米国の失業者数が3600万人を突破する中、テック企業では雇用増加も

先週米国では、過去2週間の失業申請が3600万件を超えた。パンデミックによる事業閉鎖は無数の業界に打撃を与え、多くの分野で再開の時期は定まっていない。求人大手のIndeed(インディード)は、2019年の同時期と比べて雇用は著しく低調であると最新の報告で伝えている。報道に注目している人にとってはなんら驚きではない。

大規模なレイオフが日常的に起きているように感じる。この数週間だけでもUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、TripAdvisor(トリップアドバイザー)、Casper(キャスパー)、Juul(ジュール)の会社が大がかりの解雇を行っており、多くの人はこれを氷山の一角だと思っている。

しかし国が大恐慌以来最悪の失業率を経験している一方で、テック業界は前進を続けている。つまるところこの数カ月間、リモート会議や遠隔医療、フードデリバリーから個人保護具(PPE)製造まで、テクノロジーは一種のライフラインとして機能している。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響(都市封鎖など)に対応するために生まれた新たな職の多くが一時的なものであるのは間違いないが、パンデミックが多くの分野で重要なパラダイムシフトを起こしていると見るのも理にかなった考えだ。社会が新しい日常に適応するにつれ、テクノロジーがその変化を育む力になることは間違いない。

多くの場面で役割を担うのはギグエコノミーだ。DoorDash(ドアダッシュ)のようなフードデリバリーなら配達要員が必要になり、Amazon(アマゾン)なら配送センターの雇用が増大する。しかしこうした職は万人向けとはいえない。仕事によっては労働者の新型コロナウイルス感染リスクを高くする可能性があり、それは企業がウイルス蔓延を阻止するための努力をしていても完全には防ぎきれない。

Zoom(ズーム)のように増加する需要に答え、サービスの人気の高まりとともに露見した古い問題を修正するために、雇用を急増している会社もある。最近同社は、ソフトウェアエンジニア500人を採用する計画を発表した。Cloudflare(クラウドフレア)もテキサス州オースチンに雇用枠がある。一方Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Goolge(グーグル)といったテック巨人も揃って、ロックダウンにも関わらずエンジニアリング職の採用を順調に続けている。

スタートアップに入社することは、現時点では難しい選択だ。小さな会社は著しく不安定な未来に立ち向かっているからだ。新型コロナウイルスが、既に足元の揺らいでいるスタートアップの終結を早める可能性は非常に高い。一方で最近調達ラウンドを完了した企業は有望であり、嵐を乗り切るのに十分な資金を持っている。例えば資金豊富なBerkshire Grey(バークシャー・グレイ)も、ソーシャルディスタンス時代にロボティクスがますます魅力的なソリューションになっている今、拡大を計画している。

テック求人情報を検索可能な単独データベースにまとめているサイトやアプリが新旧取り混ぜたくさんある。新型コロナの流行によって職を失った人を支援するために作られているサイトを以下のリストに載せた。完全に網羅したリストではないが、良い出発点になるはずだ。

画像クレジット:Manuel Breva Colmeiro / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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アマゾンが新型コロナによる需要増加対応で7万5000人を追加雇用

Amazonは、既に過去4週間で10万人以上を新規雇用して、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的なパンデミックによる需要増加に対応しているが、米国で7万5000人のフルタイムおよびパートタイムの従業員を追加採用する。同社は米国時間4月13日のブログ記事でこの追加雇用について公表したほか、需要の急増に対応して給与支払いの総額を5億ドル(約538億円)以上に増額することも発表した。

同社はこの雇用によって、新型コロナ・パンデミックによる経済危機のために起きている失業や一時解雇の影響を少しでも緩和できることを期待していると語った。Amazonはこの雇用枠を「状況が正常に戻り、以前の雇用者が呼び戻してくれるまで」働きたい人の選択肢として位置づけている。

同社は新規および既存従業員の「安全、給与、福祉」のための投資を引き続き強化していくと語っている。オンライン小売の巨人はこの取り組みの詳細について、配送センターおよびWhole Foods店舗における体温検査、従業員へのマスクの配布、これらの実践の日常的監視の導入などを行うという。

Amazonの施設で働く人々は、さまざまな行動を起こして、会社の作業環境に対する抗議し、健康・安全面の行動規範の改善の訴えている。いくつかの倉庫では作業者はすでに新型コロナウイルス陽性を示しており、最近CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が配送作業員との結束を示すために訪れた施設でも感染者が出ている。

画像クレジット:Johannes EISELE / AFP / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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SpaceXの採用面接で試されるのは優れたイノベーション精神

米空軍主催の空中戦に関するシンポジウムであるAir Warfare Symposiumで、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は新旧さまざまな話題に触れたが、特に人びとの関心を集めたのは、SpaceXにおける雇用と解雇のやり方だ。そこは、世界で最も技術者に対する要求レベルが高いエンジニアリング企業といわれている。

同社はイノベーションを誇りとし、その最高経営責任者は面接でも最高レベルのイノベーション精神を求める。

「面接ではイノベーションといった優れた能力のエビデンスを問うことが多いけど、我々は面接で、新しい技術を創造したいと思っている人を選ぶ」とマスク氏はいう。

この気まぐれなCEOは、面接における応募者のイノベーション志向の有無をどこで見分けるのか、応募者の前歴の何に着目するのかなど、詳しいことは述べなかったが、しかしイノベーションは、同社の雇用過程における重要な要素だ。

マスク氏によると、イノベーションの強調は同社のボーナスの構造や昇進の決定、そして究極的には彼/彼女の勤務年限にも影響が及ぶ。

「ボーナスはイノベーションへのご褒美だが、失敗を恐れてイノベーションをトライしない者にはペナルティをとられる。つまり解雇される」とマスク氏は語る。

イノベーションをし損なうことだけではなく「その社員のイノベーション志向がとても良質なものでなかったら、同じく会社を追われる」のだそうだ。

イノベーションの重要視は、企業と国家にとって競争に勝ち抜くために大切なことだ。マスク氏によると、テスラでもSpaceXでも知財を盗むことに対してはいちいち気にしない。どの企業も、3年以上先の技術開発で競争の先頭に立つことを望んでいるからだ。

さらにマスク氏は「知財の保護を実現する方法は、迅速にイノベーションを起こすことだ。イノベーションのスピードがすべてを決める。チームにはいつもそう言っている。重要なのは、毎年イノベーションを起こすことだ」という。

IBMのような、巨大なパテントポートフォリオと、研究所に何千ものイノベーションを抱えているところは異論を唱えるかもしれない。しかしマスクの論点は企業に限定されるものではなく、国民国家にも当てはまる。

マスク氏が具体的に言及したのは、アメリカが中国と互角に競争できるために必要なイノベーションだ。中国は数年以内に、アメリカの2倍から3倍の経済規模になるかもしれない。

マスク氏曰く「戦争の基盤は経済だ。相手の半分しかリソースがなければ、イノベーションに励まないかぎり負ける。アメリカは、軍事的にも二番手になるだろう」

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閉鎖される求人サービスGoogle Hireの後釜を狙うAgaveが移行促進キャンペーンを展開

求職応募者を追跡するシステムであるGoogle Hireが2020年に閉鎖することになり、企業の雇用担当者のためのツールを作るスタートアップに成長の機会が生まれた。SV AngelやBox Groupから100万ドルの資金を得たAgave(アガヴェ)も、まさにそんなスタートアップだ。

Agaveは無料の求人プラットホームで、そこに求人票をポストしたり、キャリアページを設けたりできる。顧客管理のツールもあり、APIも提供している。有料プランには、月額一人あたり2ドルと6ドルの2種類があり、後者にはメールによる自動化フォローアップサービスや面接のスケジューリング、求人書簡の書式などの機能がある。そのサービスは本日9月6日から利用できるが、当面は招待制だ。

Google Hireと同じく、Agaveも社員数20名から500名ぐらいまでの中小企業が主な対象となる。

Agaveの創業者Jared Tame(ジャレード・タメ)氏は次のように語る。「そのへん(20〜500名)がスイートスポットだね。社員数20名以上ともなれば、紹介だけに頼っていたのでは必要な人材は集まらない。もっと積極的なやり方を考える必要がある。メールなどを使っていても、ある点を過ぎるとATS(Applicant Tracking System、求職者追跡システム)を使わざるをえなくなるんだ」。

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タメ氏によると、彼が同社を初めたのは、自分自身が企業の雇用担当者だった経験があり、既存のプロダクトに不満を感じたからだ。

Google Hireの閉鎖は機会でも、Agaveのコンペティターはほかにもいる。例えば、7280万ドルを調達したLever(レーバー)や、1億1010万ドルを調達したGreenhouse(グリーンハウス)などだ。今は数社のスタートアップがAgaveを利用しているが、同社は顧客拡大のためにMedium上で、Google Hireからの移行勧誘キャンペーンを展開している。

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Google検索の求職機能で「在宅」を指定できるようになった(英語のみ)

昨年ごろからGoogleは、検索エンジンに求職機能を加えてきた。米国時間4月24日、同社はその機能を拡張して在宅の仕事を見つけやすくした。

通常そんな仕事を探そうとすると、お粗末な、そしてときには悪質かもしれないサイトに出くわすことが多い。そこで今度からは、Googleの検索で「customer support jobs,」(カスタマーサポートの仕事)などで検索するとき、LOCATIONに「work from home」(在宅)を指定して、在宅でできるリモートの仕事を探せる。

Googleによると、Working NomadsやWe Work Remotely、ZipRecruiterなど求人サイトの多くが今ではこの機能をサポートしている。これらの求人をフィルターするためにGoogleは、多くの求人サイトがGoogle Jobsに求人リストをプッシュするとき使っているSchema.orgの標準マークアップを見る。

GoogleのプロダクトマネージャーJennifer Su氏が今日の発表声明にこう書いている。「たくさんのユーザーを調べてわかったのは、在宅求人の多くにそういうラベルがついていないことだった。だからユーザーは『work from home』(在宅の仕事)のようなクエリで検索しても、リモートの就職機会を見つけることが難しい。でもこれからは、リモートワークの機会が求職者にとってもっと見つけやすくなるだろう」。

これまでもGoogleでは、求職者が通勤時間や公共交通機関タイプなどを指定できた。だから今回work-from-home(在宅)の指定が加わったのも理にかなっている。とくに最近では、そんな求職者が増えているのだから。

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米国で求人の多いプログラミングの仕事と言語、ブロックチェーンとGo言語

プログラマーとして高給で需要の多い仕事を探している人、手を上げて。求職求人サービスHired調査によると、今ならブロックチェーンのアプリケーションの書き方を勉強すべきだそうだ。

Hiredに登録している10万名近くのデベロッパー対して、今最も需要の高い仕事や、求人の最も多いプログラミング言語、そしてロンドンやニューヨーク、パリ、そしてサンフランシスコなど大都市のテクノロジー求人市場における、平均給与のもっとも高いキャリアを調べた。

そして同社によると、その結果はあなたにとって意外かもしれない。

いや、むしろ意外ではないかもしれない。Hiredのデータによると、業界全体として今はブロックチェーンのエンジニアとセキュリティのエンジニアの需要がもっとも増えている。ブロックチェーンの経験のあるプログラマーの求人は、2018年になんと前年比で517%も増えた(ほぼ6倍)。セキュリティエンジニアの求人は同じ期間に132%増えている(ほぼ2.3倍)。

すべての国や地域で、最も高給の職種はセキュリティエンジニア、検索エンジニア、ブロックチェーンエンジニア、自然言語処理エンジニア、機械学習エンジニア、そしてゲーミングエンジニアの計6種だ。

下図は、サンフランシスコの例だ。

これらのデータについて、HiredのMehul Patel CEOがブログにこう書いている。「ニューヨークとサンフランシスコとトロントでは、ブロックチェーンエンジニアが高給のトップスリーに入っている。今の主なテクノロジーハブ都市におけるソフトウェアエンジニアの給与をよく見ると、必要とされている人材は都市によってかなり異なる。たとえばゲーミングエンジニアはニューヨークでは給与が最高だが、自然言語処理エンジニアの給与はトロントで急騰している」。

しかしこの調査によると、ブロックチェーンのスキルはデベロッパーたちの心を今一番多く占めているスキルではない。「いちばん勉強したいのはブロックチェーンの技術」と答えたデベロッパーは全体の12%にすぎない。なお、いちいち断らないが、これらの数字はすべて、今回のHiredの調査の結果である。

このような、実態と需要の乖離は、需要のもっとも多いプログラミング言語と、最も多くのデベロッパーがプログラミング経験のある言語との違いにも、表れている。

すなわち、最も需要が多いのはGo言語を知っている求職者だ。しかし、今実際に主にGo言語で仕事をしているデベロッパーは7%にすぎない。

Goに次いで求人側で高く評価されているScala、Ruby、Typescript、そしてKotlin(下図)も、デベロッパーのコミュニティでは普及率が低い。Goは全世界的に、求人側が最も関心を示している言語だが、サンフランシスコとトロントではTypescriptの経験者の需要が多い。

画像クレジット: maciek905

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UdacityとGoogleが新卒や中途転職者のための無料のキャリアコース12種を開始

さまざまなオンライン教育学習コースを提供しているUdacityが今日、Googleとの新たなパートナーシップにより、新卒や中途転職者向けの無料のキャリアコース数種発表した。無料のキャリアコースはUdacityにとっても初めてで、受講者が新しい職を得やすくすることが目的だ。それは新卒者の初めての就職と、中途転職/中途採用の両方である。

両社は3月に立ち上げた“Networking for Career Success”(キャリア成功のためのネットワークづくり)コースでこの方式を試行した。そのときは、同じくGoogleとのパートナーシップ事業コースであるデベロッパー育成奨学コースGrow with Googleの6万名の受講者を対象とし、今ではそれは今回の12種のキャリアコースのひとつになっている。

コースのテーマは多岐にわたり、履歴書のリフレッシュやカバーレターの書き方もあれば、GitHubのプロファイルの最適化、LinkedIn Networkネットワークの強化などもある。もちろん、技術者募集の面接に備える“Data Structures and Algorithms in Python”やSwift言語のコースなど技術習得のコースもある。

“次世代の人材たちは非常に多様なスキルを持った状態で労働市場に入ってくるが、しかし彼らが直面するのは多くの競合者と雇用環境の急速な変化だ”、とUdacityのキャリアコース担当VP Kathleen Mullaneyは書いている。“空いている職をめぐる競争に負けないためには、必要なすべてのリソースを確実に習得しなければならない。しかもこのようなサポートを必要としているのは、彼/彼女一人ではない。キャリアの路線変更を求めている中途転職のプロフェッショナルや、仕事に復帰したいと願っている中高齢者、そのほかさまざまなタイプの求職者たちなど、すべての人にとってこれらのコースが役に立つ”。

Udacityは前から企業とパートナーしているから、Googleと再びパートナーしても意外ではない。Google自身は、Udacityとその競合者Courseraの両方と数年前からパートナーして、キャリア指向のコースや、本格的な技術者育成コースを立ち上げている。それらは、プログラミング入門ITスキル機械学習専門コースなど、さまざまだ。

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GithubやStack Overflowを毎日モニタして企業が求める人材を探すHireSweet

エンジニアの雇用は非常に面倒な仕事なので、最近はその面倒な部分を人工知能にやらせようとする企業がとても多い。中でもここにご紹介するフランスのHireSweetは、あなたの会社への求職など考えたこともなかった人びとの中に、候補を見つけようとする。

HireSweetはGitHubやStack Overflowなど、技術者たちが多く集まるプラットホームやコミュニティをスキャンして、求める人材を探す。同社が調べるのは、プロフィールの内容などもっぱら非定型データで、それらからデベロッパーをそのスキルやプロジェクト、適応能力などで分類する。そして毎日ユーザー企業の人事部に、選んだ候補のプロフィールを送る。

同社との会話を開始するには、まず同社サイトにあるテンプレート使ってメールを書き、それを送る。あとは、待てば海路の日和あり、毎日同社からの報告を待って、採用候補を選ぶ。

GitHub上で活動が活発なエンジニアは優秀な人が多いけど、彼らは必ずしも新しい仕事を探していない。しかしHireSweetはそこを一歩踏み込んで、ユーザー企業がそんなエンジニアを引き抜けるよう、努力する。

求職者との面接の前にGitHubのリポジトリやStack Overflowへの回答の投稿を調べる企業は多い。でも、それらの調べる作業は、その企業が自分でやろうとすると、たいへんである。

しかしHireSweetは、車輪の再発明をしているのではない。同社は、時間がかかって非効率なプロセスを自動化サービスに変える。それだけでも、良い候補が見つかる確率は高くなる。

同社は最近180万ドル(150万ユーロ)を、Global Founders Capital, Kima Ventures, Bpifrance, TheFamily, およびDavid Bizer, Yannis Yahiaoui, Yves Weisselbergerのようなエンジェルたちから調達した。

HireSweetの今の主な顧客は、Doctrine, eFounders, Deezer, Nokia Health, Sqreen, CallDeskなどだ。今はフランスの企業が多いが、ゆくゆくはアメリカおよびその他のヨーロッパ各国にも顧客を見つけたいと思っている。得られた資金は、そのため…顧客開拓…に使う予定だ。

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Expedia CEO コスロウシャヒ氏、Uber CEO就任を承諾

契約成立までにはまだ手続きが必要だが、Expedia CEOのDara Khosrowshahiは、Uber CEOの就任依頼を受ける意向であることを、今日(米国時間8/29)Wall Street Journalに 伝えた

Uberの取締役会は日曜日の夜、 全会一致でKhosrowshahiをUberの新しいトップに指名したが、これまで本人から正式な回答はなかった。GEのJeff ImmeltとHP CEOのMeg Whitmanが最後まで候補にあがっていた。

なお、現時点でKhosrowshahiはまだ、ExpdiaのCEOである。

もちろん、彼にはやらなくてはならないことがいくつかある。中でもUber前CEO Travis Kalanickの社内での役割をどうするかは大きな課題だ。Kalanickは去る6月に、#DeleteUber ムーブメントや性差別的企業カルチャー、さらには自動運転技術を巡るGoogleとの裁判など数々の騒動を理由にCEOの座を退いたが、今もまだUberの取締役であり、同社の支配力を有する株主でもある。

Khosrowshahiは、Kalanickを経営に関わらせるつもりだと言い、二人の関係は「築きつつある」と説明したが、それ以上は語らなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

調査報告:数学関連業務の採用活動では、男女ともに男性を採用する率が2倍程度

女性がガラスの天井を打ち破れない理由について、新たな研究結果が発表された。意思決定者が男性である場合のみならず、女性であっても、数学の関係する仕事については、2倍の確率で男性の方を雇うことにする傾向があるようなのだ。

紹介する内容はコロンビア大学、ノースウェスタン大学、およびシカゴ大学が共同して行った調査によるものだ。数学能力を必要とする(架空の)人材採用活動について、被験者の先入観をはかるものだ。

「応募者の性別のみを明らかにした場合、採用担当者が男性であっても、あるいは女性であっても、男性を採用する率が女性を採用する率にくらべて2倍ほども高い」と、報告書には記されている。シリコンバレーにおける男女アンバランスについえてはいろいろと言われているところだ。National Center for Women and Information Technologyによる調査で、女性ソフトウェアエンジニアの率が22%であったことを裏付けるものと言うこともできる。

調査は採用にあたって差別的意識が混入することを明らかにしている。まず被験者に、数学に関連する仕事について、求職者の中から適当な人材を採用するように命じる。的確な人材を採用することができたかどうかで、被験者は評価されることになる。そして、面接者について全く情報を与えずに実験を行ったところでは、被験者(採用担当者)たちは、男性の方を2倍の割合で選んだのだそうだ。求職者グループが数学能力に低い場合でも同様な結果だった。

これは、一般的に男性の方が理系科目に強いという先入観のせいであるとも考えられる。そうした先入観が思い込みに過ぎないと考えてはいても、他に区別要因がなければ採用担当者(被験者)は男性を選びがちであるということがわかる。

この「先入観」は、他の評価基準が不明な場合にのみ発動されるものではないらしい。たとえば被験者たちに求職者たちの能力について正しく説明しておいても、依然として差別的な採用スタイルが現れるのだとのことだ。「性別についての情報しかない場合(女性が採用される率は33.9%)よりは低くなるものの、求職者たちの実績について客観的事実を伝えておいても、それでも女性が選ばれる割合は大幅に低くなってしまう(このケースでは女性が選ばれる率が39.1%)」ということである様子。

「数学関連」の仕事についての「自己評価」が影響している面もある様子。「数学を必要とする仕事に対して、男性は自分の脳力を過大気味に評価する傾向があり、女性の方はむしろ控えめに評価する傾向がある」とのことだ。

テック業界にては給与面の男女平等が進んでいるという話もあるが、しかしそもそも雇われにくい傾向があるわけだ。こうした傾向の中、業界における女性率を高めようとするプロジェクトもいろいろと進行中だ。Googleも、まずは女性の比率を25%にまで高めようとするインキュベーションプログラムを支援している。

今回の調査結果はこちらから購入することができる(PDFアイコンをクリックすると会員ログイン画面やレポート購入画面が表示される)。

[Image Credit: Flickr User brewbooks]

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(翻訳:Maeda, H


アメリカの将来はソフトウェアに―ザッカーバーグ、ゲイツ、ドーシーたちが子どもたちにプログラミングを勧めるビデオに登場

Code.org先月発足したコンピュータ科学教育の振興を目指す新しいNPOで、ベンチャー投資家のAliHadi Partoviの兄弟によって設立された。Code.orgは世界でももっとも有名かつ成功したプログラマーのオールスターを揃えたビデオを公開した。このビデオで彼らはプログラミングがいかに人生を変えたかを振り返り、プログラミングは知らないものが思うほど難しいものではないと説明している。

上にエンベッドした5分間((9分間のロング・バージョンもある)のビデオの監督はWaiting for Superman〔スーパーマンを待ちわびて〕 やAn Inconvenient Truth〔不都合な真実〕のプロデューサーとして有名なレスリー・チルコットだ。出演者はマーク・ザッカーバーグビル・ゲイツジャック・ドーシードルー・ハウストン〔Dropboxのファウンダー〕、トニー・シェイ〔ザッポスのファウンダー〕、マイアミ・ヒートの選手クリス・ボッシュ(NBAに入る前、ジョージア工科大でコンピュータ科学を専攻していた)、その他そうそうたるメンバーだ。

プログラミングという難しげなテーマにもかかわらず、出演者の人間味があふれる楽しいビデオになっている。

私の電話インタビューに答えて「楽しいビデオにすることがカギだった」とHadi Partoviは語った。このビデオは一般の人々、特に子どもたちや若い層に訴えかけるのが目的だからだという。プログラマーの不足という根深い問題を解決するには草の根からの運動が重要となるというのがHadiらの考えだ。

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大学でプログラミングのコースを選ぶ学生の比率は依然として低い。さらに悪いことに、プログラマーはアメリカでもっとも急速に求人が増加している職種であるにもかかわらず、アメリカの学校ではまったくといってよいほどプログラミングを教えていない。Partoviによればアメリカの学校では10校に9校までがプログラミングを教えておらず、教えている学校もほとんどが選択科目にしていて、卒業に必要な必修単位にしていないという。「木材工芸なみの扱いだ」と。Partoviは言う。

事実、統計によれば(上のグラフ参照。詳細はCode.orgのサイトに)、今後予測されるアメリカにおけるプログラマーの求人数とプログラミング技術を持った卒業生の数の間には非常に大きなギャップが存在する。このことはIT業界の関係者が常日頃痛感しているとおりだ。

100万人の雇用というのは5000億ドルの経済規模だ。 財政の断崖にも匹敵する金額である。Partoviはこう説明する。「これはアメリカ経済にとって非常に大きな問題だ。われわれは高度な技術を持った移民の受け入れを容易にすることで対処しようと努力している。これも重要だが、長期的に本当に重要なのはプログラミングをより多くの人々に教えることだ」”

ではわれわれにもできることはあるだろうか? 第一歩は簡単だ。このビデオを家族、友だち、同僚、知人などできる限り多くの人と共有して見てもらうようにすることだ。

その上でさらにいくつか可能なことがある。読者が教員ならCode.orgを訪問して自分の学校にコンピュータ・プログラミングのコースを設けるよう訴える請願に署名する。自身がコンピュータ・エンジニアであれば、時間を割いて子どもたちにプログラミングを教えるボランティアに加わる。両親であるなら子どもたちにCode.orgのウェブサイトで簡単なプログラミングを学ぶよう勧める。あるいは近所でプログラミングを教える学校を探す。そういったことができるはずだ。

非常に大きな問題だが、Code.orgは解決に向けて正しい方向に一歩を踏み出したようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+