一部のiPhone 7sが正常なのに“No Service”を表示する、Appleは無料で修理する

iPhone 7を使っていて、信号は強力なのに“No Service”と表示されること、ない? 実はそれは、あなたの錯覚でも間違いでもない、iPhone側の問題なのだ。

iPhone 7sの“No Service”バグに関する報道や噂は1年以上も前から浮遊しているが、今日(米国時間2/2)の午後、Appleはその問題を認めた。

同社によると、“ごく一部の”iPhone 7sが、サービスが可利用であってもno serviceを主張することが分かった。

悪いニュースは: 簡単な直し方がない。今回はソフトウェアのアップデートでは直らない。Appleによると問題の原因はロジックボードの不良にあるので、それを物理的に修理するしかない。

ややましなニュース: Appleは修理を無料で行う。Genius Barですでにお金を払った人には、返金される。詳しい情報はここにある。画面が壊れている場合は、お金を払ってそれを直してから内部の修理をしてもらうこと。

Appleによると、2016年9月から2018年2月までに製造されたデバイスが対象だ。つまりそれは、iPhone 7のこれまでの存命期間である。そしてそれらが売られた場所は、アメリカ、中国、日本、香港、またはマカオだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中国海軍がレールガンの艦載に成功?――リーク写真に議論百出

シュワルツネッガーの『イレイザー』が公開されて以来、誰もがレールガンを欲しがるようになった。どうやら中国海軍もその一員だったらしい。中国の最新兵器開発の動向に詳しいDafeng Caoのツイートによれば、揚陸艦に中国独自の電磁レールガンとおぼしき巨大な砲填兵装が搭載された写真が発見された。

レールガンは2本の導体間に大電流を流して中間に置かれた実体弾を加速する兵器で、火薬を推進薬に利用する従来の砲と比較して何倍ものスピードを弾頭に与えることができる。その速度はマッハ6以上になるようだ。アメリカは長年この兵器の開発を続けており、しばらく前に下のようなクールなデモビデオも公開されている。しかし実際に艦載されたということは聞いていない。

さすがシュワルツネッガー、レールガン両手撃ち

中国海軍は何も発表しておらず、今のところすべては推測にすぎない。ただし中国もレールガンの開発に努力していたことは公然の秘密だった。それにこの写真の砲はきわめて異例の形状だ。

まず砲身が長さに比べて太い。また砲塔内にかなりの部分が隠れているように見える。この部分に加速装置が隠されているとすれば、アメリカが開発したレールガンの形状に近い。

4000トン級の揚陸艦にこのような大口径砲を装備すれば安定性に悪影響が出る。通常の艦載砲であるとは想像しにくい。

次に搭載されている艦は中国海軍が新兵器をテストする際に標準的に使われている種類、909型ではないという点だ。Dafeng Caoは元中国海軍の将校の発言として「909型の発電能力はレールガンを運用するのに必要な大電流を発生できないからだろう」と引用している。

3番目に、砲塔の直後に海上コンテナがいくつか見える。レールガンは大電流を必要とするので発電装置やコンデンサーなど運用のインフラを必要とする。これらは非常にかさばるので砲塔内に収めるのは難しいが、コンテナ内なら可能かもしれない。

写真の赤い横断幕には「世界一流の海軍兵装を提供し世界一流の海軍を建設しよう」とある。非常に断定的かつ野心的なスローガンだ。

Dafen Caoがツイートしているようにこの野心的な宣言のバナーが艦上に掲げられている。 海軍記念日その他の祝日に新型砲をみせびらかすというのはクールだが、カモフラージュ・ネットをかけたままでは実際の発砲はできないだろう。

レールガンは桁外れに重く、かさばる兵器なので、中国が本当にレールガンの艦載に成功したのであれば、小型化とモジュラー化でアメリカに比べて飛躍的な進歩を遂げたことになる。実際レールガンが近く実用化されるという話はまったく聞いていない。火薬を利用する従来型の砲の方が今のところはるかに現実的だ。 アメリカのレールガンは鳴り物入りで登場したものの、このままお蔵になるかもしれないという報道も出ている。

US Naval Research

画像: Dafeng Cao / Twitter

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoftから799ドルのノート――手頃価格のSurface Laptopを発見

クリスマスから新年にかけての商戦も一段落した2月だが、今週Microsoftストアのコンピューターにいくつか新しい構成が登場した。Surfaceのエントリーモデルの価格が引き下げられたのは無風状態のコマースを活気づけるのによい方法だろう。

このアップデートはWindows Centralが発見した。残念ながらMicrosoftは構成の変更をいちいち宣伝しない。宣伝するとすればハイエンド分野だ。 これはMicrosoftがパソコンの独自製品に関してMacBookのライバルとなるべく努力し始めたときからの方針だ。

新製品でいちばん目を引くのは799ドルのSurface Laptopだろう。現行のエントリーモデルとくらべて200ドルも安くなっている。残念ながらスペックはそれなりだが、価格は非常に魅力的だ。 このシステムはIntelCore m3チップ、4GBのRAM 、128GBのストレージを搭載する。

ただしOSは軽量化されたWindows 10 Sなのでこの程度の非力なハードウェアでも作動可能だ。このOSはもともと低価格の教育現場向けパソコン向けに開発されたもので、提携メーカーが189ドルで売っているノートでも動く。

昨年の夏、Surface Laptopをレビューした記事で(このときレビューしたモデルはもっとパワーがある製品だったものの)私はデザインをかなり気に入って賞賛している。

Microsoftストアにはこれまでより安い新しいSurface Book 2も並んでいる。こちらは1199ドルでCPUはi5、8GBのRAM、128GBのストレージとなっている。

〔日本版〕Microsoftの日本のストアはこちら。現在Surface Laptopの価格は「136,944から」となっている。搭載OSについては「Windows ストアのアプリだけを使用し、Microsoft Edge で Web 閲覧の安全性を確保することで、Windows 10 S では毎日変わらずに高速かつ安全な稼働が実現します」と説明されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsungが暗号通貨採掘用のASICチップの生産を開始、TSMCと競合へ

Intelを抜いて世界最大のチップセットの売り手になったSamsungが、bitcoinやetherなどの暗号通貨を採掘する(マイニングする)ために使うASICチップの製造を開始したことを確認した。

同社のスポークスパーソンは本誌TechCrunchにこう語った: “Samsungのファウンドリー事業は現在、暗号通貨採掘チップの生産に従事している。しかし、われわれの顧客に関する詳細を開示することはできない”。

Samsungは、本誌の詳細情報の求めに応じなかった。

これより前に韓国のメディアの報道は、この巨大テクノロジー企業が、名前が公表されない中国の流通パートナーとのコラボレーションをしている、と報じている。Samsungはすでに、GPU用の大容量のメモリチップを作っており、それらのGPUは、コンピューター上のグラフィクスを扱う従来的な用途のほかに、採掘目的にも利用されている。

採掘目的のASICは目下、中国のBitmainCanaan Creativeが市場を支配し、台湾の巨大企業(世界最大の半導体ファウンドリー)TSMCと協働しているが、Samsungは彼らと競合することになる。実際のところ、暗号通貨のブームによりTSMCの四半期売上は一気に4億ドル近く増加した、と言われる。

Samsungの今後の戦略はまだ明らかでないが、ファウンドリービジネスとしてTSMCとの競合になることは確かだ。TSMCとはすでに、そのほかの分野でも競合しているが、今度は完成製品としての採掘製品を作って売っている企業を、顧客として奪い合うことになる。もしもSamsungが新しいパートナーを獲得したり、ハードウェア製品を自分でも作るようになれば、Bitmainらとも競合する。

いずれにしても暗号通貨は、Samsungにとってかなり大きな事業部門になるだろう。同社の2017年のチップの売上690億ドル は、主にスマートフォン業界からだったが、今後は暗号通貨採掘チップも、売上に大きく貢献するだろう。

注記: 本稿の筆者は小額の暗号通貨を保有している。それは、勉強のために十分な量であり、自分の生き方が変わるほどの量ではない。

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ARMのCEO Simon SegarsのSpectre/Meltdown観、そしてIoTのセキュリティについて

今年のCESは、SpectreとMeltdownに呪われていた。会場内の会話のほとんどが、どこかで必ず、この話題に触れていた。なにしろCESだから、われわれが会う人の数も多く、そしてその中にはこの問題に近い人も多い。今回はその一人、ARMのCEO Simon Segarsに、本誌TechCrunchのブースまで来ていただいて、その対応策などについてうかがった。

また、IoTやAIなど、同社の今後の大きなビジネス機会についてもお話を聞いた。同社の設計をベースとするチップはすでに1200億あまりのデバイスで使われているが、次のフロンティアである新しい技術分野は、さらに大きな機会を同社にもたらす。“IoTの普及により、数億どころか兆のオーダーのコネクテッドデバイスが出現する”、とSegarsは語る。

SpectreとMeltdownに関しては、その脆弱性の公表により、あらためて、今日の世界に膨大な量のマイクロプロセッサーがあることが人びとの意識にのぼった。しかしSegarsが強調するのは、この脆弱性が一部の高性能なチップに限られていること。彼によると、ARMがライセンスし、過去に販売されたチップのわずか5%が、危険にさらされるだけだ。

Segarsが今回明言できなかったのは、ハードウェアとソフトウェアのベンダーが今リリースしているパッチによって、ARMにとっての性能低下は起きるのか、という点だ。“率直に言って、それを言うのはまだ早すぎる”、とSegarsは述べる。“それは、ユースケース次第という面がとても大きいだろう…つまりアプリケーション次第、ということだ”。

しかし彼は、一部のハイパフォーマンスなユースケースではペナルティがありえる、と考えている。“しかしそんな場合でも、Webの閲覧やメールのような一般的なユースケース、そしてモバイルデバイス上の膨大な量のユースケースでは、誰も違いに気づかないだろう”、という。

インタビューの全体を、下のビデオでご覧いただける。

画像提供: Tomohiro Ohsumi/Getty Images



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBMがGlobal Technology Servicesグループの大変革を計画中か?


IBMはここ数年間調子が悪く、収益の減少が22四半期の間連続している。このような背景の中、米国時間11日にThe Registerが、同社のGlobal Technology Servicesグループに大きな変化が起こるかもしれないことを示唆する記事を発表した

Global Technology Services(GTS)は、インフラストラクチャーサポートとハードウェアコンサルティングを扱う、IBMのビジネスコンサルティング部門である。同社がクラウドに重点を移しつつあるため、GTSのハードウェアへの注力は、同社の今後に対しての重要性が下がっている。

この変化は、ITの変化する背景に照らして見る必要がある。実際のところ、多くの企業が自社のデータセンターを運営することをやめて、パブリッククラウドサービスに移行しつつある。このコンテキストの中では、ハードウェア導入に集中する10万人の従業員を抱えていることはあまり意味がない。

The Registerの記事によれば、同部門は焦点を大きく変えようとしており、これに従い従業員たちの大規模な再構成が行われようとしている。さらに、変更が非常に大きいために、同社はBainと契約し、整理作業への支援を受けることになった。レポートによれば、世界中で約3万人の人びとが影響を受けるという。

そのうちの9300人は、IBMが近年集中しているクラウドコンピューティングのような領域に異動する。またおよそ1万のポジションは、この先従業員がいなくなってもその空席が埋められることはない。The Registerの記事からは、残った人たちに何が起きるのかはさらに明らかではない。しかし現在外部と共同で、もしくは外部からサービスを受けている6000のポジションは移管されるか廃止されるようだ。残りの5000人ほどについては、彼らに何が起こるか、レイオフがあるのかどうかも含めてなにも説明されていない。

IBMのある広報担当者は、記事の正確性に関する質問に反応して、TechCrunchに対しこのように答えた:「みなさんもよくご存知のように、私たちは推測についてはコメントしません。多くのコンサルタントたちがIBMに何かを推奨してきますが、その多くは単なる推奨に過ぎません」。それは正確さを期すために慎重に選ばれた言葉だった。

広報担当者はさらに続けて以下のように説明した「あらゆるビジネスと同様に、IBMは新たなクライアント要件を満たすために、従業員を再教育します。GTSは、私たちの戦略的イニシアチブに重点を置くために、専門的な開発と技術トレーニングへの投資を大幅に増やしています」。言い換えれば、IBMは過去数年間、クラウド、セキュリティ、人工知能、分析などの分野に移行しつつあるため、GTSの人員もこれらの分野に移行させる必要があるということだ(ということは既にそれを実際に行っているということだろう)。

Constellation Researchの創業者で主要アナリストであるRay Wangは、これは会社が成し遂げなければならない変化だという。「IBMは大規模な再訓練の最中です。この目標は、新しいビジネスモデルのためにそのスタッフを再配置し、再訓練することです」と彼は言う。「GTSは旧来のサポートモデルとアウトソーシングモデルのために設立された会社です。これが噂に真実味を加えていますが、私たちはBainはそこに関わっていることを知っています」と彼は付け加えた。

良いニュースは、レポートでは大規模なレイオフについては言及されていないということだ。とはいえこの規模の部門ならば、おそらくはある程度のレイオフは行われることだろう。それでも、最初のレポートが正しいとするなら、焦点が当てられているのは従業員の他のポジションへの異動であり、解雇ではないようだ。もちろん、これがどのようになるかはこの先はっきりする。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: JOAN CROS GARCIA – CORBIS/GETTY IMAGES

IntelのSpectre-Meltdownのパッチでユーザーシステムがリブートしてしまう事故も

Intelにとってそれは、楽しい時間ではなかった。先週同社は、チップの脆弱性を二つ公表し、その後それらにはSpectreとMeltdownという名前まで付けられ、そしてさらにIntelだけでなくチップ業界全体の騒動になった。今週同社はパッチを発表したが、今日(米国時間1/12)は、それらをインストールした企業の一部がシステムの唐突なリブートを経験している、という情報がリークされてきた。泣きっ面に蜂、傷口に塩の不運な週だ。

Intelもそれを認め、同社Data Center GroupのVPでゼネラルマネージャーのNavin Shenoyが、この件に関するブログ記事を書いた。

そこにはこう書かれている: “複数の顧客から、ファームウェアのアップデートを適用したあとに高レベルのシステムがリブートする、という報告を受けている。具体的には、これらのシステムは、クライアントとデータセンターの両方でBroadwellとHaswellのCPUが動いている”。

“そのためにファームウェアアップデートの改訂が必要なら、その新たなアップデートは通常のチャネルから配布する”。

この問題はIntelがコントロールできないほど劇症化することはないだろう、とみんなが思っていたまさにそのときに、一層の劇症化が起きてしまった。Wall Street Journalが入手したIntelの極秘メモは、大企業やクラウドプロバイダーたちに、パッチをインストールしないよう指示している。一方Intelは消費者にはすべてのパッチをインストールするようアドバイスし、これはセキュリティの問題ではない、と指摘している。

ソフトウェアの不具合の問題にすぎないし、それは確実に直った、と言いたいところだったが、騒動の肥大化がプレッシャーとなり、ミスが生じたのかもしれない。

SpectreとMeltdownの問題は昨年、GoogleのProject Zeroのセキュリティチームが見つけていた。彼らは、セキュリティよりスピードを優先した設計により、現代的なチップのアーキテクチャに欠陥が生じ、チップのカーネルが露出した、と認識している。その場所にはパスワードや暗号鍵などの秘密情報が保存され、たぶん保護もされている。しかしその欠陥のために、保護がない状態になってしまった。

MeltdownはIntelのチップだけの問題だが、Spectreは今のチップのほとんどすべてにある…AMD, ARM, IBM Power, Nvidiaなどなど。この問題を抱えなかったのは、Raspberry Piだけかもしれない

今のところ、この脆弱性の悪用に関する情報や記録はない。Googleの昨日(米国時間1/11)のブログ記事によると、それは20年も前からチップに存在した脆弱性だが、しかしセキュリティの専門家たちによると、これまでのセキュリティ事故の、どれとどれがこの脆弱性の悪用であるかを特定するのは難しい。20年前からその存在を十分に知っていたとしても、事故原因としての特定は難しいだろう、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleのProject ZeroチームはCPUの重要な欠陥を昨年発見していた

数分前(米国時間1/3)に公開されたブログ記事でGoogleのセキュリティチームが、今朝発表されたチップの脆弱性からGoogle Cloudの顧客を守るために彼らがやったことを述べている。その記事によると、この脆弱性は同社のProject Zeroのチームが昨年…時期不詳…発見していた。

発表によると、同社はその問題をチップのメーカーに報告した。それは、“投機的実行”と呼ばれているプロセスによって起きる。それは、CPUが次にやるべき命令を論理的に推測して実行し、処理速度を上げる、という高度なテクニックだ。そしてその機能に隙(すき)があり、悪者はそれを利用して、暗号の鍵やパスワードなどメモリ上の重要な情報にアクセスできる。

Googleによるとこれは、AMD, ARM, Intelなどすべてのチップメーカーに見られる現象である(AMDは否定)。Intelは、一部で報道された、脆弱性はIntelのチップのみという説を、同社のブログ記事で否定している。

Googleのセキュリティチームは、この問題を知った直後からGoogleのサービスを護るための措置を開始した、と書いている。早期に一般に発表しなかった理由は、調整版のリリース予定が来週(1月9日)だったため、という。そしてこのニュースがリークしたために、GoogleやIntelなどの関係企業は、情報を公開して憶測を終わらせることを選んだ。

なお、Google Apps/G Suiteには、被害が及んでいないので、ユーザーは何もしなくてもよい。そのほかのGoogle Cloudのユーザーは、何らかのリスク対策が必要かもしれない。ユーザーのアクションを必要とするプロダクトやサービスは、このページに詳細が載っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「CPUに深刻なバグ」報道にIntel反論――OSアーキテクチャーに内在する欠陥で他社製チップにも同様の影響

今朝(米国時間1/3)、Intel製プロセッサーに 深刻なバグが発見されたとするとする報道があった。この欠陥を回避しようとすればチップの性能を大きく低下させる可能性があり、Intelの信頼性とその株価は共に大きな打撃を受けた。これに対してIntelは公式声明を発表し、こうした報道を「誤っており、不正確だ」と述べた。また同社はこの問題について「来週詳細を発表する予定だった」という。

この欠陥は一般ユーザーが日受利用するプロセスがプロセッサーのアーキテクチャーの極めて深い部分に位置するメカニズム、つまりカーネル・メモリーににアクセスすることを許すものだという。悪意あるハッカーがこの欠陥を利用すればシステムに数多くの巨大な抜け穴が生じる。一方、欠陥を回避しようとすれば、チップの性能を著しく低下させることになるという問題が生じていた。

Intelの公式声明は「不正確なメディア報道がなされているため」急ぎ発表されたという。

これらのシステム上の弱点(exploits)を「バグ」、「欠陥」と呼び、Intelプロダクト固有の問題だとする現在のメディアの報道は正しくない。現在までの調査の結果が、多種類のコンピューティング・デバイス、つまり多数のベンダーが製造するプロセッサーや複数のOSに共通してこの弱点が存在することが明らかになっている。

言い換えれば「問題はIntelだけじゃない」ということだ。Intelは問題の火消しを図ったのかもしれないが、同時に問題が今朝の報道よりはるかに大きいことを示唆する結果にもなった。Intelがすぐに確認できない主張で煙幕を張っているとは考えにくい。他の主要チップ・メーカー、OSベンダーはいずれも問題を認識していることは間違いない。実際、Intelによれば一部メーカーと共同声明を準備しているという。

Intelはプロダクトならびにユーザーのセキュリティーの確保に最大限の努力を払っており、他の多くのテクノロジー企業と協力して問題の解決にあたっている。Intelはこの問題に関して、AMD、ARM Holdingsなどのメーカーや複数のOSベンダーと共に業界全体として迅速かつ建設的な解決策を得ていく。

Intelを始めとするベンダー各社はソフトウェアおよびファームウェアのアップデートが利用可能になる来週の時点で詳細を発表する計画だった。

ということであれば、問題の詳細については共同発表を待たねばならないだろう。それ以前にこれ以上の情報が明らかされるかどうかは疑わしい。大企業が揃って何かするとなればある程度の時間はかかるものだ。

Intelは性能低下の可能j性に関しても「一部の報道とは異なり、パフォーマンスの低下は負荷に比例するものであり、一般ユーザーの場合、さほど大きなものとはならず、やがて緩和されるはずだ」と書いている。

とりあえずグッドニュースだが、やはりこれに関してもベンチマークテストの結果が詳しく説明される必要があるだろう。設定やアプリによって影響の出方は大きく異なる可能性がある。

画像: Smith Collection/Gado / Contributor/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

今日からAppleのiPhoneバッテリー交換は29ドル――性能劣化問題で事実上の謝罪

保証期間切れのiPhoneバッテリーを29ドルで交換するというAppleの約束が実行に移された。iPhone 6以降でバッテリー問題を抱えているユーザーが対象となる。Appleでは 当初特別価格でのバッテリー交換プログラムの開始時期を1月後半としていたが前倒しになった。Appleがバッテリー劣化によりiPhoneの旧モデルの性能を低下させているという問題を認めたことから、同社に対して激しい非難の声が上がっていた。

先週末TechCrunchに送られたコメントでAppleは「われわれは準備にまだ少し時間を必要とする。顧客に対する〔修理費用の〕引き下げはただちに実施する。ただし交換用バッテリーの供給は当初多少制限されるものと思われる」と述べていた。

つまりユーザーとしてはかっこうの機会を逃すな、ということだ。保証が切れた機種のバッテリー交換で50ドルのディスカウントというのはAppleとしては稀な公の謝罪とみていい。大勢のユーザーがこのチャンスにバッテリーを交換し、iPhoneの旧モデルの寿命を少し伸ばすことになるだろう。ライバル・メーカーはこのスキャンダルを最大限に活用しようとしている。Samsung、HTC、LG、Motorolaなど主要なライバルは一斉に「われわれはバッテリーに関してこうした〔計画的劣化という〕手法を採っていない」と主張している。

昨日、iFixitはこのニュースを受けて、iPhone用バッテリー交換キットの価格を29ドルに下げた。これはAppleのバッテリー交換費用と同額だが、iFixitのバッテリー交換キットの売れ行きは急上昇しているという。iFixitはAppleのバッテリー交換ブログラムでは待ち時間が長くなる可能性があることを注文殺到の理由に上げている。

実際、iPhoneの性能を計画的に低下させることを許したAppleの透明性の欠如した体質に加え、同社も認めているように、当初交換用バッテリーの供給が十分でない可能性があること、またAppleのジーニアスバーの予約を取らねばならないことがユーザーに大きなフラストレーションをもたらしている。また今日以前にバッテリー交換を申し込んでいる場合は50ドルの割引は適用されない。

とはいえ、バッテリー交換価格の大幅割引はよいことだ。あとはサプライチェーンが十分な量を供給できることを祈りたい。Appleではバッテリー交換に関してサイトに詳細を掲載している。

〔日本版〕Appleの日本サイトにはまだ特に発表がないもよう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Nvidiaの2999ドルのTitan VはAI処理のための110テラフロップスのGPUだ

Nvidiaのカードは機械学習のワークロードを動かすためのデファクトスタンダードだが、今日(米国時間12/8)同社は、また新たな、ハイエンドのコンピュート専用型カードを陣容に加えた。Titan Vがそれだ。このカードはNvidiaのVoltaアーキテクチャがベースで、211億個のトランジスタを載せた815平方ミリメートルのチップだ。計算性能はきっちり110テラフロップスである。

もちろん、これだけのパワーはお安くない。12GBのHBM2メモリを搭載したタイプで小売価格は2999ドルだ。でも単独のパワーで比較すると、1299ドルだった前の機種Titan Xpの9倍となる。

しかしそれでもこれは、Nvidiaの最強のカードではない。その栄誉は今でも112テラフロップスのTesla V100が握っている。その小売価格は1万ドルに近い。でもそれは、Nvidiaの最強のPC用GPUだ。Titan VとV100は、共通している部分も多い。Titan VのコアはV100 GPUだが、メモリが少なくてメモリバスも狭い。

Titan Vのローンチは、かなりのサプライズだった。NvidiaのCEO Jen-Hsun HuangはNIPSカンファレンス(12月4-9日)のキーノートで、新しいハードウェアの発表をすると期待されていなかったようだ。

でも、Titan Vは発表された。Huangは述べる: “Voltaのビジョンは、ハイパフォーマンスなコンピューティングとAIの限界を押し広げることだった。その新しいプロセッサーアーキテクチャでは、プロセッサーの命令や数値の形式、メモリのアーキテクチャ、プロセッサーのリンクなどで新しい地平を開いた。そしてTitan Vでは、Voltaを世界中の研究者や科学者の手に渡したい。彼らによる画期的な発見が、待ち遠しい”。

このカードもまさしく標準的なPCI-Eのビデオカードだから、PUBGをプレイすればごきげんだと思うが、でも主な想定ユーザーは科学的シミュレーションや機械学習のモデルの構築にこのような並列処理のパワーを求めていた研究者たちだ(もちろん暗号通貨のマイニングにも使えるだろう)。Titan Vは5120のCudaコアを載せているだけでなく、機械学習ワークロードの高速化に向けて最適化された640のTensor Core〔行列演算器〕もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Home Miniが最大音量でクラッシュする問題にGoogleが対処中

Googleのハードウェアチームにとっては難題に溢れた数ヶ月間だった。10月のPixel 2イベントで発表されたデバイスに関する問題リストは、Home Miniが最大音量で再生された時にクラッシュするというユーザーたちからの報告で更に長くなった。先日SlashgearがGoogleの掲示板で高まっている苦情の声を指摘した。そこで私たちはこの件をGoogleに対して確認した。

この問題は必ずしも普遍的なものではないように思われる。私たちも手持ちのHome Miniデバイスでそれをテストしてみたが、私たちのユニットはクラッシュしなかった。しかし、この問題は、Google Homeアプリを通じて、ユーザーからのクラッシュ報告を求める程度には広がっている。同社はまた、TechCrunchに対して、その問題の修正に取り組んでいると語った。

一部の人にとって、この問題は特定の曲のセットに対してのみ発生しているようだ。Lordeの”Royals”が、システムをシャットダウンして再起動させる原因として、しばしば名前を挙げられている。今のところ単純な解決方法は、単に音量を下げることだ。いずれにせよ、この現在30ドルのEcho Dotのライバルは、おそらく最大音量で音楽を聞くのにはあまり適しているとは言えないだろう。

しかし、このバグは、Googleの最新ハードウェアを悩ませている、長い問題リストのうちの最新のものに過ぎない。Pixel 2に関しては、ディスプレイの問題からオーディオの録音品質に至るまで、数多くの苦情が寄せられ、さらに多くの人びと(私たちも)がワイヤレスヘッドフォンPixel Budsのペアリングのが不安定な問題に遭遇している。Home Mini自身は、発売前にも、ユーザーの許可なく恒常的に録音を行っていることが明らかになって物議を醸していた。同社はこれを受けて搭載機能の1つを無効にしている。

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(翻訳:Sako)

問題相次ぐGoogle Pixel 2、電話のノイズの問題は数週間後にソフトウェアのアップデートで解決

Googleのハードウェアチームは今年は休暇を取れない。本誌も含めて全般に好評だった同社のPixel 2ハンドセットは小さなトラブルがいくつかあり、その中には電話をしているときブーというノイズが聞こえる、というのがある。

PixelユーザーのためのGoogleのフォーラムに生じた長いスレッドに投じた短いレスでGoogleは、ソフトウェアのアップデートを数週間後にインターネットから行う、と言っている。

そのノイズの問題はしかし、単独の問題ではない。先月の終わりごろに同社は、色の調整の問題を解決するためのソフトウェアのアップデートを約束した。同社としては、あえて選んだ言い方だったけど、多くのユーザーには不満だった。画面の焼きつきについても、同社は調査を約束した。

これら以外にも、ビデオで音の録音が良くない、とか、タッチスクリーンの反応が不安定、などの苦情もある。さらにHome Miniにはプライバシーの問題まであるので、パッチが必要になった。また第一世代のPixel BudsにはBluetoothの同期の問題がいろいろあり、期待された製品なのに人気は盛り上がらなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ハードウェアの設計にセキュリティの欠陥を見つけるTortuga Logicが$2Mを調達

システムのセキュリティをチップのレベルで担保することを目指すTortuga Logicが、Eclipse Venturesから200万ドルのシード資金を獲得した。パロアルトに本社を置く同社は、その資金で、コンピューターのハードウェアに人知れず潜む脆弱性を見つける製品を作りたい、と志向している。

ファウンダーのDr. Jason Oberg, Dr. Jonathan Valamehr, UC San Diego教授Ryan Kastner, UC Santa Barbara教授Tim Sherwoodらは全員、システムのセキュリティに関して数十年の経験があり、その知見の商用化(企業化)にあたってはNational Science Foundationから助成金が出ている。

“ソフトウェアによるセキュリティ製品やセキュリティ企業は世界中にたくさんあるが、自動運転車の登場やモバイルデバイスの複雑性の増大、それに、とくに軍用製品におけるサプライチェーンの信頼性の問題などにより、セキュリティ技術の大きな欠陥が拡大しつつある。その大きな欠陥とは、具体的にはハードウェアだ”、とObergは語る。

ソフトウェアによるセキュリティは、高価なDSLRカメラ上のダストセンサーみたいなものだ。しかし同社のシステムは、ハードウェア本体の上の欠陥を感知し、ハードウェアのセキュリティホールをさまざまなソフトウェアが悪用することを防ぐ。

“ハードウェアの脆弱性はこれまでまんまと悪用されて、現代のコンピューターシステムを完全に骨抜きにしてきた”、とObergは語る。“すでに発売され、場合によっては悪用されたこともあるセキュリティの脆弱性を修復しようとすると、とんでもない費用がかかる。ソフトウェアと違ってハードウェアはパッチができないから、リコールのような高価なソリューションしかない場合が多い”。

同社は、そんなセキュリティを“後知恵”(あとぢえ)と見なし、危険性の高いセキュリティホールにあらかじめ(設計段階で)パッチを当てることにより、システムのセキュリティを大幅にアップできる、と主張する。

そのために同社が売っているのが、“半導体の設計のあらゆる部分にセキュリティの脆弱性を見つけるための一連のハードウェア設計ツール”で、すでに航空宇宙や国防の分野に顧客がいる。

“一般的なセキュリティ企業に対する弊社の差別化要因は、弊社はソフトウェアではなく、システムの内部で使われているチップにフォーカスすることだ”、とObergは述べる。“大企業が一時的な社内チームを作って、ハードウェアのセキュリティの問題解決に当たらせると、ほとんど何もかも手作業になるだろう。それに対して弊社は、技術と知識の蓄積を活かして脆弱性発見の過程を自動化できる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iPhone Xの画面にナゾの緑の縦線――グリーン・ライン・オブ・デスの正体は不明

これまでもAppleの新モデルの最初の出荷分にはなにかしらマイナーな問題があった。電波が途切れるアンテナゲートや筺体が変形するベンドゲートなどの事件を覚えているユーザーも多いだろう。どうやらiPhone Xもこの例に漏れないらしい。一部のユーザーがiPhone Xのディスプレイに緑の線が表示されたままになる謎の現象を報告している。

トップ画像はTwitterのユーザー、mix0mat0sisNate HeagyChristian Romanからのもので、いわゆる「グリーン・ライン・オブ・デス」の例だ。この現象が起きる確率、原因などは不明だ。私はAppleにコメントを求めておいた。

ここから先はわれわれの推測になるが、こういうことは言えるかと思う。iPhone Xのディスプレイのピクセルは斜めの格子状だ。これを縦にみると赤と青のピクセルは交互に配置されているが、緑のピクセルはまっすぐ一列に配置されている。これはDisplayMateのテストで実際に観察することができる。:

一部のiPhone Xにんらかの障害があり、ディスプレイの制御回路に微弱な電流が流れて緑のピクセルを光らせているのかもしれない。緑の線が画面の端から端まで垂直に通っているところをみると、画面周辺の回路に問題があって数ピクセルを一度に光らせているようだ(もし1列だけが光っているならこれほど太い線にはならないはず)。この線は画面の左右どちらかの端に現れる傾向があり、気づくのが遅れるという。

大量生産ラインに新しいテクノロジーを投入する野心的なデバイスにはこの種のバグはつきものだ。昨年はSamsungの画面にピンクの線が現れた。発生の確率が0.001%である場合、事前のテストで発見することは不可能だろう。そこで運の悪いユーザーがそういう現象を引き当てることになる。

あるユーザーは「不具合のあったデバイスはAppleで取り替えてくれた」と報告している。そうしたことからみて、不具合はソフトではなくハードにあったもようだ。もし読者のiPhone
Xに緑線が現れたらぜひ画面の写真を撮ってわれわれのとろへ送っていただきたい(その後、ストアに持ち込めば交換してもらえるはず)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Nvidiaに負けたくないIntelとAMDがCPU/GPU盛り合わせチップを共同開発

IntelがAMDと一緒に、IntelのCPUとAMDのGPUを合わせたノートブック用チップを開発している。それは小さくて軽量で、しかもグラフィクス要求の厳しい最高クラスのゲームもゆうゆう扱える、というチップだ。

この二社の提携は、見た目には分かりやすいが、でも両社がコラボレーションするのは80年代以来久しぶりだ、とアナリストのPatrick MoorheadがThe Wall Street Journal紙に語っている。これまでは、どちらかというと両社は互いに強力なライバルとして、PC用プロセッサー市場を争っていた。まあ、レースの常勝はIntelだったけど。

でも最近では、Intelのトップの座をねらうのはAMDよりむしろNvidiaのようだ。グラフィクスカードのメーカーであるN社は、このところAIと機械学習に力を入れているし、それと同時に消費者向けとエンタープライズ向け両方のコンピューター用に、トップクラスのグラフィクスカードを提供し続けている。

AMDは最近、Nvidia製品に負けない性能/機能のGPUを作って、Nvidiaを押さえ込もうとしている。そして今回のIntelとの協働では、どでかい専用グラフィクスカードがなくても最高のグラフィクス性能を発揮するチップによって、さらに未来の成長の余地を作ろうとしている。このチップはPCのメーカーに、プロセッサーのサイズが小さく、グラフィクスカードもそれ用のヒートシンクも要らないという、省エネ省スペースを提供するはずだ。

そしておそらくIntelは、昔のライバルと組むことによって現在の最強ライバルを引き離したい、という根性だろう。消費者にとっては、良いニュースかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

仮想現実の中で使えるキーボードをLogitechが実験中、SDKも提供

キーボードは誰もが知ってる単純な装置だが、これで仮想現実(virtual reality, VR)を操作しようとすると、ものすごくたいへんである。ブラインドタッチのベテランの人でも、VRのヘッドセットが目を覆っている状態では、その仮想世界の中にいながらにしてキーボードを見つけることすら、難しい。

これまで何千億種類ものキーボードを作ってきたLogitechは、キーボードがVRの世界から村八分になることを望まない。そこで同社は、VR用キーボードというものを作った。というか、現状はHTC Vive用だ。これがあれば、仮想世界の中で自分の手がわかり、キーボードの所在もわかる。

そのキットには、三つの部分がある: (1)キーボード、(2)Viveにキーボードの所在を教えるためのセンサー、(3)キーボード操作のあるVRアプリをデベロッパーが書けるためのSDK。

下のでもビデオでお分かりのように、仮想世界の中にあなたの青い手と、キーの色がさまざまなキーボードが現れる。Logitechに、その仕組みを聞いたら、“Viveの既存のトラッキング機能を利用しただけ”、とだけ彼らは答えた。

なお、現状はまだささやかな実験の段階だ。現状でキットを50用意しているので、試してみたいデベロッパーは11月16日までに申し込むこと。詳細は、このページにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Elemental PathのAI恐竜おもちゃ、予約開始――ステモサウルスで子供たちがSTEMを体験

Elemental Pathが最初の人工知能おもちゃ、CogniToyをデビューさせたのは2016年のTechCrunchがCES 2016の一環で開催したStartup Battlefieldだった。このときKickstarterで予約を行ったCogiToyは恐竜のおもちゃでIBM Watsonを利用し話しかけられた言葉を認識する能力があった。

今回開発されたのは新しい世代の恐竜ロボットで、その名もSTEMosaur(ステモサウルス)という。デザインはlementalの最初のロボットに似ているが、サイズが小さく、半透明なグリーンで子どもたちが組み立ててプログラミングも行うようになっている。

もうひとつ重要な変更点は、ステモサウルスはWatsonではなくElementalの独自のAIソフトを利用することだ。

ファウンダーのDonald Coolidgeはわれわれのインタビューに答えて、「Watsonはエンタープライズ業務、ことに製薬会社の業務に適したソフトで、もともと子供向けではない。マーケットにできるだけ速くプロダクトを出すためにWatsonは大いに役立ったが、第一世代のロボットを通じて十分にデータも集まったので、これをベースに独自の子供向けソフトを開発した」と説明した。

新しいステモサウルスはIndiegogoで予約受け付け中だが、 Coolidgeは「途中で立ち消えになったり、出荷されるまでに3年も待つようなプロジェクトではい」と請け合った。ロボットはすでに製造中であり、今年のクリスマスには十分に間に合うという。

Coolidgeの前回の恐竜おもちゃは大好評で、当初のKickstarterのキャンペーンで予定した数の5倍も売れた。これによりCoolidgeは新製品開発のための資金400万ドルを得たという。またAmazonを含むいくつかの販売チャンネルも確保した。

Elementalでは前回同様のヒットを期待しているようだが、そうなる可能性は十分にある。Indiegogoはキャンペーン締め切りまで15日あるが、すでに当初の目標の2万5000ドルの2倍以上の予約を集めている。

今度のクリスマスのプレゼントにグリーンの恐竜おもちゃを考えている向きに注意しておくと、このロボットの対象年齢は7歳以上だ。またIndiegogoでは119ドルで基本ユニットが入手できる。その後の小売価格は139ドルとなる。

〔日本版〕STEMはScience, Technology, Engineering and Mathematicsの頭文字でアメリカにおける科学技術教育の強化を図ろうとしてアメリカ国立科学財団が21世紀初頭に造語したとされる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+