Google Pixel 3aにヘッドフォンジャックが帰ってきた

やあ、懐かしい友よ。キミは帰ってくると思ってたよ。それがどんなかたちで、いつなのかはわからなかったが再びキミに巡り会うと確信していた。時間がかかったのは、キミが戻ってくるためのスマホ市場を形成するためだった。

Googleはもちろん初代Pixelにとっての3.5ミリジャックの重要性を立派に守り、それを後継機にもつないだ。そしていまGoogleはPixel 3aという廉価版のスマホを発表し、有線ヘッドフォン受け入れを復活させた。

この動きは金銭的な意味合いを伴う。ユーザーがBluetoothヘッドフォンやUSB-Cモデルへアップグレードするのはコストがかかるため、ハードウェアメーカーは中価格帯のスマホの製造をあきらめるのは躊躇していた。

しかしながら興味深いことに、3aはヘッドフォン付きでは出荷されない見通しだ。Googleによると、「Pixel 3aは3.5ミリのアナログオーディオ、USB-Cデジタルオーディオ、ワイヤレスBluetooth 5.0と互換性があるので、個人のニーズに最も合うヘッドフォンを選ぶというフレキシビリティをユーザーに提供することになると考えている」とのことだ。

もちろん、そうだ。しかし現実を見よう。これはデバイスの製造マージンと大きく関係するだろう。デフォルトのヘッドフォンの類がかなり安くで製造できるにしても、ユーザーに委ねるという姿勢は良いジェスチャーだったようだ。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

Googleマップにもシークレットモードが加わる

足跡を残さずにウェブをブラウズできることは、いろいろな理由で大いに意味のある機能だ。それが、ようやくGoogleマップでも利用可能となる。米国時間5月7日Google I/Oで発表されたシークレットモードは、Googleマップ上での移動や検索が、ユーザーのアカウントにリンクされたり、ローカルに保存されたりするのを防ぐ。

ユーザーが検索したり、実際に訪ねたりした場所が、スマホ内やGoogleアカウントに記録されることを制限したいと考える理由は、あれこれ考えられる。

たとえば、性的な健康について診療してくれる近所のクリニックを探したとしよう。それはまったく普通のことだが、それが最近訪れた場所のリストに記録されるのを望むだろうか。友達といっしょに近くにある飲み屋を探しているとき、いきなり表示されたらどうだろう。

それと同じように、アルコール依存症の支援団体を訪れたり、ゲイバーで夜を過ごしたりしたことを記録したくないという人もいるだろう。自分の人生について、なんでもかんでもオープンにできるという人は、そうそういるわけではない。

シークレットモードをオン/オフするのは簡単だ。まず右上にある自分のアカウントのプロファイル写真をタップする。すると、メニューが表示されるので、その中からシークレットモードを選ぶだけ。オフにするのも同じ操作だ。

注意すべきは、この設定によって他のアプリなどが位置情報を知るのを防ぐことはできないということ。例えば、携帯電話会社は、ユーザーが今どこにいるのか、だいたいの位置を常に把握している。それによって、基地局との通信を確保しているからだ。また、位置情報を利用する他のアプリやサービスも影響を受けない。たとえば、Googleマップでシークレットモードをオンにしてから、別のアプリに切り替えて近くのレストランを探そうとした場合、そのアプリは自由に位置情報を利用できる。

ウェブブラウザのシークレットモードと同じで、これによって保護できる範囲は限られているものの、中には非常に重要な部分もある。Googleマップのユーザーは、このモードを順次利用できるようになるはずだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Google I/O 2019基調講演で語られた全内容のまとめ

先週末に行われたGoogle I/Oカンファレンスの2時間にわたる基調講演で、Googleは、新しいスマートフォンから次世代型の音声アシスタントなど、この1年間で開発してきたものを大量に発表した。

すべてを見ている暇はない? 大丈夫。そんな人のために駆け足で紹介しよう。

Google Pixel 3aと3a XL

噂のとおり、GoogleはPixel 3の廉価版を発売する。

価格を下げるために、プロセッサーのランクをちょっとだけ下げ(Snapdragon 845をSnapdragon 670に)、ストレージを64GBに制限し、無線充電機能をなくした。その代わりに、空いたスペースに3.5ミリのヘッドフォンジャックが付くという嬉しいオマケがある。

Pixel 3aは399ドル(約4万4000円)より。5.6インチディスプレイ、12.2メガピクセルのリアカメラ、そして、最初からAndroid Pが走る。Pixel 3a XLは479ドル(約5万2800円)から。こちらは画面が6.0インチになる。

TechCrunchのBrian Heaterが、今週初めにこのスマートフォンを試用している。彼のレビュー記事はこちら

Nest HubとNest Hub Max

Google Home Hubは、Nest Hubと名前を変えて、価格も149ドル(約1万6400円)から129ドル(約1万4000円)に下げられた。

同時に兄貴分も登場した。Nest Hubの画面を7インチから10インチに拡大してカメラを追加した、その名もNest Hub Maxだ。Nest Hub MaxはNestアプリに接続できるため、Nestの他のカメラと同じように使える。Googleによると、背面のスイッチでカメラとマイクをオフにできるという(残念ながらカメラかマイクのどちらかを生かすというのはダメみたい)。価格は229ドル(約2万5000円)。今年の夏に出荷予定だ。

Nest Hub Maxに搭載された新しいFace Match機能は、顔認証ができ、その反応をカスタマイズできる。この機能に関するGoogleのブログ記事には「Face Matchの顔認証は、デバイスに内蔵された機械学習機能によりローカルで処理されるため、カメラのデータは一切外に出ません」とのことだ。

検索に拡張現実

一部の検索結果、たとえばあるモデルの靴や「大きなホワイトシャーク」などでは3Dモデルが見られるようになる。モデルをタップすれば、AR(拡張現実)を使って現実の映像の上にそれを重ねて見ることができる。

Google Lensのアップグレード

Google Lensにも、いくつか新しい機能が増える。レストランのメニューにGoogle Lensを向けると、人気の料理がハイライトされる。レシートに向ければ、チップや合計金額を自動的に計算してくれる。

ウェブ上でDuplex

昨年のI/Oで、GoogleはDuplexを発表した。スモールビジネス(レストランや美容院など)向けのAIを使った顧客サービスツールで、大量の電話に対応したり、よくある質問に応答したり、予約を管理したりできる。

今年はこれを拡大して、ウェブ上で公開する。例として示されたのが、インターネットによるレンタカーの予約だ。「(レンタカー会社)のレンタカーが欲しい」と言うと、そのレンタカー会社のウェブサイトが開かれ、自動的に予約が行われる。そこには、カレンダーに書き込んだ出張の日程がすでに入力されていて、Gmailに残っている前回のレンタカー予約確認のメールをもとに、好きな車種が選択されていた。

Googleの「次世代」アシスタント

Googleは、音声認識モデルのサイズを数百ギガバイトから500メガバイトほどに圧縮することができた。スマートフォンに搭載できる十分に小さいサイズだ。

音声認識モデルをローカルで持つことで、クラウドとのPingのやりとりによる遅延がなくなる。アシスタントとの会話も、ほぼ瞬間的に行えるようになる。デバイス上で走っているため、機内モードでも使える。Googleは、矢継ぎ早に命令(「Lyftを呼んで」や「懐中電灯を点けて」など)を連発してその様子を披露していたが、しっかりと応答していた。

Googleによれば、この次世代の音声アシスタントは、今年の後半に新型Pixelに搭載されるという。

GoogleアシスタントがWazeに

GoogleアシスタントがWazeに組み込まれ、「ほんの数週間以内」に使用可能となり、事故や道の陥没の通報などが声で行えるようになる。

Googleアシスタントのドライビングモード

「ヘイ、Google、ドライブしよう」と言えば、アシスタントはドライビングモードに切り替わる。画面には、チラッと見てわかるように、目的地の方向や音楽の操作系など、運転中に必要最低限の情報だけが表示される。

Googleマップのシークレットモード

ブラウザーのシークレットモードと同様に、Googleマップに追加されるシークレットモードでは、場所の検索結果や経路がGoogleアカウントの履歴に残らないようになる。

ライブ字幕とライブ筆記

Androidには、間もなく、スマートフォンで再生したメディアにその場で字幕を入れる機能が追加される。保存したポッドキャストや録画した動画にも字幕が付けられる。

Live Relay(ライブ中継)とGoogleが名付けた機能を使えば、電話での会話をリアルタイムで筆記させたり、文字で応答したりできるようになる。

下の動画は、Live Relayで実際に会話している様子だ。

https://platform.twitter.com/widgets.js
声に出したり耳で聞いたりしなくても電話ができるように、Live Relayは、デバイスに内蔵された音声認識と文章音声変換を使って、電話の音声のやりとりを代行します。

Project Euphonia

Googleは、そのAI音声アルゴリズムを使って、ALSや脳卒中の後遺症などのためにうまく話ができない人を支援する研究を続けてきた。それぞれの人の話し方にモデルを調整することで、コミュニケーション能力を向上させることができる。

https://platform.twitter.com/widgets.js
非営利団体とボランティアの協力のもとで行われているProject Euphoniaは、音声による会話に障害がある人たちのコミュニケーションを迅速化し自立を支援する活動です。

ダークなテーマ

Android Qにダークモードが追加される。手動で切り替えることもできるが、省電力モードになったときに自動的に切り替わるようにもできる。

集中モード

仕事が忙しい? それならFocus Mode(集中モード)だ。仕事の邪魔になるアプリの一覧を作って、スイッチを切り替えれば、集中モードをオフにするまで、それらのアプリは表示されなくなる。今年の秋にAndroidに搭載される。

PixelのGoogleマップにARモードが登場

数カ月前、GoogleはGoogleマップで使える新しいAR(拡張現実)モードを披露した。その目的は? 確実に正しい方向に歩行を開始できるようにするためだ。スマートフォンを目の位置に掲げると、画面に目の前の光景が映し出される。Googleマップはその映像とストリートビューのデータとを照合して、現在位置と方向を正確に割り出す。GPSだけを使った場合よりも確かだ。そして、正しい方向に矢印を表示する。

しばらくベータ版だったが、今日からPixelに搭載される。

消費者向けの基調講演の後、Googleはこれとは別に、開発者向けの基調講演を行った。内容は次のとおりだ。

  • Android開発の主要プログラミング言語はKotlinになったとGoogleは話した。
  • Kotlinでの開発用の新しいUIツールキットJetpack Composeを発表。
  • 今回発表されたNest Hub Maxなど、Googleのスマートディスプレイ・デバイス用のゲーム開発が可能になった。
  • 速度と安定性を向上させたGoogleのAndroid Studio IDEの新バージョンを発表。
  • Androidの開発者は、作動を続ける前にアプリの更新をユーザーに要請できるようになった。去年発表されていた機能だが、やっと実現した。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Androidアプリはアップデートを各ユーザーに強制できる

半年前のAndroid Dev SummitでGoogleは、アプリのデベロッパーがユーザーに、新しい機能や重要なバグフィックスなどのアップデートを強制する方法を発表した。でも、その機能をデベロッパーが実際に利用できるのは、なんと米国時間5月7日のGoogle I/Oからだ。これまではGoogleのごく一部のパートナーが使えるだけだった。

さらにまた、Googleの動的アップデート機能も本日でベータを終える。この機能を使うと、アプリを構成する一部のモジュールを後からプッシュできるので、最初のインストール時のファイルサイズを小さくできる。

Androidのチーフアドボケイト(Chief Advocate)であるChet Haase氏はこう語る。「これまでは、自動更新を利用したり、ユーザーがPlay Storeにわざわざ行ってアップデートを確認したり、デベロッパーがユーザーに通知したり、という方法しかなかった。しかし、セキュリティや決済などの問題ですべてのユーザーに早急にアップデートしてほしいときは、どうするか?」。

今度の新しい機能はInline Updatesと呼ばれ、デベロッパーが新しいAPIにアクセスしてユーザーにアップデートを強制する。強制の方法は、ユーザーが今やってることをブロックする全画面のメッセージを出したり、バックグラウンドでアップデートを強制インストールしたり、ダウンロードが完了したらそのアプリをリスタートしたり、デベロッパーが独自に作ったカスタムのアップデートフローを使ったりする。

関連記事: Android developers can now force users to update their apps(Androidデベロッパーはアプリのアップデートをユーザーに強制できる、未訳)

画像クレジット: TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google I/O最大のVRニュースはVRニュースがなかったこと

GoogleがVRの白昼夢から覚めつつある。人々がすでに所有しているスマートフォンを利用してVR体験を実現するという同社の意欲的計画はI/Oカンファレンスで言及されなかった。

2016年と2017年をかけて、モバイルVR市場形成の壮大な計画を掲げ、プラットフォームのDaydreamが市場を支配することを約束してきたGoogleが、ヘッドセットの生産とPlay StoreでのVRコンテンツの販売計画をほぼ断念した。

唯一のバーチャルリアリティーに関するニュースは、Googleの最新スマートフォンであるPixelが、同社自身のVRプラットフォームをサポートしないことだった。The Vergeが伝えた。

Googleは2016年と2017年に、2世代のDaydream Viewヘッドセットを発売したが、昨年は新製品もなく、今年のステージではプラットフォームにもヘッドセットにも一切言及がなかった。

GoogleはI/O 2017のVR中心の基調講演で、HTCおよびLenovo(レノボ)との提携によってスタンドアロンデバイスを提供する計画を詳しく話した。HTCはその後プログラムを離脱し、Lenovoが予想から大きく遅れてMirage Soloを発売したあとも、Googleは新しい追跡技術のWorldSenseを利用するためのアップデートもコンテンツの優先提供をも行わなかった。現在同社はこのデバイスを開発キットであることをうたっているが、具体的に何のための開発なのかはわからない。

FacebookのVR部門であるOculusは、Googleが最後にVRハードウェアを発表して依頼、2種類のスタンドアロンVRヘッドセットを発表、発売した。

「VRに関して、現在当社はサービスおよびVRが真に活用できる分野に焦点を合わせている」とGoogleのVR/AR責任者のClay Bavor氏がCNETのインタビューで語り、同社がまだハードウェアの実験中であることを説明した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがKotlinベースのオープンソースUI開発ツールキット「Jetpack Compose」を公開

米国時間5月7日、GoogleはJetpack Composeのファーストプレビューを公開した。Kotlinデベロッパーが、React NativeやVue.jsのようなリアクティブプログラミングモデルを使えるようにする新しいオープンソースUIツールキットだ。

Jetpack Composeは、GoogleのAndroidデベロッパー向け総合ソフトウェアコンポーネントセットAndroid Jetpackの一部だったものが分離されたツールキットだが、これ以外のJetpackコンポーネントを使う必要はない。GoogleはJetpack Composeによって、Android開発に「コードとしてのUI」哲学を持ち込もうとしている。ComposeのUIコンポーネントは完全宣言性でありデベロッパーはどんなUIになるべきかをコードの中に記述するだけでレイアウトを作成できる。Composeフレームワークは、デベロッパーにとって面倒なUI最適化の詳細をすべて処理してくれる。

デベロッパーはJetpack Compose APIとAndroidのネイティブAPIを自由に組み合わせることができる。Jetpack Composeは、Googleのマテリアルデザインにも標準で対応している。

今日のJetpackアップデートの一環として、GoogleはJetpackの新しいコンポーネントと機能を発表した。新機能には、Android for Cars、Android Auto向けアプリ開発ツールから、アプリをEnterprise Mobility Managementのソリューションやビルトインのベンチマークツールと統合しやすくするEnterpriseライブラリまで幅広くそろっている。

しかし、おそらく最も注目すべき新機能はCameraXだろう。カメラを中心にした機能やアプリケーションの開発を可能にする新しいライブラリで、デベロッパーはAndroidのネイティブカメラアプリと事実上同じ機能を利用できる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの低価格機Pixel 3a XLがすでにBest Buyの店頭に登場

Pixel 3aが来週のGoogle I/Oにやってくる。それはもう、一種の決まり文句みたいだったが、そのハンドセットがすでに、オハイオ周辺のBest Buyに出回っていると聞けば、今ならそれは本当だろうなと思うしかない。

Googleの旗艦機Pixelの廉価版は、マウンテンビューで行われる5月7日のキーノートでステージに登場するだろう。でも、オハイオ州スプリングフィールドのお店でそのボックスを見た、というAndroid Policeの読者のおかげで、ひと足先にお目にかかれることになった。

その写真からは、Googleがその愚かしい色の名前の慣習に固執していることが分かる。「Purple-ish」(薄紫)とか「Just Black」(真黒)という言葉が見える。前者は新色で、パッケージの写真からは、紫色の電子製品と本当に言えるのか、微妙なところだ。箱の側面に印刷されているスペックは、われわれがすでに知ってることを確認している。XLバージョンではディスプレイが6インチで、ストレージは64GBだ。

このハンドセットはPixel 3のリリースからまだ半年、という時期に出る。今週の決算報告では旗艦機の売上不振対策が発表されたが、その目玉がI/Oで登場するハードウェアだった。昨年までのI/Oにはなかったことだ。しかしGoogleによるこの製品の位置づけはどうなるのか。もともとソフトウェア企業であり、MLやAIにフォーカスしている同社は、今後どんな方向へ同機をアップグレードしていくのか。

来週マウンテンビューには何が登場するのか。その予測記事がここにある。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleのCallJoyは零細企業向けの仮想カスタマーサービス

Google(グーグル)は、さまざまな技術を組み合わせて、零細企業のオーナーが、かかってくる電話にうまく対処できるようにする方策を提供する。そこでは、仮想電話番号、音声からの文字起こし、自動レポート作成と分析、といった技術が活躍する。社内のインキュベーション活動から始まったプロジェクトは、CallJoyという名前で、米国時間5月1日にサービスを開始した。米国内で3020万社にもおよぶ小さな企業のオーナーを対象にして、カスタマーサービスの代理機能を提供する。低価格ながら、迷惑電話をブロックすることや、電話をかけてきた人に会社の基本的な情報を伝えること、顧客の要望に応じてSMSを使った来店の予約やテイクアウトの受注、といったことまでが可能となる。

処理しきれない要望や質問については、本来の会社の電話番号に通話を転送する。一般的には、このようなカスタマーサービスの電話代理業務は、零細企業のオーナーにとって、とても手が届かないもの。しかしCallJoyは、毎月定額の39ドル(約4350円)という価格設定で、この技術を利用しやすいものにしている。

他の仮想カスタマーサービスのシステムと同様に、CallJoyも発信者に音声で応えて、会社の営業時間や住所といった基本情報を伝えることができる。また事業主は、増え続ける迷惑電話に対処する必要がなくなるので、そのせいで時間を浪費することもなくなる。その方が適切だと判断した場合は、電話をかけてきた顧客をオンラインに誘導して要件を完了させることもできる。

そのために、CallJoyの仮想エージェントは、顧客が望む場合には、SMSのテキストメッセージでURLを送信する。後はそのウェブサイト上で、予約や注文などといった要件もオンラインで完了できる。

たとえば、エージェントは顧客に「食品を注文するリンクをお送りしてもよろしいでしょうか?」と尋ねる。そこで顧客が「はい」と答えれば、テキストは直ちに送信される。この機能をカスタマイズして、さらにいろいろな情報を提供することも可能だ。たとえば、会社の電子メールアドレスや、オンラインの顧客サポートのURLなどを送信してもいい。

ただし、顧客が固定電話からかけている場合、このようなテキストで返信する機能は発動せずに、会社の電話に転送することになる。

一般的なカスタマーサービスのソフトウェアが、「品質を向上するため通話内容を録音させていただきます」などとことわるのと同様、CallJoyもかかってきた電話を録音する。そのことは相手に通知される。これは迷惑電話を削減するのに有効だ。というのも、迷惑電話の発信者は、録音されていることがわかると、たいていは切ってしまうからだ。

録音された通話は暗号化され、文字起こしされて、CallJoyのダッシュボードから検索可能となる。

ここには、通話に関する情報、つまり相手の電話番号、音声、そこから起こしたテキストが保存される。事業主は、そこで通話にタグを付けて、自分のビジネスの展望に役立つ分析を含むレポートを生成させることもできる。たとえば、あるヘアサロンに「結婚式のヘアスタイル」について問い合わせる電話が多くかかってくるようなら、自分のウェブサイトにそうした情報を載せるべきだと判断することができる。あるいは、レストランなら、予約の電話が1日に何件かかってくるかを継続的に調べたいこともあるだろう。

また、電話の件数、通話時間帯のピーク、新規の顧客と以前にもかけてきたことのある人の比率、といった分析も可能だ。こうした情報は、オンラインのダッシュボードで見ることができるだけでなく、電子メールで毎日受け取ることもできる。

このサービスは、米国時間5月1日から利用可能だ。利用のためには、既存の固定電話、携帯電話、Google Voiceまたは他のクラウド電話プロバイダの番号が必要となる。通話を、その番号に転送する必要があるためだ。

とはいえ、そうした既存の電話番号をCallJoyが直接利用するわけではない。Google Voiceと同様、会社のある地域の市外局番と、仮想のCallJoy番号を組み合わせたものが、会社の受付番号として使われる。

その電話番号での受け付けを始めるには、事業に関する情報を、すべてその新しい番号に書き換える必要がある。ウェブサイト、名刺、オンラインの事業者リスト、広告、ソーシャルメディア、その他、電話番号が記載されているもの全部だ。

CallJoyは、基本的に1つの住所と1つの電話番号にだけヒモ付けられている。CallJoyダッシュボードを使って、独自の電話番号を持つ住所を追加することも可能だが、その際は回線ごとに追加料金がかかる。

サービス開始時には、CallJoyは招待制としてのみ利用可能となっている。利用を希望する企業は、CallJoyのホームページでリクエストを提出して待ち行列に入る必要がある。招待は毎日発行される。やがて、このシステムは誰でも利用できるようになるだろう。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleがAndroid Automotive OSをSpotifyなどメディアデベロッパーに一般公開

Googleは、自動車のインフォテインメントシステムのために音楽などのエンターテインメントアプリを開発するデベロッパーに、同社のAndroid Automotiveオペレーティングシステムを一般公開する。その手始めの車種は、VolvoのEV子会社PolestarのPolestar 2だ。

Googleの水曜日(米国時間5/1)の発表によると、5月7日に始まる同社のデベロッパーカンファレンスGoogle I/O 2019以降、メディアアプリのデベロッパーはAndroid Automotive OSとPolestar 2向けのエンターテインメント体験を制作できる。

GoogleはSpotifyやそのほかのエンターテインメントサイトなど、メディアアプリのデベロッパーたちと作業を開始しているが、同社はそんな関係をナビゲーションなどそのほかのカテゴリーのアプリにも広げていく計画だ。Android Automotiveのプロダクト担当Haris Ramicが、本誌のインタビューでそう語った。

Android Automotive OSとAndroid Autoは同じものではない。後者はAndroidオペレーティングシステムの上で動く、ナビなどのインタフェイスアプリだ。Android Automotive OSもLinuxの上で動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムAndroidをモデルにしているが、スマートフォンやタブレットの上で動くのではなく、Googleの改造により車の中で使用する。

Polestarは2月に、同社の初めての全電動車、5ドアのファストバックPolestar 2を、ジュネーブのモーターショーに先駆けて発表した。この車のインフォテインメントシステムはAndroid Automotive OSを使っているから、GoogleアシスタントやGoogleマップ、Google Play StoreなどGoogleのサービスを車上で使える。

Ramicによると、ジュネーブで見せたシステムは改良されていてGoogle Mapsがアップデートされているほか、メディアセンターではSpotify、NPR、YouTube Musicなどのサードパーティーアプリケーションが車上でよりシームレスに機能する。これらのアプリケーションは、2020年に中国の成都工場で量産が始まったときにはすでに含まれている。最初の対象市場は、中国と米国とカナダのほか、ベルギー、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国などヨーロッパの一部の国も含まれる。

Polestarの親会社Volvo(ボルボ)は2017年に車のインフォテインメントシステムにおけるAndroid OSの使用を発表し、その1年後に音声制御のGoogleアシスタントやGoogle Play Store、GoogleマップなどGoogleのサービスを次世代のSensusインフォテインメントシステムlvoに組み込む、と言った。

Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は米国時間4月30日に、HarmanとGoogleの技術を利用してそのコネクティッドカーサービスを構築すると発表した。GoogleのAndroid Automotive OSが、FCAのUconnectインフォテインメントシステムの次のバージョンで使われる。またサムスン傘下HarmaのIgniteクラウドプラットホームが、車外のサービスを扱う。

Renault-Nissan-Mitsubishi Alliance(ルノー・日産・三菱アライアンス)もAndroid Automotive OSを採用する計画を公表しており、Ramicによると、ほかにもGoogleがまだ公表できない自動車メーカーに同様の計画がある。

Ramicは、「関心はきわめて高い」と言う。Googleの技術を利用する価値を検討したい、と同社を来訪する企業は日増しに増えているそうだ。

従来、自動車メーカーは車からGoogleを排除する守勢を維持してきたが、それが変わってきた。その排除的守勢ではスマートフォンと車載インフォテインメントシステムの能力的格差が広がるばかりなので、自動車メーカーも最近はGoogleに積極対応するようになっている。

画像クレジット: Google/Polestar

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Wear OSではGoogle Fit以外のタイルも利用可能に

Google(グーグル)は米国時間5月1日、ちょっと目を引くWear OSの新機能を発表した。Googleは、この機能を「タイル」と呼んでおり、いろいろな情報を左方向へのスワイプで切り替えて表示できる。たとえば、今いる場所の天気予報、ニュースの見出し、カレンダーにある次のイベント、運動量の目標と心拍数、それからWear OSの内蔵タイマーなど、ツールの画面も含まれる。

すでに最新バージョンのWear OSでは、1回のスワイプ操作で表示できる一種のタイル表示が実現されていた。ただし、それはGoogle Fitの画面に限られていた。今後は、スワイプするたびに、いろいろなタイルが次々と表示されるようになるはずだ。

こうしたタイルにはデフォルトの順番というものが設定されているが、それもユーザーがカスタマイズできる。そのためには、タイルを長押ししてから、左右にドラッグして順番を入れ替えるだけでいい。Googleでは、徐々にタイルの種類も増やす予定となっている。

この新たなタイル機能は、今後数ヶ月のうちに、Wear OSを採用したすべてのスマートウォッチで利用可能となる。ただし、デバイスの種類によっては、一部の機能が利用できないこともある。たとえば、心拍数のモニタ機能がないデバイスでは、当然ながらそのタイルは表示されない。

全体的に見て、今回のアップデートは、Wear OSというプラットフォームにとって理にかなったもののように思える。というのも、これで4種類の操作の明確な区分けが完成したからだ。つまり、下向きのスワイプでは設定、上向きのスワイプでは通知、右向きスワイプではGoogle Assistant、そして左向きスワイプではタイルが、それぞれ表示される。これまでのように、左方向スワイプでGoogle Fitしか表示されないのは、変に偏った機能のように感じられるものだった。このアップデートで、それも解消されたわけだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleがChromeとアプリの履歴、位置情報履歴の自動削除機能を発表

Google

よほど知識があり、よほど慎重に設定しないとGoogleはユーザーのオンライン上の行動を驚くほど詳しく記録してしまう。ChromeやGoogleマップを使っているなら訪問したサイトの閲覧履歴や位置情報が含まれる。こうした情報を記録させないようオプトアウトしたり、すでに記録された情報を削除したりすることは常に可能だが、面倒な操作が必要だった。加えて、そうすべき理由はいろいろあるにせよ、オプトアウトしてしまうとGoogleのパーソナライズ機能のほとんどを失うことになる。そこでGoogleは利便性とセキュリティーの妥協地点を設けることとした。

米国時間5月1日、Googleはウェブ訪問およびアプリ利用の履歴と位置情報を自動削除できる機能を発表した。ユーザーはGoogleがこうした情報を記録しておく期間を指定できるようになった。ユーザーはこの期間として3カ月または18カ月を指定できる。

期限を過ぎたデータは自動的に削除される。Googleに許可したデータの保存期間に応じてユーザーは行動履歴に基づく推薦などのパーソナライズサービスを受けられる。Googleからの推薦やカスタム検索は最大3カ月ないし18カ月の期間に得られたデータのみをベースにしているので、保存期間の上限を設けなかった場合より精度は限定的なものとなる。とはいえばパーソナライズサービスが受けられるのは便利だ。

当面この自動削除機能はGoogleの各種アプリの履歴をカバーする。つまりChromeやGoogleマップの位置情報の他にもAndroid向けのGoogleの新しいホーム画面、Google Discoverからの通知データもすべて削除される。

もちろんこうしたデータが削除されてもユーザーのGoogleアカウントには大量の個人情報が残されている。例えば、音声入力やYouTubeの検索・視聴などのデータは手付かずだ。しかし今後はGoogleもこうしたデータを自動削除対象に含めていくものと個人的には期待している。

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images / Getty Images

【編集部注】この機能は数週間以内にすべてのユーザーが利用できるようになる模様。なお現在でもブラウザ右上などに表示されるGoogleアカウントのアイコンからアクティビティ管理を開けば個別に履歴を管理できる。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images / Getty Images

エリック・シュミットとダイアン・グリーンがGoogle親会社Alphabet取締役を辞任

Schmidt(シュミット)氏は2001年以来同社の取締役会メンバーであり、 2011年4月まで10年にわたりCEOを務めた。その後は同社の会長となり、2017年末に「技術顧問」といわかりにくい職務についた(昨年彼は機械学習と人工知能の新しいアプリケーションに集中していると語った)。

Alphabetは、シュミット氏が今後も技術顧問の職務を続けると発表した。

一方のGreene(グリーン)氏は、Googleが2015年に同氏の会社Bebopを買収したあとGoogleのクラウド事業のCEOになり、1月に退任するまで約3年間務めた。グリーン氏は2012年以来取締役会メンバーだった。

2人の離任とともに、AlphabetはRobin L Washington(ロビン・L・ワシントン)氏を取締役に任命したことを発表した。ワシントン氏はバイオ製薬会社Gilead Scienceの執行副社長・最高財務責任者。同氏は以前Hyperion SolutionsとPeopleSoftの経営職だった。

「ロビンの卓越したビジネス及び指導者としての経験は、今後の取締役会および当社にとって驚くべき価値がある」と取締役会会長のJohn Hennessy(ジョン・ヘネシー)氏が声明で語った。

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alphabetはスマートフォン市場の逆風を認めハードウェア新製品の発表を匂わす

Googleの親会社であるAlphabetの2019第1四半期は、主に広告収入の過小によりウォール街を落胆させた。また、ほとんどすべての選手たちに影響を与えたスマートフォンのグローバル市場の不調のせいもあって、ハードウェア部門も苦しかった。

CEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、昨年秋のPixel 3Pixel 3 XLに続く同社のスマートフォン系列を指して「逆風が収まらないまま年を越した」と述べた。確かに彼の言うとおり同社はハードウェア部門を独立させてからまだ日が浅いが、同時に彼はまた、今後のイノベーションへの明るい希望も述べた。

「5Gとフォルダブル(折り畳み式スマートフォン)には今後も大きな期待が持てるし、それらはAndroidの重要な活躍の舞台でもある」、と決算報告で彼は語った。Androidのフォルダブルに関しては、そのUIの設計でGoogleが重要な役割を担い、サムスンの最近遅れが発表されたフォルダブルでも密接に協働している。

CFOのRuth Porat氏のコメントもピチャイ氏とほぼ同様だが、将来についても暗示した。「第一四半期の結果はスマートフォンの高級機の全市場的な不調を反映しているが、しかしGoogleアシスタントを実装したHome製品の好調は喜ばしい。とくに良いのはHome HubとMiniデバイスだが、ハードウェアチームは5月7日のGoogle I/Oカンファレンスで新しい発表をするようだから、それも楽しみにしていただきたい」。

上で「スマートフォンの高級機の不調」とあえて言っているのは、中級機ならという思惑があるからだ。その噂のミドルレンジ機のPixel 3aは、来月のI/Oでデビューするらしい。もしかしたらこれによって、Pixelの売上が持ち直すかもしれない。

ピチャイ氏がとくに言及したのは、同社が最近オープンした「キャンパスとエンジニアリングハブ」だ。苦境のハンドセットメーカーHTCで大きな買い物をした結果、Googleの台北R&Dセンターは同社のスマートフォン事業の拠点になるだろう。また彼はAmazonと競合するHome製品、とくにMiniとHubについて、ハードウェア部門の明るい材料、と言った。

彼はこう語る。「Google Homeとアシスタント製品だけを見れば、これまでも良くやっている。市場で勢いがある。グローバルで見れば、弊社はこのカテゴリーにおけるマーケットリーダーだ」。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleアシスタントにスマホでの物語読み上げ機能が追加

昨年から、Googleアシスタントにはスマートスピーカー「Google Home」による子供への物語の読み上げ機能が追加されている。そして米国時間4月25日、米国の「National Tell a Story Day」が近づくのにあわせ、Google(グーグル)はAndroid版とiOS版のGoogle アシスタントにこの機能を追加した。機能は米国や英国、カナダ、オーストラリア、インドにて英語環境で利用できる。

スマートフォンのGoogleアシスタントに物語を読むように頼む前に、意味深な短い引用か、あるいはちょっとしたジョークを聞くことになるだろう。同じコマンドから2つの異なる経験を得ることは特に意味をなさないが、Googleがこれを統合するかどうかが見ものだ。

読み上げてくれる物語は「Blaze and the Monster Machines」から、より古典的な「眠れる森の美女」「赤ずきんちゃん」までさまざまだ。

Googleアシスタントには、すでにディズニーの物語を効果音付きで読み上げる「read along」機能がある。これはより一層魅力的な機能だが、残念ながら対応する物語の数が限られている。より長い物語はオーディオブックでサポートされる。

もちろん、自分で子供に物語を読み聞かせるのも良い。どれもが良い選択だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google検索の求職機能で「在宅」を指定できるようになった(英語のみ)

昨年ごろからGoogleは、検索エンジンに求職機能を加えてきた。米国時間4月24日、同社はその機能を拡張して在宅の仕事を見つけやすくした。

通常そんな仕事を探そうとすると、お粗末な、そしてときには悪質かもしれないサイトに出くわすことが多い。そこで今度からは、Googleの検索で「customer support jobs,」(カスタマーサポートの仕事)などで検索するとき、LOCATIONに「work from home」(在宅)を指定して、在宅でできるリモートの仕事を探せる。

Googleによると、Working NomadsやWe Work Remotely、ZipRecruiterなど求人サイトの多くが今ではこの機能をサポートしている。これらの求人をフィルターするためにGoogleは、多くの求人サイトがGoogle Jobsに求人リストをプッシュするとき使っているSchema.orgの標準マークアップを見る。

GoogleのプロダクトマネージャーJennifer Su氏が今日の発表声明にこう書いている。「たくさんのユーザーを調べてわかったのは、在宅求人の多くにそういうラベルがついていないことだった。だからユーザーは『work from home』(在宅の仕事)のようなクエリで検索しても、リモートの就職機会を見つけることが難しい。でもこれからは、リモートワークの機会が求職者にとってもっと見つけやすくなるだろう」。

これまでもGoogleでは、求職者が通勤時間や公共交通機関タイプなどを指定できた。だから今回work-from-home(在宅)の指定が加わったのも理にかなっている。とくに最近では、そんな求職者が増えているのだから。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フィットネストラッキングアプリGoogle FitがiOSにやってきた

米国時間4月24日、Googleは2014年からリリースされているフィットネストラッキングアプリ「Google Fit」が、iOSプラットフォームへと進出したと発表した。

かなりの時間をおいてのiOSへの移植となったGoogle Fit。これまで同アプリのデータをiPhoneで取得するには、Wear OSアプリの特別なセクションを利用する必要があった。またWear OSデバイスなしには、このセクションは利用できなかったのだ。

もしAndroid版のGoogle Fitを利用したことがあれば、iOS版もかなり類似していることに気づくだろう。アプリではMove Minutes(通常の運動)とHeart Point(ハードな運動)がフォーカスされており、また運動に応じた異なるアクティビティをピックアップすることもできる。さらに、アプリはSleep CycleやNike Run Club、HeadspaceなどのApple Healthと連係したアプリと同期させることもできる。

Gooleのスポークスマンによれば、実際のところすべての運動のデータはApple(アップル)の「ヘルスケア」アプリか、Wear OS搭載スマートウォッチから取得されるそうだ。

Apple Health自体で運動のデータは取得できるので、どれだけのiOSユーザーがGoogle Fitに乗り換えるのかは不明だ。それでも、Googleの競合プラットフォームにもサービスを展開する方針には好感が持てる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Waymoがデトロイトの工場で自動運転車を生産

Alphabet傘下の自動運転車企業Waymoが、デトロイトのAmerican Axle & Manufacturingの敷地内の工場に自己のショップ(生産施設)を開設する。

米国時間4月23日のWaymoの発表によると、同社はAmerican Axle & Manufacturingとパートナーして、最近まで地元の部品サプライヤーの荷下ろし場として使われていた建物をリフォームする。その目標は、2019年半ばまでにその建物に移ってレベル4の自動運転車の生産のための準備を開始することだ。レベル4はSAEの定義によると、一定条件下で車両自身が運転のすべてを担当することだ。

州知事のGretchen Whitmer氏は声明でこう言っている。「Waymoが新しい工場をデトロイトに設立することを選んだことにより、同社は市の活性を維持継続し、自動車産業のリーダーであり先進的な自動車製造技術の発信地としてのミシガン州の地位をさらに確実なものにした」。

1月にMichigan Economic Development Corporation(ミシガン州経済開発公社、MEDC)は、同州にWaymoが自動運転車の製造工場を設立する計画を票決により承認した。MEDCはこのプロジェクトへの800万ドルの補助金も承認した。

WaymoはMagnaとパートナーしてこの工場で数千台の自動運転車を作る。それには、Jaguarの全電動車I-PACEの自動運転バージョンと、ChryslerのハイブリッドミニバンPacificaが含まれ、同社のライドシェアサービスの本格展開に起用される。

12月にWaymoはフェニックスで商用ロボタクシーの限定的なサービスを立ち上げ、それをWaymo Oneと呼んだ。

Waymo Oneの自動運転車とそのアプリは、Waymoが教育訓練した人間ドライバーの同乗を前提していた。しかし最終的には、安全のための人間ドライバーはいなくなる。最近このサービスは、利用者数を徐々に増やしている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

FacebookがChromeブラウザのAPIに初めて貢献

Facebookは米国時間4月22日、GoogleのChromeブラウザのAPIに対して、初めて大きな貢献を果たしたことを発表した。

Facebookのチームは、Googleと共同で、ブラウザにコードを提供するためのAPIプロポーザルを作成した。これはFacebookとしては初めてのこと。このコードは、ウェブ上のツールや標準に関するFacebookの他の多くの仕事と同様に、ユーザー体験をスムーズかつ高速にすることを目指したもの。このAPIの場合、ユーザーがクリック、またはキーを操作してから、ブラウザが応答するまでの時間を短縮する。

この新しいシステムの最初の試験的な実装はChrome 74とともにリリースされる予定だ。

一般的に、ブラウザのJavaScriptエンジンは、コードの実行を制御している。そして、応答しなければならない入力が保留になっていないかどうかを確認するため、一瞬コードの実行を停止することもある。マルチコアのマシンで動作する最新のJavaScriptエンジンも、基本的にはシングルスレッドで動作する。そのため、実際にはエンジンは1度に1つのことしか実行できない。そこで、入力イベントを確認しつつ、コードの実行をどのように組み合わせるかということがカギとなる。

「他の多くのサイトと同様に、私たちもJavaScriptを小さなブロックに分割することでこの問題に対処しています。ページがロードされている間も、若干のJavaScriptを実行し、その後にブラウザに制御を戻すのです」と、Facebookチームは発表の中で説明している。「ブラウザは、そこで入力イベントのキューをチェックして、ページに通知する必要のあるものがあるかどうかを確認できます。その後ブラウザは、JavaScriptのブロックが読み込まれる都度、それらを実行する動作に戻ります」。

ブラウザがこのようなサイクルで動作している際に、新しいイベントをチェックして、その処理に入ると、わずかながら余計な時間がかかる。それが何度も積み重なると、ページのロードが遅くなる。とはいえ、入力のチェックのインターバルを長くすると、こんどはブラウザの応答が鈍くなるので、ユーザー体験が劣化してしまう。

これを解決するため、FacebookのエンジニアはisInputPendingというAPIを作成した。これにより、上のようなトレードオフをする必要がなくなる。Facebookは、このAPIを、W3Cのウェブパフォーマンスのワーキンググループにも提案した。これを利用すれば、デベロッパーは保留中の入力があるかどうかを、コードの実行中に確認できる。

これにより、コードは応答すべきものがあるかどうかを自分でチェックできるようになる。ブラウザに完全に制御を戻さなくてもよく、さらにそこからJavaScriptエンジンに入力を引き渡す必要もない。

現時点ではこれはまだ試験的なもの。デベロッパーは、このAPIを自分のコードに組み込む必要があるため、Chrome 74のリリース後に、自動的にブラウザの動作が速くなるというわけではない。この試行が成功すれば、もちろんデベロッパーはこのAPIを利用するようになるだろうし(もちろんFacebookは自ら利用するだろう)、他のブラウザベンダーもそれぞれのエンジンにこのAPIを実装するようになるはずだ。

「ChromeにisInputPendingを導入するプロセスは、Facebookにおいてウェブ標準を開発する新しい方法を象徴するものです」とチームは言う。「私たちは今後も新しいAPIに取り組み続け、オープンソースのウェブブラウザへの貢献を増強したいと考えています。将来的には、このAPIをReactのコンカレントモードに直接組み込むことも可能となるでしょう。そうすれば、デベロッパーはこのAPIのメリットを、自動的に享受できるようになります。さらに、isInputPendingは、スケジューリングに関するプリミティブをウェブに導入するという大きな流れの一環なのです」。

画像クレジット:Getty Images上のAlexander Koerner/Getty Images

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleとAmazonが仲直り、ストリーミングビデオの相互乗り入れに合意

Google(グーグル)とAmazon(アマゾン)は、争いの矛先を収め、それぞれのストリーミングビデオのユーザーに対して、より良いサービスを提供することにしたと、米国時間の4月18日に揃って発表した。これから数カ月のうちに、公式のYouTubeアプリがAmazon Fire TVデバイスとFire TV Editionのスマートテレビ上でも動くようになり、反対にPrime VideoアプリはChromecastとChromecast内蔵の各種デバイス上で動作するようになる。

さらにPrime Videoは、Android TVに対応するパートナーの製品でも広く利用できるようになる。YouTubeの姉妹アプリとなるYouTube TVと、YouTube Kidsも、今年後半にはFire TV上に登場する予定だ。

Googleによれば、Fire TV上でYouTubeを見ているユーザーも、サインインすることで自分のライブラリのすべてにアクセスできるようになる。また、サポートされているデバイス上で60fpsの4K HDRのビデオを再生できるようになるという。

一方Prime Videoアプリのユーザーは、Amazonのオリジナル番組や4Kビデオを含むPrime Videoカタログからストリーミングできる。もちろん購読中のPrime Videoチャンネルにもアクセスできる。さらに、アプリ内でAmazonのX-Ray機能を利用することも可能だ。

これまで何年もの間、この2つの大企業同士の関係は良好なものではなく、さまざまな分野で競合を繰り広げてきた。ストリーミングテレビのプラットフォームやサービスをはじめとして、最近ではEchoやGoogle Homeといったスマートスピーカーの領域でも争ってきた。

Chromecastデバイスや、他のGoogle製ハードウェアは、両社の不和を反映して、Amazonサイトでの取扱を中止されたり、再び販売されたり、といったことを繰り返してきた。

2017年には、さらに別の対立が浮上した。AmazonのEcho Show用のYouTubeプレーヤーの実装についての抗争だ。Googleによれば、それは何の断りもなく実装された。そしてGoogleは、AmazonからYouTubeへのアクセスを禁止した。それに対してAmazonは、やむなくEchoのユーザーをYouTubeのホームページに迂回させるという回避策を取った。

現時点では、Googleのハードウェア製品の多くは、まだAmazonで販売されていない。特に、EchoのようなAmazon製品と直接競合するスマートスピーカーや、その他のスマートホーム関連のデバイスは見当たらない。(たとえば「google home mini」をAmazonのサイトで検索すると、その関連製品のスポンサープロダクトや、おすすめのベストセラー商品としてAmazonのEcho Dotが表示される。)

こうしたことが、消費者にとって良いことであるはずはない。しかしこれは、両社の顧客基盤が重なっているため起こることだ。たとえば、Chromecastを使っている人でも、Prime Videoでビデオを見たかったり、AmazonのサイトでGoogle製品を買いたいと思う場合もあるだろう。もちろんYouTubeはみんなが観ている。

今回の新たな協約は、ストリーミングサービスのみに焦点を絞ったものだろうと考えられている。おそらく、Amazonの品揃えや、ハードウェアに関する問題に影響を与えることはないだろう。

Amazonは、ライバルに対しては、競争自体を排除するような行動を伝統的に取ってきた。

そして長年にわたってAppleとも不和が続いていたが、ようやく2017年になって一定の合意に達した。その結果、Apple TV上でPrime Videoのアプリが使えるようになり、Apple TVのハードウェアもAmazonで販売されるようになった。

そうした、やられたらやり返すような争いは、つまるところ関連するものすべてに仇となる。Rokuは、米国内で支配的なストリーミングプラットフォームとして成功したが、中立的な立場を取り、すべてのアプリとサービスを公平にサポートしていた。Amazonがそれになんとか対抗できるようになったのは、Fire TVのハードウェアの値下げと、かなりの広がりを見せた「ファイアスティック」を使った海賊行為を目的としたアンダーグラウンドのコミュニティのおかげと言ってもいい。

「Amazonと協力し、オフィシャルなYouTubeアプリを、世界中どこでもFire TVの上で使えるようになったことにワクワクしています」と、YouTubeでプロダクトパートナーシップのグローバルな責任者を務めるHeather Rivera氏は、声明の中で述べている。「当社のフラグシップとも言うべきYouTubeの体験をAmazon Fire TVにもたらすことで、ユーザーが自分の好きなビデオやクリエイターを観る手段を増やすことができます」。

「Prime Videoのアプリを、ChromecastとAndroid TVのデバイスに移植し、お客様が好きなショーや映画を観る便利な機会を提供できることにワクワクしています」と、Prime Videoのワールドワイドビジネス開発責任者を務めるAndrew Bennett氏も述べている。「最新シーズンの『マーベラス・ミセス・メイゼル』を観るもよし、『Thursday Night Football』でひいきのチームの試合を追うもよし、最近封切りされた映画を借りて観るもよし。お客様がご覧になりたいものを、ご覧になりたいとき、どこにいらしてもストリーミングできるように、選択肢がさらに増えたのです」。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleがGKE Advancedでコンテナサービスをエンタープライズ向けに拡充

Google Cloudは長年、Kubernetes Engine(GKE)でそのプラットホーム上でコンテナを動かすためのマネージドサービスを提供してきた。Kubernetesユーザーのニーズはさまざまだが、でもこれまでのところGoogleはGKEの単一のティアのみを提供し、それは必ずしも、同社が顧客として捉えようとしているハイエンドのエンタープライズユーザーには向いていなかった。しかしながら米国時間4月16日に同社は、新しい機能を数多く備え、SLAに経済的条件を導入し、セキュリティと自動化の機能を高めた、より高度なエディションのGKEであるGKE Advancedを発表した。GKE Advancedはいわば、GKEのエンタープライズバージョンだ。

この新しいサービスは本年の第2四半期にローンチするが、料金はまだ発表されていない。通常のバージョンのGKEは、GKE Standardと呼ばれる。Googleによるとこのサービスは、社内的に何年間も複雑なコンテナインフラストラクチャを動かしてきた経験から学んだことが、ベースになっている。

エンタープライズの顧客にとっては、SLAに経済的条件(SLOが達成されないときの返金制)が盛られていることが嬉しいボーナスだ。ここでの基本的な約束は、リージョナルクラスターの保証可用性(SLO)が99.95%であることだ。

マネージドなKubernetes環境を選んだユーザーの多くは、クラスターを自分で管理する面倒を避けたいからそうしている。しかしGKE Standardでは、クラスターのスケーリングに関してユーザーが一部の作業をしなければならない。そこでGKE AdvancedではVertical Pod Autoscalerと呼ばれるツールがリソースの使用状況をたえずウォッチし、必要に応じてリソースの伸縮を図る。またNode Auto Provisioningツールは、GKE Standardにあるクラスターオートスケーリングの高性能バージョンだ。

GKE Advancedは本体のこれらの機能だけでなく、GKE Sandboxのようなセキュリティ機能も加えている。このサンドボックスは目下ベータだが、GKE Advancedだけにしかない機能になる。そして、コンテナ環境では署名があって検証されたイメージだけしか使われないように強制する。

このサンドボックスは、GoogleのコンテナサンドボックスランタイムgVisorを用いる。これによってどのサンドボックスも自分だけ用のユーザースペースカーネルを取得し、セキュリティの層がひとつ増える。またBinary AuthorizationによってGKE Advancedのユーザーは、すべてのコンテナイメージが信頼された機関によって署名されてからでないとプロダクションに入れられないようにできる。コンテナに悪意あるコードを潜ませることは論理的には可能だが、コンテナのリリースにこのプロセスが課せられることによって、検定され認可されたコンテナのみがその環境で動けるようになる。

GKE AdvancedにはGKEの利用計測機能があるので、社内での利用状況に応じて各部門に課金の適性な分担を求めることもできる。これもやはり、GKE Advancedのみの機能だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa