中国の通信大手3社上場廃止計画をニューヨーク証券取引所が撤回

誰にとっても予想外だったが、米国時間1月4日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、2020年12月31日に発表された中国の大手通信事業者3社の取引除外を撤回するという声明を出した

除外は、中国の軍部や諜報および安全保障部門に供給とサポートを提供しているとみなされる企業への投資を禁じる(The White Houseリリース)トランプ政権の政策の一環としてChina Mobile、China Unicom、China Telecomの3社を対象にしていた。

現在のブラックリストには35社が掲載されており、その中には上記3社の通信企業の親会社やHuawei(ファーウェイ)、中国の大手チップメーカーであるSMICなどが含まれている。

ニューヨーク証券取引所は除外取消の理由として「関係規制当局とのさらなる協議の結果」を挙げている。発表によると、3社の上場と取引は継続するが、彼らへの大統領令の適用可否と彼らの上場状態についての評価は続けるという。

ニューヨーク証券取引所で約20年もの間取引されていた通信大手3社の除外を、一部の専門家は象徴的意味合いに過ぎないと考えている。これら企業のニューヨークにおける取引量は、取引可能量のごく一部でしかない。したがってニューヨーク証券取引所からの除外は、企業の成長と一般的なマーケットパフォーマンスに大きな影響を与えない、とChina Securities Regulatory Commission(中国証券監督管理委員会)は米国時間1月3日の声明で述べている(CSRCリリース)。

同委員会は続けて「米国の一部の政治的勢力による最近の動きは、米国市場に上場している外国企業を継続的かつ根拠なく抑圧し、グローバルな資本市場における自らの立場をも損壊しようとしており、米国の規則と機関が恣意的で無責任で気まぐれでありうることを示している。米国側がマーケットへの尊敬の念と法的規則への敬意を示し、グローバルな金融市場の秩序と投資家の正当な権利および世界経済の安定性と育成に貢献することを望みたい」と述べている。

最近では米国で上場している中国企業の多くが、香港におけるセカンダリー上場を選択している。すでにAlibaba(アリババ)とJD.com(Reuters記事)とNetEaseが香港でデビューし、他にも多くのテクノロジー企業が帰郷を検討している。中国のテクノロジー大手は米国政府による締めつけの可能性を憂慮しており、また、アリババの香港における成功を自分も経験したいと願っている。また、中国の優良テクノロジー企業を呼び戻すために2019年に導入されたNASDAQ方式の取引所(未訳記事)にも、彼らは資金調達の機会を見出している。

関連記事:アリババが香港証券取引所で2兆円超の二度目の上場を検討中

カテゴリー:その他
タグ:ニューヨーク証券取引所中国

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アリババ創業者ジャック・マー氏が2カ月間公の場から姿を消す、Twitterで話題に

世界の関心がJack Ma(ジャック・マー)氏の行方に集まっている。Alibaba(アリババ)とAnt Group(アントグループ)の億万長者創業者が2020年10月下旬以降、公の場で姿を見せていないと報道されている。

2020年10月24日にマー氏は、中国の金融システムに対する激しい批判を高官の前で行った。数日後に中国当局はAntのIPOを突然停止したが、これはマー氏の演説が物議を醸したためだと考えられている。その後、中国政府は比較的規制の緩い環境で繁栄してきたフィンテック大手に対して、法に基づいて事業を「修正」するようにと命じた。これにより、Ant Groupの未来は宙に浮いている。

同時に、中国の規制当局は、独占的行為の疑いについてAlibabaに対する前例のない調査を開始している。

歯に衣着せぬ物いいで知られているマー氏は脚光を浴びることが好きなことでも知られているため、彼が制作したアフリカのテレビ番組の最終回(Bloomberg記事)を含む最近のイベントでその姿を見せないことが話題になっていることは驚くに当たらない。経済学者からジャーナリストまで、Twitter(Twitter)の世界では、次のように注目している。

「アフリカのコンペ番組Business Heroesに関しては、マー氏はスケジュールの都合で最終回を欠席せざるを得なかった」とAlibabaの広報担当者は述べている。

中国のツイッターと呼ばれるWeiboは「ジャック・マー 行方不明」の検索をブロックしなかったが、投稿には「いいね」や「再投稿」がほとんどない。中国のインターネットのどこかでは、WeChatの複数のグループの中では、マー氏が「消された」か、または国外逃亡したという憶測が飛び交っている。

しかしながら、かなり前からマー氏がAlibabaの日常的な経営活動から退いていることを忘れてはならない。2019年10月に彼は、同社の会長としての権限を公式に後継者のDaniel Zhang(ダニエル・チャン)氏に渡している。しかし実際には彼は、いわゆる上級管理職のグループで、取締役の任命権があるAlibaba Partnershipの終身パートナーとして、同社のeコマース事業に相当な指揮権を持っている。

中国では、大物が難事を避けるために身を隠すことがよくある。AlibabaのライバルであるJD.comの派手好きの創業者Richard Liu(リチャード・リュウ)氏は、レイプの罪で訴えられた後、2020年は重要な政治的イベントを欠席した(South China Morning Post記事)。Tencentの創業者Pony Ma(ポニー・マ)氏は、すでに世間の注目を集めておらず、1年近く公の場に姿を見せていない。情報筋によると、彼は背中に慢性の疾病を抱えているというが、2020年は一部のイベントに音声メッセージでバーチャル出演した(The Paper記事)。

関連記事
Antの超大型IPOが延期、中国当局がアリババ創業者から事情聴取
中国政府がジャック・マー氏のフィンテック帝国Ant Groupの「修正」計画を発表
中国eコマース大手アリババの独禁法違反調査始まる
アリババ創業者のジャック・マー氏が正式に会長を退任

カテゴリー:その他
タグ:Jack MaAlibabaAnt Group中国

画像クレジット:Jack Ma

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

TwitterがソーシャルポッドキャスティングアプリBreakerを買収、Twitter Spacesの開発を支援

米国時間1月4日、Twitter(ツイッター)はソーシャルブロードキャストアプリBreakerを買収したことを、ブログとツイートの両方で発表した。これによりBreakerのチームはツイッターに加わり、同サービス上に「公開される会話の健全性を改善」し、またツイッターが新たに立ち上げた音声によるネットワーキングプロジェクトであるTwitter Spacesに力を貸すことになる。Breakerアプリは、2021年1月15日に閉鎖する。

Breakerは買収を同社のブログで発表し、チームがツイッターと相性が良いと信じる理由を述べている。

「Breakerで私たちは音声によるコミュニケーションを真剣に追究してきましたが、その際、私たちはツイッターが世界中の人びとに公開会話の便宜を提供しているやり方を参考にしてきました」とBreakerのCEOであるErik Berlin(エリック・ベルリン)氏は書いている。そして「私たちはツイッターにおける起業家精神に感銘を受け、また同社のチームが作っている新しい体験を感動をもって迎えている」そうだ。

Breakerは2016年に創業され、当時のリーダーはソーシャル広告企業140 Proofの創業者でCTOだったCEOのベルリン氏と、以前にPownceとGroveを創業し、ウェブ技術のOAuthとoEmbedを共同開発したCTOのLeah Culver(リア・カルバー)氏だ。なお、その後140 ProofはAcuityが買収している。

Breakerアプリは、ポッドキャストが音声によるフィードで生産性ツールの一種と考えられていた時期にローンチした。当時、ポッドキャストを軸にコミュニティを作れることは、ほとんど見過ごされていた。Breakerはポッドキャストのそういう受け取られ方を変えようと努力し、ユーザーが「いいね」を付けたり、エピソードにユーザーがコメントを付ける機能や、友だちをフォローして新しいポッドキャストを見つけたり、好きな番組をソーシャルメディアで共有する機能などを加えてきた。

