ニーズに合った最適のクラウドサービスを見つけてくれるCloudScreenerが€600Kを調達

アプリケーションを、どのクラウドでホストすべきだろうか? クラウドは新規参入企業が日に日に多く、既存のサービスは次々と新しい機能を提供、しかも料金がころころ変わるから、この疑問に答えるのは難しい。そこでCloudScreenerは、あなたのニーズに関する二つの質問に答えるだけで、最適のクラウドプロバイダを見つけてくれる。そのために同社は、各クラウドサービスのパフォーマンスデータを集め、彼らの適性リストを作っている。

ユーザがホストしたいのはWebサイトか、ビジネスアプリケーションか、それともデータかに応じて、CloudScreenerは最適クラウドを見つけるための三つのウィザードを提供する。たとえば、ビジネスアプリケーションをホストする場所を探しているなら、利用者数やオペレーティングシステム、ユーザの所在、予算などをCloudScreenerに教える。すると、各サービスの適性やパフォーマンスや機能集合に100店満点で点をつけたリストが返ってくる。

このサービスは、料金に関しては毎日各サービスをスキャンしている。またパフォーマンスに関しては、各サービスのいろんなインスタンスに対して、6時間ごとに同社特性のベンチマークを動かす。そうすると、ライト/リードのスピードや、ネットワークのパフォーマンスとレイテンシ、CPUとメモリのパフォーマンスなどが分かる。ネットワークデータに関しては、CloudScreenerはCedexisとパートナーしている。

CloudScreenerはAnthony SollingerとNicolas Drouetの二人がパリで作った会社だが、Sollingerが今日のOpenStack Summitで語ったところによると、今現在同社は15のクラウドサービスをスキャンしている。今後はもっと増やしたいが、今のところはメジャーでグローバルな選手たちのみだ。

今後については、もっと細かい調査項目を加えた有料サービスを立ちあげたい、という。それはたとえば、コアの数やRAMの容量など、インフラの特性が詳細に分かる情報サービスだ。

資金はこれまで、60万ユーロをフランスのエンジェルたちから獲得している。その資金をもとに、マーケティングを含む陣容の拡大と、合衆国への進出を図りたい、と同社は構想している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Slateはテキスト・メッセージをリアルタイムで日本語など88言語に翻訳するiOS 8キーボード

コミュニケーションというのはいつでも難しいものだが、特にそれが外国語の場合、ハードルは非常に高くなる。コンピュータ翻訳の発達でずいぶん助けられるようになったものの、やはり不完全な翻訳がたびたび起きるし、カット&ペーストを繰り返せなければならないのも煩わしい。App Storeに登場したiOS 8向けソフトキーボード、Slatedはチャットのテキストをリアルタイムで翻訳し、ワンクリックで送信もできる翻訳アプリだ。

Slatedはなんと81ヶ国語の翻訳をサポートする。しかも入力窓にテキストを入力するはしから翻訳していく。ソフトキーボード自体はオートクレクトと候補表示の機能を外しただけで、基本的にiOSのデフォールトのキーボードそのものだから初めて使うユーザーでも戸惑うことは少ないだろう。 入力窓に自国語で入力するとその下の翻訳窓にリアルタイムで翻訳される。sendボタンを押せば相手に送信される。会話窓に表示されたテキストを長押し、コピーすると翻訳窓に翻訳テキストが表示される。

Slatedの開発者、Alaric Coleはわれわれの取材に対して、「もちろんこのアプリはお互いに理解できない言葉を話す同士の会話を可能にするために開発したものだが、キーボードをいちいち切り替えるのは面倒だから、普段のキーボードとして常用してもよい。それに同じ言語の相手とひんぱんい会話していれば知らず知らずに日常よく使われる表現を覚えてしまう」と語った。

私は昨夜、Slatedを少し使ってみた。相手は元TechCrunchで現在はEngadgetの記者、Chris Velazcoだ。Chrisはフィリピン系なのでタガログ語が話せる。しかし構文や綴りにかなりのエラーがあり、大声で読み上げてみてやっと私の送ったメッセージが解読できるということももあった。しかし結局最後にはこちらの意図が伝わった。

Slatedは当初2.99ドルのプロモーション価格で販売されているが、正価は4.99ドルだという。いずれにせよ多言語リアルタイム翻訳アプリにしては非常に安価だ。Translator Keyboardも同種のアプリだが、Slatedは翻訳能力とUIの使いやすさの点で一歩先んじている。正式公開の際にはさらにサポート言語を増やす計画だ。現在アプリはApp Storeで公開されている

いよいよ外国語がバリヤーにならない時代がやってきつつある。驚くべき時代になったものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


営業マン/ウーマンを最新の情報や資料で武装させるShowpadが$8.5Mを調達

ベルギーとサンフランシスコにオフィスのあるShowpadは、営業の人たちに最新の情報や資料を提供しセールスの成功を助けるモバイルファーストのソフトウェアだ。同社はこのほど、新たに850万ドルの資金を調達した。そのラウンドをリードした投資家はDawn Capital、それに、これまでの投資家Hummingbird Venturesが参加した。

すでに年商450万ドルを稼いで安定している同社がさらに新たな資金を導入したのは、アクセルをさらに踏み込むため。とくに合衆国とヨーロッパで成長を加速するためだ。協同ファウンダでCEOのPieterjan Boutenによると、それには、ロンドン支社の開設や、同社自身の営業とマーケティングの強化、そして前から計画している製品開発のペースを早めること、などが含まれる。

2011年に創業したShowpadは、いわゆるITの(企業用ソフトウェアの)消費者化と呼ばれるトレンドに乗っかっているスタートアップの一つだ。とりわけ、モバイルとタブレットとWebアプリケーションが主役で、営業の役に立つマーケティング情報などをクラウドから提供する。営業は、見込み客を前にして、彼らが関心を持つ話をしなければならないが、その素材を各企業の社内サポートスタッフが調製してShowpadのクラウドにアップロードする。

そのほかの機能として、出張時に便利なオフラインキャッシング機能や、社内スタッフと営業とのコミュニケーションのためのプッシュ通知、資料の使われ方をマーケティング部門が知るための利用分析などがある。

Boutenは、Showpadが解決しようとしている問題について、こう説明する: “B2Bの世界では、営業とマーケティングの効果的な協力関係がないところが多く、毎年数十億ドルもの費用が浪費されている”。具体的には、マーケティングが営業を適切な情報や資料でサポートしない、あるいはサポートするためのシステムがない、ということだ。優秀な営業が個人的に、他社製品比較資料などを自前で揃えることはあるが、それらが全社的な取り組みになっていない。だから、情報不足、資料不足で足を棒にする営業が多い。

“一人々々が自分で資料を探していると、そのために最大で週に7時間は奪われてしまう”、とBoutenは言う。“マーケティングは、営業が何で困っているかを、知ろうとしない。とくに、現場で営業と顧客や見込み客とのあいだに起きることに関して、社内スタッフが無知だ。Showpadは、そういう盲点をなくすことができる”。

そして同社の究極の目標は、“営業サイクルの短縮、商談成立の増加、営業活動の加速”だ。

Showpadの今の顧客は500社以上あり、中小企業だけでなく、さまざまな業種の大企業もいる。それらは、iXeroxやIntel、Schneider、Wyndham、Audiなどだ。同社は、2015年の年商100億ドルを目指している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ザッカーバーグ、初の公開Q&AでMessengerの強制ダウンロードについて語る


今日(米国時間11/6)Mark Zuckerbergは、初の公開Q&Aを行い、彼の会社に対するいくつかの大いなる不満や疑問に答えた。以下に主要な質問とFacebook CEOの回答を紹介する。

私たちはなぜ、チャットするために別のMessengerアプリをダウンロードさせられるのか?

ユーザーがMessengerをダウンロードさせられたのは、Zuckerbergがそれを「よりよい体験」でありその方が友達から早く返事をもらえると考えたからだった。かつてメッセージ機能はメインアプリで何度かタップしないと行けない場所に埋もれていたため、使うのが大変だった。メッセージは1日100億回送られているので、Facebookは専用の本格的体験があるべきだと考えた。Messengerがこのよりよい体験を届るためには、友達も皆それを使い、あなたのメッセージにすばやく返信しなくてはならないので、全員にダウンロードを強制した。しかし最終的にZuckは、「おそらく移行に関しては、もっとスムーズに行う方法を探す努力が足りなかった」ことを認めた。

なぜFacebookページへの通常アクセスが減っているのか

Facebookページがファンのニュースフィードにリーチするパーセンテージは減っており、これには理由が2つある。第1に、人々が1日当たりにシェアするコンテンツが増え、より多くのコンテンツをシェアする友達が加わり、より多くの〈多くのコンテンツをシェアする)ページに登録するようになったから。各ユーザーの1日のニュースフィードに表示される資格のある投稿は平均約1500本ある。第2に、人が1日にニュースフィードを見るのに費やす時間には限りがある。Facebookは1日に100本程度しか記事を表示していない。Zuckerberg曰く「全部を見ている人はいない」。

表示すべきコンテンツが増え、それを消費する時間がほぼ変わらなければ、枠の争いは激しくなる。これは、各コンテンツ提供者にとって、自分を見てもらえるユーザーに自然にリーチできる割合が減っていることを意味する。Zuckerbergはユーザーにリーチしようとしている企業に対して、人は友達に赤ちゃんが生まれ、健やかに育っている投稿を見る方が、Facebookページの記事を見るよりも好きであることを強調した。彼は、もしFacebookのニュースフィードを読むエンドユーザーと企業との間に衝突があれば、「ユーザーを優先する」と語った。彼のFacebookページへのアドバイスは、「素晴らしいコンテンツのシェアに集中する」ことだ。多くのユーザーが見たがるものであれば、Facebookはそれを見せるだろう。

どうすればIT業界で女性を増やせるか

Zuckerbergは、女性が科学、技術、工学、および数学の各分野に進出するための支援をもっと早くから始めて、女の子たちが自ら選択肢を狭めないようにする必要があると言った。さらに彼は、IT業界には女性が少ないために、IT業界には女性が少ないという悪循環があることも指摘した。本質的に、ロールモデルが欠如している。このサイクルを断ち切るためには莫大な努力が必要であると彼は言った。これは全員の義務であるとZuckerbergは指摘した。

なぜMark Zuckerbergは毎日同じシャツを着ているのか?

Zuckは笑いながら、同じシャツを何枚も持っていると言った。彼は同じグレイのTシャツを毎日着ている理由について、「それはコミュニティーに対する自分たちの義務についてわれわれがどう考えているかをものがたっている」と説明した。彼のゴールは、生活をクリアにすることによって下すべき判断を極力減らし、Facebookを可能な限り最高の体験にすることに専念できるようにすることだと彼は言った。「うわついたことや下らないことに少しでも自分の時間を費していると、自分の仕事をしていない気がするのです」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazon Echoはベゾスの巻返し―そのうち音声認識のゼロクリック買い物端末に化ける?

今朝(米国時間11/6)、Amazonは突然、Echoという新しいデバイス.を発表した。Echoにはスピーカーに加えて「常時オン」のマイクが内蔵されており、周囲のユーザーの声を聞き取ってクラウドに転送する。天気予報を尋ねると教えてくれる。目覚ましをセットするよう命じることもできる。エイブラハム・リンカーンの業績について尋ねることもできる。

なんと! 円筒形のパーソナルアシスタントなのだ。だが、このデバイスの本質が何であるか―というより、やがて何になりそうかじっくり考えてみる必要がありそうだ。

Amazonのビジネスモデルは人々に明日の天気予報を教えることではない。

毎朝目覚ましを鳴らすことでもない。

歴代大統領の業績を教えることでもない。

Amazonのビジネスはものを売ることだ。したがってEchoの存在理由も究極的にはそこにあるに違いない。

冷蔵庫を開けたらピクルスが切れていた。オーケー。「アレクサ、ショッピングリストにピクルスを追加」と呼びかければよい(Echoに命令するときにはアレクサと呼びかけることになっている。このキーワードはユーザーがカスタマイズできるらしい)。 念のため断っておくが、まだEchoから直接ショッピングはできない。単にショッピングリストにアイテムを追加できるだけで、ユーザーはそのリストにもとづいて別途注文をしなければならない。

しかしEchoが少しでも普及のきざしを見せたらこの点はさっそく「改良」されるのではないか?

たとえば、「アレクサ、カンフーパンダ2を注文」と呼びかけるとさっそく注文がすんでしまう。

「アレクサ、極上のエジプト綿のシーツを注文」。ジャジャン! シーツが発送される。

ワンクリック購入がゼロクリック購入に進化するわけだ。家全体(すくなくともEchoのマイクが聞き取れる範囲)が衝動買いを狙ったスーパーマーケットのレジ横の買い足し台になるのだ。

アメリカのAmazon プライム会員はEchoを半額で購入できるが、それにはもっともな理由がある。プライム会員はたくさん注文する。Echoはプライム会員にさらにいっそうたくさん注文させる仕掛けなのだ。おそらくその目論見は成功するだろう。

邪悪な企みだろうか? そうとは言えない。AmazonはEchoを買えと強制しているわけではない。それに第一、私自身、Amazonプライムを文字通り毎日利用している始末だ。私の愚かな物欲がさらにたやすく満足されるようになり、一声かけるだけでアイテムが魔法のように戸口に現れるのは楽しいだろう。

しかしAmazonがなぜEchoを作ったか、その理由は覚えておくべきだ。Amazonは顧客がわざわざ訪問しなければならない「デスティーネション・サイト」であることにもはや満足していない。Amazonは世界に遍在することを狙っている。Amazonストアが現実空間のあらゆる隅々にまで行き渡り、じっと聞き耳をたてて人が口を開くのを待ち構えているという状態が目標なのだ。

多少のギミックがバンドルされているものの、その本質はショッピングチャンネルだという点でEchoはFire Phoneに似ている。

しかしジェフ・ベゾスはFire Phoneの失敗(今だに8300万ドル相当の在庫を抱え込んでいる)から一つ学んだようだ。人々はもっと買い物をさせるために作られた製品だと知ってしまうとそれに金を出したがらなくなる。だが、Echoの本質はFire Phoneと変わらないのだろうと思う。

今のところ、Echoのショッピング機能は欲しいものを音声でショッピングリストに追加できるだけだが…さて?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon Echoは、Siri風アシスタントが常時待機している199ドルのスピーカー


Amazonは、現在どのIT企業も同等品を出していない新製品を発表した ― つながっているスピーカー、Echoは、常時オン状態で待機して、バーチャルアシスタントが利用者の命令を聞いて情報を知らせたり作業を開始したりする。

この円筒形デバイスは部屋中に広がる音を出し、上部にある7つのマイクロフォンは、ビーム形成技術を使ってユーザーの声を特定し、部屋のどこから話しかけられても聞き取ることができる。要求を理解しやすくするために、演奏中の音楽などのバックグラウンド音をフィルターすることもでき、音声はAmazonのクラウドベース・ウェブサービス経由で処理されるため、要求の認識は対応は時間と共に改善されていく。

360度全方向スピーカーを内蔵し、ユーザーの端末からBluetooth経由で接続するほかに、Amazon Music Library、Prime Music、TuneIn、およびiHeartRadioの音楽再生機能が標準でサポートされている。さらに、地方ラジオ局やNPR、TuneIn経由のESPNその他の情報源によるニュースや気象情報を聞くこともできる。ユーザーの質問には、Wikipediaから得た基本情報、単語の意味、さらには単位の変換もリアルタイムで答えてくれる。


Amazonは専用のEchoアプリも公開し、Fire OS、Androidで動作する他、iOSのSafari、およびデスクトップ経由で制御するためのウェブベースアプリも提供される。ユーザーはこれを使って、サービスの設定、アラームの確認、リマインダーや買い物リストのチェック、その他ユーザーがスピーカー自身を経由して入力した情の確認等ができる。


Amazon Echoaの価格は199ドルで、Primeメンバーは期間限定で99ドルだが、注文するためにも同社からの招待が必要だ。これは全く思いがけなく現れた製品だが、Amazonの極秘プロジェクト、Lab126が様々なガジェットを手がけているという情報は今年になって聞いていた。家中で使える常時オンのSiriが、いつでも質問に答え情報を提供するというアイデアは、将来のApple TVに組み込まれるという噂もあり、少なからぬスタートアップの頭の中にある概念でもある。

Amazonにとっては明らかな利益がある。ユーザーの声を聞き、音声による問い合わせを処理することは同社のコンセプトそのものだからだ。それは、ユーザーにこのアイデア全体を不安に感じさせるものでもある。AmazonのFire Phoneが、ユーザー指向の利便性を提供することより、客をAmazonのウェブストアに誘導するためにあると、多くの人々が感じたのと同じだ。Amazonによると、Echoが聞くのはアクティベーションワードを言った時だけだそうで、標準では “Alexa” になっているようだ。

すべてが少々不可解ではあるが、主要IT企業の新製品としてかなりユニークであることには興味をそそられる。さらに、もしこれがPhilipsのつながる電球 Hueや、Nestの学習サーモスタット等のスマートホーム機器分野ともつながるようになれば、家全体のスマートハブへとシフトする可能性も見えてくる。現時点で見る限り、消費者への売り込み方は奇異に感じるが、操作するためにユーザーが頭を動かさなくてはならない3D表示付スマートフォンよりは、おそらく分別ある商品なのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、ページの投稿をひとまとめに表示する機能を導入

〔この記事の筆者はTravis Bernard〕

われわれはついついFacebookのページを次々に「いいね!」してしまう。そこでFacebookは対策を考えねばならなくなった。つまり、われわれは50種類」のページに「いいね!」していてもそれらのページを始終訪問したり、投稿にコメントしたりするわけではない。もちろんFacebookはそのことに気づいていた。そこでFacebookは一部のページで複数の投稿を「まとめ(bundle)表示」するようにした。

あるページからの投稿が「まとめ表示」されるかどうかはユーザーがそのページとどう関わってきたかで決定される。ページからの投稿に頻繁に「いいね!」したり共有したりして関与している場合、投稿は「まとめ表示」にならない。ページにあまり関与していない場合、「まとめ表示」になる可能性が高くなる。要するにそのページを単に見ているだけか、積極的に関与しているファンであるかの違いだ。

「まとめ表示」の例はこんな具合だ。一番上に「アップデートが3つ」あると表示され、一番下に「すべて見る」というリンクが配置されている。


表示アルゴリズムのこの変更はユーザーがもっとも興味をもつであろう投稿を優先表示させようとするFacebookの努力の一環だ。アイディアは理にかなっている。ところが実際の動作には不審な点がある。私のニュースフィードで「まとめ表示」になったページにはTechCrunch とNFLのBaltimore Ravensが含まれていた。どちらも私が一番頻繁に関与しているページだ。この2つのページが「まとめ表示」になってしまうのは明らかにおかしい。XLR8RThis is Colossal,も私が頻繁に関与するページだが、こちらは「まとめ表示」にならず通常のフォーマットで表示されている。

ニュースフィードで興味ある投稿を目立たせるために「まとめ表示」はよい仕組みだと思うが、実装にはまだ問題が残っている。Facebookはアルゴリズムを改良する必要がありそうだ。

ページの投稿が「まとめ表示」されると、トップの投稿以外は「すべて見る」の向こうに追いやられるのでユーザーへの露出が減る。通販や広告収入をあてにするページの場合、ビジネスがダメージを受ける可能性がある。しかし、まったく表示されないより「まとめ表示」であっても表示された方がいいと考えるべきだろう。ユーザー関与があまり活発でないページの場合、むしろユーザー参加を促す効果があるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


遠距離恋愛中のパートナーに「心拍音」を届ける「Pillow Talk」

遠距離恋愛というのは相当に辛い。そばにいたいと思うからこそ恋人なのに、離れていなければならないというのがとても辛い。心配になるし、不満を抱えるようにもなる。相手が自分とではなく映画に出かけていくというだけでも、耐え難い気持ちになってしまったりもする。そんな気持ちをなんとかしようとするプロダクトがLittleRiotのPillow Talkだ。

このプロダクトは、間もなくKickstarterでもキャンペーンを開始する予定になっているのだそうだ。何をするものかというと、枕の中に潜ませたマイクを使って、互いの心拍音を伝え合おうとするプロダクトだ。枕に頭を乗せると、大好きな相手の休みない心拍の音を感じることができる。すぐそばに相手がいるように感じることができ、遠く離れたところにいながら、相手のことをごく身近に感じることができるようになるのだ。

開発したのはJoanna Montgomeryで、大学で考えていたプロダクトがバイラルで広がることとなった。20万ドルのシード資金を集め、そしてプロダクトを世に出すためにクラウドファンディングを行なってみようと考えている。

「コミュニケーションに用いるテクノロジーの在り方に一石を投じたいとも考えているのです」と彼女は言う。「スクリーン経由で姿を映し合うというのではなく、確かに相手と繋がっているという『実感』のやりとりを実現したいと考えたのです」。

2012年に、このプロダクトのことがバイラルで広がり始めると、Facebook上には4万3000人のファンが集まり、そしてメーリングリストにも4万5000名が登録することとなった。そうした人々の応援も感じながら、いよいよ実際のプロダクトとして世に出そうとしているのだ。

「大学ではインタラクションデザインを学びました。技術と、あるいは技術を用いて、自分以外とどのように交流するのかということを研究していたのです。ただ、『交流』という面では、電話以上の成果をあげるテクノロジーは未だ存在しないようなのです」とも彼女は言っている。「他者の存在を身近に感じるためのテクノロジーは発展途上なのです。それで、Pillow Talkを世に問うてみたいと考えるに至ったのです。一緒にいたり、あるいは電話で話をしていないようなときにも、パートナーと繋がっていることを実感できるものを実現したいと考えたのです」。

なるほど、サイバネティクスの可能性を示すものだと言えるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Macを犯し、そのMacがiOSを犯す、新種のマルウェアが中国で蔓延…Appleはすでに対策済み

これまでは、モバイルのマルウェアといえばほとんど、Androidデバイスの問題と思われていた。そしてiPhoneは、ジェイルブレークさえしなければ安全、と信じられていた。AppleのCEO Tim CookもAndroidいじめの片棒を担ぎ、“Androidはモバイルのマルウェア市場を支配している”、と言った。しかし、このほど合衆国の研究者が中国で見つけた新しいウィルスは、Appleのデバイスにとって初めての深刻な脅威をもたらすかもしれない。

Palo Alto NetworksのリポートThe Vergeさんありがと)によると、新たな系統のマルウェアがAppleのセッティングをかいくぐって、Mac用の感染したソフトウェアを使っているセキュアな(つまりジェイルブレークされてない)iOSデバイスに感染するおそれがある。’WireLurker’と呼ばれるそのマルウェアは、中国のサードパーティのMacストアMaiyadi App Storeで野放し状態で見つかり、これまでに467のアプリケーションに感染したと言われている。そしてこれらのプログラムの感染したバージョンは35万回以上ダウンロードされ、数十万のユーザに被害を与えた、とPalo Alto Networksは報じている。

アップデート: Appleによると同社は、感染したアプリケーションが動けないようにした。…Appleの声明の全文は下にある。

そのマルウェアは正常なMacアプリケーションをリパックする。それをMacにダウンロードしたら、USBケーブルでそのMacに接続しているいかなるiOSデバイスにも、有害なサードパーティアプリケーションをインストールする。リポートによると、いちばん興味深い、おっと、いちばん困るのは、iOSデバイスに感染したWireLurkerが、一連の高度なテクニックを使って既存のアプリを有害アプリに変えてしまうことだ。

作者のねらいはまだ分からないが、Palo Alto Networksのリポートによると、WireLurkerは、自分が書き換えたアプリの内部からさまざまな情報を盗むことが、判明した。中国で見つかったそのマルウェアは、Alibabaの、ユーザ数がとても多いTaobaoショッピングアプリやAliPay決済アプリをねらっている。そこには、そのスマートフォンオーナーのクレジットカード情報や銀行口座の情報がある。しかしそのセキュリティ企業(Palo Alto Networks)は、その手口は今回の特定のマルウェアだけに終わらない、Appleデバイスのマルウェアの、“新時代”の到来を告げるものだ、と言っている。

とりわけ、Palo Alto Networksによると、“ジェイルブレークされてないiOSデバイスにエンタプライズ環境から感染してサードパーティのアプリケーションをインストールする野放しのマルウェアは、これが初めて”、だそうだ。

同セキュリティ企業は、同社の製品でWireLurkerを防げると言っているが、しかし、いつでも最良のアドバイスは、サードパーティのソースからアプリケーションをダウンロードしないこと、そしてApple公認のUSBケーブルを使用することだ。前者は、サードパーティのアプリストアが非常に発達していて人気も高い中国では難しい。でも圧倒的に多いのはMacやiOSでなくAndroidのストアだけど。

Palo Alto Networksのリポートには、WireLurkerのような性格のマルウェアの被害を受けやすいエンタプライズ環境のAppleユーザのためのアドバイスもある。

アップデート: Appleによると同社は、中国で感染したアプリケーションに対して対策を講じた:

弊社は、中国のユーザをねらった有害なソフトウェアがダウンロードサイトから入手できることを承知している。そして弊社は、そのようなアプリケーションを見つけ次第ブロックし、それらが起動しないようにしている。いつものように弊社は、ユーザが、信頼されているソースからソフトウェアをダウンロードしインストールすることを、おすすめする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dockerベースのコンテナから継続的インテグレーションを行うShippableが$8Mを調達

今や、Docker関連のスタートアップというだけで、投資家が殺到する。VCたちがこれほど前のめりになっているバズワードは、ほかにない。というわけで、Dockerを利用してコンテナ化した継続的インテグレーションとデリバリプラットホームを提供するShippableが今日(米国時間11/5)、Madrona Venture Group率いるシリーズAのラウンドで800万ドルを調達したことを発表した。これには、既存の投資家Paul AllenのVulcan CapitalとDivergent Ventures、そしてFounders Co-Opも参加した。

1年前の200万ドルに次ぐ今回の資金は、エンタプライズへの売り込みの継続に投じられる。一般企業はまだ、継続的インテグレーションの採用が最近始まったばかりだ。同社によると9月にサービスのバージョン2.0を立ち上げて以降、ユーザ数は新たに2万あまり、企業顧客は2500増加した。

Shippableの、コンテナから提供される継続的インテグレーションサービスは、高速で使いやすく、しかも費用が安い。このことは、Shippableのユーザホスティングタイプの実装を顧客が自社のデータセンターで使っている場合と、パブリッククラウド上で使っている場合の両方についても言える。継続的インテグレーションではユニットテストを頻繁に行うが、Shippableはコンテナを使ってワークロードの多寡に応じての仮想テストラボの伸縮を迅速に行う。そのコンテナはプロダクションで使われるもののレプリカなので、開発とテストの環境がプロダクションのセットアップによくマッチする。この方式だと、同社によると、テストラボのサイズを従来より最大70%縮小できる。

Madrona Venture Groupの専務取締役Tim Porterはこう語る: “オープンソースはこれからもテクノロジ産業に大きなインパクトを与え続けるが、Shippableのような企業はそういう技術を利用して顧客元におけるイノベーションの迅速化と低コスト化を支援する。コンテナはこれまでよりも大きな柔軟性とアジリティとスピードをもたらすので、Shippableを利用する企業はアプリケーションの継続的なテストと展開を大幅に効率化でき、そのために完全に新しいインフラストラクチャを実装する負担を避けられる”。

同社によると、コンテナ方式だと継続的インテグレーションなどのジョブの自動化も容易に行える。ShippableのCEO Avi Cavaleは曰く、“‘継続的インテグレーション’は誤称だ。Jenkinsなど従来のCIツールはユニットテストは自動化してくれるが、ステージング環境における機能テストはほとんどマニュアルで行われるので、‘継続的’とは言えない”。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook疲れの人も本音が書ける、テキスト限定投稿サイト「LifeCLIPS」

上司や取引先とつながりすぎたせいでFacebookにプライベートなことが書きにくい。かといって、Twitterの140文字じゃ足りないし、ブログを開設するのも面倒くさい。そんな人のために作られた「LifeCLIPS」は、ブログでもSNSでもない、文章コンテンツに特化したプラットフォームだ。投稿できるのはテキスト限定、基本機能は「足あと」と「フォロー」のみと超シンプルだ。

「CLIP」と呼ばれる記事の作成画面は、真っ白な背景にタイトルと本文を書き込むスペースのみ。ボールドやイタリック、見出しなどの機能もなく、写真や動画も投稿できない。そのUIはどことなく、Bloggerを創業し、Twitterの共同創業者でもあるEvan Williamsが手がける「Medium」ライクでもある。

文章の公開範囲は全体公開・限定公開(著者がフォローしている人のみが読める)・非公開の3種類。ソーシャルでも見てほしいという人のために、FacebookとTwitterのシェアボタンも控え目ながら用意されている。

2014年1月にクローズドベータ版をリリースし、11月6日に正式ローンチ。これまでに約500人が約1400件のCLIP(記事)を投稿していて、1記事あたりの平均文字数は568文字。Facebookでよく見る「意識高い系」の投稿ではなく、セルフブランディングとは無縁の趣味やプライベートの話が多いのが特徴だという。

サービスを運営するiDEAKITT代表取締役の藤田遼平さんは、「その道の専門家ではなくても、セルフブランディング以外の目的で書かれる独自の価値観はコンテンツとして面白い」と話す。

「何を書いていいかわからない」という人には、特定のテーマ(お題)を設けることで書きやすくする。「チャンネル」と呼ばれるこの機能は、「子供の頃のヒーロー・ヒロイン」や「何度でも訪れたくなる街」といったお題をLifeCLIPSが用意。各チャンネルにはお題に沿った記事だけが集まる。将来的には、企業や団体が訴求したいテーマに沿ったチャンネルを作ることも、収益の1つとして見込んでいる。

かつての「mixi日記」の空気感をもう一度

藤田さんがLifeCLIPSでイメージしているのは「全盛期のmixi日記の空気感」だ。

「mixi日記は適度なつながりで本音を投稿できる場。かつて毎日のように投稿していた人に、『Facebookだと書きたいことも書けない?』と聞くと8割以上が同意すると思います。長い文章を書きたいニーズがあるのはmixi日記が証明済み。いいね!は100個もいらない、好きな人にだけ読んでもらえれば満足する、という人は多いはずです。その意味で、mixiと同様、誰に読まれたかがわかる足あと機能をつけています。」

ソーシャル疲れした人には、フォローし合える人数が150人までの「Path」9人限定の「Close」などのクローズドなSNSがある。まとまったコンテンツを気軽に投稿できるサービスとしては、ピースオブケイクの「note」やシックス・アパートの「Shortnote」があるし、Facebookでグループを作って文章を投稿すれば事足りるのかもしれない。この点について藤田さんは、「LifeCLIPSのベータユーザーに評価されているのはテキストのみの潔さ。写真や動画、音声など何でも投稿できるのが良しとされがちですが、文章しか書かない場所というのがわかりやすい」とテキストコンテンツの持つ可能性にかけている。


インフィニティ・ベンチャーズが3号ファンド設立、中国出資ではリクルートと連携

インフィニティ・ベンチャーズLLP(IVP)は11月6日、3つめのファンドとなる「Infnity e.ventures Asia III,L.P.」を設立したことを明らかにした。

ファーストクローズの金額は約3200万ドル(1ドル110円換算で約35億円)。ファンドに出資するのはリクルートホールディングス、大和証券グループ本社、サミーネットワークス、ORSO、ミクシィ、ユナイテッドなどの法人のほか、個人経営者など。IVPは2009年に1号ファンドを立ち上げているが、これにはKDDIやミクシィが出資していた。IVP共同代表パートナーの小林雅氏によると、「当時に比べて、規模の大きい事業会社において新規事業開拓のニーズが増えている」とのことで、事業会社による出資が多くなっている。

また10月に上場したばかりのリクルートホールディングスもファンドに出資するが、今後はリクルートグループで海外に特化投資に特化したコーポレートベンチャーキャピタルである「合同会社RGIP」などとも連携して中国での投資を進める。今後IVPでは海外の大口投資家なども含めて、2015年前半に1億ドル規模までファンドを拡大するとしている。

IVPはこれまで、1号ファンドからの累計調達額は約1億2800ドル(1ドル110円換算で約141億円)で、これまで国内外合わせて40社以上に投資をしている。投資金額に対して投資先のバリュエーション(評価額)は3倍だそう。小林氏にもう少し詳しい話を聞いたところ、これまでのイグジット事例として最も大きいのは1号ファンドで出資したグルーポン・ジャパン。

2012年末にクロージングした2号ファンドでは、企業名は非公開とのことだがすでに一部の株式を売却しているほか、中国で決済事業を手がけるYeahkaやアプリ解析のApp Annieをはじめとしてバリュエーションが100万ドル超の企業が4社ほどある状況。「現時点で大きなイグジイットは無いが、含み益は見えている」(小林氏)。3号ファンドでもこれまで同様に日本と中華圏での投資に注力する。


TCハッカソンに感情認識ロボ「Pepper」が3体も来る! ハックは意外に簡単

ソフトバンクの感情を認識するロボット「Pepper」が、11月15日、16日の週末に予定している「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」に3体ほど来ることになったのでお知らせしたい。

Pepperは現在、開発者向け先行予約として200台限定で出荷準備中だが、実際には2000台を超える申し込みがあって人気となっているそうだ。本体19万8000円、開発者パッケージとしてメンテナンス費を含む月額9800円という比較的高額な価格設定でも、これだけの数を受注しているのにはワケがある。それは、大手企業の新規事業開発部門や、スタートアップ企業、教育や介護での応用を模索する人々などからの引き合いが強いから、という。ソフトバンクの孫社長の当初のプレゼンでは、家庭向けということを強調していたが、介護や店舗での案内係など、今はPepperとビジネスをつなげるという応用に注目が集まってる。

ぼくは、ほかのロボットをプログラムしたことがないので比較はできないのだけど、Pepperを使ったビジュアル開発環境「Choregraphe」は想像以上に手軽だった。開発環境のインストール方法は、ここのQiitaのページにまとまっているけれど、統合開発環境をインストールして同一セグメントのWiFi接続で開発環境を入れたPCをPepperに接続すれば、コードのアップロード準備は完了。統合開発環境にはエミュレーターで動くPepperも入っているので、簡単な動作確認はその場でできる。

開発は「ボックス」と呼ばれる単位で行う。ボックスの1つ1つは、ロボット動作やセンサー入力、条件分岐やループといった制御構造に対応していて、このボックスをドラッグ&ドロップして線で繋いでいくことでプログラムをする。ボックスには具体的には、オーディオ、振る舞い、コミュニケーション、データ編集、フロー制御、LED、数学、モーション、センシング、システム、テンプレート、追跡、ビジョンなどに分類して用意されている。それぞれのボックスには受け付けるインプット・アウトによって、色分けがされていたりして、何となくプログラミング言語の型を思わせるものもあるし、switch/caseのような制御構造で「音声を聞いて、答えがyesならA、noならB」というようなボックスもある。プログラミング経験者ならスラスラとブロックを並べられるだろうし、そうでなければ、むしろ良いプログラミング入門となりそうな印象だ。

ボックスをダブルクリックすると、その場でテキストエディタが開いてPythonで10〜30行程度のコードが表示される。このコードを直接カスタマイズすることでボックスの動作を変えられる。ボックスには、onLoadとかonUnloadといったフックとなるメソッドも用意されていて、JavaScriptなんかのモダンなスクリプト言語で開発経験があれば拡張は簡単にできそう。複数のボックスをグループ化して、新たなボックスを定義するなど抽象化もできるが、これまでの実例だと最大150個程度のボックスを使って複雑な動作をするプログラムを作った人もいるのだとか。

で、どんなアプリができるのか。

たとえば顔認識が搭載されているので、学校の校門に立ったPepperが登校して来る子どもたちの顔を認識し、父母に「学校に到着しました」とメールする仕組みを作ったような事例だったり、ヤマハのボーカロイドを使って、Pepperに何か言葉を投げかけると、その言葉を使った歌を作ってくれるというようなアプリがこれまで実装されたという。視覚と聴覚センサー、それに身振りが加わったハブのような存在として、各APIを繋いで何かを利用者に見せるエージェント的な動きをPepperが果たすというのは分かりやすい応用例。たとえば、占いのアプリをケータイでやると当たり前すぎるが、「占ってます、占ってます! キターッ!」という表現をつけるだけで面白いし、Pepperの担当者によれば、これが意外にハマるそうだ。人の顔写真を撮影して、それを絵画風にレタッチするようなサービスも、Pepperに画家の仮装をさせることで、UIが人型である魅力というのは出てくるという。PCとキーボードの組み合わせがネットを使う最適なデバイスじゃなかったんだね、結局、というのがモバイルシフト時代の共通認識だと思う。同様に、5年や10年経ったときに、天気予報やニュースを見たり、調べ物やレストランの予約をするようなサービスに適したUIは「タッチ画面なんかではなく人型UIだったんだね」ということになる可能性もあるのかなと思う。

ちなみに、今は開発者向けに出しているPepperだが、2月出荷を予定している一般出荷向けPepperには基本的な会話機能に加えて、アプリ数十個が最初から搭載される予定という。ちょうど、iPhone 3Gのローンチのようなもので、アプリストアもオープンして、アプリのエコシステムがスタートする。2月時点で有償アプリの仕組みを提供するかどうかは未定で、これは来年の夏以降となる見通しという。

なお、Pepperを使った開発をTechCrunch Tokyoハッカソンでやってみたい! という人は、9月に行われたPepper Tech Festival 2014のページで、開発者向け資料やクリエーターショー、Pepper技術セッションなどを見て予習しておくように! そして、以下から参加を申し込んで頂ければと思う。

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以下はTechCrunch Tokyo 2014本編のチケット。

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GoogleのスマートテレビはAndroid TVで前よりずっとスマートになった

Googleのテレビに関する野望は、今週発表のNexus Playerで“テイクツー”を迎えた。Android TVはセットトップのストリーミングデバイスで使われるが、重要なのはハードウェアよりもソフトウェアだ。Googleはそのソフトウェア、すなわちメディアプラットホームを、テレビ受像機やそのほかのメーカーのセットトップボックスに内蔵させることによって、モバイル市場を制覇した実力をスマートテレビでも再現しようとしているからだ。ぼくはすでにGoogle TVで試してみたが、この第二波は前よりもずっとお利口だし、これまで同社が、モバイルのOTTソフトウェア市場の進化とそれへの参加から学んだことが、十二分に生かされている。

ぼくは、まだ幼児期とはいえAndroid TVが大好きで、特定のプレーヤーつまりNexus Playerは不出来でAndroid TVの評価にも影響したとは思うが、基本的にソフトウェアはまだその表面的な部分しか知られていない。サードパーティがいろんなサポートをするようになって、真価が現れてくるだろう。生まれたばかりの今でさえ、Chromecastデバイスとして使えることはスグレモノだ。

さまざまなソフトウェア機能も、よくできている。とくにGoogleがシンプルであることにこだわったのが、最大の強みだ。リーンバックのインタフェイスを、今のモバイルデバイスみたいに複雑高度にしたって、意味ないからね。

Android TVはいわゆるソフト(==コンテンツ)でも、すでにこのビデオに見られるよりは充実している。テレビ受像機のメーカーをはじめ、今後ハードウェアパートナーが増えれば、デベロッパたちも無視できなくなる。でも今のところは、上のビデオを見て、Googleのテレビ進出の第二ラウンドがどんな結果になるか、ご自分で占うのもおもしろいだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Drive、デスクトップアプリとの連携を強化


Googleは今日(米国時間11/5)、オンラインストレージサービス Google Driveの新機能を発表し、クラウドに保存したファイルをデスクトップの好きなアプリケーションで開けるようになった。ただし本機能は単体製品ではなく、Chromeの拡張機能として提供される。インストールしたら、Google Driveに保存されたファイルを右クリックして、パソコン上の対応アプリで開くことができる。

拡張機能が動作するためには、最新バージョン(ver. 1.18)のDriveアプリ(MacまたはPC)がインストールされていて、ファイルはパソコンと同期されている必要がある。

Google ― ユーザーをMicrosoft Office等のデスクトップアプリから、自社のオンラインOfficeスイートへ誘導しようとしている会社 ― が、ウェブユーザーにデスクトップアプリを使い続けさせようとしているのは少々奇異に感じる。しかし、重要なのはデスクトップとクラウドの境界線を曖昧にすることだ。この機能追加によって、デスクトップアプリと、GoogleのDocs、Sheets、Slidesは、ある意味で同じ土俵に立ったことになる。

これはまた、何の理由であれクラウドアプリケーションに完全移行できない、あるいはしたくない一部ユーザーたちへの答でもある。GoogleのOfficeアプリがサポートしていない機能を使ってるからかもしれないし、ただ使い慣れたMicrosoft WordやExcelを不満なく使っているだけかもしれない。あるいは、Googleがオンラインでは提供していない複雑なソフトウェアを必要とする仕事をしているのかもしれない。

この拡張機能は、一見大したことはなさそうだが、それらのユーザーのワークフローをブラウザーへと誘惑する甘言になるかもしれない。これがあれば、お気に入りのデスクトッププログラムを使い続けながら、クラウドにファイルを保存することで有効になる機能を活用し始めることができる ― それが競合するOfficeスイートであれ、高度なビデオや画像の編集ツールや、3Dアニメーション、デザインツールであれ何であれ。

Googleによると、新しい拡張機能は今日から数日のうちに有効になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebookが同社のHTTPフレームワーク/サーバProxygenをオープンソース化

Facebookが今日(米国時間11/5)、Proxygenをオープンソースにする、と発表した。それはC++で書かれたHTTPライブラリで、同社が使っているHTTPサーバも含まれている。Facebookは最近いろんなものをオープンソースにしてきたが、その多くはモバイルデベロッパ向けだった。しかし今日の発表は、もっと広い範囲のデベロッパが関心を持つだろう。

Facebookによると、Proxygenはそもそも最初から、ApacheやnginxのようなHTTP/プロキシサーバに置き換わるものを志向していない。“彼らのプロジェクトはCで書かれたきわめて自由度の高いHTTPサーバを作って高いパフォーマンスを提供することが目的だが、構成(〜設定)の項目や値が途方に暮れるほど多い”、Facebookの技術者Daniel SommermannとAlan Frindellが今日の発表声明の中でこう書いている。“逆にわれわれは、C++によるパフォーマンスの良いHTTPフレームワークを目標とし、サーバもクライアントのコードも妥当なデフォルトで間に合うよう努めた。そして、既存のアプリケーションへの統合が容易であることも”。

それでも、このフレームワークを使うとイベントドリブンのサーバを手早くセットアップでき、HTTPとSPDYのリクエストを処理できる。特殊な機能を持ったWebサーバを作りたいデベロッパが、そのベースとしてProxygenのコードベースを利用することもあるだろう。

SommermannとFrindellによると、Proxygenは2011年に始まったプロジェクトから進化したもので、当初は自由なカスタマイズのできるリバースプロキシロードバランサだった。

FacebookはそのHTTPスタックとしてApacheやnginx、Varnishなどを使うこともできたはずだが、技術者たちは、独自のフレームワークを作った方がFacebookの既存のインフラストラクチャやツールとのより深い統合が可能だ、と主張した。たとえば、Facebook自身が作ったApache Thriftなどがその典型的な例だ(今ではGitHubで入手できる)。

チームは今、このフレームワークをFacebookの今の大きさに合わせてスケールアップする方法を模索しており、また、ほかのツールでの再利用にも努めている。たとえばHaystackやHHVM、Facebookのロードバランサ、同社のモバイルインフラストラクチャなども、何らかの形でProxygenを利用している。

これまでにProxygenは、“何兆という天文学的な数のHTTP(S)/SPDYリクエストを処理してきた”から、相当現場で鍛えられたコードであることは確かだ。そのソースコードはここにあり、Proxygenの詳細な説明がここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


このポータブルRaspberry Piゲーム機は、失われた青春のアーケードゲームを取り戻してくれる


eNcadeは、人々の忘れていたノスタルジアに乗じることを期待している。実質的にRasberry Piを可愛いらしいケースに入れただけだが、このポータブルコンソールは、伝説的ゲームにオンライン・マルチプレーヤー機能を追加して、世界中のプレーヤーとジャウストを戦ったり、町内の友達とマリオブラザーズをプレーしたりできるようにすると約束している。

コンソールは3Dプリントされたもので、完成版のPiとゲーム入力が付いている。もちろんこの手の物は誰にで作れるが(私は子供たちと一緒にたった今これを作っている)、秘密はソフトウェアにある。「eNcadeの始まりは私のコンセプトで、当初はポータブルオンラインマルチプレーヤー対応レトロゲーム機だった」と作者のNicolas Wickerは語る。「しかし、みんなの声を聞いた結果、われわれの世代で人気を得るためにも、アプリを作る上でもRaspberry Piが非常に適していると気付いた。以来、3回の設計変更を経て、現在はソフトウェアのベータ版を仕上げているところだ」

「最初にeNcadeを考えついたのは、レトロゲームをオンラインでマルチプレーできるポータブル機がないことに気付いた時で、1年以上前のことだった。さらに、購入可能な完成版Raspberry Piゲーム機がないことにも気付いた。eNcadeは、この2つのコンセプトを融合させる完璧な解だった」

完成版は160ドルで入手可能で、Wickerは初期モデルを3Dプリンターで作り、プロジェクトが離陸したら射出成型品を出荷するつもりだ。彼のゴールは、古いROM向けのXbox Liveのようなものを作って、自分のゲームに他のレトロゲームユーザーが遠くから参加できるようにすることだ。

目標金額6500ドルで、まだ道は遠そうだが、立ち上がれば面白いプロジェクトになるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


合衆国エネルギー省がソーラーのソフトコスト低減のための起業企画を募集

このところ、アメリカの商用太陽光発電は、企業への政府補助と中国のメーカーとの厳しい競争で、価格が急落している。エネルギー省の育成事業SunShot Initiativeで、そのインキュベーション部門Catalystを担当しているVictor Kaneによると、2010年に比べて今ではほぼ50%低下しているという。この育成事業の主な目的は、ソーラー発電のコストを2020年までにそのほかの発電方法と互角にすることだ。

一般住宅等への据え付け費用では、いわゆる“ソフトコスト”が増加している。たとえば顧客獲得経費は、売価24000ドルの据え付けで2000-4000ドルを占める。そこでSunShotは、ソーラービジネスにおけるこれらの非効率を取り除くことに、取り組み始めた。

今年、SunShotのCatalystインキュベータは、消費者調査を行って、ソーラーエネルギーにおけるソフトコスト関連の問題を130件同定した。そしてそれにより、ソーラーを購入しようとする消費者が情報を見つけづらい、大規模な据え付けでは検査費用が高い、などの問題が浮き彫りになった。

5月には、ソーラ業界の外部からアイデアを募集する事業が行われ、起業家や技術者等に、ソフトコスト対策のアイデアやプランを素描する5分間のビデオの制作と提供を求めた。提出の締め切りは東部時間で11月7日11:59PMだから、今からでも間に合う。

締切後にはCatalystのチームと外部エキスパートによる審査が行われ、20件がNational Renewable Energy Laboratoryからのガイダンスと最大25000ドルまでの初期的立ち上げ/売り込み費用が提供される。それらの応募の多くはTopCoderにおける競争作品として作成提出され、ホビイストプログラマとプロのデベロッパが横並びでアプリケーションの実装を競える。SunShotの担当者たちは、こういう競争形式のほうが多くの人たちの参加意欲をそそる、と考えている。

2015年の5月に、20のチームは投資家たちに訴求するデモデーのために再び集まる。そして上位5チームがそれぞれ、自分のスタートアップを立ち上げるための資金として10万ドルを受け取る。SunShot InitiativeのディレクターMinh Leによると、エネルギー省の目標は、これらの勝者たちが、次はシリコンバレーの名門アクセラレータに‘本格入学’することだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


3Dプリント銃を現実的にする新しい弾丸


3Dプリント拳銃はまだ現実味に欠ける。プラスチックの気まぐれに加えて、Liberatorのような作り方を見る限り、注意していないと銃はいつでも手溜弾に変わりかねない。しかし、エンジニアのMichael Crumlingは答を知っているかもしれない。

彼が作った新しいタイプの弾丸は、薬莢を銃身の補強材として利用する。これは、ピストルを粗悪なプラスチックで作っても、この長い弾丸を使っている限り、発射した後も銃身が本体から離れることはない、という意味だ。

Crumlingは彼のウェブサイトにこの新しい弾丸 .314 Atlas の計画を掲載している。彼の仕事は、クールなギターのデザインと、クールな銃のデザインを交互にこなすことなので、Atlas弾丸はまだ極く初期段階にある。それでもテストは十分に行われており、非常にうまく動作している。

Crumlingがこう書いている。

これが .314 Atlas弾丸のデザインだ。これは約23000 psi(1565気圧)の圧力下でも安全で、1018冷間圧延鋼から作られている。まだ負荷をかけているところなので、データは多くないが、開発が進めば追加できるだろう。

Crumlingはこれを、実質的に「弾丸に組み込まれた銃身」であり、銃そのものにかかる圧力をすべて取り去り、プラスチック銃身を単なるガイドとして使えると言っている。画像を見る限り、精度はあまり高くなさそうだが、大切なのはその発想だと私は思う。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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