販売不調の報道にApple VP曰く、iPhone XRは今いちばん売れているモデル

先週WSJが報じた、Appleの最新iPhoneシリーズの売れ行きが不調でiPhone XRを減産したというニュースを受け、AppleのVPはXRが現在もっとも売れているモデルであると語った。

これは、Apple VP Greg JoswiakがCNETのインタビューに答えたものだ。あまり内容のある発言ではなく、同機種が「発売以来ずっと最人気iPhoneである」と言っただけだ

JoswiakはWSJの記事について具体的にはコメントしなかった。他のiPhoneモデルと比較したXRの販売状況を言われても、具体的な数字なしではあまり情報はない。

749ドルのXRが現在売られているiPhoneのなかでベストセラーであるとしても驚くには当たらない。低コストでほとんど性能を犠牲にしていない大衆向け製品として発売された製品だ。同社のiPhone XSは999ドルで売られており、前の世代の機種も低価格で引き続き売られている。

このインタビューで興味深いのは、これは従来四半期決算報告書にかかれていた情報の断片にすぎないのだが、Appleは最近今後そのデータをを公開せず、iPhone全体の売上だけを公開すると決定したからだ。言い換えると、これはiPhone売上のモデル別詳細を明らかにする動きなのかもしれない。

同社は今後販売台数を公表しない理由について、つまるところ会社の健康状態を必ずしも反映しないからだとしているが、この発言がなされたタイミングは、アナリストがXRの需要が落ち始めたと確信したときだった。

Appleの株価は最近の決算報告以来約20%急落している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3GSが「最も儲かるiPhone」だった?アップルの利益率が低下傾向にあるとのウワサ

eng-logo-2015年を追うごとに高価になっている印象のあるiPhoneですが、実はアップルの利益率はピーク時から下がっているとの分析が報じられています。

米テックニュースサイトThe InformationがTechInsightの計算したデータを元に作成したチャートによると、利益率がピークに達したのは2009年に発売されたiPhone 3GSだったとのこと。ここ数年のiPhoneは、小売価格が上がっている一方で利益率は60%前後に横ばいという、興味深い傾向が見て取れます。

The Informationの作成したチャートは、2007年発売の初代iPhoneから2018年のiPhone XSまで、毎年の代表的デバイスの小売価格および部品コストの棒グラフと、その利益率(小売価格-部品コスト/小売価格)の折れ線グラフを併記したもの。年々の端末価格と利益率の変化が分かりやすく確認できます。

このチャートでは、アップルの利益率はiPhone 3GSでの74%を頂点として、全体的には緩やかに低下。そして最低の利益率は、iPhone SEの53%となっています。2016年3月に発売された当時の価格は399ドルで、構成パーツの合計は186.70ドルということで、廉価モデルは利ざやの旨味が少ないようです。

一方、2016年のiPhone 8から2018年のiPhone Xまでの利益率は、およそ60%前後といったところ。つまりiPhone 3GS当時よりも「価格に対して高価な使用パーツ」ということで、製造コストをそのまま価格に反映しているわけではないことが伺えます。

とはいえ、このチャートには「アップルが、各モデルのストレージ容量ごとの差額でどれだけ儲けているか」は反映されていません。たとえばiPhone XS Maxの64GB版と512GB版の価格差は350ドルに対してコストは109ドル増に留まり「1台あたり241ドル余分に儲かる」との試算も報道されていました。

さらに今年2月、投資会社Canaccord Genuityは、アップルのiPhoneが全世界スマートフォン出荷台数の17.9%に過ぎないにもかかわらず、業界全体の87%もの利益を上げていると分析していました。

今回のチャートに反映されていない、製造コストの下がった旧モデルのiPhone(2018年であればiPhone 7やiPhone 8など)が、アップルの高収益体質を根強く支えているのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

iPhone、5G採用は2020年か(Fast Company報道)

初の5G携帯電話は来年登場しそうだ。Motorolaは次世代通信をMoto Z3のModを通じて提供する計画であり、LGとOnePlusは2019年中に新技術を端末に取り込むことを約束している。iPhoneユーザーは、もう少し待つことになりそうだ。

もちろんこれはAppleにとって(他の誰にとっても)不可欠なテクノロジーなので、問題は時期だけだ。Fast Companyの最新記事(via the Verge)によると時期は1年半ほど先だという。

「Appleの計画に詳しい筋」によると、5G iPhoneは2020年のどこかに登場し、テクノロジーはIntelが提供するという。AppleとIntelは最近ちょっとしたトラブルに見舞われている。5GモデムチップXMM 8060の熱/バッテリー問題のためだ。もちろん、再びQualcommの戸をノックするほど深刻ではない。

現在両社間で起きている問題を踏まえるとQualcommという選択肢は考えにくい。代わりにAppleはIntelの8161チップに期待している。5GはIntelにとって、前回Qualcommに譲った大きな市場を取り戻す絶好の機会だ。

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このガジェットはApple電源アダプターにUSB 3.0ポートを2つ追加する

これは賢い。HyperDriveが作ったこのUSB-C Hubは、AppleのUSB-C電源アダプターに差し込むとUSB 3.0ポートが2つ増える。それだけだ。私はすごく気に入っていて、Appleの現在のノートパソコンラインアップの大きな弱点をカバーしている。

Appleは多用途のUSB-Cを選びフルサイズのUSBポートを廃止した。これはある意味で理にかなってはいる。USB-Cは現存するバス仕様のほぼすべてに対応しているが、世間にはまだ古いUSBプラグをつけて売られているデバイスが山ほどある。iPhoneのように。誰かがAppleストアに立ち寄って最新のiPhoneとMacBook Proを買うと、iPhoneをMacBook Proで充電するためにはアダプターが必要になる。だったらこれを作ればいい。

似たような製品は以前から出回っていたが、USBポートを増やすのに電源ポートを使うものが多かった。これはUSB-Cの電源を使うため、他社製品よりもひと回り小さくなっている。

HyperDrive USB-C Hubは、2種類のApple電源アダプターにマッチするように2つのタイプが用意されている。61 W電源アダプター用は39.99ドル、87 W用は49.99ドル。どちらもHyperのサイトで予約受付中で25%の割引が受けられる。

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Apple、最新iPadからホームボタンを消す

昨日(米国時間10/30)Appleは、ホームボタンの棺に最後の釘を打ち込み、かつて遍在したそのしくみを最新モデルのiPadから消し去った。

火曜日ニューヨークで行われたAppleイベントで披露されたiPad Proにはホームボタンがなかった。より大きく、魅力的なディスプレイのために場所を空けるそのデザイン方針は、iPhoneのホームボタン廃止と同じ道をたどっている。Appleは新しいiPad ProからLightningポートもなくし、USB-Cへと移行した。

新型iPad Proには画面サイズが2種類あり、Face IDでロック解除できるようになった。どの方向でも使えるように設計変更されたので、ロック解除の「方向が違う」ということは起きない。

デバイスをロック解除したら、ユーザーはオンスクリーン・ジェスチャーを使って必要な機能を実行するためのアクションを起こせる。たとえば、右上隅から下にスワイプするとコントロールセンターが、下から上にスワイプするとドックが出てくる。つまり、iPhone Xで使われているのと同じ種類のジェスチャーだ。

Appleは2017年からホームボタンの段階的廃止を始め、最初は最上位機種のiPhone Xだった。Appleは低価格のiPhoneには物理的ホームボタンを残した。しかし、いずれその時がくることは誰もが知っていた。
ハンマーは2018年に打ち下ろされた。Appleは新しいiPhone XS、iPhone XS MaxそしてiPhone XRからホームボタンを一掃した。

Apple Fall Event 2018

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iPad Proからヘッドホンジャックが消えた

iPad Proの最新モデルにはヘッドホンジャックがない。消えてしまった。もう遅い。しかも、iPhoneに付いてくるヘッドホンも使えない。AppleはLightningを捨てUSB-Cを採用した。その代わりにAppleはUSB-C ->3.5mmの変換アダプターを9ドルで売っている

最新のiPad ProモデルはiPhoneの歩んだ道を追いかけている。iPhoneと同じくホームボタンをなくし、ヘッドホンジャックも消えた。一部ユーザーにとっては驚きの譲歩だ。iPhoneの場合、大きなポートのための場所がないことは明らかだが、理論的には、タブレットのような大型デバイスではさほど問題ではない。Apple は似たようなハードウェアのセットを使って異なる製品を作ることで利益を最大化しようとする傾向にある。iPhoneに2016年以来ヘッドホンジャックがないことから、Appleのもう一つのモバイル機器にもそのトレンドがやってくる時期が来たのだろう。

取り残されたのはヘッドホンユーザーだけではない。iPadは長年にわたり安定したオーディオコントローラーだった。これからはタブレットとステレオを直接3.5 mmケーブルでつなぐかわりに、9ドルのドングルが必要になる。ヘッドホンを使いたいって? Appleは明らかに、iPadオーナーが159ドルのAirPodsを使うことを望んでいるが、世間にはUSB-Cヘッドホンが溢れGoogle製品もある

Apple Fall Event 2018

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明日iOS 12.1がやってくる。グループFaceTimeとカメラの改善

どうやらAppleは、明日ブルックリンで行われるビッグイベントだけにニュースを残しているわけではなさそうだ。同社は最新バージョンのiOSを明日公開するとついさきほど発表した。iPadのお披露目にちょうど間に合うタイミングだ。

最大の目玉は、待望のグループFaceTimeで、AppleはWWDC以来たびたび話題にしていた。ビデオチャットアプリはこのアップデートによって最大32名が同時に参加できるようになる。

システムは話者を自動的に検出し、リストのトップに優先して並べる。それ以外の人が下がるのは他のチャットサービスと同じで、タップすればそのユーザーが前面に来る。グループFaceTimeは暗号化されていて、メッセージ(SMS/MMS)アプリから開始する。

最近報じたように、新バージョンのオペレーティングシステムではiPhone Xsの自撮りのソフトフォーカス化問題が修正される。Samsungなどのメーカーが提供するフィルターの効果に似ていたため「ビューティーゲート」とも呼ばれたが、Appleは意図した機能でないと明言した。

問題は手ブレ写真を起こすバグに起因していることを会社は発表した。その修正とともに、12.1では、ポートレートモードの被写界深度をリアルタイムで調節してバックグラウンドのボケを調整できるようになる。iPhone XsおよびXRにはデュアルSIM機能も追加される。

そしてもちろん、新しい絵文字が山ほど——全部で70種類——やってくる。赤毛、白髪、縮れ毛、禿頭なども加わる。新しい動物やスポーツ画像、食べ物関連もたくさんある。

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このアプリを使うとiPhone XRで撮ったペットの写真の背景をぼかすことができる

新しいiPhoneには優れた写真技術がいくつかあるが、でもカメラが一つしかないXRでは人以外の被写体をポートレートモードで撮れないなど、省かれている機能がいくつかある。でもついに、サードパーティのカメラアプリHalideによって、人工的なボケは作れるようになった。あなたの愛犬が眠っている顔や姿も、背景をぼかすと可愛さが一層際立つだろう。

これは、カメラが一つしかないことだけの問題ではない。でもぼくの前の記事を読んだ方はご存知と思うが、ハードウェアやチップやセンサーなど物理的な条件に依存している機能でも、ソフトウェアによって実現できる場合がある。何でも、ではないけど。

関連記事: コードが写真の未来を創る

iPhone XRの場合は、カメラが一つしかないから、十分な奥行きデータが得られない。だからピンぼけ効果はプログラムのコードで作りだすしかない。問題は、Appleの機械学習システムが、人の画像の高品質な奥行き情報を認識し作りだすよう、訓練されていることにある。犬や猫や植物やおもちゃのロボットの画像では、訓練されていないのだ。

でも、被写体が人間以外のとき、背景がきれいにボケてくれないのは、誰でもいやだろう。

そこで、Appleの気まぐれを無視しても平気なHalideのチームは、XRの“Focus Pixels”〔iPhone 6からの機能〕から深さデータを作り出し、それをもとに、不自然でないボケ効果を作った。メインの被写体と背景がはっきり分かれている画像なら、ペットでもロボットでもなんでもOKだ。人間の顔だけで訓練された機械学習、ではないのだから。

彼らの長くて詳しいブログ記事によると、それはまだ完全ではない。カメラからOSに送られてくる深さデータにアプリからアクセスできないので、プレビュー機能もない。でも、何もないよりましだし、Instagramで写真を見た人は、あなたがXRでなくXSを持ってると思うだろう。XRは、正しい選択だとぼくは思うけどね。

このアプリは、アップデート(1.11)の承認を待っている。もうすぐダウンロードできるだろう。まだHalideを持ってない人は、6ドルで買える。あなたのチンチラの写真の背景が、ベルベットのようになめらかになるんだから、6ドルは安いよ。

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中国からトランプへお返し: iPhoneをやめてHuaweiにしたら

The South China Morning Postによると、中国外務省のスポークスウーマンHua Chunying(华春莹)が、トランプの安全でないiPhoneに対するスパイ行為に関する、昨日(米国時間10/24)のおそろしい記事を否定して、それを“フェイクニュース”と呼んだ。彼女は大統領のためにとくに言葉を選んで、Huaweiのハンドセットに換えるよう提案し、それがだめなら通信をやめたら、と言った。

その語調はときにはネット上の‘荒らし’のようにもなり、そのスポークスパーソンは、“この記事を見ると、オスカーの脚本賞を必死で狙ってる人たちが書いたように思える”、とも言った。

[政府支給のスマートフォンしか使ってない]

昨日(きのう)のThe New York Timesの記事は、“アメリカの諜報機関の職員によると、その機関は、中国とロシアが大統領の携帯電話の外国政府の内部の人間からの通話を盗聴し、また外国の政府職員間の通信を傍受していることを(そのアメリカの諜報機関が)知った”、と言っている。

Trumpは今朝Twitterで反撃し、記事を訂正しようとしたが、そんな時間はない、とも言い、それは“soooo wrong”(ものすごく間違ってる)だ、と付言した。さらに大統領は、その記事(私物のiPhone)と違って、政府支給のスマートフォンしか使っていない、と言っている。

Huaの声明はさらに一歩進んで、アメリカがHuaweiのハンドセットやそのほかの中国製のネットワーキング機器を、政府によるスパイ行為への懸念から禁じていることを、猛然と攻撃している。

画像クレジット: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP

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オフィスビルを大改造したApple渋谷がオープン、京都に続き秘密の部屋もあり

アップルは10月26日、東京・渋谷にあるApple渋谷の営業を再開した。昨年11月に改装のために閉店して以来、11カ月ぶり。国内では既存店舗を改装した初のリニューアルオープンとなる。

Apple渋谷がある渋谷区神南は、商業地として都内でも屈指の一等地。その場所で長期に渡って店舗を閉店・改装するというのは一般の小売店ではなかなか考えられない。改装に11カ月の期間をかけるのも異例だ。

しかし、過去にApple渋谷を訪れた人なら改装に時間がかかった理由がすぐにわかるはず。Apple渋谷が入居しているABC-MART公園通りビルは、地上8階建ての鉄筋コンクリートのオフィスビル。

この3階部分までが跡形もなく大改造されているのだ。旧店舗はApple銀座のように2階部分と3階部分の一面が看板になっていて、アップルのロゴマークが掲げられていたが、新店舗ではこれを取り外して巨大なガラスの壁を設置。それを囲むように配置された石材は、そのまま店内の壁に連なっている。

Apple表参道やApple銀座などに比べて床面積が狭いが、道路に面する壁面がガラスになったことで非常に開放的な雰囲気の店舗に生まれ変わった。なお、2階部分に掲げられたリンゴマークのオブジェは裏側から触れられるようになっている。

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以前は2階までだった店舗が改装後には3階までに広がったことで、らせん階段も3階まで伸びた。ちなみに3階は以前、iTunes株式会社が入っていたこともあるフロアだ。3階では無料の学習講座「Today at Apple」のセッションが毎日開かれる予定だという。

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一般客が行き来できるのは3階までだが、エレベーターを使うと、さらに上階の4階にたどり着けるようになっている。ここには法人向けの商談スペースである「BOARDROOM」が設置されている。国内ではApple京都に続いて2店舗となる特別な空間だ。

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Apple新宿、Apple京都に続き、今年3店舗目となったApple渋谷。iPhone XRの発売日でもあるオープン初日となる10月26日には、先着順で記念のTシャツとピンバッジが配られる予定だ。

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2018年にアップルが予告していた店舗はこれですべて営業開始。アップルからは今後の店舗展開について明らかになっていないが、来年には噂されている福岡天神店の移転のほか、オープン以来デザインが変わっていない銀座店や心斎橋店の改装されるかもしれない。

トランプは「セキュアな」iPhoneを2台持っているが、それでも中国は聴いている

トランプ大統領はiPhoneを3台持っている——うち2台は「セキュア」で、もう1台は通常の個人用デバイスだ。しかし、最高司令官が電話を取るたびに、彼の敵たちは聴いているという。

これはThe New York Timesの最新記事によるもので、大統領の複数の端末——および彼がそれをどう使っているか——にスポットライトを当てている。

トランプは2016年に就任した際、Androidが走る古くて時代遅れのSamsung Galaxy携帯を渋々手放し、Appleデバイスに移行した。iPhoneは歴史的にAndroid機よりもセキュアであるとされてきた。彼が所有するうちの1台は通常のiPhoneで自分の連絡先を登録できるが、あとの2台は公務専用で、国家安全保障局によって盗聴を防止するための改造が施されロックされている。

ただし——たとえホワイトハウスの中にいようとも、ワシントンおよび全米の大部分を覆い尽くす、老化し劣化しつつあるセキュリティーの低い携帯ネットワークから逃れることはできない。

ネットワーク間で情報をやり取りするの極めて重要な携帯ネットワークシステム——Signaling System No. 7(SS7)と呼ばれている—— が、近年ハッカーらによる通話やテキストメッセージの傍受を容易にしている。SS7は携帯ネットワークが通話やテキストの接続やルーティングを確立するために使用しているが、SS7の著しい脆弱性のために、2要素認証に使われたコードが傍受され、銀行口座の侵入や資金流出に利用された

このほとんどが未修正の欠陥によって、各国政府——あるいは誰でも——が通話を簡単に傍受できる。そこには中国、ロシア、および傍受を成功するために必要なリソースと知識を持つあらゆるアタッカーも含まれている。

トランプが3台のiPhoneに頼っていることは面倒そうに思えるかもしれないが、これでも前任者より一歩前進している。

オバマ大統領は、いっとき彼の政府支給iPhone——2期目に与えられた——を「3才児が持っているおもちゃの電話」に なぞらえた。メールは受信できるが、発信できないように改造されており、海外の敵が大統領の様子を探れないようにカメラもマイクロホンもついていなかった。彼はテキストメッセージを送ることさえできなかった——必ずしも技術的理由からではなく、政府高官が公式なやりとりを保存することを義務付けている大統領記録法に従うためだ。

トランプはオバマよりも寛大な扱いを受けてはいるが、それでも毎月新しいクリーンなデバイスを受け取り、マルウェアが潜んでいる可能性を排除している。しかし、そのポリシーは本来あるべき厳密さで適用されていない、と記事は書いておりそれは、居残ったマルウェア(もしあれば)を誤って引き連れることなく、古いデータを新しい端末に手動で移行するのが大変だからだ。

SS7の欠陥は一般人にとっても未解決の問題ではあるが、大統領自身による “opsec” ——セキュリティー運用、すなわち直面する脅威に対する彼の認識とそれを回避する努力——のひどさとは比べ物にならない。もし中国やロシアが彼の通話に聞き耳を立てていなかったとしても、彼のゴルフコース周辺をうろつくだけで、いつでも運試しができる——そこでは大統領が携帯をゴルフカートに置き忘れ、スタッフを取りに走らせたことがある。

そしてこれは、核ミサイル発射コードを信託している人物の話だ。

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iPhone XSの自撮りソフトフォーカスはバグ、次期iOSアップデートで修正

先月インターネットでは、AppleがiPhone XSとXS Maxで自撮り写真を美化しているという報告が飛び交った。写真はまるでエフェクトがかかったように見え、ライバル機種が提供する「ビューティー」フィルターのようだった。Appleは意図的に写真を修正しているとの指摘を否定したが、時すでに遅く「ビューティーゲート」という予想通りの名前をつけられた。