カルバー氏のツイートによると、彼女はツイッターでTwitter Spacesに専念することになる。それは音声によるソーシャルネットワーキングプロダクトで、Clubhouseのライバルだ。ツイッターのユーザーはSpacesで、これまでのようなテキストでなく、音声によるリアルタイムのチャットを行う。Spacesは、2020年12月にベータテストに入っている。そして現在は、技術的な問題やバグだけでなく、モデレーションなど、ライブのオーディオのホスティングにともなう問題に取り組んでいる。

別のツイートでは、ツイッターのEngineeringのリーダーであるMichael Montano(マイケル・モンターノ)氏が、ベルリン氏とカルバー氏、そしてBreakerのデザイナーであるEmma Lundin(エマ・ルンディン)氏が買収によりツイッターに移籍することを確認している。

彼はベルリン氏とカルバー氏の起業家精神と、カルバー氏の長年のオープンスタンダードへの貢献を賞賛している。

コメントを求めるとツイッターはモンターノ氏のツイートを指摘したが、買収の価額や今後の計画などについての詳細は得られなかった。

Breakerによると、同社は数日後にこれまで何年もかけて開発してきたアプリとサービスを閉鎖する。

2021年1月15日にBreakerは永久に閉鎖する。それまでBreakerのユーザーは、自分のOPMLファイルをエクスポートして、自分のサブスクリプションを他のポッドキャストアプリへ移すことができる。Breakerが勧めている代替アプリは、Apple、Spotify、Stitcher、Overcast、Pocket Casts、そしてCastroなどだ。Breaker上でポッドキャストをホスティングしている人は、RSSフィードでそれをどこかへ移せる。

Breakerの買収のほかにも、最近はポッドキャストのM&Aがいろいろある。しかしBreakerの場合はポッドキャストのコンテンツではなく、そのスタッフと技術が対象だ。というのもツイッターは従来から、自作のコンテンツを提供するサービスではなく、他人のコンテンツ(発言など)をまとめるだけであるため、既製のコンテンツを必要としない。

Breakerの買収は、価額の公表はないが小額の取引だろう。つまり、同社がBig Tweet(ツイッターのあだ名)にエグジットしたことは、同社としての流動性を見つける1つの方法だったとしても、しかし一般的な評価としては、ポッドキャストサービスやコンテンツのポッドキャスティングには、それほど大きな企業価値はないことが通説だ。

この買収の数週間ないし数カ月前には、ポッドキャストのコンテンツをめぐる買収案件がいくつかあった。それには、Amazon(アマゾン)によるWonderyの3億ドル(約308億9000万円)の買収(Tubefilter記事)や、SiriusによるStitcherの3億ドルの買収(The Wrap記事)などがある。そして、最近次々とコンテンツの買収を繰り返しているSpotifyもそんな動きの仲間だ。

今回のポッドキャスト買収も3億ドルだった、という話が早くもジョークとして広まっている。「3億」は一見大きな額に見えるかもしれないが、ベンチャーキャピタリストが狙うほどのエグジットではない。Breakerとツイッターの提携も、ポッドキャストに焦点を当てた企業を作ることは、それほど大きくない未来を自ら認めることだとする考え方を否定するほどのものではない。

もちろん、ベンチャーキャピタリストが2021年にはポッドキャストへの投資から手を引くと主張するつもりはないし、Breakerの買収が個人投資家は投資すべきでないという説の根拠になるわけでもない。

今回の勝者は、Breakerよりもむしろツイッターだ。音声によるソーシャルネットワークという、今後バズりそうな2021年の新しい市場に入っていくための鍵となる人材を同社は手に入れた。パンデミックで人びとが家に閉じ込められたことが、この新市場の契機かもしれない。カンファレンスもパーティーもなくなった現在、多くの人がオンラインでつながるためのもっと良い方法を探している。

しかし、オンライン中毒とモデレーションの失敗で苦戦してきたツイッターが、音声ネットワークをユーザーがチャットする安全な場所にできるだろうか。それとも、ツイッターが現在、直面している問題が増幅されるだけだろうか。そしてもう1つの心配は、新型コロナウイルスが収束して人びとが再びリアルで会えるようになったとき、Twitter Spacesのような音声によるネットワーキングに未来はあるのだろうか。

関連記事:Twitterが音声によるソーシャルネットワーク機能「Space」のベータテストを開始

カテゴリー:ネットサービス

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

インドでソニーのPlayStation 5が2月2日に発売、パンデミックで被害を受けたサプライチェーン復活

Sony(ソニー)は米国時間1月1日に、インドでPlayStation 5を2月2日に発売すると発表、2020年、新型コロナウイルスのパンデミックで深刻な被害を受けたサプライチェーンのネットワークが、改善されたことを匂わせた。

同社によると、世界で2番目に大きなインターネット市場であるインドでは、予約販売を1月12日に始める。予約を受け付ける店舗はAmazon India、Flipkart、Croma、Reliance Digital、Games the Shop、Sony Center、そしてVijay Salesとなる。

PlayStation 5のインドでの価格は4万9990ルピー(約7万200円)で、ディスクドライブのないデジタル・エディションは3万9990ルピー(約5万6500円)ドルだ。一方、XboxはSeries Xがインドで685ドル(約7万800円)、Series Sが480ドル(約4万9600円)だ。この2つはインドで2020年11月に発売された。

それでも世界各地と同じく、Microsoft(マイクロソフト)はインドでも新しいXboxの需要に対応できないでいる。特にXbox Series Xは激しく品薄で、Amazon Indiaでそのページを見つけることすら難しい。

本日の発表は、PlayStationの熱心なファンの不安を和らげるだろう。一部のファン(私もその1人だが)は、インドがPS5の最初にマーケットに含まれないとわかってからは、グレーマーケットで高価な品物を入手していた。ファンはソニーとその代理店などに対して、インドでの発売に関して明確な発表がないことや、店によって離していることが違うことに不満を抱いていた。

ソニーは11月に、PS5のインドでの発売の遅れを、輸入に関する規制の所為にした。ゲームのニュースサイトであるThe Mako Reactorは今週初めに、SonyはインドでPlayStation 5のアクセサリーに関して保証や販売後のサポートを提供しないと報じている(The Mako Reactor記事)。それは、前世代機種でもあったことだ。

インドはまだ、本格的なゲーム専用機の大市場ではない。業界の推計によると、ソニーとマイクロソフトはインドで前世代のゲーム機を数十万台しか販売していない。インドは安価なAndroidスマートフォンが急増している(未訳記事)し、データ料金は世界一安いたため、最近では何千万人ものインド人がモバイルゲームを楽しんでいる。

関連記事:グーグルがインドの通信大手Reliance Jio Platformsに約4800億円出資

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:SonyPlayStationMicrosoftXBoxインド

画像クレジット:Phil Barker/Future Publishing/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2065億円を使い果たした建設業改革のKaterraがソフトバンクから救援資金206億円を獲得

報道によるとソフトバンクグループは、Katerraを救済するために2億ドル(約206億5000万円)を投資している。The Wall Street Journalによると、同社は垂直統合によって建設産業を改造しようとしていた。

Katerraの株主は米国時間12月30日にこの新しい投資を承認し、ソフトバンクからの新たなライフラインは、日本のテクノロジー複合企業が同社にこれまで注ぎ込んだおよそ20億ドル(約2065億円)に上乗せされることになる。

Katerraを倒産から救う資金は、ソフトバンクのVision Fund 1から供出される。WSJによると、KaterraのCEOであるPaal Kibsgaard(パール・キブスガード)氏は株主宛のメッセージでそう述べている。

さらにWSJによると、今回の投資の一環としてソフトバンクが融資している金融サービス企業Greensill Capitalは同社の株式の5%と引き換えにおよそ4億3500万ドル(約449億1000万円)の債務を帳消しにする。

この新たな金融支援は、ソフトバンクがKaterraの救済に乗り出す2020年だけでも2度目の救援措置となる。WSJによると2020年5月には、石油サービスの開発企業Schlumbergerのトップだったキブスガード氏を同社の財務回復のために招聘し、そのための資金としてSoftBankは2億ドルを注いでいる。

Katerraは2015年のローンチ以来これまで、この日本のテクノロジー複合企業から複数回、数億ドル(数百億円)のラウンドを調達している。2018年には、8億6500万ドル(約893億9000万円)を調達(未訳記事)して、そのときKaterraは商用ビルと住宅建設の両方で13億ドル(約1342億2000万円)の契約があり、一部には病院や学生寮もあると主張していた。大きな数字ではあるが、U.S. Census Bureau(米国国勢調査局)によると建設業への支出総額は2018年の11月だけでも1兆ドル(約103兆円)であるため、13億はわずかな額だともいえる。

Katerraは、一部のプロジェクトで工事の遅れやコスト超過に悩まされた。またWSJによると、同社がその会計処理に見つけた不統一性が、頭痛に輪をかけた。

しかし、そういう問題がありながらKaterraの経営は順調で、同社がWSJに与えた数字によると2020年の売上は15〜20億ドル(約1548億8000万〜約2065億円)といわれるている。

カテゴリー:その他
タグ:SoftBank GroupKaterra建築

画像クレジット:Katerra

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Flashの最後の日、Adobe自身がサポートを停止

2020年をあれほどひどい悪夢にしたもののほとんどが、2021年1月1日になってもまだ残っているが、Adobe Flashとゲーム「FarmVille」だけは、新年とともに本当の本当に私たちの元から離れ去ることになる。

Flashの終わりは長かった。このプラグインは1996年にリリースされ、かつては大量のオンラインコンテンツをサポートしたが、スマートフォンの普及とともに徐々に不要なものになっていった。iPhoneは一度もFlashをサポートしなかったし、Apple(アップル)の当時のCEOだったSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏が公開書簡(未訳記事)でその技術の欠陥を指摘したのは、10年以上も前だ。

Adobeはその終末を計画し、2017年にその年の終わりまでにFlashを段階的に廃止する(未訳記事)と発表した。多くのウェブブラウザがすでにFlashのサポートを止め、そして2020年12月31日が公式の最終日になる。Adobe自身がそのサポートを終了した。ただし、まだあと1つ「Flashの死」を確定する儀式が残っており、1月12日に同社は、Flashコンテンツの再生をブロックし始める。

このニュースと関連してZyngaがこのほど、Flashの終わりはFarmVilleの終わりであると発表した。この農業シミュレーションゲームは、Flashプラグインに依存していた。

FarmVilleほど当時の文化的時代精神を見事に捉えたゲームはほかにない。レディー・ガガは「Born This Way(ボーン・ディス・ウェイ)」をFarmVilleからリリースした。FarmVilleを創った素晴らしいチームと、何年間にもわたる数億のFarmVilleプレーヤーに、とても感謝している。

Flashと同様FarmVilleも、過去のインターネットの遺物のようだ。私のライターとしてのキャリアの初期には、この2つについてたくさん書いていたこともあり、自分が年を取ったとも感じる。2009年にローンチしたFarmVilleは、その人気がZyngaとFacebook上のゲームに上昇の道を拓いた(NYTimes記事)が、Zyngaとゲームのその後の成長の方が大きい

同社の共同創業者で元CEOのMark Pincus(マーク・ピンクス)氏は一連のツイートで当時の思い出を述べている。それによると、ゲームの初期の開発はMyMiniLifeの買収(VentureBeat記事)が契機だった。

「FarmVilleは、ゲームが常時動いている生き物であることを示した。それは毎日のように、その日の驚きと喜びを与えた。まるでテレビの大好きな連続番組のように」とピンクス氏は書いている。「そして、ゲームは人びとのグループを結びつけ、お互いを近づけることもできた」。

この記事をたまたま読んでるFarmVilleファンの方は、がっかりしないように。「FarmVille 2:Tropic Escape(ゆったり楽園生活)」と「FarmVille 2:Country Escape(のんびり農場生活)」は今でもプレイできるし(いずれもApple AppStoreとGoogle Play Storeからダウンロードできる)、FarmVille 3もモバイルに登場する。今日は最初のゲームの終わりにすぎない。

関連記事
グーグルの検索結果からFlashを使っているサイトが消える
ソーシャルゲームのZyngaの第3四半期は過去最高の売上高、しかしユーザー数増加も約127億円の赤字

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AdobeAdobe Flash

画像クレジット:Bryce Durbin

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アクティビストのヘッジファンドマネージャーであるダニエル・ローブ氏がインテル経営陣を酷評、新たなVCファンドを準備中

Daniel Loeb(ダニエル・ローブ)氏のアクティビストヘッジファンドであるThird Pointは、残り少ない2020年の日々に多忙だ。パンデミックで大荒れの年だったがリターンは大きく、Reutersによると2020年12月初めの時点で今年の増加率は最大で12.3%とされている。そして同社は明確に、テクノロジーセクターに今後ますます大きい成長ポテンシャルを見ている。

Asa Fitch(エイサ・フィッチ)氏の記事によると、The Wall Street Journalは、このヘッジファンドがIntel(インテル)の会長であるOmar Ishrak(オマー・イシュラック)氏に毒舌満載の株主書簡を送り(WSJ記事)、最近ライバルたちに大きく遅れを取っているこの米国のチップメーカーには経営陣の大規模な刷新が必要だと迫った。私がTechCrunchに2020年の半導体業界の総括記事(未訳記事)で書いたように、インテルにとって2021年は生きるか死ぬかの年であり、今やアクティビストからのプレッシャーもさらに強まり、同社に対する問題解決の要請もますます熾烈を極めている。

WSJによると、Third Pointは同社の株10億ドル(約1030億円)を買い上げた。ニュースの直後には、強まったプレッシャーで同社の前途が明るくなったという投資家たちの期待により、インテルの株価は5%跳ね上がった。

しかしながら、どうやら上場企業でなくても、資本政策表にアクティビストのヘッジファンドを載せられるようだ。

今朝のFinancial TimesでMiles Kruppa(マイルズ・クルッパ)氏が書いているが、このヘッジファンドは新しいベンチャーファンドを立ち上げるために最大3億ドル(約309億円)が欲しいらしい。調達の完了予定は2021年2月だ。同ヘッジファンドは過去にも、Third Point Ventures部門からさまざまな投資をしているが、アクティビストの大きな賭けとは違って、経済紙の大見出しになるような成果は得られなかった。

過去に同社のベンチャー投資は、テクノロジーとヘルスケアとフィンテックがターゲットだった。投資先は、CrunchbaseによるとSentinelOneとYellowbrick Dataだ。この新しいファンドが無事に資金調達を完了するとしても、投資のステージや対象分野が前と同じになるのか、そこがまだわからない。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:IntelThird Point Ventures

画像クレジット:Larry Busacca/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナに苦しむ人を救う開発者の卵が作ったDevelop for Goodが学生と非営利団体を繋ぐ

2020年は社会的組織の年だった。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界と米国を襲い、国や町、村町などさまざまなレベルの行政府のほかに、非営利組織とボランティア団体のパッチワークのような組織が活動を開始し、ウイルスに苦しんでいる人や家族に食べ物や医療品、子どもたちの本や衣類などを配った。

救援のための最大の格差が、おそらくデジタルの分野だろう。非営利団体は今日の小売企業がまさにそうであるように、受益者じゃインターネットに接続する必要がある。しかしテクノロジー方面の人材は高価であり、なかなか見つからない。そうでなくても非営利団体の多くが裕福でない。

このことを痛感したスタンフォード在学中のMary Zhu(メアリー・ズー)氏とAmay Aggarwal(アメイ・アッガルワール)氏は、コンピューターサイエンスやデザイン、経済学などの学部学生有志と、専門的能力を必要としている非営利団体のプロジェクトを結びつけるサービスであるDevelop for Goodを創業した。彼らはパンデミックの急速な拡散が始まった2020年3月にネットワークを立ち上げ、以後その組織は急速に大きくなった。

「学生たちはボランティアとしての意志があるだけでなく、自分たちのプロとしてのスキルを生かせて体験を積む機会を求めている。学生たちと非営利団体のニーズの両方が、このようにたまたま合ったため、Develop for Goodが提供する両者のマッチングが急速に増えた」とズー氏は説明する。

現在のところ、米国の法律で免税などの資格を認められている非営利団体501(c)(3)団体であるDevelop for Goodは、25000あまりのボランティア時間を各種の事業に配分している。有名な501(c)(3)団体としてメディアがよく取り上げるのは、「Ronald McDonald House」「UNICEF」「Native American Rights Fund(NARF)」「Easterseals」「The Nature Conservancy」「Save the Children」「AARP」などの団体だ。ズー、アッガルワール両氏のスタンフォードにおけるネットワークも、今では全米で12あまりの大学が参加している。2人はスタンフォードの同窓会ネットワークを介して各大学の非営利団体に接触したが、事業の評判が高まっていくにつれ相手先の関心や参加も増えてきた。

ボランティアたちが取り組む典型的なプロジェクトは、週5〜10時間で計10週程度のものだ。チームは少なくとも毎週、クライアントの非営利団体と会合を持ち、プロジェクトに求められる方向性を確認する。プロジェクトで多いのは、アプリケーション開発やデータの視覚化、ウェブデザインだ。期間内に完了するプロジェクトが多いが、中にはプロダクト開発のように今後、時間を必要とするものもある。事業の拡大とともにズー、アッガルワール両氏は本格的なメンター部門も設けて、学生たちの仕事を指導し助けている。

2021年1月に始まる次のバッチは、すでに学生たちの応募を受け付けている。締切は1月2日だ。ズー氏らによると、予想ではおよそ800の応募が集まり、最終的には200名のボランティアを32のプロジェクトに割り当てることになるという。応募者の選別は、彼ら学生たちの関心分野と、今後の事業との相性で決まる。試験による競争のようなものはない。現在までDevelop for Goodが手がけたプロジェクトは50件だ。

次のバッチではAmazon Web Servicesが、(米国人としての)第一世代と低所得の学生に奨学金を提供して、ボランティアワークに取り組んだことによる収入減などの経済的な問題への対処を支援する。「前回は、『家庭が貧しいので無給の仕事はできない』といって、途中でいなくなった人たちもいる」とアッガルワール氏はいう。奨学金はそのような学生を助けて、経済的負担を軽減しながらボランティアを続行できるようにする。

アッガルワール氏によると、この事業のボランティアのデベロッパーとデザイナーは、2 / 3が女性であり、1 / 3が第一世代または低所得層だ。

カテゴリー:その他
タグ:新型コロナウイルスボランティア

画像クレジット:Juhari Muhade/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NY州がGMOインターネットに初の日本円連動ステーブルコイン「GYEN」の発行を認可

ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は、東京のGMOインターネットが、日本円と連動する初のステーブルコインである「GYEN」をローンチすることを認可した。

GMOインターネットは、ドメインホスティングやオンライン広告、同社が世界最大と主張する外国為替取引のプラットフォームなど多様なサービスを提供しているインターネット複合企業で、「GYEN」と米ドルと連動するステーブルコイン「ZUSD」を発行するために、GMO-Z.com Trust Company(GMO Trust)を設立する。どちらも2021年1月、日本国外で販売を開始する。

GMO Trustは発表で、同社は仮想通貨の流動性を確保するために、複数のグローバルなデジタル資産取引所と戦略的パートナーシップを結んでいると述べている。GYENの開発を始めたのは、2018年だ。

ニューヨーク州で仮想通貨の事業活動に参入するためには、2015年6月に発効したNYDFSのライセンスであるBitLicenseが必要だが、GMO Trustはこのライセンスを取得した20数社の中の1社になる。BitLicenseを取得したアジアの企業はほかに、日本のビットコイン取引所bitflyerと香港のデジタルウォレットXapoとなる。

関連記事
バイデン政権は新たな暗号資産の法制化でこの世界を変えることができる
PayPalが仮想通貨の売買サービスを米国で開始、Paxosと提携

カテゴリー:フィンテック
タグ:GMOインターネット日本暗号資産

画像クレジット:Toshiro Shimada/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ポッドキャスト用ホームページを簡単に作れるスマートなツールPodpage

ポッドキャストのホームページなんて、自分の番組を立ち上げるまでは気にしたことがない。いや、正直にいって、自分でやるようになってもホームページについて考えたことはない。そこで、私の番組の多くまたはほとんどはTumblrのページを使っている。それはまぁせいぜい2020年の喜ばしいニュースだろう。

ホームページを気にしないポッドキャスターが多いのは、それを聴く人の多くがプラットフォームに依存しているからだ。いつも大量のポッドキャストを消費する人は一般的に、1つのプラットフォームやアプリしかそのために使っていない。それがApple Podcastsの場合もあれば、Spotify、Google(グーグル)、Stitcher、Castboxなどであることもある。しかし、ソーシャルメディア上で自分の番組を宣伝するのなら、プラットフォームを特定しないリンクが最も有効だ。

米国時間12月29日、Podpageでちょっと遊んでみた。この新しいアプリを作ったBrenden Mulligan(ブレンデン・マリガン)氏は、アプリのデベロッパー向けツールボックスLaunchKitの創業者だが、そのツールは2016年にGoogleが買収した。Podpageアプリはずっと健在だったが、マリガン氏は一部をアップデートし、最近ではProductHuntに掲載された

まだ勉強中だが、基本的にはプラグ&プレイで起動して実行するが、それ以上のカスタマイズも可能だ。参考までに、今朝ぼくのポッドキャスト「RiYL」のために作ったのがこれだ

画像クレジット:Brian Heater

2時間も経つと、長く使っていたTumblrを止めてこのサービスを使おう、という気になってきた。私のページは現在のところかなりシンプルだ。シンプルなものを目指しているところもあるが、自分にエピソードのアートを更新する才能がないせいでもある。だから、やることも限られている。いつか、雨の日には400以上のエピソードを処理することになるだろう。

最初に、ポッドキャストの名前を入力する。そこからサービスは仕事を開始し、適切な情報を拾い上げてページを作る。それから、Patreonのような収益化の方法と、関連するすべてのソーシャルメディアを加える。このように目的指向のサービスの良い点は、適切な情報のすべてを一点に集めることだ。サイドバーにはさまざまなポッドキャッチャーの分類があり、それらの番組を聴ける。また、番組の最新情報を得るための登録フォームがある。

下の方には、さまざまなポッドキャスティングサービスから選んだレビューがある。その上のリンクは、フィードバックを送る先のサービスだ。サブスクリプションのリンクや連絡先のフォームもあるため、個人情報を教えなくてもいろんな人からメールをもらえる。フォームで渡された注記は、それに結びついているメールへ送られる。

ベーシックなユーザー体験は無料で、現在は2つのアップグレードオプションがある。月額5ドル(約520円)では自分のウェブサイトでホストでき、12ドル(約1240円)ならたくさんのカスタマイズオプションと機能の揃ったウェブサイトを利用することができる。たとえばブログもあるし、書き起こし機能もある。

関連記事:アプリのローンチツールを提供するLaunchKitがGoogleに買収され、デベロッパーのために製品をすべてオープンソース化

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ポッドキャストPodpage

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グーグルがTikTokとInstagramのショートビデオを集約する検索機能をテスト導入

Google(グーグル)は、InstagramとTikTokのビデオをモバイル機器向けGoogleアプリの専用カルーセルに表示する新機能をテスト中だ。これは、Googleのプラットフォームから完全に離れることなく、ソーシャルビデオエンターテイメントを探しているユーザーをつなぎ止めるのに役立つだろう。この機能自体は、2020年始めに開始されたテストを拡張したもの(9to5Google記事)で、GoogleはGoogle Discoverの中で最初に「Short Videos」のカルーセルに表示された。DiscoverはGoogleモバイルアプリ内で見つけられるパーソナライズされたフィードで、一部のAndroid端末のホーム画面の左下にある。

念のためにいっておくと、この「ショートビデオ」カルーセルは、2020年10月にiOSとAndroid用のGoogle検索アプリに導入されたGoogle Stories(ストーリー)とは異なる。以前「AMP Stories」と呼ばれていたこれらの「ストーリー」は、GoogleのオンラインパブリシングであるForbes、USA Today、Vice、Now This、Bustle、Thrillistなどが制作した短編ビデオで構成されている。

一方「ショートビデオ」カルーセルは、他のプラットホームからのソーシャルビデオの集積にフォーカスしてきた。それにはGoogle自身の短編ビデオプロジェクトTangiや、インドでTikTokと競合しているTrell、そしてもちろんGoogle自身のビデオプラットホームであるYouTubeも含まれる。YouTubeは最近、ショートビデオの実験を行った

一方、「ショートビデオ」カルーセルは、Google自身の短形式ビデオプロジェクトであるTangi、インドのTikTokの競合であるTrell、Google自身のビデオプラットフォームYouTubeなど、他のプラットフォームからのソーシャルビデオを集約することにフォーカスしている(9to5Google記事)。YouTubeも最近、ショートビデオのテストを行っている

このカルーセルにInstagramやTikTokのコンテンツが含まれるようになったことは、Search Engine Roundtableが最初に報じた。彼らはGoogleアプリで「packers」を検索し、ページをスクロールダウンすることでこの機能にアクセスできたという。

そのやり方を再現すると、以下のようになる。

Googleの検索結果のスクリーンショット

Short Videosカルーセルは、Green Bay PackersのGoogle Knowledge Baseボックスをスクロールして通り過ぎると表示されスコア、Top Stories、Twitterの結果、Top Results、Images、Videosなどプレイヤーのリストや順位などのコンテンツが表示される。

Short Videosには、InstagramとTikTokのビデオがどちらも表示されていた。クリックすると、ソーシャルプラットフォームのウェブ版が表示される。ネイティブモバイルアプリではない(たとえデバイスにインストールされていても)。その結果、ビデオを見た後に検索結果に戻るのは、後ろの矢印をタップするだけなので、ユーザーはGoogleに留まる可能性が高くなる。

Googleは何年も前からビデオコンテンツのインデックスを作成しており、2015年にはTwitterと提携して検索結果のインデックスを作成した。しかし、Facebook / InstagramやTikTokとどの程度正式な関係があるのかは不明だ(これらの企業からコメントがあれば、アップデートする)。

Googleはこの計画について正式なコメントや詳細を避けたが、同社の広報担当者はTechCrunchに対して、この機能が現在、モバイルデバイスで試験運用されていることを認めた。彼らは、それが限定された初期段階の機能であることを明確にしている。いい換えれば、現在のところすべての検索クエリでビデオカルーセルが見つかるわけではない。しかし時間が経つにつれ、Googleがこのサービスを拡大していけば、ソーシャルメディアのトップビデオコンテンツをインデックス化して表示するための興味深いツールになるかもしれない。もちろん、プラットフォームがGoogleをブロックしない限りだが。

同社によると、この機能は現在、モバイルデバイス向けGoogleアプリとモバイルウェブで限定的に利用できるという。

関連記事
GoogleがiOSとAndroidの検索アプリに「ストーリー」機能を追加、まずは米国、インド、ブラジルから
YouTubeがTikTok似のショートビデオ機能「YouTube Shorts」を搭載、まずはインドで提供

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle検索TikTokInstagramショートビデオ

画像クレジット:Google

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Tencentが518億円のラウンドで中国のヘルスケアポータルDXYを支援

中国の消費者のためのオンラインヘルスケアコミュニティで、Pfizer(ファイザー)のようなヘルスケア企業でもある創業20年のDXYが今週、プライベートエクイティ企業Trustbridge Partnersが率いるシリーズEのラウンドで5億ドル(約517億9000万円)を調達したことを発表した。

このラウンドには、これまでの投資家であるTencent(未訳記事)と、Hillhouse Capitalのアーリーステージ部門であるGL Venturesが参加し、DXYの総調達額はこれで6億8000万ドル(約704億4000万)あまりになる。DXYの初期の投資家にはXiaomiの創業者Lei Jun(レイ・ジュン)氏のShunwei CapitalやLegend Capital、DCMがいる。

同社は医師同士が知識を共有するプラットフォームとしてスタートし、徐々に健康に関する一般向けのアドバイスや医療相談、病院へ行く前の自宅療養のやり方などを加えて、消費者向けのプラットフォームにもなったた。

パンデミックの長期化にともない、世界中の病院や人びとが大急ぎで活動をオンラインにシフトし、ヘルスケアアプリの需要が急増した。DXYもすばやく反応し、感染拡大の初期には中国でリアルタイムの新型コロナウイルス(COVID-19)検査を導入した初の企業になった。

今日では、ヘルスケア企業がDXYを広告のチャネルや学習のプラットフォーム、また求人サイトとして利用しており、それらが同社の売上に寄与している。

創業以来現在まで、同社のサイトはおよそ1億3000万人の消費者を惹きつけ、またオンラインのコンサルテーションを提供する医療機関や医師は累計で9000機関5万人に達している。同プラットフォームの現在のユーザーベースは2000万で、主要クライアントにはEli LillyやPfizer、AstraZenecaなどが含まれている。

DXYは今回新たに得られた資金を、ヘルスケアプロフェッショナルのサポートと消費者サービスという同社事業の2つの柱の補強に費やす計画だ。そのために、病院と消費者製品の企業、そして製薬企業との協力関係を強化し、プロダクトや新しい消費者アプリケーションの開発に共同出資していく。

消費者部門では、SoftBankが支えるPing An Good Doctor(Reuters記事)やAlibaba Health、JD Health、そして同じくTencentが支援するWeDoctorといった強力なライバルがいる。

【更新】この記事は米国時間2020年12月29日に、投資に関する詳報によりアップデートしている。

関連記事:中国で注目が集まるオンライン医療、AlibabaとJD.comのヘルスケア部門を比較する

カテゴリー:ヘルステック
タグ:DXY資金調達Tencent中国

画像クレジット:DXYウェブサイト

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

企業がデータウェアハウスからより多くの価値を引き出せるよう支援するHightouchが2.2億円調達

Hightouchは、企業内のさまざまな営業やマーケティングのツール全体に対して顧客データを同期するSaaSのサービスだ。このほど同社は、ステルス状態を脱して210万ドル(約2億2000万円)のシードラウンドを発表した。このラウンドをリードしたのはAfore CapitalSlack Fundで、これに多くのエンジェル投資家が参加した。

HightouchはY Combinatorの2019年夏季に参加し、今多くの企業が直面している顧客データの統合という問題の解決を目指している。

Hightouchの共同創業者であるTejas Manohar(テハス・マノハール)氏とJosh Curl(ジョシュ・カール)氏は、Segmentにいたとき、SnowflakeやGoogleのBigQuery、そしてAmazon(アマゾン)のRedshiftなど、データウェアハウスの成長を目にしてきた。顧客データのハブでもあるSegmentのデータも結局そこへ収まるのだ。企業がデータウェアハウスを採用すると、そこにはすべての顧客データが集まる中心的なリポジトリがある。しかし通常、その情報は分析のために使われるだけだ。そこでHightouchのチームは、Bessemer Venturesの投資家だったKashish Gupta(カシシュ・グプタ)氏とともに、データウェアハウスというトレンドにイノベーションを持ち込み、企業がそのすべての情報を活用できるようにしたい、と考えた。

HighTouchの共同創業者であるカシシュ・グプタ氏、ジョシュ・カール氏、テハス・マノハール氏

「データウェアハウスにはすべての顧客データがあるけど、それを分析目的だけに使っているのはあまり意味がない。たとえば企業にはさまざまな事業チームがあるのに、各チームがデータを有効利用していない。データは、マーケティングキャンペーンや製品の個人化にも活かせるはずだ。Hightouchは、そこに着目した。それは、データウェアハウスの爆発的な成長を見て、技術の進歩やアクセシビリティ、それに採用の面から着想したことだ。私たちの目標は、ウェアハウスが分析のためだけでなく、企業経営の多様なユースケースに奉仕できるようにすることだ」とマノハール氏はいう。

ビッグデータのデータウェアハウスプラットホームのすべてが、標準のクエリ言語としてSQLを使っていることが幸いした。それにウェアハウスのサービスはすでに、多様なデータの取り込みという問題を解決している。そこでHightouchは、テクノロジースタックのこの部分で苦労する必要がない。また、カール氏によると、Snowflakeやその競合企業はどこも、分析というユースケースを超えるものを提供していない。

画像クレジット:Hightouch

プロダクトとしてのHightouchは、ユーザーにSQLのクエリを作らせ、そのデータをさまざまなデスティネーションに送る。それはSalesforceのようなCRMシステムかもしれないし、あるいはMarketoのようなマーケティングのプラットホームかもしれない。クエリとデータは、事前にデスティネーションが期待する形式に変換される。

SQLクエリの名人がいる企業も少なくないが、Hightouchは一般社員がクエリを作れるために、GUIを提供している。そして中心的なユーザーはデータ担当チームであるため、彼らもクエリの結果をGUIで見て仕事をはかどらせたい。「ウェアハウスで使われているデータのモデルや集積構造がなんであっても、一般のビジネスユーザーがそれに十分アクセスできるようにしたい」とグプタ氏は説明する。

データがどのように利用されるかに関してはHightouch自身は関知しないが、現在、最も多いのはB2C企業だ。そこではマーケティングのチームがデータを利用することが多く、またB2B企業の営業も顧客データをよく利用する。

画像クレジット:Hightouch

「データウェアハウスの上にネイティブに構築されるツーリングという、新しいカテゴリーが生まれてきたと感じている。これまでは標準的なSaaSツールがまずあって、独自のデータストアがあり、ユースケースに応じて二次的なデータストアを管理していた。しかし我々が作ろうとしているのは、データウェアハウスに接続して、そのデータをさまざまな経営目的に利用するソフトウェアカテゴリーだ。それにはまだ正式の名前がないが、データエンジニアリングが向かう未来の方向性はそれだと信じている。SnowflakeやBigQueryのような今ある中央集権的なプラットホームに対して、構築されるものだ」とカール氏はいう。

またマノハール氏によると、新カテゴリーの名前は「ウェアハウスネイティブ」がいいのではないか、という。それが定着するか、見守ろう。

HightouchはY Combinatorのデモデーに参加した後に資金を調達したが、そのことはまともなプロダクトと市場適性を確立してから公表しようという話になった。現在の顧客はRetool、Proof、Stream、Abacusなどだ。そのほかの大企業も多いが、名前は公表できない。

関連記事:グーグルが英国のデータウェアハウス管理スタートアップDataformをひそかに買収

カテゴリー:ネットサービス
タグ:HightouchSaaS資金調達データウェアハウス

画像クレジット:zf L / Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

顧客に合わせたウェブページを作成しリモートセールスをスムーズにするWalnutが3.6億円調達

パンデミックによりリモートの販売が増加している中で、「営業チームのためのWix」を自称するWalnutが、Ron Conway(ロン・コンウェイ)氏とTopher Conway(トファー・コンウェイ)氏のSV Angel、およびロン・コンウェイ氏と元a16zのパートナーたちによるA.Capitalから350万ドル(約3億6000万円)を調達した。これで同社の調達総額は600万ドル(約6億2000万円)になる。そのほかの投資家はNFX、Joe Montana(ジョー・モンタナ)氏、WixのCEOであるImmad Akhund(イマド・アクフンド)氏そしてKenny Stone(ケニー・ストーン)氏だ。

Walnutは営業とバックエンドチームの間の摩擦と、商談に結びつかない営業のデモという問題を解決する。営業は自分が売ろうとしている製品のダッシュボードにログインし、Walnutを使ってページと機能を選ぶ。それらはバックエンドからはアクセスできず、Walnutのクラウド上でフロントエンドとして現れる。そしてそれを、特定のクライアントにマッチするようエディットする。ウェブページの作成に似ているが、これセールスの売り込みだ。

現在、VaronisやAdobeなどが同サービスのエンタープライズの顧客となる。営業ツールとしてはGong.ioと競合するが、Walnutはテクノロジーを利用してフロントエンドとバックエンドを切り離すので進捗を助けると期待している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Walnut資金調達

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがKubernetesのインフラ運営の資金としてCNCFにさらに3.1億円提供

2018年にGoogle(グーグル)は、Google Cloud Platformのクレジット900万ドル(約9億3000万円)の3年分割でCloud Native Computing Foundation(CNCF)に提供し、同団体によるKubernetesプロジェクトのためのインフラストラクチャの開発と配布を支援していくと発表した。それまでGoogleがそれらのリソースを保有し、コミュニティのために管理していた。米国時間12月17日、両組織はGoogleがCNCFへの2020年の提供を300万ドル(約3億1000万円)増額して、「Kubernetesとそのエコシステムの長期的な健在と質と安定性を支えていく」と発表している。

Googleによると、調達した資金はKubernetesプロジェクトのテストとインフラに充てられ、Kubernetesには現在、月間2300のプルリクエストがあり、約40万の統合テストが実行され、そのすべてがGCP上で約30万時間のコアタイムを消費している。

「投資を継続できることを嬉しく思っている。それがKubernetesとそのコミュニティの長期的な健全性と質と安定性にとって極めて重要であることを、我々も知っており、Cloud Native Computing Foundationとのパートナーシップがずっと続いていることも喜ばしい。結局のところ、究極の目標はデベロッパーが自由に開発できることと、いうまでもなく誰にとっても重要なKubernetesがそのための優れた、堅固な、安定したスタンダードであり続けることだ」とGoogleのプロダクト管理ディレクターで、CNCFの統轄委員会の議長を務めるAparna Sinha(アパルナ・シンハ)氏は語っている。

シンハ氏によると、Googleはこのプロジェクトに大量のコードも寄贈しており、それは過去12カ月だけでも12万8000行に達する。また、そういう技術的な貢献だけでなく、チームはコミュニティへのエンゲージメントとメンタリングを通じて現物的な貢献も行っている。12月17日に行ったような、財政的貢献だけがすべてではない。

CNCFのゼネラルマネージャーであるPriyanka Sharma(プリヤンカー・シャルマ)氏は、次のように語っている。「Kubernetesプロジェクトは急速に成長してきた。次から次とリリースがある。そして大きな変化もあり、それらがいろんなところで動いている。この300万ドルの寄贈も、そんな動きの1つだ。このようにKubernetesのプロジェクトはストレスと無縁であり、1年中いつでも使えるクレジットがある。またセキュリティも重要で、現状で未知の時間である来月に、どんな環境で動いてもよいようなコードでなければならない。プロジェクトのデベロッパーとコントリビューターは、確信をもって機能の集合にフォーカスし、絶えず進化を続けるKubernetesを開発していかなければならない」。

なお、GoogleとCNCFの協力関係はこのように歩調が揃っているが、サービスメッシュのプロジェクトであるIstioに関してはGoogleの管理に若干の疑問がある。それはGoogleとIBMが数年前に孵化したプロジェクトだが、2017年のある時点でCNCFの傘の下に入れるべきという提案があった。その提案は結局流れたが、2020年になってIstioは、Open Usage Commonsの創設プロジェクトの一員になった。しかしそのプロジェクトはもっぱら商標の問題に関心があり、プロジェクトの統轄を目指していない。そして、こういったことのすべてが内輪ネタにすぎないようであり、確かにそうなのだが、オープンソースのコミュニティの一部は、CNCFのような団体へのGoogleの深入りを疑問視している。

これについてシンハ氏「Googleは、たくさんのオープンソースプロジェクトに貢献している。しかもそれらの多くはLinux Foundation傘下のオープンソースのファンデーションであり、またそうでないものも多い。それは特に新しいことではなく、改めて報告すべきことでもない。今回の議論の主題であるCNCFへのGoogleのフォーカスは、あくまでもKubernetesが軸だ。それは私の考えでは、他のプロジェクトに比べて圧倒的に多くの貢献と時間とコミットメントを注入しているプロジェクトだ」と答えている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleKubernetesCNCF

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

非営利団体向けボード管理ソフトのBoardableが8.3億円を調達

インディアナポリスのBoardableは、非営利団体が役員会や理事会などを管理するためのソフトウェアツールを提供している。同社はこのほど、新たに800万ドル(約8億3000万円)の資金を調達した。

メインの投資家はBase10 Partnersで、これに同社のシード段階を支援したインディアナポリスのエンタープライズ投資企業であるHigh Alphaが参加した。

Boardableのソフトウェアは組織化のためのツールで、非営利団体が役員たちの会議などさまざまな行事を管理し、団体としての運営を日々無事に維持できるようにする。

非営利団体をサポートするソフトウェアやサービスの開発者は、最近投資家たちの関心を集めつつある。これまでテクノロジー企業があまり関心を向けなかったという意味では、新しい業種だ。2020年初めにはニューオーリンズのResiliaが、非営利団体やチャリティ組織のための同社独自のサービスに、800万ドルを調達した。

Boardableは声明で、今回の資金でチームを増員し、非営利団体の運営のためのワンストップショップになるために新しいツールを開発したい、と述べている。

「非営利団体の多くが、デジタルのガムテープを使って役員会を管理している。それは主に、エンドレスなメールのスレッドや、ファイル共有サービスであり、役員とスタッフを消耗させるひどい体験だ。Boardableはこの問題を解決することを目的として、非営利団体の創立者たちのために開発したソフトウェアだ。効率とエンゲージメントの両方をアップするだろう」とBoardableのCEOであるJeb Banner(ジェブバナー)氏は、声明でこう述べている。

現在、YMCAや更生保護団体Big Brothers Big Sisters of America(BBBS)、インディアナ州ガールスカウトといった組織が役員会の管理に、現在このペーパーレスのツールを利用している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Boardable資金調達

画像クレジット:tinbee / Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

eコマース企業の顧客への最も効果的なオファーの提示をサポートするBandit ML

Bandit MLは、お店の商品や販促企画と、それらがニーズにぴったり合う顧客とのマッチングを完璧にしようとしている。

同社はアクセラレーターY Combinatorの2020夏季を受講した。そして9月には、YCとHaystack Fund、Webb Investment Network、Liquid 2 Ventures、Jigsaw Ventures、Basecamp Fund、Pathbreaker Venturesそして複数のエンジェルたちから132万ドル(約1億3700万円)のシード資金を調達した。CEOのEdoardo Conti(エドアルド・コンティ)氏によると、エンジェルの中にはUberの元および現社員が10名いる。

というのもコンティ氏は、それまでUberのソフトウェアエンジニアで研究員だった。共同創業者は、Lionel Vital(ライオネル・ヴィタル)氏とJoseph Gilley(ジョセフ・ギリー)氏だ。

彼がメールで説明してくれたところによると、5ドル(約520円)のディスカウントを大喜びする顧客もいれば、送料無料に惹かれて買う人もいる。すでにたくさん買ったので、今回は何にも興味を示さないお客さんもいる。Bandit MLはマーチャント(商業者)のオーダー履歴とウェブサイトの活動データを見て、各ショッパーに最も適したオファーを見つけようとする。

画像クレジット:Bandit ML

コンティ氏も認めるとおり、ディスカウントの内容を最適化するソフトウェアはすでに存在しているが、彼によるといずれもBrandit MLがやることをやっていない「UberやAmazon(アマゾン)、Walmartといった大手のように機械学習を利用する一般市販のツール」だという。

Bandit MLの技術は、完全自動化である点でもユニークだという。サインアップしてから最初の最適オファーが得られるまで10分かからないお店もある。また、そのときかぎりの買い物に焦点を当てるのではなく、過去120日間といった長期的な買い物履歴も見る。コンティ氏によると、同社が最適なオファーを決定するために使っている技術は、彼がFacebook(フェイスブック)で関わったReAgentプロジェクトに似ているという。

Bandit MLは現在、Shopifyのお店を持つマーチャントを主に狙っているが、Caliiなど、そのほかのストアも今後サポートする予定だ。コンティ氏によると、同社は7月以来、数百万ドル(数億円)相当のプロモーションの送付に利用され、ある衣料品店は売上が20%増加した。

「どんなオンラインビジネスでも利用できる常時稼働のインセンティブエンジンから始まったスタートアップだが、今後はいきなり誰でも使える機械学習ツールを作って、小さなオンラインビジネスが世界企業のWalmartやAmazonと十分競合できるようにしたい」とコンティ氏は語る。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Bandit MLeコマース

画像クレジット:Christina Reichl Photography/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MicrosoftとGoogle、Ciscoらが連名でWhatsAppスパイウェア訴訟でイスラエルのNSOに抗議

複数の企業がイスラエルのテック企業NSO Groupに対するWhatsAppの訴訟を支持する意見書を裁判所に提出した。それによるとNSOは、メッセージングアプリWhatsAppの未公表の脆弱性(未訳記事)を利用して少なくとも1400台のデバイスをハックし、その一部は所有者がジャーナリストや人権活動家だった。

NSOはスパイウェアPegasusを開発し、そのアクセスを各国政府に販売している。それにより顧客である国民国家はターゲットのデバイスを秘かにハックできる。Pegasusのようなスパイウェアは被害者の位置を調べ、彼らのメッセージを読み、通話を盗聴し、写真やファイルを盗み、デバイスからプライベートな情報を吸い取る。スパイウェアはターゲットに悪質なリンクを開かせてインストールさせたり、アプリやデバイスのまだ知られていない脆弱性を悪用して感染するものが多い。同社は、サウジアラビアやエチオピア、アラブ首長国連邦など、権威主義的な政権に販売し、怒りを買った。

2019年、WhatsAppはある脆弱性を見つけてパッチしたが、同社によるとその脆弱性が悪用されて(未訳記事)政府のスパイウェアが送り込まれ、一部の被害者はそのことを知らなかった。それから数カ月後にWhatsAppはNSOを訴えて(未訳記事)、攻撃の背後にいた政府顧客など、事件の詳細を知ろうとした。

NSOは原告の申し立てに何度も反論したが、2020年の初めには、裁判所を説得して訴訟を棄却させる(The Guardian記事)ことができなかった。NSOの言い分は、政府に代わってやったことだから自分は免責である、というものだ。

しかしテクノロジー企業の今回の連合はWhatsAppを支持し、裁判所がNSOに免責特権を認めないことを求めている。

Microsoft(マイクロソフト)とその子会社LinkedInとGitHub、Google(グーグル)、Cisco、VMware、そしてその他数十社のテクノロジー大手企業(Amazon、Facebook、Twitterなど)を代表するInternet Associationは、その意見書で、スパイウェアや諜報ツールの開発は、脆弱性を利用してそれらを配布するものも含めて、人びとの安全性を損ない、また犯罪者など良からぬ人びとの手に渡ることもありえると警告している。

マイクロソフトの顧客セキュリティ担当チーフであるTom Burt(トム・バート)氏はブログで、NSOは同社が作っているツールと、それらが悪用する脆弱性について説明責任があると述べている。

「民間企業が作っているサイバー監視ツールは、彼らがそれを使って法を犯した場合と、その目的を知っていてそれを他に使わせた場合の、両方に関して彼らに法的責任がある。その際、顧客が誰か、彼らが何を達成しようとしているのかは無関係だ。本日、私たちが競合他社とともに立ち上がってこの意見書を起草したことは、私たちの顧客全員を助け、グローバルなデジタルのエコシステムを今後の無差別攻撃から守るものである」とバート氏は述べている。

NSOの広報担当者からは、まだコメントがない。

関連記事:ジャーナリスト36人以上のiPhoneが「ゼロクリック」スパイウェアにハックされていたことが発覚

カテゴリー:セキュリティ
タグ:WhatsAppスパイウェアNSO Group

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソーシャルゲームプラットフォームのRec Roomの人気衰えず、シリーズCで20億円超を調達

ソーシャルゲームのプラットフォームを運営するRec Roomが、新たな資金を獲得した。かつてはVR中心だったその世界を、すべてのメジャーなゲームプラットフォームに持ち込もうとしている。

同社はこのほど、Madrona Venture Groupがリードする2000万ドル(約20億6500万円)のシリーズCの資金調達を完了した。First Round CapitalやIndex、Sequoia、そしてDAGなど、これまでの投資家もこのラウンドに参加した。これで同社の調達総額は5000万ドル(約51億6400万円)近くになる。

同プラットフォームは、数年前から仮想現実のユーザーにソーシャルハブとゲームプラットフォームを提供してきた。最近の同社は「VRのRoblox」という定評を得ており、若いユーザー向けに規模を拡大してきた。今年はRec Roomとって好機だった。

CEOのNick Fajt(ニック・ファジット)氏の推計では、同社のユーザーは昨年の3倍に伸び、新しいプラットフォームへの強力な売り込みが功を奏してきたそうだ。今でもRec Roomのユーザーの主力はVRだが、2020年にはコンソールのユーザーベースが相当増え、来年中にはモバイルがRec Roomの一番普通の入り口になるとファジット氏は予想している。一方Androidでは、Rec Roomは相変わらず定着していない。

新年を迎える同社の大きな狙いは、創作ツールの拡大だ。ゲームのプレーヤーは創作ツールを使って、ゲームの中で独自の体験を作り出せる。同プラットフォームの1000万人の登録ユーザーの内の100万人あまりが、クリエイターツールを使ってエンゲージし、プラットフォーム上に400万室の部屋を作っている。ファジット氏の計画では、来年はクリエイターへの支払を増やして、2021年中には合計100万ドルを彼らのネットワークに支払える状態にしたいという。

Rec Roomの創作ツールはRobloxなど他社よりも、一般ユーザーにとって使いやすくしたいと考えており、そのためにはシンプルなツールを心がけ、普通のユーザーがそのクリエイションプラットフォームに時間を投資するようなものを考えているそうだ。

画像クレジット:Rec Room

ファジット氏はTechCrunchに対して「Robloxには素晴らしいビジネスがあります。それは否定できなません。しかし、表現の深さよりも表現の幅で勝負したいのです。Rec Roomの利用者はどんな人でも作れるようする予定です」と語る。

VR市場は成熟が遅いが、同氏は同社のルーツであるVRから近いうちに逃げ出す気はない。最近は人気のバトルロワイヤルモードRec Royaleを、新しいクエスト2に向けてアップデートしたばかりだ。また、iOS上のアップデートも実施した。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Rec RoomソーシャルゲームVR / 仮想現実

画像クレジット:Rec Room

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ検査の高速・高信頼化でポーランドのバイオテクノロジー企業GeneMeが6.6億円調達

ポーランドで新型コロナウイルス(COVID-19)検査を提供しているバイオテクノロジー企業のGeneMeが、Robin Tombs(ロビン・トムズ)氏がリードするシードラウンドで520万ユーロ(約6億6000万円)を調達した。トムズ氏はYotiの共同創業者で、以前はGamesysの共同創業者だった。この投資には、そのほかのエンジェル投資家たちも参加した。

同社はRT-LAMP検査のためのユニバーサルプロテイン(ポリメラーゼ)を開発して特許を取得している。これにより、極めて正確で迅速な分子遺伝学的新型コロナウイルス検査を可能にしている。これには3つの分子核酸増幅新型コロナウイルス検査であるFRANKD、SAVDおよびICEDがある。FRANKDはヨーロッパのCE IVD認可およびFDA(米食品医薬品局)のEUA(緊急時使用認可)を適用され、そのソリューションはすでに20か国以上で利用されている。FRANKDは、スコットランド政府による公的な研究で発見され、現在の市場では最も正確で迅速な新型コロナ検査とされている。FRANKDのソリューションはすでに、ヒースロー空港やVirgin Atlantic、テレビ番組「Britain’s Got Talent(ブリテンズ・ゴット・タレント)」などで使用された。

「私たちは健康の問題だけでなく、才能やスポーツの能力、学習障害、カフェインの代謝能力などなど、遺伝的資質にも関心がある。将来的には、誰もが自宅で遺伝子分析をできるようになるだろう」とGeneMeのCEOであるDawid Nidzworski(ダウィド・ニツヴォルスキー)氏と語る。

Yotiの共同創業者であるロビン・トムズ氏は「GeneMeの革新的なアプローチは今後何年にもわたり、高度にディスラプティブであり続け、ますます多くの検査が診療現場で行えるようになり、しかも低コストになるだろう」という投資家としての見解を出している

GeneMeは、独立のバイオメディカル研究機関であるBiotechnology and Molecular Medicineからのスピンアウトだ。

最近同社は、米国のBIOLYPHとのパートナーシップを発表した。後者は凍結乾燥サービスの世界的リーダーで、FRANKDとSAVDを大幅にスケールアップした。

GeneMeが特許を取った技術は、標準の検査機関ベースのRT-PCR検査に比べて、検査手続きの全体を単純化している。RT-LAMP検査はより効果的であり、結果の信頼性が高い。またGeneMeの検査技術は診療現場で実施でき、それにより高度に正確な検査を被検者の職場でできたり、国境などスループットの非常に高いところでも検査できる。

新型コロナウイルス診断のグローバルな市場は2020年で844億ドル(約8兆7200億円)と推計され、2021年から2027年までの年平均成長率は、Grand View Researchによると3.1%と予想されている。

関連記事:オフィスの新型コロナ対策を支援する空気品質監視プラットフォームのOpenSensorsが4.1億円調達

カテゴリー:ヘルステック
タグ:GeneMe新型コロナウイルスCOVID-19資金調達

画像クレジット:GeneMe FRANKD-Test

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa