BetterCloudが2年がかりの大規模改築工事でG Suite管理サービスから汎用SaaS管理へ変身

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5年前にG Suite(Google Apps for Work)ユーザーのための管理サービスとして立ち上がったBetterCloudが、もっと一般的なSaaS管理サービスへの全面的な変身を図り、今日(米国時間12/6)、その新しいプラットホームを披露した。

CEOのDavid Politisによると、同社はサービスの設計を完全に一新し、これまでの一枚岩的なアプリケーションから、コンテナとマイクロサービスをベースとするより現代的なアーキテクチャに変わった。同社のその新しいサービスには、さまざまなAPIを呼び出して外部サービスに接続する、という重要な機能がある。これにより、Googleのスイートだけでなく、APIを公開しているSaaSアプリケーションなら何でも管理できるようになった。

Politisによると、今回の変身には、2年という年月を要している。彼のその長期ビジョンは、投資家と社員と顧客の、忍耐を試す試金石となったが、しかし彼によると、その困難な改築工事を成し遂げたことによって、今の同社には新しいツールを迅速に加えることのできる能力が備わっている。同社のサービスの旧バージョン〔コンテナベースでない〕では、それは、不可能ではないまでも、きわめて困難だっただろう。

新しいSaaS管理サービスは集中管理的なダッシュボードを顧客に提供するが、そこから引き続いてG Suiteの管理もサポートされる。顧客はユーザーのアクティビティを非常に詳細なレベルで管理できるだけでなく、そこからそのほかのサービスにプラグインすることもできる。今のところそれらは、Slack, Zendesk, そしてDropboxだ。今後はSalesforceなど10あまりのサービスを統合していく予定だ。

BetterCloudの新製品の中心的なコンセプトは、顧客企業のITに、その企業が利用しているクラウドサービスを一元管理/制御できるためのツールを提供することだ。たとえばそれは、今どの社員が何のシステムを使っているか、どんな外部アプリケーションを動かしているか、その人のユーザー特権は何か、などを詳細に把握管理する必要がある。また、さまざまな状況に応じて、xxxが起きたらyyyをせよ、というタイプのワークフローの集合を定義しなければならない。たとえば、ふつうのユーザーに突然アドミン特権がある、という事態が生じたら、パスワードをリセットし、IT用の認証チケットを作り、Slackに注意報を送らなければならないだろう。

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写真提供: BetterCloud

Politisによれば、このような幅広いクラウド管理アプリケーションが実は最初から目標だったが、最初はあえてG Suite一本に絞った。彼は説明する: “BetterCloudを作ったとき、これをすべてのSaaSアプリケーションに対してできたら、どんなにすばらしいだろうか、と夢想した。しかしそうするとAPI呼び出しに依存する複雑な部分が増え、毎日何十億ものAPI呼び出しをすることになる、という高い壁が目の前にあった。その壁を、今日やっと、乗り越えることができた”。

取締役会や投資家たちとさんざん議論を重ねた挙句、彼は、プラットホームの完全なオーバーホールをやるべきだ、と決断した。それには、彼自身の計算によるギャンブル、という側面もあったが、でもその構想には現代的なプログラミングの原理原則の、堅固な基盤があり、また今後の大きな市場拡大の可能性もあった。G Suiteだけでなく、さまざまなSaaSアプリケーションを、単一のダッシュボードから管理制御できる新製品なら、今後の大きな需要を望める、と彼は考えた。

若いスタートアップが全面的な変身を図ることは決して容易ではない。しかしPolitisによれば、2年間、あれほどしんどい仕事をみんなでこなしてきたのだから、そのご褒美はきっとあるはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

クラウドの圧倒的支配を狙うAWS

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今週AWSは、年次re:Inventカスタマーカンファレンスを開催した。新しいサービスを次々に発表した中で、1つのことが明らかになった:ガートナーの推計によれば、このマーケットをリードする会社は、最も近い14の競合他社を合わせたよりも10倍の大きさであり、その栄光に甘んじることなく伸び続けている。

そのマーケットのリードが競合を震え上がらせるには十分でないというなら、やはりガートナーのデータによれば、AWSのS3ストレージがサーバーに格納している純粋なデータ量は競合の合計の1.6倍である、これはガートナーのマジッククアドラント内の他のすべてのオブジェクトストレージサービスを組み合わせたものに比べて1.6倍ということだ。

こうしたことは、IBM、Google、Microsoft(Oracle、Alibabaはもちろん)のような競合他社にとっては悪いニュースだが、AWSが優位である理由は、先行者であるから(もちろんそれも理由の1つだが)だけではなく、驚くべき速さで革新を続けているからでもある。 CEOのAndy Jassy氏がre:Inventのキーノート中に示したチャートによれば、昨年の722件からこの1年で約1000件の新機能が追加されている。

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ここで生じる疑問は、競合たちはどうやってこのマーケット支配力と純粋な革新パワーに追いついていくのだろうか、ということである。Battery VenturesのゼネラルパートナーであるDharmesh Thakkerは、ベンダーロックインに対する懸念が、助け舟になるだろうと語っている。全ての卵を1つのバスケットに入れるものは今やいないし、クラウドで年に3桁の成長率を保つGoogleやMicrosoftをすぐにお払い箱にしようとしているものもいない。

「Microsoft Azureは有力な候補です、Googleは確かにほとんどのハイテク企業よりも優れたインフラストラクチャを管理する方法を知っていますが、その差は顕著で、日に日に広がっています」とThakkerはTechCrunchに語った。GoogleとMicrosoftは、革新的な面に追いつくためにその深いポケット(豊富な資金)を利用することはできるが、データ量の格差を克服することは難しい。

「MicrosoftとGoogleはAWSとのギャップを埋めるために、ソフトウェアスタックを充実させていくことはできますが、増大するデータ重量のギャップ、AWSのサービスをネイティブで使うS3によって管理されるデータ量へのギャップには、競合が追いつくことはとても困難になっています」と彼は指摘した。

Constellation ResearchのプリンシパルアナリストであるRay Wangは、会社をまだAWSに移行する気にはならない。同氏は、マイクロソフトとオラクルは、快適で親しみがあり、すでに強い存在感を持っているという理由で、企業には強みを持っていると言う。使い慣れたツールを使用してオンプレミスからクラウドに移行することは、すべてをAWSに移行するよりも難しくはない。

Trinity VenturesのパートナーであるDan Sholnickが、AWSがまだ遅れているとみている分野の1つは人工知能だ、これは、開発者がソフトウェアを構築する方法の大きな変革の一部である。同社は今週、いくつかの発表でそのギャップをクローズしようとしたが、この重要な分野で先行しているMicrosoftとGoogleに追いつくための道のりは遠い。

「AmazonはAIに出遅れていて、彼らはそれを知っていますね。彼らは(Amazon Echoの)基盤となるインフラストラクチャおよび開発を誰でもアクセス可能なものにしようとしています。そしてAmazonは(今週発表されたサービスである)Rekognition、Lex、そしてPollyを強くプッシュしていきます」とSholnickは語った。

もちろん、新機能ごとに、誰がリードしているかにかかわらず、競争相手からの反応が返って来る。この時点で誰もが疑問に思うのは、誰かAWSを実際に捕まえることができるのだろうか?ということだ。それはどれほど速く成長していようとも、困難な仕事になる筈だ。しかし3000億ドルの潜在的可能性がある、ITインフラストラクチャのマーケットで、まだ白旗を掲げているものはいない。

私たちが学んできたように、例え明白に優位なマーケットリーダーが存在していたとしても、テクノロジーは素早く変わり得る。AWSが現在大きなアドバンテージを持っているからといって、それは将来に渡って安泰ということを意味しない、しかし今週見たように、それはペースダウンの兆しを見せておらず、強烈なプレッシャーを競合にかけ続けている。

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(翻訳:Sako)

GoogleからApp Maker登場―ドラグ&ドロップで誰でもG Suiteアプリが作れる

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今日(米国時間11/30)、GoogleはApp Makerをリリースしたことを発表した。このプロダクトはコーディングをほとんど必要とせずドラグ&ドロップでアプリを作るサービスの市場に大きな影響を与えそうだ。

Microsoftその他数多くのライバルの製品と同様、App Makerも「誰もが簡単に手早くベーシックなアプリを作れるようになる」という。組織内で特定の処理のためにアプリを必要とする場合、理想的なソリューションになるかもしれない。

新サービスはクラウド・ベースのドラグ&ドロップ開発環境で、ユーザーインタフェイスを作成し、その中にG Suiteの各種アプリを埋め込むことができる。利用できるコンテンツにはGoogleマップ、連絡先、グループなどAPIが利用できるGoogleアプリのほとんどが含まれる。App MakerはコンテンツのG Suiteアプリと同一のインフラ上で動作する。 IT管理者はApp MakerのアプリをGmail、Googleドライブ、その他のG Suiteアプリとまったく同様にセキュリティーやアクセス権などを細かく設定できる。

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こうしたアプリが必要とされる代表的なケースは時間管理、受注・在庫管理など、比較的単純な処理でデジタル化されたデータが簡単に得られるような組織内業務だろう。

GoogleによればApp Makerを使う利点は、まず第一にユーザーはインフラに注意を払う必要がまったくないことだという(「サーバーレス・ソリューション」がバズワードだ)。しかも組織ごとに異なる特定のニーズを解決するためにいちいちデベロッパーの手を煩わせる必要がない。ユーザーに知識があり、さらに詳細なカスタイマイズがしたい場合はそれも可能だ。サービスにビルトインされているエディターを見た感じではフル機能のIDEのようだ。

App Makerは当面Googleの G Suiteビジネス向けアーリー・アダプター・プログラムの登録者が対象だ。

App Makerの発表と同時にGoogleは今日、いくつかのアプリを推薦プログラムと認定し、Recommended for G Suiteプログラムに追加した。これらのプログラムはG
Suiteとの適合性が高いというお墨付きを得たことになる。またセキュリティー脆弱性についてもGoogleのテストに通っている。今回発表された新しいパートナーはVirtru、LumApps、DocuSign、Freshdesk、Zoho Invoice、Xero、Asanaの7つだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWS re:Inventでバーチャル・プライベート・サーバー、Lightsail発表―5ドル/月より

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今朝(米国時間11/30)のAWS re:InventカンファレンスでAmazonは新しいバーチャル・プライベート・サーバー〔VPS〕を発表した。料金は1台当た月5ドルからだという。このVPSサービスはLightsailと呼ばれ、ユーザーはクラウド上で簡単にサーバーを立ち上げることができる。しかも低価格で設定や管理の面倒な点は表に現れない。

AWSのCEO、Andy Jassyによれば、サーバーの立ち上げに通常なら必要とされる技術的知識をLightsailのユーザーは一切必要としないという。

またJassyはユーザーはメニューから必要とするオプションを選ぶだけでよいと説明した。 たとえばまずOSとしてUbuntuを選び、 あらかじめ付属する5つのバンドル(CPU、ストレージ、メモリなど)でVPSに必要なスペックを選択する。最後に名前を付けるだけで、すぐに作動させることができる。

クラウド上でバーチャル・マシンをスタートさせるために必要な各種の作業、たとえばストレージやセキュリティーを設定するなどの作業は非常に煩雑かつ技術的知識を必要としがちで、これがVPSの利用にあたって大きなハードルとなっていた。

Trinity Venturesのパートナー、Dan ScholnickはTechCrunchのインタビューに対し「この発表はAWSがマーケットを拡大しようとしていることを示す動きの一つだ。AWSは既存分野を守ることにも容赦ないが、可能性があればどこへでも出て行き、ライバルの弱みを攻撃する。ここ数年はAmazonのエンタープライズ市場への進出が注目された。今回の発表はデベロッパーに低価格で簡単にコンピューティング・パワーを提供するというAWSのデジタル・ビジネスの出発点に戻り、弱点を補強する動きだろう」と述べた。

面倒なしにサーバーを手早く立ち上げたいスタートアップやデベロッパー(個人かもしれない)にとってLightsail VPSは朗報だ。もちろんユーザー全般に向くプロダクトではない。それなりの技術的知識があり、自分が何を必要としているかよく知っているユーザー向けのプロダクトではある。しかしそのようなユーザーにとっては詳細なオプションが簡単に選択でき作業は大きくスピードアップする。スタートアップの立ち上げコストを削減するのにも大きな効果があるはずだ。

〔日本版〕AWSのカンファレンス関連記事に関しては下のバナーから参照できる(英語版)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SUSEがHPEのOpenStackおよびCloud Foundry関連資産(そして人材)を買収

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SUSEの名は、Linuxのディストリビューションで知ってる人が多いと思うが、相当前から、OpenStackエコシステムの、目立たないけど一貫した活動メンバーだった。しかし最近の数か月、このドイツ企業はこの世界の強力なコンペティターとしても動き始めている。とくに今という時期は、OpenStackをめぐる企業の整理統合が進んでいるだけに、その動きは注目される。

今日(米国時間11/30)SUSEは、同社がHPE(Hewlett Packard Enterprise)のOpenStack(IaaS)およびCloud Foundry(PaaS)関連資産と人材を買収する、と発表した。これはHPEの、ソフトウェアビジネスをMicro Focusに売り払う(HPEは“spin-merge”する、という言葉を使っている)という決定に続く動きだ。ちなみにそのソフトウェアビジネスには、HPEが110億ドルで買ったAutonomy(その後90億ドルに減価)も含まれる。さらにもうひとつ言うと円が閉じるのだが、Micro FocusはSUSEのオーナーでもある。そしてそのSUSE が、今回はHPEのOpenStackおよびCloud Foundry資産を拾っているのだ。

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SUSEの主張では、今回の買収で同社のOpenStackポートフォリオがより充実し、またCloud FoundryのようなPaaS資産は、同社自身のエンタープライズ対応SUSE Cloud Foundryソリューションの市場化を助ける。

SUSEのCEO Nils Brauckmannはこう語る: “この買収の原動力となったものは、弊社の顧客とパートナーにエンタープライズ的価値をお届けしている、オープンソースのソフトウェア定義インフラストラクチャの提供への、SUSEのコミットメントだ。これはまた、有機的成長(本体の成長)とテクノロジーの買収を組み合わせてビジネスを構築していく弊社のやり方を、世に示すものでもある。重ねて申し上げると、この戦略は市場と世界のオープンソースコミュニティに、SUSEが進歩的で活発な企業であるという、強力なメッセージを送っている”。

SUSEはこれにより、LinuxとOpenStackとCloud Foundryに関してHPEの最優先オープンソースパートナーになる。

しかしHPEはOpenStackとCloud Foundryのゲームから完全に撤退するわけではない。HPEはSUSEのOpenStackおよびCloud Foundry技術を、同社自身のHelion OpenStackとStackatoソリューションに向けてOEMしていく。HPE自身の言葉によると、今回の動きは同社の戦略の“進化”を意味しているにすぎず、それによって同社は“ハイブリッドクラウドソリューションの次の進化の開発に集中できるようになる”、のだそうだ。同社の顧客がHelionプラットホームの将来性について不安を抱(いだ)き始めない、とは想像できないが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AWSがストレージの料金を値下げ、コールドストレージはデータ取り出しに新たなオプションを提供

Perito Moreno Glacier

Amazon Web Services(AWS)が今日(米国時間11/22)、一部のストレージサービスの大幅値下げを発表した。また、コールドストレージサービスGlacierを利用するデベロッパーのために、新しい機能をいくつかローンチした。

新しい料金のうち、デベロッパーにとっていちばん気になるのはS3だろう。それはAWSのメインのクラウドストレージサービスだが、これまでの6種に代わって0-50TB; 50-500 TB; 500+TBの3種になる。そして多くのリージョンにおいてS3の料金は、約20%下がる。

AWSのコールドストレージサービスGlacierは、あまり使わないデータを安全に保存しておくための場所だが、こちらはさらに大幅な値下げが行われる。すなわちNorthern Virginia, Oregon, Ireland(アイルランド)の三つのリージョンでは、データ1GBあたり月額0.004ドルとなり、従来より43%の値下げだ。

Glacierのユーザーにとってもっと重要なのは、二つの新しいデータ取り出しオプションが加わったことだ。Glacierのセットアップは時間がかかるので、ユーザーはデータをすぐにダウンロードできない。それがコールドストレージの安い理由でもあるのだが、ユーザーはまさに“コールドな”ストレージとしてしか使えない。そこでAmazonは今度の新しい二つのオプションのひとつにより、特別料金でデータを早く取り出せるようにした。新しいオプションのもうひとつは、Glacierのデフォルトである3〜5時間より遅くてよければ、同じ料金でもっと多くのデータを保存できる。

