Androidの2013年の世界のスマートフォンの市場シェアは79%-成長率は62%で過去最低

Strategy Analyticsは先ほど2013年のスマートフォンのOS別シェアを発表し、「本年はAndroidの年だった」と評した。同社は昨日(米国時間1/25)メーカー別のモバイル・デバイスのレポートを発表している。

Strategy Analyticsによれば、2013年の世界のスマートフォンのOS別シェアでGoogleのAndroidプラットフォームは79%を占めたという。世界全体でのスマートフォンの販売台数は9億9000万台でそのうち7億8120万台がAndroidだった。これは新記録だという。

なお、別のアナリスト、IDCも昨日、独自にスマートフォンの市場シェアを発表している。これによると2013年の販売台数は10億台を突破したとしている(どちらが正しいか判断できないが、1000万台の差は大きい)。

Androidの販売台数は新記録だったが、成長率は一時ほどではなくなっていることがデータからはっきりした。レポートは2013年のAndroidの成長率は62%で、これは過去最低だったと述べている。また2014年の成長率はさらに低下すると予測している。

「われわれは2014年には市場の飽和によってAndroidの成長率はさらに低下するものと予想する。Androidの成長が鈍化すれば MicrosoftとFirefoxも本格的に攻勢をかけてくるはずだ」とStrategy Analyticsの幹部、Neil Mawstonはコメントしている。

Androidプラットフォームの拡大の減速は現在Googleが低価格Androidデバイスの機能強化に力を注いでいる理由を説明するかもしれない。GoogleがMotorolaのMoto Gシリーズのように低価格でありながら高機能な端末を投入したのは、同じ価格帯のライバル、Windows Phoneの撃退を図っているのだろう。

またGoogleがAndroidを自動車その他の新分野に幅広い応用していくことに力を入れているのも市場の飽和への対策だろう。モノのインターネットのNest、ロボットのBoston Dynamics、人工知能のDeepMindなどを矢継ぎ早に買収したのもその現れだ。

しかしスマートフォン市場に関する限り、Androidはライバルに抜きん出たリーダーだ。2013年にAppleのiOSデバイスは1億5340万台が販売され、市場シェアは16%だった。これは2012年の19%から大きく落ち込んでいる(ただしスマートフォン市場は全体として拡大しているのでシェアが落ちてもAppleは実売台数では依然として成長している)。

MicrosoftのWindows Phoneは3位をしっかり確保した。このプラットフォームは3570万台が販売され4%の市場シェアとなった。このうち3000万台がNokia Lumiaシリーズで、MicrosoftがNokiaのモバイル事業部を買収した理由を明確に示している。Windows Phoneビジネスは事実上Nokiaのモバイル・ビジネスと同じものだった。

;しかしWindows Phoneは低価機と高級機ではまだ勢いを得るまでに至っていない。Strategy Analyticsの上級アナリスト、Linda Suiは「この点を改善することが2014年のMicrosoftの課題となるだろう」とコメントしている。

BlackBerry OS、Firefox OSその他のプラットフォームはすべて合計してシェアは2%、販売台数は1980万台だった。 これはWindowsPhoneの4%とくらべてさほどかけ離れてはいない。2014年にもMicrosoftが銅メダルを家に持ち帰るためには新CEOの努力が求められることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chrome AppsをAndroid/iOSネイティブアプリに容易に変換できるツールチェインをGoogleが提供

Googleの、オフラインのChrome Appsが、AndroidとiOSにも住処(すみか)を見つけることになる。Googleは今日(米国時間1/28)、HTMLとCSSとJavaScriptを使ってネイティブアプリを作るためのツールチェインの、デベロッパプレビューをローンチした。その主軸となるツールは、Webアプリケーションをネイティブアプリに変換するApacheのCordovaプラットホームだ。

これらのツールを利用するとデベロッパは既存のChrome Appsをネイティブのシェルでラップし、それをGoogle PlayやAppleのApp Storeに提出できる。

Googleは、そういうアプリのための多様なChrome APIを提供しており、その中にはOAuth2を使ってユーザを認証する方法、メッセージをプッシュする、ストレージ、アラーム、などなどの機能がある。Androidでは、ツールチェインが支払い決済やリッチな通知もサポートしている。また、Cordova本体から利用できる豊富なAPIもあり、その中には人気の高いいろんなモバイルプラットホーム用の多様なサービスがある。

Googleによれば、このツールチェインによって、Webデベロッパに仕事をやりやすいワークフローが与えられる。すなわち、“Chrome Appsのリーチをモバイルプラットホームのユーザにまで広げる”ことが、わりと簡単にできるようになる。

まず、どのプラットホームのデベロッパも、Node.jsの0.10.0以上と、そのほかの必要な開発ツールをインストールする必要がある。後者の開発ツールは、開発プラットホームや対象プラットホームによって異なる部分もある。

すべてのChrome Appsは、かなり前からデスクトップでは使えるようになっていた(Macは12月に対応)。でもぼくの知るかぎり、ぜひどうしてもこいつをデスクトップに載せたい!と思うほどの画期的なChrome Appsはまだない。でも、モバイルに容易にポートできることが分かった今日からは、本腰を入れてChrome Appsを書くデベロッパが増えるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、LEGOと提携―Chromeブラウザ内でレゴブロックを自由自在に組み立てられる

大企業同士のタイアップは珍しくない。それでもやっぱりこれはクールだ。GoogleはLEGOと提携してChromeブラウザの中でLEGOで遊べるアプリをリリースした。WebGLその他の最新ウェブ・テクノロジーを駆使してこのアプリを2012年に開発したのはGoogleオースラリアのチームだった。当初は社内での実験だったが、このほどGoogleは一般公開に踏み切った。

Googleのことだからソーシャル面を受け持つのはGoogle+だ。ユーザーは他のユーザーが公開しているレゴブロックの作品を見ることができるし、自分の作品を公開することもできる。Googleによればこのアプリは完成作品に独自の分類法を適用しており、ユーザーは関心のある特定のタイプの作品をフィルタすることができる。

ただしLEGO Mindstormsのようなことはできない。現在利用できるレゴブロックの種類は基本的なものに限られている。それでもレゴのファンなら大いに楽しめるはずだ。作品が完成したら世界地図の上に公開することができる。〔レゴの東京タワーが本物の東京タワーの場所に公開されている〕。

このアプリはChrineのウェブ版とAndroid版の双方で作動する。試してみたところではFirefoxでも作動するようだ。しかしIE 11ではレゴを配置することができなかった。.

試してみたい場合はこちらから。Googleマップでみんなが作った作品を見ることもできる

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GoogleがDeepMindを買ったのは人間の心を持つコンピュータを作るため

Googleは、かつてチェスの天才少年と呼ばれたイギリスのDemis Hassabisが創業したDeepMindの買収に、少なくとも5億ドルを投じたらしい。この、すでに多くの高名な投資家たちが支援している人工知能企業には、コンピュータが人間のプレイヤーとまったく同じようにビデオゲームをプレイするデモがある。Facebookも同社を買おうとしたらしいが、でも、それはなぜだろう?

コンピューティングが知能を持てば持つほど、より意味のあるデータの収集と分析が可能だ。これまでのコンピュータでも情報を集めたり、それらを互いに比較して、誰の目にも明らかと思えるような結論を導くことはできた。でも、データの中にもっと深い意味を見つけるためには人間のアナリストが必要で、毎日殺到する大量無差別な消費者情報の選り分けや解読は、今はまだ人間にしかできない。

しかしGoogleなどの企業は今すでに、AIと機械学習を利用してなるべく良いデータを効率的に集めることができる。Googleは今、その技術の延長として、物のインターネットをコンパニオン(人間的アシスタント)のインターネットに変えようとしている。Googleが注力しているのは、人間の生活の多くの部分をコンピュータが支えるようになることだ。車を運転手不要にし、荷物の配達のような機械的な仕事はヒューマノイド(人型ロボット)にやらせる。ただし、このような、生活の細部へのコンピュータの浸透は、良質なインタフェイスが実現のための最重要な鍵だ。

Googleはすでに、人間のニーズを先読みして身の回りの世話をする技術の開発に取り組んでいる。たとえばGoogle NowはユーザのGmailの情報や検索履歴を解析して、そのユーザが次に何を求めるかを予測し、必要な情報を前もって提供する。Nowは、そんなデータが溜まれば溜まるほど賢くなるが、まだまだ改良の余地は大きい。人間のニーズを先読みするのは、その人のことをよく知っている人間がいちばん得意だから、Googleとしてはコンピュータをそんな人の脳に近づけなければならない。

Googleの未来戦略には、ハードウェアへの関与も含まれている。今月の初めには、超大型の買収として、Nest Labsを32億ドルで買った。Nestの電脳温度計も、大量の機械学習アルゴリズムを動員して人間ユーザのスケジュールやニーズを先読みするが、DeepMindの技術は、そういうソフトウェアの技術基盤をより強力に、そして、深くする。より一般的には、物のインターネットは人間が介在すればより良質になり使いやすくなるのが当然だから、それを、人間ではなく人間に近いコンピュータで代替していくのが、Googleが考えている未来の戦略だ。

DeepMindもビデオゲームをプレイするコンピュータ以上のものをまだ見せてはいないが、しかしGoogleが同社から買ったのは、個別機能ではなく総合機能としての人工知能技術だ。Googleもこれまでに、さまざまなロボット関連の技術に投資しているが、人間の脳には個々の機能を必要に応じて適宜組み合わせる総合力がある。そしてGoogleがDeepMindに期待したのは、このような、総合化能力のあるAI、言い換えると、まるで人間のようなコンピュータだ。個々の、思わず感心してしまうような技術革新(イノベーション)と、人間の日常生活の中のさまざまな情報ニーズや用件ニーズとのあいだには、現状では大きな落差がある。DeepMindの技術は、その落差を填めるものとして期待されている。それを一言で言えば、テクノロジの人間化だ。未来のテクノロジは、非人間的で機械的な技術、人間が持つ細かい意味の差異やニュアンスを理解できない技術、という汚名を返上するものでなければならない。これまでの画一的で大刻みなAI技術では、自動運転車は非人間的どころか、往々にして反人間的に振る舞ったりもするだろう。自動運転カーを売りたいGoogleとしては、それでは困る。

噂ではGoogleは、DeepMindのAI技術を利用する際の社内規則を確立するために、倫理委員会を作ったと言われる。将来のGoogleでSkyNetのようなものが作られてしまうとは、Google自身も思っていないだろうが、コンピュータが人間に近くなれば当然、モラルの領域に入り込む。コンピュータがユーザである人間について知っていてもよいことは何々か。また、人間に近いコンピュータを使う人間の責任範囲はどこまでか。とくにこの二つが難問になるだろう。

Googleという企業をどう見るかによって、DeepMindの買収は心配であったり、エキサイティングであったりする。その両方、という人もいるだろう。AIや機械学習には元々、そんな二面性がある。でも、最近になってGoogleが次々と打ち出した未来志向の大きな戦略の中では、これがいちばん、ぼくらミーハーにとって魅惑的と言えるんじゃないか。子どものころ読みふけった人気SF小説の世界にいちばん近いし、また、それがもたらすかもしれないものの数々は、どれも、そそられるものばかりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、モノのインターネットの戦略的要衝を次々に占領中

昨年12月にロボット関連のスタートアップ7社を一気に買収する以前は、Googleのモノのインターネット戦略は箱を開けたばかりのジグソーパズル同様、まったく全容が見えないものだった。

しかしBoston DynamicsNest、そしてDeepMindの買収が発表された現在、Googleの狙いが人工知能とロボットを利用したリアルライフのインターネット化にあることが明らかになった。その影響は交通システム、製造業一般から消費者の日常生活のあらゆる側面にまで及ぶ可能性がある。

Googleのリアルライフ・インターネット戦略は、ウェブ検索やオンライン広告など枠組みをはるかに超えたものだ。Googleは来るべきモノのインターネット時代において、自らをハードウェア製造ではゼネラル・エレクトリック、人工知能分野ではIBMをしのぐ存在にしようとしているように見える。

ともかく現在Googleはハード、ソフトを問わず分析テクノロジーであれ人工知能であれロボットであれこの線に沿う会社を次々に飲み込みつつある。Boxのファウンダー、CEOのAaronLevieは

とジョークを飛ばしている。

Googleのこれまでの活動の歴史を振り返れば、Googleが伝統的なコンピューティングの枠をはるかに超えた領域を狙っていることはスマート・ホーム・デバイスのNestを買収したことでも推測がつく。2014年にも買収攻勢は続くだろう。

昨年のクリスマス以降、Googleは Boston Dynamicsなどロボット企業7社、モノのインターネットのNest、AIのDeepMindの買収に40億ドルを費やし、 Androidの父、Andy Rubinをロボット事業のトップに任命した。

しかしGoogleはIBMとGEでさえなし得えていないことをどうやって達成しようと考えているのだろう?

IBMは人工知能のWatsonプロジェクトに10億ドルをかけてきた。IBMはこのプロジェクトが今後数年で100億ドルの売上をもたらすと期待している。Facebookもまた人工知能チームを立ち上げ、The Informationの情報源によれば、ユーザーの感情を理解するアルゴリズムを開発中だという。情報源によればFacebookはDeepMindの買収競争に参加しており、4億5000万ドルを提示したという

老舗のGEも産業用機器のインターネット化に全力を挙げている。Googleの戦略と似ているが、GEの対象は産業設備であるところが違っている。

現在IBMは全面的に(あるいは頑固なまでに)AI戦略をWatsonに頼っている。Watsonが人気クイズ番組ジョパディで人間のチャンピオンを打ち破って華々しくデビューしてから3年間、IBM はWatsonのテクノロジーをヘルスケアやテレコム企業に売り込もうと努力してきた。しかしWall Street Journalの先月の記事によると、IBMは予期した成果を挙げられていないようだ。GEも同様に収益化に苦闘しているらしい。

一方、Andy Rubinは、New York Timesのインタビューで、Googleが作りたいものとして「雨が降り始めると自動的に動き出す車のワイパー」という例を挙げた。一見あまりにもささいな応用のように思えるが、GoogleがAIの実用化にあたって地に足の着いたレベルで素早いスタートを切っていることをうかがわせる。ことにGoogleには世界でも稀なユーザーデータの巨大な集積がある。これにはユーザーの行動の分析と予測に関して競争相手を大きく引き離す優位点となるだろう。

またGoogleの持つ世界最大級のサーバー・ネットワークがAI処理のために役立つのはもちろんだが、Google Xが研究している Loonプロジェクト (成層圏上層に多数の気球を飛ばして僻地にインターネットアクセスを提供する)が各種のロボットをインターネットにつなぐくとになるかもしれない。

モノのインターネットの到来はわれわれが考えていたより急速かもしれない。

映画「her/世界でひとつの彼女」の画像はIMDB, Warner Brosから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


検索エンジンの世界国別市場 2014年最新版

検索エンジンといえばGoogleのみが注目される国内市場ですが、海外に目を向けると、意外とGoogle以外の検索エンジンが頑張っている国がまだまだあるのも事実。肝心の米国市場でさえ、Bingが頑張っている結果、Googleのシェアは日本より低いです。今回はそんな世界各国の検索エンジンのシェア率をまとめた記事を。米国、ヨーロッパ、中国、韓国、ロシア、他諸々、、グローバル市場の俯瞰に最適。 — SEO Japan

検索は、世界中のインターネットユーザーを結びつける。このつながりを作るきっかけを与えるのが、検索エンジンである。世界的なブランドにとっては、各種の検索エンジンおよび文化に対して、最適化を行うことで、認知度、ビジビリティ、トラフィック、そして、コンバージョンを高める効果が見込める。グローバルなSEO、そして、コンテンツマーケティングは、今まで以上に重要な存在となりつつある。

2013年、検索エンジン業界の強者と弱者が、世界のマーケットシェアを巡って、戦闘を繰り広げた。米国では、今年もグーグルが国内の検索マーケットの大半を獲得していた。その一方で、ヤフー!がシェアを失い、ビングが着実に勢力を伸ばした。

世界全体を見ると、グーグルが覇権を掌握したものの、ロシア、中国、そして、韓国等の国産の検索エンジンは、ホームでは王座の地位を譲らなかった。

世界の検索およびインターネットの利用は、右肩上がりに増加している。毎年、インターネットを利用する地域は増え続けており、デスクトップおよびモバイルでの、売買、そして、ソーシャルメディアでの交流が盛んに行われている。そのため、グローバルなSEOおよびデジタルマーケティングを担当するマーケッターは、日に日に拡大し、ビジネスを行う場所と言う意味において、世界の縮図ともいえるグローバルな市場で、事業を展開するには、迅速に動く必要がある。

グーグル、ヤフー! & ビングの2013年の成果

グーグルは、米国のマーケットの67%を獲得した状態で、2013年に突入した — このレベルのシェアを初めて獲得したのは、2012年11月であった。comScoreが発表した最新のデータ(2013年11月)によると、グーグルは1月から若干シェアを落とした状態、66.7%で2013年を締めくくろうとしている。

 comScore Explicit Core Search Share Report* November 2013 vs. October 2013

comScoreの明確なコア検索シェアレポート

2013年10月と11月の比較

米国全土 — 家および職場

ソース: comScore qSearch

コア検索エンティティ 明確なコア検索シェア(%) 2013年10月 2013年11月 ポイントの変化

明確なコア検索の合計 グーグルのサイト マイクロソフトのサイト ヤフー!のサイト Askのネットワーク AOL,Inc.

**明確なコア検索では、検索結果を利用するユーザーの具体的な意図を反映しないコンテキスト主導の検索は除いている**

ビングは、16.5%のシェアを確立した状態で2013年に臨み、ゆっくりとしたペースではあるものの、毎月着実にシェアを増やし、2013年11月には18.1%までシェアを伸ばした。

一方、ヤフー!にとっての2013年は、シェアを維持することもままならない1年間であり、12.1%が最も高い状態であった。10月になると、シェアは11.1%に落ち、11月のcomScoreの最新のデータでは、11.2%に留まっていることが判明している。

今年のcomScoreのデータから、ビングとヤフー!による、検索のマーケットシェアを巡る戦いが浮き彫りになっている。このレポートを参考にする限り、6月にビングが獲得したシェアと同じ%のシェアをヤフーが失っていた。

ヤフー!のマリッサ・メイヤーCEOは、この問題に関して、マイクロソフトとヤフー!の検索における提携が、期待された効果を上げなかったと指摘している: 「提携を行う目的の一つは、お互いからシェアを奪うのではなく、共にシェアを増やすことであった。」

2013年の始め、comScoreが非公式にリリースした(結局、注目を浴びることになった)調査は、グーグルの世界での人気を取り上げていた。この調査結果を参考にする限り、2012年の12月までに、グーグルの検索回数は1147億回に達し、同社のシェアは約65%に届いていたことから、世界の検索マーケットを牛耳っていたと言える。

Google Still World’s Most Popular Search Engine By Far, But Share Of Unique Searchers Dips Slightly

しかし、この調査があぶり出したのは、現在のグローバルマーケットにおけるグーグルの地位だけではなかった。

アジア太平洋地域 — インターネットの利用と検索エンジンの人気

アジア太平洋圏のインターネットマーケットは、急速な成長を遂げている。事実、10月にはcomScoreが、アジア太平洋地域は、北米に続き、世界2位の広告市場の地位を獲得しており、2014年の年末までに、インターネット広告への出費が、新聞広告への出費を抜くと指摘している。 comScore曰く、2015年には、インターネット広告は、すべての広告の支出の21.9%を占めるようになるようだ。

また、中国等の台頭する国々では、検索に関して、興味深い展開が起きている。

中国 — 百度、最新の動向

中国は、世界で最も人口が多く、インターネットは一般家庭に普及している。comScoreによると、中国のインターネット人口は、アジア太平洋地域 & 世界で一番多い。

Asia Pacific Audiences

アジア太平洋地域のインターネットユーザー人口

成熟した台湾と香港の成長率は同じ

(吹き出し)中国のインターネット人口は、昨年比で4%増加。一方、台湾と香港はともに2012年3月から2%増加

(左から)中国 348,177(000) インド 73,872(000) 日本 73,640(000) ベトナム 16,055(000) オーストラリア 14,371(000) インドネシア 13,628(000) 台湾 11,861(000) マレーシア 11,800(000) タイ 9,485(000) フィリピン 7,432(000) 香港 4,595(000) シンガポール 3,397(000) ニュージーランド 2,895(000)

さらにcomScoreの調査結果を提供する:

  • 中国のインターネット人口は、3億4700万人を超え、その他の地域のユーザーを加えると、4億6000万人に達する。
  • 中国のインターネットユーザーは、平均で150分間/月オンラインショッピングサイトを利用する。
  • 不動産、自動車、美容/ファッションスタイル等の分野で人気の高いウェブサイトは、数百万人のアクティブユーザーを抱えている。

中国のソーシャルメディアの範囲は、平均を超えているものの、利用は平均以下である:

China Social Networking

中国と台湾でのソーシャルネットワークの浸透度は平均を超えるものの、利用は平均以下。成長するポテンシャルは大。

(左)ソーシャルネットワークの浸透のカテゴリ

世界 82% 米国 79% 英国 77% 日本 53% 中国 86% 香港 79 % 台湾 86%

(右)ソーシャルネットワークを利用する平均の時間(分)

世界 324分 米国 363分 英国 448分 日本 88分 中国 69分 香港 251分 台湾 398分

2013年8月の時点で、comScoreは、中国で人気の高い5つのソーシャルネットワークを報告している:

