AirPodsを収納できるiPhone用バッテリーケース「Power1」

PodCaseは時代を先取りしていたのかもしれない。iPhoneとAirPodsのためのワンストップポータブル充電ソリューションで、熱心なApple(アップル)ファンにとって確かに理に適っていた。血統書つきの製品でもあった。その血統には、Pebble(ペブル)の共同創業者であり、後にYCのパートナーとなるEric Migicovsky(エリック・ミギコフスキー)氏も含まれる。結局、このプロジェクトは、Kickstarter(キックスターター)での30万ドル(約3450万円)という高額な目標には届かなかった。

一方、ブルックリンを拠点とするPower1は、もっと地に足が着いた資金調達目標にとどめた。同社はKickstarterの目標額として2万ドル(約230万円)を掲げ、4万8342ドル(約556万円)を獲得した。すでに生産を開始しており、現在99ドル(約1万1500円)で予約受付中だ。

筆者は、CES会場でデビューする数週間ほど前から、いじり回している。このモデルは、まだ製品化されたわけではない。同社の創業者が筆者に語ったように「まだ継続中」だ。つまり、最終的な素材はまだ決まっていない。だがそれでも、現段階のモノを目にすれば、どんなものになるのか、かなり見えてくると思う。

ゴム製のケースまたはバンパーと、MagSafeを使ってパチンとくっつく追加の充電パーツに分かれている。このモジュール性はいい感じだ。筆者は主にバッテリーを取り外して使っている。以前のようにアパートから出ることが少なくなったからだ。

バッテリーは白と黒の2色で、輪郭のデザインは、Mophie(モフィー)のような会社が作っているバッテリーケースに似ている。バッテリーはデバイスの背面のほとんどを独占しているが、カメラモジュールのためのカットアウトがある。その右側にはAirPodsのケースがあり、フリップアップ式の透明な蓋が付いている。バッテリーはUSB-Cで充電され、底面には小さなオンオフスイッチがある。

サイズの都合上、万能なケースを作ることは不可能だ。そこで、発売当初はiPhone 12、12 Pro、13に限定され、AirPodsは最新モデルのみに対応、Proは対象外となっている。Power1がヒットすれば、製造元のAXSは販売方法を拡大するのではないかと推測される。本当に「その時がきた」アイデアなのか、すぐにわかるだろう。

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

2022年、Amazon Fire TVがもっと多くのクルマに搭載される

Amazon(アマゾン)のストリーミングプラットフォーム「Fire TV」が、今後より多くの自動車に搭載されることになることが、米国時間1月5日にCESで発表された。2021年第4四半期、Stellantis(ステランティス)は自動車メーカーとして初めて、新型WagoneerとGrand Wagoneerに車内エンターテインメント用のFire TVを統合し、現在、Jeep Grand CherokeeとChrysler Pacificaにもエンターテインメント体験を提供している。さらに、Fire TVはFord ExplorerとLincoln Navigatorの2022年モデルにも内蔵される予定だとAmazonは述べている。

自動車メーカーは、クルマのオーディオシステムや快適な操作系と統合するなどしてFire TVの使用体験をカスタマイズし、その車のために設計された独自の機能を提供することができる。

自動車向けFire TVは、Alexaのハンズフリー機能を活用する。同乗者、あるいは後部座席の子どもたちのために番組を流したい親は、音声コマンドを通して簡単にコンテンツを再生することができる。また、親は前席でコンテンツを選択して、後席の乗客向けに再生することもできる。さらに、後席に複数のスクリーンがある場合は、そのコンテンツを同時にミラーリングすることも可能だ。しかし、もし子どもたちが見たい番組で合意できない場合、Fire TVを使えば、後席の人たちがそれぞれのディスプレイで個別のコンテンツを見ることもできる。視聴者は、必要に応じて、Bluetoothまたは有線のヘッドフォンを使って、あるいは車のスピーカーから番組や映画を聴くことが可能だ。

また、Fire TVのAlexaに「Alexa、フロントドアの様子を見せて」などの音声コマンドを送ることで、Ringのドアベルによる映像を表示させることもできる。

米国では、Fire TVのユーザーは、Prime Videoを含む100万本以上のテレビ番組や映画にアクセスすることができる。また、移動中は携帯電話の電波が不安定になるため、車載用Fire TVはダウンロードに対応し、オフラインでの視聴も可能だ。

また、独自のレコメンデーションを含むパーソナライズされたプロファイルのサポートと、ホーム画面のユーザーエクスペリエンスの更新を展開した家庭用Fire TVの消費者体験に追いつくために、同システムもまもなくアップデートされる。このアップデートにより、Fire TVのユーザーは、自宅で番組を一時停止した後、クルマの中でも中断したところから視聴を再開することができるようになるとAmazonは述べている。

Amazonは以前から、Fire TVをより多くの自動車に搭載することに取り組んできた。2020年には、BMWおよびFiat Chrysler Automobiles(FCA)と提携し、ハンズフリーAlexaと車内でのFire TVストリーミング機能を提供するとともに「Alex、ガソリン代を支払って」のように自動車に特化した新しいAlexa音声コマンドを追加し、1万1500のExxon(エクソン)とMobil(モービル)のガソリンスタンドでガス代が払えるようにした。同年、Rivian(リヴィアン)のEVなどにAlexaとFire TVの両方を搭載する計画を発表している。

本日のCESでFire TVのさらなる計画を詳述したAmazonは、最新のFire TVのマイルストーンも紹介し、2021年第4四半期時点で世界中でFire TVデバイスを1億5000万台以上販売したことを発表した。もちろん、実際にこのプラットフォームを定期的に利用する人は少ない。以前、同社は、2020年12月時点でFire TVの月間アクティブユーザー数が5000万人であると発表していた。Amazonは、2021年のブラックフライデーの週に買い物客が過去最多のFire TVスマートTVを購入し、Fire TV Stickがブラックフライデー自体で最も売れた製品だったと報告しているので、おそらくこの数字はその後、上昇したはずである。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

GE Lightingがサーモスタットや防犯カメラなどの「明るい」アイデアから誕生したスマートホーム製品を多数発表

Savantの子会社であるGE Lighting(GEライティング)は、米国時間1月4日、スマートサーモスタット、温度センサー、セキュリティカメラ、照明の新製品を発表し、スマートホームのラインアップを拡充した。さらに、Cyncアプリと連動したホームスマート化ガジェットを多数開発中であることも発表している。

2020年にGEのライティング部門をSavantに売却されるという電光石火な瞬間を経て、ますます紛らわしい名前となったGE LightingSavant傘下)は、ラスベガスで開催されているCESで、スマートホーム分野で、かつて「C by GE」と呼ばれていた自社ブランド「Cync」で新製品を多数発表し、イノベーションを続けている。このネーミングだけでも、製品 / 会社にいくつ名前が必要なのか、また「シンプルに」というメモが本社の地下にある蒸気管のどこかにいってしまったのではと思う。幸いなことに、製品ラインアップはその命名法よりもわかりやすくなっており、新製品群は世界のPhilips HueとNestのエコシステムに挑むというGE Lightingの決意を強固なものにしている。

GE Lightingのエクスペリエンス担当副社長Paul Williams(ポール・ウィリアムズ)氏は「『最も賢い』スマートホームは、シームレスに連携し、設置や使用が簡単で、究極の利便性、快適性、安全性を実現する信頼できる製品のネットワークで構成されています」と語る。「当社の新製品は、ハブレスで1つのアプリまたは音声ですべてを制御できる新たなホールホーム機能で、消費者がCyncスマートホームを強化する能力を提供します」。

廊下に設置されたCync Smart Thermostat(画像クレジット:GE Lighting)

新製品「Cync Smart Thermostat」は、スマートサーモスタットに期待されるすべての機能を備えているが、さらにいくつかのすばらしい工夫もある。他の主要なサーモスタットと違い、共通のワイヤーなしでインストールすることができ、あらゆるタイプのサーモスタットを備えた古いアパートでも、スマートホーム技術の力を活用するために簡単に使用することができる。このサーモスタット製品は、現在出荷が始まっており、価格は120ドル(約1万3900円)前後になる予定だ。

このサーモスタットは、同社の30ドル(約3500円)の「室温センサー」と組み合わせることで、それぞれの部屋を監視することも可能だ。例えば、寝室の温度が他の部屋より4℃高い場合、強制換気装置を調整することで、その問題を解決することができるかもしれない。そのためにスマートな温度センサーが必要かどうかという議論は別の機会に譲るとして、少なくともその選択肢はある。

Cync smart home camera(有線タイプ)。バッテリータイプや、オプションでソーラーパネルも用意されている(画像クレジット:GE Lighting)

Cyncは少し前に屋外用カメラを発売しましたが、この度、そのラインナップに追加製品としてCync Outdoor Smart Cameraの有線またはバッテリー / ソーラー電源のオプションを発表した。2K/1280Pの高解像度ビデオフィードとナイトビジョン、そして「デジタル旋回ヘッド」(ビデオのクロップを変更するオプション)を搭載し、少なくとも聞いた感じでは、このカメラはかなり堅実な選択のようだ。また、プライバシーとセキュリティを強化するためのオプションも用意されており、クラウドとローカルのSDカードストレージのオプションが利用できる。有線式は100ドル(約1万1600円)、バッテリー式は120ドル(約1万3900円)で、45ドル(約5200円)でソーラーパネルを追加して、監視を継続することができる。

GE LightingのDecorative White Exterior Bulbsは、スマート電球がつまらない見た目である必要はないことを示している(画像クレジット:GE Lighting)

さらぶCESでは、燭台型やグローブ型などさまざまな形状やサイズのスマートなフィラメント型電球や、電球のような形の「汎用電球」など、11種類の新製品が発表されている。白色とフルカラーの2色展開で、明るいアイデアを提案するラインナップだ。もちろん、Wi-Fiを搭載しており、音声コントロール、スケジュール管理、シーン設定など、さまざまな機能をCyncアプリからコントロールすることができる。

Cyncのアプリは、AmazonのAlexa、Google Home、AppleのHome Kitで操作できる。

画像クレジット:GE Lighting

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェアリーデバイセズが首掛け型ウェアラブル機器THINKLETの指向性集音機能をNTTテクノクロスと共同開発

フェアリーデバイセズが首掛け型ウェアラブル機器THINKLETの指向性集音機能をNTTテクノクロスと共同開発

産業用の音声認識技術やエッジAIデバイスの開発提供を行うフェアリーデバイセズは1月5日、首掛け型ウェアラブルデバイス「THINKLET」(シンクレット)のための高度な指向性集音エッジソフトウェアを、NTTテクノクロスと共同で試作開発したことを発表した。同試作ソフトウェアは「LINKLET(インテリジェントマイク版)」として、1月5日より開催のデジタル技術見本市「CES 2022」に参考出展する。

THINKLETは、スマートフォン同等の処理性能とLTE通信機能を備える現場向けのウェアラブルデバイス。音声や内蔵カメラで撮影した画像などの現場データの収集・学習・自動化・支援を可能にする「コネクテッドワーカーソリューション」だ。広角カメラに加え、高性能なマイクを複数搭載するほか、エッジAI処理や5チャンネル・マイクアレイを活用した指向性集音機能で、工場や作業現場などの雑音の大きい場所で、会話や特定方向の音を聞きやすくするという。「THINKLET Cloud」に接続されていることから、現場の声のテキスト化も可能。

またフェアリーデバイセズは、その応用ソーリューションの1つとして、ZoomやMicrosoft Teams(2022年春頃めどにリリース予定)に対応し、1人称視点での遠隔支援・ライブストリーミングをハンズフリーで実現するウェアラブルプロダクトのLINKLETを展開している。フェアリーデバイセズが首掛け型ウェアラブル機器THINKLETの指向性集音機能をNTTテクノクロスと共同開発