最初の‘迅速(expedited)’オプションは、保存が1GBあたり0.03ドル、データ取り出し一回あたり0.01ドル払うと、1〜5分でダウンロードできるようになる。AWSによると、このオプションを有効に使えるのはGlacierに100TB以上のデータがあるユーザー、そのほかのユーザーにとっては従来からあるS3 Infrequent Access storageの方が良い、ということだ。Glacierのデフォルトの標準リクエスト料金は1GBあたり0.01ドル、1000リクエストあたり0.050ドルだ。

AWSは何でも分かりにくいが、この迅速取り出しには実はタイプが二つある。オンデマンドと、配備済み(provisioned)取り出しだ。オンデマンドは、上に述べたルールの方式だ。そして配備済み取り出しは、1ユニット100ドルで、毎5分間に3回までの迅速取り出しを、最大150MB/秒のスループットで行える。事前配備をしてない場合は、迅速取り出しはそのキャパシティがあるときのみ、リクエストに応じる。

Glacierからのデータ取り出しの時間が気にならないユーザーには、新たに‘バルクオプション’というものがある。それは時間が5〜12時間かかるが、費用は1GBあたり0.0025ドル、1000リクエストあたり0.025ドルだ。

これらの新し取り出しオプションを、GoogleのColdlineストレージサービスと比べるとどうだろう? こちらは、1GBあたり月額0.007ドルで保存、取り出しは1GBあたり0.05ドルだ。一部のリージョンではAWSの新しい料金体系より高いが、Googleの場合はデータへのアクセスが多くの場合リアルタイムだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デベロッパーのためのクラウドスキル体験学習プラットホームQwiklabsをGoogleが買収

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Googleが今日(米国時間11/21)、Qwiklabsを買収したことを発表した。そこは、クラウド環境の運用に習熟したい、そしてクラウド上で動くアプリケーションを書きたい、という人たちのための体験学習プラットホームだ。

2012年にローンチしたQwiklabsこれまでもっぱら、Amazon AWS関連のスキルを教えてきた。AWSはいわばこの市場を支配している勢力だから、それも当然だ。Amazon自身も同プラットホーム上のデベロッパーたちに、自分のペースで勉強できるサイトとして、Qwiklabsを推奨している

Googleによると同社は今後Qwiklabsのプラットホームを利用して、“Google Cloud PlatformG Suiteを含む同社のすべてのクラウドプロダクトに関する、もっとも包括的で効率的で楽しい教育訓練を提供して、多くの人びとの定着を促進していきたい”、ということだ。

Qwiklabsはこれからも従来どおりの会員制学習サービスを提供していく、と言っているから、AWS向けのプログラムは継続するようだ。今後もまだAWSコースが増えていくのか、それはよく分からない。またGoogleのスポークスパーソンによると、この件に関して具体的に発表することはない、という。QwiklabのGoogle Cloudコースに関しても、いつから始めるなどの具体的な発表はまだできないそうだ。

Qwiklabsによると、これまで50万人あまりの人たちがそのプラットホームをのべ500万時間以上利用してAWSを勉強してきた。またCrunchBaseによれば、同社はこれまで外部資金を導入しておらず、今回の買収に関してはその価額などの詳細は公表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、企業向けファイル共有サービス、Team Drivesを公開ベータへ―対象はEAPメンバー

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今日(米国時間11/21)、Googleは企業向けの新しいファイル共有プロダクト、Team Drivesの受付を開始した。このアプリケーションはこの秋に入ってすぐ予告されていた。Team Drivesの主たる目的は企業における組織横断的なファイル共有を助けると同時に、共有フォルダのコンテンツに応じたきめ細かいアクセス権が設定できるようにするところにある。

これ以前、GoogleはGoogle DriveでDropboxに対抗していたが、このプロダクトはどちらかと言えば個人の生産性ツールだった。企業の場合はファイル共有の範囲は多数の組織にまたがるため、アクセス・コントロールにはさらに高い機能が必要とされる。

たとえば、ある文書について、一部のユーザーには編集権を与え、別のユーザーには閲覧だけを許して故意、偶然を問わず、削除や変更ができないようにする必要があるかもしれない。

Googleが最初にTeam Drivesを発表したとき、同社ではGoogle Driveのテクノロジーを再構築してこうしたアクセス制御を導入するとしていた。Team Drivesはバグを潰している段階で、現在のところアーリー・アダプターを対象とするEAプログラムのメンバーのみベータテストの申し込みができる。

Team Drivesは間もなく稼働するという。ただし申し込みの受付にあたってはいくつかの制限がある。まず申込者は G Suite Business and Educationプログラムのメンバーである必要がある(G SuiteはGoogleのGoogle Apps for Workの新しい名称)。

またG Suiteの管理者はTeam Drivesにサインアップし、プライマリー・ドメイン全体をTeam Drivesに登録しなければならない(今のところセコンダリー・ドメインの登録はできない)。

Googleによれば、管理者はTeam Drives内の個別コンテンツについてはアクセス制限が可能だが、 Team Drivesそのものは全ユーザーから認識、アクセスが可能だという。言い換えれば、Team Drivesに参加するには会社のトップの承認が必要ということになる。IT部門が一部のユーザーだけを対象に内密にテストするということはできない。

Team Drivesの最大のメリットは企業として重要なファイルを中央で一括管理できることだろう。Team Drivesを使えば、「囲い込み問題」、つまり企業にとって決定的な情報を含むファイルが一部のユーザーの個人フォルダ内にあって共有されていないという問題を避けることができる。Team Drivesであれば、他のユーザーもこうした情報にアクセス可能だし、何よりもファイルのオーナーであった社員が異動したり退社したりした後でもファイルを従来どおり利用できる。

Googleではこれまでも少数のユーザーを対象にTeam Drivesのテストを行ってきた。しかし今日の発表で Early Adopter Program参加者という従来より広い範囲のユーザーがテストに参加できることになった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Docs, Sheets, Slides, Formsでユーザー独自のテンプレートの作成・再利用・共有ができる

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GoogleのG Suiteアプリケーションに、前から望まれていた、小さいけどとても便利なアップデートが加わった。Docs, Sheets, Slides, そしてFormsで独自のテンプレートを作れるようになり、それは再利用可能、そして同僚との共有もできるのだ。

テンプレートをそんなに使わない人もいると思うけど、でも企業のような、繰り返し作業が多くて、一つの仕事に複数の人が関わるようなところでは、必須の機能だ。たとえばレポートやニューズレターなども、そのレイアウトを毎回新たに起こすのはたいへんだ。最近のGoogleはエンタープライズ顧客の獲得に熱心になり、サービスを企業ユーザーにとって魅力的にしようと努めているから、Google Docsにおけるテンプレートのサポートも、その努力の一環だ。

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G Suite for Business and Educationに関するGoogleの注記によると、テンプレートが全ドメイン的なテンプレートギャラリーに現れることを、承認制にすることもできる。さらに、テンプレートを提出してもよい人を、限定することもできる。

Googleが提供する、プロがデザインしたようなテンプレート集は、3月にローンチした。

Google Docsの、これと似たような機能とテンプレートギャラリーは、実は前からあった。でもその古いギャラリーはアップデートされることがなく、Material Design以前のデザインだ。

それに比べると今度のギャラリーとテンプレートは、まず、すべてのG Suiteアプリケーションに統合されているようだ。Googleによると、古いテンプレートギャラリーは2017年の早期に閉鎖される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのCloud PlatformがGPUマシンを提供するのは2017年前半から、ただし機械学習SaaSとAPIはますます充実

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Googleが今年前半に立ち上げたCloud Machine Learningサービスは、Google自身によれば、早くも“急成長プロダクト”の一つになっている。今日同社は、このサービスの新しい機能をいくつか発表し、機械学習のワークロードを動かしたいと思っているユーザーとデベロッパーの両方にとって、さらにサービスの利用価値を増そうとしている。

これまでGoogleは、競合するAWSやAzureのように、ハイエンドのGPUを使う仮想マシンをデベロッパーに提供してこなかった。しかし、機械学習など、科学の分野に多い特殊でヘビーなワークロード、とくにそれらのアルゴリズムは、GPUのパワーを借りないとうまく動かないことが多い。

デベロッパーたちが一般的にGoogle Cloud Platform上で機械学習のワークロードを動かせる、そのために仮想マシンのGPUインスタンスが提供されるのは、Googleの発表によると、2017年の前半だそうだ。料金は、そのときに発表される。

なぜGoogleは、もっと前からこのタイプのマシンを提供しなかったのだろうか? Google自身、機械学習に非常に熱心だし、競合相手のAzureやAWSはとっくに提供しているというのに(Azureは今日(米国時間11/15)、OpenAIとパートナーシップを結んだ)。

しかしデベロッパーは、Googleの既存のCloud Machine Learningサービスを使って自分の機械学習ワークロードを動かすことはできる。そのための構築部材TensorFlowも利用できる。でもCloud Machine Learningが提供しているような高い処理能力と柔軟性を、Google既存のプラットホームで利用することが、まだできない。

今のGoogleはデベロッパーに、カスタムの機械学習モデルを構築するためのサービスと、機械学習を利用した、すでに教育訓練済みのモデルをいくつか提供している(マシンビジョン(機械視覚)、音声→テキスト変換、翻訳、テキストの情報取り出しなど)。Google自身が機械学習で高度に進歩しているし、独自のチップまで作っている。そこで今日のGoogleの発表では、Cloud Vision APIの使用料が約80%値下げされた。またこのサービスは、企業のロゴや、ランドマークなどのオブジェクトも見分けられるようになった。

そしてテキストから情報を取り出すCloud Natural Language APIは、今日(米国時間11/15)、ベータを終えた。このサービスは、構文分析機能が改良され、数値、性、人称、時制なども見分けられる。Googleによると、Natural Language APIは前よりも多くのエンティティを高い精度で認識でき、また感情分析も改善されている。

消費者向けのGoogle翻訳サービスは、今ではカスタムチップを使っている。またデベロッパー向けにはCloud Translation APIのプレミアム版が提供され、8つの言語の16のペアがサポートされる(英語から中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、スペイン語、トルコ語、など)。サポート言語は、今後さらに増える。プレミアム版では、これらの言語に関しエラーが55から85%減少した。

この新しいAPIは主に長文の翻訳用で、100言語をサポートする“標準版”は、短い、リアルタイムな会話テキスト用だ。

さらに、まったく新しいプラットホームとしてCloud Jobs APIがある。この、あまりにも専門的で奇異とすら思えるAPIは、求職者と仕事の最良のマッチを見つける。つまり、仕事のタイトル、スキル、などのシグナルを求職者とマッチングして、正しいポジションに当てはめる。Dice やCareerBuilderなどのサイトはすでにこのAPIを実験的に使って、従来の、ほとんど検索だけに頼っていたサービスを改良している。このAPIは、現在、特定ユーザーを対象とするアルファだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、クラウド・プラットフォーム東京リージョンをスタート―先行グループを追い上げへ

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今日(米国時間11/8)、Googleはクラウド・コンピューティング・プラットフォームの東京リージョンをスタートさせたことを発表した。これにより、アジア太平洋地区のGCP(Googleクラウド・プラットフォーム)は2リージョン(東京、台湾)となり、合計6つのゾーンを備えることになった。

Googleはアジア太平洋地区のGCPに関して、2017年にインドのムンバイ、シンガポール、オーストラリアのシドニーに新たなリージョンを開設することを約束している。また世界では、アメリカ、フィンランド、ドイツ、イギリス、ブラジルで新リージョンが追加される

ユーザーはGCPの利用に当たってトータルでヨーロッパ、アメリカ、アジアにまたがった6地域から選択できる。開設予定のリージョンが稼働を開始すると、 Googleのクラウド・プラットフォームはアジア太平洋地区では〔トップの図のように3リージョンが追加され〕14のゾーンが利用できるようになる。データセンターの数では先行するライバル、 AmazonのAWSMicrosoft Azureにまだ及ばない。しkしほんの少し前までGoogleはクラウド・プラットフォームとしてこうしたライバルに大きく引き離されていたことを考えれば長足の進歩だ。

またGoogleはここ数年、アジアおよび世界でリージョン間でデータを高速で転送するためのネットワーク・バックボーンの整備に巨額の投資を続けてきた

今日Googleが発表したところによれば、データセンターの開設はその地域のユーザーにさまざまなメリットをもたらす。たとえば東京リージョンの開設によって、、既存の台湾データセンターから転送する場合に比べて同じ量のデータを処理する際のレイテンシーは50%から85%も減少するはずだという。

東京リージョンはIntelの最新CPU、Broadwellを利用しており、Compute Engine、Cloud Storageなどクラウド・プラットフォームの核心をなすサービスのほとんどが利用可能だ。またCloud Databese、Cloud Datastore、Cloud Dataflow、 Cloud SQLなどデータベース、ビッグデータ、ネットワーキング関連のサービスも対応している。

〔日本版〕 東京リージョン開設に関しては多数の記事がアップされているが、Googleのクラウド・プラットフォームの利用案内の日本語ページはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Adobeが次世代型フォトエディターProject Nimbusをプレビュー、最初からクラウド生まれ

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今日(米国時間11/2)のMAXカンファレンスでAdobeは、クラウド生まれのLightroomふうフォトエディターProject Nimbusをプレビューした。それは、Adobeの従来からの旗艦製品的写真管理/編集アプリケーションから大量の複雑性を取り除いた、シンプルでスマートな(お利口な)ツールだ。まだ一般公開の予定はないが、来年にはベータが登場することだろう。

最近のAdobeは、モバイルアプリに力を入れている。多くの点でProject Nimbusは、Adobeがモバイルから学んだものの多くをデスクトップに還元したものだ、と言えよう。

同社が今日のデモで強調したのは、Nimbusが同社のそのほかのツールとシームレスに協働できることだ。画像やライブラリの形式はクラウド上のCreative Cloudスイートの仲間たちと共有できる形式であり、画像の編集は非破壊的かつ、複数のアプリケーションに反映される。Nimbusの基本設計方針のひとつが、ユーザーがデスクトップとモバイルをシームレスに行き来できること、だった。

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このツールは、Adobeの最新の機械学習サービスも利用している。たとえば、ユーザーは自分のライブラリ中の画像を、自然言語で見つけることができる。GoogleもGoogle Photosでそれをやっているが、しかしLightroomでは、それらを再び見つけるためには写真にタグを付けておく必要があった。またNimbusの写真修正ツールは、クラウド上のCreative SDKや人工知能サービスAdobe Senseiを使っている。

Adobeは、同社の今後の成長路線が、ユーザーがいろんなデバイスやアプリケーションにまたがって仕事ができるようにすることにある、と信じている。モバイルアプリではすでにそれができているが、そこで学んだクロスプラットホームの重要性を、デスクトップにも持ち帰りたいのだ。

Project Nimbusは、まだ、その位置づけがぎごちない。なぜなら、だいたいの写真編集機能はLightroomで間に合うからだ。Nimbusは(最終的に名前がどうなっても)、Lightroomの消費者バージョン、という位置づけかもしれない。しかしある部分では、Lightroom の次世代バージョンとして、長期的には古いツールに置き換わる製品、という感もある。

おっと、ややこしい話だが、Adobeにとってこれは、二度目のProject Nimbusなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CoreOSのOpenStackクラウドを15分でデプロイできるツールStackanetes(OpenStack+コンテナ+Kubernetes)がテクニカルプレビューに達す

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6か月前に、小型のLinuxディストリビューションとコンテナ管理サービスを提供するCoreOSは、その複雑さで敬遠されがちなOpenStackによるプライベートクラウドを、コンテナと、Googleのコンテナ管理ツールKubernetesを利用して容易にデプロイできるやり方をデモした。そして今日(米国時間10/26)同社は、そのツールのテクニカルプレビューのローンチにまでこぎつけ、誰もがたった一つのコマンドで、Kubernetes上のOpenStackをわずか15分でデプロイできるようになった、と発表した。

この、OpenStackとKubernetesをセットにしたプロダクトは“Stackanetes”と呼ばれ、CoreOSのチームは残念ながらこの奇妙な名前を気に入っているのだが、OpenStackの最新リリースであるNewtonを使用し、そのプラットホームのすべてのインフラストラクチャサービスを揃えた完全な高可用性OpenStackデプロイメントをセットアップする。

しかしOpenStackのクラウドをセットアップしている企業の多くは、Mirantis, Canonical, HPEなどのサードパーティベンダを利用してミッションクリティカルなワークロードをセットアップしている場合がほとんどだから、15分自力セットアップを訴求するCoreOSの今回のプロダクトは、一種のスタントでもある。しかしこれにより、OpenStack/コンテナ/Kubernetesという組み合わせが、少なくともOpenStackのベーシックなデプロイを、これまでになく、大幅に簡易化することを、多くの人びとに見せつけることはできる。これまで、OpenStackを使うことなど考えたこともなかった企業すら、前向きの関心を示すかもしれない。

StackanetesはコンテナエンジンとしてDocke Engineではなく、それと競合するCoreOSのrktを使用し、クラスタオーケストレーションツールとしてKubernetesを用いる。またCoreOSのチームによれば、Kubernetes自身もそのキー-ヴァリューストアとしてCoreOSで育ったetcdを使用している。

CoreOSのこのプロダクトでは、OpenStackのクラウドをセットアップするために必要なKubernetesの全オブジェクトが、約300行のYAMLのマークアップで定義されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ホワイトボードを再発明、Googleの新製品「Jamboard」

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Googleは、まだまだ人々を驚かせるプロダクトを用意している。2つのモバイル端末、スマートホームハブ、VRヘッドセットを数週間前に発表したばかりだが、今回は珍しいタイプのハードウェアを発表した。大手ソフトウェア企業のGoogleはコンシューマーモバイルを強烈に押し出していたが、今回はホワイトボードを訴求する。

Jamboardは、Googleにしては珍しいプロダクトローンチだ。職場で使うツールを次のレベルへと持って行くこのプロダクトの開発には、数年の期間を要したことだろう。G SuiteのDirector of Productを務めるJonathan Rochelleは、G Suiteで同僚が協力して使える新たなタブレット・インターフェイスを考え、Jamboardが誕生したという。G Suiteは、正式にはGoogle Apps for Workと呼ぶビジネス向けに提供しているアプリのコレクションのことだ。

「Jamboardは、Google Cloudに存在するホワイトボードです」とRochelleは発表前に説明していた。55インチの4Kタッチスクーンは、職場でのコラボレーションのハブになることを想定してゼロから設計したという。Googleのアプリを軸に、Microsoftが提供するSurface Hubと直接的に対抗するプロダクトだ。これまでの製品と似た仕組みで、成果物はGoogle Driveに保存される。Googleが提供するiOSとAndroidアプリを経由して、個人はスマホやタブレットからデータにアクセスすることができる(Windowsにはまだ対応していない)。

Googleは、NetflixやSpotifyといったいくつかの有名企業と協力し、彼らの会議室にJamboardを設置してハードウェアの検証を行ってきたという。ホワイトボードの精度は圧巻だ。ゼロから作り上げたハードウェアは(Googleはハードウェア・パートナーについて開示していない)直感的に使えて、インターフェイスの反応もとても良い。ユーザーは付属のパッシブ式スタイラスでホワイトボードに文字を描くことができ、書いた文字は指で消せる(付属のイレーザー/マイクロファイバーでも消せる)。

Google Jamboard

手書きや描画ツールで仕事を効率化できるだろう。私も実際にプロダクトを試してみたが十分機能的だった。このホワイトボードは16段階でタッチの圧力検知を行い、また細かなアニメーションの演出がちょっとした動作を楽しいものに変えている。例えば、文字を消すとディスプレイから消したテキストがはらはらと落ちたりする。ホワイトボードのシステムはこの用途のために特化したAndroidバージョンであり、専用ブラウザやGoogle Mapsなどの機能を搭載している。将来的にはサードパーティーアプリに開放することもできるという。

また、Google Castにも対応しているので、大型ディスプレイとしても使用可能だ。内蔵スピーカーは本体の下の部分にあり、スタイラスとイレーザーを載せる磁石トレイの方を向いて付いている。私が聞いた限りではスピーカーの性能はすごく良いと言えるものではなかったが、音量がそこそこあり、テレカンファレンスの音声としては十分だろう。そうでなければ、Bluetoothに対応しているので、他のスピーカーを利用するという選択肢もある。

Google Jamboard

ときおりユーザーがホワイトボードで動画を見ることを想定しているとはいえ、ディスプレイを4Kにした理由を聞いたところ、人がホワイトボードをすぐ近くから見ても画像が荒くならないようにするためとGoogleは説明する。また、2K対応のカメラも搭載しているので毎秒60フレームで撮影し、テレプレゼンスにも活用できる。

コレボレーションはリアルタイムで起きるが、ホワイトボードの様子はモバイル端末からでも最小の遅延で確認することができる。プロジェクトが完成したら、チームメンバーとPNGやPDFで内容を共有することが可能だ。

また、見た目も驚くほどいい。ホワイトボードの背面も可愛らしい形で、これまで私が見たどのホワイトボードよりも美しいと思う。背面にはスタンダードのUSBポートがいくつかあり、USB C、HDMI、LANポートも備わっている。ホワイトボードは壁にかけることもできるが、オプションでスタンドを購入することも可能だ。来年ローンチ予定で、価格は6000ドル未満になるという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Amazon Alexaは2016の大統領選挙戦に関する事実確認もすることができる

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友人たちと大統領選挙に関して議論した際に、ヒートアップしてしまったことはないだろうか?グッドニュースだ:いまやAlexaは2016年の選挙に関して、候補者の主張そのものに対する事実確認(fact check)をすることができる。対象にはクリントンとトランプの発言だけではなく、コメントの内容がチェックされた、他の候補者や政治家のものも含まれている。

この事実確認機能は、新しいスキルによって可能になっている ‐ Amazonの仮想アシスタントのパワーを強化する沢山のアドオン、音声駆動アプリの1つなのだ。この仮想アシスタントは、Amazon Echoスピーカーや、Fire TV、その他のデバイスに搭載されている。

この新しい「 Share the Facts(事実を共有する) 」スキルは、Duke Reporters’ Lab(デュークレポーター研究所:スタンフォード大の1部門)によってもたらされた。同研究所は質問に答えるために、信用のおける既存の事実確認サイトを利用している。例えばWashington Post’s Fact Checker、FactCheck.org、そしてPolitiFactなどが含まれる。

インストール後、スキルを利用するには以下のように言えば良い:「Alexa, ask the fact-checkers…(Alexa、事実確認をお願い…)」そしてあなたの質問を続ける。

同スキルは、討論、キャンペーン広告、その他のインタビュー中で行われた主張を確認することに利用可能だ。

以下に示すのがAlexaに対して訊ねることのできる質問の例だ:

  • “Alexa, ask the fact-checkers did Donald Trump oppose the war in Iraq?”(Alexa、事実確認をお願い。ドナルド・トランプはイラク戦争に反対したの?)
  • “Alexa, ask the fact-checkers was Hillary Clinton right that her email practices were allowed?”(Alexa、事実確認をお願い。ヒラリー・クリントンが主張した、電子メールの使い方は許可されていたという事実は正しかったの?)
  • “Alexa, ask the fact-checkers is it true that 300,000 Floridians have lost their health insurance because of Obamacare?”(Alexa、事実確認をお願い。30万人ものフロリダの住民がオバマケアのせいで健康保険を失ったというのは本当なの?)

このShare the Factsプロジェクトからスピンオフしたスキルは、自然音声認識を利用して質問を分析し、プロによって選別を受けた約2000のチェックデータベースから答を引き出してくる。その結果は、タイムリーで、かつパートナーの事実確認サービスの間でもっとも高い同意が得らているものとなるように、調整されている。

これは、AmazonのAlexaが、大統領キャンペーン中にユーザーを支援してきた唯一の方法ではない。アマゾン自身も最近、特に新しいスキルの追加なしに、ディベートの開催と他の選挙について直接質問することのできる、新しい機能を公開した

例えば、Alexaは有権者に対して、いつディベートがテレビで放映されるかをこれまで答えることができていたし、だれが調査で優位であるかを答えることもできる、そしてこの先はある候補者がどの州で勝ったのかといった質問にも答えられるようになる。

最後の質問は、選挙に関するリアルタイムの情報を伝えるために、Election Day(今年は11月8日)以降にAlexaが答えられるようになる音声コマンドの1つだ。また、誰が優勢なのか、人口の何パーセント票を候補者は得たのか、全体として誰が勝ちつつあるのか、特定の州で勝つと予想されているのは誰か、ある州で集まった票の数は何票か、特定の地域での選挙結果はどうか、あるいは単に「選挙結果は?」と訊ねることもできる。

既に、ユーザーたちは現在進行中の選挙戦とディベートに関する答を求めて、Alexaに向かい始めている。Amazonによれば、例えば水曜日に行われた最後のディベートの間に、「hombre」(スペイン語:「奴」「野郎」といった意味の俗語)に関連した問い合わせが40倍に増えたと言っている。

そして、ユーザーが最も沢山訊ねた2つの質問は、多かった順に次のようなものだ:「Alexa、ディベートの開始時間は?」そして「Alexa、議論に勝ったのは誰?」。

Amazon introduces Amazon Alexa, Echo and the All-New Echo Dot at a product launch in London

Amazonはまた、Alexaのユーザーたちが2016年の選挙に関連して、これまでに何百万もの質問をしていると語った。それらの質問のうちの数十万が、データベースの中身に格納されたものに関係したものだった。そして、ヒラリークリントンに関するものに比べて、ドナルド・トランプに関する質問の数が倍だったことを、Amazonは指摘した。

これはあくまでも個人的な意見だが、Alexaはどちらの陣営の味方もしていない。例えば彼女(Alexa)は、最後のディベートに関しては、どちらも新しい票の増減はなかったようだと答えるだけで、どちらが勝利したのかについては答えない。

一方、どちらに投票するつもりなのかと聞かれたときには – これまでに1万3000回以上聞かれているそうだが – Alexaこのように明るく答えるだけだ:

「雲の中には投票所はありません – 信じて下さいね、私見たんですよ。ここには1と0しかないんです」。

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(翻訳:Sako)

GoogleのCloud Platformにやっと本物のコールドストレージサービスが登場、ストレージ種別は計4種に

Toy Polar bears in freezer

今日(米国時間10/20)ロンドンで行われたイベントで、Googleは同社のクラウドストレージサービスの、二つのアップデートを発表した。中でもいちばん重要なのは、アーカイブ目的のコールドストレージColdlineのローンチだが、ほかにRegionalストレージというサービスも発表された。そして従来のStandardストレージは、“Multi-Region”と名前を変えた(下図)。

すでにGoogle Cloud Storageをお使いの方は、コールドストレージサービスの新たなローンチに驚かれたかもしれない。Googleはすでに、Nearlineという名前で、アーカイブ用ないし災害時復旧用のきわめて安価なサービスを提供しているではないか。ローンチしたときのNearlineは、AmazonのGlacier(氷河)とよく似ていて、きわめて安いストレージサービスだけど、ただしレイテンシ(遅れ)はかなりあるぞ、というサービスだった。でも今年ベータを終えたNearlineは、速度もまあまあになった。3秒から5秒程度のレイテンシはなくなり、データへのアクセスはリアルタイムだ。

今度新設されたColdlineは、これまでNearlineが担っていた、遅れはあるけど安い、という本来のコールドストレージを、あらためて提供する。Coldlineのストレージは月額料金が1ギガバイトあたり0.007ドル(0.7セント)、データの取り出しは1ギガバイトあたり0.05 ドル(5セント)だ。Nearlineの保存料金は月額0.01ドル(1セント)になる。あまり差はないように感じるかもしれないが、膨大な量のデータを保存する場合には、けっこう大きな違いになる。

Googleのスポークスパーソンによると、Coldlineのレイテンシは同社のそのほかのストレージ種別と同じく低い。“Nearlineの低レイテンシが好評だったので、Coldlineの設計でもその特性を重視せざるを得なかった”、そうだ。

Coldlineは、GoogleのSwitch and Save(乗り換えて節約しよう)プログラムに含まれている。企業がこの企画に乗ってデータをGoogle Cloudへ移行すると、100ペタバイトまでは月額のストレージ料金が無料になる。

今回のアップデートで、高速で可用性の高い“standard”ストレージサービスが“multi-regional”と名前を変え、その下に、やや低価格の“regional”サービスが新たに加わる(下図)。

multi-regionalはその名のとおり、冗長性が複数リージョンにまたがる可用性の高いストレージ種別で、あるリージョンがダウンしても、データへのリクエストは別のリージョンへルートされる。その点ではこれまでのStandardストレージサービスと同じだが、multi-regionではその拠点位置がアメリカ、アジア、ヨーロッパの三つになる。

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画像提供: Google

つまり既存のStandardストレージで、上記三つの位置のどれかに該当するストレージは、黙っていてもMulti-Regionalに変換され、GoogleのSLAによるとデータの99.95%の可用性が約束される。

そして新たに設けられたRegionalストレージサービスでは、データが単一のリージョンに保存され、SLAによる可用性の約束は99.9%となり、Multi-Regionalよりもやや低い。しかし計算処理とそのためのデータがつねにお互いに至近にあるようなワークロードでは、このやや安いストレージサービスで十分だろう。

ちょっとややこしいのは、既存のDurable Reduced Availability(DRA)ストレージ種別がなくなることだ。それはRegionalにリプレースされるが、しかし既存のDRAユーザーにはサポートが継続する。同社としては、ユーザーのほとんどがRegionalに移行してくれることが望ましいのだ。

以上がGoogleのクラウドストレージの新しい顔ぶれだ。名前が変わっただけ、というものもあるが、総じて今度からは名が体を表しているから、ユーザーにとっても分かりやすいし選びやすいだろう。唯一の新顔のColdlineは、Google Cloud Platform上の初めての本物のコールドストレージサービスだ。それに対して従来からあるNearlineは主に、バックアップやロングテールのコンテンツ*用に使われるだろう。〔*: long-tail content, 種類が非常に多く、個々のアクセス頻度が低いコンテンツ。〕

〔訳注: コールドストレージの“コールド”の本来の意味は、電源が入ってなくて“冷たい”、と言う意味。すなわち、“非常設の”アーカイブ的ストレージ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プライムメンバーが家族と無料で写真を共有できる「Family Vault」を米Amazonが開始、写真検索機能も改良

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Amazonプライムメンバーの特典の一つは、プライム・フォトを介した無制限のフォトストレージである。本日Amazonはその特典を「Family Vault」(直訳すると「家族保管庫」)という名のプライム・フォトの新しい機能とともに、メインアカウント所持者の家族にも広げた。Family Vaultを使うと、Amazonプライムメンバーは、5人までの家族あるいは友人を、オンラインアカウントに招待して、無料の写真ストレージだけでなく、5GBのビデオやその他のファイルのためのストレージを得ることができる。

今回アップグレードされたサービスの目的は、家族や親しい友人たちが写真やビデオを単一の場所に集めやすくすることで、グループの皆がそれぞれのデバイスの上でそれらを楽しめるようにしようというものだ。

グループに追加された後は、Family Vaultメンバーのそれぞれが、グループのアーカイブに協力することができる。操作はデバイスに依存するが、写真をクリックするかスワイプして個別に追加したり、自動的にすべての写真や動画をFamily Vaultに追加するオプションが存在している。

同社によれば、AmazonプライムメンバーによってVaultに追加された人には費用はかからない。

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この新機能に加えて、Amazonはよりスマートな検索テクノロジーをプライム・フォトに追加した – ライバルのGoogle Photoが既に提供しているものだ。

このアップグレードで、それらの画像に含まれているものに関連したキーワードで写真全体を検索できるようになる。例えば、「サッカー」や「犬」といった具合。機能は公開されたばかりなので、これがどれだけGoogleの検索技術と比較して優れているのかが分かるのはこれからだ。

新しい「People(人びと)」ビューも用意されていて、これもGoogleやAppleの写真サービスの人物検索オプションに似通っている。サムネール写真をクリックすることで、個々の家族メンバーや友人の写真を眺めることができるようになる。場所や日付でフィルターをかけることも可能だ。

これまでのAmazonフォトは、AppleやGoogleのより洗練され美しいものに比べると実用本位に留まってきたが、今回のアップグレードはそれらに追いつくものだ – 少なくとも機能的には – ライバルたちが既に提供している基本機能を取り込んだという意味で。そして、それがプライムメンバーには無料のサービスだということを考えれば、現段階では多くのユーザーにとってこれは「十分に良い」とみなすことができるだろう。

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同社はまた本日、新しい写真プリントサービスを公式にアナウンスした、これは先月公式発表なしに始まったものである(このおかげでShutterflyの株式が暴落したが)。

この低コストの印刷オプションは、写真プリントを1枚9セントから提供し、プライムメンバーは送料無料である。実際のところ、写真プリントはプライムに対するささやかな上乗せの1つに過ぎない。Amazonの本当の目標は、より多くの消費者がアマゾンプライムの加入者としてサインアップすることなのだ。

Family Vaultなどの新機能は、http://www.amazon.com/photosまたはプライム・フォトモバイルアプリを通して利用できる。

*以上の新機能は、翻訳の時点では日本国内ではまだ提供されていない。

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(翻訳:Sako)

AWSはVMwareとのパートナーシップでさらにリッチになる、ハイブリッドに本格進出

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VMwareは今年これまでに、MicrosoftGoogleIBMなどとパートナーして、ハイブリッドクラウド路線を強化してきたが、しかしなんと言っても、最大の話題になったのは、今週結ばれたAWSとのパートナーシップだ。

クラウドインフラストラクチャ(IaaS)の市場は現在、AWSのシェアが約1/3、残りがその他、という構造だ。Microsoftが約10%で次位につけている。上述のように、VMwareはメジャーな選手たちの多くと契約を交わしてきたが、AWSとの提携はクラウド市場でAWSがさらに力をつけることになる、という意味でも重要だ。

これまでのSE/ITベンダの多くが、MicrosoftやIBMと組んでハイブリッド方式を推進してきた。それは、大企業はレガシーのハードウェアやソフトウェアを多く抱えているから、外部クラウドへの完全な移行は無理、という理屈からだ。彼らの顧客ベースの現状を見るかぎり、それも当然と言える。

一方AWSは、未来はクラウドにあると主張し、顧客の選り好みはしないけれど、クラウドへ移行する企業や、最初からクラウドの企業を重視してきた。AWSはこのような、クラウド(パブリッククラウド)優先の姿勢を貫いて、今年は115億ドルの売上を達成した

しかしVMwareは、大手ITベンダーたちとの戦略的パートナーシップを重ねつつも、クラウド市場では苦戦していた。VMwareは、ほとんどすべてのデータセンターで使われていることを、誇りにしている。サーバーの仮想化といえば、今も今後もVMwareだ。しかしそれは、データセンターが主役の世界でうまくいっても、世界は今急速に変わりつつある。

VMwareがやってきたのは、単一のサーバーを複数の仮想マシンに分割して、リソースの利用効率を大幅に上げることだった。サーバーが高価だった2000年代の初期には、効率化が絶対的な目標であるITにとって、VMwareはとてもグレートな技術だった。

そんな状況を、クラウドは完全に変えた。仮想マシンはクラウド上にあるので、ユーザー企業はつねに、必要最小限のリソースだけを使えばよい。費用も単純に、使用するリソースの量に比例する。計算機資源を必要に応じて柔軟に増減できるこの方式は、データセンターモデルとVMwareが持っていたアドバンテージを、消し去った。

サーバー効率化の旗手だったVMwareの仮想マシンは、ハードウェアの量や性能によって増設に限界がある。しかもハードウェアとしてのサーバーは、簡単には増設できない。どの企業にも厳しい調達手順があるから、買って設置して動くようになるまで、数週間とか数か月かかる。しかしクラウドなら、必要になったその日に仮想マシンの新しいインスタンスを立ち上げられる。しかも、多くの場合、自動的に。

実際にはVMwareは、2010年ごろにクラウドを試行したことがある。その初期的なPaaSの試行はVMforceと呼ばれ、Salesforceが使う予定だった。そのころ同社は、パートナーシップにも色気を示し、Googleと組むことによって、新興勢力のMicrosoft Azureに対抗しようとした

同社は2013年にもハイブリッドクラウドをトライし、vCloud Hybrid Serviceというものを立ち上げた。オープンソースのプライベートクラウドプラットホームCloudFoundryも最初は同社が立ち上げ、その後Pivotalに移籍した。PivotalはEMC, VMwareおよびGEから2012年にスピンアウトした企業だ

しかし、AWS, Google, MicrosoftそしてIBMとの競合の中では、これらの試みはどれも成功せず、VMwareは群れを抜け出すことができなかった。そして、今日に行き着く。同社はハイブリッドモデルに新しいやり方で再び挑戦し、かつてのコンペティターたちと今や必死でパートナーしようとしている。

AWSとのパートナーシップがこれまでのパートナーシップと違うのは、AWSが市場のトップ企業であり、何度も失敗してきたVMwareのクラウドビジネスを、そしておそらくVMwareのビジネスの全体を、救出できることだ。

AWSとしては、これまで同社では影が薄かったハイブリッドクラウドに本格的に手を出せる。そうなるとMicrosoftやIBMの主力市場にも接近でき、マーケットシェアをさらに伸ばせるかもしれない。

人びとが騒ぐのは、これがVMwareにとってずば抜けて大きなパートナーシップであり、そしてAWSにとっては、そう、お金持ちがさらにお金持ちになれる路線だからだ。競合他社は、自分たちのテリトリーにAWSが侵入してきたと感じて、かなりナーバスになっているだろう。しかもよく見ると、その馬にはVMwareも乗っているではないか!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VMwareがついにクラウドサービスを提供、しかもAWSとのパートナーシップのもとで

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AmazonのAWS部門とVMwareが今日(米国時間10/13)晩(おそ)くサンフランシスコでパートナーシップを発表する。しかしVMwareが誤って、今日の発表声明をポストしたために、今日の午後を待たなくても、内容が分かってしまった〔下にその英文の全文〕。

AWSとしては、エンタープライズの顧客獲得でなお一層優位に立ちたい。一方VMwareは、仮想マシン技術におけるリーダーシップを失いたくない。そこでVMwareとAWSは、VMwareのソフトウェア定義データセンターのソフトウェアを、‘VMware Cloud on AWS’という呼び名で、AWSへ持ち込むのだ。

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これにより、VMwareのインフラストラクチャソフトウェア、vSphere, VSAN, NSXなどがAWS上で動くことになる。そのサービスは現在、テクノロジープレビューの段階で、2017年の初頭には招待制のベータへ移行する。ベータの終了は、2017年半ばを予定している。

サービスの運用と販売とサポートはAWSではなくVMwareが行うが、ストレージ、データベース、アナリティクスなどの周辺的サービスはAWSを利用する。

発表声明の中でAWSのCEO Andy Jassyはこう述べている: “顧客の要望でつねに多いのが、既存のデータセンターへの投資とAWSを、より容易に両立併用したい、というものだ。多くの企業がすでにVMwareを使って仮想化を行っているが、このたびVMware Cloud on AWSが提供されることによって初めて、既存のVMwareツールをAWS上で使うことにより、一貫性があってシームレスなハイブリッドIT環境を運用できる。そのためのカスタムハードウェアの購入や、ソフトウェアのリライト、運用モデルの変更などは、いっさい必要ない”。

今日の発表イベントで両社は、初期の顧客を数社紹介した。その中にはWestern DigitalやSyscoがいる。

両社は、これがあくまでも共同で構築したサービスだ、と強調し、“両社からの技術、運用、および営業の各面における大きな投資の成果だ”、という。それはAWSが用意し、“この目的のために特製した”、専用のインフラの上で動く。VMwareのCEO Pat Gelsingerも今日、このサービスの構築における両社の緊密な協働を強調し、これがVMwareのメインのパブリッククラウドソリューションになる、と持ち上げた。

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VMwareのMark Lohmeyerは、今日の発表声明でこう書いている: “現在はテクノロジープレビューであるVMware Cloud on AWSは、VMwareのエンタープライズ級のソフトウェア定義データセンターのソフトウェアをAWSのクラウドに載せ、顧客がvSphereベースのプライベート/パブリック/ハイブリッドの多様なクラウド環境を横断して、どんなアプリケーションでも動かせるようにする。それをVMwareがオンデマンドの柔軟性に富むスケーラブルなサービスとして運用、管理、および販売し、併せて顧客は、デベロッパーツールやアナリティクス、データベースなど、AWSのサービスを利用できる”。(この発表文は、その後削除されている〔後述〕。)

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企業が自前のデータセンターとパブリックなクラウドサービスの両方を利用する、いわゆる“ハイブリッドクラウド”を、MicrosoftやIBMなどは重視しているが、Amazonはその市場をほとんど無視してきた。

VMwareはこれまで、企業のオンプレミスのデータセンターの多くを支配してきたが、それらの企業のハイブリッド指向を支えるパブリッククラウドサービスが自分にはない。一方AWSは、そのサービスのオンプレミスバージョンを提供していない。この二つの企業がタッグを組むのは、きわめて理にかなっている。

VMwareも発表声明の中で、このパートナーシップが可能にするハイブリッド方式を強調し、“データセンターとAWSのクラウド両者間における、VMの完全な互換性と、ワークロードの全面的なポータビリティを実現する”、というメリットを述べている。

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なお、AWSはすでに、仮想マシンを管理するためのVMware vCenterの部分的サポートを提供している。そのおかげでvCenterのアドミンはかなり前から、VMwareの仮想マシンを管理するときと同じソフトウェアを使って、AWS EC2のクラウドコンピューティングインスタンスを管理できている。既存の仮想マシンをEC2に移動させることが比較的容易なのは、このサービスがあるおかげでもある。

今日の発表に先立つ一連のメールでIBMは、VMwareとIBMはすでにチームを組んでおり、そのパートナーシップは2月に発表した、と述べている。しかし内容豊富なのは、今回のAWSとのパートナーシップだろう。

VMwareがブログで勇み足した発表はいったん削除されたが、今日の午後、AWSのプレスカンファレンスがスタートすれば再掲されるだろう。以下が、そのブログ記事の全文だ:

〔以下、英文ママ(主要な概要は上記記事で紹介されている)〕

By Mark Lohmeyer, Vice President, Products, Cloud Platform Business Unit, VMware
Today, VMware and AWS are announcing a strategic partnership that brings the two leaders in Enterprise IT together to deliver a vSphere-based cloud service running on AWS. This service will make it easier for customers to run any application, using a set of familiar software and tools, in a consistent hybrid cloud environment.

The Power of VMware on AWS

Currently in Technology Preview, VMware Cloud on AWS, will bring VMware’s enterprise class Software-Defined Data Center software to the AWS cloud, and will enable customers to run any application across vSphere-based private, public and hybrid cloud environments. It will be operated, managed and sold by VMware as an on-demand, elastically scalable service and customers will be able to leverage AWS services such as developer tools, analytics, databases, and more.
This jointly architected service represents a significant investment in engineering, operations, support and sales resources from both companies. Designed to deliver a great customer experience, the service will be optimized to run on dedicated AWS infrastructure purpose-built for this offering. It will deliver the power of VMware’s SDDC infrastructure software across compute, network, and storage (with vSphere, VSAN, and NSX) while providing access to advanced AWS services, backed by an integrated customer support experience. Invite-only betas are expected to start in the beginning of 2017 with availability expected to be in the mid-2017 time-frame.

Customer Benefits

Customers can realize significant benefits from this service that combines the best of VMware and AWS, including:
  • Best-in-class Hybrid Cloud Capabilities: Enterprise class application performance, reliability, availability and security with the best-in-class VMware technologies, all optimized to run on AWS, the leading public cloud provider.
  • Operationally consistent with vSphere: With VMware Cloud on AWS, your private data center integrated with the AWS public cloud can be operated using the same vCenter UIs, APIs and CLIs you already know. There’s nothing new to learn, and with vCenter Enhanced Linked Mode, you will have a single pane of glass for managing on-premises and VMware Cloud resources on AWS.
  • Operated and supported by VMware: The service will be operated, sold and supported by VMware. All software components of the service will be fully certified and supported by VMware.
  • Seamless integration with AWS Services: Virtual Machines running in this environment will have access to leverage AWS’s broad set of cloud-based services including storage, database, analytics and more. This will enable a new set of solutions only possible with VMware environments co-existing on the same infrastructure as AWS cloud-based services.
  • Seamless workload portability: Full VM compatibility and total workload portability between the datacenter and the AWS cloud. No complex and time consuming application re-platforming is required. Whether you want to use the cloud as your disaster recovery site, migrate a whole data center, or simply burst to the cloud – you can be confident that your applications will just work.
  • Elastically scalable: The service will let you scale capacity according to your needs. You can scale capacity up and down by adding or removing hosts.
  • No patching or upgrades: The service will remove the burden of managing the software patch, update and upgrade lifecycle for the user. Operating “as a service” means that VMware will take responsibility for ensuring that your environment is always up to date. This means more time to focus on what matters to your business.
  • Subscription-based consumption: Customers will be able to purchase dedicated clusters that combine VMware software and AWS infrastructure, either on-demand or as a subscription service.
If you would like to learn more, please check out additional details at
If you are interested in applying for the beta, please fill out this interest form.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Atlassianの主力製品はクラウドのユーザーと自前のデータセンターのユーザーの二股をかける

TO GO WITH Australia-technology-finance-company-Atlassian-IPO-software,FOCUS by Madeleine COOREY
This photo taken on December 8, 2015 shows flags adorning the head office of Australian tech start-up Atlassian which is expected to make its debut on the world's largest tech stock exchange Nasdaq this week.  Software firm Atlassian plans to list 22 million shares priced at 19-20 USD under the ticker TEAM as early as December 10, it said in a filing to the United States Securities and Exchange Commission.       AFP PHOTO / William WEST / AFP / WILLIAM WEST        (Photo credit should read WILLIAM WEST/AFP/Getty Images)

Atlassianは、クラウドとデータセンター両者の、いわゆる‘良いとこ取り’を考えていて、今日(米国時間10/12)行われたAtlassian Summitでは、同社のデータセンター+クラウド方式を拡大する新製品を発表した。

今は企業ITのクラウドへの移行が進んでいるから、そんな中で、クラウドとオンプレミスの二股を張るのは奇妙にも見えるが、しかしAtlassianから見れば、そんなハイブリッド方式こそが、未来のリスクに対する正当なヘッジなのだ。

同社は、開発やそのほかの部門のチームワークを助けるさまざまなツールを作ってきた。それらの主なものは、 HipChat, Jira, Confluence, BitBucketなどだ。しかし近年はデプロイのサイズが急騰し、今では5万名のユーザーがJiraを使っている企業もある。そしてAtlassianの社長Jay Simonsによると、クラウドでそんな大型のデプロイを行うことを、〔セキュリティなどの面で〕落ち着かないと感じている顧客企業も一部に存在する。

そんな企業の需要に応えるために同社は、数年前にデータセンター向けの製品ラインを導入し、そして今日、そのラインを拡大してHipChat Data Centerをベータで含めることになった。HipChatは、SlackやFacebook Workplaceなどと競合する企業向けチャットツールで、いわゆるエンタープライズメッセージングサービスの一種だ。

データセンター向けのHipChatすなわちHipChat Data Centerとは、クラウドからではなく企業ユーザー自身のインフラの上で動くメッセージングアプリだ。Simonsによるとそれは、自分たちのソフトウェアは自分たちのインフラで動かしたい、という企業向けの製品だ。

さらに同社は今日、Jira Software Data Centerを、システムを停止せずにアップグレードできる機能を発表した。Jiraを使ってミッションクリティカルなプロジェクトを管理しているところは、ダウンタイムがそのまま損失につながる場合もあるので、この機能はとくに重要だ。

Simonsはこう説明する、“オンプレミスの場合の問題は、アップグレードするときオフラインにすることだ。そこでわれわれは、システムをオフラインにせずにアップグレードできる機能を加えた”。

そして、自分のデータセンターではなくクラウドにデプロイしたいユーザーのためには、データセンターからAmazon Web Servicesへの移行を支援するサービスを改良した。

こうやってクラウドとオンプレミスの両方のプロダクトをメンテナンスしていくことは、難しいと同社は認める。しかし、にもかかわらず、デプロイの仕方に関して顧客に選択肢があることは重要だ、と。

Atlassianは10年連続で黒字という、優良企業だ。売上の主軸はWebサービスだが、オンプレミスのためのプロダクトをWebで展開するのは、クラウドに対するそれに比べると難しい。同社は昨年12月に、2億1000万ドルを調達したあと、上場した。現在の同社の時価総額は、60億ドルを超えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))