【まとめ】アップルが発表した4つiPhone 13、2つのiPad、Apple Watch Series 7のポイントをチェック!

2021年もこの時期がきた。

9月になると、2つのことが起こる。Earth, Wind, &Fireを繰り返し聴くことと、Appleが新しいiPhone(4台)を発表することだ。

予定どおり、Appleは本日、バーチャルイベントを開催し、クパチーノのキャンパスからちょっとしたライブストリーミングを行った。1時間のストリーミングを全部見る時間がなかった人も、ハイライトだけを知りたい人も、いつものようにそのすべてをそれぞれポイントにまとめてご紹介しよう。

新しい2台のiPad

エントリーモデルのiPadとiPad miniの両方がアップデートされた。それぞれの新機能は次のとおりだ。

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新しいiPad

  • Appleが2019年に「iPhone 11」で初めて導入した「A13 Bionic」チップを搭載。同社によると、前世代と比べて全体的に20%高速化しているとのこと
  • フロントカメラは800万画素から1200万画素の超広角レンズにアップグレード
  • また、iPad Proにも搭載されたセンターフレーム機能により、部屋の中を移動するときに顔が中央に来るように映像を自動的にリフレーミングすることができる
  • 価格は329ドル(日本では税込3万9800円)から。9月24日発売で、すでに予約可能

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画像クレジット:Apple

新しいiPad mini

  • スリムなベゼルと丸みを帯びたエッジでデザインを一新
  • ディスプレイは7.9インチから8.3インチへと大型化したが、本体サイズは変わらない
  • CPUは40%、GPUは80%高速化
  • USB-Cを採用
  • 5Gモデルも登場
  • 背面カメラには、大幅に改良された12MPカメラとTrue Toneフラッシュが搭載。また標準的なiPadと同様に、フロントカメラにも12MP超広角レンズとセンターフレームを採用
  • 第2世代のApple Pencilにも対応
  • 価格は499ドル(日本では税込5万9800円)。9月24日発売で、すでに予約可能

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Apple Watch

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AppleはWatch紹介の最初に、iOS 8に搭載されるいくつかの新機能(自転車での転倒検知や、電気自転車での消費カロリー検知のアルゴリズム改善など)を紹介した後、新しいWatch Series 7を発表した。

Apple Watch Series 7

  • ベゼルを狭くしたことで20%の大きさのディスプレイを搭載
  • その大きなディスプレイを活かすために、UI全体でボタンが大きくなる
  • スワイプ式の予測キーボードを搭載し、外出先での文字入力が簡単に
  • Appleによれば、今回のモデルは、史上最強(最も割れにくい)のディスプレイを搭載しており、Apple Watchとして初めて防塵性能のIP6X認証を取得
  • また「最新の充電アーキテクチャ」と「新しいUSB-C充電器」で充電速度が33%向上
  • Series 7の価格は399ドル(日本での価格は未発表)で「2021年の秋の終わり」に出荷を開始する予定

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新しいiPhone

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iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Maxと、1台でも2台でもなく、4台の新しいiPhoneが登場した。より高速なチップ、より優れたカメラ、より優れたバッテリー駆動時間を搭載、実現している。

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iPhone 13とiPhone 13 mini

  • どちらもAppleの新しいA15 Bionicチップを搭載。6コアのCPU(2つの高性能コアと4つの高効率コア)と4コアのGPUを搭載し、Appleがデバイス上の機械学習に採用しているニューラルエンジンも大きく進化している
  • 「Ceramic Shield」は他のどのスマートフォンのガラスよりも頑丈だと、Appleはいう
  • IP68の防水性能
  • 28%明るくなったディスプレイ
  • iPhone 13は6.1インチ、iPhone 13 miniは5.4インチ
  • スクリーン上のスピーカーが後ろの人を見たときにカメラのフォーカスを自動的に移動させるなど、機械学習を利用したワイルドな新モード「シネマティック」。
  • 64GBモデルはついに引退。ベースモデルのストレージは128GB
  • Appleによると、iPhone 13 miniのバッテリー駆動時間は1時間半改善され、ほとんどのiPhone 13ユーザーは1回の充電で2時間半長く使えるようになるという
  • iPhone 13は799ドル(日本では税込9万8800円)から、iPhone 13 miniは699ドル(日本では税込8万6800円)から

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iPhone 13 Pro and Pro Max

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  • 「Ceramic Shield」の採用に加え、A15にアップグレードし、5コアのGPUを搭載
  • ウワサどおり、リフレッシュレートを最大120Hzまで調整できるディスプレイを搭載。動きやスクロールが非常に滑らかになる
  • 背面には光学3倍ズームの望遠レンズ、超広角レンズ、広角レンズの3つのカメラを搭載。ナイトモードは、3つのカメラ(従来は対応していなかった望遠レンズを含む)に対応している
  • サイズは2種類。Proは6.1インチ、Pro Maxは6.7インチ
  • ストレージ容量が足りないという人のために、1TBモデルも登場
  • Proは999ドル(日本では税込12万2800円)から、Pro Maxは1099ドル(日本では税込13万4800円)から。9月17日に予約開始、9月24日出荷予定。

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その他の情報

  • iOS 15は9月20日に配信される
  • AppleのFitness+サービスが、オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、メキシコ、ロシアを含む15の新しい国で展開される。ワークアウトは英語で行われ、6カ国語で字幕が表示される。また、iMessageやFaceTimeから起動できるグループワークアウトも開始され、ハングアウトとワークアウトをマルチタスクで行うことができるようになる
  • AppleのMagSafeウォレットは、ウォレットが携帯電話から外れてしまった場合、「探す」アプリを通じて最後に確認した位置を表示できるようになる

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アップルが瞑想やグループワークアウト機能を「Fitness+」サブスクに追加、15カ国で新たに展開
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(文:Greg Kumparak、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルが瞑想やグループワークアウト機能を「Fitness+」サブスクに追加、15カ国で新たに展開

Apple(アップル)はApple Watch Series 7をお披露目したあと、Apple Watchを中心としたフィットネスサービス「Fitness+」のアップデート内容を公開した。

現在、月額9.99ドル(約1095円)のこのサービスは現在、米国、カナダ、英国など6カ国で提供されている。しかし、米国時間9月14日に開催されたプレスイベントでは、ブラジル、サウジアラビア、インドネシア、フランス、イタリア、ロシアなど、2021年秋にはさらに多くの国でこのサービスが展開されることが発表された。コンテンツは6つの言語で字幕が表示可能になる。

また、Appleは、Fitness+のサブスクライバー向けに、秋から新たにピラティスとガイド付き瞑想のコンテンツを追加すると発表した。Fitness+には、感謝の念、マインドフルネス、そして心を落ち着かせることに焦点を当てたガイド付き瞑想が毎日追加される。これらのコンテンツはビデオと音声の両方で提供されるとのことで、HeadspaceやCalmのようなアプリとの競合が予想される。

また、Fitness+は、秋にShare Playを利用した「グループワークアウト」を展開する。これは、サブスクライバーが世界のどこにいても、FaceTimeやグループメッセージスレッドを介して友人と一緒にエクササイズできるというもの。一度に最大32人まで一緒にエクササイズできるという。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

次期iOS 15のアップデートは9月21日から

米国時間9月14日の発表イベントの直後、Apple(アップル)はiOSの次期メジャーバージョンがまもなく登場することを明らかにした。iPhoneユーザーは日本時間9月21日にiOS 15にアップデートできるようになる。同社は2021年6月のWWDCでiOS 15を初めて紹介した

iOS 15の最大の変更点は新機能の「集中モード」だ。「おやすみモード」以外にもさまざまなモードを設定できる。アプリや、通知を許可する連絡先を選び、何に集中するかを設定する。例えば「作業」「睡眠」「ワークアウト」などのモードを自分で作成できる。

新しくなった「天気」や地図が更新された「マップ」、機能が充実した「FaceTime」など、全般にわたって新機能がたくさんある。「Safari」も外観が新しくなる。発表直後はやや物議を醸していたが、その後Appleはフィードバックに耳を傾けて調整した。

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iOS 15では写真に写っている文字が認識される。テキスト認識表示と呼ばれているこの機能により、写真の中のテキストを選択し、コピー&ペーストできる(訳注:テキスト認識表示は英語、中国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語に対応)。アクセシビリティの機能としても有効だろう。iOSはこの情報をSpotlightで利用する。写真の中のテキストをSpotlightで直接検索し、関連する写真を探せる。これらの機能はデバイス上で処理される。

iPhone 6s以降、iPhone SEの第1世代と第2世代、iPod touch(第7世代)はiOS 15にアップデートできる。アップデートは無料だ。

iOS 15のベータ版が動作しているデバイスには、9月21日の正式リリースを前にRC版が公開されている。

現状のままiPhoneを使いたい場合は、iOS 15にアップデートしない選択肢もあるとAppleは公表している。当面はiOS 14向けのセキュリティアップデートが引き続き提供される。

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

Apple Watchに自転車でのワークアウトライド中の転倒を検知する新機能

Apple(アップル)は、自転車に乗るApple Watchユーザー向けにデザインされたいくつかの新機能を発表した。米国時間9月14日に開催されたiPhoneプレスイベントで公表された内容によると、Apple Watchはユーザーが自転車に乗り始めたことを検知して、ワークアウトの開始を促すようになるという。また、他のワークアウトと同様に、自転車に乗っている間の休憩に合わせて、Apple Watchは自動的にワークアウトを一時停止し再開する。また、最も重要な点として、新たに転倒検知機能も追加される。

Apple Watchは、Series 4以降のデバイスではすでに転倒を検知し、必要に応じて救急サービスに連絡することができるが、Appleは今回、サイクリングにも転倒検知機能を追加するとしている。自転車に乗っているときに転倒した場合、立っているときに転倒した場合とは異なる独特の動きと衝撃を感知できるということだ。

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また、Apple Watchは、Peloton(ペロトン)愛好家などのインドアサイクリストのために、消費カロリーをより正確に計算するワークアウトアルゴリズムを改善し、eバイクによりよく対応するようになる。

これらの機能は、watchOS 8に搭載される刷新されたBreatheアプリ、新しいウォッチフェイス、メッセージや写真のアップデートなど、Appleが追加した機能に加わる。Appleはさらに、Watchシリーズの新製品として、より大きなRetinaディスプレイ、インターフェースの再設計、新しいウォッチフェイスとカラー、より優れた充電機能などを備えたApple Watch Series 7を発表した。

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ワークアウト関連では、同社は定額制サービス「Fitness+」のアップデートも発表した。そちらは従来の6カ国に加えて新たに15カ国で利用できるようになり、ピラティスのワークアウトやガイド付き瞑想、スキーヤーやスノーボーダー向けのワークアウトなどが追加される。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

アップルの新MagSafeウォレットは紛失時に「探す」アプリと連動

新しい「iPhone 13」の発表と並行して、Appleはアップグレードされたフラッグシップデバイスを補完するための新アクセサリーをいくつか紹介した。そのアクセサリーの中でも特に興味深いのは、Appleの「探す(Find My)」サービスと連動する新MagSafe対応iPhoneレザーウォレットだ。iPhoneからウォレットが誤って外れて紛失しても、他のAppleデバイスやAppleのAirTagsが取りつけられたアイテムと同様に「探す」アプリを起動してウォレットを探せるようになる。

MagSafeレザーウォレットは、ウォレットがiPhoneから外れた最後の場所をユーザーに通知する。ただし、リアルタイムでの追跡はできない。

これは、AppleのMagSafe製品のユーザーにとって、小さいが、しかしクレバーな追加機能だ。この技術は、iPhoneユーザーがケース、財布、三脚、カーマウントなど、あらゆる種類の製品をiPhoneの背面に取り付けられるようにするために、2020年秋に初めて導入された。また、iPhone 13に搭載されるMagSafeバッテリーパックのようなApple独自の充電用アクセサリーもある。MagSafeは、iPhoneの背面に磁気センサー、銅黒鉛のシールド、2つのシールド、複数のマグネット、NFCアンテナなどを重ねることで、アクセサリーを装着する仕組みになっている。

関連記事:アップルが「MagSafe」でアクセサリーとワイヤレス充電器の新エコシステムを構築

しかし、これまではMagSafeのパワーと「探す」の機能を組み合わせることはできませんでした。

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今回「探す」と連携した「MagSafe対応iPhoneレザーウォレット」の発売にともない、MagSafeとの連携を前提としたiPhone用のレザーとシリコンのMagSafeケース、およびMagSafe搭載のクリアケースといった新ケースやカラーバリエーションが発売される。いずれも本日から注文できる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

iPhone 13 ProとPro Maxは120Hz画面、3倍光学ズームを加えた3眼カメラでより「Pro」に

Apple(アップル)は米国時間9月14日に行われたバーチャル発表会で、新しい携帯電話のラインナップを発表した。「iPhone 13」と「iPhone 13 mini」に加えて、同社は通常のiPhone 13にはないプレミアムな機能を搭載したProモデルを2機種リリースする。

関連記事:iPhone 13バッテリー性能だけでなくはカメラ機能も向上、税込9万8800円から

もちろん、Proモデルのほうが価格も高い。参考までに、 iPhone 13 Miniは699ドル(日本では税込8万6800円)から、iPhone 13は799ドル(日本では税込9万8800円)からとなっている。Proモデルについては、iPhone 13 Proが999ドル(日本では税込12万2800円)から、iPhone 13 Pro Maxが1099ドル(日本では税込13万4800円)からという価格設定。iPhone 13 Proは6.1インチ、iPhone 13 Pro Maxは6.7インチのディスプレイを搭載している。

AppleのあるTim Cook(ティム・クック)CEOはこう述べた。「当社のProラインナップは、最高のiPhoneを求めるユーザーのために、当社の最も先進的なテクノロジーで限界に挑戦します」。

iPhone 13の代わりにiPhone 13 Proを購入することにした場合、得られるものは以下の通りだ。Proモデルでは、iPhoneのケースの周りに光沢のあるステンレススチールバンドが付くため、デザインが若干異なる。3つのカメラセンサーの周りにも、ステンレス製のリングがある。背面にはマットガラスを採用している。

iPhone 13 ProおよびPro Maxの背面には、2つではなく3つの異なるカメラセンサーが搭載されている。超広角カメラと広角カメラに加えて、3倍ズーム望遠カメラが搭載される。Proモデルと通常モデルでは、広角・超広角カメラも異なるようだ。

2020年は、iPhone 12 Pro Maxだけがセンサーシフト光学式手ブレ補正を搭載していた。今回は、iPhone 13の全ラインナップにセンサーシフト光学式手ぶれ補正が搭載されている。基本的に、通常のiPhone 13に、従来はProモデルに限定されていた先進的なカメラ機能の多くが搭載されることになる。

特に、ラックフォーカスによるシネマティックモードが新たに搭載される。被写体を追跡し、リアルタイムで焦点をその被写体にロックすることができる。シネマティックモードはDolby Vision HDRで撮影される。2021年後半には、iPhone 13 ProおよびPro MaxでProResビデオを撮影できるようになる。

iPhone 13と13 Pro Maxに搭載される機能はこちら。

  • 光学3倍ズームの77mm望遠カメラ
  • ƒ/1.8絞り値の超広角カメラで「低照度でのパフォーマンスが最大92%向上」(アップルによる)
  • ƒ/1.5絞り値の広角カメラでは「低照度でのパフォーマンスが最大2.2倍向上」(アップルによる)

今回初めて、3つのカメラすべてでナイトモードが使えるようになった。これにより、どのカメラが最適な結果をもたらすか覚えておく必要はなくなった。

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iPhone 13 ProおよびPro Maxには、P3色域を持つPro Motionディスプレイが搭載されている。iPadの上位モデルと同様、これらのiPhoneモデルにも可変リフレッシュレートが搭載されている。必要に応じ、iPhoneのディスプレイは最大120Hzまで対応する。映画を見ているときなどは、バッテリーを節約するためにより低いフレームレートを使うこともできる。

iPhone 13 Maxはラインナップの中で最大のサイズであることから、バッテリー駆動時間も長くなる。Appleは、iPhone 12 Pro Maxと比較して、iPhone 13 Pro Maxでは2.5時間長くバッテリーが持続すると約束している。

iPhone 13と13 Miniと同様に、ProモデルにもAppleの新チップ「A15 Bionic」が搭載されている。これは5mmのデザインで、150億個のトランジスタを搭載している、2つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した6コアCPUだ。どのモデルもほぼ同じ性能を発揮するが、Proモデルには新たに5コアのGPUが搭載されている。

米国では9月17日から予約開始され、9月24日に発売される(日本では9月17日21時から予約開始、9月24日に発売開始)。ストレージ容量は128GB、256GB、512GB、1TBの4種のモデルから選べる。

画像クレジット:Apple

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

iPhoneイベント中、アップルの株価は下がる

現在、TechCrunchの仲間たちが、Apple(アップル)のiPhone(アイフォン)、iPad(アイパッド)、AppleWatch(アップル)に関するイベントの最新情報を書くのに一所懸命取り組んでいる。巨大企業のハードウェアアップデートについての良いメモが得られている。しかし、同じ一連の製品について、市場は何と言っているのだろうか?

画面のニト値よりも、実質的なS&P配当利回りに関心のある私たちにとって、Appleの楽しいイベントは、特定のスマートフォンモデルのGPUの数よりも、主催する会社の価値にとって何を意味するのかという点が興味深い。そして、Appleの株はイベント中に少しおもしろい動きをしたかもしれない。

下のグラフを見て欲しい。

画像クレジット:TechCrunch/Y Charts

これは1日分のチャートなので、示されているのは日中の変化だ。ズームインして見ている。そして、Appleは米国東部標準時午後1時(米国太平洋標準時午前10時)に開始されたイベント中に、上記チャートの中で少し落ち込みをみせた。

通常Appleの株式は、プレゼンテーション中に大した動きは見せない。そのため率直に言って、これは奇妙に感じられる。Appleのイベントでは、数千億ドル(数十兆円)の収益を生み出す製品構成が詳しく説明されている最中なのだ。いつものようなゼロよりも大きな影響があると考えても不思議ではない。

しかしイベントが米国東部標準時午後2時頃に終了したとき、実際の株価に変動が見られた。おそらく投資家はもっと高価なデバイスを望んでいたのだろうか?それとも、Appleがもっと隠し玉を持っていることを期待していたのだろうか?Apple製品ラインナップをどのように評価するかは個人的な好みの問題だが、投資家はわずかにマイナス側に傾いたようだ。

約2兆5000億ドル(約274兆円)の価値があるAppleの株価は、1%変動するごとに100億ドル(約1兆1000億円)規模の価値が動く。Appleの1.5%ほどの損失(これを書いている間にも取引は続くが)、最近買収されたMailchimp(メールチンプ)よりも時価総額が大きい。それは莫大な金額だ。

Appleイベントの残りの記事は、こちらから。どうぞお楽しみを!

画像クレジット:Apple

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

iPhone 13バッテリー性能だけでなくはカメラ機能も向上、税込9万8800円から

噂は正しかった。米国時間9月14日に開催された大々的なAppleイベントの目玉は最新iPhoneだ。同社のサプライチェーン面はいくぶん落ち着いてきており、前モデルが発表されてからまだ1年も経っていない中での最新iPhoneの登場だ。2020年に発表されたiPhone 12はスマートフォン販売の停滞という傾向に反してかなり売れた。これは部分的には予期せぬ遅延が販売のボトルネックになっていたためだが、Appleのモバイル商品にようやく5Gが搭載されたからでもあった。

ラッキーナンバーiPhone 13(迷信のためにこの数字がスキップされることはなかった)はお馴染みのデザインだ。フロントのノッチは前モデルに比べて20%小さくなり、リアカメラのシステムは再設計された。iPhone 13、13 miniともにスクリーンは28%明るいSuper Retina XDRディスプレイで、最大輝度は1200ニトだ。

iPhone 13は6.1インチのスクリーンを搭載し、 miniは5.4インチだ。これは2020年発表のモデルと変わらない。ディスプレイはセラミックシールドコーティングで保護されており、防水・防塵性能はIP68となっている。

iPhone 13はAppleの新A15 Bionicチップで駆動し、5nmプロセッサーを搭載。CPUは同社が「あらゆるスマホで最速のCPU」と呼んでいる6コアだ。新しい4コアのGPUでは高度なグラフィックスが楽しめる。

背面のデュアルカメラシステムは、光を最大47%多く取り込むことができる12MPの広角カメラを搭載している。そして、新しいシネマティックモードでは、機械学習を使って被写体へのフォーカスを調整するフォーカススタイルの撮影ができる(タップしてマニュアルでフォーカスを調整したり、被写体を切り替えたりすることも可能だ)。iPhone 13いずれのモデルもナイトモード撮影に対応し、プロレベルのビデオ向けにはProResコーデックが用意されている。

2020年の5G導入に続き、Appleはより高度なアンテナを加えた。大容量のバッテリーと省エネソフトウェアの組み合わせにより、バッテリーはこれまでよりiPhone 13で2.5時間、miniでは1.5時間長持ちすると同社はいう。

iPhone 13 miniは699ドル(日本では税込8万6800円)から、iPhone 13の方は799ドル(日本では税込9万8800円)からとなっている。カラーはピンク、ブルー、ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT)REDで、容量は128GBからとなっている。

全体として大きなアップデートではなく、同社はそうした要素を iPhone 13 Proのためにとっておいたようだ。iPhone 13 Proは120Hzのディスプレイ(常軌を逸して噂されていた機能だ)を搭載し、画像システムを大幅にアップデートした。ProとPro Maxのバッテリーは13のものと同様のアップデートとなっている。iPhone 13シリーズは日本時間9月17日午後9時から予約が始まり、同24日に発売される。

同社はまた、「探す」機能が使える新しいMagSafe Walletなど一連のアクセサリーも発売する。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple Watch Series 7は20%も大きなディスプレイでもっと頑丈に

Apple(アップル)本社でハードウェアが続々と披露されている。新iPadに加え、同社はウェアラブル部門を席巻しているApple Watchの最新バージョンを発表した。予想されたとおり、Apple Watch Series 7は6年の歴史の中で最大のデザイン変更の1つを刻んでいる。新Watchは再設計されたディスプレイを搭載し、ベゼルが狭くなったおかげでWatchそのもののサイズは「ほとんど変わらない」ながらもディスプレイはSeries 6より20%以上大きい。

コーナーは丸みを帯び、ディスプレイは直近のバージョンよりかなり明るくなっている。新しいスクリーンは前モデルよりも50%多い文字を表示することができ、AI予測を使った新しいテキスト入力機能も備えている。表面のガラスはさらに堅牢になり、防塵性能はIP6Xだ。

噂に反して、バッテリーは今回は改善されていない。しかし充電にかかる時間が33%速くなり、睡眠トラッキングを利用する前に急速充電できる。

Apple Watch Series 7は2021年秋発売され、価格は399ドルからだ(日本での価格は未発表)。ケースは5色展開。Series 3の販売も継続され価格は199ドル(日本では税込2万1780円)から、その一方でSEは279ドル(日本では税込3万2780円)からだ。新Watchはサイクリング追跡にも対応するようになったWatchOS 8がインストールされて出荷される。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

iPad Miniが新デザイン、5G対応、8.3インチディスプレイ採用、過去最大の刷新

予想どおり、本日のApple(アップル)イベントではたくさんのハードウェアが見られるだろう。同社はすでにiPadのアップデートを発表したが、今度はMiniに対してこれまでで最大と思われる刷新が行われた。新しいiPad Miniは、iPad Pro(アイパッド・プロ)によく似たデザイン上のオーバーホールが行われた。それらはすべて、ベゼルを大幅に縮小することで実現された、8.3インチのLiquid Retina(リキッド・レティナ)ディスプレイを中心に構成されている。

前述の外見上の変化に加えて、今回の更新については好ましい点がたくさんある。製品の機能をまとめた一覧は、5G、Apple Pencilのサポート、Touch IDのサポート、ロックを解除するための電源ボタンなど、かなり長いものになった。今回の製品は、内部的にもいくつかのすばらしいアップグレードが行われている。AppleによればCPUは前モデルよりも40%速く、GPUはパフォーマンスを80%向上させているという。

今回のMiniは、USB-Cポートと、前面および背面に面した12メガピクセルのカメラを備えており、フロントのカメラはAppleのセンターステージ機能をサポートしている。Miniは499ドル(日本では税込5万9800円)からで、9月24日に発売される。当然5Gを追加すると価格は高くなる。

画像クレジット:Apple

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(文: Brian Heater、翻訳:sako)

アップルはエントリーレベルのiPadをアップデート、税込3万9800円から

Apple(アップル)が新しいiPad(アイパッド)モデルを発売する。これはラインナップの中で最も手頃なiPadモデルで、iPad Air(アイパッド・エア)やiPad Pro(アイパッド・プロ)よりも安価だ。新しいiPadは、先のラインナップの中の329ドルのiPadに取って代わる

新iPadはAppleのA13 Bionic(A13バイオニック)チップを搭載している。Appleが最初A13を発表したのはiPhone11のためだった。一応書いておくが、既存の無印iPadはA12 Bionic(A12バイオニック)を使用していた。Appleは、今回のiPadにおなじみの10.2インチディスプレイのデザインを採用している。

カメラに関しては、オートフォーカスと低照度に対する性能の向上が期待できる。前面は、122°の視野角を持つ12メガピクセルのウルトラワイドカメラを搭載し、大幅なアップグレードが行われている。

Appleはまた、このiPadにセンターステージ機能を持ち込んだ。この機能は、ビデオ通話中に何が起こっているかを自動的に検出し、リアルタイムでビデオ画像をその部分を中心にしてトリミングする。家族同士のビデオセッションも改善するだろう。

またこのエントリーレベルのiPadにも、初めてTrue Toneが採用された。これは、ディスプレイのための一種のホワイトバランス調整機能だ。以前のバージョンと同様に、新しいiPadは、Lightning(ライトニング)コネクタが組み込まれた第1世代のApple Pencilをサポートしている。

新しいiPadは、来週から(前世代の32GBではなく)64GBのモデルが329ドル(日本では税込3万9800円)で発売される予定だ。セルラー接続モデルを入手することもでき、アカデミックはこのiPadを299ドル(日本では税込3万6800円)で購入できる。今回のiPadのモデルには、シルバーとスペースグレイが用意されている。

関連記事:第8世代iPadはカジュアルユーザーに最適、頻繁な文字入力にSmart Keyboardは力不足か

TechCrunchでAppleの2021年秋イベント

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(文: Romain Dillet、翻訳:sako)

マイクロソフトがM1 MacでのWindows 11動作について「サポートは想定されていない」とコメント

マイクロソフトがM1 MacでのWindows 11動作は「サポートは想定されていない」とコメントマイクロソフトの最新OS「Windows 11」は10月5日から提供予定の一方で、macOS上で様々なOSを仮想化して動かせる「Parallels Desktop 17」もWindows 11対応を謳っています。これにより、M1 Mac上でもWindows 11を仮想環境で利用できるとの期待を集めていました。

が、MSがM1 Mac上でのWindows 11動作につき「サポートは想定されてない(unsupported scenario)」と回答したことが明らかとなりました。

この声明は、MSの広報担当者が海外テックメディアThe Registerに語ったもの。同誌がParallels Desktop 17をインストールしたM1 Mac上で動かしていたWindows 11仮想マシンが、DevチャネルのWindows Insiderビルドでハードウェア互換性エラーを起こし始めたことをきっかけに、MSに質問したかっこうです。なお、この不具合はParallels Desktop 17のバージョン17.0.1では解決しているとのことです。

The RegisterがM1 Mac+ParallelsでWindows 11の実行がサポートされるかどうかを尋ねたところ、MS側は「サポートは想定されていない」と回答。さらにM1 Macのハードウェア上でWindows 11を直接実行することもサポートされていないと付け加えています。

少なくともWindows 10の動作については、MSとParallelsは公式に協力している可能性も窺えただけに、期待をかけていたM1 Macユーザーには残念なところです。もっとも、これまでMSがM1+ParallelsでのWindows 11動作に関しては(少なくとも観測範囲では)ノーコメントだったこともあり、一方的な期待が空回りしただけとも言えそうです。

The RegisterはWindows 11の正式リリース直前に、一部のSurface Pro XつまりMS謹製ArmベースPCでのバグチェックや、タスクバーが消えたりスタートメニューが機能しなくなるなど既知の問題がまだ残っているとも指摘しています。MSが自社製PCでのバグが取り切れていないなかで、他社のM1 Macに構っている余裕はないのかもしれません。

(Source:The RegisterEngadget日本版より転載)

新iPhone?Apple Watch?AirPods?アップルの9月15日午前2時からのバーチャル新製品発表をチェックしよう

Appleは今晩、iPhoneの新モデルを発表する予定だ。同社は、米国太平洋標準時9月14日午前10時(日本時間9月15日午前2時)から(バーチャル)基調講演を開催する。イベントはのライブ配信はここで見ることができる。

では、iPhoneの新世代モデルが登場するといわれている。報道によれば、同社はこれを「iPhone 13」と呼び、2020年と同様、4モデルを用意する予定だという。今回は「iPhone 13」「iPhone 13 Mini」「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」についての情報が期待される。

関連記事:来週のAppleイベントで何が発表される?iPhone 13、Apple Watch 7そして新AirPodsとMac登場のウワサ

新機能といえば、カメラの大きなアップグレードがあるだろう。2021年は、特に動画のアップグレードに力を入れているようだ。また、新iPhoneには、より優れたディスプレイとより高速なチップが搭載されるはずだ。

しかし、それだけではない。Appleは、この機会にApple Watchのニューモデルを発表すると考えられている。シャープなエッジを持つApple Watch Series 7では、より大きなデザイン変更が行われるだろう。

また、AppleはAirPods 3の開発に取り組んでいるため、さらに多くのプロダクトが発表される可能性もある。オーディオのラインナップでは、エントリーモデルの「AirPods 2」に代わる製品、または補完する製品となるだろう。「AirPods Pro」と「AirPods Max」は今のところ変更はありません。

最後に、カスタムデザインのApple製チップを搭載した新しいMacや、iPadの新モデルについての情報が得られる可能性もわずからながらある……。

AppleはYouTubeでカンファレンスの様子を配信しているので、このページで直接ライブストリームを見ることができる。

Apple TVを持っている人は、TVアプリを起動して「Apple Special Event」の項目を探して欲しい。これで今回のイベントをストリーミングしたり、昔のイベントを再視聴したりすることができる。

また、Apple TVを持っていない人やYouTubeを利用したくない人は、同社ウェブサイトの「Apple Event」ページからイベントをライブストリーミングすることもできる。この動画配信はSafari、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Google Chromeの主要ブラウザで動作するようになった。

画像クレジット:Qi Heng / VCG / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Epic Gamesがアップルとの独禁法違反訴訟で先週の判決を不服として控訴

「Fortnite(フォートナイト)」の開発元であるEpic Games(エピックゲームズ)は米国時間9月12日、Apple(アップル)との法廷闘争における先週の判決を不服として控訴した。判決の中で連邦判事は、Appleは開発者に対し代替決済のリンクを追加することを阻止することは許されないとしながらも、Appleを独占企業と判断するまでには至らなかった。後者が実現した場合、Epic Gamesは、iOSユーザーにサービスを提供するための代替手段として、サードパーティのアプリストアや、Google(グーグル)のAndroid OSと同様にサイドローディング機能をAppleのモバイルOSに組み込むことなどを主張できるかもしれない。

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米連邦地裁の判事は、Appleが「反トラスト法に違反していない」という立場に同意し、また、アプリやゲームのエコシステムにおける同社の成功を「違法ではない」と判断したため、Appleは直ちにこの裁判での勝利を宣言した。一方、Epic Gamesの創業者兼CEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は、今回の判決は開発者にとっても消費者にとっても勝利ではないと述べた。同氏はTwitter(ツイッター)で「我々は戦い続ける」と述べ、同社が判決を不服として控訴する可能性を示唆していた。

Epic Gamesは、9月12日に公開された控訴の申立て(下記参照)の中で、米連邦地裁のYvonne Gonzalez Rogers(イボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ)判事の最終判決と「その判決に至るまでの、またはその判決を生み出すすべての命令」を控訴する意向を正式に表明した。

同判事の判決の一部として、Epic Gamesは、iOSのFortniteに代替決済システムを導入した際に得た1200万ドル(約13億2000万円)のうち30%をAppleに支払うよう命じられていた。これは当時、Appleとの法的契約に違反していた。

控訴審では、Epic GamesがAppleが独占企業として行動していると主張していた市場を、ゴンサレス・ロジャーズ判事がどのように定義したかが再検討される。両者の希望に反して同判事は、特に「デジタルモバイルゲームトランザクション」の市場と定義した。控訴された場合、裁判所がEpic Gamesに有利な方向に意見を変えるかどうかはわからないが、新たな判決によって、ユーザーを外部の決済方法に誘導したいと考えている開発者にAppleがどのように対応しなければならないのか、差止命令で使われている曖昧な表現が明確になる可能性がある。

これまでのところ、開発者コミュニティの間では、Appleは「リーダーアプリ」カテゴリーの例外を、すべての非リーダーアプリ(購入したコンテンツへのアクセスを提供するアプリ)に拡大するだけではないかと予想されている。Appleは最近、リーダーアプリがユーザーを自社ウェブサイトに誘導することを認め、日本の規制当局と和解した。こうしたウェブサイトでは、ユーザーはアカウントにサインアップしたり管理したりできるが、その中には、例えばNetflix(ネットフリックス)やSpotify(スポティファイ)の購読料を支払っている顧客も含まれる。Appleは、この変更はグローバルに行われると述べている。

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だがAppleは記者への説明の中で、Epic Gamesとの判決で出された差止命令の詳細については、まだ調整が必要であると述べている。判決が出て間もないこともあり、この変更が開発者にどのような影響を与えるかについては、まだ開発者と連絡を取っておらず、App Storeのガイドラインに新しい文言を追加することもしていないとのこと。

Epic Gamesは、現時点では控訴の決定についてこれ以上の発表はないとコメントしている。

 

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがiPhone、Macなど全端末でセキュリティアップデート、政府機関も利用するというNSOのゼロデイ脆弱性を修正

Apple(アップル)は、すべてのiPhone、iPad、Mac、Apple Watchに影響を及ぼす、新たに発見されたゼロデイ脆弱性のセキュリティアップデートを公開した。この脆弱性を発見したとされるCitizen Labは、ユーザーに対して直ちにデバイスをアップデートするよう呼びかけている。

テクノロジーの巨人Appleは、iPhoneおよびiPad向けのiOS 14.8、ならびにApple WatchおよびmacOSの新アップデートにより「積極的に悪用された可能性がある」とされる少なくとも1つの脆弱性が修正されるという。

Citizen Labは、ForcedEntryの脆弱性の新たな痕跡を発見したとしている。この脆弱性は、バーレーンの活動家の少なくとも1人が所有する「iPhone」をひそかにハッキングするために使用されていたゼロデイ脆弱性の利用に関する調査の一環として2021年8月に初めて明らかにされた。

関連記事:iPhoneのセキュリティ対策もすり抜けるスパイウェア「Pegasus」のNSOによる新たなゼロクリック攻撃

8月、Citizen Labは、ゼロデイ脆弱性(企業が修正プログラムを提供するまでの期間が0日であることから、このように名づけられた)は、AppleのiMessageの欠陥を利用しており、イスラエルの企業であるNSOグループが開発したスパイウェア「Pegasus」を活動家の携帯電話に送り込むために悪用されたと発表された。

Pegasusは、政府機関の顧客に対してターゲットの個人データ、写真、メッセージ、位置情報など、そのデバイスにほぼ完全にアクセスできるようにする。

この脆弱性は、当時最新のiPhoneソフトウェアであるiOS 14.4および5月にリリースされたiOS 14.6を悪用していたため、大きな問題となった。また、この脆弱性は、AppleがiOS 14に搭載した「BlastDoor」と呼ばれる、潜在的な悪意のあるコードをフィルタリングすることでサイレントアタックを防ぐはずの新しいiPhone防御機能を突破していた。Citizen Labでは、AppleのBlastDoor保護機能を回避できることから、この特別な脆弱性を「ForcedEntry」と呼んでいる。

Citizen Labによる最新の調査結果によると、サウジアラビアの活動家のiPhoneに、当時最新バージョンのiOSを実行していたForcedEntryエクスプロイトの証拠を発見した。研究者によると、このエクスプロイトは、Appleのデバイスがディスプレイに画像を表示する際の弱点を利用しているという。

Citizen Labによると、このForcedEntryエクスプロイトは、これまで最新のソフトウェアを実行していたすべてのAppleデバイスで動作するという。

Citizen Labは、米国時間9月7日に発見した内容をAppleに報告したとのこと。Appleは、この脆弱性(CVE-2021-30860)のためのアップデートを公開した。Citizen Labは、ForcedEntryの攻撃はNSO Groupが行ったものだと確信しており、これまでに公表したことのない証拠を挙げている。

Citizen Labの研究者であるJohn Scott-Railton(ジョン・スコット-レイルトン)氏は、TechCrunchに対し、iMessageのようなメッセージングアプリは、ますます国家によるハッキング活動の標的となっており、今回の発見は、メッセージングアプリのセキュリティを確保する上での課題を明確に示していると述べている。

Appleはコメントを控えている。NSOグループは、我々の具体的な質問への回答を拒否した。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

マイクロソフトがTeamsのアップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成も

マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

米マイクロソフトはビデオ会議ツール「Microsoft Teams(以下、Teams)」における、今後の機能追加のスケジュールを明かしています。

今年5月に企業向けだけでなく、個人向けにも提供が始まったTeams。また同月には大画面スクリーンや専用カメラ、空間オーディオなどを組み合わせた未来のビデオ会議のコンセプトも披露されています。

さて今回の発表によれば、Teamsにはプレゼンテーションツール「PowerPoint」の画面共有ツール「PowerPoint Live」におけるカメオ機能が追加されます。これはピクチャー・イン・ピクチャーのように、PowerPoint資料映像に自分の顔や上半身映像(動画)を合成する機能で、来年初頭にリリースされる予定です。マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能もマイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

さらに2022年初頭には、AI(人工知能)を利用したスピーチの改善機能「スピーカーコーチ」も導入されます。同機能ではスピーチのペースや出席者に確認するタイミングをアドバイスしてくれたり、あるいは聴衆にチェックインするようにリマインダーを表示したりします。

今月末には、米アップルのCarPlayによる音声での会議参加が可能に。自動車の中からでも、Siriを利用してミーティングに加わることができます。マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能もマイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

照明の自動調整ツールも、数ヶ月以内に導入されます。Teams Mobileのコンパニオンモードも改善され、チャットやライブリアクションなどの機能への簡単なアクセス、さらにカメラなどの接続デバイスのコントロールが可能になります。

Jabra、Neat、Poly、Yealinkなどが提供する、インテリジェントカメラへの対応も予定。AIによる会話者の判断機能では音声だけでなく視覚的な合図も利用し、画面を切り替えられます。また同じ場所にいる会話者をそれぞれのビデオペインに配置する複数ビデオストリームや、会話者のプロフィールを下部に表示する人物認識ツールなども、数ヶ月以内に導入される予定です。2022年に導入されるOutlookのRSVP(簡易返答)機能では、自分が会議に直接参加するのか、あるいは遠隔地から参加するのか、勤務時間にいつ、どこで仕事をできるのかを記入できるようになります。

このように、新機能が次々と導入される予定のTeams。ビデオ会議ツールとしてはTeamsだけでなく、Zoomや米GoogleのGoogle Meetが激しいシェア争いを繰り広げており、今後もさらなる機能改善が業界全体で実施されることになりそうです。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

iPhone内蔵カメラが高出力バイクエンジンの振動で性能が低下する可能性をアップルが警告、原付も振動減衰マウントを推奨

iPhone内蔵カメラが高出力バイクエンジンの振動で性能が低下する可能性をアップルが警告、原付も振動減衰マウントを推奨

humanmade via Getty Images

アップルはiPhone内蔵のカメラが、高出力オートバイのエンジンから発生する特定の振動周波数に晒されると性能が低下する恐れがあると警告するサポート文書を公開しました

この件が影響する可能性があるのは、光学式手ぶれ補正(OIS)クローズドループ方式のオートフォーカス(AF)機能を搭載した一部モデルです。これらiPhoneのカメラレンズは、写真やビデオを撮影する際の動きや振動を補正するためにジャイロスコープや磁気センサーを使用しているため、この損傷を受けやすくなっているとのことです。

iPhone搭載のOISやクローズドループAFは耐久性を考慮して設計されているものの「OISのようなシステムを採用している多くの家電製品と同様に」(つまりiPhone内蔵パーツが特に脆弱というわけではなく)特定の周波数範囲内での高振幅振動に直接、長時間さらされると性能が低下し、写真や動画の画質が低下することがあると述べられています。

こうしたリスクから、アップルは振動が直接伝わってくる可能性あるシャーシやハンドルバーにiPhoneを直接取り付けないようユーザーに推奨。また原付や電動スクーターのような小型エンジン機器でも、直接iPhoneを取り付ける場合には振動を軽減するマウントを使い、損傷のリスクを減らすよう呼びかけています。

いきなりアップルがサポート文書を掲載した理由は不明ですが、これまでもマウンテンバイクでさえ取り付けたiPhoneのカメラが壊れたOISが機能しなくなったとの報告は多数ありました。

またOISやクローズドループAFについては、今年初めに磁石を内蔵したアクセサリを使うと一時的にカメラの性能が低下する可能性があると公式に警告されていました。こちらは(一般的には)磁石をiPhoneから離せば直りますが、物理的な振動の場合は永久的に壊れる可能性があり、より注意が必要と思われます。

OISやクローズドループAFはiPhone 7以降の全モデル、およびiPhone 6 PlusとiPhone 6s Plusに搭載されており、古めのモデルを持つ人も振動の激しい乗り物には直接取り付けないほうがよさそうです。

(Source:Apple。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

中国政府が新作オンラインゲームの認可を8月から一切停止中、未成年ゲーマー関連規制の成功のため

中国政府が新作オンラインゲームへの認可を8月から一切停止中、未成年ゲーマー関連規制の成功のため

Reuters/Kim Kyung-Hoon

中国では18才未満が週に3時間以上ゲームをプレイするのを禁じられたばかりですが、それに続いてApp Storeを含むオンラインゲームの新作リリースが1本も許可されなくなっていると報じられています。

香港メディアThe South China Morning Post(SCMP)によると、中国規制当局はテンセントやネットイースといった大手ゲーム開発企業との会議を行い、そこで新作ゲームのライセンス発行を停止する決定を下したとのことです。その会議には出席していないが説明を受けた関係者が「すべてが保留になっている」と述べています。

別の関係者によると、この発行停止は「しばらくの間」続くとのこと。規制当局は、2021年前半にライセンス発行を「少し積極的に行いすぎた」と考えているそうです。その目的は「新作ゲームの本数を削減する」ことにあり、それにより中国政府の「ゲームの追加を減らす」意図を助けるつもりだと伝えられています。

この会議に参加していた別の関係者は、「発行を凍結する」と具体的に決められたわけではないとも語っています。むしろ、ゲーム依存症を減らす計画を「円滑かつ成功裏に展開する」ために、認可プロセスを遅らせると議論されたとのこと。つまり、今後は新作のリリースを一切認めないわけではなく、ペースに歯止めを掛けることが狙いと示唆されている模様です。

この会議は水曜日(9月8日)に行われたと報じられてはいますが、SCMPは今年8月にはライセンスが承認されなかったとも伝えています。新作ゲームに対する締め付けは、もっと早くから始まっていた可能性があるわけです。

中国が新作ゲームのライセンス発行を停止したことは、今回が初めてではありません。まず2018年3月~12月にかけて停止され、中国ゲーム市場の成長が大幅に鈍化したこともありました。

もともと中国では2016年以降、有料またはアプリ内購入を提供しているゲームはすべて事前に規制当局に提出し、公開前にライセンスの取得が義務づけられています。それがアップルのApp Storeでは数年にわたってお目こぼしされていましたが、2020年には厳密に実施されるようになりました

中国でのライセンス取得の義務化は、これまでもApp Storeの収益に大きな影響を与えてきました。ティム・クックCEOとルカ・マエストリCFO(最高財務責任者)は、2018年のライセンス発行停止の際に、App Storeにとって財務上の逆風の原因になっていると述べていたことがあります。

すでに中国は世界最大のゲーム市場となっており、App Storeにおいてもゲームの収益は66%を占め、iOS用ゲームで最も稼いでいるのは中国企業テンセントの『王者栄耀』という調査結果もあります。今回のライセンス発行“保留”は、アップルにとって大きな痛手となるのかもしれません。

(Source:The South China Morning Post。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

来週のAppleイベントで何が発表される?iPhone 13、Apple Watch 7そして新AirPodsとMac登場のウワサ

来週、米国時間9月14日(日本時間9月15日午前2時)に開催されるAppleのイベント「California Streaming」に向けて、最新のウワサやリーク情報を精査し、発表会で何が準備されているのか考えてみよう。ママス&パパスの曲を流しながら。

1週間前に送られてきた招待状には、無料ゲームはないようだが、モバイル版Safariからアクセスできる非常にクールなARの仕掛けがあった。これはカメラのアップグレードを示唆しているのかもしれないが、拡張現実(AR)はAppleの招待状ではちょっとした定番の仕掛けになっている。

「California Streaming」というイベント名は、Apple TVに関連するものというよりも、発表会がすべてバーチャルで行われるその性質にちなんだものだと思われる(もちろん、過去にも同じようなことがあったが)。また、同社はモントレーに移ったが、シエラネバダ山脈の美しい写真はmacOSにちなんだものかもしれない。また、前述のイベント名を参考にしている可能性もある。

関連記事:次のアップルイベントは日本時間9月15日バーチャルで開催、iPhone 13、Apple Watch 7、AirPods 3発表か

何を期待すべきかという問いに対する最大かつ最もシンプルで重要な答えは、新しいiPhoneだ。2020年のモデルは、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によるサプライチェーンのボトルネックで、大幅な遅れが生じた。もちろん、サプライチェーンの問題は続いているが、誰に聞いても、Appleはパンデミック前のリリースサイクルに戻っているようだ。

iPhone 12における最大のアップグレードは、いうまでもなく待望の「5G」への対応だった。それが遅れたこともあり、モバイル市場全体が広く失速していった中、Appleはかなりの売上を記録した。他のメーカーが、不吉だという迷信的な理由でこの数字を避ける中、AppleはiPhone 13というモデル名を採用するようだ(後継機種であるiPhone 14のレンダリング画像がすでにリークされている)。

画像クレジット:Getty Images / Qi Heng/VCG

最近の報道によると、iPhone 13は、先代モデルと同様に「iPhone 13」「13 Mini」「13 Pro」「13 Pro Max」という4種類の構成で登場するようだ。画面サイズも同様で、5.4、6.1、61.、6.7インチになるはずだ。一方、別のレポートによると、カラーが追加され、ブラック、ホワイト、ブルー、パープル、ピンク(グリーンではなく)、(PRODUCT)REDのフルラインナップになるという。しかし、市場ごとに異なるカラーを提供する可能性がないわけではないので、ご注意を。

意外にも、カメラのアップグレードが今回の最大のニュースになりそうだ。アナリストのMing-Chi Kuo(ミン-チー・クオ)氏によると、2020年のPro Maxモデルの仕様が他のラインにも適用されるという(LiDARも含まれる可能性がある)。ProRAWに続いてProResビデオモードが追加され、セミプロのビデオ撮影機材としての地位をさらに高めるといわれている。一方「Cinematic Video(シネマティックビデオ)」は、動画にポートレート風の効果をもたらすとのこと。また、クオ氏は、QualcommのX60をベースにした緊急時の衛星電話を可能にする機能が端末に搭載されることを示唆しているが、これは一部の市場でしか利用できないという。

もちろん、Appleの最新チップであるA15も搭載され、120HzのProMotionディスプレイとの組み合わせになるといわれている。また、Appleはバッテリー寿命への影響を最小限に抑えつつ、画面の常時点灯機能を実現する可能性がある。外観的には、前モデルとほぼ同じになると予想されている。ただし、前面のカメラノッチはやや小さくなるが「Ted Lasso iPhone」のような偽物にはならないとのこと。一方、背面のカメラ部分は大きくなり、望遠レンズが搭載されるのではないかという。

Appleが積極的にアピールする新機能の1つではないことは明らかだが、iPhone 12よりも高価になるともいわれている。

画像クレジット:Apple

Apple Watch 7は、イベントのもう1つのビッグニュースになるようだ。大人気のApple製ウェアラブルデバイスは、ディスプレイの大型化にともない、ケースサイズが「40mmと44mm」から「41mmと45mm」へと若干大きくなるという。しかし、今回はベゼルを小さくするとのことで、全体のサイズはそれほど大きくは変わらないだろう。

Apple Watchに関する最もエキサイティングなウワサは、大幅なバッテリー駆動時間の実現だろう。この点は、競合するスマートウォッチと比較して、長い間、弱点だと考えられてきた。特に、Appleが睡眠トラッキングを大幅に改善した後はそうだ。ほとんどの人が、今回のApple Watchに大きな健康に関する新機能が搭載されるとは考えていない。健康とフィットネスがAppleの重要な基盤であることを考えると、これは少し意外なことだ。

画像クレジット:TechCrunch

AirPods 3は、それなりに期待できそうだ。エントリーモデルであるAirPodsの最新版(およびケース)は、バッテリー駆動時間を向上させるための新チップを搭載し、よりProスタイルのデザインに変更されるという。なお、アクティブノイズキャンセリング機能や交換可能なチップなどは、2つのモデルの差を維持するために採用されないようだ。

このように自社製品のアップグレードが順調に進んでいることから、新しいMacが続々に登場しても不思議ではない。噂では、新しいMacBook Pro、Mac Mini、そしてARMを搭載したiMacの27インチの大型バージョンが発表されるという。

画像クレジット:https://techcrunch.com/2021/09/10/what-we-expect-from-next-weeks-apple-event/

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがApp Store外での決済方法への誘導ブロック禁止に、Epic Gamesとの裁判で

カリフォルニア州で行われているEpic Games対Appleの訴訟において、米国時間9月10日朝、判事がサードパーティによる支払いに関して「Fortnite」のメーカーに味方する判決を下した。事実上、判事はAppleが開発者に対して、AppleはApp Storeベースの収益化以外の代替決済のリンクを追加することを禁止することはできないという判決を下している。

Epic Gamesは、ゲーム購入が現金収入源であるiOSの料金をAppleが管理していることに長年悩まされてきた。

今回の判決では、以下のように述べられています。

Apple Inc.およびその役員、代理人、使用人、従業員ならびにこれらの者と積極的に協力または参加している者(以下「Apple」)は、開発者が(i)アプリ内での購入に加えて、購入メカニズムに顧客を誘導するボタン、外部リンク、その他の行動喚起をアプリとそのメタデータに含めること、および(ii)アプリ内でのアカウント登録を通じて顧客から自発的に取得した連絡先を通じて顧客と連絡を取ることを禁止するよう、永久的に拘束および差し止められるものとする。

この判決は、Appleと大規模開発者、特にApp Storeにおいてその収益の70%を占めるゲームカテゴリーの開発者との間で何年にもわたって繰り広げられてきた争いの結果だ。

2020年8月、Epic Gamesの「Fortnite」アプリが、Appleのアプリ内課金の枠組みを回避できる新しい決済方法を導入したことを理由にAppleから禁止された。その後、Epic GamesはAppleは決済システムの使用を企業に強制することで市場で力を乱用していると主張してAppleを提訴している。また、Epic GamesはGoogleも提訴し、他のアプリ開発者と共同でCoalification for App Fairnessを結成し、米国の州レベルでの法案作成のための個別の取り組みに関与するなど、アプリストア改革のための積極的な働きかけを行ってきている。

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その中には、日本の規制当局との和解により「リーダーアプリ」(購入したコンテンツへのアクセスを提供するアプリ)のポリシーを変更し、ユーザーがサインアップしたりアカウントを管理したりできる自社のウェブサイトを紹介できるようにしたことも含まれている。また、別の和解案には、アプリ内で収集した顧客の連絡先情報を使い、他の支払い方法を顧客に伝えることを許可するというものもある。韓国では、新しい法律によりAppleとGoogleは開発者が独自のサードパーティ製決済システムを使用することを認めざるを得なくなった。法律成立後、Epic Gamesは同市場のApp Storeに「Fortnite」を復活させることを求めたが、Appleはその要求を拒んでいる。

Appleは、App Storeのルールを環境の変化に適応させることを拒否し続けているのは、消費者保護のためだと歴史的に主張してきた。以前の声明では、アプリ内課金の代替手段を認めることは、ユーザーを詐欺のリスクにさらし、プライバシーを損なう可能性があるとしていた。

今回の判決により、Appleは開発者に対して、支払いができる他の場所へのボタンやリンクを含めるという選択肢を認めることで対応せざるを得なくなった。しかし「独占」とみなされなかったという意味では、Appleの勝利だ。Yvonne Gonzalez Rogers(イボンヌ・ゴンザレス・ロジャース)連邦地裁判事は、AppleとEpic Gamesの両社が関連市場をどのように定義しているかについて同意しておらず、モバイルゲームのデジタル取引において、Appleは独占していないと述べている。

「法廷は、Appleが55%以上というかなりの市場シェアと非常に高い利益率を享受していることを認めているが、これらの要素だけでは反トラスト行為であると示すことはできない。成功は違法ではない」とロジャース氏は述べている。

Appleの広報担当者は「本日、裁判所はApp Storeが独占禁止法に違反していないという、我々がずっと知っていたことを確認した」と述べている。「裁判所が認めたように『成功は違法ではない』のです。Appleは、事業を展開するすべての分野で厳しい競争に直面していますが、お客様や開発者がAppleを選ぶのは、Appleの製品とサービスが世界で最も優れているからだと信じています。私たちは引き続き、App Storeが安全で信頼できる市場であり、繁栄する開発者コミュニティと210万人以上の米国内の雇用を支え、ルールが誰にでも平等に適用されるよう尽力していきます」という。

この度の判決は、開発者コミュニティには長期的な影響を与える可能性がある。というのも、Appleは他の支払い方法を示すアプリに対応するために、規則を調整しなければならないためだ。例えば、アプリにApple独自のアプリ内決済オプションを選択肢として含めることを要求するようになるかもしれない。また「リーダーアプリ」を別のカテゴリーとして認定することは、今回の新しい要件を考慮すると、もはや意味がないと判断することもできる。これらに関する動きや決定は、今後数日のうちに展開されるだろう。

Epic Gamesが勝利できなかったのは、Appleを「独占企業」と呼んでしまったからだ。これは最終的には米国政府の規制につながる可能性のある、はるかに大きな問題だ。また、Appleはサードパーティのアプリストアやサイドロードを許可する必要はないが、App Storeビジネス全体の長期的な見通しに大きな影響を与える可能性がある。消費者にとっては、購入や価格設定のためにアプリを終了しなければならないためApp Storeがより複雑になる可能性がある。消費者が外部の決済システムを利用する場合、すべての購読契約を一括して管理することができなくなり、解約がより困難になる可能性もある。

訴訟の結果、ロジャース氏は、Epic Gamesが「Fortnite」に代替決済システムを導入した際に得た1200万ドル(約13億2000万円)のうち30%をAppleに支払わなければならないという判決を下したが、これは当時、Appleとの法的契約に違反していたためだ。

判決を受けて、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は「Fortnite」は「Appleのアプリ内課金との公正な競争」のもと、アプリ内課金を提供できる時と場所でApp Storeに復帰し、その節約分を消費者に還元するとツイートしている。

「また、非常に複雑な訴訟を迅速に対応してくれた裁判所にも感謝しています。私たちは、これからも戦い続けます」。

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Brian Heater、Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)