ルービックキューブを637ミリ秒で解くロボット

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Sub1 Reloadedという名前のロボットが、ルービックキューブを637ミリ秒で解いた ― 人類最速の4.9秒より明らかに速い。このロボットは自動運転車用チップメーカーのInfineonが作ったもので、コンピューターがスキャンしてパズルを解いた後、モーター6台を使ってキューブを回す。複数のアームがキューブを完成位置へとすばやく動かす。

ロボットは動きが早すぎて、面の色を合わせていく様子をほとんど見ることができない。

「一番難しかったのは、感覚情報を処理して止めるべきか、回すべきか、無視すべきかの状況を判断すること」とシェフィールド大学のNoel Sharkey教授は話した。「目の前にあるのがルービックキューブなのか、砕いてチーズケースの台にするためのビスケットの山なのかを、Sub1に尋ねるのと少し似ている」。

実はこのSub1 Reloadedは、Infineonの自動運転車用チップが200 MHzでリアルタイムにデータ処理できることを見せつけるための概念実証だ。CPU速度は驚くべき速さで向上しているので、Sub1のようなロボットが、走行中にわれわれの安全を守りながら同時に無数のルービックキューブを解くことができるのは間違いない。

おそらくギネスブックのルービックキューブ最速記録を塗りかえることだろう。しかし悲しいかな、冷たくて無感情なこの機械に3Dパズルを解くことはできても、偉業を達成した誇りを真に理解することはできそうにない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

4コア64bitの新型Orange Piは20ドル

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AndroidやLinuxの走る小さなコンピュータが必要だとする。それでいて20ドルしか手持ちがないときにはどうするか。それでもなんとかなってしまうのが現代であるようだ。Orange Pi(ラズベリーとオレンジ。果物シリーズというわけだ)が要求を満たしてくれる。このOrange Pi、当初はRaspberry Piのクローンとして15ドルの値がついたコンピュータだった。そこにシリーズの一環として、フル装備モデルが登場してきたのだ。

ボードにはEthernetポート、および3つのUSBポートも搭載されている。メモリーは1GBで、SoCにH5、CPUにCortex-A53(4コア64ビット)を採用していて、独立したグラフィックチップも搭載している。HDMI出力やカメラ入力にも対応し、電源スイッチやIRレシーバーまでも備えられている。ゲーム用途にも使えそうだし、HDビデオの再生や、さまざまな自作プロダクトにて活用することができそうだ。

スペックはこちらに詳細が載っている。冒頭に示したリンクよりオーダーすることができる。なお、20ドルでなく5ドルしかない人にはOrange Pi Zeroなるプロダクトもある。こちらもWi-FiやEthernetに対応している。多くの人が利用しているラズベリーではないが、オレンジも十分に美味しそうに見える。

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(翻訳:Maeda, H

GoogleのAIは人間の作とはまったく違う奇妙な暗号を作り出す

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2台のスマートコンピューター(AIが動いているコンピューター)に秘密の会話をさせて、別のAIに、その会話を解読するよう命じたら、何が起きるだろうか? これは、ぼくがしばらくぶりで見る、最高にクールな、暗号技術の実験なのだ。

最初に話の要点を: Google Brainの研究者たちの発見によると、そのAIの機能や設定が適切なら、それは奇妙に非人間的な暗号系を作り出し、しかもそれによる暗号化は得意だが、(第三者による)解読はそれほどでも、という結果になった。その論文、“Learning to protect communications with adversarial neural cryptography”(敵対的な暗号を作り出して自分たちのコミュニケーションを保護することを学ぶニューラルネットワーク)は、ここにある

そのタスクのルールは単純で、二つのニューラルネットワーク、BobとAliceが秘密鍵を共有する。別のニューラルネットワークEveが、BobとAliceのコミュニケーションを読む(解読する)よう命じられる。各パーティーには、“損失関数”(loss function)があるものとする。Eveと聞き手のBobが解釈解読したプレーンテキストは、オリジナルのプレーンテキストになるべく近くなければならないが、一方Aliceの損失関数は、Eveの解読言い当てからどれだけ遠いか(==Eveにとってどれだけ解読困難か)に依存する。これによって、三つのロボット間に敵対的なネットワークが生成し作られる。

研究員のMartın AbadiとDavid G. Andersenは書いている:

参加者の大まかな目的はこうだ。Eveの目標は単純で、Pを正確に再構成すること。つまりPとPEveの違いを最小化すること。AliceとBobは、明確にコミュニケーションして、PとPBobの違いを最小化したいが、ただし彼らのコミュニケーションをEveからは隠したい。現代の暗号学の定義によれば(Goldwasser & Micali, 1984など)、暗号文CはEveにとって“ランダムに見える”必要はない。そこで、暗号文には、自明的なメタデータが、それと分かる形であってもよい。したがって、一部の分布から取り出したランダムな値からCを識別することは、Eveの目標ではない。この点でEveの目的は、GAN〔xLAN, xWAN〕の敵対者たちのそれとは対照的である。一方、Eveの目標を、二つの異なるプレーンテキストから作られた暗号文を識別すること、と再構築/表現変えしてみることはできる。

この方法は次第に進化し、最後にはBobとAliceが共有鍵を使って明快にコミュニケーションできた。一方Eveは、BobとAliceが熟達するまではシステムを解読する幸運があり、その後は彼女の暗号破りの能力は失敗した。BobとAliceは暗号化された情報をうまく共有できるようになり、そして彼らのテクニックの多くは奇妙かつ予想外のものであった。それは、“人間が作り出した”暗号化手法には一般的にはない、計算に依存していた。

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最後に研究者たちが見つけたのは、BobとAliceは、彼らがセキュリティを重視しているかぎり、彼ら独自の堅固な暗号化プロトコルを巧みに編み出すことだった。一方Eveは、彼らのコミュニケーションの解読に、すごい長時間を投じた。このことが意味するのは、ロボットたちが、われわれ人間やほかのロボットに見破ることのできない方法で会話できることだ。ぼくとしては、未来の地球が解読困難な暗号を使うロボット帝皇に支配されることを、歓迎したいね。

〔お断り: 訳者は暗号学にほとんど無知なので、誤訳があるかもしれません。原文との併読をおすすめします。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

この星団から送られてくる信号は「おそらく地球外知的生命体」と科学者らが主張

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“Astronomical Society of the Pacific” 誌に寄稿した科学者らは、ある星団から送られてくる特異な信号を発見し、それは「おそらく地球外知的生命体から」であると言っている。その信号は、「以前の論文が予言した形状と正確に一致しているため、この[地球外知的生命体]仮説を裏付けている」。

「少数の太陽型星団の特異な周期的スペクトラム変調の発見」と題した論文には、その信号がある種の地球外知的生命体[ETI]の存在を示唆しているという仮説が説明されている。

「太陽のスペクトル型付近を中心とする狭いスペクトル域内にある極く少数の星団にのみ、この信号が見られるという事実も、ETI仮説と一致している」と論文の著者である、E.F. BorraとE. Trottierは書いている。

終末論カルトに走り出す前に言っておくと、問題の信号が知的生命体によって生成されたものであることが証明されたわけではない。実際、それはある種の星団で化学反応によって形成されたものである可能性もある。

「現段階では、この仮説を裏付けるために研究を重ねる必要がある」と著者らは書いている。「可能性は低いが、この信号がごく一部の銀河系ハローに存在する非常に特異な化学物質によることもあり得る」

信号は、バーストの連続からなり、地球外生命が自らの存在を伝えようとしていることを示唆していると言う。この主張に同意する人は多くない。地球外知的生命体探査協会の上級天文学者、Seth Shostakは、この論文は天文学界で議論を呼んでいる、とAstronomy Magazineに言った。

「査読者の何人か ― 3、4人以上 ― はこれが掲載されることに抵抗を感じているようだ。私もかなり懐疑的であり、特にスペクトルデータの採取や時間変化の推測方法には疑問がある。このため少々慎重になっている」とShostakは語った。

著者たちでさえ、結論までにいくつか飛躍があることを指摘している。また、結局自らの仮説を主張しながらも追加研究が必要であると認めている。

「これは複雑かつ極めて不確実性の高い問題であり、あまり深入りすべきではない」と著者らは書いている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SFホラーの世界から現れたような手作りLEDライトはハロウィーンのデコレーションにぴったり

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あなたと、あなたの友だち全員が、ストレンジャー・シングスの、頭から出血している女の子に恋してるかな? その子は、ワッフルが好きかな? きみはモンスターが怖いかな? …そんなあなたの感性にぴったりの、ハロウィーンデコレーションがあるんだ。この手作りのLED照明があれば、あなたは(もしくは女優のWinona Ryderなら*)、子どもたちとコミュニケーションして、Arduinoボードと巧妙な電子回路を使った(SF映画)Upside Downの世界へ彼らを連れていけるんだ(上図)。〔*: Winona Ryder, ストレンジャー・シングスの主演女優。〕

このプランはInstructableの教材製品として売られていて、コンピューターのメモリーのようにアドレスを指定できるLEDの列と、Arduinoのボードでできている。LEDは個別にコントロールでき、Arduinoがそのための信号を送る。子どもたちはその点滅のパターンでママに、“モンスターが来るよ”とか、“チップスをちょうだい”と伝えることができるだろう。

コードは残念ながら、ちょっとややこしいが、でも一種のランダムなパターン生成器としてはよくできている。構造はきわめて単純だから、子どもたちにも理解できるし、カスタマイズできるだろう。ハンダごてを握って、LEDの数を増やすなんて簡単だね。そしてきわめつけは、Arduinoをインターネットにつないで、そこへメッセージを送れることだ。子どもたちがその機能を使って、モンスターに庭の物置小屋に閉じ込められた話を始めたら、あなたの頭が、おかしくなってしまうだろうけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Five Appは、メッセージで手話を送れるアプリ

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Mateusz MachとPiotr Polańskiは、気軽にハンドサインを送り合うアプリを作りかった。ふたりは、小さなキャラクターが、”I love you” や “I see you” の動作をするアプリを作った。ダウンロード数は56で、諦めかけようとしていた時、作業療法士のCindy Chenから、このアプリを聴覚障害者向けに修正してくれるよう頼まれた。

その後、1万人のユーザーと15万ドルの資金を得て、ふたりはFive Appを作った。聴覚障害者と聴者がメッセージで手話を送り合えるアプリだ。何故手話なのか? それは、手話がインターネットを横断して使える万国共通のコミュニケーション手段であり、ちょっとした工夫によって、手話利用者に楽しいメッセージを送れるからだ。

アプリはiOSおよびAndroidのテキストメッセージシステムで動作する他、Facebook Messengerでもアニメーションメッセージを送れる。最大の特長は? 小さなアニメーションキャラクターの表情を変えて、怒りやイライラや喜びを表現できることだ。

目の前にいる聴覚障害者と手話で会話することもできる。これは万能の手話通訳アプリでは[まだ]ないが、チームは別のやり方でこのアプリの価値を高めようとしている。

このアプリは、ふざけたハンドサイン送信アプリから実際に有用な言語アプリへと変身し、現在ポーランド最大の聴覚障害者組織である、Migaj.plで使用されている。チームはアプリのメッセージ部分を拡張して、「ねえ、飲みに行かない」と誰にでも送れるようにしようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ディズニーが愉快な1本足跳躍ロボットをお披露目

ピッツバーグにあるDisney Researchの研究者たちは、1本足で飛び跳ねるロボットを作った。現段階では転倒せずに19回跳ねることができる。

Zachary Batts、Joohyung Kim、そしてKatsu Yamaneによるこのプロジェクトは、当初コンピューターシミュレーションとして開始され、ついにハードウェアとして実現された。研究者たちは彼らのシステムを、Marc Raibertのホッピングコントローラを使い、並列線形伸縮アクチュエーター(linear elastic actuator in paralle:またの名をLEAP)で制御している。現在それは転倒せずに、約7秒間ジャンプすることができる。

研究者たちは、一本足ロボットが、より複雑な運動のための最高のテストベッドであることを発見した。「足のあるロボットは有用です、特に有利なのは、水平ではない土地でも行動することができることで、見物客を複雑な動きで楽しませることも可能です(例えば色々な足取りで)」と彼らは書いている。「一本足のロボットは、足のあるシステムとしては最も単純なトポロジーで、跳ねるという足取りに限定されています。一本足跳躍ロボットは、運動制御アルゴリズムに対する最も簡単なテストベッドを提供してくれるだけではなく、安全で堅牢な地表移動を実現するためには高速で、力の要るアクチュエーションを必要とし、多足システムよりも大きな機械的ストレスにアクチュエーターは耐えなければなりません。こうした理由から、一本足跳躍ロボットは、足を使った移動に使用されるアクチュエーターのための理想的なベンチマークを提供します」。

私にはこいつは海賊Q-Bertのように見える、個人的にはこの1本足のロボット君主を歓迎したい。

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(翻訳:Sako)

強力なDDos攻撃アプリケーションMiraiがGitHub上でオープンソース化、逮捕回避のための煙幕か

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KrebsOnSecurityやそのほかのWebサーバーに大きなダメージを与えたボットネットのMiraiは、セキュリティの脆弱なIoTデバイスを利用して、大規模なDoS攻撃を仕掛ける。しかしその作者はこのほど、それのソースコードをGithub上に公開したらしい。

Cで書かれたその短いコードは、IPカメラなどインターネットに接続されたデバイスの上で実行される。rootのパスワードを試行によって探り当て、デバイスに侵入、事前に決めてあったターゲットにトラフィックを送る。試行するパスワードが書かれているコードは、このファイルにある。

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ハッカーはこのボットネットを使って、620GbpsのDDoSをKrebsOnSecurityへ送った。そこはBrian Krebsのセキュリティに関するブログとして、かねてから人気のサイトだ。そのボットネットは強力ではあるものの、当のIoTデバイスをリブートすれば止まる。また、デバイス側のシステムアップデートにより、被害機は徐々に減っているようだ。コードをHackforumsにポストしたハッカーのAnna-senpaiはこう述べている、“Miraiでは、telnetからだけで最大380k(38万)のボットを取り出していた。でもKrebsをDDoSしてからは、徐々にISPたちがそれらを掃除するようになった。今では最大は300k程度で、しかも減りつつある”。

Krebsはハッカーたちの逮捕を求めており、今回のコード公開は利他的動機によるものではない、と見ている。

彼曰く: “Anna-senpaiがMiraiのソースコードを公開した理由はよく分からないが、利他的な行為ではありえないだろう。悪質なソフトを開発している連中は、警察や警備会社などに居場所を突き止められそうになったら、ソースコードをばらまいて煙幕を張る。公開して誰でもダウンロードできるようにすると、コードの持ち主が即犯人、とは言えなくなるからね”。

そのコードは今Githubにあり、どうやら本物のようだ。ぼくはコンパイルしていないが、ファイルにはおもしろい情報がいろいろある。教材としての利用価値は、十分にあるだろう。もちろん、悪い連中にとっても、利用価値は十分あるけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

幽霊が出そうな青く光るサイクリングロードは、太陽光を吸収する素材でポーランドのスタートアップが作ったのだ

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ポーランドではこんなクールなことができる。上の不思議な写真は、プルシュクフという町のクールなサイクリングロードだ。道路に発光素材を敷き詰め、昼間の太陽光で蓄光すると、暗い中で10時間光り、サイクリストを、心を落ち着かせる青い光に浸す。

これを作ったTPA sp. z o.oは、未来的技術が売りのエンジニアリング企業だ。ハイウェイのような大きなプロジェクトに使いたいのだが、まだテスト中の素材なのでサイクリングロードで我慢している。首都のワルシャワでも近くやる予定だが、そのときは複数の色で光るようにする、という。

この素材は発光団(luminophore(s))と呼ばれ、光を吸収する性質があるので夜のサイクリングロードを光らせる。青を選んだのは、湖の多いマズーリ地方の景観に合うからだ。ポーランド語を読める人は、Gazeta Wyborczaへどうぞ。実際にポーランドの奥深い森林地帯へ旅して、光るサイクリングロードの冷たい美しさを満喫するのも、よいだろうね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

テンプレートを廃しブロック方式で自由度を高めた、一般人のためのWebデザインツールTilda

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メイカーに代表されるような、いろんなプロジェクトに次から次と手を出すタイプの起業家は、Webサイトも次から次とたくさん作らなければならない。そのための便利なツールとして、Bootstrap(これはやめた方がよい)やSquarespace、WordPressのクールなプラグイン、などなどがかねてからある。ここでご紹介するTildaも、そのひとつだ。

Tildaは使いやすくて応答性の良いページビルダーで、ふつうのランディングページだけなら月額15ドルで利用できる。FunkyPunkyというデザインスタジオをやっているロシアのWebデザイナーNikita Obukhovが、自分たちで使うためにTildaを作り、最近それを一般公開した。画像やテキストのレイアウトはドラッグ&ドロップ方式だから、何かを貼り付けるのは数秒で終わる。

その差別化要因のひとつが、Zero Blockと呼ばれる“Webエディター内のWebエディター”的なツールで、文字やフォントの管理(タイポグラフィー)、図形を描く、アニメーションを作る、などの作業ができる。いわばこれは、Tildaの秘密兵器だ。

Obukhovはこう説明する: “ユーザーは、予(あらかじ)めデザインされているブロックを組み合わせてWebサイトを作る。テンプレートはない。その方が柔軟性があり、ユーザーの自由度も大きい。ブロックは、わが社のプロたちの作品だから、ルックスがよろしい”。

試してみたら、こんなプロジェクトを15分で作れた。既存の写真とテキストを、ちょっと使っただけだ。終わったらすぐにそれをアップできるし、公開できる。ドメインを割り当てるのも簡単だ。とにかく、使用体験はとても快適だ。

Tildaはまだ自己資本のみで、今リピーターの顧客が約4000名いる。

あなたはまだ、Bootstrapから完全に抜け出せないかもしれないし、Tildaの月額15ドルは高いと感じるかもしれない。でも、ぼく自身の証言としては、とても使いやすいから捨てられないツールだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デスクトップ回路基板プリンターで成功途上にあるBotFactoryが$1.3Mを調達、自分の手元でプロトタイプを作れる

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回路基板は、作るのは難しくなくても、時間と手間がかかる。試行錯誤、バグ、売るための費用、などなどが積み重なると小さなプロジェクトが大きな重荷になる。そこでBotfactoryは、130万ドルの資金を調達してデスクトップのPCBプリンター(上図)を作ろうとしている。

ニューヨーク大学の院生Nicolas VansnickとCarlos Ospina、および教授のMichael Knoxは、クラスのプロジェクトでPCBを作らなければならなくなったとき、BotFactoryを着想した。クラスのほとんど全員がそのプロジェクトで失敗したのは、2週間で回路基板を作る、という部分で挫折したからだ。

Vansnickは語る、“その経験から学んだことは大きい。回路基板を簡単迅速に作れない、という問題はどんなプロジェクトにもあるだろう。だから電子回路のプロトタイプや製品を作る方法に、革命をもたらすようなソリューションが必要なのだ。それまではみんな、回路やチップをなるべく小さくすることに苦労していたけど、PCBを作る方法をなんとかしよう、とは思わなかったのだ”。

彼らの最初の製品Squinkはすでに発売され、106台売れた。あと12台、受注残がある。Squinkは言うまでもなく、ニッチ製品だ。誰もが自分の仕事場にピックアンドプレースマシンを置きたいわけではない。でもそれは、今後のもっと素晴らしいプロジェクトのスタートでもある。そのキットは伝導性インクやハンダを使って、部品を回路基板に配置していく。

今回の130万ドルの資金調達ラウンドは、NY Angelsがリーダーになった。

“究極の目標は、誰もがその場ですぐ、ローコストで回路基板を作れるような、デスクトップマシンを提供することだ”、とVansnickは語る。

これまでのPCBメーカーは、回路をアジアの製作所へ送って基板やチップが送り返されるのを待っていた。バグがあればそのフィックスに数週間を要し、発売までにさらに数週間がかかっていた。そういうプロセスの全体を机上の小さなマシンに収めることによって、BotFactoryは大量の時間の無駄を防いでくれる。

Squinkのベーシックタイプは3199ドル、より高度なバージョンが4499ドルだ。いわゆるメイカー向けの価格ではないかもしれないが、でもかつてHan SoloがSpockに言ったように、“武器を置きなさい。あなたが本当に探していたものは、こんなロボットなのだ”、と誰にも言ってあげたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MacのアンロックはApple Watch最大の機能―これがスマートウォッチをブレークさせる

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以下に述べるのは個人的体験に基づく意見であり、客観的な立場からトレンドを探ったものではないことをご承知いただきたい。一部の読者にはバカバカしい、あるいは奇妙な主張と思えるかもしれない。

つまり私はApple WatchによるMacのアンロックはスマートウォッチが実現した過去最大の優れた新機能であり、スマートウォッチをブレークさせるきっかけになり得ると考えている。他のメーカーが追随して各種のウェアラブルが他のデバイスと自由にコミュニケーションできるようになれば、コンピューティングは新時代を迎えるはずだ。

私はWatchOS 3が出るまでめったにApple Watchを身につけたことがななかった。ご承知のとおり私はメカニカルな腕時計の熱烈なファンだ。そのため普段はテスト中の製品か手持ちの製品のうちの1つを身につけていた。しかし最近はジレンマに直面することが多くなった―従来どおりiMacとMacBookのアンロックにいちいちパスワードをタイプすべきだろうか? それとも単にApple Watchを身につけるべきだろうか? 私は次第に後者を選ぶようになり、メカニカル腕時計は埃をかぶりつつある。

Apple Watchそのものにはそれほど大きなアップデートがあったわけではない。いろいろ便利になったし、最新版はスポーツファンの関心をひきそうな機能をいくつも備えている。しかし私はエクササイズや旅行にApple Watchを身につけて出る習慣がなかったので、結局あまり使うチャンスがなかった。しかしDanny Meyerが発見したように、Apple Watchは(可能性としてはすべてのスマートウォッチは)着用者の周囲の情報を収集するデバイスとして非常に優れている。同時にそうして収集したアンビエント情報、たとえば着用者の心拍数や、お気に入りのスタンプを保管したりするのに適している。そしてパスワードの保管にも非常に適していた。

私のMacパスワードは“IamnotanAppleshill”だったが、これを毎度タイプインしなくてすむようになったのがApple Watchを日頃身につけるようになった大きな理由だ。同様に、SamsungのスマートウォッチのユーザーもをWindowsやLinuxパソコンのアンロックに使う方法を研究しているという。スマートウォッチを身につけてパソコンに近かづくと自動的にアンロックされるというのは全く便利だ。

スマートウォッチがパソコンと同様、テレビともコミュニケーションしてくれるとよいと思う。私の視聴履歴を保管し、お気に入りのチャンネル、番組を覚えていて自動的にテレビをセットしてくれるような機能だ。一言でいってスマートウォッチはデジタル世界へのパスポートになり得る。コンピューターのアンロック機能は実は後からのちょっとした思いつきだったのかもしれないが、しかし決定的なものだったと思う。

1月ほど前に、スマートウォッチはスイスの時計産業にとって悪いニュースだという予言を書いた。私は今でもそうだと思っている。たしかにスマートウォッチは審美的に劣っている。伝統技術の粋を集めたメカニカル腕時計に比べればまったく威厳がない。しかし思い起こせば、Blackberryはデサインとして決して優れていなかったし、むしろ醜いともいえた。にもかかわらず、約10年に渡って世界のリーダーやセレブはボタン式キーボード付きのBalckberryを使い続けた。実用性がデザインに打ち勝つというのが現実世界の容赦ない法則だ。

Macのアンロック機能はスイスの時計産業に対するもう一つの悪いニュースだ。もしかするともっとも悪いニュースかもしれない。ともあれ私にとってMacのアンロックはApple Watch最大の実用的機能となっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Arduinoが本格的IoTキットを発表、Kickstarterで募集中

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かつてのハードウェアメーカーは、ただのハードウェアハッカーでは彼らの発明品を再現できないだろうという認識のもとで安心していた。ソニーからフィリップス、そしてLGからサムスンに至るまで、家電業界は固く閉ざされていて、そのケースにだれもヒビをいれることができなかった。あの厄介なArduinoキッズがやってくるまでは…。

今では、Arduinoのおかげで誰もがクールなハードウェアを作成できて、あなたのデバイスををインターネットに接続して外界からデータを取り込むことも、これまでになく簡単になっている。ESLOV IoT Invention Kitは、あなたのハードウェア製品にIoTの能力を加えてくれる、Arduinoの公式製品だ。サムスンを出し抜くようなネットワーク接続冷蔵庫を作ろうとしている?ESLOVを使おう。ソニーをその地位から追い落としたい?Arduinoボードの上にESLOVの1つを装着して、有名家電メーカーとの競争をリビングから始めよう。

ESLOVシステムのことは、筋肉強化剤を処方されたMindstormだと考えてみよう。この自称「プラグアンドプレイツールキット」は複数のセンサーと出力を接続し、様々なシステムの構築をさせてくれるのだ。以下の図は可能な組み合わせの一部を示したものだ。すべてはArduinoのオンラインIDEを介して制御されている。

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システムは様々なセンサと、1つのWi-Fiハブで構成されている。興味深いことに、各センサはArduino UNOにも搭載されているATmega328Pプロセッサで動作している。エントリーレベルの99ドルのキットには、WiFiとモーションハブ、ボタン、ブザー、そしてLEDが含まれている。499ドルのProモデルには、ホールセンサ、OLEDディスプレイ、そしてGPSなどの合計22モジュールが含まれている。とはいえ、中間の249ドルのキットには、始めるために必要なものは全て含まれているように見える。

同社は、Kickstarterで資金調達を試みているが、その予定額は50万ドルに及ぶ。これまでに集まったのは1万5000ドルだが、メイカーコミュニティからのささやかな愛に支えられて、予定は達成できると私は思っている。キットの出荷予定は来年の7月だ。

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(翻訳:Sako)

予備バッテリーとしても動作する、ビデオスタビライザーのSMOVE

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無人飛行機用のジンバルを製作したメーカーと、優れたデザイナーが一緒にビールでも飲んでみると、面白いものが生まれることがある。今回生まれでたのはSMOVEだ。これはスマートフォンでビデオ撮影を行う際に、ブレを抑える機材(steadycam)だ。iOSとAndroidの双方に対応している。動きまわりながらもブレのない画像を撮影することができ、またカメラに写った顔を追跡したり、さらには自動でシームレスなパノラマ写真を撮影したりすることもできる。

SMOVEの開発に携わったのは、デザインエキスパートと、無人飛行機エンジニアだ。これまでにも飛行機用にジンバルおよびセルフレベリング(self-leveling)システムの開発を行った経験をもつ。

SMOVEはIndiegogoキャンペーン中で、価格は129ドルとなっている。キャンペーン成功時の出荷予定は12月となっている。

このSMOVEを使えば、撮影中のカメラを常に水平に保つことができるようになる。上のビデオでおわかりのように、カメラを安定させたままで軸を自在に動かすことができる。さらに「Auto Face Follow」(自動顔追跡)機能を搭載しており、画面に写った顔を認識して追跡することもできる。さらに予備バッテリーとしても機能するようになっており、撮影しながら充電するようなことも可能だ。

「以前は飛行機用の高性能ジンバルを製作しました。また手でもって使うためのスマートジンバルの製作も行いました」と、代表者であるMatt Sandyは言っている。「そうした経験を踏まえ、これまで以上にスマートで、そしてインテリジェントな、消費者向けジンバルを作りたいと思うようになったのです」。

一般利用者向けのジンバルは既に存在してはいる。しかしこれほどまでに安価でユニークなものは存在しなかったように思う。安定したビデオを撮りたい人に役立つことは間違いない。撮影したビデオの魅力がさらに高まることだろう。ビデオ関連の経験も豊富で、以前にはボディ装着型のParashootをTechCrunch上で紹介もした。この際にもユニークなブレ防止機能を採用していたのだった。

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(翻訳:Maeda, H

Raspberry Piをファミコンのカートリッジに収納してレトロゲームのエミュレータが完成

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Zachと名乗るメイカーが、その破壊的だけどとびきり巧妙なハックにより、NESのカートリッジ〔スーパーファミコンのカートリッジ〕の中身を抜いてRaspberry Pi ZeroとAmazonのUSBハブを詰め込み、究極的にレトロなNESエミュレータを作った。しかもそれは、オリジナルの筐体にしっくり収まるから保存性も良い。〔NES, Nintendo Entertainment System, ファミコンのこと〕

このプロジェクトは、驚くほど単純だ。やることといえば、カートリッジのケースをこじ開けてパーツを配置するだけだ。それからケースを閉じて蓋をはめ込む。インターネットの接続はないが、後でWi-Fiアダプタを加えるのは簡単だ。

このプロジェクトは、RetroPieというエミュレータソフトを使っている。電源はミニUSBケーブルで供給する。

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Zachはこう書いている:

この、ぼくがPi Cartと読んでるもの(いい名前だろ?)の基本は、Raspberry Pi Zeroと昔のNESのカートリッジ、小さなUSBハブ、そしていろんなサイズのアダプターだ。もっとケチって手作りしたい人以外は、ハンダ付けは不要だ。

 

ぼくが本当に見たいのは、Raspberry Piと本物のカートリッジの基板を接続して、昔のNESに新しい脳を提供することだ。でもそれは、不格好な結果になりそうだから、こっちの方がむしろ良いかもね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

分子スキャナー、SCiOの開発元がKickstarterでの苦情に回答

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カルト的人気を持つ製品がいつもそうであるように、SCiOにはファンもいれば中傷する人もいる。最近そんな中傷する人々が、このハンドヘルド分子スキャナーは2014年に250万ドルを集めながら未だに出荷されていないと、ネット上で不満を漏らしている。その結果は?ネガティブ報道と山ほどのツイートだ。

私はSCiOの開発者であるDor Sharonに、製品の現状がどうなっているのか、いつ出荷されるのか、そしてもっと大切なこと、M&Mを正しくスキャンできるのかを質問した。

TC:商品が全員に出荷されるのはいつか?
Dror Sharon: これまでに5000台を出荷し、残りの注文も来年初めまでに発送する予定。

TC: 遅れの原因は?
DS: SCiOの製造・組立てを開始して以来、何度か障害にぶつかった。例えば入手した部品が当社基準に合っていないこともあった。SCiOセンサーは複雑なテクノロジーであり、当社の品質管理基準は高い。製造過程の途中で、SCiOセンサー自身の設計変更も繰り返し行った。その結果、SCiOの精度と感度は向上し、設計と製造にさらに時間を要することになった。

TC: こうすればよかった、ということは?
DS: 後悔はしていない。

私たちは会社を作り、ワールドワイドなデベロッパーコミュニティーとユーザー基盤を作りつつ、非常に複雑なテクノロジーに挑戦している。遅延に不満を持つメンバーがコミュニティーに少数いることは理解している。その人たちからの苦情や意見は深刻に受け止めており、FacebookやTwitterのチャンネルでコメントしたり質問を寄せてくれた人たちには、サポートチームが直接連絡を取っている。ちなみにKickstarterキャンペーンに法的な返金義務はないが、支援者が求めれば返金にも応じている。

遅延に苦情を言っている人たちには返金を提案しているが、大半は返金を求めていない。ほとんどの人たちが忍耐強く、私たちの作るものを理解し、製品の到着を待つことを選んでいる。当社のFacebookページにコメントしている人の中には、返金を受けた人もいるし、そもそもSCiOコミュニティーに参加したことのない人もいる。

TC: 箱から出したばかりの状態で、何がスキャンできるのか?
DS: SCiOはそのままで、食品や錠剤をスキャンできる。チーズ、ヨーグルト等の乳製品、果物や野菜、鶏、豚、牛その他の肉類等の栄養価を測定できるアプレットもある。市販の錠剤をスキャンすることもできる。トマトの糖度を測って作物選別器として使うこともできる。支援者には他にもいくつかアプリをベータ版として提供している ― 完成品ではないが将来のSCiOを垣間見る基本機能の提供するもので、例えば人間の体脂肪を測るものもある。

加えて、ユーザーはWorkshopというアプリクリエーターを使ってSCiOに「教える」こともできる。異なる物質をスキャンしてボタンを押すと、リアルタイムで機械学習モデルが作られ、その物質を区別できるようになる。これは当社のデベロップメントキットであるSCiO Labの簡易バージョンだ。SCiOを楽しく教育的に使えるようになると、良い反響をもらっている。これによって当初の(限定された)データベース以上に機能が拡張される。

TC: いつ、M&Mを正しくスキャンできるようになるのか?

チョコレートのカカオ成分を測定する以外に、M&M等のお菓子をスキャンする機能を計画したことはない。錠剤アプリはM&Mをスキャンするためのものではなく、 あれはちょっとしたイタズラだった。今の質問はジョークだと理解している。しかし私たちは、消費者や産業の現実的な問題を解決するためのアプリ開発に本気で取り組んでいる。例えば、まだベータ版だが二頭筋をスキャンするだけで体脂肪を測定するアプリもある。Fortune 2000企業数社とも協力して、工業的IoTソリューションを提供するアプリを開発し、農業、石油・ガス、宝石、化粧品、医薬品、等様々な分野で起きている現実的問題を解決しようとしている。

SCiOプラットフォームを使って開発しているデベロッパーも何社がある。

そして、いくつかの家電トップ企業とは、スマート家電に当社のセンサーを内蔵する検討を進めている。時期が来たら詳しい情報を公開するつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

この宇宙最小のMAME(アーケード・エミュレータ)キャビネットはRaspberry Pi Zeroとぴったり同サイズ

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MAMEのものづくりの世界は、基本的にアーケードゲーム愛好家たちのサブカルチャーで、彼らは自作エミュレータの素晴らしいコレクションを作っている。その日常的な目標は、昔のアーケードゲームの復刻、または何か新たなすばらしいものの創造だ。Adafruitが、その、すばらしいものを作った。

最初は土日プロジェクトだったこのMAMEキャビネット(cabinet,箱)は、高さ数インチで、画面は親指サイズだ。完全にはほど遠いキットで、画面も小さすぎてほとんどのゲームをプレイできないが、ちょっとしたダウンサンプリングとゲームの適切な選択により、この超小型マシンでPac-ManやDig Dugをプレイできる。

このキャビネットは0.96インチのRGB OLEDディスプレイとRaspberry Pi Zeroを使っている。作者のPhillip BurgessNanoscreenというツールを使って、ゲームをこの小さな小さな画面にダウンサンプルし、表示した。

Burgessがこのキャビネットを作ったのは、Raspberry Pi Zeroの“ボンネット”について議論したことがきっかけだ。それは、この裸のPiボードに、さまざまな機能をくっつけるものだ。
彼は、こう書いている:

ゲームができる“ボンネット”、という話も出た。Raspberry Pi Zeroにぴったりフィットする小さなアクセサリボードで、いくつかのベーシックなコントロールとモノクロのOLEDディスプレイがある。わからないのは、カラーのOLEDでもいけるか、という点だ。それが可能なら、RetroPieなどの、昔のクールなゲームもプレイできる。

 

この小さなキャビネットはクールで巧妙なアイデアだが、本当にゲームを楽しみたかったら、アーケードキャビネットCupcadeを検討すべきだ。それなら少なくとも、キャビネットを壊さずにボタンを押せる。子どもと一緒に作ったことがあるが、週末のすばらしいプロジェクトだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

そこらのテレビがビーコン端末になってしまうEstimoteのMirror、商店などではとても便利

靴屋さんへ行って、一足の靴を手にとった。するとその靴のスペックが、そばのテレビに表示される。あるいは、空港で出発便の表示を見ている。あなたのフライトが現れると、ゲートまでの案内地図が横のテレビ画面に表示される。こんな例はおそらく、ビーコンというもののキラーアプリ(決定版のアプリケーション)だと思うが、ついに、その夢が実現した。

その快挙を実現したのはEstimote社のMirrorだ。そのシステムは要するに、SnapdragonのプロセッサーにHDMIとUSBのジャックをつけたものだ。それをスマートテレビに挿入すると、ビーコンをサポートしているスマートフォンの持ち主が近づくと通知を表示する。ビーコンをMirrorに近づけてもよい。たとえば商品の中にビーコンを隠しておくと、客が持ち上げてMirrorに近くなったとき、その商品のビデオが表示されたり、お客が対話的に機能を調べたりできる。

EstimoteはすでにMirrorをデベロッパーに提供しており、商用ユーザーへの展開は来年開始する。上のビデオでは、Estimoteの協同ファウンダーSteve Cheneyがこの製品について語り、使い方を説明している。なかなかクールな製品だし、その利用はすごく広まりそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

日本のProdroneのPD6B-AW-ARMドローンは庭の家具の並べ替えもやってくれる

鳥のように塀などの上にとまれるドローンは前にもあったけど、今度のは、その一見怖そうな爪で、デッキチェアなどを運んでくれるのだ。

正式な製品名がPD6B-AW-ARMのこのドローンは、日本のProdroneが作り、二本のロボットアームがある。ドローンのローター(回転翼)は6つあり、持ち上げ荷重は44ポンド、一回の充電で30分飛べる。

このドローンは荷物を運べて、しかもフェンスや手すりの上にとまれる。だから、飛行中の充電もできる。アームの動きはなめらかではやい。ProDrone社によると、空中で複数の仕事ができるし、別の荷物に持ち替えることもできる:

この能力により、形の違う荷物を持って運び、それらをくっつける、組み立てる、ケーブルを切る、ダイヤルを回す、スイッチをon/offする、救命浮き輪を落とす、危険物を取り出す、などなどのことができる。ドローンは、高高度で、遠方で、あるいは人が行けない危険な場所で、さまざまな仕事をできる必要がある。

 
 

ところでぼくは、ローターの多い、腕が二本あるドローンが、未来の地球を支配するロボットだったら、歓迎するね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このウェアラブル発電機は、体の熱で電気を作る

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これからはその汗ばんだ体がスマホの電源になる。まるで映画マトリクスのネオのように、ノースカロライナ州立大の研究者らが作った新システムを使えば、ウェアラブルデバイスで発電することができる。以前のシステムは硬くて巨大なヒートシンクを使っていた。新しいシステムは体にフィットするパッチワークを使い、1平方センチ当たり 20μWの発電が可能だ。旧システムは1μW以下しか発電できなかった。

システムは肌の上に敷かれた伝導性レイヤーから成り、熱が逃げるのを防いでいる。発生した熱は熱電気発電機を通った後アウターレイヤーに移動し完全に体外へ放出される。厚さは2 mmで柔軟性がある。

システムを開発しているのは、米国国立科学財団のNanosystems Engineering Research Center for Advanced Self-Powered Systems of Integrated Sensors and Technologies (ASSIST)[統合センサー・技術の先端自己出力型システムのためのナノシステム工学研究センター]で、商品化への道は開かれている。

目標は、これを医療器具に埋め込み、充電を必要とせずに生体信号を測定できるようにすることだ。「ASSISTのゴールは、長期の健康モニタリングに使用できるウェアラブル技術を開発することにある。例えば心臓の健康状態を追跡したり、身体的・環境的変化を監視して喘息発作を予測する装置だ。そのためにバッテリーに依存しない装置を作りたかった。このデザインとプロトタイプによって、実現に大きく近づいたと考えている」とノースカロライナ大学のDaryoosh Vashaee准教授は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook