Apple Watchの販売台数は低レベル?!

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アナリストを抱えるCanalysがApple Watchの動向についての推計を発表している。そのレポートによると、Apple WatchがリリースされたQ2期間にて、出荷台数は420万台であったとなっている。

この数字は以前から市場に投入されていたウェアラブル(たとえば、価格もより安いFitbitや他社製のスマートウォッチ)の販売台数を上回るものだ。ただしAppleブランドのデバイスとしては、かなり低い台数にとどまっていると言わざるを得ない。昨年段階では、Apple Watchの初年度販売台数を3000万台以上と予測していたアナリストもいた。

またSlice Intelligenceはデジタルレシートのデータを解析して、Apple Watchは販売日に米国内で100万台がプレオーダーされたという調査を発表してもいた。ただし、それから5月半ばまでの間で、プレオーダーの数が250万台程度に留まり、強い購買行動は見られないというレポートも発表している。

Canalysは、発表がQ4のホリデーシーズンをシーズンの後になったことがスタートダッシュを妨げた面もあるだろうとしている。また初期におけるサプライ側の遅れも販売台数の伸びという側面からは障害と考えているようだ。そして、ウェアラブルを活用するためのアプリケーションの登場が、今後の動向を鍵を握っていると結論づけている。

Apple Watchの動向には、他にも多くのアナリストが注目している。たとえばFortuneはさまざまな予測をまとめた記事を発表している。予測の中で最も少ないのは285万台で、最多が570万台となっている。27の予測の中、平均は400万台となっているようだ。

そのうちのひとつ、Piper JaffrayのGene Munsterは、予測範囲の中で中間程度の値を示している。Q3での売上台数を300万台程度とし、この値についての評価をツイートしてもいる。曰く、不満を感じている投資家もいるようだということと、また、この低ペースはAppleの販売戦略(小売店で扱わない方針、など)にもよるのだろうと推測している。Piper JaffrayによるとApple Watchは徐々に広がり、そして2017年にブレイクするのではないかとのこと。2016年に1400万台、そして2017年には4000万台が売れるのではないかと予測している。

いろいろな意見があるが、ともかくApple Watchのような、新しく登場したばかりのジャンルについては予測が非常に難しいということはわかる。また、Apple Watchの普及は、iPhone以上にアプリケーション次第ということもあるのかもしれない。Apple Watchのアプリケーション環境は、いまのところまだ整い始めたところという段階で、これについては今後に期待せざるを得ない。さらには、Apple Watchは単独で用いるようなデバイスではなく、iPhoneと協調させて利用するようなシーンが想定されてもいる。それもまた販売ペースを下げる要因となっていることだろう。もちろん高めの価格設定が足かせになっている面もあるはずだ。消費者は慣れ親しんだアプリケーションをすべて利用できるiPhoneのためにお金をとっている面もあるはずで、Apple Watchの導入に二の足を踏む人も多い様子だ。アプリケーションが質量ともに充実する前は、まずiPhoneの利用者にむけて、Apple Watchのメリットを積極的に伝えていく必要があるだろう。

なお、全体の売上については本日(米国時間7月21日)中にも業績レポートが公開されるはずだ。ただしApple Watchのセールスに関する詳細なデータが発表されるとは思えない。CEOのTim Cookは昨年秋、競合のこともあり詳細なデータは明らかにしたくないのだと述べている。Apple Watchの販売データは,Pod、Beatsアクセサリー、Apple TVなどを含む「other products」(その他プロダクト)の欄に混入される見込みで、結局ウェアラブル分野がどの程度貢献しているのかの詳細はわかならないままになりそうだ。今後の動向についてアナリストは、まだまだ「推理」を積み重ねることになっていくのだろう。

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(翻訳:Maeda, H

iPhoneの新しい広告キャンペーン、ユニークな機能を強調してAndroidからの乗り換えを誘惑

Appleが先週、新しい広告キャンペーンを開始した。その挑戦的なキャチフレーズは、”if it’s not an iPhone, it’s not an iPhone”(iPhoneでなければiPhoneじゃない)だ。今日(米国時間7/20)は3つ目のコマーシャルがリリースされた。今回のキャンペーンは、iPhoneのユニークな機能(iPhoneにしかない機能)を主に取り上げ、Androidを選んだらそれはないよ、と訴求している。

だから今回ははっきりと、今Androidフォーンを持っていて、そろそろ買い換えたいけど何がいいか迷っている人たちをターゲットにしている。キャッチフレーズの言葉は、ずばり、図太い。スマートフォンはこうでなくっちゃ、と訴えている。マルチタッチを最初に出したのはAppleだが、今ではありふれている。でも、その感覚はまったく違うぞ、とiPhoneの独自性を強調している。

今日出たコマーシャル(上のビデオ)は、App Storeが主役だ。App Storeには“150万以上のアプリがある”、と謳っているが、実はGoogleのPlay Storeにも今は少なくとも143万のアプリがある。メジャーなアプリは、どちらでも入手できる(Facebook、Twitter、Snapchat、Instagram、Gmail、などなど)。

そこでAppleは、App Storeのアプリは、Apple自身が一つ一つ厳選している、と訴える。App Storeへのアプリ提出プロセスのことだ。どのアプリも、人間が品質を検証してから、合格したらApp Storeに出る。Googleもそのやり方に倣おうとしているが、今年の3月以前に提出されたアプリには、手が回らない(量が膨大すぎる)。

下の“ハードウェアとソフトウェア”編は、ハードウェアとソフトウェアの両方を作っている企業だけが、良いスマートフォンを作れる、と主張している。GoogleもNexusではサードパーティのOEMと一緒に仕事をしているが、一般的には、Androidにできることと、個々のスマホ製品にできることとのあいだに、食い違いがある。Appleはここ数年、この主張を何度も何度も繰り返してきた。たとえばWWDC 2014では、iOS 8を紹介したTim Cookが、“製品と、オペレーティングシステムと、そしてユーザが一体であることを、お分かりいただけたと思います”、とスピーチの最後をキメた。

下の楽しいコマーシャルは、いろんなコミュニケーションアプリを見せて、“iPhoneを持ってる人の99%はiPhoneが好きです”、と言っている。Tim Cookが決算報告のとき必ず、過去2年ぶんの顧客満足レポートを使って、Appleが正しいプロダクトを正しいタイミングでリリースしている証拠だ、と主張してきた。実際確かに、iPhone 6は大成功だった。これらの広告はたぶん、2か月後に新しいiPhoneが出る前の、最後の広告だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

デジカメあるいはゲーム機、ないしは「何か魅力的なもの」としての「新」iPod touch

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Appleは、iPod touchがまだまだ魅力的なプロダクトとして存在し得ると考えているようだ。いろいろなアップデートを施して、新たなガジェットとして登場してきた。プロセッサーは新しくなり、またカメラおよびイメージングソフトウェアの性能も向上している。ゲーム用および写真撮影用のデバイスとしての魅力を高めたとも言えそうだ。

新しくなったポイント
iPodは新しくなると新しいカラーが登場することが多いが、今回もやはりカラーバリエーションが増えている。提供されるのはスペースグレイ、ブルー、ゴールド、ピンク、シルバー、および(PRODUCT)REDだ。新しく登場したのはピンク、ブルー、およびゴールドとなる。nanoおよびshuffleにも同じカラーモデルが投入される。ただしiPod nanoおよびshuffleのスペック等はこれまでのものと同じで、価格にも変化はない。

iPod touchに搭載されるプロセッサーは、iPhone 6に搭載されているのも同じA8となる。これまでのA5プロセッサー不満を感じていた人には嬉しいアップグレードだろう。これまでiPod touchのプロセッサーはiPhoneのプロセッサーの前世代のもの(以前は同世代のものが採用されていた)であるのが一般的となっていたので、同世代モデルとなるというのは大きな飛躍であると言えるかもしれない。バッテリー容量の少ないモデルで、A8の効率性を重視した転換であるともいえる。ただしクロックスピードについては明らかになっておらず、限界までの性能が引き出されているのかどうかは不明だ。

また今回のアップグレードは、Appleがタッチデバイスをすべて64ビット化しようとする流れの一環であるととらえることもできよう。非64ビットデバイスとしてはA6を採用しているiPhone 5cが残るのみとなる。利用者の視点からする効率性や動作性能の向上という意味ももちろんあるのだが、AppleとしてもApp Storeに登録されるソフトウェアが、すべてのデバイス上で動作するようになることを目指してもいるわけだ。

さらにA8では、開発者側が直接にグラフィックプロセッサーを活用することのできる「Metal」フレームワークを利用することができる。CPUが最大で6倍高速化したのにあわせ、GPUパフォーマンスを最大10倍にも高めることとなる。

さらにA8プロセッサーに加え、新しいiPod touchにはM8モーション・コプロセッサーも搭載されている。加速度センサーなどから得られる情報の記録をM8が担うことにより、メインプロセッサーを利用する場合にくらべてはるかに省電力となっている。この新iPodでは801.11acもサポートして、Wi-Fiの高速化も行なっている。

トータルで見たバッテリーの持続時間はこれまでのモデルと同等であるらしい。

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多くの利用者が注目したくなるのが、リアカメラの性能アップと、フロントカメラ制御ソフトウェアのアップデートだろう。

新しいリアカメラは8メガピクセルとなっていて、画像処理チップ(Image Processing Chip : ISP)も新しくなっている。ISPがiPhone 6と同じものであるのかどうかはわからない。しかし性能が向上していることは間違いないようだ。新たに採用されたパイプライン処理により、iPhone 6に搭載されているさまざまな機能がiPod touchでも利用可能となっている。リアカメラを使った「バーストモード」も10fpsで実現されている。さらに120fpsでのスローモーション撮影も行える。ビデオモードの手ブレ補正能力も進化しており、顔検出機能も新しくなっている。

前面カメラ側の解像度は変更されていない。しかしピクセルピッチが大きくなり、低照度の自撮り写真も美しく撮れるようになっている。前面カメラもバーストモードに対応し、さらにHDR写真、HDRビデオを撮すことができるようになっている。

iPod touchは16GBモデルが24,800円、32GBモデルが29,800円、そして64GBモデルが36,800円となっている。また新たに128GBモデルも投入され、こちらは48,800円の価格設定だ。16GBモデルと32GBモデルの価格差が少ないことを喜んでいる人も多いことだろう。

これからのiPodとは?

iPhoneが広まるにつれ、iPod touchの売上台数は低下する傾向にある。しかしAppleとしては依然としてこの分野に商機があると考えているわけだ。iPodの売上台数を検討もしないアナリストたちに否を突きつけたともいえそうだ。確かに、いかに売上が減少してしまったとはいえ、2015年Q1における「アクセサリーおよびiPod」カテゴリーでの売上額は26億8000万ドルにのぼっているのだ。

AppleはこれまでもずっとiPod touchの改良をすすめ、新しいiPodの可能性を世に問い続けてもいる。すでに「音楽再生専用機」としては、iPodを捉えてはいないようだ。ゲームおよびカメラとしての機能を前面に打ち出しつつある。こうした進化は確かに時代に応じたものであるように見える。個人的な話ながら、私の娘はiPod touchで、自撮り、ペット、家族写真、車のバックシートからの風景などの写真を撮りまくっている。iPodは昔、メディアプレイヤーとして受け入れられていたが、すでにiPod touchはカメラであると捉えている人も多いのかもしれない。

iPod touchはデジカメへと進化した。

デジカメでありながら、何千種類ものゲームを楽しむこともできる。

そんなわけで、iPod touchの競合がGameboyであると考える人もいるかもしれない。

それだけiPodの可能性が進化したのだと捉えることができよう。ケータイやスマートフォンも音楽プレイヤーとして機能する中、いまさら音楽再生専用機としての魅力を訴えても訴求力は低かろう。iPod touchは、デビュー当時のiPodのイメージを消し去りつつあるのだ。

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(翻訳:Maeda, H

iPhoneのキーボードの最悪の欠陥がiOS 9でやっと修復

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小さなことだけど…。

たとえばキーボードが今大文字になっているか、それとも小文字か、なんてこと。

iOS 9でAppleはやっと、このプラットホームの奇癖の一つを直した。キーボードのキーの表示がつねに大文字、というのをやめたのだ(下図)。

shift

Androidユーザの方や、日頃あんまりこんなことを考えたことのない方は、ぼくが今何を言ってるのか、わかんないだろう。

つまりこれまでのiOSはどのバージョンでも、キーの上面の文字がつねに大文字なのだ。[Shift]キーを押したり、[Caps Lock]をonにしなくても。

物理キーボードなら、[Shift]を押しながら文字入力ができるから、それで十分だ。迷う心配はない。

しかしタッチスクリーンのキーボードでは、[Shift]キーは、押し下げるのではなくタップするから、話が面倒になる。タップしたことを忘れていることがあるし、うっかりタップすることもある。キーボード全体がデフォルトで[Shift]が押されているような状態になることもある。

これまでiOSでは、[Shift]や[Caps Lock]がonであることを、そのキーの色をグレーから白に変えることによって表していた。でも、白とグレー、どっちがonだったっけ?なんて思うこともある。しかもキーの上の文字は大文字のままだ。じゃあ、実際にキーを叩いて試してみよう、という話になる。

それが、やっと終る!

iOS 9はまだベータだが、でもiOSのベータが消費者向けに一般公開されるのは、これが初めてなのだ。

[教えてくれてありがとう、BI。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、iOS 9とOS X El Capitanのベータ版を一般公開

2015-07-10-ios9

先月のWWDCカンファレンスで予告されたとおり、Appleは新しいモバイルOSのiOS 9とデスクトップ版OSのOS X El Capitanのベータ版の一般公開を今日(米国時間7/9)から開始した。

iOS 9のベータにはNewsのような新しいアプリが搭載され、メモも大きく改良された。またApple Mapsには交通機関の乗り換え案内が加わり、Siriの能力向上も図られた。またアプリ内まで検索できるAPIも提供された。その他にも数多くの改良点が発表されている。

一方、El CapitanについてはSafari、Mail、マップ、写真を始めとするアプリが改良され、パフォーマンスも向上した。

「あれ、友達はiOS 9ベータを何週間も前から使っているぞ?」と思った読者もいるかもしれない。

それはいるだろう。しかしその友達が使っていたのは「デベロッパー向けベータ」だ。アプリがOS 9に対応できているかチェックする必要がある開発者向けの製品で、バグだらけだし、まず第一に99ドルを払ってApp Storeでデベロッパー向けアカウントを作らねばならない。今回のベータ版は一般ユーザー向けで、Appleのベータ・プログラム〔日本語対応〕に登録するだけで誰でも無料でインストールできる。

ただし、一つ重要な点は、いくら一般向けであれ、ベータ版はベータ版だという点だ。相当数のバグが残っているはずで、たびたびクラッシュを経験することになるだろう。他のベータ版と同様、新しい機能をいち早く体験できるメリットと自分のバグ耐性をよく秤にかけてみる必要がある。またインストールの前にバックアップを取っておくことも大切だ。公式には安定版にダウングレードする手段は提供されていないが、方法はいろいろある。iOS 9、El Capitanともに製品版はこの秋にリリースの予定だ。

AppleがiOSのベータ版を一般向けに公開するのはこれが初めてではない。今年の3月にはiOS 8.3のベータが公開されている。しかしメジャー・アップデートのベータ版の一般公開はこれが最初だ。

それではiOS 9では何が新しくなっているのか? こちらはわれわれの記事だ。

〔日本版:日本のAppleのiOS 9紹介ページ

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Music、iTunesのアップデートでMacにも到来

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Apple Musicは今日(米国時間6/30)、iOS 8.4アップデートと共にモバイルに到着した後、デスクトップにも新バージョンのiTunes経由でやってきた。サービスの出足は上々のようで、24時間ラジオ局Beats 1で、正式スタートの1時間前に、Zane Loweのマイクテストが流れてしまった等ごくわずかなトラブルがあったたけだ。アップデートは迅速かつ安定して行われ、ストリーミングは開始直後から順調のようだ。

デスクトップユーザーは、同サービスを手にするまでずっと長く待たされた ― 徐々に動き始めたのは3 pm PTで、モバイルの公開から約7時間後のことだった。デスクトップアプリケーションのアップデートには、Beats 1、改訂されたApple Music Radioサービス(オンデマンドステーション付)、およびストリーミング楽曲の全カタログから、トラックを検索、追加する機能も含まれている。

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アプリは、App Storeのアップデートタブからダウンロードできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple MusicとiOS 8.4公開―日本でも無料トライアル受付中

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Appleがついに音楽ストリーミングに参入する日が来た。今日(米国時間6/30)、Apple Musicがスタートした。このサービスはiPhone、iPadの場合、同時に公開されたiOS 8.4にアップデートすると、ビルトインされたMusicアプリから利用できる。個人なら月額9.99ドル、6人までの家族プランなら月額14.99ドルの料金で膨大な楽曲がオンデマンドで楽しめる〔日本ではそれぞれ980円、1480円〕。最初の3ヶ月は無料トライアル期間なので、このサービスが自分の求めているものであるかどうか、ゆっくり試すことができる。

Apple Musicは6月初めに、AppleのWWDCデベロッパー・カンファレンスで発表された。このサービスにはオンデマンドの音楽ストリーミングに加えて、人間の専門家が作成するプレイリスト、Beats 1を含む24時間ライブ放送のインタネットラジオが含まれる。ラジオは世界的に有名なアーティストや人気DJがホストする。さらにユーザーの既存のライブラリとiTunes Matchを通じて同期する。

Apple MusicはSpotify、Rdio、Google Play Musicなどの既存のストリーミングサービスに対して直接のライバルとなる。既存サービスは先着の利の他に、SpotifyやGoogleなどは広告表示による無料サービスの提供という優位性がある。

しかしAppleはテイラー・スウィフトの1989をストリーミングで提供できる。小さなことのように思えるかもしれないが、これはAppleが人気あるインディーのアーティストを惹きつける力があることを証明するものとして象徴的だ。またApple MusicのConnect機能により、アーティストはファンに対してソーシャル・ネットワークのニュースフィードのスタイルでビデオや楽曲を含む独自のコンテンツを提供することができる。ConnectはApple Musicアプリの一部として提供される。

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Beats 1ラジオもユニークなサービスだ。著名アーティストが自らホストを務める24時間放送のインターネット・ラジオは他のどのサービスも提供できないものだ。また専門家によって作成、編集され、常に最新の状態にアップデートされるプレイリストもAppleのサービスにユーザーを惹きつける上で効果があるだろう。

Apple Musicに参加するには、iOSデバイスで「設定」を開き、「一般、ソフトウェア更新」と進む。Apple Musicをサポートするデスクトップ版のiTunesも今日中に公開される。Android版アプリのリリースは今年の後半になるもようだ。読者のデバイスでアップデートが成功しない場合は、くりかえし試みることだ。Appleのメジャー・アップデートは膨大なトラフィックの殺到のため当初、遅延を生じることがある。

〔日本版〕日本のAppleサイトでもApple Musicの無料トライアルを受け付けている。料金は個人980円、家族1480円。RadioとConnectも提供される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Music、日本時間7月1日午前0時よりスタート― iOS 8.4インストールが必要

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Apple Musicは明日スタートする。Apple Musicのシニア・ディレクターでBeatsの元CEO、Ian Rogersが太平洋時間6月30日午前8時〔日本時間7月1日午前0時〕のローンチをブログ記事で公式に確認した。 Rogersの記事およびFacebookイベントによれば、その時点でiOS 8.4が一般公開される。Apple Musicへの参加はiOS 8.4へのアップデートが条件となる。

iOS 8.4へのアップデートはごく簡単なものになるようだ。新OSの普及はApple史上でも新記録となるスピードとなるだろう。今回のアップデートではiOS 8が発表された当時のような空き容量不足による混乱などは起きないはずだ。

Rogersはサービス開始の日時に確信を持っているようだが、これまでもiOSのアップデートでは多数のユーザーが一時に殺到したためサーバーがダウンするなどの遅延を経験している。しかし最近では以前よりメジャー・アップデートもスムーズに実施されるようになった。Appleがクラウド・インフラに巨額の投資を行ってきた成果なおだろう。しかしOTAのOSアップデートによるストリーミング・サービスの提供という困難条件を考えるとApple Musicのスタートには一部で多少の遅れが出る可能性はある。

Apple Musicは3ヶ月の無料トライアル(この期間のアーティストへの支払を巡ってテイラー・スウィフトからの批判に譲歩した)経緯がある。著名アーティストがホストを務めるストリーミング・ラジオのBeats 1も提供される。

〔日本版〕Appleジャパンのサイトでは依然として「MUSIC まもなく登場」とだけ表示されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

おこづかいアプリに中華ブースト、アプリストアのランキングはどこまで信頼できるのか

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「App Storeにランキングがある以上、事業者はその上位を目指す。そしてそのためにはアプリの面白さも大事だが、広告にだってお金をかける。これはi-modeの時代から何も変わっていない」——あるネット広告代理店関係者はそう語る。リワード広告によるブーストみたいなものは「昔からよくある話」なのだと。

アプリストアにあるランキングは、ダウンロード数をはじめとした指標に基づいて作成されている。そのランキングの上位に入るのは、面白くて話題になっているアプリばかりとは限らない。アプリ開発者が広告で露出を増やし、ダウンロードを促したアプリだったりもするわけだ。もちろん広告で知ったアプリが面白くて話題になるというのもよくある話だ。

だがそんな広告手法の中でも、リワード広告を使った「ブースト」と呼ばれる行為について、その是非が問われている。アプリを開発するスタートアップや広告を提供する代理店ならもちろんのこと、アプリストアを利用するユーザーもその実態は知っておいたほうがいいだろう。なぜなら人気だと思ってダウンロードしたアプリは、極端に言えばランキングを「買って」いるかも知れないからだ。そんなアプリストアを取り巻く環境について紹介していこう。

アプリランキングに影響を及ぼす「ブースト」

まずはリワード、ブーストといった言葉について説明する。リワード広告とはユーザーが広告を通じてサービスの会員になったり商品を購入したりすると、その広告収入の一部が還元される広告のこと。この広告の仕組み自体は何も新しいモノではない。「会員になれば○○ポイント」なんて案件が並ぶポイントサイトなどは、読者のみんなもこれまでに見たことがあるのではないだろうか。

そしてブーストというのは、このリワード広告の仕組みを使って、アプリストアのランキングを意図的に急上昇させる行為のを指す。一番多いケースは「おこづかいアプリ」や「懸賞アプリ」(ここからはおこづかいアプリで統一する)と呼ばれるアプリを使って、短時間に特定アプリのダウンロード数を増やすことでアプリのランキングを操作するわけだが、これがアプリストアのランキングに与える影響は決して小さいモノではない。

僕は2013年に、「App Storeランキング騒動の実態–「懸賞アプリ」に対する業界の懸念」という記事で当時のブーストの状況について伝えた。それから2年ほどたった今、過激化するブーストの実態について指摘する報道エントリーが増えている。これらの影響もあってか、昨日今日というタイミングでもアプリストア上からおこづかいアプリが削除されている状態だ。

「おこづかいアプリ」によるブーストはいまだ健在

おこづかいアプリを使ったブーストの方法を詳しく説明すると次の通りだ。ユーザーがおこづかいアプリ上で紹介されるアプリをダウンロードしたり、そのアプリについてアプリストア上でレビューをしたりすると、その引き替えとしてポイントを得られる。ユーザーはこのポイントを貯めることで、Amazonギフト券などを得ることができる。

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おこづかいアプリに並ぶリワード広告

そんなおこづかいアプリ上で「ダウンロードすると○○ポイント提供」なんて紹介されているアプリの枠、それこそがリワード広告なのだ。広告主が広告代理店の提供するリワード広告ネットワークに出稿すると、そのネットワークを利用するおこづかいアプリにその広告が掲載されるのだ。

ポイントを得たいユーザーは当然おこづかいアプリの広告を経由してアプリをダウンロードするので、そのタイミングでダウンロードが集中し、結果としてそのアプリのランキングが上昇することになる。

おこづかいアプリへの広告掲載時間は、実は夕方17〜19時前後に集中している。その理由は何なのか? App Storeでは3時間ごとにランキングが更新されているが、その中でも最もダウンロードが活発になる“ゴールデンタイム”が19時以降だからだ。

Appleはランキングのロジックを公開していないし、ロジック自体も日々変化していると聞くが、「直近数時間で大幅にダウンロード数が増加することがランキング上昇に繋がる」というのはアプリ業界関係者の一致した意見。これを見越して17時にブーストが始まるのだ。

ランキング操作を意図するアプリは「規約違反」

ではこのブースト、つまるところ何が問題なのだろうか。

ユーザー目線で言えばまず、アプリストアのランキングが信用できないものになるということだろう。当たり前だが、アプリストアのランキングは本来「人気のアプリ」が並ぶべき場所だ。そこにCPI(Cost Per Install:1インストールごとの課金)100円程度のいわば“実弾”広告を使ったアプリが入るのだ。ランキングの信頼感は低下しかねないし、極論を言えばアプリビジネスの市場自体にも影響があるという声も聞こえる。

また、ダウンロード数を水増しできるのが問題だと指摘する人もいる。最近ではどんなアプリでも、ダウンロード数よりもアクティブユーザー数が重視される風潮がある。実際取材でもMAUやDAUといった数字を聞くことが多い。だが一方でテレビCMを見れば、「何百万ダウンロード突破」なんてうたっているアプリはまだまだ多い。アクティブユーザーなんかよりもダウンロード数は何より分かりやすい数字だ。ブーストでは、このダウンロード数も急激に増やすことができてしまう。

関係者へのヒアリングや僕が実際におこづかいアプリを見て調査したところ、ゲームアプリを除いては、SNSの「Twitter」、ニュースアプリの「Gunosy」、月額定額制の音楽アプリ「AWA」、ECの「Amazon」などなど、TechCrunchの読者になじみの深いアプリもブーストを行っている、もしくは過去にブーストを行っていたことが分かる。ここで名前を挙げたサービスはあくまで直近に確認できたものの一部で、全体の数は正直把握しきれない。テレビCMなどで「何百万ダウンロード突破」なんてうたっているアプリも少なくないのだ。

また、プラットフォーマーの規約を見れば、そもそもブースト事態が違反行為ではないのかという話もある。Appleの開発者向けの規約には次のような項目がある(もちろんGoogle Playにも同様の規約がある)。

2.25 Apps that display Apps other than your own for purchase or promotion in a manner similar to or confusing with the App Store will be rejected
(App Storeと類似、もしくは紛らわしい表示をして、他のアプリの購入やプロモーションするアプリをリジェクトする)

3.10 Developers who attempt to manipulate or cheat the user reviews or chart ranking in the App Store with fake or paid reviews, or any other inappropriate methods will be removed from the iOS Developer Program
(偽物のレビューや金銭を支払って書いたレビュー、その他不適切な方法でApp Storeのユーザーレビューやランキングを不正に操作しようと試みる開発者はデベロッパープログラムから削除する)

ブーストが「ランキングを操作しようと意図しているもの」だと考えれば、それは明確な規約違反だ。ただし、リワード広告に関わる代理店やお小遣いアプリ開発の関係者としては、「あくまでダウンロード支援の施策であり、ランキングが変動するのはその結果でしかない」という説明をすることが少なくない。言い分としては分かるのだけれど、実際におこづかいアプリがストアから消えつつある今、はたしてその言葉をそのまま受けられるかというと、正直難しい。

Apple Japanは回答せず、一方で米Appleは「不正」と認識

ではアプリストアを提供するプラットフォーマーはブーストの実情をどう考えているのか? 実は先週Apple Japanの広報部に電話で問い合わせたところ、「メールで質問を送るように」と指示されたため、メールで質問を送付している。しかし1週間近く経っても回答がないままだ。僕が確認した限りでは、別の媒体の記者なども同様の状況らしい。

回答のないApple Japanに対して「プラットフォーマーとしておごりがあるのではないか」と考えるべきか、はたまた「米国本社との関係上、日本法人では回答できない歯がゆい状況にあるのではないか」と考えるべきかはさておき、僕はちょっと面白いメールを入手することになった。以下にあるのは、あるアプリ開発者が、米Appleのアプリレビューチームに対して、「あるアプリがブーストを行ってランキングを不正に操作している疑いがある」と指摘した際の回答メールだ。

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概要を訳すと次のとおり。

We take ratings fraud very seriously and investigate each claim. Someone from this team will investigate and follow up as needed. Because we can only share communications about an app with its developer, you will not receive updates about this matter.
(レーティングの不正を非常に深刻にとらえており、調査を行う。ただし我々は開発者とのみアプリに関するコミュニケーションをしているので、今後あなたには更新情報をお知らせしない)

あくまで個別のアプリに対する説明ではあるが、アップルでもブーストについて状況を理解しており、不正だととらえているのだというわけだ。実際これまでもアップルは「広告を閲覧することでアイテムをもらえる」なんて広告も規約で禁止するなどしてきた。プラットフォーマーとその上でサービスを展開する事業者の狙いは異なる。自分たちの管理下で健全にサービスを運営したいプラットフォーマーと、その裏をかいて少しでも自分たちの価値を高めたい事業者たち。その行動は結局いたちごっこになってしまう。

アプリ開発者「ブーストは“危ないモノ”ではない」

これまではユーザーやプラットフォーマーの視点での話をしてきた。では実際にブーストを行うアプリ開発者やリワード広告を取り扱う代理店、お小遣いアプリの開発者はどう考えているのだろうか。

リワード広告を買う側である、あるアプリの開発者はこう語る。「サイバーエージェントやアドウェイズといった上場企業が広告商品として推奨、販売してくる以上は“危ないモノ”ではないと思っている」「結局のところその善悪を判断するのはプラットフォーマー。彼らの横暴さも知っている」「広告を売っている代理店の思いはいろいろあるのだろうが、買っている我々はあくまで提案された商品を買っているだけ。その存在を問うこともない」——結局のところ、ブーストはマーケティングのツールの1つだし、当たり前のように提案される商品だ。そこまで問題視することはなかったという。

前述の開発者が語るとおりで、リワード広告のネットワークを提供しているのはサイバーエージェント傘下のCAリワードやアドウェイズ、VOYAGE GROUP傘下のZucks、ユナイテッドなど上場企業(の子会社含む)も多い。リワード広告によるブーストが完全に禁止となると、その影響範囲は決して小さくないのは分かる。そんな背景もあってか、あるアプリ会社の代表は「リワード広告自体は数えきれないほど多くのアプリが使っている。これをとやかく言うことは、拡大するアプリ産業にマイナスの影響を与えかねない」と語っていた。

リワード広告のネットワークを展開する広告代理店などに話を聞くと、前述のとおり「規約的にはグレーだが、問題はない」という回答が大半だった。冒頭の代理店関係者の発言にもある話なのだが、i-mode全盛期の時代にだってランキングを操作するような広告手法は存在していたと聞く。当時、公式サイト(キャリア、つまりここではNTTドコモが認めたサイトのこと。i-mode公式メニューからアクセスできる)のランキングはMAUをベースにしていたため、勝手サイト(キャリア非公認のサイト。ブラウザで直接URLを叩いてアクセスする必要があった)に公式サイトの隠しタグを仕込み、MAUを水増ししていたなんてこともあったそうだ。

代理店サイドの回答とは異なり、お小遣いアプリ開発者は、前述の規約によってアプリがリジェクトされたり、開発者プログラムからアカウントが削除されたりする可能性があることは認識していたようだ。自社のアカウントでお小遣いアプリを提供している会社などは誠実なほうで、事実上休眠している法人や開発者個人の名義で開発者登録をし、実質的な運営者を隠しているケースも少なくない。ひどい話では、アップル側から再三の警告があったにもかかわらずにそれを無視し、「稼げるうちに稼げ」という姿勢で小遣いアプリを提供して、最後にはアカウントを削除された事業者もいたという。

「中華ブースト」で制裁を受けたスタートアップ

ところで代理店の話を聞いていく中で「中華ブースト」という聞き慣れない言葉を聞くことになった。これは今まで語られてきたブーストとは全く異なるものだ。一体どういうモノなのか。

これまで紹介してきたブーストは、実際にユーザー1人1人が端末にアプリをダウンロードすることで、短時間でアプリの大量ダウンロードを促すというものだった。一方の中華ブーストというのは、中国で日本のApple IDを割り振ったiPhoneを複数台用意し、機械的にアプリの大量ダウンロードを行うのだという。そんなものが本当にあるのだろうか。

ある代理店関係者が「過去の話」として語った仕組みはこうだ。数年前の中国では、複数台のiPhoneをPCと接続し、機械的にIPアドレスを変更して、当該アプリを何度もダウンロードするという手法があったのだそう。こういったことを行う事業者はネットワーク化され、アプリストアのランキングを大きく動かすことができたという。「中国では『CPI○○円』というような売り方でなく、『1週間ランキング1位キープで○○円』といった大胆な価格設定が行われていた。つまりそれを実現できるような(ブーストの)仕組みがあった」(関係者)のだそうだ。

だがさすがにこれはAppleの知るところとなり、対策がなされた。しかし手を変え品を変え、安価なリソースと機械的な仕組みを組み合わせたブースト手法が編み出されているという。

この中華ブーストの仕組みを日本に持ち込んで販売する広告代理店が存在する。実はこのブースト、金額面でも安価に効果があると一部では話題なのだそう。通常国内でゲームアプリなどをブーストする場合、CPIは80〜100円程度が一般的。だがこの代理店の提供する中華ブーストは、CPI50円程度と通常の約半額で実施できるのだという(これとは別に国内でもCPI十数円の非ゲーム専門ブーストがあるようだ。ここでは割愛する)。

だがこの代理店の仕組みが、機械的なものであれば「規約上グレー」なんてレベルの話ではない。僕は複数人から名前の挙がったその代理店に問い合わせたが、金額については「実際に国内の一般的な価格の半額程度」と回答を得たものの、その手法については聞くことができなかった。

しかしこの中華ブースト、プラットフォーマーからすればたまったもんじゃないし、危険な手法だ。実際、数カ月前にさかのぼるが、このサービスを利用したスタートアップにある事件が起きている。

前述の代理店経由でブーストを行っていたあるスタートアップのアプリが、ある日突然App Storeのランキングから除外されたのだ。アプリ名を直接検索すればそのアプリは出てくるのに、ランキングには一切表示されないのである。アプリ解析サービスに「App Annie」でもそのランキングを探ってみたが、数カ月の間、ランキングの数字自体がつかない状態になっていた。

その原因は何か? この事件を知っていた関係者は一様に「中華ブーストだ」と答える。その手法に気付いたアップルが制裁を行っていたのだと。そのスタートアップの“中の人”も「プラットフォーマーとの関係を考えて利用をやめた。(ブーストは)もう懲りている」として利用を認めた。代理店側はその因果関係については明言せず、「プラットフォームの上でのビジネスなので、(ブーストには)ある程度のリスクはある」とだけ語った。同社への今も問い合わせは、今も増えているのだそうだ。

「規約上グレー」な手法がアプリビジネスの価値を生み続けるのか

取材を通して分かったのは、アプリ開発者や代理店からすれば、規約を唐突に変更するプラットフォーマーだって褒められたモノではないということだ。こんな状況にコメント1つ出さないAppleの対応にも疑問が残る。だがそういったプラットフォーマーの行動の裏には、正攻法から中華ブーストのような危険な手法までを駆使して、ランキングの上位を取ろうとするプレーヤーの活動があるのも事実。プラットフォームでビジネスをする以上、守らなくてはならないルールはある。でもそういった両者の関係について、それこそ普段ランキングを見て、アプリをダウンロードしている読者にも知って欲しいと思っっている。

ただブーストを肯定する人たちにはちょっと考えて欲しい。「規約上グレーだ」なんて言っていたが、今プラットフォーマーが規制を強めている商品を売り続けることが本当にアプリビジネスの価値を生み続けるのだろうか?

今回話を聞いた代理店関係者のうち数人は、「本音を言えば、リワードによるブーストはそう長く続くビジネスではない」といったことを語っていた。ある人物は「PCとアプリを連動させるターゲティング広告を企画している代理店もいる。リワード広告の『次』をすでに探している会社も少なくない」なんて具体的な話もしていた。アプリ広告のビジネスにはまだまだ先があるんじゃないだろうか。

リワードにブースト、これが今日明日ですべてなくなるなんて思わないが、そろそろ別の方向に目を向けたほうがいい時期が来ているんじゃないだろうか。App Storeで「このアプリはなんでこんなに急に上位表示されるのか?」なんてランキングを疑ってかかるのはそろそろやめにしたい。

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Blake Patterson

Apple Storeから静かに姿を消したオリジナルのiPad mini

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販売中の中で唯一Retina非・対応だったオリジナルのiPad miniの販売が停止となった模様だ。9to5Macの記事にあるように、ひっそりとAppleのオンラインストアから姿を消してしまったようだ。1日前のiPad販売コーナーと見比べてみると(下の写真参照)、第一世代iPad miniが製品リストから姿を消しているのだ。iPad mini 2、iPad AirおよびiPad Air 2は相変わらずリストに掲載されていて購入可能となっている。

姿を消したのはやや唐突ではあったものの、iPad miniが姿を消すのは当然のことであるとも思う。リリースは2012年で、解像度は初代iPadと同じ1024×768だった。Appleにとってははじめての7.9インチモデルで、初代iPadと同じピクセル数であったことから解像度的には向上してはいたものの、昨今のRetinaモデルとはずいぶん差のあるスペックとなっていた。

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搭載されていたプロセッサーもA5で、世代的にみてもいささか古臭いものとなっていた。326ppiのRetinaディスプレイを搭載したiPad mini 2のエントリーモデルと比較すると、価格差は50ドルしかなかったが、多くの購入者は当然にiPad mini 2を選択するようにもなっていた。

Apple.comのサイトには「Certified Refurbished」というコーナーがあり、そこではまだiPad miniが扱われている。Apple以外の小売ショップではまだ在庫にもっているところもある。しかしいずれにしても、オリジナルiPad miniの時代は終わったということになる。もちろんすでに利用している人がただちにiPadを楽しめなくなるというわけではない。Appleも、この秋にリリースされる新機能を搭載したiOS 9にも対応しているとアナウンスしている。

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(翻訳:Maeda, H

次のApple Watchは、FaceTimeビデオが使えるらしい

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Apple Watchはまだ非常に若く、2ヵ月前に公式デビューしたばかりだが、最新報道によると、次期バージョンのApple Watchは内蔵カメラを使ったFaceTimeビデオが可能になるほか、WatchがiPhoneから離れていても利用できる機能が増えるかもしれない。

Appleの将来予測に関して定評のある9to5MacのMark Gurmanは、同社の製品計画によると次世代Apple Watchの前面パネルにはカメラモジュールが埋め込まれると言う。さらにAppleは、WatchがペアリングしたPhoneから離れている時でも利用できる機能を増やし、例えばiMessage等の基本的コミュニケーションを可能にするだろうと彼は言う。Wi-Fiホットスポットの三角測量技術を使って、紛失したり盗難にあった時に「Watchを探す」こともできるようになる。

Apple Watchのバッテリー寿命は次世代でもほぼ変わらず、夜間の充電が必要になるとされている。近い将来これが不要になる可能性は小さい ― Appleは上に挙げたような新機能の追加や、watchOS 2で可能になるサードパーティー製ネイティブアプリ等のサポートを優先し、バッテリー寿命を2日以上に延ばす努力はその後になりそうだ。消費者の期待は落ち着いてきており、それを維持することで誰も失望させずにより多くのことを実現できるだろう。

もう一つ興味深い情報が書かれていた。Appleは、約1000ドルの “Watch” 最上位モデルと、1万ドルから始まるEditionモデルの中間価格帯の顧客を狙ったモデルの投入を検討しているらしい。そうなればApple Watchは同社にとって最もバリエーションの多い製品ラインとなるが、製造や部品供給に大きな変更を伴うことなく機会が得られるなら、Appleにとって追究する意味がある。

もちろんこの次世代Apple Watchは、Appleのデザイン過程において大幅に変更される可能性があり、2016年まで発売されることはないだろうが、初期モデルがまだまだ新しいことを考えれば当然だ。

本誌はAppleに連絡を取っており、何か情報が入り次第続報する予定だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleのiPadマルチタスク化は、iPad Proや次世代機種のヒント

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Appleはデベロッパーに対して、ユーザーインターフェースを特定のデバイスや画面の方向で考えるのをやめ、様々なビュータイプで考えるよう推奨しはじめた。これは、iOS 9で導入されるiPadでアプリを並べて使えるマルチタスキングモードで動作するインターフェース構築を踏まえたものだ。

この変更は、Appleが開発ツールやフレームワークの変更によって将来製品の情報を「漏らす」やり方の典型例であり、今年発売されると噂される大画面iPad Pro、あるいは他の未発表デバイスへの地盤固めでもある。

Appleの従来の開発ツールは、アプリ制作者に対してUIの方向、ポートレートかランドスケープかを考えるよう推奨していた。新たな考え方は、画面幅を「コンパクト」および「レギュラー」に分け、コンパクトは従来のiPhoneポートレート画面を、レギュラーはiPhone 6 PlusやiPadのランドスケープモード(複数カラムを同時に表示することが多い)を想像すればよい。

しかし新たな方式は、特定のデバイスに結び付けるのではなく、iPadの横並び[side-by-side]ビュー、例えば1つアプリが画面の狭い部分を占める「1/3重なりモード」や、画面を半分ずつ使う「スプリットビュー」を可能にする。新たなパラダイムでは、特定のデバイスや画面の方向ではなく、ユーザーがマルチタスキングモードの画面で、アプリのどのビューを選択するかが重要になる。

これが大きな意味を持つのは、Appleが昨年iPhone 6と6 Plusを発表した際にデベロッパーにアダプティブ・ユーザーインターフェースを推奨したのと同様、今回Appleは将来画面分割可能なiOSデバイスがもっと出てくることを伝えようとしているからだ。

現在真の画面分割、マルチタスキングに対応するのはiPad Air 2だけだ(他機種は第2のアプリを覗き見するだけで操作はできない)。しかし将来のiPadがこれをサポートすることは間違いなく、CPUが強化されたiPad miniもその可能性は高い。噂のiPad Proも、業務や生産性アプリに焦点を当てていることから、このタイプのインターフェースを採用する本命だ。

私は、Appleが長期的には全iOSデバイスに広く適用する考えであるとも考えている ― 例えば6 Plusは既にランドスケープモードでiPadと似た振舞いをしており、画面分割をサポートする可能性はある。

私が話した何人かのデベロッパーは、パラダイムの変更は少々とっつきにくいが、iPadアプリをiOS 9のマルチタスキングに対応させることは実際さほど難しくはないと言っていた。しかも今回Appleは明確に言っている ― そうすることは、将来出てくるかもしれない未発表ハードウェアプラットフォームに対応する上で長期的な利益を生む、と。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleはこうやって、まだ存在しないデバイスの体験をデザインする

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Appleは、新製品に関する情報を必要最少限しか公開しないことで有名だが、それはハードウェアが完全な形になるまでそこで動くソフトウェアを作らないという意味ではない。また、ハードウェアやソフトウェアが孤立して別々に作られているわけでもない。ではどうやって、物理的デバイスの情報や触れる機会が限られる中で、製品アイデアを考えたりプロトタイピングを行うのだろうか?大まかな流れはこんな感じだ。

原則として、Appleは初期段階のプロトタイピングについて、最少限の時間とリソースで実行すべきであり、物理的あるいはソフトウェアのプロトタイプが極めて限られた環境でも可能であると考えている。そのアプローチでは、デバイスやアプリのできるだけ多くの側面を模倣することによって、プロジェクトに実際のリソースを割当てる前に、どうすれば最良のものを作れるかを学びとる。

例えば、まだ存在すらしていないApple Watchのためにアプリを作るなら、まず一連の静止画と、Keynote等のアプリで基本的アニメーションを使って作った仮の対話システムからスタートし、プログラミングはまだ一切関わらない。次に、ターゲットとなるハードウェアのラフなモデルと組み合わる。存在しないウォッチの場合、それはiPhone上でシミュレートされた時計サイズの四角形かもしれない。

この初期段階で鍵となるのは、たとえアプリの構造やプログラミング、およびそれが動くハードウェアの大部分が偽物であっても、それを使った体験はできる限りリアルにすることだ ― そのために、デバイスが使われるであろう環境でそれを使い、実際にそれを使うことになる人たちの助けを借りる。現実世界の環境にできるだけ近づけることで、製品デザインに影響を与えるハードウェアとソフトウェアに必要な変更について、一切の物理的プロトタイプも1行のコードも作ることなく、学習することができる。

ここでプロセスに入ってくるのが再帰性だ。今行っていることは、既にソフトウェアとハードウェア両方のデザインに影響を与えているが、いずれも実際にはまだ存在していない。この方法でアプローチすることによってプロセスの費用は抑えられ、さらに重要なことに、柔軟性が著しく増すためにプロセスのどの段階でも、打ち切ったり劇的な変更を加えたりすることが容易になる。念入りにかつ専門的に模倣された対話システムを使うことによって、本物のプログラミングや制作よりも敏速に動くことができる。

社内でも、社外のサードパーティーデベロッパーにとっても、新製品が発売される時点で、Appleが高品質なソフトウェア体験を準備万端整えておくことは決定的に重要であるが、こうしたプラットフォームのために開発している人たち全員に、最終製品を使うぜいたくが許されているわけではない。

サイクルは3つの要素からなり、一巡しては新たに繰り返される。まず偽のアプリまたは製品を作り、それを本物のユーザーでテストしてフィードバックを集め、そのフィードバックを次のバージョンに反映させる。しかし決め手となるのは、大がかりなコーディングや機能的ハードウェアやネットワーク機器の製作は、プロセスを進める上で実際に必要になるまで行わないことだ。ハードウェアはソフトウェアによるシミュレーションが可能であり、手動プロセスを隠して自動化されたふりをするなどの創造的回避策によって、正式なプログラミングレイヤーの開発を置き換えることができる。

Appleの強味であり、ライバルと一線を画しているのは、ソフトウェアとハードウェアの体験を密に組み合わせる能力だ。特に印象的なのが、目かくし状態を含むプロセスの中でどうそれを実現しているかであり、それはiOS、Mac、そして今やwatchOSを含めたプラットフォームで動作し、それを補完するアプリやガジェットからなる成長するエコシステムを支えるデベロッパーたちにとって、特に重要な意味を持つだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、ようやく女性軽視にピリオド。iOS 9のHealthKitに月経追跡機能を追加

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Appleはようやくヘルスアプリケーションの著しい見落としを認め、女性にとっての利便性を改善した。 iOS 9のヘルスアプリは女性の性と生殖に関する健康状態の追跡をサポートする。そう、やっとAppleが月経追跡をiPhoneの内蔵機能にしたのだ。昨日サンフランシスコで行われたWWDCイベントで、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当SVP、Craig Federighiは、AppleのHealthKitプラットフォームのアップデートの一環としてこの件に簡単に触れた。HealthKitは、UV暴露、水分摂取、およびユーザーの定住状態に関するデータも保存できるようになる。

Appleが、総合健康管理アプリに含まれることを人口の約半分が期待するであろう機能を見過ごしていたことは、さほど驚くにはあたらない。

現在Appleで従業員に占める女性の割合はわずか30%であり、エンジニアリング職のうち女性はわずか20%だ。そしてAppleは、その多様性の欠如を補う取り組み(WWDC 2015スカラシップ拡大による女性エンジニアの増加、あるいはWWDC 2015のステージに女性幹部を登用長年にわたりキーノートスピーカーは男性だった ― さらには問題の多い従業員比率はすべて会社自身の責任であることを認めた)を進めているが、ヘルスアプリの問題は、社内の不均衡がイノベーションやテクノロジーの発展に直接影響を与え得ることを示す典型例だ。

ヘルスアプリの発表以来、同社は女性の健康問題を無視していることを広く世間から批判されてきた。The Atlanticが指摘するように、女性は何千年も前から周期を記録し続け、月経と受胎の相関を早くから理解していた。

つまり月経周期記録は、定量的自己追跡の最も古い事例の一つなのだ。

FusionのKashmir Hill記者が怒りをぶちまける:「『健康の全体像を把握する』ことを約束しているアプリが、女性の健康にとって最も重要な要素をどうして無視できるのか?」。

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現在AppleのApp Storeは、このシンプルだが極めて重要な追跡機能を提供するアプリが数多くある。女性が妊娠(あるいは避妊)することを手助けするためのアプリとして、BellabeatGlowがある他、単に生理日が近いことを知らせるアプリもあり、良くできたものもそうでないものもある。

しかし、受胎は月経追跡が有用である唯一の理由ではない。女性なら誰でも知る通り、生理不順は他の健康状態、例えばストレス、体調不良、ホルモンバランス等に影響を及ぼし、周期のタイミングはダイエット、旅行、運動、服薬、授乳その他の変化の影響を受ける。

女性の周期は、総合健康アプリにとって理想的なデータであると言っても過言ではない。

それなのにAppleは、銅摂取やセレン摂取といった比較的ニッチな追跡オプションを、月経周期のように基本的なデータ以前にサポートしてきた。

Appleは、iOS 9のHealthKitに含まれる「性と生殖に関する健康」追跡機能について詳しく語らなかったが、デベロッパー向けサイトにいくつか追加情報がある。

ここにリストされている新しいHealthKit定数には、月経追跡関連のデータがいくつか見られる。頸管粘液(増加は生殖能力の高まりを表し、ユーザーは色と濃度データを入力できる)や出血量(軽、中、重)も追跡できる他、家庭用排卵検査の結果も入力できる。

全体的に見て、AppleのiOS 9ヘルスアプリが、月経周期を主として妊娠に関連付けていることは明らかだ。それが周期追跡の重要な理由であることは間違いないが、それだけではない ― 女性がこのデータを身近に置く必要がある健康関連の理由が数多くあることは上に述べた通りだ。

それでもこれはAppleにとって正しい方向への一歩だ ― そしていつかSiriが十分賢くなって、そろそろタンポンを買う時期だと知らせてくれるようになるかもしれない。無理な願いではないと思うのだが、どうだろうか?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple WWDC 2015キーノートのまとめ

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昨日(米国時間9/8)のAppleのWWDCの2時間に及ぶキーノートではたくさんの重要な発表があった。上にこれを90秒のビデオにまとめてみた。下に個々の記事へのリンクも張っておいたので参考にしていただきたい。〔日本版:最後のConnectの記事以外、すべて翻訳ずみ〕

キーノートの冒頭でAppleはMac OS X 10.11 El Capitanを発表した。 昨年のYosemiteのようにビジュアルが一新されるものではなかったが、ジェスチャー操作のサポート強化、ウィンドウの整列、Spotlightの自然言語検索などの新機能が盛り込まれた。 MacとiOSに新しいMetal APIが採用され、デベロッパーは同一のハードウェアでグラフィックスのパフォーマンスの大幅な改善が可能になった。ゲーマーには朗報だ。デベロッパー向けベータ版は即日公開された。

iOS 9では新しいパーソナル・アシスタント、Proactiveが紹介された。これはGoogle Nowによく似ており、ユーザーの本日の予定などを教えてくれる。Google Nowと異なるのは、クラウドではなく、デバイス内に存在する情報をベースにして処理することだ。プライバシーに敏感なユーザーにアピールする点だろう。

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iPadでは、本格的なマルチタスクがサポートされた。ユーザーは画面を左右に分割して2つのアプリを同時に作動させることができるようになった。このスプリットビュー・モードをサポートするのは最新のiPad Air 2のみだが、既存のiPadの大部分にも2つのアプリを簡単に往復できるスライドオーバーと呼ばれる簡易版が導入された。またカーソルを自由に動かせる新しいソフト・キーボードも発表された。

Apple Watchについても発表があり、新しいネーティブ・アプリのSDKが公開された。デベロッパーはこのSDKを使って、ペアとなるiPhone上ではなく、Watchそのものの上で作動するアプリが開発できる。デベロッパーはビデオ再生、心拍モニター、マイク、デジタル竜頭、振動インターフェイスを管理するTaptic Engineなどの機能にアクセスが可能になった。これによりApple Watchがローンチされた当初のもののよりずっと複雑、高機能のアプリが続々登場することになるだろう。

Appleはキーノートの締めくくりにAppleミュージックをお披露目した。SpotifyやRdioのライバルとなる音楽ストリーミング・サービスは個人が月額9.99ドル、家族が月額14.99ドルで、ユーザーはAppleの膨大な楽曲が聞き放題となる。加えてBeats1インターネット・ラジオ 、新しい音楽ソーシャル・ツールのApple Connectが利用できる。Apple Musicは6月30日にサービスがスタートする。当面はiOS、Mac、Windowsがサポートされるが、この秋にはAndroid版が出るという。〔ミュージックはApple Japanのサイトでもサービスのスタートが予告されている。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WWDC:iTunes App Storeの登録アプリケーション数は150万超でダウンロード回数は1000億

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今年のWorldwide Developers Conferenceでは、App Storeについての報告の順序がいつもとは違って後回しとなっていた。ただし内容はいつもと同じで、いろいろと細かな数値を報告してくれた。まず登録アプリケーションの数は150万本となったとのこと。これはGoogle Playの登録アプリケーション数を上回る数となっている。ダウンロード数は1000億を超え、開発者たちの収入もこれまでの累計で300億ドルを超えることとなったようだ。

「開発者のみなさんの努力に感謝したい」とCEOのTim Cookは話していた。

ただし、成長の速度という面で見るとやや鈍化の兆しもあるようだ。Andreessen HorowitzのパートナーであるBenedict Evansのツイートによれば、開発者のこの12ヶ月間での収入は100億ドルで、これは昨年と同じレベルであるとのこと。

もちろんAppleにとって主要な収益源はハードウェアであり、App Storeからの収益に依存しているというわけではない。ただしアプリケーションやその他のサービスの充実は、消費者や開発会社などからの注目を得るために欠かせないものだ。そうした面での充実があってこそ、ハードウェアプロダクトも売れていくわけだ。巨大な存在となったApp Storeの成長へのテコ入れとしての役割も考えつつ、NEWSや新しい音楽サービスなどの投入を行なっているわけだ。

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アプリケーションのダウンロード頻度は毎秒850本のペースとなり、1人のユーザーは平均して119本のアプリケーションをインストールしているのだとのこと。こうした状況もふまえて、ディープリンクの実装なども行うようになっているわけだ。

過去のデータとも比較しておこう。2014年WWDCでは、登録アプリケーション数は120万で、ダウンロード数が750億だった。2013年のWWDCではアプリケーション数が90万でダウンロード数が500億だった。なお、ある調査によればGoogle Playに現在登録されているアプリケーションは143万本だとのこと。Google自身の公式発表では「100万本以上となっている。

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(翻訳:Maeda, H

WWDC:Apple、Beats1グローバル・ラジオを発表―日本でも近日スタート

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今日(米国時間6/8)、WWDCでBeats Electronicsの共同ファウンダーで現在はAppleに所属するJimmy Iovineは、世界初の24時間年中無休のグローバル・ライブ・ラジオがAppleミュージック内に開局されることを発表した。

「(Nine Inch Nailsの)Trent Reznorが『いい考えがある。世界で最初の24時間年中無休のライブ・ラジオ局を作らないか?』と 電話をかけてきた」とIovineはステージで述べた。

「Reznorが独特のしゃがれ声で説明したところによると、『アルゴリズムではなくて本物の人間が選んだ曲がアメリカの三大都市から放送されるんだ。それぞれの局を1人のマスター・ディスクジョッキーが仕切る』というアイディアだった。そこで私は『どうしてアーティストってのはいつも実現が不可能に近いクレージーなアイディアばかり思いつくんだ』と不平を言った。しかすすぐに『いや待て、こういうクレージーなアイディアを実現するためにわれわれはAppleに加わったんじゃないか!』と気づいた」とIovineは発端を語った。

このグローバル・ラジオはロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークから全世界100地域に向けてインターネットを通じて放送を行う。

ロサンゼルス局の音楽マスターはZane Loweで、Ebro Dardenがニューヨーク局から、Julie Adenugaがロンドンから放送する。番組にはアーティストの独占インタビューやゲスト出演が含まれる。

AppleはiTunes RadioもIovineの下でリニューアルする。IovineはBeatsが30億ドルでAppleに買収された後、その音楽部門の指揮を取っている。

有名DJによるラジオ番組の放送はAppleの1年がかりで準備された新しい音楽サービスの柱の一つをなすものとなる。Spotify、Pandora、Rdioなど既存のサービスには強力なライバルの出現だ。

Apple musicは6月30日スタートで、個人は月9.99ドル、家族パスは月14.99ドルだ。

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〔日本版〕Apple Japanサイトには新しいMusicを予告するページがすでに作られている。その中でBeats 1 Radioも詳しく紹介されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WWDC:Apple、Proactive Assistantを発表、Google Nowに対抗

Appleは今日(米国時間6/8)、噂されていたGoogle Now対抗でSiriの改訂版、’Proactive’ を発表した。Proactive Assistantは、Google Nowのようにユーザーがその時やりたいことを推論するツールだ ― ただし、プライバシーに焦点を当てている。

数年来、Googleはユーザーから集めたデータを元に、例えば空港へ出発すべき時間を先回りしてユーザーに伝えることができている(交通状況を知り、Gmailで届いた飛行機のチケットを見ているため)。Appleはこうしたユーザーに関するデータの宝庫を持っていないため、Nowの有効な競合サービスを提供できていない。新サービスは、Nowの一部の機能は提供するものの、本当のライバルになるために必要なデータをAppleが持っていないことは明らかだ。

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AppleのCraig Federighiが今日話したところによると、Appleはこうした情報を追加する上で、ユーザーのプライバシーを守りたいと考えていることを強調した。データはすべて匿名で、ユーザーのApple IDとリンクしたり、サードパーティーと共有したりしないとAppleは言う。「われわれはユーザーのプライバシーを侵害しない方法でこれを行う…実際われわれはプライバシーを知りたくない。すべてはデバイス上で実行される」とFederighiは言い、明らかにGoogleを批判した。

新機能はiOSの一番左の画面 ― iOS 7のデザイン変更前にSpotlightがいた場所 ― に置かれ、Spotlight検索からも利用できる。

Proactiveは2013年に買収したCueをベースに作られた可能性が高く、これでAppleも空港へ出発する時間を告げられるようになったが、こちらはカレンダーのイベントやPassbookに保存された塔乗券に基づいて推論を行う。またユーザーは他の位置情報がタグ付けされたカレンダー項目に基づいて、同様の出発時間の通知を受けるかもしれない。

Proacive Assistantは、ユーザーの使用頻度に基づいてよく使うアプリも提示する。例えば、朝起きたらすぐFacebookを見る人には、iOSは画面にFacebookアイコンを表示する。

同サービスは、夕食時間に位置情報に応じてレストランのお薦めも表示することができる。最新ニュースのハイライトも可能で、その通知には元のアプリへのディープリンクが埋め込まれる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 9はディープリンク機能のある検索APIを提供…ほかのアプリのコンテンツも検索

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Appleはこのところ検索の改良に努めているが、今日(米国時間6/8)はモバイルで大きな発表があった。AppleがiOS 9で導入する検索APIでは、デベロッパが自分のアプリの外部をインデクシングしてリンクできるため、ネイティブの検索から外部のコンテンツを発見できる。つまりこれからは、アプリやWeb上のコンテンツだけでなく、ユーザのデバイス上のアプリにあるものなら何でも、Appleの検索機能Spotlightで検索できるようになる。

それだけではなく、これからは、その日もっともよく使うコンタクトやアプリも検索できるようになる。アプリ内検索の結果における、それらの項目の優先順はまだ不明だが、やはり、いちばん最近アップデートされたコンテンツなどより、ユーザがよく使うアプリが優先されるのだろう。

アプリ内からのこのような検索を支える技術はディープリンクと呼ばれ、すでにQuixeyやDeepLink、Branch、Buttonなどが、アプリとそれらの中のコンテンツをリンクするサービスを提供している。それは、従来の検索が、Web上のコンテンツをインデクシングするのと同じような技術だ。

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今日のWWDCのデモでは、検索ウィンドウから”potatoes”を検索すると、Yummlyというサードパーティアプリのレシピが拾われた。

アプリ内からほかのアプリへリンクする、このディープリンクという技術はAppleだけのものではなく、5月にはGoogleが、ユーザが自機の上にインストールしていないアプリから検索結果を拾ってみせた。その機能はすぐに、iOS上のGoogle検索アプリにも実装された。それは、2年前から開発が始まっていた技術だ。

Googleのねらいは、ユーザがまだインストールしていないアプリにも関心を持ち、いずれそれらをインストールしてくれることだ。Googleの場合、そういうアプリを対象とする検索は通常のGoogle検索と、スマートフォン上のネイティブ検索アプリからできる。Appleの場合は、ディープリンクがiOS本体の機能になる。

この前Appleが発表したApp Extensions機能は、アプリ同士がデータやToday画面上のウィジェットなどを共有したり、Photosアプリ内の写真フィルタを使ったり、カスタムキーボードを使ったりするための拡張APIだった。

今回、検索でもアプリ間の相互通信がサポートされたことは、Appleのユーザにとって便利であるだけでなく、AndroidからiOSへの移行を阻害していた要素を取り除くことにもなる。また将来について極論すれば、今まで知らなかったアプリを検索を通じて知る機会が得られ、検索が未知のアプリを評価するための重要な手段になるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

WWDC:Apple、Mac OS X 10.11 El Capitan を発表

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サンフランシスコで行われたWorldwide Developer Conferenceで、AppleはデスクトップOSの最新バージョンを発表した。

Apple上級副社長のCraig Federighiは壇上でアップデートを披露し、Spotlight、OS標準塔載アプリ、およびウィンドウ管理機能のアップグレードに焦点を当てた。

FederighiはまずMailアプリのジェスチャーをいくつかデモし、Mailboxスタイルのスワイプで削除あるいは未読にする様子を見せた。次に、Safariでは、ブラウザー内でタブをピン止めできる機能を紹介した。UIの左端に専用スロットが割り当てられ、ブラウザーを再オープンした時に自動的にロードされる。

さらに目につく機能として、Federighiはアップデートされて自然言語処理が加わったSpotlightがを披露した。例えば“Show me all mail from Phil that I’ve ignored”[Philから来たけれども無視したメールを全部表示]を検索すると、システムが文章を解析し、Mac上の適切なアプリでコンテンツを表示する。

El Capitanには、Windowsユーザーには見慣れてたウィンドウズ管理機能もいくつか追加された。例えば、ウィンドウをデスクトップの一辺にドラッグすると、その辺いっぱいに拡大され、手動でリサイズする手間を省ける。

Federighiは、iOSデバイスの高速グラフィック性能を可能にするMetal APIが、OS Xに追加されることを発表した聴衆を驚かせた。Appleはこれがデスクトップのレンダリング性能を10倍改善されると主張しており、ステージにEpic Gamesを呼び、低レベルグラフィックプログラミングの利点をデモした。

Appleによると、いくつかの主要ゲーム会社がOS X上のMetalをサポートしており、2K Games、Blizzard、Unreal、およびUnityがそれぞれのレンダリングエンジンにAPIを統合している。

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Mac OS X 10.11は、昨年iOS 7および8のルックスをデスクトップに持ち込み、”Handoff”や”Confinuity”等の機能でiPhoneおよびiPadと密接な連携を行った ‘Yosemite’ リリースに続くものだ。

El Capitanのデベロッパーベータは今日公開され、一般ユーザーも7月の公開ベータ版で試す機会を得られる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook