Apple、Beatsを30億ドルで買収―音楽ストリーミング・サービスはiTunesと別個に運営へ

Appleは先ほどBeats Eletronicsを買収したことを発表した。 買収価格は30億ドルだった。共同ファウンダーはラップ・ミュージシャンのDr. Dreと音楽業界のベテラン、Jimmy Iovineで、主要な事業はヘッドフォンと音楽ストリーミングだ。

Appleが買収したBeatsをどのように運営するのかが注目されていたが、音楽ダウンロード・サービスであるiTunesにストリーミング・サービス化するというリスクは冒さず、Beatsの音楽ストリーミング・サービスはiTunes別個に、並行して運営していくという。ストリーミング・サービスのビジネスモデルは定額制の聴き放題だ。

私は先週、Apple は両サービスを並行して運営するというスクープ記事を書いたが、幸い、これが確認されたことになる。

Appleの上級副社長でiTunesの責任者、Eddy Cueは今回の30億ドルの買収を発表したプレスリリースで「Beatsの参加によってAppleの音楽サービスのラインナップは大きく強化される。無料ストリーミングのiTunes Radioに加えて世界でもトップクラスの有料音楽ストリーミングのBeats Musicを提供することができるようになった。もちろん長年愛されてきたiTunes Storeで従来通りダウンロード購入サービスを続けていく」と述べた。

この最後の部分に注目していただきたい。 CueとAppleはストリーミング・サービスを始めるに当って、いきなりダウンロード・サービスを廃止して従来のユーザーにショックを与える代わりに、ストリーミングを新たなオプションとして提供することにした。すでに大きなデジタル音楽のライブラリを作っているユーザーは今後もiTunes Storeからダウンロードを続けることができる。Financial TimesのTim Bradshawによれば、Appleの買収後もBeats MusicはAndroidとWindows Phoneから引き続き利用できるという。

Kleiner Perkinsの伝説的インターネット・アナリスト、Mary Meekerが2014版インターネット・トレンド・レポートで示しているところによると、デジタル音楽のダウンロードの売上高はストリーミングの成長と共に下降線をたどっている。デジタル楽曲の売上は2013年中に6%減少し、2014年の第1四半期には対前年同期比で13.3%も下落した。一方、アメリカにおける音楽ストリーミングの利用は2013年に32%アップしている。一言でいえば、セル・モデルは衰退しつつあり、ストリーミング・モデルこそが未来だ。

とはいえ、ダウンロード販売もまだまだ大きなビジネスだ。Appleとしてはこれを今すぐに投げ出したくはない。シリコンバレーかいわいでこそ誰もダウンロード販売を利用していないものの、2013年には12.6億曲、1億1760万枚のアルバムがオンラインで売れている。

AppleはBeats Musicへの移行ができるだけスムーズに運ぶよう配慮している。当面、ストリーミングを好むユーザーにはBeatsを受け皿として用意し、将来iTunesの売上が一定以下に減少したらその時点でiTunesもストリーミング化するのだろう。

パーソナル化されたキュレーションを導入するBeatsは、伝統的な「なんでもあり」のiTunesを非常に効果的に補完できる。iTunesにやってくるユーザーは聴きたい曲やアーティストを初めから決めていることが多い。しかしBeatsは聴き放題モデルなので、ユーザーは気軽に新しいアーティストや楽曲を試すことができる。探究心、好奇心の強いユーザーに対して本人の好みをベースにしたキュレーションの重要性は非常に大きい。

比較的保守的な音楽ファンはiTunesをより多く利用し、新しい音楽を探しているファンはBeatsを好むという補完関係が考えられる。

次に注目されるのは、料金だ。現在Beats Musicは月額9.99ドルだが、Appleはメジャー・レーベルを説得してこの料金をもっと手頃な金額に引き下げることができるだろうか? Appleの洗練とBeatsのブランドが相乗した結果、世界のあらゆる音楽が月数ドルで聴き放題になればうれしいのだが。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Firefox OSのデベロッパ向け標準参照機Mozilla Flameが170ドルで予約受付を開始

Firefox OSはこれまで、いろんな形のローンチを経験してきたと思われるが、何はともあれ今回は初めて、公式の“参照機”(reference device)というものを提供することになった。それは機種名がMozilla Flameで、T2MobileとMozillaのパートナーシップから生まれた。今は予約受付中で、アンロック、全世界送料無料で170ドルだ。

Mozilla Flameは中級機に属し、プロセッサは1.2 GHzデュアルコアQualcomm Snapdragon、画面は4.5インチ854×480ピクセル、リアカメラ5mp、フロントカメラ2mp、内蔵ストレージ8GB、デュアルSIMをサポート。しかし最大の売りは、256MB–1GB(可変)のRAMだろう。可変というのはデベロッパが構成可という意味だから、一台でアプリのメモリサイズ適性をテストできるわけなのだ。

したがってこのFirefox OS機は、これまでのデバイスよりも広い対象を視野に入れており、“オフィシャル”を名乗っていることも相まって、Firefox OSの標準機、デベロッパにとって文字通りの参照機なのだ。Firefox OSそのものは未だにモバイル市場で影が薄いが、姿勢としては、あなどれないと感じさせる。発売は、4週間後の予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MicrosoftのCEO、サトヤ・ナデラ、「われわれはポストPCのさらに先の時代に入る」

MicrosoftのCEO、Satya Nadellaは「Microsoftは現在のポストPC時代のさらに先を見据えている。来るべき時代には企業も個人もひとつのデバイスに縛り付けられることなく、クラウドとモバイルを主要な環境とするようになる」というビジョンを語った。

第1回のCODEカンファレンスでNadellaは「われわれは今、ポスト・ポストPC時代の入り口に立っているのだと思う」と述べた。

NedellaはMicrosoftのCEOに就任してからまだ3ヶ月だが、大いに多忙な3ヶ月だった。Nadellaの就任後、MicrosoftはOffice for iPadをリリースし、 72億ドルでNokiaを買収し、ハードウェアではSurface Pro 3を発表して大きな反響を呼んだ。

もちろんこうしたプロジェクトの多くはNadellaの就任以前からスタートしていた。しかし30年を超えるMicrosoftの歴史でBill GatesとSteveBallmerに次いで3人目のCEOとなったNadellaはこの会社を再定義するという使命に取り組んでいる。これまでのMicorosoftはソフトウェア・ベンダーだったが、Nadellaはこれをデバイスとサービスの企業に変身させようと懸命だ。

クラウドとエンタープライズ担当の執行副社長であったNadellaはその任務にまさに適任だといえよう。

Microsoftはかつてなくハードウェア事業に力を入れている。その理由のひとつはポストPC時代の本格的な到来と共に、パソコン向けソフトウェアのライセンス事業の上にあぐらをかいていられなくなったという事情だ。

AppleのiOSとGoogleのAndroidがモバイル開発の主要プラットフォームとして地位を確立してしまったため、Microsoftはモバイル分野における独自の地位を守るためにWindowsのモバイルデバイスの93.5%を製造しているNokiaを買収せざるを得なかった。

独自ハードウェアと同時に、Microsoftはクラウド・ベースのサービスも次々に発表した。これをよく象徴するのがMicrosoftのクラウド・インフラを最大限に利用したNokia Lumia 930だろう。

Nadellaが果たしてMicrosoftを救えるほど素早くポスト・ポストPC時代への変身を完了できるかに.強い関心が集まっている。

さらに取材中。

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カカオとダウムが合併へ―韓国最大級のインターネット企業が誕生

今日(米国時間5/25)、Kakao CorpDaumは、株式交換によって両社が合併することを発表した。 これによって時価3.4兆ウォン(29億ドル)の企業が誕生する。Kakaoは韓国トップのメッセージ・サービスであるKakaoTalkの運営者で、Daumは韓国最大級のインターネット・ポータルだ。この合併手続きが完了して新会社が上場されるのは10月の予定だという。

Kakao/Daumは韓国でトップクラスのインターネット企業となる。この合併はライバルであるNaverに対抗するのに役立つだろう。 Naverは韓国最大のインターネット・ポートであり、爆発的に成長を続けているメッセージ・サービス、LINEを運営している。LINEは2015年中にユーザー10億人を達成することを目指している。今年の4月現在、Lineのユーザーは4億人、KakaoTalkは1億3000万人だっった。

KakaoとDaumの合併の前には、WhatsAppを190億ドルでFacebookが買収し、日本の巨大インターネット企業、楽天がViberを9億ドルで買収している。Wall Street Journalの2月の記事によると、 Kakaoは時価20億ドル相当での新規上場を計画していたという。

Daumは「この合併は両社のコア・ビジネスの基礎を確実なものとし、積極てな相乗作用をもたらすものと期待される」という声明を発表した。Daumにとってこの合併はモバイル事業の強化となり、Yahoo中国のBaiduもそうだが、ユーザーが急速にスマートフォン、タブレットに移行する中で、 Daumも有効なモバイル戦略を求めて苦闘してきた。.

Kakaoにとってはすでに黒字化を達成しているとはいえ、モバイル・ゲーム・プラットフォーム以外の収入源が確保できることになる。Kakaoは最近、ニュースサービス音楽ストリーミング写真共有アプリPathに似たソーシャルネットワークなどを発表し、事業の多様化を図っていた。

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「半分匿名」のソーシャルメディア、SecretがAndroid版をローンチ―世界中から利用可能に

シリコンバレーの住人としては、当地で人気の「半分匿名」のソーシャルメディア、Secretが アメリカに登場したのがたった4ヶ月だったとは信じられない思いだ。今日(米国時間5/21)、このアプリはiOS版、新登場のAndroid版、ともに世界中でダウンロード可能になった。

Secretというのは、まずiOSアプリとして公開されたが、匿名で感想や意見を共有できるモバイル・アプリだ。

このアプリはユーザーのアドレス帳を検索してそこに載っている友だち、さらに友だちの友だちをリストアップする。そうした知り合いネットワーク中の誰かが投稿するとタイムラインに表示される仕組みだ。投稿自体は匿名だが、知り合いの誰かであることは分かっているので、投稿の内容と合わせて身元が推測されてしまう可能性は十分ある。

今回Android版が登場したのでユーザーはまた飛躍的に増加するだろう。

新機能

iOS版、Android版の双方に今回新機能が追加されている。iOS版では画面遷移の間にときおりSecretに友だちを招待するよう勧める画面や現在の友だちの数など表示される(ちなみに私の友だちは652人でSecretの共同ファウンダーBader-Wechselerの656人のすぐ次だ)。

もう一つの新機能はストリームの途中に時折表示されるIcebreakers〔座をなごやかにするもの、知り合いになるきっかけ〕と呼ばれる質問だ。右のスクリーショットでは「いままであなたがやった一番クレージーなことは何?」と尋ねている。Icebreakersの質問を考えているのはSecretのコミュニティー担当チーム(現在は3名)で、ユーザーは自分で質問に答えてもいいし、自分の友だちに尋ねてもよい。

IcebreakersはすでにSecretのコミュニティーで論じられたテーマをヒントにしてユーザーの参加を促そうというアイディアだ。たとえばこの間の母の日には、ユーザーはママについての秘密のエピソードを多数投稿していた。

国際展開

アメリカに登場した後、Secretはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスという具合に英語圏の諸国へ徐々にサービス範囲を拡大してきた。しかし今日のAndroid版のローンチを機に、地域制限は完全に取り除かれ、Secretは世界中どこからでも利用できるようになった。

当面は英語版のみだが、Bader-Wechselerは私の取材に対して「今年後半には英語以外のバージョンを順次公開する予定だ」と語った。ただし、現在のバージョンはどんな言語でも投稿できるので、同一言語の投稿がグループ化されるという。つまりスペイン語の投稿がドイツ語の投稿t入り混じって表示されないようにする。この分類はユーザーの投稿地域別に行われるようだ。

世界展開の次にSecretが狙うのは何だろう? 匿名のメッセージ・アプリだろうか?

SecretはGoogle Ventures、Kleiner Perkins、Initialized Capital、Fuel Capital、Vivi Nevo、SV Angel、Ashton KutcherのA-Grade Investments、David Sacks、Bill Lee、Pete Cashmore、Joe Montana、Rob Wiesenthal,、Andrew Chen他から1000万ドルの資金を調達している。

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Apple、App Storeの1位になったマリファナ栽培 ゲームを追放―他の大麻アプリはどうなる?

Appleはアメリカでゲーム部門のトップを占めていたWeed FirmをApp Storeから削除した。このゲームはGrand Theft Autoのマリファナ愛好家版と呼ばれていた。プレイヤーはマリファナ(weed)を栽培して売りさばき、ギャングたちと渡り合いながら、大金を儲けることに努める。

デベロッパーのウェブサイトによればApp Storeからの取り下げはApple側の全く一方的な決定だという。

AppleがこんなゲームにApp Storeのチャートのトップに居座わられたくないという考えた気持ちは分かる。だが、似たようなゲームが多数ある中でWeed Firmだけが狙い撃ちされた理由が、単に有名になってしまったからというだけなら釈然としないものが残る。この点に関してAppleにコメントないし説明を求めているが回答はない。

デベロッパーのManitoba Gamesは自分たちが追放されたことについて、「面白すぎて全ゲーム・カテゴリーでNo. 1になってしまったからだろう。今でもマリファナ栽培ゲームは山ほどApp Storeにある。それに車を壊したり、人を射ったり、鳥を建物にぶつけたりするような違法行為を内容としたゲームも無数に公開されている」と言っている。

いささか負け惜しみのきらいがあるものの、ある程度要点を突いている。

過去にもAppleが違法行為を助長する可能性があるアプリに対して厳しい態度を取ったことがある。たとえばHerb Converterというオンスをグラムに換算するマリファナの売人向けアプリが禁止されている。しかし最近、アメリカでもマリファナは部分的に解禁され、全国いたるところで違法というわけではなくなった。

しかしそれとは別に、Appleはどんな理由であろうと自分が好まないアプリをApp Storeから排除する権限を持っている。App Storeはオープンなウェブではない。単独の運営者であるAppleが自由に規則を設定できる場所なのだ。

しかし、 “weed”というキーワードでApp Storeを検索すると、たくさんのマリファナ関連アプリが見つかる。マリファナがらみのトリビア、マリファナの種類の見分け方、栽培ハンドブック、合法的なマリファナの入手場所をまとめたWeedmapsから今回禁止された“Weed Firmそっくりの栽培、販売ゲームのWeed TycoonWeed Farmerまで数知れずだ。 こうしたゲームは今でもApp Storeに掲載されている。

しかし、Appleの態度は変化しているのかもしれない。別のデベロッパーが今日(米国時間5/21)、Facebookに公開投稿したところによると、彼のマリファナ・ゲームはApp Storeへの登録を拒絶されたという。

上はデベロッパーが公開したそのゲームのスクリーショットだが、マリファナをテーマにしているばかりでなく、警官を豚として描いているのがさすがにAppleの「極めて好ましくない内容」のアプリを禁止する条項に引っかかったのだろう。

子供への悪影響

App Storeのユーザーはどんどん低年齢化しており、バカバカしいゲームも多くなっている。しかしAppleは子どもたちが麻薬の製造や取引についての詳細をApp Storeのゲームで学んでいると非難されたくはないだろう。もちろんWeed Firmはいちばん厳しい年齢制限が適用されていたが、子どもたちのiPhoneに保護を設定することを怠っている両親も多い。

これに先立ってWeed FirmはGoogle Playからも削除されたという。 ただしManitoba Gamesによれば削除された理由は内容ではなくゲームの配給会社にあったという。デベロッパーは「適当な配給会社が見つかればPlay Storeに復帰できる」としている。

これについてGoogleがどう考えているか知りたいものだ。.

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自分撮り写真に「いいね!」してもらうために必要ないくつかの配慮

Instagram上で、16万もの自分撮り(selfie)写真を分析した結果が発表されている。分析しているのはHubSportの「Social Media Scientist」であるDan Zarrellaだ。この分野における「分析」は流行りでもある。使われているタグ、色合い、利用しているフィルターなどをチェックして、他の人に気に入って貰える自分撮り写真を撮るヒントとするものだ。ちなみに今回紹介するレポートを見る限り、自分ではよかれと思ったことがほとんど逆に作用していることがわかってしまった。自分撮りも、なかなか奥が深い。

まず、色合いについてだが、自分撮り写真においてはどうやら寒色系の色を多用する方が、暖色系の写真よりも人気を集めるらしい。青い服を着て、青緑系の背景の前に立つのが良いのかもしれない。もしかするとスターバックスのロゴの前に立つのも効果的かもしれない。人気を得るためにはハッシュタグも大切な要素で#pretty、#boy、#daily、#girl、および#hairなどのハッシュタグのついた写真が、人気を集めるケースが多いようだ。また「like」をおねだりするハッシュタグも有効らしい。たとえば#l4l、#likeforlike、#like4likeといったようなハッシュタグが、「like」のおねだり用として利用されている。

尚、ハッシュタグの多様は無駄以外の何物でもないと考えている人にとっては残念なことに、どうやらハッシュタグを多く利用すれば、それだけ「like」を取得する機会も増えるらしい。ハッシュタグの個数が30個に到達する前にグラフ上では谷間があるが、しかしそれでも、より多くのハッシュタグを付けることで、より多くの「like」を獲得するチャンスが生まれているようだ。

フィルターについての分析も行っている。この分野でも、個人的に多用しているものは人気が低いということがわかった。当方で利用しているのは「Valencia」、「Lo-Fi」、「X-Pro II」、「Hudson」、そして「Rise」だが、「like」を集めやすいフィルターは「Willow」、「Normal」、「Toaster」、「Mayfair」、「Sutro」および「Hefe」などであるらしい。ちなみに#NoFilterというハッシュタグが最も人気を集めているようだが、しかし実はそのほぼ3分の1のケースで、フィルターが用いられているようだ。そういうケースでは「Valencia」や「Amaro」が用いられることが多い様子。洗面所の鏡を使ったいかにも自然な自分撮り写真であっても、何らかのフィルター処理が加えられているケースがあるということになる。

ところで、酔っ払っているときにこそセクシーに見えるという自負があるにせよ、#drunkハッシュタグを付すのはやめた方が良いようだ。#drunkハッシュタグを付けてしまうと「like」をもらいにくくなってしまうようなのだ。自分撮りは素面のときに限るということなのだろう。よしんば酔っ払いモードであるにせよ、他の人にはばれないようにしておくのが良いようだ。

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(翻訳:Maeda, H


東南アジアのプリペイド式ケータイに注目した日本発スタートアップYOYO、グリーVやCAVから1.3億円を調達

携帯電話料金の支払いというと、多くの読者が口座引き落としをはじめとした「ポストペイド(料金後払い)」を思い浮かべるのではないだろうか。でも実は、携帯電話料金のポストペイドを採用している国は、世界全体の20%にも満たないのだという。残りの80%、つまり世界の大半はプリペイド(料金先払い)なのだ。

プリペイド式の携帯電話が最も流通している地域の1つが東南アジアだ。フィリピンでは96%、インドネシアでは98%のモバイルユーザーの端末がプリペイド式なのだという。タイでも全体の9割近い端末がプリペイド式だ。

このプリペイド式携帯電話が流通するマーケットに着目したスタートアップが、ディー・エヌ・エーを退職した2人の日本人起業家がシンガポールに設立したYOYO Holdingsだ。同社は5月21日、グリーベンチャーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ及びインキュベイトファンドを割当先とした総額約1.3億円の第三者割当増資を実施した。

YOYO Holdingsは2012年10月の設立。代表を務める深田洋輔氏とCTOの尾崎良樹氏は、いずれもディー・エヌ・エーの出身。

同社が提供するのは、プリペイド式携帯電話の通信料金を”報酬”としたリワードプラットフォーム「Candy」だ。Android、iOS向けのアプリをダウンロードして会員登録し、その後アンケートに回答したり、指定されたアプリをダウンロードすることでポイントが蓄積されていく。貯まったポイントは、プリペイドのポイントとして携帯電話にチャージすることができる。

3月にフィリピンでベータ版をローンチ。7月に正式版に開始した。現在、インドネシアとタイにサービスを拡大しており、ユーザーは10代後半から20代を中心に25万人にのぼる。

同社では今回の資金調達で、人材拡充やインフラ増強、マーケティング強化を図る。開発はフィリピン・マニラで行うとのことだが、人材に関しては、日本やフィリピンなど幅広く採用するとしている。また、スマートフォンアプリを使った新事業も展開する予定だ。

 


プライバシー保護を重視したスマートフォンBlackphoneがSilent Circle社に$30Mの新資金を呼びこむ

暗号化通信の専門企業Silent Circleがさきほど、新たな資金調達ラウンドを発表したが、その目的は同社のプライバシー保護を強化したスマートフォンBlackphoneの需要増に応えるため、という。この、堅固なセキュリティを誇るAndroidハンドセットは、スペインのGeeksphoneとの共同開発だ。

今の、いわゆるポストSnowdenの時代には、プライバシーが新しいホットな投資分野としてもてはやされているようだ。しかもSilent Circleは昨年の夏に、同社の暗号化メールサービスを、NSAのスパイ行為が露呈したため、そして政府による盗み見行為への共謀を自ら断つために、自主的に閉鎖した。そういう意味では今回の資金調達は、同社にとって時宜にかなったもの、と言えよう。

セキュアなメールサービスを収益源とすることをやめたSilent Circleは、その焦点をセキュアなモバイル通信技術に変え、そしてその、企業としての思い切った意思決定が、新たに大きな資金獲得機会を招いたのだ。

その3000万ドルのラウンドを率いた投資家は、Ross Perot Jrとプライベート投資ファンドCain Capital LLCだ。

Perot Jr.とBritish Telecomの元CEOで会長のSir Peter BonfieldがSilent Circleの顧問団に加わり、元Dellの上級役員だったAnurag Jainが、顧問団の副会長に任命された。

Silent Circleによると、新たな資金はBlackphoneの、同社の言葉を借りれば“圧倒的に膨大な需要”に応ずるために使われる。そしてそれによって、セキュアな通信の市場における同社の成長を、加速したいのだ。

本稿未了…

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Surface Pro 3を触ってみた。マイクロソフトが提唱する理想の「Laplet」

Surface Pro 3がリリースされたが、さっそく触ってみることができたので簡単に紹介してみたい。「laplet」(laptop-tablet)とでもいうべきジャンルに入るデバイスだと思うが、従来機種からかなり進化したモデルになっていると言って良いと思う。

まず、性能的には「フルスペックPC」であるということを強調しておきたい。Intel Coreプロセッサーを搭載し(使ったものはi5を搭載)、体感的にはWindows 8を積んだハイスペックノートと同様の速度で動作する。改善されたヒンジ部のおかげで、自在な角度に広げることができ、膝の上に乗せて使うのが一層快適になった。搭載されているポートは最低限必要なものだ。USB 3.0とMicroSD、そしてDisplayPortとなっている。ファイルの取り扱いや編集作業なども、基本的にはクラウドの活用が前提となっている。「仕事にも使えるタブレット」ではなく、「仕事用のタブレット」であると言うことができるかもしれない。

もちろんノートPCの代替になるかどうかは使い方によるところもあるだろう。頻繁に飛行機を使う人は、飛行機内での使用レビューなども参考にしたいところだろう。座席背面のテーブルでうまく使えるかどうかというのが重要な判断基準になるということもあるだろう。ちなみに前機種についていえば、狭い場所で使うには少々不便だったと感じている。

まだ、いろいろとテストしてみる必要があるだろうが、今のところはこの新しいSurfaceに魅力を感じている。8.1を搭載したタブレットの理想を追求したらこうなったというものであるように評価している。サイズ、重量、処理能力、電池容量などのバランスもうまくとれていると思う。あらゆる用途のノートPCを代替するというものではないだろう。しかし個人的にはこの「laplet」の登場を心から歓迎する。

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(翻訳:Maeda, H


新Androidフォン、OnePlus Oneのコストパフォーマンスは驚異的―299ドルでGalaxy 5に迫る

OnePlusはスマートフォン製造に乗り出したユニークなスタートアップだ。最初の製品はAndroidベースのOnePlus Oneだ。ネーミングとしてはいささか繰り返しが多いのが多少気になるが、デバイスとしては立派なものだ。アンロックでわずか299ドルという価格を考えれば驚くべきコストパフォーマンスといえるだろう。Nexus流の低価格高性能スマートフォンを製造できるのはGoogleに限ったことではないという証明だ。

スペック(今回レビューしたモデル)

  • MSRP: $299
  • 5.5インチ、1920×1080ディスプレイ
  • 16GB
  • クオドコア 2.5GHz、3GB RAM
  • LTE、802.11ac Wi-Fi

メリット

  • 低価格、高機能
  • デフォールトで高度のカスタマイズ可能

デメリット

  • 筐体がかさばる
  • カスタマイズには知識が必要

デザイン

サイズはGalaxy Note 3よりやや小さい。むしろマット仕上げの裏側などはNexus 5に似ている。ボディー上部と下部の金属のヘリはわずかに突起して画面を保護している。大型スマーフォンの中ではデザインは最近のベストだと感じた。

パフォーマンス

OnePlus Oneのパフォーマンスはこの価格帯の製品とは比べ物にならないくらい優れている。RAM、CPUともにSamsung Galaxy S5 やHTC One (M8)クラスだ。しかも価格はこうした高級機の半値以下だ。 また実際にスペックから期待されるとおりの作動をする。

当初のベータテスト機には表示に多少の問題があったがOnePlusはソフトののアップデートで素早く解決した。OSはAndroidのフォークの一つ、Cyanogenを用いている。このためユーザー体験は余計なものを含まず、しかもカスタマイズ性が高い。またパフォーマンスも優秀だ。

ソフトウェア

Cyanogenはサードパーティーのスキンへの交換など数多くのカスタマイズ・オプションを提供している。 残念ながらデフォールトのスキンのデザインはひどいものだが、それを使い続ける必要はない。KitKat風のスキンに交換するのもごく簡単にできる。スキン変更のために特別の許可設定をする必要もない。

OnePlusの設定画面を開くと、カスタマイズできる範囲が非常に広いのに気づく。ロックスクリン、通知バー、ホームスクリーンなど数多くの要素がカスタマイズ・メニューに表示される。メニュー、サブメニューやスイッチ、チェックボックスなどがずらりと並んでいて、そういうものをいじるのが好きなユーザーには遊園地だろう。しかし普通に動けばいいと考えている普通のユーザーにはいささか手にあまるかもしれない。それだけにOnePlusはコアなAndroidファンにはNexusデバイスよりもさらにアピールすると思われる。

ディスプレイ

OnePlus Oneの優れた点は数多いが、その中でもディスプレイは特筆ものだ。このサイズの筐体に、この価格でこれほど高品質なディスレプイを装備できたのは驚異的だ。5.5インチのディスレプイは404ppiで、通常の使用距離からはいくら目を凝らしても個々のピクセルは見えない。

テキストのレンダリングは完璧だし、写真や映画を見るのも快適だ。ただしでフォールトのアイコンにはこれほど高機能なディスレプイには似つかわしくない解像度の低いものがあるのは気になる。

結論

OnePlus Oneは不可能を可能にした製品といってもオーバーではない。フラグシップモデルなみのデバイスを中級機の価格で提供するという難事業に成功している。バッテリー寿命も必要な程度に確保されている。カメラはNexus5よりはずっと良いが、Galaxy S5とiPhoneのレベルにはまだ及ばない。しかし低価格、高性能というメリットの前にはさささいな問題だろう。ともかく高級機の半額以下でほとんど同等の機能を実現したことには驚かざるを得ない。

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Microsoft、12インチ画面を搭載したSurface Pro 3を発表。価格は799ドルより

ニューヨークで朝から行われているイベントにて、MicrosoftはSurfaceのニューモデルをアナウンスした。Surface Pro 3と呼ばれるデバイスだ。別記事でもお伝えしたように、画面サイズは12″となっている。

なお、Core i7プロセッサーが搭載されるようで、かなりのパフォーマンス向上が期待される。またMicrosoftは、PCの形式をもつもので、これまでで一番薄い製品であるとも主張している。

元々はSurface Miniという、より小型のSurfaceを投入するのではないかという話があったが、これは噂に過ぎなかった様子。

MicrosoftのPanos Panayによると「他のタブレットから乗り換えて、タブレットとしてご利用いただいてもきっとご満足いただけるでしょう」とのこと。アスペクト比はこれまでの16:9から3:2に変更となった。

製品紹介ビデオによれば、厚さは9.1mmで、スピーカー性能は45%向上しているとのこと(また取り付け位置も前面に変更となった)。重さは800gだ。これまでのSurface Proシリーズと同様に、ペン入力にも対応している。旧版のSurface Proは10.3mmの厚さだったのだが、そこからずいぶんと薄くなった印象だ。

また物理サイズをコンパクトにする一方で、パフォーマンスはSurface Pro 2との比較で10%向上しているとのこと。

Surface Pro 3はMacbook Airよりも軽いとのこと。TypeカバーやTouchカバーをを付けても軽いのかどうかは不明(訳注:Typeカバーを付けても軽いというデモだあったようです)。

もちろんSurface Pro 3用のドッキングステーションも用意されていて、4Kビデオ出力にも対応している。

キックスタンドにも改良を加え、これまでよりも水平に近い状態でも角度を維持することができるようになった。今回のものから対応した150度の角度は、ペン入力の際にとても便利だろう。どのくらいのフラットさかということについては下の写真をご覧頂きたい。

さらに新しいカバーではトラックパッドの改善も為された(ようやく、と感じる人も多いことだろう)。Microsoftによると、トラックパッドは68%大きくなっており、摩擦も70%減らしてより滑らかな操作感を実現しているのだそうだ。実際に使ってみなければよくわからない面もあるだろうが、しかしともかく数値的には良い感じだ。

また、膝の上に乗せて使うのに使いやすい工夫も為されている。

いろいろな改善が為されており、Surface Proによる「新たなエクスペリエンス」が期待できると言えよう。新しいペンも用意されているようだ。

第一報に触れた段階ではとても面白そうだ。まずはいろいろといじってみたいデバイスだと感じる。

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(翻訳:Maeda, H


App Storeは今の社会が愚民社会である証拠

今iTunes App Storeで1位のゲームは、雑草を売るゲームだ。いや、ほんとに。でもその”Weed Firm“というアプリも、2位に比べればかなりまともだ。2位は最近多いアホらしい時間つぶしゲームの一つで、名前は”100 Balls“、ビアポンを思い出す。そしてそれに続く3位は”Toilet Time“、その名のとおり、ト*レに入っているとき遊ぶ短いゲームだ。さらにその次の”Make It Rain“は、できるだ速くスワイプしてお金を飛ばす、というゲームだ。

凡人たち(Everyman)のApp Storeにようこそ。

というか、誰かさんの言葉を借りれば、愚民社会(Idiocracy)にようこそ。

[App Storeをふつうの英語で言うとIdiocracy。]
[最悪という名のゴールを目指すレースだ。]
[映画のIdiocracyにApp Storeがあってもよかったよね。]

これらのゲームは、アメリカ的な俗悪趣味がモバイルの世界を支配していることの表れだ。でも”Here Comes Honey Boo Boo”とか”The Real Housewives”のようなコンテンツは、合衆国だけでなく、世界中の英語国で必ずチャートの上位になる。

人気の原因はいろいろあるが、いい加減なアプリデベロッパたちが仕掛けるますますいい加減なマーケティングテクニックに、釣られてしまうユーザが多いのだ。そういう、脳の健康を害しそうな使い捨てのゲームが、”Flappy Bird”や”Red Bouncing Ball“のクローンより上位になるのは、新しいアプリに飛びつくための、もっとまともな契機が、一般ユーザにはないからだ。〔TechCrunchやゲーム専門サイトのレビューを読んでアプリを買う“一般人”はいない。〕

それだけでなく、最近のアホゲームの氾濫には、App Storeの性質の変貌も影響している。

今日(こんにち)では、先進国のスマートフォン市場はほとんど飽和状態だ。ということは、老若男女いろんな人が持っており、その趣味や感性はばらばらで、しかも本誌などによく登場するテクノロジエリートたちの“次の偉大なるモバイルアプリ”とは無縁な領域で生きている。

App Storeは万人(everyone)のものであり、そして万人の大群は、タブロイド新聞やテレビのリアリティ番組は好きでも、文学や教育テレビには寄り付かない。

しかも、今ではガキどもですらiPhoneを持っていて、それを持ってないと仲間はずれになるというのだ。アホゲームの顧客の相当部分が、ガキどもである。

“Flappy Bird”を作ったDong Nguyenも本誌の取材に対して、プレーヤーのほとんどは学童だ、と言っていた。

このような“成熟市場”においては、雑草ゲームやト*レ時間つぶしゲームへと“成熟して”いく万人たちは、昔のような、まじめなアプリをまじめにダウンロードするスマートフォンユーザではない。だから今では、Google Search、Pandora、WhatsApp、Pinterest、Twitterなどのアプリが、トップ10に入らないどころか、往々にしてトップ20にも入らないのだ。

校庭にたむろする群衆たちがApp Storeのチャートに与える影響力を、まだ業界はよく理解していない。小学生のトレンドが市場に及ぼす力は、何年も前から強力だが、今日ではそれは、お人形のCabbage Patch KidsやTickle Me Elmoの話ではない。次に何を買おうかと彼らがうろうろしている仮想ストアの棚を、無限に多い在庫で満たす、という今日的マーケティングのお話なのだ。

しかし最悪という名のゴールを目指すApp Storeのレースを、幼いiPhoneユーザのせいだけにはできない。

今日の、ストレス過多で情報過剰な世界に住む、緊張を抜く余裕すらない大人たちも、ちょっとした息抜きを求めているのだ。そう、トイレが唯一の息抜きの場かもしれない。そしてそのために、まさに、アホなゲームにのめり込むのだ。

ところで、あなたのホーム画面には、最近、何があるかなぁ? 正直に言って。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iOS版Facebook、投稿後に関連コンテンツのカードを表示する実験中

Facebookは、ユーザーが投稿した後もサーフィンを続けるように、関連コンテンツを推奨するしくみをテストしている。iOSで行われているテストによると、関連コンテンツカードの種類には、投稿者が滞在したレストランの写真や、以前チェックインした友達の名前、一緒にチェックインしたり投稿で言及した友達の写真、同じ曲を聴いた友達の名前等がある。これらのカードによって、ニュースフィードにライブ感が生まれる。

ユーザーが今一番気にかけてるものに反応することによって、Facebookは新たな利用方法、エンターテイメント、そして収益化の可能性を切り拓くことができる。このカードのテストはiOSユーザーのごく一部で行われている。

[アップデート 3pm PST:Facebookはつい先ほどFacebook for iOS 10.0を公開した。カード機能のテストに加え、近況アップデートのプレビューが可能になり、例えば聞いている曲のミュージシャンのFacebookページへのリンク等、Facebookが追加するお薦めリンクを事前に削除することもできる。また、オフラインまたは電波の弱い場所で記事を作成し、接続されたら公開されるしくみも追加され、フィードのスピードも改善された。]

カードの外観はどんな感じなのか。例えば、ヨセミテ国立公園で友達のJuliaをタグ付けした近況アップデートや写真を投稿すると、上の写真の左側のカードが表示される。右側のカードは、「Grand Budapest Hotelを見ている」というアクションと共に、友達のJon、Jingbo、Greg、Mattをタグ付けした時に表示される。音楽、ビデオの他、読んでいる本にもカードは反応する。

Facebookのカードは、Twitterの一歩先を進んでいて、シェアしたメディアを文中に表示するだけでなく、次に見たいであろうものを推奨する。Google Nowのように火急の問題に答えてくれるわけではないが、それはFacebookが基本的に検索体験ではなく、コンテンツ関連性エンジンだからだ。ゴールは、ユーザーが興味のあるものを見せることにある。その意味で、Facebookのカードは、Foursquareが提供する、近くの場所のお薦めと比較するべきかもしれない。

Facebook Now

Facebookのニュースフィードは概して反応が鈍かった。次に何を表示するかの選択基準は、そのユーザーに誰と何が強く関連しているかの生涯データに基づいていて、今現在の好みや考えはほぼ無視される。たとえその人が親友ではなくても、一緒の写真を投稿したのであれば、その人の写真をもっと見たいと思う可能性は極めて高い。

Facebookは、フィード内でのリアルタイムでコンテキストに対応した推奨を行うことに力を入れてきた。例えばFacebookページにいいね!を付けると、「〈いいねを付けたページ〉に似た」他のページが表示される。ニュース記事と同じように、Facebookはあなたが次に読みたいであろう「関連リンク」を探し出す。

Facebookはコンテキストをモバイルに持ち込み、これをグラフの最中心部分である「人」と「写真」に適用しようとしている。カードのテストは少数のユーザーを対象に行われており、コンテンツは緑、場所は赤、写真は黄色、誕生日は青というカラーコード方式が使われている。

Facebookは私にこう話した。「これらのカードは、今いる場所や次に行く場所に関する情報を発見したり、周囲の友達との会話を促進する手助けをする。この機能は既存のあらゆるプライバシー設定に沿っており、カードには元々にFacebookのどこかで見ることのできる情報のみが表示される。ユーザーのやっていることや訪れる場所について、友達と話すきっかけになることを願っている」

この戦略には、いくつかの理由に基づく可能性がある。第一に、ユーザーは何かを投稿した後Facebookアプリを終了することが多い。これはエンゲージメントの損失だ。Facebookは、シェア後の離脱率をこの新しいカードによって減少させられるかもしれない。

古びたフィードに戻される代わりに、新インターフェースはFacebookが新鮮に感じられるように反応する。Twitterのリアルタイムの流れに対して、遅くてライブ感が少ないとされるFacebookのフィルターされたフィードにとって、これは極めて重要だ。

コンテキストの影響力は大きい

カードは、興味を持ったユーザーと結びつく機会を増やすことによって、企業や店舗のFacebookへの愛着を高められるかもしれない。自分が前にチェックインしたレストランで友達が楽しんでいる写真を見れば、ソーシャルな証明によって、その場所に対する印象は良くなる。

最後に、これらのカードはFacebookに新しい広告機会を提供する。企業は自分たちのFacebookページやコンテンツの露出に料金を払うだろう。Facebookは、下に表示する「~に似た」ボックスの枠を売ることもできる。

2012年、Facebookは検索ボックスの予測入力にスポンサー付検索結果を表示するテストを行い、企業は料金を払って、ライバルが検索された時に、自社のFacebookページやゲームを表示されることができた。この広告商品は結局実現しなかったが、おそらくカードはこの反応マーケティングを再現するだろう。Facebookが広告をユーザーのたった今の意図と結びつければつけられるほど、安価な需要創出広告という歴史的位置付けから、Googleの牙城である、購入意図ベースの需要充足広告へと近づくことができる。

公園にチェックインした後、近くの店を薦められることを想像してほしい。これはまだ起きていないが、Foursquareに対する攻撃として理にかなった次の一手に見える。

現在Facebookは、投稿の構造化コンテンツを分析することによって、推奨カードを作っているが、いずれは、投稿者の場所、時刻、あるいは端末の加速度計などのセンサーといった、よりコンテキスト的な情報に重きを置くかもしれない。Facebookはユーザーの心を読むことはできないが、コンテキスト型カードでは、ユーザーの投稿やその他のシグナルを読むことによって、次に何をしたいかを予測することができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ヘアサロンの予約を変えるアプリが登場!髪型投稿SNSオープン

おしゃれ好きな女子にとって、ヘアサロンは飲食店のように地域や店舗で探すものではない。まずはスタイリストを見つけること――。こんな発想から本日リリースされたiPhoneアプリがヘアスナップSNS「HAIR」だ。雑誌やネット上にあるヘアスタイル写真の多くは、カットモデルを一眼レフで撮影し、Macでレタッチした「サロン発信の宣伝写真」ばかり。これに対してHAIRは、周りの友だちがスマホでヘアスナップを投稿するのが特徴。そのため「自分ごと」にとらえることができるのだという。ある意味、リリースから5カ月で200万ダウンロードを突破したファッションコーディネート共有アプリ「WEAR」のヘアスタイル版といえるかもしれない。

HAIRをざっくり言えば、「今日のヘアスタイルを考える」と「あの子をカットしているスタイリストが分かる」という2つを実現するサービスだ。ユーザーは「友達」「スタイリスト」「テーマ(Long、Medium、Bobなどのヘアスタイル)」「人気ユーザー」「キーワード」ごとにヘアスナップを閲覧したり、クリッピングができる。

Facebookアカウントで会員登録すると、気になるユーザーや友だちをフォローしたり、ヘアスナップを投稿することが可能だ。ヘアスナップには、カットを手がけたスタイリスト(美容師)をタグ付けでき、友だちやフォローしている人をカットしたスタイリストのページにアクセスしてカットの予約が行えるようになっている。

スタイリストにしてみれば、カットした人にタグ付けされることで、自分の宣伝にもなるというわけだ。スタイリストは毎月1500円を支払うことで、自らのプロフィールや連絡先を記載したプロフィールページを作成できる。HAIRを運営するリッチメディアの中村武士によれば、まずは青山や表参道、原宿の有名ヘアサロンに所属するスタイリストにアプローチし、徐々に全国のスタイリストを集めていくのだという。

ターゲットとしているコアユーザーは「ヘアスタイルについて遊んだり、悩んでいる18〜25歳の女性」。ベータ版の投稿状況はカットモデル(サロンモデル)やスタイリストが自らのアピールのためにヘアスナップを投稿している状況だが、正式版を公開した5月14日以降は自分撮りに抵抗のない若い女性の投稿を見込んでいるようで、半年後に週間アクティブユーザー9万人を目標に掲げる。「みんなのヘアスナップから、スタイリストとの偶然の出会いを生み出せれば」。


Yahoo、自動消滅型メッセージングサービスのBlinkを(人材目的で)買収

Yahooが、モバイル向け自動消滅型メッセージングサービスのBlinkを買収したようだ。Snapchatが有名で、その他にも最近登場したFranklyや、Confide、あるいはWickrなど、競合となるサービスがひしめいている分野だ。買収の詳細については明らかにされていない。

Blinkは現在7人で運営されており、ファウンダーを含む全員がYahooに加わることとなっているらしい。

Blinkの開発を行ったのはMeh Labsで、元GoogleのKevin StephensおよびMichelle Norganにより設立された。元々は位置情報サービスのKismetを提供していた。SXSW 2012の頃にはHighlightなどとともに話題になっており、Banjoなども同種のサービスを提供しようとしているところだった。しかしKismetは充分な利用者を獲得するにいたらず、結局は別の人気ジャンルで再スタートを切ることとなったのだ。そのジャンルがモバイル向けのプライベートメッセージングの分野だ。

Blinkがリリースされたのは約1年前のことで、iPhone向けアプリケーションとしてリリースされた。現在のアプリケーションではメッセージ、写真、ビデオ、音声などを、個人ないし特定のグループ間で共有することができるようになっている。また有効時間をタイマーで設定できるようになっていて、すなわち送ったメッセージや写真などを、見始めてから何秒間表示するかを設定することができる。

今年になってAndroid版がリリースされたが、その時点でのダウンロード数は10万ほどで、利用者のうちの半数以上がアメリカ在住であった。アメリカ以外では中東での利用者が増加する傾向にあり、大きな成長が期待されていた。

Stephensもアラビア語をサポートするなどして、中東市場に注力していきたい旨を表明していた。またビジネス用途でも利用できるような「プロ版」の提供なども考えていたようだ。

しかしそうした予定についてはご破算ということになる。Blinkのサービスは数週間のうちにも消え去ることになるらしいのだ。すなわち、このBlinkの買収もサービスそれ自体を活用するというよりも、人材の方を目的としたものだということだ。そしてStephensのことだけを考えても、Yahooにとっては良い買収(人材獲得)であると言えるだろう。Boxeeでデバイスプロダクトパートナーシップ部門のディレクターを務め、あるいはGoogleおよびYouTubeでのPMの経験もあり、さらにAppleでもエンジニアとして働いていた。

Kismetを運営していた時代に、Meh Labsはシード資金としてTriple Point、NEA、AngelPad、およびShiva Rajaraman、Steph Hannon、Roham Gharegozlou、Ben Narasinなどのエンジェルから併せて100万ドルを調達していた。今回の買収により、投資家たちにはそれなりの見返りがある模様だ。但し、投資面に限っていえば「大成功」というわけでもないらしい。

尚、YahooのM&Aでは、買収の詳細についてあまり明らかにしてくれないのが最近の状況となっている。人材獲得のための企業買収を行うことについて非難されることも多く、また投資家たちもそうした買収戦略が有効に機能しているのかどうかを疑問に感じ始めているようなのだ。私たちの取材に対して、Blink側も詳細なデータを明かしてはくれなかった。

Blinkのサイトで公開された文章を掲載しておこう。

2014年5月13日付で、BlinkはYahooの傘下に入ることとなりました。私たちはメッセージングを、実際に会話するような自由さで利用できるようにと考えてBlinkの開発を行いました。こうした概念をYahooに持ち込み、その中でできる新しいことを考えていきたいと思っています。

どのようなプロダクトを提供できるかについて、まだ具体的なお話ができる段階ではありません。しかしこれからもぜひ、私たちBlinkチームの活躍に期待していただきたいと考えています。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


TorrentムービーのPopcorn TimeがついにAndroidに来た(Google Playは拒絶)

ハリウッドにとって最悪の悪夢が、ついにモバイルにやってきた。

Popcorn Timeのフォークの中でも人気のあるTime4PopcornのAndroidアプリが、デベロッパのWebサイトで誰もが入手でき、その海賊版ムービーをモバイルでも見られるようになった。

Androidアプリはデスクトップ版と使い勝手は同じで、アクセスできるムービーやテレビ番組もデスクトップと変わらない。torrent(BitTorrentファイル)をストリームする点でも、デスクトップ版と同じだ。データプランの料金が跳ね上がり、キャリアはウハウハだろう。

試してみたが、プログラムは正常に動く。ただし高速回線でなければスタートまで1〜3分かかることもある。Android版はUIがやや粗い。いくつかのUI成分、たとえばサイドトレーなどは無効だが、プログラムの動作には支障がない。

デベロッパによると、GoogleはGoogle Playからこのアプリを取り去った。“知的所有権を侵犯している”からだそうだ。プログラムのダウンロードはtime4popcorn.euでできる。

このバージョンにかぎらず、Popcorn Timeの各種フォークと過去のバージョンは、ソースファイルをすべてGitHubで入手できる。

このAndroidアプリを作ったTime4Popcornは、テレビ番組を前面に出したバージョンに新しいUIをつけてリリースしている。Windows XPバージョンも、近く出すそうだ。Popcorn Timeのオリジナルは頓死したが、今では少しずつルックスの違うフォークが各種出回っている。海賊同士の戦いのような抗争も、一部に起きている。

Time4Popcornも、それらのフォークの一つにすぎない。以前はFlixtorがPopcorn TimeをAndroidとChromecastに持ち込んだことがある。彼らの共通点が、ひとつだけある…海賊行為は既成勢力に対する反逆なのだ。〔関連記事。Google Play Storeに前からあったPopcorn Timeも今はない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今度こそGoogle Glassが期間限定なしに誰でも買えるようになった(アメリカのみ、在庫限り)

Googleは驚くほど静かにGoogle Glassの一般販売を開始した。アメリカの居住者は1500ドル払いさえすれば 、期間限定なしで(ただし在庫があるかぎり)、Google Glassを購入できるようになった。

しかしまだ「市販開始」とはいえないようだ。Googleは依然として「今回のGlassの販売もExplorerプログラムの一部 だ」と注意している。まだベータテストは続いている。

Googleの発表を引用すると、

われわれは依然としてExplorerプログラムを継続中であり、Glassのハードとソフトの改良に取り組んでいます。しかし今日からアメリカ居住者は誰でもGlassのExplorer Editionを購入できるようになりました(ただし在庫限り

この最後の「在庫限り」という注意書きにご注意。Googleはこの留保をつけることによって様子見を続けることができる。なにかあれば「在庫がなくなった」として販売を中断できる。

Glassの販売の道のりを振り返ると、当初は招待オンリーだった。その後友だちからの招待で買えるようになり、数週間前には短期間だが希望者誰にでも販売された。今回はまた一歩進めて、期間を限定せず、ただし一定数量に限って、一般販売を試みることになったわけだ。

申し込みはこちらから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ターゲットは非IT系、Wantedlyが連絡帳アプリ「CONTACT」公開

iPhoneで連絡先を管理している人が感じる不満のひとつが、標準搭載のアプリ単体ではグループ分けができないことだろう。こうしたニーズもあってか、連絡帳をグループ化するiPhoneアプリは100以上存在する。ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」を運営するウォンテッドリーが14日に公開したiPhoneアプリ「CONTACT(コンタクト)」もその1つ。FacebookやWantedlyと連携することで、これらのサービスに登録している会社名から連絡先を探せるのが特徴だ。

アプリをインストールするとiPhoneの連絡先が表示され、仕事、友人、家族などとグループ分けが可能。グループのアイコンは120種類以上あり、連絡先をアイコンにドラッグ&ドロップするだけで直感的にグループ分けできる。

ウェブ業界では「連絡はメッセンジャーで十分」という人もいるだろう。そんな人にはFacebookとの連携機能が刺さるかもしれないと、ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子は言う。Facebookは会社名で友人を検索できないが、CONTACTでは「社名は思い出せるのに名前が出てこない……」といった人も社名で探せるほか、連絡先をタップすればそこからFacebookメッセンジャーでやりとりできるようになっている。さらに、WantedlyのプロフィールにTwitter、Google+、GitHubの情報があれば、それらも情報も連絡先に反映される仕様となっている。

ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子

前述の通り、iPhoneの連絡先アプリは山ほどある。ではなぜ、ウォンテッドリーは今さら連絡帳アプリを投入したのか? こう尋ねると仲暁子は、その理由を次のように話した。「既存の連絡帳アプリのほとんどはデザインが洗練されていなくてダサいんですよ。UIも直感的じゃない。私も連絡帳アプリを使っていなかったんですけど、有料版アプリ並みの機能を洗練させればニーズはあるし、私もこれだったら使う」。

最近はウォンテッドリーの顔として講演や取材対応、自社採用に注力してきた仲暁子だが、CONTACTは久々に開発の陣頭指揮をとったプロダクトなのだという。主なターゲットは「ウェブ業界以外のユーザー」。従来はWantedlyと接点がなかったユーザーを確保しようとしているようで、今秋までに15万ダウンロードを目指す。本業のソーシャルリクルーティングサービスは約2800社、約9万人が利用していて、企業数は約230社、ユーザー数は6000〜8000人ペースで毎月伸びているそうだ。


音声認識で英語が学習できるブラウザ・ゲーム、Spell UpがGoogle Chrome Experimentで登場

Googleはベータ版一時的プロジェクトとして新たなサービスを提供するのが得意だが、今日(米国時間5/13)はChrome Experimentの一環としてSpell Upという英語学習アプリを公開した。これは音声認識と音声合成を用いてユーザーの英語の上達を助けるブラウザ・ベースのゲームだ。

初級から上級までさまざまなレベルが用意されており、ユーザーはどのレベルから始めることもできる。このゲームの主な目的は語彙力を高めることで、Spell Upという名前もそこから来ている。

ユーザーはブラウザが表示する単語を正しく発音しなければならない。表示された綴りから抜けているするアルファベットを推測したり、綴り変えから正しい単語を推測したりするモードもある。答えはすべてマイクに音声で入力する(私が試したところではこのアプリは英国英語の発音を好むようだ)。

このアプリははロンドンのGoogle Creative LabのXavier Barradeをリーダーとして開発された。最近のChromeの音声認識/合成テクノロジーの進歩が存分に利用されている。

昨年GoogleはChromeでWeb Speech APIを、今年はそれを利用した音声合成をそれぞれサポートした。これによってデベロッパーはユーザーが音声でデータを入力し、それに対してアプリが音声で応答するアプリを開発することができるようになった。Spell Upはこのテクノロジーを利用している。

つまりSpell Upは面白いゲームであり教育アプリであると同時に、音声認識、合成などブラウザ・ベースのテクノロジーがネーティブ・アプリの開発環境に負けず、大きく進歩していることを示すデモの役目も果たしている。またこのプロジェクトが若く、国際的なユーザー層をターゲットにしていることも興味深い。

Barradeによれば、Spell Upはゲームデザイナーと英語教育関係者の協力によって開発されたという。最近の教育アプリはデベロッパー、ゲームデザイナー、教育者の三者の連合が必須となっているようだ。このアプリは主としてデスクトップとAndroidのChrome向けに開発されており、iPhone、iPadで実行すると音声入力が無効になるのでユーザーは回答をキーボードからタイプしなければならない。

現在このアプリは英語だけが対象だが、他の言語にも拡張されれば、英語国における外国語教育にも大いに有益だろう。

Macのノートでしばらくプレイしてみたが、たいへん面白かった。ただし音声認識の反応はやや遅く、私が発音したアルファベットを完全に誤解したことも一度ならずあった。しかし私の子供は喜びそうだし、こういうアプリのためならいくらネットを使ってもらっても構わない。

下はGoogleによる紹介ビデオ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+