Galaxy Tab S7+ファーストインプレッション

サムスンのUnpackedイベントでは、5つの主要な新しいデバイスが発表されたが、Galaxy Tab S7シリーズはそれほど注目されていなかった。Galaxy Noteシリーズのようなスター性はないし、新しい折り畳み式やBluetoothイヤホンのような目新しさもないので当然かもしれない。一般的にタブレットは、かつてのように刺激的なプロダクトではないのだ。

しかし、サムスンはタブレット端末を相変わらず作り続けている。同社が多くの種類のタブレット端末を作っているのは、もちろん需要があるからだろう。それぞれが異なる価格でターゲットとする顧客層を持っているとはいえ、なぜこれほど多くの種類を作れるのか不思議だが。その中でGalaxy Tabシリーズは、常に注目すべき製品であり、Galaxyシリーズを補完するためにデザインされたプレミアムなタブレット体験を提供している。

実際のところAndroidタブレットの大部分が低価格端末に属するが、サムスンは依然としてiPadと真っ向から勝負できる端末を製造している数少ないメーカーの1つだ。なお、最新モデルにはいくつかの重要な機能があるが、今回送られてきたレビューユニットのGalaxy Tab S 7+では使えないので、またの機会に紹介する。

さて、このデバイスは、5G接続に対応する最初のタブレットの1つだ。価格や発売時期はまだ未定だが、正直なところ多くの人が自宅で仕事を続ける現状では、タブレット端末にモバイル接続を求める需要はそれほど多くないだろう。新型コロナウイルスが終息して旅行などが再開したときには、また別の話になるかもしれないが。

とはいえ、サムスンがUnpackedイベントの直後に送ってきたモデルはまさに野獣ともいえるスペックだ。価格は849ドル(約9万円)からで、上位モデルはメモリーが6GBから8GB、ストレージが128GBから256GBにアップ。そして、最先端のSnapdragon 865+を搭載する非常に高性能なマシンに仕上がっている。

デザインも、このプレミアムなスペックにマッチしている。初期モデルのようなプラスチックではなく、光沢があり頑丈なガラスとアルミニウムのデザインに変更されており、価格に違わぬプレミアムな外観だ。重さは、12.4インチモデルは1.26ポンド(約570g)。少し重いが、12.9インチのiPad Proは1.41ポンド(約640g)なのでiPad Proよりは軽い。要するにこれらのデバイスは、ベッドに横たわっているときに顔の上に持ち上げやすいようには設計されていないということだ。

もちろん、これらは本当のマルチタスクの仕事用マシン、ホビーマシンとして意識して設計されている。私は仕事ではタブレット端末ではなくノートPCを使って原稿を書く派だが、このカテゴリーが近年進歩していることは評価している。また、Androidデバイスであれ、Surfaceであれ、iPadであれ、職場のPCとタブレットを交換することに成功している人を何人か知っている。

タブレット端末を仕事用マシンとして評価する際に重要になるのが純正ケースだろう。サムスンはこのケースをいくつかの点で改善している。タイピング性能についてはノートPCの専用キーボードには及ばないが、かなり洗練されている。カバーに内蔵されているバネの影響もあり、キーには適度なストロークがある。レザーケースは2つに分かれているので、キーボードがなくてもスタンドとしても使える。もちろん、この種のケースのトレードオフとして、カバーを外さないと膝の上では使いづらいという欠点はある。

そして、サムスンのタブレット端末といえばS Penだ。Galaxy Tab S7シリーズにはスタイラス用のスロットは用意されていないが、S Penはもちろん付属しており、少し弱いがデバイスの上部に磁気で吸着する。同社はこのS Penのための小さなエコシステムを着実に作り上げており、私の読みにくい筆跡を認識して変換してくれることに感心する。まじめな話、私のすでにひどい字の書き方は、時間の経過とともに衰えるばかりだ。

120Hzのリフレッシュレートを備える美しいOLEDディスプレイもポイントだ。ただし、作業内容によってはバッテリーを節約するために切り替えが必要になるかもしれない。バッテリー容量は、8000mAhと10900mAhでどちらのモデルも十分な容量を備えている。5Gモデルは間違いなくヒットすると思う。

そして、サムスンはDeXをこれまで以上に強く推進しているようだ。キーボードを接続したときにデスクトップ風の画面に自動的に切り替わるように設定できる。インターフェースもWindowsのデスクトップ体験に近いものを目指しているが、多くのアプリはまだDeXをサポートしておらず、全体的にまだぎこちない。マルチタスク機能などを改善する方法であれば容易に想像できるが、それがすべてではないだろう。

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

さらに紙に近づいたreMarkableの新型Eペーパータブレット

私がreMarkableのファンであることは、特に隠してしない。reMarkableはリッチメディアやゲームではなく、文章を書いたりスケッチをすることに重点を置いた紙のようなディスプレイを備えたタブレットだ。その最初の機種より優れたものを目指した後継機種が、3月17日に発表された。

長い文章、電子書籍、ノート、スケッチといったモノクロのコンテンツの作成や閲覧のためにデザインされたreMarkableは、iPadやSurfaceとは違う、ミニマリストのための選択肢(または補完デバイス)として独自の路線を貫いている。この製品は、クライドファンディングで資金調達し、販売数は10万ユニットを超えた。同時に同社は成長を遂げ、1500万ドル(約16億円)のシリーズA投資を手にした。今思えば、その資金で新型機が発売できたのだろう。

関連記事:ソニーとreMarkableのEペーパータブレット競争は奇妙にして感動的(未訳)

ひと目でデザインの変化がわかる。左側にクロームの帯を配した大胆な左右非対称の外観で、このタブレットは紙のノートに置き換えて使うものだと主張している。左手で持って右手で書くということだ。左利きの人はごめんなさい。

この新型タブレットは厚さが4.7mmしかない。iPad Proやソニーの競合機種Digital Paperよりも薄い。どちらも厚さは5.9mmだ。正直言って、この程度の厚さの違いはほとんどわからないが、それもひとつの成果だ。

だが、reMarkable最大の魅力は、おそらく書き心地の良さだ。同社はこの2年ほどの間に、可能な限りの改良を行ってきた。そのひとつに、スタイラスを画面に置いてから線が表示されるまで、これまでもわずか40ミリ秒だったものが、半分の時間に短縮されたという点がある。

そこはミリ秒が問題になる世界だ。本物の鉛筆と紙の場合は、当たり前だが遅延はゼロだ。reMarkableは優れているが、それでも大きく手を動かしたときや線を引くとき、多少の遅れを感じた。同社は私にこう説明している。

それ以上遅延を縮めるハードウェアは存在していなかったため、私たちは独自に技術開発することにしました。ディスプレイ自体を電子的に制御する方式を変更したまったく新しいディスプレイコントローラーの開発から、ピクセルごとの複雑な波形に一度に数百万回加えられる電流と電圧の見直しに至るまで、ディスプレイを制御するハードウェアとソフトウェアのアーキテクチャーを両方とも作り替えました。その結果、遅延は20ミリ秒となり、ジッターが減ってインクの流れがスムーズになり、完全に比類のないデジタル記述体験が完成しました。

この新型デバイスを手にしたら、すぐにその点を自分で確かめようと思っている。同社は、Eペーパー型ディスプレイの主要製造業者であり投資会社でもあるE Inkと、この新しいディスプレイの開発を行ってきた。仕様は前のものと同じだが、10.3インチ、モノクロ、1872×1404ピクセル解像度、226dpiとなっている。

下の動画は、型どおりだがよくできた、野心的なプロモーションビデオだ。

reMarkableを動かしているソフトウェアは、発売以来、大きなアップデートが何度か行われた。手書き認識の追加、インターフェイスの変更、性能向上などだ。新型では、最も要望が高かった機能がついに搭載された。ウェブ上の記事の保存だ。

Pocketを統合して欲しいという私の個人的な要望は受け入れられなかったが、代わりに彼らは、ウェブページの形式を変更してデバイスに送るChromeのプラグインを使った独自機能を搭載した。残念ながら私はFireFoxのユーザーなのだが、今は例外を認めるしかない。

同社は、バッテリーの寿命は3倍に引き上げられたと主張している。同じ3000mAhのバッテリーを使っているが、全面的に性能が向上し、省電力の(しかも以前より高性能な)デュアルコアのARMプロセッサーを採用することでそれが実現した。つまり2週間使えて、90日間放置できるということだ。前機種のバッテリーの寿命と電源管理機能はあまり良くなかったので、これはうれしい。

Marker(スタイラス)を試した最初の日から私が熱望していたものも追加された。消しゴムだ。もちろん、消しゴムツールを選択すれば、いつでも書いたものが消せたのだが、スタイラスの一方が消しゴムとして機能するようになった。これはワコムの技術で、同社との共同開発で実現したものだ。しかし、この消しゴム機能が使えるのは99ドル(約1万610円)のMarker Plusのみ。50ドル(約5360円)の通常版では使えない。どちらも、スタイラスはマグネットで本体にくっつく仕組みになっている。

「私たちはこの2年間、ワコムと密接に協力し合い、Marker Plusを開発しました。私たちが作った中で、最も美しいペンです」とreMarkableの共同創設者でCEOのMagnus Wanberg(マグナス・ワンバーグ)氏はTechCrunchに語った。「最高の素材とデザインに加えて、後ろ側が消しゴムになる機能を備え、reMarkableのソフトウェアとシームレスに動作します。私たちは、ワコムの技術チームと消しゴムセンサーの微調整を重ね、本物の紙の上で消しゴムを使ったような見た目と感覚を実現させました」

だが結局は、もっと安いものに目がいくかも知れない。reMarkableの恩恵をすべて得ようとすれば、700ドル(約7万5040円)と安くはない。reMarkable 2は、予約注文すれば399ドル(約4万2780円)だ。これにはMarkerと洒落た二つ折りのケースが付属する。最初の機種に手を出しかねていた人も、この新型には心が動かされるだろう。

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(翻訳:金井哲夫)

Galaxy Noteイベントで何が発表されるのか予測してみた

これまでもサムスンの情報ガードはあまり固いとは言えなかった。もっともこれはわざとそうしていた疑いが強い。サムスンは実際の製品発表に先立ってネット界隈が噂で盛り上がるのを期待しているようだ。