  1. QQ.com Qzone
  2. QQ.com microblogging
  3. SINA microblogging
  4. Pengyou.com
  5. Renren.com

中国には、厳格な検閲の規定が存在するため、国産の検索エンジンを活用する点は理に叶っている。iResearch Globalの第三四半期のデータ からは、中国の検索エンジンの収益が増加していることが分かり、前年と比較すると成長率は41%近く増加している:

Revenue of China Search Engine Market

中国の検索エンジン市場の収益 2012年の第一四半期 – 2013年の第三四半期

収益(元) % 前四半期比の成長率 % 前年比の成長率

注記: 検索エンジン企業の収益とは、検索エンジンチャンネルの代理店の収益を除く、検索エンジンを運営する会社の収益の合計を指す。

ソース: このデータは、企業側が発表した決算、専門家とのインタビュー、そして、iResearchのスタッツモデルを基に算出し、推測している。

2013年第一四半期、iResearchは、過去3年における中国の検索マーケットの収益のシェアを公表した。百度は、約81%にシェアを伸ばし、明らかに市場を制している。一方、グーグル中国は、シェアを約14%まで減らしていた。

Revenue of China Search Engine Market

中国の検索エンジンマーケットの収益 2010年第一四半期 – 2013年第一四半期

注記: 検索エンジン企業の収益とは、検索エンジンチャンネルの代理店の収益を除く、検索エンジンを運営する会社の収益の合計を指す。

ソース: このデータは、企業側が発表した決算、専門家とのインタビュー、そして、iResearchのスタッツモデルを基に算出し、推測している。

検索のシェアに関しては、6月のレポートを参考にすると、百度は約66%のシェアを獲得し、グーグルは3%に急激にシェアを落としていた。

今年(2013年)、中国の検索エンジンは、覇権を巡り、戦略的なバトルを繰り広げた。シェアを獲得するための一つの手段として、合併を用いる動きが見られた。7月、2番目の規模を誇る検索エンジンのQihooが、3番目に大きい検索エンジンのSogouを買収すると示唆する報道があった。しかし、9月には、Sogouが4番目に位置する検索エンジンのSosaを買収すると報じられていた

また、その一方で、密かに中国最大のEコマースサイトのアリババが、Aliyun Searchを立ち上げていた。Aliyunが中国の市場でどこまでインパクトを残せるのかは、今後の展開次第だが、comScoreが10月にリリースした「China Digital Future in Focus 2013」レポートは、アリババのユーザーが、平均で137分間を同サイトで過ごしていると指摘している。これは、2位のサイトの利用時間の約4倍に匹敵する。

韓国 — モバイルとNaver

Webcertainが公開した調査結果によると、韓国の携帯電話の利用は、その他のアジア太平洋地域の国々、さらには、世界の国々に勝っており、世界の平均の3倍に相当する。2013年の第一四半期、インターネットへのアクセスの60%近くがスマートフォンを介して行われたと、Webcertainのグローバルモバイルレポート 2013は指摘している。

Screen Shot 2013-12-24 at 11.53.08 AM

(上)スマートフォンの契約者 3800万人

携帯電話契約のスマートフォンの契約が占める% 67%

スマートフォン契約者数 前年比で18%の増加

インターネットのトラフィックのうちモバイルが占める% 31.3%

(左下)携帯電話 & タブレットの利用

携帯電話およびタブレットを使ってインターネットにアクセスしたインターネットユーザーの%

2011年6月 携帯電話 32.5% タブレット 6%

2012年第二四半期 携帯電話 50.3% タブレット 6.7%

2013年第一四半期 携帯電話 59.6% タブレット 9.7%

(右下)モバイルOSマーケットのシェア

モバイル経由のインターネットトラフィックを占める%

2012年5月 (上から)その他、iOS、アンドロイド

2013年5月 (上から)その他、iOS、アンドロイド

韓国の検索マーケットシェアを最も獲得しているのはNaverだ。インターネット上で韓国語を使ってサイトを成功に導くためには、Naverにリストアップしてもらう必要がある。comScoreによると、Naverのシェアは2011年から減り、一方、グーグルは多少シェアを増やしているものの、まだまだNaverには遠く及ばない。

South Korea Search Market Share

2014年のNaverでのマーケティング

Naverは独自のビジネスモデルを持っている。基本的には、ヤフー!のサイトと同じように、その他のNaverのサイトに導くポータルサイトだが、エンジンでもあり、多面的な検索結果を用意している(グーグルのユニバーサル検索結果に似ているが、より凝ったフォーマットを採用している)。グローバルなブランドは、出来るだけ多くの場所に出没することで、ブランドへのビジビリティを集めることが出来る。

naver-serp-explained - brightedge

NAVER

SERPの説明

(上から)有料リスティング

製品のリスティング

登録したブログ

登録したウェブサイト

登録したサイトでインデックスした画像

自然な結果

エンサイクロペディアのディレクトリ

ソーシャルの結果

ユーザーが作ったコンテンツ

製品のリスティング

雑誌のコンテンツ

ニュースセクション

Naverで成功を収めるには、検索エンジンに登録し、参加を認証してもらう必要がある。Naverでマーケティングを始める上でのヒントを5つ紹介する:

  1. 韓国語を使うことが鉄則。
  2. NaverのKnowledge iNでユーザー生成コンテンツに参加する。
  3. ブログを運営し、積極的に活動する。
  4. Naverの「Cafe」プラットフォームでソーシャル活動を行う。
  5. すべての取り組みで基本的なオンページSEOを実装する。

日本 — ヤフー!、ソーシャルメディア & モバイル

日本は、世界で四番目インターネットユーザーが多い国である。日本では、ヤフー!のサイトの人気が最も高く、モバイルの利用が浸透している。また、ツイッターとフェイスブックがソーシャルネットワークシーンを牛耳り、大勢のインターネットユーザーが、特にエンターテイメント系のサイトで時間を過ごしている。

5月にリリースされたcomScoreのデータによると、ヤフー!は、6万5000人近くのユニークビジターを擁し、利用者が最も多いものの、約6万4000人が利用するグーグルが肉薄している:

Top Web Properties Japan

利用に関して目立つヤフー!とグーグル

ブログサイトも健闘

上位のウェブサイト – 日本

ユニークビジター ビジター当たりの滞在時間(分)

(上から)ヤフー!サイト グーグルサイト FC2 Inc. NHN Corporation アマゾンサイト マイクロソフトサイト サイバーエージェント 楽天 ウィキペディア NTTグループ

日本のインターネットユーザーは、その他のアジア太平洋地域のユーザーや世界のユーザーと比べて、エンターテイメント系のサイトでより多くの時間を過ごしている。2013年5月のデータでは、エンターテイメント系のサイトの滞在時間が、世界では平均3.5-5時間のところ、日本では約5時間と記録されている。

Japan Websites

日本のウェブユーザーは、同地域および世界のユーザーと比べて、エンターテイメント系のサイトで時間を費やす傾向がある

エンターテイメント系のサイト

訪問するウェブユーザーの% サイトで過ごす平均時間(時)

世界 アジア太平洋地域 日本

5月12日 5月13日

また、comScoreは、日本には1億200万人を超えるモバイルユーザーが存在し、34%以上のペースでスマートフォンの浸透が進んでいると報告している。

Japan Smartphone Users

日本でのスマートフォンの浸透は34.8%に到達

昨年比で40%以上の増加

スマートフォンユーザーのシェア – 日本(%)

ヨーロッパ — デジタル情勢

多数の国々で構成されるヨーロッパでは、国によってインターネットの利用に差があるものの、インターネットユーザーの人口は増え続けており、より大きな機会をマーケッターに提示している。2013年の3月にcomScoreがリリースしたデータによると、世界のインターネットユーザーのうち、ヨーロッパは27%を占めている

Worldwide Internet Audience

世界のインターネットユーザーの分布

オンラインユニバースの中心は米国ではない

1996年 米国外 34% 米国 66%

2012年 米国外 87% 米国 13%

アジア太平洋地域 42 % ヨーロッパ 27% 北米 14% 中東・アフリカ 9% ラテンアメリカ 8%

ヨーロッパのデジタル情勢をかいつまんで説明していく(comScore 2013年3月):

  • イタリアのインターネットユーザーは、昨年と比べて17%増え、ヨーロッパで最も増加するペースが早い。
  • トルコは若年層のウェブユーザーが多く、一方、ドイツは熟年層にも浸透している。
  • 2012年12月の段階で、EU5ヶ国(イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、英国)のモバイルデバイスの75%をスマートフォンが占め、スマートフォンユーザーは2300万人を超えている。
  • ヨーロッパのインターネットユーザーは、ソーシャルネットワーク、または、ブログで平均6.7時間/月を過ごしている。
  • ヨーロッパのウェブユーザーのうち10人に8人が、ニュースサイトや情報サイトにアクセスしている。
  • スマートフォンユーザーの約14%が、デバイスを介して製品やサービスを購入し、スマートフォン経由の買い物客の37%は、服やアクセサリを買っている。

ヨーロッパでは、グーグルが検索市場を独占しており、シェアの86%を獲得している(米国よりも遥かに高い)。そして、Yandexが2位につけている。

インターネットの利用に関しては、comScoreのデータを見ると、トルコが最も検索回数が多いものの、インターネットを利用する時間は英国が最も多い。

Engagement across EU audiences

ヨーロッパでのインターネットの利用

ヨーロッパでは、平均で27時間弱インターネットが利用されている

(上から)英国 37.3

トルコ 31.0

オランダ 30.6

ポーランド 29.3

フィンランド 27.8

フランス 27.7

ヨーロッパ平均 26.9

ロシア 26.1

ノルウェイ 24.9

ドイツ 24.6

スペイン 23.8

ベルギー 22.4

スウェーデン 22.0

ポルトガル 20.8

デンマーク 20.6

アイルランド 19.5

イタリア 18.5

スイス 16.6

オーストリア 14.4

(吹き出し)ベルギーは、利用時間/ビジターにおいて、ヨーロッパで最も伸びが大きかった。1年前と比べ、インターネットを利用する時間が2時間増している。

また、ヨーロッパのインターネットユーザーは、eBay、フェイスブック、そして、アマゾン等のサイトでも、検索を行っている。

European Websites

ヨーロッパのインターネットユーザーは、グーグルとYandexだけでなく、フェイスブック、eBay、アマゾンでも検索を行う

(右上)検索エンジンのユーザー当たりの検索回数

ロシア — インターネットの利用とYandex

アジアとヨーロッパ諸国の間にあるロシアは、comScoreのデータによると、ヨーロッパのインターネットユーザーの大半を抱えている。そのため、同国の国産の検索エンジン、Yandexが世界で4番目にユーザーが多いことも納得できる。

Europe Countries Online

ヨーロッパ諸国のインターネットユーザーの人数

4億800万人を抱えるヨーロッパのインターネットユーザーの15%をロシアが占める

(左)前年比の成長

(左中央)ユニークビジターの合計

(吹き出し)イタリアとロシアは、特に増加ペースが速い — それぞれ、17%と15%。

Yandexにとって、2013年は浮き沈みの多い1年間であった。Islands(次世代のリッチスニペットテクノロジー)をリリースする一方で、創業者の一人、イリヤ・セガロビッチ氏が帰らぬ人となった

今年(2013年)の始めには、2012年の11月 & 12月の段階で、月間検索クエリの数で、Yandexがビングを上回ったと言う報告が上がってきた。2012年12月、Yandexは、48億4000万件のクエリを処理し、マイクロソフトは、44億8000万件のクエリを処理していたようだ。世界のシェアに換算すると、Yandexが2.8%、一方、ビングは2.5%であった。

Bloombergがリリースしたさらに新しいレポートでは、Yandexの検索のシェアはロシアで62%、グーグルは26%、そして、国産の別の主要な検索エンジンのMail.ruが約9%を獲得していることが判明した。

Yandexは、ウクライナやトルコ等の海外への拡大に向けた取り組みを強化しており、ロシア語以外の言語にも対応している。事実、CNNの報道によると、Yandexは、参入するマーケットで、グーグルに続くNo.2の検索エンジンになることを戦略に掲げているようだ。

また、収益のデータを見る限り、Yandexは順調に成長しており、2013年の第三四半期の収益は、2012年の同時期よりも40%多く、約3億2000万ドルを記録している。

2014年版 世界を見据えた最適化の5つのヒント

国際的なブランドにとって、グローバルな最適化は欠かすことの出来ない取り組みである。検索エンジン、そして、地域の文化には差があるものの、グローバルなSEOを行う上で有効なアドバイスを幾つか提供していく:

1. 地域のユーザーを理解する

グローバルSEOとローカリゼーションを取り上げた9月のコラムでは、各地域と言語において、答えを用意する必要のある重要な問いを提示した。この記事の一部を以下に掲載する:

  • キーワードリサーチ: 自分のビジネスのオーディエンスにとって、どのトピックが重要なのか?フレーズ/キーワードの形で、どのように関心を表現すればいいのか?検索の要求にどのように転換すればいいのか?ヘッドとテールの用語(& グループ)にクローズアップすることは可能か?
  • 競合者分析: 言語、地理、そして、検索エンジンの組み合わせにおいて、競合するサイトはどこか?競合者はどのキーワードに力を入れているのか?そのキーワードは、自分のビジネスおよびオーディエンスにとって重要か(重要なら、ターゲットのキーワードに加えよう)?競合者はどのサイトからリンクを獲得しているのか?そのサイトは、自分のビジネスと関連しているか?そのサイトのユーザーにとって、自分のサイトのコンテンツに向かうリンクは適切か?
  • コンテンツ計画: 再利用するつもりの既存のコンテンツにターゲットのキーワードを盛り込むことは可能か?ただし、無理やり組み込んではならない。可能ではないなら、新しいコンテンツの作成を検討しよう。それぞれの組み合わせのオーディエンスは、どのように情報を取得しているのか?好むフォーマットは何か(例: テキストとビジュアル)?このフォーマットに一致するコンテンツを作る計画を立てているのか?

2. 地域に的を絞ったコンテンツを作る

営業を行う地域のオーディエンスに接触するつもりなら、その地域の文化に見合ったコンテンツを作るべきである。様々な文化圏で、マーケティングを行う際に注意するポイントを幾つか挙げていく:

  • その文化にとって、重要な価値は何か?タブーとされているのは何か?
  • 自国独自のコンテンツの作成に取り掛かっている場合、当該のコンテンツの感情は、別の言語でも、十分に伝わるのか?
  • その他の検索エンジンの言語の要件に従う必要がある — 例えば、Naverで成功を収めるためには、ネイティブの言語を利用する必要がある。
  • それぞれの検索エンジンで、贔屓してもらえるコンテンツのタイプを把握する — 世界共通ではないので注意しよう。

3. SERPのレイアウトを理解する

世界中のマーケッターの大半が、グーグルの検索エンジンを活用しているが、米国のSERPで2013年にもたらされた変更点、そして、この変化が2014年のSEOに与える影響を理解することは重要である。

また、次の取り組みにも力を入れる必要がある:

  • 地域の検索結果のカルーセルを意識して最適化を行う。
  • Naver、Yandex、百度等、その他の検索エンジンのSERPの構成も把握する。
  • ユニバーサル検索の結果とモバイルの検索結果に対して最適化を行う方法を極める。

4. 地域の規制を考慮する

ロシアや中国等の国々は、特別なインターネットの規則を定めている。海外でビジネスを実践するなら、その国で受け入れられる慣習とコンテンツを理解し、ルールに従う必要がある。

以下に、熟知しておきたいトピックを幾つか挙げていく:

5. 適切な人材とテクノロジーを投入する

世界の各地域でマーケティングを行うには、接触を望む地域に人材を配置する必要がある。現在の取り組みをそのまま別のマーケットにコピーしてしまうと、ブランドとオーディエンスが分断されてしまう可能性がある。国際的なブランドなら、言語、条件、コンテンツ、イメージ戦略、スタッツの策定、そして、成果を記録するために用いるテクノロジー選択に至るまで、ありとあらゆる取り組みに貢献する国際的なスタッフの存在が欠かせない。また、地域での検索のパフォーマンス、検索エンジン、デバイス、そして、SERPのタイプを管理する上で有効なテクノロジーを選ぶことも肝要だ。

2014年の全体像を理解する

グローバルなSEOを行う上で、今回紹介した提案は役に立つものの、2014年に向けたより広範なSEO戦略 & コンテンツマーケティング戦略と併せて、実施する必要がある。この全体的な戦略を策定する上で、参考になりそうな情報を挙げる:

  1. 2013年に劇的に変化したSEO & 2014年を勝ち抜くための条件
  2. 安全な検索を千載一遇のチャンスに変える安全な検索の五箇条

2014年、皆さんのSEOとコンテンツマーケティングが成功することを心から願っている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Global SEO & Content Marketing Landscape」を翻訳した内容です。

筆者が日本のYahoo!のエンジンはGoogleであることを認識しているかは不明ですが、、、グローバル展開したいと思っているあなたには情報満載の記事でした。しかし検索エンジンのシェア以上にインパクトがあったのは、1996年にはインターネットユーザーの66%が米国だったのが、2012年にはたったの13%になっているという事実。それだけアジア、ヨーロッパでネットが普及してきたということでしょうし、今後アフリカや途上国の人口増加も含めても米国市場のシェアは下がる一方でしょうね。セカイで勝負したいと思っている方も米国以外の国に今から目を向けていけば意外な商機&勝機があるかも? — SEO Japan [G+]

これだけでGoogle検索の達人になれる便利すぎる検索演算子ベスト10

パーソナライゼーションやアルゴリズムの進化で検索者の考えていることを勝手にある程度予想して答えを出してくれるようになってきたGoogle、一昔前のGoogleと比べてもローカル検索からGoogle Nowまで超絶な進化を遂げています。検索時のちょっとしたテクニック的な技は進化するGoogleの前にその必要性も失われつつありますが、特定用途の検索をしたい時にはまだまだ使えるテクニックも多数存在します。今回は改めて代表的な検索演算子をまとめた記事を紹介します。とりあえずこれだけ覚えておけば、あなたも一端の検索マスターは名乗れるかも。 — SEO Japan

グーグルは、全力で検索を改善する取り組みを行っている。あまりにも見事であるため、一般のユーザーが、この点に気づいているようには思えない。パーソナイゼーションローカリゼーション、そして、カスタマイゼーションを次々に導入し、その一方で、一般のユーザーに関する大量のデータを入手している。有益(尚且つ直感的な)な検索を作り出すために、どれほどグーグルが努力しているのか、見過ごされることが多い。

一般のユーザーは、グーグル、あるいは、グーグルの実際の仕組みすらも理解していない。

しかし、グーグル製品が改善されているにも関わらず、あるいは、この改善のせいで、グーグル内で高度な検索を行う力を失いつつあるように思える — とりわけ、検索マーケッターなら、効率よく、そして、効果的にウェブを移動する上で、この力は絶対に欠かせない。

事実、グーグルは、先日、主要なアップデートのニュースをリリースしていた — それは、複雑な検索においてユーザーを支援するために作られたハミングバード(日本語)である。

欲しい情報を得る

この背景、そして、コンテキストを理解する力が進化している点を考慮すると、グーグルから、望む情報を引き出すことは今まで以上に重要なっていると言えるだろう。

グーグルのためにサイトを最適化する方法は、頻繁に取り上げられているものの、ブランドがウェブでどのように表されているかを探るため、あるいは、競合者が何をしているかを探るため、マーケッターにとっては、検索を巧みに利用することは、非常に重要である。幸いにも、高度な検索は、簡単に実施することが出来る — 10点のシンプルな検索演算子を理解し、賢く検索に適用するだけで、検索のプロになることが出来ると私は考えている。

それでは、権限を諦め、グーグルを信頼する代わりに(アドワーズキャンペーンを実施する際に、グーグルの言うことを鵜呑みにしたりはしないはずだ)、検索コマンド トップ 10、そして、高度な検索を効率よく実施する方法を確認してもらいたい。

Search Modifiers

検索演算子の一覧

以下に、検討してもらいたい10点の検索演算子を挙げていく。

  1. “クエリ”
  2. -クエリ
  3. クエリ AND クエリ
  4. クエリ OR クエリ
  5. Site:example.com
  6. Inurl:クエリ
  7. Intitle:クエリ
  8. Filetype:クエリ
  9. Related:クエリ
  10. Inpostauthor:クエリ

ここからは、高度な検索演算子を理解する上で必要なツールを提供し、本当に欲しい情報を入手するために、合理的な検索を実施する方法を伝授していく。ただし、その前に、高度な検索が消えつつある理由を探っていこう。

高度な検索が消えつつある理由

数年前に、[ガソリンスタンド]等の検索を実施しようものなら、笑われていた。ほとんど役に立たない結果が返ってくるからだ — 大きな石油会社、そして、ガソリンスタンドの定義を説明する情報ベースのサイト(ウィキペディア等)が、10本のリンクを介して、提供されるだけである。

当時のグーグル検索は、技に近かった。望ましい結果を得るためには、どのワードを使うべきか、なぜか、そして、どのような効果があるのかを理解しなければならなかった。

検索には、テクノロジーに精通している、つまりテクノロジーを深く理解している必要があったのだ。

しかし、現在、見知らぬ地域でガソリンスタンドを探している場合、ラップトップであれ、スマートフォンであれ、あるいは、借り物のデスクトップであれ、[ガソリンスタンド]と単純に入力する。

ラップトップを使い、グーグルのアカウントからサインアウトし、シークレットモードを使った状態で得た結果を以下に掲載する:

Gas Station Search

以前の10本の青いリンクがだけが表示される画面とは、大きく異なる — 最初の5本のリンクは、現在地と関連しており、私が都合良く、そして、お手頃価格でガソリンを買うことが出来る場所に導いている。さらに、周辺の地図が、ガソリンスタンドに印がつけられた状態で掲載されている。また、上部にはナレッジグラフのカルーセルが用意されている。

現在、[ガソリンスタンド]の検索は、明らかに実用的なオプションに進化している。

スマートフォンを介して検索するユーザーは、このような広範なクエリ検索を行う可能性が高い。同じ検索をスマートフォンを使い、同じ地域で行った際のスクリーンショットを幾つか掲載する:

Gas Station Mobile

ご覧のとおり、リッチスニペットに関しては、ほぼ同じだが(ナレッジグラフのカルーセルはなし)、より細かい情報が提供されており、距離で特定した7つのガソリンスタンドへのルートを知ることが出来る。5位までの結果は、ランキングは若干異なるものの、ラップトップの結果と同じである。

Distilledのウィル・クリッチロー氏は、White Board Fridayで、今後のユーザーの行動を分かりやすく説明していた。このプレゼンで、クリッチロー氏は、進化する検索行動のコンセプトを、素晴らしい実例を交えて、見事に解説していた。

グーグルの検索テクノロジーは、利便性が高いレベルに達しており、ユーザーは、検索の仕組みを考えることも、分析することも、さらには、理解することもしなくなった。うまくいくと思い込んでおり、実際に、必要な結果を得ることが出来る。

これは、実際に起きているトレンドであり、今後も続く可能性は高い。グーグルナウが良い例だ — グーグルナウでは、検索をすることなく、必要としている結果を得られ、ユーザーはさらに結果を絞り込むことが出来る。グーグルグラスもまた、このトレンドを継承している。グラスは、高度な検索に対応しておらず — 恐らく、急速に拡大/a>するナレッジグラフを基に、短く、的確な答えを提供する。

しかし、グーグルは完璧ではない。特に、淀んだウェブを移動するために検索エンジンを使うユーザーに対して、改善すべき点はまだまだある。

そのため、グーグルは改善を続けているものの、高度且つ合理的な検索のニーズは消えていない。

検索演算子とその使い方

1. “クエリ” — 完全一致の検索

仕組み: クオテーションマーク、または、“クエリ” を入力すると、クエリと全く同じ記述を探す。完全一致検索とも呼ばれる。

例: “Page One Power link building”

Exact Match Search

利用: 完全に一致する情報を探し出す。シリアルナンバー、モデルナンバー、曖昧な名前等を探す際に便利である。基本中の基本だが、高度な検索において、非常に重要度が高い。他の検索演算子と組み合わせて、具体的な結果を得る上で、特に有効である。

2. -クエリ — クエリを除外するコマンド

仕組み: 引き算の演算子は、検索結果に盛り込みたくないクエリを全て除外する。

例: “Jon Ball” -”Page One Power”

Minus Search

利用: 検索結果から余分なリスティングを刈り取る。具体的な情報を探している場合、または、避けたい用語やフレーズが結果に含まれている場合、このコマンドを使えば、検索結果から除外することが可能だ。

3. クエリ AND クエリ — クエリの組み合わせ

仕組み: 「AND」を利用すると、両方のクエリを持つページが検索結果に表示されるようになる。

例: “Jon Ball” AND “Page One Power”

And Search

利用: 用語を組み合わせるだけで、テーマを絞り込むことが出来る。ANDオペレータを利用しないで検索を行うと、Jon BallとPage One Powerの双方を持つページではなく、どちらかを持つページが返される。

注記: 大文字を利用しない場合、オペレータではなく、フレーズだと勘違いされる可能性がある。

4. クエリ OR クエリ — 同様のクエリの検索

仕組み: 複数の用語を検索することが出来る。

例: “Jon Ball” CEO OR Founder OR Owner OR Partner

Or Search

利用: 複数/同様のフレーズとワードを単一の結果で検索する。通常、ORオペレータは、– 例えば、CEO/設立者/オーナー/パートナー — 同様のアイデアを表現する複数のワードに対して、用いられることが多い。

5. Site:サイト名 — 具体的なサイトを検索する

仕組み: Site:サイト名は、グーグルの検索を単一のウェブサイトに絞り込む効果がある。

例: Site:pageonepower.com “Jon Ball”

Site Search

利用: 具体的なウェブサイトで情報を探す時に用いられる。別の検索コマンドと組み合わせて用いられることが多い。TLDに絞り込むことも可能である(.gov, .com, .edu)。

6. Inurl:クエリ — 具体的なURLの検索

仕組み: クエリがURLに含まれているウェブページのみを返す。

例: inurl:Jon Ball

In URL Search

利用: この検索演算子には、様々な用途がある。個人の名前を介して、当該の人物が持つ様々なネット上のプロフィールを探す、もしくは、特定のページを探す(ゲスト投稿、リンクのリスト、インフォグラフィック、フォーラム等)を上で有効であり、また、Site:と組み合わせると、より効果的である。

7. Intitle:クエリ — 具体的なタイトルの検索

仕組み: 検索コマンドintitle:クエリは、クエリがタイトルに組み込まれたページのみに結果を絞り込む。

例: intitle:jon ball

In Title Search

利用: inurl:クエリと同じように、インターネット上のプロフィール、各種のページ、そして、検索に関する一般的な情報を探す上で効果が期待できる(タイトル内のフレーズやワードを持っているため)。

8. Filetype:クエリ — 具体的なファイルを探す検索

仕組み: 特定のタイプのファイルを持つページのみを検索する。

例: site:pageonepower.com filetype:pdf

File Type Search

利用: 具体的なトピックに関する具体的なファイルを探す。また、スクリーンショットを見れば分かるように、特定のサイトで特定のタイプのコンテンツに絞り込む際にも大活躍する。

9. Related:クエリ — 関連する結果の検索

仕組み: クエリに関連する検索結果を返す。注記: site:検索と同じように、その他の関連するウェブサイトを盛り込むため、クエリにサイト名を利用することが出来る。しかし、有名なサイトではない場合、何も見つけられない可能性が高い。

例: Related:reddit.com

Related Search

利用: ウェブサーフィン、クエリに関連するページの発見、そして、人気の高いサイトに似ている知名度の低いサイトの発見に向いている。

10. Inpostauthor:クエリ — ブログの作者の検索

仕組み: Inpostauthor:、別名、ブログの作者検索は、作者を限定して、ブログの記事を検索する。

例: inpostauthor:Jon Ball

In Post Author Search

利用: 数多くの作品を投稿するブロガーを追跡する。この検索演算子は、とりわけ、作者の名前が平凡な場合、割と広範な結果を返すことに注意してもらいたい。

捻りを加える — 複数の検索演算子を使った高度な検索

以上、とりわけ重要な検索演算子を10点紹介した。次に、創造力を発揮し、賢く検索を行う方法を伝授していく。

検索演算子を個別に利用した場合でも、多少、質の高い結果を得ることが出来る。しかし、組み合わせて、– 検索の文字列を組み立て — ピンポイントの検索を作成することで、本領を発揮する。

Mozのドクター. ピート・マイヤーズ氏は、「グーグルのsite:オペレータ 25点の強力な組み合わせ」の中で、site:検索に関する高度な検索を分かりやすく説明している。時間を割いて、この記事に目を通してもらいたい。様々なオペレータを組み合わせて、ターゲットを絞った検索を行い、正確な結果を得る上で、お手本になるはずだ。

それでは、幾つか例を挙げていく:

1. 競合者のゲスト投稿キャンペーンを把握する

考えられる検索:

  • Inpostauthor:“名字 名前” -site:競合するサイトの名前
  • Inurl:ゲスト投稿 “名字 名前” -site:競合するサイトの名前
  • Intitle:ゲスト投稿 “名字 名前” -site:競合するサイトの名前
  • “Author: 名字 名前” -site:競合するサイトの名前
  • “Written by 名字 名前” -site:競合するサイトの名前
  • “Author Profile” “名字 名前”
  • “About the Author” “名字 名前”
  • “Author Bio” “名字 名前”
  • Inurl:Author “名字 名前”

この2つを組み合わせるだけで、個々に利用するよりも、遥かに正確な結果を得ることが出来る。

ゲスト投稿に関しては、私自身は、Inurl:author “名前 名字”を特に気に入っている。このとてもシンプルな検索の文字列は、質の高いゲスト投稿を探す上で、絶大な効果を発揮する。質の高いサイトは、Author(作者)のページを用意している傾向があり、その多くがURLに「author」を盛り込んでいるためだ。

author bioも忘れずにチェックしてもらいたい — bio(経歴)に対する完全一致の検索を可能にして、作品を突き止めてもらうため、ライターの大方は、bioをほとんど変えていない。

2. ブランドの言及

当然ながら、この検索を行う際に、グーグルアラートFresh Web Explorer、そして、Mention.net等、役に立つツールが存在する。

しかし、ブランドの言及を検索するために、グーグル検索を活用する手もある。通常、上述したツールほどの効果は見込めないものの、自分で探したい人達、または、高度な検索を学んでいる人達には、楽しい作業になるはずだ。

幾つか例を挙げていく:

  • -site:pageonepower.com -site:facebook.com -site:twitter.com “Page One Power” OR “pageonepower.com” OR “http://pageonepower.com/” OR “http://www.pageonepower.com/
  • -site:pageonepower.com -site:facebook.com -site:twitter.com “Jon Ball” OR “Jonathan Ball” OR “CEO of Page One Power” OR “Founder of Page One Power”.

まず、自分のサイトとソーシャルメディアのプロフィールは除くべきである。その後、重要なブランドの用語、製品、そして、社内の人物名に狙いを絞り込もう。ORオペレータを利用すると、複数の用語を一度に検索することが出来る。最近まで、グーグルは波型ダッシュ(~)を類義語のオペレータとして採用していたが、残念ながら、撤廃されてしまった。

3. 不明瞭なファイルを探す

グーグルの検索スキルに磨きをかけるのは、見つかりそうもない情報を検索するためである。

この例では、先日参加したカンファレンスのプレゼンを探していると仮定する。

カンファレンスやプレゼンが終わると、プレゼンターは、カンファレンスのウェブサイトが、頻繁にページを更新/削除するため、自分でプレゼンをウェブに投稿することが多い。

プレゼンターは、様々方法で、この取り組みを行うことが出来る — 自分のサイトで、第三者のサイトで(スライドシェア等)、あるいは、ソーシャルメディアを介して。

いちいち複数のサイトをチェックしていくのではなく、次のような高度なグーグル検索を試してもらいたい:

  • “名字 名前” filetype:pdf “カンファレンスの名前” -site:カンファレンスのサイト
  • “名字 名前” “カンファレンスの名前” プレゼンテーション OR ファイル OR 動画 OR パワーポイント -site:カンファレンスのサイト
  • “カンファレンスの名前” “プレゼンのタイトル” -site:カンファレンスのサイト
  • “カンファレンスの名前” AND “名字 名前” プレゼンテーション OR ファイル OR スライド OR 動画 -site:カンファレンスのサイト

役に立つ組み合わせが、必ず幾つか存在するはずである。検索コマンドを利用する際は、結果に応じて検索を変え、検索をさらに絞り込むことが肝要だ。

まとめ

高度な検索は、極めて重要度が高い。グーグルは、先日、ハミングバードアップデートを実行に移した。ハミングバードは、音声検索で用いられる確率が高い、複雑な検索を改善することを目標に掲げている。

グーグル検索は、15年前にリリースされて以来、大幅に改善を遂げてきた。事実、あまりにも改善の度合いが大きいため、過去の検索を思い出すことが出来ない人の方が多いのではないだろうか。しかし、継続的に改善されるものの、グーグルに依存すると、効率的、そして、効果的に検索を行う力を自ら弱めてしまう。

そのため、グーグルの検索テクノロジーに必要以上に頼るべきではない。今回紹介した10通りのシンプルな検索演算子を覚えれば、プロのように検索を実施することが出来るようになる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Top 10 Search Modifiers: Why They Matter, What They Are & How To Use Them」を翻訳した内容です。

前半の基本はおさらい編としても、後半の応用編はナルホドと思わせる具体的な活用事例もありました。誰にでもすぐ簡単に使えるGoogle検索ですが、ちょっとしたテクニックを知っているだけで検索にかかる時間を圧倒的に減らすことができることもありますよね。あなたの検索ライフに活用できるティップスは何か見つかったでしょうか? — SEO Japan [G+]

Google、AdSense Directをローンチ―小規模パブリッシャーがセルフサービスでAdSense広告を販売できる

今日(米国時間1/21)、GoogleはAdSense Directをリリースした。ネーミングでもわかるとおり、面倒な手続きをして DoubleClick for Publishersに参加するメリットがない小規模なパブリッシャーが広告を直接販売することを可能にするツールだ。

直接のライバルは iSocketBuySellAdsなどの小規模パブリッシャー向け広告直接販売サービスになる。

AdSense DirectはGoogleのこの分野への初挑戦だ。AdSenseはもともとサイトの内容とその読者がどんな広告に関心を持ちそうかという点に関するGoogleの知識に基づいて出稿する広告を自動的に選択するサービスだ。

AdSense Direct(現在はアメリカのサイトに対して提供)は、広告主がAdWordsを利用しているかどうかにかかわらず、パブリッシャーが直接広告を販売できるようにする。広告主との間で条件が合意されるとパブリッシャーは自分のAdSense Directページへのリンクをメールで広告主に送る。 広告主がこのリンクを利用して広告クリーエティブをアップロードすると、AdSenseが広告の表示、料金の算定を行う。支払いはGoogle Walletを通じて行う。この際、Googleは15%の手数料を課する。

1度のキャンペーンにおける表示回数には特に上限、下限は設けられていない。広告主は1日単位で広告表示スペースを買い取る仕組みだ。ただし1回のキャンペーンは最長で90日となる。

ウェブサイトに相当量のトラフィックがある場合、通常のAdSenseを利用するより広告主に直接広告を販売したほうがはるかに有利だ。Googleは「通常のテキストベースのターゲット広告の2.5倍程度の料金を課するのが適当」と勧めている。

〔日本版:Googleブログ記事にはthis can be any advertiser, regardless of whether ornot they’re using AdWords.とあり、これによると原文第3パラグラフの1行目のpublisherは、advertiserの誤りなのでそのように訂正して訳した〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chrome 33のベータはCustom Elementsを導入, 音声合成APIをサポート

昨日(きのう)最終安定版のChrome 32をリリースしたばかりのGoogleが、今日(米国時間1/16)はデスクトップとAndroid用のChrome 33の初のベータローンチした

このリリースには、デベロッパが関心を寄せそうなアップデートがいくつかあり、たとえばデベロッパが独自のHTML成分(要素)を定義できるCustom Elementsという機能がある。これはWeb Componentsの仕様の一部であり、Chromeのチームはかねてから強い関心を示していた。

Custom Elementsはデベロッパが勝手に定義できるHTML成分であり、その何が魅力かというと、複雑な機能でもタグ一個で表現できることだ。だからページのコードの外見はとてもすっきりする。Googleもこの点を強調しており、たとえば下の図に示すデモアプリケーションはCustom Elementsを多用している。なお、Mozillaも近くWeb Componentsをサポートするようだから、Custom Elementsを使えるようになるはずだ。

このベータのそのほかの新機能としては、Web Speech APIのサポートがある。これによりデベロッパは、自分が作るサイトに音声認識や音声合成機能を加えられる。音声認識の方はChromeに昨年加わったが、今日は音声合成機能が内蔵された。このAPIを使うためには、デベロッパがマシン上でサポートされている音声の中から指定して、音声合成エンジンがその音声で喋れるようにする(下図)。なおiOS 7のSafariも、部分的に音声合成をサポートしている。

そのほかの変化・変更は、以下のとおりだ(Googleの発表文の原文より):

Web上の支払い決済を容易にするrequestAutocomplete APIがMacでもサポートされた。

Page Visibility APIがプレフィクスなしになった。

WebFontのダウンロードが最適化され、フォントはBlinkがレイアウトを終える前に可利用になる。つまりWebFontを使う場合のレイテンシがゼロになる。

BlinkによるCSSのAnimationとTransitionの実装が、Web Animationsモデルにより駆動される。これはデベロッパやサイトには無影響のはずだが、何か影響が見られれば知らせてほしい。

最新バージョンのWeb Notification APIをサポート。レガシーのAPIは非推奨になるので、それらを使っているWebサイトはアップデートしていただきたい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの新しいスマートコンタクトレンズは、Microsoftにとっては古いニュース

Googleは今日(米国時間1/16)スマート・コンタクトレンズプロジェクトを発表したが、これは初めてでも何でもない。他の会社もずっと以前から取り組んでいた ― Microsoft Researchを含む。同社は2011年に類似のプロジェクトを、現在Google Xで働くある人物と共同研究していた

Babak Parvisは、かつてワシントン大学教授だった頃、Microsoft Researchと共同研究を行っていた。彼は初めてスマートコンタクトレンズに取り組んだ一人だ。現在はGoogleに所属して、Google Glassとスマートレンズのプロジェクトを担当している。

しかし、Microsoft Researchではよくあるように、このプロジェクトからは何も生まれていないようだ。

これはMicrosoftが2011年にこのプロジェクトを紹介するために作ったビデオだ。

もう一つ、すでに市場に出ているスマートコンタクトレンズがあることも言っておくべきだろう。グルロースの測定はしないが、例えばSensimed Triggerfishという使い捨てコンタクトレンズは、緑内症患者を個別治療するためにセンサーで目の変化を測定する。このテクノロジーはヨーロッパで2010年以来利用されているが、米国で販売するためのFDA認可は取得していない。

さらに、スウェーデンのマルモ大学のチームは、Googleと似たレンズを開発し、涙で動作する燃料電池を利用している。他にも米国内外で類似のプロジェクトが進められている。

もちろんこれが科学というものだ。様々なチームが互いのアイデアを共有して公表する。「もしエレクトロニクスを極小化できれば・・・涙液グルコースの謎を解き、高精度で測定する方法が見つかるかもしれない」と思ったのはGoogleが最初ではなかった。彼らの前に月に行った人間は他にいた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、スマート・コンタクトレンズを発表

期待した方は申し訳ない。これはGoogle Glassのコンタクトレンズ版というわけではない。しかしそこに向けた第一歩のプロダクトだと考えることができるだろう。GoogleのGoogle X Labがブログ上でスマート・コンタクトレンズについての記事を掲載したのだ。糖尿病患者がこのコンタクトレンズを装着すると、血糖値を測定してくれる。

現在はプロトタイプの実験中なのだそうだ。コンタクトレンズの中に小さなワイヤレスチップとグルコースセンサーを内蔵してている。レンズは2層からなっており、その間にチップを挟み込んだ形式になっている。

先のブログ記事の中でGoogleは、体液から血糖値を測定する方法について、多くの科学者が研究を続けてきたのだと記している。そうした研究の結果、涙が有効であるとの結論にたどり着いたのだそうだ。しかし俳優でもない人が自在に涙を流すのは難しい。そのため、涙を利用する方式は一気に実現には至らず、検討課題となっていたらしい。

そうした流れの中でコンタクトレンズ型の測定装置が生まれてきたわけだが、このセンサーは1秒毎に血糖値を測定するようになっている。そして一定の値を超えると警告を送ってくる。センサーは非常に小さく、ちょっとした光の反射程度にしか見えないほどである様子。

現在、このプロトタイプをプロダクトとして世に出すべくFDAに承認申請を行っているところだとのこと。また技術的な詰めもあわせて行っているところだ。「スマート・コンタクトレンズを使って、装着者および医者に測定内容を報告するためのアプリケーションを開発しているところです」とGoogleは述べている。

[image via recode]

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Runnableの上にGoogleがDart専用チャネルを作った…新言語の試用が容易に

Googleが将来的にJavaScriptを駆逐すべきものとして推しているDartは、昨年11月にバージョン1.0に達した。しかし、同じくGoogleのGo言語は急速に人気が盛り上がっているが、Dartはいまいちだ。Dartをなんとか普及させたいGoogleは今日(米国時間1/16)、“コードのYouTube”と呼ばれるサンプルコード発見サイトRunnableが最近設けたCode Channels*を利用する初のフレームワークとして、Dartチャネルを設けた。〔*: YouTubeの‘チャネル’にほぼ相当。〕

数か月前にローンチしたRunnableは、YouTubeと違ってビデオではなくコード片のライブラリをホストし、しかもそれらのコードやユーザによるその編集結果は、同サイト上で実行できる(だから‘Runnable’)。これまではRunnableのチームが投稿されるコードを一つ一つ調べて掲出していたが、今度新たに設けたCode Channelsは、個々のベンダやオープンソース組織などの専用のコード掲出場所となる。そのためユーザであるデベロッパは、特定のフレームワーク(たとえば新しい言語)を試用しやすくなり、そしてまさにその点に、Dartのチームは飛びついたのだ。

RunnableのCEO Yash Kumarは、今日の声明文の中でこう言っている: “Googleが新言語Dartをホストする場としてRunnableを選んでくれたことは、とても喜ばしい。Dartは弊社の、たえず成長しているコードライブラリのきわめて重要な一員となり、当サイトの、デベロッパにとっての利用価値を一層高めるだろう。またそれはCode Channelsの利用例としても非常に優れており、どんな企業でもデベロッパでも自分のフレームワークやコードを外部デベロッパに見つけてもらい、利用してもらう場所として利用できる、というチャネルの有用性を、Dartチャネルが実証するだろう。当サイトでユーザが、Dartではこんなこともできる、というコード例をたくさん投稿されることを、期待したい”。

ただしDartコードを実行する仮想マシンは今のところChromeの実験的なビルドであるDartiumでしか使えないから、Runnable上のDartのコードサンプルはDartをJavaScriptへコンパイルするdart2jsに頼ることになる。それにより、Dartで書いたコードは、ほかのブラウザでも動くようになる。

Googleが新言語普及活動の一環としてRunnableを選んだことは、Runnableにとっても大きな前進だ。それは同サイトのサービスモデルが広く認められたことを意味し、今後はさらに、いろんなベンダやフレームワークが同サイトを…自己チャネルの創設・利用者として…利用していくことにつながるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、モバイル版Chromeのデータ圧縮機能を公式にリリース―データ量を最大50%節減

今日、Googleはモバイル版Chromeブラウザのデータ圧縮のオプション機能を正式にリリースしたことを発表した。この機能はユーザーのスマートフォンやタブレットへのデータ転送量を大きく削減するものだ。処理のスピードアップ、データ料金の節約に寄与することが期待されている。

同時に、モバイル版Chromeブラウザのアップデートではこれ以外にもiOS版へのGoogle翻訳、Android版へのお気に入りのウェブサイトへのショートカットなど、いくつかの新機能が追加され、バグ修正が行われている。

しかしやはりデータ圧縮機能が今回のリリースの目玉になるようだ。これが有効化されると同時にChromeのセーフ・ブラウジングテクノロジーによって悪意あるウェブページからも保護される。Googleによると、この機能は今後数日かけてiTunes App StoreとGoogle Playストアに順次公開されるという。

GoogleはAndroid版でデータ圧縮機能のテストをAndroid 昨年3月からChrome Beta for Androidを通じて開始していた。その後、昨年の秋にはテストはiOSにも拡張された。

データ圧縮機能は簡単にいえばGoogleプロキシーだ。ウェブページへのリクエストと応答をGoogleのサーバを経由させ、そこでPageSpeedライブラリーによる圧縮が行われる。その一方、ブラウザとGoogleのサーバとの接続はSPDYプロトコルによってさらに最適化される。

多くのユーザーはこうしたバックエンド処理の詳細に興味がないかもしれないが、ここでGoogleが達成したとしている成果には注目すべきものがある。Googleによれば、ユーザーがChromeのデータ圧縮/最適化オプションをオンにすると、Android版でもiOS版でも、最大で50%もデータ量を削減できるという。前に述べたように、PageSpeedライブラリーを利用して画像ファイルをJPEGやPNGからGoogleのWebPフォーマットに変換するだけでも大きな効果がある。というのはウェブページでは平均してデータ転送量の60%が画像だからだ。

モバイル・データの圧縮はもちろん新しいアイディアというわけではない。たとえばモバイル版Operaブラウザのターボ・モードやAmazon Silkも似たようなメカニズムを採用している。また昨年10月にFacebookが買収したモバイルデータ分析企業のOnavoはデータ転送の最適化を図るアプリ(Onavo Extendを一般ユーザー向けに提供している。つまり一定のデータプラン契約で最大のコンテンツを提供しようとするサービスに注力しているのはGoogleだけではないということだ。ことにGoogleの場合、ユーザーが長くウェブ上に留まればそれだけ売上が増える。

Chromeのデータ圧縮とプライバシー

ここでひとつ注意しておかねばならないのはプライバシーの観点だ。機能を有効にするには設定メニューのアプリケーションから「帯域幅の管理(Bandwidth management)」、「データ量の削減(Reduce data usage)」を選ぶ。その際ユーザーはHTTPトラフィックがGoogleのプロキシー・サーバを経由することに同意しなければならない(圧縮機能はHTTPSを利用するトラフィックやシークレットモードが有効になっている場合は無効になる)。

プライバシー問題に神経質な一部のユーザーは懸念を抱くかもしれないが、Googleが以前に説明したところによれば、リクエストがGoogleのサーバを経由する際にウェブページのコンテンツは一時キャッシュされるが恒久的には記録されないという。また、さらに重要な点だが、Googleによればそれ以外のログはGoogleのアカウントに関連づけられ、6ヶ月以内に完全に削除されるという。これらの詳細については昨年11月にアップデートされたChromeのプライバシー・ホワイトペーパーで説明されている。しかし今後なんらかの変更があるかどうか念のため注意して見守っていきたい。

その他の改良

上で述べたように今回のアップデートではいくつか興味ある改良が加えられている。iOS版Chromeでは新たにGoogle 翻訳がサポートされた(Android版では追加ずみ)。この機能はウェブページをユーザーの言語に翻訳して表示する。

一方でAndroidユーザーはメニューのオプションに「ホーム画面に追加」というオプションが新設され、お気に入りのウェブページをホーム画面に簡単にセーブできるようになった。またGoogleが今回のリリースを解説したブログ記事で述べているところによると、一部のウェブサイトではフルスクリーン表示がサポートされる。

新機能を利用するにはChromeにアップデートを適用するか、新たにインストールする必要がある。

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Chrome 32ではマルウェアブロックを強化, Windows 8の上ではChrome OSを体験できる

Googleが今日(米国時間1/14, 日本時間1/15)、Chromeブラウザの最新安定バージョンをリリースした。そのバージョン32には、最近ベータチャネルにやってきた新しい機能の多くが含まれている。マルウェアブロックの改良が、その一例だ。またタブの表示は、そこで音を鳴らしている、Webカメラにアクセスしている、Chromecastにビデオを送っている、などのときにはそれらが分かるようになった。つまりタブに、スピーカーのアイコン、青い矩形、赤いドットなどが表示されるのだ。

たとえば突然音楽が鳴り出したりビデオの再生が始まったようなとき、あれっ?どのタブだっけ?ということが、これからはなくなる。このアイデアは2013年の初めからあるが、ベータに導入されたのがやっと11月だった。

マルウェアブロッカーも新しくなった。それは昨年10月の実験的先行ビルドにやってきた機能だ。これからは、Googleが怪しいと判断したダウンロードは、自動的にブロックされる(下図)。.

Windows 8を使っている人は、”Metro”モードを試すことができる。Microsoftが今それを何と呼んでいるのかよく分からないが、Googleは臆することなく今でもMetroと呼んでいる。そのMetroモードでは、ChromeのルックスがChrome OSになり、そのアプリケーションがWindows上で立ち上がる。前のバージョンでは、MetroモードはChromeの通常のインタフェイスを見せるだけだった。その、ChromeインタフェイスのMetro化は上出来とは言えなかったが、今度の新しいインタフェイスではMetroモードをうまく利用して、Chrome OSをWindowsに持ち込んでいる。

今回は新たに、”スーパバイズドユーザ(supervised users, 監視されるユーザ )”という機能が加わった。これはまだ公式にはベータだが、たとえば親が子どものWeb閲覧履歴をチェックできるのだ。そしてchrome.com/manageでサイトに制限をかけられる。

例によって、セキュリティフィックスも多い(21か所)し、安定性やパフォーマンスの面でのアップデートもある。

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Google Driveにアクティビティストリームが加わる, 共有ドキュメントの編集履歴が細かく分かる

Googleが今日(米国時間1/14)、Google Drive(旧Google Docs)にアクティビティストリームを加えたことによって、複数のユーザが共有しているドキュメントの変更履歴を調べることがやっとできるようになった。この機能の展開は来週行うそうだから、あと数日待たなければならないが。

Google Driveでいちばん便利なのは、複数のユーザがリアルタイムで共同編集できることだ。でもGoogleは、ユーザのアクションのすべてを漏らさず記録することは不可能と言いつづけてきた。Podioなどのドキュメントサービスは、最初からそういうストリームを提供しているが、Googleは共有を売りにしながら、この機能を提供しなかった。

今回提供されるストリームには編集アクションとコメントアクション、それに新しい文書の追加、ドキュメントのリネーム、誰がそのファイルを共有していたか、などが記録される。

下図のように、上部のナビゲーションバーに加わった(i)ボタンを押すと、アクティビティストリームがポップアップする。

Googleは最近、Driveのアップデートを前よりも頻繁に行うようになった。先月には新しいドロップダウンメニューから、フォルダのリネームや並べ替えを容易にできるようになった。こういったマイナーなアップデートによってDriveは使いやすくなったが、今日のアップデートはさらに利用価値の高いソリューションだ。

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GoogleのNest買収で儲かったのは誰だ?―クライナー・パーキンスの投資は20倍に、シャスタには過去最高のヒット

ご承知のようにGoogleはNest32億ドルのキャッシュで買収した。そこで初期の投資家であるKleiner Perkins Caufield ByersとShasta Venturesは大儲けをした。複数の情報源から聞いたところでは、Kleinerは2000万ドルを投資し、買収で4億ドルを得たという。20倍になったわけだ。

NestはシリーズA、シリーズBのラウンドでの投資家も投資金額も明らかにしていない。そのため今回スマート・サーモスタットとスマート煙探知機の買収で誰がどれだけの利益を得たかを正確に判断するのは難しい。

とりあえず分かっていることを確認すると、ShastaとKPCBでNestの2010年9月のシリーズAを全額引き受けている。これはNestが創立されてわずか数カ月後のことだった。次に2011年8月のシリーズBにも両社は参加しているが、このときはGoogleVentures、Lightspeed Venture Partners、Intertrust、Generation Investment Managementも加わっていた。

複数の情報源によると、Kleiner PerkinsはシリーズAとBを合計して2000万ドルを投資しており、Nestの最大の投資家だという。 Googleが払った32億ドルはKPCBの投資を20倍にしたとFortuneのDan Primack記者は聞いたそうだ。この資金は2010年に組成された6億50 00万ドルのKPCB XIVファンドから支出されたものだ。つまりKleinerはNestへの投資だけでこのファンドの60%の利益を出した計算になる。これでNestへの投資を主導し、取締役にもなっているKPCBのパートナー、Randy Komisarの地位も一段とアップすることだろう。

Kleiner Perkins Caufield Byersは1990年代末のインターネット時代の初期にGoogle、 Amazon、AOL、Intuitなどに投資するというホームランを連続して放った。最近ではFacebookとTwitterの株式上場で成功を収めている。またSquareやSpotifyにも投資している。しかしこれらはかなり後になってからの投資で、そう高い倍率は望めない案件だった。しかしNestの場合、KPCBは最初期から関与していたため、久々に非常に高い利益率を得ることができた。

左はShasta VenturesのマネージングディレクターでNest投資への投資を主導したRob Coneybeerだ。

[アップデート: 事情に詳しい情報源によると、今回のGoogleのNest買収で、Shastaは2億5000万ドルのShasta IIファンドの「大半を取り戻した」という。つまりShastaは2億ドル以上を得たもよう。]

CitrixのZenprise買収、IntuitのMint 買収などでShastaはこれまでも成功を納めているが、今回のNest買収は桁違いの利益を生んだもようだ。これで今後投資パートナーからベンチャー資金を募るのが楽になるだろう。

シリーズBとCをリードしたGoogle Venturesがおおきな利益を計上したことも間違いない。Tony FadellMatt Rogersの二人の共同ファウンダーも同様だ。

ベンチャーキャピタル全体として考えると、Nest買収はハードウェア起業家への強い追い風となる。Googleのような巨大企業が何十億ドルもの金をソフト企業ではなく家庭ハードウェアを製造する誕生したばかりのスタートアップに投じたことは、ハード起業家が資金を集めることを大いに助けるだろう。

[本記事の調査にはKim-Mai Cutlerが加わった]

Googleのネスト買収の詳細については下の画像をクリック:

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Nestの買収は、Googleが未来のハードウェアへ向う幸先よいスタート

CESは終り1年後までやってこないが、ショウ最大のテーマの一つ ― どんなものでも(車、時計、鏡、テーブル、等々)「ハードウェア」になれる ― は始まったばかりだ。そして今日(米国時間1/13)のGoogleがNestを32億ドルで買収したニュースは、Googleがどれほどハードウェアの中心プレーヤーになりたがっているかを如実に示している。

GoogleがNestを買収しても、Nestのアプリ、サーモスタット、煙検知器等に渡る全データを検索の巨人がアクセス可能になるわけではないが、Googleは別の何かを手にする。それは次期先端ハードウェアの一流デザイン知識 ― Apple出身のハードウェアのベテランで、うち一人はiPodの父という2人が集めたチームを通じて。

これはGoogleにとって非常に大きな節目だ。

現在まで、検索の巨人はビジネスの要所 ― デスクトップ・インターネット、モバイル・デバイス ― をソフトウェアを通じて支配し、これらの市場をデータ ― 具体的には広告データ ― によって収益化してきた。

それは、プラットフォームとその上で動くサービスのみならず、動作するためのハードウェアも支配する(そしてそれによって高級な製品から高い利幅を得ている)垂直統合企業、Appleとは根本的に異なるアプローチである。

NestはGoogleに、全く新しい市場 ― つながれたホームデバイス ― に垂直的アプローチで立ち向かうことによって、収益を多様化する機会を与えるだろう。

「これは新しいハードウェアのムーブメントだ」とある人は説明した。「デバイス+サービス、製品と市場の一致、クラウドファンディング・プラットフォームを使った調査、提携小売販売とオンライン直販の混合等々」。

Googleにとって、Nestはとりわけ魅力的な例の一つだ。つながった家庭用ハードウェアの統合システムを作っているだけでなく、Nestは相互運用性を中心に据え、初期バージョンでは、iOSまたはAndroidスマートフォンで制御するアプリと、よく整備された直販および小売販売チャネル、および誠意に満ちたサポートによってそれを実現してきた。

いずれにせよ、それはGoogleが以前から注目していた分野であることに間違いない。例えば昨年12月にThe Informationは、GoogleがEnergySenseと呼ばれる節電を手助けするスマート・サーモスタットらしきものをテストしていることを暴露した。テストは、Nestのライバル会社、Ecobeeのデバイス上で行われたと言われているが、今度はNestのサーモスタットを使う可能性もでてきた。

「NestとGoogleの製品は相互に協力して動作するのか?」という今日の仮想 Q&A 記事の質問に対して、共同ファウンダーのMatt Rogersは、「『Nest』の製品ラインがGoogleの注目を浴びたことは間違いないので、一緒にできるクールなことはたくさんあると考えているが、今日言えることはない」と答えた。

しかし、この買収はGoogleにとって有益であるばかりではない。


この数ヵ月間、Nestは同社製品のソフトウェアにバグが多いという高まる批判に悩まされている。Googleのソフトウェア知識は頼りになるだろう(ただし、その点に関してはGoogle嫌悪者とNest愛好家の重なりが問題になるかもしれない)。

さらには、Nestの知的財産権と特許の争いもある。NestはHoneywellおよびFirst Alertのメーカー、BRKとの特許侵害裁判を抱えている。これらの戦いを有利に進め、さらに自らを模倣者から保護するために、同社は特許に関して積極的だ。すづに100件の特許が承認され、200件が申請中、さらに200件が申請準備済みで、Intellectual Venturesとのライセンス契約も進めている。ここにGoogleが加われば、同社がこれらの戦いを進める上でも予防策になる。

Nestの買収が、今後Googleの他のハードウェアに対する関心にどう影響を与えるかも興味深い。

Googleが2012年に125億ドルで買収したMotorolaは、Googleがスマートフォンとタブレットに新たな垂直型アプローチを取るための布石かと一時見られていた。結局Motorolaは他のAndroid OEMと平等なパートナーであり続け、買収の最重要部分は特許となった。果たしてNextの買収によって、Googleは新たなハードウェア製造に取り組み、Motorolaとの契約で得た知的財産と才能をそこに注ぎ込むことになるのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


YouTubeがビデオ提供者/制作者のための便利なコメント管理ページをローンチ

YouTubeが今日(米国時間1/13)立ち上げた新しいコメント管理ツールにより、ビデオ作家は自分の複数のビデオに寄せられるすべてのコメントを一か所で見ることができる。

YouTubeがGoogle+経由のコメントシステムを開始してユーザの不興を買ったとき、同時にコメントを管理するための新しいツールをいくつか提供した。しかしその変更によってビデオ提供者はコメントをYouTube Inboxから管理できなくなり、コメントに対する通告機能はアラートに移行された。

YouTubeのユーザはこの変更に対して不満を合唱し、それに対し同社は今日、ビデオ提供者/作者がコメントを一か所で見られて、対応できて、調停等(モデレート)もできるイベント管理ページを発表した。それは要するに、昔のYouTube Inboxの復活だ。

このページでビデオのオーナーは、コメントをすばやく一望、悪質なコメントを削除、スパムにチェックを入れる、良いコメントに親指アップする、などのことができる。また、コメントを、公開、保留、スパムへと分類できる。

これらは、どれをとってもYouTubeの新しいコメントシステムの“嫌い”を“好き”に変えうるものではないが、ビデオをYouTube上に公開する者にとっては、人生が少し楽になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、スマート・サーモスタットなどインターネット接続家庭用品のNestを32億ドルのキャッシュで買収

Googleはインターネットに接続される各種スマート・デバイスのメーカー、Nestを32億ドルのキャッシュで買収する。今日(米国時間1/13)、Googleはこのことをまず社員に対してメールで通知し、続いてプレスリリースを発表した

2011年にNestはベストセラーとなったスマート・サーモスタットの販売を開始した頃からGoogleはNestに注目していたようだ。同社は最近ではやはりネットワークに接続される煙警報機Protectを発売している。

Nestの共同ファウンダー、Tony FadellとMatt RogersはともにGoogleに参加する。RogersはAppleでiPhoneの開発がスタートしたとき、最初に参加したエンジニアの一人だ。一方、Fadellは「iPodの父」として知られている。

NestはGoogleの傘下に入っても独自のブランドを維持し、Fadellが指揮を続ける。買収は合意されているが、当局による承認を待っている状態だという。

Nestの共同ファウンダー、FadellとRogersはTechCrunchに対して買収に応じた経緯を説明するメールを送ってきた。

「“Googleは巨大なビジネス資源とグローバルな規模のプラットフォームを持ち、Nestの成長プロセスを大きく加速することができると考えた」とFadellは言う。

Fadellによればこの決断に至るまでには長い経緯があったという。Nestのローンチ以前、2011年のTEDカンファレンスでFadellとビジネス担当副社長のErikCharltonはGoogleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンにスマート・サーモスタットのプロトタイプのデモ・ビデオを見せた。すると「サーゲイは即座に興味を示し、その後われわれがデモをしたGoogleのチームのメンバーも同様だった。2011年5月にGoogle VenturesがシリーズBの資金調達ラウンドをリードし、2012年にはやはりGoogle VenturesがシリーズCを実施した」という。

Googleは過去にインターネット接続のAndroid at Homeなどスマート家庭用品デバイスの開発を試みて失敗している。その点Nestは優れたデザインと機能のデバイスの開発、すでに市場に受けいられている。 将来Googleが必要とするに違いない分野で成功を先取りしているという点で効果的な買収だろう。

Googleは独自のスマート・サーモスタット計画を検討していたとされるが、Nestがこれを補完するのか、あるいはNestチームがこの分野を指導することになるのだろう。もうひとつのGoogleの興味あるプロジェクトである電力消費モニターのPowerMeter計画についても同様のことがいえる。

NestはQ&Aを発表し「今後共Nest製品のサポート、保証には変更がない」ことを強調した。〔Q&Aの全文については原文を参照〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google+のユーザーはアドレスを知らなくても他のユーザーにGmailを送れるようになる―オプトアウトは可能

今日(米国時間1/9)、GoogleはGmail内からGoogle+のユーザーにメールを送れる機能を追加した。便利ではあるが、不要なメールが増える可能性がある。

今後、Google+のユーザーはメールアドレスを知らなくても他のGoogle+ユーザーにGmailメールを送信できる。デフォールトでは「すべてのGoogle+ユーザー」が対象になっているが、オプトアウトも可能だ。

GmailではTo欄に相手のメールアドレスを入力し始めたとたんに、自動補完が始まるが、この新機能が有効になっていれば、通常の連絡相手のリストの下に「Google+の連絡相手」のリストが表示される。

プライバシーおよびスパム抑制の観点からGoogleは「誰からのメールを受け取るか」をユーザーが選択できるようにしている。

「誰からも受け取らない(No one)」を選択すればこの機能は無効になる。デフォールトでは「全員から受け取る」になっているが、「サークル」、「拡張サークル」を選ぶこともできる。今日ではYouTubeにコメントするにも、新しいGmailのアカウントを作るのにもGoogle+のアカウントが必要だから、Google+の「ユーザー全員」というのはずいぶん広い範囲になる。

またこのGoogle+の連絡相手リストには自他の実際のメールアドレスは表示されない(実際にメールをやりとりすれば当然メールアドレスは判明する)。

この機能は先日公開されたGmailのタブによる振り分け機能を利用している。現在Gmailの受信トレイは、メイン、ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラムなどのタブに分けられている。Google+で自分のサークルに入っている相手からのメールはメイン・タブに、そうでない相手からのメールはソーシャル・タブに振り分けられる(このメールに返信しないかぎり相手には実際のメールアドレスは分からない)。

この機能は送信者としてみた場合は大いに便利だが、受信者としてはそれでなくても多い不要なメールの着信を増やす可能性がある。受信トレイにタブUIを使っていない場合は特にそうだ。Googleはユーザーごとにこの機能を有効にする前にメールで通知を送り、好みの受信設定をするよう促している(受信設定へのリンクが通知される)から洪水を予防する余裕はあるわけだ。

Googleによるとこの機能はここ数日かけてGmailとGoogle+の双方のアカウントを持つ全ユーザーに公開されるという。いち早く受信範囲を設定したいならGoogleからの通知メールを見逃さないように。

〔日本版:1/10早朝現在、訳者の環境ではまだ有効になっていない〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+