アップルが「リーダー」アプリの外部リンク使用を許可、ただし承認が必要

Apple(アップル)は米国時間3月30日、App Store(アップストア)で販売される一部のアプリケーションが、外部ウェブサイトにリンクし、ユーザーがアプリデベロッパーのアカウントを作成したり管理したりできるようにすることを許可すると発表した。このApple App Storeレビューガイドラインの変更は、同社が「reader(リーダー)」アプリと呼んでいるカテゴリーのみに適用される。すなわち雑誌、書籍、オーディオ、音楽、ビデオなどある種のデジタルコンテンツへのアクセスを提供することを主として作られたアプリだ。Appleの計画が最初に発表されたのは、2021年9月に日本の規制機関であるJapan Fair Trade Commision(JFTC、公正取引委員会)と和解したときのことで、2022年初頭に実施されるとされていた。

以前同社は、この変更が有効になる時には全世界のリーダーアプリが対象になると言ったが、正確な実施日付は明らかにしなかった。

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3月30日、AppleのApp Store Reviewガイドラインは改定され、リーダーアプリがこの機能を実装する方法を説明する新たな記述が加わった。

具体的に、Appleはデベロッパーに対し、この機能を自社アプリで提供するために必要な同社が External Link Account Entitlement(エクスターナル・リンク・アカウント・エンタイトルメント)と呼ぶものを申請するよう指示している。この資格は、特定の機能をどのデベロッパーが実装可能であるかどうかに関して、Appleが支配を維持するために用いられる。つまり、App Storeのルールを単に変更して、対応するカテゴリーの全アプリに対してこの種の振る舞いを認めるのではなく、この資格取得プロセスでは、デベロッパーが特殊な利用形態として申請し、承認を得ることが必要になる。こうしてAppleは、リンクの追加を許可されたアプリをアプリ・レビュー・チームに任せきりにするのではなく、会社として入念に検査することができる。

さらに同社は、外部リンク・オプションの使用を許可されたデベロッパーのために、 Usage Guidelineおよび実装の詳細を公開した。その中でAppleは、デジタル・コンテンツへのアクセスを提供しているアプリすべてが承認されるのではないことを説明している。デジタル・コンテンツのアクセスがアプリの「主要な機能』でなければならない、とAppleは述べた。例えばソーシャルネットワークアプリ(例えばFacebook)のように動画のストリーミングもできるアプリには適用されない。

Appleはまた、資格を得るためにはアプリがユーザーに、以前そのアプリ以外で購入したコンテンツやサービスどアクセスもできるようにしなくてはならず、家庭教師、フィットネスインストラクション、不動産内見ツアー、医療コンサルテーションなどの個人対個人サービスは実施できない。

画像クレジット:Apple

Appleが、External Link Account Entitlementの利用を選択したアプリは、iPhone、iPadいずれにおいてもアプリ内購入を提供できなくなると言っていることは注目に値する。二者択一の状況だ。

Appleの解説には、リンクがどのように動作すべきか、たとえば新規にブラウザーウィンドウを開かなくてはならず、アプリ内のWebViewではいけないことや、リンクの表示方法などが詳細に書かれている。デベロッパーのウェブページでは、App Store以外で提供される価格を宣伝することも禁止されている。書けるのは「example.comへ行ってアカウントの作成・管理をおこなってください」などごく簡単なことだけだ。他にもいくつか技術的制約がある。

もう1つ注目すべきなのは、この変更が政府の規制のために実施されただけのものであり、AppleがこれをApp Storeのあるべき姿だと信じたからではないことだ。このサポートの高圧的なやり方や利用に関する規則からみても、Appleがこれを最終的にApp Storeの収益減少につながる危険な坂道であると見ていることは明白だ。

今回の変更は、反競争的行為に対する訴えを受けた議会や規制当局がアプリストア提供者であるAppleとGoogle(グーグル)に圧力をかける中で起きた。戦いは法廷でも行われており、AppleとGoogleは現在、「Fortnite(フォートナイト)」の開発元であるEpic Gamesと係争中で、Appleは現在上訴中だ。他にもデベロッパーがアプリ内で収集した連絡先情報を使って、支払い方法について顧客と連絡を取ることを許すようAppleに圧力をかける集団訴訟も起きている。

この日のリーダーアプリに関する変更に加えて、韓国ではAppleとGoogleがデベロッパーに対してそれぞれの独自決済システムの使用を強制することを禁止する法案が通過している。さらに、超党派によるAppleとGoogleを標的にしたアプリストア法案が上院司法委員会で承認され、法制化が近いことを示している。しかし、先行してアップストアの運用を全面見直しする代わりに、Appleは規制を遵守しようとする中でさえ、最後までその支配力にしがみついている。この姿勢は悪化の一途をたどっており、オランダではデートアプリのサードパーティー決済対応に関する新ルールの不履行を巡ってAppleは10回にわたって罰金を課せられた

Appleは本日、External Link Account Entitlementの申請受付を開始したが、リーダーアプリの開発・テストに必要なAPIが利用可能になるのは近日提供予定のiOSおよびiPadOSのベータ版だと同社は言っている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウクライナ発の顔交換アプリ「Reface」が反戦キャンペーンに対するロシアユーザーの反発を受け同国から撤退

Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)などの主要ソーシャルネットワークが最近ロシア当局にブロックされ、ロシア政府がウクライナ戦争に関わる会話を完全制御しようとする中、ウクライナ発の顔交換アプリReface(リフェイス)は、自発的にロシアから撤退した。

プーチン大統領が2月末にウクライナ侵攻を軍隊に命じて以来、同スタートアップは、自社アプリをロシア政府によるメディア検閲を回避するために使う試みを早々に決定し、ユーザーに反戦メッセージをプッシュ送信し、ロシアに対する制裁を支持するよう呼びかけた他、ウクライナで起きている荒廃の画像をアプリで表示した。さらにRefaceは、ロシア人ユーザーに向けて位置ターゲットされたメッセージを送り、戦争に反対する運動に参加するよう呼びかけた。

この反戦キャンペーンの結果、数百万件という反戦メッセージがロシアのRefaceユーザーに届けられた。米国時間3月15日のブログ記事で、約1300万件の反戦プッシュ通知が送られたとスタートアップは語った(同社によるとロシアの同アプリのユーザーは200万人程度)。

しかし、その反戦コンテンツはロシアのユーザーから直ちにネガティブな反応を受け、キャンペーンは中止され、アプリは星1つのレビューで埋め尽くされた。以下にブログ記事のグラフを載せた。

画像クレジット:Reface

Refaceのブログには、同社はロシアのユーザーのネガティブな反応を、彼らがウクライナで壊された家屋や殺された女性や子どものことを気にかけていないことの証だと解釈しつつ、中には完全に否定的とは言えない言葉もあったことを指摘した(ただし、ほとんどがネガティブであるとも言っている)。

「私たちの努力が、ロシアの国を上げてのプロパガンダと争うには不十分であったことを認識し、当社はRefaceアプリをロシアのApp Store(アップ・ストア)およびGoogle Play(グーグル・プレイ)から削除することを決定しました」と同社は書いている。3月10日以前にアプリをダウンロードした人は今も使用できるが、新規のダウンロードとサブスクリプションは無効になっている。

「ロシアの市場やロシアと何らかの関わりのあるものから、いかなる利益を上げることも当社は望んでいません。この国によるウクライナに対する残酷な戦争のために起きている経済制裁や技術的孤立の影響を、すべてのロシア人が感じるべきです」とRefaceは付け加えた。

同社CEOで共同ファウンダーのDima Shvets(ディマ・シュベッツ)氏は、ロシアからアプリを撤退する決定はRefaceだけの判断であることを明言した。

「当社はロシアのインターネット検閲による制限は受けていません」と同氏がTechCrunhに話した。「ロシアの巨大な情報キャンペーンの後、撤退を決めました。ロシアとは一切接点を持ちたくなかったからです。

画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch(スクリーンキャプチャー)

これはロシアにおけるインターネット体験がウェブの主流から取り残されつつあることを示す小さな兆候の1つであり、それはロシアの銀行、著名な企業幹部、その他の組織(たとえば悪名高いInternet Research Agencyという名の荒らし軍団)に対する西側諸国の正式な制裁措置によるだけでなく、 大企業から小企業までさまざまなテック企業が自主的に市場を離れたことによるものだ。

RefaceアプリのAI利用の顔交換エフェクトは元々純粋なエンターテインメント目的であり、ユーザーは自分の顔を有名な映画シーンのセレブと交換したりしていたが、開発チームの母国ウクライナで起きた戦争は、 穏やかな気持でアプリ運用するための状況を明確かつ著しく変化させた。

「以前、Refaceユーザーは自分をジャック・スパロウやアイアンマンと入れ替えて楽しんでいました。今私たちは、自分たちをゼレンスキー大統領と入れ替え、ウクライナ国歌とともに写真に息を吹き込むよう働きかけています。今やゼレンスキー氏には カニエ・ウェストより多くのInstagramフォロワーがいます。何というタイムラインでしょう!」とRefaceは消費者の状況の変化ぶりをブログ記事に要約した。

現在同社は自社アプリを使って、ロシア外でのウクライナ支援を呼びかけるために使い続け、ユーザーに、ウクライナ大統領、Volodymyr Zelensky(ヴォルディミル・ゼレンスキー)氏の人気ビデオクリップや、ユーザーがアップロードしたウクライナ兵士の画像と顔交換できるようにしている。

Refaceは作成された親ウクライナ合成メディアに、#StandWithUkraine(ウクライナ支持)のハッシュタグを付加して、こうした支持のビジュアルメッセージをソーシャルネットワークで拡散するようユーザーに呼びかけている。

ウクライナ国土で進行している実際の戦争とともに、オンラインで同時進行する情報戦争で起きた最近の出来事として、ウクライナ大統領がオンラインで自国の戦争努力を傷つけているように見せかけるディープフェイク映像が出現した。最近、ゼレンスキー氏が降伏しているように見せる改ざん動画が、Telegram(テレグラム)、およびFacebook(フェイスブック)とロシアのライバルサービスであるVKontakte(ヴィー・コンタクテ)などのソーシャルネットワークに出回っていることがわかった。

これらの偽動画の出どころがどこなのかははっきりしていない。しかし2022年3月、ウクライナの戦略コミュニケーションセンターは、ロシアが改ざん動画を流布して、自らの侵攻に対する一般大衆の認識を操作しようとしていると警告した

関連記事:ウクライナのゼレンスキー大統領が降伏するフェイク動画をMetaが削除

画像クレジット:Efrem Lukatsky / AP

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシア、アップルとグーグルに対し「野党支援アプリの削除か刑務所送り」と脅迫との報道―2021年秋から抑圧の下地作り

ロシア、アップルとグーグルに対し「野党支援アプリの削除か刑務所送り」と脅迫との報道―2021年秋から抑圧への下地作り進行

Mikhail Klimentyev/TASS via Getty Images

ウクライナ侵攻が続くなか、ロシア当局のハイテク大手に対する規制も強まり、プロパガンダを抑制しようとしたFacebookやTwitterも国内でブロックされました。そうした圧力は侵攻以前からあり、アップルやGoogleにプーチン政権にとって不都合なアプリを消すよう脅迫していたことが報じられています。

これはロシアの野党指導者で投獄されているアレクセイ・ナワリヌイ氏が構想したアプリ「Smart Voting」をめぐってのことです。本アプリはロシア政府や与党「統一ロシア」に選挙で対抗するために、最も有利な候補者を支援するものでしたが、ロシア当局はアップルとGoogleにアプリストアから削除するよう要請。はじめ両社とも従いませんでしたが、結局は圧力に屈してどちらも削除しています

米The Washington Postによると、アップルとGoogleのモスクワにいる幹部らは、このプーチン大統領が嫌っているアプリに関して、9月に直接脅迫されたとのこと。それぞれの幹部の自宅に捜査官が現れ「24時間以内にアプリを削除しないと刑務所に入れるぞ」と脅したと伝えられています。

そのうちGoogleは宿泊客と警備員が近くにいればある程度は守られると考え、速やかに幹部を偽名でホテルに移したそうです。が、捜査官は部屋に現われて「まだ時間は残っている」と告げたとのこと。この人物は、秘密警察KGBの流れを汲む治安機関FSB(ロシア連邦保安庁)の職員だと見られています。

この脅迫戦術は功を奏し、アプリは数時間のうちにGoogle PlayとApp Storeから削除されたと報じられています。その後にアップルを初めとしたハイテク大手に現地オフィスを開設を命じた(各企業や従業員らがロシアの法制度や政府の要求に対してより脆弱になる)ことも合わせて、The Washington Postは「現在ロシアで進行中の、ソ連式に表現の自由を抑圧する下地となった」と分析しています。

アップルはロシア政府の要求通りに現地オフィスを開設したとの報道もありましたが、他にも様々な圧力がかけられていたとすれば、やむを得なかったのかもしれません。

(Source:The Washington Post。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

アップル、ロシアのApp Storeでの検索広告を「追って通知があるまで」停止

先週のロシアにおける製品の販売停止に続き、Apple(アップル)はデベロッパーのコミュニティに対して、ロシアのApp Store上のApple Search Adsサービスを停止すると発表した。デベロッパーと共有したメールによると、デベロッパーがApp Store上で広告キャンペーンをするために使っていたApple Search Adsの広告は「追って通知があるまで」保留にされる。

さらにメールでは保留が続いている間、ロシアのApp Storeでは新たなSearch Adsキャンペーンが展開適格になることはないと述べている。

Search Adsの停止のニュースは最初Bloombergが報じたが、そのニュースはTwitter上でそれを共有したモバイルアプリの大きなコミュニティにいるデベロッパーその他の人たちツイートから得たものだ。

AppleはロシアのApp Storeですべての検索広告を停止した。

ご参考までに。

デベロッパーたちによると、メールは以前Search Adsに登録したメールアドレスに届いたが、そのメールはロシアのApp Storeデベロッパーや、その国で現在、Search Adsキャンペーンを行っているデベロッパーだけでなく、グローバルマーケットのその他のデベロッパーにも届いたという。今、ロシアでキャンペーンをしていなくてもだ。

Appleはこの件でコメントをしていない。しかしTechCrunchは、そのメール(上図)が本物であることを確認した。

ロシアでSearch Ads事業を休止する動きの前にはすべての製品の販売を停止するAppleの最近の決定と、Apple Payの制限、そしてロシア以外のすべての市場のAppStoreからの、国営メディアのアプリ、RTとSputnik Newsの削除があった。そして同社はさらに、Appleマップにあるウクライナの交通とライブのインシデントを安全のために無効にした。

Appleは、ウクライナの副首相Mykhailo Fedorov(ミハイロ・フョードロフ)氏は同社CEOのTim Cook(ティム・クック)氏宛の公開書簡で、Appleのサービスや製品をロシアに供給しないことを求めたことを発表している。その書簡はApp Storeへのアクセスのブロックも求めているが、それはこれまで行っていなかった。しかし今回の、ロシアにおけるSearch Ads事業の停止でAppleは、ロシアをさらに孤立させ、この国でビジネスをすることから退くための、さらなる一歩を踏み出そうとしている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル、ロシア国営メディアアプリを世界のApp Storeで入手不可能に

ウクライナへの侵攻を受けたロシアに対し、さらなる措置を取るようテック企業に対する圧力が高まっているが、Apple(アップル)は米国時間3月1日、ロシア以外のすべての市場において、クレムリンに拠点を置くメディア、RT News(ロシア・トゥデイ)とSputnik NewsをApp Storeから削除することを確認した。この変更は、EUや世界各地でこの2つの国営メディアに対して取られた他の措置に続くものだ。

Microsoft(マイクロソフト)はここ数日、WindowsのアプリストアでRT Newsを禁止し、検索エンジンBingの両ニュースソースのランクを下げた。Google(グーグル)は、キエフの政府による要請により、ウクライナでRT Newsアプリを禁止した。Rokuは同社のストリーミングプラットフォームでRT Newsを禁止。Twitterは、両メディアのツイートに警告のフラグを立て、ランク付けを解除した。Facebookは、TikTokと同様に、EU圏内ではサイトへのアクセスを制限し、利用できないようにしている。そしてGoogleもYouTubeからそれらを削除した。

AppleがRT NewsとSputnik NewsをグローバルのApp Storeから引き上げたのは、ウクライナのMykhailo Fedorov(ミハイロ・フョードロフ)副首相からの要請を受けたもので、同副首相はAppleのTim Cook(ティム・クック)CEOにロシアでのデバイス販売の停止とApp Storeへのアクセスの完全遮断を求める書簡を書いている

アプリ情報企業Sensor TowerとApptopiaのデータによると、ロシアの2つのメディアアプリは昨日の時点で、全世界において数百万回もダウンロードされていた。

Sensor Towerによると、米国のApp Storeでは、2月28日の時点で、RT NewsはNewsカテゴリで42位、Sputnikは85位にランクインしていたとのこと。また、iOS向けRT Newsの全世界でのインストール数は、直近の7日間で7日前と比較して241%増加した。そして、iOS向けSputnikのインストールは同期間に163%増加したと同社は指摘している。

しかし、2つのアプリストアの情報会社は、ロシアのアプリの足跡について異なる推定値を報告している。

Sensor Towerは、RT Newsが2013年5月の発売以来、世界中で570万回インストールされ、そのうち170万回はiOSのApp Storeでインストールされたと報告している。Sputnikは2015年3月のリリース以来、全世界で200万インストールされ、そのうち約47万がiOSでのものとなる。

一方、Apptopiaのデータでは、アプリがより広い範囲に及んでいたことを示しています。RT Newsは全世界で総インストール数1000万、そのうちiOSは250万だった。また、Sputnik Newsは385万ダウンロードされ、そのうち96万ダウンロードがiOSだった。

両社ともApp Storeのデータに直接アクセスできないため、正確な数字は不明だ(本当のインストール数はAppleとアプリのパブリッシャーだけが知っている)。その代わり、両社は統計モデルを用いて推定値を算出している。

ロシア・ウクライナ戦争に関連するアプリで影響を受けたのは、ニュースサイトだけではない。Googleの同様の措置を受けて、Appleはウクライナ国民に対する安全対策および予防措置として、ウクライナの「マップ」でのトラフィックとライブインシデントの両方を無効にしたとのこと。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

JIM WATSON via Getty Images

ロシア軍の侵攻が続くウクライナの副首相兼デジタル・トランスフォーメーション担当大臣ムィハーイロ・フョードロフ氏が、アップルのティム・クックCEOに対してロシア国内におけるアップル製品の販売停止とApp Storeへのアクセス遮断を要請しました。しかし記事執筆時点では、クックCEOはこの要請に対する反応を示していません。

フョードロフ氏は「私はあなたに要請します。あなたはこれを聴くだけでなく、ウクライナ、欧州さらには民主世界全体を血まみれの権威主義の侵略から守るべく、可能な限りのことをするものと確信しています。どうかApp Storeのアクセス遮断や、ロシア連邦へのアップルのサービスや製品の供給を停止してください」と記した書簡をTwitterで公開しました。ロシアからアップル製品の供給を引き揚げることで、ロシア国内、特に若者たちの間で反戦の機運が高まることが期待されるとの主張です。

アップルは現在、ロシアでオンラインストアを運営しており、iPhone、iPad、Mac、AirPodsといった各種製品をユーザーにダイレクト販売しています。またロシアのApp Storeは最近、ロシア国内産アプリのユーザーへの推奨を手厚くするよう変更が施されていました。

ロシアは昨年、アップル、Google、Metaなどのハイテク企業が国境内に物理的な拠点を持つことを義務付ける法律を施行しており、アップルもここ数か月の間にロシアに事業所を設置し、モスクワで求人情報を出していたとBloombergは伝えています。

ティム・クックCEOは木曜日にTwitterで「ウクライナの状況を深く懸念しています。我々は現地チームのためにできる限りのことをしており、現地の人道的支援活動にも協力していくつもりです。我々は今まさに危険にさらされている人々のことを思い、平和を求めるすべての人々とともに行動します」とコメントしてはいました。しかし今回のウクライナ副首相の要請に対する回答はまだ確認できません。

(Source:BloombergEngadget日本版より転載)

消費者を守るために、米国議会はアプリストアのサプライチェーンを保護するべきだ

2022年2月上旬、ユーザーの携帯端末に未審査のアプリケーションをインストールできるようにすることなどを端末メーカーに義務づける法案「Open App Markets Act」が、米国上院司法委員会で承認された

この法案は、スマートフォン黎明期から続く、公式アプリストアからしかアプリケーションをインストールできない「壁に囲まれた庭」のようなアプリ流通モデルに対峙する。多くの人が、アプリストアの競争によって消費者にもたらされる潜在的な利益に注目しているが、本法案の一部は、監視されていないルートでのアプリ配信を可能にすることで、意図しない、しかし潜在的に重大なデバイスセキュリティのリスクを導入するものだ。

今日の「壁に囲まれた庭」モデルからの脱却は、ユーザーに新たなセキュリティリスクをもたらし、ユーザーはより多くの悪質なアプリが存在するストアを利用することになるかもしれない。Apple(アップル)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)などの大手ソフトウェア企業が運営するアプリストアでは、販売するアプリにマルウェアや脆弱性がないかどうかを審査している。

このような審査は、特に人による審査がない場合、不完全である可能性があるが、これらのストアの管理された性質は、悪意のあるサイバーアクターがアプリを使用してユーザデータを盗んだり詐欺を行ったりする能力を大幅に低下させる。

これに対し、中国に多く存在するような規制の緩いアプリストアは、マルウェアを含む危険なアプリの温床となる。最も基本的なセキュリティチェックが行われていない規制の不十分なアプリストアは、データを盗んだり詐欺にあったりする危険なアプリをユーザーが簡単にダウンロードできるようになるため、消費者のリスクが増大する。

アプリストアは、現代のソフトウェアサプライチェーンの中心的な役割を担っている。アプリストアが消費者に提供するアプリは、私たちの日常生活に欠かせないものであると同時に、非常に機密性の高いデータと結びついている金融、健康、個人向けサービスなどを含んでいる。

個人および中小企業は、大企業が自社のデバイスにインストールできるソフトウェアを管理するためにつかうのリソースを持たないため、悪意のあるアプリによってデータを盗まれたり、詐欺にあったりするリスクが高くなる。

例えば、最近のFlubotマルウェア攻撃は、標的型テキストメッセージを利用して受信者に不正アプリをダウンロードさせ、攻撃者が金融情報を盗み出したりメッセージを傍受したりすることを可能にするものだった。このマルウェアは、Googleのアプリストア以外からのアプリのインストールを許可するようユーザに要求するもので、不正アプリが無防備なユーザにいかに大損害を与えるかを示す例になっている。

Flubotは、危険なソフトウェアを使用して機密データを盗んだり、データの身代金を要求したりする、より大きなトレンドの一部に過ぎない。このような傾向の危険性は、公式ストアのようなアプリ審査やセキュリティスクリーニングがない無規制のマーケットプレイスへの移行によってさらに拡大します。

アプリの自由な「サイドローディング」(公式アプリストア以外からアプリをインストールすること)を許可すると、ウェブ上のどこからでもアプリをインストールできるようになり、さらに大きなリスクが生じる。これにより、ユーザはより多くの無料アプリにアクセスできるようになるかもしれないが、同時に、ユーザを騙してマルウェアが仕込まれたアプリをインストールさせる攻撃の重大な機会を生み出すことにもなる。そのインストールの結果が銀行口座が空っぽの銀行口座であれば、無料アプリは無料とは言えない。

幸いなことに、米国議会は、消費者であるエンドユーザーを保護するために、新しいアプリストアに対してセキュリティ基準を課すことができる。

まず、アプリストアに対して、人間によるレビューを含む、基本レベルのセキュリティレビューとアプリの監視を義務付けることができる。人間による審査は、アプリが使用する権限がアプリの広告を反映していることを確認するのに役立ち、悪意のあるアプリが想定外のことを行うのを防ぐのに不可欠なステップとなる。

第二に、米国やその他の政府は、無制限の「サイドローディング」を義務付ける計画を断念すべきだ。一般的なエンドユーザが、付随するセキュリティリスクを理解しないまま、数回のクリックで未知のアプリをインストールできるとしたら、そのリスクはあまりにも大きすぎる。

最後に、悪意のあるアプリをインストールするリスクを減らすために、公式アプリストアにこだわることを選択するユーザもいるかもしれないが、これらのストア以外からアプリをインストールすることにしたユーザは、信頼できないソースからのアプリのインストールをブロックし、オープンウェブや信頼できないアプリストアからのアプリを避けることによって、リスクを減らすために、デバイスの衛生状態をよく保たねばならない。

悪意のあるアプリがもたらすリスクは常に存在するが、政策立案者とユーザは、競争が激化するアプリストア空間がユーザの個人データへの脅威を最小限に抑えることを保証するために、より多くのことを行うことができる。上記のような基本的なセキュリティ基準を既存の提案に追加することで、アプリストアの新たな選択肢がもたらすセキュリティリスクを最小化することができる。

編集部注:執筆者のMichael Chertoff(マイケル・チェルトフ)氏は元国土安全保障長官で、「Exploding Data:Reclaiming Our Cyber Security in the Digital Age」の著者。現在はテクノロジー分野を顧客とするセキュリティおよびリスク管理会社Chertoff Group(チェルトフ・グループ)の会長。

画像クレジット:Jorg Greuel / Getty Images

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(文:Michael Chertoff、翻訳:Yuta Kaminishi)

インドがGarenaのゲーム「 Free Fire」など新たに54の中国関連アプリを禁止

インドは、Tencent(テンセント)の「Xriver」、Garena(ガレナ)の「Free Fire」、NetEase(ネットイース)の「Onmyoji Arena」と「Astracraft」、さらに中国との関連が明らかな50のアプリを禁止した。過去1年半にわたって続いている国家安全保障を理由とした同様の禁止措置の最新の動きだ。

新たに禁止されたアプリの中には「Sweet Selfie HD」「Beauty Camera」「Viva Video Editor」「AppLock」「Dual Space Lite」などが含まれる。これらは、長期にわたる国境紛争をめぐってインドと中国の間で地政学的緊張が高まる中、インド政府が2020年半ばから禁止している中国関連の300以上のアプリの多くのクローンまたはリブランディングしたものだ。

この問題に詳しい人物によると、インドの電子工学・通信技術省は、2000年に制定されたIT法69a条に基づいてこの命令を出したという。

Google(グーグル)の広報担当者は声明の中で、この命令を認め、同社はこれに従っていると述べた。

「IT法第69A条に基づいて下された暫定命令を受け、確立されたプロセスに従って、影響を受ける開発者に通知し、インドのPlay Storeで利用可能なままになっているアプリへのアクセスを一時的にブロックしました」と、Googleの広報担当者は現地時間2月14日に述べた。

画像クレジット:Jakub Porzycki / NurPhoto via Getty Images

Garenaの「Free Fire – Illuminate」は、すでにインドのGoogle Play StoreとApple(アップル)のApp Storeから削除されたが、今回削除の対象となったものの中で最も人気のアプリのようだ。

分析会社App Annie(アップアニー)がTechCrunchに提供したデータによると、東南アジアの大手ゲーム会社Sea(シー)が所有するこのバトルロイヤルゲームの1月の全世界の月間アクティブユーザーは7500万人で、うち4000万人超がインドのユーザーだった。また、SeaはTencentを最大の投資家に数え、インドでソーシャルコマースShopeeのテストもひっそりと行っている。

禁止令のニュースは、インドのGarenaのチームにとって驚きだった。同社は、ゲームをさらに宣伝し、インドでより多くのユーザーや著名なゲーマーを引きつけるために、トーナメント組織との契約を獲得しようとしていたと、この問題に詳しい人物はTechCrunchに語った。Seaはこの展開についてすぐにコメントを出さなかった。

インドにおける一連のアプリ禁止は2020年6月下旬に始まった。世界第2位のインターネット市場であるインドは、国家安全保障上の懸念から「TikTok」、Alibaba(アリババ)の「UC Browser」、Tencentの「WeChat」など中国と関連する数十のアプリを禁止した

関連記事:インド政府がTikTokなど中国企業の59のアプリを禁止すると発表

インド政府は、こうした発表の中で中国について明確に言及したことはなく、2月14日の動きについても公式な声明は発表していない。インド政府はこれまでの禁止措置のほとんどで、アプリがユーザーのデータを収集、採掘、プロファイルする方法は、インドの国家安全保障と防衛にリスクをもたらす、と述べてきた。

過去1年半で、インド政府は人気タイトル「PUBG」を含む300以上の中国関連アプリを禁止してきた。「PUBG」がインドでGoogle Play StoreとAppleのAppStoreに何らかのかたちで復帰したことがわかっている唯一のアプリであることに変わりはない。

関連記事
大ヒットゲーム「PUBG Mobile」のインド復帰をまつわるさまざまな疑問インド政府がTikTokやUC Browserなど59の中国製アプリを引き続き禁止

他にもいくつかの企業やアプリ運営会社がインド政府の懸念に対応しようとしたが、インド政府は2021年初めに対応が不十分と判断し、決定を留保した

アプリのダウンロード数による市場規模、データ期間:2021年(画像・データクレジット:App Annie)

インドは、アプリのインストール数で世界的に見ても圧倒的に大きな市場だ。App Annieによると、2021年にインドは250億回以上のダウンロードを記録した。

米国の大手企業はもちろん、中国や韓国など他の国の企業も、次の大きな成長地域を求めて、過去10年間にインドに積極的に注力してきた。それに比べ、中国で事業を展開しているインド企業はほんの一握りにすぎない。

インドが「TikTok」の禁止令を撤回することを拒否した後「TikTok」の親会社ByteDance(バイトダンス)はインドの従業員の大部分を解雇し、TechCrunchが報じたように最近では同国でのEdtech事業を停止した

「TikTok」がインドで禁止されたことで、いくつかの地元のスタートアップが短編動画アプリを立ち上げて人気を集め、10億ドル(約1155億円)超の資金を調達した。しかしこれは「TikTok」が他のいくつかの海外市場に深く進出したため、ByteDanceの収益にはあまり影響がなかった。インドのソーシャルネットワーク「ShareChat」とオンデマンドストリーミングサービス「MX Player」は2月10日、同国の短編動画アプリを統合すると発表した。これは9億ドル(約1039億円)規模の取引だ。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップル、オランダのデートアプリの決済に関する命令で再び罰金を食らう

デートアプリの支払い方法をめぐって、オランダでApple(アップル)の反トラスト法違反が続いている法案が、さらに500万ユーロ(約6億6000万円)増えて1500万ユーロ(約19億8000万円)になったことを同国の消費者保護・市場監督局(Authority for Consumers and Markets、ACM)が認めた。

このペナルティは消費者保護・市場監督局の命令に関わるもので、それによるとAppleは同国のデートアプリがデジタルコンテンツを販売した場合、その代金の支払いに関して、Appleに手数料をもたらすApple自身の決済インフラの使用を強制するのではなく、サードパーティの決算プロバイダーの使用を容認しなければならない。

iPhoneのメーカーであるAppleは2021年以来、オランダの命令に逆らい、控訴を続けてきた。しかし2022年1月、最初のコンプライアンスの締切とペナルティ執行の脅威が近づくにともない同社は、アプリがApple以外の決済技術に接続することに合意し、オランダのApp Store上にあるデートアプリに限り、2つの「オプション的資格」を導入するとした。それによりアプリは、命令が指示しているように別の決済処理の選択肢をユーザーに提供できる。

しかしAppleの1月のコンプライアンスの主張を、ACMはただちに無効として罰金を科した。どうやら規制当局は、Appleが命令のすべての要求に従うことをためらっている点を問題にしたようだ。

ACMの命令に対するAppleの抵抗に関する裁判所命令は、まだ一部しか公表されていないため、消費者保護・市場監督局は、現在、言えることに限界があると述べている。

一方、Appleは命令に逆らうことをPRに活かそうとしている。そして1月の声明では「複数の決済サービスを使えることによりユーザー体験が損なわれ、プライバシーとデータのセキュリティに新たな脅威が作り出される」と主張している。

自分たちのデートアプリにApple以外の決済技術を使いたいと思っている開発者にAppleが提供した情報も、できる限りその決定に二の足踏ませようとしている。つまりAppleの主張では「ユーザーはApp Storeの機能の一部を使えなくなり、そのような販売方法によって発生する返金や購入履歴やサブスクリプションの管理といったサポートの欠如により、ユーザー自身がそれらの責任を負うことになる」という。

の新たな打撃でAppleは、Apple以外の決済技術を使うデートアプリからの販売に関しては27%の手数料を課すと発表した。これはAppleが通常、アプリ内購入に課している30%とほぼ同額だ。

つまり、標準料金のわずかな割引と、カスタマーサービスの責任、および技術的な諸経費を追加するだけでは対象となるアプリの収益が増えるとは思えない。これは、Appleが、ローカル開発者がサードパーティの決済システムを使用することをできるだけ難しく、そのハードルを高くしようとしていることを示唆している。

関連記事:アップル、オランダのマッチングアプリの代替決済システム使用に手数料27%を請求へ

しかしこれは、Appleのアプローチが偽りのコンプライアンスを選択することであることを意味している。ACMの命令の字面ではなくその精神に反して、同社は外部決済を使うことを開発者にとってほとんど魅力のないものにしている。しかしながらACMの最新のペナルティは、Appleが規制当局が命令で強制していることの中核にさえ達していないことを示唆している。

懸案のコンプライアンス問題の詳細を尋ねたところ、競争当局は、Appleが完全な情報を提供していないと答えた。これはおそらく、Appleがコンプライアンスに従っているかどうかを正しく評価できないと感じていることを意味する。

「ACMは、Appleが定期的な違約金支払いを条件とする命令を遵守するために既に実施したとする変更について、Apple自身からまだ何らの情報も受け取っていません。当該命令に基づき、Appleはこれを行うことが要求されています。Appleは、そのような情報を適時に、また完全な形で提供していないため、Appleは引き続き同命令に定められた要件を遵守していないことになります。そのため、Appleは3回目の違約金を支払わなければならず、Appleが支払わなければならない総額は現在1500万ユーロに達しています」と広報担当者は述べている。

「Appleのウェブサイトに掲載されている情報だけでは、同社が定期的なペナルティ支払いを条件とする命令で定められた実質的な要件を遵守しているかどうかを評価することはできない。ACMは、Appleの行動と行為に失望しています。私たちは、Appleが最終的にACMの要求事項を遵守することを望んでいます。しかも、これらの要件は裁判所によって支持されています」と付け加えた。

Appleにコメントを求めたが、本稿を書いている時点では返事はない。

金儲け主義の巨大企業にとって、比較的小さな欧州の単一市場のアプリのサブセットなど大した問題ではないかもしれないが、同社のApp Store手数料モデルは現在、世界中の開発者からの苦情や規制の圧力にさらされている。

つまり、Appleは市場ごとに足を引っ張り、現地の開発者に複雑さと疑念をもたらし、一般的にこのプロセスを遅くて辛いものに空回りさせるよりも、App Storeの中核的な収益モデルを切り崩すような大規模で意味のある変更をすばやく行うことの方が、ビジネスにとってはるかに大きなリスクとなると考えているだ。

ACMによると、Appleのノン・コンプライアンスの罰金は毎週上昇し、最大の5000万ユーロ(約66億円)に達するまで上がり続ける。しかしそれは、時価総額2兆8170億ドル(約325兆円)の企業にとってポケットの小銭であるため、この問題を困難で不快なものにし続けても問題ない。

とはいえ、ヨーロッパの市場の一部は現在、競争法の改定に取り組み、テクノロジー大手からの途方もないチャレンジに対応しようとしている。たとえばEUのDigital Markets Actは、インターネットのいわゆるインターネットの「門番たち」のための先取り的ルールの提案だ。またドイツの、すでに法律として成立した規則は「すべての市場で重要な意義を持つ」プラットフォームに対する権力の迅速な介入について定めている。現在、その対象企業はGoogleだ

ドイツ連邦カルテル事務局はAppleのApp Storeの捜査に関してオープンな手続きをとっているが、こちらも同社のやり方が競争に関するローカルな限度を超えそうなときは、規制のギアをさらに上げるだろう。

英国でも、競争保護促進のためのリフォームが進んでいる。こちらも議会の判断で「大きな市場ステータス」を持つとされるテクノロジー大手に対する特別法を導入できる。

このように各国の議会は、気に入らないルールを単純に無視しようとするプラットフォームをターゲットとする権力を急速に強化している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル、オランダのマッチングアプリの代替決済システム使用に手数料27%を請求へ

裁判所の命令により、マッチングアプリの開発者はオランダでApple(アップル)のアプリ内課金システムを使用する必要はなくなった。また、これらの課金決済はAppleによって処理されないため、Appleはデジタル購入の際に通常の30%の手数料を取ることはない。しかし、サードパーティの決済システムを利用する開発者は、依然として手数料を支払わなければならない。Appleは27%の手数料を請求する予定だ。

オランダの反トラスト法問題を把握していない人のために説明すると、オランダ消費者市場庁はもともと、Appleが非常に特殊なケース、つまりマッチングアプリ開発者が販売する「superlike」や「boost」といったデジタルコンテンツでオランダの競争規則に違反していると指摘していた。

これは、Appleのアプリ内課金システムにとって、別の新たな脅威となる。韓国では、デジタル決済に関する新法に基づき、Appleはサードパーティーの決済システムを認めることに同意した。また、米国と欧州では、いくつかの訴訟が進行中だ。

オランダに関しては、Appleは外部決済を認めることはユーザーの利益にならないと主張し、反トラスト法に基づく決定について上訴している。

「これらの命令がユーザーの最善の利益になるとは思えません。当社はACM(消費者市場庁)の決定を受け、高等裁判所に上訴しました。これらの変更がユーザーの体験を損ない、プライバシーとデータセキュリティに新たな脅威をもたらすことを懸念しています。一方、当社は本日開始する、義務付けられた変更を行う義務があり、近日中にさらなる情報を提供する予定です」と同社は1月に述べた。

オランダの競争当局は、Appleが裁判所命令に従う最初の期限を過ぎていることからすでに500万ユーロ(約6億5000万円)の罰金を科しており、同社に選択の余地はあまりない。

Appleは現地時間2月4日、マッチングアプリの開発者がオランダで代替決済システムを利用する方法を説明するドキュメントページを更新した。これはかなり技術的なものに関する文書で、開発者がどのように代替支払いオプションを提供できるかを説明している。

しかし、Appleがアプリ開発者に手数料を請求する予定であることも書かれている。基本的に、Appleが取引を扱わないため、開発者はApp Storeの手数料を3%カットされる。しかし同社は、提供するさまざまなサービスに対して27%の手数料を請求することは、まだ正当だと考えている。

ACMの命令に従い、サードパーティのアプリ内決済プロバイダをリンクアウト、または使用する権利を付与されたマッチングアプリは、取引にかかる手数料をAppleに支払うことになります。Appleは、付加価値税控除後のユーザが支払う価格に対して27%の手数料を請求します。これは、決済処理および関連する活動に関連する価値を除いた率です。開発者は、サードパーティの決済プロバイダーによって処理された売上について、オランダの付加価値税(VAT)など、適用される税金の徴収と送金に責任を負います。

アプリ開発者は毎月、App Storeでホストされているアプリに関連するデジタル売上を報告する必要がある。その後、Appleは27%の手数料の請求書を送付する。

つまり、開発者はAppleの決済システムを回避することで、追加でかなりの収益を得ることはない。しかし、それだけではない。サードパーティの決済システムには技術的な費用もいくらか発生する。

マッチングアプリではよくあることだが、複数の国にユーザーを持つアプリ開発者の場合、同じアプリのバイナリを提出することはできない。開発チームは、オランダ語のアプリとオランダ語ではないアプリの2種類のバイナリをまとめて提出しなければならない。

Appleは、サードパーティの決済システムを使用することを可能な限り難しく、高価にしたいと考えている。ほとんどの開発者は、Appleのアプリ内課金APIを使い続ける可能性がある。

「Appleのアプリ内課金システムを使い続けたいマッチングアプリの開発者は、そうすることができ、追加で何かを行う必要ありません」とAppleは書いている。

しかし、それは同社がただ時間を稼いでいるように感じられる。App Storeは依然として、さまざまな管轄区域で独占禁止法の厳しい監視下に置かれている。Appleは、最初の裁判所命令や競争促進的な改革を回避する方法を見つけるだろう。しかし、規制当局が本当にAppleのアプリ開発者向け手数料を下げたいのであれば、もっと賢くなるはずだ。

 画像クレジット:TechCrunch

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップル、パンデミックの影響を受け続ける一部デベロッパーに対してアプリ内購入免除の特例措置を再度延長

パンデミックはまだ終わっていない、とAppleはいう。同社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のためにバーチャル開催を強いられた一部サービスのための、アプリデベロッパーがアプリ内購入システムを回避することを認めるというCOVID時代のApp Store猶予措置を再び延長した。具体的にAppleは「有料オンライングループサービス」を提供するアプリはアプリ内購入を利用しなければならないとするApp Store Reviewガイドライン3.1.1の適用を引き続き延期する。

影響を受けているデベロッパー(元来のビジネスモデルが、バーチャルではなく、対面イベントを中心に作られていた)は、パンデミック中、アプリ内購入を使用しなくてはならないというAppleの要件に従わずにすんでいる。

当初Appleは,1対1のサービスに限りアプリ内購入要件を免除した。医者と患者による医療相談や、教師と生徒の個人指導、不動産屋と顧客の物件ツアー、トレーナーと顧客のフィットネストレーニングなどだ。しかしAppleはその後すぐ、グループサービスのイベントから手数料の徴収を続けることは世界的パンデミック下で小企業に害を及ぼすとMeta(Facebook)から批判された

もちろんFacebookには別の思惑があった。自社の決済システムで手数料を免除していたFacebook Pay(フェイスブック・ペイ)を、Appleのアプリ内購入の代わりに使うことをAppleに認めさせたかったのだ。一時的にせよ、Appleがそれを認めれば、Facebookは何千何万人のユーザーを自社の決済エコシステムに引き込むことができる。

そうではなく、Appleは自社の手数料をオンライングループサービスに対しても一時的に免除した。オンラインセミナーやグループ・ヨガクラスなど、1対少人数や1対多人数のイベントも含まれる。これによってAppleは、パンデミックの打撃を受けている小企業から利益を上げているというMetaの批判に答え、かつFacebook Payには何の利益も与えない。

しかしパンデミックが長引くにつれAppleは、猶予期間が過ぎて対象企業がAppleのアプリ内購入システムに戻る期限を延期せざるを得なくなった。2020年11月、Appleは猶予期間を2021年6月までに延長した。そして2021年4月、同社は期限を2021年12月31日まで延期した。2021年11月、Appleは期限が迫っていることをデベロッパーに再通知した。

悲しいかな、オミクロン株の影響によってAppleは再度期限を延ばすことになった。

現在同社は、対象デベロッパーは2022年6月30日まで、Appleのアプリ内購入システムに戻ることを猶予されるとしている。この日は、失った収入源を取り戻し始められることが確実だとAppleが期待している日付に違いない。

さらに同社は、アカウント作成が可能なアプリ内にアカウント削除機能を実装する期限も延長したことを示した。「この要件の実装の複雑さ」が理由だ。つまり、もともと時間がかかり実装が困難な変更が、店舗の閉鎖や新型コロナによる従業員の病休や子どもの家庭でのバーチャル授業などによって、いっそう大変になっているということだ。

この延長は、先週末Appleのデベロッパーサイトの投稿で静かに発表された。それはAppleのアプリ内購入ビジネスモデルがさまざまな角度から攻撃されているさなかだった。同社のEpic Games(エピックゲームズ)と裁判は現在上訴中であり、つい最近オランダ規制当局からは、デベロッパーのサードパーティー決済に自社のアプリ内購入インフラストラクチャーの使用を強制していることは反トラスト法に違反しているとして罰金を課された。さらに同社は、最近韓国でもアプリ内決済をめぐる同様の規則に従わざるを得なかった

関連記事:オランダ当局がアップルに約6.4億円の罰金、出会い系アプリの独占禁止法違反で

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

オランダ当局がアップルに約6.4億円の罰金、出会い系アプリの独占禁止法違反で

オランダの競争当局は、同国の出会い系アプリがサードパーティの決済技術を利用できるようにするよう求めた命令に従わなかったとして、Apple(アップル)に500万ユーロ(約6億4000万円)の罰金を科した。

来週までに当局が求める要件を満たさなければ、同社はさらに500万ユーロの罰金が科される可能性があり、その後も毎週、数カ月にわたって、この命令に関連して最大5000万ユーロ(約64億円)の罰金が課される可能性がある。

この罰金は、オランダの監視機関である消費者・市場庁(ACM)が2021年に出した命令に関連するものだ。当局はAppleが独占禁止法に違反していると判断し、出会い系アプリプロバイダーに押し付けている条件を見直すよう命じていた。

独占禁止法上の問題となっているのは、デジタルコンテンツの販売にApple独自のアプリ内決済インフラ(別名IAP API)を使用することを義務付けるApp Storeの規約で、AppleはこのAPIを通じて手数料を徴収している。

Appleの規約では、出会い系アプリが代替決済システムを利用することも禁止している。

当局は、出会い系アプリがアプリ内で他の支払い方法に言及することをAppleが禁止していることも問題視した。

ACMは1月24日、Appleが命令に従っておらず、出会い系アプリに関する規則を命令に沿うよう修正しなければならないと発表した。

「出会い系アプリのプロバイダーがApp StoreでApple以外の決済システムも利用できるようにしなければならない。加えて、出会い系アプリのプロバイダーは、アプリ外の決済システムを参照できなければならない」と発表にはある。

現在も続くAppleの違反の全容は、明確に述べられていない。しかし、重要なのは、Appleが求められていることをまだ行っておらず、実際に出会い系アプリのプロバイダーが他の決済システムを利用できるようにしていないことのようだ。

オランダ当局はまた、出会い系アプリのプロバイダーがApple以外の決済インフラを利用することを難しくするためにAppleが構築したと示唆する障壁を批判している。

「Appleはいくつかの点で要件を満たしていない」とACMは書いている。最も重要なのは、Appleが条件を見直さなかったことであり、その結果、出会い系アプリのプロバイダーはいまだに他の決済システムを利用できないでいる。現時点では、出会い系アプリのプロバイダーは、単に「関心」を表明することしかできない。

「加えてAppleは、出会い系アプリのプロバイダーがサードパーティの決済システムを利用することに対して、いくつかの障壁を設けた。これもACMの要求と相反する。例えば、Appleはアプリプロバイダーに対して、アプリ外の決済システムを参照するか、代替の決済システムを参照するかの選択を迫っているようだ。これは許されない。プロバイダーはどちらの選択肢も選ぶことができなければならない」。

ACMは2021年に下した決定で、出会い系アプリに対する条件を修正する必要があるとAppleに伝えた。しかし、TechCrunchが報道したように、Appleは差止命令を求め、命令への対応を遅らせることに成功した(命令の一部はまだ封印されたままだ)。

また、同社はこの命令の適用を1月中旬まで遅らせることもできた。

Apple以外の決済インフラで処理されたデジタルコンテンツの販売について、同社はオランダの出会い系アプリから依然として手数料を徴収する意向があることが先週明らかになった。開発者向けサポートノートには「ACMの命令に従い、リンクアウトまたはサードパーティのアプリ内決済プロバイダーを使用する資格を与えられた出会い系アプリは、取引にかかる手数料をAppleに支払う」と記されている。

本稿執筆時点では、その主張はAppleの「StoreKit External Purchase Entitlement」(ACM命令に言及している)に関する投稿にまだ掲載されている。そして、封印されたままの命令の一部は手数料に関係している可能性がある。しかし、詳細を確認することはできていない。

Apple以外の決済システムを使用するアプリにも手数料を課すことができるというAppleの主張について、TechCrunchは先週ACMに問い合わせたが、当局の広報担当者は回答を却下した。「裁判所が支持し、公表を許可した命令の部分しか言及できない」とのことだ。

一方、Appleのサポートサイトは、Apple以外の決済手段を導入するための明確なプロセスを提供する代わりに、関心のあるデベロッパーに「developer interest form」を紹介するにとどまっている。

説明文も「間もなく」詳細情報が提供される、という曖昧な表現にとどまっている。

オランダの出会い系アプリが代替決済手段を導入するための手続きの実装遅れによってAppleに500万ユーロの罰金が発生した(そして増えている)。

もちろん、数百万ドル(数億円)の罰金、あるいは5000万ユーロ(約64億6000万円)の罰金でも、Appleは騒ぎはしないだろう。

しかしいま、App Storeの規約に対する複数の競争法上の苦情や調査はAppleにとってはるかに大きな懸念となっている。これらはアプリ内課金で徴収する手数料を攻撃していて、EU英国アジア米国ではデベロッパー向けの契約条件について当局が調査し、命令が出されているところもある。

短期的には、そして(または)AppleがApp Storeの競争に関する苦情をなくすような実のあるグローバルな競争改革の提案をしない場合、各市場 / 地域の規制当局がAppleの規約の評価に注意を向けるため、iOSアプリ開発者のための規制のパッチワークが迫っている。

差し当たり、iOSアプリの競争と価格設定に関する消費者と開発者の勝利は、しぶしぶもたらされる可能性が高く、苦労して勝ち取るもののようだ。

しかし、Appleの契約条件の事前規制は現在多くの市場で検討されており、その明確な目的は、行動修正を加速させることにある。つまり、故意に遅らせるという戦略は、将来的にもっと高くつくことになりそうだ。

ACMの罰金についてAppleにコメントを求めている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

友だちと写真をホーム画面で共有できるアプリ「Locket Widget」、米App Store上位にランクイン中

新ソーシャルアプリLocket Widget(ロケットウィジェット)が、1月10日あたりから米App Storeのチャートで上位に躍り出ている。このアプリは、iOSのホーム画面のウィジェットに友人のライブ写真を表示するという巧妙なものである。つまり、通常ならニュースや天気、励みになる格言、iPhoneギャラリーからの写真などが表示されるAppleのウィジェットシステムを、プライベートなソーシャルネットワークプラットフォームにしてしまうのだ。

Apple Worldwide Developer Conference(アップル世界開発者会議)の学生奨学金受賞者で、カリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業したばかりのMatt Moss(マット・モス)氏が考案したこのアプリ。Hawkeye Labs(ホークアイ・ラボ)というユーザーリサーチとテストのためのプラットフォームを構築していたときに思いついたものだという。

Locketはもともと個人的なサイドプロジェクトであり、メインフォーカスではなかったと同氏は認めている。

「2021年の夏、彼女の誕生日プレゼントとして作ったものです。彼女は秋には学校に戻る予定で、遠距離になってしまうところだったため、自分のホーム画面に彼女の小さな写真が表示できれば、繋がりを持つという意味でも良い方法だなと感じたのです」。

1〜2週間でこのアプリを作り上げた同氏は、その後半年間にわたって恋人と1日平均5枚の写真を送り合うなど、かなり頻繁にアプリを使用した。Locketでは送受信した写真が履歴に残るため、写真を振り返って見る楽しみもある。

やがて2人の友人たちがこれに気づき、自分たちも恋人や家族、友人同士で使いたいと言い出したため、モス氏はLocketをApp Storeで一般公開することにした。

元旦に発表されて以来、今朝の時点での登録ユーザー数は200万人を超えている。Apptopia(アプトピア)のApp Storeのデータによると、米国時間1月9日の時点でLocketは米国のApp Storeで総合1位となり、その前日にはソーシャルネットワーキングアプリ部門で1位となっている。Apptopiaの報告によると、これまでのところ全世界でのインストール数は約100万で、そのうち約31%が米国からのものだという。ただしこのデータは1月11日までのものである。

Locketが急速に普及したのは、TikTok(ティックトック)のおかげだとモス氏は考えている。Locketの企業アカウントに動画を公開し、アプリを実際に使用している様子をアピールした結果、同氏の動画はわずか数日で10万回もの再生回数を記録。その後、他のTikTokユーザーも、同アプリとLocketのオリジナルビデオで使用されたカスタムサウンドを使った独自のコンテンツを作り始めたのである。

@locketcamera

Link in bio #locket #widget #2021 #2022

♬ original sound – Locket

その結果、同アプリは若いTikTokユーザー層の間で爆発的に広がった。実際、英国のTikTokユーザーが作ったある動画は、1日で500万回再生を突破したとモス氏は話している。

アプリ開発者がローンチ時にTikTokを活用してインストールを促進するというのはよくあることだが、同アプリでは有料のインフルエンサーを起用してのマーケティング活動は一切行われておらず、またTikTokなどで有料広告を出したこともないとモス氏は伝えている。

TikTokでの露出のおかげで、現在LocketはiPhoneの無料アプリチャートで1位を維持しており、またアーリーアダプターらがアプリをダウンロードするよう友人たちにも呼びかけたため、さらなるインストール数を獲得し続けている。

アプリの利用を開始するには、App StoreからLocketをダウンロードした後、電話番号の認証とサインアップが必要だ。

するとアプリがiPhoneの連絡先とカメラへのアクセスを要求してくるのだが、理想的にはアドレス帳へのアクセスなしで、独立型の招待システムから友人を招待できるようにすることができたら、よりプライバシーに配慮したアプローチとなるだろう。アプリをより使いやすくするためにもこの仕組みの変更を検討しているとモス氏は話しているが、Locketが連絡先を保存したり、電話番号を使って自動的に招待を送信したりするようなことはなく、友人に送るテキストをカスタマイズできるiMessageのウィンドウがポップアップ表示されるだけだという。

しかし、連絡先を取り込むという要求を拒否した場合、アプリがまったく使えなくなるということが判明した。

Locketで友達を招待して追加したら、iOSのホーム画面に同アプリのウィジェットを追加する。友人が画像を追加するたびに、それが自分のウィジェットに表示される。逆も同様で、アプリを起動して自分の写真を追加すれば、いつでも友人のウィジェットに送ることができる。

画像クレジット:Locket

このアプリは、ただこれだけのことなのである。派手なカメラフィルターやエフェクトはなく、Camera Rollから画像をアップロードすることもできない。最大5人までの友人や恋人と、写真をリアルタイムで共有するためだけに設計されているのである。

App Storeでトップの座を掴んだモス氏は現在、次のステップを検討中だ。サブスクリプションモデルの導入、ウィジェットの追加の他、いずれはAndroid版もサポートする予定である。外部からの投資を受けるかどうかはまだわからない。

「いろいろと検討しています。どうなるか楽しみです」と同氏。

しかし同氏は、Locketは現在の写真ウィジェットという体験を超えていく可能性もあると考えている。ユーザーが今後より多くの写真を共有することで、時間をかけてアプリ内の機能も成長していくのだろう。

「親しい友人や家族だけの空間というのは、かなり有意義なものだと感じています。特に若い人たちは、広告中心、指標中心のアプリに少し疲れているようです」。

「Instagram(インスタグラム)で1000人の友だちがいたり、Snapchat(スナップチャット)で100人の友だちと画像を送ったりしなければならなかったりと、アプリの巨大なソーシャルサークルにはまってしまい、結局は疲れきってしまうのです。そのため5人、10人の親しい友人だけに向けたものを作り、スマートフォンをアプリではなく人のための、よりパーソナルなものすることができれば、そこには大きなニーズが存在すると感じています」。

ウィジェットでの写真共有エクスペリエンスを提供しているのはLocketが初めてではない。2020年に登場したMagnets(マグネッツ)というアプリも同様のアイデアだが、ここではウィジェットを介して友人にテキストメッセージを送ることもできる。この分野で競合するアプリには、Ekko(エコー)、Widgetgram(ウィジェットグラム)、Lettie(レティ)、Tile Widget(タイルウィジェット)、Fave(フェーブ)などがあるが、どれもまだマイナーである。

Locketは現在iOSで無料でダウンロードが可能だ。一部のユーザーがウィジェットの動作方法を理解していなかったり、開始プロセスに戸惑ったりしていたようで、星3.4つの評価しか得られていない。同アプリの話題が絶頂に達していたころに問題が発生し、後者の問題が頻発していたようだが、我々はその後Locketをテストし、問題が解決されていることを確認している。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

「App Storeの詐欺師」と非難された音楽アプリAmpMeが週10ドルの料金を引き下げ

Apple(アップル)がApp Storeの収益の大幅な増加を喧伝していたのとほぼ同じ時期に、開発者であり著名なApp Store批評家でもあるKosta Eleftheriou(コスタ・エレフテリオ)氏は、App Storeに潜む新たな詐欺師と思われる存在を明らかにした。エレフテリオ氏はTwitter(ツイッター)で、音楽同期アプリ「AmpMe(アンプミー)」の利益に言及する投稿を行った。同アプリは、ユーザーの音楽を複数のデバイス、例えば友人たちのスマートフォンやBluetoothスピーカー、コンピュータースピーカーとの間で同期させることで、音楽のボリュームを高めるとうたっている。AmpMeはこの基本的なサービスに週10ドル(約1150円)という信じがたい金額を請求しており、App Storeでフェイクレビューを使ったプロモーションを展開していた。

AmpMeのiOSアプリは、一部の機能の利用にはサブスクリプションを必要としないが、音楽を他のデバイスと同期させたい場合には必要になる。ユーザーがこのアプリをダウンロードした主な理由はおそらく後者であろう。

エレフテリオ氏は、このサービスが同氏のいう「不合理な週10ドル(年間約520ドル[約6万円])」で価格設定されていることを指摘している。ほとんどのアプリ内サブスクリプションと同じように、このサブスクリプションも自動更新される。また、Appleはサブスクリプションの簡単な登録と継続を可能にしているが、キャンセルについては、App StoreまたはiPhoneの設定アプリからアクセスできるアカウントページの「サブスクリプション」セクションからのみ可能となっている。アプリ自体の中でキャンセルすることはできない。

AmpMeは少なくとも料金についてはユーザーを欺こうとしていなかった。登録ページには、無料トライアル提供期間は3日間であり、その後は週9.99ドルのサブスクリプションで提供されることが明記されている。

だがこのアプリがApp Storeのルールに抵触した部分は、潜在顧客へのマーケティングの仕方にあった。

AmpMeは大量のフェイクレビューを購入していた。それはナンセンスな名前に関連する5つ星の評価が多いことからも明らかである。例えば、Nicte VidelerqhjgdやElcie Zapaterbpmtlのような名前は、誰かがキーボードのボタンをマッシュ(ランダムに打つこと)したような感じがある。だがこうしたレビュアーが「すごくいい!」とか「超便利」あるいは「他の音楽アプリは要らない!」などのポジティブなフィードバックを残したことは確かである。

(興味深いことに、これらのレビュアーは他のアプリにも5つ星のレビューを残しているが、すべて同じ日に投稿されていた。実に疑わしい)

フェイクレビューによって同アプリのApp Storeでの総合評価は星4.3となり、まともで便利な音楽同期ツールのような印象を与えた。一方で、本物のレビューは、App Storeの正規ユーザーが法外な価格や基本機能、あるいは明らかなフェイクレビューについて不満を述べていたが、スパムによってかき消された。

Appleは何年もの間、この見かけ倒しのアプリに対策を講じてこなかった。さらに悪いことに、App Storeのエディトリアルコレクションを通じて何度もプロモーションを行っていたとエレフテリオ氏は指摘している。

同氏が今回の件から導き出した結論は、AppleはApp Storeの詐欺師の取り締まりに手ぬるいだけではなく、詐欺アプリの収益のポテンシャルのために、実際にそうする意欲を削がれている可能性があるというものである(これ以外に考えられる結論は、App Storeを消費者のために安全に保つことに関してAppleは無能であるというものだが、これも実によろしくない様相である)。

エレフテリオ氏はAppfiguresのデータを引用し、App StoreでのAppleの手数料控除後の生涯収益として、AmpMeがこれまでに1300万ドル(約14億8900万円)を得ていることを伝えている。

別の企業はこの数字をさらに高くしている。Apptopia(アップトピア)はTechCrunchに対し、2018年10月にアプリ内課金による収益化を開始して以来、1600万ドル(約18億3300万円)の収益を上げたと語っている。そのうち1550万ドル(約17億7600万円)がApp Store経由で、50万ドル(約5730万円)がGoogle Play経由であった。アプリ内購入収益の大部分(75%)は米国の消費者からのもので、これまでに3350万のライフタイムインストールを記録しており、そのうちの38%は米国からとなっている。

TechCrunchに寄せられた回答の中で、AmpMeは今回提起された主張の一部に異議を唱えた。

同社によると、ユーザーは年間520ドル、つまり週10ドルのサブスクリプション料金の合計に相当する金額を支払っていないという。有料ユーザー全体の平均年間サブスクリプション収益は約75ドル(約860円)であると同社は説明する。これは、ユーザーが無料トライアルを利用した後、ある程度の時間を置いて購読をキャンセルしていることを示している。AmpMeはまた、内部的には、このことが自社の価格設定の透明性とオプトアウト手続きの容易さに対する信念を強めたことにも言及した。

しかし同社は、なぜApp Storeのリスティングがフェイクレビューで埋め尽くされたのかについて適切な回答を示さず、代わりに匿名のサードパーティに責任を転嫁した。

「私たちは、多くのスタートアップがそうであるように、マーケティングとアプリストアの最適化を支援する外部のコンサルタントを何年にもわたって雇ってきました。さらなる監視が必要であり、それが私たちが現在取り組んでいることです」と匿名のAmpMe担当者から送られた声明文には記されている(eメールの署名は「AmpMeチーム」となっていた)。

さらに同社は、この最近のフィードバックに対応するものとして、同アプリの新バージョンをより低い価格でリリースすることを明らかにした。

「私たちは常にAppleのサブスクリプションガイドラインを遵守しており、その高い基準が確実に満たされるように継続的に取り組んでいます」とメールには書かれている。「また、コミュニティからのフィードバックを尊重し、その価値を重んじています。したがって、より低価格の新しいバージョンのアプリは、すでにレビュー用としてApp Storeに提出されています」。

このバージョンは現在公開されており、毎週のサブスクリプション料金は9.99ドルから4.99ドル(約570円)に引き下げられている。

エレフテリオ氏は米国時間1月13日、フェイクレビューが手動で削除されているようであるとTechCrunchに語った。

米国時間1月10日の午前11時に、同氏はこのアプリのレビュー数が5万4080件であったことを伝えていた。AmpMeかなり悪評立った後、11日午後9時までに同アプリのレビュー数は5万3028件に減少した。12日の午前7時までにレビュー数は再び減少し、5万693件になった。しかし、アプリ全体の評価はあまり影響を受けていない。これは、偽のApp Storeユーザーが投稿したレビューが削除されている一方で、5つ星の評価が付けられているがレビュー内容やレビュワーの名前が表示されていないレビューは削除されていないことが考えられる。つまり、クリーンアッププロセスは、同アプリがフェイクレビューを購入したことを明らかにするものではないということである。

また同じように興味深いのは、AmpMeのCEOであるカナダのテクノロジー起業家Martin-Luc Archambault(マルタン=リュック・アルシャンボー)氏である。同氏が開発し、ソフトウェアからアドウェアに転換した「Wajam(ワジャム)」は、カナダのプライバシーコミッショナー事務局(OPC)によって過去に調査され、同意なしにユーザーデータを収集してカナダのインターネットプライバシー法に違反したことが判明した。また、複数の方法を用いてウイルス対策ソフトウェアによる検出を回避したと当時の報道は伝えている。OPCが調査結果を発表した際、アルシャンボー氏は問題のカナダのユーザーデータは破棄され、Wajamはその資産を中国企業に売却したと主張していた。OPCの報告書によると、同アドウェアはその存続期間中に何百万回もインストールされたという。

つまり、これはフェイクレビューを買うことに反対する人の話とは思えない。

AmpMeは当初の声明以降の追加質問に回答しておらず、Appleにもコメントを求めているが回答は得られていない。

Crunchbase(クランチベース)のデータによると、AmpMeはこれまでに1000万ドル(約11億4600万円)のVC資金を調達している。

画像クレジット:AmpMe

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

「フォートナイト」がiOSで復活(ただしApp Store経由ではない)

「Fortnite(フォートナイト)」がiOSに帰ってきた……まあ、言ってみればだが。NVIDIAのストリーミングゲームサービスGeForce NOWを通じて、iOSおよびAndroidのモバイルユーザーは、クラウドゲーミングを通じてタッチコントロール版のFortniteをプレイできるようになる。プレイヤーはNVIDIAサイトから、Fortniteの新しいモバイル向け回避策のクローズドベータテストに参加するためのウェイティングリストに登録できる。有料アカウントを持っていなくてもプレイすることは可能で、有料アカウントがあっても優先権は得られない。しかし、モバイルでFortniteを1時間以上プレイしたい場合は、アップグレードする必要に迫られるかもしれない。

Fortniteは2020年8月以降、iOSデバイスではプレイできなくなっている。アプリ内課金に対するApple(アップル)の30%手数料を回避しようとしたため、App Storeから追放されたのだ。その後、Fortniteの開発元であるEpic Games(エピックゲームズ)は、テック巨人が独占禁止法に違反していると主張してAppleを訴えた。9月、カリフォルニア州の裁判所は、Appleは開発者がApp Store以外の代替決済リンクを追加することを禁止できないという判決を下した。しかし、この判決では最終的にAppleが優位に立った。裁判所は、Epicが主張するような独占的な行為はAppleはしていないと判断したのである。

AppleもEpicもこの判決に満足しなかったため、両者は控訴した。また、Appleは、差止命令が発効するまでの時間を延期するよう控訴裁判所に認めさせた。これによりAppleは、当初の判決で裁判所が指示したApp Storeの変更を行う必要がなくなった。

Epic GamesのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOは、相変わらずAppleに対し反体制派の旗手として声をあげているため、たとえ両社が合意に達したとしても、すぐにFortniteのiOSアプリが復活するかどうかは不明だ。

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

Instagram、2021年第4四半期に世界総ダウンロード数でTikTokを抑え再びトップに

Instagram(インスタグラム)は、インドでのTikTok(ティクトック)禁止の恩恵を受けており、2021年第4四半期時点の世界総ダウンロード数で首位に返り咲いた。アプリインテリジェンス会社Sensor Tower(センサータワー)が発表した新しいデータによると、Instagramにとって2021年第4四半期は少なくとも2014年以来最高のものとなり、インストール数は第3四半期から10%増えた。また、Instagramは、2019年第4四半期にWhatsAppがその座を占めて以来、ダウンロード数ランキングで1位を獲得した初のMeta傘下アプリとなった。

実際、過去2年でTikTokが世界ダウンロード数で1位でなかったのは2021年第4四半期が2回目だったとSensor Towerは指摘している。

その前にTikTokが首位から転落したのは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まった頃で、2020年第2四半期にZoom(ズーム)がTikTokを破ってダウンロード数1位のアプリとなった。

画像クレジット:Sensor Tower

Instagramが世界の(ゲーム以外の)アプリ市場でトップに躍り出たのは、Androidユーザーによるインストールが増加したためだ。Google Playアプリの世界ダウンロード数トップチャートでは、2四半期連続でMeta傘下のアプリが1位と2位を獲得した。1位はInstagram、2位はFacebook。一方、TikTokは3位だった。

画像クレジット:Sensor Tower

Apple(アップル)のApp Storeで最もダウンロードされたアプリを示すチャートでは、状況はかなり違っているようだ。

TikTokとYouTubeがそれぞれ1位と2位をキープしており、2020年第2四半期以降、その座を守り続けている。第4四半期にTikTokは、8四半期連続でApp Storeでのインストール数が5000万回を突破したとSensor Towerは指摘している。

残りのトップ5は、3位WhatsApp、4位Instagram、5位FacebookとMetaのアプリで占められている。一方、6位には、国家キャンペーンで宣伝されたことを受け、中国の国家詐欺防止センターアプリが異例のランクインを果たした。その他は、ソーシャルアプリ、チャットアプリ、エンターテインメントアプリという典型的なセレクションで占められている。

画像クレジット:Sensor Tower

興味深い補足として、2021年第4四半期には、TwitterがApp Storeで最もダウンロードされたアプリのトップ20に2020年第1四半期以来初めて入った。2020年以降、4度目のランクインだ。ダウンロードは前四半期比34%増と急増し、その後も成長は続いている(製品開発活動の活発化がようやく実を結び始めたのかもしれない)。

TikTokは米国のApp StoreとGoogle Playの両方でダウンロード数第1位のアプリだが、世界第1位からの転落は、少なくとも部分的にはインドが2020年6月に「国家安全保障」の懸念から、中国企業の他のアプリとともにインド国内で禁止する決定を下したことに起因している。

Sensor TowerがTechCrunchに語ったところによると、禁止措置が取られて以降、Instagramのグローバルダウンロードにおけるインドの割合は着実に増えているという。

画像クレジット:Sensor Tower

例えば、2020年第2四半期には、Instagramのダウンロード数の約21%がインドからのものだったが、2021年第4四半期にはそのシェアは39%に拡大した。また、通年で見ると、2020年にはInstagramのダウンロード数の約25%がインドからで、2021年には約36%に増えた。

InstagramはTikTokの脅威に対処すべく動画に注力するようになり「Reels」というTikTokクローンの普及に努めてきた。Instagramは競争が激化する中で牽引力を回復しようと、2021年にReelsに投稿するクリエイターに巨額のボーナスを提供し始め、中には1万ドル(約115万円)という高額な支払いもあった。

直近の四半期はInstagramが勝利したものの、Sensor Towerのデータによると、通年(2021年)の両アプリストアのグローバルダウンロード数ではTikTokがトップで、次いでFacebook、Instagramの順となっている。

ちなみに、Sensor Towerのライバル会社App Annieは、少し異なるランキングを発表している。App Annieのデータでも世界的なダウンロード数ではTikTokがトップだが、次いでInstagram、Facebookの順となっている。このことから、FacebookとInstagramのダウンロード数は近いと考えられる。Sensor TowerとApp Annieのダウンロード数推定方法が異なるため、結果的に異なる数字になったものと思われる。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Tumblr、App Storeルールに準拠するためiOS版にセンシティブコンテンツのトグルを追加

Tumblr(タンブラー)は数週間にわたり、Apple(アップル)App Storeのガイドラインに準拠するため、iOS上でさまざまなタグの検索結果を隠していた。米国時間1月11日、Tumblrはこの問題を解決するべく、iOS版アプリにセンシティブコンテンツのトグルボタンを導入し、ユーザーがセンシティブなコンテンツの表示をオプトインできるようにした(デフォルトでは、センシティブコンテンツは表示されない設定になっている)。

関連記事:Tumblrが「大人向け」コンテンツを巡って再びアップルと闘争中

アップデートされたTumblrのiOSアプリでは、センシティブなタグ(たとえば「マリファナ」など)を検索すると、検索結果が非表示になる。代わりにポップアップが表示され、検索結果を見たい場合はセンシティブコンテンツフィルターをオフにするよう促される。センシティブなコンテンツを見るために「設定を表示する」をクリックすると、アプリ内メニューではなく、モバイルブラウザ上のTumblrのウェブサイトにリダイレクトされる。設定を変更したら、その変更を有効にするためにiOSアプリを再起動する必要がある。そしてついに、ベビーヨーダがマリファナでハイになっているファンアートを含む検索結果を見られるようになる(本当の話だ)。

画像クレジット:Tumblr

Tumblrによると「センシティブコンテンツを非表示にする」トグルを有効にすると、センシティブなタグが付いたおすすめ投稿、露骨なコンテンツのブログ、センシティブなタグが付いた検索が非表示になるという(Tumblrの定義では、セックスや性器を描写したGIF、画像、動画、イラストなどのアダルトコンテンツまでいかなくても露骨と分類され得る。現在、アダルトコンテンツは禁止されている。TechCrunchは、アダルトコンテンツと露骨なコンテンツの区別についてTumblrに明確な説明を求めたが、まだ回答は得られていない)。

この新しいトグルを無効にすると、ユーザーは、コミュニティガイドラインに違反していないセンシティブな内容の検索結果を表示したり、オーバーレイをタップして露骨だと判断されたブログにアクセスできるが、iOSでは露骨なコンテンツは非表示のままだ。トグルを無効にしたユーザーは、センシティブな可能性のあるコンテンツのレコメンデーションを受けることもできる。

一方、トグルを有効にすると、一見大丈夫そうなタグでも警告ポップアップが表示される場合がある。例えば「submission(投稿、提出、または服従)」というタグは、性的なコンテキストになり得るため、センシティブコンテンツフィルターを無効にしない限り、禁止されることがテストしてわかった。このタグはTumblrのプラットフォーム上で、性的ではない別の意味で使用されることが多いため、問題となっている。他のユーザーが自分にあてて投稿したコンテンツを自分のブログに投稿すると、自動的に「submission」というタグが付けられるのだ。

以前、Tumblrは同様のトグルスイッチを提供しており、ユーザーがアダルトコンテンツを表示することを選択しない限り、iOSの設定でサイトのアダルトコンテンツを直接ブロックすることができた。しかし、このトグルは、2018年にTumblrがプラットフォームからすべてのポルノを公式に禁止することを決定する前は、Tumblrがホストするポルノコンテンツを禁止することに重点を置いていた。

Tumblrは、同社のブログ記事でこう述べている。「これらの最新のアップデートは、iOSアプリ上の我々のコミュニティで、自分に最適な体験を構築し、自分がおもしろいと思うコンテンツを探索するためのコントロールを提供するものです。コミュニティの体験を最優先する一方で、AppleのApp Storeガイドラインおよび当社のガイドラインも遵守しなければなりません」。

画像クレジット:MARTIN BUREAU/AFP / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが韓国でサードパーティ製アプリの決済オプションを許可

韓国放送通信委員会(KCC)は現地時間時間1月11日、開発者が韓国でサードパーティ製の決済手段を、少なくした手数料で利用できるようにするための遵守計画をApple(アップル)が提出したと発表した。

KCCはまた、手数料の料金体系やその支払いオプションが有効になる正確な日程など、さらなる詳細についてAppleと協議するとも述べている。

この発表は、韓国当局が10月に、Google(グーグル)やAppleなどのグローバルなアプリストア運営会社に対し、アプリストア運営会社が開発者に自社の決済システムを使用するよう強制することを禁止した、同国の新法に対する詳細な計画の提出を求めたことを受けたものだ。

Appleは2021年10月、KCCに対し、同社はすでに新法を遵守していると説明し、Googleは9月に施行された「反グーグル法」とも呼ばれるこの新法に従う動きとして、韓国のアプリストアで代替決済システムを提供する戦略の概要を11月に明らかにした。

Googleはブログで、開発者の手数料を4%引き下げると述べた。例えば、これまでGoogle Playの課金システムを通じて取引に15%を支払っている開発者は、Googleの代替課金システムを通じて11%を支払うことになる。

一方、Appleの韓国におけるトップで、アプリストアのシステムを担当していたBrandon Yoon(ブランドン・ユン)氏が、11月上旬に突然、同社を退社している。メディアの報道によると、ユン氏の離職はアプリの代替決済システムとは関係がないようだ。

2021年8月下旬、韓国の国会で、世界的なハイテク大手企業が開発者にアプリ内課金システムの利用を強制するのを防ぐための世界初の法案が可決された。

関連記事:世界初、韓国がグーグルとアップルのアプリ内課金手数料を抑制する「反グーグル法」可決

Appleの広報担当者は「我々は、韓国のユーザーのためになる解決策について、KCCおよび開発者コミュニティと協力することを楽しみにしています」と述べている。

Appleは声明の中で、韓国で活動するアプリ開発者の数は約58万人に増え、2008年以降、韓国のApp Storeで140万以上のアプリが利用可能になったと述べている。同社はApp Storeを通じて、韓国の開発者が世界約200カ国の市場と顧客にアクセスするのを支援してきたという。

「Appleは、韓国の法律を尊重し、韓国の優秀なアプリケーション開発者と強い協力関係を築いてきました。私たちの仕事は、App Storeをユーザーのみなさまが愛するアプリケーションをダウンロードするための、安全で信頼できる場所にし続けることを常に念頭に置いています」と広報担当者は述べている。

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(文:Kate Park、翻訳:Akihito Mizukoshi)

2021年、モバイルアプリは新型コロナパンデミックにどう適応したのか

アプリ情報分析会社のSensor Tower(センサー・タワー)が米国時間1月10日に発表した年次報告書によると、新型コロナウイルス感染拡大は、引き続きモバイルアプリのエコシステムに影響を与えているようだ。

ウイルス感染拡大初期の頃には、オンラインショッピング、エンターテインメント、ビジネス、教育などを目的とした多くのアプリの利用が急増した。その後、世界の多くの地域で日常が戻りつつあるが、アプリストアではまだ通常の状態には戻っていない。アプリのカテゴリーによっては、依然としてウイルス感染拡大前の水準をはるかに上回るダウンロード数を記録しているものもあれば、まだ以前の状態には完全に回復していないカテゴリーもあることが、今回のレポートで明らかになった。

旅行系アプリは、各国が国境を閉鎖したり、対面式のイベントが中止になったりしたため、当然ながら新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。また、リモートワークの増加にともない、ライドシェアアプリなど、毎日の通勤に関連するアプリのニーズも減少した。その結果、新型コロナウイルス感染拡大の影響を最も大きく受けたカテゴリーは、旅行系アプリとナビゲーション系アプリであり、2020年4月のインストール数は2019年の月平均と比較して約40%減少した。

画像クレジット:Sensor Tower

旅行カテゴリー全体が、ウイルス感染状況の波に左右されていることは明らかだ。例えば、夏の間に状況が好転し始めると、旅行アプリは成長を取り戻し始めた。そして夏の旅行がピークに達する2021年7月には、旅行アプリは2019年の平均値にほぼ達していたと、Sensor Towerは述べている。しかし、オミクロン株が出現すると、旅行アプリは増加が収まり始め、2021年12月の時点では2019年の水準と比べて再び14%減少、ナビゲーションアプリは22%減少している。

他のアプリカテゴリーは、ウイルス感染の急上昇との日々の戦いによる影響が少なく、むしろ長期的にシフトする傾向を表している可能性がある。ビジネス系アプリはその最たる例だ。このカテゴリーのインストール数は、多くの企業がフルタイムのリモートワークを導入したり、オミクロン株の急増を受けてオフィスへの復帰計画を延期したりする中、高い水準を維持している。2021年のビジネスアプリのダウンロード数は、ウイルス流行前の2倍以上(102%)の伸びを示した。

画像クレジット:Sensor Tower

ウイルス感染拡大時には、当然ながら医療用アプリの利用が増えた(そしてそれが新型コロナウイルスとの戦いにおける成果を代弁しているのであれば、状況は良くないといえるだろう)。このカテゴリーは、2019年のレベルから大きく上昇しており、2021年12月のダウンロード数は、2019年の月平均と比較して187%増となっている。

他にもウイルス感染拡大による成長の恩恵を受け続けているカテゴリーはあるものの、その程度は低くなっている。ゲーム、健康・フィットネス、教育の各アプリカテゴリーは、2019年の水準と比較して、それぞれ39%、31%、19%の増加となっている。スポーツ系アプリは、2020年後半にリーグ戦が再開されるとすぐに立ち直り、2021年には2019年の水準よりも3%と控えめながら増加した。

アプリのダウンロード数が正常化したかどうかは、国によって異なると報告書は指摘している。北米では、他の地域に比べて最も早く2019年の合計数に戻っている。一方、新型コロナウイルスの影響が長く続いたのはアジア市場で、2021年第4四半期の時点で、ゲームはウイルス感染拡大前の水準よりもまだ40%近く増えており、旅行アプリのインストール数はまだ25%も減少している。

また、米国では、ナビゲーションアプリやライドシェアアプリが依然として低迷しているにも関わらず、航空会社、バケーションレンタル、旅行代理店など、一部の上位の旅行アプリはウイルス流行前の水準を上回っている。欧州市場は成長が復活しつつあるものの、旅行系の各サブカテゴリーの上位アプリは、ナビゲーションアプリやライドシェアアプリと同様に、ウイルス流行前の合計値を下回っている(以下参照)。

画像クレジット:Sensor Tower

画像クレジット:Sensor Tower

なお、この数字にはApple(アップル)やGoogle(グーグル)が提供するプリインストール・アプリや、Google Play(グーグル・プレイ)以外のサードパーティによるAndroidアプリストアからのダウンロード数は含まれていないことを、Sensor Towerは注記している。

同社の報告書では、2021年のその他の注目すべきトレンドについても詳しく説明している。例えば、過去1年の間に暗号資産がモバイルに移行したことから、金融カテゴリーでは2021年第4四半期までに前年比35%の成長が見られた。ゲームでは「Garena Free Fire」が、2020年の最大ヒット作だった「Among Us」や、2019年のトップゲーム「PUBG Mobile」を抑えて、ついにダウンロード数でトップに立った。

もちろん、インストール数の増加は、新型コロナウイルス感染拡大がアプリ経済に与える影響を検証するための1つの方法に過ぎない。アプリ全体の利用率が高まったことから、アプリに対する消費者の支出も新たなレベルに達している。2021年第3四半期、アプリストアは消費者支出から280億ドル(約3兆2300億円)という記録的な収益を上げ、通年では1330億ドル(約15兆3500億円)に達する勢いを見せた。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルは2021年、アプリ開発者に約7兆円支払う

数々の反トラスト訴訟や特定マーケットでの規制強化に直面しながらも、Apple(アップル)は米国時間1月10日、2021年のApp Storeの成長率が記録的なものであることを示す新たなデータを公表した。同社はプレスリリースの中で、App Storeが登場した2008年以来、アプリ開発者に支払った金額は現在2600億ドル(約29兆9710億円)を超えたと明らかにした。この数字は同社が2020年末に報告した2000億ドル(約23兆550億円)から増加している。つまり、2021年だけでも開発者に少なくとも総額600億ドル(約6兆9165億円)を支払ったことになる。

この数字は、過去に報告された支払い額よりもずっと大きい。

ちなみに、Appleは2019年末までに、App Storeのデビュー以来、開発者に計1550億ドル(約17兆8680億円)を支払った。その前年は、約1200億ドル(約13兆8335億円)だったと明らかにした。行間を読むと、開発者への支払いは2018年から2019年にかけて350億ドル(約4兆330億円)増え、その後2019年から2020年にかけてさらに450億ドル(約5兆1855億円)増加したことになる。

残念ながら、個々のアプリによって支払われる割合が異なるため、Appleが共有した支払額の数字は、もはやApp Store全体の経済状況を明らかにする助けにはならない。

App Storeのビジネス慣行に対する規制当局による監視の強化、独占禁止をめぐる苦情、訴訟(現在控訴中のEpic Gamesとの裁判を含む)が増すなかで、Appleは近年、開発者収益の自社の取り分を減らすために手数料体系を調整してきた。

2020年11月に発表されたAppleのSmall Business Programの開始にともない、同社は対象となるアプリ(年間売上高が100万ドル[約1億1520万円]以下)に対して、手数料を30%から15%に引き下げた。2021年にはまた、一部のメディアアプリを対象に、Apple News Partner Programに参加することを選択した場合に手数料を引き下げた。Appleは、実際にこうした機会を利用した開発者やメディアの数については明らかにしていないが「大多数」のアプリが零細事業割引の対象となると指摘している。

Appleは、App Storeの新たな記録を発表するにあたり、通常の自社宣伝と、膨大な利益に対する過剰な注目との間の微妙なラインを行き来しているようだ。同社は、2021年のクリスマスイブから大晦日にかけて、App Storeの顧客が「これまで以上に」お金を使い、前年から2桁の伸びを記録したと明らかにした。

しかし、Appleは2021年同様、このマイルストーンを記録する明確な数字を提示しなかった。2021年は2020年のクリスマスイブから大晦日までの1週間に消費者はデジタル商品とサービスに18億ドル(約2070億円)を費やし、これは主にゲーム支出によるものだと指摘していた。

1月10日に発表された数字は、App Storeにとって過渡期の1年だったことを示している。

App Storeは、米議会の公聴会で取り上げられたApp Store詐欺や、App Reviewプロセスに現在も伴っている難しさについて、開発者からの反発をこれまで以上に受けている。Appleは2022年、Epic訴訟の判決により、サードパーティの決済方法へのリンクを許可するようApp Storeの変更を命じられたが、その後、この訴訟が上訴されている間、裁判所から土壇場で猶予を与えられた。しかし、日本韓国など他のマーケットでは、規制当局がAppleに外部ウェブサイトへのリンクを許可するよう迫り、手数料を抑制するためのその他の措置を取ったため、同社はApp Storeに対する支配力を緩めざるを得なくなった。

App Storeの数字に加えてAppleはApple Arcade、Apple Fitness+、Apple Music、Apple TV+、Apple News+、Apple Podcasts、Apple Books、Apple PayとWallet、Apple Maps、iCloud+といった他のサービス事業に関する最新情報も提供した

特筆すべきは、Arcadeが今や200以上のゲームを扱い、Apple Musicには9000万曲超のロスレスオーディオがあり、Apple TV+は190の業界賞を獲得したことだ。また、Apple Fitness+には2000セッション近くのワークアウトコンテンツがあり、Apple Newsは提供されているすべてのマーケットで引き続きナンバーワンのニュースアプリとなっている。Apple Payは約60カ国・地域で提供されていて、ユーザーは2021年にApple Walletで3000万枚のNFCチケットを利用した。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi