WhatsAppが誤情報と闘う「ウェブを検索」機能を一部の国で公開

世界有数のインスタントメッセージングプラットフォームFacebook(フェイスブック)傘下であるWhatsApp(ワッツアップ)が、受信したメッセージの真偽を確認しやすくする新機能を一部の市場で公開した。

WhatsAppは、ブラジル、イタリア、アイルランド、メキシコ、スペイン、英国、米国のユーザーに対し、5回以上転送されているメッセージの横にある虫眼鏡のアイコンをタップすると、その内容についてウェブを検索・確認できるようにした。

WhatsAppが「ウェブを検索」と呼ぶこの機能は、テキストメッセージをブラウザ経由でアップロードするものだ。つまりWhatsApp自体はメッセージの内容を一切見ないと同社ブログで説明している。ちなみにこの機能は今のところ、画像とビデオの検索には対応していない。

この機能は実験段階ではあるが、WhatsAppのAndroid、iOS、ウェブアプリで利用できると同社は説明している。この機能は数カ月前からテストされてきた。今後、ほかの国にいつ展開されるかは不明だ。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界中で広がり、人々は友人や家族、同僚とこれまで以上にWhatsAppなどのメッセージングプラットフォームで連絡を取り合うことが多くなっている。この新機能は、こうした状況で公開された。

WhatsAppは近年、同プラットフォーム上での誤情報の拡散を防ぐ必要に迫られてきた。ここ1年間で同社は、情報の流れをコントロールするために新機能を導入したり制限をかけたりしてきた。

2020年4月にWhatsAppは、同プラットフォーム上でメッセージを共有できる回数を制限した。5回以上転送されたメッセージにはこの制限が課され、一度に1つのチャット(連絡先)にしか転送できないとWhatsAppは説明していた。その数週間後には「大量に転送される」メッセージの量が全世界ですでに70%減少したと発表された(未訳記事)。

またWhatsAppは世界各地のファクトチェック機関の協力を得て、口コミで広がっている情報を確認できるようにした(WhatsAppのFAQ)。

最近のWhatsAppが急いでタイムリーな対応をとっているのは明らかだが、アプリ上での誤情報はなくならない(ウォール・ストリートジャーナル記事)。例えばWhatsAppの最大のマーケットであるインドでは、数カ月前にインド政府の決定に関する不確かな説明や新型コロナウイルスの「治療法」がプラットフォーム上で拡散されていた。

テック企業が人間の愚かさと闘うためにできることはわずかだ。

画像クレジット:WhatsApp

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(翻訳:Kaori Koyama)

WhatsAppが一時ダウン、メッセージ送受信が不能に

WhatsAppが米国時間7月14日火曜日に一時的にダウンし、Facebook(フェイスブック)傘下のエンドツーエンド通信が暗号化された同メッセージングアプリで、メッセージの送受信ができなくなった。

影響を受けたユーザーは、メッセージを送信しようとしたときに「接続中」と表示されているのを見たかもしれない。障害は16時頃に始まり、16時30分頃までには復旧したようだ。

WhatsAppがサーバーへの接続に失敗。画像クレジット:TechCrunch

ダウンの報告があった時、フェイスブックの広報担当者は停止を確認したが、詳細は明かさなかった。

「現在、一部のユーザーがメッセージの送信に問題を抱えていることを認識しており、我々はすべてのユーザーのためにWhatsAppをできるだけ早く復旧させるべく取り組んでいる」と、広報担当者はその後に述べている。

WhatsAppは2020年初めにユーザー数が20億人を突破した。フェイスブックは2014年にWhatsAppを190億ドル(約2兆円)で買収し、これは同社の買収のうちでも最大級の規模だった。

関連記事:フェイスブックとツイッターが香港当局へのユーザーデータ提供を一時停止、中国による国家安全法制定を受け

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

新型コロナウイルスに関するデマを暴くWhatsApp用チャットボット

WhatsApp(ワッツアップ)に何文字か書き込むだけで、新型コロナウイルス関連のデマを暴くことができるようになった。

ジャーナリズムを支援する非営利団体Poynter Institute(ポインター・インスティテュート)が、Facebook(フェイスブック)傘下のサービスであるWhatsAppで新しいチャットボットを公開した。これを使えば、世界中の人たちが、例えばこの感染症は中国・武漢の研究所から発せられたといったパンデミックに関する4000件を超えるデマの正体を暴けるようになる(武漢発祥の話は各方面で好まれている説だが、その主張を裏付ける証拠はまだ一般公開されていないため、今のところは虚偽とされる。念のためにいっておくが、ファクトチェック機関の言葉を引用したこのチャットボットは、そう示している)。

このチャットボットは、70以上の国々の100を超える独立系ファクトチェック機関が提供する情報に立脚している。Poyinter Instituteはそれを新型コロナウイルス(COVID-19)に関連するデマの暴露情報に関する最大のデータベースだといっている。このサービスは英語でのみ提供されているが、現在、ヒンディー語、スペイン語、ポルトガル語への対応に取り組んでいるところだとWhatsAppはいう。

チャットボットは次の方法でテストできる。連絡先に「+1 (727) 2912606」を登録して、「hi」と送信する。または、チャットボットの電話番号を連絡先に登録したくない場合は、http://poy.nu/ifcnbotをクリックする。

チャットボットに「hi」と送信し、「1」を送ると、チャットボットから新しいメッセージが届き、気になるキーワードまたは短い文章を入力するよう求められる。そして「origin(出所)」 や「garlic」(新型コロナウイルスにニンニクが効くという話は本当かを確かめたいとき)、その他の思いつく言葉を書いて送る(言葉を送ってから2、3秒待つと答えが返ってくるので、次の言葉を送るまで少し待とう)。

チャットボットはユーザーの国を特定し(モバイル機器の国番号を参照する)、その国に最も近いファクトチェック機関が審査した結果が示される。同時に、新型コロナウイルスに対処するための一般的なヒントも与えてくれる。

利用規約には、無料で24時間使えるとある。また、質問や調査機関やプログラムのパートナーからの回答とその他の対話を匿名化して集計し、共有する旨も書かれている。しかし「個人情報は絶対に共有しません」とのことだ。

IFCN(国際ファクトチェッキングネットワーク)のBaybars Orsek(バイバース・オーセック)氏は、声明の中で「毎月、友だちや家族とつながっていたい数十億人のユーザーがWhatsAppを頼りにしています。現在のような困難な時期には、すべてのプラットフォームで偽情報を広めて人々を惑わそうとする悪い人間が現れるため、ファクトチェック機関の仕事はこれまで以上に重要になります」と述べている。

この新しいチャットボットは、20億人以上のユーザーを擁するWhatsAppが、そのプラットフォーム上で偽情報が蔓延するのを防ごうと努力した最新の結果だ。この数カ月間、WhatsAppはWHOと協力して情報サービスを立ち上げたが、利用者は1日に100万人以上に達している。フェイスブックが所有するこのサービスはまた、各国の連邦政府や州政府とともに、感染症に関する信頼できる情報の提供も手伝っている。

WhatsAppは先日、メッセージの転送に新たな制限を加え、そのプラットフォーム上での転送量を大幅に削減し、さらに3月にはPoyinter InstituteのIFCNに100万ドル(約1億700万円)を寄付した。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

インドJioMartが商品をWhatsAppで注文するシステムをテスト中

インドで最も価値評価の高い企業が運営するeコマースベンチャーであるJioMart(ジオマート)は、WhatsApp(ワッツアップ)上で「注文システム」をテストしている。Facebook(フェイスブック)とインド通信大手のReliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)のコラボレーションの初の試みだ。

ムンバイ郊外のNavi Mumbai(ナビムンバイ)、Thane(ターネー)、Kalyan(カリヤーン)の3地域のユーザーは、食料品の買い物にJioMartのWhatsAppビジネスアカウントを使用できるようになった。

+91-8850008000に「Hi」とテキスト送信すると注文を開始できる。ブラウザでミニストアが開き、練り歯磨き、スナック菓子、紅茶、コーヒー、米、食用油などの食料品が選べる。

注文が確定するとJioMartが自動的に近隣店舗を指定し、WhatsAppで請求書を送る。今のところ電子決済はできない。

1200以上の店舗がパイロットプログラムに参加している。JioMartの広報担当者はコメントを避けた。

インド最大の小売チェーンであるReliance Retail(リライアンスリテール)と、3億8500万人以上の加入者を持つインド最大の通信ネットワークであるReliance Jio Platform(リライアンスジオプラットフォーム)との合弁会社であるJioMartは、「スタッフの衛生と安全」「公正な価格」「24時間体制の物流倉庫」「店舗への毎日の配送」をうたっている。

このテストにより、WhatsAppのインドにおける圧倒的なリーチをReliance Jio Platformsがどのように活用したいかがわかる。Facebook傘下のWhatsAppはインドで4億人以上のユーザーを抱える

Facebookは先週、Reliance Jio Platformsに57億ドル(約6100億円)を出資し、9.9%の持ち分を取得したと発表した。Reliance Jio PlatformsはReliance Retailと同様、インドで最も価値評価の高い企業であるReliance Industriesの子会社だ。

Facebookのインド事業を担当する副社長のAjit Mohan(アジト・モーハン)氏はTechCrunchのインタビューに対し、両社の協力方法は模索中だが、両社のコラボレーションによりユーザーがWhatsAppで近くの店舗を見つけたり、店舗のオペレーターと話したり、あるいは注文できるようになるかもしれないと語った。

「ショップをブラウズして、ショップのオーナーと話すことができる。最終的には、こうした取り組みの結果としてWhatsAppで注文できるようにしたい。ただし、支払いにWhatsAppを使用することをユーザーに義務付けることはないかもしれない」とモーハン氏は説明した。

WhatsAppはインドで2年前に決済サービスのテストを始めた。WhatsAppは、インドで「Pay」を全国に展開するための政府承認をまだ取り付けていない。今年初めのインドのメディアの報道によると、WhatsAppはインドにおけるPayのリーチを複数のフェーズに分けて拡大し始めたとのことだ。モーハン氏は先週、インドのWhatsAppユーザーのうち100万人のみがモバイル決済サービスへのアクセスを有すると語った。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

メッセージサービスTelegramの月間アクティブユーザーが4億人に到達

インスタントメッセージサービスのTelegram(テレグラム)は、月間アクティブユーザー数が4億人に達したと発表した。これは開始から7年目となる同サービスが、2019年10月に米証券取引委員会(SEC)に開示した時点での3億人のアクティブユーザー数から、成長を続けていることを意味する。

ロシアのソーシャルネットワークサイトのVKの創設者でもあるPavel Durov(パベル・デュロフ)氏によって設立されたTelegramは、毎日約150万人のユーザーが増え、20カ国以上で最もダウンロードされているソーシャルメディアアプリであると述べた。

TelegramはZoomやHousepartyの人気が高まりを受けて、年内にセキュアなビデオ通話機能をユーザーに提供するべく取り組んでいるという。なおドバイに本社を置く同社は、2018年に発表したものの2020年初めに計画が保留されたGram cryptocurrency walletTON Blockchainの将来については語らなかった。

「Telegramと旧来の競合サービスとの人気の差が縮まるにつれ、我々は当初の仮説の妥当性をさらに見出している」と、同社はブログ投稿で述べている。

Telegramは、世界で20億人以上のユーザーを集めているWhatsAppを含む、数多くの人気インスタントメッセージングサービスと競合している。同サービスはFacebook(フェイスブック)傘下の同サービスが停止すると、ユーザー数が急増することがよくある。また、デュロフ氏はWhatsAppを最も声高に批判している人物の1人でもある。

Telegramのデスクトップアプリはオンライン機能の利用に電話が必要なく、フォルダやクラウドストレージなどのさまざまな機能により、熱心なユーザーを獲得している。

しかしこれらの機能は、少なくとも数百万人のユーザーが映画や楽曲、アプリケーションの違法コピーを配信したり、ダウンロードするためにサービスを利用するなど、Telegramのプラットフォームの悪用も引き起こしている。違法コピーの問題は、今日でも蔓延している。

Telegramは常に、政府当局やさまざまな企業の意見を無視して運営されてきたが、その結果として興味深い事例がいくつか発生している。例えば中国において同サービスは禁止されているだが、実際のところ同国は最大の市場の1つとなっている。

中国の人々は仮想プライベートネットワーク(VPN)を使ってTelegramをダウンロードし、利用している。同国での厳しい検閲の中でTelegramは2020年初めに、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する信頼できる情報を求めるWeChatユーザの避難所となった。

Telegramは米国時間4月24日、2万以上のステッカーを掲載したディレクトリを公開し、Android上の新しい添付ファイルメニューなどの改善点を説明した。同社はまた、学生のための教育テストのデータベースを作成しており、そのテストを作成するクリエイターに40万ユーロ(約4700万円)を配布する予定だと述べた。

なおTechCrunchは、Telegramが4億ユーザーのマイルストーンに達したとの情報を先週掴んでいたが、その時点では同社からの回答は得られなかった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

WhatsAppがWHOと協力して新型コロナ関連のステッカーを公開

世界中の人々が新型コロナウイルスの感染拡大と戦う中、Facebook傘下のWhatsAppはWHO(世界保健機関)との連携を深めている。米国時間4月21日、同社はWhatsAppのプラットフォーム上で1日に何十億回も使われる言葉、ステッカーでユーザーに注意を喚起する試みを始めたと発表した。

20億人以上のユーザーが利用しているWhatsAppは、「Together At Home」という新しいステッカーのセットを公開した。人々が日々経験する瞬間や感情をとらえたものだ。

WHOとの協力で開発されたこのステッカーは、英語のほか、アラビア語、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、トルコ語にローカライズされている。

WhatsAppは2018年にステッカーの機能を導入した。同社はブログで「手を洗い、対人距離を保ち、運動し、そして何より医療関係のヒーローたちや生活の中の個人的なヒーローを楽しく讃えようと人々に呼びかけるために、このセットを提供する」と述べている。

ステッカーは、インドなどの新興市場では特に人気が上昇している。Tencentが支援するインドのメッセージングサービスのHikeは、ここ数カ月で数万のステッカーをアプリに追加し、まだ提供が追いついていないと述べている。

2020年3月にWhatsAppはWHOと協力して情報サービスを開始し、数日のうちに1000万人以上のユーザーがアクセスできるようになった。新型コロナウイルス感染症に関して信頼できる情報を提供できるよう、多くの国や州政府とも協力している。

日本の人気キャラクター、リラックマを採用した、日々の気持ちを表現するのに使えるステッカーセットも世界中で公開した。

WhatsAppはさらに新しい機能も開発中だ。現在は最大4人のビデオ通話とオーディオ通話を、最大8人にするテストを開始した。この機能がすべてのユーザーに公開されれば、ここ数週間でユーザー数を急激に増やしているHousepartyやZoomの直接の競合になるかもしれない。

WhatsAppは先日、アプリ上でのメッセージの転送に新たな制限を適用した。また、受信したテキストやメディアコンテンツの正確さを確認するのに役立つ新機能を開発中であることも認めている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

WhatsAppが誤情報の拡散を遅らせるためにメッセージの転送回数を制限

Facebook傘下のインスタントメッセージングサービスのWhatsAppは、誤った情報の拡散を減らす取り組みとして、新たにメッセージの共有回数に制限を課す。

米国時間4月7日、WhatsAppはすでに5回以上転送されたメッセージには制限がかかり、一度に1つのチャット(連絡先)にしか転送できなくなると発表した。

WhatsAppの広報担当者はTechCrunchに対し、同日中にこの変更を世界中のユーザーに適用すると述べた。

この対策は、一度に5人を超えるユーザーへのメッセージの転送を制限するという2018年以降の取り組みを発展させたものだ。WhatsAppのユーザー数は20億人を超えており、この取り組みにより全世界で転送されるメッセージの量を25%減らせたという。

WhatsAppのメッセージはエンド・ツー・エンドで暗号化されているので、内容を読み取ることはできない(暗号化に関して同社はいくつかの市場で闘っている)。そのため、メッセージのメタデータでどの程度拡散しているかを測定する。

WhatsAppはブログに次のように書いている。「転送はすべて悪いことか? もちろんそうではない。しかし転送の量が大幅に増え、ユーザーからは、圧倒されてしまうし誤った情報の拡散を助長しかねないという声が出ている。我々は、誤ったメッセージの拡散スピードを抑え、WhatsAppを個人の対話の場にしておくことが重要だと考えている」。

ここ数年、Facebook社のサービス上で誤情報が拡散したことに関連する死者が少なくとも十数人出ており、その一部はWhatsAppの最大の市場であるインドで発生している。

世界中が新型コロナウイルスのパンデミックに取り組む中、Facebookもここ数週間でいくつかの動きを見せている。3月にはCOVID-19と闘うためにMessenger用の無料のデベロッパーツールを発表した。また、ニュースフィードの最上部に情報センターを置き、信頼できる情報を目立つように表示している。

さらに同社はWHO(世界保健機関)などの非営利団体と連携してヘルプラインを構築し、多額の寄付も表明した。MessengerとWhatsApp上で展開されているWHOのヘルプラインは、開始後数日で1000万人以上がアクセスできるようになった。インド政府は3月に、WhatsApp上にヘルプデスクのボットを開設した。

しかしFacebookの広大なリーチは、詐欺師たちにとっても魅力だ。Messenger担当副社長のStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏は同社のサイトで「残念なことだが、詐欺師は現在の状況での人々のもろさと寛大さを悪用しようとするかもしれない」と書いている

WhatsAppはAndroidアプリのベータ版で、ユーザーが受信したメッセージのテキストやビデオをウェブで検索する機能もテストしている。

画像クレジット:@shrinivassg

WhatsAppの広報担当者は、この機能を近い将来に公開する予定だと語った。

トップ画像:Yucel Moran / Unsplash

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(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookが訴訟相手のNSO Groupのスパイウェアを自分が使おうとしていた可能性

Facebookの子会社であるWhatsAppは、イスラエルのモバイルスパイウェアメーカーのNSO Groupに対する訴訟の真っ最中だ。しかし、NSOの創業者であるShalev Hulio(シャレフ・フリオ)氏の証言によれば、FacebookはNSOのやり方に文句を付ける前に、自分自身の目的のために彼らのソフトを使用したいと考えていたようだ。

昨年WhatsAppを使用するデバイスに、NSOのスパイウェアパッケージであるPegasusがインストールされる危険性があったことがニュースとして流された。これを受けてWhatsAppはNSOを訴え、100人以上の人権活動家、ジャーナリストなどがこの方法を使って標的にされたと発表した。

関連記事:WhatsApp blames — and sues — mobile spyware maker NSO Group over its zero-day calling exploit(WhatsAppはゼロデイコールの悪用についてモバイルスパイウェアメーカーNSO Groupを非難し訴えた、未訳)

一方フリオ氏によれば、Facebookは、ユーザーのあらゆるデータを収集するためのバックドアを仕込むために、2013年に買収したVPNアプリのOnavoを昨年ついにシャットダウンした。それほど内容を気に入らなかったからというのが理由だ。そして米国時間4月4日に裁判所に提出された文書でフリオ氏は、2017年にFacebookがNSO Groupに対して、通常のやり方よりも効果的なiOSデバイス上でのデータ収集を支援するよう要請してきたと述べている。

2017年10月にNSOは、原告の訴状で議論されているものと同じ、NSOのソフトウェアであるPegasusの、特定の機能を使用する権利を購入したいとする、2人のFacebookの担当者から接触を受けた。

Facebookの担当者は、FacebookがOnavo Protectを介してユーザーデータを収集している手段は、Apple(アップル)デバイス上ではAndroidデバイス上よりも効果が薄いことを懸念していると述べた。Facebookの担当者たちはまた、FacebookはPegasusの機能を利用してアップルデバイス上のユーザーをモニターすることを望んでおり、Onavo Protectユーザーをモニターする機能にお金を払う用意があると述べた。FacebookはNSOに、Onavo Protectユーザー1人ごとに月額料金を支払うことを提案したのだ。

NSOは、そのソフトウェアを法執行目的でのみ政府に提供すると主張しているため、その提案を拒否した。しかし、Facebookが後にユーザーに対して使われたことを非難することになった、まさに同じソフトを、当のFacebookがかつて採用しようと考えていたというのは一種の皮肉だ。(WhatsAppは、親会社のFacebookからのある程度の独立性を維持しているが、これらの一連の出来事は、買収とFacebookへの組織統合の直後に行われた)。

Facebookの代表者は、同社の担当者が当時NSOグループに接触したことに異論はないが、この証言は「事実から目をそらすための試み」であり、「彼らのスパイウェアとFacebookで働く人びととの話し合いの両方についての、不正確な表現が含まれている」と述べている。おそらく、近いうちにFacebook自身が提出する書類の中で、全面的な反論をみることになるだろう。

FacebookとWhatsApp は、NSO Groupが開発・販売しているような効果的な秘密の侵入方法が、間違った者の手に入れば危険であることを懸念している。これは極めて正しい懸念で、活動家やジャーナリスト、さらにはジェフ・ベゾスまでもが標的にされていることからも明らかだ。しかし、Facebookの懸念がどれほど合理的であったとしても、世界で最も悪名高い個人情報の収集家であり、行商人でもあるFacebookの立場は、その正当な姿勢を真剣に受け止めて貰えることを困難にしている。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:sako)

英国はWhatsAppを利用し新型コロナウイルス情報を共有する

3年前、英政府はデフォルトでエンドツーエンドの暗号化を有効にしたとして、WhatsAppを非難した。そして米国時間3月25日、新型コロナウイルスのパンデミックに関する情報を共有するための重要なサービスとして、同国政府はこの暗号化されたメッセージングアプリに頼ることになる。

英政府が提供するこの新しいチャットボットは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックに関する公式なアドバイスを誰でも購読できるようにすることで、国の保健システムへの負担を軽減することが期待されている。

WhatsAppを使って07860 064422(海外からは+44 7860 064422)に「hi」と送ると、更新情報の受信が始まる。

英政府の公式WhatsAppアカウントは、新型コロナウイルスのパンデミックに関する情報を共有するために使用される

英政府によると、このサービスでは必要に応じて購読しているすべてのユーザーにメッセージを送信することも可能だという。

現在英国には米国とは異なり、事件や緊急事態を国民に一斉に知らせる国家による非常警報システムがない。一方で韓国は最新の緊急警報を市民に送ることで、病院の負担を軽減し感染率を低下させ、ウイルス感染の「ピークを平坦化」したとして専門家に称賛された。

英国のBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相は、3月24日に国家のロックダウンを宣言し、パンデミックの拡大と戦うために市民と住民の不要な移動を禁じ、自宅に滞在するよう命じた。

英国の当局は早期に自宅待機命令を出さなかったことで、批判を受けていた。イタリアやニューヨークなど感染率が急上昇している国や都市では、自宅にとどまるよう市民に命令している。

3月25日の時点で、世界中で43万8000人以上の新型コロナウイルスの感染が確認され、1万9000人の死亡が記録された。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

WhatsAppがウェブ検索でメッセージの真偽を確かめる新機能をテスト中

Facebook傘下で、世界中で20億人ものユーザーを抱えるインスタントメッセージングプラットフォームのWhatsAppは、受信したメッセージの真偽をもっと簡単に確かめるための機能をテストしている。同社はAndroidアプリの最近のベータ版で、一部のユーザーに対して受信したテキストやビデオについてウェブを検索し、もっと多くの情報を得る機能を提供している。

WhatsAppは数四半期にわたってこれに関する機能をテストしてきた。昨年はウェブで画像を探す機能を一部のユーザーに提供していた。このほど同社の広報担当者はTechCrunchに対し、この機能を近い将来に公開する予定であることを明かした。

広報担当者は文書で次のように説明した。「何度も転送されて回ってきたメッセージの情報を詳しく確かめられるように、この新機能に取り組んでいる。この機能は現在テスト中で、近い将来に公開できることを楽しみにしている」。

画像:@shrinivassg

新型コロナウイルスの流行が世界的に拡大している中、友人や家族、同僚と連絡をとるために、WhatsAppをはじめとするメッセージングプラットフォームの利用が増えている。このような時期のテストはタイミングが良い。

そして過去にも同様のことがあったように、今回はコロナウイルスに関して、WhatsAppなどのプラットフォームは誤った情報の拡散防止に取り組んでいる。今回のWhatsAppの動きは迅速だった。2月には各国政府に対し、正確な情報の提供に協力するとの働きかけを始めていたという。

現地時間3月21日にインド政府は、WhatsAppのbotでコロナウイルスに関する情報を提供すると発表した。3月20日にはWHOも世界中の人に対し、コロナウイルスの誤解を正し、この病気についてのよくある質問に答えるWhatsAppのボットを発表した。

WhatsAppは「WHOヘルスアラートはWhatsAppで利用できる公式のNGOまたは政府のヘルプラインで、シンガポール政府、イスラエル保健省、南アフリカ保健省、インドネシア情報通信省が参加している。我々は、これ以外の各国でもサービスを開始できるように積極的に努めている」と述べている。

トップ画像:Tamal Shee / SOPA Images / LightRocket / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

WhatsAppのユーザー数が20億人に、2年前から5億人増

人気のメッセージアプリWhatsApp(ワッツアップ)は2月12日、どれくらい大きな存在になったのかを自ら示した。Facebook(フェイスブック)傘下のWhatsAppはユーザー数が20億人に達し、2年前に明らかにした15億人から大きく増えた。同アプリは広告なしを維持しており、ユーザーに課金もしていない。

ユーザー数が20億人を超えたFacebookのアプリとしては2つ目で、1つ目のFacebookアプリのユーザー数は25億人となる。Facebookは1月下旬の決算報告で、毎日FacebookかMessenger、Instagram、WhatsAppのどれかを利用するユーザーは226000万人で、前四半期の22億人から増えていると話した。これらのアプリファミリーの総月間ユーザー数は28億9000万人で対前年比9%増だ。

11年前に始まったWhatsAppは6年前、Facebook190億ドル億ドル(約2900億円)で買収された。WhatsAppは本日、世界中の全顧客にエンドトゥーエンドの暗号化を提供している、とあらためて述べた。これはセキュリティ専門家が称賛する重要な機能だが、多くの国の政府が邪魔者扱いするものでもある。

「強固な暗号化は、ユーザーがWhatsAppで送信した情報を安全に保つことができる、破ることのできないデジタル鍵のようなものだ。これはハッカーや犯罪からユーザーを守る。メッセージはデバイス内でのみ保存され、誰もあなたのメッセージを読んだり、通話を聞いたりできない。我々ですらできない。ユーザーのプライベートな会話はどこにも漏れない」とWhatsAppはブログに投稿している。

各国政府の中でも、ことさらWhatsAppに暗号化をやめさせようとしているのはインド(WhatsAppの最大のマーケットであり、ユーザー数は4億人)、オーストラリア、そして米国だ。

WhatsAppのCEOであるWill Cathcart(ウィル・キャスカート)氏は過去に、メッセージプラットフォームはユーザーのプライバシーと闘うことになる、と述べている。この発言は昨年10月、ターゲットのスマホに侵入するために何百回も使われたものをつくったとして、モバイル監視アプリのイスラエルメーカーNSO Groupを連邦裁判所に提訴した際のものだ。

「強固な暗号化は現代では不可欠なものだ。我々はセキュリティに関しては妥協しない。なぜなら、妥協すると人々の安全が損なわれるからだ。ユーザーの保護をさらに強化するために、我々はトップのセキュリティ専門家と手を携えている。そして、プライバシーを犠牲にすることなく誤使用を阻止し、ユーザーに問題を報告する手段を提供するという、業界でも最先端をいくテクノロジーを展開している」とWhatsAppは述べた。

ユーザー数20億人というマイルストーンはWhatsAppにとって大きなものだ。インドのような発展途上国ではマーケティングすることなしにかなりの人気を集めてきた。インドでは多くの人にとって通話もテキストもかなり高価だ。インドでかなり浸透しているアプリはWhatsAppをおいて他にはない。

だが、WhatsAppが世界中のユーザー数をもってしても、Facebookの決算にしっかりと貢献するのは難しい。近年、WhatsAppは顧客とつながることができる事業所向けのツールを導入した。しかしそれよりも興味深いことが別のところで起こっている。

開発途上マーケットの何十ものスタートアップがWhatsAppで事業を構築しているのだ。Y Combinatorが支援するスタートアップVahanはデリバリースタートアップが労働者を探すのをサポートするのにWhatsAppを活用している。ハイデラバード拠点のスタートアップDigi-Prexは、慢性的な持病を抱える患者向けのオンラインサブスク薬局を運営している。患者はWhatsAppを通じてDigi-Prexと処方箋を共有し、Digi-Prexのスタッフが定期的に患者のもとに薬を届ける。

だが、インドにおけるかなりのWhatsApp人気は、別の問題を引き起こした。現実世界でぞっとするような事件を起こすことになった偽情報を拡散するのにWhatsAppが使用された。こうした事態を受け、WhatsAppはプロダクトに変更を加え、さらにはユーザーを教育するキャンペーンを展開しているが、道のりは長い。

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Facebookが災害対応ツールを拡張し、WhatsAppと統合

これまで80あまりの国の300件の災害で通信のために利用されてきたFacebookのCrisis Response機能が拡張される。米国時間12月2日に発表された新しい機能の中には、WhatsAppの統合、現地体験情報のサポートと共有、人道支援データに災害や避難などに関連した地図を含めるといった内容が含まれる。

Crisis Responseは最初、災害時に家族や友だちが連絡し合うささやかな機能だった。2年前にFacebookはそれらのSafety Check(安全確認)、Community Help(コミュニティ支援)、Fundraisers(募金)などのツールを、中心的なハブであるCrisis Responseへとまとめた。

本日、Crisis Responseに新たに加わったのは、被災地の人々が見たものや考えたことなどの体験情報を共有する機能だ。それらは例えば、建物の倒壊や道路の封鎖といった情報だ。これまでは、援助の要求とそれらへの対応という通信がメインだったが、これからは災害そのものの情報が加わる。

さらに、FacebookのCrisis ResponseがWhatsAppから使えるようになる。ただし、まだ浅い統合で、すべての機能ではない。ヘルプのリクエストをFacebook MessengerだけでなくWhatsAppのメッセージでも送れる程度のことだ。

Facebookの人道支援データツールであるData for Goodが、100あまりの企業団体とのパートナーシップにより拡大される。また災害地図の提供により、救援団体が支援物資の送り先を知ることができる。それらのまとめられたデータの上では、人名は匿名化されている。

Facebookによると、今回のアップデートでCrisis Responseは国や地方の行政も利用できるようになる。とくに米国では、Crisis Responseは災害救援NPOのDirect ReliefやNational Alliance for Public Safety GIS(NAPSG)Foundationもパートナーになっている。

災害地図も改良され、特ににInternational Displacement Monitoring Centreの協力により、国内避難民関連の情報が地図上でわかるようになる。また通勤のパターンや観光客の人口などの情報も、より正しくなった。新しい機能は現在展開中だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

WhatsAppがモバイル注力の小企業に向けたカタログ機能を追加

WhatsAppは、スマートフォン経由で顧客にリーチしたいと考えるビジネスオーナー向けに、専用アプリの機能を拡張する。Facebook(フェイスブック)傘下の同社は米国時間11月7日、WhatsApp Businessに新しいカタログ機能を導入した。この機能では企業は製品やサービスを紹介して共有し、一方で潜在的な顧客は写真や価格を見たり、製品の説明を読んだりすることで、購入の後押しができる。

これらのカタログはWhatsApp上のモバイルストアとして機能し、ウェブページを必要としない。そのかわり、ビジネスオーナーはアプリ設定のカタログから、販売する商品の写真をアップロードして詳細を記入でき、必要なら商品やサービスのコード(SKUなど)を含めることもできる。

これらのカタログ上のアイテムは、WhatsAppのチャットメッセージで顧客に送信できる。例えば、顧客からの商品への質問やおすすめをする場合、ビジネスオーナーは要求された情報をカタログをタップして送信できる。

このカタログは、ユーザーのオンライン活動の多くがウェブ上ではなくアプリ内で行われている、新興市場のWhatsAppユーザーとって特に魅力的だ。これらの地域では新しいユーザーはPCをスキップし、代わりに最初からスマートフォンにアクセスするのだ。

WhatsApp Businessアプリは、すでに市場で存在感を示している。今年に入ってWhatsAppは、同アプリが500万の企業に採用されたと述べた。

今回のカタログ機能は、ビジネスプロファイルやメッセージへのクイック返信、チャットのラベル、自動メッセージなど、ビジネスニーズを念頭に置いて設計されたほかの機能に追加される。

WhatsAppによると、この新機能はまずブラジル、ドイツ、インド、インドネシア、メキシコ、英国、米国のAndroidとiPhoneでWhatsApp Businessを利用する企業に提供される。また具体的な時期は明かされていないものの、他の地域にも近日中に展開される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

民主主義の大規模な破壊を恐れたインド政府がネットサービスを一部規制へ

インド政府は米国時間10月21日、情報仲介企業を規制する既存のルールを改定する計画であることを発表した。情報仲介企業(Intermediary、Intermediarries)とは、コンテンツの作成をユーザーに依存しているソーシャルメディアアプリケーションなどのことで「彼らは民主主義にとんでもない破壊をもたらしている」と政府は見ている。

最高裁判所に提出された法的文書で、エレクトロニクスと情報技術省(Ministry of Electronics and Information Technology)は「情報仲介企業を規制する規則を2020年1月15日までに起草する」と表明している。

さらにその文書の中で同省は「インターネットは民主的な政体に想像を絶する破壊をもたらす強力なツールとして勃興した」とコメントしている。そこで同省によれば、情報仲介企業を監視監督することによって「個人の権利や国の統一性、尊厳性、および安全性に対する現在ますます増加している脅威に対抗できる」としている。

インド政府は昨年後半に、法案協議に関するガイドラインの草案を発表した。それによると「提案されている規則は2011年の法律を改訂するもので、情報仲介企業として500万以上のユーザーがいるソーシャルメディアなどのサービスを対象とする」ことを明らかにした。

政府の職員によると、規則の今日的な改定が必要なときとは放置すれば偽の情報やインターネットのそのほかの悪用が継続的に氾濫すると思われる時代や社会状況を指す。

10月21日に提出された文書は、WhatsApp上のメッセージの発信源を明らかにするシステムを導入せよとするインド政府の要求に対するFacebookからの拒否への応答だ。WhatsAppはインドで人気最大のインスタントメッセージングプラットホームで、ユーザー数は4億人を超えている

インドではソーシャルメディアのユーザーがアカウントに、政府発行の12桁のバイオメトリックスIDであるAadhaar(アーダール)をリンクさせるべきだという意見もある。12億人がこのシステムに登録している。

Facebookの役員は「インド政府の要求である発信源の開示に応じたら、全世界のWhatsAppユーザーが享受しているエンドツーエンドの暗号化が無意味になる」と主張している。「暗号化をなくしたらユーザーの安全性とプライバシーが侵される」と彼らは主張する。最高裁判所は米国時間10月22日にFacebookの言いぶんを聴く予定だ。

インドのインターネット人口は近年増大し、業界の推計によると現在は6億人を超えている。安価なAndroidハンドセットと低料金のモバイルデータの増殖により、ますます多くのインド人がインターネットとソーシャルメディアプラットホームのユーザーになっている。

ある下級裁判所は最高裁判所に対して「テクノロジーは経済成長と社会開発に寄与する半面、ヘイトスピーチやフェイクニュース、公序紊乱、反国家的活動、名誉毀損的投稿、などなどの違法行為がインターネットとソーシャルメディアの上で急増している」と伝えた。

画像クレジット: HABIB NAQASH/AFP/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

WhatsAppがメッセージの自動消去機能をテスト中

WhatsAppのユーザーはもうすぐ、一定の時間が経ったらメッセージが自動的に消去されるように設定できる。この機能はTechCrunchが持つ有力な情報筋が、アプリのベータバージョンのコードを調べているときに見つけた。

TwitterのユーザーのWABetaInfo氏は米国時間10月1日に、最近リリースされたAndroid用WhatsAppのversion2.19.275の一般公開ベータに、ユーザーが自分のメッセージを自動消去に設定できるオプションがあると述べた

一定時間後にメッセージが永遠に消えてしまう機能は、友だちや同僚などと機密性のある情報をシェアすることのあるユーザーにとって便利だ。例えば、インスタントメッセージングのTelegramでは、それが最も人気のある機能のひとつだ。

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画像提供: WABetaInfo

Telegramには「秘密チャット」(Secret Chat)機能があって、それを使って会話をしているユーザーはメッセージが一定時間後に消える。Telegramは、テキストを同社のサーバーに保存しないと言い、テキストの痕跡を残さないためにはメッセージを転送せず、スクリーンショットを取らないことをユーザーに勧めている。

同社によると「Telegramの秘密チャットはデバイスの機能でありTelegramのクラウドの一部ではない。従って秘密チャットでメッセージにアクセスできるのは、メッセージの起点のデバイスからのみである。メッセージは、あなたのポケットの中でデバイスが安全であるかぎり安全だ」。

WhatsAppのオーナーであるFacebookは、同社のMessengerアプリに「秘密チャット」機能を搭載している。ただしその秘密チャットは、2人のユーザー間でシェアされるメッセージやメディアコンテンツがエンドツーエンドで暗号化されるだけである。WhatsAppでは、ユーザー間のメッセージはデフォルトで暗号化される。

現在WhatsAppはこの機能を、複数の人が会話に参加するグループモードでテストしている。メッセージの到着から自動消去までの時間は、5秒または1時間を指定できる。WABetaInfoがシェアした上の画像によると、グループの管理者がその秘密チャットに参加できる人とできない人を区別できるようになる。

WhatsAppのサードパーティアプリに、メッセージを自動消去できるものがあった。しかし最近WhatsAppは、セキュリティのためにサードパーティアプリを禁じている。WhatsAppの最近の月間ユーザー数は15億人を超えている。この機能の全面展開がいつになるのか、それはまだわからない。TechCrunchでは現在、同社にコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

共有受信ボックスのスタートアップ「Front」がWhatsAppに対応

チームで受信ボックスを管理するスタートアップのFrontが、新たなチャンネルとしてWhatsAppを追加した。米国時間9月5日から、WhatsApp経由のメッセージを読み、返信できるようになった。

この機能は特にWhatsApp Businessユーザー向けのものだ。Twilioで企業の電話番号を取得し、それを顧客に渡すことができる。

その後、Frontで届いたメッセージを読み、Frontのほかのメッセージと同様に扱える。特に、会話を特定のチームメンバーに割り当てれば、顧客は短時間で適切な回答を得られる。さらに情報が必要な場合は、FrontをSalesforce、Pipedrive、HubSpotなどのCRMと統合できる。

顧客に返信する前に、同僚と相談する機能もある。チャットのようなインターフェイスで同僚にアットマークのメンションを送り、WhatsAppのスレッドの途中でインラインのチャットを開始できる。回答できる段階になったら、「返信」をクリックしてWhatsAppのメッセージを送信する。

Frontは「sales@yourcompany」「jobs@yourcompany」のような一般的なメールアドレスからスタートし、Facebook、Twitter、ウェブサイトのチャット、テキストメッセージとチャンネルを増やしてきた。

すでにFrontでテキストメッセージを使っているなら、簡単にWhatsAppを追加し、新しいチャンネルとして同様にサービスを利用できる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

WhatsAppの世界最大のマーケットであるインドのユーザー数は4億人

インスタントメッセージアプリのWhatsAppが今日明らかにしたところによると、同アプリにとって最大のマーケットであるインドのユーザーが4億人という大台に乗った。

影響力のあるインドのシンクタンクのNITI AayogでCEOを務めるAmitabh Kant(アミターブ・カント)氏が7月25日に、ニューデリーで開かれたWhatsApp主催の記者会見で新たな統計を明らかにした。WhatsAppの広報は、インドで4億人超もの月間アクティブユーザーがいることを認めた。

2年以上前に、WhatsAppはインドでユーザーが2億人に達したと明らかにしていた。WhatsApp(Facebook)はそれ以来、インドにおける具体的なユーザー数を公開していなかった。

今回の数字で、インドにおいて優勢であることをFacebookは再確認したはずだ。インドではほぼすべてのスマホユーザーがWhatsAppを使っていることになる。調査会社のCounterpointによると、インドには4億5000万ものスマホユーザーがいる(一部の調査会社は若干少なく見積もっている)。

WhatsAppがフィーチャーフォン向けのモバイルオペレーティングシステムのKaiOSをサポートしていることは指摘するに値するだろう。インドではこれまでにKaiOSで動く何百万ものJioPhone端末が出荷された。加えて、複数の業界予測によるとインターネットユーザーは5億人だ。

WhatsAppがインドでユビキタスなものになるにつれ、サービスは急速的にさらなるニーズに応えるものになっていて、ソーシャルコマースアプリのMeeshoのようなビジネスがWhatsApp上で構築された。Facebookは最近Meeshoに出資し、これはFacebookにとってインドのスタートアップへの初の投資となった。そしてもちろんWhatsAppはインドで誤った情報を拡散したとして困った事態にも陥っている。

ByteDance(バイトダンス)や他の企業がインドで積極的に事業を拡大するにつれ、Facebookのインドにおけるこれまでの優勢はここ数カ月脅かされている。インドで1億2000万人ものユーザーを獲得しているByteDanceのTikTokはFacebookの最大のライバルだとされている。

WhatsAppの広報はまた、WhatsAppにとってインドが依然として最大のマーケットであるとTechCrunchに対し語った。2017年にFacebookはインドにユーザー2億5000万人を抱えていると話していた。この数字は数年間アップデートされていない。

世界で約15億人もの月間アクティブユーザーを抱えるWhatsAppは、インドでは大きな競争相手はいない。この国で競争相手になりそうなのは、Facebookが展開する他のプラットフォームであるMessengerと、デイリーアクティブユーザーが数百万人のHikeだ。いくつかのニュースプラットフォームやエンターテイメントサービスなどを手がけるインドのインターネット複合企業Times Internetは毎月インドで4億5000万人ものアクティブユーザーがいるとしている。

前述の記者会見でWhatsAppのグローバル責任者のWill Cathcart(ウィル・カスカート)氏は、WhatsAppが支払いサービスのWhatsApp Payを全ユーザー向けに年末までに展開する計画だと述べた。これについてはTechCrunchも以前取り上げている。

増加の一途をたどっているインドの支払いサービスの分野への参入は、Google  Pay、FlipkartのPhonePe、そしてPaytmとの間に緊張を生むことになるかもしれない。Facebookは現在のところ暗号通貨ウォレットCalibraをインドで展開する計画はなく、WhatsApp Payの成功は重要なものだ、とTechCrunchに対し語った。

今週あった発表の中ではまた、WhatsAppは女性の起業を促進するためにNITI Aayogとタイアップすることも明らかにした。「Gateway to a billion opportunitiesとデジタルスキルトレーニングプログラムを立ち上げることで、すでに展開されている素晴らしい取り組みに光を当て、次世代の起業家を育てたい」とカスカート氏は語った。

7月24日にムンバイで開かれた会議で、カスカート氏はインドの公共政策の大学院との提携を発表した。これは公共政策、プロダクトデザイン、マネジメントの理論とプラクティスについてのインド初のプログラムで、将来、政策立案を担う人たちにプライバシーデザインのワークショップを提供する。WhatsAppは、こうしたワークショップでは「テクノロジーが社会にポジティブな影響を与えるものになるよう、プライバシーを重視したデザインの重要性やプラクティスを模索することになる」としている。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

大統領選後の暴動でインドネシア政府がインスタなどFacebook系SNSをブロック

ソーシャルメディアに厳しい態度を取る国にインドネシアが加わった。大統領選挙後に起きた暴動で死傷者が出たことを受けてインドネシア政府はInstagram、WghatsAppの利用を一部制限した。

米国時間5月22日、インドネシア居住の多数のユーザーがテキスト以外の町メディアのメッセージをWhatsAppで送ることが難しくなっていると報告している。WhatsAppは同国でもっともポピュラーなチャットアプリだ。またFacebookのメディアも規制のターゲットなっている。#instagramdownというハッシュタグがTwitterユーザーの間で急上昇しているところをみるとInstagramもへの投稿も困難となっているようだ。

政治、法律、セキュリティー調整担当大臣のWiranto氏は記者会見でインドネシア政府はソーシャルメディアへのアクセスを制限しており、「事態の平静化を確保するため(SNSの)一部の機能を無効にしている」ことを確認したとCoconutsが報じている。

Rudiantaraコミュニケーション大臣は、以前からFacebookのメディアに批判的だったが、「ビデオや写真をWhatsAppにアップロードしようとすると相当時間がかかるだろう」と警告している。

WhatsAppとInstagramの双方を所有しているFacebookはまだインドネシア政府によるブロックを公式に確認していない。ただし「インドネシア政府と話し合いを続けている」ことは認めた。TechchCrunchの取材に対し政府のスポークスマンは次のように回答した。

インドネシア政府はジャカルタで治安上の問題が発生していることを認識しており、対処中だ。われわれはあらゆる機関を動員して家族友人との会話その他重要な情報への公衆のアクセスとコミュニケーションの確保に務めている。

インドネシア在住の多数のWhatsAppユーザーがTechCrunchに述べたところによれば、写真、ビデオ、ボイスメールなどテキスト以外のメッセージを投稿することができなくなっている。ただしWi-Fi網またはVPN経由ならこの制限にかからない。

インドネシアでは5月21日に、大統領選挙の結果が発表さた後政治的緊張が高まっていた。現職のジョコ・ウィドド氏がプラボウォ・スビアント氏を破ったことについて、スビアント氏はこの選挙結果を不当とてし憲法裁判所に訴えると述べた。

昨日、ジャカルタ州の抗議行動が暴動に発展し、少なくとも6人の死者と200人以上の負傷者が出た。地元メディアによれば、この暴動にはソーシャルメディアを利用して拡散されたフェイクニュースが大きな役割を果たしたという。

5月22日のジャカルタ暴動で警官隊に投石するデモ参加者(写真:ADEK BERRY / AFP)

サービスが当局によって強制的に遮断される経験はFacebookにとってもはや珍しいものではなくなっている。同社のサービスは多くの地域でフェイクニュース拡散の有力チャンネルの1つとなりっており、4月にはスリランカでも利用制限を受けた。 このときはテロリストの攻撃を防ぐためにサービスは数日間完全に遮断された。今週インド政府は、総選挙に関連して、Facebookがフェイクニュースの拡散防止に充分な努力を払っていないとして懸念を表明した。WhatsAppはインド最大のチャットサービスで月間ユーザーは2億人だという。

Jakarta Post(ジャカルタポスト)の記事によれば、先週、ルディアンタラ情報通信大臣は議会の委員会で次のように証言している。

Facebookは「政府の指示を遵守している」と言う。しかし我々が削除を要請した無数の記事のうち、実際にFacebookが削除した記事はほんのわずかだ。Facebookは間違いなく最悪だ。

画像: ARUN SANKAR / Getty Images(画像に編集あり)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

事業者向けのWhatsApp BusinessがiPhoneでも使えるように

WhatsAppが正式に事業者向けのアプリを発表してから1年以上になるが、最初にAndroidでのみの展開だったWhatsApp Businessアプリは今日からiPhoneでも使えるようになった。Facebook傘下のWhatsAppによると、WhatsApp Businessはデビュー以来、世界中の何百万もの事業者に受け入れらてきたが、顧客から最も多かった要望はiPhone用アプリの展開だった。

Androidバージョンと同様、iOSバージョンは小規模事業者がスマホ上で顧客とつながれるようにデザインされている。

つまり、事業者が事業内容や電子メール、住所、ウェブサイト、そして自動応答のあいさつやクイックリプライ、留守メッセージといったメッセージツールを含むプロフィールを作成することができる。

事業者はまたデスクトップコンピューターからもWhatsApp Businessを利用することができ、ここでは今年1月にチャットやクイックリプライを整理してフィルターにかけるツールの展開が始まった。その当時、「WhatsAppは500万の事業者が利用している」と答えていた。

iOSアプリはメキシコのiOS App Storeでテストされていたが、4月4日から正式展開する。

WhatsApp Businessプラットフォームは、インターネット初心者がウェブを利用するのにコンピューターの使用をスキップし、その代わりモバイルデバイスを通じてネットにつながるような新興マーケットにおいてWhatsAppの成長の鍵を握るものだ。そこでは多くのユーザーにとってWhatsAppはウェブへのポータルとなる(親会社のFacebookはもっとそうかもしれないが)。

メーンのWhatsAppアプリを通じてユーザーは友達や家族とつながり、関心事にフォーカスしているグループに加わり、ニュース(または、残念ながらフェイクニュースやでっち上げといったWhatsAppがいま防ごうとしているもの)を受け取る。事業者と簡単に連絡がつくというのは、顧客にサービスを展開するというだけでなく、収益をあげるという意味においてWhatsAppにとって明らかに次のステップとなる。

WhatsAppは、大量のメッセージを受信するBusiness API顧客に課金することで収益を得る。iOS向けの無料WhatsApp Businessアプリはブラジル、ドイツ、インドネシア、インド、メキシコ、英国、米国のApp Storeで今日から利用できる。

WhatsAppは「今後数週間内にさらにいくつかのマーケットで展開する予定」としている。

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(翻訳:Mizoguchi)

WhatsAppがフェイクニュース拡散防止のために新しいプライバシー設定を追加

米国時間4月2日、WhatsAppはフェイクニュースや誤報の広がりをおさえてユーザーを保護するための新たな方法を発表した。この新しい機能を使ってユーザーは、誰が自分をグループに追加する権限を持つかを制御できる。同社はこれを「悪用を制限し」、ユーザーの電話番号を保護するのに役立つとしている。これに関連して、アプリにはさらに保護を高める機能として招待のシステムが導入され、招待を受け取ったグループを調べてから参加するかどうかを決められるようになる。

インドの選挙に先立ってWhatsApp Messengerにインド国内でファクトチェックの情報受付窓口が設けられた翌日に、プライバシーの設定ができるようになった。

ほかのソーシャルプラットフォームと同様に、WhatsAppもフェイクニュースの拡散の舞台となってきた。例えばブラジルでは、WhatsAppのプラットフォームは嘘、陰謀説、誤解を招くプロパガンダであふれていた。

この種の偽りの情報は常に家族や友人から届くわけではなく、グループチャット、それも本人の意に反して追加されたチャットに入ってくることがある。

WhatsAppの最大のマーケットのひとつであるインドは、まさにこの状況に当てはまる。

ウォール・ストリートジャーナルが報じた通り、インドの政党は、カースト、所得レベル、宗教ごとに構成されたグループに対してメッセージを爆発的に拡散させるためにアプリを使う。WhatsAppの親会社であるFacebookがフェイクニュースを厳しく取り締まるようになってから、偽情報の数は急速に増えた。昨年の偽情報の報告数は1日に数十件だったが、それが1日に数百件となった。またWhatsAppは世界中で1カ月に200万件の疑わしいアカウントを削除しているとウォール・ストリートジャーナルは伝えている。

グループに追加されるかどうかをユーザーが制御できる機能はある程度は役に立つだろうが、これはユーザーが設定を深くたどって変更した場合に限られる。

このレベルの保護は、オプションで選択するのではなく、デフォルトで有効になっているべきだろう。

この新しい保護機能を有効にするには、「設定」を開き、「アカウント」→「プライバシー」→「グループ」とタップしてから、誰が自分をグループメッセージに追加できるかを「なし」「連絡先」「全員」の3つのオプションから選択する。「なし」を選択するとグループに招待されたときは常に自分が招待を承認する必要があり、「連絡先」を選択すると自分がすでに知っている相手だけが自分をグループに追加できるとWhatsAppは説明している。

「なし」か「連絡先」のいずれかの設定に変更した場合、あなたをグループに招待しようとする人には個人間のチャットでプライベートな招待を送るようにと指示が表示される。このようにして、WhatsAppの連絡先に登録されていない人からの招待を受けてグループに参加する方法は残されている。ただしあなたが承認しない場合、招待は3日で無効になる。

これは誤報やフェイクニュースの拡散を減らすことを目的としてここ数カ月にWhatsAppが変更してきたことのひとつだ。同社は昨年夏にメッセージの転送に制限をかけ転送されたメッセージにはラベルを付けるようにした。新しいスパムメッセージの警告システムのテストも実施していた。

WhatsAppは、新しい設定は一部のユーザーに対して米国時間4月2日に導入され、数週間以内にWhatsAppのユーザー全体に範囲を広げるとしている。この機能を利用するには、最新版のアプリが必要だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)