時価総額をめぐって接戦を繰り広げるGoogleとMicrosoft

アップデート: この記事を投稿したあと、Microsoftが巻き返した。現時点(10月17日ロンドン午後2:45, ニューヨーク午前9:45, 東京午後11:45)ではMicrosoftがGoogleより高い(下表)。次は今日の引け値で比較してみよう。

GoogleとMicrosoftが今、世界のテクノロジ企業の時価総額の二位の座を争う接戦を演じている。Googleは今四半期の決算報告がぱっとせず、Microsoftは時間外で上げたため、この二人の差がさらに縮まってきた。

しかしAppleとExxon Mobilの優位は動かない。この4社の時価総額を合計すると1兆5000億ドルになる。

昨日(米国時間10/16)の決算報告のあと、Googleの株価は5%下げた。今朝(米国時間10/17)の時間外でも下げたが、取引開始後はやや戻した。Microsoftは、開始時に1%強上げた。

Yahoo FinanceCNBC dataによると、Googleの昨日の終値では時価総額が3547.7億ドル、MicrosoftはMicrosoftは3521.7億ドルだ。Googleの今日の始値では3570.5億ドル、Microsoftは3561.3億ドルだ。まだ両者のあいだには、薄い空気の層がある。Googleは時間外で頑張ったため、取引開始時にMicrosoftに抜かれずにすんだ。

両社の接戦は株式市場への実質的な影響はほとんどなくて、象徴的なものにすぎないが、しかし両社が共有する市場の大きさを考えると、注目に値する。そのほかのプラットホーム企業と同じく、GoogleとMicrosoftは競争するカテゴリーがかなり重なっている。ゲーム、音楽、クラウドコンピューティング、ハードウェア、オペレーティングシステム、デベロッパのエコシステム、そして、検索にはじまるあらゆるサービス。

だから時価総額での順位は、現物市場での順位を反映し、株式市場の参加者にも喜怒哀楽をもたらすだろう。

ただし結論はまだ早い。Microsoftの決算報告はまだこれからだ。同社が今日Googleを抜いたとしても、決算報告の結果によってはまた抜き返されるだろう。心配のタネは何か? Surfaceの売上が伸び悩み、Windows Phoneも予想外の損失になるかもしれない。さらにOffice 365が不調なら、投資家はひるむだろう。PCの消費者需要の低迷は、Windowsの売上にひびく。そしてAzureまでだめなら、大量逃亡が起きる。

実際には、何が起きるだろうか? 自分が火をつけた火災を自分で消すことができたMicrosoftに、運はしばらく味方するかもしれない1

1. 今日のRedmond(Microsoft本社)は雨のようだけど。

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マイクロソフトCEO、女性差別発言を再度謝罪、多様化への新たな取り組みを約束

Microsoftは、先週CEO Satya Nadellaが、女性はおそらく昇給を望むべきではない、と発言したことが引き起こしたダメージに対処することによって世間のイメージを修復し、方針を転じる努力を進めている。Nadellaの発言はまたたく間に 彼の音痴ぶりを世界中に広める結果となり、今も謝罪と改革の約束を続けている。

Nadellaは最初の発言を、すぐにツイートで訂正、後に正式撤回した。今日、Nadellaは社内メモの中で、新たな謝罪に加えて、彼がMicrosoftで多様性に関して何を実施しようとしているかを詳しく説明した。

メモの全文はGeekWireが公開しており(TechCrunchはMicrosoftにテキストが本物であることを確認した)一読の価値がある。重要な部分を以下に引用した。

私たちが前へ進めることのできる、そして ― 今すぐ ― 進めるつもりである領域は3つある。

第一に、われわれは同一の仕事には同一の報酬、同一の仕事には同一の機会を与えることに焦点を当て続ける必要がある。多くの社員が、他の社員と同等の報酬を得ているかどうか質問した。私は人事部門に以下のことを確認した。毎年わずかな変化はあるが、Microsoftにおける性別および人種による基本給の違いは(職級、肩書きを考慮した上で)一貫して0.5%以内である。例えば、昨年米国における同一職位、同一職級の女性の報酬は、同一職位、同一職級の男性の99.7%だった。年度や個々のグループによって100%をわずかに上回り、あるいは下回ることがある。しかし、このことは重要な事実を隠している。われわれは、全員が同じ仕事に対して同じ給与を受け取るだけではなく、同じ仕事をするために同じ機会を与えられるよう徹底しなければならない。

第二に、われわれはMicrosoftのあらゆる階級において、より多様な人材を採用する必要がある。最近当社が公表した数字にあるように、Microsoftおよび業界全体には、努力すべきことがある。現在の数字は十分ではなく、顧客が多様でグローバルなこの世界にあっては特にそうだ。この目標を達成するために ― そして特にエンジニアリングにおいて ― 社員の多様化を上級階層へ拡大し、大学その他の採用活動への取り組みに一層努力する必要がある。多様化と包活化の改善は上級幹部全員の目標である。

第三に、包活的カルチャーを育むための教育を、全社員に広げる必要がある。われわれは既にこうした領域の教育と開発を進めているが、あらゆる仕事と行動における、包活的振る舞いをモデル化するための、適切なレベルの説明責任を追求する必要がある。Connect[報告システム]はどう書かれているか、どのように業績フィードバックはなされているか、新規雇用者はどうやって選ばれているか、昇進や昇給はどのように決められるのか等について、われわれはよく考える必要がある。これらの事柄すべてに影響を与える、意識的無意識的両方の思考に焦点を当てる必要があり、D&Iにおける義務化された教育は最高の出発点である。

米国内従業員の給与に関するデータは明るい話題だが、完璧にはほど遠い。Microsoftは多国籍組織であり、社員は世界に広がっている。自国内におけるほぼ完全な給与の公平性は良いことだが、もし他の国々の数字は違うのであれば、早急に改善しなければならない。

Microsoftは、国別のさらに詳しい統計データを出すことが望まれる。そのデータは、世界中の女性が自国における労働状況の理解を深める助けになるだろう。そして、給与の性差が大きいIT業界が理解を深める助けにもなるだろう ― 人々が自分にふさわしい昇給を要求する助けにも。

会社の上級幹部チームに多様性を課すことは、原理的にはすばらしいが、結果を見るまでわからない。これは実証に時間のかかる活動でもあり、その効果を短期間に測ることは不可能だ。教育も、後にならないと効果がでないという点では似ている。しかし、それでも良いアイデアである。

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MicrosoftがDockerをWindows Serverでサポート…Docke社にとっても大きな商機

コンテナ技術のDockerは最近のもっともホットなデベロッパ向け技術のひとつで、今では大手のクラウドベンダのすべてが、何らかの形でサポートしている。しかし本来、DockerはLinuxのコンテナをベースとする技術だ。言い換えると、Linuxサーバ上の技術。しかしMicrosoftは今日(米国時間10/15)、Windows Serverの今後のリリースでDockerをサポートする、と発表した

Microsoftのエンタプライズ向けクラウドサービス担当EVP Scott Guthrieが今日の発表声明の中で、“顧客が今日のモバイルファーストでクラウドファーストな世界でイノベーションを志向するとき、そのために必要な柔軟性を提供して行くことはきわめて重要である”、と言っている。

Microsoftの発表によると、Windows Serverの次のリリースでDocker Engineをサポートし、それがコンテナの作成、稼働、およびオーケストレーションを担う。そのDocker Engine for Windows Serverは、Dockerのオープンソースコミュニティが協力して開発され、Microsoft自身も一コミュニティメンバとして参加する。このエンジンのイメージ(バイナリ)もDocker Hub(Dockerのイメージのコミュニティによるメインのリポジトリ)から入手できる。

Microsoftはこれよりも前に、クラウドコンピューティングサービスAzureでDockerのサポートを始めているし、DockerとMicrosoftはAzure上のコンテナオーケストレーションをDockerの次のリリースに統合する作業を進めている。また今日のMicrosoftの発表では、Docker HubがいずれAzure Management PortalとAzure Galleryに直接統合され、“ISVたちとクラウドデベロッパから成るMicrosoftの大きなコミュニティがDockerのコミュニティの最良の成果にアクセスでき、Windows ServerとLinuxの両方で迅速なイノベーションを実現できるようにする”、のだそうだ。

Microsoftが今明らかに気にしているのは、コンテナとポータビリティと、ソフトウェアを複数のマイクロサービスで配布するという、最新のトレンドだ。エンタプライズにおけるWindows Serverのシェアはまだまだ大きいが、バスに乗り遅れるわけにはいかない。Microsoftは”Drawbridge“と呼ばれる独自のコンテナ技術を最近の数年間で開発し、このところ、その名をちらほらと、あちこちで見かけるようになった。今日発表されたDocker移植の件と、このコンテナプロジェクトとの関係は不明だが、 Microsoftは当面、Dockerに賭けることに決めたのだ。その大きな勢いを、無視することはできなかった。

Dockerにとって今日の発表は、Windows Serverを使っている大きなエンタプライズへの今後の進出を意味する。DockerのファウンダでCTOのSolomon Hykesは今日の声明で、“エンタプライズ市場におけるWindows Serverの強さと、それがDockerのプロジェクトに加わることは、Dockerのコミュニティとエコシステムにとって大きな転機となる”、と述べている。

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Windows 10の試用ユーザ、発表から2週間で100万を突破

Microsoftの今朝の発表(米国時間10/13)によると、同社のWindows 10オペレーティングシステムのテクニカルプレビューがテスター数100万を突破した。これまでのメディアの取り上げ方が派手だったから、ぼくはもっといくか、と思っていたが。

同社によると、ユーザレベルのフィードバックをくれた人は、20万を超えている。仮想マシンバージョンとネイティブバージョンでは、前者が1/3、後者が2/3だった。

MicrosoftがWindows 10に落ち着くまで、紆余曲折があった。でも、今後まだ、いくつかのベータがあるという初期的な段階で、登録ユーザ数100万は立派なものだ。100万という数字は、ただものではない。

ぼくはWindows 10を自宅でメインで使い始めてから数日経つ。Surface Pro 3をドッキングし、24インチのモニタと、外付けマウスとキーボードという構成だ。まだデバッグが必要なことは痛感するが、上出来のオペレーティングシステムだ。 Metroという分身に、もはやとらわれていない。とはいえ、やはりいちばん快適でハッピーなのは、Windows 7と同じくデスクトップ環境だ。ぼくはWindows 7のときも、スタートメニューはあまり使わない方だった。Windows 10でもだ。でも、まだ触ったことのない人は、ぜひ試してみるべきだ。その価値はある。

ユーザ数が200万に達するのは、いつごろかな?

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MicrosoftのOffice等とSaaSの雄Salesforceが統合へ…時代の変化の大きな象徴

どうやらMicrosoftとSalesforceは今年の早い時期から、両社の製品を統合する詳細プランを、本気で練り上げていたようだ。今日のDreamforceカンファレンスで両社は、Windows Phone向けのSalesforce1アプリを2015年の後半にリリースする、と発表した。そしてそれとともに、OfficeはSalesforceのスイートを統合し、OneDriveも来年はこのCRM企業の製品に接続される。

両社が統合の合意に達したことは、驚きだ。Salesforce早くからSaaSが基本的なビジネスモデルであるのに対し、Microsoftは違う。この二社が協調的な関係を築けるとは、これまで誰も思っていなかった。.

でも会社のずっと上の方では、両社はこれまでの反目を忘れて互いのカスタマベースを互いに有効利用しよう、という話が進んでいたようだ。Microsoftはその使いやすいプロダクトを、ずっとネット指向だったSalesforceのユーザに提供できるし、一方Salesforceは、Microsoftの忠実な顧客である保守的なエンタプライズ層に同社のSaaSプロダクトを売っていける。

具体的には、2015年の前半にAndroidとiOS上でSalesforceがOfficeとSharePointとOneDrive for Businessに統合される。また来年前半にはOutlook用のSalesforceアプリも発売される。

そのあと、2015年の後半には、Windows Phone向けのSalesforce1アプリが、Excel用のSalesforceアプリと共にリリースされる。

全体を展望すれば、Salesforceの触手がMicrosoftの大きなプラットホームの隅々にまで入(はい)り込んでいく。それによって、これまでのライバル製品を自己との調和の中へ持ち込む。二つの宇宙の合体が吉と出るか凶と出るか、それは現段階では誰も予言できない。

画像クレジット: Marc Benioff

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IT株、不確実な世界経済の渦中で急落

金曜日(米国時間10/10)にIT株が揃って急落し、週末の業界に厳粛なムードが漂った。

大虐殺は広範囲に渡り、巨人が次々とつまづいた ― Microsoft -3.97%、Google 2.92%、Facebook -3.95%、LinkedIn -3.84%、Yahoo -3.65%、そしてAlibaba -3.28%。新参者たちも暴挙に仲間入りした ― MobileIron -6.92%、ZenDesk -8.06%、GoPro -4.63%、Twitter -8.84%、Arista Networksが -8.96%だった(データ:Google Finance)。

もしあなたが金曜の朝にIT株を持っていてその日売らなければ、一日の終りにはかなり貧乏になっていただろう。BusinessInsiderが今日報じたところによると、NASDAQは先週4%以上値を下げた。急激な収縮だ。

金曜日の急落の広さと深さを踏まえると、現状を考えてみる価値がありそうだ。もしこの傾向が続けば、IPOの機会は少なくとも部分的には狭まり、企業価値が下がり勢いが衰えれば、既存企業は高額買収への興味を失う。この種の下落は民間投資の資本構造を揺さぶり、業界全体の低迷を引き起こす。

もうお気づきだだろうが、金曜日の大虐殺という状況によって、事実はいっそう際立った。

最近の経済予測の下方修正を受け、FRBのタカ派が中期潜在予測を引き下げる可能性がある。そうなればベンチャーキャピタリストやスタートアップの資金調達は楽になる。しかしもしFRBが、国内外の経済が弱いという理由で思いとどまっているだけなら、どれほど見通しが明るいのだろうか。

そうでもない。

ここ数週間空や天井が落ちてくると宣言することがファッションになっている。短期的に見てまだそれは真実ではない。しかし、上記の損を取り返せなければ、さらにはもし悪化するようなら、大いに予想されていた修正の前半部分を見ることになる。もしあなたが資金調達中のスタートアップなら、私は仲良くしたい。もし資金を使い始めようとしているなら、考え直した方がいいかもしれない。

2013年、売上1400万ドルで、2900万ドルの損失を出したある会社の評価額は7億ドル(*1)だった。あの市場が今もあるのかどうか私にはわからない。

(注 1:ここから導かれるGAAP営業利益率はなんと-207%)

IMAGE BY Flickr USER Antonio Morales García UNDER CC BY-SA 2.0 LICENSE

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「流出」を気にせず気軽に写真を共有できるXim、Microsoftより登場

誰かにスマートフォンの写真を見せてもらうとき、不適切なものが見えてしまわないかという確認にやけに時間がかかってしまうということを経験した人も多いだろう。あるいは気軽に見せてもらったものの、意図しなかったものが見えてしまい気まずくなってしまったりしたことがある人もいるかもしれない。Microsoftのリサーチ部門が、こうした面倒をなくそうとするアプリケーションをリリースした。名前をXimという。

アプリケーションはWindows Phone版、iOS版、そしてAndroid版があり、いずれも無料となっている(訳注:現在のところ、日本では未公開のようです)。見せてもらう側にはアプリケーションも必要なく、また何らかのサービスにログインする必要もない。アプリケーションは公開する側にのみ必要で、アドレス帳から公開相手を選んだり、あるいはメールアドレスないし電話番号などを入力して相手を追加するようになっている。そして公開開始をすれば完了だ。閲覧者側に送られるのはリンク情報で、XimをインストールしていればXim上で閲覧できるし、インストールしていない場合はブラウザで閲覧することになる。

どの写真を公開するのかについては、当然ながら公開者側が完全にコントロールすることができる。すぐ近くの人と同じ写真を見ながら会話を楽しむような場合にも利用できるし、あるいは遠く離れた人と写真を共有するのにも利用できる。閲覧者側もXimをインストールしているのなら、自分から写真を加えたりすることもできる。さらに閲覧者側のアプリケーションと画面をシンクロナイズして、同時に写真を見ていくような使い方もできる。なお、写真には短い説明などを加えることもできるようになっている。

スマートフォンで写真を撮ることが一般的となっている現在、自分の撮った写真を人に見せたくなることも多くなった。しかしいろいろな写真が入っているもので、なかなか気軽に見せるということができにくいこともあるだろう。そうした問題に対処するためのアプリケーションであるわけだ。余分な機能を削って軽量化していて、また共有した写真は一定時間の後には見えなくもなる。写真を共有するのに容量を気にする必要もなく、あるいは知らないうちに流出してしまうようなリスクも軽減されている。

Microsoftによるこの無料ツールは、日常で具体的に困っていることを解決してくれる。今後もこのジャンルでの活躍を期待したい。

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(翻訳:Maeda, H


タブレットの入力革命への一歩―MicrosoftのFlexSenseは透明なフィルム状センサー

Microsoft Researchの研究者たちはビデオのナレーションは固いが、大いに楽しんでいるに違いない。現在開発中のFlexSenseというプロダクトは高度なセンサーを装備した柔軟な素材の入力シートだ。ユーザーがこのシートを曲げると「変形情報」が入力される。つまりシートが曲げられて新たな曲面が作られると、その情報がアプリケーションから利用できる。

と、それだけ聞くとあまり興奮するようなプロダクトには思えないが、McrosoftによればFlexSenseとタブレットを組み合わせると「2.5D入力」が可能になるという。たとえばPhotoshopのような多層レイヤーを利用するアプリを使っている場合に、タブレットにFlexSenseシートを重ねて絵を描き、シートの端をつかんでめくると、下のレイヤーが表示される。またeブックを読んでいるときにシートの端を曲げるとページがめくられる。

なんであれFlexsenseは曲げに対応するので、ビデオゲームをプレイ中にFlexsenseシートを翼のようにバタバタさせれば鳥になって飛んだりできる。カフェでそんなことをしていると白い目で見られるかもしれない。バーなら大丈夫だろう。このテクノロジーが発展すれば、やがて自由に曲げることができるタッチスクリーンが実現するかもしれない。

もちろん、Flexsenseは製品として開発されているわけではなく、まだ研究プロジェクトの段階だろうが、見ても面白いテクノロジーだし、その応用には大いに想像力をかきたてられる。

おそらく10年後には、ディスプレイはどんな形にも曲げることができ、音声、タッチ、タイプ、振動などあらゆるインプット方式を受け付けるようになっているだろう。FlexSensはその方向への一歩として注目だ。

H/T Tom Warren/Verge.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Windows 10、テクニカル・プレビュー版のダウンロード開始―有効期限は来年4月15日

今日(米国時間10/1)、Windows 10 テクニカル・プレビュー版のダウンロードが始まったが、このバージョンは来年のエープリル・フールの日から2週間後には使えなくなるそうだ。つまりWindows 10の製品版はそれよりずっと前に出荷されることを意味するなら、これは良いニュースだ。

しかし必ずしもそう楽観はできないかもしれない。MicrosoftはWindows 10を「来年半ば」に完成させるというスケジュールで動いている。4月というのは「半ば」といえなくもないが、やや早過ぎる気もする。テクニカル・プレビュー版の有効期限終了前に製品版が発表されるわけではないのかもしれない。これから各人各様の推測が飛び交うことになりそうだ。

ダウンロードはこちらから

〔日本版〕 TechCrunchの別記事で、Alex Wilhelm記者は、「4月15日の前にしたさらに製品版に近い一般ユーザーを対象としたプレビュー版が公開されるはず」と推測している。

また今回Microsoftはプレビュー版ユーザーを対象にWindows Insider Preview Program という本格的なフィードバックのチャンネルを用意している。Microsoftのダウンロード・ページによればWindows Insider Preview Programに参加すると、「Technical Preview に加えて、すべてのプレビュー ビルドを公開と同時に入手することができ、使いやすいフィードバック アプリも用意されています」とのこと。これまでのプレビュー版の公開に比べて、ユーザーからのフィードバックの収集に対する取り組みが積極化していることも注目だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft、Windows 10プレビュー版を公開―次世代OSは”Windows 9″ではなかった

今朝(米国時間9/30)、サンフランシスコで開催されたプレスイベントでMicrosoftは次世代のWindowsを発表した。その名はWindows 10だった。

Windows 8の次だからWindows 9のはずだろうという予測は完全に外れた(もっとも違う名前になるらしいという噂はあった)。いずれにしても私を含めてこの問題を報じたジャーナリストのほぼ全員が間違っていた。

明日からMicrosoftはWindows Insider Programを開始する。極めて初期のベータ版を走らせる勇気のあるユーザーはWindows 10をダウンロードできるようになる。

今回公開されたのはパソコン版で、サーバー版も近くこれに続く。Microsoftは「このベータ版の公開によって開発の早期の段階から多くのユーザーによるフィードバックを得たい。ただし現在のバージョンには実験的な試みも含まれているので、プレビュー版の機能のすべてが製品版に組み込まれるわけではない」としている。.

MicrosoftはWindows 10の特長の一つとして、ハードウェアごとにカスタマイズされたユーザー体験が提供できることを挙げている。異なるスクリーンサイズのデバイスには異なるユーザーインターフェイスが提供される。ただしソフトウェアとしては単一だ。 「単一のプロダクト・ファミリー、単一のプラットフォーム、単一のアプリ・ストア」というのがキャッチフレーズだ。

Microsoftのセールストークはこうだ。「Windows 10をエンタープライズで利用するメリットにはデバイス管理、デバイスごとにアプリ・ストアをカスタマイズ能力、データの保全などがある。つまりエンタープライズは社内のデバイスを管理すると同時にカスタマイズされた社内アプリ・ストアを運用することができる」

一言でいえば、Windows 10の目標はエンタープライズの市場の制覇だ。

期待されたとおり、Microsoftは伝統的なスタートメニューを含めてWindows 7の機能のいくつかを復活させた。メニューのデザインは改良されており、Windows 8のタイル式のスタートスクリーンがリサイズ可能になって併用されている。Windows 8のMetroアプリは、Windows 10では他のアプリと同様、ウィンドウ・モードで作動する。 フルスクリーン・モードはデフォールトではなくなった。Windows 8の「モダン」アプリは標準的なデスクトップ・アプリと共存して使えるようになった。

Windows 10にはまたマルチ・デスクトップ機能が導入されている。Microsoftの新しい“Snap Assist”のおかげで、パワーユーザーは複数のデスクトップで複数のアプリを開き、その間を自由に行き来きできる。

パワーユーザーといえば昔ながらのキーボードの愛好者が多いだろうが、コマンドライン・モードも大きく改良された。

Windows 10のユーザー入力は標準的なマウスとキーボードの併用をメインとしているが、 タッチ方式も捨てたわけではない。Windows 10は、タッチが可能なデバイスの場合、Windows 8方式のタイル式スタート・スクリーンが使える。

ただしタッチ・ジェスチャーのいくつかは変更された。たとえばWindows 10では画面左端からのスワイプはタスクビューを表示する。しかし全体としてWindows 8に非常に近い。Windows 8のチャームバーも残された。

今回の発表でMicrosoftが明らかにしなかったのは一般ユーザー向けの新機能だ。ただし、Windows 10のスマートフォン版のUIはWindows 10とほとんど同じになるようだ。Windows 8の経験からMicrosoftが学んだことがあるとすれば、デバイス横断的なオペレーティングシステムをデザインする場合には、極端な例に向かって最適化してはならず、中心となるデバイスのユーザー体験を重視しなければならないということだろう。MicrosoftのJoe Belfioreは「Windowsにスマートフォンとタブレットのサポートを加えるのは当然の選択ではあるものの、難しいのは『中間』の扱いだった。Windows 10ではその点の出来栄えにたいへん満足している」と述べた。

TechCrunchはWindows 10関連のニュースをアップデート中

〔日本版 Windows 10テクニカル・プレビュー版のサイトはhttp:preview.windows.comだが、現在は予告ページに飛ばされる。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Windows 9はWindows 8ユーザーには無料になる?

将来の予測はなんであれ難しいが、近くプレビューが発表されるはずのWindows 9(実際の名前がどうなるかもまだ分からないが)に関する噂をひと通り検討してみるのも意味があるだろう。ことに次の噂は重要だ。 Windows 9は無料になる

一部の観測によると、Windows 9は、Windows 8のユーザーに対しては無料に、Windows XPのユーザーに対しては大幅割引になるという。

どちらも理にかなったアイディアだろう。Windows 8ユーザーは(ハードウェアメーカー経由にせよ直接購入にせよ)最近料金を支払っているので正規料金でのアップグレードでは大きな売上を見込めないだろう。Windows XPユーザーはサポートが打ち切られてきわめて脆弱な状態にあり、MicrosoftはXPユーザーをもっと安全なOSにアップグレードさせようとあらゆる努力を重ねてきた。Windows 8へのアップグレードはそれほど成功しているとはいえない。それなら次のOSでXPのユーザーをアップグレードさせなければならない。

Microsoftは一部のユーザーに対してWindowsを無料化している。スクリーンのサイズが9インチ以下の小型デバイスについてはスマートフォンであれとタブレットであれ、Windowsは無料化されている。これは大きな方針の変化だ。それならMicrosoftが、Windows 9に有料でアップグレードさせるのが難しいユーザーを対象に無料ないし割引を行うかもしれないというのはそれほどとっぴな予想ではない。

とはいえ、MicrosoftはWindowsをすべてのユーザーに対していきなり無料にするわけにはいかないだろう。OS事業でドラスティックな新しい価格戦略を採用する前にOneDrive、Windows Storeなど他の新しい収入源が成長するのを待つ必要がある。

いずれにせよ近く新しいWindowsがどんなものであるか見ることができるはずだ。

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Microsoftがユーザ情報の政府リクエストの実態を開示…正規ルートのみ

Microsoftが今日(米国時間9/26)、2014年の前半における、各国政府から来た、ユーザデータとアカウント情報のリクエストに関するデータを開示した。リクエストの総数と対象アカウントの数は、2103年の後半とほぼ同じだ。

すなわち今年の1月から6月までMicrosoftには、58676のアカウントに関連する34494件の情報リクエストがあった。その前の6か月では、アカウント58676に関する35083件のリクエストだった。リクエストが多かった上位の国は、合衆国、ドイツ、フランス、トルコだった。

Microsoftのデータ供与数は減っている:

法の執行に関わるリクエストのうち、顧客のコンテンツデータの開示に至ったのは3%未満であり、一方、リクエストの約75%が“ノンコンテンツ”のデータの開示に至った。これらに対し、22%は法を根拠として、あるいはデータが見つからないために、開示の拒絶に至った。その前の6か月では、拒絶の率は18%だった。

また、FISAに基づく開示命令は、その種別により、最少はゼロ件、最多は999件だった。これらに関わるアカウントの数は、最少が18000、最多が18999だった。

もちろん上記のデータは、各国の政府が当人の許可なく勝手に取り出しているデータ取得行為の、氷山の一角にすぎない。過去一年半にわたり、われわれ地球市民は、政府の過剰なデータ収集に関して多くを知った。それは主に、元NSAの契約職員Edward Snowdenによるリークがきっかけであり、その後、一般公民からだけでなく、政府機関の一部からも改革を求める声が上がった。

テクノロジ企業がこのような情報を開示するのも、たいへんな努力だろうとは思うが、それで十分ではない。

Microsoftは政府に、海外ユーザのデータを自国民のそれと同じように求めるな、と抗議している。しかしまだ同社は、法廷で勝っていない。もちろん、今後も抗議し続けるだろうが。

なお、年2回開示されるこれらのデータは、正規のチャネルからのリクエストのみであり、NSAのMUSCULARのような、個々の特別事業による情報収集は含まれていない。そういう意味でも、この開示には限界がある。

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NBAのLAクリッパーズのオーナーに収まったスティーブ・バルマー、Apple製品追放を宣言

Microsoftの前CEO、スティーブ・バルマーは今やプロフットボール・リーグNBAのLAクリッパーズのオーナーだ〔日本版:LAクリッパーズの前オーナーの不動産王ドナルド・スターリングの人種差別発言が発覚し、スターリングはNBAから終身追放の処分を受けた。バルマーはチームの所有権を持つ別居中のスターリングの妻から20億ドルでチームを買収した〕。バルマーは相変わらずMicrosoft製品の売り込みに真剣なようだ。

ロイターズとのインタビューでバルマーは自分のチームにはApple製品は使わせないと宣言している。

クリッパーズの選手やスタッフは大半がWindowsを使っているが、使っていなものもいる。 ドク〔リバーズ監督〕は、これが問題だと気づいている。私に最初に会ったときに、最初に言ったのが「iPadを使うのは止めなきゃいけないだろうね?」だった。私は「そうだな。そういうことになるだろう」と答えた。しかし〔切り替えは〕シーズンオフにやると約束した。

気の毒だがiPadは追放だ。

Microsoft製品への切り替えによるチームの士気とパフォーマンスへの影響はいまのところ不明だ。

画像: FLICKR USER MICROSOFT SWEDEN UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


マイクロソフト、さらに2100名をレイオフ

予定されていた通り、Microsoftは2100名の従業員を本日(米国時間9/18)解雇した。うち747名は本社事務所のあるシアトル-レドモンド地域の人々だ。

今回の人員削減は、以前発表されていたレイオフの一環だ。予定された1万8000人の削減のうち、1万3000人はほぼ直ちに実行された。今日の2100人で、合計人数は1万5000人をわずかに越え、まだ3000人を残している。

Microsoftは、Nokiaハードウェア部門の大部分を買収した際、多数の従業員を引き取った。新たな携帯電話事業は、直近四半期の1株当たり利益を大幅に引き下げた。短期的に見て、会社はこれらの社員を賄い切れない。よってレイオフとなった。

Microsoftは、削減によって動きが迅速になることを期待している。それは真実かもしれない。現場の情報筋によると、レドモンドの全体的雰囲気は平穏で、キャンパスの社員らは、この大量解雇にもさほど動揺を見せいないという。もっとも、現在までのレイオフ対象者の殆どは、非本社拠点の住民たちである。

最低あと1ラウンドのレイオフが見込まれている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


MicrosoftがiOS/Android/Windows対応のユニバーサルキーボードを発売…Officeを使いやすくするため

Microsoftが作ったユニバーサルキーボードは、‘ユニバーサル’(universal, 普遍的)の名のとおり、モバイルの世界を事実上支配している三大オペレーティングシステム…iOS、Android、Windows…のどれでも使用できる。この、’Universal Mobile Keyboard’と呼ばれる金物は、10月に発売される。

この製品は、同社のクロスプラットホーム指向がいまだに継続していることの表れだが、ただしOfficeスゥイートのようなソフトウェアではなくて、ハードウェアだ。iPadで使えるキーボードを作ることは、OfficeをAndroidタブレットに持ち込むこととやや違う。

このBluetooth対応のキーボードは三種類のデバイスで使用でき、同梱のツールにより三種のオペレーティングシステムを切り替える。ホームキーは、どのデバイスでも機能する。

しかし一体、いかなる神の名においてMicrosoftはこんなものを作ったのか? その答えは意外と簡単だ。Officeを真にクロスプラットホームにするためには、ユーザにとってそのソフトをいちばん使いやすい環境を保証してあげなければならない。大好きなiPadの上に大好きなOfficeがあっても、良いキーボードがなければあまり意味がない。逆に、環境を整えてあげれば、Officeの売上も伸びるだろう。

MicrosoftがOffice 365をサービスしている三つのオペレーティングシステムは、Android、iOS、そしてWindowsだ。この79ドル95セントのキーボードが使えるオペレーティングシステムは、右に同じだ。わかりやすすぎて、ミステリーにはならない。

Surfaceのキーボードアタッチメントは、新製品が出るたびに良くなっているから、その技術がユニバーサルキーボードにもきっと反映しているだろう。だからOfficeを使わないぼくも、ちょっと試してみたい気持ちになっている。

ただし現状では、このキーボードにはタッチパッドがない。ちょいと、考えなおしてほしいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsof、Minecraftを25億ドルで買収―ファウンダーのNotchは「小さなプロジェクト」に戻る

今日(米国時間915)、MicrosoftはMinecraftの開発会社、Mojangを買収したことを発表した。Microsoftによれば、MinecraftはXboxとPC版だけでなく、今後ともiOS、Android、PlayStation版の提供が続けられるという。Microsoftによれば、「当初、このゲームをXboxに導入するためにMojangと交渉を始めたが、あまりに素晴らしいプロダクトであることに気づき、Microsoftのゲーム資産を多様化するため買収に踏み切った」ということだ。

ファウンダーのNotchこと Markus Persson、 Carl Manneh、Jakbok Porserは買収手続きの完了と共に会社を去ることを発表した。またMojangの公式サイトはこれまでに報道されてきた25億ドルという買収価格を確認している。Mojangによれば、NotchはMinecraftのような世界的大ビジネスを運営するのを好まず、今後は自分の気に入った小さなプロジェクトをきままに手がけていくつもりだという。Minecraftを売却するという決断は、Mincraftの今後の成長を保証すると同時に共同ファウンダーたちにそれぞれの気に入りの生き方をする自由を与えるために行われたという。

MojangはMinecraftの将来について具体的な発表はしていない。ただし当面は「いつもどおり」だという。Microsoftは「Minecraftのブランドと独立性を尊重する」と述べている。2010年以来、Mojangが毎年開催してきたカンファレンス、MINECONも継続される。

当初からのハードコアなMinecraftファンの中にはMicrosoftによる買収を喜ばないものも多いようだが、全体としてみればこの売却は健全だ。さらにNotchがまったく別の新しい「レゴ世界」をもう一度作るチャンスを与えるものでもある。

Notchは今回のMinecraft売却についてこう書いている。

私はMojangを離れる。

私は自分をゲーム開発者だと思ったことはない。私がゲームを作ったのは単に面白かったからだ。私はゲームが好きだし、プログラミングも好きだ。しかし私がMinecraftを作ったのは大ヒットを狙ったわけでもないし、まして世界を変えようなどと考えたわけでもない。Minecraftはたしかに大成功を収め、私は世界を変えたと人によく言われるようになった。それは確かに嬉しいことだったが、同時に、それは私をある種のスポットライトを浴びる公的な立場に置くことになった。

私はかなり以前からMinecraftから離れると決めていた。Jens (Bergensten)は後継者として理想的な人物だ。私は新しいことがやりたくなっていた。私はもう一度何か大きなことをやろうと考えたがうまく行かなかった。私はなにか小さな面白いプロトタイプづくりにこだわっていこうと決めている。

数週間前、たちの悪い風邪で家で寝込んでいるとき、私にはまったく関係ないEULA(エンドユーザーライセンス契約)の問題で、私はインターネットで憎悪の的になって炎上しているのに気づいた。わけがわからず、落ち込んだ。そのことをツイートした。その後YouTubeでThis is Phil Fish を見た〔ゲームデザイナーのフィル・フィッシュを例に、インターネットでの悪評が形作られるプロセスを解説したビデオ〕。そこで自分がインターネットのゲームファンの間で、ある種のシンボルになっているのに気づいた。しかし私はシンボルなどはごめんだ。そういうわけでMojangにとどまる限り、私が好きでもなく、理解もできない巨大な責任を繰り返し押し付けられることになると分かった。私は本質的に起業家でもCEOでもない。私はTwitterで遠慮なく発信するオタクのプログラマーにすぎない。

Microsoftによる買収手続きが完了しだい、私はMojangを離れ、Ludum Dare〔ゲーム開発コンペ〕やウェブでの小さな実験的プロジェクトに戻るつもりだ。

私の一般的なイメージはすでにかなり歪められたものになっているので、Mojangを離れたからといってネガティブ・コメントの洪水を止めることはできないだろう。しかし少なくとも、それをいちいち読む責任からは解放される。【中略】

この決断は金のためではない。私の正気を維持するためだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft Azure上のWordPressホスティングに高スケーラビリティバージョン登場

今日では、世界中のWebサイトの約1/4WordPressで動いている(本誌TechCrunchもまさに)。しかしWordPressは、トラフィックが猛烈に多い大規模サイトへのスケールアップが容易にできるコンテンツ管理システム(CMS)とは言いがたい。通常のキャッシングはもちろん有効だが、非常に大きなサイトを運用したり、Redditなどのようにビジターの巨大なスパイクに頻繁に対応しなければならない場合は、安価な仮想プライベートサーバでは間に合わない。Microsoftは、Azure Websitesと名づけたAzure上のサービスでWordPressサイトの容易なセットアップとホスティングサービスを提供してきたが、今日(米国時間9/11)からはそれのスケーラビリティバージョンを提供することになった。

これからは、AzureユーザがAzureのApp Galleryへ行くと、そこでMicrosoftが”Scalable WordPress”(スケーラブルなWordPress)と呼ぶものを動かせる。ほんの数クリックで、今後のすべてのメディア資産を保存するためのAzure Storageがセットアップされ、またWordPressの既有のプラグインの多く(よく使われるもの)は、パフォーマンス向上のために最適化されているので、ユーザはそれらを利用できる。そしてAzure上の標準のWordPressインストールと違って、ちょっと料金の高いハイエンドなMySQLデータベースが使われる。

Microsoftの基本的なねらいは、企業ユーザのための、高負荷なWordPressホスティングの提供だ。それでなくてもWordPressは利用者がとてつもなく多いから、今や“WordPressホスティング”という一大産業が存在しており、WP EnginePantheonFlywheelなど専業のWordPressホスティング企業がしのぎを削っている。そして彼らもやはり、企業ユーザをねらっている。しかもAzureと違って彼らは、サイトの完全な管理も代行する。Azureの場合、サイトの管理はユーザの自己責任だが、それでもMicrosoftは、WordPressインスタンスのセットアップの容易さと、上述の強力なスケーラビリティに惹かれる企業顧客が少なくない、と想定している。

今日のアップデートと並行してMicrosoftは、VPNによって仮想マシンやクラウドサービスに安全に接続する能力の提供を開始する。このほか、ロール(役割)に基づくアクセスコントロールや、ライブストリーミング、コンテンツ保護、メディアのインデクシング(音声認識による)などに関するAzure Media Servicesの新機能も今回のアップデートに含まれる。またAzureのAPI管理サービスは一般的に可利用となるSLAが提供される、という意味)。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoftは、あのばかでかいタッチスクリーンを量産するつもりだ

あのでかでかテーブルをご記憶かな? しかしMicrosoftは、巨大タッチスクリーンを作ることにかけて、あれでは不満だったらしい。同社のStephen Elopが今週発表したところによると、MicrosoftはあのPerceptive Pixel(PPI)*ディスプレイを“量産”するつもりなのだ。タッチで操作する、最大82インチのディスプレイを。〔*: Perceptive Pixel, 知覚する画素〕

ZDNetのMary Jo FoleyがElopの言葉を記事にしたが、Microsoftは本誌TechCrunchに対して、その内容を確認した。

MicrosoftがPerceptive Pixelを買収したのは、2012年だ。ソフトウェア企業が巨大タッチスクリーンのメーカーにもなったわけだが、それはタッチ型Windows、Windows 8を売るための布石だった。でもそのスクリーンは、商業的には不調で、ぼくの見るところ、Microsoftのステータスシンボルで終わってしまったようだ。たしかに、どこの会社でも大学でも、あまり見かけたことはないもんね。

しかしその後Nokiaのハードウェア部門を買収したMicrosoftは、ポケットサイズのタッチスクリーンも売るようになった。そしてSurfaceタブレットでは、バックパックサイズのタッチスクリーンだ。あらゆるサイズのタッチスクリーンを売れると気づいたMicrosoftは、今度は大きな壁掛けサイズのPPIディスプレイを量産して売ることにしたらしい。

Elopは価格の話をしていないが、ぼくが2013年にMicrosoftで取材したときには、55インチサイズで7000ドル、という話が出た。彼らは、コストダウン努力に邁進しているから、値下げは早い、とも言った。

値段はともかくとして、この調子では、家庭のリビングの壁に大きなタッチスクリーンがかけられる時代が、意外と早く来るのかもしれない。

ぼくの個人的体験でも、Windows 8はPPIで操作するのがいちばん楽しい。このオペレーティングシステムは本質的に、画面が大きいことを要求しているようだ。

ただしWindows 9は、それとは違うようだけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleに新ブランド‘Google For Work’が生まれる…一連の生産性ツールのブランドイメージ強化/明確化のため

今朝(米国時間9/2)Googleは同社のサンフランシスコのオフィスで、同社のエンタプライズプロダクトのブランド名を変えて、一連のツールと生産性サービスを’Google for Work’にリネームする、と発表した。

この新しい呼び方は同社のさまざまなビジネスツールをすべてカバーし、そのそれぞれに’for Work’という接尾詞が付く。Drive for Work、Search for Work、などのように。

改名の理由としてGoogleは、すでに好評な各ツールのブランドイメージが向上することと、それぞれのツールの目的が直感的にわかることを挙げている。それはDriveだけど、お仕事(work)用、という具合に。すでにGoogleの教育用ツールやサービスは、このように束(たば)ねられて、独自のブログを持った。

Googleのエンタプライズ方面と生産性ツール(OAソフト)方面の取り組みは、とりわけ、Microsoftとの競合を意識している。Microsoftの新CEO Satya Nadellaが最近掲げたスローガンが、‘生産性とプラットホーム’だが、Googleもまさにそうだろう。BoxやDropbox、Appleなども、この炎の中で自分の剣を鍛えている。

Googleのエンタプライズ担当部長Amit Singhは記者たちに、同社の企業顧客向けクラウドストレージサービスDrive for Workは、新規の登録ユーザが毎週2000名近くある、と語った。そして今ではFortune 500企業の60%がGoogle for Workを有料サービスとして利用しているそうだ。

Googleは、クラウドコンピューティングとクラウドストレージの料金に関して思い切った値下げを行ってきた。同社のデータセンターは巨大だから、コモディティ(日用品)のようなツールは最低の料金で提供できる。Amazonなども同じく料金を下げているので、市場全体としても安値傾向だ。

コモディティ的なクラウドサービスから大きな売上が得られなくなると、エンドユーザ向けのツールやサービスに意識が向かう。でもGoogleは、どっちの市場でも一定のシェアを握りたいようだ。

Singhによると、ITの費用など一部の費用はムーアの法則に従って下降しないが、それは、企業が抱えているレガシーの遺産から発生する費用のせいだ。それらのリソースは昔は会社の経営に貢献したが、今のビジネス環境では重荷になっている。それらを全部捨てて、クラウドサービスに移行した方がコスト的にも良い、とSinghらは主張する。

しかしGoogleの一連の生産性サービスは、今後、Googleの主要な収益源になるのだろうか。この前の四半期の決算報告では、‘その他の売上’が全売上のわずか10%だった。ただし売上成長率は全科目の中で最高、前年同期比で53%増だった。Googleの総売上は前年同期比で22%増だから、‘その他’という科目はちょっとした優等生なのだ。

Google自身が、この分野を重視していることは、確実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Windows XPのシェアは、8月中に1%しか減っていない

MicrosoftはWindows XPのサポートを4月に打ち切った。にもかかわらず、世界PC市場の大きな部分は未だにこのOSで動いている。そして20%以上のシェアを持つそのWindows XP市場は、そう早くは減衰しそうにない。

Net Applicationsによると、Windows XPの世界デスクトップ市場シェアは、7月の24.82%から8月は23.89%へと減少した。1ヵ月でわずか1%弱だ。このペースで行くと、Windows XPの市場シェアが完全消滅するまでには2年以上かかる計算になる。

この夏にWindows 7のシェアは事実上変化していない。今や旧型となったこのOSは、XPを捨てたいがWindows 8は買いたくないという企業ユーザーの恩恵を受けてきた(こうした企業向け売上が、PC市場のプレーヤーたちの好調を支えたことは注目に値する)。しかし、大部分のWindows XPユーザー基盤がなくなるまでには長い時間がかかりそうだ。

ちなみに今年3月のWindows XP世界PC市場シェアは29.53%だった。

Windows XPを使い続けることによるセキュリティー上のリスクは数多い。しかし、企業で未だにWindows XPが走っているPCは10%に満たない。これは、今もWindows XPが動いているPCの大部分が消費者ユーザーの手にあることを示唆している。
直近四半期における消費者のPC需要は小さく、これはXP衰退を遅らせている理由の少なくとも一部だろう。

この結果、Windowsの世界は興味深い状況に置かれている。もし、急速に迫り来るWindows 9が、何であれ消費者たちを魅することができれば、一般ユーザーをWindows XPから引き離し、より安全なオペレーティングシステムへと移行させる後押しになる。

このソフトウェア会社にとってWindows 9が決定的に重要な製品ある数多い理由が、また一つ加わった。

IMAGE BY FLICKR USER AUSTEN SQUAREPANTS UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook