音楽サービスは“個人化”ブーム、Google Play Musicが新譜紹介プレイリストNew Release Radioを開始

今や数が多くなった音楽ストリーミングサービスは、音楽をオンデマンドで提供するだけでは顧客の心をつかむことができなくなった。新曲を見つける機能が必要だし、リコメンデーションもしなければならない。プレイリストの選曲に人気がある点でSpotifyは確かに市場のリーダーだが、Apple MusicやGoogle Play Musicをはじめ、ライバルたちも負けてはいない。今週はそのGPMが、自分たちでキュレートしたミックス、New Release Radioの提供を開始した。GPMはそれについて、各リスナーの好みに合わせた選曲だ、と言っている。

この機能は4月に、Samsungとのグローバルなパートナーシップでテストされた。当時のGoogleは、Samsungのスマートフォンやタブレットの新機種の上ではGPMをデフォルトの音楽プレーヤーにするつもりだった。Samsung自身のMilk Musicの、アメリカにおける閉鎖を引き継いで。

GoogleはそれによってSamsungのユーザーからのフィードバックを集めることができ、その成果としてこのたび、Google Play Musicの全ユーザーにNew Release Radioを提供できることになった。

個人化されたミックスには、好きなアーチストの新曲を紹介する機能もある。というか、Googleが、こいつはこれが好きだと信じたアーチストのね。この、ラジオ放送の形をしているサービスは、機械学習の技術を利用して過去二週間のニューシングルやニューアルバムから曲を拾う。同社の発表によれば、その際、ユーザーのGPMでの視聴履歴や、もっと幅広い音楽の好みを参考にする。

このようにエンドユーザーの好みに合わせて音楽サービスを個人化する能力は、たしかに今日のストリーミング音楽の市場競争で優位に立つための重要な要素であり、とくにSpotifyが、その能力に秀でている。そのDiscover Weeklyプレイリストは、初期における強力な差別化要因となり、昨年の総リスナー数は4000万に達した。その後Spotifyはその勢いに乗って、ユーザーが好むと思われる新譜の提案、Release Radarなどの、個人化プロダクトを展開した。Radarは昨年の夏だったが、同じ年の秋には、お気に入り曲とリコメンデーションを組み合わせたDaily Mixが登場した。

Apple Musicもプレイリストの個人化には熱心で、“My New Music Mix”や“My Favorites Mix”などを立て続けにリリースし、いちばん最近では、チル(chill)系の曲だけを集めたプレイリストの提供を開始した。

GoogleのNew Release Radioは無料のラジオリスナーにも提供され、そのときそのときの新曲によって継続的にアップデートされていく、とGoogleは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Wiz KhalifaのSee You AgainがPsyのGangnam Styleを抜いてYouTube上の最多視聴ビデオの王座に

Wiz KhalifaのFurious 7へのオマージュ、See You Againが、YouTubeのもっとも多く見られたビデオのタイトルをPsyのGangnam Styleから奪った。

この音楽ビデオは、故Paul Walkerへの弔意も込めて、これまでのFast and the Furiousシリーズの彼の登場シーンが散りばめられている。今日まで(米国時間7/11まで)のビュー数は2,897,575,000(28億9757万5000)だ。ビデオがリリースされたのは2015年の4月。

Gangnam Styleはタイトルを5年近く保持し、2012年の6月15日にリリースされてからわずか数か月で10億ビューを突破したのも、YouTube史上初めてだった。Khalifa がこれから5年もタイトルを保持するとは考えられない。Luis FonsiのDespacito (Bieberのいないバージョン)はわずか5か月で25億近くだから、わりと早く、See You Againを抜くのではないか。

YouTubeの最近の発表によると、モバイルだけで月間ログインユーザーは15億、彼らは平均して、1日あたり1時間あまりのビデオを見ている。繰り返すと、モバイルだけで。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オーディオストリーミングの週間再生回数が過去最高の70億回を突破――総再生数は前年比で62.4%の伸び

先週公開されたNielsenの最新のレポートを見ると、オーディオストリーミングサービスの盛り上がり具合がよくわかる。ストリーミングサービスの普及率が大幅に上がっただけでなく、合計再生回数も過去最高を記録しているのだ。アメリカ市場を対象にした同レポートによれば、今年の3月にはオーディオストリーミングの週間再生回数が初めて70億回を突破した。

念のためだが、これはあくまで”オーディオ”ストリーミングであって、ここには音楽以外のものも含まれる。

”オーディオ”というカテゴリーには、スポークンワードやポッドキャストも含まれており、特にポッドキャストの再生回数は急激な伸びを見せた。Nieslsenは音楽とそれ以外のコンテンツの再生回数に関する詳細はレポートに明記していないものの、同社が以前発表した情報では、成人ユーザーのポッドキャストの月間消費量は過去5年間で倍増したとされている。

その一方で、SpotifyやApple Musicをはじめとする音楽ストリーミングサービスが70億再生というマイルストーンへの到達に大きく貢献していることは間違いない。

2017年3月3〜9日には、オーディオストリーミングの再生回数が過去最高値となる75億回を記録したとNieslsenは記している。再生回数が70億回を超えたのは今回が初めてだ。

さらに、2017年上半期の総再生回数も1840億回を突破しており、前年比で62.4%も増加している(2017年の1月1日から6月29日までの6か月間のデータをまとめたNielsenの中間レポート)。

ここに動画ストリーミングの数値を加えると、再生回数は前年比で36.4%増の2840億回以上になる。

どうやらこの再生回数の伸びの裏で、アルバム(デジタル、物理的なメディア両方)売上は落ち込んでいるようだ。

物理的なアルバムの売上は17%、デジタルは20%減少しており、TEA(Track Equivalent Albums、10トラックを1アルバムとしてカウントした数値)も同様に20%減った。つまり、ストリーミングでひとつひとつの楽曲を聞けるようになった今、音楽を購入して”保有”することへの需要が減ってきているのだ。

また、Nielsenのレポートではアーティストごとの数値も集計されており、調査期間中にストリーミング再生(オーディオ、動画を合わせた数値)された回数が1番多かったのはEd Sheeranの『Shape of You』だということがわかった。同楽曲のダウンロード売上数は200万枚で、ユニット数(ストリーミング回数)は453万単位だった。

Ed Sheeranの後には、Migos feat. Lil Uzi Vertの『Bad and Boujee』とFonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieberの『Despacito』が続いた。

さらにアルバム単位では、Kendrick Lamarの『DAMN』が1位を獲得し、ユニット数(アルバム・ETA売上、ストリーミングETAの合計)は177万枚だった。ちなみに、2位と3位はそれぞれEd Sheeranの『÷(Divide)』(ユニット数:174万枚)と、Drakeの『More Life』(ユニット数:169万枚)だった。

アーティストごとの詳細が知りたい方は、こちらのページからレポート全文をダウンロードできる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

この「スターウォーズ:最後のジェダイ」予告編は、1984年製Apple IIcだけで作られた

時として、グラフィック技術が1980年代から進歩しなければよかったのに、と思わせるものを見ることがある。この「スターウォーズ:最後のジェダイ」予告編を場面ごとに再現した作品はその一つだ。

作ったのはTwitterユーザー、Wahyu Ichwandardiで、1984年製のヴィンテージApple IIと、同じ年に発売されたビットマップペイントソフト、Dazzle Drawを使って制作した。このプロジェクトはフロッピーディスク48枚に保存され、6MBという当時なら破壊的なデータ量になった。

比較のために、スターウォーズ エピソード8の公式トレーラーを載せておく ―― ネタバレ注意:Ichwandardiは完璧だった。


彼はわずか3週間でこの短編ビデオを作った。制作過程では透明なプラスチックシートをモニターに重ねることもあったという。Kickstarterかなにかで同じことを映画全編について彼にやらせたら ―― 数十年しかかからないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Newsが化粧直し、ニュースサイトの未来を見据えてローカルニュースを重視

Google Newsが今日、違うサイトに見える。それは、Googleが今日からそのニュース集積サイトのデザインを大幅に変えて、同社のそのほかのサービスと統一し、 長年ためてきた大量のゴミを整理したからだ。

何年も同じデザインでやってきたから、そろそろデザインを変えるのも悪くない。同社のそのほかのサービスはこのところ大きくモデルチェンジしているのに、Google Newsは忘れられた存在のようになり、ゴミ屋敷に近くなっていた。それが、今日から変わる。

Google NewsのプロダクトマネージャーAnand Pakaによると、デザイン一新にあたってのコンセプトは、すっきりとしたユーザーインタフェイスを作り、メインストリームのニュース読者にとってアクセスしやすいプロダクトにすることだった。

そのためにチームが採用したのが、たとえば、メインページにおけるカード形式のインタフェイスで、そこではメインニュース(ヘッドライン)、地方版(ローカルニュース)、個人化ニュース集(おすすめ)、の各セクションがそれぞれタブになっている。前のデザインで目立った長めのテキスト片はなくなり、Facebookなどの共有ボタンは、マウスが各記事の上をホバリングしないと出ない。

しかしニュースサイトとしての中心的な機能は、大きく変わっていない。最近加えてきた、リアルタイム、ファクトチェック、ビデオ、などの新しい機能も残っている。ただし最近は元のニュースにビデオありが増えているので、結果的にGoogle Newsでもビデオが多くなっている。

Pakaによると、Googleのユーザーはすでにカード式のインタフェイスに慣れているので、多くのユーザーが大きな変化とは感じないだろう、という。前のデザインでも、カードをクリックすると、やや詳しい記事や、そのほかのソース、ビデオ、ファクトチェック記事などを見れた。

ローカルニュースに単独のタブを与えたのは、地域ニュースをもっと拡大したいという意向が前からあったからだ。“それは次の段階の準備なんだ”、とPakaは説明する。取材中彼は、この言葉を何度も言った。つまり、今度の新しいデザインも今後次々と、“次の段階”へ向けて改良されていく、という意味だろう。その過程でユーザーには何度もA/Bテストをお願いする、とも言った。

なお、パブリッシャーがGoogle Newsに記事を送るときは、何も変える必要はない。変わったのはインタフェイスだけで、元ネタのレベルでの変更はない。でも一般的な傾向としては、今後ビデオつきの記事がますますユーザーから期待されるだろう。各パブリッシャーにおいて、そのぶんの投資は必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeの月間正規ログインユーザー数は15億、テレビでYouTubeを見る人も増加

今年のVidConでYouTubeは、同社がモバイルビデオでもトップであることと、YouTubeをテレビで見る人が急速に増えていることを示すデータを公開した。

中でも最大の聞かせどころは、各月のログインビジター数が15億、という数字だ。もちろんGoogleのアカウントを持たず、正規にログインしていないビューワーも、日常的に相当多いはずだ。

同社の発表によると、月間アクティブユーザーが10億に達したのが2013年だ。ただしそのときの数字は、ログインしていないユーザーも含んでいる。

ログインユーザーのうち、モバイルでYouTubeを見ている人たちの平均視聴時間は1日に1時間あまりだ。モバイルWebでは、なんといってもビデオが大人気であることを示す、すごい数字だ。

しかしCEOのSusan Wojcickiは今日(米国時間6/22)のステージで、“アメリカなどでは毎日4時間テレビを見ているから、YouTubeはまだまだこれからだ”、と貪欲に言った。

しかしまた同時に、今テレビは、その上でYouTubeを見るメディアにもなりつつある。絶対数は明らかでないが、率でいうと前年比で90%の増だ。明らかに、新たなサービスYouTube TVもその増加に寄与しているだろう。なお、デスクトップのビデオ視聴者については、とくに数字の発表はなかった。

最近ではFacebookなどもビデオに力を入れ始めているから、今後は単純なビジター数、ビューワー数よりも滞留時間が重要な比較の要素になる。そしてこちらはまだ、YouTubeの独壇場かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

若者向けメディアのViceが4億5000万ドル調達――上場も近い

Vice Mediaが未公開株式投資会社、TPGから4億5000万ドルの資金を調達した。投資後の会社評価額は57億ドル前後だったもよう。

Viceの共同ファウンダー、CEOのShane Smithは今日(米国時間6/19)、CNBCに出演してこの資金調達と上場を含む将来計画について質問に答えた。

いつもどおり謎めいた発言が多かったものの、Smithは資金調達について「仮にわれわれが上場を目指すとしているなら…ホッケースティック型の急成長を維持してそれに見合う売上を得る〔必要があるだろう〕」と述べた。

Smithはまた「最近の上場(特にSnapの場合)を見ると、高い売り出し価格を得るためにはそれを裏づける売上をベースにしたストーリーが必要だとわかる」と強調した。その上で、今回の資金調達はViceが対前年比ベースでさらに急成長を続けるために必要だったと認めた。

同社は特にVice Studiosを立ち上げるための資金を必要としている。このサービスはスクリプトが用意されたマルチスクリーンの番組を提供し、既存のニュースやドキュメンタリー番組を補完するものだ。Viceの既存の13のチャンネルにはVICELANDや人気のドキュメンタリー、VICE on HBOなどが含まれる。

Viceは調達した資金をOTT(高速な動画配信)ネットワークや熱心なファン向けのサブスクリプション契約の構築にも充てるという。 2018年の第1四半期までに80カ国でコンテンツを配信できるようにすることを目指している。

Smithは「われわれの現在の目標はミレニアル世代向けの世界最大のビデオライブラリーを構築することだ」と説明した。これに成功すれば他のメディアはそうしたコンテンツを配信しようとすればViceにライセンス料を支払わねければならない。〔Viceのプレスリリースは原文参照〕

WSJによれば、 既存の株主であるDisneyは今回のラウンドには参加していない。Disneyの4億ドル、18%の株式持ち分は新しい資金調達で希釈されたことになる。

〔日本版〕日本版Vicedではドキュメンタリーを中心とした記事が提供されている。動画ではAbema TVで6/23(金)に台灣黑社會を放映予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Sling TV、録画機能を強化。削除保護、Fox系列局の録画が可能に

今日(米国時間6/14)ライブTVストリーミングサービスのSling TVはDVR機能を改良するとともに、様々な端末やチャンネルの番組を録画可能にした。DVR(デジタルビデオ録画)は、YouTube TV、Hulu(最近ライブTVを追加した)、およびAT&TのDirect TV Nowといったライバルたちとの競争が激化する中、Sling TVの大きなセールスポイントの一つだ。

Slingによると、特に要望の強かったDVR機能の数々を提供することで、顧客のフィードバックに答えた。録画の削除を防ぐプロテクト機能も追加された。従来からのハードウェアベースのDVRにははるか以前からある機能だが、ストリーミングサービスが提供するクラウドDVRでは提供されていこなかった。

例えば、SonyのPlayStation Vueサービスは放映後最大28日間しか番組を保存しておけないので、気に入った映画や番組を永久に手元に置く方法はない。

YouTube TVは無限のDVRストレージを提供し、番組保存期間も9カ月間と長いが、ユーザは録画した番組のCMを見なくてはならなくなる場合がある(録画した番組がオンデマンドで公開されると、YouTube TVはそちらを再生する ―― つまりCMを見なくてはならない)。DirectTV Nowは未だにDVR機能を提供していない。ちなみにHuluのDVRは録画を永久に保存できるが、新たに録画するスペースが足りなくなると上書きされる。

Sling TVの月間5ドルで50時間というDVRストレージは、他社の提供する容量とは違うことは指摘しておかなければならない。例えば、Huluには200時間の拡大オプションがある(標準パッケージでは50時間)。YouTube TVとVueはDVRの無限ストレージを提供している。それでもSlingでは録画した番組を保護できることで、ユーザーはDVRストレージを効率よく利用できる。しかもSlingの録画は永久に保存される。

さらにSlingは、番組の録画やDVRの検索をやさしくしたと言っている。番組やシリーズをホーム画面から録画できるようになり、同じシリーズの各回をフォルダーにまとめて連続鑑賞を便利にした(後者の機能は当初Rokuのみで利用可能で、その後他のプラットフォームにも提供される。
こうした機能強化に加えて、SlingのDVRは、Xbox Oneを始め様々なデバイスで利用できるようになった。Amazon Fire TVとFireタブレット、Androidモバイル端末、Android TV、Apple TV、Rokuストリーミングサービス、およびRoku TVでもDVRが使える。Windows 10、Air TV Player、およびiOS端末も数週間のうちに対応される見込みだ。

Foxとの契約によって、DVRの使えるチャンネルも増えた。つまり、Foxのローカル局(対象地域のみ)、Fox Sports 1(FS1)、Nat Geo、及びFXの番組も録画できる。しかし、YouTube TVと同じく、番組がFox オンデマンドで提供されると、そちらのコンテンツを見るよう切り替えられる。

DVRの新機能はクラウドDVRに対応している全デバイスで利用可能、ただし、「DVRフォルダー」は上記の通り当初Rokuだけに提供される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AirPlay 2はHomeKitでマルチルームオーディオストリーミングをサポート、Google Cast+Google Homeと競争

AppleのAirPlay 2は’2’のない最初のワイヤレスオーディオストリーミングプロトコルの進化形で、複数の部屋への同時(同期)ストリーミングがサポートされ、AppleのスマートホームコントロールプラットホームHomeKit対応になり、サードパーティのアプリも作れるようになった。また、だれかがそのWi-Fiに飛び込んできて、パーティーなどのプレイリストにライブで貢献/闖入することができる。

AirPlay 2はAPIが公開され、誰もがアプリを作ってストリーミングを楽しく利用できる。もちろんそのアプリも、複数の部屋(‘マルチルーム’)へのスピーカーへブロードキャストができる。スピーカーに関してはパートナーのメーカーの長いリストをAppleは公開しているから、ほとんど必ず気に入ったものを選べるだろう。Apple TVの第四世代ハードウェアにも対応するから、ホームシアターへの統合も可能だ。

マルチルームのオーディオといえば、Sonosの独壇場だったが、独自のソフトウェアやアプリを必要とする。しかしこっちはiOSのシステムレベルのサポートだから、YouTubeやポッドキャストなどもソースにできる。GoogleのGoogle CastもAndroidのシステムレベルのサポートありだが、それはGoogle Homeの主要機能の一つだから、Siriのスピーカーの発表の前に対抗的な発表があるかもしれない。要注視だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SF大作『ヴァレリアン』、最終予告編公開――サウザンド・プラネッツ・シティーに住みたくなった!

リュック・ベッソン監督のSF映画、『ヴァレリアン・アンド・ザ・シティー・オブ・サウンザンド・プラネッツ』(Valerian and the City of a Thousand Planets)の予告編ファイナル版が公開された。アメリカでの劇場公開は7月21日の予定だ。このSF大作はベッソンのトレードマークともいえる明るく華麗で大胆なシーン満載で、同監督の『フィフス・エレメント』を思い起こさせるタッチだ。

『ヴァレリアン』がベッソンの過去の作品に似ていることにはいろいろな意見がある。評価は見てからのことだが、今のところ歓迎だ。私が大ファンのクライブ・オーエンも出ている。

〔日本版〕Valerian and the City of a Thousand Planetsはフランスで大人気のコミックの映画化。原作はスター・ウォーズにも影響を与えたとされる。日本公開について詳細は明らかでないが、2018年になるもよう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Mediumの会員は記事の朗読を聴けるようになる、プロの声優たちを起用

広告収入に依存しない高品質な読み物ブログを目指すMediumが、その‘有料’の魅力と価値を高めるべく、各記事の音声バージョンの提供を開始する。有料会員オンリーの記事はすべて音声化され、そのほかの記事は、同社のスタッフが選んだ記事など、良質な記事が音声でも提供される(それらも、聴けるのは会員のみ)。

それはテキストコンテンツの機械的な音声化ではなくて、プロの声優、ときにはライター本人の朗読だ。音声バージョンは、外出時や、ほかに何かの活動をしているときに便利だ、と同社は考えている。

音声の提供は今日(米国時間5/18)からで、WebサイトとiOS/Androidのアプリの両方だ。最初は50の記事が音声化されているが、今後徐々に増えていく予定だ。

また同社によると、音声の利用に関しては、記事の朗読以外にもいろんなプランがあるのでお楽しみに、ということだ。この、ポッドキャストに近づいたようなサービスは、Mediumの将来に新しい可能性を開くだろうが、現状は有料会員制そのものが限定的なサービスだから、厳しいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カンヌ映画祭、Netflix作品の参加を困難にする新ルールを発表

今年はNetflixがあの名高いカンヌ映画祭に登場する最初の年だ ―― そしておそらく最後になるだろう。

緊張の要因はNetflixと劇場との関係だ。理論的に同社は、自社が資金を投じた映画を劇場で上映することには反対しないと言っている ―― ただし、同時にストリーミングサービスで配信することが条件だ

しかし、伝統的公開時期に対するその抵抗は、ほとんどのNetflix作品が劇場での公開は最小限または皆無になることを意味している。このため、一部の映画製作会社は自社作品のストリーミングサービスへの販売を中止している(Amazonは公開時期調整の要請を忠実に守っている)。

このためカンヌがOkja (ポン・ジュノ監督)およびThe Meyerowitz Stories(ノア・バームバック監督)という2本のNetflix作品を上映すると発表したとき、フランス映画協会は この決定を批判した

そして同映画祭は新たなルールを発表し、カンヌに参加する映画は、「フランスの映画館での上映を約束する」ことを条件に加えた。フランスの法律では、劇場公開から36か月間は映画をストリーミングサービスで配信できないと定められており、Netflixがそんなに長く(あるいは少しも)待つことに同意するとは考えられないため、今後同社の作品は映画祭から実質的に排除されることになる。

「カンヌ映画祭はNetflixに今回の2作品を同社の購読者だけでなくフランスの映画館でも上映できるよう交渉したが無駄に終わった」と映画祭担当者は声明で語った。「合意に達しなかったことを遺憾に思う」。

カンヌはこの規則は来年から適用されるので、OkjaThe Meyerowitz Storiesは予定通り上映されることも発表した。

これに対してNetflixのCEO Reed Hastingsは次の記事をFacebookに投稿した:「既存勢力は結束してわれわれに対抗している。6月28日にNetflixでOkjaをみて欲しい。この素晴らしい映画がカンヌ映画祭で競うことを映画館チェーンは阻止しようとした」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アジア版BuzzFeedを目指すウェブメディアMedialoadーー500 Startupsのファンドから20万ドル調達

カンボジアには現地版BuzzFeedのようなウェブサイトがあることをご存知だろうか?

これまで知らなかったとしても、もうそんなものが存在するということが分かりましたね!(ご承知の通り、私は読者の皆さんがカンボジアがどこにあるかなど、基本的な情報を知っている前提で話を進めていきます)

共産党や世界最大規模の大量虐殺も去ることながら、世界的に有名な寺院新鮮でスパイシーな食べ物知られているカンボジアで、過去6年間にわたってメディア業を営んでいるMedialodは、アジア版のBuzzFeedのような存在になろうとしている。現在母国のカンボジアと隣国のミャンマーでニュースサイトを運営している同社は、今後他のアジア諸国へも進出を考えている。

東南アジアに位置するカンボジアは、スタートアップハブとしてはそこまで名が通っていないが、Medialoadは驚くことに700万人以上のユニークユーザーと5600万回もの月間PVを記録している。ちなみにこれは現地語でさまざまなトピックのニュースを提供している2つのサイト、Khmerload(カンボジア語)とMyanmarload(ビルマ語)の数字を足したものだ。

新興市場での成長

数字的にも素晴らしい成績を残している両サイトの人気は、過去数年間の東南アジアを中心とした新興市場におけるインターネット人口の増加を物語っている。Googleが共著したレポートによれば、東南アジアのネット人口は現在の2億6000万人から2020年までに4億8000万人に増加するとされており、毎月380万人もの人々が新たにインターネットを利用し始める計算になる。さらに同レポートでは、東南アジアのオンラインメディア市場も年18%のスピードで成長し、2020年までに200億ドル規模になるとされている。

東南アジア全体の広告費に占めるデジタル広告の割合は現在5%にも満たず(地域によっては1%以下)、ビジネスの観点から同地域にはかなりの可能性があると言える。

一方で、先述のレポートは東南アジアの主要6カ国に関するもので、ここにカンボジアとミャンマーは含まれていない。つまり、かなりインターネットが普及しているにも関わらず、テック企業や投資家の視界にはまだこの2国がほとんど入っていないのだ。Facebook独自の調査によれば、カンボジアの人口5000万人に対してFacebookユーザーの数は500万人、そしてミャンンマーについては人口5000万人強に対して、1500万人もの人がFacebookを利用しているという。

Khmerload利用者の大半はモバイルデバイスから同サイトにアクセスしている

Medialoadが運営するウェブサイトは、広告収入を売上の柱としている。内容としてはエンターテイメントやセレブリティ、ライフスタイルと同社が目標にしているBuzzFeedが扱う内容に近いものの、東南アジアではどのメディアも繊細になっている政治的なトピックについては、彼らも創業当時から触れていない。

コンテンツの中心はテキストだが、現在同社は動画などのマルチメディアコンテンツの制作に力を入れている。同社の狙いは売上の増加だけでなく、コンテンツをバイラルヒットさせ利用者数を増やすことなのだとMedialoadの共同ファウンダーでCEOのVichet InはTechCrunchに語った。さらに彼らは今後インタビュー記事のほか、女性の人権問題やトーク番組で扱われるような題材を中心とした記事も増やしていく予定だという。

カンボジアのスタートアップ界を活性化

Medialoadは将来有望なメディアビジネスを立ち上げただけでなく、アメリカ資本のVCから初めて投資を受けたカンボジア企業でもある。500 Startupsは今年の3月に、東南アジア企業向けの5000万ドル規模のファンド「500 Durians」を通して、Medialoadに対して20万ドルを投資したと発表した。これは500 Startupsにとっても初めてのカンボジア企業に対する投資だった。この資金調達によりMedialoadの評価額は数百万ドルに達したといわれているが、同社も500 Startupsも具体的な金額は明言しなかった。

この動きでさえもComcast NBCUやSoftbank、Andreessen Horowitzらから4億4000万ドルを調達しているBuzzFeedを彷彿とさせるが、その一方で彼らの資金調達によって東南アジアの投資家もカンボジアに目を向けるようになったかもしれない。

「ミャンマーやカンボジアには、それほど投資対象としての興味を抱いていませんでしたが、両国のエコシステムは急激に成長しています」と500 Duriansでパートナーを務めるKhailee Ngは語った。

「Vichetは起業を目指す人たちのモデルになるでしょう」とNgは付け加える。「ミャンマーやカンボジアをはじめとする国々に拠点を置くスタートアップは、VCが体勢を整えるよりもずっと早く、投資を受け入れる準備を行っています」

アメリカの博士課程学生からカンボジアのメディア企業のファウンダーになるまで

500 Duriansによる投資は、誕生間もないカンボジアのスタートアップシーンにとって重要な出来事であると共に、経済学の博士号取得を諦め、アメリカを離れてMedialoadを立ち上げたInの選択が正しかったことを証明するような出来事でもあった。学生としてアメリカに計5年間住んでいた彼は、Mediaload設立以前も空いた時間にECや教科書の売買サービスといったオンラインビジネスに手を出していた。

そして兄弟のVichea、Visal(現在は2人はそれぞれMedialoadのCTOとCOOを務めている)と共に、VichetはMedialoadをミシガン大学に在学中の2011年にスタートさせた。その後Medialoadに可能性を感じた彼は、自分の情熱は勉学ではなくスタートアップに向いているということに気づき、母国に帰ってフルタイムでMedialoadを運営することを決意した。

左からVichea In(COO)、Vichet In(CEO)、Visal In(CTO)

Vichetは「当時周りの知り合いは私の決断にショックを受けていました」と言いながら、彼が博士課程に在籍していたことを両親が誇りにしていた様子について語った。Medialoadがカンボジア国内で有名になってからは「両親も理解し始めた」ようだ。

「カンボジアではどこでも私たちのコンテンツを見かけますからね」と彼は付け加える。

Inの話を聞いていると、Medialoadの裏側はサンフランシスコやロンドン、ニューヨークなど西欧の主要都市に拠点を置くメディアスタートアップと何ら変わりないことに驚く人もいるかもしれない。

現在は30人の社員が同社に在籍しており、うち11名がミャンマーでのビジネスに特化している。現在Medialoadは登記上シンガポールに拠点を移しており、ストックオプション制度の整備に取り掛かっていると彼は話していたが、既に従業員には基本給に加えて成果に応じたボーナスが与えられている。

この話を聞くと、社員はトラフィック重視のプレッシャーに晒されているのではないかと勘ぐってしまうが、 InによればMedialoadのライターはCEOである彼の長期的なビジョンに共感しているため、離職率は極めて低いという。その証拠に企業としての規模は大きくなりつつも、ライターの3分の1がMedialoadに4年以上勤めている。

Facebookへの依存

他のウェブメディア同様、MedialoadにとってFacebookは大切な流通チャンネルのひとつだが、彼らのFacebookへの依存度は他のメディアと比べても桁違いだ。特にミャンマー向けのサイトに関しては、トラフィックの約90%がFacebookのInstant Articles上で発生しているという。つまり読者のほとんどが、Facebookから離れて彼らのウェブサイトを訪れることなくMedialoadのコンテンツを消費しているのだ。

「(ミャンマーの人にとっては)Facebookがインターネットそのもので、コンテンツの消費場所としてもFacebookが主要なポジションを占めています。モバイル通信の費用がかかることから、彼らはリンクをクリックすることもないので、私たちはFacebook Instant Articlesを使っているんです」とInは話す。

さらに彼はInstant Artciles経由でもMedialoadは「それなりに売上をあげられる」と話しているが、やはり同社のウェブサイトへの訪問者の方がお金になると認めている。同社は今後動画コンテンツを増やし、バイラル化を狙ったソーシャルメディア専用のコンテンツも制作し始める予定だが、InもFacebookのようなひとつのプラットフォームに依存している状態は好ましくないと語った(これも西欧のウェブメディアと比較したときにMedialoadが感じるフラストレーションのひとつである)。

「この状況に不安を感じ、ユーザーがMedialoadを直接訪れるよう、自分たちのウェブサイトに先にコンテンツをアップするようにしていますが、これもバランスの問題です。重要なトラフィック源であるFacebookを完全に断ち切ることはできませんからね」とInは説明する。

Facebookは特にミャンマーのメディア事業にとって重要なチャンネルだ

とは言いつつも、Facebook上でのMedialoadのプレゼンスは継続的に向上している。カンボジア向けのKhmerloadは310万人のファン(カンボジアのFacebookユーザーの半分以上)を抱え、Myanmarloadに関してはその数が510万人(ミャンマーのFacebookユーザー数の約3分の1)に登る。

「私たちの目標は、Facebookのフォロワー数でBuzzFeedを上回ることです」とInは冗談めかして語った。

BuzzFeedのフォロワー数が1000万人であることを考えると、Medialoadが新たにもう数カ国へ進出すれば、この目標も非現実的ではない。しかしFacebook上のファン数とトラフィックはまた別の話だ。

拡大計画

他のメディアと同じように、Medialoadもコンテンツをさまざまな経路で読者に届けるため、新しいチャンネルや媒体の開拓に注力している。既に彼らはLineのオフィシャルアカウントやFacebookのチャットボットを活用しているが、Inはトラフィック増加に向けてユーザーが特定の有名人に関する情報を追えるようなアプリの開発も検討していると言う。

さらに彼は、現在サイトを運営している2国以外の東南アジアの国々への進出も視野に入れているが、進出先の検討はかなり慎重に行っているようだ。

「英語コンテンツを提供するメディアの数はかなりありますが、現地語コンテンツは過小評価されていると考えています」とInは説明する。「私たちは東南・南アジアでも特にFacebookが盛んに利用されている国をターゲットとして想定しています。というのも、現在のビジネスモデルは他国でも応用できると考えているからです」

既にインドネシアではパイロット版のサイトを立ち上げ、Facebookのフォロワー数は40万人を超えているが、Inは現地メディアのトップ5に入るためには、かなりの投資が必要になるだろうと考えている。ベトナムも次なる進出先候補に挙がっており、彼はソーシャルメディアに注力するというMedialoadのプランがベトナムでうまく行くと信じている。

Inによれば、Medialoadの今年の広告収益目標は100万ドルとのことだが、細かな内訳については明らかにされなかった。一方でMedialoadは設立当初からほぼ一貫して黒字だと言う。

しかし自己資金での運営からベンチャー投資を受ける段階に移行する他のスタートアップのように、Medialoadは短期的な利益率よりも企業としての成長に重きを置いている。現時点のプランとしては、特に動画周りの新たなコンテンツの制作や、新市場への進出のために次のラウンドで200万ドル前後の資金を調達しようとしているとInは語る。

さらに彼は意図的に500 DruiansのKhailee Ngからの投資を狙っていたと話す。というのも、Ngはベンチャーキャピタリストになる前に、マレーシア語のコミュニティメディアSays.comを設立・エグジットさせており、Inは現在計画している次のラウンドにはNgのような投資家に参加してもらいたいと考えているのだ。しかし言うは易く行うは難しだ。また、ドイツのBurda(シリーズBなどのレータースタージ投資にフォーカスしている)以外にもメディアに特化したファンドは東南アジアにいくつか存在するが、500 Startupsを株主に迎えたことは、コネクション作りや将来の可能性を広げる上で間違いなくMedialoadにとってプラスになるだろう。

Ng自身も今回の投資によって、あまり名前のあがることのない東南アジアの国々に眠っている可能性に気づいたと話す。

「Medialoadは、さまざまな意味で東南アジアがまだ”夜明け”の段階にあることを象徴していて、この地域では常にさまざまな分野で何かが起きようとしています」とNgは語る。「東南アジアは今後も成長を続け、色んなチャンスが生まれてくると思っていますし、私たちも一端を担えればと考えています」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

十代の70%以上がストリーミングで映像・音楽を楽しむ時代――米Awesomenessが新ブランドをローンチ

YouTube好きの若者をターゲットにしたコンテンツを制作している、デジタルメディア企業のAwesomenessがニュース事業をスタートさせる。現地時間5月1日にニューヨークで行われたNewFrontsというイベントで、同社は新しいプロジェクトAwesomeness Newsを発表した。このブランドは、いわゆるジェネレーションZ(日本版注:1990年代半ばから2000年代前半に生まれ、ソーシャルメディアをはじめとするネットサービスに慣れ親しんだ世代。生年に関しては諸説あり)のオーディエンスをターゲットに、政治や社会正義、環境などをテーマにしたニュースを配信する予定だ。

テレビよりもオンライン動画を見て過ごす時間の方が長い若年層向けのコンテンツ制作にいち早く乗り出したAwesomenessTVは、2013年にDreamWorksに3300億ドルで買収され、DWは未だに同社の株式の51%を握っている。Verizon(TechCrunchの親会社であるAOLの親会社)も1年前にAwesomenessTVの株式の24.5%を取得し、Hearstが残りの24.5%にあたる株式を保有している。

DreamWorksによるAwesomenessTVの買収は、従来のメディア企業がモバイルやストリーミング、ネット配信を中心としたデジタル新時代に舵を切りはじめたことを示す、最初の例のひとつとして知られている。

ジェネレーションZの視聴傾向に関するAwesomenessの調査(こちらも5/1に発表された)では、1996年から2011年に生まれた世代と定義づけられたジェネレーションZがアメリカの人口の25%を占めており、サイズではベイビーブーマー、ジェネレーションX、ミレニアル世代の全てを上回るとされている。さらに彼らは、オンライン配信されているストリーミング動画をモバイル端末で見ながら育ち、ほぼ常にインターネットが使える環境にいる。

またティーンエイジャーの71%が、主にストリーミングサービス経由でエンターテイメントコンテンツを消費しており、使われているデバイスはスマートフォン(34%)、パソコン(26%)、テレビ(24%)、タブレット(10%)、その他のデバイス(6%)の順に多い。

ジェネレーションZはソーシャルサイトへの参加率も高く、Snapchat(79%)、Instagram(73%)、YouTube(68%)が主なサービスとして利用されている。

Awesomenessによれば、新ブランドはジェネレーションZの社会的な関心に沿ったコンテンツを配信していくという。各世代が社会的な変化を体験している中、ジェネレーションZの特徴は、プラットフォームを上手く使って自分たちの声を伝え、変化を起こす力を持っていることだとAwesomenessは話す。この発言から、Awesomeness Newsは従来の報道メディアというよりも、社会的な活動にフォーカスしたネットワークになろうとしている様子がうかがえる。

新ブランドの番組は全てのAwesomenessTVプラットフォームで視聴できるが、ローンチ日や番組の内容に関する詳細は明かされなかった。

NewFrontsでは新ブランドの他にもいくつか新たな情報が発表された。中でも注目すべきなのが、Awesomeness FilmsのNetflixオリジナル映画『You Get me』。6月16日から公開が予定されているこの映画は、高校生の三角関係が描かれた作品だ。

さらにAwesomenessは、ファッションブランドHollisterとのオリジナルYouTubeシリーズでのコラボレーションや、Huluで配信されている『Freakish』やYouTube Redの『Foursome』、Verizon go90の『Guidance』『t@gged』、AwesomenessTVの『The Commute』など複数の番組の新シリーズに関する発表を行った。

また同社は、子ども向けのブランドDreamWorks TVと、ミレニアル世代の母親をターゲットにしたAwestruckに関するアップデートについても話していた。DreamWroks TVはYouTube上で既に300万人近い登録者数を獲得し、総視聴数は17億回を記録している。前年と比較すると、登録者数は50万人以上、視聴時間(分)は倍に伸びたほか、ネイティブコンテンツの数は合計2500エピソード以上に増加した。

一方、Awestruckの視聴者数は前年比で5倍、月間視聴数は300%増えたとAwesomenessは語った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Netflixが外債で10億ドルを調達、同社の今年度のコンテンツ予算の総額は60億ドルだ

Netflixは“非米国人”からの優先債として10億ドル(10億ユーロ)あまりを調達する、と月曜日(米国時間4/24)に同社が発表した。 この債券の売上は同社の一般資本支出として使われるが、同時にNetflixの戦略の執行と関連したコンテンツの取得や投資、諸契約等の資金にもなる。

この調達は予想されていた。Netflixは今月初めの同社第一四半期の投資家宛書簡で、借入金による資金調達を増やす、と述べていた。このストリーミング企業は過去にも定常的に優先債の販売による資金調達を行っている。前の10月には8億ドル、2015年2月には15億ドル、というように。

オリジナルコンテンツの製作や取得は高価につく。Netflixは、それらの番組のマーケティングだけで2017年には約10億ドルを費消する、と言っている。同社の2017年のコンテンツ予算の総額は60億ドルだ。アメリカのエンタテイメント業界全体の中でも、これは相当上位の額だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Play Musicが今後のSamsung全製品のデフォルトのミュージックサービスになる

SamsungとGoogleが今日(米国時間4/1)発表した新たなパートナーシップにより、Galaxy S8とS8+以降のSamusung製スマートフォンとタブレットでは、全機種/全世界的に、Google Play Musicがデフォルトのミュージックプレーヤーおよびミュージックサービスになる。これにはSamsungユーザーへのボーナスもあり、自分の曲を最大10万曲までGoogle Play Musicに無料でアップロードできる。

今ふつうのユーザーの無料アップロードは最大5万曲までだから、10万になれば当然そのための無料ストレージも倍増する。

Samsungの新しいスマートフォンとタブレットにはGoogle Play Musicの3か月試用期間がつき、競合する音楽サービスSpotify, Apple Music, Pandora Premiumなどと変わらぬ機能が提供される。それらは、広告のない音楽、4000万あまりの曲へのオンデマンドアクセス、特選プレイリストなどだ。YouTubeで広告のないビデオを見られるYouTube Redにもアクセスできる。

以上の特典は、今春晩くにローンチするSamsungのパーソナルアシスタントBixbyにも付随する。つまり、音声で、曲や音楽ジャンルをリクエストできるようになる。

このパートナーシップを結ぶ前にはSamsungは昨秋、アメリカ向けのモバイルミュージックサービスMilk Musicを、成績不良で閉鎖している。その後Jay ZのTidalミュージックサービスを買収する噂もあったが、同社はそれを否定した。

Milk Musicの閉鎖を発表したときSamsungは、“今後はパートナーシップへの戦略的投資により、現時点で最良のミュージックサービスをGalaxy系列のデバイスにシームレスに統合していく”、と言っているから、そのパートナーとは実は、Googleだったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

容疑者が殺人現場のビデオを投稿―Facebookは「対策に全力」と声明

殺人の容疑者が犯行現場を撮影したとするビデオを投稿したことを受けてFacebook は声明を発表した。クリーブランド市警察によれば、Steve Stephensは日曜の夜、ライブビデオで高齢の男性を射殺する現場を放映した。Stephensはこの記事の執筆時点でまだ逮捕されていない

(アップデート;ライブビデオではなくタイムラインへの投稿、被害者は74歳のRobert Godwin Srと判明。Facebookの声明によれば、射殺の現場をアップロードしたのはStephens本人だがFacebook Liveでのストリーミングではなかったという)。

Stephensはさらに2本のビデオを投稿しており、 その中で「他にも人を殺している」、「このアカウントがFacebookに閉鎖される前にできるだけたくさんの人間を殺す」と主張している。

メディア向け声明で、Facebookの広報担当者は「これは恐るべき犯罪だ。われわれはFacebookにこのようなビデオが投稿されるのを許さない。われわれはFacebookを安全な環境とするために全力を挙げている。生命への脅威がありえる緊急事態にあっては捜査当局と協力していく」と述べた。

Facebookの利用約款は 暴力を美化し、誘発するようなコンテンツの投稿を禁止している。しかしリアルタイムないしリアルタイムに近い即時性でビデオや写真を公開できる巨大なプラットフォームでユーザーにこの条項を守らせていくのは本質的に困難な事業だ。

Facebook Liveが一般ユーザー向けに公開されたのはほぼ1年前になる。もちろんほとんどのストリーミングは無害なものだが、中には故意に、あるいは偶然から現実の暴力が放映される場合がある。 この中には、ギャング抗争で幼児が犠牲になった場面や、障害を持つティーンエージャーを長時間拷問した場面、またシカゴスウェーデンにおける性的暴行の場面などが含まれる。

シカゴの集団レイプ事件では現場のライブビデオを見ながら警察に通報しなかったFacebook友達の法的責任が問題とされた。またコンテンツがひとたびFacebook、Twitter、YouTubeなどのソーシャルメディアに投稿されるとダウンロードして保存したり再共有したりするのは容易だ。これによるトラウマの再現で被害者やその家族が事件後も繰り返し苦しめられることを意味する。犯罪者が故意に犯行現場をライブ・ストリーミングする場合には、いわば現実の犯罪に加えてさらに心理的な犯罪を重ねることとなり、さらに大きな問題を引き起こす可能性がある。

画像:Sean Gallup/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

動画の次はオーディオ―、群雄割拠のメディア界で成長を続けるポッドキャスト

ライターが目を引くタイトルでPVを稼ごうとする中、教養があり新しいコンテンツを求めているモバイルリーダーが、モバイル”リスナー”へと変化しつつある。文字に起こされたニュースが、あらゆる角度から消費者に向かってなだれ込んでいる一方で、イヤホンを通して私たちに優しく語りかけてくるメディアが存在する。そう、ポッドキャストだ。その内容は、体制への反抗や映画評論、亡くなった人とその人の遺産に関する長編ストーリーなど多岐にわたる。

まず、ポッドキャストがだんだんと消費者の間に普及しはじめているというのは間違いないだろう。かつては、ノートパソコンのスペックやケムトレイル(飛行機雲に見せかけて化学物質を散布し、誰かが人口操作を行っているとする陰謀論)に関して、素人がボソボソと喋っているだけにすぎなかったポッドキャストが、今では一大ビジネスとなり、リスナーは真剣にポッドキャストを聞いているのだ。そこで私は、ポッドキャストが長編のジャーナリズム作品や評論作品を消費する上でのデフォルトのメディアへと成長し、ライターやジャーナリストもポッドキャストに注目しなければいけないのではないかと考えている。

ポッドキャストのジャンル:①誰かが何かについて熱く語ってるもの ②何を言ってるかよくわからないもの ③ミレニアル世代がお互いについて話しているもの ④20分未満に作り直すべきもの

まずはポッドキャストに関する数字を見てみよう。過去6年間の間に、12歳以上のアメリカ人でポッドキャストを聞いてことがある人の割合は、23%から36%へと13%増加した。さらにLibsynがホストしているポッドキャストの数も、2012年の1万2000番組から2016年には2万8000番組にまで増えている。米ラジオ局のWNYCは、1500万ドルの調達資金を使って”ポッドキャスト部門”まで立ち上げた。また、アメリカ南部に住む一風変わった時計技師の人生を追ったシリーズは大ヒットし、ローンチ以降180万人もの登録者を獲得している。

ケーブルテレビやウェブメディアに比べれば、ポッドキャストの規模はまだ小さい。TechCrunch(英語版)を見てみても、公式ツイッターのフォロワー数は800万人以上で、PVは数時間で180万に達する。しかし、情報自体に価値はあるが、情報を受け取る側に長文を読むだけの時間と体力がないという分野では、文字メディアの力がグッと下がる。実際に私の知人のシステム・アドミニストレーターは、毎日の通勤時間を利用して何百という数のポッドキャストを聞いている。その人以外にも、サークルビルからコロンブス、バックスカウンティーからマンハッタンへと毎日移動する無数の長距離通勤者にとって、ポッドキャストは欠かせない存在だ。つまり、ポッドキャストは新時代のラジオトーク番組となり、(少なくとも調べられる範囲では)公共ラジオのリスナーの支持を獲得しつつある。

また、スポークン・ワードの人気は長らく停滞していたが、それも変わろうとしている。スポーツファンやベビーブーマーに人気のラジオトーク番組だが、長い文章を読むのが好きな人には、これまで全く目も向けられていなかった。しかし現在、ポッドキャストがゆっくりと文章に取って代わろうとしている。素晴らしいノンフィクション作品の数々が、『This American Life』や『Serial』といったポッドキャストの形をとってリリースされ、少し前のオンデマンド動画のように、オンデマンドオーディオが”次なる大ブーム”になろうとしているのだ。

それでは、この記事の大げさなタイトル(原文タイトル:Can podcasting truly save the world?=ポッドキャストは本当に世界を救えるか?)に立ち返ってみよう。まず、世界中の人々はネットに長編の文章を求めていると仮定する。個人的にはこれは真実だと思っている。私たちは物語が好きだし、長い物語を音声で楽しむというのは素晴らしいことだ。というのも、音声という形式をとることで、時間や注意力といった長い文章を読むのにかかるコスト(そもそもそこまでかからないとは言え)を最小化できる。

次に、各ポッドキャストの質も向上している。これは数字から証明できることだ。Libsynがホストしているポッドキャストの多くは、『Radiolab』や『Serial』とほど掘り下げた内容ではないものの、少なくとも『Hardcore History』や『A History of the World in 100 Objects』のような作品は、知的好奇心旺盛なリスナーを対象とし、これまでに数千ダウンロードを記録している。

こうして、ポッドキャストという形をとった、素晴らしいコンテンツが無料で配信されているのだ。そして、通常新たなコンテンツは、既存のコンテンツを代替することになる。新聞報道を真似たブログが、ある程度許容できるコンテンツを世に配信し始めると、ブログが新聞に取って代わった。また、ウェブサイトや掲示板に掲載されている製品レビューがコンピューター雑誌の内容を凌駕し始めると、雑誌の発行部数が減少した。ポッドキャストも同様に、消費者をノンフィクション作品の世界に連れ戻し、消耗的ではなく観想的なメディアを推進することで、世界を変えていくだろう。

私はポッドキャスト人気が高まるにつれて、テレビやラジオの人気が下がってくると予想している。ニュースや評論、歴史番組はポッドキャストと相性がよく、ユーザーは、日々のニュースポッドキャストを空いた時間に聞くのと同じくらい簡単に、人気の長編ポッドキャストをゆっくりと時間をかけて楽しむことができる。さらに、テレビ番組やラジオ番組の趣向は制作側に委ねられているが、ポッドキャストであればどんな人の好みにも合う作品が揃っている。もしもHoward Sternのラジオ番組を聞く時間を使って、同じくらい下品でありながら、もっと得るものがあるポッドキャストを3エピソード分聞けるとしたら、わざわざ彼のラジオ番組に耳を傾けるだろうか?

私たちには文字を読む時間はないが、ポッドキャストを聞く時間ならある。ギャンブルの場に身をおいているとすれば、私はポッドキャスト人気が今後右肩上がりに高まっていくことに賭けるだろうし、もしもこれからメディアの世界に入ろうと考えているならば、ポッドキャストの制作や営業のノウハウについて学ぼうとするだろう。私たちの目の前で、ここまであるモノが大きな成長を遂げるのも珍しい。今後ポッドキャストからは目(もしくは耳)が離せない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

スターウォーズ『最後のジェダイ』予告編ついに公開―日本公開は12//25

ルーク・スカイウォーカーの声を再び聞くことができる!

前作『フォースの覚醒』のときより何ヶ月も余計に待たされたが、ディズニーはついに『最後のジェダイ』の特報予告編を公開した。

Star Wars Celebrationコンベンションで『最後のジェダイ』の監督と出演したスターが顔を揃えた。このパネルの最後で予告編が公開された。ゲストには監督のライアン・ジョンソンを始め、マーク・ハミル、ジョン・ボイエガ、デイジー・リドリー、それに新しく加わったケリー・マリー・トランも登場した(トランはレジスタンスのメンバーでローズという役名)。

ビデオの公開はパネルの最後にとっておかれた。ライアン・ジョンソン監督はまず新作のポスターを披露して聴衆の気をもたせた後、「もちろん予告編も用意してある!」と叫んだ。

映画はまだポストプロダクションの段階だというだけあって、フィン、レイ、ポー、カイロが帰ってくることがわかるだけで詳しい内容は不明だ。特筆ものはルークが話すことだ。

〔日本版〕上のツイートにあるように『最後のジェダイ』はアメリカでは12月5日から公開。日本ではディズニーのサイトによれば12月15日(金)から全国公開の予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

『トムとジェリー』など懐かしのアニメが復活―、アニメ専門SVODのBoomerangがローンチ

タイム・ワーナー傘下のターナーとワーナー・ブラザーズは、共同でBoomerangと呼ばれるサービスをローンチし、競争激化が続く定額制動画配信サービス(SVOD)業界に進出した。Boomerangでは、月額5ドルで懐かしの作品から最近のものまで、さまざまなアニメシリーズを楽しむことができ、将来的にはワーナー・ブラザーズ傘下のHanna-Barberaや、Looney Tunes、MGMの作品を含む、計5000タイトル以上が視聴できるようになる。『スクービー・ドゥー』『トムとジェリー』『バッグス・バニー』『宇宙家族ジェットソン』『原始家族フリントストーン』といったクラシック作品のほか、オリジナルシリーズの配信も決まっている。

しかし、3月のBoomerang発表時に謳われていたよりも、ローンチ時点でのタイトル数は少なくなっている。

同サービスのウェブサイトに掲載されているFAQを見てみると、現在のところ配信されているアニメの数は1000エピソードに留まり、毎週新たなコンテンツが追加されると書かれている。『宇宙家族ジェットソン』や『原始家族フリントストーン』など、以前から配信が決まっている作品もまだウェブサイト上には見当たらないが、恐らく今後追加されるのだろう。

Boomerangのようにニッチなコンテンツを配信するサービスへの需要があるかどうかについては、これから市場の反応を見て判断するしかない。

Netflix、Amazon、Huluなど、現在業界のトップを走っているサービスでは、既に子ども向けのプログラムが配信されており、子どもたちはヒット映画やライセンスされたテレビ番組、各サービスのオリジナル番組を楽しんでいる。HBOも『セサミストリート』の配信をスタートし、NickelodeonはNogginと呼ばれる独自のサービスをローンチした。

Boomerangが配信している番組のほとんどはクラシック作品だが、『Warner Bros. Animation’s Dorothy and the Wizard of Oz(ワーナー・ブラザーズ版オズの魔法使い)』やHanna-Barberaの『チキチキマシン猛レース』のリメイクなど、オリジナル作品の制作も進められている。なお、『オズの魔法使い』はローンチ時点ではまだ配信されていない。

さらに、ユーザー別のレコメンド機能や家族ひとりひとりのアカウント設定、オフライン時にも番組が見られるダウンロード機能、スペイン語音声など、他のサービスでは概ね準備されているさまざまな機能も、今後Boomerangに追加される予定だ。しかし現時点のウェブサイトは、十数本の映画を含む各番組のカタログが表示され、プレイリストがいくつか準備されている程度。

Boomerangの開発には、Warner Bros. Digital Networks傘下のDaramaFeverが携わっている。

アニメ好きの人は、Boomerangというサービス名に既に馴染みがあるかもしれない。というのも、この名前はBoomerang TVというケーブルテレビのチャンネルからとったもので、同チャンネルでは似たような(全く一緒というわけではない)番組が放映されている。他局で類似サービスを利用する場合、視聴者はプロバイダーでの認証プロセスを経なければいけないが、Boomerangは別サービスとしてローンチされ、コードカッター(ケーブルテレビの契約を解除=接続をカットしたユーザー)をメインの顧客層としている。

利用料については、4.99ドルの月額プランに加え、39.99ドルの年額プランも準備されている。年額プランであれば、月々の利用料は実質約3ドルまで下がるので、番組のバラエティーに限りがあるBoomerangであっても納得がいく。もちろん価格以前に、そもそも新たな動画配信サービスが必要かどうかということは検討しなければいけない。

今のところBoomerangはアメリカ国内でのみ利用可能で、ウェブ、iOS、Androidに対応しており、今後Amazon、Roku、Chromecast、Apple TVにも対応する予定だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter