ロシア情報機関の介入やニュースフィードのアルゴリズムの変更などによるネガティブな影響が懸念されていたFacebookだが、2017年第4四半期の決算でまたもアナリストの予測を上回った。Facebookの発表によれば、DAU(1日あたりアクティブ・ユーザー)は14億人、対前年比2.18%アップだった。2017年第3四半期の成績は13.7億人、3.8%アップだった。成長率についてはかなりの減速だ。実際、Facebookとしては対前年比の成長率として最低の記録となっている。
この減速の原因はFacebookがバイラルビデオの表示を減らしたことにある。CEOのマーク・ザッカーバーグがFacebookに投稿したところによれば、「Facebookでの滞在時間を1日あたり約5000万時間減少させた」という。アクティブ・ユーザー1人あたりに換算すると毎日2.14分になる。これはトータルの滞在時間の5%の減少に相当する。 バイラルビデオの表示アルゴリズムを変更したことでFacebookはアメリカとカナダで初のDAU数減少に見舞われた。実数にすると70万人だ。
一方、Facebookの第4四半期の売上は129.7億ドル、1株あたりGAAP調整済み利益は2.21ドルとなった。しかしこれには海外でキャッシュでの支払いを要する巨額の税を計算に入れていない。これは1株あたり0.77ドルの利益に相当する。この税を除外すればFacebookはアナリストの予測、125.5億ドルの売上、1株あたり利益1.95ドルというアナリストの予測を上回った。ただし海外の税を考慮すると1.44ドルとなる。
Facebookの月間アクティブ・ユーザー(MAU)は21.3億人、対前年比3.39%のアップだった。200年第3四半期は20.6億人、 3.19%のアップだった。つまりDAUの伸びは減速したものの、MAUの伸びはわずかながら加速している。それでもFacebookのMAUとDAUの比率は66%と高いレベルを維持した。業界で「ステイッキネス」と呼ばれるこの回帰率は2015年からほぼこのレベルにある。
ユーザーの滞在時間はやや減少したが、回帰率には影響していない。
ユーザーあたり平均売上は6.18ドル、対前年比 27%のアップとなった。Facebookでは投資家に対しニュースフィードの広告掲載スペースを使い切りつつあると警告していたものの、売上総額は対前年比47%のアップとなっている。Facebookは42.6億ドルの利益を上げたが、前四半期の47億ドルから大きくダウンしたのは巨額の税の支払いのためだ。Facebookの株価は時間外取引で4%ダウンしたが、持ち直し、3%をやや超えるアップとなっている。
[アップデート:四半期決算を説明するFacebookの電話記者会見によれば、 WhatsAppのMAUは15億人となり、7月の13億人から大きくアップした。またアメリカとカナダのDAUが70万人減少した原因はバイラルビデオの表示を減らしたことにあると確認した。ザッカーバーグは「コンテンツそのものの意味より、そのコンテンツがどれだけ意味あるリアクションを起こしたかに基いて表示の優先順位を決めるよう指示している」 と述べた。Facebookの調査によれば、アプリでのストーリーの投稿数がニュースフィードの投稿数を上回ってたという。] 【略】
Snapchatの脅威は大部分Instagramという防壁によって食い止められたため、 Facebookの最大のライバルは自分自身ということになったようだ。Facebookは将来プライバシーや今回のロシア組織の介入のような問題によって生じる可能性のある危機を予防する方法を考えるべきだろう。また「時間をより良く使おう Time Well Spent」運動が「Facebookを使うのを止めよう」という運動に発展する前に対処する必要もある。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)