Googleの自動運転車、走行距離200万マイルに到達

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Googleの自動運転車が、新たなマイルストーンに到達した。200万マイルの走行を達成したのだ。公道でのテスト走行距離は、平均的個人による年間運転距離に換算すると300年分にもなるのだそうだ。

Googleの自動運転向けソフトウェアの開発をリードするDmitri DolgovがMediumに投稿した記事によれば、「運転技術のうち90%は学習が比較的容易なものなのです」とのこと。フリーウェイを走行したり、空いている都市部を運転したり、交差点の通行などが、この「比較的容易な90%」に含まれるのだとのこと。しかし混雑して、偶発的な事態が数多く発生するような場所での通行には、やはりさまざまな困難があるそうだ。

Googleによるここしばらくのテスト走行も、この「困難な10%」に対処するために行われてきたものだ。Dolgovの言うところでは、自動運転技術の進化については、依然として困難は残っているものの、「満足できるレベル」にあるとのこと。「進化」は歩行者や他の自動車が通行中に示す「意志」を解釈して、それに適切に対応するといった「ソーシャル」の面にも及んでいるのだとのこと。

「困難な10%」のうち、どれだけを克服したのかという数値は発表されていないようだ。しかし現在開発中の第4世代の自動運転車により、日常的に自動運転車を利用する世界が現実味を帯びてくるだろうとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

決断が難しい道路状況で運転者の倫理観をテストするゲームMoral Machine、果たして自動運転車は?

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高齢者をたくさん乗せた自動運転車は、横断歩道上の子犬たちを避(よ)けるために、障害物に衝突すべきか?(上図左)。一人の医師を救えるなら、二人の犯罪者を轢(ひ)いても構わないか? どちらの命が重要か?7歳の子どもたちか、高齢者たちか?

この、MITの研究者たちが作った“Moral Machine”というゲームは、有名な“トロッコ問題”の決断を迫り、あなたの倫理観をテストする。今エンジニアたちが、このような状況における決定を、自動運転車に実装しようとしているなら、問題はさらに深刻だ。その選択の責任を、誰が追うべきか? 運転に関わっていない乗客か? AIを作った企業か? それとも誰も責任を追わないのか?

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Moral Machineがつきつける選択は、そもそもAIは、より多くの人名を救えるなら介入すべきか、それとも、誰かの死がAIの責任にならないために、積極的には何もすべきでないか?という問だ。

しかしこのシナリオの状況は、もっと難しい。乗客は本質的に危険な、高速の金属箱に、それと知りつつ乗っているのだから、歩行者の方を救うべきか? 無防備な歩行者に突っ込むよりは、エアバッグなどの安全装置に期待して障害物に衝突すべきか?

こんな単純で分かりやすい状況でも、人間にとって決断が難しいなら、混乱した路上における自動運転車にとっては、なおさらだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カリフォルニア州、ハンドルのない自動運転車に向けて法整備

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真の「ドライバーレス」車のテストを可能にする法案の検討が、カリフォルニア州議会で進められている。

具体的には、米国時間8/29に改訂されたカリフォルニア州議会法案 1592が通ると、近々次のことが可能になる。

「運転席に運転手が座らず、ハンドル、ブレーキ、あるいはアクセルを装備していない自律走行車によるテスト走行」

このパイロットテストが許可されるためには、いくつか条件を満たしている必要がある。例えば、自動運転車はパイロットテスト中時速35マイル以上で走ることがてきない。また、走行できる場所は、「当局が指定する私有のビジネスパーク、および敷地内の公道」等に限定される。

Tesla、Apple、GoogleをはじめとするシリコンバレーのIT企業だけでなく、ライダー(*) を製造するQuanergyやVelodyneも次世代自動車業界のリーダーを目指して競っている。さらにはFordらの巨大自動車メーカーも、イノベーションハブをカリフォルニアに置いている。[訳注:LIDAR、レーザーを使ったレーダーの一種]

州が、地元で作った自動運転車を地元の道路でテストしやすくすることによって、企業は有利な規制環境を求めて、社員や研究開発チームや製造拠点を海外や他の州に必要がなくなる。

自動運転車を路上でテストするための法を整備した州や地域は、他にもネバダ、フロリダ、ミシガン、ハワイ、ワシントン、ワシントンDC、およびテネシーがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転経済の失業者たち

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今月、Uberの自動運転車が路上デビューする。予想よりも早かった。これは楽しみなサプライズだ…あなたがドライバーでなければ。ロボットに起因する失業問題は、いずれ他の業界にも波及するだろう。

100万人のUberドライバーはどうなるのか? 全米350万人のトラックドライバーは?そして、世界中でバスやタクシーを走らせている無数のドライバーたちは?

そういう仕事が一夜にしてなくなることはない。20年はかかるだろう。しかし、こうした労働環境変化への備えができなければ、たとえ多くの人々に利便を提供したとしても、一部の人々に苦難を強いることになる。

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自動運転車が〈未来〉であることに疑いはない。何といっても安全だしリラックスできる。交通量を削減し、炭素排出量を削減する。そして、運転席で費やされていた知識労働者の時間を、生産的な時間へと振り向ける。

しかも車を走らせるための人件費より、ずっと安くつく。

Bloombergが次のように書いている。「通常料金の1マイル当たり1.30ドルが今は無料だ。将来的にも、[Uber CEOのTravis ]Kalanickによると、料金は低く抑えられる予定だという。それは郊外の長距離ドライブでさえも、1マイルあたりのコストは無人Uber車の方が自家用車より安いからだ」。そしてつい最近Uberは、自動運転トラック会社を買収したことを発表した。

落伍者

問題は、運転というものがレジ係やファーストフードのアルバイトと並ぶ非熟練労働であることだ。そういう仕事には必ずロボットがやってくる。テクノロジーは職を失う人たちに新しい仕事をもたらす、と言う意見もある。しかしその新しい仕事が、熟練を要さない仕事を失った人々によってなされる可能性は低い。

こう考えてみてほしい。自動車が発明された時、それまで人や物資を運んでいた低熟練労働者たちは脅かされた― 馬である。下のビデオを見れば、「より良いテクノロジーは、より良い仕事を馬に与える」という考えが滑稽であることがわかるだろう。「馬」を「人間」に置き換えても楽観的にはなれない。

こうした自動化へのシフトが経済にどう影響を及ぼすのか。置き換えられた低熟練労働者の収入は、自動運転車や料理ロボットやロボットレジ係のオーナーやデザイナーの手に渡る。これはマルクス主義者の悪夢だ。

ソフトウェアはすでに似たような現象を起こしているが、自律ロボットが増殖すれば、この革命はビットを越えて、原子の世界に侵略してくる。

次期大統領が今から国民に準備をさせ始める必要があるのはそのためだ ― できればイノベーションのスピードを損なうことなく。教育、職業訓練、就職支援サービスの充実は不可欠だ。いや、問題を認識して話題にするだけでもスタートとしては悪くない。

長期的には、テクノロジーが仕事を生み出すより、テクノロジーが仕事を取って代わる方が早い時代に、資本主義がいかに機能するかをじっくり厳しく見つめなおす必要がある。全員にフルタイムの役割が必要なのか?非効率や不況に陥ることなく、頂点の富を再分配して底辺を飢えさせないようにできるのか? 市民の感情というものは、どれだけパンを与えられたかではなく、どれだけ稼ぎだしたかに価値を見いだすものだろう。

これは決まった答えのない複雑な問題だ。答を見つけるためには膨大な時間が必要だ。しかし今日Uberは、その〈未来〉の到着時刻が予定よりずっと早まったことをはっきりと示した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転車の車載カメラは、歩行者だけでなく乗客も観察する

A member of the media test drives a Tesla Motors Inc. Model S car equipped with Autopilot in Palo Alto, California, U.S., on Wednesday, Oct. 14, 2015. Tesla Motors Inc. will begin rolling out the first version of its highly anticipated "autopilot" features to owners of its all-electric Model S sedan Thursday. Autopilot is a step toward the vision of autonomous or self-driving cars, and includes features like automatic lane changing and the ability of the Model S to parallel park for you. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images

強力なセンサーとソフトウェアによって自動運転車は驚くほど周囲の状況を把握できるようになった ― しかし車のAIが気にしなくてはならないのは障害物や歩行者や他の車だけではない。自身の車内で起きていることも知る必要がある。ドイツの研究開発会社、Fraunhoferでは、研究者らがその開発に没頭している。

「私たちはセンサー技術を車内全体に拡大しようとしています」とFraunhoferの研究グループを率いるMicahel Voitが同社のブログに書いた。「奥行き知覚カメラを使って車内を撮影し、人数、体の大きさ、姿勢を識別して、そから各自の行動を推測することができます」。

Lots going on in this car that the AI would probably want to be aware of.

車の中にはAIが気にかけておきたい物事が数多くある。

車に何人がどこに乗っていて何をしているか知ることには数多くの利益がある。非常時 ― センサー故障等 ― に運転車がハンドルを握るのに要する時間がわかる。パパとママが昼寝している(自動運転車に乗る者の特権)間に後部座席の子供がシートベルトから抜け落ちたら、警告を受けることができる。衝突の際には人のいない部分がぶつかるようにハンドルを切ることができる。エアバッグが開くときにも人の大きさや位置に応じて調整することが可能になる。

もちろんこの中には現在の技術 ― 重量センサー等 ― で実現できるものもある。しかし乗客の緻密な情報を知ることは自動運転車の目標にとって大きな価値がある。既に様々な動きや日常的な物を識別する技術が進歩している ― サンバイザーに手を伸ばしているのか、チャイルドシートを設置しているのか等。

現在カメラはこの会社のドライビングシミュレーターにしか置かれていないが、今後はスマート機能を備えたミニバンに装着して実世界のテストに入る計画だ。

Fraunhoferは、Volkswagen Group Research、Bosch、Visteonをはじめとする企業と共にこの「インテリジェント・カーインテリア」プロジェクトに参加しており、プロジェクト全体がドイツ政府の助成金で運営されている。

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ペンシルベニアの事故当時、Tesla Model Xのオートパイロットはオフだった

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7月1日にペンシルベニアで事故を起こしたTesla Model Xは、当時オートパイロットが無効化されていた、とElon MuskがTwitterで発表した。この情報は当該車自身のログに基づくものだ。

[車載ログによるとペンシルベニアの事故当時オートパイロットはオフだった。もしオンになっていれば事故は起こらなかったかもしれない。]

Teslaはここ数週間、同社のオートパイロットによる半自動運転機能は、公道で試験するにはまだ早いと批判されている。Consumer Reportsも今日(米国時間7/14)、安全が確認されるまで機能を無効化するよう要請した

衝突時にオートパイロットが使われていなかったというニュースは、批判の一部を鎮めることはあっても決して全部ではない。事故の全容は未だ明らかにされておらず、またオートパイロットは原因ではないようだが、関与した可能性はある。詳しい調査結果が出るまで、判断は控えた方がよさそうだ。

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Googleが自己運転車のバイク〜自転車検出アルゴリズムを説明

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今日(米国時間7/1)は、自律車両の歴史の中で、もっと重要な理由で目立つ日になると思うが、またひと月が経ってGoogleが6月の自己運転車リポートを発表した日でもある。この号には、サイクリストを検知して避けるシステムの能力が、かなり詳しく書かれていておもしろい。

“サイクリストは動きが敏捷で速く、ときには自動車と同じぐらい速く動く”、とリポートは述べている。“われわれの自動車はサイクリストを道路のユニークな〔他と混同しない〕 ユーザーとして認識し、彼らの近くでは控えめな運転をするよう、教えられている”。

車両上のLIDAR(レーザー光レーダー)やそのほかのセンサーが、あらゆる方向にあるバイクや自転車を、下図に示すように、一度に検知する。

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上図は、停止している自己運転車のまわりを、100台あまりの自転車が走り回っているところを示す。Mountain View(Google本社)では、100名以上の社員が一日中、これをやってるんだろうな。ひとつひとつの自転車を個別に追跡し、それらの行路をを予測する。車のAIが、パニック発作を起こしそうだ。

サイクリストを検知したらより大きな車間を取り、またバイクや自転車がレーンを占領していたら、それを追い越さないようにする。それはドライバーにとって不便だが、往々にして必要であり、サイクリストは賛成するだろう。

手信号も認識し、その手がハンドルに戻ったら、サイクリストのその後の行路を予測して行動する。

6月には軽度の事故が2度起きたが、どちらもGoogleの車の落ち度ではなく、被害はバンパーをちょっとかすった程度だった。

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レット・イット・ビープ:Googleの自動走行車がクラクションを鳴らすようになった

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The Bulwer-Lytton Fiction Contestは、著者たちが最悪の小説冒頭を競う、毎年恒例の行事だ。Googleは、いくつかの理由により、今年これにエントリーすべきだ ― 最新の自動走行車プロジェクト報告 (PDF)の中で、同社はこう書いている:「当社の警笛アルゴリズムが改善されたため、われわれはクラクションを世界に発信し始めた」。

文のばかばかしさは置くとして、このニュースは実に興味深い。Googleは、これまでしばらくの間、自らの存在を他のドライバーに知らせる手段として、クラクシヨンを使用するテストをしてきたようだ ― ただし鳴らすのは室内でのみ。そうすることによって、人間の評価者は「警笛アルゴリズム」が的確かどうかを判断することができる。

能力が何らかの社内基準に達したことで、自動走行車はクラクションを2種類の方法で使用できるようになった。危険が差し迫った時、例えば反対車線の車が向かってきた時等には、昔ながらのけたたましいクラクションが鳴る。しかし、駐車場で誰かがバックして近づいてきたような時には、「短く静かな警笛をピッピッと鳴らす」と報告書に書かれている。

ブーブーや「ピッピッ」以外にも、Googleカーは歩行者、特に視覚の不自由な人々に車の接近を知らせるための、ハム音を発生できる。これは多くの電気自動車に課せられた問題であり、エンジン音の模倣からUFOライクなさえずりまで、様々な案がテストされてきた。Googleの説明にあるハム音は前者に近いと思われ、「個性」を出すために何らかの工夫がこらされているようだが詳細は明らかにされていない。町でGoogleカーに遭遇した幸運な読者は、最初のレポートを書けるかもしれない。

Google報告書の事故一覧部分はごくわずかだ。マニュアルモードで中央分離帯にぶつかった1件だけで、速度は9 MPH(14.5 km/時)だった。

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未来の完璧な自動運転車でもブラックボックスはやはり重要だ…事故はありえるし原因究明のためのデータは必要

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[筆者: Kristen Hall-Geisler]
衝突は通常、運転者のせいにされる…人間のドライバーだ。部品の不良やタイヤの破裂などもありえるが、しかし(データによって数字に多少の違いはあるが)衝突事故の約90%は人間のが犯す間違いが原因だ。しかしさほど遠くない未来に、運転という仕事の多くを車自身が行い、その過程で大量のデータが生成されるようになると、事故の原因を明確に突き止めることが困難になる。そしてそのデータは、ブラックボックスに記録される。

2014年の9月から、今後新たに製造される旅客車両にはブラックボックスの搭載が義務付けられた。でも実際には、この法令の前からブラックボックスのある車の方が多かった。その公式な名称はevent data recorder(EDR)(ドライブ・レコーダー)と呼ばれ、スピードやブレーキ使用、エアバッグの装備状態、シートベルトの着装の有無などをセンサーを使って読み取り、ループに記録する。Consumer Reports誌によると、EDRは衝突の直前の約5秒と、衝突後の正確に1秒を捕捉する。

今では車が搭載しているセンサーの数がとても多くなり、ますます多くの情報が集められる。TuxeraのファウンダーでCTOのSzabolcs Szakacsitsによると、彼の会社が自動運転車用に提供しているブラックボックスは、16のセンサーからのデータを同時に記録し、タイヤの空気圧やカメラの画像、レーダーのデータ、運転者のプロフィールなどの情報を捉える。だから衝突時には、ブラックボックスが、シートベルト着装の有無や、そのとき聞いていたラジオ局などを教えてくれる。

Szakacsitsによると、車の自律性が増すとともに、搭載されるセンサーの数が多くなり、それらのデータを記録し、保存し、読み出すためにブラックボックスが必要になる。センサーはたとえば、前後の他車との距離、路上マーク、交通標識、ライト、人間など、その車にまつわるいろんなデータやオブジェクトを捉える。

TuxeraはEDRの記録装置としてフラッシュメモリ上のファイルシステムを使っている。衝突でEDRへの電力供給が途絶えても、記録されているデータは失われない。“事故がありえる自動車の上では、その中のアプリケーションに使われるソフトウェアの各部位は、ロバストでなければならない”、とSzakacsitsは述べる。“データの保存状態が良くてフェイルセーフであることがきわめて重要だ。たとえば、ダッシュボード上のカメラにコマ落ちがあってはいけない。事故時にはその画像や映像が重要な情報だからだ”。

車の運転が完全に自動運転になる将来には、衝突の原因が再び明確になるだろう。乗っている人間は道路に対してまったく注意を払わないが、運転を担当している自動車自身は人間よりも衝突の頻度が低いと想定される。いや、少なくともそれが理想だ。でも、未来がそれほど輝かしくないこともありえるから、Tuxeraは、2020年の自動運転消費者カーに搭載されるブラックボックスの、ソフトウェアを開発しているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これは実用的:Googleの次の自動走行車はクライスラーのミニバンだ

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Googleの自動走行車には好きな要素がたくさんあるが、子供のいる家では、サッカーゲームの送り迎えに使える車が必須だ。Googleが自動車メーカーとの初の直接提携で、広々とした新しいミニバン、Pacificaを自動化しようとしているのはそのためだろう。

この車は燃費が優れている(ハイブリッド車である)だけではなく、家族全員が乗るスペースを持つ! しかし、Googleにとってさらに重要なのは、これまでプロジェクトでテストしてきたものとは全く異なるタイプの車であることだ。

「このミニバンのデザインは、ハンズフリーのスライディングドア等、利用者が乗り降りしやすい大型の車をテストする機会をわれわれに与えるものだ」と同プロジェクトのGoogle+ページの記事に書かれている。

もちろん出発的から目的地まで人を運ぶことが、Google自動走行車の主たる目的だが、異なるアプローチが必要になる様々な利用場面も同社が想定していることは明らかだ。

例えば、自動走行車は障害のある人や高齢車にとって極めて有用だが、アクセシビリティー ― 車椅子の乗り降り、視覚障害者のインターフェース等 ― の問題がすぐに浮上する。Padificaのような大型のプラットフォームは、こうした問題の探究にはより実用的な実験台になるだろう。

Fiat Chrysler Automobilesから、約100台の車がGoogleのセンサー装置塔載のために用意される。現在は、同社のカリフォルニアテストコースでのみ試験が行われている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「つながった車」にも、ウィルス対策ソフトが必要になる

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「つながった車」は互いに話すこと(vehicle-to-vehicle、V2V)が可能で、これからは走っている都市とも話せるようになる(vehicle-to-infractructre、V2I)。これは、私たちの車に悪い連中が話しかけてくるかもしれないことを、Jeepをハックする実験が示している。しかし、危険はハッキングだけではない。なぜなら、コンピューターのあるところには、必ずコンピューターウィルスが潜んでいるからだ。

これが、Argus Cyber Securityの取り組んでいる問題だ。たしかに、現時点で車から車へと多くのウィルスが伝染することはない。なぜなら、自動車がネットワークにつながったのは比較的最近のことだからだ。しかし、ArgusのVP、Yoni Heilbronnはメールのインタビューで、2020年に出荷が予想される9000万台の自動車のうち、約7000万台はつながっているという。コンピューターにウィルスがいると、データを盗まれたり悪用されたりして、それでも十分に困るが、車の中で起きた場合には物理的被害の可能性もある。

それでもまだ、車を完全に捨てて、大きな車輪の自転車で通勤する理由にはならない。自動車メーカーとIT企業は、協力して何年にも渡りこの問題の解決に取り組んでいる。「サイバーセキュリティーに効く銀の弾丸はない」とHeilbronnは言う。「『弾丸の種類』が必要だ」。それは、ハードウェアに組み込まれたセキュリティー対策や、多重に設定されたソフトウェアセキュリティーを意味する。「その組み込まれたソフトウェアを遠方からアップデートできれば、自動車メーカーや運送会社にとって強力なツールになる」とHeilbronnは言う。

消費者は、自分のつながった新車にArgusやその他のセキュリティソフトウェアが塔載されているかどうか、尋ねない限り知ることはない。車の安全とセキュリティーの責任を持つのは、究極的には自動車メーカーだからだ。「消費者はわれわれの存在を知らないかもしれないかもしれないが、ギリシャ神話のように、Argus[アルゴス]は監視する目となって、システムが成すべきことをし、それ以外決して何もしないことを確認する」。セキュリティーのニーズと標準が変わるにつれ、近いうちにMcAfeeやKasperskyをパソコンのために買うように、Agrusのソフトウェアを車のために買えるようになるかもしれない。

周辺機器のセキュリティーもすぐ重要になるかもしれない。なぜなら、既に車自身に様々な脆弱性が組み込まれているからだ。例えばダッシュボード下のOBD IIポートに差す「ドングル」がある。これは保険会社が利用量ベース料金のために使用することが多い他、運転のくせや車両の統計データを追跡する Zubieのような装置もある。これらのデバイスは外の世界と通信するが、それは外の世界からも通信できることを意味している。

「ドングルは車と物理的に接続し、内部ネットワークともつながっているので、あらゆるマルウェアがドングルのセキュリティー基準を破る可能性があり、通信リンクを通じてCANバス[車載マイクロコントローラーが通信するためのプロトコル]に悪意あるコードを注入し、車の操縦に望まない影響を及ぼすかもしれない」とHeilbronnは言う。ただ、現時点では「可能性がある」と彼が言っているのは明るい話題だ。

しかし約2年前、Argusは実際にZubieデバイスの脆弱性を発見し、遠隔から侵入して車の全制御を奪えることを示した。ArgusはZubieに責任ある情報開示を求め、同社は問題を修正し、改善を約束した。

〈つながる〉とは、単に携帯電話と車を無線で接続することだけではない(ちなみにそれも、潜在的な脆弱性である)。V2VとV2Iの通信は、無人走行自動車にとって重要なテクノロジーになるだろう。この通信を確実に信頼できるものにすることは、今後の発展にとって重要な検討課題だ。

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これがGoogleの自動走行車が起こした接触事故のビデオだ

去る2月14日、Googleの自動走行車がAIによる自動運転中に初めて接触事故を起こした

Associated Pressは、事故当時のバスの車載カメラの映像を入手することに成功した…それは…(関係者全員にとって幸いなことに)事故報告書から想像した通りのありふれたものだった。ある時点でバスの運転手はサンドイッチを食べるのをやめたように見える。

幸い事故による怪我人は報告されていない。Googleは、今回の事故を起こしたロジックを既に修正したと言っている。

アップデート:残念なことにビデオは削除されたようだ。別のコピーを探している。

アップデート #2:誰かがYouTubeに再アップロードしたようだ。新しいビデオを上に貼ってあるが、最初のビデオが削除された理由がわからないので、これも消えるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの自動走行車、AI運転中に接触事故を起こす

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実はGoogle車はここ数年で10回以上接触事故を起こしている ― しかしこれまでのケースでは、事故が起きた時実際に操縦していたのは、当局に乗車が義務づけられている人間ドライバーだった。

今回のケースでは、車両は自動運転モードだったことをGoogleが明言している。

DMV(車両管理局)の報告書にはこう書かれている:

GoogleのLexusモデル無人走行車(以下「Google AV」)は、無人モードでマウンテンビュー市エルカミノレアル通り東方向の右端車線を走行し、カストロ通りとの交差点に接近していた。Google AVは交差点に近づくとカストロ通りに赤信号で右折する意志を表示した。Google AVはその後車線の右側に寄り、同じ車線を直進するために停止していた他車を追い抜いた。しかし、Google AVは、前方を阻んでいた雨水排水口を囲む砂袋を避けるために停止しなくてはならなかった。何台かの車が通過した後、Google AVは砂袋を避けて中央車線に戻り始めた。後方から公共輸送バスが接近してきた。Google AVのテストドライバーは左サイドミラーでバスが接近するのを見たが、バスは停止あるいは減速するだろうと信じ、Google AVに走行を続けさせた。約3秒後、Google AVが車線中央に戻ろうとした際、バスの側部に接触した。Google AVは無人モードで動行中であり速度は時速2マイル以下、接触時にバスは時速約15マイルで走行していた。

Google AVはバスの左前フェンダー、左前輪ホイール、および運転手側センサーの一つに損傷を与えた。現場での傷害は報告されていない。

要するに、Googleの車は停車中の何台かの車を避けようとしたが、路上の砂袋のために停止せざるを得ず、別の車線に合流しようとしたところ、通過するバスの側面に衝突した。Google車は、バスが減速して道を譲ってくれるものと仮定していた…怪我人はなかった。

これは珍しい例外的なケースだが、こうした例外的ケース〈こそ〉が、自動走行車の開発を著しく困難にしている。事故はどんな人間でも起こす ― ただしベイエイリアで何年か運転していれば、バスが減速して道を譲ってくれるなどと信じることはないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転車がリアルタイムで道路を「学習」するための新システム

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米ケンブリッジ大学で作られた新しいシステム、SegNetは、道路を「読んで」標識、道路標示、歩行者、さらには空も含めた様々な状況を認識する。システムは道路のRGB画像を見て、ベイズ分析を用いて場面を様々な要素に分類する。

リリース文より:

第一のシステム、SegNetは、見たことのない街の場面の画像を見て、対象物を12の区分 ― 道路、道路標識、道路標示、歩行者、建物、自転車等 ― にリアルタイムで分類することができる。明るい場所、影、夜間にも対応し、現在画素の90%以上を正確に識別している。従来のレーザーやレーダーのセンサーを用いた高価なシステムでも、リアルタイムでこのレベルの精度を出すことはできない。

第二のシステムは、位置にかかわらず車両を正しい方向に向ける興味深いしくみだ。つまり、システムは画像を「見る」ことによって「位置と方向を数メートル、数度の精度」で評価する。同システムはGPSよりはるかに優れており、分析や位置の報告のために無線通信も必要としない。

SegNetを試してみたい人は、自分の街の道路の写真を送るか、用意された写真でテストすることができる。システムが分析して何が見えたかを教えてくれる。

この種のシステムの利点は、GPSを全く使わず、3D空間の機械学習に特化していることだ。ただし、まだ完全とはいえない。

「短期的に、この種のシステムは室内用ロボット― 例えばロボット掃除機 ― でよく見かけるようになるだろう 」と研究リーダーのRoberto Cipolla教授は言った。「運転者が自動走行車を全面的に信用できるまでには時間を要するが、こうした技術の効果と精度が高くなればなるほど、無人自動車やその他の無人ロボティクスの普及に近づくことができる」。

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GoogleとFordが自動運転車の開発と生産で提携か…とくに“生産”をFordが担当するらしい

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Yahoo Autosの記事によると、GoogleFordがジョイントベンチャーで自動運転車を開発し生産する、そしてそのことを、来月ラスベガスで行われるConsumer Electronics Showで発表するそうだ。テクノロジ業界と自動車業界、両世界の大物同士のパートナーシップだ。

Googleのスポークスパーソンは、同社のコメントは何もない、と述べた。今、Fordにも問い合わせ中だ。

Yahoo Autosの記事では、GoogleはFord一社に縛られるわけではなく、自動運転車の技術に関心のあるほかの自動車メーカーと協働してもよいらしい。

でもGoogleとの提携を最初に発表したFordには、それなりの先行利益があるのだろう。Mercedes-BenzやBMW、Volvo、Teslaなどのライバルはいずれも独自に、自動運転車を売り出そうとしている。2014年の1月のCESでFordのCEO Mark Fieldsは、どこかが最初に自律的な自動車を5年以内には発売するだろう、と述べた。

上記記事によるとこのジョイントベンチャーは、Fordから完全に独立の企業体とし、自動運転車が事故などを起こしたときに責任がFordに及ばないようにする、という。今現在は、自律的自動車に関して法律も規制も何もないから、このあたりが、前から厄介な問題なのだ。でも、VolvoとMercedes-BenzとGoogleの三社は、それぞれ別々に、自律的自動車の事故に関して責任を負う、と明言している。

一方Googleは、Fordとのパートナーシップで、自律的自動車の実際の生産に関する費用やもろもろの面倒から解放される。個人や運輸交通企業が導入するときの法的手続きなどなども、Fordの方が得意だろう。Googleの協同ファウンダSergey Brinは、トップクラスのOEMたちと提携したい、と言っていた。何もかもGoogleがやるのではなく、生産に関してはパートナーを見つける、という意味だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Googleの自動運転車、速度が遅すぎて白バイに止められる

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今日(米国時間11/12)、自動運転車に乗っている人に警察官が話しかけている写真が投稿された時、 インターネットは酔いしれた。そう、止められたのだ。

なぜか? Googleによると、速度が遅すぎたから。元の投稿主は、マウンテンビューの警察官は事情を知らなかったようで、道路をパトロール中なぜそんなに遅いのかを知りたかったらしい、と言っている。

運転手と話したけど、マウンテンビュー警察はNEV(近隣用EV)を知らないようで、なぜそんなに遅く走っているのか聞くために止めたらしい。

そしてこれが、決定的瞬間の写真。

まあ、残念なことになるより安全な方がいいが、時速25マイル(40km)は断じて遅すぎない。

でも。こいつはなかなかカッコいい。Googleが新進のアーティストに絵を描かせているから。害がなければ違反ではないだろう。反則キップが切られたかどうか知らないが、Alphabetなら払える。

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本当にクールだったので、私のPhotoshop加工に悪意はない。この「事象」が来月の自動運転車レポートに載ることを期待している。

それまでの間、コメント欄で写真のキャプションを募集中。

Screen Shot 2015-11-12 at 4.06.20 PM

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

車の運転はもうすぐ違法になる

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【本稿の筆者、Jay Samitは連続起業家で、 “Disrupt You!” の著者。】

車の運転は2030年までに違法になる。われわれの経済は深刻な打撃を受けるだろう、なぜなら数百万のトラック運転手、タクシー、配達人らが職を失うから。この終わりなき革新の時代、1世紀にわたる人と自動車との関係は、永久に破壊されようとしている。

その理由は、ミレニアル世代にもUberにも気候変動にも、大量輸送手段の改善にも関係ない。運転が違法になるであろう、そしてそうなるべき理由は、今われわれが交通事故死という世界最大の早期死亡原因のひとつを未然に防ぐテクノロジーを手にしているからだ。毎年全世界で120万以上の人たちが交通事故で亡くなっている(朝鮮戦争の双方で発生した犠牲者数よりも多い)。

昨年、27万5000人以上の中国人、28万8000人以上のインド人、および3万3000人のアメリカ人が、回避可能な交通事故で死亡した。ラルフ・ネーダーがこの産業を「どんなスピードでも自動車は危険」と1965年に初めて指摘して以来、自動車メーカーは車の安全性と信頼性を飛躍的に改善してきた。

シートベルト、エアバッグ、アンチロックブレーキ、タイヤ空気圧監視システムはいずれも交通事故死を減少させた。しかしこれまで、自動車メーカーは交通事故死の唯一最大の原因に対処できていない:人的過誤だ。今われわれは数百万の命を救うテクノロジーを手にしているが、社会としてその利用を義務化する意志力を、果たしてわれわれは持っているだろうか?

無人走行車は、飲酒運転も、わき見運転も、運転席で居眠りをすることもない。

Googleの無人運転車は、人間運転車が支配する路上で既に100万マイル以上を走行している。儚き命のわれわれ人間と同じ現実世界の道路条件のもとで、自動走行車は雨やみぞれや雪の中を走ってきた。これらの無人車両は、地球40周分に相当する距離を走った ー 事故を起こすことなく。

実際には、無人運転車は人間運転車に11回衝突されているが、事故の原因になったことは一度もない。データによると、地球上の衝突事故の94%は人間ドライバーの過誤が原因だ。そして教育や訓練にどれほど時間をかけても、ハンドルを持った人間の行動は改善されない。今やアルコールは、世界の交通事故関連死全体の1/3以上の原因である。

合衆国では、事故の4件に1件が、ながらスマホ運転によって起きている(飲酒運転による事故の6倍以上)。人間の手にテクノロジーを持たせれば持たせるほど、運転習慣は悪くなる。そしてロボットと異なり、人間には休息が必要だ。国立睡眠財団によると、成人ドライバーの69%が月に一度以上運転中に眠気を感じている。

無人走行車は、飲酒運転も、わき見運転も、運転席で居眠りをすることもない。車両には、カメラ、赤外線センサー、ネットワーク接続された地図、その他様々なソフトウェアが装備され、人間には成し得ない方法で正確に危険を回避することができる。

早めにブレーキをかけ、素早く方向を変え、人間の目には認識されない道路条件の変化(例えば、ヘッドライトの可視範囲外の障害物)を予測することができる。ロボットは、人間が操縦する車よりも効率的かつ効果的に、互いに情報交換することもできる。

ロボット車向けのWazeを想像してほしい:数百万のドライバーに、最適な速度を教えることで、渋滞を緩和し、通勤時間を短縮し、費用のかかる道路拡張プロジェクトの必要性を排除したソフトウェアだ。

英国政府は自動走行車が人々の命を救い生活を改善することを確信し、英国を自動走行車の規則をテストしそのための部品を製造するための世界的ハブとするための試行に、最近5000万ポンド以上を投資した。米国では、ミシガン大学が32エーカーの土地を、自動走行試験トラック専用に準備している。

TeslaのCEO Elon Muskは、「人々は車の運転を法律で禁止するかもしれない、なぜなら危険すぎるから」と公言して世界を驚かせた。20億台の時代遅れの車両が走る今、無人走行車への完全移行には20年近く必要だろう。

しかし、ワシントンDCのEno Center for Transportationによると、部分的な普及によっても、米国だけで年間2万1000人の命を救うことができる。われわれ全員、人間による運転を2030年までに禁止する努力をする必要がある ー 自分たちの命がかかっていると思って。さもなければ、2000万人の人々が不必要に亡くなっていく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google自製の完全自動走行車がマウンテンビューの路上を走り始めた

2015-06-26-google-car

Googleは自動走行車プロジェクトの情報をアップデートし、最新のプロトタイプがすでにマウンテンビューの路上を走っている ことを明らかにした。これは昨年12月にGoogleがお披露目したキュートなミニカーの改良版で、Googleがすべてを内製した。完全な自動運転を目的としており、車内にはハンドルなどのコントロールがない。

ただし現在は路上テストの際には万一の事態に備えたバックアップのドライバーの搭乗が義務付けられており、取り外し可能なハンドル、アクセル、ブレークなどが装着される。また自動運転モードでは最高速度は時速25マイル(40キロ)に制限される。ソフトウェアはLexusに搭載されてすでに長距離を走っているものと同一だ。

Beta public roads edit

Googleのパンダ風のミニカーは先週からスタートしたデザインを公募するプロジェクトのおかげで一層かわいくなった。Googleは「私のコミュニティー、私の隣人」というキャッチフレーズを掲げて、カリフォルニアのアーティストから自動走行車をさらに親しみやすくするペイント案を募集している。

自動走行車が人間の運転より安全だといかに統計的に証明しても、人間というものは統計ではなかなか動かないものだ。むしろかわいらしいボディーペイントの方が普及には効果的かもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、独自デザインの「完全無人運転車」の実車プロトタイプの写真を発表

Googleはここ何年も自動運転車の開発を続けてきた。しかし最近までベースになるのは市販車両で、独自にゼロから車体を開発することはしていなかった。

しかし2014年の5月に、Googleは初の社内開発の車体のモックアップを公開した。今日(米国時間12/22)、その実車のプロトタイプの写真が公開された。

今年5月に発表されたモックアップ

下が今日発表された最終プロトタイプ。

ご覧の通り、実車はモックアップとほとんど同一だ。依然としてリチャード・スカーリーの児童書に出てきそうな印象だが、多少の改良も加えられている。たとえば、

  • ヘッドライトが装備された。これは必要だ。レーダーで周囲を認識する自動走行車はヘッドライトなしでも走れるかもしれないが、他の車が自動走行車を認識するにはライトが必要だ。
  • フロントグリルに赤い反射板のスポットが追加され、全体としてこの  絵文字っぽさが薄れた。.
  • 車の屋根のハードウェア(カメラ/レーダーが毎分数千回転して周囲を認識する)が小型化され、ケースの中に収められた(70年代のパトカーの回転警告灯そっくりだ)。

もちろんわれわれが完全自動運転者を利用できるようになるまでには長い時間がかかるだろう。自動駐車とか高速道路での自動追従走行とかはすでに実現しつつある。しかし自動車が独自の判断で混雑した町中を雨や雪、歩行者などをクリアしつつ走り抜けるためには超高精度の3Dスキャン、それを解釈するアルゴリズム、法制度の整備など山のようなハードルが待ち構えている。

Googleによればこの完全自動運転ミニカーはこのクリスマス休暇中にプライベート・テストコースを走り始め、2015年中に北カリフォルニアのどこかの路上でテストが開始されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


よくぞここまで来たGoogleの自動走行車プロジェクト―発端は75年前のNY万博のGM館だった

Googleはこの数年で自動走行車テクノロジーを大きく前進させた。今週は自動走行車にジャーナリストを乗せてマウンテンビュー付近を走らせるプロジェクトを始めている。同時にGoogleは自動走行車の開発の歴史と最近の進歩についての非常に詳しい情報を公開した。この技術的進歩と膨大なテストの成果に「よくぞここまで来たものだ」と私は大いに感銘を受けた。

Googleによれば、自動走行車のコンセプトは1939年のニューヨーク万博でGMが提供したFuturama館にさかのぼるという。Google自身がSebastian Thrunをリーダーとして自動走行車プロジェクトを開始したのは2009年だった。

当初の目的は比較的限定(といっても巨大だが)されたもので、高速道路だけを対象としていた。それが昨年あたりから、複雑な道路標識を解読し歩行者や自転車の安全を守らねばならない混雑した市街地を安全に走ることに拡大された。

このためには視覚認識の高度化、道路上で起こりうるあらゆる事態をあらかじめ予測するソフトウェア・モデルの開発が必要になった。

しかし、さすがのGoogleをもってしても、市街地を安全に走行するソフトウェア・モデルの開発にはなみなみならぬ困難が伴った。 Googleによればマウンテンビュー市内の道路を毎週1本ずつ新たに走行範囲に加えていったという。しかし実用化にはもっと複雑な市街地の道路、州や自治体ごとに異なる交通法規や運転者の習慣、マナーなどに対応していかねばならない。Googleは「今後信号のない4方向一時停止の交差点、レーンチェンジ、合流などでは、手による合図、頭の動き、アイコンタクトなど人間の社会的行動の解析が必要になる」としている。

Googleの自動走行車はすでにある意味人間以上の能力を獲得している。たとえば、この5年間の路上走行実験での事故率は文字通りゼロだ。衝突その他の事故を一度たりとも起こしていない。Googlカーはレーザー、レーダー、方向センサー、位置センサーが常に周囲360度をモニタしている。こうした情報は車載コンピュータで即座に処理され、正確性、重要性が判断され、車を取り囲む周囲の状況の詳細なモデルがリアルタイムで作成される。どんな情報が収集され、どう処理され、その結果どのような行動が必要だと決定されるのか、自動走行車の意思決定プロセスが下に図解されている。

自動走行車プロジェクトの最終目標はどんな状況にも100%の正確さで対処でき、 交通事故全体の93%を占めているとされる人間のミスによる事故をゼロにすることにある。現在までにGoogle自動走行車は70万マイル(112万キロ)を無事故で走ることに成功している。車両自体は改造を施したレクサスのSUVだ。

自動走行車がわれわれ一般人の日常に広く使われるようになるのはまだ時間がかかるようだ。Googleは自動車メーカーと量産について話し合いを始めており、限定製造の開始の時期をおおむね6年後と考えている。市販はしばらく先のこととはいえ、75年前の万博の夢想からすれば自動走行車はもうすぐ手の届く現実になりつつある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+