スーパーボウル2022に登場したテック広告のベストとワースト

米国資本主義を理解するために、スーパーボウル中継で見たCMについて翌日語り合う井戸端会議以上のものがあるだろうか。フード・デリバリー・アプリから、なんとApple製ではないスマホまで、昨日の夜数々のテック企業が視聴者の注目を集め、おかげで我々は、友人たちにNFT(非代替性トークン)は暗号資産と同じではないことを説明しなければならなくなった。

イタさと有効性で測った、2022年のスーパーボウルのベスト(とワースト)テック広告を以下に紹介しよう。

Coinbase(コインベース)

QRコードがDVDのスクリーンセーバーのように黒い画面を跳ね回り、ジェネリックなテクノ・ソングが流れる中、原色を切り替えていく。私はスマートフォンを取り出しQRコードをスキャンした、やらない理由がないから。部屋の向こうから友人が叫んだ「やっちゃだめだ!ウイルスかもしれない!それどころか暗号かも!」。もちろん、そのQRコードは私の端末でCoinbaseのウェブサイトを開き、新規ユーザーには購入義務なしで15ドル(約1733円)のBitcoin(ビットコイン)を提供していた。Coinbaseの最高プロダクト責任者、Surojit Chatterjee(スロジット・チャタージー)氏によると、このCMの人気は絶大で、Coinbaseは過去に類を見ないトラフィックを経験した。

有効性:6/10

このCMに効果があったことは明らかだ、なぜなら集中したトラフィックでウェブサイトがダウンしたのだから。ただし、ウェブサイトがダウンしたということは、失ったものもあるはずだ。

「暗号資産について語る代わりに、いくらかプレゼントすることにしました」とい彼らのマーケティング戦術も私は買っていない。どんな投資でも同じだが、自分が何に投資しているかを知っていることが、おそらく良いことだ!状況を把握するためには市場に参加しなければならないのは確かだが、消費者に投資して欲しいものが何であるかを、どの暗号資産CMも説明していないのは実に不可解だ。

イタさ:7/10

このレトロ美は実際どこかクールだ。弾むQRコードはリスキーだが、私は他のどれよりもこのCMを覚えている、ということはうまくいっている。しかしQRコードの行き先は、特典情報が書かれたウェブサイトで、そのウェブサイトが少々イタい。Coinbaseはサイトに「WAGMI」と書いていて、これは暗号資産界のスラングで、「we are gonna make it」(私たちは成功します)のことで「我々は数年のうちに燃え尽きて多くの人々に損をさせるスタートアップではありません」という意味だ。しかし、WAGMIと言っているということは、実はNGMI(not going make it、うまくいくわけない)を恐れていることを暗示しているのかもしれない。

関連記事:CoinbaseがNFT市場参入を発表、OpenSeaに対抗するマーケットプレイスを準備中

FTX

 

これもまたもう1つの暗号資産交換プラットフォーム。カリブ諸島、バハマ拠点のFTXは、先月4億ドル(約462億円)の資金調達を完了し、企業価値が320億ドル(約3兆7000万円)に達した。資金のいくらかはマーケティングに使うことになるのだから、著名な気難しいLarry David(ラリー・デヴィッド)監督に初めてのスーパーボウルCM制作を依頼したのも当然だろう。

CMの設定は「Curb Your Enthusiasm(邦題:ラリーのミッドライフ★クライシス)」のスターが何事にも懐疑的なあまり、大きな投資のチャンスを逃したというもの。彼はEdison(エジソン)に、彼の電球はNGMI(直接の引用ではない)だと言い、さらに食洗機なんて使う意味はない、なぜなら食器にシャワーを浴びせればいいのだから、という。

ラリー・デヴィッド監督は暗号資産を理解していないので、それはこの先端産業が実に、実に、実にすばらしいに違いないことを意味している。

有効性:6/10

The New York Times(ニューヨーク・タイムズ紙)によると、FTXと広告代理店のdentsuMBは、80本の脚本を検討し、分散型金融を電球の発明に位置づけるこのコンセプトに決定したそうだ。そして、「Seifeld」(となりのサインフェルド)の共同クリエイターでもあるデヴィット監督による4日間の撮影と、280時間にわたる編集の結果、7時間半の撮れ高を60秒に凝縮した。そして、さらに200時間を費やしてこのCMのティーザーを制作した。

というわけで、この努力には敬意を払わなくてはならない(加えて、ラリー・デヴィッドは私の問題含みのお気に入り)。でもだめだ。膨大な時間とお金をかけたこの広告は、暗号資産の仕組みを何1つ教えてくれない。

イタさ:10/10

CMにはラリー・デヴィッド氏が登場する。

Crypto.com(クリプト・ドットコム)

これまたもう1つの巨額なマーケット予算の暗号資産取引所Crypto.comはFTXとよく似たアプローチをとった。彼らはスターのパワーを使って、暗号資産はテクノロジーの次の段階に過ぎないことを視聴者に信じ込ませようとした。しかし選んだタレントは、どちらかというとスポーツファンの方が馴染みがあるだろう。この30秒のスポットCMで、LeBron James(レブロン・ジェームズ)が若き日の自分に向かって「歴史を作りたかったら自分で指揮を取らなくてはだめだ」という。次にCrypto.comのロゴが画面に現れる。

有効性:7/10

みんなスポーツ界のスターをテレビで見るのが好きだ。しかしこのCMは暗号資産について、CoinbaseやFTXよりも説明していない。そしてこのCMは、FTXのCMよりはるかに予算が少なく、衣装とセットの切り替えと特殊効果がまん延している。

イタさ:8/10

私はここに関わっている物理学についてもっと知りたい。レブロンはどうやって時間内に戻ったのか? 若き日の自分に我々の時代の暗号ブームについて話しているということは、レビロンはNBAに行けなくて、ということは21世紀にフロリダ州南部で成功したプロスポーツチームは現れなかったといこと?あまりにも疑問が多い。

Meta Quest 2(メタ・クエスト・ツー)

 

Facebook(フェイスブック)は自らをMeta(メタ)に再ブランドしただけではなく、自社のVRヘッドセットもOculus Quest(オキュラス・クエスト、同社が買収したVR会社の名前)から、単にMeta Questへと変更した。

このCMは、まぎらわしくてうっとうしい。要するに、何人かのアニマトロニックミュージシャン(ピザチェーンのChuck E. Cheese[チャッキーチーズ]風の店で一緒に働いている)が職を失い、一緒に集まることができなくなった。しかしMeta Quest 2を使うことで、人生の苦難を忘れソーシャルVRアプリ、Horizon Worlds(ホライゾンワールド)で足のないアバターとなって集合する。

有効性:3/10

目的がブランド認知であるならば、まあいいだろう。しかしこのCMは「現実世界に不満ですか? メタバースをやってみましょう」的にやってくる。しかも、Horizon Worldは、CMで見せているものとは程遠い洗練度なので、完成度で減点された。

イタさ:9/10

ラリー・デヴィッド監督を雇うべきだったがそうははしなかった。

関連記事:かつてフェイスブックと呼ばれた会社が「Oculus」ブランドをさりげなく抹殺

Google Pixel 6(グーグル・ピクセル・シックス)

同社のスマートフォン、Pixel 6の魅力を披露するために、GoogleはスーパースターのLizzo(リゾ)と組んでReal Tone(リアル・トーン)機能にスポットを当てた。

「子どもの頃から、卒業アルバムの写真は残らずひどいものでした」というナレーションが、卒業衣装をまとった友人たちの写真に重ねられる。顔色が暗く写った人たちが写真の背景に溶け込んでいる。

次にGoogleは、同社のReal Tone機能をつかって撮影した写真を見せる。コンピューター処理写真技術を使ってさまざまな肌の色の人たちの写真を正確に表現する技術だ。華麗な写真が、ラゾの未公開トラックが流れる中で映し出される。

有効性:10/10

GoogleはCMにリゾの新曲を持ってきた。TechCrunchのAnnie Saunders(アニー・サンダーズ)記者のことばを借りると「私はスーパーボウルを見なかったけれど、リゾのPixelの広告はInstagram(インスタグラム)で見ました。リゾのやっていることはすべてが正しくて善です」。

イタさ:2/10

CMにイタいところはまったくないのだが、スマートフォン・ビジネスにおけるApple(アップル)と比べたGoogleの市場シェアは彼らにとって少々イタいかもしれない。

関連記事:あらゆる肌色の顔を美しく見せるPixel 6カメラのReal Tone、多様性を広げるAI技術

T-Mobile

Miley Cyrus(マイリー・サイラス)氏と彼女の名付け親、Dolly Parton(ドリー・パートン)氏が、揃ってT-Mobile(ティー・モービル)の5Gネットワークを2本の30秒スポットで宣伝した。最初の1本でドリー・パートン氏はPSA(公共サービス広告)風に登場し、自分たちの携帯電話のためにAT&T(エーティーアンドティー)やVerizon(ベライゾン)から乗り換えましょう、と人々に推奨する。次に彼女はマイリーを呼び、あなたの声で携帯電話を救うように促す。次のCMでは、マイリーが録音スタジオで「携帯電話たちのために行動しましょう / 彼らはとても多くのことをしてくれました」といった心のこもった歌詞を大きな声で歌っている。彼女はさらに、黒のブレザーと革手袋姿ではっきりと「T-Mobile」の名前も歌った。

有効性:7/10

私は注目した、なぜならドリー・パートンとマイリー・サイラスは楽しいと思っているからだ。ふたりは他社ネットワークのよくないといわれる5Gカバーエリアを強く叩いたかもしれないが、フットボールの精神に則ってタックルなりなんなりして攻めて欲しい。

イタさ:9/10

Uber Eats(ウーバー・イーツ)

Uber Eatsでは、アルミホイルやスポンジ、キャンドルなどの生活必需品も注文できる、食品だけではない。そこでこのCMは、Jeniffer Coolidge(ジェニファー・クーリッジ)氏やGwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロー)氏、Trevor Noah(トレバー・ノア)氏、Nicholas Braun(ニコラス・ブラウン)氏といったセレブたちが、何が食べ物で何がそうでないかに困惑するとどうなるかを見せている。

有効性:8/10

これで困った時にUber Eatsでアルミホイルを変えることがわかった。しかしこれは、この会社のマーケティングのしくじりを覆い隠そうとしているように感じる。おそらく、Uber Eatsをスタートする時「eatsとnot eats」の両方を示す名前を選ぶべきだったことを。

イタさ:8/10

使われている、Capone(カポーン)の「Oh No(オー・ノー)」は、1年ほど前にTikTok(ティックトック)で流行った曲だ。すでに話題性のないトレンドを利用して若い世代にアピールしようとすることは、ある種のイタさだ。

Amazon(アマゾン)

音声コントロールデバイスのSmart Homeを発売して以来、Amazonは消費者の間で繰り返される恐怖を緩和しなければならなくなった。Alexa(アレクサ)は私を見張っているの? 知り過ぎじゃない? 彼女が強くなりすぎたらどうなるの?

しかしAmazonは、もしAlexaが人の心を読めたら何が起きるかを数百万人の視聴者に見せることにした。女優のScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)氏が夫で”Saturday Night Live”(サタデー・ナイト・ライブ)のColin Jost(コリン・ジョスト)氏の横で目を覚ました時、Alexaは彼の心を読んでマウスウォッシュのエクストラ・ストロングを注文した。ヨハンソン氏がジョスト氏にしゃべるのをやめて欲しいと思った時、Alexaは大きな音のするブレンダーを動かした。

有効性:6/10

最終的にジョスト氏とヨハンソン氏は、この心を読むマシンはやっぱり良くないという結論を下すが、私が思うにこのCMの目的は楽しませることであって、製品が何をするかを説明することではない。それでもジョスト氏はスマート・デバイスを使ってテレビをつけることに成功し、Alexaのあまり怖くないスキルを見せた。怖くないのは、Alexaが心を読める「ように」見えて、「実際には」心を読んでいなからだ。

イタさ:7/10

このCMはどこかおもしろい!しかし、Amazonの作った広告を見て笑うことはイタい。イタいものを持ってきてしまったのは、我々の失敗だ。

 

AmazonはPrime Video(プライム・ビデオ)がサーズデー・ナイト・フットボールの独占中継局になることを予告し、AmazonとNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)が結んだ11年契約の始まりを飾った。

有効性:9/10

9月15日から、フットボールファンは木曜夜のゲームをPrime Video独占中継で見ることができる。わかりやすい!簡潔だ!これはフットボール・ファン視聴者に特化してつくられた広告だが、誰がスーパーボウルを見るのだろう?フットボールファンだ!

イタさ:5/10

「私たちは来シーズンまでずっと、この世界をゲームなしで生きていかなければなりません」というナレーションが、フットボールロスのために巨大なあごひげを伸び放題にしている人物を背景に流される。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

MetaがInstagramに3Dアバターを導入、FacebookとMessengerにも新オプションを展開

Meta(メタ)は、同社の3DアバターをInstagram(インスタグラム)に導入し、さらにFacebook(フェイスブック)とMessengerアプリにもアップデートされたアバターを展開することを発表した。これにより米国、カナダ、メキシコのユーザーは、ステッカー、フィード投稿、Facebookのプロフィール画像などにバーチャルな自分を表示できるようになった。

米国時間1月31日のアップデートでは、VRを含むすべてのプラットフォームで、数種類のカラーの人工内耳と耳かけ型補聴器が追加された。また、今回のアップデートではFacebookのステッカー、Messengerチャット、InstagramストーリーズやDMに表示される車いすが追加された。Metaは、アバターがより本人らしく見えるように特定の顔の形を調整することで、アバターの見た目も改善している。同社は、今後もアバターエディターにアイテムを追加していく予定だという。

MetaのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同氏のFacebookプロフィールに掲載された声明の中でこう述べている。「Metaのアバターは、表情や顔、肌のトーンを増やし、車いすや補聴器なども追加してアップデートされました。デジタル衣類の実験も始めています。アバターは、Quest、Facebook、Instagram、Messengerのすべてで使用できます。いつの日か、表情豊かなものからフォトリアリスティックなものまで、複数のアバターを持てるようになるでしょう。近いうちにもっとシェアできることを楽しみにしています」。

今回のアップデートにより、ユーザーはVRを含むすべてのMetaプラットフォームで同じアバターを使えるようになった。ユーザーがFacebookやMessengerでアバターに加えた変更は、自動的にInstagramにも反映され、その逆も同様だ。ユーザーは、異なるプラットフォーム用に異なるアバターを作成するオプションもある。Metaは、時間をかけて、ユーザーがアバターを場所から場所へと簡単に移動できるようにすることを目標としており、将来的にはこれに関する最新情報を共有する予定だと述べている。

画像クレジット:Meta

また、MetaはNFLと提携し、スーパーボウルに向けてファンがお気に入りチームを応援する方法を提供する。2月28日までの期間中、ユーザーは自分のアバターが着る洋服を通してCincinnati Bengals(シンシナティ・ベンガルズ )またはLos Angeles Rams(ロサンゼルス・ラムズ)を応援することができる。どちらかのチームを選びたくないユーザーのために、ニュートラルな「Super Bowl LVI」シャツも用意されている。

Metaのアバター&アイデンティティ担当ジェネラルマネージャーであるAigerim Shorman(アイゲリム・ショーマン)氏は、今回のローンチについてブログで次のように述べている。「VRとQuestは当社のメタバースビジョンの重要な部分ですが、私たちはメタバースを相互に接続されたデジタルワールドとして捉えており、スマホやパソコンなどのより身近なプラットフォームに加えて、VRとARを橋渡しするものだと考えています。アバターを当社のプラットフォームに展開することは、この実現に向けた初期の一歩です。あなたの新しいバーチャルな自分が、オンライン上であなたの望むように表現されるよう願っています」。

同社は、Snap(スナップ)のBitmojiに対抗する手段として、2020年に初めてアバターを発表し、その後も継続的にアップデートを行ってきた。例えば、Metaは2021年、アバターをよりカスタマイズ可能で多様性のあるものにすることを目的として、目、鼻、ひげ、ヘアスタイルの新しいオプションを発表したが、今回の新しい変更はその一環だといえる。しかし、Metaはこれまでのアバター採用に関する数字を公表していない。

今回のアップデートは、Metaが2月2日に第4四半期および通期の業績を発表する予定であるタイミングで行われた。同社はその際、AR・VRハードウェア部門の業績を初めて公表する予定だ。

画像クレジット:Meta

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

Oculusで人気のVRオープンワールドRPG「A Township Tale」開発元のAltaがシード資金14.2億円調達

バーチャルリアリティ(VR)のメタバーススタジオであるAlta(アルタ)は、Makers Fund(メーカーズ・ファンド)とAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が共同主導したシードラウンドで、1240万ドル(約14億2000万円)の資金を調達したことを、米国時間1月26日に発表した。他にもPioneer Fund(パイオニア・ファンド)、Boost VC(ブーストVC)、muru-D(ムルD)、Thomas Rice(トーマス・ライス)などの投資家が参加した。

この資金は、独自のコンテンツやIPのさらなる開発、チームの拡大、新しいプラットフォーム向けゲームの展開に使用する予定であると、Altaの共同創業者兼CEOであるTima Anoshechkin(ティマ・アノシェチキン)氏はTechCrunchに語った。今回の資金調達により、同スタートアップの企業価値は6200万ドル(約71億円)になるという。

アノシェチキン氏とJoel van de Vorstenbosch(ジョエル・ファン・デ・フォルステンボス)氏、Boramy Unn(ボラミー・ウン)氏によって2016年に設立され、現在はシドニーとサンフランシスコに拠点を置くスタートアップ企業は「A Township Tale」を制作するVRゲーム開発会社としてスタートしたと、アノシェチキン氏は語る。A Township Taleは、すべてのユーザーが自分独自の中世ファンタジー的な仮想世界を持ち、他のユーザーと共有できるVRオープンワールドRPGだ。

Altaは2021年半ばに、Oculus Quest 2(オキュラス・クエスト2)向けに最初のVRゲームを発売して人気を博した。発売後、このゲームはOculusのチャートで7週間以上にわたって1位を獲得し、同プラットフォームの歴史的なエンゲージメント指標を生み出したと、Altaは述べている。さらに、このスタートアップの収益は、開始当初から10倍になったと、アノシェチキン氏は収益の具体的な数字を示さずに語った。Altaには現在、約50万人のユーザーがいると、同氏は付け加えた。

「Altaは、人々を結びつける世界を創造するという1つの探求から始まりました」と、アノシェチキン氏は語る。「今回の資金調達は、主力ゲームの成長だけでなく、そのビジョンを拡大するために役立ちます。また、これによって私たちはチームを拡大し、協力し合える新たな機会やパートナーシップを作り、VRやその他のプラットフォームを問わず、世界クラスの技術を開発し続けることができます。いつ、どこでプレイしていても、私たちの体験は常に魅力的で、シームレスで楽しいものになるでしょう」。

アノシェチキン氏によれば、Altaの次の目標は、メタバースの要素を取り入れながら、複数のプラットフォームで仮想世界のネットワークを拡大・構築することだという。同社の技術が他の競合他社と異なる点は、プロシージャル生成に大きく依存していることだ。プロシージャル生成とは、コンピュータのアルゴリズムと人間が作成した素材データを組み合わせ、大量のコンテンツをシームレスに自動生成する方法で、これによって同社の仮想世界は構築されると、アノシェチキン氏は説明する。

Altaでは、早ければ年内にも新たな資金調達を行い、全世界で人員を増強することを計画していると、AltaのCOOであるAllison Howard(アリソン・ハワード)氏は述べている。同社は現在、オーストラリアと米国にオフィスを構えているが、近い将来に欧州とアジアのより多くの国に参入する計画を持っていると、ハワード氏は付け加えた。

ここ数年、VR技術のエコシステムは着実に成長してきた。消費者向けVR市場は、2020年の26億ドル(2980億円)から、2023年には50億ドル(約5730億円)以上に達すると予測されている。

「私たちは2年前から、深い没入感のある空間を構築して協力しながら探索するというAltaの魅力的なビジョンのファンであり、ティマと彼のチームが最初の大きなマイルストーンを達成したことに引き続き感銘を受けています。それは、洗練された高度にシステム化されている世界を創造し、それがまだ出来たばかりの段階から、コミュニティに愛されているということです」と、Altaの取締役会に参加することになったMakers Fundの創業パートナーであるJay Chi(ジェイ・チー)氏は語っている。

「このチームは、高い技術力と決断力を持ち、熱心なコミュニティが成長できるような魅力的な体験を構築することに情熱を注いでいます。これは、ゲームとソーシャルプラットフォームがますます交差するという我々の確信と完全に一致しています。特にこの2年間で、VRの普及とともにメタバースの成長を目の当たりにしてきた私たちは、このコミュニティに貢献し、成長し続けるAltaとパートナーを組めることに興奮しています」と、a16zのパートナーであるAndrew Chen(アンドリュー・チェン)氏は述べている。

画像クレジット:Alta

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(文:Kate Park、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FTCがMetaのVR事業を独占禁止法違反で調査中との報道

Metaに対するFTC(米連邦取引委員会)の反トラスト訴訟が、今週初めに重要なハードルをクリアしたことに続き、この同委員会はさらに、MetaのVR事業に対しても強い関心を寄せているようだ。

Bloombergの記事によると、FTCと複数の州の司法長官は、Metaのバーチャルリアリティ部門を「反競争的行為の可能性」で調査しているという。ニューヨークが州レベルの調査を主導しているとされ、MetaのVR体験のためのアプリを開発する外部のソフトウェア開発者とチャットしているとのこと。

記事によると、州と連邦の職員たちは、同社がどのようにして、反競争的な行いに関わり、VR市場における競争を妨害したかを調べている。職員たちはまた、同社がVRヘッドセット「Quest 2」の価格をどのようにして下げ、それを消費者にプッシュして競争をブロックしたかについても、関心を持っている。

FTCがMetaのアプリストアとハードウェア、ソフトウェアを調べている事実は、同社の買収案件が、次の時代のインターネットビジネスを定義する道標になるかもしれないこの反トラス訴訟における、唯一の視点ではないことを示唆している。

2021年12月、The InformationはFTCがMetaが申請しているVRフィットネスアプリ「Supernatural」の買収、その4億ドル(約456億9000万円)を超える取引を調べていると報じている。

今週初め、ある判事は、FTCがMetaの子会社であるFacebookに対して行っていた大規模な反トラスト法違反訴訟を継続できると判断し、これを阻止しようとする同社の取り組みを拒否した。2021年12月、Facebookは裁判所に訴えの却下を求め、ビッグテック解体推進派のLina Khan(リナ・カーン)FTC委員長に退陣を迫っていた。

FTCはその訴訟で、Facebookがソーシャルメディア分野のライバルを押さえ込むために市場力を乱用していると非難し、親会社のMetaにInstagramとWhatsAppを売却させるよう裁判官に求めるところまで踏み込んでいる。

「しかし、これらの理論を補強するために今回主張された事実は、特に被告が主張する独占の輪郭に関して、以前よりもはるかに強固で詳細である」とJames Boasberg(ジェームズ・ボースバーグ)連邦地裁判事は記している。

「……FTCは、その主張を証明するために、この先、困難な課題に直面する可能性がありますが、裁判所は、現在、弁論の要件をクリアし、証拠開示に進む可能性があると考えている」と述べている。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

FBメタバースのために設計されたハイエンドVRヘッドセット「Project Cambria」、2022年発売予定

Facebook(フェイスブック)は、コードネーム「Project Cambria(プロジェクト・カンブリア)」と呼ばれる新しいハイエンドVRヘッドセットの開発に取り組んでいる。同社は、米国時間10月28日に開催されたConnectカンファレンスで、デバイスを予告した。このヘッドセットは、2022年中に発売される予定だ。FacebookのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、この製品は同社の299ドル(日本では税別3万3800円)のヘッドセット、Quest 2とは別の「ハイエンド」製品になると述べた。価格もQuest 2より高く設定されるという。

Cambriaには、他のVRヘッドセットでは実現できない機能が搭載される。このデバイスに搭載された新しいセンサーにより、バーチャルアバターはアイコンタクトを保ち、あなたの顔の表情を反映することができる。同社は、これによりバーチャルでインタラクトしている相手が、あなたの気持ちをよりよく理解できるとしている。このヘッドセットのもう1つの特徴は、複合現実(MR)のエクスペリエンスだ。新しいセンサーと再構築アルゴリズムの助けを借りて、Cambriaは物理的な世界のオブジェクトを、奥行きや遠近感を持って表現できるようになるとFacebookは主張している。

また、Cambriaには新しい光学系が搭載され、視覚的な忠実度が向上するという。Facebookは、2022年にこのヘッドセットのさらなる詳細情報を共有すると約束した。その一方で、サードパーティ開発者がすでにこのデバイス向けのエクスペリエンスに取り組んでいるとも言及した。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Facebook

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

Facebook Messengerの音声通話がOculus Questでも可能に

Facebookは、同社のヘッドセット「Quest」を使ったVR体験の参加プロセスを改善したいと考えている。米国時間10月28日に開催された同社の「Connect」カンファレンスで、QuestのユーザーがMessengerを介して音声通話が行えるようになると発表された。この機能は、2021年後半に利用可能になるという。

Questはこれまで、ソーシャルインターフェースに苦戦してきた。2020年、ユーザーにFacebookのIDでサインインすることを義務づけたことは、同社の広報活動に支障をきたしたが、そのおかげでソーシャルワークフローの冗長性を排除することができた。

ユーザーは「Quest」に搭載されたMessengerから直接、通話したり、メッセージを送ったり、自分の「パーティー」に参加してもらうことができるようになる。

2021年初め、Facebookは、Oculusのエコシステム内でのMessengerチャットのサポートを発表しましたが、音声通話は、ユーザーがVRミーティングをより効率的に開催するのに役立ち、また、VR内での入力作業を回避するのに役立つだろう。

関連記事:Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ザッカーバーグ氏がフィットネス機器としての「Quest 2」を紹介、「Pelotonのようなものだ」

Facebookは「Oculus Quest 2」をゲーム機以上のものとして認識してもらいたいと考えている。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同社の開発者会議「Facebook Connect」で、Questを「Supernatural」や「FitXR」といったサードパーティ製アプリのフィットネスプラットフォームとして活用するための取り組みを紹介。さらにコネクテッドフィットネス機器として、Pelotonと直接比較もしている。

基調講演においてザッカーバーグ氏は「多くの方が、健康維持のためにQuestを利用していますが、まったく新しい方法でワークアウトすることができます。Pelotonのようですが、自転車の代わりにVRヘッドセットを用意するだけで、ボクシングのレッスンから剣術、さらにはダンスまで何でもできるのです」。

同社は、ハードウェアの分類をさらに進めており、2022年には、Quest 2ヘッドセットをカスタマイズして、エクササイズで使えるようにする「Active Pack」をリリースすると発表した。このパックは、コントローラーにグリップを追加し、ヘッドセットが汗で濡れてしまう問題を解決するフェイシャルパッドを備える。

近年、Facebookはヘッドセットを使ったフィットネスを推進しており「Quest 2」に活動量やカロリー消費量を測定するトラッキング機能を持つ「Oculus Move」というプロダクトを発表している。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブック、独自ARフィルター作成アプリ「Polar」発表

開催したAR/VRに焦点を当てたイベント「Connect」で、Facebookはより多くのクリエイターを拡張現実(AR)の世界に呼び込むことを目的とした新アプリを発表した。

画像クレジット:Facebook

「Polar」と名づけられたこのiOSアプリは、Spark ARプラットフォームを利用して、FacebookやInstagram用に独自のARフィルターを作成することができる。ユーザーは、既存のフレームワークよりもはるかに軽い技術的負担で、テンプレートを使いこれらのフィルターを視覚的に簡単に作成することができる。

nstagramが「Reels」プラットフォームを通じて動画をより強力に推進していることから、ユーザーの間でARフィルターへの関心が高まっており、FacebookがクリエイターにARフィルターを売り込むチャンスになっている。

このアプリはまだかなり初期の段階にあるようで、Facebookによると、2021年後半にクローズドベータを開始し、特定のクリエイターを厳選して参加させる予定だという。最終的には、誰もが自分のARフィルターを作成できる無料アプリとして、広く展開していく予定だ。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

VR版「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」がOculus Quest 2向けに開発中

Facebook(フェイスブック)の創業者兼CEOであるMark Zuckerber(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日に開催されたVRとARに特化した大規模なイベントの中で、VRプラットフォームに向けたメジャーな新タイトルを発表し、注目を集めた。


「Grand Theft Auto:San Andreas(グランド・セフト・オート・サンアンドレアス、GTASA)」がOculus Quest 2にやってくる。GTASAは、Rockstar(ロックスター・ゲームズ)が2004年に発表した大ヒットゲームGTA(Grand Theft Auto)シリーズの作品で、ロサンゼルスやラスベガスなどの都市を模したオープンワールドでプレイヤーが大暴れするゲームだ。

「史上最高のゲームの1つであるこのタイトルの新バージョンは、このアイコニックな世界をバーチャルリアリティで体験するという、まったく新しい遊び方をプレイヤーに提供します」とザッカーバーグ氏は述べた。

このような象徴的なゲームを導入することは、同社の新たなバーチャルワールドに、より多くのユーザーを引き寄せる1つの方法であることは間違いない。FacebookのVRアカウントへのログイン要件に抵抗があるユーザーでも、ゲームの魅力につられるかもしれない。

ザッカーバーグ氏は、何をいつ期待するべきかについて多くの詳細を提供しなかったが、Facebookは何年も前から、GTAの名作をVRヘッドセットに導入することに取り組んでいたようだ。

画像クレジット:Facebook

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

【レビュー】フェイスブックのスマートグラス「Ray-Ban Stories」は「おもちゃ」レベルを超えている

このFacebook(フェイスブック)初のスマートグラスは、Facebook製品のようには感じられない。

Facebookのロゴが刻印されていたり、小さな文字でその名前がシリアルコードの横に印字されていたりもしない。この製品は「Facebook Stories」でも「Ray-Ban(レイバン)のFacebook Stories」でも、あるいは「FacebookとのコラボレーションによるRay-Ban Stories」でもないのだQuest 2やPortalのような他のFacebookデザインハードウェアとは異なり、このRay-Ban Stories(レイバン・ストーリーズ)は、まるで同社がヒットのためのユースケースを正確に知っていたかのように、より自己認識し抑制されていて、余計なことをしようとするのをやめたもののように感じられる。

関連記事:フェイスブックがレイバンと共同でスマートサングラス「Ray-Ban Stories」発売、約3.3万円から

アイウェア大手の仏EssilorLuxottica(エシロール・ルクソティカ)と提携して作られたこのメガネは、Facebookがこれまで販売したものの中でも最も基本的なデバイスだ。できることも限られている。写真や動画を撮ることができ、電話をすることができ、そして音楽を聴くことができるだけだ。そう、それだけだ。しかし、フレームのアームに埋め込まれたニアイヤー(耳近傍)スピーカーを使ってオーディオを聞けるようにしたことで、これらは5年前に出荷されたSnap(スナップ)のSpectacles(スペクタクルス)よりもはるかに実用的なデバイスとなった。

左はレイバンの従来型のWayfarers(ウェイファーラー)と右はスマートグラスのRay-Ban Stories Wayfarers(画像クレジット:Lucas Matney)

ではこのデバイスの機能と、日常での使用感について少し掘り下げてみよう。

299ドル(約3万2900円)のRay-Ban Storiesの特徴の1つは、ほとんど目立たないように着用できることだ。周りの人たちはおそらく、わずかに大きめのサイズよりも、カメラに気づく可能性の方が高いだろう。それはすでに革命的な進歩で、Spectaclesが実際に乗り越えることができなかった「おもちゃ」のレベルを超えることが実現している。標準のWayfarer(ウェイファーラー)デザインのフレームが平均よりも厚いことを考えると、レイバンとのパートナーシップは特に好ましいものだ。

周囲の人が気づく可能性が高いのは、メガネのフレームをタップしてメガネを制御するときだ。右側のアーム上のボタンを押すと30秒の動画が撮影され、長押しすると写真を撮ることができる。また「Hey Facebook、take a video(ヘイ、フェイスブック。ビデオを撮影)」という音声コマンドを使うこともできるし、写真撮影時にも同じことができる(とはいえ、私は公共の場で近くの誰かがこの言葉をいうのを耳にするのが心地良いかどうかは疑問だ)。またかなり控えめな印ではあるが、カメラが映像をキャプチャしている最中は、小さなLEDライトが点灯する。

画像クレジット:Lucas Matney

メガネの写真と動画の品質は中程度だが、デバイスのサイズを考えると、十分に許せるレベルだ。2つの5MPカメラは、2592×1944ピクセルの写真と1184×1184ピクセルの正方形フォーマットの動画を撮影することができる。品質は10年ほど前のスマホカメラ並みのようで、まだまだ改善の余地があることは明らかだ。アップロード中に行われる携帯電話での後処理によって、写真の画質が改善される。露出が高くなって暗い場所がある程度明るくなり、ややポップなものとなる。

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カメラを2つ持つことで、写真に3D効果を追加することができるが、現時点ではフィルターは優れたものではなく、正直なところそれほどでもない。できれば、Facebookにはこの先ソフトウェアにもう少し投資して欲しいが、写真の品質がかなり低いことを思うと、最初に2台のカメラを搭載した理由を完全には理解できない。

また、メガネを使用するには、View(ビュー)という名の新しいFacebookのアプリにリンクする必要がある。これは基本的に、外部デバイスからメディアを携帯電話にアップロードするためのシンプルなメディアビューワーアプリだ。このアプリを使って、写真やビデオをカメラロールに保存したり、FacebookやInstagram(インスタグラム)に共有したりする前に、すばやく編集することもできる。

画像クレジット:Lucas Matney

オーディオはおそらくこのメガネの中で最も興味深い部分だ。このニアイヤー(耳近傍)スピーカーは、静かな空間ではその品質に驚かされるが、騒がしい環境にいると不満を感じるだろう。Facebookにとって残念なことは、ほとんどの屋外スペースは多少なりとも騒がしいし、サングラスはほとんど屋外で使用されるものだということだ。いざというときには屋外で音楽を聴くために使うこともできるだろうが、正直なところ自分のAirPodsをすぐに置き換えられるものとは思えない。このオーディオは、通話などのローファイなアクティビティに向いているが、屋外を歩いているときには3つのマイクアレイがバックグラウンドノイズを拾いすぎるという問題もあった。

バッテリーの寿命はかなり厳しいが、ケースでバッテリーを充電することもできる。これは、メガネを保管するのにも最適な場所だ。ケースは少しかさばるものの、Facebookはレンズを保護するためのマイクロファイバーポーチも別に提供している。Facebookによれば、6時間のオーディオ連続使用が可能で、それ以外の場合には「終日」の使用が可能だという。

奇妙なことだが防水性はもちろん防滴性も備わっていない。これは、サングラスとしては優れた品質とは思えない。これは、厚いフレームのサングラスがスマートグラスのデザインにとってより理に適っていることを示す一方で、この製品が実際には屋内向けであることを示している。

画像クレジット:Lucas Matney

本製品はFacebook初のハードウェアではないが、そこに会社の成熟の歴史を見ることができる。

本製品はAR / VRデバイスではないが、Ray-Ban Storiesのデザインの中に、Oculus Goから生まれたオンイヤーオーディオ、Gear VRを彷彿とさせるタッチパッドインターフェース、Questで最初に採用されたシンプルで抑制されたオーディオコントロールなど何世代にもわたるOculus製品を垣間見ることができる。今回のハードウェアは、長年に渡って徐々に認識は高まってきたものの、基本的にはVRに無関心な人々に販売することから学んだ機能と教訓を凝縮したものだ。

一方Facebookには、マスコミで敵の機嫌をとり、平均的なインターネットユーザーからは大いなる不信を獲得してきた歴史がある。同社はこれまでそのメッセージを台無しにし、その過程でブランド名を毀損してきたその歴史もわかっている。それらがおそらく、今回Facebookのブランドをほとんど目立たせないデザインにつながったのだろう。確かにRay-Ban Storiesには批判者が出てくるだろうが、Facebookが機能性を保守的にして、将来を見越したパッシブセンサーをあまり多く搭載しないよう選択したことは、彼らに有利に働くだろう。

Facebook Viewアプリはシンプルなものであり、またFacebookはStoriesを使用してキャプチャされた写真や動画は広告には使用されないと説明している。とはいえ、2013年のGoogle Glassのデビュー以来、私たちは確かに長い道のりを歩んできたものの、顔にあるカメラは、公共の場でのプライバシーに関しては依然として不快感を覚えさせる。このデバイスは間違いなくその話を大いに再燃させるだろう。

画像クレジット:Lucas Matney

そうした議論はさておき、私の最も強調したいポイントは、 Ray-Ban Storiesが非常に重要な製品のように感じられるということだ。これは、顔に装着するウェアラブルというアイデアを実際に販売する製品なのだ。

メガネはスマートにデザインされていて、目立たないように着用できる。だが、Facebookがそのような野心的なフォームファクターを実現するために多くの犠牲を払ったことは明らかだ。このメガネは正直なところ特に何かをうまくこなせるわけではない。写真と動画の品質はかなり劣っているし、インフレームスピーカーは屋外でのパフォーマンスが低く、通話体験も最も快適とはいえない。299ドル(約3万2900円)という価格は、この第一世代製品を一部の人に売り込むことを難しくするかもしれない。とはいえ、今回Facebookは、拡張現実の未来への道のりの足がかりとなることを繰り返し示してきた製品に対して、ほぼ正しい妥協をしたと思う。

FacebookのRay-Ban Storiesと、私が持っていた旧来のRay-Ban 2140 Wayfarersを並べてみた(画像クレジット:Lucas Matney)

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画像クレジット Lucas Matney/TechCrunch

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(文:Lucas Matney、翻訳:sako)

Oculus Quest 2の128GBモデルが税込3万7180円で発売

7月末の発表に続き、FacebookのOculus Quest 2の新しい128GB型が、実際に店頭で買えるようになった。店頭といっても、このVRヘッドセットが買えるのは今のところ同社のウェブサイトだけで、価格は以前の64GB型と同じく299ドル(日本では税込3万7180円)だ。Facebookはこの新モデルに関して、「説明は短い方が良いかな?この128GB型を用意したのは、プレイヤーがもっと多くのゲームやアプリを1台のデバイスに簡単に保存してアクセスできるためだ」と述べている。

Facebookが128GB型を発表したのは、同ヘッドセットに最初から存在した接頭部(顔を入れる部分)の問題でQuest 2の自主的リコールをしたときと同じタイミングだ。同社は約1カ月、Quest 2の販売を一時的に停止し、その間に新しいシリコン製のフェイスカバーを改良機に装着することにした。以前のQuest 2を持ってる人は、アカウント設定のMy DevicesのところからFacebookにリクエストすると、シリコン製のカバーを送ってもらえる。今度の128GB型は、最初からボックス内にシリコンカバーがある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブックがVRコラボ・ミーティングツール「Horizon Workrooms」オープンベータ開始

バーチャルリアリティ(VR)の普及に向けたFacebook(フェイスブック)の道のりは長く、紆余曲折を経てきたが、VRのより幅広いユーザーを獲得することには部分的にしか成功していないものの、その過程で非常に優れたハードウェアを構築することができた。皮肉なことに、FacebookはOculusデバイスのハードウェアとOSの改良には成功したが、VR用の優れたアプリを実際に作るという面では長年にわたって最も苦労してきた。

同社はこれまでに数多くのソーシャルVRアプリをリリースしてきたが、どのアプリも何かしらの工夫を凝らしてはいるものの、提供終了をまぬがれるだけの出来栄えではなかった。大多数のVRユーザーはVRヘッドセットを持っている友人をたくさん持っていないという事実はさておき、これらのソーシャルアプリの最大の問題は、ユーザーにとってそのアプリを使う大きな理由がないということだった。360度動画を見たり、友達とボードゲームをするのはおもしろいギミックだったが、VRでは「ソーシャル」専用アプリはあまり意味がないのと同時に、ユーザーはスタンドアロンソーシャルアプリを求めているのではなく、ソーシャルダイナミクスによって向上する魅力的な体験を求めているのだということを、Facebookが理解するのに非常に多くの時間がかかった。

ここで、今週Facebookがデモを見せてくれた「Horizon Workrooms」というワークプレイスアプリの話をしよう。このアプリは、Quest 2のユーザーを対象に、米国時間8月19日からオープンベータを開始する。

このアプリは在宅勤務の従業員向けに、その中でコラボレーションを行う仮想空間を提供するものだ。ユーザーは自分のMacやPCをワークルームに接続し、デスクトップをアプリにライブストリーミングできる一方で、Quest 2のパススルーカメラを利用して、手元にある物理的なキーボードを通じ入力することができる。また、ユーザー同士がアバターでチャットしたり、写真やファイルを共有したり、バーチャルホワイトボードにアイデアを書き留めることも可能。このアプリはもう少し早くパンデミックの初期に発売されていれば、Quest 2プラットフォームにとってもっと大きな利益をもたらしただろう。しかし同アプリは、リモート環境での有意義なコラボレーションを支援する技術的なソリューションを見つけるという、 テクノロジーに精通したオフィスでいまだに大きな問題となっている課題に挑んでいる。

Horizon Workroomsはソーシャルアプリではないが、VRでのソーシャルコミュニケーションへの取り組み方は、これ以前にFacebookが世に送り出した他のファーストパーティのソーシャルVRアプリよりも思慮深いものとなっている。空間的な要素は、他のVRアプリに比べて大げさでなく、ウケ狙いでもなく、単に優れた機能的な体験を高めるだけで、時に通常のビデオ通話よりも生産的でエンゲージメントが向上したように感じられた。

画像クレジット:Facebook

これはMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOが最近、Facebookは「メタバース企業」へと移行していると宣言したことと繋がる。

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さて、メタバースとは何なのか。ザッカーバーグ氏の言葉を借りれば、こういうことになる。「デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、自分がその中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」。これは、AR / VRを同社のモバイルアプリ群とは完全に別ものとして扱ってきたFacebookにとって、かなり重要な再調整のように聞こえる。デスクトップユーザーとVRユーザーは、長年にわたって事実上、お互いにサイロ化されてきた。

概してFacebookは、Oculus(オキュラス)を次のスマートフォンを作るかのようにスケールアップし、ネイティブアプリのパラダイムを核としてヘッドセットを構築してきた。一方、ザッカーバーグ氏のいう未来志向の「メタバース」は、Facebookがこれまで実際に開発してきたものよりも、Roblox(ロブロックス)が目指してきたものに近い。「Horizon Workrooms」は、Facebookのこれからのメタバースの動きのベースになると思われるHorizonブランドの下で運営されている。興味深いことに、このVRソーシャルプラットフォームは、2年近く前に発表された後、まだクローズドベータ版である。もしFacebookがHorizonのビジョンを実現することに成功すれば、Robloxのようにユーザーが作成したゲーム、アクティビティ、グループのハブに成長し、ネイティブアプリのモバイルダイナミクスをより柔軟性のあるソーシャルエクスペリエンスに置き換えることができるだろう。

Workroomsの洗練されたデザインが、これからのFacebookの方向性を示す有望な兆候であることは間違いない。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

外科医の技をVRで磨くOsso VRが手術室チーム訓練をマルチプレイヤーゲーム化するため約30億円調達

パンデミックの際、VRは究極のオフィス代替テレプレゼンスマシンにはならなかった。そうしようとする努力が不足していたわけではない。しかし、VRを使った従業員トレーニングに力を入れているスタートアップの一部は、2020年、さまざまな業界の専門家がリモート環境から組織的な知識にアクセスする必要に迫られたことで、新たな評価を得た。

サンフランシスコを拠点とし、医療トレーニングに特化した仮想現実のスタートアップであるOsso VRは、パンデミックの間、Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、Stryker、Smith & Nephewなどの医療機器の大企業各社とのパートナーシップを強化したことで、投資家の注目を集めた。Osso VRがTechCrunchに語ったところによると、最近同社は、GSR Venturesが主導し、SignalFire、Kaiser Permanente Ventures、Anorak Venturesなどが参加したシリーズBで、2700万ドル(約30億円)の資金を調達したという。

創業者兼CEOのJustin Barad(ジャスティン・バラッド)博士はTechCrunchに、パンデミックによって顧客が同社のプラットフォームに新たな需要を見出したことで「非常に強いレベルの緊急性が生まれた」と語った。

Osso VRは、VRをベースにしたソリューションで、現代の外科手術のあり方を変えようとしている。このソリューションにより外科医は、腕を伸ばせるだけのスペースがあればどこにいても、新しい医療機器を3D空間で操作し、デジタルの解剖用死体に対して何度も手術を「行う」ことができる。Ossoの取り組みは、特に医療機器企業の顧客にとって有益なものだ。顧客はこのプラットフォームを利用して自社のソリューションに精通することができ、外科医はそれらを移植する経験を積める。

Ossoの大きな目標の1つは、ビデオゲームのマルチプレイヤー機能を仮想手術室に導入することだ。これにより、外科医と医療助手がリアルタイムで協力し合い、自分の担当する部分を把握するだけでなく、手術全体の中でどのように位置づけられるかを把握できるようになる。

「(手術は)オーケストラのようなもので、それぞれが異なる役割を担っているのと同時に、お互いにコミュニケーションをとる必要があります」とバラッド博士はいう。

バラッド博士は、これはVRの空間的な広がりを必要とするプロセスであり、それに加えて指導は常にテキストやビデオによって補完されると語った。

同氏は、スタートアップの目標を「明確に良いもの」と呼んでいる。そのおかげか、同社のチームは約100人の従業員を抱えるまでに成長し、その中には世界最大の医療イラストレーターチームも含まれている。このチームのおかげで、プラットフォームのコンテンツは、10の専門分野にわたる100以上のモジュールにまで拡大した。

近年、VR関連企業は、消費者や企業への普及がこの技術に対する初期の野心に比べて遅れているため、投資家の注目を集めるのに苦労している。その代わりに投資家は、ゲームやコンピュータビジョンなど、頭に装着する特殊なハードウェアを必要としない隣接技術への投資に注目している。Osso VRのプラットフォームは、Facebook(フェイスブック)のOculus for Businessプログラムを通して提供されるOculus Quest 2ヘッドセットで動作する。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Osso VR医療手術資金調達トレーニングVROculus Quest

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

カプコンが「バイオハザード4」をOculus Quest2向けにリリース、詳細は日本時間4月22日発表

カプコンが「バイオハザード4」をOculus Quest2向けにリリース、詳細は日本時間4月22日発表

Capcom / Oculus

カプコンは4月16日、バイオハザード関連の情報を提供する「バイオハザード・ショーケース|April 2021」をYouTubeで配信。その中で、バイオハザード4をOculus Quest 2向けにリリースすると発表しました。詳細は、日本時間4月22日7時から開催されるOculus Gaming Showcaseで発表するとのことです。

VRゲームイベント「Oculus Gaming Showcase」が4月21日にオンライン開催

バイオハザード4といえば、それまでのバイオハザードの特徴であった固定視点のラジコン操作から、キャラクター越しのビハインドビュー、ようするに三人称視点に変更するなどシステムを刷新。現在でも高い評価を受けている作品です。

発表の中で、Facebook RealityLabsのコンテンツ担当副社長Mike Verdu氏は「一人称視点によって没入感が加わることで、新たな面白さとさらなる深みをもたらし、初めてゲームの中の世界へ足を踏み込むことができる」とその出来に自信を見せていました。

なお、開発にはカプコンのほか、Armature StudioとOculus Studioも協力しているとのことです。

バイオハザードのVRといえば、バイオハザード7がPS VRに対応していましたが、こちらはもとから一人称視点。三人称視点のバイオハザード4が、VRでの一人称視点になることでどのような変化が起こるのか、いまから楽しみなところです。

©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

(Source:OculusCapcom(YouTube)Engadget日本版より転載)

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フェイスブックがOculus Questにソフトウェアサブスクリプションプランを導入
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Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Oculus Quest (製品・サービス)仮想現実 / VR(用語)カプコン / Capcom(企業)バイオハザード(製品)Facebook / フェイスブック(企業)

フェイスブックがOculus Questにソフトウェアサブスクリプションプランを導入

Facebook(フェイスブック)のOculus Storeにサブスクリプション価格が導入され、VR開発者が同社のOculus Questヘッドセット上でコンテンツを収益化する新たな方法を手に入れた。

開発者は有料または無料のアプリに有料サブスクリプションを追加できるようになり、フェイスブックは標準的なパーセンテージの手数料を同時に引き上げると見られている。Oculusとそのプラットフォームの開発者たちは、最近同社が発売したQuest 2ヘッドセットの成功に乗ってきた。フェイスブックはその販売数を公表していないが、299ドル(約3万3000円)のこのヘッドセットは、すでに他のOculusヘッドセットより売れていると述べている。

サブスクリプション価格の設定は驚くべきことではないが、一部の開発者は定期的な収入を得るのに十分な数の契約者がいると考えている。フェイスブックが最初のOculus Riftを出荷したのはちょうど5年前だが、その時は消費者の早期成功をつかむまでには紆余曲折があった。同社にとっての大きな課題は、ユーザーに魅力的なものを提供すると同時に、VR開発者が持続的に活動できるようにダイナミックな開発エコシステムを構築することだった。

ローンチ時点ではすでに少数の開発者が「エクササイズ」や「瞑想」「ソーシャル」「生産性」「DJ」など、さまざまな種類のアプリのサブスクリプションを開始している。サブスクリプションに加えてこの新たな収益化の道により、ユーザーは有料アプリを無料で試せるようになる。

最大の問題は、Questのユーザーのうちどれだけが毎月のサブスクリプションを正当化するほどデバイスを利用しているかということだが、コアなユーザーを収益化したいと考えている開発者にとって、これはOculus Storeに欠けていると感じたもう1つのユーティリティでもある。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:FacebookOculusOculus Questサブスクリプション

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

間もなく登場するOculus Quest 2はPCの無線ストリーミングに対応し仮想オフィスも実現

この数カ月間、Oculus(オキュラス)のソフトウェア関連の話題は比較的静かだったが、Facebook(フェイスブック)のVR部門は、間もなく発売されるQuest 2(クエスト2)スタンドアローン型ヘッドセットの新機能の詳細を公表した。

Quest 2のv28ソフトウェアアップデートによって導入される新機能には、無線のOculus Linkへの対応、Infinite Office(インフィニット・オフィス)機能、120hz対応などがある。正確な開始時期は不明だが、ブログに書かれている内容からは、間近であるように推測できる。

特に注目すべきは、Oculus Linkの無線バージョンだ。これによりQuest 2ユーザーは、PCから直接、このスタンドアローン型ヘッドセットにコンテンツをストリーミングできる。これまで、もはやほぼ使い物にならなくなったRift(リフト)プラットフォームで限定されていた強力なグラフィックのタイトルが楽しめるようになる。Air Link(エアー・リンク)は、Oculus Linkの有線接続とおさらばできる機能だ。もっとも、多くのユーザーはすでに、サードパーティー製アプリとVirtual Desktop(バーチャルデスクトップ)を使った無線接続に依存しているが。

今回のアップグレードは、どうやらQuest 2ユーザーのみを対象とした新たな実験モードで、オリジナルのQuestヘッドセットは含まれないようだ。これらの新機能を使うためには、Quest 2とPCの両方でOculusのソフトウェアをv28にアップデートする必要がある。

このアップデートでは、Air Linkのリリースにともない、Infinite Officeにも新機能が加わる。キーボードとマウスをVRに取り込むことで、デスクトップ型のソフトウェアが使えるVRオフィスを展開するというものだ。Facebookは以前、VRをメインにしたFacebook Connect(コネクト)カンファレンスでこれを発表したものの、当時は詳細を明らかにしていなかった。

今回のアップデートでは、キーボード対応機能が追加される。実際にキーボードを接続することも可能だが、VRの中にもキーボードを表示できる。この機能に対応するキーボードは、1つのメーカーの1つの機種(Logitech K830)に限られるが、Facebookでは、ゆくゆく他のキーボードも使えるようにすると話している。このキーボードを持っているユーザーなら、両手の輪郭と、実際に使う位置にキーボードのレンダリング画像が表示され、タイプができる(理論的には)。またInfinite Officeでは、現実のデスクがある場所を指定できるので、ユーザーは自分の実際の位置を確認できるようになる。ただし、キーボードが使えるようになっても、現時点ではOculus Browserのアクセス程度しか行えない感じだ。

最後に、Oculusでは、120hzのフレームレートでのゲーム開発が可能になる。今はまだそのフレームレートで使えるものは何も用意されていないが、開発者の実験のための対応だとFacebookは話している。

Oculusによると、ユーザー向け新ソフトウェアのアップデートは「順次」行われるとのことだ。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:OculusバーチャルオフィスFacebookOculus Quest

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(文:Lucas Matney、翻訳:金井哲夫)

PS VR向け「Doom 3:VR Edition」が3月29日発売、PS4とPS5でプレイ可能

PS VR向け「Doom 3:VR Edition」が3月29日発売、PS4とPS5でプレイ可能

id Software/Bethesda

2004年に発売され、前作よりもホラー要素を増量しグラフィックも大幅に向上して人気を得たDoom 3がVRで帰ってきます。ベセスダ・ソフトワークスが、PS4+PS VR版『Doom 3 VR』を発表、3月29日に発売すると発表しました。プレイヤーは、火星を舞台にゾンビ化した人間やデーモンたちを相手に機関銃やチェーンソーなど多彩な武器で立ち向かうため、シューティングコントローラーを手に立ち向かいます。

ただの移植ではなく、VRならではのリーン(ピーク)動作やモーションコントロールで武器を構えたときの微妙な調整、真後ろに素早く振り返る180°クイックターンといった操作が可能。左腕に装着した端末で体力やアーマー、残弾数の確認が行えるところも、より未来的世界観への没入を高めます。

Doom 3は数週間前にOculus Quest向けにVR対応したバージョンがTeam Beefの開発によってリリースされたばかりですが、PS VR版は公式バージョンということもあり、完成度もより高くなっていることが期待されます。また拡張パック「Resurrection of Evil」「The Lost Mission」もVR向けに再構築され含まれます。

Doom 3はシリーズの中では大火力な武器で化け物をなぎ倒していくというよりは、心理的な恐怖感を強調した作風で、爽快感を求める向きには物足りないところもあるかもしれません。とはいえ、あまり激しすぎる動きでヘッドセットをふっとばしてしまう心配がないと考えれば、Doom 3のVR化は良い選択と言えそうです。

なお、発表時点では発売日は明らかにされたものの、度の国や地域を対象としたものか、価格はいくらかといったことはまだ情報がありません。ただ日本のPlayStationのブログサイトにも(翻訳ではあるものの)紹介記事がでていることから、日本でもプレイ可能になることが期待できそうです。

なお、Doomシリーズとしては、2017年にも『Doom VFR』がPS VR向けに発売されています。筋金入りのファンなら両方揃えてやり比べて見るのも一興かもしれません

(Source:PlayStationEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:id Software(企業)Oculus Quest (製品・サービス)仮想現実 / VR(用語)Doom(製品・サービス)PlayStation 4(製品・サービス)PlayStation 5(製品・サービス)PlayStation VR(製品・サービス)

Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

Facebook(フェイスブック)は、2020年第4四半期の決算報告で、VR事業の成功について話すことに通常よりも多くの時間を費やした。開発者の成功や、同社が発売した最新型VRヘッドセット「Oculus Quest 2(オキュラスクエスト2)」の好調な売れ行きにも時間を割いた。

VRプラットフォームに残された歪みの1つは、サードパーティによるゲーム以外のアプリへのサポートが全体的に不足していることだ。Oculus Quest 2はハードウェアとして強力な製品だが、VR向けに利用可能なモバイルアプリは数が少ない。Hulu(フールー)やNetflix(ネットフリックス)からストリーミング視聴アプリが用意されているものの、市場にあるヘッドセットの数が比較的少ないため、コンテンツの更新も乏しい。

自身が主要なアプリの開発者であるFacebookは、 Facebookブランドであることが明らかなハードウェアには興味を持たないかもしれない消費者をないがしろにせず、Oculusのヘッドセットに親会社のユーティリティをもたらすという行為において、かなり微妙なバランスを保ってきたように見える。

しかし2020年秋、OculusユーザーにFacebookのログインを義務化した後、そのバランスの大部分は崩れてしまったように思われる。米国時間2月2日、同社はQuestとQuest 2のユーザーがアプリ内のMessenger(メッセンジャー)チャットにアクセスできるようになることを発表した。これによってQuestユーザーは、友人に定型文のメッセージをすばやく送信したり、VR内のキーボードや、ヘッドセットの音声テキスト変換機能を使用して作成したメッセージを送ることができるようになる。

VRプラットフォームでますます圧制的になるFacebookのソフトウェアの存在感に不安を感じる人は、これもQuest 2を敬遠するもう1つの理由になるかもしれないが、VRゲームのプレイをもっとソーシャルな体験にしたいと思っている人や、ヘッドセットを装着することで携帯電話に気付かず完全な孤立に陥ってしまうのを避けたいと思っている人にとって、これは歓迎されるだろう。

Messengerのアップデートと並んで、FacebookはOculus Questの新しいアップデートで、「App Lab」と呼ばれるテストフライトのような機能を展開し、QuestユーザーがOculus Storeで承認されていないコンテンツをダウンロードできるようにすることを明らかにした。この機能は、Facebookが駆け出しのゲームデザイナーを遮断し、Questにコンテンツを提供できないようにしているという不満を解消するためのものだ。ユーザーはApp Labでタイトルを名前で検索したり、リンクをクリックしてタイトルにたどり着くことができる。この新機能は、開発者が承認を得ずに実験的なコンテンツを提供するためのハブを構築していたスタートアップ「SideQuest(サイドクエスト)」に直接対抗するものだ。

Facebookによると、新しいアップデートはユーザーに「徐々に」展開されていくとのことで、すべてのユーザーがすぐにアップデートできるわけではないようだ。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:FacebookOculus QuestFacebook Messenger決算発表

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Oculus Quest 2対応VR人狼ゲーム「ANSUZ」開発のキャラクターバンクが約1億円調達

Oculus Quest 2対応VR人狼ゲーム「ANSUZ」開発のキャラクターバンクが約1億円調達

VR/ARを含むXRゲームの企画・開発・運営を手がけるCharacterBank(キャラクターバンク)は11月26日、約1億円の資金調達を発表した。引受先は、マネックスベンチャーズ、THE SEEDおよび個人投資家1名。調達した資金により、開発体制の拡充とXRゲーム開発を進める。

キャラクターバンクは現在、対人VRゲームの制作を進めており、2020年内に大手プラットフォームへのリリースを予定している。また、すでに年間1タイトルのリリースが可能な開発体制を構築しており、今回の資金調達により、ゲームの開発を複数ラインで行うための体制拡充やXRゲーム開発に取り組んでいく。

「マルチプレイ」「アクション」など様々なジャンルで、XRゲームのヒットコンテンツを生み出すゲーム開発会社を目指すとしている。

開発中の対人VRゲーム「ANSUZ -アンスズ-」は、4名のプレイヤーが「善」か「悪」の2勢力に分かれて戦うというもの。プレイヤーが属する勢力はランダムに振り分けられ、例えば「悪」を引き当てたプレイヤーは、「善」勢力に見つからないようゲームを進めていく必要がある。それぞれが自分の言葉で巧みに論議を展開し、勝利を目指し、善が勝てば世界に平穏が訪れ、悪が勝てば世界が破滅する。身振り手振りや表情などの非言語コミュニケーション要素をゲームに取り入れており、より複雑な心理戦が可能という。対応予定端末は、Steam、VIVEPORT、Oculus、Oculus Quest、Oculus Quest 2。価格は無料で、発売時期は2020年内~2021年明け。

Oculus Quest 2対応VR人狼ゲーム「ANSUZ」開発のキャラクターバンクが約1億円調達

2019年3月設立のキャラクターバンクは、我々はスマートフォンやテレビなど既存メディアの型にとらわれず、「Hack the next experience.」をミッションに常に新しい体験を作るスタートアップ。

キャラクターバンクは今後大きく伸びるであろうPCが不要なスタンドアローンVRHMD「Oculus Quest 2」向けの開発を強化。Oculus Quest 2向けに独自に開発したシェーダーや、パーティクルシステムによりPC版に劣らないクオリティのコンテンツを企画・開発していくとしている。

また新たな体験を追求すべく、VRゲームはじめAR/MRグラスでのコンテンツ開発や個人用デバイスを超えた体験型のコンテンツの制作も予定しているという。

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Oculus Quest 2には狭い日本家屋の間取りを大幅変更するだけの価値がある

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Oculus Quest (製品・サービス)キャラクターバンク資金調達(用語)SteamVR / 仮想現実(用語)日本(国・地域)

Oculus Quest 2には狭い日本家屋の間取りを大幅変更するだけの価値がある

Facebookは米国時間9月16日、VR空間を自由に移動できる6DoF対応スタンドアローン VRデバイス「Oculus Quest 2」を発表、同日より先行予約を開始した。発売日は10月13日で、価格は64GBモデルが3万7100円、256GBモデルが4万9200円となっている。

ちなみに前モデルのOculus Questは64GBモデルが4万9800円、128GBモデルが6万2800円だったので、基本スペックが進化したうえに、大幅値下げが実施されたことになる。FacebookによればOculus Questは想定以上に売れ行きが好調だったとのことだが、一般層に普及させるためにもう一段階ギアを上げてきたように思う。

今回発売に先駆けてOculus Quest 2の実機を借用したので、スペック上の変更点と実際のVR体験についてチェックしていく。

Oculus Quest 2の価格は64GBモデルが3万7100円、256GBモデルが49万200円

スペックを着実に進化させつつ巧妙にコストカット

最初にOculus Quest 2の変更点を列挙しておこう。

スペックアップしたところ

  • プロセッサーを高速化:Snapdragon 835→Snapdragon XR2
  • メモリを大容量化:4GB→6GB
  • ストレージを大容量化:最大128GB→最大256GB
  • ディスプレイを高解像度化:片目あたり1440×1600ドット→1832×1920ドット
  • ディスプレイを高速化:72Hz→72Hz/90Hz(90Hzはアップデートで対応)
  • 小型・軽量化:571g→503g
  • コントローラーをより握りやすく形状変更
  • 低価格化

スペックダウンしたところ

  • ディスプレイパネルの方式を変更:OLED→LCD
  • IPD(瞳孔間距離)調整機構::無段階から3段階に簡略化
  • イヤフォン端子の数を減少:左右にひとつずつ→左にひとつ
  • よりフィット感の強いストラップは別売りに

補足しておくと、Snapdragon XR2は処理性能的にはSnapdragon 865相当のプロセッサーだ。Oculus Questと比較するとOculus Quest 2はCPU、GPU性能が約2倍に向上していることになる。

ディスプレイはピクセル数が50%増加。リフレッシュレートも将来的なアップデートとソフトウェアのサポートにより72Hzに加えて90Hzに対応する予定だ。

変更点を総括すると、基本スペックを着実に進化させたうえで、ユーザー体験に大きな影響のない部分については大胆にコストカットしたという印象だ。もちろんすべてが進化したニューモデルを作ることもできただろう。しかり、多くの人にとって重要な「低価格」を実現するために、絶妙に設計されたデバイスだと筆者は考える。

左がOculus Quest、右がOculus Quest 2。並べてみると、ヘッドセットの本体部分がひと回り小さくなっているのがわかる

底面にボリュームボタンとマイクを配置

左側面には3.5mmイヤフォン端子とUSB-C端子を用意。Oculus Questは左右にイヤフォン端子が装備され、ケーブルが短い左用、右用のイヤフォンを装着できたが、Oculus Quest 2は右側のイヤフォン端子が廃止された

右側面には電源ボタンと電源インジケーターが配されている

ボタン、レバー、スティックの数と大まかな位置は同じだが、人間工学に基づきより握りやすい形状になっている

処理性能の向上は体感しにくい、格子模様はほぼ見えない

処理性能の向上は正直あまり体感できない。Oculus QuestとOculus Quest 2は相互互換で、現時点でOculus Quest 2専用のVRコンテンツは存在しない。Oculus Questは2019年5月に発売されたばかりで、数多くの台数が出荷されている。しばらくは、ソフトウェアデベロッパーはOculus Questでスムーズに動作することを前提にVRコンテンツを作成するはずだ。Oculus Quest 2の性能を最大限に引き出すVRコンテンツがリリースされるのは当分先の話だろう。

Oculus Quest 2のホーム画面。構成や機能はOculus Questと基本的に同じだ

「バーチャル環境」と呼ばれるテーマはOculus Questが、Quest Dome、Passthrough、Classic Home、Cyber City、Space Station、Winter Lodgeの6つ。対してOculus Quest 2は、Bubbles、Desert Terrace、夢幻館が追加されている

ただし、両者のソフトウェアのバージョン、ランタイムバージョン、OSバージョンが異なるので、Oculus Questに新しいソフトウェアが提供されたときに、未収録のバーチャル環境が追加される可能性がある

ゾンビを倒すガンシューティング「ARIZONA SUNSHINE」。画像で見るとポリゴン数を軽減し、テクスチャーも粗いことがわかる

しかし、Oculus Quest 2をかぶれば、片目あたり1440×1600ドットから1832×1920ドットへとピクセル数が50%増えたことの恩恵はすぐにわかる。「格子模様」がほとんど見えなくなっているのだ。

まだ現実と錯覚するほどの解像度には達していないが、VR空間内での没入感を大きく阻害する格子模様をほぼ除去できたのは大きな成果だ。

VRアドベンチャーゲーム「東京クロノス」。このような3D CGキャラクターは、格子模様が消えることでグラフィック品質が大きく上がる

 

DMM.comのVR動画の臨場感も大きく向上する

Oculus Quest 2のスペックダウンしたところとして「よりフィット感の強いストラップは別売りに」を挙げたが、布製ストラップの装着感については満足している。上のストラップを適切なテンションに調節すれば、ヘッドセット前方が重すぎるということはない。せっかく安くなったOculus Quest 2なのだから、標準の布製ストラップのかぶり心地を自分で試してから、「Quest 2 Eliteストラップ」(6800円)の購入を検討すればいいだろう。

適切なテンションに調整すれば、Oculus Quest 2の装着感は決して悪くない。ただ、跳んだり、しゃがんだりを繰り返すようなVRコンテンツをプレイする際には、サポート力が高い「Quest 2 Eliteストラップ」のほうが安心だろう

日本家屋の間取りを大幅に変更するだけの価値はある

VRデバイスを持っていないのなら、Oculus Quest 2はいますぐ買うべきガジェットだ。ケーブルから解放されたスタンドアローンVRの最新にして、最安のOculus Quest 2にはそれだけの魅力がある。もちろん中古市場に放出されるであろう前モデルを格安で手に入れるのもひとつの選択肢だ。

Oculus QuestからOculus Quest 2に買い替えるかどうかについては悩ましい。現時点ですぐに受けられる恩恵は格子模様の除去ぐらいなので、わざわざ買い替える必要はないかもしれない。しかし、PC用VRデバイスとしても使うのなら話は別。PC用VRデバイス「Oculus Rift S」の片目あたりの解像度は1280×1440ドット。Oculus Quest 2のほうがより高画質でPC用VRコンテンツを楽しめる。

日本家屋でVR用スペースを確保するのは難しい。しかし、Oculus Quest発売以来多くのVRコンテンツが登場し、Oculus Quest 2のローンチタイトルとして14本が発表された。部屋の間取りを大幅に変更するだけの価値はあるはずだ。

カテゴリー:VR/MR/XR
タグ:OculusOculus Quest