Lenovo、四半期決算の悪化を受け、3200名のレイオフを発表

世界最大のPCメーカーであり、さらにスマートフォンメーカーとしても5位の位置につけるLenovoが、従業員3200名のレイオフを発表した。前四半期の不調を受け、財政状況を改善しようとする狙いをもつものだ。

Lenovoのアナウンスによれば、レイオフの対象は非製造部門の人員で、今回のレイオフにより従業員数は5%減(非製造部門のみでの割合をみれば10%減)となるのだとのこと。これにより年間で10億3500万ドルの節約になるそうだ。レイオフ発表の前に行われた決算報告によれば、昨年比でみた営業利益は50%以上(1億500万ドル)の減少となっている。

売上についてみれば、昨年よりも3%増加した107億ドルとなっている。しかし世界規模でのPC需要の低迷と、中国の(やはり縮小傾向にある)スマートフォン市場における競争の激化が利益の減少をもたらしている。またラテンアメリカにおける為替変動がLenovo本体および子会社となるモトローラ・モビリティの足を引っ張ってもいる。

「この四半期は、ここ数年において最も厳しい状況にあったといえると思います」とLenovoのCEO兼チェアマンであるYuanqing Yangは述べている。「長期的な、持続可能な成長を実現するため、先を見越した対応を全社的に行う必要があると判断したということです」。

なお、レイオフと同時に不良在庫化していた3億ドル分のスマートフォンの償却も行った。さらにスマートフォンビジネスにおいて、モトローラ・モビリティとの連携を強めていくために6億ドルを投じたリストラを行うことも発表している。

最近の決算報告では、Android市場における厳しい発表が相次いでいる。たとえばHTCは2億5200万ドルの営業損失を出して新たな可能性を模索する中、企業価値が事実上ゼロとなる事態も発生している。韓国でもLGの売上は下落し、そしてSamsungもスマートフォン部門での不調が続いている。さらにいえば日本のソニーもスマートフォン分野における苦戦を続けている。

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(翻訳:Maeda, H

Apple、第3四半期決算は予測をやや下回る―売上4960億ドル、利益1070億ドル、EPS1.85ドル

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Appleは先ほど会計年度2015年第3四半期の決算を発表した。これによると、売上は4960億ドル、利益は1070億ドル、EPS(1株当たり利益)は1.85ドルとなっている。 対前年同期比では、利益が32.5%アップし、EPSにいたっては44.5%もアップしている。 ところがこれほど高い成長ぶりにもかかわらず、今期のAppleはアナリストの予測を下回った。

2015年第1四半期にはiPhone 6と6 Plusの好調によって過去最高のEPSを記録するなど、最近2期連続してブロックバスター的好決算を続けたため、アナリストの予測は極めて高い水準となっていた。Fortuneによれば、アナリストは平均して、EPS を1.88ドル、売上を5038億ドルと予測していた。

ハードウェア

今期、Appleは4750万台のiPhone、1090万台のiPad、480万台のMacsを販売した。対前年同期比では、iPhoneの販売台数は34.9%アップしたものの、iPadの販売台数は17.9%ダウンしている。Macのセールスは8.8%アップだった。詳しくはこちらの記事を参照

iPhoneの平均販売単価は昨年同期の561ドルから660ドルへ17.6%アップしている。これがおそらくApple全体での利益の増加を生み出した主要因だろう。

国外売上

国際的な売上は全売上の64%を占めた。第2四半期は旧正月に当たったこともあり、中国での売上が71%も急上昇するなど極めて好調だった。多くのアナリストがApple Watchは中国市場で大成功するだろうと予測していた。しかし今期Appleの巨大な売上を支えたのはやはりiPhoneだった。中国本土での売上は対前年同期比で112%という驚異的成長を遂げた。中国市場についてはこちらの記事に詳しい。

株式市場の動向Screen Shot 2015-07-21 at 22.43.28

決算発表直後の時間外取引の株価は122ドルで、今日の終値より6.69%値下りしている。この半年、Apple株は非常に強気に買われてきたため、今日の決算が予測を下回ったことを機会に調整が入ったものだろう。

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「日本の決済ビジネスには3つのチャンス」 PayPalが今後の戦略を説明

PayPalジャパン・カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏

親会社であるeBayからスピンオフし、7月20日に独立企業として再びNASDAQに上場し、親会社を超える500億ドルという時価総額を付けたPayPal(2002年のeBayによる買収は15億ドルだったので、その33倍にもなるわけだ)。同社は今後の日本展開について説明すべく、7月21日に東京・赤坂で発表会を開催した。

「お金そのものが変わろうとしている。その最大の理由はデジタルウォレットが台頭してきたことだ」――イベントに登壇したPayPal東京支社 ジャパン・カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏はこのように切り出した。

17年以上にわたって決済サービスを提供してきたPayPalから見ても、金融システムはDisruption(創造的破壊)を起こしうる状況にあるのだそう。「物理的なお金はすべてデジタル化しつつある。それによってモバイルでお金を払うだけでなく、支払いを受け取ったり、クレジットを利用したり、将来的には財布を持ち歩く必要すらなくなるだろう」(ワイズ氏)。

このモバイルの成長を裏付けする数字としてワイズ氏が提示するのがPayPalの決済全体に対するモバイル決済の比率の増加だ。2014年度には決済全体の2割だったモバイル決済は、2015年度第1四半期時点で3割まで向上している。

そんなお金の「デジタル化」する世界では、企業はデータ分析の機能やサイバーセキュリティが求められていくという。また同時に各国政府の規制を知り、法令を遵守することも求められる。ワイズ氏はPayPalがこういった課題を解決し、金融システムのDisruptionを起こせるユニークな状況にあると語る。

アクティブユーザー1.69億人、取扱高2350億円の決済基盤に

PayPalは現在203の国と地域でサービスを展開。直近のアクティブユーザーは16900万人で、2014年度の新規アクティブユーザーは1900万人。取扱高は2350億ドル(28兆円)で前年比28%の成長。収益は80億ドル(1兆円)で同じく19%の成長となっている。取引件数は40億件で、こちらも前年比27%の成長だ。

またPayPalの強みとして、17年以上のサービス運営実績や不正利用の検知、トラブル時の消費者・店舗への全額保証、8000人24時間体制のサポート体制、法令遵守での運営体制などを挙げる。「決済ビジネスは簡単なモノではない。この実績と経験が競合と差別化のユニークな点だ」(ワイズ氏)

では再上場したペイパルはどこに向かうのか。ワイズ氏は「世界をリードするオープンデジタル決済プラットフォーム」を目指すと語る。v.zeroと呼ぶSDKでビットコインをはじめとした仮想通貨でも決済に対応するほか、ここ数年で刷新したユーザーインターフェースも日本で導入を進めている。「お金そのものをもっと自由に扱えるようにする。我々は自身をDisruptし続ける、また(他社に)Disruptされかねないという危機感を持ってビジネスを進めている」(ワイズ氏)

日本の決済ビジネスに3つのチャンス

続けてワイズ氏は、日本の決済市場について、3つのチャンスがあると説明した。

まず1つ目は中小企業やスタートアップの台頭だ。創業期から中小企業のネット決済の手段として利用されているPayPal。導入の手軽さや不正検知、決済から現金化まで最短3日という特徴は中小企業にとっても価値のあるものになっているという。また今後増えるであろうモバイルでの越境ECなど、より役立てる機会があるとした。

2つ目のチャンスはモバイルによる次世代のコマースだ。すでに世界の人口より多い72億台という端末が流通し、PayPalの決済でもモバイルの割合は上がるばかり。そんな状況で生まれるスタートアップは、モバイルアプリでサービスを提供するところが中心。PayPalではクレジットカードをカメラで撮影して読み取るSDKなども用意。ユーザーに対してたがるな決済手段を容易に提供できるとする。またヤマダ電機やネスカフェなどに対しては、オムニチャネル化に向けたモバイル決済の実験なども行っている。「オンライン、リアルにかかわらず、今後モバイル決済は『選択肢の1つ』ではなく『マストなもの』になる」(ワイズ氏)

3点目がインバウンド需要への対応だ。ワイズ氏によると、1~5月の訪日観光客は前年比45%、年間2500万人にも届く勢いだという。またこれにあわせて訪日観光客の国内支出も前年比43%増という状況だと説明。「ホテルや旅行代理店などにたいして、強い決済サービスが提供できることは多い」とした。またTokyo Otaku Mode(TOM)をはじめとした”クールジャパン”関連のECでもPayPalの導入が進んでいると説明。TOMでは、導入から数カ月後にはPayPalでの決済が全決済の半数を占めるようになったという。

再上場の影響「日本にはない」

ここからは質疑応答の内容などを少し紹介する。まず再上場による日本市場への影響については、「eBayのプラットフォームがないため、大きな影響がない。影響があるとすれば、日本や他の国において『eBayの関連会社』ということで(競合のため)付き合えない会社があったが、そこでのビジネスチャンスが生まれる」(ワイズ氏)という。

また日本市場におけるにおけるPayPalの立ち位置については、「個別の市場の数字については公開を控えている。言えるのはアクティブユーザーは国内、越境を含めて100万人以上。マーチャントも10万単位かそれ以上。決して少なくない数字」(ワイズ氏)とのことだった。

発表会後、日本と米国など海外の決済市場との違いについて聞いたのだけれども、「CtoCサービスでの利用は日本が多い」という点が特徴的なんだそう。一方で「越境コマース」への対応が弱いという課題もあるとした。「そこに関してはPayPalは強みを持っているので、サービスを提供していきたい」(ワイズ氏)

「赤字上場でもしっかりした成績が残せた」2Q決算でクラウドワークス吉田社長

20年後にクラウドソーシングで年間総契約額3兆円の仕事を提供する——クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏は、5月15日に開催された決算説明会兼事業戦略発表会でこのように語った。

事業は成長、「しっかりした成績が残せた」

すでに昨日発表済みではあるが、クラウドワークスの2015年9月期第2四半期(第1〜2四半期累計)の営業収益で3億6500万円(前年同期比で307.8%増)、営業利益は2億8300万円の赤字(前年同期は1億700万円の赤字)、経常利益は2億8700万円の赤字(同1億700万円の赤字)、純利益は2億9500億円の赤字(同1億800万円の赤字)。

事前見通しの通り利益を見ると赤字ではあるものの(ただし、質疑応答以外、プレゼンで利益のことに全く触れなかったのはちょっと気になったのだが)、総契約額では前年同期比で97%となる6億5600万円。クラウドワーカー(登録ユーザー数)は年間257%増の58万人(4月末時点の数字、5月に60万人を突破したそう)。営業収益は四半期ベースで見ると前四半期比229%となる218億円。会見でクラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏は「『赤字上場で大丈夫か』と言われたが、しっかりした成績が残せたのではないか」と語る。

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2015年9月期は総契約額はプラットフォームサービスで25億円(上半期実績で8億4000万円)、エンタープライズサービスで9億円(上半期実績で3億円)を目指す。2014年にスタートしたエンタープライズ向けの事業も好調とのことで、継続利用に加えて、大手企業の新規獲得も好調だったとした。

会見で吉田氏が繰り返したのは「総契約額」というKPI。同社では2017年9月期に総計約100億円という計画を掲げていたが、今後体制強化と新サービスで2016年度での達成を目指すという。ただし黒字化の時期については明言せず、事業への投資の可能性も挙げつつ、「(総契約額)100億円での黒字か赤字についてもまだ考えているところ」と説明するにとどまった。

さらに20年後の目標として、年間総契約額3兆円という数字を掲げた。吉田氏は—名前こそ出さないものの、ソフトバンク代表の孫正義氏を暗に例に挙げつつ——「僕らの世代でも夢を持っていい。今は『何を言っているんだ』と言われるかもしれないが、温かく見守って頂きたい」「上場市場の末端に立った以上、投資家のみなさまに精一杯答えたい」と語った。

新サービス「クラウドワークスBPO」を展開

4月には、最長6カ月程度のクライアント企業でのオフィスワークを経てリモートワークへ移行することで企業の不安を取り除き、長期のリモートワークを実現する「クラウドワークステクノロジーズ」を発表していたが、同社は今回新たに「クラウドワークスBPO」なるサービスを開始した。

BPOとはビジネス・プロセス・アウトソーシング、つまり作業ではなく業務そのもののアウトソーシングだ。クラウドワークスBPOでは、同社のスタッフがクライアント企業に常駐。クラウドソーシング事業の「クラウドワークス」や前述のクラウドワークステクノロジーズを使ってアウトソーシングの組織体制を設計するというもの。

このサービスでターゲットとするのは、電力関連事業。2016年4月に電力小売が完全自由化されるが、「関する業務が大量に発生する。その課題に対応する」(吉田氏)のだという。具体的には補助金申請や電力会社向けの接続申請、電力需給管理といった業務に向け、リサーチ・マーケティング・経理・コールセンター・原稿制作・書類作成・監視などを行う。同社ではこの事業で2018年内に10億円規模の業務をクラウドソーシング化するとしている。

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下方修正や不適切な取引などIPOを巡る問題、JPXが異例の対応発表

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日本取引所グループ(JPX)は3月31日、新規公開(IPO)会社経営者による不適切な取引など、株主や投資者の信頼を損ないかねない事例が散見されるとして、異例とも言える対応策を発表した。

JPXが発表したのは次の3点だ。

1.新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応
経営者の不適切な取引について、上場審査を強化
上場申請会社の経営者・社外役員等に対して、不適切な取引防止のための啓発セミナーを実施

2.上場直後の業績予想の大幅な修正への対応
上場時に公表される業績予想について、前提条件やその根拠の適切な開示を要請(上場直後に業績予想の修正開示を行う場合には、それらに関する特に丁寧な説明を要求)

3.上場時期の集中への対応
上場予定時期について、東証における集計及び周知を通じて全体日程を共有し、集中緩和を要請(2014年は年間計80社のうち28社が12月に上場している)

上場から3カ月もたたずに業績予想の大幅な下方修正を発表したgumiを思い浮かべるかもしれないが、同社に限った話ではない。日本経済新聞の報道にもあるように、エナリスの不正会計やジャパンディスプレイの3度にわたる下方修正だって記憶に新しいところ。また2014年11月にはみんなのウェディングが「実体の伴わない売上が含まれていた」なんて開示をしていた。

JPXでは、あわせて日本証券業協会や日本公認会計士協会を通じて、証券会社や監査法人あてに協力の要請を行っている。その文面には以下のような文言が並んでいる。

(日本証券業協会向けに)対応の実効性の確保には、引受証券会社における適切な上場指導及び引受審査の実施を欠くことができません。貴協会では、新規公開における引受審査に際し、経営者の法令遵守に対する意識や、利益計画の策定根拠の妥当性などについて厳正な審査を行うよう引受証券会社に求めておられますので、昨今の動向を踏まえ、引き続きお取組みくださいますようお願い申し上げます。

(日本公認会計士協会向けに)新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応の実効性の確保には、とりわけ公認会計士及び監査法人における適切な監査の実施や不正リスクへの適切な対応を欠くことができません。監査の品質確保を担う自主規制機関のお立場として、監査実務の点検や実効性の確保に引き続きお取組みくださいますようお願い申し上げます。

LINE、売上が前年比2倍に

LINEの売り上げは1年間で2倍に増え、月間アクティブユーザー数はわずかに伸びている。1月29日に発表された2014年通期業績によれば、売上は863億円に上り、前年の404億円から114%増。12月末時点で月間アクティブユーザー数(MAU)は1億8100万人に上り、9月末時点の約1億7000万人から微増した。LINEがトップシェアを占める日本、タイ、台湾の3カ国のMAUは9200万人だった(日本だけのMAUは非公表)。

基幹事業である「LINE事業」の業績を見ると売上高は774億円で、前年の343億円から126%成長。LINE事業の内訳としては、前年と同様にゲーム課金が全体の60%を占めていて、以下はスタンプ課金が15%、その他(広告関連事業)が25%だった。「売上が倍増した特定の要因はなく、各事業が順調に成長している」とLINE広報部は話している。

2014年Q4以降は日本、タイ、台湾の主要3カ国に加えて、トップシェアを狙える位置にあるというインドネシア、フィリピンなどの東南アジア地域、メキシコやコロンビアなど南米地域、市場開拓を試みているアメリカなどを「優先度の高い市場」として積極的に投資していくそうだ。


日本のLineの2014Q3の売上は$192M、前年同期比で倍増…その稼ぎ方をFacebook/WhatsAppも見習うべき?

Facebookは数日前に、この前180億ドルで買収したメッセージングサービスWhatsAppが今年の前半で損失を計上したことを明かしたが、今日(米国時間10/29)は登録ユーザが5億いるライバルのLineが、2014Q3の売上が前年同期比で倍増したことを発表した

Lineは利益や損失を発表しないが、至近の四半期の売上が1億9200万ドルであった。前年同期比では104.2%の増(ほぼ倍増)、前期比では17.7%の増だった。ラインの収益源はデジタルのコンテンツで、その主なものはゲームアプリのアプリ内購入だ。ゲームのタイトルは50以上あり、そのほかにステッカーの売上や企業が利用するマーケティングチャネルの料金収入もある。

同社によると月間アクティブユーザ数は1億7000万で、その過半数8700万は上位三つの市場…日本とタイと台湾…からだ。この三つ以外では、合衆国の2500万やインドの3000万が大きい。

Lineは最近、上場の予定を延期したが、それは評価額をおよそ100億ドルとする日米同時上場だ、と噂されていた。また、噂ではなく同社の発表では、今後全世界的に漫画サービスを展開し、コンテンツのダウンロードやエンゲージメントで稼ぐという。また、顧客をオンラインからオフラインへと誘導する企業向けのマーケティングチャネルを、今後は西欧も含む全世界へ拡大していき、知名度の一層の向上を図る計画だ。

WhatsAppは各月のアクティブユーザ数が60億を超えていて、メッセージングサービスの断トツだが、アジア勢力…日本のLine、中国のWeChat、韓国のKakao Talkなど…は、上記のように、企業などからの売上が大きいプラットホーム型のビジネスモデルを開拓しようとしているから、今後の勢力図がおもしろいことになりそうだ。

ただしLineの現状は、海外市場で巨額の広告費をつぎ込んでいるから、利益はそれほど大きくないと思われる。トップランナーのWhatsAppはこれまで、口コミ効果による成長が大きかったが、Facebookが今後それを自己の収益源にしていくためには、上記のアジア的やり方が参考になるだろう。いくらWhatsAppのファウンダたちが執拗に、広告やゲームを入れることに声高に反対しているとしても…。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Q3の決算報告で損失が大きかったAmazon、株価が10%急落

Amazonの2014Q3の決算報告は、売上が期待値を下回り、損失は期待値より大きかった。アナリストたちは売上を208.4億ドル、損失を一株あたり0.74ドルと見ていたが、決算では売上205.8億ドル、損失は0.95ドルだった。

損失の総額は4億3700万ドルとなる。

投資家たちは売り急ぎ、株価は急落した。

上の図はかなり雑だが、Amazonが決算報告の直後に下げるのはこれが初めてではない。今年の1月には、やはり期待より悪い売上と利益を報告したあと、8%の急落があった

でも205.8億ドルの売上は前年同期比で20%の増である。全体としてAmazonの肉体ならぬ経営体は健康であり、資金状態も良く、イノベーションも活発だ。しかしながら投資家たちは売上成長率をもっと大きく期待していたし、損失は少なく見ていた。今回はどちらも期待に届かなかったから、ダブルパンチだ。

同社が最近ローンチしたFire Phoneは、不成功に終わった。Amazonの優等生、尊敬されているクラウド事業は、このところMicrosoftやGoogleとの価格戦争の罠にはまっている。相手の二社はどちらも、黒字でしかもお金持ちの企業だ。クラウドの料金はこれからもしばらくは、Amazonの利益を抑え続けるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


グリー通期決算はヒット作不足で減収減益–今期はネイティブシフトし、新規事業も強化

グリーは8月13日、2014年6月期通期決算を発表した。売上高は1255億9800万円(前期比17.5%減)、営業利益は350億700万円(同28.0%減)、経常利益は360億5600万円(同32.3%減)、純利益は173億4700万円(同23.0%減)となった。

2014年度には早期退職による人員整理を実施してコスト削減や構造改革を進めた同社。フィーチャーフォン向けゲームの売上が減衰する一方で、スマートフォン向けの新規ヒットタイトルが思うように出ず、2期連続での減収減益となった。

2015年6月期には、これまで子会社を含めて300人体制だったネイティブゲームの開発体制を強化。現在非正規雇用を含めて1300人いるウェブゲームの開発者を教育し、年度内にネイティブアプリ1000人、ウェブ300人の開発体制を作るという。

ネイティブゲームの開発を300人から1000人に

グリー取締役執行役員の荒木英士氏は、同日開催の決算説明会において、これまでのネイティブゲーム不調の理由について、「打率向上(開発力強化、開発プロセスの改善)×打席数増加(開発人数やライン数の増加)が重要だが、ネイティブゲーム(をやる)と言い始めた頃には打率を上げる取り組みが十分でなかった」と説明。これを反省する形で1年かけて150人規模のネイティブゲーム専門チームを立ち上げ、今回発表した開発人員大幅強化に踏み切った。代表取締役社長の田中良和氏も「開発体制の強化を続けてきて、その結果がやっと出てきた。『これは行ける』と思っており踏み込んでいく」と語る。同社は2014年第4四半期の売上高266億円をボトムに売上の回復も期待する。

パブリッシング事業についても強化する。国内外のグリーの開発拠点や有力パブリッシャーとの連携により、クロスボーダー、クロスプラットフォームなゲームタイトルの配信を進める。

新規事業や投資も続々

今後は新規事業も強化していく。今春以降、ブランド品買取の「uttoku」、ホテルの直前予約サービス「Tonight」をはじめとして、複数の新サービスを提供。さらにはスマートニュースへの出資などを実施している(グリー取締役 執行役員常務の青柳直樹氏は、7月に福岡市で開催されたイベント「B Dash Camp」にて、1年で100億円の投資を実行すると発言している)。

田中氏は「スマートフォン」「シェアリングエコノミー」「既存のサービス、マーケットを変えていくようなもの」という3つのキーワードで注力分野について説明。青柳氏も、「投資も含めて一気呵成に新しいサービスを提供していく」と語った。なお新規事業については、TechCrunch Japanでは荒木氏へのインタビューを実施している。その詳細は近日中に紹介する予定だ。蛇足だが、決算説明会の資料でTonightは紹介されていたのだが、ラブホテル専用の直前予約サービス「Tonight for Two」は紹介されていなかった。それ以降に発表されたサービスは紹介されていたにも関わらず、だ。

説明会の質疑応答では、記者から「グリーはプラットフォーマーからネイティブゲームのソフトメーカーになるのか」という質問が飛んだ。GREEプラットフォームを中心とするウェブゲームの売上はまだ大きい(2014年度で1252億コイン中759億コイン)ものの減少傾向にあるし、同社はネイティブゲームの開発者を300人から1000人に増やすとしている。これに対して青柳氏は、「ウェブとネイティブで明確にポジショニングや戦略を変えている。引き続きウェブはプラットフォーム。ネイティブについてはデベロッパーであり、パブリッシャーとしてプラットフォーマーと協力していく」と回答した。

説明会で触れられなかった役員人事

ところで気になったのは、同日発表された役員人事だ。9月に開催予定の株主総会で、田中氏は代表取締役社長から代表取締役会長兼社長に、取締役執行役員副社長の山岸広太郎氏は取締役副会長になるという。

この点について説明会では何も語られなかった(かつ質疑の時間が限られていた)ので同社広報に尋ねたところ「ブランディングや業界内でのプレゼンス向上のために対外活動を強化するため会長職を設置する。また、田中の業務を補佐するために、共同創業者である山岸が副会長に就任する」との回答を得た。


LINEの2014年4〜6月期、売上高は前四半期比17.5%増の212億円に

親会社である韓国NAVERの発表などを通じて、東京証券取引所に上場申請を行ったことが明らかになったLINE。米国での同時上場も検討しているという同社が7月30日、2014年12月期第2四半期(4-6月)の連結業績を発表した。売上高は212億円(前四半期比17.5%増)、基幹事業となるLINE事業の売上は182億円(同25%増、前年同期比146%増)となった。

LINEの利用者数は引き続き拡大しているそうだ。インドネシアをはじめとしたアジア諸国でユーザーが堅調に拡大しているほか、メキシコやコロンビアなどの中南米諸国でも、プラットフォーム戦略が受け入れられて新規ユーザーが拡大しているという。ユーザーは世界4.8億人にものぼる。

また、ユーザーが制作するスタンプの販売や購入ができるプラットフォーム「LINE Creators Market」を4月に発表。販売を開始した5月8日から1カ月間での販売総額は1億5000万円となった。(公式の)有料スタンプの売上は月間の最高販売額を更新していると説明。特に6月より提供を開始したアニメーションスタンプの売上が好調だという。

ゲーム事業においては、7月より欧米および東アジア市場に提供を拡大した「LINE:ディズニー ツムツム」が好調(ダウンロード数も世界2000万件となった)なほか、日本、タイ、台湾などで「LINE クッキーラン」、「LINE レンジャー」のテレビCMやオフラインイベントを通じたプロモーションを展開。利用者と売上が増加した。タイでは「LINE I am Wukung」を提供するなど、ローカライズしたサービスの提供を進めている。

また広告事業では、公式アカウントやスポンサードスタンプの導入企業が世界各国で増加して成長を継続。2月に発表した「LINE ビジネスコネクト」の導入企業も徐々に増加しているとのことだ。


Amazonの第2四半期は売上193.4億ドル、赤字1700万ドルで株価は5%急落

今日(米国時間7/24)、株式市場の取引終了と同時に、Amazonは第2四半期の決算を発表した。これによると193億4000万ドルの売上に対して一株当たり0.27ドルの損失が計上されている。アナリストは193億400万ドルの売上と一株当たり0.15ドルの赤字と予測していた。

対前年同期比ではAmazonの売上は23%アップしたが、損益は7900万ドルの黒字から1700万ドルの赤字へと大幅にダウンした。昨年同期の純益は700万ドルだったが、今期は1億2600万ドルの純損失となった。

この情報にAmazonの株価は5%も急落した。しかしAmazonの株価は損益よりもっっぱら売上高にもとづいて評価される傾向がある。 また小売業の特性から第4四半期に売上が急増するという季節的要因も強い。

Amazonの今期末の現金及び現金等価物は50億ドルだった。

Amazonは新発売のFireスマートフォンについて詳しい説明をしていないが、「ローンチ後、Amazon Appstoreへのアプリの登録は2倍以上に増えた」と述べた。

Amazonの損失の原因は巨額の投資だ。発表によると、AWSは「昨年、数千人の社員を新たに採用した」という。これも利益を圧迫する要因の一つだろう。

第3四半期の見通しは、売上が197億ドルから215億ドル、損失が8億1000万ドルから4億1000万ドルと、昨年同期の2500万ドルの損失に比べて赤字の急増を見込んでいる。Amazonはこの見込みについて「4億1000万ドルに上る株式ベースの給与と無形固定資産の償却」によるものとしている。

Amazonのサービス売上総額は昨年同期の29億5200万ドルから40億8900万ドルへ38.52%アップした。北アメリカの「その他」の部に計上されているAWSの売上は11億8600万ドルだった。

投資家は今期の結果にも来期の見通しにも弱気になっている。Amazonは売上高では予測どおりだったが、予測を大きく上回る損失に市場はショックを受けたかたちだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、時価総額1900億ドルでAmazonを上回る

Facebookの時価総額がAmazonを上回った。昨日行われた収支報告をうけて、Facebookの株価は75ドルとなり過去最高を記録した。この傾向は一夜あけても続くこととなり、株価上昇が一過性のものではないことを示しているようだ。マーケットの開始とともに株価は75.96ドルとなり、最高で76.74ドルをつけた。その後、75.14ドルあたりで売買されている。

これにより時価総額は1900億ドル程度となり、Amazonの1650億ドル程度を上回ることとなった。

収支報告によれば売上は29億1000万ドルを記録し、これは1株あたり0.42ドルとなっていて、アナリストの予測を上回るものとなっていた。チャートを見る限り、成長の陰りなど見られないような状況となっている。今や、公開後にうまくいっているテック企業のお手本ともいうべき成績を示している。

このFacebookの好調は市場全体にも影響し、テック関連株については強気の見方が広がっているようでもある。

参考までに、Facebookは2012年5月の公開当時からすると、大きく変容してきたということができる。公開当時、利用者の多くはパソコンからアクセスしていた。また掲載されていた広告についても、効果的であるとはいえない状況でもあった。しかし現在では多くの利用者が常に手元に持っているスマートフォンからアクセスし、またモバイル広告も非常に良いパフォーマンスを示しているようだ。

さらに昔の5年前を思い浮かべるのなら、当時はFacebookの時価総額がAmazonを上回るなどと想像した人はだれもいなかった。GoogleやMicrosoftと比較しても、その半分の規模に成長しているのだ。蛇足かもしれないが付け加えておけば、Twitterと比較すると8倍の価値をもつにいたっている。

Image credit: Bryce Durbin

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(翻訳:Maeda, H


サイバーエージェントがAmeba事業の大改革、人員を半減しネイティブアプリや音楽ストリーミングなど新領域に

サイバーエージェントは7月24日、2014年9月期第3四半期の決算説明会を開催した。その中で、主力事業の1つであるAmeba事業の人員を現在の1600人から800人に半減し、800人を新たな成長分野にあてる大幅な構造改革に踏み切ることを明らかにした。

Ameba事業ではこれまで、「ガワアプリ」(ブラウザの外側だけ、という意味でウェブブラウザを表示するスマホアプリのこと)こそ提供してきたが、ネイティブアプリではなくブラウザベースでAmebaのプラットフォームを構築することに注力していた。

今回の構造改革でCP事業本部(ゲーム、コミュニティ以外のネイティブアプリ事業。内製のほか提携やM&A含む)、コミュニティ事業本部(Amebaの既存コミュニティサービスおよび各サービスのフルネイティブ化)、新規事業(音楽、動画関連の新事業)の3つの事業部を設立。Ameba事業から離れる800人を3つの新事業にあてる。

決算説明会の場でサイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏は「Ameba事業は決してジリ貧になっているわけではないが、早めの構造改革が得策と考えた。これまで進めてきたブラウザのプラットフォーム戦略は一定の安定収益が得られているが、急激な拡大は難しいと判断した」と説明。明日7月25日に社内で説明会を開催し、8月1日付けで辞令を出す。

大幅な人員減になるが、藤田氏は「LINEが400億円(LINEの2013年通期の単体売上高)、600人規模でやっている。メディアを運営する規模としては適正。一気にスマホシフトした中で残った体制なので、いいタイミングで整理できたと思っている」と説明する。

新規事業はそれぞれ個別採算制とする。今後はプラットフォームを作るというよりは、「フルネイティブのアプリを出して、1つヒットが出れば他のアプリに誘導をして…ということをしていく」(藤田氏)とのこと。また、音楽関連の新規事業については、「Spotify」などの名前も例に挙げて、音楽ストリーミングサービスを検討中であると明かした。決算説明会後に藤田氏にあらためて話を聞いたところ、Amebaで培った芸能・音楽関係のネットワークをもとに権利者などとの話し合いを進めている最中だという。


Facebookの第2四半期は売上29.1億ドルと好調―広告の62%はモバイル、ユーザーは13.2億人

Facebookの四半期決算は8期連続でアナリストの予想を上回り、2014年の第2四半期は売上29億1000万ドル、一株当たり利益0.42ドルとなった。Facebookのモバイル事業は全体の2倍のスピードで成長を続けており、現在、月間モバイル・ユーザーは10億7000万人、1日当たりモバイル・ユーザーは6億5400万人だ。そのおかげで、広告収入の62%をモバイルから得ることに成功している。全てのプラットフォームでの月間ユーザー数は13億2000万人、1日あたりユーザー数は8億2900万人で、63%のユーザーは毎日利用している。今期決算についてウォール・ストリートのアナリストは売上28億1000万ドル、一株当たり利益0.32ドルと予想していた。

この決算を好感して株価は時間外取引で3.77%アップし、過去最高値の73.99ドルとなった。

〔売上高の推移に関するインフォグラフィックスは原文を参照〕

今年第1四半期と比較すると、月間全ユーザー数は12億8000万人から13億2000万人へと3.125%アップ、 1日当たりユーザーは8億2000万人から8億2900万人へと3.36%のアップだった。月間モバイル・ユーザーは10億1000万人から10億7000万人へと5.9%のアップ、 1日当たりユーザーは6億900万人から6億5400万人へと7.4%のアップだった。

注目されるのはFacebookがアメリカとカナダで前期に比べて200万人も1日当たりユーザーを増やしたことだ。これは「Facebookは先進国市場で人気を失っている」という批判を黙らせる効果があるだろう。またモバイルのみのユーザーは3億9100万人とデスクトップのみのユーザー2億4000万人を大きく上回っており、モバイル化が順調に進んでいることをうかがわせる。

また今期、Facebookは世界におけるユーザー当たり売上は過去最高を記録し、ユーザー当たり広告収入も全地域でアップした。

その一方で、売上手数料収入は不振となった。この部門は主としてFacebook内でのウェブゲームの売上に対する30%の手数料からなっているが、総額2億3400万ドルは第1四半期の2億3700万ドルからわずかにダウンしている。ただし対前年同期比では9%のアップだ。この不振の原因はアメリカとカナダのユーザーがゲームのダウンロードについてはiOSとAndroidのストアに大挙移動したことによるものだ。

今期、Facebookはサードパーティにモバイル広告を販売する広告ネットワーク、FAN(Facebook Audience Network)の立ち上げなど、ビジネス面で多くのニュースを作ってきた。ただしこれらの事業はまだ初期段階にあり、決算に影響を与える存在になるにはまだ時間がかかるだろう。

午後に予定されているカンファレンス・コールで「ティーンエージャーのFacebook離れ」という情報についてFacebookがなんらかの説明をすることを期待している。少なくともアナリストの誰かはこの点について質問するだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleの第3四半期、利益77億ドルと好調―iPad不振で売上374億ドルは予想を下回る

Appleは先ほど、2014年第3四半期の決算を発表した。これによると売上は374億ドル、純益は77億ドル、一株当たり利益は1.28ドルだった。昨年同期比では、売上5.9%アップ、一株当たり利益は19.6%のアップ(7対1の株式分割を修正後)だった。

Fortuneがまとめたアナリストの予測では、一株当たり利益は1.26ドル、売上383.1億ドルだった。また粗利益率は38.0%となって、利益を押し上げると予測していた。

蓋を開けてみると、売上ではやや期待を下回る結果となった。しかし粗利益率は予想よりさらに高く、39.4%にも上ったため、一株当たり利益は予想を上まわった。売上不振の原因は iPadの不調だ。

Appleが発表した前四半期の見通しでは360億ドルから380億ドルの売上、37%から38%の粗利益が期待されていた。2013年のAppleの見通しはずっと正確で、実際の売上は予測の上限とほとんど一致した。

Appleもアナリストも今期の好調な粗利益を予測していたが、売上はもっと増えるはずだった。しかしiPhone 5cは予想ほど売れず、 消費者はiPad miniよりiPad Airを好んだようだった。

ハードウェア

今期、AppleはiPhoneを3530万台、iPadを1330万台、Macを440万台販売した。2013年の同期と比較するとiPhoneの販売台数は13.9%アップしたのに対して、iPadは8.9%ダウンしている。販売台数に関してはわれわれのこちらの記事を参照


地域別売上

やはり今期もAppleの成長には中国が大きな割合を占めていることが示された。iPhone、iPadとも中国の売上シェアが大きい。こちらの記事を参照


株式市場の反応

1株を7株にする株式分割、自社株買い戻しに300億ドルを追加、配当を8%に増やす戦略などが功を奏し、Appleの株式はきわめて好調に取引されている。過去3ヶ月、株価はほぼ一本調子で値上がりし、分割後で100.81ドルというほぼ過去最高値をつけた。今回の決算の発表後の株価は安定している(時間外取引0.44%のダウン)。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


レストラン予約サービスのポケットコンシェルジュ、Uberライクなスマート決済を実現

12億ドルの超大型調達をはじめとして、最近何かと話題に上がる「Uber」。そのビジネスの話は置いておいて、実際にユーザーとして使ってみると分かることがある。降車の際にいちいち財布からお金を出して会計しなくとも、そのまま車を出て、あらかじめ登録しておいたクレジットカードで自動で決済できるという快適さだ。僕もまだ2度ほどしか使っていないが、想像以上に使い心地がいい。

そんな快適な経験をレストランでも味わえるようになるのが、ポケットメニューが手がけるレストラン予約サービス「ポケットコンシェルジュ」の新機能「ポケットエクスペリエンス」だ。

ポケットコンシェルジュは、会食や接待などにも使える厳選されたレストランを予約できるサービスだ。現在は東京を中心に150店舗ほどのレストランが登録されており、客単価は1万3000円程度。1年前の時点では高所得者層を中心に約1万人が利用していると話していたが、現在のユーザー数に関しては詳細は公開していない。

実際僕も利用したことがあるが、通常紹介がないと入れないようなところも含めて、ポケットコンシェルジュでないとオンライン予約できないようなレストランが中心となってラインアップされている。店舗数こそまだ少ないがそのグレードは既存のレストラン予約サービスとは一線を画している。また、会食での利用を想定していることもあって、レストランへの要望や利用用途なども登録できるようになっている。

今回発表されたポケットエクスペリエンスだが、あらかじめクレジットカードを登録して、予約の際にカードでの支払いを選択しておけば、当日レストランで会計をすることなく、自動でカード決済されるというもの。会計の内容は会計後にメールで送信される。ユーザーのサービス利用は無料。ポケットメニューは店舗側への手数料と、カード会社への手数料の差額で収益を上げるモデルとなる。

お酒の追加などで金額が変わることもあるため、基本的にはコース料理とペアリング(コースのひと皿ごとに合ったお酒を提供する)、コース料理とドリンク1杯のセットといったようなパッケージを店舗が用意し、追加注文については加算して決済するという仕組みにする。1ユーザーが登録できるカードは5枚となっており、法人カードと個人カードを登録して使い分けることもできる。

店舗にも大きなメリット

このポケットエクスペリエンス、ユーザーにとっては会食での話の腰を折らずにスムーズな会計を実現できるというメリットがすぐに想像できると思うが(デートなどでおごる際にも有効ではないかという話も出たが)、実はそれ以上に大きいのは店舗側のメリットだそうだ。

ポケットメニュー代表取締役社長の戸門慶氏は6年間板前として修業をしたのち、飲食店のコンサルティングを手がけていた人物。同氏の話によると、実は会計のたびにスタッフが伝票を取ってレジに移動して…という作業はいつ発生するか分からず、なかなか面倒なモノだそうだ。それがポケットコンシェルジュの管理画面1つで、しかも多少の時間差はあっても処理できるようになるのは、ユーザー以上にありがたい話なのだそうだ。

現時点でポケットエクスペリエンスに対応するのは全レストランのうち15店舗ほど。同社ではこれを月内にも30店舗程度まで拡大し、最終的には全店舗への導入を目指すとしている。またこれにあわせて、7月末にもポケットコンシェルジュの有料会員モデルをやめ、無料利用、決済手数料でのマネタイズというビジネスモデルに移行するとしている。今秋にはスマートフォンアプリも提供予定だ。


HPの第二四半期の売上が市場の期待を裏切り株価は下落

今日(米国時間5/22)、HPの決算報告が予定より早く公表された。同社の第二四半期の売上は全体で273億ドル、EPSはnon-GAAPで0.88ドルである。

マーケットはそれより高い274.1億ドルの売上を予想していた。その失望感からHPの株価は数ポイント下げ、その後2%強の下げに落ち着いた。

トップラインの売上273億ドルは前期比1%だから、下落幅はこれより大きい。同社自身のWebサイトにまだ決算の数字は発表されていないが、決算報告は1時間後に行われる。

同社は、11000人から16000人ぐらいまでの解雇を予定している。これで、コストは切り詰められるだろう。〔2010年代に入ってからのレイオフ計は約50000となる。〕

HPは今、長い過渡期の最中(さなか)にいる。同社の前四半期すなわち今会計年度の最初の四半期は、トップライン(売上)/ボトムライン(利益)ともにやや好調だったが、最近の数四半期全体を見るかぎり、順調な回復とはまだ言えない。でも2%の下落は致命傷にはほど遠い。言い換えるとHPの株価は、Twitterの二の舞いにはならなかった

作画: BRYCE DURBIN

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Disrupt NY:マリッサ・メイヤー、「Yahooの時価総額は過小評価。未来は明るい」

ニューヨークで開催中のTechCrunch Disrupt New York,で、今日(米国時間5/7)、YahooのCEO、Marissa Mayerは「Yahoo本体の評価額は事実上ゼロだ」という通説に反論を試みた。Yahooの時価総額は300億ドル以上あるが、Yahooが保有するYahoo JapanとAlibabaの株式の価値を差し引くと残りはほとんどゼロになってしまう。

TechCrunchのファウンダーにして遠慮会釈ない質問者のMichael Arringtonにこの点についての感想を尋ねられ、 Mayerは当然ながら「この評価は間違っている」と反論した。

Mayerは「投資家はこの数字をもっとよく考えてみるべきだ。Yahooの将来は明るく、現在の株価は大幅な過小評価だ」と述べた。これはある程度まで本当かもしれない。

YahooのAlibaba株の持ち分は現在260億ドルとなっている(Alibaba予定している株式上場の後はさらに値上がりするはず)。Yahoo Japan株の価値は90億ドル前後だ。合計すると350億ドル前後となる。ところが今日のYahooの時価総額は、344億ドルにすぎない。

MayerはArringtonとの対談の冒頭で「Yahooの運営は改善され、以前よりずっと健全な会社になっている」と強調した。また「CEOに就任以来、Yahooの人材の豊富さ、レベルの高さに私自身驚かされている」と賞賛した。

就任してからずっと強力に進めてきたモバイル化の戦略がビジネスを現実に改善しているのかという質問に対して、Mayerはイェスと答えた。Yahooの前四半期の決算ではトラフィック獲得コスト(TAC)除外売上がアナリスト予測を上回った。これも月間4億3000万といわれるモバイルのアクティブ・ユーザーからの収入によるところが大きい。

なるほど1期だけの結果では、これが偶然なのか趨勢なのかを言うのは早すぎるかもしれない。

しかしMayerの戦略とビジョンは正しいと思われるし、Yahooという巨艦は間違いなく舵を切り始めている。ともかくYahooが過小評価されているのは事実だ。そもそも健全に利益を上げている企業の時価総額が手持ちの現金および現金同等物の価値以下というのがおかしい。上場後にAlibabaの株価が上がり、Yahooの株価が変わらなければ、Yahoo本体の評価額は大幅なマイナスになってしまう。

Yahooの中核事業の価値がマイナスだとはとうてい言えないだろう。

ただし、今日の市場ではテクノロジー株が軒並み急落し、そのあおりでYahooの株も時間内取引で6%下げている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoftの四半期決算、好調―売上204億ドル、1株当たり利益0.68ドル、Surface売上は5億ドル

さきほどMicrosoftは同社の会計年度の第4四半期の決算をpublished発表した。それによると売上は204億ドル、1株当たり利益は0.68ドルだった。アナリストの予測は売上203.9億ドル、1株当たり利益0.63だったから、それを上回ったことになる。

Surfaceの売上はやや弱かったものの、Office 365は堅調、Azureは急成長している。また今期Xbox Oneは120万台、Xbox360は80万台売れた。

時間内取引でMicrosoft株は市場全体と共にわずかに上昇し、時間外取引では決算内容を好感してさらに少し上げた。

営業利益は69.7億ドル、純利益は56.6億ドルだった。下は対前年同期比。

今期はWindowsの売上が堅調だった。“メーカーへのWindowsライセンス売上が4%アップしたのはWindows Proが19%伸びたためだ。XPのサポートがついに打ち切られ、多くのユーザーがWindowsのアップグレードを余儀なくされたことから、Windowsの売上が伸びることはある程度予測されていた。

一方、Surfaceの売上は5億ドルにとどまった。直前2期の売上は8.93億ドル、4億ドルだったから、やや伸び悩んだ。

Bingの広告収入は38%、Xbox Liveの売上は17%、それぞれアップした。

Office 365はMicrosoftのサービス化戦略の要となるプロダクトだ。今回の発表によれば、Office 365 Homeの契約者は440万人と前期から100万人近く増加した。Office365の事業者向け売上は対前年同期比で100%の成長だった。

Microsoftの新戦略のもうひとつの柱であるAzureの売上も150%アップした。これもMicrosoftの将来を占う上で非常に重要な要素となるだろう。下はMicrosoftがこの点を強調したスライドだ。

デバイスと消費者向け売上は12%アップして83億ドルとなった。一方事業者向け売上は7%のアップで122.3億ドルとなった。Microsoftの現金および現金等価物と短期投資の期末残高は884億ドルだった。

MicrosoftのNokia買収が完了するのは明日とされているので、今日の発表にはその関連の数字は含まれていない。MicrosoftのCEO、サトヤ・ナデラが今日の午後、カンファレンス・コールに登場して質疑応答を行うものと見られる。

Top Image Credit:  Dan Taylor/Heisenberg Media 

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+