実際それは妄想ではなかった。画像はソフト化されておりそれはソフトウェアバグのためだった、と同社は説明した。しかしThe Vergeによると、Appleは次のiOS 12.1アップデートで問題を修正するようだ。その後AppleはTechCrunchに、現行ベータ版でも対応済みであることを確認した。

要するにこういうことだ。遅いシャッタースピードでHDRプロセスがデフォルトになっていた。それに、前面カメラにOIS(光学手ぶれ補正)がないことが相まって、ぼんやりとかすんだ写真が生まれた。つまり、カメラはあなたを美しくしていたのではなく、少々ぼやけさせただけだった。

人は現状に満足しなければならないときもある。

アップデートのベータ版はすでに公開されている。

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Zimmer BiometとAppleがApple WatchとiPhoneを使った膝と腰の人工関節置換手術のための臨床研究を開始

Appleは、最新型Apple Watchの利便性を訴えるものとして健康を大きな柱に据えているが、本日(米時間10月16日)、その新たな道筋が形となって現れるというニュースが報じられた。人工関節置換手術の治療材料やシステムの開発で世界をリードするZimmer Biometは、人工膝関節および人工股関節の置換手術を受ける人々に焦点を当てた臨床研究を、Appleと共同で行うと発表した。

この試みは三段階に分かれており、最初の2年間で最大1万人の患者が参加することが予測されると、Zimmer Biometの遠隔医療副社長Ted Spoonerはインタビューで語っている。

彼によると、患者のケアは次の3つの側面によってカバーされる。Apple WatchとiPhoneのセンサーを使い、患者の術前と術後の状態をモニターする。患者自身による術前と術後のケアの質を向上させるための教育と情報を提供する。医師、介護士、患者との間に連絡チャンネルを開設し、質問や答えを交換できるようにする。これらはすべて、Zimmer Biometのmymobilityアプリで行われる。

このプロジェクトに参加する医療施設は以下のとおりだ。
University of Utah Health(ユタヘルス大学)、Rush University Medical Center(ラッシュ大学医療センター)、University of Pennsylvania Health System(ペンシルベニア・ヘルスシステム大学)、Emory University Orthopaedics & Spine Hospital/Emory Healthcare(エモニー大学整形および脊椎病院/エモニー・ヘルスケア)、Hoag Orthopedic Institute in Southern California(ホーグ整形病院サザンカリフォルニア)、Massachusetts General Hospital(マサチューセッツ総合病院)およびBrigham and Women’s Hospital(ブリガム・アンド・ウイメンズ病院)が設立した非営利団体Partners HealthCare(パートナーズ・ヘルスケア)のメンバーであるNewton-Wellesley Hospital(ニュートン・ウェルスレイ病院)、Centura Health(センチュラ・ヘルス)所属のPorter Adventist Hospital – Colorado Joint Replacement(ポーター再臨派病院コロラド人工関節置換部)、Legacy Meridian Park Medical Center(レガシー・メリディアン・パーク医療センター)所属のROC Orthopedics(ROC整形病院)、OrthoArizona(オーソアリゾナ)、Midwest Center for Joint Replacement(人工関節置換中西部センター)、Hartzband Center for Hip & Knee Replacement(人工股関節膝関節置換ハーツバンドセンター)、New Mexico Orthopaedic Associates(ニューメキシコ整形連盟)、Michigan Institute for Advanced Surgery(ミシガン高度外科病院)所属のThe DeClaire LaMacchia Orthopaedic Institute(デクレア・ラマッキア整形病院)、
Joint Implant Surgeons(関節移植外科)、Orthopedic and Fracture Clinic(整形および骨折クリニック)、Panorama Orthopedic and Spine Center(パノラマ整形および脊椎センター)。

Spoonerによるとこの研究は(現在はアメリカ国内に限られている)、Zimmer BiometとAppleが2年間におよぶ水面下での共同作業が実を結んだものだ。その目的は、Zimmer Biometが求める遠隔医療アプリの実効性を測る知る数値の収集だけではない。Appleの側には、スマートウォッチとスマートフォンを中心に構築される医療サービスに医療業界が期待していることを出資者たちに理解させるという狙いもある。現在、世界中で行われている人工膝関節置換手術の4回に1回を占めるZimmer Biometは、その中心的な存在だ。同社は、股関節、肩関節、足、歯でも同様に堅固な市場を確保している。

Appleがこの研究の重点をどこに置いているかは、この立ち上げにコメントを寄せた人たちの言葉でわかる。

「顧客に力を与えるには、自分の健康と活動の情報を利用して自分自身の健康管理を改善する手段を与えることだと、私たちは信じています」と、Appleの最高執行責任者Jeff Williamsは声明の中で述べている。「人工膝関節と人工股関節の置換手術を行った患者が、自分自身のデータを使い、また医師と直接共有することで、自分のケアと回復に参加できるようになることを、私たちはとても嬉しく思っています。これは、従来の面接による診察という方法では実現できなかったことです。このソリューションは、消費者と主治医を、手術の前も後も、継続してつないでゆきます」

股関節と膝の人工関節置換手術はもっとも一般的な手術で、
アメリカでは毎年に100万回も行われている。Deloitteによれば、人口の増加と長寿化、さらに若いころにフィトネスのための激しい運動で体を酷使した人たちも多く加わり、2035年にはその数は350万回に増えるという。

遠隔医療サービスを人工関節手術を主に受けている高齢者に売るのは、難しそうだと考えるかも知れない。しかしSpoonerは逆だと言う。

「現在、スマートフォンをもっとも早く導入する年代層は、55歳から64歳だとわかりました」と彼は話す。彼らは、そのひとつ下の年代に比べて、スマートフォンやその他の接続機器を3倍の早さで購入しているという。もろん、高齢者が使い始めたのが遅かったというのも理由のひとつかも知れない。とは言え、その数字に関して、「他の年代グループの複合年間成長率が2パーセント以下であることを考えると、本当にびっくりです」と彼は言っている。同様にスマートウォッチについても、高齢者のユーザー数が高い伸びを示している。「若い人たちよりも、高齢者ほどその恩恵を多く受けることになります。年を取ると健康に敏感になるので、このプロジェクトには最適の時期だと私たちは考えました」

Zimmer BiometとAppleが解決を目指す課題の中心には、患者が積極的に治療に関われるようにすることがある。計画どおりに行かない何かが起きた場合、それを特定して対処できるようにしなければならない。システムには大きなダッシュボードと分析機能を備え、診察日の間に患者がどのような行動をとっているかを、医師や介護士が評価できるようにする。

患者は、手術までの間に何度も知らせを受ける。手術が受けられる健康状態を保つために、活発に動くよう指導されるのだ。医師は、患者の体の動き、脈拍数、そしてとくに、1日のうちに立つなどの基本的な動作をどれぐらい行っているかなどをモニターして、患者が指導に従っているかを確認できる。同じことは、術後も続けられる。その間、たとえば傷口がどう見えるかといった不安を覚えた場合、患者は医療チームに相談することも可能だ。ただしそれは、患者のモニターや教育といった第一義的な目的からは外れる使い方だとSpoonerは言う。

Zimmer BiometがAppleと一層緊密に協力し合うようになったのは、医療系企業が(他の多くの業界もそうだが)デジタルサービスの進歩によってもたらされたイノベーションに飛び込む必要性を感じたからだ。そうしなければ、医療の未来を一切捨て去ることになる。Spoonerは、とくに今回の挑戦のために設立したスタートアップRespondWellを通してZimmer Biometに出会ったという。

「この市場は、患者の継続的な利用、そして自分の状態をより詳しく知り、介護士とうまくやってゆけるようにするための有効な生体データを探す場所でした」と彼は言う。彼のスタートアップはMicrosoft Connctを使っていた。「しかしそのとき、Zimmer BiometがAppleと事前交渉を行っていたのです。私たちは、彼らと共通するアイデアを持ってクパチーノに向かいました。そこから今回のコラボが始まりました」

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(翻訳:金井哲夫)

出足の早いiOS 12、すでに最高の採用率を達成…パフォーマンス重視が成功か

市場分析サービスのMixpanelは今、iOS 12のインストールベースを調べている。それによると、iOSの最新バージョンはかなり人気が高くて、すべてのiOSデバイスのほぼ47.6%にすでにインストールされている。45.6%がまだiOS 11、そしてiOSユーザーの6.9%がもっと古いバージョンを使っている。

採用率は、とくにアプリのデベロッパーにとって重要だ。AppleはiOSのメジャーリリースと共に、新しいフレームワークをリリースしている。しかしデベロッパーは、その後もしばらくiOSの旧バージョンをサポートしてからでないと、新しいフレームワークへの全面移行、そして旧バージョンのサポート停止には踏み切れない。

でもおもしろいのは、iOS 10のサポートを停止しても、デベロッパーはそれほど多くの顧客を失っていない。たぶん、iOSをニューバージョンにアップデートしないようなユーザーは、アプリのアップデートにも関心がないのだろう。古いアプリを、そのまま使っているのだ。

iOS 11は、これほど急速に採用率が上がらなかった。昨年Appleは11月6日に、iOS 11が10を上回った、と発表した。もちろんMixpanelとAppleの数字を単純に横並びで比較するのは間違っているが、今年のトレンドの違いは誰もが実感しているだろう。

iOS 12はパフォーマンスにフォーカスしている。今回のメジャーリリースは、iPhone 6のような古い機種にも対応している。iOS 11が動く機種ならiOS 12も動く、アップデートできる。要するに今持ってるiPhoneを速くしたければ、iOS 12にアップデートすべきだ。

多くの人は、それを知らないかもしれない。なぜなら、これまでは、iOSのニューバージョンで古い機種が相当遅くなっていたからだ。でも採用率が示すように、Appleの新しい意図を早くから理解したユーザーも少なくない。

[関連記事: iOS 12であなたのスマホが前より速くなる(未訳)]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

【スティーブ・ジョブズ氏追悼】iPhoneはもうすぐ日本で売れなくなる、アップルはどうするのか?

stevejobs01.png正直言ってもう記事として扱うことはないと思ったが、隣の編集長からの強い依頼があったので改めてスティーブ・ジョブズ氏没後のアップルについて個人的な感想を書きたいと思う。

日本時間の2011年10月4日の午後だったと記憶しているが、現地時間の10月5日にアップルのCEOであったスティーブ・ジョブズ氏の死去が発表された。訃報を聞いたとき私は千葉の幕張メッセでCEATECのブースイベントに出演していた。まったくの赤の他人だが、それほどの驚きはなく覚悟はできていた。部位は違えど実父が同じ病気で10年前に死去していたので、ジョブズ氏が罹患した事実とその部位を発表したときには、経営の第一線で活躍できる期間はそう長くないなと感じていたからだ。亡くなる前の2011年6月に開催されたWWDCでは、iCloudをはじめとするクラウドの重要性を熱く語ったジョブズ氏だったが、結局それが最後のスピーチとなってしまった。死亡証明書の職業欄には「起業家」と書かれていたそうだ。

当時編集長を務めていたアップル系専門誌のMacPeopleでは、2011年8月29日発売号で「Steve Jobs Keynote History」という小冊子を特別付録として制作した。これは、アスキー(KADOKAWA)のアップル系専門誌やウェブメディアが過去に取材したジョブズ氏の基調講演記事を時系列にまとめたもの。意図せず追悼号になってしまったわけだが、身売り危機があったどん底から、一筋の光が差していた互換機戦略を葬り去り、iMacで復活の足がかりを作り、iPodによって復活。iPodのWindows対応によってアップル製品のユーザー層が飛躍的に拡大した。

そして2007年1月9日にアップル初のスマートフォンとしてiPhoneが登場する。当初の販売目標は年間1000万台だったが、ご存じのように今では四半期で4000万台以上を売り上げるプロダクトに成長した。現在、ハイエンドモデルのiPhoneはローエンドモデルのMacBookを凌ぐ価格設定だが、MacBookよりも一桁多い販売台数を記録している。

国内に限ってみると、PCのシェアではMacは10%未満であえいでいるアップルだが、スマートフォンのシェアでは変わらずトップを走っている。最近ではOS別のシェアではAndroidのシェアが1位なったという調査も出てきているが、あと数年はメーカー別シェアの1位は揺るぎないだろう。この他国とは異なるiPhone一人勝ちの市場を形成したのは、iPhoneを開発したアップルはもちろんだが、メールやメッセージなどの諸条件が整わない中で、いち早くiPhoneを日本に持ってきたソフトバンクの功績が非常に大きいことを忘れてはならない。

しかし、多くのユーザーが感じているように近い将来iPhoneはたいして売れなくなる。アジア地域での伸長の余地はまだあるが、Windowsマシンに対するMacのように、iPhoneが低価格で高性能なスマートフォンに置き換えられることは容易に想像できる。乱暴にいうと、iPhoneでできることは、Androidでもできるのだ。確かにiPhone XSのカメラ機能は素晴らしいが、そこを絶賛したところで食指が動くユーザーの数は次第に減っていくだろう。新興国で低価格のiPhoneを旧モデルの価格を大幅に下げてシェアを取るという戦略もあるかもしれないが、長年アップルを見てきた読者ならわかるように、おそらくその選択肢をアップルが採ると失敗する。

Macの新モデルが出るたびに買い替えていたユーザーの買い替え頻度が落ちるのと同様に、高性能化したiPhoneは3年、4年使い続けるのがそろそろ当たり前になる。アップルが公表している四半期ごとの各プロダクトの販売台数で、iPhoneの売り上げはすでに鈍化しており、いずれYoYで100%を切ることだろう。

アップルは、いまのところポストiPhoneと呼ばれるものを生み出せていない。Apple Watchがある!と答える人もいると思うが、決済と通知の機能以外においてiPhoneを代替えするほどのポテンシャルはない。スマートフォンとは異なり競合他社の勢いがなく、スマートウォッチ市場ではApple Watchが一人勝ち状態であることは事実。最新のSeries 4は米国で心電図の計測に対応するなど、今後は医療系での進化も期待できる。しかし、やはり画面が小さすぎるのだ。

もちろんアップルはそのことに気付いているはずだ。そこで現行のプロダクトでポストiPhoneを感じさせるものを無理矢理挙げるとすると、個人的にはAirPodsを推す。現在はワイヤレスイヤフォンでしかないAirPodsだが、イヤフォンというよりもウェアラブルデバイスと言っても差し支えない操作性を備えている。例えばこのAirPodsがメガネのようなウェアラブルデバイスと結合するとどうなるか。そのメガネでウェブサイトを見たり、SNSでのメッセージのやり取りができるとどうなるか。さらに電話ができるとどうなるか。

アップルは現在、VR系については視聴環境も開発環境も甚だしく出遅れているし、スマートスピーカー市場ではすでに太刀打ちできない。そんな中、なぜだかARについてはかなりの力を入れて取り組んでいる。この先にはさんざんウワサされているアップル純正のARグラス(メガネ)、「Apple Glass」が控えているのではないか。今年の8月には、ARグラスの実現に必要な技術を持つAkonia Holographics社をアップルが買収した事実もある。また、MR技術のヘッドセットを作っているVrvana社も2017年に買収している。さすがにジョブズ氏がARグラスの構想を具体的に練っていたとは思えないので、これこそジョブズ氏亡きあとのポストジョブズのメインプロダクトとなるはずだ。
そのうえで「ジョブズがいたらこうはならなかった」と想像するのも楽しいのだが。

iPhone XS MaxはXSより劇的に売れている(MacRumors報道)

異彩のAppleアナリスト、Ming-Chi KuoによるAppleの初期データによると、iPhone XS Maxは、小さな兄弟分を圧倒する売れ行きを見せている。MacRumorsに載った記事でKuoは、この6.5インチ端末が発売直後の週末に、XSの3~4倍を売ったと報告している。

「われわれはXS Maxの需要が予想以上だった(XSの3~4倍)という確証を得た」とKuoは言った。「ゴールドとスペースグレーはシルバーより圧倒的に人気が高い。256GBが一番人気で、512GBは深刻な品薄状態であり、これは現在NAND Flashを安定供給できるのがSamsungのみだからだ。XS Maxの出荷台数は、アジア市場とギフトシーズンのおかげで2018年4Q中は安定成長を続けるだろう」

需要の大きさは決して驚きではない。何しろXSは、先行機種と比べて驚天動地の新製品ではない。一方Maxは、消費者は大きい電話など欲しがっていない、と言っていた会社としては、かなりの画面サイズ変更だ。

しかも、2つのモデルはスペック的にほぼ変わらず、大画面の価格差はわずか100ドルだ。すでに1000ドルの世界にいる人たちにとって、100ドルの違いなどどうでもよい。

記事はApple Watch Series 4の需要が予想以上であること、iPhone XRが売れ筋だろうとも書いている。後者
は何ら驚きではない。XRは、去年と変わらない端末に1000ドル払うつもりがない/払えない人たちにとって到達可能なアップグレードなのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone XRはiPhone SEになれるだろうか

アップルのスペシャルイベントでの新iPhoneの発表を受けて、さまざまなメディアから数多くの記事が上がった。いつものように、礼賛する記事、購入を勧める記事、買ってはいけない記事までバラエティーに富んだ内容で、アップルとしては想定内だっただろう。一方、発売前に解禁された実機レビュー記事については、撮影機能の向上を絶賛する記事が多数を占めた。

一般コンシューマーから見ると「進化はカメラだけなの?」と思ってしまう内容ともいえ、アップルとしては少し想定外だったかもしれない。もちろん個人的にiPhoneは大好きなので、Apple A12 Bionicチップの恩恵による撮影機能の向上やiOS 12によって使い勝手がどれほど向上するのかを、iPhone XS Maxをきちんと購入して早く確かめたいところだ。

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しかしながら、発表会や数々のレビュー記事を読んで頭をよぎったのは「スマートフォンとして機能的な進化はそろそろ頭打ちかな」という懸念。もちろん撮影の機能の向上は素晴らしい。夜景や逆光での撮影で見た目どおりに絵作りしてくれるのは大変ありがたいが、ポートレートモードを普段使いするコンシューマーがどれだけいるかは少し疑問だ。日常のスナップショットを撮るのであればiPhone 7シリーズでも十分に美しく、SNSで公開したり、友人や家族に送ったりするぶんには不満はない。

iPhone XSシリーズは10万円超えの高価格なので、旧モデルからの買い替え需要をどれだけ喚起できるのだろうか。特にiPhoneやAndroidのデュアルレンズ搭載機をすで持っている人にとっては、分割払いでいますぐ購入するほど食指は動かないのではないか。自腹でiPhone XS Maxは購入するものの「お買い得はどれ?」と聞かれるとすごく悩む。強いて言えば、一般の感覚からすると安くはないが、背面のカメラがシングルレンズで液晶パネル搭載のiPhone XRだ。

昨年はiPhone 8とiPhone 8 Plus、iPhone Xの3モデルがリリースされたが、実際に売れ筋になったのは3モデルの中で最も安価かつ最もコンパクトなiPhone 8だった。今回発表された新iPhoneの中でiPhone 8の系譜を受け継ぐモデルは、(3モデルの中で)低価格、シングルレンズ、液晶パネルという3要素を備えたiPhone XRだろう。

だが、iPhone XRはiPhone 8より、さらにiPhone XSよりも大きく50gほど重い。iPhone SEの終焉を嘆くコンシューマーがいるように、スマートフォンの大型化を必ずしも望んでいない層にXRが受け入れられるのだろうか。先行販売されるiPhone XSの予約状況が芳しくないという一部報道もあり、XR待ちなのか、大幅値下げされた旧モデルに流れているのか、XS Maxを予約したのか、実際のところは10月19日のiPhone XRの予約開始までわからない。それでも個人的にはiPhone XRが3モデルの中で群を抜く人気を集めると予想している。

例年なら話はこれで終わりだ。しかし、今年はアップル自体が市場予想をややこしくしている。アップルはここ数年、1世代前のモデルを製品ラインアップに残して値下げ。そして、それよりも前のモデルをUQ mobileやY!mobileといった、au、ソフトバンクのサブブランドが販売してきた。今年に入り、月々の料金が1500円割引されるNTTドコモの長期割引プラン「docomo with」のラインアップにもiPhone 6sが加わっている。さらに一部のMVMO業者は自社調達したSIMフリーの海外版や整備品を販売したりと、iPhoneの型落ちモデルの販売合戦はいまだ熾烈を極めている。日本国内では廉価なiPhoneの需要が無視できない存在であることがわかる。

そういった状況で、アップルは1年前に登場したiPhone 8シリーズだけでなく、2年前のモデルとなるiPhone 7シリーズも製品ラインアップに残したまま大幅値下げ。結果的には、5万円台で手に入る廉価版のiPhone 7から16万円超のプレミアム版となるiPhone XS Maxまでの豊富な製品群をそろえてしまった。しかもいずれの機種もアップルのオンラインストアや直営店では金利なしの12回払いでSIMフリー版を購入できる。

新3モデルの中でのiPhone XRの一番人気は揺るがないと思われるが、家電量販店や調査会社各社の年末ごろの売り上げランキングにぜひ注目してほしい。アップルはモデル別の販売台数を明かしていないので、このランキングによって、コンシューマーが欲しているのがコンパクトな端末なのか、安い端末なのかハッキリするからだ。ランキング上位をiPhoneシリーズが独占することは想像に難くないが、iPhoneのあとに続く文字がローマ数字なのかアラビア数字なのかで意味合いは相当変わってくる。

iPhoneのあとに7や8が並んでしまうようならコンシューマーは価格重視であることがわかる。加えて、新モデルの価格が高すぎたことの証左となり、アップルは日本での戦略を練り直す必要があるだろう。

iPhone XのあとにSが並べば、コンシューマーは高くてもコンパクトな端末を求めている。そして、次世代のiPhoneとして登場したXの系譜がコンシューマーに完全に受け入れられたことになる。その一方で、廉価版として投入したiPhone XRは失敗作として消えるかもしれない。

アップルにとって最も望ましいのは、iPhone XのあとにRが並ぶことではないか。新3モデルの中で廉価版という位置付けのiPhone XRが一番人気となり来年以降も長く販売されることになれば、当然価格も下がるだろう。そうなれば、アップルが提供するFaceIDやアニ文字、ミー文字といったTrueDepthカメラを使った新たなユーザー体験をより多くのコンシューマーが体験できることになる。iPhone XRがiPhone SEに継ぐ名機といれわれる日がくるかもしれない。

最悪のシナリオは、ナンバーワンの座をファーウェイに奪われることだ。

iPhone XS発売開始!Apple表参道には雨の中250人超が行列

9月21日午前8時、全国各地でiPhone XS、iPhone XS Maxの発売が始まった。旗艦店のApple表参道では雨天にもかかわらずオープン前に250人超の行列ができていた。

8時になるとストアのスタッフがハイタッチで店内に迎え入れていた。

オープン後、iPhoneを求めるユーザーで店内はすぐにあふれかえった。

行列の先頭に並んでいた男性に話を聞いたところ、始発電車でApple表参道に向かったとのこと。Apple京都のオープンニングで配布された白Tシャツを着ていることからかなりのアップル好きと思われる。実際にiPhoneは新製品が出るたびに購入しているそうで、今回もiPhone XS MaxとステンレススチールのApple Watch Series 4を購入していた。


今年は新モデルの中では廉価版となるiPhone XRの発売が10月に控えていることもあり、当面はiPhoneフィーバーが続きそうだ。

iPhone SEは後にも先にもアップルの最高傑作だった

2018年のiPhoneの発表会で、私が唯一期待していたのは、新しいiPhone SEだった。それを提示しなかったアップルは、密かにSEを引退させてしまったようだ。それに関して、私は永遠にアップルを恨むこととなった。なぜなら、SEはアップルの最高傑作だったからだ。

もしあなたが、2015年にデビューしたSEを見送った多くの人たちの中の一人だったとしても、それは理解できる。iPhone6sは最新で最高性能で、もちろん、アップルがご親切にも6の新デザインのあらゆる場所に盛り込んだ問題の一部を解決した機種だった。しかし私には、SEが最高にピッタリ来ていた。

私は、4からのiPhoneのデザインを大変に気に入っていた。発表前にバーに置き忘れられてGizmodeにリークされてしまった事件で、記憶している人も多いだろう。あれは残念だった。なぜなら、今ではアップルはすべての機種で豪華な発表会を開いているが、あの機種だけが、それに相応しい製品だったからだ。

4は、完全に新しい工業デザインの美を確立していた。一目でそれとわかり、非常に実用的だった。オリジナルのiPhoneのステンレス製の背面と、ジェリビーンのような3Gも3GSにあった滑らかで丸いエッジも消えた(初代iPhoneはおそらくアップルが作った2番目に優れた機種だった)。

柔らかい曲線はカチッとした線と妥協のない形状に置き換わった。周囲を金属のベルトが取り囲み、ほんのわずかな段差でガラスの面と接している。それが、画面とベゼルを覆う黒いガラス面との境界を明確にして、どの角度から見ても光沢のある輪郭が浮かび上がるようになっている。

カメラはフラットになり、ホームボタン(お懐かしい)も、本体に埋め込まれる形で、少しだけ凹んだほぼフラットな形になり、本体の両面は完全に平らになった。それに対して、サイドボタンはしっかりと出っ張っている。音量ボタンは、よく目立つ丸い形となり、ミュートスイッチは、簡単に見つけられるが、誤って切り替えてしまう心配がない。電源ボタンは、人差指で楽に操作できる位置にある。これらの機能は、使い勝手の良さをダイレクトに示している。物事を、より簡単に、よりよく、より扱いやすくしながら、ひとつのオブジェクトとしての魅力的で一貫性のあるデザインに仕上がっている。

iPhone 4と比較すると、サムスンの「iPhoneキラー」と呼ばれる新しいGalaxy Sを含む他のすべてのスマートフォンは、プラスティックを多様した安っぽさが目立ち、デザインに一貫性がなく、よくてウォークマン程度の感じだ。私は、単なるアップルファンとして話しているのではない。その当時、私はiPhoneユーザーではなかったのだ。大好きだったG1を、今でも使っていたかも知れない。それは美女と野獣の物語だ。

5のデザインには、その縦長の画面に違和感を持ちつつも、なんとか使い続けることができたほど強力だった。そしてその世代から、裏面の残念な傾向、つまり割れやすいという問題が軽減された。

しかし、ツートーンのグレーのiPhone 5sには、基本的にもう改良の余地がなかった。その4年後、アップルは、そろそろ変化を加える時期だと感じたのだろう。ところが残念なことに、アップルが行なったのは、あらゆる個性を排除することだった。追加されたのは、画面の面積だけだ。

6は、私にとっては、単に醜い機種だった。当時のAndroidのスマートフォンを思わせる、どうしようもない退屈なものだ。Androidよりは少し高性能というだけで、あとは同じだ。6sも同様に醜かった。そして7から8にかけては、デザインに個性として残っていた部分まで削り落とされてしまった。実用性のためにとカメラの出っ張りがどんどん大きくなるという先祖返りが起こり、ヘッドホンジャックも消えてしまった。Xは、少なくとも、ちょっとだけ個性的だ。

最近の話に戻るならば、それは6sの後の、アップルがSEを発表したときのことだ。SEは「スペシャル・エディション」の意味であり、Macintosh SEへのオマージュでもあった。しかし皮肉なことに、その最初のSEは「システム・エクスパンション」(システム拡張)という意味だったのだが、新しいほうのSEはその逆だ。基本的に、iPhone 6sを5sのボディーに詰め込み、カメラとタッチIDセンサーとプロセッサーを改良したものだ。たぶんこれは、デザインが大きく変更されて、びっくりするほど大きくなった最新機種への乗り換えを躊躇している人たちへの救済措置だ。

初期のアップル製品を買ったことがなく、斬新さよりも使いやすさを求める人たちを改宗させるには時間がかかる。アップルのそうした事情は理解できる。だから、その難しい乗り換えを、少しだけ楽にする方法を与えたというわけだ。

SEは、懐古趣味的な、新しいものが嫌いな人たちだけでなく、小さなスマートフォンが欲しかった人にもアピールした。私の手は、とくに大きくも小さくもないが、このポケットに入れやすいサイズは気に入った。また、新しいものに安定したデザインを取り込んだことでは、多くの点で好感を持った。

傷つかないようにカメラをフラットにしたか? マル。普通に押せるホームボタンか? マル。フラットで左右対称のデザインか? マル。握りやすいエッジがあるか? マル。専用ケースが大量に存在するか? マル。私は長い間、これを使ってこなかったが、SEは最高の機種だ。

その当時、iPhone SEは、アップル製品の中でも大変にコンパクトで見栄えのよいものだった。機能面でも、ほとんど妥協がなかった。ひとつだけ注文をつけるなら、サイズだ。ただ、それは好みの問題だったが(今でもそうだ)。

それは、アップルがデザインした最高の作品だった。それまでに開発されたなかで最高の技術が詰め込まれていた。それまでに作られた中で、最高のスマートフォンだった。

敢えて言うあら、それ以降も含めて、あれは最高のスマートフォンだった。6以来、アップルは、ユーザーの気を引こうと、漂い、さまよっているように私には見える。それは、ずっと昔の2010年に、iPhone 4のデザインとグラフィック性能で人を惹きつけたのと同じ方法だ。アップルは、最先端になるまでデザインに磨きをかけた。しかし、また一歩先にジャンプするだろうというみんなの期待をとは裏腹に、アップルはジャンプせず、爪先立ちになってしまった。金のガチョウを動揺させたくなかったのだろう。

SEは、超えられないデザインの背中に乗って、勝利の最終ラップをアップルに走らせた機種だったと私は思う。認めたくない気持ちはわかる。この長い年月の間、1000ドルもする旗艦機種ではなく、10年近く前に作られた機種を欲しがる人はいなかった。その旗艦に関してと、どうしても言っておきたいのは、外観のデザインに妥協があるだけでなく(できるなら私はノッチ付きのスマートフォンは持ちたくない)、タッチIDや3.5ミリのヘッドホンジャックなど、多くの人が愛用している実用的な機能において時代を逆行している点だ。他の機種でも、この「ユーザー・アンフレンドリー」な対応がなされている。

だから、私はアップルに失望したけれども、意外には思わなかった。結局、私はもう何年も失望し続けているのだ。それでも私は、SEを持ち続けている。使える限り、使っていこうと考えている。なぜなら、これはアップルの最高傑作だからだ。そして、今でも最高のスマートフォンだからだ。

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(翻訳:金井哲夫)

iPhone XRは「買い」

iPhone XRは反省の産物のごとくやってきた。実際、驚きはなかった。Appleは常に全力で突き進んできた——最新、最高、文字通りの最大。最前線で命を張ることは、同社にとってイメージと市場シェアと株価の拠り所だ。

iPhone XRはそうではない。昨日の イベントを見る限り、この端末は等外馬だ。シングルレンズカメラと低解像度画面はネット上のディスプレイマニアの間で批判の的になった。これは、この会社が作る必要のあった製品そのものでもある——結局Appleは山ほど売ることになるだろう。実際このエントリーレベル機がプレミアムの兄たちより多く売れてもさほど驚かない。

過去24時間、かなりの人たちが、どのiPhoneを買うべきか私に聞いてきた。答えは相手によってまちまちなのは当然だが、多くの場合にXRがもっともしっくりくる。昨日のハンズオン記事にも書いたように、これは一般人のためのiPhone Xだ。

昨年の10周年記念端末は、テクノロジー、価格、予算、あらゆる面でiPhoneの限界を押し広げた。それは2008年のApple Store導入以来最大の飛躍であり、1000ドルスマートフォンの誕生でもあった。

ものごとがその方向に進んでいくことは誰もが知っていたし、、Samsungを始めとする各社はAppleに戦いを挑んできたが、iPhone Xは消費者がスマートフォンにいくら払うつもりがあるかの限界をテストする結果になった。当初の売上はこの製品にとって理想的ではなかったが、はるかに高いその価格は、同じ利益をあげるためにAppleは少なく売るだけでよいことを意味していた。

しかしAppleはsの100万円携帯のVertuではない。製品を実際に消費者の手に届けることは、新しい端末を売るのと同じく重要な側面だ。初期の報道では、Appleはより広い消費者層にアピールするために、LCDに戻してコストを下げることを考えていると言われていた。

Wall Street Journalは6月に、需要は「Appleが最初のOLEDスマートフォンを準備していた一年前に多くの業界人が予想していたよりも伸び悩んでいる」と書いた。AppleにとってLCDに戻ることは、最も先進的なスマートフォンを出したあとに一歩後退するように感じたのだろう。

しかし、それを気にする人たちがいる一方で、テクノロジーの刷新は、消費者の要求よりもライバルの先を行きたいという欲求に動かされることがよくある。そして、最高解像度の画面はすばらしいものの、必ずしも1000ドルに値するすばらしさではない。

iPhone XRはAppleにとって、よりバランス志向のアプローチだ。しかしこの端末は、iPhone Xをベースに比較的求めやすい価格を維持しつつ、Xと一緒に発表されたときのiPhone 8のような遺物感をもたせないことに成功している。

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XRは大衆向きiPhone。人々のためのiPhoneだ。私はこれをiPhoneのiPod Miniと呼んでおり、Matt Burns記者はこれをiBookと呼んでいるが、言いたいことは同じだ。より安く、よりカラフルな選択肢だ。すくなくとも同僚の一人は、どの色にするかで少々強迫観念を感じている。

749ドル(8万4800円)は決して安くないが、XSとXS Max(それぞれ999ドル/11万2800円と1099ドル/12万4800円)と比べるとお買い得に感じるし、欠けている機能の殆どは平均的ユーザーの日々の利用に影響しそうにない。そうそう、シングルレンズカメラがポートレイトモードを模倣することで、いっそう違いを和らげている。

もし私が今新しいiPhoneを買うなら、まず間違いなくXRで行く。わかってほしいのだが、私はニューヨークシティーに住むITブロガーだ。金のなる木をもっているわけではない。

あなたが今iPhoneの潜在顧客なら、おそらく同じ気持ちだろう。XRは断然買いだ。Appleは山ほど売ることになるだろう。

more iPhone Event 2018 coverage

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook