ロシアの情報工作組織が米国の人種的緊張を高めるためアフリカにアウトソーシング

2016年の選挙でロシアの悪名高いトロールファーム(情報工作組織)が偽情報をばらまいた際に使った多くの戦術に関して、ハイテク企業側も知見を蓄積しているため、トロールファームの活動はより創造的になっている。

FacebookTwitterからの2つのレポートによると、ロシアのInternet Research Agency(IRA)と関連がある個人による偽情報活動が再び米国を狙っているが、今回はアフリカで活動しているという。

「このネットワークは偽情報に反応する層を構築する初期段階にあり、ロシアの個人に代わってガーナとナイジェリアのスタッフが(一部は意識的に、一部は無意識に)運営していた」とFacebookはブログ投稿で説明している。

CNNはガーナとナイジェリアでの活動について独自に詳細な調査を行ったようだ。活動拠点の家にも行った。そこではガーナ人のグループが米国の社会問題をターゲットにした投稿を作成していた。

驚いたことに、偽情報に特化したソーシャル分析会社であるGraphika(グラフィカ)が発見したのは、活動が米国の選挙や大統領候補に焦点を当てていたわけではないことだった。候補者をコンテンツに登場させるときには人権、寛容、人種差別といったレンズを通した内容にしていた。

GraphikaのチーフイノベーションオフィサーであるCamille Francois(カミーユ・フランソワ)氏は、ロシアを拠点とする活動はガーナ拠点のNGOを一種の代理人として使っており、少なくとも関与したスタッフの一部は仕事の本来の目的に気づいていない可能性が高いと指摘している。

「この運営体制が示すのは、外国の活動主体が代理のグループを独創的な方法で使おうと考えているということだ。また、情報操作の拠点に場所は問わないことを示している」とフランソワ氏はTechCrunchに語る。

ほとんどのアカウントは2019年後半に開設された。作成されたコンテンツは人種に関する問題、特に米国の黒人と白人間の緊張に関連するものだ。Facebookによると、活動は黒人の歴史や優秀さなどのトピックに集中していたが「警察の残虐行為などの弾圧や不正に関する内容」にも焦点を当てられていた。

Facebookは活動に関与した49のアカウント、69のページ、85のInstagramアカウントを発見した。Facebookでは、比較的初期のアカウントには約1万3500人のフォロワーがついていた。Instagramのアカウントには約26万5000人がフォローしていた。

Twitterでは、ロシアの活動に関連するガーナとナイジェリアの71のアカウントが「人種や公民権などの社会問題に関する話題を利用して社会的不和を広げる」ために、同様のメッセージを拡散していた。

米国に今も存在する社会的分断を、ロシアがさらに広げようと続けられている試みは驚くべきことではないが、警戒すべきだ。Twitterは、国​​内のほとんどの偽情報が国外からではなく国内から発信されているという有用な注意喚起情報を発信している。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

トランプは「セキュアな」iPhoneを2台持っているが、それでも中国は聴いている

トランプ大統領はiPhoneを3台持っている——うち2台は「セキュア」で、もう1台は通常の個人用デバイスだ。しかし、最高司令官が電話を取るたびに、彼の敵たちは聴いているという。

これはThe New York Timesの最新記事によるもので、大統領の複数の端末——および彼がそれをどう使っているか——にスポットライトを当てている。

トランプは2016年に就任した際、Androidが走る古くて時代遅れのSamsung Galaxy携帯を渋々手放し、Appleデバイスに移行した。iPhoneは歴史的にAndroid機よりもセキュアであるとされてきた。彼が所有するうちの1台は通常のiPhoneで自分の連絡先を登録できるが、あとの2台は公務専用で、国家安全保障局によって盗聴を防止するための改造が施されロックされている。

ただし——たとえホワイトハウスの中にいようとも、ワシントンおよび全米の大部分を覆い尽くす、老化し劣化しつつあるセキュリティーの低い携帯ネットワークから逃れることはできない。

ネットワーク間で情報をやり取りするの極めて重要な携帯ネットワークシステム——Signaling System No. 7(SS7)と呼ばれている—— が、近年ハッカーらによる通話やテキストメッセージの傍受を容易にしている。SS7は携帯ネットワークが通話やテキストの接続やルーティングを確立するために使用しているが、SS7の著しい脆弱性のために、2要素認証に使われたコードが傍受され、銀行口座の侵入や資金流出に利用された

このほとんどが未修正の欠陥によって、各国政府——あるいは誰でも——が通話を簡単に傍受できる。そこには中国、ロシア、および傍受を成功するために必要なリソースと知識を持つあらゆるアタッカーも含まれている。

トランプが3台のiPhoneに頼っていることは面倒そうに思えるかもしれないが、これでも前任者より一歩前進している。

オバマ大統領は、いっとき彼の政府支給iPhone——2期目に与えられた——を「3才児が持っているおもちゃの電話」に なぞらえた。メールは受信できるが、発信できないように改造されており、海外の敵が大統領の様子を探れないようにカメラもマイクロホンもついていなかった。彼はテキストメッセージを送ることさえできなかった——必ずしも技術的理由からではなく、政府高官が公式なやりとりを保存することを義務付けている大統領記録法に従うためだ。

トランプはオバマよりも寛大な扱いを受けてはいるが、それでも毎月新しいクリーンなデバイスを受け取り、マルウェアが潜んでいる可能性を排除している。しかし、そのポリシーは本来あるべき厳密さで適用されていない、と記事は書いておりそれは、居残ったマルウェア(もしあれば)を誤って引き連れることなく、古いデータを新しい端末に手動で移行するのが大変だからだ。

SS7の欠陥は一般人にとっても未解決の問題ではあるが、大統領自身による “opsec” ——セキュリティー運用、すなわち直面する脅威に対する彼の認識とそれを回避する努力——のひどさとは比べ物にならない。もし中国やロシアが彼の通話に聞き耳を立てていなかったとしても、彼のゴルフコース周辺をうろつくだけで、いつでも運試しができる——そこでは大統領が携帯をゴルフカートに置き忘れ、スタッフを取りに走らせたことがある。

そしてこれは、核ミサイル発射コードを信託している人物の話だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシアの銃器メーカーKalashnikovがTeslaとの競合をねらう電気自動車を発表

AK-47マシンガンで有名なロシアの武器メーカーKalahsnikovが今週、電気自動車とハイブリッド車、バギー、そしてオートバイなどから成る、一連の自動車製品を披露した。電気自動車のうちの一台は、同社によると、Teslaとの競合を意識している。

世界でいちばん有名な電気自動車ブランドとの競合は、目標としては立派だが、しかしそのCV-1と呼ばれるレトロなスタイルのコンセプトカーは、ソ連時代に不評だったTrabantによく似ている。

ところで、この車のFahrvergnügen〔‘車の魅力’、VWの広告のキャッチコピー〕は、テレビの人気キャスター、コナン・オブライエンによるデモにいちばん良く表れている:

CV-1は、“Combi”と呼ばれていたレトロ車IZH-21252がベースで、Kalashnikovが自社開発したという電気駆動機構のテストベッドだ。その巡航距離は350キロメートルで、加速性能は0から100キロメートルまで6秒、と同社は言っている。

バッテリーも自社製で、容量は90KW/hだ。

EVを公開したその同じ銃器見本市でKalashnikovはさらに、ハイブリッドのバギーと電気オートバイも見せて、ハットトリックを完成した。

その四人乗りのバギーは最高時速が100キロメートルと言われ、前輪と後輪で別の電気エンジンを使用する。ショックアブソーバーは油圧式だ。ロシアの通信社RTによると、この車は比較的最近、ロシアの軍用車の仲間に加わった。

Kalashnikovの警察用電気オートバイ

KalashnikovはTeslaを意識しているのかもしれないが、もっと意識すべきはロシアの競合企業や製品よりも、アメリカの規制当局だろう。現時点では、この武器メーカーが自動車よりも有利な商機を見つけそうなマシンがもう一つあり、それもこの軍事見本市でデビューした。それは、黄金色の装甲車、ではなくて、黄金色の殺人装甲ロボットだ (!!):

以下は、新しい電気自動車の、Kalashnikov提供の写真集だ:

  1. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.57.25-PM

  2. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.10-PM

  3. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.26-PM

  4. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.37-PM

  5. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.47-PM

  6. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.59.15-PM1

  7. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.57.42-PM

この記事は、Jon Russellの協力によるところが大きい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Yahooから30億のメールアカウントを盗んだハッカーが5年の懲役と全資産没収

11月に罪を認めたカナダ人ハッカーKarim Baratov(23歳)は、Yahooをハックして最大30億のアカウントを露出した罪の、少なくとも一部に関して有罪が確定し、刑期5年の懲役刑が下(くだ)された。司法省によるとBaratovは、ロシアの諜報機関FSBの二人のエージェントの指示により、それらのアカウントを漏洩した。

二人の職員、Dmitry DokuchaevとIgor Sushchinは、同じくYahooハックに関わったラトビア人のハッカーAlexsey Belanと共にロシアに居住する。その居住地からして、これら三名が関与に関して罪を問われることはないと思われるが、Baratovのカナダ国籍は、彼を訴追可能にした。

司法省によるBaratovの刑の宣告(要約)には、こう書かれている: “この共謀罪におけるBaratovの役割は、FSBで働いていた彼の共謀者にとって関心のある個人のWebメールのアカウントをハックし、それらのアカウントのパスワードを金と引き換えにDokuchaevに渡すことだった”。

カリフォルニア北部地区担当の連邦代理検事Alex G. Tseが、外国政府の不正行為に加担しようとする未来のハッカーに対して、厳しい警告を発している:

“今回の量刑は、人に雇われてハッキング行為をすることの重大な犯罪性を反映している。Baratovのようなハッカーは、彼を雇って金を払う人びとの犯罪目的を考慮することなく、自分の仕事に専心する。これらのハッカーは軽犯罪者ではなく、犯罪者が個人情報を不法に入手して悪用するために使用する、重要な道具である。Baratovに対する5年の懲役刑は、国民国家がスポンサーとなるサイバー攻撃に参加するハッカーに向けて、その重大な結果を知らしめるために法廷が送る、明確なメッセージである。”

Baratovは5年の実刑に加えて、彼の保有資産225万ドルの全額を罰金として支払わなければならない。彼は陳述の中で、2010年から逮捕の2017年までに11000件のメールアカウントをハックしたことを認めた。

Baratovの罪にはほかに、加重的個人情報窃盗と、コンピューター詐欺と悪用法に違反する共謀罪が含まれている。

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下院民主党、ロシア発のFacebook広告3500点以上を公表

下院諜報特別委員会の民主党議員らは、ロシア拠点のインターネット調査機関、IRAがFacebook に掲載された広告数千点を公開した。

民主党によると、本日(米国時間5/10)公開したのは2015~17年にかけて掲載された広告3519点。ここにはIRAが一般投稿としてFacebookでシェアした記事8万件は含まれておらず、民主党は後日これも公開する予定だ。

これらの広告が実際にどれほど世論に影響を与えたのかは未だに不明だが、1140万人以上の米国民の目に触れたと民主党は言っている。

問題の広告はここですべて見ることができるが、ダウンロードするだけでもかなり時間がかかる。以前(少数)公開されたIRA広告についても指摘されたように、広告はトランプ支持むき出しではなく、 幅広い範囲のユーザーを対象に、目もくらむ数の意見や議論が書かれている。

「ロシアはソーシャルメディアを武器としてアメリカを分裂させるべく、2016年選挙を揺さぶろうとした」と、下院諜報特別委員会の有力メンバーである民主党のアダム・シフ議員はツイートした。「彼らは偽アカウントで偽のページやコミュニティーを作り、対立を呼ぶようなオンラインコンテンツとビデオを拡散し、アメリカ人を実際に動かそうとした」

議員はさらに、「ロシアが作ったFacebook広告をこうして公開することで、正当な政治的表現が守られ、アメリカ市民の求める情報が海外の広告主によって汚染されることが防がれることを願っている」と付け加えた

この公開にあわせFacebookも投稿で、2016年選挙の際に「このような情報運用妨害に気づくのが遅すぎた」ことを認め、今後の再発防止策(政治広告の公開データベースの構築など)の概要を示した。

「われわれの相手は決意の固い創造的で資金豊富な敵であり、これは永久に解決しない問題だ。それでも事態は着実に進展している」とFacebookは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの社員がトランプのロシア疑惑で特別検察官の聴取を受けたらしい、その詳細はまだ不明

2016年の選挙に対してあったかもしれないロシアの妨害行為を調べる捜査の一環として、Facebookの社員少なくとも一人が、特別検察官Robert Mueller(上図)の事情聴取を受けた、とWired誌が報じている。ただしまだ、共同謀議があったという結論には到達していない。

Wiredの情報筋によると、Facebookのそのスタッフは、トランプの選挙戦に関係していたが、関係の具体的な内容は明らかでない。選挙活動もソーシャルメディアの重要なお得意さんだから、FacebookもGoogleもTwitterもそしてその他も、大量に広告を売ってそのクライアントとの‘関係’を維持しようとする。それは当然だ。

Facebookはロシア関連で上院の聴聞も受けているから、同社とトランプの選挙活動を取り持った誰かが今回聴取を受けたとしても不思議ではない。その者が、何か悪事を働いたという意味ではない。

Facebookのそのスタッフは、トランプの選挙戦の支出〔Facebook上の広告支出〕に関する情報の主たる情報源なのだろう。だからロシアとの関係についても、何かを知っていたかもしれない。彼や彼女が何かを‘した’という意味ではなくて、何かを‘知っていた’かもしれない、という意味だ。

Facebookは選挙期間中、ロシアのボットやトロルのおいしいカモにされていたから、今回のように事情聴取に呼ばれるのも不思議ではない。でも、さらにほかの人たちも、特別検察官のチームに聴取されたかもしれない。今Facebookには、コメントを求めている。

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Twitterがロシアに結びついた選挙妨害ボットの数を13000から50000にアップデート

Twitterが、2016年の同プラットホーム上における、ロシアによる選挙妨害に関する調査結果の詳細をアップデートした。選挙関連のツイートをしたロシアと結びつきのあるボットの数13000あまりは、トータルで50000あまりとなった。同じく昨年秋の報告で1000だった、今や悪名高いInternet Research Agency(IRA)によるボットの数は、3800になった。

しかしそれでもTwitterは、これらのアカウントは重大な問題ではない、と言っている:

この追加調査の結果は、これまでの結果と整合している: ロシアに結びついている選挙関連の自動化コンテンツは、2016年の選挙に先立つ10週間におけるTwitter上の全アクティビティの、きわめて小部分を表しているにすぎない。

それが微小であると強調したいためか、Twitterのブログ記事は話題を変えて、Twitter全体としてのボットや不審なアクティビティに対する対策努力を述べている。

なお、それら3800のIRAのボットは、10週間のあいだに約17万6000回ツイートし、うち15000弱が選挙関連だった。同じ期間に67万7775名が、これらのアカウントのどれかをフォローしたりリツイートし、そして通知された。

Twitter上のIRAボットによるコンテンツの例。

しかしある意味でそれは、バケツの水の一滴にすぎない。

同社は曰く: “2017年12月に私たちのシステムは、一週間あたり640万を超える不審なアカウントを見つけ、対応した。2017年の6月以降、私たちは弊社の規則に違反している22万あまりのアプリケーションを削除したが、それらは合わせて22億あまりの粗悪なツイートを発していた”。

すべてを同列に扱うことはできないが、それらは本格的な攻撃ではなくて、マーケティングのプロモーションであることが多い。そんな単純なスパマーが数万のボットを作って展開できるのなら、ロシアの諜報機関がもっと大量にそれをやらかすのは、朝飯前だろう。

もちろん、Facebook上の数はもっと大きい。Facebook上でトロルのアカウントにやられた人は、約1億5000万人と推計されている。

最後にTwitterは、2018年の選挙〔中間選挙〕をもっと妨害に強くするための対策の一部を説明している。その妨害は、規模はそれほどでもなかったとしても、確かに予想以上に広範囲に及んでいた。

今年の同社の対策の中には、候補者全員の検証がある。また、なりすましやハイジャックを防ぎ、情報の操作やボットの仕業を防ぐために、選挙関連の会話を詳しくモニタしていく。

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ロシアの米議会ハックは過去形でなく現在進行形、日本のTrend Microが痕跡を発見

日本のセキュリティ企業Trend Microの最新報告によると、昨年の民主党全国大会をハックしたのと同じ集団が、2017年の後半には終始、アメリカ上院を活発に標的にしていた。Trend Microは以前にも、外国の政府をねらう同様のフィッシング攻撃を明らかにしたことがある。今回のセキュリティ報告書によると、彼らの活動は2017年6月に始まり、上院の内部的メールシステムに見せかけたフィッシングサイトにより、議員たちの認証情報(パスワードなど)を盗もうとしていた。

Trend Microの報告は、同社がPawn Stormと呼ぶハッキング集団の行為を主に取り上げている。それは、一般にはFancy Bearという名前で知られていた“きわめて過激な諜報活動”グループだ。同じくセキュリティ企業のCrowdStrikeはそのグループを“ロシア発の脅威的活動集団”と呼び、ロシア軍部の諜報機関と結びついていることもありえる、としている。

Trend Microはその攻撃の性質について、次のように述べている:

2017年6月に、アメリカ上院のADFS(Active Directory Federation Services)を模倣するフィッシングサイトが開設された。これらのフィッシングサイトのデジタル指紋を、これまでの5年間に弊社が蓄えた大きなデータ集合と照合すると、それらを明確に、2016年と2017年の二度にわたって起きたPawn Storm事件と関連付けることができた。

アメリカ上院の本物のADFSサーバーには、オープンなインターネット上ではアクセスできないが、フィッシングにより、ファイヤーウォールの背後にあるADFSサーバー上のユーザー認証情報を取得することはできる。そうやってユーザーアカウントを一つだけ盗むことができた犯人は、組織内に自己の足場を作り、そこから彼らにとって本命の高位のユーザーに接近できる。

昨年4月に、オレゴン州選出で、上院諜報委員会の活発なメンバーであるRon Wyden上院議員が、二要素認証などの“ベーシックなサイバーセキュリティ方策”を上院が採用して、議員のメールアカウントなど、機密性の高い内部的デジタルシステムを保護するよう、勧告した。むしろそれが未だに、米議会の標準慣行ではないという事実の方が、怖ろしいと言えるだろう。

今では、民主党大会のハックやロシアの情報遺漏努力について過去形で語ることが多くなっているが、Trend Microなどの報告が示しているのは、アメリカの政治システムに対する脅威が現在進行形であることだ。2018年の中間選挙に向けてそれは、ますますエスカレートしていくだろう。

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Facebook上でロシアのトロルアカウントにやられたか分かるツールがやっとリリース

今年の秋は、Facebookの上でロシアのトロルアカウントに接触されたと思われる人の数がどんどん増えて、ついに1億5000万近くに達した。今日Facebookは、先月約束していたツールをやっとリリースし、ユーザーが「いいね!」したりフォローしたものが、怪しげな大衆操作のためにネット上にばらまかれた大量のページやコンテンツではないか、チェックできるようにした。

Facebookはそのツールのリリースを大声で発表することはせず、クリスマスの前の金曜日という、気づかれたくないものを公開するのにふさわしいゴミ箱のような日を待った。そしてそのツールを、ヘルプページの奥の方へ突っ込んだ。うまいやり方だね。

しかしそのツール自体は、とてもシンプルで使いやすい。このページへ行けば、あなたがいいね!したりフォローしたかもしれない、ロシアのInternet Research Agencyが作ったアカウントが一覧表示される。Instagramの自分のアカウントにログインしても、同じ情報が表示される。

あなたが怪しげなアカウントのどれかをフォローしていたら、こんなものが表示される:

このボックスが空なら、あなたは問題のアカウントに接触していないし、それに関与〔クリックなど〕していない。しかしそれでもあなたは、幸運な〔皮肉〕1億4600万人のひとりかもしれない。Facebookにもそれは分からないが、でも人びとに直接告げるこのやり方には感心しない。みんな、そのスクリーンショットを取って、“WTF!”(すげえ!)とか“OMG Facebook is broken!”(Facebookがぶっ壊れたよ!)などのキャプションをつけてポストするだろう。

選挙のとき、これと同様の干渉を受けたそのほかのサイトも、このようなツールを発表してほしいね。

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ロシアがFacebookに出稿したフェイク広告の一部を下院の委員会が公表、その画像もある

