YouTubeはケーブルテレビを上回る好調、視聴者数(+広告収入)の増加にモバイルが貢献

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YouTubeはケーブルテレビ*よりも大きい。もっと正確に言うと、YouTubeは18-49歳という中心的な年齢層において、合衆国のどのケーブルネットワークよりも視聴者数が多い。Googleは昨日行われた決算報告の場でそう述べた。昨日は市場筋の期待を上回る2015Q2の結果によりGoogleの株価は跳ね上がったが、YouTubeの好調と、とくにモバイルの視聴者数の増大が、それに大輪の花を添えていた。〔*: ケーブルテレビ, アメリカ人の主なテレビ視聴方式。〕

GoogleのCBO Omid Kordestaniによると、YouTubeのホームページのビジターは前年比で3倍以上に増加し、また彼らのビデオ視聴時間もこれまで以上に長くなっている。視聴時間の対前年増加率は60%となり、これは過去最速の成長である。そして、とりわけモバイルの視聴時間は倍以上に増加している。

モバイルの一回のアクセスにおけるユーザの平均滞留時間は40分を超え、昨年より50%以上増加した。

これらの数字は、広義のビデオコンテンツの消費の仕方が大きく変わったことを表している。すなわち、リビングルームで大画面のテレビを見る時間が減り、携帯電話やタブレットなどそのほかのプラットホームへ視聴行動が移行している。とくにYouTubeの平均滞留時間の長さは、そこがもはや、友だちなどに教えられた特定のビデオだけを見る場所ではなく、複数のビデオを連続的に見る場になっていることを、示している。

YouTube自身もこのところ、おすすめ機能を充実し、またユーザが自分の好みに合ったビデオを見つけるためのツールを提供するなどして、ビデオコンテンツの発見プラットホームの性格を強めているが、それらの策の成功も、滞留時間の増加に貢献しているものと思われる。

とくに若い人たちにとっては、今やYouTubeがテレビの代わりだ。Miner & Co.の最近の調査によると、テレビはもはや子どもたちが真っ先に挙げるエンタテイメントではなく、親たちの57%が、子どもたちはテレビよりもモバイルデバイスでビデオを見ることを好む、と報告している。また、タブレットがある家庭の58%で、子どもたちも自分のタブレットを持っているが、その半分は“しつけ”のために親にタブレットを取り上げられて、代わりにテレビを見ている。

この調査報告書は、“今の子どもたちにとってテレビは罰だ”、と皮肉な書き方をしている。

今ティーンたちのあいだでは、ハリウッドのメジャー級のスターよりも、YouTubeのスターに人気があり、ティーンに対する彼らの影響力も大きい。しかし、テレビよりもモバイルの小さな画面でYouTubeを見る、という移行が起きているのは、子どもたちだけではない。スマートフォンの大画面化や、4Gの普及、そしてコンテンツの質の向上、といった最近の動向に伴って、大人たちの視聴も増加している。

eMarketerのデータによると、合衆国の成人は2015年に、一日に5時間31分、広義のビデオコンテンツを見ているが、そのうち1時間16分は、コンピュータやモバイルデバイスやゲーム機の画面だ。また合衆国成人のモバイルでビデオを見る時間は、2014年の1日30分から今年は39分に増加している。

テレビの視聴が減って、モバイルOTTやインターネット上のYouTube時間が増えるということは、企業が投ずる広告費もそっちへ移行していることを、意味している。

Googleの広告販促イベント”BrandCast”(テレビ業界の用語で言えば“upfront”)は、昨年に比べて今年、コミットメントが3倍に増加した、とGoogleは主張している。そしてYouTube上に広告を出稿する企業数は、昨年に比べ40%あまり増加している。またYouTube上の上位100社のアドバタイザーの一社平均広告費は、前年比で6%以上伸びている。

今年の初めにWall St. Journal紙は、YouTubeはまだ赤字だと報じたが、実際には赤字というより、2014年は約40億ドルの売上で損益ほぼゼロだ(赤字でも黒字でもない)。

Googleは昨日、YouTubeの収益性に関する質問をかわし、CFO Ruth Poratは、利益額を個々のプロダクトごとに分類して公表することはしない、と述べた。しかしそのとき同時に彼女は、YouTubeの視聴者数の急増によって、アドバタイザーのドルがテレビからYouTubeへ移行し始めている、と述べ、“これで察してください”という顔をした。

そしてPoratは、“この機会に乗じてもっと大きな広告予算がYouTubeに割かれるよう、努力したい”、と語った。

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YouTubeで1年に700万ドル稼いだPewDiePieが批判者たち向けの説明ビデオを公開

 

PewDiePieことFelix Kjellbergは、YouTube族の王様だ。彼は90億ビューを誇るYouTubeのスターで、スウェーデンの新聞Expressenは、彼の昨年の広告収入を700万ドルと推計している。オンラインのスターたちの稼ぎとしては、これぐらいが今やふつうだから、おそろしい。

上のビデオでKjellbergは、YouTubeのスタートしての彼の5年のキャリアを説明している。作品はすべてビデオゲームのプレイの実況録画で、それを視聴者たちが見るのだ。彼のビデオは、1作品につき500万以上のビューがある。

 

Kjellbergがそれだけ好調なのも、当然だ。始めた時期が早かったこと。そして9-12歳といういわゆるプレティーン層(preteen, 数詞に’teen’がつく前)の心をつかみ、iPadは持っているがやることがなくて退屈している彼らの目と時間を、やすやすと奪いとった。PewDiePieみたいな人物は、今後どうなるのだろうか? いずれ、メジャーなメディアに買われてしまうのか、それとも逆に、放送や映画の大手たちは、スウェーデン出身のホットドッグの売り子に自分たちのランチを食われてしまったことを、悟るのだろうか?

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どっこいまだ死ななかった!…広告のないソーシャルネットワークElloがiPhoneアプリをローンチ

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Elloをおぼえておられるだろうか? 広告を載せない、を約束しているこのソーシャルネットワークが、明日(米国時間6/18)、iPhoneアプリを出す。ElloのWebサイトのホームページでは、”Coming June 18th”という大きな白抜き文字が点滅している(上図)。

同社は今日(米国時間6/17)、メディアの記者や編集者に(この私にも)謎のような品物を送ってきた。木で作ったパンのようなものと、Tシャツと、iOSアプリの発表声明文が記録されているUSBメモリだ(下図)。

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Elloは2014年の秋に、Facebookに代わるモアベターなSNSとして人気者になった。誰もかれも、招待されて会員になりたいと欲した。同社によると、当時は招待リクエストが毎時3万通以上殺到した。

その後、誰もかれも、Elloのことを忘れた。

協同ファウンダのPaul Budnitzは、声明文の中で、現在のEllo(Web版)のユーザは数百万、と言っているが、ユーザ数の伸び率などの数字は明かされていない。でもこれまで、公益企業として550万ドルの資金を獲得しているから、けっして、短命で終わったわけではない。

Elloはこれまで、その資金を使ってサイトのデザインを一新したり、iOSアプリを作ったり、Androidアプリの準備をしたり、してきた。

でも、‘Facebookに代わる’とうたったわりには、実際の乗り換えはあまり発生していない。今でも、Elloに関する話は主に、Facebook上にポストされている

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[LGBTQのコミュニティサイトにも参加しているが、家族が多いからFacebookはやめられない。]

本誌のTechCrunchのライターJosh Constineは、Facebookに挑戦することはドン・キホーテが風車ではなく厚さがレンガ10億個ぶんの壁と戦うのと同じだ、と言っている。

Facebookから王座を奪おうとトライして失敗したソーシャルネットワークは数多い(Google+もかな?)。高い理想を掲げたElloも、人びとにFacebookを去る動機は与えていない。Facebookの広告がいやなら、それをブロックするソフトがある。

Elloも、ソーシャルネットワークとしての機能は(最初のころはバグもあったが)Facebookなどと同じで、友だちを見つける、人を検索する、リアルタイムのアラート機能、プライベートなメッセージング、プライベートなグループ作り、そしてFacebookのLike(いいね!)に相当するLove。Loveしたポストはストリームにまとめられるから、そのすべてを一望にできる。

Elloのモバイルアプリも広告なしで、アドレスをインポートする機能がある。でも、くどいようだが、全体的な機能もデザインも、そのほかの多くのソーシャルネットワークと大きく変わるものではない。SNSは既成勢力があまりにも巨大だから、一つや二つの差別化要因だけで戦うのは、相当難しい。

〔訳注: Facebookオルタナティブとして本誌上で大きく扱われたDiasporaもまだ生存する。こちらはFacebookの一極集中巨大化に対し、完全な分散化〜分散システムを売りにする。今は、サブシステムが、各ユーザのWebサイトにもぶらさがる形になっているらしい(?)。〕

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Twitter、ビデオおよびGIFの自動再生機能を提供開始

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Twitterが、iOSアプリケーションおよびウェブにて、ビデオやアニメーションGIFを自動再生する機能の提供をを開始した。Android版でも間もなく実装される予定であるとのこと。TwitterにアップロードされたネイティブビデオやVine、あるいはGIFなどは、タイムラインに表示されるようになると同時に再生されるようになるわけだ。Facebookでのビデオ自動再生と同じような機能だといえばわかりやすいだろうか。

この機能はしばらく前から限定的にテストされていたものだ。本日より、すべての利用者にむけて公開されることとなった。Twitterはこの自動再生の機能を「より多くの情報を伝えるための手段」と位置づけているそうだ。もちろん広告プラットフォームとしての価値を高めるための機能拡張であることも明言している。

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TwitterのGlobal Revenue部門のプレジデントであるAdam Bainによると、ビデオ広告に対する課金が発生するのはビデオが100%表示されている場合のみであるとのことだ。上下がカットされたりしておらず、かつ3秒以上再生された場合にのみ課金するような仕組みになっているのだとのこと。広告の「ビュー」を明確に定義することにより、ビデオ広告を出そうとする企業にとって最善のプラットフォームたらんとする発想によるものだとのことだ。

ビデオの自動再生はミュート状態にて行われる。もちろんこれはふさわしい振る舞いであるはずだ。また、自動再生をオフにする機能もある(標準ではオンだ)。再生中のビデオをクリックすればフルスクリーン・ビューとなり、さらに音声も再生されるようになる。またデータ通信量を意識して、Wi-Fi接続時のみオートプレイをオンにするオプションもある。また帯域幅の狭い地域やデータ通信料金が高額な地域の利用者に対しては、これまで同様にクリックして再生する形式が標準として提供されるのだそうだ。

今回の変更についてどのような反応があるのかは興味深いところだ。Facebookがビデオの自動再生をはじめたときには、反対の声もさほどなかった様子。しかしTwitterについては別の反応もあり得るだろう。またフォローしている人の数や、フォロー相手によっては、タイムラインがとても騒々しくなるということはあり得る話だ。そのような中から、予想外な反応が生まれてくることも考えられる。

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MozillaがFirefoxの閲覧履歴を参照する広告事業を展開、プライバシー保護の牙城崩れるか?

非営利の団体であるMozillaが、広告主の企業やブランドとブラウザのユーザとの会話を助ける、と聞くと奇異な感じを受ける。そもそも、それが何らかのユーザサービスになるとは思えない…そんな会話をしたい人なんか、いないだろうし。でも世界では、奇異なことが毎日のように起きている。

Mozillaが今日(米国時間5/21)ローンチした”Suggested Tiles“は、ユーザが新しいタブを開いたときに、広告主に与えられる特別の広告スペースのことだ。そういう広告はまずFirefoxの次のベータに登場するが、多くはMozilla自身の広告になるようだ。ベータを終了したら、一般リリースにも登場する。

でもMozillaは数か月前からスポンサー付きの’Directory Tiles‘をやってるから、その次がSuggested Tilesなのは意外でもない。Directory Tilesは閲覧履歴のない新しいユーザの画面に出るデフォルトのタイルだが、Suggested Tilesは閲覧履歴に基づいて個人化された広告を出す。これまでユーザが訪れたサイトのカテゴリを見て、そのユーザの関心を推察するのだ。そのためのコードの例がここにある。(Engadget.comやFunkySpaceMonkey.comを訪れているとテクノロジに関心あり、とされるが、なぜか本誌TechCrunch.comはだめなようだ)。

Mozillaはユーザのプライバシーを守ることを鉄則としてきた団体だから、今回の広告サービスはそれを曲げるものにはならないのか? Mozilla自身は、広告主に提供するデータには一定の制限がある、と主張してはいるが。

“Suggested Tilesで、ユーザに関連性のある広告やコンテンツのリコメンデーションが可能にはなるが、ユーザは自分のプライバシーを守るために、そのために使われるデータをコントロールできる”、とMozillaのコンテンツサービス担当VP Darren Hermanが書いている
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ユーザの関心を推察するために利用するURLの数や種類が制限されている(少なくとも5つのURLを使用、二つのURLを組み合わせてSuggested Tileをトリガすることはできない)。どのURLを使うかは広告主が決めるが、Mozillaがそれを許可しない場合もある。Mozillaがユーザのプロフィールを作ったり、クッキーを使ったり、そのほかの追跡ツールを使うことはない。ただしユーザが広告をクリックしたら、その企業がそんなツールを使うことはありえる。しかしMozillaは、URLの集合、というデータを利用するだけで、ユーザの個人情報はいっさい利用しない。

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Mozillaによると、この新しい種類の広告によって、広告主はユーザが閲覧を始める前に見込み客にアプローチできる、ということだ。

Mozillaが、ユーザつなぎとめ策として必要ならDRMをサポートする、としぶしぶ決めたように、やはり今回も、しぶしぶの決断だろう。独立の団体としての運営を続けるためにはお金を自分で稼がなければならず、検索パートナーとしてのYahooからだけでなく、ブラウザも収益源にしなければならない。

これをもっとユーザフレンドリな広告事業にすれば、より適切なプライバシー保護ができるのではないか、とも感じる。ただし、今でも、オプトアウトしたければほんの数クリックでそれはできる(右図)。

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Chartbeatが$15.5Mを調達してパブリッシャーを広告の“可視性”の問題から救うツールを発表

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Webのアクセス分析を提供するChartBeatが、この前の資金調達ラウンドで1550万ドルを獲得し、そのお金はパブリッシャーたちが広告ビジネスを改善するためのサービスに使われる、と発表した。

最近Interactive Advertising Bureau(IAB)は、広告が実際に見られていることの定義として、その広告の50%以上が少なくとも1秒間表示されていること、とした。このスタンダードによると、多くのサイトが在庫を失うことになるだろう、とCEOのTony Haileは言う。今回の資金獲得と並行して同社は、もっと動的な広告配置によりパブリッシャーの広告収入を増すためのツールを、二種発表した。

最初のツールは、誰かがページにエンゲージしていることを判定する。誰かがページをスクロールしたり、ページ内を動き回っている状態のことだ。その信号により、人がそのページに注意を払っていること、ひいては広告にエンゲージしていることが分かる。そのページ上の広告が一定時間見られたら次の広告に入れ替えられるから、パブリッシャーがページ上でサーブできる在庫の量が増える。

Haileはこう言う: “広告が一定時間見られていることが分かるから、そのデータは広告主にとっても役に立つ。またパブリッシャーには、どのページにビジターの注視が集まっているかが分かる。これからは、人びとの注視を集めているエンゲージ力の強いサイトが、広告収入でも成功するサイトだ。注視が集まれば集まるほど、より多くの広告をサーブでき、万々歳だ”。

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ChartBeatのもうひとつのツールは、パブリッシャーが、どの見出しがベストかをテストできる見出し(headline, ヘッドライン)最適化ツールだ。ただしそれは、いわゆる”clickbait”(クリックベイト, クリックを誘う餌)のような、きわどい見出しを奨励するものではない。このツールは多くのトラフィックが集まる見出しを良い見出しと見なし、そんなページはユーザのエンゲージメントも高くて、パブリッシャーの広告収入に貢献する、と言えるのだ。

“今では、ページに多くのトラフィックが集まることよりも、集まったトラフィックのエンゲージ率の高いことが重視される”、とHaileは言う。“一つのページのエンゲージメントを15秒以上にすることができたら、広告の可視性も倍になる。しかもそれは、コンテンツの作者や編集者がコントロールできる。IABの新しい定義が普及すれば、広告の価値はクリック数ではなくエンゲージメントで決まることになる”。

今回の資金調達でChartbeatの調達総額は、3100万ドルになった。

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Baiduが日本向けの検索をひっそりと終了、ただしSimejiや広告事業などは継続

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すでに複数のメディアで報じられているとおり、百度が日本での検索エンジンの提供を終了した。ネット上ではほとんど話題になっていなかったような気もするが、同社の広報を代行しているPR会社経由で確認したところ3月の時点でサービスを終了しているとのこと。現在「www.baidu.jp」にアクセスすると、百度のコーポレートページが表示される。

ただし、百度自体が日本を撤退する訳ではない。昨年物議を醸した日本語IMEの「Simeji」は、3月にiOS向けの有料アプリ「Simeji Pro」を提供。4月にはAndroid向けに月額240円のプレミアム機能の提供を開始したばかり。

また、訪日中国人旅行者の誘致に向けた広告の取り扱いや国内で利用できるSIMカードの提供など、インバウンド需要にまつわる各種サービスを展開しており、こちらに関しては継続していくとのこと。

VOYAGE GROUPが専業SSP「Kauli」を14.8億円で子会社化

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VOYAGE GROUPは22日、媒体社の広告収益最大化を支援するSSP事業を手がけるKauliの全株式を取得し、14億8100万円で子会社化することを明らかにした。両社のSSPとしての年間配信インプレッション(imp)数を合計すると月間400億impとなり、日本最大級の規模となるという。

Kauliは2009年2月に創業。翌2010年9月、日本初となるSSP「Kauli」をスタートした。VOYAGE GROUPによれば、Kauliの月間imp数は約150億に上る。2015年1月期の売上高は6億6900万円、営業利益は6300万円。

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VOYAGE GROUPは2010年にSSP「Fluct」を開始。現在は6500以上の媒体が導入し、月間imp数は250億。両社を合計すると400億impを超えるという。Kauliを子会社化した理由については、以下の3つの狙いがあると説明する。

1)SSPとしての配信imp数の拡大
2)Fluctの広告配信アルゴリズムの見直しによる配信単価の向上
3)Kauliの媒体社への配信単価の向上

1)については前述のとおりだが、2)に関してはデータマイニングに強みを持つKauliのノウハウを生かすようだ。3)としては、媒体特性に合わせたサイトの改善提案に強みを持つVOYAGE GROUPのノウハウをKauliに還元するそうだ。「国内SSP市場における売上シェアで圧倒的ナンバーワンを目指す」(VOYAGE GROUP)。

アイスタイルとエキサイト、インキュベイトの3社、女性特化のスマホ動画広告事業に向け新会社

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僕は今B Dash Venturesが主催する招待制イベント「B Dash Camp」に参加しているのだが、初日の4月9日に最も盛り上がったセッションは動画に関するモノだった。最近では動画コミュニティのMixChannelや動画広告のFIVEの話を聞いたばかりだ。「スマートデバイス向け動画が来る」なんてのは数年前から言われていたが、やっと本格化してきたと感じる。

そんな中、アイスタイル、エキサイト、インキュベイトファンドの3社が4月10日、スマートデバイス向け動画広告の新会社「OPEN8(オープンエイト)」を設立した。代表取締役には、アイスタイル取締役兼COOの高松雄康氏が就任する。

事業展開の第1弾として、@cosmeやWoman.exciteをはじめとした女性向け有力メディアを中心とする、「女性ユーザー特化」のスマートフォン動画広告ネットワーク「VIDEO TAP」を展開する。今後は第2弾として、インキュベイトファンドとともにゲームアプリ市場向けにもサービスを展開する予定だ。

B Dash Campの会場で高松氏と、アイスタイル取締役兼CFOの菅原敬氏に少し話を聞くことができたのだが、スマートデバイス向けの広告ニーズが顕在化している一方、広告単価はまだまだ安いため、高単価で売れるサービスが求められていることから企画されたものだそう。

アドネットワークの月間ユニークユーザーは3000万人、女性比率96%以上。年齢は20代~40 代が94%となる。RTB型ではなくリザベーション型の広告で、再生回数保証。金額は300万Viewで600万円となる。

広告は、再生時に画面を大きく占有し、再生が終了すると小さなバナーに変形するというモノ。以下の動画で確認頂いた方が早いと思う。

高松氏は「テレビCMの代替となるサービスを考えている」と語っていたのだけれど、ハイファッションなどのブランドは、今あるRTB型のアドネットワークへの出稿に否定的なのだそう。VIDEO TAPはメディアを女性特化かつプレミアムなものに限定することで、配信先のターゲットを明確化することで、ブランド広告の出稿を促す。

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左からアイスタイル取締役兼COOの高松雄康氏、アイスタイル取締役兼CFOの菅原敬氏

「女子中高生の2人に1人が使っている」動画共有サービスMixChannelがマネタイズ開始

先日ご紹介したスマートフォンアプリ向けの動画広告プラットフォーム「FIVE」。ユーザーの操作で動画広告を表示・非表示できる作りはすごかったのだけれども、今回紹介するのはその記事で少しだけ触れたDonutsの10秒動画共有サービス「MixChannel」での動画広告の話だ。Dountsでは、「MixChannel プレミアム動画広告 powered by FIVE」の名称でMixChannel上で動画広告を展開。マネタイズを本格化させる。

MAUは380万人、月間再生回数は5億回に

MixChannelは2013年12月のスタート。サービスを担当する福山誠氏は、ランチを軸にしたマッチングサービス「ソーシャルランチ」を手がけるシンクランチを上村康太氏(現在はグロービス・キャピタル・パートナーズのベンチャーキャピタリスト。福山氏と上村氏はもともとグーグルで一緒に働いていた)とともに創業。同社のM&Aにより2012年12月にDonutsに参画した。

「Instagramが注目を集めた2011年くらいから、『画像の次は動画だろう』と思っていたし、周囲でも『(動画ブームが)来るぞ来るぞ』と言われていて数年経った。だが2013年にVineが登場して短い尺で、オートプレイで動画を(無理矢理にでも)見せる、というサービスが登場した。それがある種の革命になったのだと思う。それで日本らしい動画サービスの開発を考えた」(福山氏)

さてそんなMixChannel、僕のような30代の人間なんかが知らないうちにぐんぐん成長。現在はMAU(月間アクティブユーザー)380万人、月間の動画再生回数は5億回。

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ユーザー属性を見ると10代が9割、男女比では女性は約8割という、とくに女子中高生に特化した大きなサービスになった。その仕掛け作りには、10代に人気の読者モデルに利用を促すような施策もしていたと聞くが、何より大事にしたのは「コミュニティ的な運用」だそうだ。

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「はじめから面白い動画があったわけでもないし、カップル動画(MixChannelで人気なのは、カップル動画とおもしろ動画だそう)をいきなりみんながアップする訳ではない。そこはコンテストを開催したり、象徴的なユーザーをプッシュしたりして、じわじわと女子高生の話題になるようなモノを集めてきた。スーパースターの投稿者がいるんじゃなくて、同世代の『可愛い』とか『面白い』が集まっている」(福山氏)

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今後の課題はアクティブ率や外部連携

MAUで380万人を達成しているが、同社の資料を見る限りその成長は鈍化しているようにも見える。だが福山氏は、「すでに10代の女子中高生をある程度カバーするようになった結果」だと語る。統計などを見ると年齢ごとの人口は10代で大体120万人前後。ユーザーの中心となる13 〜18歳の女性に限定すればざっくり360万人という規模になる。

福山氏によるとスマートフォンアプリだけのMAUでも150万人ということで、きわめてざっくりした計算にはなるが、「女子中高生の2人に1人が使っている」(福山氏)と言える状況だ。「一定のクラスタにリーチできるサービスにはなった。今後はどうアクティブ率を上げていくか、そしてどう外部のサービスと繋いでいくかを考える」(福山氏)

プレミアム動画広告とインフィード広告でマネタイズ

今回開始した動画広告は、MixChannelのトップ画面最上部に表示される。金額はグロスで250万円、100万再生(iOSとAndroidに配信。OS別配信には対応しない)となっている。実は3月にもリクルートグループが試験的に広告を導入しているそうで、「数字は申し上げられないが、いい結果を出している」(福山氏)という。今後はインフィード広告なども導入し、さらなる収益化を図るとしている。

BuzzFeed CEO曰く「リンクのシェアは時代遅れ。コンテンツを流せばチャンスが広がる」

「パブリッシャーの多くは、バナー広告を使って閲覧者をサイトに誘導しようとしています。しかしそうした方法はソーシャルメディアの利点を十分に活用したものとは言えません」と話したのはBuzzFeedのCEOであるJonah Perettiだ。「ソーシャルメディアには、情報へのリンクではなくコンテンツそのものを流すべきなのです」とのこと。

Perettiが、SXSWに集まった大聴衆の前で行った公演だ。BuzzFeedがいかにして全世界規模に広がり、月間のユニークビューが2億を超え、そして900名以上の従業員を抱えるまでに成長したかを話していた。

話の中心となったのはBuzzFeedの情報共有戦略についてだった。

Perettiは、ソーシャルネットワーク上にリンクではなく、コンテンツ自体を流すことの重要性をデータで示した。たとえばTwitter経由で獲得するリファラルのトラフィック(月間)は1250万で、Pinterestからは6000万、そしてFacebookからは3億4900万を獲得しているのだそうだ。

リファラルによるトラフィックはさほど大きくはない…

しかし、Perettiの言葉を借りるなら、リンク情報を流して集客を期待するのは「すでに時代遅れ」のものであるとのこと。「リファラルによるトラフィックは、コンテンツ閲覧者に比べると非常に小さな数字となっています」と言っている。確かに、インプレッション数を見るとTwitter上で8億4700万、Pinterestで60億、そしてさらにFacebookでは113億という数字になっているのだ。

BuzzFeedサイト外でのリーチの数字がとても大きいものになっている。

「コンテンツを外部に流すことにより、当然ながらより多くの人にリーチするようになるわけです」とPerettiは述べる。但し、それが可能になっているのは、BuzzFeedの収益モデルによるところも大きい。しかし確かに「BuzzFeed型」を目指すビジネスが増えているようだ。

BuzzFeedは通常記事と同じ体裁を採った「ネイティブ広告」を収益源としている。であるからこそ、その記事を配信することがそのまま利益に繋がるわけだ。自らのサイトに集客し、ページビューを稼ぐ必要もないわけだ。人々の好みの情報を探し出し、そしてそれに基づいたスポンサード・コンテンツを作り出す。そしてそれをできるだけ多くの人に見てもらえば良いわけだ。

ネイティブ広告による収益モデルを確立すれば、閲覧者のクリック数をあげるような努力も無用となる。ソーシャルネットワークを活用して読者数を増やし、そして面白いコンテンツを作ることが求められるようになるわけだ。

そのようなモデルで重要となってくるのが、コンテンツの拡散具合となる。そこでBuzzFeedが注目しているのは、拡散(シェア)時のモチベーションだ。

コンテンツをシェアする際に付される文言を、BuzzFeedでは「Share Statement」(試訳:共有見出し)と呼んでいるそうだ。記事などをシェアする際に、自分で付加する文章のことだ。Peretti曰く、「Share Statement」は記事のもともとの見出しなどよりも重視すべきものだとのこと。この「Share Statement」の分析により、利用者が「なぜ」(なにを、ではなく)コンテンツをシェアしたのかを理解することができるからだ。

この「Share Statement」の分析により、BuzzFeedでは利用者が求めるコンテンツを把握しているのだそうだ。媒体を売っているのではなく、日々向上している「コンテンツ製作能力」をサービスとして提供するのが、BuzzFeedの本質であるとのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


厳選 リマーケティングで嫌われない3つの方法

自社イメージの悪化を懸念し、配信に二の足を踏んでいる人もいるほどネガティブなイメージをもたれやすい「リマーケティング広告」。巷ではストーカー広告と呼ぶ人もいるそうです。 Web担当者やリスティング運用者にとって、これは頭 […]

Facebook、Topic Dataを発表―匿名化した全投稿に基づくマーケティング・データは宝の山

Twitterの全ツイートのフィードであるFirehoseはマーケティングの改善に務める企業にとって金鉱のように貴重なデータを提供してきた。今や、Facebookもプラバシーの安全を保った上で同種の宝の山を提供しようとしている。

今日(米国時間3/10)、FacebookはTopic Dataと呼ばれる新しいマーケティング情報をアメリカとイギリスで提供開始すると発表した。このサービスはブランド・アナリティクス分野のリーダー、DataSiftとの提携によって実現した。

Facebookによれば、「Topic Dataはイベント、ブランド、各種テーマ・活動などに関してFacebookのユーザーがどのように考えているかをマーケッターに伝える」もので、たとえば、「ヘアー・トリートメントを販売している企業は湿度が髪に与える影響について語っている人々の人口動態的情報を得ることができる」という。

近況に「空気が乾いて髪がちりちりになって困っている」という投稿が多い日はヘアートリートメントの広告表示を増加させるのに適しているというわけだ。ブランドは指定した主題に関する好悪、是非などの感情、場所、言及数、関連して頻繁に用いられるキーワードなどの情報を得られる。

ツイートが原則公開のTwitterとは異なり、Facebookのデータは原則プライベートなので、Topic Dataはプライバシーを保護することが最優先となる。ブランドからの要望が非常に強かったにもかかわらず、Facebookがマーケティング情報の提供開始がこれほど遅れた理由はプライバシー保護に関する懸念が大きかったためだろう。Topic Dataでは個人情報の漏洩を防ぐ匿名化処理が施されているため、ブランドは誰がその意見を述べたかを知ることはできないようになっている。私がFacebookに取材したところ、「住所など個人情報の特定につながるおそれのある検索は禁止されている。またある検索条件に該当するユーザーが100人以上発見されない場合は検索結果は表示されない」という。.

そうではあっても、友達とのプライベートな会話が広告主のターゲティングを改善するために販売されるというのは一部のユーザーを不快にさせるだろう。Topic Dataからのオプトアウトは提供されない。Topic Dataに使われるのが嫌なら公開範囲を「自分だけ」にするか、そもそも投稿しないかのいずれかしかない。

ただしTopic Dataはブランドによるモニター・ツールではない。上に述べたようにデータはすべて匿名化されているので、自社のプロダクトについて語ったユーザーに対してブランドがコメントするというような使い方はできない。

Facebookのプロダクト・マネージャー、Matt Idemaは私の取材に対して「ブランドはこのツールを用いて『共有されているプロダクト、われわれのブランドに対する人々の意見、全体のトレンド』というような具体的な質問をするべきだ」と語った。

当面Topic Dataを利用できるのはData Siftのパートナーであり、かつFacebookに承認されたデータ・アナリティクス・サービスに限られる。ブランドはそれらのアナリティクス・サービスを通じて検索項目をDataSiftに提出するとDataSiftがFacebookのFirehoseデータを検索し、匿名化した上で分析結果をブランドに返すという仕組みだ。データは数値だけでなく、要約、グラフ、他のアナリティクス・ツールによる分析なども提供される。

Facebookは次のようなTopic Dataの利用ケースを挙げている。

  • ファッション系リテラーが在庫の種類と量を決定するためにターゲットとなるユーザー層の反応を分析する
  • ブランドに対するユーザーの認知度、感情を測定する

マーケッターはTopic Dataの結果を直接広告ターゲティングに利用できるわけではないが、広告を表示することが有効である可能性の高いデモグラフィックを特定するのに役立つだろう。またFacebookとしては、ブランドが単に広告出稿に役立てるのにとどまらず、消費者が何を望んでいるかを知り、そうしたプロダクトを開発するというような積極的な利用を期待している。

数年前にTwitterがFirehoseの提供に踏み切ったとき、そのデータ解析のための新たな一大エコシステムが形成されることとなった。これにはAdobe Social、 Brandwatch、Crimson Hexagon、Socialmetrix、それにDataSifts自身などが含まれる。ちなみにData SiftはTwitter Firehose全データの再販売を許可された2社のうちの1社だ。FacebookはDataSiftを通じて、サードパーティーにFacebook版Firehoseデータを分析するツールを限定的に提供していくものとみられる。

現在Topic Dataがカバーするのはアメリカとイギリスのみだが、将来は国際的に展開される計画だ。

Data Siftの優れたテクノロジーと多数のブランドとの緊密な関係を利用してこの分野への急速な参入を図るために、驚いたことにFacebookは同社に宝の山を開く鍵を無料で与えた。当面、DataSiftはサードパーティーのアナリティクス・サービスから処理料金を徴収し、サードパーティーのサービスはこれにマージンを上乗せしてブランドに料金を請求するというビジネス・モデルになるようだ。

もしブランドがTopic Dataの情報を有用なものと認めれば、Facebookへの広告出稿量が増えるだろう。 これまでFacebookは広告に関しては内部情報の分からないブラックボックスだった。マーケッターはFacebook内でユーザーがブランドについてどう反応しているか知るすべがなかった。DataSiftとTopic Dataのおかげで、ひとつの覗き窓が設けられたといえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、ゲームデベロッパー向けの新しいアナリティクス、広告ツールを発表

今日(米国時間3/3)、GoogleはAndroidのゲーム・デベロッパー向けの新しいツールをいくつか 発表した。 これにはプレイヤーのゲーム中の行動を詳しくモニターできる新しいアナリティクス・ツールが含まれている。またAdMobプラットフォームを利用した新しい収益化手段も提供された。同時に最近生まれたGoogle版スマートテレビのAndroid TVにゲーム用のNearby Connections APIをリリースした。

アナリティクス・ツールはPlayer Analyticsと呼ばれ、数週間以内に公開される。この新しいツールはユーザーのプレイ時間やchurn rate(有料サービスの解約率)などを追跡することができる。またユーザー当たり平均売上やセッション数を計算する機能もある。Googleによれば、人気ミニゲームのBombSquadはこのツールをテストし、収集したデータを用いて売上のユーザー単価を倍増させることに成功したという。もっとも、Googleが売上の増加に失敗した例をPRに使うはずはないが。

ゲームのマネタイズに関しては、 Googleはネイティブ広告、ハウス広告に加えてaudience builderというツールを発表した。メディアの世界でもネーティブ広告が次第に普及してきたが、Googleはこれをゲーム市場にも応用しようと考えている。こうした新しいフォーマットの広告はゲームのビジュアルにマッチするようデザインされる。つまりプレイヤーは一見しただけでは広告と気づかない(これがネイティブ広告の大きなメリット。われわれは長年培われた習慣で広告と分かれば自動的に無視してしまう)。ネイティブ広告は現在ベータテスト中だ。

次のハウス広告はデベロッパーがゲーム中でアプリ内購入を促す広告だ。アプリ内購入に関して有望なユーザーをAdMobが選別する。デベロッパーはこの情報に基いてカスタマイズされたアプリ内有料アイテムの広告を表示する。ハウス広告もベータテスト中だが、数週間以内に全てのAdMobユーザーに公開される予定だ。

最後の新機能はAudience Builderと呼ばれ、ゲームの新たなユーザーを発見するツールだ。Googleによれば、「AdMobがプレイヤーの行動を分析し、デベロッパーに潜在的顧客のリストを作成する」のだという。 デベロッパーはこの情報に基いて別のゲームをこうしたユーザー向けにカスタマイズし、プロモーションを行うことができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A href=


Google、Facebook利用のアプリ・マーケティング・ツールのスタートアップ、Toroを買収

デベロッパーがFacebook上でアプリをプロモーションするのを助けるツールを提供しているスタートアップのToroが、Googleに買収されたことを発表した

Toroの共同ファウンダーはAmitt Mahajan、Joel Poloneyで、当初はRed Hot Labsという社名だった。2人はToro以前にMyMiniLifeというFarmVille(後にZyngaが買収)の原型となったゲームを開発している。

昨年秋にわれわれがMahajanとPoloneyにインタビューしたとき、彼らはモバイル・アプリのデベロッパーがFacebook広告でプロモーションを行うことを助けるツールの開発に取り組んでいることを明かした。このツールは何百種類もの広告を自動的に作成し、テストすることによって誰でも簡単に効果的なキャンペーンができるようになる。

今回のプレスリリースでToroは「Googleに加わることでわれわれのチームはさらに大きなリソースと流通チャンネルへのアクセスが可能になる。われわれは引き続きデベロッパーの役に立つツールを作るという使命に取り組んでいく」と書いている。

ToroがGoogleに加わったということは、開発の中心がFacebookから離れるということを意味するのだろうか? そのようだ。Toroは既存の広告キャンペーンについては引き続きサポートしていくとしたものの、新たなキャンペーンについては受付を中止したという。

買収金額などの詳細は明かされていない。ToroはこれまでにAndreessen Horowitz、Greylock Partners、SV Angel、General Catalyst、Keith Rabois、Chris Dixon、Bill Tai、それにGuitar Heroの共同考案者Charles HuangとKai Huangらの投資家から150万ドル調達している

私はGoogleにこの情報の確認を求めるメールを送っておいた。

アップデート:Googleの広報担当者は「ToroはGoogleのモバイル広告チームに参加する」と確認してきた。

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アドテクのFringe81がアイスタイルやドコモから4.2億円調達-元楽天の尾原氏も参画

左からFringe81代表取締役の田中弦氏、執行役員の尾原和啓氏、取締役の松島稔氏

Fringe81は2月20日、アイスタイルキャピタル、NTTドコモ・ベンチャーズ、グリー、電通デジタル・ホールディングス、TBSイノベーション・パートナーズ合同会社を割当先とした総額4億2千万円の第三者割当増資を実施すると明らかにした。

同社は今回の資金調達をもとに、人材の採用や育成、研究開発を進めるという。引き受け先にはコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や事業会社も含まれるが、今後は事業・業務上の関係をより深化させるとしている。

Fringe81は「RSS広告社」として2005年にスタート。日本初となるRSS広告の配信を手がけてきた。2010年に社名をFringe81に変更して、RSS広告に加えて、第三者配信サーバの「digitalice」など、アドテク領域で複数の自社プロダクトを展開してきた。代表取締役社長の田中弦氏によると、金額は非公開ながら売上高は2期連続で1.7倍(毎期)のペースで増加している状況だという。

好調な業績のようにも聞こえるが、田中氏は「今までは広告主サイドの商品を作ってきたが、今後はサプライサイドのためのビジネスもやっていかないといけない」と説明。4月末をめどにリッチメディアに関する2つのプロダクトを提供する予定だという。「ニュースであっても、コミュニティであっても、メディアはもっと出てくる。そしてその人たちが一番困るのはマネタイズだ。そこをしっかりサポートする会社だとうたっていく」(田中氏)

元楽天の尾原和啓氏が執行役員に

2月5日には、「ITビジネスの原理」の著者である尾原和啓氏が同社の執行役員に就任している。尾原氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーをはじめ、リクルートやGoogle、楽天などこれまで11社でコンサルティングから事業の企画や投資、買収などを手がけてきた人物。かつては田中氏が起業する以前、上司としてともに仕事をした経験があるそうだ。

「思いとしては、いいものが価値を認められて、世界が広がり、報酬がもらえるという世界を作りたい。日本と米国ではまだ広告単価に2〜3倍の差があるのでメディアであれば、いい記事を書いても、(米国ほど)収入が得られない。だが今アドテクは円熟期に入ってきている。不幸なことに日本ではゲームの市場が大きくなりすぎて、米国にあるようなブランド広告が(オンラインに)入らなかったが、それを日本的に丁寧に育てていき、日米の単価差を埋めていく」(尾原氏)


モバイルビデオ広告がブレーク寸前であるこれだけの理由

編集部: 筆者のYoni Argamanはモバイル広告ネットワーク企業、Inneractiveのマーケティングとビジネス戦略担当副社長。

モバイルビデオ広告は数年前から着実に成長を続けてきた。しかしここにきて、昨年いっぱい続いた「次はモバイルビデオだ」という大騒ぎに見合う実態を備えつつある。 2014年のアメリカのモバイルビデオ広告は2013年の7億2000万ドルから$15億ドルへと2倍以上に成長した。2018年には60億ドルに達し、オンラインビデオ広告市場の半分を占めるものと予想されれている。

この成長の原因は、まず第一には4G接続の普及、デバイスの高性能化、スクリーサイズの拡大などによるモバイルビデオ全体の視聴量の増大にある。さらにユーザーのモバイルビデオの視聴の仕方の変化も見落とせない。2014年にはモバイル・ユーザーがアプリケーションを利用する率が全利用時間の86%にも上った。

アプリ内ビデオ広告はユーザーに視聴される率が高い上に、ユーザーに関するデータも豊富なのでウェブビデオ広告に比べて高価値だ。もうひとつの売上増大の要因は、ユーザーがスマートフォンよりタブレットでビデオを見る時間が長いという傾向だ。タブレット向けモバイルビデオ広告はスマートフォン向けに比べて30-50%単価が高い。

またビデオコンテンツの制作と流通の低価格化、民主化という要因も関与している。私が最近関心したプロ級の品質で制作された美しいビデオのいくつかはスマートフォンのカメラで撮影されたものだった。才能ある個人はYouTubeなどの大規模で一般的なビデオサービスを離れてニッチな独自のハブに移りつつある。ビデオのモバイル共有は即時でありバイラル効果も強力だ。

こうした要因が合わさって潜在的なモバイルビデオ広告の素材は急拡大している。もちろん現在はまだユーザー制作のビデオは広告として売れるレベルに届いておらず、あくまで「潜在的」だ。現在のビデオ広告の出稿者は主として大規模なブランドであり、このような広告主は最高品質のプレミアム・ビデオを望む傾向が強い。

アマチュア、セミプロのビデオグラファーのためのMaker Studios(Disneyが買収)やインディー映画製作者のためのFullscreenなどのコミュニティーは高品質なビデオをブランドが発見して広告に利用することを助ける。こうしたネットワークはYouTubeとは異なる世界を作り、モバイルビデオの世界で大きくシェアを広げつつある。また、最近注目されているVesselのように、スマートフォンとタブレットに対象を特化したビデオプラットフォームも現れてきた。

Yahoo、AOLなどの大規模な老舗のパブリッシャーもこの変化を理解し、コンテンツの製作、サードパーティーとの提携、シンジケーション・チャンネルの拡大(YahooはBrightrollを買収)、インフラ整備(AOLはAdap.TVを買収FacebookはLiveRaiを買収、RTLはSpotXchangeに出資)に多大なリソースを投じている。ただしこうした大型サービスのの場合、主にモバイル・ウェブへのシフトとなっており、アプリの存在は比較的小さなものとなっている。

ユーザーのアテンションが有限である以上、モバイルにおけるパブリッシャー間の生き残り競争は熾烈化する。そこでモバイルビデオ視聴体験の改良が重要な課題となってくいる。モバイルに特化したコンテンツと視聴環境の整備に加えて、大規模パブリッシャーならではの膨大なユーザーデータに基づく的確な広告ターゲティングが実施できれば売上の急成長が期待できるだろう。

モバイルアプリ化ではFacebookとTwitterが大きくリードしている。この両者はネーティブ・アプリのユーザー体験を高め、アプリ内ディスプレイ広告のマネタイゼーションに成功している。次の一歩がモバイルビデオ広告になるのは明らかだ。SnapchatとTangoも大量のビデオコンテンツを生成しているが、クリエーティブでおおむねユーザーフレンドリーなやり方で収益化を図っている。【中略】

最後にモバイルビデオ広告の流通チャンネルについて検討しておこう。オンラインビデオ広告は現在でも主として直接チャンネルで販売されている。これはパブリッシャー側が高いCPM料率を確保できるプレミアム広告を得ようとするためだ。

最大クラスのブランドと広告代理点は提携してビデオエクスチェンジ・サービスの育成に取り組んでいるが、こうしたビデオ広告のマーケットプレイスはまだトップクラスのチャンネルとは考えられていない。パブリッシャーは、こうしたビデオ広告市場ではリアルタイムの競り(Real-Time Bidding )によって料金が競り下げられ、値崩れを起こすることを嫌っている。モバイルビデオでも事情は変わらないので、ビデオエクスチェンジ・サービスがプレミアムビデオ広告の世界に入ることは依然として困難なようだ。

今年もこの状況は続くだろうが、変化の兆しはある。プライベート・マーケットプレイス(現在のオープンなマーケットプレイスに比べて参加者を限定することでプレミアム対応を図る)の試みが行われている。これによってパブリッシャーがビデオを含むプレミアム広告枠をマーケットプレイスを通じて販売するようになるかもしれない。モバイルビデオ広告がオンライン広告のメインストリームとなるためにはぜひとも必要な転換だ。

プレミアム広告ビデオ枠の増大、高い料率、パブリッシャー、広告主双方にとって明確なKPI、 アルゴリズム化された効率的な広告マーケットプレイスの普及などの要因が合わさって近くモバイルビデオ広告を次の段階に押し上げることだろう。

画像:mickyso/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Twitter、テレビ見ながらつぶやく人向けの広告を日本で正式スタート

Twitterでは日々、テレビに関する会話が盛んだ。つぶやきながらテレビをセカンドスクリーン視聴するユーザーに向けてTwitterが2月4日、日本で「テレビターゲティング」広告を正式スタートした。つぶやきをマッピングするTwitter独自の技術を利用し、テレビ番組に関心を持つユーザーのタイムラインに、広告主のツイートを流す「プロモツイート」を配信するサービスだ。

Twitterは2014年4月にベータテストを開始。その間は番組のターゲティングのみが可能だったが、正式サービス開始に伴い、新たにチャンネルとジャンルを特定してプロモツイートを流せるようになった。

これにより、例えばキー局やNHKの特定チャンネルで放送されている番組についてツイートする人にリーチしたり、ドラマやバラエティといった特定ジャンルの番組に興味を持つユーザーにリーチできる。実際に、フリマアプリの「フリル」は女性に人気のドラマをターゲティングし、自社アプリを訴求した事例がある。

マクロミルが2014年5月に実施した調査によれば、テレビ視聴者の5人に4人が、Twitterを使いながらテレビを見たことがあると回答。このうち、75%はテレビ番組に関してツイートしたことがあるのだとか。ちなみに、昨年末に放映された「NHK紅白歌合戦」に関するつぶやきは、486万ツイートを記録したのだという。


2015年スーパーボウル、ソーシャルで最も注目された広告はP&Gの#LikeAGirl

Patriots vs. Seahawksで行われた2015年のスーパーボウルも幕を閉じた。そしてスーパーボウル中継中に流されたCMについての評価もまとまりつつあるようだ。CM業界でも大人気のスーパーボウル時間枠は膨大な数の視聴者の視線を集め、広告主にも最高度の注目が集まることとなる。こうした中Adobeは、スーパーボウル広告についての「ソーシャルバズ」効果を測定し、Facebook、Twitter、Tumblr、Instagramなどといったソーシャルサイトで最も人気を集めた広告を発表した。

Adobeは自社で運営するマーケティングクラウド・ソリューションであるAdobe Socialを使い、Twitter、Instagram、Facebook、YouTube、Tumblr、Flickr、Reddit、Foursquare、Google+、Wordpress、VK、Disqus、Metacafe、Dailymotionなどにあらわれた400万ものメンションを分析してベスト10の選定を行なっている。

選定にあたってはメンション数、他の日と比較したスーパーボウル当日の盛り上がり方、言及者のセンチメント、広告の効率性(spend efficiency)、および世界的に見たリーチ率などが考慮に入れられている。

そうした選考基準に基づいて上位となったのが以下のものだ(記事下にベスト10リストを掲載している)。中でもProctor & Gambleの「#LikeAGirl」がトップになった。メンション数は40万を超え、さらにセンチメントの評価でも高いスコアを獲得した。Adobeの発表によれば、メンションの84%が賛意ないし興味を示すものであったとのこと。

広告は既に見た人も多いかもしれないが、女性の社会的地位の向上(エンパワーメント)を狙ったものだ。「#LikeAGirl」(女の子らしく)という表現をばかにした意味でなく、より賞賛の意味を込めたものにしようと狙っている。思春期のうちに失われてしまい、二度と取り戻されることがなくなってしまうことの多い「女の子の誇り」をきちんと考えてみようと世に問うているわけだ。

形式的な面をみても、確かにこの広告はソーシャルメディアで高く評価されやすい要素を持つということができるだろう。タイトルからしてハッシュタグであるし、「#LikeAGirlという言葉の意味を“素晴らしい”という意味にしよう」(Let’s make #LikeAGirl mean amazing things)というのも、わかりやすい表現だ。

もちろん、女性を商品の飾りとして扱うCMが多い中、Proctor & GambleのCMは内容的にも「進化」であると評価することができるように思う。

ちなみに世界規模での広まりという意味では日産のCMがナンバーワンであるようだ。このCMに関するバズの55%以上が米国以外のものであるとのこと。さらに、他の日との比較で最も伸びているのは「Avocados of Mexico」となったようだ。通常の日と比べて3,000%の増加となったらしい。

ところでAdobeは、今年のスーパーボウル広告をまとめて「父親の年」としている。なるほど、トップ10のうち3つが、父親に関するものとなっている。

トップ10リストを以下に掲載しておこう。

1. #LikeAGirl
2. Avocados from Mexico
3. Dove Men Care
4. eSurance
5. Clash of Clans
6. Squarespace
7. Nissan
8. Toyota
9. Loctite
10. Anheuser Busch (Budweiser and Budlight)

広告も見てみたいという人のために、下にすべて掲載しておこう。

1. P&G’s (Always) “#LikeAGirl”

2. Avocados from Mexico

3. Dove Men Care

4. eSurance

5. Clash of Clans

6. Squarespace

7. Nissan

8. Toyota

9. Locite

10. Anheuser Busch (Budweiser and Budlight)

原文へ

(翻訳:Maeda, H


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