データをAPIに加工するOpenDataSoftが$5.4Mを調達、コードだけでなくデータもオープンソースにする社会的メリットとは

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フランスのビッグデータ分析サービスOpenDataSoftがこのほど、シリーズAで500万ドルを調達した。Aster CapitalSalesforce Venturesがこのラウンドをリードし、既存の投資家AurinvestAder Financeが参加した。

OpenDataSoftは企業や団体などがデータをより有益に利用するためのサービスを提供するSaaSだ。今、多くの企業や自治体などは大量のデータを抱えているが、その有効利用はほとんどやっていない。OpenDataSoftは、それらの団体や組織がデータの分析と処理と視覚化に取り組むとき、その第一歩を助ける。

社名に‘OpenData’とあるように、同社がとくにねらうのは、データをオープンにして外部者や第三者が、独自の用途やサービスに利用できるようにすることだ。たとえば鉄道企業がすべての時刻表データをAPIとして公開したら、デベロッパーは乗り換え案内のアプリを作れるだろう。

ぼく個人的には、自治体がOpenDataSoftのようなものを利用して、もっとデータドリブンになってほしい。いろんなサービスや自治体、公共団体等のあいだに、デジタルのコミュニケーションがない。なさすぎる。ひとつの都市と、その周辺(関連団体等)の可動部品がすべて統合されたら、あらゆることをもっと効率化できるだろう。ぼく自身は、“スマートシティ”という、もっともらしくて空疎な言葉が大嫌いだ

同社は、これまでのヨーロッパに加えて、今度ボストンにオフィスを構え、アメリカ進出をねらう。ヨーロッパも今後は、フランスだけでなくドイツ、イタリア、スペイン、イギリスなどにも顧客を開拓していく。

これらの国にオフィスを置く、という意味では必ずしもないが、これらの国々からの人材起用は十分にありうるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、iOS 10.1をリリース―iPhone 7 Plusのポートレート・モードは画期的(日本ではApple Payも開始)

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AppleはiOS 10で初めて大きなアップデートをリリースした。期待されていたとおり、iOS 10.1の新機能のメインはiPhone 7 Plus向けの画期的なポートレート・モードだ。アップデートはすでに公開中。WiFI接続あるいは信頼できるコンピューターのiTunes経由でアップデートを実行できる。

iPhone 7 Plusのオーナーは設定→一般からソフトウェア・アップデートを開くのがいちばん速い。 7 Plusのオーナーでなくても10.1はiPhone、iPad向けの新機能とバグ修正、セキュリティー対策を多数含んでいるのでアップデートをしておくべきだ。〔日本版の場合、Apple PayによるNFCを利用した支払が利用可能になる。〕

ここでポートレート・モードについて説明しておこう。われわれのMatthew Panzarino編集長がすでに詳しい紹介記事を書いているが、これはiPhone 7 Plusのカメラの2レンズを活かして背景をきれいにボケさせるモードだ。

Appleによれば、2レンズ・カメラは被写体を奥行きを9段階に識別できるという。iPhone 7 Plusはこの情報にもとづいて背景レイヤーにソフトウェアでボケを生成する。ただしこの効果はマニュアルで調整できないので、狙いどおりの絵になるかどうかは場合による。

それでも多くの場合に、ポートレート・モードは素晴らしい効果を発揮する。iPhone 7 Plusのユーザーはこのモードがどういう場合に特に有効なのか使ってみて慣れる必要があるだろう。しかしボケはソフトウェアで後から付加される効果なので、ポートレート・モードの出来栄えに満足できない場合は、撮影後にこのモードを解除して普通の写真に戻すことができる。

Appleではポートレート・モードをさらに改善すべく努力中なので、数ヶ月以内にさらにアップデートがあるだろう。今回iOS 10.1は一般公開されたが、ポートレート・モードは依然としてベータ版という扱いになる。

TechCrunchのYashad Kulkarniはベータ版が利用できるようになって以來、かなりの数のiPhoneカメラにポートレート・モードを利用して素晴らしい写真を多数撮っている。 下の写真をクリックするとギャラリーを開くことができる。

〔日本版〕iOS 10.1は日本でも公開ずみ。7 Plus以外のiPhoneでもApple Payが利用できるなどメジャー・アップデートとなっている。Appleの日本サイトでApple Payについて検索できる。ただしタイトル下の「詳しくはこちら」のリンク先に専用ページはまだ開設されていないもよう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleは、もう自動車を作るつもりがない(Bloomberg報道)

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Appleは、秘密とはいえない自動車プロジェクトに何年も前から取り組んでいる。内部でTitanと内部で呼ばれているそのプロジェクトでは、リーダーやロードマップが度々変わった。Bloombergの最新記事によると、同社は電気自動車の製造計画を中止するらしい。代わりに自動車チームは、自動運転技術に焦点を絞る。

さらに興味深いのは、Appleが自動車会社になることに二の足を踏んでいたらしく、明確な期限を設定していたことだ。もしAppleの自動車チームが2017年末までに有望なデモを見せられなけれは、会社はプロジェクトを中止するという。

当初Appleは、伝統的Apple製品を作ろうとしていた。ハードウェアとソフトウェアの両方をコントロールするという意味だ。Appleは自動運転テクノロジーを塔載した電気自動車を2020年以降に出荷する計画だった。

しかしAppleはそうした野望を縮小した。Bloombergによると、何百人もの技術者が会社を去ったり辞めさせられたりした。もはやAppleには電気自動車を作るつもりがないからだ。代わりにAppleは既存の自動車メーカーと提携する計画だ ― iPhoneよりもAndroid的だと考えればよい。そしてもちろん、Appleが最終的に車を製造決断を下す可能性はある ― 今ではないというだけだ。

長年Appleの幹部を務めるBob Mansfieldが、現在プロジェクトを率いている。Boombergは、彼こそAppleが自動車戦略をシフトしている理由だと言っている。8月と9月に大量の従業員がやめた理由でもある。

自動運転技術についてはかなり誇大宣伝されているが、われわれが完全自動運転車を買えるようになるのは、まだかなり先のことだ。それは複数年にわたる大きな資本を要するプロジェクトであり障壁も多い。もし、テクノロジーとエンジニアと戦略が適切でなければ、非常に高価な失敗を招くことになる。Appleが慎重に歩んでいる理由はそこにある。

しかし、自動運転技術に焦点を絞ることが正しい戦略であるとも容易には言えない。Teslaのように完全自動運転車を作ろうとしている会社もある。一方、Uberのように、自動車メーカーと組んで自動運転キットを作ろうとしている会社もある。Renault-Nissanのような既存自動車メーカーは、IT企業と提携することによって車の製造に集中しようとしている。

どの戦略が勝利を得るかまだ誰も知らない。しかし確かなことが一つある。熾烈な競争の中、企業は数年先に自動運転車で好位置に立つために、今投資する必要がある。Appleの自動車プロジェクトへの投資は多すぎるのか、それとも少なすぎるのか?今は誰にもわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SalesforceがTwitter買収の可能性を正式に否定

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Salesforceは今回の件をハッキリさせたかった。「NO」、SalesforceはTwitterを買収しない。Salesforce CEOのMarc Benioffは、FTとのインタビューのなかでTwitter買収の可能性を正式に否定した。

「私たちは今回の件から手を引くことにしました。TwitterはSalesforceのビジネスにフィットしないのです」とBenioffはFTに語っている。明確な答えを求める人たちにとって、これほどハッキリとした発言はないだろう。

2週間前、Twitterを買収すると噂されていた企業たちは皆こぞってTwitterの買収にまったく興味がないことを明らかにした。もはや、Google、Apple、DisneyはTwitterを買収したいとは思っていない。そして残ったのはただ1つ、Salesforceだけだったのだ。

今回の騒動を利用して買収金額を引き下げることもできたはずだが、それを選ぶことはなかった。Benioffは集まった投資家たちを前に、TwitterはSalesforceのビジネスにフィットしないとすでに発言している。それだけでなく、「Jack(Dorsey)の幸運を祈る」とも最後に言い残している。

だが、BenioffがTwitterの買収にとても乗り気だと考えていた人も多い。何があったのだろうか?Salesforceの筆頭株主であるFidelity Investmentsはこの案件に反対していた。Salesforceの株式全体の14%をFidelityが保有していることを考えれば、株主総会でTwitter買収の承認を得ることは難しかったはずだ。Benioffにとって、これがもっとも賢い選択だったのだろう。

FTとのインタビューの後、Twitterの株価がまた暴落している。記事執筆時点での株価は前日比6.86%安の16.57ドルとなっている。時価総額は116億ドルだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Appleが日本にもR&Dセンターを開設、建物の完成は年内か

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Appleは今、R&Dの拡大に力を入れている。過去数か月で発表された新設のR&Dセンターは数知れず、同社の研究開発費は急増している新華社の報道によると、AppleのCEO Timは、最近の東京訪問時に、日本に新たなセンターを開設する計画だ、と発表した。

日本の新しいR&Dセンターの話は、これが初めてではない。以前の報道は、Appleが2016年または2017年をめどに新たなR&Dセンターを建築中、と述べている。

Cookは日本の総理大臣Shinzo Abeと会談して、Appleと日本に関するあらゆることを議論した。その後の記者会見で、官房長官Yoshihide Sugaが、AppleのR&Dセンターは12月に落成する、と報告した。

横浜に作られるそのR&Dセンターは、Panasonicの工場として使われていた建物を、Appleが入手して改築し、R&Dセンターとして使うことにしたものだ。

これにより、日本人の優秀な技術者を雇用しやすくなるが、彼らの担当部門はまだ不明だ。

Appleは今後、日本だけでなく、深圳やイスラエル、イギリス、フランス、スウェーデンなどにも新しいR&Dセンターを作る予定だ。これからは、Appleのどの製品にも、“designed by Apple in Cupertino and many other countries”(クパチーノとそのほかの多くの国々で設計された)、と表示されるのだろう。

出典: Apple Insider

〔訳注: 業界ではすでに周知の横浜綱島の建物の件が、Cookと総理の会談を機に、一般のニュースのレベルでも取り上げられるようになった、ということのよう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

買収の噂が消えてTwitter株、20%暴落

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Twitterの株価はここ数週間非常に好調を続けていた。しかしこのハネムーンも終わり、現実に戻るときが来たようだ。現在(米国時間10/6)、Twitteの株価は昨日の終値24.87ドルから20.06%ダウンして$19.88ドルとなっている。

いったい何が起きているのだろうか? Recodeの複数記事によれば、Twitterの買収を検討していた大企業の多くが手を引くことを決めたからだという。Google、Apple、DisneyはもはやTwitter買収に関心がないという。

Salesforceはどうやら最後に残った買い手候補らしい。Salesforceは以前プロフェッショナルのSNS、LinkedInを買収しようとしたことがあったが、Microsoftにさらわれた。

しかしSalesforceのCEO、Marc Benioffは「われわれは結局Twitterを買収しないかもしれない」とも述べている。Benioffの今日の投資家向けの発言にはさまざまな要素が含まれていた。

こうしたことがすべて現在のTwitterの株価に反映している。Twitterの時価総額から一夜にして20億ドル以上の価値が消えた。もしかすると、株価が下がったことで、現在は表に出ていない買い手がTwitterに手がとどくようになったかもしれない。

Twitterが株式を公開したのは2013年の11月で、上場初日の終値での時価総額は310億ドルだった。今日の時価総額は150億ドル弱だ。去る6月のTwitterの時価総額はこれよりさらに低く、100億ドルだった。

ともあれ、ここしばらくはTwitterは独立企業として運営されるしかないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Pixelの複数の写真がリークした(状況から見てどれも本物のよう)

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Googleは明日(米国時間10/4)、たくさんの新製品を発表する。そのショウのスターは、前から噂されていたGoogle Pixelだろう。9to5Googleが偶然、その本物の画像と思われる写真を、一つではなく、二つも見つけた。Google PixelはGoogleを代表するAndroidスマートフォンで、現状でいくつかのことが分かっている。

どうやらGoogleが情報を漏らした相手は、カナダの通信企業Bellと、イギリスのショップCarphone Warehouseのようだ。両社は興奮のあまり、予約販売のページまで立ち上げてしまったが、でもそれらのページはすぐに、外された。

Google Pixelは、画面5インチの通常バージョンと、5.5インチのGoogle Pixel XLのニ機種ある。XLがどんな仕様になるのか、まだ分からないが、見たかぎりでは両者にあまり違いはない。

共通の仕様と思われるのは、チップがSnapdragon 821, RAM 4GB, 1080/1440(XL) x 2560のディスプレイ, 内部ストレージ32GBまたは128GBだ。充電時間15分で、電池は最大7時間もつ。

またGoogleは、最新のアプリや機能でも勝負する気だ。とくにセールスポイントにしたいのが、メッセージングアプリのAlloとDuoだ。本誌は明日の取材を、一人ではなくチームで行う。そして、9to5Googleがスクープした写真がこれらだ:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleの新CMは「メッセージ」アプリの背景アニメーションが主役

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AppleがiPhoneとiOSの新しいビデオ広告を公開した。これまでの広告と同じく、このビデオは従来のものとは大きく異なっている。そこにはTor Myhrenの影響が感じられる。

最近入社したこのマーケティング・コミュニケーション担当副社長は、広告業界で輝しい実績を持つ人物で、現在Appleの広告を任されている。昨年のCMと比べて、さらに洗練され、ストーリーを伝えようとしていると感じるのは、そのためだろう。

今日の新CMには、終了直前までiPhoneが登場しない。代わりにAppleは、風船が飛んでいってしまうと何が起きるかを、ゆっくりと明らかにしていく。

最後の最後になって、すべてがiOS 10のメッセージ・エフェクトのことだったとわかる。気の利いたCMで、製品を売ろうとしていない。そもそもiOS 10は無料でダウンロードできるので、これはAppleのブランドイメージ向上を狙ったものだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

仏スタートアップZenly、位置情報共有アプリでBenchmarkから2250万ドルを調達

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フランスのスタートアップZenlyが、この夏にかけてBenchmarkほか数件の投資家から2250万ドルを調達した。このラウンドについては最初にBusiness Insiderが報じ、TechCrunchでも公式な確認を得た。我々がつかんだ詳細は以下のとおりだ。

今回のラウンドのリード投資家はBenchmarkが務め、同社のPeter FentonがZenlyの取締役会に加わった。Fentonはこれまでにいくつかのソーシャルネットワーク企業に投資しており、Twitterの取締役も務めている。本ラウンドでは既存の投資家であるIdinvestとXavier Nielからも追加投資があった。Insight Venture Partnersの共同設立者Jerry Murdockも個人的に出資したという。

さらに興味深いのは、Benchmarkがこのフランス企業に直接投資した点だ。多くのアメリカのVCは米国企業に投資することを希望する。そのため、フランスのスタートアップが多額の費用をかけてアメリカに会社を移すことになる場合もある。そう考えると今回の直接投資の意義は深い。Benchmarkは時間を無駄にしたくなかったようだ。

今回のラウンドはイントロから銀行口座への入金までわずか28日間でスピーディーだった。Zenlyは昨年のシリーズAラウンドで1120万ドル(1000万ユーロ)を調達しており、口座にはまだ潤沢な資金が残っていたはずだが、Benchmarkに「ノー」とは言い難かったに違いない。

「友達が今どこに誰といるのかを可視化できれば、プロダクトとしての機会は大きく拓かれます。今後うまく達成して行ければ、歴史に残る象徴的な企業へと成長するでしょう」とFentonは語る。「Zenlyチームの技術的専門性の深さと、ソーシャルエンゲージメント全般の基礎となるマップ機能についてのビジョンは、即断するだけの説得力があるものでした」。

もしも本件ついての「エピソード1」を見逃していたら、筆者が以前に記した、この前途有望な位置情報共有アプリZenlyの長い長い紹介記事(英語)を読んでみて欲しい。これは新手のチェックインアプリでもなければ「友達は今どこ?」タイプのアプリでもない。それらをさらに超えたアプリなのだ。

Zenlyは位置情報の共有をふたたび「クール」なものにしたいと願っている。同社は基本部分の見直しに莫大な時間を費やしてきた。現行ではZenlyを使うと自分の現在位置を何人かの、あるいは何十人かの友達と簡単に共有できるようになっている。

反応は、というと、ティーンに大好評で、すでにアプリのダウンロードは200万件にのぼるという。しかもこれはまだ「始まり」だ。Zenlyは現在の基本機能に、さらに何層もの有用なデータを追加する予定だ。

たとえば、友達がどこかで集まっていたら通知を受け取り、パーティーに乗り遅れないで済む。同様にZenlyならば他のアプリに先駆けて人気スポットを知ることができる。なぜなら人々がいつそこに行くかを知っているからだ。

Zenlyが勝負するのは非常に競争の激しい分野であるため、その道のりは長くなるだろう。これまでもGoogle、Apple、Uberのようなテック企業が最良の地図サービスを作り上げようと努力を重ねてきている。マップにピンを立てるだけの機能をさらに超えたものを目指すZenlyは、独自の地図データを構築せねばならないだろう。

Zenlyの従業員は現在35名で、向こう数週間でサンフランシスコにオフィスを開設する予定だ。エンジニアリングチームの大部分はフランスに置き、オフィス2か所で運営するつもりだという。この多額の資金調達を果たしたスタートアップは、当面は資金繰りを心配せず、プロダクトに集中できることだろう。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website

Apple、Lit Motorsとも買収交渉中か

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Appleがマクラーレンを買収するというが立てられているが、話はそれだけではない。New York Timesは、マクラーレンの件を探る中で、AppleがLit Motorsとも買収を視野に交渉していることを突き止めた。

さて、読者は「Litって誰だ?」と思っていることだろう。Lit Motorsはマクラーレンとは比較にならない規模ではあるが、自動車業界では興味深い会社の一つだ。

同社は去る2012年、TechCrunch Disrupt SFのスタートアップバトルフィールドに参加した。その時ステージ上で魅力的なデモを見せ、第2位に輝いた。

サンフランシスコ拠点のスタートアップは、新しいタイプの電動乗り物を開発している。一種の電動オートバイだが、いくつか仕掛けがある。例えば、2輪なのに倒れない。ジャイロを使って自らを安定させているからだ。

もちろん、ジャイロはいわゆるホバーボードではよく使われている。それでも、これだけ大きな乗り物が、押しても微動だにしないところを見るのは驚きである。

CrunchBaseによると、これまでに同社が調達した資金は220万ドルにすぎない。今もも独立会社として生き残れるだけの資金があるのか、買い手を探しているところなのかは不明だ。

Appleが自動車プロジェクトに取りかかってから数年がたつ。今も秘密プロジェクトではあるが、噂は山ほど出回っている。実際、Appleは数多くの自動車メーカーやIT企業と、争うように人材を獲得している。

Lit Motorsの買収は、優れた技術者をまとめて自動車プロジェクトに参加させるうってつけの方法だ。本誌はLit Mrtorsに連絡を取っているので、情報が入り次第続報する。とりあえずは、2012年のLit Mortosの発表をご覧あれ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleがマクラーレンと買収交渉中か

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ファイナンシャル・タイムズによれば、テクノロジー企業のAppleが、自動車製造業のマクラーレンと交渉をしている。読んだ通りだ、間違いではない。これらの交渉は数ヶ月に渡って継続されており、買収か少なくとも戦略的投資につながる可能性があるようだ。

より正確に言えば、Appleが交渉しているのはマクラーレン・テクノロジー・グループである。これはマクラーレン・オートモーティブなどを含む、すべてのマクラーレン関連企業の親会社だ。

マクラーレンはスーパーカーやフォーミュラワンの世界では有名な名前だが、巨大な自動車製造会社ではない。同社の2015年全体の収入は、6億1700万ドル(4億7500万ポンド、626.7億円)と報告されていて、純利益2700万ドル(2080万ポンド、27.4億円)を計上している。

ファイナンシャル・タイムズは、この買収が13億ドルから20億ドルの間(10億ポンドから15億ポンド、1320.4億円から2031.5億円)になると考えている。これは、Appleにとって大きな買い物のように見えるが、同社は、過去にBeatsというもっと大きな買収をしている。

特に自動車の話となると、Appleは何年も秘密の自動車プロジェクトに取り組んでいるという噂がある。

Bob Mansfieldが最近Appleの自動車部門を引き継いだ。同社はまた、最近Didi Chuxing(滴滴出行)に10億ドル(1015.7億円)の投資を行っている。

Appleのエンジニアたちが自動運転テクノロジーに心血を注いでいる一方、自動車製造そのものは同社にとってはまだ未開のエリアである。マクラーレンの買収は、車、エンジン、シャシーその他を作る方法を知る、多くのエンジニアを雇うための方法となり得るだろう。

これはまだ初期のレポートであり、買収交渉も物別れに終わる可能性がまだある。いずれにせよ、Appleが車の世界で真剣なプレイヤーになりたがっていることを見ることはとても興味深い。

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(翻訳:Sako)

AppleがSierra正式公開―macOSは安定したプラットフォームになった

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今日(米国時間9/21)、macOS Sierraが正式に公開され、ダウンロードできるようになった。AppleがOSをメジャー・アップデートするたびにわれわれはレビューを書くことになっている。今年のアップデートでOS XはmacOSと呼び名が変わった。これ自体はコスメティックな変更にすぎないが、一歩下がってMacコンピュータのOSの全体像を観察するのにいい機会かもしれない。

デビューから15年以上、13回のメジャー・アップデートを経てMacは成熟したコンピューティング・プラットフォームとなった。これはすばらしいことだ。

アップデートが発表されるたびに大勢の優秀なライターがMacのOSの新機能や改良点を詳しく解説したレビュー公開する。そこでmacOS Sierraの技術的詳細はそういうレポートに任せておく。いずにせよ3ヶ月の公開ベータ・テストを経た後なのでSierraそのものについてはここで紹介しなけれならないような新しいニュースは特にない。

そんなわけでこの記事はmacOSのレビューとしてたいへん短いものになりそうだ。iOS 10は非常に大掛かりなアップデートだったが、macOS Sierraは、少なくともOS X El Capitanのユーザーにとっては、さほど大きな変更ではない。

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まず新機能を簡単に見ておこう。Siriが初めてMacにやってきた。実現するのが遅すぎたともいえるが、目新しい機能も含まれている。Macに話しかけることによって天気予報やNBAの試合結果、単語の翻訳、テキストの送信などができる。Wi-Fiを切ったり、HDDのファイルを検索したりもできる。ただしサードパーティーのアプリはMacのSiriを利用できない(この機能はiOS 10デバイスに限られる)。私はiPhoneでSiriを長いこと使ってきたのだが、Sirの機能を利用するためにMacに話しかける機会はあまり多くなさそうだ。私が慣れていないせいもあるだろうが、Macの大型スクリーンを前にしていれば音声入力はそれほど必須の機能ではないように思える。

写真アプリはiOS 10とほぼ同様の機能を得た。 撮影場所、日時を基準にした自動アルバム作成や従来よりはるかに強力な検索機能などだ。そのためMacで写真を眺めるのはすばらしい体験になった。メッセージではリンク先をプレビューしたり、Facebookの「いいね!」に似たtapbackと呼ばれる絵文字のリアクションを送ったりできる。残念ながら、メッセージではiOS 10で導入された便利な機能の多くはMacに移植されず、メッセージ用アプリをインストールしたりはできない。

他の新機能にはデスクトップと「書類」のフォルダのコンテンツがiCloudと自動的に同期し、ユーザーのあらゆるデバイスからアクセスできるようになること、これに関連してiCloudがストレージの最適化を助けることなどが含まれる。 その他ウェブ版Apple Pay、Safari内での子ウィンドウ(ピクチャー・イン・ピクチャー)の表示、iWorkでのリアルタイムの共同作業などの機能も追加された。

Apple WatchのユーザーはWatchとApple IDを用いて非常に便利な2段階認証を設定できる。Apple Watchを身に着けてMacに近づくと、自動的にアンロックが行われる。私は長年パスワードを入力してきたが、Apple Watchを使った認証は魔法のような体験だ。

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念のために断っておくが、 macOS SierraはすばらしいOSだ。これまでのMacになかった数多くの新機能を追加してくれる。しかしMac体験を根本的に一新するようなOSではない。AppleはMountain LionMaveriksのリリースでは「新機能が200件も!」と宣伝したが、今回はそのようなアップデートではない。MacのOSはもはやそういう時代ではない。

Appleは手を広げすぎたという批判がある。だからAppleにはmacOS、iOS、tvOS、watchOSのすべてを同時にメジャー・アップデートするような能力はないというわけだ。しかしAppleがこの10年で大きく成長したことを考えておく必要がある。開発者も圧倒的に増えている。つまり優先順位の問題ではない。

ある意味でMacは開発の観点からは「退屈な」プラットフォームになった。しかしユーザーからすれば悪いことではない。AppleはiOSに惜しみなく先進的、実験的テクノロジーを注ぎ込んでいる。iPadではノートパソコンに変わる次世代のコンピューティング・プラットフォームを築こうと試みている。残念ながらこの目標はまだ実現していない。すくなくとも一般ユーザーに関する限りはまだだ。

その一方で、MacのOSはもっとも安定したプラットフォームとなっている。私はこの夏いっぱい公開ベータ版のSierraをテストしてきた。私に関する限り、Sierraにはまったく何の問題もなかった。たしかに目を奪うような新機能には欠けているかもしれない。しかしSierraはMacを従来よりはるかに効率化した。私としてはそれで十分だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これがiPhone 7とApple Watch Series 2の新CMだ

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Appleは新しいデバイス ― iPhone 7とApple Watch Series 2 ― のCMを、1つでも2つでもなく3つ公開した。いずれも、防水、高感度カメラ、新フィットネス機能といった新機能を前面に押し出している。

まず私お気に入りの “Midnight” では、若い男が夜スケートボードに乗って出かける。郊外を走っていると、ガソリンスタンドでシカ(!)に出会い、最後は丘の上から街を眺める。すばらしい写真が撮れた。

2つ目のiPhoneのCMは、男が激しい雨の中、自転車とiPhoneの準備をしている。iPhoneはハンドルマウントに取り付けている。事故にあわなければよいのだが…

最後はApple Watch Series 2が登場するCMで、フィットネス機能に焦点を合わせている。そう、Apple Watchを着けたまま、泳いだりあらゆる種類の危険なスポーツができるようになったのだ。このCMには、Apple Watchをフィットネストラッカーとして見せたいAppleの意図が明確に表れている。

あと、見逃がした方のために。Appleは先週、iPhone 7のすばらしいティーザー広告を公開した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Disruptのステージにロボット登場―Boston DynamicsのCEO Marc Raibertが解説とデモ

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サンフランシスコで開催中のTechCrunch Disruptの参加者は四脚ロボット、Spotがステージに登場して身軽に動きまわったことに驚いた。Boston DynamicsのロボットについてはYouTubeに多数のビデオが投稿されているものの、目の前で実物を見るのはやはり印象が強烈だった。

Boston Dynamicsのファウンダー、CEO Marc Raibertはステージ上でTechCrunchのBrian Heater記者のインタビューを受けた。海兵隊が一時テストした四脚ロボットのBigDogから人型二足歩行のPetmanまでまでBoston Dynamicsが開発してロボットを紹介するかなり長いビデオが上映され、Raibertがそれぞれに簡単なコメントを加えた。

ステージに登場したSpotロボットは特に商品の宅配を意識して開発されている。見たところは大型犬のようで、さまざな寸法の階段を上り下りしたり、ドアを開けて室内に入ったりできる。Boston Dynamicsのロボットは世代を重ねるごとに小型化している。数カ月前に発表された最新世代のSpotMiniはSpotをさらに小型化したものだ。同社のモットーは「スモール・イズ・ビューティフル」らしい。

「われわれはロボットをフレンドリーな存在にするためにと努力している。残念ながらわれわれの250ポンド〔113kg〕のロボットには誰も近寄りたがらない」と
Raibertは言う。SpotMiniロボットはなら狭いアパートの部屋でも歩き回れる。デモビデオでは生きた鶏を使ってSpotMiniの折りたたみ自由のアームが安定化されている様子が説明された。SpotMiniは一滴もこぼさずにワインを注いだグラスを運んでくることができる。たぶん世界で一番執事に近いロボットだろう。

「YouTubeチャンネルでは嫌いと好きの比率が20対1だった。数年前は50対1で嫌われてきたから、一般視聴者の態度は好意的になっている。しかしメディアはロボットといえばホラースーリーばかり好むのは困ったものだ」とRaibertは嘆いた。

SpotMiniの大型の兄弟、オリジナル版のSpotDisruptのステージを歩き回っただけでなく、足を伸び縮みさせて姿勢を変えたり、横歩きしたり、その他高等馬術で要求されるような動作を披露した。ロボットは二本脚でジャンプしたが安定を崩さなかった。

GoogleがBoston Dynamicsの買い手を探しているとぃう噂について、Raibertはコメントを避けた。

「〔Googleに〕買収されたときに私は『DARPAも大きな予算を持っているがGoogleの予算はもっと大きい。Googleは〔DARPAより〕さらに大きな野心を持っている』と言った。またGoogleグループの一員になったことでBoston Dynamicsの自由度はさらに拡大した」とRaibertは述べた。

RaibertはBoston Dynamicsの製品は恐ろしげな軍用ロボットばかりではないことを証明しようとしている。Disruptの聴衆から上がった「おお」という歓声から察れば、このキュート化キャンペーンは功を奏しつつあるようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Disrupt SF 2016のStartup Battlefield、優勝はMobalyticsに決定

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初めに、25社のスタートアップありき。そして三日間の激しい競争があり、今、勝者が決まった。

Startup Battlefieldに参加したスタートアップは、全参加社の中から厳しく選別され、その厳しいコンペに臨んだ。彼らは、多くのVCたちや業界のリーダーから成る審査団の前でプレゼンテーションを行い、賞金5万ドルと優勝カップDisrupt Cupを争った。

本誌TechCrunchの編集者たちは審査員たちのノートを数時間かけて慎重に検討し、6社のファイナリスト、BlazingDB, Carbon Health, EverlyWell, Mobalytics, Sqreen, そしてUnifyIDを選んだ。

決勝に出場した6社は、ボスキャラのように手強い最後の審査員たち: Cyan Banister (Founders Fund), Roelof Botha (Sequoia Capital), Padmasree Warrior (NextEv), Susan Wojcicki (YouTube), そしてMatthew Panzarino (TechCrunch)の前で、最後のデモを演じた。

今すでに、Disrupt LondonのStartup Battlefieldの出場社を募集している。Startup Battlefieldの ハブをご覧いただき、Battlefield担当編集者Sam O’Keefe(sam@techcrunch.com)宛に、申し込んでいただきたい。質問も、彼女が受け付ける。

それでは、TechCrunch Disrupt SF 2016 Startup Battlefieldの勝者にお会いしよう。

優勝: Mobalytics

Mobalyticsは競争性のあるゲームのコーチで、プレーヤーの弱点や、もっとうまくなるための調整方法を教えてくれる。eスポーツは今後ますます大きな市場になるから、Mobalyticsには将来のビッグな商機がある。

Mobalyticsを紹介する本誌記事はこれだ

準優勝: UnifyID

UnifyIDは、パスワードが要らない認証方法を提案する。パスワードではなく、個人の特徴(使ってるデバイス、学校、勤務先、などなど)を積み上げたユニークなプロフィールで、その人の本人性を同定する。

同社を紹介する本誌記事はこれだ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、watchOS 3も公開。ここが新しくなった

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今日(米国時間9/13)はAppleの一大アップデートデーだ。iOS 10tvOS 10、およびwatchOS 3を公開した。WWDCで発表されてから3ヵ月、ようやくやってきた ― そしてこれはすごく大きなアップデートだ。

ここではwatchOS 3の全機能については触れない。3つのトピックに焦点を絞ることにする ― スピード、アプリの切り替え、文字盤の切り替えだ。

watchOS 3では、お気に入りのアプリがメモリに常駐するので起動がずっと早くなる。どのくらい早いかって? ほぼ瞬時だ。初代Apple Watchでもそうだ。試してみれば違いを感じられることを保証する。

この誰もが待ち焦がれていた改訂に加え、Appleはサイドボタンの振舞いを変えた。友達画面を開く代わりに、ドックビューが表示されてよく使うアプリを切り替えられる。iOSのアプリスイッチャーに似ているが、ずっと高速だ。

この2つの変更によって、私は再びApple Watchアプリのユーザーになった。Apple Watchを着けるのをやめたことは一度もないか、主な用途は時刻を見るのと通知を受け取ることだけだった。

グランスはあまり役に立つとは思えず、ホーム画面も使いにくかった ― 30秒かけてアプリを探して起動したい人はいない。しかしドックができたおかげで、お気に入りのアプリを置いてしょっちゅう使うようになった。簡単に開くことがてきて起動も早く、すばやい操作が可能になった。

もう一つ、watchOS 2では文字盤の切り替えが少々面倒だった。画面を強く押し、スクロールしてから文字盤を選ばなくてはならなかった。これが左右にスワイプするだけで切り替えられるようになった。

私は毎日同じ文字盤を使うのではなく、着ている服に合わせて変えることでApple Watchを万能ファッションアクセサリーとして使っている。バンドを変える人もこの機能を喜ぶに違いない。

watchOS 3をインストールするには、Apple Watchを充電器につなぎ、iPhoneのApple Watchアプリで[一般]-[ソフトウェアアップデート]を選ぶ。しばらくかかるので、自宅にいて時間に余裕のあるときにすることをお薦めする。
【訳注:訳者の環境では9/14 9:40現在アップデートは配信されていない】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 10、今日からいよいよ一般公開―Appleはアプリ開発の再活性化を目指す

2016-09-14-ios-10

AppleがいよいよiOS 10を一般公開した。iOSの「歴史の中で最大のアップデート」だという。読者はアップデート内容についてすでに聞いたことがあるかもしれない。新しいiOSは数ヶ月前からベータ版として入手可能だった。またAppleは新バージョンの変更点をきわめてオープンにしてきた。主な変更点はソフトウェアのダウンロードの際にも表示されるので、ここではiOS 10特有の新しいユーザー体験を紹介したいと思う。

私はメインのiPhoneに6月にiOS 10ベータをインストールし、この夏中利用してきた。今日からiOS 10は正式版としてアップデート可能だ(無料)。まず目につくのは大量の新しい絵文字かもしれない。「新しい絵文字」と聞いて大勢のユーザーが「設定」に殺到してiOSのアップデートを試みている様子が想像できる。絵文字の追加は新OSのインストール率をアップする戦術としてたいへん巧妙だった。

アプリの新しいエントリーポイント

しかし絵文字はどちらかといえば飾りであり、iOS 10の本当の価値は目につきやすい飾りの背後に隠されている。iOS 10をインストールしたとき、私は3つの変更点に気づいた。まずデバイスを取り上げると自動的にスリープから復帰する。ボタンを押す必要がない。ホームボタンがロックスクリーンにある新しいデバイスの場合はその役割は異る。ユーザーはTouch IDを起動するためにロックスクリーン上のホームボタンを押す必要がある。さらに重要な点だが、ロックスクリーン自体がゼロから作り直されている。

壁紙を覆い隠すようなプッシュ通知は姿を消した。iOS 10での通知はmacOSの場合にやや似た個別のバブル表示になった。それぞれのバブルに表示される情報は以前より多い。いちばんいいのはバブルを拡大できることだ。3D Touchの場合、通知バブルを「深く押す」と小さなアプリが開く。まだすべてのアプリがこの機能をサポートしているわけではないが、大きなポテンシャルだ。

Apple自身のアプリはサードパーティー・アプリのプラットフォームとなった

たとえばメッセージの一つを深く押すと小さなMessagesアプリが起動され、現在のメッセージ・スレッドが表示される。ユーザーはロックスクリーンを離れないままでチャットのやり取りができる。Messagesアプリを起動することなくほとんどの機能が利用できる。呼んだUberの位置を調べたい、 Instagram写真を見るなどのときにも便利だ。

同様に、ホームスクリーンから小さなウィジェットを呼び出すことができる。この場合もアプリを起動する必要はなしに天気予報を見たりカレンダーに登録したアポを確認したりできる。こうしたウィジェットを「今日」タブに追加する方法は従来どおりだ。しかし今後はホームスクリーンから直接内容を見ることができる。

次はエクステンションだ。Appleは大量のエクステンションをApp Storeに掲載している。ユーザーはSiriやメッセージ、電話などのアプリにエクステンションをインストールして機能を拡張できる。コントロール・センターに追加された新しい「ホーム」パネルについても同様だ。

この包括的な変更のおかげでユーザーは何かしようとするとき、それに適したアプリを探して起動するという操作が必要なくなった。つまりApple自身のアプリがサードパーティーのアプリを立ち上げるためのポータルの役割を果たす。

iOS 10ではSiriやWeChat使って友達への支払いなどさまざまなアプリを起動できる。。マップでは配車を頼んだり、レストランのレビューが読める。。電話アプリではSkypeなど他社製のVoIP通話がサポートされる。

私はこうした機能をすべてベータ版で実際に使ってきた。たしかにiOS 10はさまざまなアプリの使い勝手にApp Store始まって以來の最大の変化をもたらしそうだ。

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メッセージからメッセンジャーへ

Appleのメッセージ分野への参入は遅かったが、参入するからには徹底的なものとなっている。iMessages App Storeが用意され、メッセージ・アプリ自身がプラットフォームとなった。ユーザーはメッセージのやり取りで写真の上に手書きで図を描き、吹き出しを付加できるだけでなく、スクリーンいっぱいに風船を飛ばすようなエフェクトも送信できる。こうした新しいエフェクトを受け取ればユーザーは嫌でもその機能に気づき、別の友達に試してみるだろう。こうした口コミによる新機能の広がりはAppleが初めから計画したものだと思う。

さらに重要な点だが、私はメッセージ機能の追加されるさまざまなiMessageアプリの出来栄えに感心した。これまで友達とのコミュニケーションで専用アプリ内からやってきたことが、数ヶ月以内にiMessages Appから可能になるだろう。Citymapperの旅行日程を送る、チェスをプレイする、割り勘を精算する、スタンプをやり取りする、などなどがすべてメッセージ内からできるようになる。

こうした追加機能がすべてネイティブ・アプリなのが大きな利点だ。アプリとしてみるとWeChatもメッセンジャーもアプリとしては機能は限定されている。iOSとAndroidのメッセージ・アプリ開発にあたってデベロッパーはウェブ・アプリ開発のテクノロジーを流用している。

これに対してAppleは違うアプローチを選んだ。つまりiOSの場合、メッセージ・アプリを離れずに文書をScanbotでスキャンしてそのまま相手に送れる。この便利さが多くのユーザーにiPhoneを選ばせる理由だろう。

現在のiMessages App Storeはスタートしたばかりで、デベロッパーはその表面をわずかにひっかいたに過ぎない。メッセージにまったく新しい可能性が開けたといえる。

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App Storeの再活性化

スマートフォンの利用における「アプリ疲れ」は現実の問題だ。テクノロジー・ビジネスの人間は別として、私は新しいアプリをインストールするよう友達を説得することが事実上不可能になっている。誰もApp Storeで新しいアプリを探す気にならない。

AppleはApp Storeから大量の放置アプリを削除中―カビのはえたパンを食べる者はいない

私の結論はこうだ。iOS 10におけるAppleの真の狙いはApp Storeの再活性化だ。当面は小さい変化から始めているようだが、それでもアプリ登録のための審査時間は劇的に短縮された。またデベロッパーはアプリのプロモーションのために検索広告が利用できる。 Appleが放置アプリの削除にとりかかっているのカビのは、カビのはえたパンを食べる者はいないからだ。

iOS 10でAppleはさらにiMessage App Storeを新設し、メッセージ内に新しいアプリをインストールさせようと図っている。このいわばミニ版のApp Storeは従来のApp Storeよりはるかに見通しがよく、ユーザーを萎縮させないよう気が配られている。

iOS 10は新しいアプリ・プラットフォーム

まだiOS 10の新機能の紹介の半分も済んでいない。新しいフォト機能、新しいApple Music、新しいコントロール・センター、それにデフォールトのアプリが削除可能になったことなど、歓迎すべきアップデート満載だ。さらに数多くの巧妙な隠し機能があり、大勢のライターがテスト中だ。読者がiOS 10の技術的詳細に興味があるなら、ここ数ヶ月は読み物に困らないだろう。

私の結論はこうだ。AppleはモバイルOSを柔軟かつオープンなアプリ開発プラットフォームに変えることに成功した。ユーザーがアプリを探し、インストールし、利用する方法はiOS 10で根本的に変わるはずだ。この点はすぐには実感されないかもしれないが、長期的にはApp Storeを生まれ変わらせることになると思う。

〔日本版〕 日本語iOS 10のダウンロード、インストールはすでに可能。訳者のiPad Airでは特に問題なくアップデートが完了した。時間は再起動含めて20分程度かかった。万一の場合を考え、パソコンに接続するなどして事前にデータのバックアップを取っておくことが推奨されている。3D Touch未装備のデバイスの場合、ロックスクリーン上の通知バブルをスワイプすると従来どおりアプリが起動される。パスコードを設定している場合はここで入力が求められる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GPUの並列処理でSQLクェリを超高速化するBlazingDB、AWSのGPUインスタンスなどを利用

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顧客データを数ペタバイトも集めるのはクールだけど、でもそれをどうやって有効利用するのか? BlazingDBは、大量のGPUを使ってデータベースに対するSQLクェリを高速化する。同社はTechCrunch Disrupt SFのBattlefieldコンペで、そのソリューションの無料のコミュニティエディションを披露した。

複雑なSQLクェリは、実行時間が長すぎてこっちが眠ってしまいそうになることもある。それは、クェリをCPUが実行していて、必要十分なスケーリングができないからだ。

BlazingDBの協同ファウンダーでCEOのRodrigo Aramburuはこう言う: “サーバーをスケールアップすることはできるが、リニアー(線形)な処理の場合、効果的なサーバーの増設は難しい”。

データベースにGPUを使うのは、なかなかおもしろい。GPUは大量のタスクを並列に動かせるから、一部の限られた種類のタスクにとってはとても有利だ。とくに今では、画像処理や機械学習のアプリケーションでGPUが多用されている。でも、データベースでGPUを使うという話は、今回が初めてだ。

クラウドコンピューティングのおかげで、大量のデータをデータベースに保存することは、とても簡単になった。でも企業のデータベースは今では、アナリティクス(データ分析)のダッシュボードやビジネスインテリジェンスのためのツールなどを構築するためにも使われている。

このような、データベースの高性能な利用が求められる場面が、BlazingDBの出番だ。短時間で、集計をしたり、述語を使ったり、データベースの大量のエントリーを操作しなければならない。同社が顧客を受け入れ始めたのは2016年の6月だが、すでにFortune 100社に挙げられる大企業数社がBlazingDBを使っている。

Aramburu曰く、“彼らがそれまで使っていたツールはSQLの処理に数時間を要していたが、うちのツールなら数分だ。BlazingDBは何千ものコアを使って大規模な並列処理を行う”。

BlazingDBが実際に使うのは、Amazon Web ServicesやIBMのSoftLayer、Microsoft AzureなどのGPUインスタンスだ。だから企業はサーバーを(少なくとも今のところは)自分で管理する必要はないが、大量の機密データを扱うような企業はサーバーの自己管理を選んでもよい。

“うちのインフラストラクチャは、サーバーの種類やタイプを特定しない”、とAramburuは語る。“われわれが構築したコードベースは、そのための問題解決に尽力しているから、けっこう複雑だ”。

顧客は、そのほかのSQLデータベースと同じく、BlazingDBにプログラムでアクセスできる。たとえばPythonでETLのスクリプトを書いて、BlazingDB上のデータにアクセスしてもよい。

今BlazingDBのチームは6名だ。同社は今、大企業の顧客を獲得していくための概念実証の構築を、計画している。一方BlazingDBには無料のコミュニティエディションもあるから、ちょっと遊んでみることもできる。

SQLデータベースの企業というと、あまりセクシーには響かないが、BlazingDBがやってることはおもしろい。今、多くの企業がデータ駆動型になりつつあるが、BlazingDBは大量のデータから意味を見つけ出す作業を助ける。

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Q&A

Q: これまでのどんなツールより速いようだが、切り替えの費用は?
A: コネクタを提供していますから、データが数テラバイトあっても、切り替えはかなり容易です。

Q: 御社のスライドにはDeepMindが登場するけど、AlphaGoもGPUを使っているからか?
A: あれはとても多層的なニューラルネットワークを使っていますが、それはGPUの集合で構成されています。

Q: このソリューションの欠点は何か?
A: トランザクション型のデータベースではないことです。その方面では、そんなに速くありません。また、SQLの規格のすべてを実装してはいません。ウィンドウファンクションやストアプロシージャはありません。

Q: 類似特許は存在していないか?
A: 特許については詳しくないんですけど、既存のSQLツールをGPU利用バージョンに改装しているところは、いろいろあります。われわれは、スクラッチから(ゼロから)スタートしました。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、旧iPadのストレージも倍増。iPad Proの上位機種を値下げ

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Appleは今日のプレスイベントでiPadに言及しなかったが、それはニュースがないという意味ではない。iPhoneのストレージが32 GBからになったのに合わせ、iPadもストレージが強化された。

iPad Proは、9.7インチ、12.9インチ共すでに32GBからなので、旧モデルのみ容量が増える。399ドルのiPad Air 2は現在の16GBから32GBになり、同じく399ドルのiPad mini 4も32GBになる。

iPad Proは、一部のオプションかかなり高額だったため、Appleは最も高価なProモデルを少し求めやすくした。9.7、12.9インチモデル共に32GBの価格は変わらないが、128GB、256GBおよびLTE対応機は安くなる。

旧ラインアップの価格はこちら(The Vergeより):

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こちらが新ラインアップ:

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Via: MacRumors

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 7の予約は9月9日から、発売は9月16日から

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AppleはiPhone 7と7 Plusを発表し、今年のiPhoneラインアップを見るときが来た。iPhone 7と7 Plusの予約は9月9日から始まり、1週間後の9月16日に発売される。iPhone 7の基本モデルはストレージ32GBで649ドル。他に128GBと256GBモデルがある。大容量を得るためには100ドルずつ余計に払わなくてはならない。

32GBのiPhone 7 Plusは少々高い769ドル。同じく余分に払ってストレージを増やせる。通信会社の長期契約プランに入れば、月々iPhone 7が27ドル、iPhone 7 Plusが32ドルで手に入る。
iPhone SE、iPhone 6sおよびiPhone 6s Plusは引き続き販売される。Appleは6sと6s Plusのストレージを32GBと128GBに拡大した。iPhone SEは変わらず、16GBと64GBだ。

昨年導入されたiPhone Upgrade Planも継続される。つまり毎月の支払いを続けていれば新しいiPhoneとAppleCare+を直接Appleから受取ることができる。iPhone Upgrade Planは、米国の他に英国と中国でも利用できるようになった。

全機種ともまず28ヵ国で発売され、1週間後に30ヶ国が加わる。

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