どれだけの量のロシアによるコンテンツがソーシャルネットワーク上に流通したのか、今テクノロジー企業はそれを探り当てようと焦っているが、正確な計量は不可能だろう。しかしここにご紹介する議会資料は、アメリカ社会に怒りと分断をもたらそうとした、外国勢力によるFacebook上の広告操作の、実態の一端を見せてくれる。

今日(米国時間11/1)下院の諜報委員会が、ロシア政府とつながりのある団体等が出稿したFacebookとInstagram上の政治広告の事例集を公開した。これらの広告はすべて、アメリカ社会の分断を教唆しており、政治的な個人攻撃臭のあるものも少なくない。同委員会は先月、Facebookが提供した3000件の広告をすべて公開すると匂わせたが、今回はロシア政府筋の出稿と思われる、人物ではなく政治的案件に関わる広告のサンプル25件にとどまった。読者がPDFを扱わずにすむために、本誌はそれらをここにまとめた。

下表でお分かりのように、あらゆるものが攻撃にさらされている。それらロシアからの広告は、極右と極左の両方、黒人人権活動家やムスリム、キリスト教徒、LGBTQの人びと、銃の保有者、そしてIvanka Trumpのジュエリー製品まで標的にしている。

ご存知のとおり広告費は、その広告が生成したインプレッション数とクリック数にほぼ比例するが、これらの広告の中には、それが1000ドルを超えたものも少なくない。もちろん、‘すべて’ではないが。

それらの‘成功広告’がどれか、それも分かっているが、ここでは広告の代表的な例だけでなく、それらのコストとターゲット層、そしてその成績を表にまとめた。これのWebバージョンとして、読者がソートできる表もあり、そこにはそれらの広告の画像へのリンクもある。お楽しみを!

〔ここに表が表示されない場合は、Webバージョンをご覧ください。〕

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Facebookの“広告透明性機能”は来月発効、政治広告出稿者の説明責任を重視

ロシアが昨年の大統領選に影響を及ぼすべく、Facebookの広告を使った、という懸念に応えて同社は、広告の透明性を増進して、広告の出元を誰が見ても分かるようにする、と発表した。

今日(米国時間10/27)同社はその計画の具体的な詳細を明らかにし、その新しい透明性機能は来月から動き出す、と述べた。それ以後はFacebook Pageに“View Ads”(広告を見る)というボタンが登場し、それをクリックすると今Page上にあるすべての広告が一覧される(下図)。

Facebookによると、近くそのテストをカナダで開始する。アメリカの場合は、国の選挙に関する広告のアーカイブも含まれ、それは向こう4年ごとに更新される。また広告費の累計と平均、各広告が受け取ったインプレッション数、広告のターゲットの層特性、などの情報も開示される。

さらに、政治広告は出稿者の身元確認、住所、選挙関連であることの明記、などを必要とする。またそれらの広告には、“paid by”(誰が広告費を出しているか)のリンクがあって、その詳細情報を見れる。また機械学習のツールを使って、身元を明かしていない政治広告の出稿者を見つける。

これらの機能が、多くのFacebookユーザーの利益になるだろうか? それはないと思うが、でも広告担当のVP Rob Goldmanはこう言っている: “透明性はみんなを助ける。とくに政治の監視グループや記者などの役に立つ。広告主たちに説明責任を持たせることによって、どこの誰が何のためにこんな主張を(広告で)しているのか、分かるようになる”。

この同じ時期に議会は、ネット広告に対する規制を超党派で法制化しようとしている。そして少し前にはTwitterが、これと同じような透明性対策を発表した。

Facebook View Ads

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NASAとロシア、月宇宙ステーションの共同開発で合意

今年の国際宇宙会議で、NASAとロシアの宇宙機関、ロスコスモスが共同声明に署名し、地球を遠く離れ月軌道を周回する宇宙ステーションを共同開発する意志を表明した。月面探査と深宇宙科学両方の拠点となる。

これはNASAが熱望するいわゆる「深宇宙ゲートウェイ」コンセプトの探究と開発の一環であり、人類の宇宙探査の範囲と能力を拡大するための戦略基地を目指している。NASAは人類を月より遠くに連れていきたいと思っている。言い換えると、このゲートウェイコンセプトは、月の周辺に軌道周回宇宙ステーションを置くことで、計画の実践的可能性を高めようとするものだ。

「深宇宙ゲートウェイはまだコンセプト形成の段階だが、人類の宇宙探査を前進さする第一歩としてのシスルナ(地球と月の間)空間進出に国際的関心が高まっていることをNASAは歓迎する」とワシントンのNASA本部長官代理、Robert Lightfootがこのニュースを伝えるプレスリリースで語った。「ロスコスモスと共同署名したこのような声明は、ゲートウェイ構想が手頃価格で維持可能な探査アーキテクチャーの先駆けとなることを示している」。

ロスコスモスとNASAの共同作業はまだごく初期段階にある ―― 将来共同作業に合意する可能性に関する合意とみることもできる。しかし、将来月の周回軌道に科学および探査施設を設置することについて、開かれた会話が持たれる良い兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

救急車が入れない僻地災害地などに細動除去器を運ぶドローンをロシアの産学協同で開発

モスクワ工科大学のロシア人科学者たちが考えた、このドローンの有効利用技術では、細動除去器(defibrillator, AEDなど)をドローンに搭載して飛ばし、心肺蘇生処置を必要としている遠隔地の人を助ける。

いわば空飛ぶ救急車だが、ヘリなどに比べるとずっと安上がりだ。

このプロジェクトはモスクワ工科大学の航空宇宙研究所と、ロシアの医療機器企業Altomedikaのコラボレーションだ。

ドローンの救急利用は、オランダの設計者による2014年のプロトタイプあたりからある。しかし細動除去器を専用のドローンで遠隔の患者に送ることより重要なのは、それを一般的な市販製品にして、現存の救急体制が実際に導入し利用すること、そして、遠隔地に飛ばすにあたって安全性の基準が満たされることだ。

このロシアのドローンは最大飛行距離が50キロメートルで、最大荷重が3キログラムだ。設計者たちは、“コンパクトなサイズ”であることと、AEDの輸送にかぎらず、用途が多様であることを誇っている。

“操縦者のコントロールのもとに、このドローンは細動除去器を迅速に空輸できる。また手動操作ほかに、自動飛行もできる”、とチームは言っている。

ただしもちろん、着陸地点にはその機器を操作して蘇生処置のできる人間がいなければならない。あるいは未経験者に音声で使用インストラクションを手取り足取り教えることができる場合もある。

“細動除去器は患者の心電図を分析し、医師のためにデータを保存し、必要な場合には心肺蘇生処置の国際的な推奨手順に従って一連の放電を行う”、とチームは説明している。

チームのスポークスパーソンによると、ドローンは至近の救急車や救急センターから飛ばす。その方が、救急車が行くよりもはやい、という。

“最初に採用してくれる機関は、ロシア緊急事態省とロシア連邦保健省だろう”、と彼は言う。

彼曰く、このドローンは一般の輸送用、とくに荷物の配達にも使える。ただし最大積載は3キログラムだが。

“救急目的に限定しても、細動除去器のほかに医薬品や生体適合物質なども運べるし、カメラとスピーカーホンを載せれば医療相談などもできる”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleがアプリのプリロードを反競争的とするロシア当局の裁定で780万ドルの罰金を払う

ロシアの検索ライバルYandexがかねてからGoogleを、ロシアにおける競争のルールに違反しているとして提訴していたが、このほどやっとGoogleは、ロシアの公正取引委員会に相当する連邦独占禁止庁(Federal Antimonopoly Service, FAS)との和解に達した。この訴訟の中心的争点は、Google Play Storeへのアクセスを容易にするためにGoogleが各社のスマートフォンデバイスに、同社のアプリケーションを強制的にプリロードさせている件だ。それをYandexおよび今回のロシア当局は、違法と見なした。

FASがGoogleに命じた罰金の額は、米ドル換算でおよそ780万ドルである。プリロードが反競争的と裁定されたのは、2015年の9月だ。ロシアの通信社TASSによると、この金額は2014年のロシアにおけるGoogleの売上の9%に対し今日までのインフレ率を適用した額だ。

示談という決着を最初に報じたのはReuters(ロイター通信)で、詳細はFASのWebサイトにも載っている。ロイターによると、この和解をロシアの裁判所が承認したのは月曜日(米国時間4/17)で、期限は6年9か月とされている。

裁定には罰金のほかにいくつかの協定も含まれ、Googleはロシアではメーカーに対しAndroid機に同社アプリケーションの排他的搭載を要求できない。また他社の検索エンジン等がAndroid機のホーム画面などにプリロードされることを、Googleが禁じてはならない。Android機にプリロードされる汎用の検索エンジンとして、GoogleはメーカーにGoogle検索を強制してはならない。これまでメーカーとのあいだに存在したその種の強制的契約ないし協定は、すべて無効とする。

Googleは、サードパーティが自社の検索エンジンを選択ウィンドウに含めることを、許容しなければならない。またChromeブラウザーのためには、ユーザーが既定の検索エンジンを自由に選べるような選択ウィンドウを、Googleは開発しなければならない。

また、これまでのようにホーム画面に最初からGoogle検索のウィジェットがあるのではなく、新たにChromeウィジェットがあって、そこから〔検索エンジンの〕選択ウィンドウが立ち上がるようにしなければならない。

そして和解の承認から60日以内にGoogleは、来年以降の選択画面にロシアの、参加希望を持つすべての検索エンジンが載るように、取り計らなければならない。

ロシアではメーカーがAndroid機に、Google以外のそのほかのアプリケーションも自由にプリロードできなければならない。

Googleの反競争的振る舞いを調査しているのは、ロシアだけでなない。EUも同様の嫌疑でAndroid OSを調べているが、それに対しGoogleは、アプリやサービスのプリロードは他社(すなわちApple)との競合のためだ、と反論した。この件では2月にBT〔‘イギリスのNTT’〕がGoogleの味方をしたため、結論は先送りされている。

Googleのスポークスパーソンは和解の詳細を確認して、次のような声明を述べた:

“Yandexとの商業的合意、およびロシアの競争規制当局Federal Antimonopoly Service(FAS)との和解により、Android上のGoogleアプリの配布をめぐる競争上の問題が解決したことは、欣快至極である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トランプの元選挙参謀の家族のテキストメッセージがハックされ闇サイト上で公開

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トランプの選挙戦とロシアとの関係をめぐる疑問が高まる中、大統領の元側近の少なくとも一人が、DNC的扱い*を受けたようだ。〔*: DNC, Democratic National Committee, 民主党全国委員会; DNC的扱い, ハックされたこと〕

Politicoの記事によると、今闇サイト(dark web)に出回っているデータダンプの中には、Paul Manafortの娘Andreaが送受した28万あまりのテキストメッセージがある。Manafortは2016年の8月までトランプの選挙参謀だったが、ウクライナの親ロシア派たちとの仲が明らかとなって以降、退いた。

そのテキストの中でAndrea Manafortは、彼女の父親の“ウクライナにおける仕事と報酬は法的にも疑義がある”と述べ、彼がウクライナの前大統領Viktor Yanukovycとの関係を通じて蓄積した富を “血で汚れた金(blood money)”と呼んでいる。Yanukovycは現在ウクライナで国事犯として訴追され、ロシアに逃亡している。

このハックはAndrea ManafortのiPhoneのデータにアクセスして行われた、と見られており、そのデータはローカルに保存されるか、またはiCloudのアカウントへシンクされていたもののようだ。Politicoの記事は、ファイルをポストした“活動家ハッカー集団(hacktivist collective)”の名を挙げていないし、自分たちが最初の発見者だとも言っていない。先週のPoliticoの記事は、Manafortがトランプの大統領選に仕えていた間、恐喝されていた、と報じている。これも、今回のテキストと同じWebサイトがニュースソースのようだ。

8月にPaul Manafortは、娘の一人がフィッシングによりハックされたと疑い、Andreaにこう警告したらしい: “お前の姉〔妹?〕がハックされた。今日彼女から来たメールは、‘重要なドキュメント’があった、Googleのスプレッドシートを共有した、と言っている。もちろん、それを開いてはいけない!”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ロシアによる選挙のハッキングを調べるようオバマ大統領が命令

US President Barack Obama speaks at the White House Frontiers Conference at Carnegie Mellon University in Pittsburg, Pennsylvania, on October 13, 2016. / AFP / JIM WATSON        (Photo credit should read JIM WATSON/AFP/Getty Images)

ホワイトハウスの国土安全保障とテロ対策アドバイザーLisa Monacoによるとオバマ大統領は、この前の大統領選挙を誘導し、結果に影響を与えたかもしれないハッカー行為や情報リークを徹底的に調べるよう、政府の諜報部門に命じた。

Monacoはこう言った: “大統領は、CIAや国防総省など諜報活動を行う複数の政府機関を全体的に統括する国家情報長官に、2016年の選挙の過程で何が起きたのかを徹底的に調べるよう、指示した”。

民主党全国大会とHillary Clintonの選挙参謀John Podestaに対するサイバー攻撃により、一連の有害なリークが生じ、選挙期間全体を通じて、Clintonの選挙活動の足を引っ張った。彼女の対立候補Donald Trumpはそのハック説と、それをロシアのせいにすることを、冷笑した。

政府の諜報部局は、攻撃はロシアの工作員たちによるもの、と明言しているが、TrumpはTIME誌の最近号で、“彼らが選挙を妨害したとは思わない。それは笑い話であり、まともな話題ではない。あくまでもお笑いネタだ。私が何かするたびに彼らは、‘おぉ、ロシアの妨害だ’と言う。このワンパターンなロシアネタは、いいかげんにしたらどうだ”、と語っている。

Monacoによると、調査は1月のTrumpの就任式までに完了する。

しかしながら、その調査結果が公開されないこともありえる。最近、上院諜報委員会の8名の民主党議員が、ロシアのハッキングに関する情報をもっと公表しろ、とオバマに迫ったにもかかわらず、だ。

“ソースや犯行方法の公表によって今後の加害者特定努力が損なわれることがないよう、細心の注意が必要である”、とMonacoは説明している。

ロシアのサイバー侵害に関しては、共和党の上院議員たちも調査を要求している。彼らは次期大統領の、ロシア笑い話説と対立することになる。

“できるかぎりの方法を尽くしてロシアを追及したい”、と今週初めにLindsey Graham上院議員(共和党:サウスカロライナ州第三区)がCNNに語っている。“彼らは今日の世界の最大の不安定化要因の一つだ、と私は思う。彼らは、われわれの選挙も妨害したと、私は考えている。その科料(かりょう)を払うべきは、Putin個人だ”。

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ロシアの独禁当局がAndroid機へのGoogle検索のプレインストールを不正競争と裁定、Yandexの株価が上昇

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【抄訳】
2月に“ロシアのGoogle” Yandexが、不正競争でGoogleを訴えた。その訴訟は、Androidデバイスのほとんど全機に、デフォルトの検索エンジンとしてGoogleがプレインストールされていることが不正競争にあたり、Yandexに不当な不利を与えている、と主張した。

Yandexはロシアで60%のシェアを握っているが、Androidはロシアで売られているスマートフォンの86%を占める。つまりモバイルが、この係争の戦場だ。

そして今日(米国時間9/14)、Googleに不正競争の判決が下りYandexの株価が急上昇した。

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ロシアのFederal Antimonopoly Service(連邦独占禁止局, FAS)の副長官Alexey Dotsenkoからの今日の発表によると、Googleに対しその“支配的な地位の濫用”の停止を命ずる命令が今後10日以内に公布される。

FAS Russiaはとくに、モバイルデバイスのメーカーとの合意事項を調製して、ほかのデベロッパのアプリケーションやサービスのインストールを制限している合意事項を排除するよう命ずる。

Googleは本誌宛の声明文で、最終命令が出るまでは何も言うべきことはない、と明言している:

弊社はまだ裁定を受け取っていない。受け取ったらそれを検討したうえで、弊社の次のステップを決定する。

以下は、裁定に対するYandexからの公式声明だ。同社は、同社の支配的な地位が将来的に不安定であることを、承知しているようだ:

【後略】

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ルーブル急落の流れを受け、Appleはロシアでのオンライン販売を停止

Appleが、ロシアにおけるオンライン販売を停止した。ロシアの通貨であるルーブルが非常に不安定な状況となっているためだ。Bloombergに掲載されたコメント(日本版)によると価格設定を見直すためにオフラインとしているとのことだ。サイトの停止で迷惑をかけるとして、消費者にはお詫びの言葉も記載されている。

Appleはこれまでのところ、ルーブルの下落に対してはiPhoneの価格を上げるといった対応を行なってきた。しかし為替相場が1日で約2割も下落する中、根本的な対応に乗り出したというわけだ。エコノミストによればロシアの現状は「経済危機」とも言える状況であり、Appleの今回の判断も当然のものとして受け取る人が多いようだ。

状況が変化したり、あるいはAppleからの新しい発表があった場合には、改めてお知らせしたいと思っている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


自殺に関するページを禁ずるためロシア政府がGitHub全体をブロック

【抄訳】

ロシアのデベロッパたちは今日、コンピュータの前で呆然とした。床をどんどん踏みつけたところで、無駄だった。ロシアの規制当局RosComNadzorが、GitHubをブロックしたのだ。彼らは、この、デベロッパたちのコラボレーションのためのサイトに、自殺をする32種類の方法を詳細に印したファイルを見つけたからだ。

今回のブロックは、ロシアのISPたち全員に、このサイトへのアクセスを禁じさせることだった。しかも、GitHubは全面的にHTTPSを使っているから、ISPのレベルで個別のページへのアクセスだけを封じることはできない。だから、GitHub全体をブロックするしかない。ロシアのブログMeduzaによると、Beeline、MTS、MGTS、Megafonなどロシアの主要ISPの一部はすでに当局の命令に従っている。

このブロックは、インターネット上のコンテンツに対するロシア政府の規制方針に関する疑念に再び火をつけた。この国のファイアウォールは2012年に作られたが、そのときからすでに議論のマトになっている。それは言論の自由に反しているだけでなく、その実装のされ方が鈍重で融通が効かず、不必要に厳しすぎるからだ。

今ロシアに住む人たちがgithub.comにアクセスしようとすると、こんなものを見る:

ロシアの検閲当局は、数か月前にもGitHubをブロックした。HackerNewsの投稿からリンクされているOpenNetのポストによると、GitHubは10月にも短期間、アクセスしないよう要請されていた。その問題のコンテンツがいつまでも取り外されないから、今回のブロックに至った、と政府の声明文は述べている。

【中略】

ロシアで自殺関連のコンテンツがブロックされたと聞いて、あれっ?前にも…、と思った方は正しい。2013年にはYouTubeが、自殺をほのめかすようなビデオで同じ目に遭ったことがある。

以下の図表は、RCNから得られた、今回ブロックされたページのリストだ。表の左端は10月にブラックリストされた日付、右端が今回のブロックの日付だ。

今GitHubに詳細を問い合わせているので、情報が得られ次第このページをアップデートしたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ロシア製ロケットの国防用購入への差止めを命令を, SpaceXが勝ち取る

民間宇宙ロケットのスタートアップSpaceXは先週、同社が合衆国空軍(USAF)を告訴したことを発表した。空軍は政府機関でありながら国防用ロケットの打ち上げを、航空機産業のトップ企業BoeingとLockheed-Martinの合弁会社United Launch Alliance(ULA)一社のみに、競争入札なく発注契約を結んでいる、というのが同社の訴件だ。Ars Technicaの報道によると、昨夜(米国時間4/30)SpaceXは、防衛関連事業における独占発注慣行との戦いにおいて、小さいが重要な勝利を勝ち取った。ULAによるロシアのロケットの購入が、裁判所による差止め命令を食らったのだ。

ULAは合衆国政府関連のロケット打ち上げに、打ち上げビークルとしてAtlas V、打ち上げ用ロケットとしてRD-180を使用してきた。それは同社が宇宙への打ち上げ〔軍事衛星など〕に使用している二種類のロケットのうちの一つだ。SpaceXの訴状は、これらのロケットを作っているNPO Energomashが実はロシア政府が完全に所有している企業であり、したがって同社のロケットの購入と使用は、ウクライナにおける侵略的な行動に対してアメリカが最近課した制裁に違反している、と主張している。

裁判所の命令は、合衆国財務省と合衆国商務省が、その取引は制裁を規定している大統領命令13661に違反しないと明言するまでは、ULAによるNPO Energomashとのいかなる商取引をも禁ずる、と言っている。

SpaceXのCEO Elon Muskは最初の記者会見で、“この時期にクレムリンに数億ドルを渡すのは間違っていると思う”、と述べた。また一般的に、アメリカの国防事業でロシアのロケットを使用することの妥当性についても、疑問を投げかけた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))