LayerXが行政機関・中央銀行などと共同研究を手がけるLayerX Labs開設、デジタル通貨・スマートシティなど注力

LayerX Labs デジタル通貨 スマートシティ パブリックブロックチェーン

ブロックチェーン技術など活用した経済活動のデジタル化を推進するLayerXは7月29日、デジタル通貨およびスマートシティ、パブリックブロックチェーンの3領域を研究開発の柱にすえた「LayerX Labs」(レイヤーエックス・ラボ)を開設すると発表した。LayerX Labs所長は中村龍矢氏。

同社は、これまでブロックチェーンの社会実装にむけた研究開発を独自で多く手がけてきており、イーサリアムのプロトコルアップグレードプロジェクト「イーサリアム 2.0」の研究、次世代のプライバシー技術「Zerochain」、「Anonify」(アノニファイ)といったソフトウェア開発に取り組んできた。またブロックチェーン技術を活用した次世代金融取引サービスやアセットマネジメント事業、サプライチェーン分野における取り組みを通じて、様々な知見を蓄積している。

今後、ブロックチェーンの社会実装を推進すべく研究開発を一層発展させる上では、長期的な研究開発領域の柱を明確に据えることに加えて、外部知見を積極的に取り入れることが必要不可欠としている。

行政機関・中央銀行等・学術機関および民間企業との共同研究をさらに進めることを通じて、さらなる社会への適用を加速すべく、2020年8月より「LayerX Labs」を開設すると決定した。

LayerX Labsが本年度取り組むテーマは、「デジタル通貨・決済」、「スマートシティ」(特に、組織やサービスをまたぐデジタル化)、「パブリックブロックチェーン」の3点としている。

LayerX Labsでは、(1)行政機関・中央銀行等・学術機関および民間企業との共同研究、(2)基礎技術研究として学術論文の執筆やオープンソースコミュニティへの貢献(例:Anonify、Cordage)、(3)外部識者を招聘したアドバイザリーボード(仮)の設置、(4)ホワイトペーパーやニュースレターなどを通じた研究成果の発信を行う。

同社は、LayerX Labs設立を通じて、行政機関・中央銀行・学術機関・民間企業と連携しながら、これまで以上にブロックチェーン技術の実用化にむけた研究開発を加速していくとしている。

LayerX Labs所長は、LayerXに創業時より参画している中村龍矢氏。ブロックチェーンの研究開発に従事し、学術論文の執筆やOSS開発を行う。特に、イーサリアムのPoSプロトコル「Casper」コアリサーチャーを務め、改善案や脆弱性を複数提案。世界で初めて査読付き国際学会にてCBC Casperに関する論文を発表。また、ブロックチェーンのシャーディング技術の研究開発を行い、IPA 2020年度未踏IT人材発掘・育成事業に採択されている。

関連記事
ブロックチェーン技術活用で業務プロセスのDX化を目指すLayerXが30億円を調達
GunosyとAnyPayがブロックチェーン関連事業を行う合弁会社LayerXを設立へ

SparkLabs Groupがスマートシティ技術のためのアクセラレータープログラムを開始

米国時間2月27日、スタートアップのためのアクセラレーターとベンチャーファンドから構成されるSparkLabs Groupが、新たにSparkLabs Connexを開始したと発表した。SparkLabs Connexは不動産テック(PropTech)とIoTに特化したプログラムで、シリコンバレー、ソウル、深圳、台北、シンガポールのスタートアップのエコシステムに参入する。

画像:4X Image / Getty Images

このプログラムは、AI、5G、LPWAN(Low-Power Wide Area Network)、eSIM、セキュリティといったグリーンビルディング(環境に配慮した建物)やスマートシティプログラムに不可欠な技術に取り組むスタートアップを支援する。シンガポールを拠点とするIoT、モビリティ、スマートシティの顧問会社、CRA & Associatesの創業者であるCharles Reed Anderson(チャールズ・リード・アンダーソン)氏が、マネージングパートナーとしてSparkLabs Connexを率いる。

SparkLabs Connexには、パートナーとしてNokia、True Digital、Beca、Skyroamが参加している。また台湾の台北、韓国で開発が進められている松島新都市、オーストラリアのダーウィンも参加し、スタートアップが開発する技術のテストと活用に協力していく。さらに、スマートシティのグローバルネットワークを作る台北市の取り組みであるGo Smartと、フランス、スペイン、日本、韓国、台湾でスマートシティ技術のテストをしているUrban Technology Allianceとも連携する。

報道発表の中でアンダーソン氏は「SparkLabs ConnexをIoT、スマートシティ、PropTechのエコシステムのイノベーションハブにしたい。スタートの時点で有力なパートナーシップを幅広く結ぶことができ、さらに今後もこれを広げていく計画で、とても楽しみにしている。SparkLabs Connexは単なるアクセラレーターではなく、エコシステムのための事業だ。スタートアップ、パートナー、投資家に対してユニークなバリュープロポジションができると確信している」と述べている。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

中国のとあるスマートシティ監視システムのデータが公開状態になっていた

何千もの顔認識データが中国の警察記録と照合されていた

スマートシティとは、住民の生活が楽になるようにデザインされるものだ。交通整理を行い、公共交通機関が時間どおりに運行できるようにし、カメラを使って頭上からの見守りを行う。

しかしそのデータが漏洩したときにはどうなるのだろうか?実はそうしたデータベースの1つが、数週間に渡って誰でも中が見られるようになっていた。

セキュリティ研究者のジョン・ウェティントン(John Wethington)氏が、ウェブブラウザからパスワードなしでアクセスできる状態の、あるスマートシティデータベースを見つけたのだ。データを保護するための一環として、彼はデータベースの詳細をTechCrunchに渡した。

これはElasticsearchエンジンを使って構築されたデータベースの1つで、数カ月にわたる何百人もの人びとの顔認識スキャンを含む、GBのデータを格納していた。このデータは、中国のテック大手アリババのクラウド上に置かれていた。アリババが名前を明かさないこの問題の顧客のデータベースからは、アリババのAI駆動クラウドプラットフォームであるCity Brainへの参照がいくつも行われていたが、アリババは後にそのプラットフォームが使われていたことは否定している。

「これはとあるお客さまによって作成され、Alibaba Cloud上でホストされているデータベースプロジェクトです」とアリババの広報担当者は述べた。「お客さま方には、安全なパスワードを設定してデータを保護することを常にお勧めしています」。

「すでにこの事案についてはお客さまにお伝えしましたので、ただちに対処していただけると思います。パブリッククラウドプロバイダーとして、私たち自身はお客さまのデータベースのコンテンツにアクセスする権利はありません」と広報担当者は付け加えた。TechCrunchがアリババに連絡を取った直後に、データベースはオフラインになった。

アリババ自身は、システムの中身を見ることはできないかもしれないが、私たちはそうしてみた。

北京市内のたくさんのスマートシティカメラの場所(画像:外部提供による)

人工知能を利用したスマートシティ技術は、都市の運営方法に関する洞察を提供してくれるものの、顔面認識および監視プロジェクトの利用は、市民の自由を支持する人びとからの厳しい監視下に置かれるようになってきている。だがプライバシーの問題にもかかわらず、スマートシティと監視システムは、中国内やクアラルンプールのような中国外の国、そして程なく西洋にも、徐々に入り込みつつある。

「市民や政府の規制や監督なしに、このようなプラットフォームが米国に持ち込まれたときに、悪用の危険性があることは、容易に想像することが可能です」と語るのはウェティントン氏だ。「企業がFBIのデータセットにアクセスすることは簡単にはできませんが、他の州や地域の犯罪データベースにアクセスして、顧客もしくは敵対者のプロフィールリストを企業独自に作成することは、難しくありません」。

今回のセキュリティの甘いデータベースを使っていた顧客が誰かは、私たちにはわからないが、そのコンテンツはスマートシティシステムがどのように運営されているかについての、滅多に見ることがない知見を提供している。

このシステムが監視しているのは、北京東部の少なくとも2つの小さな住宅コミュニティ周囲の住民たちだ。その中でも最大のものは市の大使館地区として知られるLiangmaqiao(亮馬橋)である。このシステムは、顔認識データを収集するように設計されたカメラを含む、いくつかのデータ収集ポイントによって構成されている。

公開されたデータには、人々がどこに、いつ、どのくらいの時間滞在していたのかを個別に特定し、ある個人の日々の生活を割り出せるだけの詳細なデータが、誰でも(もちろん警察でも)アクセスできるかたちで含まれていた。

顔認識スキャンを含むデータベースの一部(画像:外部提供)

データベースは、人の目や口が開いているかどうか、サングラスをかけているかどうか、マスクをしているかどうか(スモッグが激しいときにはよく見られる)、そしてその人物が微笑んでいるのか、あるいかヒゲを生やしているのか、といったさまざまな顔の詳細情報を扱っていた。

またこのデータベースには、そのフィールドを見る限り、対象のおおよその年齢や「魅力」スコアも含まれていたことがわかる。

しかし、特に中国の複雑な政治状況の中で、このシステムの機能にはより暗い面がみてとれる。

このシステムはまた、顔認識システムを使用して民族を検出し、それらをラベル付けしている。例えば、中国の中心的な民族である「汉族」(漢族)や、北京政府によって迫害を受けている少数民族の「维族」(ウイグル・ムスリム)などだ。

たとえ名前を一致させることはないにしても、民族が警察による容疑者特定に利用される可能性があるならならば、これらのデータは権力の悪用につながりかねない。

国連人権委員会によれば、中国政府は過去1年間に100万人以上のウイグル人を収容所に拘留してきた。それは少数民族グループに対する、北京政府による大規模な弾圧の一部だ。ちょうど先週には、ウイグル人イスラム教徒を追跡するために警察が使用しているアプリの詳細が明らかにされたばかりだ。

また、今回問題になっている顧客のシステムもまた、警察からのデータを取り込み、その情報を用いて関心のある人物や犯罪容疑者を検出していた。このことから顧客は政府関係機関なのではないかと思われる。

顔認識スキャンは、警察からの記録とリアルタイムで照合される(画像:外部提供)

人が検出されるたびに、データベースは日付、時刻、場所、および対応するメモと共に「警告」をトリガーする。TechCrunchが確認したレコードの中には、容疑者の名前とその国民識別カード番号を含んだものもあった。

TechCrunchのリタ・ラオ(Rita Liao)の協力によって翻訳されたとあるレコードには、「公安当局による警戒人物:要員警戒:『名前』『場所』―177台のカメラが対象人物を検出」と記されていた(名前が挙がった公安当局とは、全国の警察を管轄する「公安省」である)。

言い換えれば、そのレコードが示していることは、ある時点であるカメラが、警察の監視リストに合致する人物の顔を検出したということだ。

監視リストのフラグが立てられたレコードの多くには、認識された人物が「麻薬中毒者」または「刑務所から釈放された人物」といった属性が含まれている。

システムはまた、ビル内のアクセス制御の問題や、煙探知機の警報、ならびにカメラがオフラインになった等の機器の故障を、顧客に警告するようにプログラムされている。

この顧客のシステムはまた、中国のネットワーキング技術メーカーであるRenzixingによって開発され地区に配置されたセンサーを用いて、携帯電話やPCなどのWi-Fi電波を発信する機器を監視する能力も備えている。データベースは、ワイヤレスネットワークの範囲内を通過した日時を収集している。Wi-Fiデバイスロギングテーブルにあるフィールドは、システムが携帯ユーザを一意に識別するために使用される、IMEIおよびIMSI番号を収集できることを示唆している。

この顧客のスマートシティシステムは小規模で、センサー、カメラ、データ収集ポイントはわずか数十しかなかったものの、短期間に収集されたデータの量は膨大なものだった。

先週1週間だけでも、データベースのサイズは大きくなっていた。すなわち、まだ積極的にデータを収集していることが示唆されているのだ。

「AIの武器化と濫用は、あらゆる個人のプライバシーとセキュリティにとって、とても現実的な脅威なのです」とウェティントン氏は述べている。「私たちはこの技術を私たちの中に展開することを許す前に、既にどのように他の国や企業によって悪用されているかを、慎重に見極めなければなりません」。

このような顔認識システムが、良いものか悪いものかを決めることは難しい。砂の上には善用と悪用をきれいに分ける本当の線をひくことはできない。顔面および物体認識システムは、逃亡中の犯罪者を発見したり、大規模射撃の前に武器を検出したりすることができる。しかし、毎日見られることの悪影響について心配する人もいる。信号を気軽に無視して道路を横断する歩行者も見逃されなくなるとか。これらのシステムの普及は、市民自由団体に対して、プライバシーの問題を突きつけている。

しかし、これらのシステムが発展し、より強力で広く存在するようになるにつれて、企業はなによりも第一に、その膨大なデータバンクが不用意に漏洩することのないようにしておくべきだろう。


ご提供できるネタをお持ちだろうか? もしあるようならSignalまたはWhatsAppを使って+1 646-755–8849へ安全にネタを送っていただきたい。あるいはPGP電子メールを送っていただくことも可能だ。フィンガープリントは以下のものをお使いを。4D0E92F2 E36A EC51 DAAE 5D97 CB8C 15FA EB6C EEA5

画像クレジット: Getty Images

[原文へ]

(翻訳:sako)

CES2018:FordとQualcommが車の広範な接続性実現のために提携

FordとチップメーカーQualcommは、火曜日のCES 2018で、車から全てのものへのセルラー接続技術(C2VX)技術に関しての協力を行うパートナーシップを発表した。これは自動車をスマート信号機や、路上標識、二輪車、道路、その他のものと接続する接続通信技術の円滑な展開を、検証し確実にするためのものだ。

携帯電話の接続性は、自動運転車ならびにモビリティサービスなどに向けて、フォードが展開しようとしている、充電ステーションネットワークやパートナープラットフォームなどの重要な要素となっている。Fordはまた本日(1月9日)、クラウドベースのコネクテッドスマートシティプラットフォームも発表した。この上に、都市や、運送業者、他の自動車メーカーなどが、共同で開発できるオープンスタンダードとなることを期待している。

Qualcommとの提携は、このようなことを世界規模で起こすことを狙ってのことだ。Qualcommは広範な5G展開のような先行をいくつも成し遂げており、そのモバイルとIoT接続性のおける経験からも、Fordにとっては技術開発が進むにつれて、登場するスマートシティの全てのコンポーネントと通信できることを確実にするための、自然なパートナーなのだ。

[原文へ]
(翻訳:sako)

Alphabetのスマートシティ子会社Sidewalk Labsはトロントのパイロット事業にやる気満々

Alphabetのスマートシティ部門子会社Sidewalk Labsは、トロント市と協力して新しいコミュニティの企画を手伝っているが、現時点ではまだ何も決まっていない。まず12か月の準備期間中にプロジェクトを練り、関係部門全員の合意のもとにスタートする。ただしそれは、Sidewalkの具体的な起用/利用法が決まるまで指をくわえて1年待つ、という意味ではない。

今日(米国時間11/2)トロントで行われたGoogle主催のGo Northカンファレンスで、Sidewalk LabsのCEO Dan Doctoroffが説明したところによると、トロント市のウォーターフロントQuayside(‘波止場’)地区にスマートシティのモデルを作る計画は準備段階だが、Sidewalkが今ただちに同地区に実装を開始できることもいくつかある。

Sidewalkはそれらの実装をもっと早めたいとして市と協議中で、それらには渋滞緩和策や、ニューヨーク市にオープンしたばかりのパイロット的診療所をモデルとするヘルスケア施設/サービスの実験などがある。Doctoroffによると、渋滞対策の方は同じくウォーターフロントの一部であるQueens Quay地区が対象になる。

またDoctoroffによると、同社が開発した“交通流量のモデル作りのための新しいコンセプト”は、行政の公共交通担当部門にとって今すぐにでも有益であり、トロントでも比較的早く実装可能、という。

しかしこういったアイデアはすべて、トロントのPort Lands区画内のQuaysideと呼ばれる12エーカーの土地片の、長期的な開発計画だけに固有のものではない。むしろDoctoroff自身は、これらの比較的小規模なパイロット事業のタイミングに言及して、“これらは今すぐにでも着手できる”、あるいは少なくとも、“比較的早期に開始できる”、と言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Alphabet子会社のSidewalk Labsが、Torontoのウォータフロントを理想のスマートシティにする

スマートシティテクノロジーに力を注ぐSidewalk Labs(Alphabetの子会社)は、トロントの東部ウォータフロント地区に完全な多目的のコミュニティを構築しようとしている。最先端の建築技術、自動運転、天候を活かしたエネルギーシステム、その他のイノベーションを使って、生活地域をゼロから構築するのだ。もちろんコネクテッドテクノロジーに焦点を当てて、手頃な価格でアクセスできることも目標である。

これは明らかに野心的なプロジェクトだが、基礎作業のいくつかは既に先行している:(アルファベットの子会社の)Googleは、”Quaysaide”と呼ばれるこの新しい地区に居を構えて、東部ウォータフロントの旗艦テナントとなる。そしてSidewalk Labsはトロント市と提携して、パイロットテストと計画を開始するために、5000万ドルを拠出した。

Sidewalk Labsは、Waterfront Trontによって発行された提案依頼書(RFP)に応じた契約を締結済みだ。Waterfront Trontとは、カナダ連邦政府、オンタリオ州政府、トロント市が共同で構成している組織で、トロントの湖畔地域の開発を促進することを目的としている。気候の変動を意識し、市民が効率よく移動できることを考慮しながら、市街地の広がりを計画するのだ。

RFPに記載された、Sidewalk Labsが行政との共同プロジェクトで関わるエリアは、およそ324ヘクタールの広さに及んでいる(このうちの4.9ヘクタールは最初に用途が決められている)。そしてこれは現在開発中の北米最大の都市エリアである。これはスマートシティを最も初期段階から構築したいと考えるSidewalkの野望に対する良いターゲットとなっている。Sidewalkの発表によれば、最終的には、計画のパートナーたちはこのエリアを「何千人もの人々が暮らし、仕事をし、学び、遊び、そして街の生活を改善する新しいアイデアを創り、進めて行く場所」に変えたいと願っている。

Googleはそのカナダ本社と、およそ300人の従業員を、対象地区内の新しい事務所に移転させる予定だ。そして道路工事を含む、洪水を防ぐインフラストラクチャや、その他の必要な建築物は、市、州、連邦政府が共同で出資する12.5億ドルのファンドで賄われる。

居住者たちとステークホルダーたちを集めたコミュニティタウンホールでのキックオフイベントが、11月1日に予定されている。このニュースは、AlphabetのチェアマンであるChairman Eric Schmidtが、Sidewalk Labs CEOのDan Doctoroff、カナダ首相のJustin Trudeau (そう、夢想家の彼だ)、オンタリオ州知事Kathleen Wynne、そしてトロント市長のJohn Toryたちと共に、開発地区近くで開催した記者会見で発表した。

タウンホールイベントが重ねられるに連れて、この地域に対する計画はさらに明らかになって行くことだろう。そしてSidewalkは現地の意見を取り入れていく予定だが、このAlphabetの子会社はその目標を以下のように述べている「私たちはこの星を守るために、エネルギー、廃棄物、およびその他の環境課題に対する革新を目指しています:例えばそれは個人所有の車よりも、より手頃で、安全で、便利な様々な移動手段。建物の変化を前提として家や店舗のコストを削減する新しい建築手法。家族の訪問を歓迎し、夜も昼も、1年を通して楽しめる公共スペース。そして誰に対してもプライバシーとセキュリティを損なうこと無く、デジタルテクノロジーとデータで進化した場所などです」。

これは間違いなく、既にシリコンバレーの外では世界で最も活気に溢れ活動的なトロントの街の、テクノロジーとスタートアップシーンを加速することになるだろう。そうした加速こそが、トロントがSidewalkと一緒にプロジェクトを始めたいと思った、大きな理由の1つなのだろう。市はこの地域におけるGoogleによる投資とプレゼンスの強化をずっと望んでいたように思える。Google は現在、カナダ国内の様々なオフィスに、1000人以上の従業員を抱えている。

トロントの、新しいAlphabetシティに関するアナウンスのライブストリーム映像は、以下で見ることができる。


原文へ
(翻訳:sako)

スマートシティは道半ばだ、私たちが目指すのはダイナミックなレスポンシブシティなのだ

【編集部注】著者のColin O’DonnellはIntersectionの主任イノベーションオフィサーである。

都市テクノロジーの専門家として、私は実際に人びとが使っている魅力的なスマートシティアプリケーションの例を教えてくれ、と頼まれる機会が多い。しかし正直なところ、実際に指し示すことができるものは多くない ― 少なくとも今の段階では。都市はますます賢くなっている筈だが、利用者の眼から見ると目立って変化しているようには見えない。

これまでの都市のデジタル進化のほとんどは、人びとが見たり、触れたり、使ったりできる部分ではなく、むしろ目に見えないところで進み、市の運営そのものに焦点が当てられて来たのだ。もちろん、行政が水漏れをより良く検知できたり、建物検査の失敗予想の精度を向上させることはとても重要だ。しかし都市居住者たちに対する直接的で個人的な便益としては現れていない。従って、あまりこの分野には進展はないと考える人がいても、不思議ではない。

都市居住者としての私たちが、革新的スマートシティアプリケーションにまだ驚かされていないのは、スマートシティは退屈なものだからだ。これはデータウェアハウスの概念に対して、人びとが顔を輝かせないことと同様の理由だ(OK、そこの人たち落ち着くように)。スマートシティとはゴールへ向かうための手段に過ぎない。真のデジタルシティへの道の、途中の1ステップに過ぎないのだ。

都市が、その住民たちに実際に有形の利便性を提供し、インターネットの可能性完全に実現した都市へ進化していくためには、以下の3つのフェーズを通過することになる。1)まず環境に関するデータを収集する必要がある。2)次にそのデータを処理する必要がある。そして最後に、3)リアルタイムのアクションで反応する必要があるのだ。これを縮めて言うなら:See、Think、Do(見よ、考えよ、行動せよ)ということになる。

See ― インストゥルメンテッドシティ

ここ数十年というもの、私たちはずっとインストゥルメンテッドシティ(センサーなどの機器が行き渡った都市)に住んできた。センサー、センサー、そしてセンサー。今やセンサーはそこらじゅうに溢れている。オフィスのドアから自転車置場、そして街角の信号にもセンサーは埋まっている。全てが定量化されており、これが将来の都市開発の礎になる。何かを変えるためには、まずそれを測定することができるようにする必要がある。

Think ― スマートシティ

さて、そうして集めたデータをどうするのだろうか? ここが、GEやIBM、そしてAT&Tのような企業たちが、ここ数年注力してきた領域だ。スマートシティでは、センサーが行き渡った都市から発生するデータから洞察を得る。これはデータプラットホーム、アルゴリズム、そしてデータサイエンスを活用して行われる。私たちが測定したものを理解するだけではなく、なぜそれが重要なのかも理解できるようにできる。

私たちは、相関関係と因果関係の構築を行い、人間の行動を予測してテストするためのモデルを作り、なぜある出来事が起きたのか、そして変更がどのような影響を及ぼすのかに関する洞察を得る。AIは、膨大な量のデータを分析し、都市の状況を理解する上で、大きな役割を果たすようになって行くだろう。しかしそれらは皆、今のところ「舞台裏」の仕掛けだ。ちょうど誰もが電子メールやWeb1.0サイトを使い始める前の、インターネットのようなものだと考えてみれば良い。もちろん、それは重要で、世界の働きを変えつつあると思うが、どうして私がそれを気にしなければならないのか? 私には何ができるのか?

Do ― レスポンシブシティ

さて、ここから物事は面白くなる。何かが本当に起こり、人びとが違いに気付き、感じるようになる。開発と新製品のチャンスが最も多いステージだ。レスポンシブシティ(反応型都市)とは、その名前が表すように、市民の要求、願望、そして欲望に反応する都市である。この場合の「市民」は労働者でも居住者でも、単なる訪問客でも構わない。すべてがリアルタイムに実行され、アプリケーションを用いたアクティブでリッチな体験となる。

インストゥルメンテッドシティで発生したデータと、スマートシティで得られた洞察を用いて構築されるレスポンシブシティは、ハードウェア、データ、そして基礎サービスの上に載った、アプリケーションレイヤーのようなものだ。

都市では、これらのアプリはインフラストラクチャを操作したり、都市を動的に最適化する振る舞いに影響を与えたりすることに焦点を当てている。目標となる成果は、安全性、利便性、そして効率性はもちろんだが、発見、喜び、そしてコミュニティも対象となる。これらのすべてが、都市を魅力的にするものたちをサポートする。多様な背景を持ち、共通の時間を共有する市民たちにとって、魅力ある場所にするのだ。

これはすべて、デジタル化された制御可能なインフラストラクチャに依存している。そしてそれは急速に実現されつつある。UberとLyftは、予想される輸送ニーズに基づいて、自分たちを先行してデザインしたコネクテッドカーの例だ。

デジタルスクリーンとダイナミックな街頭施設も、レスポンシブなインフラストラクチャの初期の例だ。都市の中で拡張現実レイヤーのように振る舞う可能性と同時に、こうしたプロダクトは街頭の風景内にリアルタイムに情報を挿入し、人びとに情報と影響を与える。そして人びとを様々な方法で支援する:少し考えるだけでも、市民がよりよい移動を行えるようにしたり、市からのお知らせを表示したり、リアルタイムに緊急事態を知らせたり、といった例を挙げることが可能だ。

都市はこうしたトランスフォーメーションへの準備が整っている。デジタルインフラストラクチャー、オートメーション、そしてマシンラーニングによって、要求に対して予測とともに反応する能力が登場し、数百万人の人びとを相手にした結果を最適化することができるようになるだろう。

現代は、都市管理者、社会活動家、そして起業家たちに、大きなチャンスが与えられているのだ。それは新しい経済機会を創造し、行動を変革し、現代都市を真に再定義するために資源を再配分するためのチャンスだ。この革命に必要とされるインフラストラクチャーは、整備されつつあるが、どのようにすれば都市は最終的に、このレスポンシブな最終ステージに進むことができるのだろうか?

効率的なレスポンシブシティへの道を切り拓くためには、都市には以下のものが必要である:

リソース、アクセス、そして成果に対するパートナー

私たちは、都市で可能なことに対する私たちの先入観を捨てて、望ましい成果を考えるところから始めなければならない。都市の管理者たちは、改革の必要がある未使用のリソースやインスラストラクチャーをまず同定する必要があり、それらを民間部門と提携したり協力したりして、利用しやすいものにしなければならない。官民のパートナーシップは、相互の利便性に基いて整理されなけれなならない。例えば、どんな心身状態の人たちに対しても幅広いアクセスを許し、特定の解決方法や、事前に決められた調達手段に固定されないというようなことだ。

人びとのグループを理解し、その行動に影響を与えること

レスポンシブシティはその中に暮らす人びとを反映したものだ。インターネットは私たちに、ビデオや製品、あるいは友人たちを推薦することで、パーソナライゼーションで可能なことを垣間見せてきた。他でもない、あなたという個人 に対して。しかし、都市の体験は本質的に1対多だ。50人が1つの表示を見て、それらを一緒に体験する。しかし個々人は異なる背景を持ち、またおそらく個々人の目的は異なっている。これは興味深い研究分野を拓くものだ。すなわち人びとのグループを理解すること、そして環境の変化に対して彼らがリアルタイムにどのような反応を示すのかを理解するということだ。

環境の変化とは、例えば、オンデマンド歩行者天国のための動的な道路閉鎖のようなものだったり、異なる移動能力を持つ人びとをイベントに向けて最適な経路で案内したり、オープンしたばかりのお店を案内したりというものかもしれない。いずれにせよ、人びとの要求と都市側の要求の間のバランスを、リアルタイムで調整することは、探究すべき新しい刺激的な領域となるだろう。それは都市計画と、ユーザーエクスペリエンスと、行動科学の融合だ。

リアルタイムに行なうこと

レスポンシブシティになることは静的な目標ではなく、常に変化する目標だ。私たちは、過去の固定された単一目的のインフラストラクチャの概念を乗り越える必要がある。人間と都市の変化に合わせて動的にリアルタイムに変化するインフラストラクチャに焦点を当てる必要があるのだ。この焦点は何年もかけて都市が変化するマクロレベルなものだけに対応するのではなく、一瞬一瞬、例えば朝の通勤からランチまでの間という短い単位にも対応する必要がある。

クラウドネットワークサーバーのコンセプト

インターネットは、私たちがやっているすべてのことを変えて来た。すなわち私たちが生活する方法、働く方法、遊ぶ方法、情報へのアクセス方法、そしてお互いのコミュニケーションを変えたのだ。しかし、それは常に、その変革の可能性の期待に応え続けて来られたわけではない。私たちはインターネットが、不寛容さを育て、隔離され視野狭窄に陥ったグループを生み出すところを目撃してきた。

そして、現在の住民が生まれる遥か昔に死んでしまった人びとによってデザインされて、その変化が何十年も掛かる都市計画によって測られる都市は、淀んで柔軟性を失ったものになる可能性がある。都市は、それを実際に利用したり、働いたり、生活している人びとを代表するものではない。

しかし、インターネットが都市の中に進出す​​るにつれ、私たちはインターネットをより人間的に、そして都市をよりダイナミックにする機会を得た。

私たちは、異なる文化や背景や能力を持つ人々が、都市に対してだけでなく、人びと同士でもデジタルな相互作用を共有できる、真のコミュニティ体験を構築することができる。私たちは、環境を形作り、リアルタイムで情報を共有し、人びとやリソースをお互いにより良く繋ぎ合わせることができる。私たちには包括的なデジタル都市体験を作り上げる機会が与えられている。そしてそれは、レスポンシブシティから始まるのだ。

FEATURED IMAGE: PRASIT PHOTO/GETTY IMAGES

原文へ
(翻訳:sako)

NvidiaがスマートシティプラットホームMetropolis AIでAlibabaやHuaweiとパートナー

NvidiaのスマートシティプラットホームMetropolis AIは、まるでDC Comicsのスーパーマンの漫画にあったような名前だが、実際にはそれはGPUを使用するインテリジェントなモニタリングツールで、渋滞の解消とか、行政サービスの適正配分、迷子の老人や子どもの発見など、さまざまな業務を助ける。このほど同社は、Mtropolisの本格的な普及を目指してAlibabaおよびHuaweiとパートナーし、またMetropolisの一般供用バージョンにはそのSDK、DeepStreamを含めることになった。

Metropolisはビデオを使用し、2020年までには10億台以上の、インターネットに接続されたカメラを世界中の都市に据え付けて、警察や都市計画などあらゆる行政サービスをアシストするデータ分析AIアプリケーションを稼働させる。

Nvidiaは今日北京で行われた同社のGTXカンファレンスで、そんなアプリケーションの一端を紹介した。たとえば中国のHikvision Research Instituteのプロジェクトは、Jetson, Tesla P4, DGX-1といったNvidia製品〔主にディープラーニング関連〕を組み合わせて、顔画像と個人プロフィール情報のマッチングを90%の確度で行う。

こういった監視システムにはオーウェルの‘ビッグブラザー’的な気色悪さがつきまとうが、円滑で安全な都市交通ネットワークのための自動化情報システムが実現するためには、それが必要な第一歩だろう。たとえばAlibabaが考えているのは、都市計画部門における行政サービスの改善だ。またHuaweiなどは、もっぱら警察用アプリケーションに注力している。後者はそれこそ、ビッグブラザー問題を内包するかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Boschが$1.1Bの新工場を建てて自動運転車やスマートシティ向けチップの生産力強化へ…上位サプライヤーの座を譲りたくない

自動車業界のティアワンサプライヤーBoschが、市場が今後向かう方向へ重点投資をしている。新たに発表された11億ドルの施設すなわち工場は、自動運転車とスマートホームおよびスマートシティのインフラストラクチャに使われる半導体を製造する。 そのドレスデンの新しいチップファブは、シリコンの商業生産を2021年に開始し、工場の建設は2019年に完了する。

チップの製造能力が大幅に拡大するBoschは、自動車メーカーが今後も引き続いて、インターネットへの接続を前提とするサービスやモバイルのプラットホームへフォーカスをシフトしていく中で、重要なサプライヤーとしての地位を維持し続けると自負している。ただしBoschがチップを製造するのは今回が初めてではない。同社は自動車用のチップを供給してきたし、最新のデバイスであるスマートフォンなどにも供給している。Bloombergによると、Boschのチップ生産は40年以上のキャリアがある。

新工場は自動車により従来的な機能を提供するチップも供給する。たとえばエアバッグの膨満をトリガするチップや、計器盤の表示をコントロールするチップ、車内において携帯電話を接続するためのチップなどだ。

自動運転車ではIntelも、世界的に上位のチップサプライヤーを目指しており、またNXPを買収したQualcommも同様だ。ただし後者の買収は目下、EUが事前審査中だ。Boschの自動車業界とのご縁は長いが、それでも自動運転車技術の市場は新しいから、コンピューター業界からやってきた企業と、自動車業界の末席につらなるサプライヤー企業のどちらが主導権を握るか、今後の見ものである。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NvidiaのJetson TX2でカメラやセンサーなどネットの末端デバイスが高度なAIを持つ

Nvidiaの組み込みシステム用コンピューティングプラットホームJetsonに、次世代製品が登場した。組込みシステムといっても、開発対象は主に、交通監視カメラや製造用ロボット、スマートセンサーなどネットに接続されるデバイスで、今回の新製品Jetson TX2は前世代のTX1の倍の性能を持ち、また省電力モードでは本来の半分以下の電力消費で同じ処理能力を発揮する。

TX2はPascalベースのGPUと、Nvidia製64ビットクワッドコアARMチップ2基、RAM 8GB、高速フラッシュストレージ32GB、という構成である。ネットワーキングは802.11ac Wi-Fi、Bluetooth、1GB Ethernetを内蔵する。これらによりネットワークのリーチが長くなり、エッジデバイス(ネットワークの末端のデバイス)が分散ニューラルネットワークを動かして、オブジェクトや音声、まわりの環境などを正しく判定し、自動航行などを助けることができる。

Jetson TX2と並んで発表されたJetPack 3.0はJetson系列用AI SDKの新バージョンで、ディープニューラルネットワーク向けにはTensorRT 1.0, cuDNN 5.1をサポートし、コンピュータービジョンではVisionWorks 1.6、およびそのほかの最新のグラフィクスドライバーとAPIsをサポートする。

Ciscoは、同社のエンタープライズネットワークデバイスSparkに、TX2とJetsonを利用して顔や音声認識など、ローカルなAI機能を実装する、と言っている。それらの機能により、確かにセキュリティや認証が末端レベルで強化されるだろう。またTX2はAIを研究しようとする学生や研究者たちにとって、費用が非常に安上がりですむ。今日ローンチした新しいJetson開発キットは、アメリカとヨーロッパの予約価格が599ドルで、3月14日に発売される。

一方TX2モジュールは第二四半期に399ドルで発売される。既存のJetson組み込みコンピューティングプラットホームTX1とTK1は、値下げして提供を続ける。

このようにエッジデバイス(ネットワークの末端)が高度なAI機能を持つことにより、コネクテッドシティ(インターネットに接続された都市)はインテリジェントシティ(多様な電脳機能を持つ都市)へと成長する。電脳機能はもはや、中央のサーバーが独占するものではない。末端のさまざまな部位が何らかの知能を持つことによって、ネットワーク全体でものごとがスムーズに動くようになる。そしてネットワークの各ノードが知性主体ならば、インフラストラクチャの継続性とか、レイテンシーの懸念などを心配する必要もなくなる。Jetson TX2による世代更新など、エッジの機能・性能の向上により、未来がまた一歩近くなる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ミズーリ州カンザスシティにスマートシティの初期的な実装例を見る…GoogleやCiscoなど企業の協力が鍵

xaqt-kcmo

9か月前にミズーリ州カンザスシティは、総額1500万ドルを投じるCiscoとのパートナーシップにより、同市の2マイルにおよぶ、路面電車の走るメインストリートを、IoTなどによりスマート化(電脳化)する、と発表した。同市は今日(米国時間2/1)、このプロジェクトに関する最初のデータを、他の都市や政府省庁と共有した。

4年前にカンザスシティは、Google Fiberで住民をインターネットにつないだ。今では同市はダウンタウンの50の市街ブロックに無料の公共Wi-Fiを敷設し、人間の活動に反応するLED街灯を125基設置した。

その路面電車通りには(現時点で)12のキオスクがあり、携帯電話を持っていない人でも、交通案内や行政サービス、地域のエンターテインメントなどについて知ることができる。キオスクはまた、災害や緊急事態のときには、市民に情報を提供する。

カンザスシティは運輸省のスマートシティ計画の候補都市だったが、結局その補助事業はオハイオ州コロンバスへ行った。そこでカンザスシティはCiscoとのパートナーシップを選び、同社が約1200万ドルを出すことになった。市は今後10年間で380万ドルを支出する。

まだ若いプロジェクトなので、ビッグデータはまだ十分にビッグでない。でも今すでにXaqtのライブマップにより、市内を走る電車の正確な位置を知ることができる。また市内の駐車場の空き情報や、道路の渋滞状況も知ることができる。

これらの情報やデータはカンザスシティの住民の活動や安全を支えるだけでなく、NISTとの協働で、ビッグデータの利用と個人のプライバシー保護を両立させるための技術規格の策定に役立てていく。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米国運輸省、スマートシティ基金に1億6500万ドルを投入

Offices in four buildings sharing ideas/information via wireless technology

本日ピッツバーグで開催されたホワイトハウスフロンティア会議で、米国運輸省(DOT)は、ホワイトハウスのスマートシティ構想の一環として、全米でスマートシティの技術を展開するために役立つ新しいファンドを発表した。1億6500万ドル(約171億円)の基金は(2つの助成金を通して得られる6500万ドルの公的基金と、先進輸送技術を対象にした1億ドルの基金)、スマートシティ構想を推進するために使われる。対象となる都市にはピッツバーグ、サンフランシスコ、ヒューストン、ロスアンゼルス、バッファロー、そしてメアリーズビルが含まれている。

基金は、交通渋滞を緩和し、またドライバーと歩行者の安全性を向上させるソリューションへ使用するようにデザインされている。例えば、ピッツバーグは、プログラムを通して1100万ドルを得て、スマート交通信号機の設置を行う、そしてデンバーは600万ドルを得て、通勤時のトラフィックを緩和するためにコネクテッドカーの利用に向けて利用する。助成金のうちの約800万ドルは、カーシェアリング、デマンドベースのダイナミックバス、自転車シェアリングといったのオンデマンドモビリティを、既存の公的交通ネットワークの中に構築するといった特定の目的に充てられている。

DOTは、スマートシティの目標を追求する多くのパートナーと協力している、その中には、Alphabetの子会社であるSidewalk Labsも含まれている。上の基金はすべて、既存の公的インフラストラクチャの補完プログラムの実現に焦点を当てているように見える、しかしながら、一方Sidewalk Labs自身は、現在スマートシティチャレンジ構想に参加した沢山の都市に対して提案した、より野心的で、はるかに遠くを見据えた多くの市政サービスに関わる独自のプログラムを探っている最中でもある。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

車載部品メーカーのLearが他の車両や環境と通信できるユニットの供給を計画

harness

自動車部品メーカーのLearは、新しい高さの接続の波に乗ろうと考えている。そのために顧客である自動車メーカーに、彼らの製造する車両を路上の他の車両や、道路や信号機を含む公的インフラ、そしてクラウドベースのサービスと通信させるユニットを開発/出荷する計画を立てている。その部品はモジュラーなものであり、OEMメーカーも簡便な物理的アップグレードが可能となる。

Learのコネクティビティ担当副社長であるPraveen SinghがCrain’s Detroit Businessにで語ったインタビュー(Automotive New経由)によれば、Learが望んでいることはこの部品をわずか「2,3年で」市場に出すことだ。テストの目的のために、プロジェクトはArada Systemによってインストールされた、デトロイトのダウンタウンとミシガンに全体で使われているインフラ技術を利用している。Aradaは昨年Learによって買収された、Singh自身によって創業された移動体接続スタートアップ企業である。

Aradaは、他の車両や交通信号灯を含む、外部ネットワークと車両を接続する技術に特化している。同社が力を注ぐ部分の1つとして、車両とその環境間の接続の安全性の確保がある。なぜなら車両とその周囲との間の双方向通信は、潜在的な悪意を持つものにとって魅力的な機会を提供するからだ。交換可能なハードウェアと、標準的なセキュリティに着目した通信によるアップデート計画の両者を通じて、Learはこれから登場するモジュラーソリューションでもセキュリティの確保に注力する。

未来のスマートカーの接続ハブになりたいと思っている企業はLearだけではもちろんないが、同社は新しいサプライヤーに対してより懐疑的な旧来の企業から、最初に注目される位置にいる ‐ もちろん約束したものをきちんと提供できればの話だが、そのシステム上でのインフラストラクチャの顧客も売り込まなければならないことを考えると、それは容易なことではない。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)