【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

いよいよ発売となりますApple新iPad Pro 2021年モデルに少し早く触れる機会がありましたので、動画も交え、実機の細部を一緒にチェックしていけましたらと思います。

新しいiPad Proは、これまで同様11インチ(第3世代)/12.9インチ(第5世代)の2サイズあり、それぞれシルバー/スペースグレイの2色、Wi-Fiモデル/セルラーモデルが用意されています。価格は11インチが9万4800円〜、12.9インチモデルは12万9800円〜となっています。

本稿で紹介するのは12.9インチ、シルバーのセルラー(5G)・メモリー1TBモデルで、価格は23万1800円(税込)

本稿で紹介するのは12.9インチ、シルバーのセルラー(5G)・メモリー1TBモデルで、価格は23万1800円(税込)

パッと見は2020年発売の第4世代とさほど変わりませんが……

パッと見は2020年発売の第4世代とさほど変わりませんが……

セルラーモデルはついに5G対応。引き続きeSIMもサポートしますので、キャリアだけでなくMVNOの豊富なプランから選択できるわけですね

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最新Macと同じM1チップを搭載

AppleのM1チップを搭載し、2020年ProのA12Z Bionicと比較しパフォーマンスは約2倍、グラフィック性能は40%向上しています。2020年10月に発売されたiPad Air(第4世代)はA14 Bionicを搭載し、一部ベンチマークテストでiPad Proを超えることで話題となりましたが、M1チップの搭載で首位奪還です。

Geekbench 5によるテスト結果(平均値ではありません)

Geekbench 5によるテスト結果(平均値ではありません)

内蔵ストレージの容量は128GB、256GB、256GB、512GB、1TB。それに加え、今回は2TBのモデルも用意されます。価格は跳ね上がりますが、1TB・2TBモデルはRAM(メモリー)がほかのモデルの2倍となる16GBに。

私のような仕事(記者)で、16GBのRAM(メモリー)をフル活用するシーンがなかなか思い浮かばないのですが、解像度の高い動画を何本も編集したり、レイヤーを何重にも重ねて作業したりするプロ・クリエイターの方にとって、上位モデルはより魅力的となったのではないでしょうか

私のような仕事(記者)で、16GBのRAM(メモリー)をフル活用するシーンがなかなか思い浮かばないのですが、解像度の高い動画を何本も編集したり、レイヤーを何重にも重ねて作業したりするプロ・クリエイターの方にとって、上位モデルはより魅力的となったのではないでしょうか

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60万円相当の画質

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん
12.9インチのモデルは、Liquid Retina XDRディスプレイ(ミニLED)を搭載しています。すごく簡単に言うと、液晶と有機ELの「いいとこ取り」をしたモノです。ピーク輝度は1600ニト、100万対1のコントラスト比となっており、60万円近くするAppleのPro Display XDR(32インチ)とほぼ同じクオリティーで映像を楽しんだり、実物に近い色味で写真や動画の編集作業が行なえたりします。

Liquid Retinaディスプレイを液晶を搭載した前モデル(右)と並べると、黒の部分とその周囲がよりハッキリ出ているのがわかります。肉眼だと部屋を暗くしなくてもわかるくらい結構違っています

Liquid Retinaディスプレイを液晶を搭載した前モデル(右)と並べると、黒の部分とその周囲がよりハッキリ出ているのがわかります。肉眼だと部屋を暗くしなくてもわかるくらい結構違っています

繰り返しになりますが、このLiquid Retina XDRディスプレイを搭載するのは、大きいほうの12.9インチモデルのみ。ミニLEDを採用したことで、12.9インチは従来より0.5ミリほど本体の厚みが増しています(左が新モデル)

繰り返しになりますが、このLiquid Retina XDRディスプレイを搭載するのは、大きいほうの12.9インチモデルのみ。ミニLEDを採用したことで、12.9インチは従来より0.5ミリほど本体の厚みが増しています(左が新モデル)

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なお、厚みが増したことで、12.9インチ用の純正キーボード・カバー類に関しては、第3世代のものは非対応となっています(第4世代のものは第3世代にも対応)。

……のはずですが、第3世代用Magic Keyboardを第4世代で試したところ、問題なく使えてしまいました。カバーもちゃんと閉まります。経年劣化で緩んでいた可能性もありますし、Appleが非対応としているのですから、お高いですが本体を買い替えた方は、一緒に新バージョンを買っておくのが無難かと

……のはずですが、第3世代用Magic Keyboardを第4世代で試したところ、問題なく使えてしまいました。カバーもちゃんと閉まります。経年劣化で緩んでいた可能性もありますし、Appleが非対応としているのですから、お高いですが本体を買い替えた方は、一緒に新バージョンを買っておくのが無難かと

カメラもiPhone級に

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん
背面のメインカメラは、2020年モデルと同じ仕様のデュアルレンズ構成ですが、iPhone 12と同じSmart HDR 3に対応。AIが細部を自動調整してくれます。

空などをAIが判別し、より自然に見えるよう処理してくれます

空などをAIが判別し、より自然に見えるよう処理してくれます

ビデオ会話が快適に

フロントカメラは従来の700万画素から1200万画素になりました。視野角も122度と広くなっています。新たにセンターフレーム(一部地域ではセンターステージ)という機能が備わり、FaceTimeやZOOMなどのビデオ会議で、発話者が自動で中央に表示されるようになっています。

センターフレームはデフォルトでオンに(設定でオフにもできます)

センターフレームはデフォルトでオンに(設定でオフにもできます)

実際に、お友達と試してみました。

FaceTime

FaceTime

Zoom

Zoom

センターフレームは、サードパーティアプリ向けにAPIが公開されていて、ZoomやWebexなどがすでに対応しています。純正アプリのFaceTimeでは、話者に向かって迫っていく感じで、インタビュー映像のようになりましたが、Zoomだと左右調整がメインに行なわれるようです。ユーザーはオン・オフしかできませんが、デベロッパーは細かくカスタマイズできるのかもしれません。

センターフレームは、カメラが広角になり、かつ解像度が上がったため、自動で顔をトリミングしても画質が荒くならないよう常に調整できるようになったため実装できた機能です(なので、オフにすると画角が広角になります)。

モバイルデータ通信の設定で、5Gのデータ使用量を「より多く」に許可し、FaceTimeで会話してみたところ、遅延がなく画質も綺麗、そのうえ自然に顔がフォーカスされてるので、まるで実際に会って話しているような感覚。ほとんどストレスを感じませんでした。ビジネスでFaceTimeを使うシーンは少ないかもしれませんが、ご家族やお友達とぜひ試していただきたいです。

LAN直差しで10Gbps

端子は最大転送速度40GのThunderbolt 3対応に

端子は最大転送速度40GのThunderbolt 3対応に

USB端子がThunderbolt 3対応になり、外部ストレージからの高速転送や6Kディスプレイへの出力も行なえるようになりました。また、LANアダプターを介せば有線イーサネットも10Gbpsの速度で接続できます。

Magic Keyboardにホワイトが新登場

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん
アクセサリーは、これまで通りApple Pencil、Magic Keyboard、Smart Folioカバー、Smart Keyboard Folioが用意されます。このタイミングからMagic Keyboardのホワイトが登場しました。

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ホワイトになっただけで、雰囲気がずいぶん違ってきますね

ホワイトになっただけで、雰囲気がずいぶん違ってきますね

一緒に持ち歩くと1.4キロ近くと相変わらず重量級ではあるのですが、5Gも搭載しているので性能から考えたら十分コンパクトなモバイルワークマシンと言えるかと

一緒に持ち歩くと1.4キロ近くと相変わらず重量級ではあるのですが、5Gも搭載しているので性能から考えたら十分コンパクトなモバイルワークマシンと言えるかと

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさんニューiPad Pro、ポイントはM1になったことによるパフォーマンスの向上と細部のパワーアップ、5G対応、そして12.9インチは液晶と有機ELのいいとこ取りとしたミニLEDを初登載している点です。

私は個人的に音楽のライブ配信をよく見るのですが、音質、画質、それと互換性(サービスによってはTVなどに飛ばせない)といったあらゆる面から、この新しい12.9インチのiPadが現状、最もライブ配信の視聴環境として優れていると確信しています。また、ゲームもよくするのですが、暗所の表現が多いゲームは、より引き締まった絵で楽しめるので大迫力です。

World of Demons - 百鬼魔道

World of Demons – 百鬼魔道

よりモバイルの機動力を重視する方には11インチモデルもオススメです。iPad Airと迷いそうですが、さらに高パフォーマンス、5G、4スピーカーシステムにセンターシフト、パワーアップポイント満載です。

<オマケ情報その1>

動画には入れてない細かいお話。フロントカメラ周りのセンサー類は、微妙に位置が変わっています。保護フィルム等を貼られる方が多いと思いますが、お買い求めの際は「2021年モデル対応」の表記を確認されることをオススメします。

前モデル用を貼ると、センサーに少し被ってしまいます

前モデル用を貼ると、センサーに少し被ってしまいます

<オマケ情報その2>

iMacに付属するMagic Keyboardを、新iPad Proとペアリングしたらフツーに使えました。ただ、Touch IDは動きません(M1 Macなら動きますが、M1 iPadはNGのようです)

いずれにせよ単体売りはされないキーボードなので、あまり意味はありませんが……

いずれにせよ単体売りはされないキーボードなので、あまり意味はありませんが……

新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義

iPad Pro 2021 はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:iPad(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Apple M1(製品・サービス)Appleシリコン / Apple Silicon(製品・サービス)レビュー(用語)日本(国・地域)

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義iPad Pro 12.9インチ(第5世代)をアップルから借用し、ひと足早く試す機会を得た。

12.9インチモデルを触る前は、正直言って「次に買い換えるとしたら、11インチモデルで十分かも」と思っていた。そもそも、12.9インチは携帯するにはちょっと大きすぎる。かつて12.9インチモデルを購入して持ち歩いていたが、その大きさを持て余していた。結局、出先で気軽に使うには11インチの方がしっくり来るというのが結論に辿り着いたのだ。

しかし、実際に第5世代のiPad Pro 12.9インチモデルを触ってみると、その信念が大きく揺らいでしまった。

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【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
12.9インチが持ち歩くにはちょっと大きいというのは間違いのない事実だが、使い勝手の面において、やはり「大画面は正義」と感じてしまう。ここ最近、増えてきた動画処理をする上でも画面は大きい方がいいに決まっている。

今回、12.9インチモデルを実際に触って、信念が揺らいだ理由の一つがLiquid Retina XDRディスプレイだ。ミニLEDを1万個以上内蔵し、コントラストを100万対1に引き上げている。実際に触る前は大したことないとたかをくくっていたが、実物を目にすると確かに良い。

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
映像や写真などでは暗い部分がしっかりと暗くなっており、明暗がハッキリした表現になっているのだ。自分で撮った映像や写真のみならず、動画配信サイトの映画やドラマ、さらにビデオ会議や記者会見の映像までもパッキリと見えるから不思議だ。

今までのiPad Proと見比べてみると、全体的に明るくなってしまっているのだが、新しい12.9インチモデルは、黒い部分がしっかり黒い。有機ELディスプレイのiPhone 12シリーズに近いといえよう。もちろん、iPad Proの方が大画面なので、視聴しやすいメリットもある。

すでに新しい11インチモデルを予約済みであり、「12.9インチの方が良かったなぁ」とかなり迷い始めた。

そしてもう一つ、iPad Pro 12.9インチモデルを触って、悩ましいと感じたのが処理のレスポンスだ。

新しいiPad Proは、11インチと12.9インチ、いずれもM1チップを搭載している。もともと、iPadOSはサクサクと処理をこなせるのが魅力だが、チップセットがMacBook Proと同等になったことで、さらにサクサク度が増した。

LumaFusion利用イメージ

LumaFusion利用イメージ

実際にすでに使い倒しているiPad Pro 11インチモデル(第2世代、メモリ容量6GB)と、新しいiPad Pro 12.9インチモデル(第5世代、メモリ容量16GB)で動画編集(LumaFusion)を比較してみると、第5世代iPad Pro 12.9インチモデルの方が遥かに快適に動く。

第2世代iPad Pro 11インチモデルでは、写真や動画を読み込む際、最初にボケた状態で出たのちにクッキリとした写真や動画が表示されるのだが、第5世代iPad Pro 12.9インチモデルであれば、最初からクッキリとした写真が動画が出てくるのだ。一瞬の違いなのだが、このストレスがあるかないかは意外と大きい。

ちなみに今回のiPad Proは、本体容量が128GB、256GB、512GB、1TB、2TBの5モデルが存在する。容量の小さい3つはRAM容量が8GB、1TBと2GBは16GBだ。

文書作成やメール処理などであれば8GBで十分だろうが、アプリを頻繁に切り替える、例えば、写真アプリで加工し、その画像や映像などの素材を動画編集アプリで編集する、といったiPad Proの性能をフルに引き出す使い方をするのであれば、本体容量1TB以上を選ぶのが望ましいのかもしれない。

個人的にこれまでiPad Proを長年使ってきているが、iCloudを活用していることもあり、256GBモデルであっても、あと100GB以上の容量が余っている。今回も11インチモデルの256GBで十分かな、と思いつつ、今触っている12.9インチ 1TBモデルの快適さを実感すると、どれを買うべきか、改めて悩ましくなってしまっているのだ。

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
さらにiPad Proを選ぶ上で、絶対に揺らがないのが「買うならセルラー版」という信念。人によっては「Wi-Fiのみか、セルラーも使える方か、どちらかにしようか」と悩む人も多いだろう。

価格差が2万円弱あるので、コストを考えたらWi-Fi版となるかもしれないが、使い勝手を考えるとやはり携帯電話のネットワークに繋がった方が便利なのは間違いない。

今回のiPad Proは5Gにも対応する。自宅ではかろうじてソフトバンクの5Gが繋がるのだが、だからと言って、劇的に高速というわけでもない。どうやら、4G周波数帯の転用らしく、5Gと表記はされるが、中身は4Gみたいなものだ。とはいえ、4Gでもそれなりの速度が出るから快適だ。

今は緊急事態宣言で、自宅で5Gに繋いで喜んでいるだけだが、あと数か月もすれば、街中に出て、5Gに繋ぎ、iPad Proで仕事をしまくることだろう。公衆Wi-Fiはセキュリティ面でどうしても不安があるだけに「いつでもどこでも安心して繋がるキャリアネットワーク」にすぐにアクセスできるiPad Proのセルラー版が手放せないのだ。

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
iPad Proには「センターフレーム」というテレビ会議の際、自分をセンターに映し出してくれる機能が備わった。これまで自分を正面に映そうとする場合、パソコンやiPad Proを机の上だけでなく、さらに台を持ってきて、その上に置くなどの工夫が必要だった。しかし、センターフレーム機能があれば、そうした努力は不要。自動で自分の顔をセンターにして相手に映し出してくれる。コロナが落ち着いても、ビデオ会議は続きそうなだけに、これからも便利な機能として使えそうだ。

今回のiPad ProはM1チップが載り、本体容量も2TBまで選べるなど、もはやパソコンと比較する製品となった。iPadシリーズ全体で見ると幅広い価格帯となっており、エントリーモデルは、それこそ、GIGAスクール構想など、文教市場を狙った製品と言える。一方で、iPad Proはその名の通り、Proユースを意識したスペック、使い勝手となっている。

1秒でも無駄にしたくない、出先でも俊敏に仕事をこなしたい人には、iPad Proが心強い相棒になってくれることだろう。

iPad Pro 2021 はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台
新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

(文:石川温、Engadget日本版より転載)

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【レビュー】iPad Pro 2021 はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台

12.9インチ版のiPad Proで、5G通信機能を試した

12.9インチ版のiPad Proで、5G通信機能を試した

MacBook Airなどと同じM1チップを採用し、5Gにも対応したiPad Proの発売が迫ってきています。発売に先立ち、筆者も実機を試用することができました。パフォーマンスの高さやディスプレイの美しさは別の記事に譲るとして、ここでは、シリーズ初となる5G対応に関してあれこれレビューしていきたいと思います。筆者が今回、もっとも注目していたのもこの機能です。
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と言っても、ユーザーが何か特別なことをする必要はありません。セルラー版を購入して、5Gに対応するキャリアのSIMカードを挿せばOK。ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアの場合、スマホのメイン回線と組み合わせることができる「データプラス」などのいわゆるシェアプランがあるため、料金的にはそれを利用するのが手っ取り早いでしょう。2枚目のSIMカードは1枚目と容量をシェアする形ですが、主回線が無制限の場合、30GB前後の制限があります。

設定項目は、ほぼほぼiPhone 12シリーズと同じ。「設定」の「モバイルデータ通信」で「通信のオプション」を選ぶと、「データ」と「データモード」で5G接続の挙動を変更することができます。前者のデータは、5G対応のSIMカードを挿すと、常時5Gが有効になる「5Gオン」と、自動で5Gをオフにすることがある「5Gオート」を選択可能。何らかの理由でオフにしたい時には、「4G」を選択すればOKです。

5Gの設定項目は手順などが少々異なるものの、ほぼiPhoneと同じ

5Gの設定項目は手順などが少々異なるものの、ほぼiPhoneと同じ

「データモード」は、5G接続時にコンテンツの画質を自動的に向上させるための項目です。初期設定では、データ容量を節約するためか、「標準」になっていましたが、「5Gでより多くのデータを許容」をオンにすると、5Gで接続している際に、FaceTimeやビデオの画質が向上します。おそらくこの初期設定は、キャリアや加入しているプランによって変わるはずで、iPhoneと同じだとすると、KDDIの無制限プランに加入している場合は、デフォルトで「許容」になると思われます。

「5Gでより多くのデータを許容」をオンにすると、5G接続時に一部アプリの画質などが自動的に上がる

「5Gでより多くのデータを許容」をオンにすると、5G接続時に一部アプリの画質などが自動的に上がる

設定をオンにしていると、高画質化するコンテンツは、以前より増えています。この機能をプッシュするKDDI関連のサービスが多い印象ですが、スポーツコンテンツでおなじみのDAZNも、動画品質の自動アップグレードに対応しています。試しに、編集長とWi-Fi環境下でFaceTimeを使って雑談してみましたが、肌の質感までよく分かるほどの映像で、通常のFaceTime以上に臨場感が高いと感じました。試用したiPad Proは、12.9インチと画面サイズが大きいため、迫力はiPhone以上。スマホ以上に、5Gエリアで通信することの重要性を感じました。

編集長とFaceTime HDで楽しい時間を過ごした。大画面のiPad Proなら、iPhone以上に画質の違いが分かりやすい

編集長とFaceTime HDで楽しい時間を過ごした。大画面のiPad Proなら、iPhone以上に画質の違いが分かりやすい

そのメリットを体感するには、5Gのエリアが広い必要があります。現時点では残念ながら、4Gのように全国くまなくというわけではありませんが、KDDIやソフトバンクについては、以前とは様相が変わってきています。4Gから5Gへの周波数転用を開始したからです。iPad Proには主にソフトバンクのSIMカードを挿していましたが、筆者の事務所がある渋谷では、様々な場所で5Gがつながります。路上はもちろん、よく行くカフェや事務所の喫煙所(屋外)も、5Gのエリアになっていました。

転用のため、通信速度に関しては4Gとそこまで変わらず、数十Mbpsという場所も多々ありましたが、上記のような、画質向上機能がオンになるのはメリットの1つと言えるでしょう。逆に、周波数転用を現時点では導入していないドコモは、5Gにつながったときの速度には以下のように、目を見張るものがあります。一方で、元々の5Gの周波数は4.5GHz帯や3.7GHz帯と非常に高く、屋内浸透もしにくいのが難点。KDDIやソフトバンクのように、とりあえず入ったカフェの中で5Gを使うというシチュエーションには、なかなか出くわさない印象があります。

転用5Gのエリアは広く、導線がしっかりカバーされている印象を受ける。ただし、速度は4Gと大差なし

転用5Gのエリアは広く、導線がしっかりカバーされている印象を受ける。ただし、速度は4Gと大差なし

【レビュー】iPad Pro 2021はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台(石野純也)

ドコモはエリアこそ狭いが、つながると爆速になるケースが多い。同じ場所でも、4G(下)と5G(上)では速度がこれだけ違う

ドコモはエリアこそ狭いが、つながると爆速になるケースが多い。同じ場所でも、4G(下)と5G(上)では速度がこれだけ違う

iPad Proの利用シーンや、上記のように5Gでコンテンツの画質を向上させる機能があることを踏まえると、やはり転用であっても、エリアが広い方が嬉しいのではないでしょうか。いくら高速でも、スマホと違って、iPad Proを路上で使うことはあまりありません。最近は、駅などで歩きタブレット(!)をしている人を見かけることもありますが、あくまでレアケース。カフェなどに入って、Webや動画を見たり、ビデオ会議をしたりするシーンの方が、シチュエーションとしてリアリティがあります。

そもそもの話として、通信速度ではなく、4Gか5Gの区分だけでコンテンツの品質を分けてしまうのはどうなのかという議論もありますが、同様の機能はiOSだけでなく、Androidにも採用され始めていて、業界標準になりつつあります。特に腰を据えてじっくり使うiPad Proでは、その恩恵が大きいため、ドコモは屋内対策をぜひともがんばってほしいと思いました。ただ、iPad Proは作成した動画をアップロードするといった用途も考えられるため、ほか2社も転用だけに頼らず、Sub-6のエリア整備は強化してほしいところです。

ここまで、あえて名前を挙げていませんでしたが、4月にiPhoneの取り扱いを開始した楽天モバイルも試してみました。オチのように使ってしまうのは大変恐縮ですが、残念ながらiPad Proは、同社の5Gには非対応のようです。楽天モバイルのeSIMプロファイルをインストールしてみたところ、iPhone 12シリーズを取り扱っていなかったころと同様、設定メニューに5Gの文字が現れませんでした。

楽天モバイルのeSIMを設定してみたところ、「データ」で5Gを選択できなかった

楽天モバイルのeSIMを設定してみたところ、「データ」で5Gを選択できなかった

選択できるのは4Gのみで、アンテナピクトの表記は「LTE」になります。また、APNは入力なしで通信できましたが、空欄のままだとインターネット共有(テザリング)の設定も表示されません。これは、楽天モバイルがiPad ProやiPadを取り扱っていないためだと思われます。キャリア設定も降ってこなかったため、取り扱いを開始するまで、同社の5Gはお預けということになりそうです。段階制の料金プランは、サブデバイスとしてのタブレットと相性がよさそうなだけに、今後の展開に期待したいところです。

APNは空欄のままでもつながったが、インターネット共有を利用する際には手動での入力が必要

APNは空欄のままでもつながったが、インターネット共有を利用する際には手動での入力が必要

M1チップを搭載したiPad Pro発表。Thunderboltに5G対応

M1搭載の新 iPad Pro vs 前世代比較。12.9インチ版はLiquid Retina XDR搭載

(文:石野純也、Engadget日本版より転載)

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飲食店の予約・顧客台帳サービス手がけるトレタと凸版印刷が提携、フードデリバリー領域新サービスを2021年末までに提供

凸版印刷と飲食店向けの予約・顧客台帳サービスを開発・提供するトレタは5月18日、資本業務提携を締結したと発表した。

現在の新型コロナウイルスの状況下において、飲食店では業務効率化や顧客単価向上を目的としたDXの導入が求められている。そこで、凸版印刷の店頭POP、キャンペーンといった販促支援ソリューションやBPO事業と、飲食店に特化したトレタのソリューションとを掛け合わせることが、提携の目的だ。

具体的には飲食店向けコールセンターのDXとして、トレタの飲食店向けBPOサービス「トレタコンタクトセンター」とトッパングループのTBネクストコミュニケーションズと連携する。将来はトレタが研究開発した自動応答予約サービスをTBネクストコミュニケーションズが持つ他業界の顧客へ展開していくことも検討している。

また、トレタの提供する店内飲食の注文から決済までを顧客自身のスマホで行うモバイルオーダーシステム「トレタO/X」(オーエックス)と、凸版印刷が行っている販促支援ノウハウを連携させる。これにより、顧客に合わせた1to1の広告コンテンツの表示など、より効果的なプロモーションが可能となる。また今後は、プロモーションコンテンツの共同開発も進める。

今後凸版印刷とトレタは、トレタO/Xと連動したフードデリバリー領域における新たなサービスを2021年末までに開発・提供するとしている。飲食店のDX化により、新型コロナの現在の苦境を成長のきっかけに変えられるかが注目されそうだ。

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カテゴリー:フードテック
タグ:飲食業界(用語)トレタ凸版印刷 / TOPPAN(企業)日本(国・地域)

独立系ベンチャーキャピタル「One Capital」が1号ファンドを160億円でクローズ

独立系ベンチャーキャピタル(VC)のOne Capitalは5月18日、One Capital 1号ファンド(1号ファンド)の運用総額が同日の追加募集により160億円に達し、クローズしたと発表した。

One CapitalはSaaSスタートアップへの出資および支援だけでなく、出資者のイノベーション支援ならびにプロダクト(SaaS)開発も行うVCだ。出資者のイノベーション支援では、デジタルトランスフォーメーション(DX)のアドバイザリーを行なっている。

今回の追加募集には、中小企業基盤整備機構や海外投資家(機関投資家、ファミリーオフィス、個人)が参加。4月15日にリリースしたセカンドクローズより、さらに45億円増加している。これにより運用総額は160億円となり、国内独立系VCの1号ファンドとしては過去最大となった。また、海外投資家比率も4割を超えており、日本のSaaS市場に対する期待が高まっているとしている。

2020年4月に元Salesforce Venturesの浅田氏が設立し、従業員コンディションを解析する「Well」などへの出資を実施してきたOne Capital。SaaS市場の拡大とともに、その活動に注目が集まりそうだ。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:VC / ベンチャーキャピタル(用語)One Capital(企業)日本(国・地域)

埼玉県川越市からJリーグ目指すCOEDO KAWAGOE F.Cがブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン発行

埼玉県川越市からJリーグ目指すCOEDO KAWAGOE F.Cがブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン発行

埼玉県川越市からJリーグを目指すCOEDO KAWAGOE F.Cは5月18日、ブロックチェーンを利用したトークン発行型クラウドファンディング「FiNANCiE」で5月20日よりクラブトークンの発行・売り出しを開始すると発表した。ファンディング実施期間は5月20日11時から6月18日14時59分までの予定。クラブトークンの販売売上は、主にクラブ運営費用に利用する。

COEDO KAWAGOE F.Cは2020年9月に埼玉県川越市をホームとし、20代の起業家2名によって設立された社会人サッカーチームだ。さらに、2030年のJリーグ加入も目指している。

COEDO KAWAGOE F.Cのクラブトークンはブロックチェーンで発行・管理され、ポイントのように数量を持ち、サポーター(トークン保有者)の売買に応じて価格が変動する。

そして販売売上は、主にCOEDO KAWAGOE F.Cのクラブ運営費用に利用される。購入者はクラブの投票企画への参加や、参加型イベントへの招待、特典抽選などへ応募が可能となる。

支援コースでは1万ポイント/3万ポイント/5万ポイント/10万ポイントの販売額が設定されており、それぞれで獲得できるクラブトークンが異なる。

COEDO KAWAGOE F.Cによると、欧州を中心とした海外ではブロックチェーン技術を利用したプロスポーツチームの「クラブトークン」が発行され、オンライン上でのファンサービス・クラブ応援ツールとして注目されているという。バルセロナFCやユベントスなど、主要なサッカープロチームなどがすでに展開しているそうだ。COEDO KAWAGOE F.Cによるクラブトークンの発行が、どのように地域リーグの発展に貢献するのかに注目したい。

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カテゴリー:ブロックチェーン
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【レビュー】新iMac パープル先行動画レビュー。周辺機器まで統一されたカラーデザインに感動

【レビュー】新iMac パープル先行動画レビュー。周辺機器まで統一されたカラーデザインに感動

Appleが4月20日に発表、7色展開が目を惹いたiMac 2021年モデル。24インチの画面にM1チップを搭載したこの新iMacが、いよいよ5月21日に発売となります。ひと足早く実機に触れる機会がありましたので、音を出せる環境の方は、ぜひ動画をご覧いただき、感動体験を共有できたらうれしいです。

SKUドンと来い?

ご紹介するのはパープルの実機になります。今回、ボックスもとても凝っています。飛び出す絵本みたい

ご紹介するのはパープルの実機になります。今回、ボックスもとても凝っています。飛び出す絵本みたい

Magic Keyboard、Magic Trackpad、Magic Mouseも、きちんと色がそろえてあるんです

Magic Keyboard、Magic Trackpad、Magic Mouseも、きちんと色がそろえてあるんです

付属品を充電するために同梱されたLightningケーブルもパープル。iPhone 12 パープルの充電に使いたくなってしまいますね

付属品を充電するために同梱されたLightningケーブルもパープル。iPhone 12 パープルの充電に使いたくなってしまいますね

同色のアクセサリーはAppleCareサポートによる保守は可能ですが、単品での販売予定はないとのこと

同色のアクセサリーはAppleCareサポートによる保守は可能ですが、単品での販売予定はないとのこと

いや〜、これらすべてに7色のカラーバリエーションがあるのかと思うと、ちょっとスゴイですよねぇ。「SKUドンと来い」なんて誰かが言ったのも頷けます。

まさに機能美

iMacの背面。コバルトブルーに近い濃い目の色です

iMacの背面。コバルトブルーに近い濃い目の色です

向かって左下にUSB-C、Thunderboltがそれぞれ2基の計4つ。大きな端子(Aとか)なんて、もうApple製品にはあり得ない? とにかくスッキリしています

向かって左下にUSB-C、Thunderboltがそれぞれ2基の計4つ。大きな端子(Aとか)なんて、もうApple製品にはあり得ない? とにかくスッキリしています

向かって右下に電源ボタン

向かって右下に電源ボタン

中央の電源プラグ回りも新設計の機構。電源プラグのケーブルはiMac本体とマグネットでピタッとくっつきます

中央の電源プラグ回りも新設計の機構。電源プラグのケーブルはiMac本体とマグネットでピタッとくっつきます

ACアダプターと電源プラグは一体型。ケーブルは本体と同色で、編み込みされた頑丈なタイプです

ACアダプターと電源プラグは一体型。ケーブルは本体と同色で、編み込みされた頑丈なタイプです

ACアダプターには有線LANの端子があります(一部モデルはオプション扱い)。アクセサリー類はすべてBluetoothによりワイヤレス接続なので、電源プラグ1本だけでスッキリとしたデスク周りを実現できます

ACアダプターには有線LANの端子があります(一部モデルはオプション扱い)。アクセサリー類はすべてBluetoothによりワイヤレス接続なので、電源プラグ1本だけでスッキリとしたデスク周りを実現できます

ワイヤレスでTouch IDを初搭載

キーボードのデザインも一新。Spotlight、音声入力、おやすみモード、絵文字キーがあります

キーボードのデザインも一新。Spotlight、音声入力、おやすみモード、絵文字キーがあります

右上にロック解除やApplePayの支払いなどを指紋認証で利用できるTouch IDを搭載しています。Touch IDのワイヤレスでの実装は初(一部モデルはオプション扱い)

右上にロック解除やApplePayの支払いなどを指紋認証で利用できるTouch IDを搭載しています。Touch IDのワイヤレスでの実装は初(一部モデルはオプション扱い)

ファーストユーザースイッチをオンにすれば、家族でiMacを共有する際、ロック画面から指紋認証でサクッとユーザーを交代できます

ファーストユーザースイッチをオンにすれば、家族でiMacを共有する際、ロック画面から指紋認証でサクッとユーザーを交代できます

同色アクセは超貴重品

Touch ID搭載Magic Keyboardは、M1搭載のMacであればminiなどほかのモデルでも利用できるとのことですが、単品販売はされません。ほかの同色アクセサリーも同様、AppleCareによる保守部品としては入手可能ですが、単体では手に入らないので貴重です!

Touch ID搭載Magic Keyboardは、M1搭載のMacであればminiなどほかのモデルでも利用できるとのことですが、単品販売はされません。ほかの同色アクセサリーも同様、AppleCareによる保守部品としては入手可能ですが、単体では手に入らないので貴重です!

関連記事:Touch ID内蔵Magic Keyboard、当面は新iMacとのセット販売のみ

真っ平な画面

24インチと言うとテレワーク向けにピッタリなサイズですが、意外にもiMacでは初となるディスプレイサイズ。解像度は4480×2520ドットの4.5Kで、27インチモデルの5Kディスプレイと画素密度は、ほぼ同等です

24インチと言うとテレワーク向けにピッタリなサイズですが、意外にもiMacでは初となるディスプレイサイズ。解像度は4480×2520ドットの4.5Kで、27インチモデルの5Kディスプレイと画素密度は、ほぼ同等です

デザイン上のアクセントとなっている顎の部分に施されたカラーリングですが、画面とベゼルからこの部分は完全にツライチになっています

デザイン上のアクセントとなっている顎の部分に施されたカラーリングですが、画面とベゼルからこの部分は完全にツライチになっています

FaceTimeカメラは1080pに。暗所での画質もアップしました。マイクもスタジオ品質でインプットでき、ビデオチャットが対面で会話しているかのようにストレスなく行なえました

FaceTimeカメラは1080pに。暗所での画質もアップしました。マイクもスタジオ品質でインプットでき、ビデオチャットが対面で会話しているかのようにストレスなく行なえました

ノートPCより場所取りません

ニューiMac、なんといっても、この「佇まい」ですよね。わずか11.5ミリの薄型ディスプレイとシンプルなスタンドに、電源以外のすべてが詰め込まれているなんて、ちょっと信じられません

ニューiMac、なんといっても、この「佇まい」ですよね。わずか11.5ミリの薄型ディスプレイとシンプルなスタンドに、電源以外のすべてが詰め込まれているなんて、ちょっと信じられません

iPhoneより少し厚みがあるくらいです

iPhoneより少し厚みがあるくらいです

ファンレスではないのですが、ノイズは10dB以下に抑えられていて、動作音らしいものを感じることは一時もありませんでした。

スタンドの底部のゴム足までパープル。個人的には、もう少し滑りにくい素材にしてほしかった気もしました

スタンドの底部のゴム足までパープル。個人的には、もう少し滑りにくい素材にしてほしかった気もしました

短期間ですがニューiMacを実際に使ってみた印象は……冒頭の動画で語っているので、ぜひそちらを再生してご覧いただきたいのですが、画面のインパクト、音質、デザイン性、どれを取っても「洗練」という言葉がピッタリと思いました。あと、カラバリの表現に対するAppleの異常とも言える細部へのこだわりですね。ほかのカラーもすべて細かく見てみたくなっております。

デスクトップというと置き場所が……となりがちですが、ぶっちゃけノートパソコンより面積取らない印象ですので、外ではスマホやタブレットで十分という人は、せっかくなら自宅では大きな画面、最高の音質を備えたニューiMacで贅沢三昧してほしいです。

より詳しい使い勝手やベンチマーク結果など掲載していますので、引き続きEngadget 日本版にご注目いただけましたらと思います。

グリーンのiMacに想う──新しいiMacは「見た目で選んでいいMac」だった
ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:iMac(製品・サービス)Apple / アップル(企業)レビュー(用語)日本(国・地域)

ペット業界に特化したTYLが獣医師往診サービス「anihoc」開始、往診料金税込5500円

ペット業界に特化したスタートアップTYLは5月19日から、獣医師往診の新サービス「anihoc(アニホック)」の提供を始めた。anihocは獣医師が飼い主の自宅や専用の往診車で、ペットの健康診断や内科全般などの獣医療を行うサービスだ。

TYLは2017年に設立され、「ペットの家族化推進」をミッションに掲げる。同社はペット業界の求人サイト「アニマルジョブ」や、動物 / ペットに関する通信資格・講座の比較・資料請求ができる「動物資格ネット」などを提供している。

anihocでは専用のウェブフォームから予約すれば、最短即日で往診サービスを受けられる。コロナ禍での「外出を控えたい」「待合室での密な状況」といった悩みをanihocで解決していく考えだ。

TYLの取締役/獣医師の藤野洋氏

TYLの取締役で獣医師の藤野洋氏は、同日に開かれたオンライン会見で「飼い主やペットも普段と変わらない生活環境で獣医療を受けることができます。『待合室での時間』『ペットと通院する負担』といった既存の獣医療の課題を解決し、DX化する新たなサービスでもあります」と語った。

コロナ禍でペット関連市場は変化

新規飼育者によるペットの飼育頭数は、2018~2020年の推移をみると増加傾向にある。藤野氏は「コロナ禍でペットの立ち位置の変容がありました。人との関わり合いの希薄化やお家時間の増加などにより、これまでよりも『癒しの存在』『コミュニケーションパートナー』といった傾向が顕著になり、ペットの家族化が進んでいます」という。

また、ペット1匹にかける平均支出額の推移では、犬猫とも2019年に減少したものの、2020年に犬は約34万8561円、猫は16万4835円といずれも過去最高額となった。コロナ禍によってライフスタイルの変容や生活環境に影響が出てことで、ペット市場にも変化が生じているのだ。

anihocの全国展開を目指す


anihocの往診はTYL社員の獣医師3人体制で行う。獣医師3人で1日、1人当たり飼い主3人に対応できるという。藤野氏は「今後は獣医師の人数を増やしていきたいと思っています」と語った。また、犬や猫だけでなくハムスター、ウサギ、フェレットなどもanihocの対象となっている。

現在は東京都内23区を中心に、埼玉県南部と神奈川県北部の一部エリアでサービスを提供する。診察料はすべて税込みで、初診料が2200円、再診料が1100円、往診料金が5500円、深夜料金(午後7時~9時)が1万1000円となっている。

TYL代表の金児将平氏

TYLの金児将平代表は「私自身、犬を飼っています。ただ、よく吠えてしまうので、動物病院に行くと待合室で冷たい目で見られることもありました。動物病院に行きたくても行けない飼い主は多いと思っています。そのような方々のためにもサービスの普及に力を入れ、全国展開を目指していきます」と意気込みを語った。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TYLペット日本DX

すべての街を「駅前化」するインフラを目指す電動マイクロモビリティシェアの「Luup」が7.5億円を調達

すべての街を「駅前化」するインフラを目指す電動マイクロモビリティシェアの「Luup」が7.5億円調達

「街中を『駅前化』するインフラをつくる」とのミッションのもと電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(ループ、Android版iOS版)を展開するLuupは5月19日、第三者割当増資による7億5000万円の資金調達を2021年4月に実施したと発表した。引受先は、Spiral Capital Japan Fund 2号投資事業有限責任組合をリード投資家に、ANRI3号投資事業有限責任組合、ENEOSイノベーションパートナーズ、アダストリア、非公開の投資家複数名。このラウンドは2021年夏に最終クローズの予定で、現在も投資家候補との協議を続けている。同時に、LUUPの設置を希望する全国の企業の募集も開始した。

LUUPは現在、東京の渋谷、新宿、六本木(赤坂から虎ノ門も含む)、大阪のキタ、ミナミの計5カ所でサービスを運営。街中を「駅前化」とは、駅からちょっと遠いなと感じる場所へ楽に行ける交通インフラの構築を意味しているそうだ。Luupの取締役兼CEOの岡井大輝氏によれば、同社は創設からこれまで2年半の間、アライアンス、省庁、自治体との協議が先行し、プロダクト開発とオペレーションがそれに続く形だったが、4月23日、電動キックボードのヘルメット着用義務を免除する政府の特例制度の認可を受け本格的なシェアリングサービスを開始したことで、次のフェーズに入ったという。今後は、プロダクト開発を先行させ、アライアンスやオペレーションがそれに続く形になる。

今回の投資を受け、同社はサービスエリア拡大とともに、安全で便利な新しい機体の開発も進めてゆく。将来的には、高齢者も簡単に安全に乗ることができるモビリティーの導入も目指すとのこと。そのための、営業部長とテックリードの募集も行っている。

また、今ラウンドに参加したENEOSイノベーションパートナーズとアダストリアとは、将来の協業も視野に入れている。ENEOSとは電動マイクロモビリティーのエネルギー供給体制の構築を、カジュアルファッションのSPAブランドを展開するアダストリアとは、移動手段までを含めた店舗展開で協力してゆく予定だ。

画像クレジット:Luup

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:資金調達(用語)電動キックスクーター(用語)マイクロモビリティ(用語)Luup日本(国・地域)

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準

IntelからArmへ。昨年6月、Mac搭載プロセッサの変更を発表したApple。M1と名付けられたSoCはさまざまな製品に搭載されているが、MacBook Pro、MacBook Airへの採用に続き、このたびデスクトップ機のiMacにも搭載された。

さらに驚かされたのは7つものカラーバリエーションが選べることだ。選んだカラーに合わせ、本体色はもちろん、付属キーボード、マウス、トラックパッド、付属ケーブルなども同じカラーテーマで揃えられている。

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
本体のみのカラーバリエーションはありがちだが、付属品のほとんどが選んだカラーに統一され、それがさらに7色も用意されているということには素直に敬意を表したい。

しかし、ポップなカラーリングとは裏腹に11.5ミリ、ぱっと見はただのディスプレイとも思えるスリムなボディながら、コンピュータとしてはパワフルかつ洗練された使い勝手と完成度を誇る。それが今回のiMacだ。

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薄型ディスプレイにM1 Mac miniが内蔵されただけではない24インチiMacの価値

高精細ディスプレイ+Mac mini=24インチiMacではない

24インチ(正確には23.5インチ)の4.5Kディスプレイは市販品で探しても見つからない。このサイズではもっとも高精細なディスプレイのひとつで、他のApple製品と同じように事前に色調整が行われたDisplay-P3対応の広色域に対応している。この点は期待通りの仕上がりとなっている。

最大500nitsの範囲でHDR表示も行えるため、iPhone 12シリーズで撮影したHDR動画を美しく表示できる。標準に準拠していながらも、異なるApple製品との互換性がきっちりと取られているので気持ちいい。

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
本体の配色に関しては、ベゼルがホワイトであるため、見づらさなどに繋がらないか懸念していたが、実際には明るいグレー。ディスプレイの輝度が適度であるならば特に気になることはない。むしろ一般的な家庭の室内の白系の壁紙であれば、部屋の壁などと馴染んでベゼルの存在感を和らげると感じられるチューニングだ。

同様に、ディスプレイ下の部分(この中にメイン基板が入っている)がテーマカラーごとの明るい色合いで組み合わされ(側面と背面は濃い配色)、ベゼルの明るいグレー(あるいはやや暗めの白)と馴染む濃度で、こちらもカラフルな外観を損ねない範囲でアクセントとなっている。

側面と背面のヴィヴィッドな配色は好みもあるだろうが、ウェブページ上で見るよりも実物は落ち着いた印象で、筆者が評価したブルーが鮮やかすぎるとは感じなかった。もちろん、もっと透明感のある選択をしたいならばシルバーという選択肢を選べばいい。

付属品を含めたトータルのデザインコーディネートを考えれば、その佇まいだけでも価値があると感じる。とはいえ、そうした感覚でパソコンを選ぶわけではないと思う人もいるだろう。

スタンドや角度調整のヒンジなども含め、アルミとガラスだけで包まれたiMacだが、カラーバリエーションや4.5Kディスプレイを必須と思わないならば、手持ちのディスプレイ+Mac miniでいいのではと考える人がいるかもしれない。後述するが、24インチiMacの性能はMac miniとほぼ同じであり、ソフトウェアの実行速度という観点では全く同じとなる。

しかし、Appleが独自に設計したAppleM1の活用という側面で、Mac miniでは得られない体験が一体型のiMacには用意されている。トータルコーディネートに興味がなくとも、iMacならではの良さがそこにはあるのだ。

iPhone 12向けの開発成果がiMacにも

M1はMac向けに性能と高速インターフェイス、メモリアーキテクチャなどを強化されているが、マイクロプロセッサとしての基本はiPhone 12シリーズ向けのA14Bionicと共通する回路が搭載されている。このためiPhoneを磨き上げる中で活用されてきた技術が、そのままMacでも使えるようになるわけだ。

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
そのもっとも端的な例がTouch IDボタン付きのキーボード。M1にはiPhone向けのAシリーズと同じく指紋認証を行うための処理回路とセキュリティ機能が搭載されているので、iPhoneで実績のある指紋認証システムがそのまま利用できる。

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
裏を返せば、Touch ID付きのBluetoothキーボードはM1との組み合わせで動作するということ。M1を搭載していればどのMacでも利用可能で、Mac miniなどでも利用できるという。ただし、現時点では単体での発売は予定されていない。単体発売されないのはマウス、トラックパッド、ライトニングケーブルのカラーバリエーションも同じだ。(※いずれもiMacオーナーならば保守部品としては入手できる)

関連記事:Touch ID内蔵Magic Keyboard、当面は新iMacとのセット販売のみ

次に体感できるのが1080p解像度に対応するFaceTime HDカメラの画質。iPhoneと同じ映像処理のプロセスをそのまま活かすことで画質が高められているのだ。

なお、1080p対応の新しいセンサーだけならば、昨年発売された27インチiMacにも搭載されている。27インチiMacのFaceTime HDカメラもかなり高画質だったが、映像処理はT2チップで行っていた。実はこの部分でのM1の貢献も大きく、内蔵する映像処理プロセッサの世代が異なるため、画質が上がっているのだ。T2チップは世代としてはA10世代と目されているが、M1を搭載するMacではiPhone 12シリーズの内蔵カメラと同水準の映像処理が施されることになる。

暗部ノイズの少なさやダイナミックレンジの広さ、質感表現の深さ、オートホワイトバランスの的確さなどiPhone向けの開発成果がそのまま活かされており、外部接続の高画質カメラとして発売されている最新のUSBカメラよりも画質が良い。

本体サイズを感じさせない音質

“iPhone向けの開発成果”に関しては、音質面にも現れている。

マルチマイクを用いてビームフォーミング(話者の方向に指向特性を合わせる)するため、オンライン会議にヘッドセットなしで参加しても生活音を拾いにくく、話者の声にフォーカスしてくれるのはありがたい。声のトーンもイメージを崩さずに拾ってくれ、外部マイクが必要だとは感じないはずだ。

カメラの信号処理と同じくこの音声処理もT2チップ搭載以降のMacでは一部導入されてきていたものだが、信号処理の世代が上がっている。本体サイズやレイアウトの制約が少ないためか、M1搭載のMacBook Proよりも良好に仕上がっていると感じた。

しかし、やはり驚くのはスピーカーの音質と高音質なスピーカーを活用した空間オーディオ(仮想立体音響)の完成度の高さ。何しろ本体の厚みは11.5ミリしかない。本体下部の空間は大半の容積をスピーカーで使っているだろうが、音波の出口は本体下のスリット。とても良い音が出てくるイメージはない。ところが、本機から出てくる音は驚くほどバランス良く、低域も豊かだ。

形式で言えば、iMacのスピーカーは2ウェイ3スピーカーのステレオ構成。低域を担当するウーファー2基がたがい違いの方向に搭載され、振動をキャンセルする構造になっている。豊かな低音が出せるのは振動をキャンセルする構造にすることで、積極的に低音を出せるためだろう。

音は真下に出し、机から反射させて耳に届くことになるが、驚くことに周波数特性や位相特性がよく調教されており、アンバランスなイメージはない。中でも位相特性の整え方は空間オーディオのサポートからも感じられる。

空間オーディオは、いわば仮想サラウンドの一種だが、仮想サラウンドはサラウンドチャンネルの音を、左右の耳に位相を変えて届けることで実現する。位相とは音が耳に届く時間軸の差のようなものだが、iMacのような音が出てくる経路が複雑なシステムでは、周波数帯ごとに差が生まれがち。ところがiMacの空間オーディオは素晴らしく、音の移動感が感じられる効果的なサラウンド効果を発揮してくれた。空間オーディオが利用できるのは、Apple TV+のコンテンツなど一部だが、今後はサポートが広がることも期待できる。

少なくとも別途、スピーカーを購入して接続する必要がない程度には、優れたスピーカーを内蔵していると考えていい。

AppleM1搭載による体験価値

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
一方、SoCとして採用されているAppleM1の能力に関しては、昨年登場したMac miniやMacBook Proとほぼ変わらないと考えていい。冷却ファンは動作していることに気づくことはほとんどなく、その点ではSoCに関連した性能、および体験の質はMac miniと同一と考えていいだろう。

……と言うと、少しあっさりとしすぎかもしれないが、 21.5インチiMacと比べると8割以上もCPUが高速になり、GPUに至っては2倍程度。27インチiMacと比べてもCPUだけならば凌駕する。

ここまで紹介してきたハードウェア設計と一体となった体験価値、機能などもM1の価値ということができるだろうが、長期的に見ればM1に内蔵されるNeural EngineやMLアクセラレータなどのCPU、GPUとは別の処理回路がもたらす価値が、Mac用アプリにもたらす価値のほうが大きい。

その一部はmacOSでも動作可能なiPad用アプリの存在からもたらされるだろう。さらにMac用アプリで積極的に機械学習処理を活用する動きも強まっている。もちろん、macOSに標準添付されているアプリではすでに活用が始まっており、例えば写真アプリでは写真の分析処理をM1内蔵のNeural EngineやMLアクセラレータで行っている。

Intelプロセッサからの移行で心配された互換性問題やネイティブアプリへの移行速度といった懸念は、この半年ほどですっかり解消されたと言っても過言ではない。多くのアプリがM1対応となり、先日はAdobeのクリエイティブツールもほぼ移行が完了した。

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
M1の弱点といえば、それはシステムスペックの選択肢が少ない(搭載メモリ、Thunderbolt 3のポート数、独立GPUが選べない)ことぐらいしか思いつかないが、これらは今回の24インチiMacの位置付けからすれば大きなマイナスとは言えないだろう。だからこそ、Appleは27インチモデルにM1を搭載していない。

関連記事:新24インチiMac vs 旧27インチiMac比較。M1チップ搭載で極薄化

Boot Campや仮想化ソフトでWindowsを動かせなくなったことを残念に思うユーザーもいるかもしれないが、長年、両方のプラットフォームを併用してきた筆者でも、その必要性はほとんど感じなくなってきているというのが正直なところだ。

なお、ご存知の通りParallels DesktopがARM版Windowsの動作をサポートした。パフォーマンスは良好で、ブラウザの互換性などをチェックしたり、一部のWindowsでしかないアプリ(例えば筆者の環境では弥生会計)を動かしたりする程度ならば十分だと感じた。

ただし、ARM版Windowsの製品版を入手する手法がなく、開発者向けのプレビュー版をテストする場合にしか利用できないのが現状だ。マイクロソフトが一般向けにライセンスを始めない限り、公式なサポートは受けることができない点に留意しておきたい。

家庭向けデスクトップの新しい基準に

ディスプレイ一体型デスクトップパソコンというジャンルは、ディスプレイやスピーカーなどをトータルで設計できるため、ディスプレイ別売りのコンピュータよりもユーザー体験を演出しやすいという利点がある。

かつては、高品位ディスプレイが高価、かつパソコンの性能面での進化が速かったこともあり、エントリーユーザー向けの低価格製品というイメージがあったが、そうした考え方は古くなっている。

代表例がiMacで27インチモデルに5Kディスプレイが搭載されたこと。これにより新たな基準点が生まれた。製品ごとにカラー調整が施され、単体で購入すると高価な5Kディスプレイだが、それを搭載したことで、一体型を単なるお買い得モデルから体験価値の高い製品にしたわけだ。

【レビュー】ひと足先に触れたブルーのiMacに感じる家庭向けデスクトップの新基準
今回の製品ではさらに一歩踏み込み、独自プロセッサとハードウェア設計の組み合わせでの体験価値向上をもたらしている。狭額縁や薄型筐体などもあって21.5インチモデルからの置き換えでもむしろスッキリとした佇まいになる。

価格に関してもその質感や性能を考えれば決して高くはなく、むしろ安いと感じる人が多いのではないだろうか。家庭向けのデスクトップコンピュータの基準点として、今後、さまざまな製品を評価する際の指標となる定番製品に仕上がっていると思う。

グリーンのiMacに想う──新しいiMacは「見た目で選んでいいMac」だった

新iMac パープル先行動画レビュー。周辺機器まで統一されたカラーデザインに感動

(文:本田雅一、Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
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動画クリエイター向けAI作曲サービスSOUNDRAW、楽曲を「選ぶ」のではなく誰もが「作る」時代へ

SOUNDRAWの作曲家による作業風景

動画コンテンツはスマホ1つでいつでもどこでも楽しめるようになり、近年急速に普及している。YouTubeなどの動画サイトや各種SNSで目にしない日はないのではないだろうか。そしてほとんどの動画コンテンツでは楽曲がBGMとして使われている。

現状、動画クリエイターはストックBGM素材サービスから楽曲を探し、動画に合うかを1曲ずつ確認していかなければならない。「動画に合う楽曲を探すのはとても時間が掛かり大変」との声が多いという。

2020年2月に設立したスタートアップのSOUNDRAW(サウンドロー)は従来の「楽曲に合わせて動画を完成させる」といった手順を根本から変える。同社が提供する動画クリエイター向けAI作曲サービスSOUNDRAWは、独自開発したAI技術やアルゴリズムによって楽曲を自動生成し、その楽曲をユーザーが編集して商用利用もできるようにした。

動画クリエイターは動画に合わせて楽曲を「選ぶ」のではなく、SOUNDRAW上で「テーマ」や「ジャンル」などを選ぶことで、曲を作れるようになるのだ。SOUNDRAWの楠太吾代表は「これまで作曲家という特殊能力を持つ人しかできなかった『作曲』を、誰もができるように一般化していきます」と語る。

動画クリエイターなどからの反応も上々だ。2020年6月にベータ版、9月に製品版をリリースし、2021年4月時点ですでにアカウント登録者数は2万人を超えているという。

数多の楽曲から思い通りに編集も可能

自動生成された楽曲を自分好みに編集可能

SOUNDRAWの使い方はシンプルだ。ライフスタイルやビジネスなどの「テーマ」、ヒップホップやアコースティックなどの「ジャンル」といったカテゴリーを選ぶだけで、15個の楽曲が自動生成される。

ユーザーは選んだ楽曲の長さや構成、テンポ、音程などを動画に合うようにカスタムできる。演奏楽器も変更できる上、メロディやドラムといった特定の音を抜くことも可能だ。楠氏は「どんな構成でも、動画に合わせて自由に編集できます」という。

楽曲をダウンロードしたら企業PR動画やCM動画、YouTubeに投稿する動画、ゲームなどに、ロイヤリティフリーで使うことができる。著作権はSOUNDRAWに帰属しており、使用ライセンスをユーザーに付与しているかたちだ。このため楽曲の転売などは禁止している。

SOUNDRAWの会員登録は無料で、月間プランは月額税込1990円、年間プランは年額税込1万9900円。両プランともにAIによる作曲回数無制限、楽曲のダウンロード無制限となる。無料会員は作曲回数無制限と楽曲をキープする機能が使える。SOUNDRAWは今のところPCのみで利用可能だ。

また、SOUNDRAWでは動画編集ソフトAdobeのPremiere Pro、After Effectsのプラグインも開発し、有料会員に無料で提供している。SOUNDRAWはブラウザ版でも使えるが、プラグイン版はより効率よく作業できるようになる。なお、ブラウザ版はSafariでも使えるが、Chromeでの利用を推奨している。

楠氏は「プラグイン版は動画と楽曲を同時に編集できる点が大きなメリットです。楽曲をダウンロードすれば、動画編集ソフト内にインポートされます。そのデータを動画のタイムライン上にもっていくだけで、簡単に音楽と映像を合わせることもできます」と説明した。

楽曲データ量産AI

AI作曲によって自動生成される楽曲の組み合わせは理論上、数億もの数に上るという。「数えるのは途中でやめました」と楠氏は笑顔で話すが、開発に至るまでの2年間はテストをしては壊してを繰り返すなど苦労を重ねてきた。初めは鍵盤をランダムに叩いているだけといったフレーズが生まれてきたという。

楠氏はインプットするデータの質には特にこだわって独自開発を進めた。SOUNDRAWには作曲家が2人おり、インプット用のデータを実際に制作して貯めてきたでは「Melody」「Backing」「Bass」「Drum」と、楽曲を4つの要素に分解し、それぞれAIで生成したフレーズを組み合わせて楽曲を生み出す。

どのような基準で楽曲を作り上げているのか気になるが「あまり詳しくは言えません。ただ、いわゆるヒットソングを学習させているわけではありません」と楠氏はいう。楠氏はSOUNDRAWにおける質の高い楽曲には、独自に作り上げた学習モデルなどが大きく関わっているとの説明にとどめた。

楽曲数の追加と海外進出を

右から3番目がSOUNDRAWの楠太吾代表

SOUNDRAWは数億に上る楽曲の組み合わせを有しているものの、楠氏は「人間の耳で聴くと『どこか似ているな』といったものはどうしても出てきます」と話した。SOUNDRAWは2021年3月1日に3500万円の資金調達を実施し、累計調達額は1億円を超えた。今後は資金調達を元に楽曲数の追加などに力を入れる考えだ。

楠氏は「楽器1つとっても、ピアノならオルガンやエレクトリックといった音色・フレーズの幅などを増やしていくことで、将来的には『聞いたことがある』という状況を回避できるはずです。今は外部人材も加えてチームを作って取り組んでいる最中です」と語った。

また、SOUNDRAWは海外市場への進出も視野に入れている。「これまでは国内を中心にアプローチしていましたが、音楽は非言語であり、デジタルで提供できるため、国境を越えやすい。SOUNDRAWが持つカスタム性やクオリティが高いAI作曲ツールは、海外でもまだ多くはありません。SOUNDRAWは世界で戦うレベルに達していると思っています」と楠氏は意気込む。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:SOUNDRAW音楽日本動画編集

画像クレジット:SOUNDRAW

全エンジニアがGoogle出身のスマイルロボがアーム付搬送ロボットによる配膳・下膳の自動化に向け実環境で試験運用実施

全エンジニアがGoogle出身のスマイルロボがアーム付搬送ロボットによる配膳・下膳の自動化に向け実環境で試験運用実施

スマイルロボティクス(スマイルロボ)は4月28日、野口観光グループの野口リゾートマネジメントが運営する「源泉のお宿 湯河原千代田荘」のメインダイニングさくらにおいて、開発中の「アーム付搬送ロボットACUR-C」(アキュラシー)の試験運用を実施したと発表した。

ACUR-C(Autonomous Clear Up Robot Type-C)とは、配膳・下膳を全自動・非対面で行えるようにした開発中のロボット。これにより、スタッフが「人にしかできないおもてなし業務」に注力することで、オペレーション改善および売上・利益貢献を目指すという。

特徴としては、「既存の配膳ロボットとは異なり『ロボットアーム』を有する」「既存の配膳ロボット同様に『自律移動』が可能」の2点を挙げている。これらにより「つかむ」「はこぶ」を完全自動で行い、店員も飲食客も皿の乗せ換えをする必要がなくなり、配膳・下膳の無人化を実現できる。

試験運用の内容は、施設側のオペレーションに合わせて「下膳」にフォーカスして実施した(ロボット自体は配膳も対応可能)。具体的な動作は以下の通り。

  1. タブレットでテーブル番号を指示
  2. ロボットが自律移動で障害物を回避しながら指定テーブルに移動
  3. アームを使ってトレイを体内の棚に回収
  4. 別の空トレイをテーブルに設置(動画では割愛)
  5. 再び自律移動で障害物を回避しながら所定の下膳口まで移動
  6. 回収したトレイを下膳口に置く

全エンジニアがGoogle出身のスマイルロボがアーム付搬送ロボットによる配膳・下膳の自動化に向け実環境で試験運用実施

飲食客が食べ終えた後の実際の食器には、汁物が残っていたり、バランス悪く積まれていたりなどもあったが、落下させるなどのトラブルもなく、想定通り一連の動作を実現できたという。

今回の試験運用で確認できた各種技術の有効性と新たに得られた課題を踏まえて、引き続き同社は、ロボットの社会実装・実用化に向け、様々な環境下での試験運用を行い、追加開発を行うとしている。またアーム付搬送ロボットに限らず、ロボティクス技術の社会実装・実用化を見据えた開発全般(共同開発・受託開発含む)も積極的に進めるとしている。

スマイルロボティクスは「ロボット技術で全世界に笑顔を」をミッションとする、2019年に創業したロボットスタートアップ。元Google(Alphabet傘下でロボットの研究開発を手がけていた「SCHAFT」)のロボットエンジニアが集まり立ち上げたという。

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ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

ソニーは4月30日、FeliCa(フェリカ)のモジュールを内蔵し、電子決済サービス「楽天Edy」の機能を付加したアクリル製の「推し払い(おしはらい)キーホルダー」を発表しました。

本体に今年テレビシリーズ放送10周年を迎えた人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター2種類を印刷し、5月1日午前10時から5月31日まで、通販サイト「ANIPLEX+(アニプレックスプラス)」で予約販売します。

価格は2980円(税込)で、商品の発送は7月を予定。期間中に予定数を達成した場合、早期に販売を終了する可能性があるとのことです。

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

FeliCaとは、電子マネーなどに使われる非接触型ICチップ技術で、10cm程度の範囲内であればリーダーなどが発する微弱な電波でデータの読み書きが行えます。最近では携帯電話だけでなく、オフィスの出入りに使う社員証にも内蔵されたりと、利用範囲が広がっています。

ソニーによると、汎用的な電子マネー機能をキーホルダーに付けるためには、本体の金型代や版代に加え、形状ごとに通信性能検定が必要でしたが、「推し払いキーホルダー」には、既存のアクリルキーホルダーの外観・厚みを考慮し、内部にFeliCaモジュールを埋め込める、新開発の多層構成の製法を使用しています。

アクリルキーホルダーが一定の厚さ(約3mm)とサイズ(縦115mm、横86.5mm以内)であれば、さまざまな形状で規定の通信性能を保持できるほか、デジタル印刷を利用し、金型不要の加工方法で製作するため、初期費用が抑えられ、少量生産も可能だといいます。

ソニーは、今回の試験販売を通じて、他のアニメキャラクターとのコラボレーションや、アーティストのライブグッズなどへの活用を検討していく考えです。

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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国内初のIoT型胎児モニターを製造販売する香川大学発「メロディ・インターナショナル」が1.5億円調達

国内初のIoT型胎児モニターを製造販売する香川大学発「メロディ・インターナショナル」が1.5億円調達

IoT型胎児モニターおよびクラウド周産期遠隔医療プラットフォームにより安心・安全な妊娠・出産環境の実現を目指すメロディ・インターナショナルは4月30日、第三者割当増資による1億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(KYOTO-iCAP2号ファンド)。

2015年設立のメロディ・インターナショナルは、周産期医療の胎児モニタリングで利用される、国内初のIoT型胎児モニター「分娩監視装置iCTG」を開発する香川大学発スタートアップ。

分娩監視装置は、超音波ドップラー技術により胎児心拍を測定する際に妊婦健診・分娩監視で利用されるものの、既存製品は装置が大きく据置型であるため、測定できる場所が限られているという。

また日本では産科施設の減少が進み、定期健診などの通院が妊婦にとって負担となっている。高齢出産の増加もあり、出産のハイリスク化も進んでいる状況でもある。さらに最近では、コロナ禍により妊婦の感染対策が求められている。

そこでメロディ・インターナショナルは、いつでも・どこでも遠隔で胎児モニタリングできるように小型・IoT化したモバイル型装置を開発し、2019年に医療機器として発売した。先に挙げた課題に対して周産期における遠隔医療が解決策のひとつとなっており、同社製品が安心安全な出産の実現に役立つことが期待されているという。

国内初のIoT型胎児モニターを製造販売する香川大学発「メロディ・インターナショナル」が1.5億円調達
iCTGは、胎児の心拍と妊婦さんのお腹の張りを、病院や自宅などで測定できるデバイス。iCTGを妊婦のお腹にセンサーをあて計測すると、Bluetooth接続でスマートフォンやタブレットのアプリケーション内に結果が表示され、医師が診断に活用できる。

国内初のIoT型胎児モニターを製造販売する香川大学発「メロディ・インターナショナル」が1.5億円調達

また周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」(メロディ・アイ)は、妊婦さんが計測した結果をかかりつけ医師に送信でき、遠隔で医師から受診推奨などアドバイスを得られるコミュニケーションプラットフォーム。妊婦さんと医師との連携だけでなく、クリニックからNICUのある中核病院へのデータ連携も行える。

国内初のIoT型胎児モニターを製造販売する香川大学発「メロディ・インターナショナル」が1.5億円調達

京都iCAPは、iCTGおよびMelody iの将来性を高く評価し新規投資を実行したとしている。また同投資は、京都大学以外の国立大学発ベンチャーも支援可能となったKYOTO-iCAP 2号ファンドによる、京都大学以外の国立大学発ベンチャー企業への初めての投資案件という。

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カテゴリー:フェムテック
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TRUST SMITHとADEKAが荷姿・ラベル位置・種類を問わずラベル内情報を自動認識するシステムの実証実験

TRUST SMITHとADEKAが荷姿・ラベル位置・種類を問わずラベル内情報を自動認識するシステムの実証実験

AI・数理アルゴリズム・ロボティクス領域の東京大学発スタートアップTRUST SMITHと、化学品事業・食品事業などを展開するADEKAは4月30日、「ラベル自動認識システム」の実証実験を開始したと発表した。早くとも年度内の完成を目指し、研究開発に努めるとしている。また「ラベル自動認識システム」にとどまらず、将来的には、アイテムごとに仕分け作業を行う原料受け入れラインの開発を目指す。

ラベル自動認識システムは、任意のアイテムをカメラで撮影することで、荷姿、ラベルの位置・種類を問わず、ラベル内の情報を自動で読み取るという技術。具体的には、OCR(文字認識)技術、画像認識技術を用いている。また「ダンボール・ドラム缶・紙袋など荷姿が異なる場合」「アイテムごとにラベルの位置が異なる場合」「ラベルの種類が様々である場合」などを対象としている。

同技術は今後、食品・医療品・化学品を取り取り扱うメーカーをはじめ、ラベルを利用するあらゆる現場において必要不可欠な技術になることが期待できると同時に、国内だけでなく海外での需要も見込んでいるという。

TRUST SMITHとADEKAが荷姿・ラベル位置・種類を問わずラベル内情報を自動認識するシステムの実証実験

現在、あらゆるメーカーにおいてロット番号・品質保証期限・賞味期限などを記載した「ラベル」は、頻繁に利用されている。

ADEKAにおいても、化学品事業では樹脂添加剤、情報・電子化学品、機能化学品、また食品事業では洋菓子店・スーパーなど向けのパンや菓子などで様々なラベルを採用している。これら取り扱いアイテムは、荷姿やラベルの位置・種類が多種多様であるためラベルを自動で読み取ることが難しく、人間が確認せざるをえないという。

ただ、属人的な作業にはミスがつきものであり、人為的な過誤による損失、作業効率の低下などの課題を抱えているそうだ。

この課題を解決すべく、OCR技術・画像認識技術に強みを持つTRUST SMITHと、食品の管理技術・トラッキングシステムに強みを持つADEKAは、ラベル自動認識システムの実証実験を開始したという。

同技術によって、食品・医療・化学をはじめ、ラベルを取り扱うあらゆる現場における労働力不足の解消・作業コストの軽減・ヒューマンエラー防止を目指すとしている。

TRUST SMITHは、AI・数理アルゴリズム・ロボティクス分野の最先端のテクノロジーを活用してイノベーションを創造する、東京大学発スタートアップ。ハード・ソフト問わず、様々な技術領域において自社製品の研究開発に取り組むとともに、オーダーメイドで企業の課題に合わせたソリューションの提供や研究の支援を行っている。

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カテゴリー:人工知能・AI
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歯科医療人材をマッチングする「HANOWA」が総額6000万円を調達、ライフスタイルに合った働き方を支援

左から2番目がHANOWAの新井翔平代表

歯科医療人材のシェアリングプラットフォーム「HANOWA」を運営するHANOWAは4月30日、第三者割当増資によりプレシリーズAラウンドで総額6000万円の資金調達を行ったと発表した。調達した資金は開発体制・顧客サポート体制の強化や、マーケティング費用に充てていく。

引受先はANOBAKAと日本スタートアップ支援協会、G-STARTUPファンド、守屋実氏、端羽英子氏、大冨智弘氏、遠藤健治氏、ガゼルキャピタルの他、複数の歯科医師を含む個人投資家となる。

歯科衛生士らと歯科医院をマッチング

滑らかに働き続けることが可能に

歯科衛生士国家試験の合格者に対する免許登録事務などを行う登録歯科医療振興財団によると、歯科衛生士名簿登録者数は約29万人となっている。一方、厚生労働省の調査によると、実際に就業している歯科衛生士は13万人程度しかいない。アクティブ率は5割を切っている状況だ。

結婚や妊娠、出産、育児、介護などを機に、うまく家庭と仕事を両立させることができないでいる『潜在医療従事者』が日本には大勢いるという。歯科医療も含めて医療業界の人材不足は大きな課題となっているのだ。

これらの課題を解決するため、HANOWAを2019年1月に設立した。同社は大阪府大阪市に拠点を構える。同社が2019年12月にローンチしたHANOWAは、自身のライフスタイルに合った働き方をしたい歯科衛生士らと、働き手が欲しい歯科医院をマッチングするプラットフォームとなる。歯科衛生士はHANOWAを通じて、転職するための一歩としても、スキマ時間に単発で働くことも、メインの仕事として週に何度も働くことも可能になるのだ。

歯科衛生士の登録者数は4月30日時点で700人を超えているという。現在は東京都23区と大阪市内でサービスを利用できるが、2021年度中には全国展開を目指している。

HANOWAの新井翔平代表は「歯科医院としては、通常は固定費になる人件費をHANOWAによって変動費にできます。歯科衛生士が就職を希望するのであれば、単発で働いてもらった後にミスマッチのない人材だけを採用できるなどのベネフィットもあります」と話した。

歯科衛生士にもメリットはある。「面接だけでは見えづらい現場も実際に働いて知ることができます。地域のいくつかの歯科医院で実際に働いて自分に合うかを選び、最終的には就職を希望することも可能です。また、常勤勤務というかたちをとらなくても、結婚、妊娠、出産などのライフイベントに合わせて、キャリアを分断せずに滑らかに働き続けることができます」と新井氏は説明した。

HANOWAでは、歯科衛生士のサービス利用料や登録料は無料となる。専用アプリをダウンロードする必要はなく、PCやスマホ経由でブラウザからサービスを使うことができる。

登録後は希望自給や勤務可能な日程、自己PRといった情報をオンライン上に入力していく。地域の歯科医院はそれらの情報から、HANOWAに登録する歯科衛生士にメッセージを送り、実際に勤務可能かすり合わせていく流れだ。もちろん、歯科衛生士から仕事の依頼を行うこともできる。

また、マッチングし終わった歯科医院の院長と歯科衛生士はレビューを交換するようになっており、HANOWAではこのレビューを「アリガトウ」と呼んでいる。

HANOWAに登録している歯科医院で働いた人からのレビューも閲覧でき、安心して働く場所を選べる。歯科衛生士側もHANOWAで働くたびにレビューが積み重なっていくため、自身のキャリアに自信が持てるようになる。新井氏は「今はレビューが多くなるほど、希望自給の提示金額が上がる傾向にあります」という。

なお、マネタイズの部分では月額利用料やマッチング手数料を歯科クリニックから得ている。

看護師や薬剤師へと領域を横展開

新井氏は今後の展望について「歯科領域の人材やシフト管理や労務管理など、アナログな医院経営などをDXしていきます。具体的にはシフト管理SaaSを次に提供することで、我々の登録人材を自動で人材不足の日程に埋め込み、経営者が人材不足について考えなくて済むようなかたちにしていきます。そして歯科業界で蓄えたナレッジを基に、歯科領域と同じスキームで看護師や薬剤師へと領域を横に展開していきます」と語った。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:HANOWA資金調達医療日本マッチングサービス

画像クレジット:HANOWA

街中でETCが使える「ETCX」始動、駐車場やドライブスルーなどでクルマに乗ったままキャッシュレス決済

街中でETCが使える「ETCX」始動、駐車場やドライブスルーなどでクルマに乗ったままキャッシュレス決済ETCを高速道路の料金所だけでなく、街中のドライブスルーや駐車場、ガソリンスタンド、EV充電スタンドでの支払いに利用できる「ETCX」の会員登録受付が本日(4月28日)より始まりました。

「ETCX」は、現在利用しているETCカードおよび車載機を使って、ETCXのロゴマークが掲示してある加盟店で、自動車に乗ったまま代金などを支払えるサービスです。クレジットカード番号とETC番号をETCXに登録するだけで利用できます。

なお、加盟店側の導入コスト削減のためにアンテナ性能は通常のETCよりも落としてあり、支払い時には一旦停止する必要があります。

クレジットカード番号とETCカード番号をETCXに登録すれば利用できる

クレジットカード番号とETCカード番号をETCXに登録すれば利用できる

公表されている加盟店は現段階で2つのみ。新名神高速道路の鈴鹿PA(上り線)に併設のドライブスルー型店舗「ピットストップSUZUKA」で4月29日から利用できるほか、7月以降に静岡県の伊豆修善寺道路の料金所施設も対応します。なお、実証実験段階ではケンタッキーの一部店舗でもドライブスルーに導入していました。

一方で、ガソリンスタンドや駐車場での導入準備を進めているといい、ETCソリューションズの中村英彦社長は『今後3年以内に100か所以上で利用可能にしたい』との目標を掲げます。

この『3年間で100か所』という目標はかなり控え目に思えますが、全く新しいソリューションである点や、加盟店になるためにはアンテナ工事をする必要があるなど、店舗側が導入するハードルは決して低くはないとのこと。とはいえ、多数の利用者を抱えるETCサービスとの親和性が高いことから、長期的には日本全国への加盟店の拡大に自信を示します。

今後の展望については、一般道においても道路の混雑状況に応じて動的に課金する「ロードプライシング」との相性が良いと説明するほか、現在ETCを導入していない有料道路においても、簡易的なETCとして利用できると説明します。

余談ですが、ETCXサービスの提供主体は、ソニーペイメントサービス・メイテツコム・沖電気工業の3社が共同で設立した「ETCソシューリョンズ」となり、高速道路会社が提供する既存のETCとは異なります。ETCXは既存のETCシステムを流用する形でサービスを展開します。

(Source:ETCXEngadget日本版より転載)

カテゴリー:フィンテック
タグ:ETCX(用語)モビリティキャッシュレス決済(用語)日本(国・地域)

CAN EATと南海電鉄が食物アレルギーのある人も安心して食事を楽しめる店舗情報マップ作成企画を開始

CAN EATと南海電鉄が食物アレルギーのある人も安心して食事を楽しめる店舗情報マップ作成企画を開始

大阪を中心に鉄道・開発および付帯事業を行う南海電鉄CAN EATは4月28日、「みんなでCAN EAT with NANKAI ~発掘!アレルギーフレンドリーなお店~」キャンペーンを開始すると発表した。

これは、食物アレルギーのある人や、そのような子どもを持つ親がアレルギーフレンドリーな飲食店または昼食提供店(テイクアウトなど)を共有することで、安心して食事を楽しめる仕組みを提供するための取り組みだ。

キャンペーンは、食事制限のある人の声を集めた店舗紹介サービス「CAN EAT外食マップ」を提供するCAN EATと、南海電鉄とのタイアップして実施される。

具体的には、募集フォームを通じて応募のあったキュレーターに、南海電鉄沿線のアレルギーフレンドリーな飲食店または昼食提供店を利用のうえ、感想などを投稿してもらう。その情報は2021年7月公開予定の「CAN EAT外食マップ」南海沿線版に掲載。誰もが閲覧できるようにする。

CAN EATと南海電鉄が食物アレルギーのある人も安心して食事を楽しめる店舗情報マップ作成企画を開始

投稿内容は、店名と地図情報のほか、提供された食事など店舗利用時の写真、また当該店舗の推薦理由。

投稿対象の店舗は、南海沿線の次の市町村で営業している飲食店または昼食提供店。

大阪府の投稿対象店舗

  • :泉大津、泉佐野、大阪(中央区、浪速区、西成区、住之江区、住吉区)、大阪狭山、貝塚、河内長野、岸和田、堺、高石、富田林
  • :熊取、田尻、忠岡、岬

和歌山県の投稿対象店舗

  • :橋本、和歌山
  • :九度山、高野

キュレーターは、2021年4月28日14時に募集を開始。本人または家族にアレルギーがあり、日常的に食事に注意を払っている人で南海沿線上の店舗情報を投稿可能な人が対象。募集フォームを通じて応募した後、数日後にメールで案内されるオンライン面談を行い、キュレーター認定されると投稿が可能になる。キュレーター募集フォームの運営、オンライン面談、キュレーター認定は、すべてCAN EATが行う。

認定キュレーターは、2枚以上の写真を添付した200字以上の推薦理由を投稿することで、飲食店利用時の費用を「みんなで投稿キャンペーン」により投稿1件につき最大1000円まで補助してもらうこともできる。店舗利用時のレシートをメールに添付すること、補助金受け取りのため銀行口座を登録することが適用条件。2021年9月30日まで、または本キャンペーン対象の投稿が150件を達成した場合のいずれか早い時点で「みんなで投稿キャンペーン」は終了となる。

「みんなでCAN EAT with NANKAI ~発掘!アレルギーフレンドリーなお店~」キャンペーンは、南海沿線に住みたい、そこに出かけたいという人を増やす意図があり、南海電鉄が掲げている「選ばれる沿線づくり」という事業戦略にマッチしたものとなっている。

南海電鉄では、「企業が食物アレルギーをテーマにCAN EAT外食マップとタイアップするのは全国初の取り組み」としている。

2019年4月設立のCAN EATは、「すべての人の食事をおいしく・楽しく・健康的にする」をミッションに、先に挙げたCAN EAT外食マップはじめ、食物アレルギー当事者やアレルギー対応に取り組む外食事業者を支援するサービスの開発・運営を行っている。

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カテゴリー:フードテック
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関西学院大学と日本IBMが授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を企業・自治体・大学に提供開始

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す関西学院大学は4月27日、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と共同開発した「AI活用人材育成プログラム バーチャルラーニング版」(VL版)について、2021年7月より企業・自治体・大学に対し有償提供を開始すると発表した。2024年度に受講者を年間5万人に拡大するとしている。

価格は1科目につき税込2万2000円/年、同じ科目の2年目以降の再受講は税込6600円/年で履修可能となり、継続的な学習による知識の定着を目指す。2021年度は年間5000人の社会人の受講利用を見込んでおり、2021年7月より大同生命保険が本社職員1500人の受講を予定している。関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

VL版は、初学者でもAI活用の実践的な知識・スキルを体系的に修得できるよう設計した「AI活用入門」「AI活用アプリケーションデザイン入門」、「AI活用データサイエンス入門」の3科目(1科目20時間程度)で構成しており、すべてオンライン(オンデマンド)での開講となる。

これら内容は学内開講プログラムと同じで、音声や字幕によるガイダンス、講師の解説、デモ動画、オンラインでの演習、時間制限付きの課題研究、ランダムテストなどの多様な機能を有するオンライン・プラットフォームとなっているという。またプロシーズが提供するLMS「Learning Ware」(ラーニングウエア)を利用しているため、企業・自治体・大学側でのシステムの導入は必要ないそうだ。

学習者の質問に対しては、IBM Watson Assistantを搭載したチャットボットで回答する仕組みを構築しており、提携する企業・自治体に所属する社会人は、時間や場所の制限なく、いつでもどこでも何度でも受講が可能。

受講時間は、1科目あたり20時間程度。単元ごとに設定されているオンラインテスト(ランダム出題)すべてを一定の正解率でクリアすれば合格し、修了証と、オープンバッジ・ネットワークがブロックチェーンで管理するデジタル修了証「オープンバッジ」が発行される。オンラインテストの正解率、講義の早送り・スキップ禁止などの条件を解除する設定も可能だが、その場合は修了証は付与されない。またオープンバッジは、IMS Global Learning Consortium(IMS Global)が定める国際技術標準規格に準拠したものとなっている。

2022年度以降、「AI活用実践演習A(JavaによるWebアプリケーションデザイン)」「AI活用実践演習B(Pythonによる機械学習・深層学習)」「AI活用実践演習C(Webデザイン)」の3科目を提供科目として順次追加し、2024年度には合計6科目を提供する。

今後は企業や自治体をはじめ大学にも提案し、2022年度からは社会人、高校生などにも展開。2024年度には受講者を年間5万人に拡大させることで、関西学院大学と日本IBMは、AI人材の創出に貢献する。

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

関西学院大学は、「AI・データサイエンス関連の知識を持ち、さらにそれを活用して、現実の諸問題を解決できる能力を有する人材」の育成を目的に、2017年より日本IBMと共同プロジェクトを立ち上げ、「AI活用人材育成プログラム」を開発した。

関西学院大学による学術的な知見と、日本IBMのコンサルタントやデータサイエンティストによる多様なAIの社会実装の先進事例を反映した実践型プログラムとして10科目で構成しており、2019年4月より文系理系問わず全学部生を対象に開講しているという。

2021年度には「AI活用入門」「AI活用アプリケーションデザイン入門」「AI活用データサイエンス入門」の基礎3科目をe-ラーニング化しVL版として開講したところ、AIリテラシーの修得を目的とする「AI活用入門」のVL版初年度春学期の履修者は2071人に上り、学生のAIに関する関心の高さが示されたという。

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ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売

ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売ソニーは、防水防塵(IP67)対応のポータブルBluetoothスピーカー「SRS-XB13」を5月28日に発売します。市場想定価格は7700円前後。カラーはライトブルー、コーラルピンク、パウダーブルー、ベージュ、ブラックを用意しています。

SRS-XB13は、ソニーが2019年5月に発売した「SRS-XB12」の後継モデルで、独自プロセッサー「Sound Diffusion Processor」により、ステレオで聞こえにくくなる現象を防ぐとともに上方向へ音を拡散できるとしています。

音質については、低音増強振動板ユニットのパッシブラジエーターと重低音「EXTRA BASS」はもちろんのこと、約46mm径のフルレンジユニットによるクリアな中高域も損なうことなく再生できるとのこと。

使い勝手に関しては、高いところに吊るして使う需要があったことから、ストラップホールを上部と下部の両方に設け、ストラップを通しやすくしたそうです。

ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売

なお、2台を同時に接続してステレオで再生できる「Stereo Pair 機能」は、SBCコーデックでのみ利用可能。また、SRS-XB13にAndroid端末を近づけるだけで、ペアリングを促すメッセージが画面に表示され、かんたんに接続できる「Google Fast Pair」にも対応しています。

  • 伝送帯域(A2DP):20Hz – 20,000Hz(44.1kHzサンプリング時)
  • 指向特性:全指向性
  • Bluetooth:ver 4.2
  • 対応コーデック:SBC / AAC
  • 対応プロファイル:A2DP / AVRCP / HFP / HSP
  • 連続再生時間:最大16時間
  • 充電端子:USB Type-C
  • 耐久性:IP67 防水防塵
  • サイズ:約76 x 95mm (直径 x 高さ)
  • 重量:約253g
  • 付属品:USB Type Cケーブル(x1) / ストラップ(x1)

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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