米国時間8月7日にブルックリンで開催されるGalax Noteイベントも例外ではない。われれはすでに大量のリーク情報を得ているが、わかっていることを振り返ってみよう。

先週、サムスンはGalaxy Tab S6を発表した。これはiPad Proに対抗するサムスンのタブレットのフラグシップだが、発表方法が比較的地味だったのは、来るべきイベントに対する配慮だったかもしれない。またApple(アップル)とGoogle(サムスン)はハイエンドタブレットをすでに発表しており、タイミングが少しばかり遅かったきらいはある。いずれにせよGalaxyイベンドでは多数の製品が発表されそうだという期待は大きくなった。

Galaxy Note 10

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サムスンが「ひとつのデバイス」より好きなものがあるとすれば「たくさんのデバイス」だ。 Galaxy Sにたくさんのモデルを投入したなに続いて、さらに2、3のデバイスが発表される予定だ。

Galaxy Noteについては、Plus、Proが追加されることは確実だ。現行のGalaxy Noteのスクリーンのサイズが小さ過ぎると考えて買い控えている人間がどのくらいいたかはともかく、新モデルは現在の6.3インチよりわずかに大きい6.8インチディスプレイをサポートする(どちらもAMOLED)。このサイズは普通に考えればタブレットだが、サムスンはボディーに対するスクリーンのサイズを拡大することで注力しているのでマンホールの葢のような大きく重いデバイスにはなっていないかもしれない。

こちらは大型Noteほど確実ではないが、 5Gモデルが発表されるかどうかが注目されている。戦略的観点からいえば、ここで5Gを出すことには意味がある。サムスンは先月発表したS10では全モデルを5Gにした。キャリヤの対応は遅れぎみとはいえ、デバイスの5G化のトレンドの先端を走っていることにサムスンは大きなプライドを持っているはずだ。

噂ではメインカメラは3基となるという。うち1基は1600万画素の超広角レンズとなり、Pro/Plusモデルには奥行きを検知できる反射時間測定センサーが装備される。プロセッサーはSnapdragon 855 PlusというQualcomm(クアルコム)のトップエンド製品になる。このチップは数週間前に発表されたばかりでNoteは初めての商用プロダクトの一つだ。

バッテリーも強化され、3600mAhまたは4300mAhが搭載される。メモリーは標準が8GB、Plusが12GBとなる。おっと、それからUSB-Cをヘッドフォンジャックに変換するドングルが出るはずだ。

Galaxy Watch Active 2

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ウェアラブル方面ではGalaxy Watchに新モデルが投入されるだろう。Galaxy Watch Activeが発表されてからまだ半年経っていないが、早くも新バージョンが出ると噂されている。サイズは直径40mmと44mm、最新のApple Watchに対抗してECG(心電図)、転倒モニター機能も追加されているはずだ。またタッチセンサーが採用され回転式の物理的ベゼルは廃止されるという情報もある。

その他

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折り畳み式ディスプレイを採用するGalaxy Foldに関してさらに何か情報が出てくることは間違いない。今のところプロダクトの発表は9月ごろという大まかなスケジュールはわかっているが、もうすこしはっきりしたスケジュールの発表を期待している。鳴り物入りで期待を持たせたあげくテスト用に配布された初期製品がトラブルに見舞われ、実機の発表が大きく延期されたいわくつきのプロダクトだ。

同様に行方不明になっているのがGalaxy Homeだ。HomePodのライバルとなるべき製品でほぼ1年前にアナウンスされた。正確にいってどんなプロダクトが用意されているのか、発表はいつか、後続の情報がまったくない。

日本時間では、すべは8月8日明け方に始まるイベントで明らかになる。我々はイベントを現地でカバーする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iPad Proに対抗するハイエンドタブGalaxy Tab S6は8月23日予約開始

今回も噂は事実だった。Samsung(サムスン)のGalaxy Tab S6はハイエンドが狙いのフラグシップタブレットとなる。S4からS6になるという製品名の付け方がやや混乱を招きそうだが(低価格のS5Eというモデルは存在する)、例によって優れたプロダクトで、iPad ProやMicrosoft(マイクロソフト)のSurfaceのライバルとなるはずだ。

実はS6というネーミングにヒントが隠されていた。ハイエンドのモバイルデバイスにはQualcomm Snapdragonが必須だが、その中でもGalaxy Tab S6が搭載する855は強力だ。これは、S5Eの670大きなジャンプになるしS4の835と比べてもさらに強力だ。強力なCPUの採用はGalaxy TabがSurfaceと同様、タブレットとノートの両用狙いであることを意味する。7040mAhのバッテリー15インチのディスプレイを15時間駆動できるという。

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649ドルという価格を考えればスマート・スタイラス、S Penが標準でバンドルされるのはナイスタッチだ。 Androidタブレットとしてはかなりの価格だが、それでもiPad Proのエントリーモデルより数百ドル安い。スタイラスはワイヤレスで充電される。またデバイスの裏側に具合よく吸着するのでうっかり失くす心配をかなり減らしている。もっと重要な点だが、ホルダーに逆向きに挿そうとして壊してしまう危険がなくなった。

iPad Proの側面に比べると磁石の吸着力はかなり弱いが、筐体にはS Penを収めるスロットが用意されている。私はS4のキーボードのフィーリングが気に入らなかったのでキーボードも新しくなったのは歓迎だ。【略】

リアカメラもリニューアルされ、デユアルカメラで一方はワイドレンズになった。ワイドレンズを搭載するもでるタブレットはS6が最初だ。ワイドレンズは123度の画角があり、人間の視野とほぼ同じ範囲を見ることができる。Sサムスンのスマートフォンカメラ同様、ニューラルネットワークを用いてシーンを認識し、最適化するなど画質の改善に努めている。

iPad Proに(それを言うならiPhoneにも)なくてS6だけにある機能としてはスクリーン裏の指紋センサーだ。Galaxy S10(やこの後発表されるGalaxy Note 10)のような超音波センサーではなく光学スキャナーを用いている。Sサムスンの説明では高度な超音波センサーを使わなかった理由はスペースの問題だというのだが、これは少々おかしい。タブレットのほうがスマートフォンよりスペースにはずっと余裕があるはずだ。

Product Image Galaxy Tab S6 4

スペースといえば、10.5インチのSuper AMOLEDディスプレイモデルは厚みが5.7mmとかなり薄い。実際S4より薄く、軽い。またサムスンはモバイル用ドックステーション、DeXを熱心にプロモーションしている。サムスンは Discordと提携して専用のゲームランチャーをバンドルする。これもApple(アップル)のArcadeに予め対抗しようとするものだろう。Discordは来月からサムスンタブレットに登場するという。

Wi-Fiモデルの予約受付は8月23日スタートでメモリー6GB、ストレージ128GBモデルが649ドル。80ドルをプラスすると8GB、256GBが手に入る。最初の予約ではキーボード兼用カバーを注文した場合半額になる。携帯網に接続できるモデルは今年末に投入される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

タブレットがとうとう独自OSにWWDCでiPadOSが登場

iPadは登場から10年を迎え、ハードウェアは大きく強化された。一方、OSをiPhoneと共有していることが制約になり始めていた。米国カリフォルニア州サンノゼで米国時間6月3日に開幕したWWDCで、アップルはiPadに独自のOSを搭載することを発表した。今後iPadアプリはiPadOSに適合したものとなる。

iPadOS

とはいえ、新OSは iOS 12と比較してさほど劇的な変化はしていない。実のところ、アップデートの内容はかなり地味だ。しかしiPadOSという独自名称を与えたことでAppleはiPhoneとOSを共有する制約から離れ、iPadの持つ潜在能力を充分に発揮させる方向に舵を切った。

ここで重要なのはApple(アップル)の戦略転換だ。iPadアプリは今後macOS版よりさらに強力になっていくだろう。Phoneのサイズに縛られて iPadが能力を完全に発揮できないなどというのはナンセンスな事態だった。iPadに独自OSが来たことでで一番わくわくするのはどの部分だろうか。

  • Safariでサイトを訪問するとき、モバイル版ではなくデスクトップ版が開くようになった。これは大きなニュースだ。 
  • ホーム画面にウィジェットを追加できる。ホーム画面の構成もアップデートされ、これまでより多数のアイコンを並べることができる。 
  • ファイルをフォルダーにまとめてiCloudに保存、共有するファイルやアプリもiPadに最適化された。表示にカラムビューが加わり、USB-C接続のフラッシュドライブからデータをコピーすることも簡単になった。.
  • iPadOSでは同一アプリで複数の窓を開ける。これ以外にもiPadの画面のサイズを生かしてマルチタスクを容易にする機能が追加された。 
  • Apple Pencilのレイテンシーが20msから9msにほぼ半減した。AppleはPencilKitというデベロッパー向けAPIを用意。これによりアプリにカスタマイズされたペンシルの機能を開発することが簡単にできるようになった。 

こうしたアップデートはさほど劇的なものではない。iPhoneの狭い世界からiPadが解放されたことはグッドニュースだ。今後に大いに期待できる。

もっともあまり劇的なアップデートが用意されていないこの時期にiPadのOSの名称を変更したのはやや不思議だが、デベロッパーにとっては iOSがiPhone向けとiPad向けに正式に分岐したことは決定的に重要だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Lenovoの新型タブレットはAlexaスマートディスプレイとの二役をこなす

Lenovoは優れたスマートアシスタントが何かを知っている。同社はGoogleと組んで最初のサードパーティー製スマートディスプレイを作った会社で、このたびAlexaタブレットも作った。

同社が発表したデバイスは、Smart Tab M10およびP10の2モデル。いずれも10.1インチタブレットで、Amazon Fire以外でスマートアシスタントを搭載した初めてのタブレットだ。商品にはLenovo製の新しいSmart Dockが同梱され、タブレットを置くと「Showモード」になり、充電中はEcho Showとの二役を務める。このドック/スタンドは3 Wスピーカーを搭載し、内蔵スピーカーがAlexaコマンドに聞き耳を立てる。

Lenovoは同製品を一種のトラベル用Echo Showと位置づけていて、この分野では興味深い試みだ。ドックは小さいとは言えないが、全体構成としては、スマートスピーカーをバッグに押し込むよりも間違いなく運びやすい。

こういう製品にどれほどの需要があるか私には定かでないが、旅先でスマートスピーカー離脱症状を経験するTechCrunchスタッフが少なくとも一人いるので、おそらく存在価値はあるのだろう。

タブレット本体に関して、2つのモデルの主な違いはデザインにある。P10の方がスリムで洗練されたデザインで軽量だ。RAM(4 GB)とストレージ(最大64 GB)容量も大きく、7000 mAhの大型バッテリーを搭載している。価格は300ドルでM10より100ドル高い。

両機種とも今月発売予定。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleのタブレット、Pixel Slate、今週出荷へ――エントリーモデルは600ドル

今年Googleが発表した最後のハードウェアがいよいよ今週出荷の運びだ。Pixel Slateの販売開始はすでに発表されていたが、今日(米国時間11/27)、Googleのブログ記事で11月29日から出荷が開始されることが分かった。

Pixel Slateは先月、Pixel 3やGoogle Home Hubと共に発表されたキーボードが分離できるタイプのタブレットだ。 Chromebookファミリーの製品で去年発表されたPixelbookの上位モデルとなる。われわれの詳しい製品レビューはこちら。「長すぎて読む時間がない」という向きに結論だけ述べるなら「OSもアップグレードされた優秀な製品。ただしプロ・ユースにはさらに若干の改良が必要」というものだ。

特に興味深かったのはOSの改良だ。SlateのOSのスペックは基本的にPixelbookと同様だが、ディスプレイの精細度が高く、キーボードを外付けできる点が大きな違いだ。Pixelbookのディスプレイも背面まで360度開くのでタブレット的な使い方は可能だ。しかし必要なときだけキーボードを接続できるというフォームファクターがPixel 3のセールスポイントだ。

Intel Celeron、4GB RAM、 32GBストレージの本体価格は599ドルだ。最上位モデルはIntel Core i7、16GBRAM、256GBストレージで1599ドルとなる。ケースを兼ねるキーボードは199ドル、ペンは99ドル。最上位モデルにキーボードとペンを追加すると2000ドルとなる計算だ。

〔日本版〕日本のGoogleストアにはまだ情報がない。

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滑川海彦@Facebook Google+

iPad Proレビュー:Appleの新しいタブレットは、成熟の予兆を見せ始めた

iPad Proがラップトップに取って代わるだけの説得力を持つものなのかどうか、ユーザーはすでにかなり長い間注目してきた。

その答えは、Appleを含めて、誰の言うことを信じるかによる。すでにある時点でラップトップを置き換え得るデバイスだと見なされていたのか、アプリの開発者コミュニティしだいでどのような機能をも持ちうる純粋なタブレットなのか、あるいはiPad独自の世界を築いているのか。

しかし、新しいiPad Pro、Smart Keyboard Folio、Apple Pencilの新バージョンの登場によって、ついに明らかになってきたことがある。

いよいよPhotoshopの完全なフル機能版が巨大なファイルも扱えるようになり、デスクトップ版と同じツールやブラシも装備した。それを発売するAdobeのような会社の能力と意欲が、新しいハードウェアと組み合わさったことで、iPad Proによって可能なことの領域には、新たな扉が開かれた。あとは、その機会に乗ずる準備がAppleにできているかどうかだ。

Pencil

ダブルタップのジェスチャーは自然に使えるかって? もちろん。私はシリアルポートで接続するタイプの第一世代のワコムの製品から、電子式のドローイングタブレットを使ってきた。それらの多くは、伝統的に、いわゆる「アクションボタン」を装備している。クリックすることで描画モードを切り替えて消しゴムにしたり、パレットを表示するものだ。それによって、作業中にタブレットから離れることを極力減らすことができる。

Apple Pencilの新しいダブルタップ操作が目指すのも、まさにそれだ。内部にある部品の多くは、第1世代のPencilとほとんど変わらない。ただし、新たに静電容量を検知するバンドが内蔵され、ペン先側の1/3ほどの領域をカバーしている。このバンドがダブルタップを可能にしている。感度もちょうどいい。有機的な感覚で、スムーズに操作できる。ダブルタップの間隔なども、Pencilのコントロールパネルで調整可能だ。

コントロールパネルを使えば、消しゴムではなくパレットを出すように設定したり、画面をPencilでタップすることで「メモ」アプリを直ちに開く機能をオフにしたりもできる。その設定では、写真と同じように現在のメモに留まることになる。そのうちに、タップしてスリープ解除する機能も変更できるようになれば嬉しいが、もちろんまずはそれで起動しなければ始まらない。

誤ってダブルタップしてしまったことは1度もなかった。それがデフォルトの設定だが、作業モードを抜けることなく消しゴムに切り替えられるのは、本当に使いやすいと感じられた。

ただし、Appleは開発者に、ダブルタップに異なった機能を与えることについて、かなりの自由を許している。たとえばProcreateは、私のお気に入りのドローイングアプリの1つだが、1つのツールやモードから別のツール、モードに直接切り替えるラジアルメニューなど、多くのオプションを用意している。Appleのガイドラインは、ダブルタップの使い方には慎重になるよう開発者に指示している。しかし同時に、ダブルタップがユーザーにとって意味のある実装となるにはどうすればよいのか考えるように促してもいる。

新しいApple Pencilは、トラッキングの正確さや応答については進化していない。基本的には、以前のiPad Pro用に開発された最初のPencilと同じトラッキング機構を採用している。しかし残念ながら、新旧のPencilには互換性がない。新しいPencilは古いiPad Proでは動作せず、古いPencilは新しいiPad Proでは動作しない。それは、ペアリングと充電のしくみがまったく異なるからだ。

第1世代のものとは異なり、新しいPencilは非接触でペアリングと充電ができる。これは大きな進歩だ。すぐになくしてしまいそうな小さなキャップは、もはや存在しない。直腸用体温計のように、iPadのお尻に差し込んで充電する必要もないし、充電と同時にペアリングもされる。

iPad Proを横向きにしたとき、上部の側面には中の見えない小さな窓が付けられた。その窓の内側に、Pencilを充電するためのコイルがあるのだ。またPencilの中にも、それに対応するコイルがあり、2列のフェライト磁石に囲まれている。これらの磁石は、iPadのシャーシ内にあるハルバッハ配列の磁石と対向している。こうして整形された磁場によって、ちょっとしたギミックが実現されている。ちょうど充電用のコイルが完璧に向き合う位置に、Pencilが自動的にスナップされるのだ。これによって、位置合わせのことなど何も考えなくても、Pencilを所定の位置に素早くくっつけることができる。

この磁力による接続はかなり強力で、Pencil部分だけをつかんで、iPad Proを持ち上げることができそうなほどだ。それでも、外そうと思えば簡単に外れる。横方向にずらしたり、前方に引くようにすればいい。

充電レベルを示す、見やすいオンスクリーン表示も用意された。

最初にApple Pencilが発売されたとき、私は父親に使わせてみた。父は創作活動の一環として、私が知る誰よりも多くのスケッチを描く素晴らしいアーティストだ。父はトラッキング性能と、デジタルツールへのアクセスの良さは気に入ったものの、ツルツルの表面がマット仕上げに比べて使いにくいことと、指を置くための平らな面がない点を指摘した。

新しいPencilは、マット仕上げになり、平らな面も新設された。そう、この平らな面によって、Pencilが転がってしまうことを防ぎ、充電のためにiPadの側面にくっつけることもできる。しかし、それによってドローイング用道具の一方のエッジを、効き指の方向に固定できることは、アーチストではない人からは完全に過小評価される効果だろう。これはスケッチ作業でのコントロールにとって非常に重要なのだ。一般的に鉛筆はたいてい丸いが、ほとんどの場合、オーバーハンドグリップ(訳注:掌を被せるような握り方)で握るように考えられている。ちょうど、シェードを付けるために使うポインティングデバイスのように。標準的なトライポッドグリップ(訳注:3本の指で支えるような握り方)は、少なくとも1つの平らな面を持つPencilに適している。

トライポッドグリップでは、動きの範囲は限られるものの、より正確に操作できる。一方、オーバーハンドグリップは、より機能的で汎用性があるものの、正確な動きは難しい。新しいPencilが、この広く利用されている2種類の握り方のどちらにもうまく対応できることは、アーティストにとってありがたい。

グリップなどどちらでもよい些細なことと思われるかもしれないが、私としては、そして私の指にできたタコは、ここは重要なところだと主張したい。スケッチにとってグリップはすべてなのだ。

このPencilは、Appleがこれ発売した第2世代の製品の中で、最も印象的なものの1つだ。ユーザーが第1世代のデバイスで抱えていた問題をすべて解消した。それによってドローイングでも、ノート取り、スケッチでも、iPad Proの使い勝手を大幅に向上させることに成功した。唯一の欠点は、これが別売りだということくらいだ。

新しいPencilを使ったドローイングやスケッチは、とても楽しい。Wacom Cintiqのような専用デバイスさえも吹き飛ぶような、際立った感覚で使える。Surface Proのスタイラスなど足下にも及ばない。

さらに、新しいPencilのダブルタップについても、すでに興味深いことが起こりつつある。たとえばProcreateでは、異なるツールごとに、あるいは必要に応じて、さまざまなダブルタップの操作を選択できる。状況に応じて柔軟に対応できるのだ。ユーザーが何をしているか、というコンテキストにリンクさせることもできるし、ユーザーあるいは開発者による設定によっては、リンクさせないことも可能だ。

あるときは、ラジアルメニューをポップアップしてレイヤー全体を操作したり、またあるときは描画ツールと消しゴムを入れ替えたりできる。それでもまったく戸惑うことなく操作できるのは、そのとき使っているツールに応じた機能が発揮されるからだ。

特にポートレートモードで使ってみると、ラップトップやハイブリッドでは、なぜ指で直接画面に触れるのが良くないか、すぐに分かる。このPencilは、太い不器用な指で画面上の小さなボタンをタップしようとするのとはまったく違った、精密でデリケートなタッチが要求される場面に応えることができる。リーチの問題もあるだろう。Pencilなら、キーボードから2、30センチ離れた場所に届かせるのにも苦労はいらない。

このPencilは、単なるドローイング用のアクセサリから、iPadユーザーにとって不可欠なポインティングデバイス兼操作ツールになるための階段を着実に登りつつある。まだ完全にそこに達してはいないとしても、Procreate用の非常にフレキシブルなオプションとして、大きな潜在能力を備えていることは確かだ。

Apple Pencil、さらにはiPadに対しては、非常に多くの議論が進行している。このPencilとAirPodは、他のどんなメーカーと比べても、ハードウェアとソフトウェア、両方の製品を抱え、それに責任を持つ意思と能力を持つAppleも、もはや魔法のような体験をユーザーに提供することはできないのではないか、という議論に対する十分な反証をぶつけた。

スピーカーとマイク

iPad Proは、今では5つのマイクを備えている。とはいえ、録音はステレオでしかできない。2つのマイクの組み合わせて録音し、必要に応じてダイナミックにノイズキャンセリング機能も働く。

スピーカーは強力で、これだけ薄いデバイスにしては、かなり良好なステレオサウンドを生み出す。このスピーカーは、FaceTime通話では4つが同時に機能するなど、より賢く使われるようになった。以前は、ハウリングが発生するためにできなかったことだ。これも5つのマイクを備えたことによって可能になった。

ポートについて語ろうぜ。そう、USB-Cのことさ

私はUSB-Cの規格は、あまり好きではない。もちろん、従来のUSBに比べて、さらにLightiningポートに比べても、規格としていろいろな利点を持っているのは確かだ。理想的ではないにしても、そこそこいい線はいっている。だから、Appleが、高解像度の外部モニタを使い、iPhoneを充電しながら写真を高速で転送したいというユーザーの声を聞く方が、Lightningに固執することよりも重要だと認めたのは、良い意味で驚きだった。

Lightningについては、コンパクトで、用途が広く、iOSデバイスにぴったりだ、ということがずっと変わらずに宣伝されてきた。今は、iPad Proのサイズに合わせた選択だと説明されているが、それば別にいいだろう。簡単に拡張できないプラットフォームは、Proという名前にはふさわしくないからだ。

今や、AppleのラップトップとiPad Proが、いずれもUSB-Cを備えるようになったのは偶然ではない。これは他のデバイスにも波及するかもしれない。しかし今のところは、ユーザーがそれらのデバイスに何を求めるかということ対するAppleの考えを反映したものだ。外部モニターが、Appleにとってもっとも優先順位の高い課題であったことは、Appleの発表会での話からも、その後に私が直接聞いたことからも確かだ。単なるミラーリングではなく、拡張モードでも使える最大5Kの解像度から、大いに恩恵を受けるプロユーザーが少なからずいることが分かっていた。

さらに言えば、現時点でも直接USB-Cポートに接続できる楽器やミュージシャン用の周辺機器は山ほどある。公式ではないものの、外部電源を必要とするアクセサリに対して、動作するのに十分な電力を供給できる可能性もある。

このUSB-Cポートは、充電のために接続されたデバイスに対して、最大7.5Wの電力を供給できる。またマイクやその他のアクセサリも接続可能だ。とはいえ、これまで外部電源を必要としていたデバイスが、そのポートから十分な電力を得られるかどうかは保証の限りではない。

ちなみに、MacBook用のドングル類は、ほとんどiPad Proでも使えるだろう。何か新たな組み合わせを思い付けば、そこに新たな用途が生まれるだろう。

このポートは、USB 3.1 Gen2規格に準拠していて、最大で10Gbpsのデータ転送が可能だ。実際には、ほとんどの人にとって、これはカメラやSDカードリーダーからの写真転送がより速くなることを意味している。しかしiPad Proの「ファイル」アプリは、マスストレージや、外付けハードドライブを直接サポートしていない。ファイルに直接アクセスできる機能を備えた一般のアプリは、引き続きハードディスクから読み込むことができ、その転送速度はより速くなるというわけだ。

これも別売りで、USB-C用のヘッドフォンアダプターも用意されている。興味があるかどうか分からないが、それはMacでも使える。ところで、ヘッドフォンジャックをなくした理由として私が受けた説明では、画面の端からベゼルの幅には収まらないから、というものだった。さらに他の部品を納めるためのスペースも必要になるというのだ。

新しいiPad Proには、新しい電源アダプターも付属している。もちろん、iPad Proにとっては初となるUSB-Cタイプだ。

A12Xとパフォーマンス

1TBのストレージを装備した大きい方のiPad Proは、そしておそらく同様に1TBの小さい方のモデルも、6GBのRAMを実装している。ただし私の知る限り、1TBに満たないストレージのモデルのRAMは、それより少なく、合計4GB程度となっている。それがどの程度パフォーマンスに影響するかは、そうしたモデルを使う機会がなかったので分からない。

とはいえ、このiPad ProのA12Xの全体的なパフォーマンスはトップレベルだ。複数のアプリを画面分割して動かしたり、Slide Overするのも、まったく問題なく、アプリ間の切り替えも非常にスムーズだ。Procreateで、大量のファイルを開いてドローイングしたりスケッチしたりするのも超簡単だ。ARアプリでも、バタつくことはまったくなく、滑らかに動かせた。一般的なiPadアプリ、重いクリエイティブ系のツールでも同様だった。Lightroomで大きな写真を編集したり、iMovieで長大なビデオファイルを編集するユーザーも、かなり満足するはずだ。

このiPadのGeekbenchのベンチマークは、予想通り、常軌を逸している。

これを見れば分かるように、デスクトップクラスの性能を持つARMプロセッサーがiPad Proに搭載されるのを待つ時代は終わった。それはすでに実現されたのだ。しかも、他のAppleの設計によるチップと、システム全体で密接に統合されており、Appleの目標を達成することができた。

ARMへの切り替えに関しては言えば、基本的に2つの有力な考え方がある。1つは、まずARM版のMacBookのモデルを1つ(たぶん文字通りのMacBook)を出すことでゆっくりと始め、そこから他のモデルにも徐々に広げていくというもの。私は、ずっとこの考えを支持してきた。しかし、このiPad Proを使ってみて、数々のプロ用アプリの瞬発的な、そして持続的なパフォーマンスを目の当たりにした後では、その考えにも疑いが生じた。

すでに結果は出ている。Appleがそうしたいと思いさえすればいつでも、そのすべての製品ラインでARMプロセッサーを採用できることを、このiPad Proのパフォーマンスが明確にしたのだ。

Intelのサプライチェーンや優先順位の気まぐれのせいで、Appleの新製品が登場するのをただただ待ち続ける、ということもよくある。Apple自身も、それにはうんざりしているのだ。Appleの内部から、そうしたグチが漏れてくるのを、私は何年も前から耳にしている。それでも彼らはIntelとパートナーとしての関係を維持してきた。それも、Appleが飛躍を遂げるまでの話だ。

ここまで来れば、あとは時間の問題であり、その時間は短いだろう。

カメラとFace ID

iPad Proのカメラは、まったく新しくなった。新しいセンサーと、新たな5枚構成のレンズを使ったものだ。この新しいカメラは、ゼロから設計し直す必要があった。というのも、iPad Proは薄すぎて、iPhone XRやXS、あるいは従来のiPadのカメラを流用できなかったからだ。

この新しいカメラの画質は素晴らしい。高速なセンサーと、A12Xチップのニューラルエンジンによって実現されたスマートHDRも搭載している。Appleのカメラチームが、単にセンサーを小さくしたり、厚みが足りなくても動作するような古い設計に戻るのではなく、それなりのカメラ体験が実現できるよう、仕事を増やす決意をしたのは興味深い。

面白いことに、この新しいカメラシステムは、iPhone XRのようなリアカメラによるポートレートモードを提供していない。ポートレートは、フロントのTrueDepthカメラでだけ撮ることができる。

iPadによる写真撮影は、いつも評判が悪い。サッカーの試合やテーマパークで、パパがタブレットを構えることが、ジョークのネタにされてきた。それでも、iPad Proの画面は、ファインダーとしては、おそらくこれまでで最高のものだ。

いつの日か、それがiPhoneに対する優位な特徴として認められる日が来ることを願っている。そうすれば私も気兼ねなくパパとして行動する言い訳ができるから。

もう1つ付け加えれば、iPad ProのフロントのTrueDepthカメラシステムには、薄くなったケースの中で動作するように、ハードウェアとソフトウェア両面のアップデートが施された。それに加えて、ニューラルネットのトレーニングと調整もあり、Face IDは、iPad Proを4方向どの向きで持っても動作するようになっている。どの側面が上を向いていても、とても素早くロックが解除される。その早さは、文句なくiPhone XS世代のFace IDシステムと同等だ。

私の思い込みかもしれないが、Face IDは、わずかながら従来より広い角度で動作するようになった。基本的に、iPhoneを使うときよりも、iPadに向かうときの方が、顔は画面からより離れた位置にある。その上、カメラの光軸から余計にずれた位置にいると感じられるときでも、着実にアンロックしてくれるのだ。これはiPadの美点だろう。どんな作業姿勢でも大丈夫なのだから。

キーボード

Apple Pencilと同様、Smart Keyboard Folioもオプションとなっている。そしてPencilと同じように、これなしでは、iPad Proをフルに活用することはできないと思われる。私は、かなり集中的なプロジェクトで、iPadで一気に1万1000語以上の文章を書いたことも何度かある。そんなとき、気を散らさずに文章を入力できる装置として使用できる能力は、いくら強調してもしたりないほどだと感じている。何者にもじゃまされずに、ただひたすら単語を入力できるというだけでも、良いテキストエディタを入れて使うiPadより優れた電子機器は、そうそうない。

しかし、編集について言えば、混沌とした状況もある。最新のiPad Proが一定の水準に達しているかどうか、よく分からないが、様々な作業が混在するような状況では、かなり有望だろう。Pencilと物理的なキーボードのおかげで、掛け合いのようなフィードバックを必要とする異なる作業の組み合わせや、それらの頻繁な切り替えが要求される仕事をする人にとっても、だいぶやりやすくなってきたと言える。

キーボード自体はよくできている。感触は、従来のiPadのApple純正キーボードとほとんど同じだ。キーを押して戻ってくる感覚は理想的とは言えないまでも、慣れれば及第点が与えられる選択肢となる。

このFolioのデザインは、また別の話だ。これは非常にクールで、安定感も抜群。賢い実装によって唖然とさせるほどの良さを引き出すAppleの意欲のたまものだ。

ケースの中には120個もの磁石が仕込まれていて、Pencilを保持するのと同じハルバッハ配列を形成している。基本的に、磁石は磁力が外側に向くように配置されている。こうした配列によって、ケースは何の苦もなくiPadにくっつき、しかもキーボードに対する電源の供給と通信に必要な細かな位置合わせも自動的に片付けられる。

iPadを立てて使う場合の、2通りのポジションを可能にする溝にも磁石が仕込まれている。それがiPad Pro本体内部の磁石と結合するのだ。

この効果によって、Smart Keyboard Folioは、以前の世代のものよりもはるかに安定した。実際に膝の上に乗せて使えるようになったのは、正直嬉しいところだ。ラップトップ機と同じくらい安定しているとまでは言えないものの、電車や飛行機でも、無理なくぽんと膝の上に乗せて作業することが可能だ。これは、へなへなした前世代のものでは、まったく不可能だったことだ。

このFolioに対する強い希望は、ドローイング作業に適した角度でも使えるようにして欲しいということだ。それがこのデバイスが特に目指したところでないことは理解しているつもりだが、Pencilによって非常にうまく使えることが分かっているだけに、iPadを15〜20度の角度で固定できる仕組みがないことは、大きな欠点のようにすら感じられるのだ。それができれば、スケッチでもドローイング作業でも、ずっと使いやすくなる。Folioの裏側の端から1/3あたりの位置に新たな溝と磁石を追加すれば、これも可能になると思われる。近い将来実現して欲しいと願っているものの、そのようなアーティストやイラストレーター向けのケースを、間違いなくサードパーティが割とすぐに発売するだろう。

デザイン

iPad Pro本体の角の丸みと、対応する画面の角の丸みについては、すでに色々言われてきたが、実際のところこのデバイスは形状に関してかなりアグレッシブだと感じられる。エッジは角が取れたようにはなっておらず、すべて真っ直ぐに交わっていて、引き締まったアールの付いたコーナーとマッチしている。

背面のカメラの出っ張りは、背面を下にして台の上に置いて動かそうとしても、ガタガタしない。それが心配だった人のために言えば、一種の三脚効果によって、何か書こうとしても問題ない。

全体としての見栄えは、よりビジネスっぽくなり、いわゆるApple流のカーブによる親しみやすさは陰を潜めている。でも私は気に入っている。徹底して直線的なエッジによって、すべてのエッジの近辺の何ミリかの利用できないスペースに譲歩することなく、Appleも内部のスペースをより効率的に使えるようになった。これまでの曲線で構成されたiPadでは、周囲の無駄な空間を合わせれば、それなりの体積になるだろう。iPad Proの顎と額を切り捨てたことで、デザインのバランスを整え、持ちやすくもなっている。

MicrosoftのSurface Proのデザインと新しいiPad Proのブロック状のデザインを比べたくなるのは、無理もないことだと思われる。しかしiPadは、ライバルとなるほとんどのタブレットよりもずっと洗練された印象を与える。それは、コーナーのアールの組み合わせ、最高レベルのアルミニウム仕上げ、そしてSmart Keyboard Folioなどのアクセサリを取り付ける際にも、非常に賢く磁石を利用することで、ホックやラッチを無用にしていることなどのディテールに現れている。

新しいiPad Proの大きい方か、小さい方かで迷っているとしても、私にはその片側についてのアドバイスしかできない。というのも、まだこれまでに新しい12.9インチモデルしかテストできていないからだ。それは、以前の大きい方のiPadよりも確実にバランスが良いものに感じられるし、この画面サイズにしては、これまでで最も小さなものに仕上がっている。それによって両者の本体サイズがこれまでにないほど近いものになり、どちらを選ぶかの決断を難しくしている。先日のイベントで、小さい方のProを実際に触ってみた印象は良かった。しかし、それといっしょにどうやって暮らしていこうかというイメージはわかなかった。こちらも感触はかなりよく、クジラのように大きく、連れて歩くのがためらわれた以前の大きい方のiPad Proでは決してかなわないほどポータブルであることには違いない。そして13インチのMacBook Proよりも小さく、ずっと薄いのだ。

画面

iPhone XRのピクセルマスキング技術は、このiPad Proにも採用され、丸い角を実現している。このLCD画面には、「タップしてスリープ解除」の機能も組み込まれている。これはPencilで絶大な効果を発揮するが、指で画面に触れて生き返らせることも可能だ。ProMotionと呼ばれるAppleの120Hzリフレッシュ技術(訳注:表示内容やユーザーの操作に応じてリフレッシュレートを自動調整する機能)は、最高の効果を発揮し、高速化されたプロセッサーと相まって、可能な限り1:1に近いタッチ体験を常に実現している。

このLCDの色再現性とシャープネスは、ただ優れているという以上のものであり、OLEDに比べても黒レベルが劣るだけだ。それは物理法則によるのでしかたがない。私がiPhone XRで最初に気づいた問題だが、このiPadでもエッジに近い部分がわずかに暗く見える。これはAppleが縁なしのLCDを実現するために採用しているピクセルゲート技術の局所的な減光効果によるものだ。それを別にすれば、これまでに製造された中でもかなり優れたLDCの1つに数えられると私は思う。しかもベゼルの幅は狭く、角が丸いという面白さもあり、さらにノッチもない。気に入らない点が何かあるだろうか?

結論

私の意見としては、純粋なタッチデバイスとして軽い作業のためのiPadを欲しいなら、普通のiPadを手に入れるべきだと思う。iPad Proは優れたタブレットだが、Pencilとキーボードと組み合わせて使うことで、本領を発揮する。長文のテキストを打ち込んだり、画面に直接殴り書きするような作業に対応できることは、iPad本来の能力に対する本当に素晴らしい付加価値となっている。

しかし、iPad Proのパワーと実用性は、Pencilと組み合わせることで、際立った高みに達する。

あらゆるコンピューティングデバイスの中で、キーボードを備えたタブレットの果たすべき役割については、終わりのない議論が繰り返されてきた。それはラップトップの代わりになるのか? それとも崇高な夢を持ったタブレットなのか? やがて「2in1」という呼び方を、誰もしなくなるのか?

iPad自体は、そうした混乱を収めるようなことは、ほとんど何もしてこなかった。というのも、誕生してからこれまでの発展過程で、そうしたさまざまな役割を果たしてきたからだ。実際に新製品として発売される際に装備してきた機能においても、Appleのマーケティング部門によるメッセージや、入念に準備された発表会のプレゼンテーションにおいてもそうだった。

この分野の基本的な動きを要約すると、Microsoftはラップトップをタブレットにしようとしているのに対し、Appleは逆にタブレットをラップトップにしようとしている。そして、その他は訳の分からないことをやっている、ということになるだろう。

Microsoftは、最初にOSの頭部を切り離してタブレットから作り始め、そこから逆戻りする必要があったということを、まだ完全に理解できていないように、私には思われる。現在のMicrosoftは、当時のMicrosoftよりもずっと有能だとは思うが、それはたぶんまたまったく別の議論だろう。

Appleは最初からOS Xの頭部を切り離すことにして、それ以来ずっとゆっくりと別の方向に進んでいる。しかし、タブレットとしてのユーザー体験の満足度では、Surface ProがいまだにiPadの足下にも及ばないものであることは動かない事実だ。

柔軟性には優れるかもしれないが、統一感と信頼感の高い機能性を犠牲にしている。ちょうど、冷蔵庫とトースターをいっしょにしたようなものだ。

そうは言っても、Appleもまだソフトウェアについては十分な仕事をしておらず、このiPad Proのハードウェアが提供している速度と多様性を十分に享受できるようなものになっているとは思えない。アプリの画面を分割して、アプリを切り替えられる固定的なスペースを作ったりできるようになったのは、iPad用OSのけっこうな進化ではあるものの、それはまだ可能性のほんの一部に過ぎないだろう。

そしてハードウェア以上に、AppleのiPadのユーザーこそが過小評価されているのではないかと思われる。すでにiPadが出てから8年、iPhoneからは10年が経過した。世代を問わず、すでに多くの人がこれらのデバイスを唯一のコンピュータとして使っている。私の妻は、iPadとスマホ以外のコンピュータをもう15年も持ったことがないが、特にモバイルファーストの急進的な実践者というわけではない。

Appleは、単一のiOSという足かせから自分自身を解き放つ必要がある。ユーザーベースは未熟なものではないのだから、もはや同じだと感じられるものである必要はない。ユーザーはすでに乳離れしたのだから、まともな食事を与えるべきだ。

私にとってこのPencilは、すべての中で明るい光として際立っている。確かにAppleは、ダブルタップジェスチャーの採用については予想されたとおり遅かった。しかし、Procreateのようなサードパーティのアプリは、長期的にはPencilがタブレット世代のマウスになるための、途方もない機会があることを示している。

この一種のスタイラスは、iPadの誕生から最初の10年近くの間は、決して正しい選択ではなかったし、多くのユーザーにとっては、いまだに必須というわけではないと思われる。しかし、コンテキストによって変化するラジアルメニューや、適切​​なタイミングで適切なオプションが得られるという能力は、確実にこのPencilが新たなインターフェースへの扉を開く鍵となるものであることを意味している。それは、マウスによる確実な処理と、ジェスチャーによる柔軟性のあるタッチ操作を融合したようなものになるだろう。

Surfaceペンを持ちながら、目を白黒させているSurface Proのユーザーがいるはずだ。それはPencilではないのだから、それも当然のことだろう。そしてさらに重要なのは、それはAppleが、Pencilを本物以上の感覚で使えるようにするためにiPadに施した、尋常ではない仕事によって生み出されたものではないからだ。

そして、Appleがここに到達するまでの、時には遠回りで退屈な道のおかげで、ユーザーはキーボードを外してPencilを手放してしまっても、iPad Proの素晴らしいタブレットとしての体験を味わうことができるのだ。

もしAppleが、そのソフトウェアをハードウェアと同じくらいフレキシブルで先進的なものと感じられるよう、さらに良い仕事をすれば、iPad Proには羽が生えるだろう。もしそれができないなら、iPadは行き止まりに突き当たる。しかし私には希望がある。高過ぎるPencilのような形の…

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPad Proからヘッドホンジャックが消えた

iPad Proの最新モデルにはヘッドホンジャックがない。消えてしまった。もう遅い。しかも、iPhoneに付いてくるヘッドホンも使えない。AppleはLightningを捨てUSB-Cを採用した。その代わりにAppleはUSB-C ->3.5mmの変換アダプターを9ドルで売っている

最新のiPad ProモデルはiPhoneの歩んだ道を追いかけている。iPhoneと同じくホームボタンをなくし、ヘッドホンジャックも消えた。一部ユーザーにとっては驚きの譲歩だ。iPhoneの場合、大きなポートのための場所がないことは明らかだが、理論的には、タブレットのような大型デバイスではさほど問題ではない。Apple は似たようなハードウェアのセットを使って異なる製品を作ることで利益を最大化しようとする傾向にある。iPhoneに2016年以来ヘッドホンジャックがないことから、Appleのもう一つのモバイル機器にもそのトレンドがやってくる時期が来たのだろう。

取り残されたのはヘッドホンユーザーだけではない。iPadは長年にわたり安定したオーディオコントローラーだった。これからはタブレットとステレオを直接3.5 mmケーブルでつなぐかわりに、9ドルのドングルが必要になる。ヘッドホンを使いたいって? Appleは明らかに、iPadオーナーが159ドルのAirPodsを使うことを望んでいるが、世間にはUSB-Cヘッドホンが溢れGoogle製品もある

Apple Fall Event 2018

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe、Photoshop CCのiPad版を発表

Adobeが同社の Creative Cloudアプリを近代化して、あらゆるプラットフォームに持ち込もうとしていることは周知の事実だ。本日(米国時間10/15))同社は、ロサンゼルスで行われたMaxカンファレンスで、Photoshop CCのiPad版を正式にアナウンスした。

残念ながら今すぐ試すことはできないが、2019年になったら、あらゆる画像をiPadでレタッチできるようになる。そして、当初はデスクトップ版の全機能を使うことはできないが、今後追加していく予定だとメーカーは言っている。

あらゆるAdobe製品がそうであるように、Photoshop for iPadは他のあらゆるバージョンのPhotoshopと互換があり、PSDに加えた変更はデバイスを横断してすべて同期される。ユーザー体験が一から再構築され、タッチ用にデザイン変更されているのも驚きではない。標準Photoshopの画像編集ツールとレイヤーパネルのほとんどが実装される。もちろん、デジタルスタイラスにも対応している。

iPadバージョンはデスクトップ版Photoshopとコードベースを共有しているため、「機能やパフォーマンスや編集結果に妥協は一切ない」とAdobeは言っている。

しかし現時点でPhotoshop CC iPad版についてわかっていることは、これくらいだ。これ以上は2019年まで待つしかない。もっとも、知っておくべきことはおそらくこれだけだ。Adobeはずっと以前から、ユーザーがどこにいても作業ができるようにしたい、と言ってきた。当初それは、大きなCreative Cloudエコシステムと同期する、機能に特化した数多くの小さなアプリ群のことを意味していたが、今はPhotoshopのような巨大アプリのフルバージョンをモバイルで動かす方向にシフトしているようだ

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのPixel Slate(ハイブリッド・タブレット)ハンズオン

Googleが今日(米国時間10/9)披露したハードウェア新製品の中には。Pixel Slateがある。それは、同社がChrome OSの新たなる進化と呼ぶタブレットで、AppleのiPadやMicrosoftのSurfaceの対抗製品のようでもある。〔slateは、昔の文房具としての石板。〕

プレゼンテーションの後で実際に触(さわ)ってみる機会があったけど、記者たちで混みあった部屋の中ではスピーカーの音がよく聞こえないし、それに、付属品のGoogle Penには新しさは感じられない。でも、主なセールスポイントを試すことはできた、と思う。

最初に気づいたのは、スクリーンだ。Googleは、仕事にも娯楽にも使える、と売り込んでいたし、コンテンツのクリエイターを主な顧客にしたいらしい。12.3インチ、203ppiのスクリーンは、それ用にぴったりかもしれない。YouTubeのビデオも、メールの作成画面も、シャープで鮮やかだ。

薄さと軽さも、強調されていた。公式仕様では1.6ポンド(730グラム)で、確かに軽い。持ち運びしやすいだけでなく、スクリーンの傾斜角度を自由に調節できる。ただし実際の使い心地は、Netflixを数時間見るとかしないと、分からないかもしれない。

オプションでキーボードもある。キーのタッチ感はとても良いが、ぼくが感心したのは、Googleのプレゼンターが強調した静かさだ。本誌TechCrunchの熱心な読者は、同僚の過去の記事を通じて、ぼくの打鍵音が超うるさいことをご存知だろう。だからこのキーボードを、ぜひ試したかった。

本当に、静かだ。ぼくの好みとしては、もうちょっと音があってほしいが、すぐ隣で仕事をしている人はぜひこいつをぼくに使わせたいだろう。しかも、音がなくても、打鍵感はとても良い。音は聞こえないが、かりっとした打鍵感を指はしっかりと感じる。

この記事で使った写真はたまたますべて、キーボードをつけたデスクトップ・モードだが、タブレット・モードへ/からの切り替えはスムーズだ。デスクトップ・モードは、その名のとおり、マウスやキーボード指向のインタフェイスだと思うが(二つのアプリケーションを画面分割で同時に使える)、タブレット・モードはタッチ主体だ(画面上のキーボードももちろん使える)。

二つのモードの切り替えは、オプションのキーボードの取り付け/取り外しだけで自動的に行われる。でも両者の違いがはっきりするのは、キーボードの有無よりもむしろ、マウスやトラックパッドを使う/使わないの差だろう。

そのほか、カメラはフロント(前面)とリア(背面)にあり、Google Assistantがあり、指紋読み取りもある。お値段は599ドルからで、キーボードは199ドル、Penは99ドルだ。

more Google Event 2018 coverage

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これがGoogle Pixel Slateだ

来週のGoogleイベントでは何かのサプライズがあるはずだ。しかし、この様子だとあまりサプライズの可能性には期待できない。香港でPixel 3が事前ハンズオン公開されてから間もなく、新たなライバルが登場しつつある。そして最近のいくつかのリークと共に、Pixel Slateの最新画像MySmartPriceが掲載した。

以前のリークが示唆していたとおり、これはGoogleのすぐれたデザインのPixel Bookのタブレット版のように見える。つまりGoogleはChrome OSハードウェア市場に高級商品を投入しようとしていることになる。

Pixel Bookが回転型キーボードを使ったコンバーチブル端末だったのに対して、Slateは取外し可能なキーボードケースによるハイブリッドだ。ケースはタイプライター風の丸型キーを備え、他の取り外し式キーボードよりも頑丈そうに見える。

さらに、内蔵トラックパッドもあり、Samsungの最新タブレット、Galaxy Tabの先を行っている。フタ部分には折り目が見えるのでノートパソコンモードの時に画面を立てられのだろう。Pixel Book Penの利用も可能と思われる。仕様に関しては殆ど情報はないが、前面および後面のカメラ、前面スピーカー、そしてUSB-Cがついているようだ。

もちろん10月9日の午前にはもっと情報が出てくる。それまでの辛抱だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonのAlexaがSonyのスマートTVとLenovoのタブレットにやって来る

AmazonはAlexaに、できるだけ多くの人と対話させたいし、できれば彼らに何かを見せたい。そのためには、このバーチャルアシスタントをAmazonの画面付きAlexaデバイス、Echo ShowやFire TVのような、Alexaに声だけでなく顔も与えるデバイスから解放してやる必要がある。

そこで同社は木曜日に行われたビッグなハードウェアイベントで、“smart screen” SDKのリリースを発表した。これを使ってデベロッパーは、Amazon以外のハードウェア製品にEcho Showのような機能を持たせられる。スマートTVでも、最新の冷蔵庫でも、なにしろ画面のあるものなら何でも、Alexaデバイスにしてしまえる。

実際にすでにそれをやった企業が、二社ある。Amazonの発表によると、LenovoとSonyが、このSDKを使ってAlexaを自社製品に統合する。Lenovoは“近日発売”のAndroidタブレット、Smart Tabだ。

一方Sonyは、Alexa対応のテレビ、と呼ばれる製品シリーズの全機種にこのSDKを統合する。最初は、音楽と、スマートホームのカメラのみを年内に。Alexaが画面に何かを見せるという機能は、来年前半に実装される。

このイベントを取り上げた本誌記事(英文原文)の一覧が、ここにある。

画像クレジット: TechCrunch/Devin Coldeway

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

8月10日出荷のGalaxy Tab S4を解剖する――Samsungはタブレットとノートの完璧な2役を期待

 

コンバーチブル型タブレットは困難なマーケットだ。スタートしてから数年たつが、ジャンルをまたいで優秀なノートパソコンと優秀なタブレットの二役をこなせるデバイスを開発することにはまだ誰も成功していない。しかしタブレットの普及が一巡し需要が頭打ちになっている現在、これが唯一成長を期待できるセグメントとなっている。SamsungはTab S4で難しい開発に果敢に挑戦した。

成否は別として、Tab S4はコンバーチブル型タブレットというカテゴリーへのもっともアグレッシブなアプローチといっていいだろう。 Samsungではこの製品はタブレットとノートパソコンの両方の役割を十分に果たせる――少なくともある種のユーザーのニーズは完璧に満たすと確信している。製品の価格は650ドルからとなっている。

パソコンモードのOSは既存のDeXをリニューアルしたものだ。以前はスマートフォンのドッキングステーションだったが、S4では新しいプラットフォームの名称となった。このDeXがTabのコンバーチブルの多様な能力のカギだ。S4は単独で使用されるときは通常のAndroidモードだが、キーボードケースを接続すると自動的にDeXモードにスイッチされる。

これは興味深い戦略だ。パソコンモードのOSならWindows 10、Chrome OSその他いくつかの選択肢がある。しかしSamsungはAndroidのドッキングステーションとして出発したDeXに賭けた。

なぜだろうか? 理由(少なくともその一部)は開発の自由度にあったのではないかと思う。たとえばWindows 10はMicrosoftのOSであり、利用者は多くの機能の実装をMicrosoftに頼らねばならない。Androidで作動するGalaxyブランドのスマートフォンのアプリとユーザー体験を一貫させるにも障害となる。しかしDeXベースであれば、SamsungはOSを自分の好きなようにできる。つまりGalaxy NoteのセールスポイントであるS-Penを使ったAir Commandインターフェイスなども自由に実装できる。

私は最近の中国出張でコンピューターとしてはChromebookだけを持っていったので体験から証言できるが、デスクトップに最適化されていないモバイルアプリを使って仕事をするのは大変だ。不可能ではない。しかし非常に煩わしい制限を感じることになる。

たとえばアプリが小さい窓でスタートする。フルスクリーンに切り替えることはできるが、そのつどリスタートさせる必要がある。 この10.5インチの場合、デスクトップモードとモバイルモードの差は、たとえばPixelbookほどではないだろうと思う。しかし解決しなければならない問題はかなり残っているはずだ。その一つは、Google Play StoreはあくまでAndroid向けであってデスクトップ向けではないという点だ。そのためデスクトップで重要な役割を果たしている多くのアプリが利用できない。私はAudacityの代わりを務められるChromebookのオーディオ・エディターを探し回ってえらく時間を使ってしまった。13時間の空の長旅の間にポッドキャストを編集しておこうと思ったのだ(こう言うと「今そういうアプリを開発中だ」というデベロッパーからのメールが800通くらい来そうだが)。

この方面で朗報はSamsungはいくつかの有力なデベロッパーと提携してアプリ・メニューのセクションに“App for Samsung DeX”のセクションを追加したことだ。中でも注目はMicrosoftが加わっている点で、S4でDeX版のOfficeが利用できるようになる。他にもTripadvisorのような人気アプリが登場するはずだ。ただしゲームに関しては、ほとんどの場合、モバイル版で我慢することになるだろう。

Tab S4はSamsungのプロダクトのいいとこどりをした製品だ。 Galaxy TabにDeXベースのOSが付加され、S-Penも使える。このスタイラスは10.5インチのフォームファクター向けに大型化、最適化されている。キーボードケースのサイドにはS-Penを保持するスロットがあるのはナイスタッチだ。Samsung自身の製品も含めてスタイラスが付属する製品にはホルダーがないことが多く、スタイラスを失くしやすかった。こういう製品では使わないときペンをどこに収納しておくべきか私はいつも悩んでしまう。

Air CommandsがAndroidでも使えるようになり、動くGIFイラストをサポートするLive Messagesもやってきた。不思議なことにDeXモードでは使えなくなってしまう。しかしSamsungに尋ねたところ、この問題には気づいており、対策を検討しているということだった。

もうひとつ特徴的なのは、キーボードケースにトラックパッドが欠けている点だ。カーソル移動などの操作は画面タッチとペンで行うのがS4の基本だ。慣れてしまえばこれで問題ないと思うが、当初、頭の切り替えに苦しむかもしれない。われわれはキーボードのホームポジションに指を置くと、習慣で(そこにない)トラックパッドを探してしまう。

キーボード自体は(少なくともタブレット付属版としては)上出来だ。 実のところ、私はSurfaceのような指にもっとかっちりしたフィードバックを感じられるタイプの方が好みだ。S4の場合ソフトなのはよいが、スプリングっぽい感触がいまいちだ。私はメインのノートパソコンをS4に置き換える予定は当面ないが、それは私が大量の文章を書く職業的ライターだからだ。タイプ入力がFacebookへの投稿やメール程度の使い方ならこのキーボードで十分実用になるだろう。

もうひとつ付け加えると、このキーボードケースはしっかりした作りで、膝の上に載せてタイプできる。他のコンバーチブルのように潰れてしまうことがない(Surface Go、しっかりしてくれ)。

バッテリーも7300mAhと十分な容量がある。Samsungでは16時間連続でビデオ再生ができるとしている。Appleが10インチのiPad Proの駆動時間を10時間としていることから考えるとこの数字はいささか楽観的だと思うが、どんな長いフライトでも保つことは確かだ。

その他のスペックも健全なものだ。CPUは8コアのSnapdragon 835、RAMは4GB、ストレージは64か 256GBが選べる。 またmicroSDスロットがあってストレージを拡張できる。また(当然キャリヤ契約が必要だが)LTE接続を内蔵したモデルもある。通常の利用で困るような場面はまずないだろう。

ただし他の機器との接続性は頭の痛い問題だ。S4にはキーボードを接続するPogoドックとUSB-Cポートが一つあるだけだ。ノートパソコンを置き換えようとすると多くの周辺機器の接続に困難を感じることになる。もちろんBluetoothでマウスなどを接続することはできる(実際SamsungはGalaxy Tab向けにそういうマウスを用意している)。

WiFi版とVerizon LTE版のTab S4は8月10日に出荷される。 Sprint、US Cellularなど他のキャリヤのモデルも9月末までに揃うはずだ。価格はキャリヤによって異なることになる。

Galaxy Tab S4はコンバーチブル・タブレットの決定版というわけではない。Samsungはそう望んでいるかもしれないが、ノートパソコンを完全に置き換えることができる製品ではない。しかしコンバーチブルというジャンルに新しいパラダイムを作り出す野心的な試みであることは確かだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Surface Goを発表――399ドルと低価格、出荷は8/6

Surfaceに新製品が投入された。これはビッグニュースだが、Microsoftはかなりわかりやすいヒントを出していた。また、この数ヶ月、何かと噂になっていたし、FCC〔連邦通信委員会〕 からデバイスとしての承認を得たときのスペックもリークしていた。結局こうした噂は基本的な部分で当っていた。

というわけでMicrosoft Surface Goを紹介する。このモデルは 399ドルからとSurfaceシリーズで価格がいちばん安い。Surface Proの799ドルのほぼ半額だ。なにより重要なのはこれで329ドルからの9.7インチiPadの価格帯にほぼ重なったという点だ。これまでSurfaceはiPadとまったく異なった製品クラスに属しており、アクセサリー類もハイスペックで、デザイナーなどクリエーティブなプロを主なターゲットとしてきた。これはiPad Proに近かったかもしれない。

Surface Goはタブレット専用モデルと2イン1のコンバーティブルとの中間に位置するモデルだ。スペックが若干低いのはこの価格帯を実現するためだったのだろう。しかし大多数のユーザーにとってはサイズが最大の関心かもしれない。このモデルに何を望むかによって違ってくるのはもちろんだが、10インチ・ディスプレイは十分なサイズの場合も多いだろう。

デモを取材したとき、Microsoftは小ささを強調するためにハンドバッグから取り出して見せた。日頃持ち歩くハンドバッグのサイズにもよるのですべてのユーザーに当てはまるとは限らない。Goは520グラムでたしかに軽量だ。ただしSurfaceがスマートフォンサイズになることを期待していたのならあまり息を詰めて待たない方がいい。Goは小型軽量ではあるがスマートフォンではない。

利用のターゲットについてはMicrosoftは万人向きと考えているようだ。Windows環境に以前から親しんでいる層には、小型ながら相当に高機能のハードウェアであらゆるアプリが利用可能となるのはメリットだろう。メモリは4GB/8GB、ストレージは128GB/256GBが選べる。ログインには Windows Helloによる顔認識ソフトも使える。

ただし、この点はiPadも同様だが、複雑なオフィス業務や大量にタイプ入力が必要な用途にはSurfaceは向いていないと思う。そういう仕事に適した低価格のWindowsノートはいくらでも市場に出ている。昨年、Microsoftがわずか189ドルでChromebookのライバルを発表したことを覚えているだろうか?

Goのフットプリントは小さく、したがってコンビネーションとなるキーボードも小さい。これは大量の入力には不向きだ。Microsoftのセールス担当者はノートはパソコンとしても使えると力説していたが、理想的とはいえないだろう。一方、飛行機の座席の背もたれから引き出すテーブルにはピタリのサイズだし、バッテリー駆動時間も9時間があるのでたいていのフライトでは充電なしでも使えるはずだ。今のところキーボード兼用ケースは製品にバンドルされていない。これが必要なら99ドルで別売となる。

その他気づいた点をいくつか。Surface独自規格の接続ポートは残されていた。すべてのポートがUSB-CになっていくトレンドにもSurfaceから独自ポートが廃止されるのではないかという観測にも反する結果となった。充電ポートはUSB-CだがSurface Connectはレガシー・デバイスをサポートするために残されたのだという。多くのユーザーにとって新しいSurfaceはすでに二代目、三代目になるはずなのだが。

Surface Goの出荷は8月6日になる。OSは標準でWindows 10 Sを搭載する。つまりMicrosoftは教育市場を重視していることを強く示唆する。それでもこの価格は平均的な公立学校には手が出ないかもしれない。しかし全員にiPadを購入できるような予算がある学校の場合は歓迎すべき価格になるだろう。

10 Sの制限を受けたくない場合は標準のWindowsに切り替えることができる(これは一度だけ可能)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AmazonはFireタブレットのEcho Show化を進めている

ゆっくりと、しかし着実に、AmazonはFireタブレットをEcho化させている。それはまず、ボタンを押してAlexaに話しかける機能から始まった。昨年、同社は音声アシスタントにハンズフリーモードを追加した。そして今度はShowモードを追加した。このモードは、同社のスクリーン対応スマートスピーカーと同じUIを提供する。

さらに良いことは、AmazonがShowモード充電ドックを提供し始めたことだ。これはFireを効果的に暫定版Showに変身させるスタンドだ。タブレットをドックに置くと充電が始まり、自動的にShowモードに切り替わる。このため、部屋のどこからでも普通のEchoに対する操作がすべて可能になる。

ドックは最も新しいFire HD 8と10の両方に対応している(これは私の推測に過ぎないが、おそらく7でも動作するのではないかと思う)。既にいずれかのデバイスを持っている場合には、このモードは7月2日から始まるアップデートで反映される。一度セットアップしてしまえば、それはAmazonのESP(”Echo Spatial Perception”:Echo空間認識)機能を使って、家庭内の他のEchoたちとうまく連動するようになる。

私はAmazonが、よりコンパクトなShowを開発しているのだろうと想像しているが、それが登場するまでは、これはかなり魅力的な代替案だ。そしてCESでGoogleが発表した多数のサードパーティ製デバイスに対してAmazonをちょっぴり優位なものにするだろう。このタブレット+ドックのパッケージは定価230ドルのShowよりも安価なものとなる(とはいえデバイスは現在160ドルまでディスカウントされているが)。

ドック自体は8インチ用が40ドル、10ドル用だと55ドルとなる(どちらも当面は5ドル引きで提供される)。まだタブレットを手に入れていない場合は、それぞれ110ドルと190ドルのバンドルで購入することができる。この組み合せを選択すると、ただShowを買うときよりも、はるかに高い柔軟性を得ることができる。

ではEcho Showの優位性とは何だろう。優れた内蔵マイクとスピーカーだというのが主要な答だ。しかし私の想像では、結局世界中でAmazonの製品がより沢山売れている限り、Amazonはそのデバイスたちが多少共食い状態になっても気にしないのだろう。

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(翻訳:sako)

Googleがタブレットから撤退

Googleがひそかにタブレット事業から手を引き、同社のAndroidページから“tablets”のタイトルが消えた。たぶん、金曜日なら誰も気が付かないし、月曜になれば古いニュースになっている、と踏んだのだろうが、でもAndroid Policeがいち早く気づいた。それは、昨日(米国時間6/1)はあったが今日はない(下図)。

本誌TechCrunchは2016年にライターのRomail Dilletがタブレットの死を宣告した。昨年は1億6000万台あまり売れたから、それはちょっと早すぎたが、いずれにしてもその余命は長くなかった。

とりわけGoogleは、タブレットの分野でAndroidをiOSと互角にするために苦戦した。そして同社の今回の決定は、Chrome OSへの選好を表しているのだろう。それはノートブックという疑問符つきのレガシーを継承しているけど、〔主に教育市場で〕儲かっているのだ。Googleはこれまで、そのOSのAndroid互換性の拡大に努めてきた。Androidタブレットの廃版も、意外ではない。


[‘TABLETS’がない]

タブレットは単純で使いやすいから売れたのであって、スペックに魅力があったからではない。しかしアップグレードする動機がどこにもないから、その後の売れ行きは伸び悩んだ*。ぼくの場合で言うと、第三世代のiPad(初代Retina機)をそのほぼ500年前のリリース以来使っているが、新しいのにアップグレード/アップデートしたい、という気になったことは一度もない。〔*: 下の‘関連記事’が日本語訳〕

(関連記事: 想定範囲内の新製品、遅い買い替えサイクル、値下げ―、タブレット市場で今何が起きているのか

Amazonの安いKindleタブレットはやや売れているが、それは自分のスマホを指紋だらけにされたくないママが子どもに買ってやったり、あるいは飛行機によく乗る人たちが超コンパクトなひまつぶし手段として買ってるからだ。

もちろんGoogleの市場脱退イコール、Androidタブレットの終わり、ではない。SamsungやAmazonなど数社がこれからも作り続けるし、その中にはすごくいいものもあるだろう。でもGoogleという強敵がいなくなると、機能のアップデートやサポートなどに、気合が入らないかもしれない。

タブレットは、スマートフォンのような機能マニアがあまりいないから、新しいGalaxy Tabなどを買って、そこにGoogle Assistantのクールな最新アプリがなくても、タブレットが必要な人なら買う。ゲームをしたり、Pocketの記事を保存したり、エコノミークラスでNetflixを見るためには、それで十分だ。そのための低価格機は、いつでもある。でもGoogleは、そんな市場すら捨てたのだ。

今Googleにコメントを求めているので、何か得られたらこの記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleのiPad教育イベントの前日Googleが学校向けChrome OSタブレットを発表

Chrome OSは、Googleがいろんなものを教育市場に仕掛けるための、理想的な足場になった。安くて簡素なChromebookは、インターネットをフルに利用することによってコンピューターの複雑さや難しさを軽減している。ただしこれまでは、タッチ画面のデバイスという、いまどき大きなピースが欠けていた。

そこで今日(米国時間3/26)Googleは、Chrome OSを載せた初めての教育用タブレットを発表した。その最初の製品が、Acer Chromebook Tab 10だ。これから子どもたちが手にすることになる、と思われるこのタブレットは、サイズが9.7インチの2048×1536で、お値段はAppleのエントリーレベルのiPadと同じ329ドルだ。

Chrome OSデバイスだからChrome教育ライセンスのある学校のITシステムに容易に統合できる。児童生徒たちは気軽に持ち歩きでき、スタイラスや指タッチでノートを書ける。AppleのiPadが填(う)めるべきだったかもしれない間隙を、これが填しまうかもしれない。

発表が行われた今日(米国時間3/26)は、Appleの教育イベントが明日行われる、という日だ。そのイベントでは、児童生徒のためのコンピューティングプラットホームとしてiPadの利点が訴求されるとともに、新製品や新しい機能の発表も行われる、という説もある。

タブレットは簡単に手に持てるので、教育におけるAR体験にも最適だ。世界遺産的な名所旧跡を訪れるVRツールGoogle Expeditionsが近くAR化されるから、児童生徒たちは画面にオーバレイされる解説などを見ながら、Great Barrier ReefやColosseum、International Space Station(国際宇宙ステーション)などを訪問できる。

The Acer Chromebook Tab 10は今春、教育者向けに発売される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleは3月27日の教育イベントでまたまた低価格のiPadを発表か?

Bloombergの記事によると、Apple来週行われるイベントで、iPadのエントリーレベルのバージョンを披露するようだ。同社は、3月27日にシカゴでプレスイベントを開催する。そしてそれについて今分かっているのは、教育市場にフォーカスしたイベント、ということだけだ。

Appleは2017年の3月に安いiPadをローンチしたが、そのとき、なにもプレスカンファレンスはなかった。そのiPadはiPad Air 2に似ていて、9.7インチのレティナディスプレイとA9チップが使われていた。A9はiPhone 6Sで初めて登場したチップだ。しかしそのエントリーレベルのiPadは単純に“iPad”と呼ばれ、32GBバージョンがわずか320ドルだった。

そしてAppleは、去年のそのiPadのアップデートバージョンを導入する気ではないのか。たぶん、True Toneディスプレイと、より高速なコンポーネントなどがあるのだろう。Bloombergの記事ではハードウェアは話の一部で、ほかにiOSの教室向けの新しい機能もあるらしい。

iPadは教室で使うデバイスとして優れていると思えるが、Googleは多くの学校に同社の Chromebookをすでに売り込んでいる。安価で安全でメンテナンスしやすいラップトップだ。その現在のお値段は、Lenovo Chromebookなら教育向けディスカウントの値引き前で179ドルだ。

Appleが今度のエントリーレベルのiPadでマージンを抑える気でも、賢い買い物はこっちだろう。テクノロジー企業は近年ますます、彼らが作ったサービスとデバイスのエコシステムに依存するようになっている。

Chromebookの上でGoogle DocsやGmailなどを何年も使った児童生徒は、AndroidスマートフォンとGoogleのサービスを好きになるだろう。そしてiPadを毎日使う生徒は将来、Appleの忠実な顧客になるだろう。

AppleはMacBook Airのアップデートバージョンを買いやすいお値段で出す、という噂もある。しかしBloombergは、その新しいラップトップは来週のイベントに間に合わない、と見ている。

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GoogleのタブレットPixel Cが引退してその座を最新のPixelbookに譲る

今朝(米国時間12/28)のAndroid Policeによると、Googleは同社のオンラインストアにおけるPixel Cの販売を停止した。同社の好評だったタブレットの、とくに発表もない、しかし予想できなくもなかったご最後により、Googleの今後の最新製品に場所を譲った形だ。

Googleが本誌TechCrunchに確認したところによると、販売の停止はそのデバイスの製品寿命の終わりでもある。ただし、ハードウェアのサポートは今後もずっと続けるそうだ。

同社がくれた声明はこう言っている: “ハードウェア製品がわずか数年で廃番になることは、よくあることであり、今回弊社はPixel Cを引退させ、その販売を停止する。ただし、同製品のアップデートとサポートは継続し、最近のAndroid 8.0へのアップデートも行うので、顧客はご自分のデバイスを今後も引き続き、最良の状態に維持できる”。

そして当然ながらこの声明は、重要な画竜点睛、すなわちChromebook高級機への言及を忘れていない: “弊社がこのたび新たにローンチしたGoogle Pixelbookは、ラップトップとタブレットの長所を併合して、多機能なデバイスを求める需要に応えている”。

本誌のFrederic Lardinoisは2015年にこのタブレットを高く評価しながらも、“その市場は小さいだろう”と述べている。Googleブランドのデバイスは、どれもそうみたいで、いわば同社はマーケットシェアの小さなかけらをめぐって、自分自身と競合しているのだ。

CからPixelbookへのシフトは、近年の業界の大きなトレンドである、単機から多様機(コンバーチブル)への移行にも沿っている。Pixelbookは単機のタブレットほどスリムではないから、ユーザーは何かを我慢しなければならないかもしれないが、でもタブレットの代替機として十分使い物になるし、コンピューターとしての機能は豊富だ。

ただしお値段は、Pixel Cの599ドル(+キーボード)に対しPixelbookの最低価格は999ドルだ。未来の、より多機能になったタブレットは、お値段もそれ相応なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa