ザッカーバーグ氏がアップルのプラットフォームポリシーと手数料は「イノベーションを阻害する」と非難

Facebook(a.k.a Meta)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日の自社イベント、Facebook Connect 2021の基調講演でメタバースの計画について述べた際、Apple(アップル)およびアプリのエコシステム全体に対する明らかな批判を口にした。具体的には、アプリプラットフォームとそれにともなう手数料は「イノベーションを阻害」していると非難し、同時にFacebook自身が手数料を高く維持することについては、成長を続けるVRエコシステムと自社のOculus Questストアへのさらなる投資が必要であることを理由に正当化した。


同氏の発言は、Facebookの広告ビジネスに打撃を与えた、Appleによる最近のアプリ・プライバシー変更を受けたものだ。App Tracking Transparency(アプリのトラッキングの透明性[ATT])の導入によって、Appleはアプリが他のアプリやウェブサイトを横断して消費者を追跡することを消費者が拒否できるようにした。そしてこの変更によってFacebookの収益が落ち込んでいることを会社は認めている。

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現在Facebookは、Oculus向けに独自のアプリプラットフォームを構築することで新たな収入の流れを作る可能性に期待してる。デベロッパーが手数料を払う代わりに、収益を得るプラットフォーム。そして、別の会社の気まぐれな戦略変更によってビジネスが破壊されることのないプラッフォームだ。

ザッカーバーグ氏は、今こそこの変化を起こす時であることを強調し、最近彼が「プロダクトを作るだけでは十分ではない」ことを学んだと語った。

「私たちは、将来何百万もの人たちが恩恵に預かることのできる、人々の仕事が報われ、波が高まるにつれ利益をあげられるようなエコシステムを構築する必要があります。消費者だけでなく、クリエイターやデベロッパーにとっても」と彼は言った。「この時期私たちは謙虚でもあります。なぜなら私たちのような大きな会社でも、他のプラットフォームのためにものを作ることがどういうことかを学んだからです。そして彼らのルールの下で生きることは、テック業界に対する私の見方に大きな影響を与えました」とザッカーバーグ氏は続けた。

「何よりも、選択肢の欠如と高い手数料はイノベーションを妨げ、人々に新しいものを作るのをやめさせ、インターネット経済全体を抑制します」とザッカーバーグ氏は付け加えた。

一連のコメントは、AppleとGoogle(グーグル)に直接向けられたものであり、Facebookのプロダクトのほとんどは両社のプラットフォーム上にある。Facebookはアプリ内購入の手数料をApp Storeに払わなくてはならず、例えばユーザーがクリエイターをサブスクライブしたり、バッジを買ったり、ストリーミング提供者に直接チップを渡す場合も含まれる。Apple、Googleともに、小さな会社やメディア・プロバイダーやサブスクリプション・アプリに対しては手数料を値下げしたが、標準の取り分は今も変わらず70 / 30(プラッフォーム / デベロッパー)だ。

App Storeのルールは、Facebookが高い収益を得る可能性のある他のプロダクトを開発することも妨げている。最新のゲーミングサービスが一例だ。

たとえば2020年、iOSでFacebook Gaming(フェイスブック・ゲーミング)を公開した際、同社はAppleのポリシーを激しく非難した。Appleは他のアプリやゲームを中に含むようなアプリを許していおらず、それはサードパーティー・デベロッパーから収益を得る機会を失うからだ。このため、Android(アンドロイド)版ではミニゲームをプレイできるのに、iOSユーザーはFacebook Gamingでストリームを見ることしかできない。

しかし、Facebookの将来にとって本当の懸念は、手を出せないプラットフォームのポリシー変更によって、広告収益が脅かされていることだ。

広告収益は、過去何年にもわたってFacebookが他分野に投資し、アプリを無料にすることを可能にしてきた、とザッカーバーグ氏は指摘した。

「私たちはできるだけ多くの創作と商取引が生まれるように、クリエイターや販売者向けのツールを原価あるいはわずかな料金で提供しています。そして成功しています。何十億人もの人たちが私たちのプロダクトを愛しています」と同氏は強く語った。「私たちのプラットフォームには何億ものビジネスがあるのです」。

現在会社は、メタバースのエコシステム構築にも同じアプローチを取ろうとしている。デバイスを助成したり原価で販売することによって、消費者が手に入れやすくなる、とザッカーバーグ氏は言った。そしてAppleのApp Storeと異なり、Facdbookはサイドローディング(ストア外からのダウンロード)やパソコンへのリンクを可能にすることで、囲い込むのではなく消費者とデベロッパーに選択肢をあたえる計画だとFacebookは言っている(もちろん、多くのデベロッパーは発見してもらうためにQuest Store(クエスト・ストア)で公開することを選ぶだろう。Facebookにこの約束ができる理由はそこにある)。

さらに同氏は、Facebookはデベロッパーとクリエイターのサービス費用を極力低く抑えるつもりだとも言った。しかしザッカーバーグ氏は、会社の次のビジネスモデルへの思いを馳せながら、そうではないケースもあると警告した。新エコシスコムへの投資規模を踏まえると、一部の手数料は高くなるだろうと彼は話した。

「将来への投資を続けるために、一部の手数料を一定期間高く据え置いて、このプログラム全体であまり大きな損がでないようにする必要があります」とザッカーバーグ氏は説明した。「なんといっても、すでに利益をあげているデベロッパーが増える一方で、私たちは将来メタバースの規模が大きくなるまでの何年間、数十億ドル(数千億円)を投資する見込みなのです。しかし私たちは、次の10年間全員で努力を続ければ、メタバースは10億人に達し、何千億ドル(何十兆円)ものデジタルコマースをホストし、何百万人ものクリエイターとデベロッパーの職を支えられるようになると期待しています」。

言い換えると、Facebookの計画は今まで以上にデベロッパーの収益を活用し、独自のルールを決めることで、むしろAppleに似てくるだろうということだ。

画像クレジット:Facebook(ライブストリームより)

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

各アプリの機密情報の取り扱い方を教えてくれるアップルのApp Privacy Reportがベータ版に

Apple(アップル)は「App Privacy Report(アプリ・プライバシー・レポート)」のベータ版の提供を開始した。この新機能は、日常的に使用しているアプリがどれくらいの頻度で機密情報へのアクセスを要求しているか、またその情報がどこで共有されているかといった詳細を、iOSユーザーに提供することを目的としている。この機能は、EメールのトラッキングピクセルをブロックするツールやプライベートVPNなど、プライバシーに焦点を当てた改善が行われているなかで、6月に開催されたAppleの世界開発者会議で初めて紹介された。Appleは当時、この新しいレポートには、アプリがユーザーの位置情報、写真、連絡先などのユーザーデータやセンサーにアクセスした際の詳細や、アプリがコンタクトするドメインのリストが含まれると説明していた。


iOS 15のアップデートの一部として発表されたものの、2021年の秋口に新バージョンのiOSが公表された時点では、App Privacy Reportは利用できなかった。このレポートはまだ一般には公開されていないが、iOS 15.2およびiPadOS 15.2のベータ版のリリースにともない、より広範なベータテストが開始された。

新しいレポートは、アプリがどのような機密データを収集し、それがどのように使用されているかを詳細に示す潜在的に誤る可能性があるApp Privacy(アプリプライバシー)ラベルにとどまらないものだ。開発者は、誤って、あるいはエンドユーザーに誤解を与えようとして、ラベルを正確に記入しないことがあり、AppleのApp Reviewチームがそのような記入漏れを常に見つけられるとは限らない。

関連記事:アップルがアプリのプライバシー方針を明らかにするラベルを全App Storeで公開

その代わりに、新しいApp Privacy Reportは、アプリがどのように振る舞っているかについての情報をより直接的に収集する。

ユーザーがデバイスのプライバシー設定で有効にすると、App Privacy Reportは、アプリの過去7日間のアクティビティのリストを作成する。アプリをタップすると、そのアプリが最後にセンシティブなデータやデバイスのセンサー(例えば、マイクや位置情報など)にアクセスした日時などの詳細が表示される。これらの情報は、各アクセスがタイムスタンプとともに記録されたリストで見ることができる。

別のセクション「App Network Activity(アプリ・ネットワーク・アクティビティ)」では、アプリが過去7日間に通信したドメインのリストを見ることができる。このリストには、アプリ自身が機能を提供するために使用したドメインを含んでいるだけではなく、アプリが分析や広告の目的で提携している第三者のトラッカーや分析プロバイダーのドメインも明らかにする。

「Website Network Activity(ウェブサイト・ネットワーク・アクティビティ)」は、同様のリストを提供しているが、ドメインにコンタクトしたウェブサイトに焦点を当てており、その中にはアプリが提供したものも含まれている。また、最もコンタクトのあったドメインを見たり、いつ、どのトラッカーやアナリティクスが使用しているのか、さらにはどのアプリがいつコンタクトしてきたかを確認するために個別のドメインを掘り下げたりもできる。

ベータ版の公開に先立ち、Appleは「Record App Activity(アプリ・アクティビティの記録)」という機能を提供した。これは、App Privacy Reportが利用可能になったときに、ユーザーに表示される内容を開発者がプレビューできるようにするものだ。このオプションは、アプリが予想どおりに動作していることを確認できるJSONファイルが生成する。この機能は、すでにいくつかの興味深い発見をもたらしている。例えば、中国のスーパーアプリWeChatは、新しい写真を見つけるため数時間ごとにユーザーの携帯電話をスキャンしていることがわかった

App Privacy Reportは、ユーザーにとってデータの宝庫となる一方で、開発者にとっては複雑な問題となる可能性がある。開発者は、これらのデータ要求が、アプリの機能を提供するためのもので、プライバシー侵害ではないということを、ユーザーに説明しなければならなくなるかもしれない。例えば、天気予報アプリでは、旅行の準備のために、嵐の情報など、変化する天気パターンに関するプッシュ通知をユーザーが要求した場合、位置情報を定期的に取得する必要がある。

開発者に提示する際、Appleは、このレポートが、アプリが行っていることについて透明性を提供することで、ユーザーと「信頼関係を築く」機会になると述べた。また、開発者自身がインストールを選択したSDKについて、その動作が開発者の要望や期待に沿ったものであることを確認するための、より良い洞察を与えることができるとしている。

Appleは、この新機能がいつベータ版を終了するかについては言及していないが、iOS 15.2が一般公開されたときに出荷される可能性がある。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

アップル、iOS 15.1でより多くの純正アプリをApp Storeで評価できるように

Apple(アップル)は、独占禁止法の調査を前に規制当局からの圧力が強まる中、今秋、初めて自社のファーストパーティアプリをユーザーが評価・レビューできるようにすることで、ようやくライバル企業と対等な立場に立った。これまでAppleのアプリの中には個別にダウンロードできるものもあったが、それらを評価することはできなかった。そして蓋を開けてみると、結果的にはあまり評価の良くないものもあった。例えば、メール、News、Podcastのように、星3つ以下でスタートしたものもあった。今回、Appleは、電話アプリ、メッセージ、写真、Safariなど、さらにいくつかの純正アプリをApp Storeで評価・レビューできるようにした。

この変更を最初に見つけて報告したのは、特に詐欺アプリの問題に関してApp Storeの改革を推進してきた著名なデベロッパーのKosta Eleftheriou(コスタ・エレフテリウ)氏だった。

Appfiguresのデータを引用して、エレフテリウ氏は、iOS 15.1で多くのAppleアプリが評価・レビューできるようになったことを指摘している。この中には時計、電話、メッセージ、カメラ、写真、ヘルスケア、Safariなどの標準搭載アプリが含まれている。また、ワークアウト、世界時計、探す、心拍数などのApple Watch対応アプリも含まれている(iOS 14.xのユーザーは、これらのアプリを見ることはできても、評価やレビューはできないとのこと)。


この変更により、Appleは現在のようにiOSのアップデートの際だけでなく、標準アプリを個別にアップデートできるようになるかもしれない。これは、Google(グーグル)がAndroidのコア機能の多くで採用している戦術で、後者はPlay Storeに独自のリストを用意している。

Appfiguresが確認したところ、これらのアプリは、iOSのアップデートとは別に、10月25日に独立したリストとして追加されたようだ。現時点で多くのユーザーはこれらのアプリが加えられたことを知らないため、レビュー件数は少ない。例えば電話アプリには、これまでのところ6件の評価しかない。メッセージアプリにも同様にまだ7件の評価しかないが、星4.7という高い評価を得ている(下図参照)。

グラフはこれまでのグローバルな評価を示す(画像クレジット:Appfigures

奇妙なことに、現在4件の評価を受けているSafariは、ウェブブラウザの年齢レーティングが4才以上となっている。ライバルのブラウザであるChromeやFirefoxの年齢レーティングは17才以上だ。

Appleの標準アプリを評価できることを多くのユーザーが知るようになったとき、これらのアプリがどのような評価を受けるのかは興味深いところだ。願わくば、コンシューマーからのフィードバックを受け入れることで、Appleがユーザーの望む内蔵アプリの変更に意欲的に取り組み、バグが発生した場合には早期にアラートを受けることを期待したい。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

Apple Oneのプレミアプランが11月3日から新たに17カ国で提供開始、ただし日本は含まれず

Apple(アップル)がオールインワンのApple One Premierサブスクリプションを11月3日から新たに17カ国で提供する。オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、アイルランド、イタリア、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦でこのプランを利用できるようになる。


これらの国で提供されるApple One Premierには、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、Apple Fitness+、 2TBのiCloudストレージが含まれる。サービスは最大6人の家族で共有できる。ただし、すでにプランが提供されている米国、カナダ、オーストラリア、英国ではApple News+が含まれているが、新たに対象となる国では現時点でNewsとNews+がまだ提供されていないためApple One Premierに含まれない。今回の拡大によりApple One Premierは合計17カ国で利用できるようになる。

Appleはユーザーのソフトウェアとサービスのニーズをすべて満たすワンステップショップを目指して、Apple One Premierを2020年10月に開始した。Apple Oneの個人プランとファミリープランは、現在100の国と地域で利用できる。

今回のApple One Premierの拡大は、AppleがFitness+のサブスクリプションサービスを11月3日に前述の国で公開することにともなうものだ。

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画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

Apple News、さらに米国の3都市でローカルニュース提供開始

Apple Newsは、ローカルニュースの対象地域をシャーロットとマイアミとワシントンD.C.に広げた。ローカルニュースのこの拡大によってユーザーは「Axios Charlotte」「Charlotte Observer」「Eater Miami」「Miami Herald」「DCist」「Washingtonian」「Washington Post」などのメディアにアクセスできるようになる。


ローカルニュースはApple Newsの編集者たちが整理・選択し、レストランの開店や不動産価格の動向、重要な政策決定など、多様な話題を扱う。

Apple Newsが選択整理されたローカルニュースを最初に立ち上げたのは、2020年のベイエリアとヒューストン、ロサンゼルス、ニューヨークそしてサンフランシスコだった。そして2021年前半には、サクラメントやサンアントニオ、サンディエゴなどが追加された。

Appleによると、今後もローカルニュースの対象都市は増えていく。明らかにこの巨大テクノロジー企業は、FlipboardSmartNewsといったすでに何千もの米国の都市をカバーする他のニューズアグリゲーターとさらに競合していくつもりだ。

関連記事:スマートニュースのローカルニュース機能が米国6000以上の都市で利用可能に

Apple Newsのローカルへの拡張は、AppleがFitness+と同社のApple One Premierのサブスクリプションのバンドルを11月3日にさらに17カ国(オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、マレーシア、メキシコ、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦)に拡張していくタイミングで行われた。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルがSharePlayを利用したFitness+グループワークアウトを開始

Apple(アップル)は、SharePlay(シェアプレイ)を利用したグループワークアウトにより、Fitness+(フィットネスプラス)ユーザーが他の場所にいる人々と一緒にワークアウトや瞑想を行うことができる機能を開始した。この機能は、9月14日に開催されたバーチャルイベントで発表されたものだ。


Fitness+の加入者は、SharePlayを利用し、iPhoneやiPadでFaceTime(フェイスタイム)を使いながら、最大32人の相手とグループワークアウトや瞑想のセッションをすることができる。Fitness+のセッションは、通話中の全員が完全に同期してストリーミングされる。

グループセッションを開始するには、ユーザーはFaceTime通話を開始し、Fitness+アプリにナビゲートする必要がある。そこから、ワークアウトを選択して開始することができる。SharePlayはApple TVとも連携しているので、ユーザーはiPhoneやiPadを使ってFaceTimeで友達とつながりながら、大画面でワークアウトを追うことができる。

関連記事:アップルが瞑想やグループワークアウト機能を「Fitness+」サブスクに追加、15カ国で新たに展開

Appleは、SharePlayを使ってグループでワークアウトを行うと、その人の指標やアクティビティリングを完成させるまでの進捗状況が表示されると述べている。また、ワークアウト中に誰かがアクティビティリングを完成させると、セッションに参加している全員に通知される。

さらに、Fitness+は11月3日より、オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、マレーシア、メキシコ、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦など、新たに15カ国で提供される。Fitness+は英語で提供され、ブラジル・ポルトガル語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、スペイン語の字幕が付く。

このサービスは現在、米国、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリア、英国で提供されているが、今回の拡張により、Fitness+は合計21カ国で利用できるようになる。

また、Appleは、2021年11月1日から、米国の約300万人のUnitedHealthcare(ユナイテッドヘルス)の保険加入者が、プランの特典の一部として、追加費用なしでApple Fitness+の1年間のサブスクリプションに登録できるようになるとしている。

また、Fitness+は、俳優であり障害者支援者でもあるMarilee Talkington(マリーリートーキントン)氏による、音声による没入型ウォーキング体験であるTime to Walkシリーズの新しいエピソードを紹介している。このエピソードでは、期待を裏切ることや、他の人が同じことをするのをどのように助けているかについて語っています。

Appleは、2021年12月14日にFitness+の提供を開始し、以来、Peloton(ペロトン)をはじめとする他のサブスクリプション型フィットネスサービスとの競争に取り組んできた。Fitness+は、月額9.99ドル(約1100円)の独立したサブスクリプション、または月額29.95ドル(約3400円)のApple One Premier(アップルワンプレミア)プランの一部として利用できる。このプランでは、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、Apple News+、そして2TBのストレージを備えたiCloud+へのアクセスが可能だ。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

【レビュー】アップルAirPods(第3世代)、前モデルよりも優れProより大幅に安い第3世代はそれらの中間的な存在

初代AirPodsがBluetoothイヤフォンの常識を覆してから5年経った。発売当初は、その長い茎のようなデザインを嘲笑するような声もあったが、事実上のユビキタスになるまでそれほど時間はかからず、まだ新しかったカテゴリーを牽引する存在となった。このプロダクトは、テクノロジーを理にかなったパッケージに結びつけるフォームファクター、デザイン、ユーザーエクスペリエンスを提供した。

もちろん5年も経てば、特にこの業界では多くのことが変わる。率直にいって、Bluetoothイヤフォンほど早く成熟し、人々の想像力をかき立てるカテゴリーはなかった。主要なハードウェアメーカーにはそれぞれ少なくとも1つの優れた、もしくはすばらしいイヤフォンがあり、その中にはNothingのように現状を打破するという明確な使命を帯びて登場するものもある。

Appleのラインナップも、もちろん変化を繰り返している。2019年の第2世代モデルでは、ハンズフリーで「Hey Siri」を使えるH1チップが追加され、ワイヤレス機能の向上、バッテリーの改善、オプションのワイヤレス充電ケースが追加された。同年、Appleは「AirPods Pro」というかたちで、プレミアムモデルを追加した。本モデルでは、アクティブノイズキャンセリング機能(+外部音取り込みモード)、標準のワイヤレス充電ケース、そしてApple製ヘッドフォン愛好家の長年の要望であるシリコンチップが追加されている。

本稿執筆時点で、現在、AirPodsのイヤフォン(buds)型は3種類、それにオーバーイヤー型のMaxがある。事実上、同社が2019年以降に販売したすべてのモデルが、同社サイトで購入可能になっている。第1世代のバージョンのみが販売終了だ。新たに登場した第3世代モデルは、デザインを一新した他、空間オーディオの追加、防汗・防水機能、付属のMagSafe充電ケース(いずれもProと共通の機能)など、先代モデルを上回る内容となっている。

またバッテリー駆動は、1時間延長され最大6時間の再生が可能になった。179ドル(日本では税込2万3800円)という価格は、Pro(249ドル、税込3万580円)と第2世代(129ドル、税込1万6800円)の中間となるが、後者に近い。Proが少々古くなってきているため、無印のAirPodsがアップデートされて、2製品の境界線がさらに曖昧になったとしても不思議ではない。ステムが短くなり、充電時間が長くなったことで、デザイン言語はProに近いものになっている。

当面の間、主な差別化要因はシリコン製イヤーチップ、アクティブノイズキャンセリング、そしてもちろん価格となる。Proは今でもプレミアム価格で、間違いなく同社最高のイヤフォンであり、プレミアムイヤフォンとしても最高の部類に入る。しかし、ここ1、2年の間に、アクティブノイズキャンセリングのような機能が、さまざまな価格帯でますます一般的になってきている。

AirPods 3は、機能や音質の面においては先代モデルから大きくステップアップしているが、同年に登場したAirPods Proからはステップダウンしているという、ある種の迷走状態にある。やはり、ここで最も説得力があるのはやはり価格だろう。70ドル(日本価格では6780円)は、AirPodsからProに乗り換えるのに微々たる金額ではない。しかし、ここ数年Proを愛用してきた者としては、日常的にAirPodsを使うようになると、明らかにステップダウンしたように感じてしまう。

より輪郭のはっきりした第3世代は、前モデルよりも快適であることは間違いないが、Proとの差はまるで昼夜の差ほどに感じられる。耳の小さい人は特にだろうが、サイズの違う取り外し可能なイヤーチップがあるとうれしい。また、このチップは物理的にパッシブノイズキャンセリングを行い、より多くのオーディオ周波数を効果的に取り込み、周囲のノイズを遮断する。

長年、シリコンチップを支持してきた私は、成型プラスチックを好む人がまだいると聞いて驚いた。しかし、その後、少なくとも1人のTechCrunchのスタッフがこのタイプで、耳に何かを挿入することを好むことを知った。たとえ、ある選択肢が他の選択肢を時代遅れにしているようであっても、企業が選択肢を提供することを私は非難しません。

ニューヨーク最大の行政区の住人として、私は生活の多くを路上の騒音に囲まれて過ごしており、家の中にいても常に工事の音が聞こえてくる。AirPods Proのアクティブ / パッシブノイズキャンセリング機能は、緊急車両のサイレンはもちろん、道路清掃車や地上を走る地下鉄が私の前を通り過ぎるときに、大きな違いをもたらしてくれる。聴いていたポッドキャストが都市生活の不協和音にかき消されてしまうこともあった。しかし、これは状況認識の観点からすると評価できる点でもある。

ワイヤレス充電は、歓迎すべきアップデートだ。ケースには、MagSafeまたは標準的なQi充電器を使うことができる。前者は、手動で接続できるというメリットがある。一方、空間オーディオはとても便利な機能だ。複数の人とFaceTimeで通話する場合、相手のボックスの位置に応じてそれぞれの声の位置が割り当てられる。また、Apple Musicなどのアプリでは、音源(スマホやタブレットなど)の位置に応じて、あたかもスピーカーのように音が調整されるという斬新な効果がある。

新しいAirPodsは、既存の機能にBluetoothビーコン風のレイヤーを追加した新しい「探す」機能にも対応している。これは、従来の機能にBluetoothビーコン風のレイヤーを追加したもので、近距離でも個々のAirPodsを見つけやすくなる。ビープ音に頼りにしなければならなくなった人なら、散らかった部屋の中で探すのは頭が痛いことだと知っているだろう。

このイヤフォンはApple製品と最も相性がいい。これまでのレビューでもお伝えしてきたように、一般的にはスマートフォンと同じメーカーのイヤフォンを買うのがベストだ。iOSでのペアリングは確かに強力だが、AirPodsはAndroidデバイスで使用しても概ね問題なく動作した。

AirPodsとAirPods Proの間の境界線が曖昧になるのを見ると、これらのプロダクトがいずれ1つに統合されるのはほぼ必然のように思える。今のところ、新世代の製品は従来の製品よりも確実にステップアップしており、Proとの70ドルの差があることには注意が必要だ。アクティブノイズキャンセリング機能にこだわらない、あるいはプラスチック製のモデルチップを好むのであれば、簡単に選択できる。もし、完全にプレミアムな体験をしたいのであれば、それもまた簡単な選択だ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【レビュー】Appleの14インチMacBook Pro(2021)、新・旧機能の融合

TechCrunchスタッフのリアクションはすばやく、私の知る限り、全員共通だった。特定の新機能についてこれほど多くの同僚たちが心から興奮したところを見たことがかつてあっただろうか。MagSafeが帰ってきた。iPhoneバージョンではないオリジナル(あちらにも魅力がないわけではないが)。MacBookバージョンだ。2017年にApple(アップル)が、オールUSB-C / ThunderboltのMacBook到来とともにあっさりと見捨てたあのバージョンだ。

これが、新しいプロ向けノートパソコンの長文レビューの始まりとして奇妙であることはよくわかっている。MagSafeが、2021 MacBook Proの最重要ポイントではない。最大の特徴はほぼ間違いなく、新しいチップ「M1 Pro」と「M1 Max」だ。しかし、この独自コネクターは重要な縮図である。ポートに喜び、ポートに悲しみながらこのシリーズにこだわってきた長年の信奉者にとっては魅力的な目玉となる。

新モデルは全部のせノートパソコンではない。実際Appleはそういう製品を出さない。しかし、同社はいくつかの新機能を追加するとともに、多くのユーザーが消えてしまうことを恐れていたに違いないかつての大好物を復活させた。MacBookが進化する過程において、さまざまな機能がやってきてはいなくなった。去る2016年にヘッドフォンジャックが廃されたとき、Appleはそれを「勇気」と呼び不評を買った。あれはAppleが明確に時代の先頭にいた数多くの場面の1つだった。ただし、それは勇気の話だ。ものごとはいつも予定どおりに運ぶわけではない。

画像クレジット:Brian Heater

我々消費者は、変化を要求し、一方でそれについて不満をいう。我々を満足させるのは大変だ。中には、ヘッドフォンジャックやその前のディスクドライブのケースのように、メインストリームの消費者の利用形態が追いつき、多くの人にとってその機能がほとんど惜しまれないこともある。メーカーの勇み足だったこともある。USB-AからUSB-Cへの転換についていえば、あれは明らかに不可避な進化の兆候だった。しかしMagSafeを失ったのは痛かった。

そのコネクターは、幸いにも帰ってきた。改良された形状で。他にSDXCカードスロット(SD 4.0規格、UHS-I、UHS-II SDXCカード対応)、HDMIポート、そして現在のMacラインナップから消えていたファンクションキーの隊列(窮地にたたされたTouch Barを置き換えた)も。USB-Cポートは3つで、13インチモデルの4つから減った。ポートを失いたい人などいないが、HDMIとMagSafeの復活は多くの人が正当なトレードオフだと感じているに違いない。個人の意見だが。

Appleは、同社のパソコン製品ラインナップにとって長年基盤となっているクリエイティブのプロたちを奪還しようと組織的な努力を行った。そして、多くの意味で、新しいProモデルはその最も純粋な意思表示だ。それはパワフルで図体の大きいMacの未来を示唆するマシンであるとともに、過去のヒットをいくつか再現している。

1年経ってみると、2020年の13インチMacBook Proは一種の珍しい存在になるのだろう、2016年のMacBookと同じように。現在も14インチ、16インチモデルの13インチの姉妹として製品ラインナップに残っている。奇妙な位置づけだ。実際のところ13インチMacBookのDNAは、同時に発売されたAirとの共通点の方が多く、たぶんMacBook Pro LiteかMacBook Air+ のようなものだ。当時、2つのモデルに我々が期待したような違いは見られなかったが、2021年のProモデルは「差」をはっきりさせた。

新モデルの中心は、もちろん、Appleの最新シリコンだ。我々は2021年10月の「Unleashed(パワー全開)」イベントで新チップが登場することを予測していたが、Appleは2種類のチップで我々を驚かすことに成功した。M1 ProとM1 Maxだ。いずれもM1(同じ5nmアーキテクチャーで作られている)のパワーアップ版だが、ほとんどのユーザーのほとんどのシナリオでは、2つのチップの違いは取るに足らない。そもそもほとんどのユーザーのほとんどのシナリオでは普通の古いM1が十分仕事をこなす。しかし、Appleのデモがターゲットにしているのはほとんどのユーザーではない。それはクリエイター層という、3Dレンダリング、8Kビデオ編集をはじめとする10年前のノートパソコンでは不可能に近かった作業でシステムを限界まで押し広げる人たちだ。

画像クレジット:Apple

要約すると。

  • M1:160億トランジスタ、8 CPUコア、7/8 GPUコア、メモリ帯域幅68.25 GBps、最大メモリ16 GB
  • M1 Pro:337億トランジスタ、8/10CPUコア、14/16 GPUコア、メモリ帯域幅200 GBps、最大メモリ32GB
  • M1 Max:570億トランジスタ、10CPUコア、24/32 GPUコア、メモリ帯域幅400 GBps、最大メモリ64GB

AppleがProとMaxを発表した後、すぐに湧いた疑問はAppleが2つのチップをどう使い分けるかだった。結局、同社は正しい選択をしたと私は思う。Maxを両方のシステムのアップグレードとして提供した200ドル(日本では2万2000円)で。もちろん金額はすぐにかさむが、Apple.comのショッピングカートにとっては歓迎だ。AppleはM1 Max、10コアCPU、32コアGPU、64GB RAM、2TBストレージという構成のシステムを編集部に送ってくれた。


メモリのオプションは16~64GB(後者はMaxでのみ使用可)、ストレージは512GBから最大8TBまで選択可能。この構成のシステムは4100ドル(日本では税込47万5800円)。ストレージを8TBに増やすと5899ドル(税込67万3800円)になる(ちなみに16インチにすると約68万円を超える)。これはエントリー構成の1999ドル(税込23万9800円)より3900ドル(約43万円以上)高い。



このベンチマークはスペックの違いを裏づけている。GeekBenchのAppleシリコン向けシングルコア・テストは大きな違いを見せておらず、2020年MacBook Proの1711に対して1781だが、マルチコアのスコアは7549から1万2674と飛躍的に向上している。



このGFXBench Metalグラフィックテストでは、新しいGPUがAztecデモで3490フレーム(54.3fps)から7717.5(120fps)へ、オフスクリーン版で4981フレーム(77.4fps)から1万7981(279.6fps)へと急上昇している。前者では一部のNVIDIA GPUより劣っているが、後者では他を圧倒している。中でも特に注目すべきなのは、Appleが高い性能数値をほとんどのライバルより著しく少ない電力消費で実現していることだ。

画像クレジット:Brian Heater

本機が熱を持たないという表現は行き過ぎだ。アルミニウム筐体の底部は快適な温かさになるが、真実はといえば内蔵ファンを働かせるためにはシステムにかなりの負荷をかける必要がある。バッテリー持続時間も長い。1回の充電でApple TV+を17時間29分見ることができた(新作のドキュメンタリー、Velvet Undergroundはいい。なぜわかるかというと「何度も」見たから)。ちなみに復活したMagSafeによる充電は高速で、0から50%まで30分で充電できた(96または140Wの電源アダプター使用)。3つあるUSB-Cポートでも充電が可能(専用プラグを家に忘れた時に重要)だが、速度は落ちる。

MagSafeプラグにはすてきなブレイデッドケーブルが付いてくるが、外見を除けばみんなが知っていてほとんどの人が愛する簡単着脱プラグと驚くほどよく似ている。

新しいMacBookは新しい内部に合わせてデザイン変更もなされている。たとえば16インチモデルは先行機よりも厚く、重くなり、4.3から4.7ポンド(2.1、2.2kg)に、高さ0.64(1.62cm)から0.66インチ(1.68cm)に増えている。14インチは13インチの3ポンド(1.4kg)対して3.5ポンド(1.6kg)だが高さは小さな姉妹と変わらない。

2020年版Airを持ち歩いている1人(時々アパートを離れるとき)として、これは無視できる違いではない。私の大胆な憶測は(少なくとも今のかたちの)13インチMacBookの将来を危ぶんでいるが、薄くて軽いAirがいなくなることは想像できない。

画像クレジット:Brian Heater

14.2インチのディスプレイは大きくて明るい3024×1964画素。13インチの227ppiに対して254ppiだ。2020年の輝度500nitは、持続時1000ニト、ピーク時1600ニトへと上昇した。これはミニLEDアレイと120Hzのリフレッシュレートのおかげだ(ProMotionテクノロジーによって作業に適応する)。支えているテクノロジーは最新のiPad Proや多くのノートパソコンに見られるものと類似している。

MacBook Air 2020(左)、:MacBookPro 2021(右)

このリモートワーク時代にはありがたいことに、FaceTimeカメラがアップデートされ、2021年の新iMacと同じ1080pカメラになった。これは2020年のProとAirに搭載されていた720pカメラからのうれしいアップグレードで、これまでは画像処理技術とM1の性能に頼ってホワイトバランスの改善や画像ノイズを減らしていた。上の画像でわかるように、最新のAirと比べてかなり劇的な向上だ。

画像クレジット:Brian Heater

ベゼル(前面カバー)は前モデルより24%減少した。エッジ・トゥー・エッジまではいかないが、近づきつつある。この変更にともない、おそらく最も賛否を呼ぶ変更が、恐ろしいノッチ(切り欠き)の追加だ。このノッチの活発な評価についてはDevin(デビン・コールドウェイ)の記事を読んで欲しい。私は概してノッチにとらわれない立場で、つまり当然フルスクリーンがベストだが、ノッチが存在する理由も理解している。これは、Appleが4年前のiPhone X発売以来iPhoneで採用し続けているものだ。

関連記事:【コラム】アップルがMacBook Proにノッチを付けてしまった

先のイベントで会社がいうには「これはコンテンツに余分なスペースを与える実にスマートな方法であり、フルスクリーンモードでは16対10のウィンドウが得られ、見た目もすばらしい。これはシームレスです」。慣れるまでに少し時間が必要であることは間違いないと私はいっておく。

他のモバイル機器メーカーには、ピンホールあるいはスクリーン下カメラを採用しているところもある。後者は大部分が失敗で、画質が著しく損われる。Zoom会議の時代のウェブカムには決してあってほしくない事態だ。ノッチの採用は実質的にこれまでベゼルがあった上部にスクリーン財産が追加されたことを意味している。ほとんどの場合、適切な暗い背景や、フルスクリーン動画ならレターボックスの黒いバーが隠せないものではない。

しかし、フルスクリーンモードで、特にメニューシステムに依存の強いアプリにとっては厄介だ。メニューバーは自動的にノッチを回り込む。デベロッパーは何もする必要がなく、メニュー項目が隠されないうようにシステムがメニューバー移動する。これはノッチ対応はもちろんまだでAppleシリコンバージョンをまだ出していないAudacityの場合だ。ちなみにマウスポインターは、実質的にノッチの下を通過して動く。

14インチ画面以上のものが必要になった時(そういうときもあるだろう?)、ProチップはPro Display XDRを2台同時にサポートできる。Maxなら、Pro Display XDRと4K TVを動かせる。復活したHDMIポートは4K60およびHDRビデオに対応している。

画像クレジット:Brian Heater

キーボードはここ何年かMacBookラインナップにとって一種の弱点だった。うれしいことに、2020年同社はようやく実績ある機構に戻した。キーの固着や最終的にキーボード交換プログラムに至った惨劇を受けてのことだ。現在の構成は、ノートパソコンのキーボードではソフトな側に寄っているが、数年前の頑強な過ちより何光年も前進している。

Touch Bar(タッチバー)がそれ自身「頑強な過ち」に当たるかかどうかは視点の問題だが、Appleの予想に達しなかったことはかなりはっきりしている。キーボード上部に超薄型タッチディスプレイを置くことは理論上は興味深いアイデアだったが、定常的に触れ合った人が多くいたとは思えない。これは、好きになりたいけれども、最終的に存続する理由を正当化できずに提案を断念する類いのものだった。つまり、私は、それが消えゆくことを悲しまない1人だ。

画像クレジット:Brian Heater

完全な死を悼むにはまだ早い、なぜなら13インチMacBookにはまだ必死でしがみついていくのだから。しかし、まあ、その入力デバイスの未来は決して明るいとはいえない。代わりに、フルハイトのファンクションキーが戻り、Appleはその復活をすばらしい新機能として位置づけた。会社はこう書いている。

このたび、Magic Keyboardがフルハイトのファンクションキーを初めてMacBook Proにもたらしました。プロの愛するメカニカルキーの感触とともに。

キーには、明るさ、音声入力、音量、Spotlight、Siri、おやすみモード、音楽再生などが割り当てられている。さらに、常にTouch Barの最高の部分であったものを維持している。Touch IDだ。今度は2020年のAirに付いていた小さな突起ではなくフルサイズのキーだ。

画像クレジット:Brian Heater

MagSafeの復活と同じく、Touch Barの放棄は、新しいMacBookが数年来で最高と言われる主要な理由だ。彼らはいくつかの重要な ブレイクスルーを成し遂げてきた過去の世代のテクノロジーと学習に基づき、何よりもユーザーのフィードバックに耳を傾けて開発してきた。それは、うまくいかないものから離れ、うまくいくものを強化することを意味し、とりわけ重要なのは消費者にとって何がベストであるかを自分が知っていると思わないこと、非常に特化したクリエイティブのプロが相手となればなおさらだ。

税込23万9800〜67万3800円という価格は、みんなのためのMacBookという感じではない。ほとんどの消費者にとってはMacBook Airが役割を果たすかそれ以上だろう。しかし、マシンの限界を求めるような使い方をする人には、新しいProはMacBookライン最高の要素の集大成だろう。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルのデスクトップOS「macOS Monterey」公開、リモートワーク向け機能満載

この1年半で、さまざまな業界で大きな変革がもたらされた。ホワイトカラー社員の多くがオフィスからリモートワークへ移行したことで、自宅という環境が何時間ものZoom会議に対応できないことが浮き彫りになった。

2020年にパソコンやタブレットの販売台数が大きく伸びたときも、家電メーカーの対応は鈍かった。開発に着手してからプロダクトが市場に投入されるまでの期間は長いものであり、多くの未発表製品がまだ開発中だ。

米国時間10月25日、互換性のあるシステムに無料アップデートとして提供されたmacOS 12 Montereyは、リモートワークの時代にふさわしい重要な機能を(ある程度)有している。また、MacBook ProやM1搭載iMacなどのApple製ハードウェアがカメラとマイクのセットアップで長く待ち望まれていたアップグレードをようやく実現した中で、この新しいオペレーティングシステムが登場したことは、偶然ではないだろう。

Appleにとってそれは「FaceTime」のことだ。同社は、MicrosoftやGoogleなどと違い、ビデオ会議プラットフォームを持っていないという点で、独自の立ち位置にある。2020年、Appleは最大32名の会議を可能にしてその機能を拡大したが、それでも「FaceTime for Business」ではなくて、あくまでも友だちや家族のための機能だ。

しかし今回、Appleのビデオ通話アプリケーションには、重要なアップグレードが行われた。その筆頭にくるのが「SharePlay」で、残念ながらデスクトップでは今秋の終わりごろにリリースされる予定であり、iOS 15.1でも搭載されている。この機能は、2020年のパンデミック中にストリーミングサービス向けに展開された「共同視聴機能」の事実上のビルトイン版となる。

画像クレジット:画像クレジット:Apple

この機能は、Appleの自社サービスであるAppleTV+とApple Musicをサポートするためにカスタムされており、Disney+、Hulu、HBO Max、NBAアプリ、Twitch、TikTok、MasterClass、Zillow、Paramount+、ESPN+など、いくつかのローンチパートナーと連携する。しかしNetflix、Amazon、Spotifyなど、いくつかの大規模サービスが含まれていないのが気になるところだ。

この機能は、映像と音声を効果的に同期させ、グループ内のユーザーが視聴しているものをリアルタイムで反応できるようにするものだ。スピーカーの音量も調整され、ユーザーが再生 / 一時停止 / 早送りなどをすると再生が同期される。また、この機能をApple TVとセットにも拡張できる。

また、Zoomのような画面共有機能も新たに搭載され、通話中の他の視聴者にウィンドウを提示できる。FaceTimeには「空間オーディオ」も搭載されている。私は最近、最新のAirPodsを試した際にこの機能を試してみた。話者のウィンドウ位置を利用して、音声をその位置に配置するという機能なのだが、気に入った。現状はちょっとしたギミックだが良くできている。

今回追加された機能の中で最も興味深いのは、Appleのエコシステム外でもFaceTime通話に参加できる点だ。機能はまだ限定されているが、ユーザーがリンクを作成すれば、AndroidやWindowsデバイスで、ChromeまたはEdgeブラウザを使いさんかできるようになる。参加にはアカウントは必要ないが、リンクをクリックした後、誰かがそれを承認する必要がある。

画像クレジット:Brian Heater

また、ポートレートモードも新たに搭載された。これは、主要なテレビ会議サービスの「背景をぼかす」機能と同様の機能だ。Appleによると、この機能にはM1に搭載されているニューラルエンジンが使われているという。本機能と空間オーディオは、いずれもM1チップを搭載したシステムでのみ利用できるが、開発者にとっては、新しいチップが可能にする「境界線を曖昧にする力」は、macOSへのiOSの機能が採用が加速していることを感じさせるものだ。モバイルの機能がデスクトップに採用されるまでに、数回のアップデートを待たなければならなかった時代とは大きく違うものだ。

今回もSafariには、モバイル版の再考とともに大きなアップデートがいくつか行われている。デザイン面における最大の変化は、普遍的な検索バーからの決別だ。

新しい「コンパクトタブ」は、スペースを節約するために、タブを小さな独立したウィンドウに移動させる。ユーザーがこのような変更に苦しめられる場合もあるため、賢明にもAppleは設定で有効、無効を切り替えることができる。

「タブグループ」は、例えば「仕事用」や「自宅用」などユーザーがタブを束ねて共有できるようにする。使い方によっては創造性と高めることにもなるし、大量のブックマークを詰め込んでしまうということにもなるだろう。

 

ページ上のテキストをハイライトしたり、右クリックすると「クイックノート」を追加できるようになり、情報を1カ所にまとめることができる。ネットで調べものをすることが多い人にはうれしい機能だ。

iOS 15に搭載されることが発表された「集中モード」は、アクティビティや時間帯に応じて気が散るものを調整することができるというものだ。例えば、瞑想中、読書中、仕事中などに通知を制限することができる。これらの設定は、Appleデバイス間で自動的に同期される。ミュートされた通知はメッセンジャーアプリにも表示されるため、邪魔されたくないタイミングを周囲に知らせることもできる。

AirPlay to Macは、待望の新機能だ。その名のとおり、AirPlay 2を使って音楽や映画などをMacに送ることが可能だ。たとえばiMacを使っているが、スクリーンやスピーカーはもっと良いのがある、という場合に使えるだろう。

また、今回の追加機能の中でも最も期待されている機能1つである「ユニバーサルコントロール」も搭載される。この機能により、iPadOSとMacの間の境界線がさらに曖昧になり、ユーザーは2つのデバイス間でアイテムをドラッグ&ドロップして、よりシームレスなAirDrop体験ができるようになる。また、キーボード、トラックパッド、マウスなど同じ周辺機器で、2つのデバイスを同時に操作することもできる。

もう1つの大きな追加機能は、iOSから移植された最新機能「ショートカット」だ。このアプリは、長年愛用されてきたAutomatorに代わるものだ。将来的にはAutomatorも廃止される予定となっている。現状では「ショートカット」の方がシンプルだが、Automatorのような洗練された機能がないため、AppleはユーザーがAutomatorのシーケンスをショートカットに変換できるようにすることで、その影響をゆるやかにしようとしている。ただし、ユーザーからのフィードバックを募るため、しばらくはAutomatorも存続する。

macOS Montereyは、2015年以降のiMac、2017年以降のiMac Pro、2015年以降のMacBook Air / Pro Early-2015、2013年以降のMac Pro、2014年以降のMac mini、2016年以降のMacBookに対応している。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブック第3四半期は売上未達、今後AR/VRの売上は新設部門に

米国の大手ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるFacebook(フェイスブック)は米国時間10月25日、取引開始後に第3四半期決算を発表した。売上高は290億ドル(約3兆3000億円)、希薄化後の1株当たり利益は3.22ドル(約366円)だった。Yahoo Financeが収集したデータによると、投資家は売上高295億8000万ドル(約3兆3670億円)、1株当たり利益は3.19ドル(約363円)と予想していた。

Facebookの株価は時間外取引で小幅に上昇しているが、これは売上高が予想をわずかに下回ったことに市場がショックを受けていないことを示している。

このサプライズのなさは、Facebookの報告書が、先に発表されたSnap(スナップ)のダイジェストに続いたためかもしれない。Snapは、第4四半期の業績が市場の予想よりもはるかに控えめなものになるとの見通しを示し、収益の伸び悩みの原因としてApple(アップル)とサプライチェーンの問題を挙げた。これを受けて同社の株価は下落した

Facebookは投資家への書簡の中で、売上高315億〜340億ドル(約3兆5850億〜3兆8700億円)と予想する2021年第4四半期のガイダンスを示した。市場予想はFacebookの数字を上回る348億9000万ドル(約3兆9710億円)だ。

Facebookの予想と市場の期待との間のギャップは、今後想定されることからきているようだ。Facebookは第4四半期のガイダンスに関して決算発表に次のように記している。

AppleのiOS 14の変更による継続的な逆風や、マクロ経済および新型コロナ関連の要因を踏まえ、当社の見通しは第4四半期に直面する大きな不確実性を反映しています。また、2020年の年末商戦でQuest 2の販売が好調だったことから、第4四半期の広告以外の収入は前年同期比で減少すると予想しています。

AppleのモバイルOSにおけるプライバシーの取り扱い方法の変更と、それに関連するダウンストリームの影響、および新型コロナウイルス感染症に起因する問題は懸念されていた。

Facebookはまた投資家向けダイジェストで「Facebook Reality Labs(フェイスブック・リアリティ・ラボ、FRL)を独立した部門として分離する」と報告した。「拡張現実や仮想現実の製品やサービスに多大なリソースを費やしてきた」ことを理由に、2つ目の収益カテゴリーを設ける時期が来たと考えているからだ。

次の四半期から、Facebookは2つの部門を持つことになる。1つは「Family of Apps」というくくりで「Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、その他のサービス」からの収益を計上する。一方、FRLには「消費者向けハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ関連の拡張現実および仮想現実 」が含まれる。

2つの部門を持つのは構わない。もしかしたら良いことかもしれない。しかし、なぜソーシャルアプリの決算をもっと細かく分類しないのか、とFacebookに問いたい。そうすれば、株主も理解しやすいだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

アドビが米国の全従業員に12月8日までのコロナワクチン接種を義務付け、未接種の場合は無給休暇

アドビが米国の全従業員に12月8日までのコロナワクチン接種を義務付け、未接種の場合は無給休暇

Morsa Images via Getty Images

Adobeが、12月8日までに新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けるとして、米国の全従業員にメールを送信しました。これは、米国のバイデン大統領による大統領命令に従うためのもの。

バイデン大統領は9月、全ての連邦政府職員と契約職員、請負業者、医療関係者に12月8日までのワクチン接種を義務付けると発表しています。Adobeは米国政府との取引が多く、2021年3月には、50州すべてと提携しAdobe Experience CloudとAdobe Document Cloudでサービスのデジタル化を支援すると発表しています。このこともあり、政府と取引をするならワクチン接種が必須になると判断したようです。

なお、社内アンケートによれば、米国従業員の93.5%がすでにワクチンを接種済みか、接種過程にあるとのことです。ワクチン未接種の場合、無給休暇の扱いになるようですが、宗教的・医学的理由でワクチンを接種できない場合は考慮するとしています。

ワクチン接種の義務付けはAdobeに限ったことではなく、IBMでも同様の措置を発表済み。また、Googleも7月に出社するすべての従業員にワクチン接種を義務付けるとしています。Appleはワクチン接種を義務付けてはいませんが、11月1日以降ワクチン未接種の従業員は毎日の検査報告が義務付けられます

(Source:CNBCEngadget日本版より転載)

アップルがApp Storeガイドライン更新、アプリ開発者がユーザーに他の支払い方法について連絡することを許可

Apple(アップル)は米国時間10月22日、App Store(アップ・ストア)のガイドラインが更新されたことを発表した。これには3つの重要な変更が含まれている。1つは、先に発表された米国のアプリ開発者グループとの和解合意に基づく変更だ。新しいガイドラインでは、アプリ開発者が、アプリ外で利用可能な他の支払い方法をユーザーに提案できるようになったことが明確に認められている。これに関連して別の項目では、アプリはユーザーに名前やメールアドレスなどの顧客情報を要求することができるが、その要求はユーザーにとって任意のものでなければならず、アプリの使用を妨げるべきではないと説明している。

3つ目の変更は法的措置とは関係ないもので、来週導入されるApp Storeの新機能「App内イベント(アプリ内イベント)」を開発者がどのように利用できるかを説明している。

8月にAppleは、米国のアプリ開発者グループが2019年に同社に対して起こした集団訴訟において、和解案に合意したことを発表。この合意にはいくつかの項目が含まれていたが、最も大きいものは、開発者がiOSアプリやApp Store以外で購入する支払い方法について、ユーザーに情報を伝えることができるようになるということだった。当時、Appleは開発者が「電子メールなどのコミュニケーションを利用して、iOSアプリ以外の支払い方法に関する情報を伝えることができる」ことを、ガイドラインの変更によって明確にすると述べていた。

「これまでどおり、アプリケーションやApp Store以外で行われた購入については、デベロッパがAppleに手数料を支払うことはありません」ともAppleは述べていた

今回、その変更案が正式にApp Storeガイドラインに盛り込まれた。

具体的には、Appleはガイドライン3.1.3の条項を削除した。この条項では、開発者はアプリ外で個々のユーザーに対し、Apple独自のアプリ内課金以外の購入方法を利用するために、アプリ内で得た情報を使うことは認められないとしていた。旧ガイドラインには、ユーザーがアプリにサインアップした際に登録されたアドレスにメールを送信することも、上記の行為に含まれると書かれていた。

この条項が廃止されたことによって、開発者はユーザーとこのようなコミュニケーションを取ることも可能になった。

また、Appleは以下のように、ガイドライン5.1.1 (x)に新しいセクションを追加し、開発者がどのようにユーザーの連絡先情報を要求できるかを詳しく説明している。

Appは、ユーザーの基本的な連絡先情報(たとえば名前やメールアドレスなど)の共有がユーザーの任意の選択であり、いかなる機能やサービスの提供もこれらの情報の共有を条件にしておらず、本ガイドラインのその他の規定(子どもからの情報収集に関する制限を含む)にすべて遵守するものである限り、これらの情報をユーザーにリクエストすることができます。

顧客への連絡を禁止する規則、いわゆる「ステマ防止」ガイドラインは、数カ月前から規制当局の監視対象となっている分野だ。世界中の立法府は、Appleが開発者に対し、ユーザーへの働きかけや、マーケティング、決済システムの選択など、ビジネスを運営する方法を制限することで、独占的な行為を働いているのではないかと突き止めようとしている。

すでにAppleは、いくつかの市場でさまざまな和解に至ったことにより、App Storeの規則の調整を余儀なくされていた。

例えば韓国では、AppleとGoogle(グーグル)が各々の決済システムの使用を開発者に要求することを禁止する新しい法律が最近可決された。また、日本では先月「リーダー」アプリをめぐる公正取引委員会との和解が成立し、アプリ内から自社ウェブサイトへリンクを張ることが可能になった。

一方、米国では、Appleは「Fortnite(フォートナイト)」の開発元であるEpic Games(エピック・ゲームズ)と裁判で争っている。この訴訟は現在控訴中だが、判事の当初の判決では、Appleに開発者がアプリ内で自社のウェブサイトを表示できるようにすることを求めており、そこでユーザーはサービス料や定額料金を直接支払うことができ、その過程においてAppleの決済システムを回避することが可能になるというものだった。

しかし、今回のガイドライン変更では、直接アプリに代替決済システムを組み込むことまでは認めていない。

anti-steering(外部への誘導禁止)の変更は、規制当局の圧力が大手テクノロジー企業に導入を促している新ポリシーの分野の1つに過ぎない。

AppleとGoogleは、それぞれの方法で、開発者の収益から自社の取り分を減らすように、手数料体系を見直している。その対象には特に、小規模ビジネスメディアへのアクセスを提供するアプリ報道機関によるアプリなどが含まれる。Googleは今週、これまで初年度は30%、2年目は15%としていたサブスクリプション型アプリの手数料を、初日から15%に引き下げた。また、特定のメディアアプリに対しては手数料を10%に引き下げた。

関連記事:グーグルがPlayストアの一部手数料をさらに引き下げ、サブスクアプリは15%に、メディアアプリは10%に

画像クレジット:Apple

今回発表されたもう1つの新ルールは「App内イベント」と呼ばれる新機能に関するもので、その使用方法についての単なるガイダンスだ。

WWDCで発表されたApp内イベントは、アプリメーカーにとって、ゲーム対戦、新作映画のプレミア上映、ライブストリーミング体験など、アプリ内で行われるイベントをユーザーに紹介するためのより良い方法となる。App内イベントは10月27日のiOS 15.1アップデートから、App Storeに掲載されるようになる予定だ。

関連記事:アップルがApp Storeに製品ページA/Bテストとアプリ内イベントの宣伝を導入

Appleは今回の新ガイドラインで、開発者に対し、App Store Connectでイベントを設定する際には、入力するメタデータが正確で、直接そのイベントに関連していることを確認するようアドバイスしている。イベントは(複数のストアフロントに関わる場合も含めて)、App Store Connect上で選択した日時に開催される必要がある。また、ディープリンクはタップすると直接イベントが起動しなければならないことや、イベントが収益化できることも明記されている。

これら3つのルール更新は、10月22日より有効となっている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Snap第3四半期、iOSのプライバシー変更が広告ビジネスに予想以上の打撃を与えたと発表

Snap(スナップ)は米国時間10月21日の収支報告で、第3四半期の収益予想を達成できなかったと述べた。第3四半期の売上高は10億7000万ドル(約1214億円)で、ウォール街が予想していた11億ドル(約1248億円)には届かなかった。

同社のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は3億600万人で、第2四半期の2億9300万人から増加した。この成長は急激ではないが、少し前までは完全に存在価値が失われる危険性があったプラットフォームとしては、十分に健全なものといえる。

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Snapchat(スナップチャット)は、Apple(アップル)がiOSのプライバシーに関する大きな変更を行ったことで、ユーザーの行動を自社の枠を超えて追跡しようとするアプリに新たな制限が設けられたことが、収益の減少につながったと考えている。SnapのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)CEOは、通話の中で、広告主ツールへの影響がいかに破壊的であるかということに気づかなかったと述べている。多くの広告主は、これまで慣れ親しんできた広い視野を失ったことで、ユーザーの行動を計測するための新しい、より抑制された方法に適応しなければならなかった。「それらのツールからは、基本的に何も見えなくなってしまいました」とシュピーゲル氏は語った。

シュピーゲル氏は、Snapのビジネスの落ち込みは一時的なものであるとし、新しい標準に適応するには「時間を要する」と述べ、Appleの広告変更による長期的な影響はまだわからないとしている。また、Snapの業績不振には、より広範なパンデミックの市場トレンドも影響していると述べている。

ユーザープライバシーに大きな恩恵をもたらすiOSの変更に適応しようとしている広告ビジネスは、Snapだけではない。Facebook(フェイスブック)も、Appleの新しいポリシーにより広告をターゲティングする能力が低下したため、第3四半期に大きな影響が出ることが予想されると警告している。

意外なことではないが、SnapやFacebookなどの広告事業者が依存しているクロスプラットフォームのトラッキングについては、選択肢を提示された場合、ほとんどのユーザーがオプトアウトする。Facebookのリーダーとは異なり、シュピーゲル氏は、モバイルOSにより多くのプライバシー機能を追加するというアップルの決定を、その変更がSnapの収益にどのように影響するかにかかわらず、一貫して支持してきた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがワクチンを接種していない従業員に対し、毎日の新型コロナウイルス検査を義務付け

Apple(アップル)は、Google(グーグル)のように全従業員にワクチン接種を義務付けるような命令はまだ出していないものの、それでも新型コロナウイルスに関する指示は締め付けを増している。Bloombergによると、アップルはワクチンを接種していない社員に対し、自宅ではなくオフィスで仕事をしなければならない場合には、毎回ウイルス検査の義務付けを始める予定だという。9月にBloombergが報じたところによれば、アップルは従業員に、ワクチン接種状況を自主的に共有するよう求めていた。ワクチン接種状況の共有を拒否した人は毎日検査を受けなければならないが、ワクチンを接種した社員は週に1回の迅速検査だけで済む。

しかし、同社の小売店であるApple Storeの従業員は、消費者に接する仕事であるにもかかわらず、毎日の検査は課せられない。ワクチンを接種していないスタッフは、週に2回の検査が義務付けられており、ワクチンを接種したスタッフは、アップルのオフィスワーカーと同様に、週1回の迅速検査を受けるだけで済む。この巨大テクノロジー企業が今後、新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けるようになるかどうかはわからないが、Biden(バイデン)政権は以前、すべての連邦事業請負業者に対し、12月8日までに全従業員へのウイルス接種を義務付けるよう指示している。Bloombergが指摘するように、アップルは米国政府にも製品を販売しているのだ。

現在のところ、アップルは従業員に10月24日までに予防接種の状況を報告し、証明を提示するように指示したと報じられているため、11月1日から新規則を実施する可能性が高い。ワクチンを接種していない従業員は、アップルのオフィスや店舗で家庭用の迅速検査キットを受け取り、自分で検査をして、その結果を社内アプリを通じて報告しなければならない。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したMariella Moonは、Engadgetの編集委員。

画像クレジット:Apple / Apple

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルがデベロッパー向けイベント「Tech Talks 2021」参加登録を受け付け開始、10月25日〜12月17日開催

アップルがデベロッパー向けイベント「Tech Talks 2021」参加登録を受け付け開始、10月25日〜12月17日開催

Apple(アップル)は10月20日、デベロッパー向けイベント「Tech Talks 2021」参加登録の受付を開始した。開催期間は、10月25日〜12月17日(太平洋時間)。

Tech Talks 2021は、100以上のライブオンラインセッションと、1500以上のオフィスアワーが用意されている。ライブセッションでは、WWDCで発表されたテ最新テクノロジーについての学習や質問が可能。オフィスアワーでは、アップルのテクノロジー・デザイン・コーディングなどについて、オンライン形式でエバンジェリストやテクニカルサポートなどと1対1のやり取り(30分間)が行える。

なおセッションへの登録やオフィスアワーの予約には、Apple Developer ProgramまたはApple Developer Enterprise Programのメンバーである必要がある。

安価なApple Music VoiceプランはSiriの改良を進める作戦である可能性が高い

Apple(アップル)は、先に開催したイベントで数多くの興味深い発表を行った。その中で私が特に注目した、かつあまり注目されていないように思えたのが、Apple Musicの新しい料金プランだった。新しい「Voice」プランでは、Apple Musicの全ライブラリを月額5ドル(日本では税込月額480円)という低価格で利用できる。ただし、Siriを使ってアクセスしなければならず、Apple Musicの標準的なビジュアルと入力しやすいアプリ内のユーザーインターフェイスは使用できない。

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Appleは、このプランを開始する理由を明らかにしていないが、iPhoneメーカーとしては、音声アシスタントの学習と改良のために音声データをより多く収集したいため、価格の障壁を低くして、より多くの人にSiriを使ってもらおうとしているのではないかと推測するのが妥当だと思う。

AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、このイベントで「より多くの人が、声だけでApple Musicを楽しめるようになることをうれしく思います」と述べていた。

このApple Music Voiceプランが存在する理由として、他に説得力のあるものが考えられない。特に、Apple Music上の曲目全体を提供するために、Appleはレーベルとのライセンス契約を変えていないため、標準プランよりもはるかに低いマージンでこの新サービスを提供していると思われる。

繰り返しになるが、これは単なる推測だ。ただ、AppleとSpotify(スポティファイ)間の厳しい競争を考えると、スウェーデンの会社がApple Musicを価格で打ち負かすために自社のストリーミングサービスを月額7~8ドル(月額税込980円)で提供できるのであれば、そうするのではないだろうか。そしてAppleは、どうしても膨大なデータを集めたいがために、新しいサブスクリプションプランであえて多少の損失を出しているのではないだろうか。私がこの説をツイートしたとき、同僚のAlex(アレックス)は、ではなぜAppleはサブスクリプションを無料にしないのかと疑問を抱いていた。2兆5000億ドル(約285兆円)規模の企業であるAppleは、技術的にはバランスシート上でそれだけの打撃を飲み込むことができると思うが、Spotifyのような独立した音楽ストリーミング企業からの批判をこれ以上集めたくはないのだろう。同社はすでに、さまざまな分野で反競争的な行為を行っているという批判を受けている。

テクノロジー企業は、AIモデルに膨大な量のデータを与え、サービスの機能を向上させている。Siriが長年にわたってかなり改良されてきたとしても、テック業界で働く多くの人々や大衆の間では、Amazon(アマゾン)のAlexaやGoogle Assistantの方がはるかに優れているというのが一般的な意見だ。

Appleはすでにこのような音声データを、Apple Musicの既存ユーザーから取得していると思われるが、ある友人が言ったように「要は、この機能はもともとあった。ただ、高い有料の壁を設置していただけだ。今回、彼らはその壁を低くしたということ」。新プランでMusicを音声操作のみにしたことで、参入障壁が下がっただけでなく、ユーザーはSiriを使わなくてはいけなくなった。SiriはApple Musicの標準加入者向けの機能だが、ほとんどのユーザーは基本的に、もしくは意図的にアプリのUIを使ってコンテンツにアクセスする可能性が高いと思われる。

音声アシスタントに「音声優先」や「音声のみ」のサービスを求めるとどうなるかわかる例として、AmazonのAlexaを見てみよう。Alexaは、最初から音声でアクセスしなければならなかった。これにより、AmazonはAlexaのアルゴリズムのために大量の学習データを収集することができただけでなく、Alexaを最大限に活用する方法についてユーザーをトレーニングすることもできた。

私の理論が正しいと思うもう1つの理由は、Appleがこの新しいサブスクリプションを最初に提供する予定の国についてだ。オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、英国、米国だ。

インド、スペイン、アイルランド、フランスが第一陣に名を連ねているのは、Appleが世界中のさまざまな言葉を集めようとしていることを意味している。ところで、インドなどの発展途上国や、中国や日本など、テキスト入力が音声に比べて不必要に複雑になることがある市場では、音声検索が非常に人気がある(世界第2位のスマートフォン市場であり、約98%のパイをAndroidが占めているインドで、音声検索が驚くほど大量に採用されたことで、Googleアシスタントの改良や、音声分野での革新に向けたより積極的なアプローチが可能になったと、Googleの幹部が話してくれたことがある)。

Siriは、他の音声アシスタントと比較して、その能力の点でやや遅れをとっていると言われているが、Appleのサービスにおける新しい動きは、顧客に音楽ストリーミングサービスに参加するための割安な方法を提供するためのものでもある一方で、この認識されているギャップを埋めるための試みでもあると捉えられるだろう。

画像クレジット:Heng Qi / Visual China Group / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アップルは新チップでテック業界を湧かせるが、ウォール街はあくびをする

Apple(アップル)がイベントで何かを発表しても、マーケットはほぼ反応しないことについてのおなじみの連載記事に、2021年もようこそ。

いやむしろ、Appleの株価は、同社自身が発表するものよりももっとずっと外部のイベントに対して敏感なようだ。同社による記者たちに愛想がいい長時間の発表の間、株価がNASDAQ総合よりも上がるとしたら、それはレアケースとなる。

そのことは今でも私たちにとってやや驚きだが、Appleのイベントは当日までに情報が十分リークしてしまうため、その日が来る前に新製品発表などは株価に織り込み済みになるのかもしれない。

そんな議論もおそらく必要なのだろうが、マーケットに関しては十分ではない。手は出すけど本格的ではない、なまぬるいというところか。本日のAppleは、PC用チップまで発表したのに、そのすごさは反映されなかった。そう、Appleは新製品M1 Proを詳しく紹介したし、M1 Maxチップだって驚異的だ。たしかに、これらの名前はいかにもベビーブーム世代らしい安っぽさだが、チップそのものは感動的な偉業ではないか。そしてAppleはその新チップを、一連の予想よりも高額なコンピューターに搭載している。

こんな考えもある。ハードウェアはすごい。しかしコンピューターの価格に対して高すぎる?この説は、どうだろう?しかもAppleの株は午後1時から2時までのイベントの間にNASDAQをかなり追っていた。下図のように。

この図における唯一の注目ポイントは、午後1時以降、Appleの最初の下降がNASDAQのもっと大きなテクノロジーコレクションの下降よりも急激であることだ。しかし、その後Appleはさらに急激に回復している。その結果、取引の全時間がまるで仮装だ。Appleも、他のテクノロジー株と同様に前進した。やれやれ。

私がAppleのエンジニアだったら、頭に来ただろう。おい、みんな見てくれ、すごいチップだぞ。長年インテルは、汚物を垂れ流して市場を食い物にしてきた。それができたからね!しかもそれなのに、ウォール街がまったく全然、感動しないなんて。

画像クレジット:Apple

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

【コラム】アップルがMacBook Proにノッチを付けてしまった

Apple(アップル)は次期MacBook Proで、長年疑問視されていたデザインを撤回し、誰からも嫌われていたTouch Barをこっそり廃止するとともに、ユーザーが切望していたポートとMagSafeを復活させた。しかしiPhoneとの奇妙なつながりに固執するあまり、同社はその「世界最良のノートブックのディスプレイ」に大きな醜いノッチを設けている。

虚勢を張っているようにも見えるが、Appleは、同社のデザイン的なイノベーションはあまりにも長い間、ユーザーに評価されていないことを認めざるを得なかった屈辱的な瞬間だっただろう。このMacBook Proを待ち望んでいた人は、そもそもなぜ自分がそうだったのかを忘れてはならない。Appleはおしゃれな宣伝を追求して合理化しよう見当違いをしていたのだ。

関連記事:アップルのMacBook Proがデザイン一新、新M1チップとMagSafeを採用した14・16インチモデル登場

Touch Barは理論的にはおもしろいが、有力なユースケースがないため結局は邪魔になり、多く人があらゆるケースで、デフォルトのキーを求めた。重要な機能を、何も手がかりのないタッチスクリーン上に廃するという点もアクセシビリティにおいて過ちだった。

USB-Cの全面的な採用もやはり、現実性を欠く理想主義の1つだった。それはドングル業界を活気づけただけに終わり、多くの人が長い間で溜まってまったさまざまなデバイスやドライブを持ち歩くために、多数の2インチケーブルを持ち歩いた。

キーボードは、バタフライスイッチの悲惨な失敗を受けて「メカニカルタッチ」に戻った。わずか1mmにこだわってタイピングがしづらくなり、頻繁に壊れるような設計のキーは歓迎されない。

あれやこれやの改良を撤回したり失敗した挙げ句、Appleはそれらをまるで新しいアイデアであるかのように復活させた。コマーシャルはM1 Pro Maxのパワーを謳っているが、断面図で見えるSDカードリーダーの組み立てはとても厚くて、一見の価値はある(皮肉)。

そしてその後、Appleの悪いクセがまた出てしまった。

ノッチをつけた

ノッチは好きじゃないが、そうではない人もいる。しかし、パソコンのようなフルスクリーンのメディアを毎日使う者には、とにかく邪魔だ。穴はもっとひどいが、ノッチならいいとはいえない。新しいiPhoneは以前ほど醜くはないが、あのノッチはSE 2からだから、私にとっては長い。ご冥福を祈るばかりの最初のSEが、また戻ってくるだろう。

何がどうなったのかというと、Appleはディスプレイを上へ広げてベゼルに狭くしたが、そのためにカメラのサイズを十分小さくすることができなかった(Face IDのようなものはない)。まり、ある意味ではスペースを確保したことになる。長年のApple擁護派である私の同僚は、そう自分を納得させている。

しかし、メニューバーのセンター部分で一体何をするのか?Appleは何と言っているのか?それはメディアの中に置かれた郵便受けか?それは16:9や2:1、21:9など、よくあるサイズよりも高い新しいアスペクトレシオか?また、フルスクリーンアプリを使ってるときはノッチのどちらかは黒くなり、せっかく増えたスペースが消える。それを画面スペースにとって純然たるプラスだと同社はいう。

しかし、それにしても醜い。

ほら、見えないでしょう?もちろん、上の4分の1インチすべてが見えない(画像クレジット:Apple)

質問は単純で、ノッチのある画面が欲しいか、ないのが欲しいかだ。答えは常に「ノッチのない方」だろう。ノッチは、スクリーンの基本的な用途、すなわちモノを見ることの邪魔になるからだ。ユーザーが求めるこの大きな矩形の邪魔をするものは、それがどのようなものであり邪魔だから邪魔物だ。スペースをフルに利用できない。画面にノッチがあるとしたら、それは表示物にとって意味のあるノッチか、要らないノッチかのどちらかだ。

気にしない人もいる。何も気にしない人は、幸せ者だ。でも世の中には、テレビのモーションスムージングを常有効にして、どんな番組でもメロドラマのような表示にしてテレビを見る人もいる。同じ部屋に冷たいLEDと温かい白熱電球の両方がある人もいる。本を、背の色で揃えない人もいる。何をいいたいかというと、人はさまざまであり、私のように美に関して神経質な人間が極端な意見をいって構わないのだ。

技術は、できるだけ目立たない方が良い。すべての産業がワイヤレス化と自動化とスマート化を求め、自分たちのプロダクトが空気のように遍在的で見えないことを目指してきた。テニスボールほどの小さな球体(今では5色ある)が、ユーザーのデジタル世界の全体を制御できる。ちっちゃなイヤーバッドが「手品」のように自分で自分を充電し、自動的に接続し、ユーザーの耳の特性に合わせて音量を調節するなどなど。

そういう意味では、ディスプレイは魔法の窓であるべきだ。鮮明なRetinaディスプレイは本当に窓みたいだし、120Hzのリフレッシュレートは遅延やぼけを防ぎ、デジタルとフィジカルの差をなくす。ベゼルが最小になれば、この2つの世界の「境界」も最小化する。つまりディスプレイの進歩はそのすべてが、魔法の窓の実現を目指してきた。だから、ノッチは進歩ではなく退歩だ。そういう単純な事実だ。それは魔法から遠く、リアルから遠く、邪魔物であり、人工的であり、フィジカルに妥協しているデジタルだ。

あなたにとっては、どうでもいいことかもしれないが、これが真実だ。そしてAppleは、可能になればすぐに、このノッチを取り去るだろう。彼らと私たちにわかっていることは、画面はノッチがない方が良いということ。それがわかっているなら、彼らは車輪を再発明したかのように振る舞うだろう。今日彼らが、誰が頼んだわけでもないのに古い機能を復活してそれを今度の新製品の新機能と謳っているように。

画像クレジット:Apple

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル発表イベント「Unleashed(パワー全開)」でアナウンスされた内容まとめ

前回の大きな発表会から数週間しか経っていないが、Apple(アップル)はすでに次のイベントを開催した。

前回のイベントでは、iPhoneとApple Watchが中心だった。今回は?新しいチップ、新しいAirPods、そして新しいMacBook Proが主役だった。

ライブで見られなかった方のために、何が発表されたか要点をまとめてみた。

新しいAirPods

画像クレジット:Apple

ベースレベル(つまりProでない)AirPodsがアップグレードされる。新しい外観、空間オーディオのサポート、音楽や通話をコントロールするProラインの「フォースセンサー」、耐汗耐水性能の向上などだ。Appleによると、バッテリー駆動時間も改善され、1回の充電での駆動時間が5時間から6時間になったとのこと。新たにMagSafeでの充電に対応する。

第3世代のAirPodsは、本日より179ドル(国内税込価格2万3800円)で予約注文が可能、来週から出荷される。

関連記事:アップルが新デザインのAirPods(第3世代)発表、空間オーディオ対応

M1 ProとM1 Max

Appleは、2020年に独自の高速チップ「M1」を発表して人々の度肝を抜いた。今回、同社は「M1 Pro」と「M1 Max」という2つの新しいM1チップを発表し、さらにその性能を高めた。

Apple によれば、M1 ProのCPUはオリジナルのM1に比べて最大70%高速で、GPUスピードは最大2倍、32GBのユニファイドメモリ、200GB/sのメモリ帯域幅を備えている。

一方、M1 Maxでは、ユニファイドメモリが64GBにアップしている。M1 Pro、M1 Maxともに、CPUは最大10コア、GPUはProが最大16コア、Maxが最大32コアをサポートしている。

両プロセッサとも、非常に速くなることは間違いない。

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新しいMacBook Pro

画像クレジット:Apple

この新しいチップを有効に利用するために、Appleは新世代のMacbook Proを発表した。そして、MacBook Proの最近の変更点のうち、反発が多かったものについていくつか、同社にしては珍しく巻き戻す決断をした。

ハイライトは次の通り。

  • サイズは16インチと14インチの2種類
  • MagSafeが復活!Touch Barは廃止!SDカードスロットやHDMIなどのポートを搭載!
  • 120HzのProMotionに対応し、よりスムーズなスクロールを実現
  • このモデルでおそらく最も議論されるであろう点は、カメラ部分のノッチだ。これにより画面を少し大きくすることが可能だが、しかしそれは、ノッチデザインを意味する
  • カメラは1080pにアップグレードされ、Appleは低照度下での2倍のパフォーマンスを約束している
  • オーディオシステム全体が見直され、ツィーターとウーファーがより大きくなり、オーディオの忠実度が向上している。
  • 14インチモデルは1999ドル(税込23万9800円)から、16インチモデルは2499ドル(税込29万9800円)から

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その他の発表

  • SiriにApple Musicでテーマ別のプレイリストを再生させることができるようになった。例えば、リラックスするためのプレイリスト、ディナーパーティー用のプレイリスト、ハイキング用のプレイリストなどだ
  • Appleは、Apple Musicで新しく、月額5ドル(日本では480円)の「ボイスプラン」を提供する。基本的には、従来のインターフェイスを捨ててSiriだけで楽曲をリクエストしたいユーザーのための安価なプランだ
  • HomePod miniに、ダークブルー、オレンジ、イエローの3色の新色が追加された

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画像クレジット:Apple

画像クレジット:Apple

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがSiriでのみ利用できる安価なApple Music Voiceプランを発表、月額480円

Amazon(アマゾン)は2019年に、同社のEchoスピーカーでストリーミングする広告つき無料音楽サービスの提供を開始し、家庭でAmazon Musicをストリーミングするより手頃な方法を導入した。そしてApple(アップル)は米国10月18日「Voiceプラン」というApple Musicサブスクリプションの新しい低価格バージョンをデビューさせてAmazonを追撃する。Amazonのサービスと違って、Voiceプランは無料ではない。従来のものよりも安い月額4.99ドル(日本では月額480円)の広告なしのサブスクで、Siriの音声コマンドでのみApple Musicにアクセスできるようになっている。

本日開催されたイベントで同社が説明したところによると、新しいVoiceプランでは、今秋のサービス開始時にはまず17カ国でSiriを使ってApple Music内の曲やプレイリスト、すべてのステーションを再生できるようになる。気分や活動に応じた一連の新しいプレイリストや、パーソナライズされたミックス、ジャンル別のステーションにもアクセスできる。つまり、例えば、ディナーパーティーのための音楽や、1日の終わりに気持ちを落ち着かせるための音楽をSiriに流してもらえるようになる。何百もの新しいプレイリストが利用できるようになる、とAppleは話した。

SpotifyやAmazon Music、PandoraなどApple Musicのライバルは、すでにこうした機能を何年も前から提供している。なのでこれは、Appleがムードやアクティビティに合わせて選べるさらに豊富になったプレイリストでもってこの分野でのライバルに追いつこうとしていることになる。現在のところ、Apple編集のプレイリストは「Favorites Mix」「Chill Mix」「New Music Mix」「Get Up Mix」などのパーソナライズされたプレイリストを含む「Made for You」のラインナップに限られている。

新しいVoiceプランは「すべてのAppleデバイス」でApple Musicにアクセスするのに使えるとしているが、AmazonがEcho向けに提供している無料の音楽ストリーミングと同様、HomePodを念頭に置いて設計されたことは明らかだ。スマホやタブレット、パソコンなど、画面のあるデバイスを使っている場合、Siriに話しかけて音楽を再生するのは必ずしも理に適うものではない。しかし、主にAirPodsでApple Musicを聴いていて、すべてのコマンドを話すことに抵抗がない人にとっては、このサービスは興味深いものかもしれない。

Appleによると、このサービスはiPhoneをはじめiPad、Mac、Apple TV、Apple Watchなどのデバイスに加え、CarPlayでも利用できるという。

Apple Music加入者は、自分の音楽の好みに基づいた提案や、Siriを通じて最近再生した音楽のキューを表示する、カスタマイズされたアプリインターフェイスを目にする。また「Just Ask Siri」というセクションもあり、そこではSiriをApple Musicに最適化する方法を紹介している。

Apple Musicの他のサブスクには「個人プラン」と「ファミリープラン」があり、それぞれ月額9.99ドル(日本では月額980円)、月額14.99ドル(月額1480円)となっている。新Voiceプランも個人プランと同様に、1つの契約で利用できるのは1人に限定されている。このプランでは、9000万曲を超えるApple Musicの全カタログにアクセスすることができる。

画像クレジット:Apple

Voiceプランはオーストラリア、オーストリア、カナダ、中国本土、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、英国、米国で提供される。

Siriを使って音楽をリクエストしている非加入者にもこのサービスを販促するとAppleはいう。非加入者はVoiceプランを7日間無料で試すことができ、自動更新はない。

新サービスの開始に合わせて、Appleは第3世代の新しいAirPodsと、カラフルなHomePod miniスマートスピーカーのラインナップも発表した。

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画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi