のマークを描けば、言葉で命令しなくてもGoogle Glassが天気予報を教えてくれるのだろう。これらすべての機能は、ジェスチャーをした後にRingのアプリを仲介して命令が送信される仕組みとなっている。

現時点で「魔法の指輪」と呼べるほどのプロダクトであるかはわからないけれど、なぜRingは販売ページで機能を紹介しないのか? この点について吉田に聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。

「現状でこれができます!って言うよりも、まずはRingという全く新しい世界観を味わってほしいと考えています。普通にガジェットとして見ると機能だけにフォーカスしてしまいますが、僕たちはあくまでもライフスタイルをもっとシンプルにしたいんです。ジェスチャー入力デバイスというと、Leap MotionやKinectなどを想像しますが、あくまでもこれらは機能ベース。僕らはワンジェスチャーという本当にシンプルなライフスタイルを世界中の人たちに提案したいです。」

販売ページによれば、リチウムポリマーバッテリー(3.7V / 22mA)を内蔵し、連続稼働時間は約1〜3日、連続待受時間は約18日、充電時間は約3時間。自分が描いたジェスチャーがちゃんと届いたかを確認するためのバイブレーションも搭載する。サイズはS(内径19mm)、M(同20.6mm)、L(同22.2mm)、XL(同23.8mm)の4種類がある。

大事なことをお伝えしていなかったが、吉田卓郎は11月18日、19日に東京・渋谷で開催する我々のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」に登場してくれる予定だ。その頃には購入者の手元にRingが届いていそうだが、ユーザーの反応を踏まえつつ、今後の展望を聞ければと思っている。

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LINEがCA、グリーとゲーム合弁会社2社を設立、脳トレアプリ「BrainWars」に出資

gumiと提携してゲームの海外展開を強化中のLINEだが、その動きがさらに加速しそうだ。サイバーエージェントと10月31日、グリーと11月4日に、それぞれLINE向けゲームを開発する合弁会社を設立する。LINE GAMEは「LINE POP」や「ディズニーツムツム」をはじめとするカジュアルゲームでヒットを連発。最近ではgumiが得意とするミッドコアゲーム(カジュアルゲームよりもやりこみ要素があるゲーム)に注力する同社だが、新会社ではRPGやシミュレーションゲームといったタイトルを国内外に投入していく。

LINEがゲーム分野でジョイントベンチャーを設立するのは初めて。その相手となるサイバーエージェントについてLINE上級執行役員の舛田淳は、「ゲーム事業の連結子会社を9社も抱えていて開発力がある」と評価。新会社の社名は協議中だが、代表取締役社長には、サイバーエージェント取締役副社長の日高裕介が就任する。サイバーエージェントはゲーム事業だけで約1700人を抱え、現在は42タイトルを提供している。

グリーとの合弁会社の社名は「Epic Voyage」。資本金は1000万円で、代表取締役にはグリー取締役執行役員の荒木英士が就任する。新会社では、日本や北米、韓国に開発拠点を構えるグリーのノウハウを活かし、コアゲームを投入していきたいという。

世界のポテンシャルを感じるスタートアップに出資

9月に設立した100億円規模の投資ファンド「LINE GAME Global Gateway」を通じて、リアルタイム対戦型脳トレ「BrainWars」を提供するトランスリミットに出資した。同ファンドの第1号案件となる。LINEはゲーム開発を資金面で支援する。トランスリミットはLINEのユーザー基盤を生かした新たなゲームの開発に着手する。

BrainWarsは米国やアジア圏で利用者を集め、150カ国で300万ダウンロードを突破。海外ユーザー比率は95%に上り、米App Storeのゲームカテゴリでは1位を獲得している。「世界のポテンシャルをもっとも感じさせてくれるスタートアップ」(舛田)。トランスリミットはLINEの投資ファンドに加えて、ユナイテッド、East Ventures、Skyland Ventures、Genuine Startupsを引受先として、総額3億円の資金調達を実施した。


LINEに決済機能「LINE Pay」今冬リリース、Uber対抗サービスも投入

スマホ向け無料通話・チャットアプリ「LINE」に決済機能が導入される。今冬リリース予定で詳細は今後発表するというが、ECサイトでの決済が可能になるほか、銀行口座を知らないLINEのユーザー同士での送金や割り勘ができるようになる。メッセンジャーに決済が組み込まれることで、コミュニケーションの流れで決済ができたり、OSやキャリアを問わずに使えるのが強みと言えそうだ。10月9日に千葉・舞浜で開催されたLINEの年次イベント「LINE CONFERENECE TOKYO 2014」で明かされた。

IDの乗っ取りが相次ぐLINEで決済することを危惧する人もいるかもしれないが、セキュリティ面では、LINEとは別のパスワードを用意。iPhone 5S以降のユーザーは指紋認証センサー(Touch ID)でのログインにも対応する。LINE代表取締役COOの出澤剛は、「手元のスマホで決済操作するのでセキュリティが担保される」と話している。

ユーザーは事前に登録したクレジットカードで決済する。決済する金額は、みずほ銀行と三井住友銀行の銀行口座やコンビニエンスストアからチャージすることもできる。オンラインのEC事業者が支払う決済手数料は「業界最安値になる予定」(出澤)。

LINEとLINE Payを活用した具体例としては、Uber対抗となるタクシー配車サービス「LINE TAXI」と、フードデリバリーサービス「LINE WOW」がまもなくリリースされる。

LINE TAXIを提供するにあたっては、「全国タクシー配車アプリ」を手がける日本交通と提携。LINEにあるタクシー公式アカウントを通じてタクシーを呼び出し、決済はLINE Payで済ませることができる。まずは今冬に東京限定でサービスを開始する。全国タクシー配車アプリは123社のタクシー2万2000台を配車できるアプリで、UBERの競合となる。

LINE WOWは、LINEアプリを通じて飲食店の弁当デリバリーを注文から決済を行えるサービス。都内3店舗と提携し、今秋に渋谷区限定でスタートする。サービス展開にあたっては韓国フードデリバリー大手のWoowa Brothersと提携し、合弁会社を設立している。


メルカリがWiLと既存株主から23.6億円調達–テレビCMやリアルイベントも

3月に14億5000万円を調達したメルカリだが、またもや大きな資金調達を実施したようだ。同社は10月9日、World Innovation Lab(WiL)および既存株主であるグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、GMO Venture Partners、East Venturesから総額23億6000万円の第三者割当増資を実施したと発表した。出資比率は非公開。バリュエーションも非公開だが、「200億円以上ではないか」(関係者)といった声も聞こえてくる。

メルカリが手がけるフリマアプリ「メルカリ」は、5月に展開したテレビCMの効果もあり、これまでに500万ダウンロードを達成。月間流通額は数十億円、出品数は1日10万件に上る。9月には米国向けにもサービスを開始している。また10月に入って、これまで無料だった手数料を有料化(代金の10%)している。ちなみに有料化を9月中にアナウンスしたところ、駆け込み需要で9月最終週の出品・購入額が通常の約3倍程度まで拡大したそうだ。有料化1週間の手応えとしては、天候(おもしろいことに、台風で外出を控えるなど可処分時間が多くなるような状況だと、サービスの利用者が増えるそうだ)などの影響でブレもあるが、「評価としては、すごいクレームになっているといったことはまずない」(メルカリ代表取締役社長の山田進太郎氏)という状況だそう。

前回実施した14億円超の資金調達も大きな金額だったが、メルカリでは今回調達した資金をもとに、日米双方での積極的なプロモーションを展開する。まず日本については、10月11日〜26日、11月8日〜23日に書けて首都圏を中心に全国でテレビCMを展開する。前回のCMに出演した菅谷哲也さん、筧美和子さんのほか、ダンディ坂野さんが新たに出演する。またパートナー企業と組んで、11月8日〜9日に東京・お台場でリアルなフリマイベントを実施する。

CtoCコマース市場ではすでに撤退するサービスも

フリマアプリをはじめとしたCtoCコマースの競争は激化しており、すでに撤退する企業も出てきている。そんな中でメルカリはスマートフォンに特化したオールジャンルのCtoCコマースとして「トップランナーになった」(メルカリ取締役の小泉文明氏)と説明する。以下は同社が掲げるポジショニングマップだ。なお、資料には「Confidencial」と書かれているが、メルカリから公開の許可を得ているものとなる。

そんな中で国内ユーザーの更なる拡大と、9月からスタートしたばかりの米国向けサービスを強化するため、23億円超の大型調達を実施したという。「まずは1000万ダウンロードを目指す。DAU(デイリーアクティブユーザー)や購入額はダウンロード数に比例して上がっており、増やして利用率が下がるとは思っていない。どこまで伸びるかは底が知れない」(山田氏)

 

 

海外展開はヨーロッパも視野に

今回の資金調達では、日本と米国に拠点を置くWiLが新たに株主になっているが、「WiLが(投資の)リードという考え方ではないが、米国展開のサポートを期待しているのは事実」(小泉氏)だと説明する。

米国での展開は、組織面も含めて「本当に何から何まで違う」(山田氏)状況だそうだが、サービスに関しては「思ったより受け入れられている」(山田氏)という。App Annieのデータを見る限り、米国でのアプリのランキングは500位前後を行き来しているようだ。現在はFacebook広告を中心に集客しているが、今回の調達を受け、米国でのマーケティングも本格化していく。またヨーロッパ展開も視野に入れており、年末までに市場を調査して参入を検討していくという。

 


LINEの次なる海外展開はマンガ、講談社や小学館と合弁会社設立

DeNAやLINEが大手出版社と漫画で海外に乗り出す動きが加速している。LINEは8日、講談社と小学館、電子書籍取次のメディアドゥの3社と資本業務提携し、漫画を海外配信するための合弁会社「LINE Book Distribution」を設立することで基本合意した。年内にスマホ向け漫画アプリ「LINE マンガ」のグローバル版を提供し、講談社や小学館など国内出版社の作品を英語と中国語(繁体字)で配信する。LINEは8月、gumiが手がけるゲームコンテンツを国内外に配信するために資本業務提携を締結。世界約5億人のユーザーベースを活用し、海外でのマネタイズを着々と進めている。

LINE マンガは少年ジャンプや少年サンデーなどに連載中の人気漫画100タイトル以上を毎週無料配信するとともに、約8万冊の漫画やライトノベルをアプリ経由で販売している。対象シリーズの漫画を購入したユーザーにはLINE マンガ限定スタンプをプレゼントしたり、好きな本をLINEの友だちにシェアしたユーザーにポイントを付与するなど、LINEを生かしたマーケティングができるの強みだ。

海外展開するDeNA「マンガボックス」の狙いは?

国内のスマホ向け漫画アプリで海外展開するサービスといえば、ディー・エヌ・エー(DeNA)が2013年12月に開始した「マンガボックス」が挙げられる。有名作家らが手がけるオリジナルの新連載作品を中心に、毎週無料配信している。現在は英語と中国語(繁体字)に対応し、約140の地域に展開。アプリは600万ダウンロードに上るが、外国人のユーザーは「数十万人程度」(DeNA広報部)にとどまる。

LINE マンガとの違いは、すべて無料配信していることだ。マンガボックスは連載作品を単行本化してマネタイズを図っているが、真の狙いはゲームをはじめとするマルチプラットフォームで自由に使えるIP(知的財産)を自社で抱えることにある。DeNAのゲーム事業ではスクウェア・エニックスやディズニーなどのキャラクターを使ったゲームがヒットしているが、他社のIPを使えば自社の取り分が少なくなるし、キャラクターを扱う自由度も限られる。だったら自分たちでIPを作ってしまえ、ということなのだろう。

「クールジャパン」の象徴ともされる漫画は、特にアジア圏を中心にニーズがあるにもかかわらず、海賊版が横行している状況。資金面や人材面の問題があり、日本の漫画コンテンツをグローバル展開するプラットフォームが少ないためだ。LINEとDeNAのスマホ向け漫画アプリはビジネスモデルこそ違えど、両社のプラットフォームを通じてどれだけ海外に展開できるかが注目される。


スマートニュースが米App Storeニュース部門で1位獲得、その要因は?

10月2日にリリースされた「SmartNews 2.0」が米App Storeのニュースカテゴリで1位を獲得した。日本ではネットで話題のニュースを自動収集するアプリは乱立状態だが、米App Storeのランキングでは、ニュースサイト単体のアプリが大半を占めている。あらゆるニュースサイトを網羅する、日本発のニュースアプリは米国でどこまで戦えるのか。

SmartNews 2.0は設定画面で日本版と米国版を切り替えられるようになっていて、米国版では専用の欧文フォントを搭載する。TechCrunchのほか、CNETやEngadget、Huffington Post、Mashable、Re/Codeといった著名なメディアとも協業。特定メディアの記事を配信する「チャンネルプラス」には、スタート時点で15メディアが登録されている。

チャンネルプラスは、日本で累計1000万人(複数購読者は重複してカウント)が購読している。スマートニュースが「日本での成功要因のひとつ」と位置づける取り組みを、米国でも取り入れたかたちだ。日本と同様に、メディアパートナーとの関係性を深めていくのだという。

メディアパートナーの開拓にあたっては、米メディア界に豊富な人脈を持つ人材を採用したことが奏功した。7月には、ウォール・ストリート・ジャーナル電子版の創刊に携わったリッチ・ジャロスロフスキー氏を招へい。9月には、ロイターでプロジェクトマネージャーを務めたバーニー・デイヴィス氏を迎えている。

App StoreではSmartモードを称賛する声

米国で好調な滑り出しを見せた要因は何だったのか? 前ハフィントン・ポスト日本版編集長で、9月にスマートニュースに移籍した松浦茂樹は、「現時点で分析といえるものはない…」と前置きした上で、「著名メディアと協業したことで、米国内で話題のニュースを実績あるメディアの記事を通じて閲覧できることが影響しているかもしれない」と言う。

10月7日時点ではニュースカテゴリ2位となったが、App Storeには56件のレーティングが投稿され、評価は平均☆4つ。レビューの内容も好意的で、特に記事ページの中からテキストと画像を簡易的に表示する「Smartモード」が称賛されている印象だ。日本と比べて回線速度の遅い地域が多い米国だからこそ受けている、とも言えそうだ。(アプリ改善を望むレビューでも、Smartモードをデフォルトにしてほしいという声がいくつかある)。

日本で競合とされるGunosyは5月に米国版をリリースしているが、アプリ調査会社のApp Annieによれば、ニュースカテゴリでの最高位は117位どまり。日本でのダウンロード数は約600万のグノシーが、約500万のスマートニュースを先行するが、現時点での海外の反応はスマートニュースに軍配が上がっている。


アプリ1つで写真ケーキを注文–BAKEが手がけるPICTcake

オンラインでケーキを販売するBAKE。同社はこれまで「クリックオンケーキ」の名称で、通常のケーキと、食用プリンターでケーキの表面にプリントを施した「写真ケーキ」を販売してきた。現在では写真ケーキを中心に年間3万個を販売。注文の翌々日には全国どこにでも冷凍のケーキを届けることが可能だという。

そんな同社が10月2日、サービスを刷新。ブランドも写真ケーキに特化した「PICTcake」にあらため、iOSアプリも公開した。アプリでは、スマートフォン上で写真撮影からケーキのデザイン、購入までが可能。

BAKEは2013年4月の設立。代表取締役である長沼真太郎氏の前職は流通業、そして実家は日本で一番の売上を誇るという老舗の宅配ケーキ屋「きのとや」だ(長沼氏の出身地である北海道では、雪のために物流面でのトラブルがつきものなため、宅配ケーキが人気なのだそうだ)。そんな長沼氏は現在、チーズタルトやシュークリームの専門店を経営しつつ、PICTcakeの事業に取り組んでいる。すでにチーズタルトの事業はすでに年商1億円程度になっているそうだ。

僕も友人の誕生日会などで写真ケーキを見かけることはあったのだけど、実はこれ自体は15年ほど前からあるものらしい。しかし食用プリンター自体がまだそれほど普及していないため、製造できるケーキ屋も限られているそうだ。それをオンラインで年間3万個販売しているということで、長沼氏は「ものすごいニッチな分野だがニーズはある。我々は写真ケーキでは多分世界一ではないか」と語る。ちなみにデコレーションケーキの市場は年間1400億円だが、そのうちで写真ケーキが占めるのは、10億円程度なのだそう。

ケーキの価格は17cm×17cm(5-10名用)が4320円、22cm×22cm(10-20名用)が8640円。今後は結婚式などのイベントでも利用できるような大きなサイズにも対応していくとしている。そのほか、IP、つまり版権もののキャラクターなどとのコラボレーションに関しても積極的に行っていくそうだ。製造は前述のきのとやに委託しているが、現在東京でも製造工場と提携を進めている。


グッドパッチ、スマホ対応のプロトタイピングツール「Prott」を正式に公開


ニュースアプリ「Gunosy」をはじめとして、ユーザーインターフェース(UI)デザインに特化したウェブ制作会社グッドパッチ。同社は10月1日、プロトタイピングツール「Prott」の正式に公開した。

Prottは、プロトタイプを素早く作る「ラピッドプロトタイピング」と、必要なコミュニケーションを的確に行う「ラディカルコミュニケーション」をコンセプトにしたプロトタイピングツールだ。スケッチ画像や写真をアップロードし、左右へのフリックといった操作によって画面がどう遷移するかを設定していくことで、コードを書くことなくプロトタイプを作ることができる。また、ビジネス向けのコミュニケーションツールであるSlackやHipchatと連携することで、プロトタイプの更新情報も共有できる。

Prott – Rapid Prototyping for Mobile Apps from Goodpatch on Vimeo.

2014年4月にベータ版を開始したが、これまでに7000人のユーザーを獲得。デザインコンサルティングファームのIDEOをはじめ、ヤフー、ディー・エヌ・エー、イグニスなどの企業が利用している。今回の正式提供にあ
わせてiOS、Mac、Windows向けのアプリを提供している。実際にiOSアプリのデモを見せてもらったが、写真を取り込み、画面遷移時の動作を選択するだけで、手軽にプロトタイプを作ることができた。

料金は1プロジェクトであれば無料。複数プロジェクトを利用する場合には、1400円のスタータープランから大規模向けのエンタープライズプランまで複数のプランを用意する。

自身のブログ(現在は移転)にあるように、これまで務めていた製作会社を辞めて米国西海岸に行き、働いていた経験もあるグッドパッチ代表取締役の土屋尚史氏。同氏はシリコンバレーから生まれるサービスについて「ベータ版からUIのクオリティが高いものが多い」と説明する。日本だと、スマートフォンアプリを作る際、PCのウェブでの経験を詰め込みすぎる傾向にあるため、機能はすごくても、ゴテゴテしたUIになりがちなのだという。一方でシリコンバレー発のアプリは体験に重きをおいており、「いらない機能は落とす」というものが中心。「(デザイナーだけでなく)CEOからしてデザインに対する意識、考え方が違う。日本は遅れていると思う」(土屋氏)

土屋氏に教えてもらったのだけれども、Prottのようなプロトタイピングツールの競合は、日本企業ではまだいないのだそうだ。ただ海外を見てみると、「POP」や「invision」、「axura」(こちらはNTTデータが国内での販売を担当)など多い。invisionなどは直近も2000万ドルの資金調達をするなど、「ニッチだけれどもマーケットはある」(土屋氏)のだそうだ。

グッドパッチでは今後、Prottにワイヤーフレーム作成をはじめとしたさまざまな機能を追加するほか、外部連携なども進めていくとしている。


DeNAがiemoとMERYの2社を計50億円で買収、キュレーション事業に参入

遺伝子にマンガ、動画ストリーミング……と、苦戦のゲームに変わる新事業を模索するディー・エヌ・エー(DeNA)が次に目を付けたのはキュレーションメディアだ。10月1日、住まいに特化したまとめサイト「iemo」を手がけるiemoと、女性向けファッションのまとめサイト「MERY」を運営するペロリの2社を合わせて約50億円で買収した。それぞれの買収金額は非公表。

自社事業との相乗効果を狙ったベンチャーへの投資に力を入れているDeNAだが、日本企業を買収するのは、実に横浜ベイスターズを95億円で買収した2011年12月ぶり。両社を傘下に収めることで、キュレーションプラットフォーム事業を始動する。収益の大半を依存するゲーム事業は引き続き注力する一方、キュレーションを新たな稼ぎ頭にしようとしている。

iemoの村田マリ氏(左)とペロリの中川綾太郎氏(右)

iemoはインテリアやリフォームに関する数万点の写真の中から、気に入ったものをクリッピングしたり、まとめ記事を作成できるサイト。「☆IKEA☆¥1000でおつりがくる?!オシャレな家具5選」「水を入れるだけなんてもったいない!製氷皿のいろんな使い道教えます。」といった「住」に関する記事が数多く投稿されている。サイトには毎月、25〜40歳の主婦を中心とする約150万人がアクセスしている。

2014年4月には建築家やリフォーム業者、インテリアメーカーといった事業者向けの「ビジネスアカウント」を開設し、無料でiemoに自社の商品を掲載できるプラットフォームを構築。現在は約400事業者が登録している。

11月以降、ユーザーがリフォーム業者に仕事を発注できる機能をリリースする。同機能では今後、不動産販売業者とマッチングすることも視野に入れている。現在展開中のネイティブ広告に加えて、マッチングに応じて事業者が支払う報酬がiemoの収益の柱となる見込みだ。

買収後は、iemo創業者の村田マリを含めた全人員と、DeNAからの出向社員が共同で、これまで通りサービスを継続していく。

 

創業からわずか9カ月でイグジット

村田マリは、早稲田大学卒業後にサイバーエージェントの新卒1期生として入社し、新規事業を立ち上げに参画。退職後の2005年3月、1社目の創業となるコントロールプラスを設立した。結婚と出産を経て、2012年1月にソーシャルゲーム事業をgumiに譲渡し、2億円弱の売却益を得ている。iemoは、彼女がシンガポールに移住して第二の創業として2013年12月に設立した。

過去のインタビューで、スマホ向けメディアで「衣食住の『住』だけが未開拓だった」という理由からiemoを創業したと語った村田マリは、「買収までに想定外だったことはなく、完全に事業計画通り」と振り返る。創業からわずか9カ月でイグジットを果たしたのは、シリアルアントレプレナー(連続起業家)ならではの手腕と言えそうだ。DeNA傘下に入るに至った経緯については次のように語る。

「ここまでは過去の経験でやってこれても、今後、億単位の金額を投資するのは未知の領域。DeNAであれば経験も豊富で、失敗の確率も減る。私自身、IPOに夢がある経営者ではなく、サービスをたくさんの人に使ってもらい、家の作り方を圧倒的に変えたいという思いが強い。絶対にIPOをしなければいけないプレッシャーから解放され、サービスに注力できるのが魅力だった。」

月間ユーザー1200万人のMERYはEC強化へ

MERYは、ファッションに特化した女性向けまとめサイト。美容師やネイリスト、編集者をはじめとするキュレーターがまとめ記事を投稿している。2013年4月にサービス開始から1年半で、月間アクティブユーザー(MAU)は1200万人を突破。創業者の中川綾太郎によれば、ユーザー層は18〜25歳の女性が中心。夜10時以降がアクセスのピークタイムで、「雑誌を読むようなテンションで暇な時間や寝る前に見られている」という。

投稿されている記事は、「ロングブーツ履く前に!にっくき膝上の肉にさよならダイエット◎」「プチプラ&シンプルで着回し力抜群!GUデニムアイテムで一週間コーデ」といったように、ファッション雑誌にありそうな内容が多いのが特徴。「オンラインで圧倒的なファッションメディアがない中、スマホでファッション誌を読むような体験ができるのが上手くはまった」と分析する。

現時点で収益面は「広告を一応やってますという程度」だが、今後はEC化を進める。具体的には「まだモヤモヤしている」が、ユーザーが読んだ記事から商品を購入できるイメージだと話す。「ブランドを指名買いするECは発達しているが、実際のショッピングでは絶対にパンツを買うつもりでも、ニットを買っちゃうようなことが多い。そんな新しいコマース体験をやっていければ」。なお、iemoと同様、MERYも引き続きサービスを継続する。

2社のノウハウでキュレーションメディアを横展開

今回買収された両社がメリットとして口を揃えるのは、スタートアップならではの課題である採用面での恩恵だ。

「買収前のiemoは8人の会社だったが、10月1日にはDeNAからの出向を受けて20人体制になる。アプリエンジニアやデザイナーなど、不足している人材をバッと出してもらえるのはありがたい。こうした人材は簡単に取れないし、(iemoではDeNAみたいに)東大卒の人材なんていない。」(村田マリ)

「うまくいっているスタートアップでも、さらに伸びれば人が必要になる。MERYは『見てもらう』メディアの部分では順調に成長したが、今後は別領域のECを組み込んでいくことになる。DeNAからコマース経験のある人材をサポートしてもらえるのは大きい。売却思考はなかったが、理想をどれだけ早く実現できるかを大事にしたかった。」(中川綾太郎)

iemoとMERYは、「スマホでダラダラ見られるキュレーションメディア」という点で共通している。iemoは「スマホ × 住」、MERYは「スマホ × 衣」という圧倒的な勝者不在のジャンルでユーザーを増やしてきた。そして、キュレーションの枠にとどまらず、「住」と「衣」という巨大産業のECを変えようとしている。

DeNAとしては、2社の人材を抱えてノウハウを得ることで、スピーディーに他のジャンルのキュレーションメディアを構築する思惑もありそうだ。各メディアで相互送客を行い、数年後にはキュレーションプラットフォーム全体でMAU5000万人を目指すという。


テック業界で人気沸騰! Product Hunt創業者がTC Tokyo 2014にやってくる

Ryan Hoover

TechCrunchの読者であれば、シリコンバレーのテック業界で、いま突然現れて時代の寵児ともてはやされている「Product Hunt」の創業者、Ryan Hooverをご存じの方も多いかもしれない。11月18日、19日に東京・渋谷で開催するイベント「TechCrunch Tokyo 2014」にその彼が登壇することが決まったので、お知らせしたい。

2013年11月にオープンしたばかりのProduct Huntはまだオープン1年にみたない。しかし、すでにY Combinator、Google Ventures、Andreessen Horowitzなど錚々たるVCからシード、シリーズA合わせて700万ドル(約7億円)を調達している注目サービス。テック業界の必読サイトとも言われるまでになっている。

Product Huntには、プロダクトの簡単な説明とURLが投稿されていて、Twitterアカウントで会員登録すれば、イケてると思ったプロダクトに投票したり、コメントを書き込める。プロダクトは投稿された日ごとに分かれていて、投票数が多いプロダクトほど上位に表示される仕組みだ。

パッと見は、投票機能のある掲示板といったところだが、それを言えば、HackerNewsも同じ。Product Huntがスゴいのは、シリコンバレーのVCたちが参加し、日々チェックするサイトというポジションをあっという間に築き上げたことだ。少し読めば分かるが、著名な起業家やVCがコメントしていたりする。

スタートアップで大切なのは、マーケット、チーム、プロダクトだが、最近は、たとえば「モバイル向け動画」のように同一マーケットにあまりに多くのアプリがあふれるあまり、プロダクトそのものについて語る場が少なくなってきているのかもしれない。Product Huntを読んでいると、本当にプロダクトについて語るのが好きで、そこにこだわりを持つ人がシリコンバレーに多いのだということが分かる。

いまやテック系メディアに掲載される前にProduct Huntでプロダクトを発表する例も出てきていて、TechCrunchの競合とも言える。あるいは、Ryan本人がいうように、これはアテンションを寡占してきたメディアに対して、これはアプリローンチというイベントの民主化が起こっている現場なのかもしれない。著名な起業家や本家TechCrunchを含むメディアの記者、VCのパートナーたちまでが毎日のように読んでいるProduct Huntの創業者は、東京で何を語ってくれるのか。ぜひ生の声を聞いてほしい。

TechCrunch Tokyo 2014ではRyan Hooverのほかにも、海外や国内の豪華ゲストに多数参加いただくことになっているが、詳細は随時お伝えしていく予定だ。参加を検討いただけていた方は、ぜひお早めにチケットをご購入いただければと思う。なお、5枚以上から買える団体チケットや、限定50枚の学割チケットも今なら残っているので是非チェックしてほしい。

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クラウド会計「freee」、シンガポールの投資会社とリクルートから6.3億円調達

クラウド会計ソフトのfreeeは25日、第三者割当増資を実施し、総額6億3000万円を調達することを明らかにした。引受先はシンガポール政府が所有する投資会社Temasek傘下のPavilion Capitalとリクルート投資子会社の2社。freeeはシードラウンドから数えて4度目の増資。これまでに合計17億5000万円を調達したことになる。

シンガポールの投資会社を選んだ理由

過去の資金調達ではシリコンバレーに拠点を置くDCMから出資を受けていたfreeeだが、なぜシンガポールの投資会社なのか? この点についてfreee代表取締役の佐々木大輔は、次のように説明する。

「すでにSaaSのビジネスモデルに親しみがあるため話が早く、サービス展開の建設的な話もできる。投資サイズも大きい。将来的な海外展開を考えるとアジアが主戦場になるので、アジアに強い知見を持つ投資家がベストという結論になった。」

シンガポールは、GoogleやFacebookがアジアのヘッドクォーターを構えるなど、アジアの中心地としての意味合いもある。freeeはこの地にアンテナを張ることで、ビジネス上に大きなメリットがあると見ているようだ。

freee代表取締役の佐々木大輔

リクルートとはプロダクトと営業面で協業

リクルートとは既に、リクルートライフスタイルが提供するPOSレジアプリ「Airレジ」に入力した売上実績を、freeeに自動的に会計データとして取り込むなどの連携を実施。今回の出資に伴い、リクルートグループ横断でプロダクトや営業面での積極的な協業も検討する。

あわせて同日、クラウド会計ソフトのfreeeに経費精算機能を追加した。freeeを導入する会社の従業員はどこからでも経費精算の申請ができ、会計ソフトへの仕訳もシームレスに登録できる。経費精算はiPhoneアプリからのレシート写真登録にも対応している。

調達した資金では、中小企業を中心とする法人向けの開発・サポート体制を強化する。5月にベータ版としてリリースした「クラウド給与計算ソフトfreee」もまもなく本格的に事業化する。


Tokyo Otaku Modeがクールジャパンファンドから資金調達–金額は3年間で最大15億円

今朝はフリマアプリ「Fril」を手がけるFablicの資金調達が発表されたばかりだが、またまた大規模な資金調達の話が舞い込んできた。

日本のポップカルチャーの世界発信や海外向けのECを手がけるTokyo Otaku Mode(TOM)は9月25日、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構:クール・ジャパン支援施策にむけて設立された官民出資の法人)を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。クールジャパン機構では今後3年間で最大15億円の投資枠を設定している。

TOMは、日本のアニメやマンガ、その関連グッズなどのポップカルチャーを紹介するFacebookページとしてサービスをスタート。Facebookページの「いいね!」数は現在1600万件超。2012年にはCGMサイト「Tokyo Otaku Mode」を立ち上げたほか、2013年夏には海外向けECサイト本格オープンした「Tokyo Otaku Mode Premium Shop」を本格オープン。ポップカルチャーの関連グッズのほか、クリエイターとのコラボレーション商品などを展開している。ウェアラブルなおもちゃ「Moff」の海外向けの販売なども行っている。これまで商品を発送したのは85カ国以上だという。

同社では今回の調達をもとに、EC事業の拡大に注力する。エンジニアを中心に採用を進めてモバイルを中心にした開発力を強化。さらに物流拠点を設置するほか、プロモーションを強化するという。


フリマアプリFril運営のFablicがクックパッド、コロプラ、ジャフコから10億円調達–まもなくテレビCMも

フリマアプリ「Fril(フリル)」を手がけるFablicは9月25日、クックパッド、コロプラ、ジャフコを割当先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。出資比率やバリュエーションは開示していないが、関係者などの話を総合すると、金額的には3社がおおよそ3分の1ずつ出資しており、バリュエーションは100億円程度になるという。

Frilは2012年7月にサービスを開始したフリマアプリ。ユーザーを女性に限定しているのが特徴で、ファッションアイテムやハンドメイドの小物などが個人間で売買されている。現在のダウンロード数は200万件弱。ユーザーは都市部に住む10代後半から20代の女性が中心となっている。売買される商品の平均単価は2000〜3000円程度だという。月間の物流総額(実際に売買されている金額)は7月時点で5億円と発表されていたが、現在は「5億〜10億円のあいだ」(Fablic代表取締役社長の堀井翔太氏)だそうだ。

割当先に事業会社が2社いるが、この理由について堀井氏は、「特にクックパッドなどはユーザー属性も近いためシナジーもある。だがそれ以上にいい応援をしてくれる人、熱い思いを持った経営陣が居るから」と説明する。

フリマアプリのプレーヤーを見てみると、メルカリの手がける「メルカリ」が500万ダウンロードを達成。これまでの資金調達ではグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、GMOベンチャーパートナーズ、ユナイテッド、イーストベンチャーズなど、ベンチャーキャピタルを中心に広く資本を受け入れて“応援団”を作っている状況だ。またテレビCMを展開して大きくユーザー数を伸ばした。

こういった状況を踏まえて、堀井氏は「今はプロダクトを磨くだけでなく空中戦(マーケティングなど周辺領域での勝負)になっている。いかに周囲が応援してくれるかが重要。そんな中で『燃料はどんどん投下するから戦え』と言われることも増えたが、それとは違ったアドバイスをもらえる会社に出資してもらっている。優秀な経営者に気軽に相談できるし、IRやマーケティングにも強いチームがいる」と語る。

今後Frilは、CtoCをビジネスの中心にしつつ、BtoCの事業も強化する。8月からは「公式ショップ」という形でアパレルブランドが出店し、商品を販売できる仕組みを開始している。「現在は検証もかねてサービスを始めたところ。将来的には会員への課金や広告など、マネタイズの方法はあると思っている」(堀井氏)

前述のメルカリやLINEの手がけるLINE MALL、さらにはヤフオク!まで、(広義で)競合が多いスマホ向けのフリマ市場。Frilでは、今後も女性に特化したサービスを展開していく。「彼ら(競合)はオールジャンル、オールカテゴリ。そこはポジショニングを分けて差別化していきたい。お金(手数料のこと。ちなみにメルカリはこれまで手数料無料でサービスを展開してきたが、10月からFrilと同様に商品価格の10%の手数料を取得する)がかかっても使ってもらえるのはそこがあるから。これからも独自の世界を作っていきたい」(堀井氏)。サービスを支える約30人のカスタマーサポートは全員がFrilのユーザーで、きめ細かい対応を実施。さらにはバックグラウンドでのスパム検知、本人確認の仕組みにも注力しているという。

Fablicでは2015年度の物流総額200億円を直近の目標とする。また将来的には海外展開も検討しているようだが、「やるのであれば台湾などアジア圏。法律や物流の違いもあって翻訳だけして展開できるとは思っていない。場所によって戦略やアプリそのもののチューニングが必要だと思う」(堀井氏)とのことだった。


楽天Edyがウェブ明細にようやく本格対応、家計簿アプリが便利になりそう

えっ、今まで対応してなかったの? という感じだけれど、プリペイド型電子マネー「楽天Edy」の利用履歴が、ウェブから気軽に取得できるようになった。楽天Edyの利用履歴はこれまで、楽天EdyアプリもしくはFelica/パソリが使えるPCから、直近6履歴(!)だけしか確認できなかったのだ。本日24日から、「楽天スーパーポイントがたまる設定にしている楽天Edyカードおよびおサイフケータイ」に限り、楽天Edyのサイトから最大4カ月分の履歴が閲覧できるようになった

Edyでウェブ明細が閲覧できるようになったことは、家計簿アプリのユーザーにとって朗報だろう。銀行口座やクレジットカード、電子マネーの入出金記録を自動取得する家計簿アプリについては、EdyのID情報を登録すれば明細データを自動取得できるようになるからだ。

Edyの発行枚数は8700万枚と、同じプリペイド型電子マネーのSuicaの4557万枚(2014年1月時点)やWAONの4210万枚(2014年6月時点)と比較すると倍近く多い。主要コンビニをはじめとする全国38万以上の加盟店で使えるので、家計簿アプリユーザーとしては出金の入力がグッと便利になりそうだ。

24日には、さっそくマネーフォワードが楽天Edyのデータ自動取得に対応した。今後、Edyのデータは手入力することなく、食品や日用品などのカテゴリーに自動分類される。マネーフォワードのユーザーは、出金履歴を自動入力してくれる便利さのあまり、現金支払いをクレジットカード払いに切り替えるユーザーが増えているらしいが、今回の連携でEdy利用が進み、ますます現金支払いの頻度が減りそうだ。マネーフォワードはクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計」でもEdyのデータ自動取得に対応している。

入出金記録を自動取得する家計簿ソフトとしてはこのほか、「Moneytree」がEdyへの対応を表明。Zaim創業者で代表取締役社長の閑歳孝子も、「ユーザーからの要望が多く、まもなく対応したい」と話している。

【追記 18:00】MoneytreeもEdyに対応した。


NewsPicksはキュレーションメディアではない–独自コンテンツの配信など新戦略を発表

注目の集まるニュースをキュレーションして閲覧できるスマホ向けのニュースアプリは増えるばかり。だが「NewsPicks」を手がけるユーザベースは、競合と言われるサービスとはまったく別の方向を進むのだという。同社は9月19日、NewsPicksのビジネスに関する説明会を開催。今後の展開を語った。

NewsPicksは経済ニュースに特化したニュースアプリだ。ユーザーは提携メディアなどが配信する記事を閲覧するだけででなく、自らPicker(記事をピックアップしたユーザー)として気になった記事をピックアップしたり、自らの意見やコメントを投稿したりできる。ユーザベース共同代表創業者の梅田氏は「当初想定していなかった」そうだが、ピックアップされた記事にその記事の当事者がコメントをつけたり、ピックアップされた記事を書いたメディアの記者が記事の補足をしたりするといった使い方もされているという。

ユーザベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏

サービスを公開してから約1年でダウンロード数は21万件。「Gunosy」や「SmartNews」といったニュースアプリはダウンロード数400万件、450万件といった数字をうたっているので、単純に数字で見ると非常に小さく感じる。

だが、ユーザーは20〜40代、それも意思決定者が中心となっており、マスをターゲットにしたGunosyやSmartNewsとはターゲットとする属性が違うサービスであることが伺える。デイリーの滞在時間は平均11分、ピックアップやコメントをするようなヘビーユーザーになると40分になるのだという。ピックアップされた記事は、平均でFacebookで600件、Twitterで2000件程度共有されるという。実はTechCrunchのリファラーを見ても、最近ではNewsPicksをはじめとしたニュースアプリからの流入は少なくない。

今後は独自記事を配信。ブランド広告も展開

発表会では、そんなNewsPicksがこれから展開するコンテンツとマネタイズに関する説明が行われた。

ユーザベースでは7月、東洋経済オンラインの編集長であった佐々木紀彦氏をNewsPicksの編集長として招聘。自社で編集部を立ち上げて独自コンテンツを提供するとしていた。佐々木氏は、SmartNewsやGunosyを例に挙げ「(NewsPicksが)キュレーションメディアのひとつとして見られるが、特徴が違う」と語る。

佐々木氏はここで、マス向けなのか専門性が高いのか、コンテンツを人力で作るかアルゴリズムで作るかという2つの軸でニュースサービスを分類したスライドを紹介した。例えばSmartNewsやGunosyはアルゴリズムを使ってマス向けのコンテンツを発信している。またヤフーが提供するYahoo!ニュースであれば、アルゴリズムではなく人力でマス向けにコンテンツを発信している。グライダーアソシエイツが提供する「Antenna」はアルゴリズムと人力を組み合わせて専門性の高いコンテンツを発信している。ではNewsPicksはどういう立ち位置になるかというと、経済情報に特化し、専門性の高いコンテンツを人力で作っていくのだという。

ユーザベース執行役員でNewsPicks編集長を務める佐々木紀彦氏

NewsPicksでは、(1)オリジナルの連載記事、(2)インフォグラフィックス、(3)Pickerとのコラボレーション(話題になった記事やテーマの深掘り)、(4)アナリストとのコラボレーション(ユーザベースの提供する法人向けサービス「SPEEDA」向けのアナリストによるコンテンツ、(5)グローバルキュレーション(NewYork Timesなど海外経済ニュースとの連携)——の5種類の独自コンテンツを提供する。これは月額1500円の有料プランユーザー向けに提供されることになる。有料プランではこのほか、提携するメディアのコンテンツを閲覧したり(これは以前から提供していたもの)、検索機能を利用したりできようになる。また年1回開催予定のイベントへの優先参加権なども提供する。

マネタイズについては、(1)テレビ番組のように、特定カテゴリのチャネルについて広告主がスポンサーシップをする「ブランドカテゴリー」、(2)特定の連載に限定してスポンサーシップをする「ブランドストーリー」、(3)広告主がチャネルを持ち、オウンドメディアや自社に関する情報を発信できる「ブランドアカウント」——の3種類のブランド広告を展開する。すでにIBM、サイボウズ、リクルートが広告主として決定している。

NewsPicksでは以前から月額1500円でビジネス系週刊誌などの有料コンテンツを提供してきたが、今後はそこに独自コンテンツが加わることになる。梅田氏は、「編集部を作って分かったが、いいコンテンツを作るにはお金がかかる。これを継続するのが重要。どうすれば1500円の価値を認めて頂けるかを考えていく。そのために機能やイベントをトータルに提供していく」と語った。

ユーザベースでは、中期目標として3年で日本を代表する経済メディアにし、編集部を100人体制まで拡大。さらに英語での海外進出を視野に入れるとしている。また、来年度の黒字化を目指すそうだ。

 


賞金100万円だけじゃない! TechCrunchスタートアップバトル出場のススメ

メディアはiPhone 6一色だけど、スタートアップのみなさん、忘れていませんか? 我々が11月18日、19日に東京・渋谷で開催する「TechCrunch Tokyo 2014」の目玉企画として、「スタートアップバトル」(以下、バトル)を実施することを。バトルは、スタートアップがステージ上でプロダクトを競い合い、優勝チームには賞金100万円を贈呈する。でも、それ以外にも参加するメリットがあるのでお伝えしたい。

ここ数年、スタートアップにスポットを当てるイベントが増えてきているのは、TechCrunch読者であればご存じのことと思う。例えば、IVPの「Infinity Ventures Summit」やB Dash Venturesの「B Dash Camp」、サイバーエージェント・ベンチャーズの「RISING EXPO」などが有名だ。

そして、こうしたVCが運営するイベントとTechCrunch Tokyoの大きな違いの1つは、来場者にあると思っている。

先に挙げたイベントの来場者は、VCや投資家、スタートアップの経営者層が中心。一方、TechCrunch Tokyoはこうした来場者に加えて、スタートアップの業界動向にアンテナを張っている企業の新規事業担当者や、読者、つまり一般ユーザーの注目が高いと自負している。

バトルに参加するスタートアップは、本戦に進出すればTechCrunchで取り上げることもあり、プロダクトのユーザー獲得にも一役買えるはずだ。さらに言えば、本家TechCrunchの編集者が審査員として米国からやってくる予定なので、全米にアピールするチャンスがあるかもしれない。

参加要項は以下の通りなので、条件に当てはまるスタートアップは是非、応募ページから申し込んでほしい。

応募資格

  • 未ローンチまたは2014年1月以降にローンチしたデモが可能なプロダクト(サービス)を持つスタートアップ企業(未公開プロダクトを歓迎します)
  • 創業年数3年未満(2011年11月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。なお、このイベント以前に開催された他のイベントで受賞をしていないプロダクトを優先します。

応募受付期間

2014年10月3日(金)23時59分まで

審査について

  • 審査基準: 企業とプロダクトを対象にし、そのプロダクトの市場性やビジネスの成長性、またビジョンを実現していけるチームであるかを基準とします。
  • 事前審査:一次審査は書類審査とし、その後一部評価に必要な情報が足りない場合はインタビューやデモを見せていただく場合があります。選考を通った応募企業には運営事務局から10月10日までに審査結果を通知します。
  • 決勝戦: TechCrunch Tokyo 2014の2日目に行います。TechCrunch Japanが選んだ審査員によって最優秀企業を選出します。

一次審査員(書類審査)

  • 今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー / Chief Operating Officer)
  • 和田圭佑氏(インキュベイトファンド 代表パートナー)
  • 木村新司氏(個人投資家)
  • 有安伸宏氏(コーチ・ユナイテッド 代表取締役社長)
  • 西田隆一氏(B Dash Ventures シニア・インベストメントマネージャー)
  • 西村賢(TechCrunch Japan編集長)

スタートアップバトルの応募ページはこちら

残念ながら条件に当てはまらなかったスタートアップについては、格安料金で出展できるデモブースを会場に設けるので、そちらで大いにプロダクトを来場者にアピールしていただきたい。

スタートアップデモブースの申し込みはこちら


スマートニュース、元ハフィントンポスト編集長の松浦氏を招聘

スマートニュースは9月19日、ハフィントンポスト日本版の編集長だった松浦茂樹氏が同社のメディアコミュニケーション ディレクターに就任したことを発表した。

松浦氏はライブドア(現LINE)、コンデナスト・デジタル(現コンデナスト・ジャパン)、グリーでメディアの立ち上げに関わったのち、2013年3月にハフィントンポスト日本版の初代編集長に就任した。ハフィントンポストは開始から1年で月間1300万UUのサイトに成長した。同氏は2014年9月に編集長を退任。同月中にスマートニュースに移籍したかたちとなる。

スマートニュースは8月にAtomicoやグリーなどから36億円の資金調達を実施したばかり。人材面を強化しており、9月には元米コンデナストで事業開発担当ディレクターを務めていたバーニー・デイヴィス氏をパートナー担当ディレクターに、元Williamson-Dickie Japan 合同会社副社長の松岡洋平氏をマーケティング担当ディレクターにそれぞれ招聘している。

また資金調達にあわせて大々的なテレビCMも展開している。ただ、当初放映した力士がニュースキャスターを演じるCMは、「反響がイマイチ」(広告業界関係者)だったようで、クリエイティブを刷新する予定があるようだ。

松浦氏にスマートニュースに参画した理由を聞いたところ、「退任発表のブログにあるとおりだが、端的にいえば次の新しいチャレンジをしたいと思った。その新しいチャレンジがスマートニュースにあったから。日本発で世界にチャレンジできるところが一番の魅力」とのことだった。念のために開示しておくが、ハフィントンポスト日本版を運営するザ・ハフィントンポスト・ジャパンは朝日新聞社とAOLの合弁会社。TechCrunchはAOLグループなので、ハフィントンポストとはオフィスも人材面でも遠くない距離にある(オフィスは隣だったりする)。

松浦氏は今後、ニュースリーダーアプリ「SmartNews」のコンテンツ企画面での強化と、ユーザの満足度向上、ユーザー規模の拡大に向けた施策に注力するという。ニュースリーダーアプリはグノシーの「Gunosy」をはじめとしてその覇権争いが激化しているが、これに対して松浦氏は「スマートフォンという世界でニュースの競合とか言っている場合ではない」と語る。「SmartNewsの拡大で多くのメディアとともに成長できればと考えている。これは前職より意識してきたし、それは変わらない」(松浦氏)。ただ、独自に編集部を持ってSmartNews上で独自コンテンツを配信するといった予定はないと前述の資金調達時にスマートニュースから聞いている。