AltSchoolは子供たちの学習の変革を目指す、しかしそこで学ぶ子供たちの将来に対する懸念が浮上

Business Insiderの最近の報告によれば、多くの家族が、AltSchoolでその子供たちが受けている教育に不満を募らせている。AltSchoolはサンフランシスコを拠点とする野心的なエデュテックであり、4年前に実際の学校を開校し、多くの子供たちが受けている標準化された教育よりも、遥かに優れたパーソナライズド学習アプローチを提供することを約束していた。

しかし、AltSchoolに関する懸念を高めているのは親たちだけではない。教育者たちもまた、AltSchoolは来る教育の中で最良のものなのかどうか、あるいは営利目的の会社は、関わる子供たちの将来の妨げにはならないのか、そして将来に渡っても影響を残すのではないかと懸念している。

AltSchoolに対する嫌悪感は、この1年の間に増してきたように見える。それは、もともとはその学校と教室のネットワークを拡大しようしていた同社が、成長を加速させるために、自身の学校を作る代わりに、パーソナライズド技法を取り入れたい他の学校に初期プログラムをライセンスし始めたときから始まった。

欲求不満は、最近沸点に達し、ある母親はBusiness Insiderのインタビューに答えて、自分の子供たちは「モルモット」にされていると訴えた。

この言葉は、ここ数ヶ月の間に私たちが出会った、幾組かのAltSchoolファミリーの間で囁かれている。多くの親たちが出席した9月の誕生日パーティーで、ある母親は2人の子供をプログラムから連れ出して、近隣の公立学校に入れたと語った。パーティには参加した他の親たちも、次の秋には別の場所に子供たちを参加させられるように積極的に動いていると語った。彼らが指摘する最大の理由は、彼らの子供たちが学業的に遅れているという点だ。ある匿名希望の母親が私たちに対して語ったところによれば、約3万ドルの年間授業料を払っているだけではなく「子供たちが学んでいないものを補うために、皆沢山のお金を使っています」ということだ。

AltSchoolに2人の子供が通う別の母親は、最近サンフランシスコの名門私立学校の校長と話した際に、もし将来彼の管理する学校への入学を認められたいならば、子供たちを他の学校に移した方が良いというアドバイスを受けたと語った。

あなたには怒る権利がある

彼らの怒りを更に複雑なものにしているのは、ごく最近明らかになったAltSchoolに関する新事実である。これまで7箇所にまで成長していた既存の学校のネットワークが、現在はわずか4つにまで減少しているのだ。カリフォルニアに2つ、そしてニューヨークに2つである。この動きは親たちに疑問を投げかけた。AltSchoolはただ子供たちからデータを抽出して脇に投げ捨てるために、家族たちをそのプログラムに誘い込んだのだろうか?

そのような不満について質問したところ、同社を創立して運営していた元GoogleエグゼクティブのMax Ventillaは、AltSchoolの実際のロケーションを縮小する決定はAltSchoolのソフトウェアに対する「想像以上に大きな需要」に起因していると答えた。このソフトウェアは既に半ダースほどの私立または公立学校にライセンスされていて、 学校のサイズに応じて、年間生徒1人あたり150ドルから500ドルが課金されている。

「学校の数を減らそうという私たちの動機は、残っている学校に対して限られたリソースで最高品質の体験を提供できるようにしつつ、AltSchoolビジネスのソフトウェアの側面を当初の計画よりも速く成長させることができるようにしたい、というところから来ています」とVentillaは語る。

そして彼は、パロアルト、サンフランシスコのドッグパッチ地区、そしてニューヨークのイーストビレッジの拠点を閉鎖するという決定は、Bloombergが最近報じたように、同社の財務には影響しないと付け加えた。その一方で、AltSchoolはシリーズCのラウンドをクローズさせようとしている。また「追加の融資と調達資金によって、銀行には引き出し可能な6000万ドルがあります」ということだ。

彼らはありのままが良いと言う

それでも、AltSchoolが他の学校のために、ソフトウェアを製品化して販売する必要があるかどうかと尋ねることは、おそらく意味があるだろう。現時点では、内部の人間も、外部の者も、それはまだ早すぎると言っている。

Jennifer Carolanは(初期段階の教育テクノロジースタートアップに焦点を当てたベンチャーキャピタルである)Reach Capitalの共同創業者兼ゼネラルパートナーである。彼女は当初から、AltSchoolは親たちが飢えているような種類のパーソナライズド教育アプローチを売り込んでおり、これまで何十年もの間試みられてきた、画一教育から離れて個々の子供たちの必要性に合わせて調整される教育の実現を狙っているのだと指摘する。

それにもかかわらず、パーソナライズド学習は「上手く実現することが非常に難しい」と彼女は語る。実際、CarolanはAltSchoolが立ち上がる際にも時間を費やし、多くの革新的なアイデアがあると結論付けてはいるが、現在の彼女の懸念は、それがまだ初期の試行錯誤を行っている段階での、あまりにも多額の資金導入が、「時期尚早の拡大」につながってしまうのではないかということだ。

他の投資家たちが投資を行う中で、Reachは投資しないことを選んだ。AltSchoolはこれまでのところ、Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグや、Founders FundやAndreessen Horowitzなどを含む著名なベンチャー企業から、1億7500万ドルの資金調達を行っている。

AltSchoolで3年間を過ごす前に、公立学校の教師として4年間働いた経験を持つ若く熱心な教育者Paul Franceは、この学校の魅力を十分に理解している。しかし彼もまた、AltSchoolや他の新しい学校が推進しているパーソナライズド学習のブランドについては特に懸念している。「初めてAltSchoolに着任したとき、私たちは新しい学校を開設している最中でした。話し合える沢山のクールな人たちがいて、沢山のクールなアイデアに溢れていました」。彼は「パーソナライズド学習の基礎は非常に興味深い」と考えたのだ。

3年後、Franceはこのアプローチについて、大きく異なる気持ちになったと語る。「私たちは現在、パーソナライズド学習に価値を置く個人主義の社会に生きています。おそらく度が過ぎる程に。それは『私が、私が、私が』なのです。しかしそれは教育の真の問題に対する解ではありません」。実際、現在はシカゴで教えているFranceによれば、AltSchoolや同種の学校は、生徒たちに対してあまりにも個別化されたコンテンツを作ってしまうことによって(「それは実際の社会システムや仕事が行われているやりかたではないのですから」と彼は指摘する)、図らずも生徒たちと教師たち両者の動きを妨害してしまっていると語る。それだけでなく、現実的でない期待に応えるよう求められる教師たちに酷い負担を強いることになるとも付け加えた。

「すべての子供がそれぞれのニーズを満たすために異なるアクティビティを必要とするという前提があって、テクノロジーを利用することによって、ビデオやアクティビティカードを通じて個別のコンテンツを与えることができます」とFranceは言う。「しかし、それは必ずしも真実ではないのです。子供たちが、主に消費のために送信されるビデオやその他のコンテンツだけを通じて学ぶのは、最善の方法ではありません。そして、この前提の下で運営されるテクノロジーは、教育者と良い教育両方の価値を損なうものなのです」。

Ventillaは、AltSchoolが教育へのアプローチを再考しなければならなかったことを、あっさり認めている。AltSchoolが始まったときには「運営に焦点を当て、施設に焦点を当て、偉大な教師たちを雇用し、課題の発生に対応して入学、顧客支援、などのサービスを行ないました。しかし教育体験そのものには力を入れていなかったのです」と彼は語る。「私たちは生徒たちと教師たちの関わり方に焦点を当てていませんでした。それどころか、私たちは生徒たちの邪魔さえしなければ、生徒たちは十分に成長するだろうと考えていたのです」。

AltSchoolが学んだのは「それは上手くいかない、ということです」と彼は続けた。「もし生徒中心の経験を創り上げたいならば、教師たちと生徒たち、そして学校の責任者たち全員が、教室の四方の壁の中でより多くの支援を必要としているのです」。

いま弁明のとき

それに気が付いて以来、教育者、技術者、ビジネスオ運営スタッフを含む180人を雇用しているAltSchoolは、多くの問題を解消してきており「親御さんたちの満足度と、学業的そして非学業的な基準で生徒たちが成し遂げたという点で、大きな改善が行われました」と、Ventillaは強調している。

Ventillaによれば、昨年AltSchoolを卒業した30人の子供のすべてが、本人の第1希望、もしくは第2希望の学校に合格している。彼はさらに、AltSchoolの経験についての質問に答えた家族の92%が満足だと回答したと話した。これは昨年の85%から上昇している。

私たちが取材した2つのベイエリア在住の家族は、この結果を補強した。Gilead SciencesのエグゼクティブSharon Grehanには、AltSchoolに通う2年生の子供がいる。その子の通っている学校が来年の秋に閉鎖されるため、別の場所に転校しなければならないのだが、彼女は同じ組織の学校に留まりたいと言う。

「AltSchoolにおける社会的感情の要素は、学業的要素と同じくらい重要なことです。そしてそれが私にとって重要なことなのです」とGrehanは、同校の魅力を語る。「3年前にAltSchoolに入学するまで、私の息子はグループに参加せず、仲間とやりとりすることもなく、自分自身を惨めなものと考えていました。現在は、息子は人生を愛し、学校を愛し、沢山の友達を持っています。パーソナライズド教育の部分は、彼にとっては非常に重要なのです」。

昨年Grehanは、午後11時に息子の教師からステータス報告を受け取って、とても心配したと言う。「先生の疲労がとても心配だったのです」と彼女は言う。しかし、Streamと呼ばれるアプリを通して親たちにプッシュされるこのような記事は、現在は数も減り間隔も開くようになっている。そして主に「遠足や社会イベント、そして定期的に、学校が私の息子について私に伝えたい事柄を含んでいます。例えば、息子が克服した恐怖や、先生たちが喜んだ息子の楽しい行動などについてです」。

いじめ予防について教えていて、同校に2年生と5年生の娘を通わせるもう1人の母親Sandya Mysoorも、同じように子供たちをAltSchoolに通わせ続けるつもりだと語った。新しい学校に入学することは「サイコロを振るようなことだと知っています」と彼女は語った。「何が起こるのかは分かりませんでしたが、ならば『何が起こるのか見てやろう』という気持ちでした」。

それから「本当に沢山の変更がありました」と、Mysoorは語る。しかし、彼女はこのことには驚いていない。「彼らが行った変更は、よくあるものでしたし、スタートアップの時と同じ路線で進んでいると思います」学校はいつでも内容を改善するためのリトライを行っている。「正しい学校は存在しませんが、私たちの見るところ、AltSchoolは他の学校よりも厳しくそして深く行動しています」。

上手く行けば、子供たちが成長するにつれ(学校がこの先も続くなら)親たちの学校に対しての気持ちもより熱心になって行くだろう。娘が現在AltSchoolに通っているVentillaは、親たちはそう思ってくれるだろうと語る。「私は4歳の息子もAltSchoolに入れようとしている最中です」と彼は言う。「そして私の息子が無事この学校を卒業することを期待しています――できれば高校に至るまで」。

それまでにAltSchoolの高校ができないときにはどうなるのだろうか?そうした場合の異なる可能性を念頭に置いて、私たちはAltSchoolについてあまり熱心ではないと伝えられている私立高校の校長に問い合わせを行ってみた。私たちは彼がAltSchoolの卒業生たちに懸念を抱いているのは本当どうかを尋ねた。彼は「応募者の背景は1人1人別個に見ます」と述べた上で、しかしその学校のカリキュラムには「何らかの」懸念はあるかもと付け加えた。

「学校というものは難しいものです」と、匿名を希望したこの人物は付け加えた。「良い学校と、良いソフトウェアを開発することは全く異なる活動です。両方を行うことは難しいかもしれません」。

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(翻訳:Sako)

Lyft、10億ドルのラウンドに続いてさらに5億ドル調達へ

Lyftは先月、Alphabetのベンチャー投資部門、CaptialGから10億ドルの資金を調達したばかりだが、現在さらに5億ドルのラウンドを準備しているという。同社がAxiosに語ったところでは、この5億ドルは前回のラウンドの延長という形になる。まだこのラウンドは完了していないということだが、資金調達が完了すれば(つまりポストマネーで)Lyftの会社評価額は115億ドルに上るとみられる。

Axiosによれば、Lyftは新たな資金で乗客、ドライバー双方の体験を向上するプロダクトを開発するという。この時期はLyftにとってきわめて重要な意味を持つ。12月にはは初の国外進出を果たし、カナダのトロントとハミルトンで運営を開始するという。

Lyftは目一杯アクセルを踏んで規模拡大に突っ走っている。現在アメリカの人口の95%をカバーしているが、2017年には 新しい運営地域を100箇所加えた。創立以来5億回運行され、この数字はさらに伸びている。自動運転テクノロジーにも本腰を入れており、テスト・プロジェクトを実行中だ。われわれも報じたが、同社は最近カリフォルニア州当局から自動運転車を公道で実験する許可を得ている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

仮想通貨の税務問題を解決する「Guardian」提供元が約5000万円を調達――Twitterで350件以上の相談を受け事業化

2017年はビットコインを筆頭に仮想通貨の注目度が高まった1年だった。投資の対象としてはもちろん、文字通り「通貨」として会計に使える店舗もでてきているし、仮想通貨を活用した新たなベンチャーファイナンスの枠組みとしてICOが話題になった。

個人で仮想通貨の取引を始めた人も一気に増えたことによって今後大きな問題となるのが税務、つまり確定申告だ。ビットコインに関しては9月に国税庁が課税の取り扱いについての見解を公表しているが、実際どうしたらいいのかわからないという人も多いのではないだろうか。

そんな仮想通貨の税務問題に取り組むのが、12月1日にリリース(一次申し込み開始)予定の税理士紹介・記帳代行サービス「Guardian」だ。

提供元のAerial Partnersはサービス公開に先立って、総額約5000万円の資金調達を実施することを明かしている。第三者割当増資の引受先は日本テクノロジーベンチャーパートナーズおよびCAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、3ミニッツ取締役CFOの石倉壱彦氏を含む複数の個人投資家。500 Startups Japanが公開する投資契約「J-KISS」による資金調達だという。

仮想通貨に詳しい税理士の紹介と記帳代行システムをセットで提供

Guardianは仮想通貨に詳しい税理士の紹介と記帳代行システムをセットにしたサービスだ。一見シンプルな税理紹介サービスに見えるが、Guardian側で複数取引所の情報整理や取引を時系列に並べる機能をもつ独自システムを開発し、税理士に提供することで税務業務をサポートしている。

「仮想通貨のロジックがわかっていても人間が手作業で全て対応するのは難しい。そこで申告者に税理士の先生を紹介するだけでなく、記帳代行をスムーズにするシステムを開発している」(Aerial Partners代表取締役の沼澤健人氏)

国内外の取引所10社を中心に、取引履歴照会のAPIを公開している取引所についてはAPI登録のみで自動で所得を集計。APIを公開していない取引所についてもCSVアップロードなどで所得が集計できる。

沼澤氏によると将来的にはこの独自システムをさらに改良した上で、SaaSとして外部に提供することも検討しているとのことだった。ただし現状は法制度も整備しきっていないこともあり、あくまでもGuardianを支えるツールとしての位置付けだ。

現在はむしろ税理士側の啓蒙活動などアナログな取り組みに力を入れているそう。たとえば日本仮想通貨税務協会を設立して仮想通貨に対する講習を実施。認定された税理士をGuardianで紹介していく予定だ。

Twitterアカウント開設後2ヶ月で350件以上の税務相談

Aerial Partnersのメンバー。写真中央が代表取締役の沼澤健人氏

沼澤氏はあずさ監査法人で3年間勤務した後に独立。現在はチャット小説アプリ「peep」を手がけるTaskeyの共同代表や法人向けの会計業務を行うAtlas Accountingの代表を務めている起業家だ。今回新たに仮想通貨に関する事業を始めた背景には、7月に開設したTwitterアカウント「2匹目のヒヨコ」を通じて、多数の仮想通貨に関する税務相談が寄せられたことがあるそうだ。

「個人的に1年半ほど仮想通貨の投資をやっていたが、今年に入って一気に利用者が拡大する中で所得税の計算が大変なことになるだろうなと思い、税務相談ができるTwitterアカウントを立ち上げた。仮想通貨と税務の知識がどちらもある人が界隈にいないこともあり、150人以上の方から370件ほどの相談を受けた」(沼澤氏)

沼澤氏が約1000人に行ったアンケートでは1つの取引所のみを使っているユーザーは全体の1割ほどで、4割が5つ以上の取引所を使っていると答えたそう。中にはアルトコインを使うために海外の取引所を利用するユーザーも多い。そうなると円建てで計算する必要が生じ、後々個人で対応するのは難しいという。

相談をしてくる人の中には税理士に相談したところ対応が難しいと断られ、解決策を探し求めた結果沼澤氏のTwitterにたどり着いたという人もいる。「10年ほど前にFXが注目された時も申告していないためにペナルティを受けた人が多発した。同じような状況にするわけにはいかない」(沼澤氏)

当初は個人的に無償でアドバイスを行ったり税理士の紹介をしていたそうだが(沼澤氏自身は税理士ではないため)、案件が増え個人では対応できなくなり、8月後半から事業化に向けて急ピッチで動き出した。

「3月になって地元の税理士事務所に駆け込んでも、ほとんどの税理士は対応できない。そもそも申告が必要だと知らない人もいるので、申告者と税理士双方への啓蒙活動を進めながら今年の確定申告期を業界全体で乗り越えていきたい」(沼澤氏)

ICOで34万7000ドル集めた会社、直後に雲隠れ

Confidoなる会社がカスタマイズされたCFD〔差金決済取引商品〕を売って小規模なICOを行った。これは「安全かつtrustlessな(中央集権的発行権限を必要としない)暗号通貨」による払い込みという宣伝だった。ICODropsによればこの会社は目標の40万ドルに近い金を集めとたんにキャッシュを握ったまま消えた。会社のドメインは放棄されたらしく、サーバーには何も残っていない。

ファウンダーは元eBay社員のJoost van Doornという人物らしい(画像参照)。DoornのRedditのConfidoフォーラムへの投稿によると、「われわれは契約から生じる法的な困難に直面している。われわれが署名した契約について弁護士は法的に問題なくリスクも最小限だと保証していた。ここで詳細を明らかにすることはできないし、するつもりはないが、弁護士は間違っていた。大問題になっている」ということだ。

このICOについてのフォーラムのモデレーターは「Joostの性格から考えられないこと…自分にも事情はまったく分からない」と述べている。【略】

ICOあるいは「トークンによる資金調達」は現在大ブームだが、私が取材したファウンダーの多くが深刻な―といっても今回ほどドラスティックな結果をもたらしてはいないが―法律的トラブルに遭遇していた。ファウンダーはICOの手続きを法律的、論理的、セキュリティー的に詳細に見直すことを迫られているようだ。関連する暗号通貨の額、法律や金融の諸規則、財務運営手続きの複雑さなどを考えあわせると、ICOにこういう事故がもっとたびたび起こっていないのが不思議なくらいだ。

今日(米国時間11/21)の時点では会社の創立チームに対してまったく連絡が取れない。トークンはクラッシュ直前に1ドルまで上昇したが、その後無価値になってしまった。ファウンダーが雲隠れ前に集めた37万4000ドルはKraft& Wurgaft, P.C.のエスクロに入っているようだ。

このICOを実施したTokenLotの共同ファウンダー、Eli LewittはMotherboardのインタビューに対して「とんでもないインチキだ」と答えている。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

近所のおすすめレストラン、歯医者はどこ?――ご近所SNSマチマチが1.7億円の資金調達

ご近所SNS「マチマチ」を運営するマチマチは11月21日、ANRIBEENEXT、および個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額で1.7億円を調達したと発表した。また、マチマチは同時に茨城県水戸市との連携を開始した。ご近所SNSのマチマチは、生活圏内の近所に住むユーザー同士がコミュニケーションをとるためのサービスだ。近所のおいしいレストラン、おすすめの歯医者、地域イベントの開催情報などをユーザー同士がやりとりできる。

マチマチは日本に昔からあるリアルな“ご近所付き合い”をデジタル化しようとしていて、サービス登録には携帯電話番号を用いたSMS認証が必要だ。登録も実名でしなければならない。

TechCrunch Japanではマチマチをローンチ当初から紹介しているけれど、以前はサービス登録時に郵送による住所確認が必要だった。しかし、想定以上の離脱率からSMS認証に切り替えると、離脱率が大幅に改善。マチマチ代表取締役の六人部生馬氏は「『近所×実名』というプロダクトの設定が生きて、トラブルやネガティブな投稿はほとんどない」と話す。

前回の取材時から比べると展開地域数も大幅に伸びている。約半年前には2000地域だったのが、その約3倍の6300地域にまで拡大した。六人部氏によれば、展開地域数が急激に拡大した要因は主に、ユーザー同士の口コミと「コミュニティデザイナー」を活用した草の根活動の結果だという。コミュニティデザイナーとは、各地域に住むインターンやボランティアのことで、近くに住む知り合いに声をかけたり、ポスティングしたりといった地道なPR活動を行っている。

そこに住んでいるからこそ分かる有益な情報

ところで、僕はいま、東村山市という都心から(ほんの少しだけ)離れたところに住んでいる。マチマチを取材するにあたりサービスを試してみたのだが、僕の近所でもちゃんとマチマチコミュニティが立ち上がっていた。まだ11人程度の小さなコミュニティだったけれど、おすすめレストランなど、実際にこの近所に住む僕にとっては非常に価値の高い情報が掲載されている。離れた場所にあるレストランで撮ってフィルターをかけたインスタの写真なんかより、こっちの方がよっぽど有益だ。

僕のマチマチコミュニティでは子供のいる主婦の方がメインユーザーのようだったが、六人部氏によれば、「全体のユーザーの内訳は、20代後半〜40代が70%、50〜60代前半が20%。都心では上京したての新大学生や新社会人の利用が若干増加してきている」という。

マチマチは現在、マネタイズよりも利用者の増加と自治体との連携に注力している。今回連携した水戸市は、2017年6月の渋谷区などに続いて4例目の連携となる。マチマチは今後もこの戦略にフォーカスし、1年間で50〜100程度の自治体と連携をしていく予定だ。

マチマチを含むSNSには「他のみんなが使っているから使いたい」というようなネットワーク効果がある。その効果が現れる臨界点をユーザー数が超えられるかが鍵となるだろう。

「2016年3月のサービス以降、確かな手応えを感じており、利用者数さえ増えれば、ビリオンダラーを超えるポテンシャルのある領域だと確信した。既存のソーシャルサービスとは違い、短期間に成長するモデルではないが、12ヶ月の利用継続率は約50%と、1度登録すると使い続けるサービスとなっている。マネタイズは、MAUで2ケタ〜3ケタ万台を超えた段階で開始していく」(六人部氏)

「今までにないカルチャーの届け方を発明したい」インスタストーリーメディア「lute」が8000万円を調達

「インスタ映え」が2017年の流行語大賞候補になるほど、日本国内でも知名度が高まり多くのユーザーを抱えるInstagram。中でも24時間で投稿が消えるStories(ストーリー機能)は若い世代を中心によく活用されている。

そんなInstagram Storiesを使って様々な短尺動画コンテンツを配信しているのが、カルチャー系メディア「lute」だ。同サービスを提供するluteは11月17日、gumi ventures、Candee、allfuzおよび個人投資家から総額8000万円を調達したことを明らかにした。

luteは分散型の動画メディアとして2016年にβ版をリリース。ライフハッカー編集部を経てエイベックス・デジタルに入社した五十嵐弘彦氏が、社内の新規事業として立ち上げたのが始まりだ。もともとはアーティストのMVやライブ映像、ドキュメンタリーといった動画をYouTubeを中心に展開していた。

そこから主戦場をInstagramに移し、2017年8月にInstagram Storiesメディアとして正式にスタート。同時期に独立する形でluteを設立、五十嵐氏が代表取締役社長に就任している。

「デジタルネイティブ世代は、MacBookなどPCを持ってない人も多くiPhoneで動画コンテンツを視聴する。そのような世代で特にカルチャー系の情報に関心が高いユーザーが集まっているのがInstagram Storiesだと考えた」(五十嵐氏)

luteで配信されるコンテンツには、アーティストが影響を受けた映画やMVなどの作品をバイオグラフィーと重ねながらプレゼン形式で紹介する「マイベスト」や、長尺のインタビューの中から印象的な一言をピックアップした短尺動画を「インタビュー」などがある。

「情報過多の社会においては、若い人達が1つのコンテンツに対して使ってくれる時間も限られる。luteのミッションは素晴らしいカルチャーのエッセンスを短時間に凝縮して届けること」(五十嵐氏)

動画自体は短尺ですぐに視聴できるものだが、スワイプアップ機能を使って商品ページや長尺の本編インタビューへ誘引するなど、Storiesの特徴を踏まえてコンテンツの見せ方を工夫している点は興味深い。先日Instagramでハッシュタグをフォローできる機能についても紹介したが、配信先のプラットフォーム自体が日々進化している。五十嵐氏の話では、新しい機能も活用しながら今後より楽しいコンテンツを作っていきたいということだ。

「人気を集めるコンテンツは動画というよりも雑誌の感覚に近いものが多いなど、3ヶ月取り組んできた中でわかったことも多い。Storiesはシンプルな設計だが、その中でユーザーと連動して楽しめるようなコンテンツや今までにないカルチャーの届け方を発明したい」(五十嵐氏)

また現在luteではカルチャーメディアに加えて、マネージメント事業や受託事業も手がけている。「エンタメ業界はビジネスモデルの転換期を迎えている。(複数事業を連携させながら)アーティストなどが稼げるビジネスモデルを作っていく」(五十嵐氏)

テレビ局などにVR×AIサービスを提供するジョリーグッド、ディップらから総額4億円を調達

テレビ局や制作会社向けのVRソリューション「GuruVR Media Pro(グル・ブイアール・メディアプロ)」や、VRコンテンツとユーザーの視聴行動を解析する人口知能エンジン「VRCHEL(ヴァーチェル)」などを提供するジョリーグッド。同社は11月16日、ディップ、エースタートを引受先とした第三者割当増資により、総額約4億円の資金調達を行ったことを明らかにした。

ジョリーグッドは2014年5月の創業。代表取締役CEOを務める上路健介氏は、テレビ局で技術者として番組制作に従事した経験を持つ人物だ。

同社が展開するサービスのひとつGuruVR Media Proは、テレビ局や制作会社向けのVRソリューション。撮影から編集、配信までの制作環境をワンストップで提供していることが特徴で、撮影や編集システムに加え、配信や効果測定に活用できるCMSも備える。

2016年6月のリリース以降、すでに北海道放送の「HBC VR」やテレビ西日本の「VR九州」、毎日放送の「絶景散歩VR」など各地のマスメディアと共同で多数のVRサービスを展開している。

おなじく同社が手がけるVRCHELは、VRコンテンツの属性とユーザー視聴行動のパターン解析を行う人工知能エンジンだ。映像や音声から各VRコンテンツの詳細を分析するだけでなく、実際に視聴したユーザーの行動を分析することで最適なソリューションを提案できるのが強み。こちらも東海テレビと共同で展開するVRアプリ連動テレビ番組などで活用されているという。

ジョリーグッドでは今回の調達資金によりサービス拡充と体制強化を行い、引き続き地域や企業にVR×AIソリューションを提供していく。

スマホ時代の“新たなスタイルの保険”を提案、justInCaseが500 Startups Japanから数千万円を調達

保険の仕組みにテクノロジーを活用することで、新たな価値を生み出すInsurTech。「必要な時に必要なだけ加入できる新たな保険サービス」の提供を目指すjustInCaseも、この領域でチャレンジをする1社だ。

同社は11月16日、500 Startups Japanから資金調達を行ったことを明かした。今回の資金調達は500 Startups Japanが公開する投資契約であるJ-KISS型新株予約権方式によるもの。具体的な金額は非公開だが、関係者の話によると数千万円前半だという。

justInCaseは保険数理コンサルティング会社Milliman出身の畑加寿也氏らが、2016年に創業したスタートアップ。手間がかかりがちな従来の保険とは異なり、スマホアプリから必要な時に必要な補償を選べる保険サービスの提供を目指している。また単にスマホから手続きができるというだけでなく、収集したデータをもとにリスクを解析し保険料の最適化にも取り組む。

現在同社は少額短期保険業者の登録に向けて、関東財務局と話を進めている段階。2018年の正式開業を目指していて、本日第一弾となる「スマホ保険」の事前登録の受付を開始した。

スマホ保険は「スマホ故障時の修理代」を負担する保険で、アプリから90秒で申し込みが完結する。月々最低200円台から加入でき、加入者限定でカメラや時計などの1日保険も提供する予定だ。

AIアルゴリズムを利用してユーザの行動パターンなどを解析し、各ユーザーの安全性を算出。スコアによって、更新時保険料の割引額を決定するなど最適な保険料の実現を目指す。また友達と一緒に保険料をプールする仕組みも導入する。

今後は大手保険会社ともパートナーシップを組みながら、既存の大手保険会社にないようなニッチなサービスを提供していくという。

スマホ証券One Tap BUYがソフトバンクやヤフーらから25億円を調達――アプリDLは60万件、口座開設数は7万件突破

1000円から株式を売買できるスマホ証券取引アプリ「One Tap BUY」。同アプリを提供するOne Tap BUYは11月15日、ソフトバンク、みずほ証券、モバイル・インターネットキャピタル、ヤフーを引受先とした第三者割当増資により、総額25億円を調達したことを明らかにした。

One Tap BUYは2016年7月にソフトバンクから10億円、2017年2月にみずほキャピタル、 モバイル・インターネットキャピタル、ソフトバンク、みずほ証券から15億円を調達。そのほかDBJキャピタルやオプトベンチャーズなども過去に出資していて、今回新たな株主としてヤフーも加わった。

One Tap BUYについてはTechCrunchでも何度か紹介してきたが、スマホから手軽に株式投資をできるアプリだ。スマホを3タップするだけで、1000円から株の取引が可能。株式投資のハードルを下げ、投資経験のないビギナーを中心にユーザーを拡大してきた。

2016年6月にアメリカ株の取引アプリとしてローンチし、2017年2月からは日本株の取り扱いも開始(7月からは日本株個別銘柄にも対応)。サービスの拡大に合わせてTVCM等も展開したことで、9月度の月間口座開設数が1.5万件と急増した。10月には累計アプリダウンロード数60万件、累計口座開設数が7万件を突破している。

2017年9月時点でのユーザー属性

One Tap BUYでは今回の資金調達を受けて、サービスの利便性向上やマーケティング活動の強化に加えて株主とのサービス連携も行う。ソフトバンクとは既存サービスとも連携し、決済機能などを組み合わせた新サービスを検討する。みずほ証券、ヤフーとも双方の顧客基盤拡大に向けた連携の協議を進めるなどしながら、FinTechの投資分野においてNo.1のサービスを目指していくという。

なおOne Tap BUYはサービスローンチ前にTechCrunch Tokyo 2015のスタートアップバトルに出場し、審査員特別賞とAWS賞を受賞している(優勝はクラウド労務管理の「SmartHR」)。今年もいよいよ明日からTechCrunch Tokyo 2017が開催、20社のスタートアップがバトルに挑む。

ドローン向けソフト開発のCLUEが3.3億円調達、すでにアフリカでもビジネス展開

ドローン用のソフトウェア開発を手がけるCLUEは11月15日、リアルテックファンドなどを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額で3億3000万円を調達したと発表した。また、リクルートホールディングス執行役員である岡本彰彦氏が、2017年11月よりCLUEの社外取締役を兼務することも明らかとなった。

投資家リストは以下の通り:

CLUEはドローンの自動飛行制御やデータ管理・加工を行うためのソフトウェアをB向けに提供するスタートアップ。現在同社は、ドローン用のデータ管理クラウドサービスである「DroneCloud」を提供しているほか、ドローンを用いたB向けサービスとして、不動産物件点検、インフラ点検、空撮などのサービスを行っている。

ドローン用のクラウドサービス、そしてドローンを用いた企業向けサービスを2つの軸としてビジネスを展開してきたCLUEだが、今回の資金調達を期に彼らは転換点を迎えたことになる。それを象徴するのが、スマホで動かすドローン屋根撮影アプリの「Drone Roofer」だ。

Drone as a Service

Drone Rooferは、彼らがこれまで行っていたドローンによる屋根の点検サービスを、顧客自身が簡単に行えるように設計されたモバイルアプリだ。従来は派遣された専門パイロットがドローン操作を行うのが一般的だったが、機能を絞ることで、モバイルアプリを通して顧客が自分自身で操作を行えるようになる。

顧客となるのは屋根施工業者やリフォーム会社、損害保険会社などだ。操作は非常に簡単で、モバイルアプリとドローンを連携すれば、アプリのボタンを押すだけでドローンが上昇開始して画像を撮影する。

Drone Rooferは点検に使うドローンを含むパッケージとして提供される。初期導入費用、月額費用などはまだ調整中で未定だ。

CLUE代表取締役のを務める阿部亮介氏は、「Drone Rooferは、これまでに私たちが点検サービスで培ってきたノウハウと、私たちが持つ自動飛行技術を組み合わせたものだ。ドローンをスマホアプリで制御するのは、これが日本初だと思う」と語る。

代表取締役の阿部氏、そして取締役COOの夏目和樹氏はともにWeb畑の出身だ。阿部氏はディー・エヌ・エーでWebエンジニアを、夏目氏はリクルートでWebディレクターとして働いていた。そのバックグランドを持つ彼らから生まれたのが、“DaaS(Drone as a Service)”という考え方だ。

「最近になって企業が各種のドローンサービスを利用する例は増えているが、そのほとんどが現場までドローンとパイロットを運んで操縦するというものだった。それとは対象的に、CLUEでは、ユーザーがPCを通してSlackを利用するようにドローンを通して必要なサービスを必要な分だけ利用するという世界を目指しています。そのために必要となる自動飛行技術が私たちの強みです」(夏目氏)

アフリカ事業も展開

その自動飛行技術を利用して、CLUEはガーナ、ベナン、タンザニアといったアフリカ諸国の政府を相手にした海外事業も開始した。日本の道路とは違い、アフリカの道路の質は低く、至るところで陥没が発生する。CLUEのアフリカ事業では、その上空をドローンに自動飛行させて画像を撮影し、道路の問題箇所を割り出すというサービスを提供している。

単に問題箇所を見つけ出すだけではなく、問題が多い場所を特定して工事の優先度を知りたいというアフリカ政府側のニーズにも応えているそうだ。

「アフリカでは、十分な金融インフラがなかったからこそモバイル決済が先進国よりも早く普及した。それと同じく、トラックや道路など十分なインフラがないアフリカではドローンの普及スピードも早くなる」と、前職でアフリカ事業を手がけていたこともある夏目氏は分析する。

CLUEは2014年8月の設立で、これまでに2度の外部調達を実施している。今回を合わせた累計調達金額は約3億7000万円だ。CLUEは今回調達した資金を利用してエンジニアの採用を進めて技術開発体制を整えるとともに、海外展開の強化を進めていくとしている。

アマチュアスポーツのチーム管理アプリ「TeamHub」が1億円調達、11月から野球にも対応

スポーツチームのマネジメントアプリ「TeamHub」を運営するLink Sportsは11月8日、iSGSインベストメントワークスKLab  Ventures Partners毎日新聞社を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1億円を調達したと発表した。

TeamHubは、アマチュアスポーツのチーム管理者の手間や時間を軽減するためのマネジメントアプリだ。カレンダーを使って試合や飲み会のスケジュール管理をチーム単位でできたり、チームメンバーへの一括連絡をアプリから行える。また、各スポーツごとに異なるUIで、試合のスコア記録をすることができる。

現在、アプリはサッカー、フットサル、男子ラクロス、女子ラクロスに対応しており、11月より野球にも対応した。これまでにTeamHubが獲得した登録チーム数は約2000チームだ。

アプリの月額料金は980円、1980円、2980円の3プランあり、上位プランになればなるほど機能が追加される。

Link Sports代表取締役の小泉真也氏は、「日本だと野球の需要がダントツで大きい。アクティブチーム数が1万チームまでいけば、月額料金だけで収益をあげられるだろう。また、今後はアマチュアスポーツチームのデータを利用したマーケティング支援なども考えている」と話す。

ところで、アマチュアスポーツチームに参加する人たちがすべてスマートフォンを持っているとは限らない。地元の草野球チームなどのなかには、今でもいわゆる「ガラケー」を使っている人たちもいるだろう。そのため、TeamHubはチームメンバーがメールを受信できる環境であれば、ガラケー、パソコンなどあらゆる端末で利用することが可能だ。

Link Sportsは今回調達した資金を利用して、TeamHubのWeb版によるチームHPの自動作成機能などを追加するほか、対応競技にラグビー、バスケットボール、バレーボールを追加する予定だとしている。

Link Sportsは過去にも、2016年8月に8000万円を調達している

SoftBank、「Uberとの交渉は継続中」と声明――100億ドル投資はまだ確定ではない

Uberは日曜日にSoftBank Groupからの投資の提案を承認したと発表した。しかしSoftBankの投資を管理するSoftBank Investment AdvisorsはCEO Rajeev Misra名で月曜日にメディア向け声明を発表し、投資はまだ確定していないと強調した。

「長期にわたる多大な努力を要する手続きを経てUberと株主はSoftBankによる同社株式の買付けの申し出を承認することとなったもようだ。しかしこのことはSoftBankが投資を決定したことを意味しない。われわれはUber投資に関心がある。しかし投資の決定は買い付け価格による。またSoftBankの〔取締役選任などに必要な〕最小限の株式持ち分割合にもよる」。

言い換えれば、株式買い付け価格はまだ決定されていないということだ。SoftBankは価格交渉が継続中であることを明確にしたかったものと思われる。同社は既存株主から90億ドル相当の株式を買い上げようとしている。

SoftBankはまた10億ドルをUberに直接投資しようとしている。これは前回のシリーズGの資金調達ラウンドの拡張という形式となる。この時点でのUberの会社評価額は700億ドル弱だった。SoftBankはUberの株式の14%の所有を求めているという。

SoftBankの月曜の声明はUberの日曜の声明に対する回答だ。SoftBank以下のように述べている。

SoftBankとDragoneer(Investment Group)が主導する投資に関して合意が得られた。この合意はUberの長期的な成長の可能性に対する強い信任の現れだと考える。この合意が正式に契約として締結されれば、SoftBankがコーポレート・ガバナンスを強化しつつテクノロジーへの投資および内外での活動を拡大することに資するものとなる。

UberとSoftBankはこの投資に関して数か月交渉を続けてきた。これほど時間がかかった理由の一つは共同ファウンダーで前CEOのトラビス・カラニックの取締役としての権限を巡って争いがあったからだ。情報源によれば、大口投資家のBenchmark Capitalはカラニックを訴えているが、SoftBankの投資が実現した場合は訴えを取り下げることに合意しているという。

この訴訟はカラニックが取締役を3名任命する権限を巡って争われている。カラニックは取締役会の同意を得ずにUrsula BurnsとJohn Thainを取締役に任命した。今後取締役が辞任すれば、カラニックは後任取締役の任命にあたって取締役会の承認を得る必要が生じる。

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

京町家を一棟貸しの宿としてプロデュースするトマルバ、クラウドワークスから資金調達

京都の町家・古民家を「一棟貸し」のゲストハウスとしてプロデュース・運営を行うトマルバは11月13日、クラウドワークスを引受先とした第三者割当増資による資金調達の実施を発表した。トマルバではこれまでにも、B Dash Venturesが運営するファンド、ANRI、および個人投資家から資金調達を行っており、今回の調達を合わせて総額8300万円の調達を完了したことを明らかにしている。

トマルバは2014年7月の設立。京都を拠点に、町家や古民家を一棟貸しの宿泊施設として貸し出すための企画・運営・集客を行うプロデュース会社だ。2017年7月には、築104年の京町家を直営の高級ゲストハウス「宿ルKYOTO 和紙ノ宿」としてリノベートし、オープン。インバウンド顧客を中心に80%以上の稼働率を保っているという。

またトマルバでは、町家に特化したゲストハウスの運営代行サービス「Machiya support」も提供。運営物件は現時点で19棟40部屋以上で、2018年にはさらに15棟の物件の開業を予定している。

こうしたバケーションレンタル、ゲストハウス運営のために、トマルバではiOSアプリ「Smart Vacation Rental(VR) Pad」も開発し、9月より運営施設にiPad端末とともに提供している。アプリは日本語、英語、中国語に対応しており、エアコンなどのリモコン操作が行えるスマートホームデバイス機能や、設備マニュアル・周辺情報提供機能を備える。町家・民家らしい機能として、一定以上の音量を検知した際にアラートが鳴る機能も。夜間の騒音を防ぎ、近隣住民への配慮を行うためのものだ。今後、スマートロックやタクシーの手配、デリバリーサービスなどの機能追加も予定しているという。

民泊プロデュースのトマルバに、今回クラウドワークスが出資を行った背景は何か。トマルバでは、オンラインの問い合わせ対応や電話対応の一部で、時差を利用して海外に住む個人へ業務を依頼しており、クラウドワークスとの親和性が高いことと、クラウドワークスが取り組むシェアリングエコノミー関連事業のひとつとして、ホームシェアリングやスペースシェアリングが合致したことを、その理由として説明している。

今回の調達資金についてトマルバでは、機能追加を予定しているSmart VR Padの開発や、京都以外への事業拡大などに投資するとしている。

会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」が3000万円調達、SaaS型の店舗支援機能も

会員制のウェルカムドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB(ハイドアウトクラブ)」を提供するハイドアウトクラブは11月10日、DGインキュベーションフューチャーベンチャーキャピタル、第一勧業信用組合、個人投資家などから3000万円を調達したと発表した。

HIDEOUT CLUBは、1日1杯に限り、渋谷・新宿エリアを中心とする約80店舗の提携バーでウェルカムドリンクが無料で飲めるというアプリ。会員料金は月額1500円だ。

使い方は非常にシンプルで、提携バーごとに表示されるウェルカムドリンクを選び、そこで表示されるチケットを店員に見せるだけだ。チケットが表示できるのは1日1枚のみ。毎日朝9時になるとリセットされ、再度チケットを表示できるようになる。

HIDEOUT CLUBは従来のグルメサイトとは違い、提携バーから掲載料をとらずに会員料金を中心にマネタイズを行うというモデル。バーはウェルカムドリンクを提供しなければならないが、HIDEOUT CLUBに参加することで集客効果のアップなどを期待できる。以前TechCrunch Japanでも紹介したアメリカのHoochや、先日サービスを開始したばかりのFoobeなどと同様のビジネスモデルだ。

ハイドアウトクラブ代表取締役の田口雄介氏は、「バーから提供されるウェルカムドリンクは、平均するとお店で1000円程度で提供されているものだ。今のところその1杯だけ飲んで帰るというユーザーは現れていない」と話す。

2016年2月にウイスキー好きのためのコミュニティアプリとして開発されたHIDEOUT CLUBだが、2017年10月に会員制ウェルカムドリンク機能をiOSアプリに追加した(Androidは年内にもリリース予定)。現在はバー向けの追加機能として、同アプリ内で在庫管理ができる機能やCRM機能も有料で提供している。

「バーとウイスキー好きのコミュニティアプリを運営する上で一定のユーザー数を獲得でき、いくつかのマネタイズ方法を検証していた。昨今勃興しているサブスクリプション型はバーとユーザー双方にメリットが大きく、ニーズのあるスキームであったため導入した」(田口氏)

ハイドアウトクラブは今回調達した資金を利用して、ウェルカムドリンク機能とSaaSの店舗支援機能の拡張を行うという。

そうそう、今回彼らはHIDEOUT CLUBを1ヶ月無料で使える、TechCrunch Japan読者限定の紹介コードを発行してくれたみたいだ。アプリのプレミアム会員登録時に「tc2017」と入力することで利用できる。お酒好きな読者は試しに使ってみてほしい。

バイオ技術による人工蜘蛛の糸の開発に挑戦するBolt ThreadsがシリーズDで$106Mの巨額を調達

私たちの五感の蜘蛛の巣が、大物を捕らえたかな? SECの提出書類によると、微生物を利用して人工蜘蛛の糸を作っているバイオテク企業Bolt Threadsが、シリーズDの資金調達で1億600万ドルという巨額を調達しているようだ。

Bolt Threadsは、蜘蛛の糸を作るという野心的な取り組みを初めて本誌に語って以来、めざましい成長を遂げた。英語でspider silk(蜘蛛の絹)と呼ばれるその素材は、テフロンよりも強く雲よりも柔らかくて、しかも自然界に大量に存在する。

たしかに、蜘蛛の巣を大量生産してそれを人間が着る、なんて話はあまりふつうではないし、過去にも何度か挑戦する人はいたが、みな失敗している。しかしBolt Threadsは、その不可能から黄金を紡いで、今年初めには最初の本物の衣料製品、314ドルのネクタイを作ることに成功した。

同社はその後PatagoniaやStella McCartneyなどとパートナーし、Best Made Companyを買収、9000万ドルを調達してそのシリコンバレーにおけるビジネスを成長させた。

今度また新たにほぼ1億ドルを獲得したことにより、うまく行けば同社の蜘蛛パワーは倍加することだろう。その申請書類によると、同社はこれまで、前からの投資家Foundation CapitalとFormation 8から約5700万ドルを調達できている。

最終的に全額を調達できれば、Bolt Threadsの調達総額は1億9600万ドルになる。

今Formation 8とFoundation Capital、そしてBolt Threadsにコメントを求めているので、何か得られ次第この記事をアップデートしたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

排泄予知デバイスの「DFree」が新たに5億円を調達、フランスへの海外進出も

排泄予知ウェアラブルデバイス「DFree」を開発するトリプル・ダブリュー・ジャパン(以下、TripleW)は11月6日、ニッセイ・キャピタルと鴻海ベンチャー投資のパートナーファンドである「2020」から総額5億円の資金調達を実施したと発表した。

同社は2018年度中に10億規模のシリーズBを予定しているが、今回はそれに先立つプレシリーズBとして、既存株主からの機動的な資金調達として行った。なお、今回の資金調達は第三者割当増資ではなく、新株予約権の発行によるものである。

TripleWは、介護の現場で利用される排泄予知ウェアラブルデバイスのDFreeの開発・販売を行う日本のスタートアップだ。

介護施設などの現場では、例えば3時間おきにトイレに連れて行くようなかたちで排泄ケアが行なわれているそうだ。それだけでも大きな労力だが、当然その人によってはその定時誘導のタイミングで上手く排泄ができなかったり、逆に被介護者自身が不安になって必要以上にナースコールを鳴らしてしまうというような問題がある。

DFreeはそのような問題を解決するために生まれたデバイスだ。DFreeは、古くから妊娠診断などでも利用されていた超音波で膀胱の膨張度を計測。それによって排尿のタイミングが近いのか、そうでないのかを判断する。デバイスが排尿を予知すれば、それをBluetoothを通して介護士がもつスマートフォンなどに通知するという仕組みだ。

介護の現場ではたびたび人材不足だと言われているが、時間のかかる排泄ケアをより効率化することで現場の負担を解消することを目指す。

ちなみに、国もこの排泄ケアの重要性を認識している。厚生労働省は2017年10月に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂し、新たに6分野13項目が重点分野として定めた。そして、その中の「排泄支援」の分野において「ロボット技術を用いて排泄を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器」という項目が新たに追加されている。

DFreeは2017年春から介護施設向けへの販売を開始。これまでに150の施設に導入され、フランスでもパイロット導入が始まっているという。同社はデバイス単体を販売するのではなくログ記録システムまで含めたパッケージとして提供し、月額料金は1台あたり1万円からだ。

同社は今回の資金調達により、これまでの介護施設向けのビジネスに加えて在宅介護での利用を想定したC向けビジネスの実証実験に力を入れる。また、前述したようにフランスを含むヨーロッパ地域への海外進出にも注力していくそうだ。アメリカではなくヨーロッパを選んだのは、日本と同じように介護保険制度が整っているという理由からだという。

また、超音波を利用して内臓を調べるというDFreeの技術を腸にも適用することで、これまでの「排尿予知」に加えて排便予知サービスも実現可能だ。同社はその研究開発にも力を入れていく。

これまでに同社は2016年2月に1.2億円同年5月には5億円の資金調達をそれぞれ実施している。

リファラル採用支援「Refcome」提供元が約2億円調達――1年で登録社員数10倍、アルバイトにも活用

リファラル採用を支援するクラウドサービス「Refcome(リフカム)」を提供するリフカム(Combinatorから社名変更)は11月6日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ及び既存株主のDraperNexus、Beenext、ANRIを引受先とした第三者割当増資により総額約2億円を調達したことを明らかにした。

今回調達した資金で現在伸びているアルバイト領域への展開に力を入れていくほか、リファラル採用の運用支援体制の強化、さらには新サービスの開発にも取り組んでいく。なおリフカムは2016年10月にも伊藤忠テクノロジーベンチャーズを除く3社から5000万円を調達している。

1年間で登録社員数が10倍、アルバイト・派遣領域で利用が拡大

Refcomeは2016年7月にリリースされたリファラル採用を活性化させるクラウドサービス。人事と現場の社員双方の負荷を減らし、リファラル採用に取り組みやすい環境をサポートすることがウリだ。具体的には人事担当者が社員へ募集内容を周知できる機能や協力してくれた社員を把握できる機能、社員が友人に会社の紹介をしやすい機能などを備える。

2016年10月時点で2700人だった登録社員数は1年間で10倍越えの3万人に増え、月次の売上高も15倍へと成長した。リフカム代表取締役の清水巧氏の話では、この1年でIT企業だけでなく飲食チェーンやアパレル、不動産など導入企業の幅が広がったという。合わせてわずか10%だったアルバイトや派遣での利用比率が1年間で40%に増えるなど、正社員以外の利用も増えたそうだ。

アルバイトや派遣の採用でRefcomeの利用が増えてきた理由はどこにあるのだろうか? その背景のひとつには「離職率の問題」があると清水氏は話す。

「ある飲食店では採用したアルバイトの3人に1人が入社から2週間以内に辞めてしまうということがあった。その1人を採用するのにも求人媒体を使うと7〜8万円かかるということもあり、そもそも辞めない人をなるべく安く採用したいというニーズが強くなっている。リファラル採用の場合は友人が社内にいるため社内になじみやすいこともあり、問い合わせが増えてきた」(清水氏)

アルバイトの募集においても、たとえば「友人紹介キャンペーン」など、これまでもリファラル採用的な施策は行われていた。ただ時代の変化とともにほとんどの人がSNSを使うようになり「リファラル採用」という概念や、それを支援する仕組みも整い始めている。「おそらく5年前では少し早かった。外部環境が追いついてきてちょうどいいタイミングになってきている」という清水氏の話も頷ける。

従業員のエンゲージメント測定とリファラル採用を連動

清水氏にこの1年の変化についてもう少し詳しく話を聞くと「従業員のエンゲージメント測定とリファラル採用を連動させて提案できるようになったこと」と「事例が増えてナレッジが蓄積されてきた結果、提案できる施策が増えたこと」がサービスの成長につながっているという。

リフカムは2017年4月、アンケート結果を基に社員のエンゲージメントを可視化できる「Refcome Engage(リフカムエンゲージ)」をリリースした。リリース時にも話があったが、リファラル採用がうまくいくかどうかは、従業員のエンゲージメントが大きく影響するのだという。

たとえばある飲食チェーンではリファラル採用に協力的な店舗と非協力的な店舗があり、双方で従業員のエンゲージメントを測定したところ、協力的な店舗はエンゲージメントも高いという結果が出たそうだ。そこでまずはRefcomeの導入企業を中心にRefcome Engageを提案。双方のツールは連動しているため、エンゲージメントの測定結果からリファラル採用の施策設計までをシームレスに行えるようにした。

また1年以上をかけて様々な企業のリファラル採用をサポートする中で、ナレッジが蓄積されより効果的な提案ができるようになったきている。

「たとえば100名規模のITベンチャーで人事から全社的に人材紹介の依頼をしても効果が薄い一方で、事業部長など現場のトップから依頼をするようにしただけでうまく機能するようになった事例がある。規模や業種によっても最適な手法は異なるため、フォローアップする体制を強化してきた」(清水氏)

清水氏が前職のSansan時代にカスタマーサクセス部門に携わっていた経験もあり、リフカムでは初期からカスタマーサクセス(CS)に力を入れていてきた。年間の解約率は10%未満とのことで、現在もCSドリブンで新たな機能や施策が生まれているという。

採用から組織作りまでを一気通貫するHRサービスへ

今回の資金調達を踏まえて、リフカムではアルバイト採用領域を中心にIT業界以外への展開をさらに進めていくほか、リファラル採用の運用支援体制の強化も引き続き進めていく。

そしてその先には新たなサービスや機能を加えることで、リファラル採用システムを超えて組織作りまでをサポートするシステムへ拡張することを構想しているという。

「リファラル採用を推進していると中には今すぐ転職することは考えていない人もいる。そのようなタレントをデータベース化できるものなど、さらに川下のサービスも作っていく。もともと『採用を仲間集めに』をミッションに、リファラル採用を通じて良い会社を作るサポートをすることが目的。RefcomeやRefcome Engageに新サービスも加えることで組織作りまでを一気通貫でできるようにすることで、ミッションの達成を目指したい」(清水氏)

“波動”を打って闘うARスポーツ「HADO」開発のmeleapが3億円を資金調達、海外へ本格進出

ストレスがたまってイライラ、もやもや……ああ、こんなときに“波動拳”や“かめはめ波”が打てたらいいのに!と誰しも一度ぐらいは思ったことがあるのではないだろうか。今はいい方法がある。手からビームが出せて、しかも体を思い切り動かして、誰も傷つけずにストレス解消になる、AR(拡張現実)技術を使ったスポーツ「HADO」がそれだ。

HADOを開発するmeleapは11月6日、総額3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はインキュベイトファンドDBJキャピタルと、SMBCベンチャーキャピタルが運営するファンド。

meleapは、2014年1月の設立。KDDI ∞ LABOの第7期に参加し、2016年5月に開催されたSlash Asia 2016では、ファイナリストに選ばれ、PR TIMES賞を受賞している。2017年8月には、インキュベイトファンドが開催するシードアクセラレーションプログラム「Incubate Camp 10th」で総合1位を獲得した。

HADOは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とアームセンサーを装着して、3 on 3(または2 on 2)で競い合うゲームだ。手から繰り出した「エナジーボール」を相手プレイヤーにぶつけ、敵のライフを削りながら得点を重ね、勝利を目指す。相手からのエナジーボールを防ぐ「シールド」をジェスチャーで作り出して、防御することもできる。

対戦は、プレイヤー以外の観戦者も映像で楽しむことができる。下の動画は、meleap創業者チーム(CEOの福田浩士氏・CAOの新木仁士氏)と投資家チーム(インキュベイトファンドの和田圭祐氏・DBJキャピタルの河合将文氏)による競技の模様だ。

meleapでは、HADOを国内外のショッピングモールやテーマパーク、レジャー施設などにフランチャイズ展開している。PvP型でなくモンスターを倒すタイプのゲーム「HADO MONSTER BATTLE」、「HADO SHOOT!」などのシリーズを含めると、常設店舗は世界9カ国、25店舗、プレイヤー数は延べ60万人に及ぶ。12月には、昨年開催された第1回大会に続き、最大6カ国からの選抜チームが集う世界大会「HADO WORLD CUP 2017」も東京で開催される。

今後さらに海外展開を加速させたいmeleapでは、調達資金により、アメリカ・ロサンゼルスとマレーシアのクアラルンプールに支社を立ち上げ、店舗開拓と顧客サポート体制の強化を目指す。またHADO以外にも、ARを使った新競技の開発を進めていて、来年のリリースに向けて開発体制の強化も行っていくという。

空間に落書きできるAR時代のSNSアプリ「Graffity」正式公開、総額3000万円の資金調達も

位置情報に写真・動画の投稿、SNSを組み合わせたアプリやサービスはいろいろリリースされているが、さらにAR(拡張現実)の要素が加わったアプリが登場した。11月3日に正式公開された「Graffity」は、スマホで空間に絵やテキストを落書きしたり、スタンプや写真を置いたりすることができ、置かれたオブジェクトと周りの風景を一緒に撮影して動画でシェアできる、AR動画のSNSアプリだ。

Graffityで撮影した動画はGraffity内のフォロワーと共有できるほか、TwitterやFacebookへの投稿も可能。また、動画をカメラロールに保存することもできるので、LINEやInstagramなど既存のSNSでも共有できる。

投稿するときに位置情報の共有をオンにすると、地図上に24時間、投稿をピン留めすることが可能。自分の周りで投稿された動画をチェックしたり、誰かが海外のどこかで投稿していればそれを見ることもできる。

Graffityを提供するGraffity代表取締役社長の森本俊亨氏は、ディープラーニング(深層学習)技術に詳しいエンジニアでもある。ABEJAPKSHA Technologyといった、AIを活用した事業を行う企業でのインターン経験、ドワンゴ人工知能研究所におけるディープラーニング関連の研究を経て、2017年8月にGraffityを設立した。

同社は、2017年初夏に公募されたTokyo VR Startups(TVS)のインキュベーションプログラム第3期に採択されている。“人工知能を利用してAR時代の第三の眼を提供する”という同社がAppleのARKitを利用し、ファーストプロダクトとしてリリースしたのが、ARアプリのGraffityだ。

森本氏は、アプリ正式公開に先立つプレローンチの段階で「女子中高生を中心に、数千人規模のユーザーにアクティブに使ってもらっている」という。現在開発を進めている新機能は、落書きを“その場所に保存”する機能。落書きが保存された場所に近づいてアプリをかざすと、別のユーザーもその場で落書きを見ることができる。「セカイカメラと似たような機能だが、アプローチが違っている。ディープラーニングを使った画像処理により、撮影場所を画像から認識することができる」と森本氏は新機能について説明する。新機能の追加は11月中旬の予定だそうだ。またGoogleのフレームワーク、ARCoreを使ったAndroid版の開発も来年予定しているという。

アプリの収益化については、森本氏はこう話している。「ひとつはInstagramのストーリーズと同様のインフィード広告の導入、それからタイアップ広告として(投稿のデコレーションに使える)3Dアニメーションを提供するというLINEスタンプに似たモデルの導入、また『どういった人がどの場所をよく見ているのか』というデータを収集することによって、AR広告も提供できると考えている」(森本氏)

Graffity社はアプリの正式公開と同時に、TVS親会社であるgumi代表取締役社長の國光宏尚氏、TVS、ほかエンジェル投資家を引受先とする、総額3000万円の第三者割当増資による資金調達も発表している。

“フリーランス互助会”なども実現可能――ソーシャル基金サービス「Gojo」がメルカリなどから資金調達

ソーシャル基金サービス「Gojo」を現在開発中のBrainCatは11月2日、リード投資家を務めたメルカリGMO Venture PartnersセレスCAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、 医師の提橋由幾氏を引受先とした第三者割当増資を実施し、シード資金として総額5500万円を調達したと発表した。

企業に勤めるTechCrunch Japan読者のなかには、企業内の共済会や互助会に加入している方もいるかもしれない。会社内での互助会では一般に、社員が給料天引きなどで会費を出し合い、その資金をもとに加入者全体への福利厚生を充実させることが目的とされている。

BrainCatが現在開発中のGojoは、特定の組織に属する人だけに限らず、共通の目的や問題をもった不特定多数の人々を対象にした互助会を簡単に設立するためのサービスだ。Gojoを利用することで、たとえば、育児に取り組む主婦を集めた互助会を作成したり、フリーランスが集まる互助会を設立し、独自の所得補償制度を作るというようなことが可能になるという。

また、この互助会の仕組みを使えば、従来のネガティブイベントに備えるという保険的な意味合いのものだけでなく、クラウドファンディングのような仕組みにも構築できるとBrainCatは考えているようだ。

たとえば、起業を目指す若者を対象にした互助会を設立するなんてことも可能かもしれない。メンバーの内の誰かが実際にプロダクトを送り出すフェーズになったとき、それまでに集めた会費をローンチ費用に充てるような仕組みをつくれば、これまでの一方通行の支援とは少し違う、相互支援型の新しいクラウドファンディングができあがる。

ただ、Gojoは保険にも似た仕組みをもつので、この事業を行うにあたり特別な認可などが必要なのかどうかが気になるところだ。BrainCat広報担当者によれば、会員が1000名以下の共済会(互助会)は、根拠法をもたない”任意共済”と呼ばれていて、「Gojoでは、一つの互助会の定員を1000名以下に制限することで、特別な認可などは必要ないという見解だ」としている。

BrainCatは2018年3月までにGojoのβ版をリリースする予定だという。

メルカリとの協働は?

冒頭でもお伝えしたように、今回のラウンドではメルカリがリード投資家を務めている。2017年7月に「メルカリファンド」を立ち上げ、同年9月にはC2Cアプリの「ポケットマルシェ」に1.8億円を出資、そしてつい先日の10月31日には“みん食”コミュニティサービスの「KitchHike」への出資も明らかになるなど、今年はメルカリのスタートアップ投資が加速している。メルカリファンドのWebページもちょうど本日からオープンしたところだ。

BrainCatはメルカリとの協働案について具体的には語らなかったが、C2Cアプリのメルカリと互助会サービスのGojoは相性がいいようにも思う。可能性として、Gojoの枠組みを利用してメルカリユーザー間のコミュニケーションを活発化させたり、もっと言えば、ユーザー同士が設立した互助会でユーザー間でのトラブル保障を行ったりすることも可能なのかもしれない。