これまでフェアリーデバイセズは、多チャンネルマイクを利用したフロントエンド音響信号処理、雑音抑制、発話区間抽出、エコーキャンセル、ボイスウェイクアップなどの技術を複合した音声エッジAIライブラリー「mimi XFE」を提供してきたが、そこにNTTテクノクロスのインテリジェントマイク技術を組み合わせることで、高度で柔軟な指向性集音機能が実現されたという。

THINKLETは、すでにその指向性集音機能が評価されているが、今回の共同開発では雑音抑圧性能が大きく向上した。また、指向性を自由に制御できるようになり、装着者の声、目の前にいる人の声、特定方向の機械音などを選択的に聞くことが可能になった。これらにより、熟練作業者による円滑な遠隔作業支援、現場作業の対話記録、音声対話AIによる作業指示、機器の異常音検知などの性能が向上する。

フェアリーデバイセズが首掛け型ウェアラブル機器THINKLETの指向性集音機能をNTTテクノクロスと共同開発

今後は、革新的な音声フロントエンド処理のための技術開発を共同で進め、THINKLETを導入している現場からデータを集め活用することで、「世界中の現場DXに積極的に貢献」すると、フェアリーデバイセズでは話している。

AMDがZen 4および3D V-Cache搭載Ryzen 7 5800X3D公開、2022年後半発売へ

AMDがZen 4および3D V-Cache搭載Ryzen 7 5800X3D公開、2022年後半発売へ
AMDがオンライン発表会「AMD 2022 Product Premiere」を行い、3D V-Cache技術を搭載するRyzen 7 5800X3Dを発表しました。また今年(2022年)後半には、Zen 4アーキテクチャーを採用するRyzen 7000プロセッサーシリーズを市場投入することも明らかにしています。

まず3D V-Cache技術に関してですが、Ryzen 7 5800Xの搭載する36MB L2 / L3キャッシュが、今年の春以降に出荷されるというRyzen 7 5800X3Dでは合計で約100MBに大容量化。これにより1080p解像度のゲームプレイではRyzen 9 5900Xに対して約15%パフォーマンスを向上します。さらに、またインテルのCore i9-12900Kに対しても5%上回る性能を示すとAMDは主張しました。

AMDがZen 4および3D V-Cache搭載Ryzen 7 5800X3D公開、2022年後半発売へ

AMD

5%の差は、体感的にはほとんど変わりないかもしれません。しかしAMDには、まずはこの技術が実用レベルに仕上がっていることを示し、将来登場する新しい世代のCPUへの期待値を上げる意図もあるかもしれません。

そして、その将来登場するCPU製品に採用されるのが、次世代Zen 4アーキテクチャー。2022年後半とアナウンスされたRyzen 7000番台は5nmプロセスで製造され、DDR5、PCIE5に対応するとのこと。またRyzen 7000以降ではマザーボードへの搭載ソケットがSocket AM5になり、その形状がインテルと同様のLGA方式(LGA1718)に変わります。

発表ではZen 4を採用したチップでマイクロソフトのマルチプレイヤーFPSゲーム「Halo:Infinite」をデモンストレーションし、短時間ながら非常にスムーズなプレイが可能であることをアピールしていました。このデモではCPUの全てのコアが5GHzで動作していると説明していました。

(Source:AMD(YouTube)Engadget日本版より転載)

Chipolo、アップルの「探す」アプリ対応の「カード型紛失物トラッカー」でTileに対抗

AirTag(エアタグ)とTile(タイル)のライバル、Chipolo(チポロ)が発表した新製品は、ユーザーが紛失したものをAppleの「Find My(探す)」アプリで見つけたり、うっかり置き忘れた時に通知を受けることができる。Chipolo CARD Spot(チポロ・カード・スポット)は、同社の既存のスマートカード製品の改良版で、同社のもう1つの紛失物トラッカーであるChipolo ONE Spot(小さな丸形デバイスでAirTagと直接競合する)と同じように、Appleの「探す」ネットワークを利用できるようになった。

新しいスリムなスマートカードは、キャッシュカード並の薄さで、サイズは3.35 x 2.11インチ(8.5 x 5.4 cm)と財布のクレジットカードポケットに入れることができる。

デバイスを追跡するには、まずChipolo CARD Spotを「探す」アプリのサードパーティ製ハードウェアアクセサリー追跡機能を使って、iPhoneまたはiPadとペアリングする。このシステムは、AppleのMFi Program(MFiプログラム)に支えられているもので、デバイスメーカーは、iPhoneなどのAppleデバイスとやり取り可能なアクセサリーを開発するために必要な仕様やリソースの提供を受けることができる。これは、AppleがAirTagで参入する前から忘れ物トラッカー市場をリードしてきたTileとの争点でもあった。

画像クレジット:Chipolo

TileはAppleが権力を乱用して市場を支配しようとしていると主張し、同社のようなデバイスメーカーが独自のモバイルアプリを経由してユーザーに直接アクセスするのをやめさせて、Appleのテクノロジーに統合させようとしていると訴えた。しかもAppleは、AirTagが発売されて顧客基盤ができあがるまでそのテクノロジーの利用を遅らせた(Tileは最近、Life360に227億円で買収された。競合が激化する中でスタンドアロン企業としての将来を見限ったようだ)。

関連記事
Tileがアップルの新しいAirTagを不正競争だと非難
家族向けロケーターサービスのLife360が紛失物探索デバイスTileを227億円で買収

しかしChipoloは違うアプローチをとった。Appleと喧嘩するのではなく、同社はAppleのネットワークを活用し、AirTagに似た同社独自のトラッカーを「探す」対応にした。これによってChipoloの認知度は高まり、Appleの新製品プロモーションのおかげで紛失物トラッカーとその能力を初めて知った人たちにリーチすることができた。

Chipolo CARD Spotの発売によって、同社は「財布を追跡するスマートカード」というAppleにない「探す」対応製品の可能性に賭けている。

しかし、この新しいアクサセリーは、Tileの薄型ウォレットトラッカーであるTile Slim(タイル・スリム)と直接競合する。

画像クレジット:Chipolo

Tileのスマートカードと同じく、Chipoloカードは財布が手元を離れるとアラームを鳴らしたり、Lost Mode(紛失モード)になる。アラームは音は大きく(105dB)、カードは「探す」の200フィート(60m)範囲内で位置を特定できる。

Chipoloの新デバイスは、防水(IPX5)だが、この点ではTile SlimのIP67が上を行っている。Chipoloカードのバッテリー寿命は約2年間。その時点でユーザーには新製品を50%ディスカウントで購入できる通知が送られ、古いデバイスはリサイクルのために送り返すことができる。ちなみにTile Slimは最大3年間のバッテリー寿命を約束している。

Chipoloデバイスは1台35ドル(約4060円)、3台60ドル(約6959円)だが、TileはSlimを値下げして1台29.99ドル(約3480円)、2台で59.99ドル(約6958円)にした。

しかしChipoloの強みは、顧客は「探す」アプリで使えるデバイスを選ぶ可能性が高いということで、Tileは対応していない。

また、消費者がAirTagの安全性について懸念し始めている(デバイスがストーカー行為やカージャックに使われていると記事は伝えている)ことから、ユーザーは「探す」対応製品の方を選ぶかもしれない。Appleの同アプリは、未知のデバイスがユーザーを追いかけていると先を見越して警告してくれるからだ。Tileはまだ、アンチストーカー機能に取りかかっている段階だ。

関連記事:TileがApple AirTagのライバルとなる次期製品Tile Ultraを含む新製品ラインナップを発表

Chipoloの新デバイスは、現在予約受付中で、公式ウェブサイトおよびNomad(ノマド)で申し込める。出荷は2月の予定。

画像クレジット:Chipolo

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

OnePlus 10 Proは強力なバッテリーと最新のSnapdragonを搭載

OnePlusは10 Proの発売にあたり、共同創業者であるCarl Pei(カール・ペイ)氏を見習ったようだ。CESが近日発売されるデバイスについて知りたいことがすべて1つの便利な場所で手に入る時代は終わったようだ。その代わりに、同社は最新のフラッグシップ機に関する情報を少しずつ提供している

中国での発表会で初めて正式なデザインの一部を見ることができた。そして米国時間1月5日、この製品に関するいくつかの重要なスペックが明らかになった。先の記事で述べたように、同社は非公式のCESへの出展を取りやめており、今週はデバイスを確認するための大きな対面イベントは行われない(おそらくそれが最善の策だろう)。これはまた、他の重要な情報を待つ必要があるということでもある。

画像クレジット:OnePlus

いくつかの信頼できそうなリークにより、OnePlus 10 Proが、Qualcommの最新フラッグシッププロセッサSnapdragon 8 Gen 1を搭載する最初のデバイスの1つになることが情報筋からわかった。これは、2021年の888の後継機種として生まれ変わったものだ。OnePlusは(親会社のOppoとともに)最初にリストアップされたパートナーの一団に含まれていたため、その可能性は予想されていた。

画像クレジット:OnePlus

システムはAndroid 12ベースのOxygenOSを搭載し、同社はこれまでベータ版として披露してきたOppoのColorOSと最近組み合わせている。ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートを誇り、背面のトリプルカメラシステムは4800万画素、5000万画素、800万画素のレンズを搭載している。カメラシステムの詳細については、今後のアップデートで明らかになると思われる。5000mAhの大容量バッテリーと80Wの有線 / 50Wのワイヤレス充電を搭載。さらなる詳細は、近日公開予定になっている。

画像クレジット:OnePlus

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

充電器のAnkerがウェブカムを発表、ライトとスピーカー内蔵で価格は約2万6000円

今週たくさん目にすることを期待しているものの1つ、それはワークギアだ。世界的パンデミックの3年目が始まり、この分野に改善の余地が山ほどあることを考えれば、多くのハードウェア会社が何かを準備していると考えざるを得ない。たとえリモートワークショッピング騒動第1ラウンドを逃したとしても。

ウェブカムは、その中でも特に重要なカテゴリーだ。ここしばらくLogitechがこの分野を牛耳ってきた。その理由は、ほとんどの人にとって、スタンドアロンデバイスはほんの付け足しにすぎなかったという事実によるところが少なくない。あらゆる人々がZoomマラソンの時代を生きている今、そこには大きなチャンスがある。

最近私はOpal(オーパル)のポテンシャルについて書いたが、そこには他のプレイヤーが参入する余地が十分にある。今回Anker(アンカー)が掲げている特徴の1つが価格だ。220ドル(約2万6000円)のVideo Bar(ビデオ・バー)は、Opalなどの高級ウェブカムよりかなり安い、ただ2K/30 FPSという限界はあるが。

関連記事:【レビュー】リモートワークの時代、Opalはウェブカメラの未来を垣間見せてくれる

上部には独自のアジャスタブルライティングバーを備えている。本格的リングライトに代わるものではないが、リモート会議で起こりがちな照明の悪さを補ってくれるにちがいない。内蔵のMagicSight(マジックサイト)機能が自動的にライトを調節し、専用アプリがホワイトバランスなどの調整を行う。マイクとスピーカーも内蔵しているのであらゆる場面で使えるパッケージになっている。

発売は米国時間1月25日から。

画像クレジット:Anker

もう1つのAnker新製品は、ありえないほど小さなGaN(窒化ガリウム)充電器シリーズにまた1つ加わった、ありえないほど小さなGaN充電器だ。出力100Wは、大多数のノートパソコンに十分すぎる容量だ。USB-Cポート2基とUSB-Aポート1基を備えている。同時に複数デバイスを充電可能だが、その場合は出力を分け合う。

価格は79ドル(約9200円)で、3月中に発売予定。

画像クレジット:Anker

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマートコンタクトレンズのMojo Visionがアディダスなどのスポーツブランドと提携、狙いはプロアスリート

ここ数年、Mojo VisionはCESで小規模ながらも存在感を示し、拡張現実(AR)コンタクトレンズの可能性を垣間見せてくれていた。年々、そのビジョンが少しずつ近づいてきているように思えるが、まだまだ遠くでもある。今回のCESでは、コロナ禍の影響でこのカリフォルニアの企業に直接話を聞くことはできなかったが、スマートコンタクトレンズの未来がどのようなものになるのかについて、同社はいくつかの洞察を提供してくれた。

2022年の展示会での大きなニュースは、以下のようなスポーツ分野のブランドとの数々のパートナーシップだ。adidas Running、Trailforks(サイクリング / ハイキング)、Wearable X(ヨガ)、Slopes(スキー)、18Birdies(ゴルフ)など。こうしたパートナーシップにもかかわらず、この技術はまだ市場に出回っていない。他の障害に加えて、FDAの承認を受ける必要があるからである。

しかし同社は、プロアスリートの生活の中で、効果的なアイマウントディスプレイが果たす役割の可能性を示している。

Mojoのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターのDavid Hobbs(デビッド・ホブ)氏は、リリースの中でこう述べている。「今日のウェアラブル機器は、アスリートにとって有用になり得ますが、活動の焦点から気をそらしてしまうこともあります。当社は、アスリートのパフォーマンスデータを提供するためのより良い方法があると考えています。既存のフォームファクターにおけるウェアラブルの革新は、限界に達し始めています。Mojoでは、何がまだ足りないのかをよりよく理解し、最も重要なトレーニング中の集中力と流れを妨げることなく、その情報にアクセスできるようにするにはどうすればよいかに興味を持っています」。

つまりMojoは、かさばるウェアラブル端末を持ったり、アスリートに端末を見下ろさせたりすることなく、データを提供できる世界を目指しているのだ。少なくとも今回の提携は、Mojoが視覚障がい者支援などの他の用途に加えて、自社技術の早期市場としてスポーツを狙っていることを明確に示している。

同社はまた、2020年4月の5100万ドル(約59億2000万円)の調達に続き、米国時間1月4日4500万ドル(約52億2000万円)のシリーズB-1を発表した。今回のラウンドには、Amazon Alexa Fund、PTC、Edge Investments、HiJoJo Partnersが参加しており、同社の累計資金調達額は2億500万ドル(約238億円)に達している。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

GAF Energyのソーラー屋根板の設置は専門チーム不要、テスラや他社製品の凌駕を目指す

屋根へのソーラーパネルの設置は、平均的な住宅所有者にとってますます現実的な選択になっているが、専門的なアフターマーケット業務や屋根全体の取り替えという面では悩ましいものだ。屋根素材の世界的大手企業の子会社であるGAF Energyは、同社新製品であるソーラー屋根板は極めてシンプルで、専門的な機器や知識が不要であるため再生可能エネルギーの家庭への導入がとても簡単に行えるという。

ソーラー屋根板という製品は以前からあるが、設置はかなり面倒なものだ。その下に数インチのスペースを空けながらパネルをリベットで屋根に取り付けていくといった単純な作業ではなく、屋根素材とソーラーパネルの配列を兼ねている製品なので、むしろ屋根板全体の取り替え工事になってしまう。

TechCrunchの読者は、Tesla(テスラ)がこの分野に進出していることをご存知だろう。同社の「Solar Roof」という想像力豊かな(皮肉!)名前の製品もソーラー屋根板を使うが、他社製品と同様も、専門チームが必要であり屋根全体の取り替える工事になる。損傷部の交換用に30平方フィート分のパネルが欲しいとしても、Teslaではそれができない。また、他のソーラー屋根板製品でも、地元の屋根葺き屋でも工事はできないだろう。

GAF Energyは、米国時間1月3日のCESで発表した「Timberline Solar」というプロダクトで、そんな状況を変えようとしている。同社によるとそれは、どんな屋根葺き屋でもネイルガン(電動釘打ち機)でも簡単に設置できる。GAF EnergyのMartin DeBono(マーティン・デボノ)社長の説明によるとその屋根板は「ソーラー技術を既存の屋根葺き工程と素材に統合できる唯一の製品であり、従来的な屋根葺き業界が本格的なソーラールーフを作り、クリーンエネルギーの主流的な展開をできるようになる」という。

画像クレジット:GAF Energy

ソーラーパネルを設置しようとしてトラブルを経験した人なら、最初から専門業者に任せればいいじゃないかと思うかもしれない。どちらにしろ高くつくのだから。しかし、それもある意味では正しいが、屋根をソーラーにしようとすると、いろいろなところに費用が発生するため、1ドルでも節約したいのが多くの顧客の気持ちだ。Aurora SolarのCOOであるSam Adeyemo(サム・アデエモ)氏も、2021年同じことを述べていた。しかもそれだけでなく、専門業者は人口の多いところにしかいないため、ソーラーの実用性が高いと思われる農村地区ではコストがより高くなり、利用率も低くなる。

同社によると、同社のソーラー屋根板の設置は通常の屋根板と同じだが、電気接点を上側に露出してアクセスしやすくしている。ただし防水性は普通の屋根と同じく完璧だ。樋を掃除するために屋根の上を歩いてもよい。同社は、国の安全規格である「建材一体型太陽光発電設備(BIPV)ソーラー屋根認証」であるUL 7103を、初めて交付された。

ソーラールーフは高価で複雑なオプションから、誰でも利用できる普通のものへと一歩前進した。もしかしたら、そのうち元が取れるかもしれない。

画像クレジット:GAF Energy

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

太陽電池を搭載し自ら電力を供給し続けるMayhtの小型高音質スピーカー

Powerfoyleはあらゆる光源から電力を取り出す素材を生み出し、Mayhtは新しいタイプのスピーカードライバーを開発した。この2つを組み合わせれば、お気に入りのプレイリストを聴き終わったあとも、ずっと鳴らし続けられるBluetoothスピーカーができあがる。両社は、2021年のCESでそのプロトタイプを公開しました。

MayhtのHeartmotionテクノロジーは、従来のドライバーの代わりに、10倍コンパクトで、もっとフラットな、軽量なスピーカーを実現させる。同社は音質、音域、出力に妥協することなく、このレベルの魔法を実現することを約束している。

「近年、家電製品はよりパワフルでコンパクトになりましたが、スピーカーのコアテクノロジーはこの100年間、ほぼ進化していません。私たちのHeartmotionスピーカー技術は、業界が夢をみながらも実現できなかった革命だと確信しています」という。

従来のスピーカー技術に比べ、はるかに小型・軽量であることに加え、ドライバーは現在市販されている同性能のオーディオ機器より少ない電力で駆動する。このスピーカー技術とExegerの太陽電池素材「Powerfoyle」との組み合わせは、まさに「フレックス」だ。この太陽電池は、屋内外のあらゆる光をエネルギーに変える。この太陽電池材料は、自己充電式の太陽電池製品の製造に使用することができ、その試作品は、この技術がコンシューマー向け製品として世に出る可能性を示す現実的な例の1つとなる。また、CESではBlue Tiger Headsetsが、同じソーラー充電技術を搭載した「Solare」を披露する。

CESでデモを行ったMayhtのスピーカーのラインナップ。右端はエグゼガーの太陽光発電技術「PowerFoyle」を使った「実質無制限」の再生時間を持つポータブルスピーカーのプロトタイプ(画像クレジット:Mayht)

ExegerのCEOであるGiovanni Fili(ジョバンニ・フィリ)氏は「ExegerとMayhtは、音楽の聴き方を変える可能性を秘めたすばらしい製品を共同開発しました。私たちはともに、すばらしいサウンドのスピーカーから無限のリスニング体験を提供し、スピーカー市場に新しい基準を打ち立てようとしています」という。

画像クレジット:Mayht

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Schlageの新型スマートロックはApple Watchで玄関を解錠することが可能

この数年、スマートロックを目にする機会は少なくはなかったが、業界の大手も未来に向けて目覚め始めたようだ。CESでは、大手Schlage(シュレージ)がスマートフォンやApple Watchに触れるだけでドアを開けられる機能を導入した「Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadbolt」を発表した。

この技術は、iOS 15で導入されたAppleの最近のHome Keyの革新的技術に基づいて構築されている。この技術では、Apple Walletに家の鍵を追加することができ、身の回りの鍵と通信することができる。これにより、スマホやApple Watchをタップをするだけで(わざとらしく「オープンセサミ」「オープンシュレージ」と叫ぶのはオプションだと思われるが、同社のプレスリリースには明記されていない)、家の中に入ることができるのだ。

この技術のメリットは、鍵を簡単に配布できることだ。ゲストに一時的に家の鍵を渡すことができるのだ。例えば、カプチーノを買いに出かけなくてはいけなくなった後、あなたのドッグウォーカーが愛犬を連れて帰る必要がある場合や、配管工が予定より早く来て、家に入れないと帰ると脅された場合などだ。

Schlage Encode Plusロックは、Home Key機能を備えたHomeKitに対するAppleの最新の機能強化にいち早く対応したものとなる。エコシステムへの追加は歓迎すべきことだと思う。Schlageには100年にわたる錠前製造の経験があり、スマートホーム技術に関しては、BluetoothとIoTチップセットの助けを借りて製品全体を構築するよりも、もともとすばらしい働きをする製品にスマートさを追加する方が簡単なことが多いのだ。

Allegion(アレジオン)のブランドであるSchlageのゼネラルマネージャーであるDave Ilardi(デイブ・イラルディ)氏は「当社は100年の歴史を通じて、お客様が信頼できる便利で安全なホームアクセスでユーザーエクスペリエンスを革新することに専念してきました。私たちは、コネクテッドホームに革新をもたらしているという歴史と評判を持つ、高く評価されているこの2つのブランドを結びつけるAppleとのコラボレーションに興奮しています」と述べている。Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadboltは、ホームオーナーに、よりシンプルで安全なアクセス方法を提供する。これは、シンプルさと安心感をもたらす目的にかなった体験を創造するという同社のビジョンの新たな一歩にすぎない。

イケているのが、当技術が「省電力」モードでも動作することだ。つまり、スマホやApple Watchの充電が切れそうになっている状態でも、さらに数時間、ドアを開けるために使用することができるということだ。

Schlage Encode Plusロックは、タップして開けるというワザを除けば、機能的にはSchlage Encode Wi-Fi対応ロックとかなり似ており、ドアがロックされているかどうかを確認したり、施錠 / 解錠をスマホから行うことができる。アプリから特定の時間帯にアクセスコードを設定できるので、永続的、一時的、定期的にかかわらず、特定のコードで特定の時間帯に他人へアクセスを与えることができる。また、同デバイスはリアルタイムのアクティビティログを保持しているので、どのコードがいつ、どの鍵を開くために使われたかを確認することもできる。Siri、Googleアシスタント、Alexaにも対応しており、それらからデバイスのコントロールが可能だ。

タップして解錠する機能は、AppleのHome Key機能で、iOSまたはApple Watchのデバイスでしか利用できないので、Androidユーザーは今のところその機能を使わずにやり過ごすことになるが、もちろんGoogleアシスタントやSchlageアプリを使ってデバイスをコントロールすることはできるだろう。

Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadboltは2022年春末に購入可能で、小売価格は299.99ドル(約3万4800円)だ。

画像クレジット:Schlage

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

サムスンの最新格安フラッグシップ「Galaxy S21 FE」は約8.1万円から

CESは一般的に、あまり携帯電話の展示会ではない。それは、今から1〜2カ月先にあるモバイルワールドコングレス(MWC)に備えて目玉となるモバイルニュースを保存する傾向があるSamsung(サムスン)にとっては間違いなく言えることだ。代わりにこのイベントは、どちらかというとテレビ、洗濯機など、大きな製品が対象となる。

しかし、過去数年間、この家電製品の巨人は同社のフラッグシップSシリーズの発売の直前に、格安フラッグシップを発表するための舞台としてこのショーを使用している。長年にわたり、Samsungは、これまで「Lite」をはじめ、さまざまな製品名を考えてきたが「Fan Edition」の略である「FE」に落ち着いた。どうやら2021年の端末が、同社にとって大きな成功だったようだ。「2020年第4四半期の発売以来、Galaxy S20 FEは1年ほどで1000万台を販売し、過去1年間でSamsungの最も売れたGalaxyスマートフォンの1つとなった」と記されている。

画像クレジット:Samsung

結局のところ「Lite」というネーミングは、スペック的に「〜以下」という事実に繋がってしまうという考え方に行き着いたのだろう。つまり、これらのデバイスを一種のファンサービスと位置づけ、高価格帯のデバイスの豪華さの一部を提供しながら、コストを抑えるという名目で出血の一部を鈍化させているのだ。

今回発表されたGalaxy S21 FE 5Gの場合、開始価格は699ドル(約8万1200円)だ。これは、同社が2021年のS20で打ち出した価格帯と同じであり、手頃な価格のフラッグシップ機のトップに躍り出たGoogle(グーグル)のPixel 6よりも100ドル(約1万1600円)高い(ここでフラッグシップと格安の定義の区別が曖昧になってしまったら申し訳ない)。

画像クレジット:Samsung

「我々はGalaxy S20 FEとGalaxy S21のラインナップに信じられないほどの反響を得ました」と、SamsungのTM Roh(TM・ロー)氏はリリースで述べている。「だから我々は、S21 FE 5Gと同じアプローチを適用し、我々の忠誠なGalaxyのファンに最も重要なプレミアム機能を搭載しました。なぜなら、我々は彼らにとって最も重要なニーズを満たしているスマートフォンを提供することに焦点を当てているからです」。

この端末は、120Hzのリフレッシュレートを持つ6.4インチのディスプレイを搭載し、その後継となるSnapdragon 8 Gen 1がXiaomi(シャオミ)などの企業のフラッグシップ機に搭載され始めている中、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon 888プロセッサが搭載されている。1200万画素のメイン、3200万画素の超広角、1200万画素の望遠のトリプルカメラシステムを搭載している。さらに6GBまたは8GBのRAMと、128GBまたは256GBのストレージ、そして4500mAhのしっかりしたバッテリーも搭載されている。もちろん、その名のとおり5G対応だ。

画像クレジット:Samsung

デザインは標準的なS21から多くのヒントを得ているが、高級感があった造りは、より低価格のプラスチック製に変更されている。S21 FEは1月11日から出荷が開始される予定だ。

画像クレジット:Samsung / Getty Images

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

中国で危ぶまれるKindleの将来、Amazon.cnからKindle端末が消える

約9年前に中国でKindle(キンドル)の出荷が始まって以来、電子書籍の巨人は同国で忠実なファンを獲得してきた。だが、デジタルコンテンツに関する規制のため、その道のりは決して平坦ではなかった。最近、同国におけるAmazon(アマゾン)傘下の電子書籍事業が一部縮小される兆しがある。

Alibaba(アリババ)のオンラインショッピングモールTmall内のKindleの公式ストアが10月に閉鎖された。Kindle中国版は、Amazonの中国向けサイトであるAmazon.cnで現在、在庫なしとなっている。JD.com(JDドットコム)の公式ストアは引き続きオープンしているが、ほとんどの端末がやはり在庫切れとなっている。WeChat(ウィーチャット)の公式ストアでは、まだ一部の機種が販売されている。

Amazonの広報担当者はTechCrunchへの声明で、Kindleの一部のモデルは「現在、中国では売り切れ」だが、消費者は「サードパーティのオンラインおよびオフライン小売店」で購入できると述べた。同社は、Alibabaストアが閉鎖された理由や、中国でKindleの在庫がない理由については言及を避けた。

「我々は中国の消費者への奉仕に専念しています」と広報担当者は述べた。「質の高いカスタマーサービスと保証を提供するというAmazonのコミットメントに変わりはありません」。

TechCrunchはAlibabaとJD.comにコメントを求めている。

国有Beijing News(新京報)の子会社であるBK Economyの記者によるソーシャルメディアへの投稿によると、Amazonは11月に中国でKindleのデバイスチームを解散させたと伝えられている。Amazon China(アマゾン・チャイナ)は、解雇の疑いについてコメントを拒否した。

デバイスチームの解雇は、この電子書籍のローカル版ハードウェアの終わりを意味する。iPhone同様、Kindleは中国版の端末を提供している。機能は米国版と同じだが、中国におけるアフターサービスが付いている。ハードウェア部門の閉鎖は、サードパーティーの業者による中国の消費者への販売が、Kindleの海外モデル輸入に制限されることも意味する。

重要だが難しい市場

2017年の時点で、中国はKindleにとって最大の市場であり、2桁の成長を遂げているとAmazon Devices(アマゾン・デバイス)の上級副社長David Limp(デビッド・リンプ)氏は当時述べている。とはいえ、中国の電子書籍市場は、当初から他の地域とは明らかに異なっていた。

「世界の9割の国のベストセラーリストを見ると、電子書籍は、少なくともリストの上位に関しては、従来型書籍の電子化版と同等です。しかし中国では、従来型書籍は、従来型のテレビや映画などの長編映像コンテンツと同様、その大半が国有出版社やコンテンツハウスから出版され、扱えるテーマに制約があるため、あまりおもしろくありません」と、中国の電子書籍業界のベテランは匿名で述べた。

最近の中国におけるKindleの状況やTmallストアの閉鎖を決定するに至った経緯は不明だ。しかし、Kindleが中国市場に存在していた期間と販売されたハードウェアの量を考えれば、当然、AmazonのKindle電子書籍ストアから従来型電子書籍を購入して読んでいる中国のKindle所有者が依然として多数存在しているはずだ。

Kindleの中国版電子書籍ストアはまだ利用できるため、現在、中国でKindleを所有している人は影響を受けない。中国版はグローバル版とは別物で、英語版の書籍はかなり少ない。

Amazonは長年にわたり、中国で衰退しつつあるいくつかの事業を縮小する一方、芽生えつつある事業は強化してきた。2019年には、中国の買い手と売り手をつなぐオンラインマーケットプレイスを閉鎖した。オンラインマーケットプレイスは、Alibabaのような中国の巨人と競合する事業だった。他方、同国での輸出事業に力を入れ、中国の販売業者が世界中の顧客を見つける手助けをしている。

ロイター通信が2021年12月に、Amazonが中国政府から認可された書籍を掲載するポータルを作成したと報じたことで、同社は批判にさらされている。このプロジェクトは、中国における電子書籍のライセンス問題解決に一役買っていた。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

LGのベストセラー有機ELテレビが新年に向けてバージョンアップ

LGはここ数年、有機ELテレビでかなりすごい連勝を続けている。LGの「C1」は、薄型テレビとして不動の地位を築いており、2021年のCESで同社の2022年ラインナップが我々の(仮想の)注意を引いたとしても、ほとんど驚きはないだろう。LGは、そのベストセラーのテレビに比較的小さなアップデートを施し、画面サイズとスマートさを追加したことで、十分満足しているようだ。

有機EL技術は新しいものではなく、SONY(ソニー)は2007年に解像度が低く、価格も破格な有機ELテレビを発表している。近年、その技術は加速度的に向上し、中流家庭の財布にも届くようになった。この有機EL技術は、従来のLED照明付き液晶パネルにあったバックライトを必要としない。大きな光源から小さなカラーピクセルの配列に光を当てるのではなく、有機EL技術では個々のピクセルが小さな発光ダイオードになっている。そのため、画素が消灯しているときはまったく光を発しないため、驚異的なコントラストと色域を実現している。また、バックライトがないため、テレビメーカーはパッケージングを工夫することができ、薄型化することで画面を丸めたり、曲げたりすることが可能になる。

LGのテレビは8年連続でCESイノベーションアワードを受賞しており、テレビの未来に向けた最新のビジョンを披露したLGは、まさに興奮に包まれていた。

G2シリーズとC2シリーズという2つの新シリーズを発表したのだが、どちらも有機ELの技術をアップグレードして、さらに美しい映像を実現している。LGは、この技術により、より高い輝度、より鮮明な画像、ディテールを実現し、よりリアルな画像を家庭で我々の目に映し出すことができると主張している。

画像クレジット:LG

LGのevo有機EL技術搭載の2022年製77インチC2。実際に見ると、より魅力的に見えるはずだ。LGの2022年G2シリーズには、新しい83インチモデルと世界初の97インチ有機ELディスプレイが追加されている。新しいサイズは、すでにラインナップにある他の3つのサイズ(55インチ、65インチ、77インチ)と合わせて導入される。LG G2シリーズは「ギャラリーデザイン」と呼ばれる、壁にぴったりと貼り付けるタイプのおしゃれなデザインに刷新されている。

一方、C2シリーズは、2021年のスタートラインアップに合計6つのディスプレイサイズを兼ね備える。狭い部屋やゲーム機・パソコン用として最適な小型の42インチモデルが追加された。この新型に加え、48インチ、55インチ、65インチ、77インチ、そして83インチモデルが用意されている。

また、2022年モデルの新機能として、LGのwebOS 22をベースとしたピカピカの新しいユーザーエクスペリエンスもある。このソフトウェアには、個人設定可能なプロフィールが含まれており、テレビを使うさまざまなユーザーが自身の設定を行い、どのストリーミングサービスを好むか、視聴履歴などに基づいてカスタマイズされたコンテンツを推奨してもらうことができる。

同社は、すでにクラス最高の演色性、輝度、フリッカーフリー体験をさらに向上させたと主張しており、ディスプレイ側にも多くの追加アップグレードがある。LGは、NVIDIA G-SYNC互換性をサポートする最初の有機ELテレビだ。同社のディスプレイは、NVIDIA(エヌビディア)の最上位RTX 30シリーズグラフィックスカードで完全な8Kゲームを可能にする最初の8K有機ELテレビであり、同社のゲームオプティマイザ・メニューから利用できるゲーム固有の設定やプリセットも備えていると念を押している。

間もなくレビューが公開されるはずなので、今後数週間から数カ月、それらのレビューに注目して欲しい。ラスベガスで開催されたCESに行かず、LGとその輝かしい新製品にいつも以上に興味がある方は、2022年1月4日の午前8時(太平洋標準時)からLGのバーチャル展示ブースをチェックすることもできる。

画像クレジット:LG

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

かつて世界を支配したBlackBerry、その後、変化してしまった世界

Apple(アップル)とAndroid(アンドロイド)の時代に忘れられがちだが、かつてBlackBerry(ブラックベリー)がビジネス向けスマートフォン市場を独占していた時期があった。Motorola(モトローラ)、Nokia(ノキア)、Samsung(サムスン)もあった。しかし、ビジネスではBlackBerryが圧倒的だった。頑強で安全、機能的だった。

TechCrunchが米国時間1月3日朝報じたように、BlackBerryは残りのサービスを終了する。BlackBerry OS 7.1とBlackBerry 10を搭載したBlackBerryデバイスを使用しているユーザー(一体何人残っているのか疑問だが)は、データだけでなく、かつて有名だったBlackBerryメッセージサービスなどにもアクセスできなくなる。明日(米国時間1月4日)にはすべてが停止されるのだ。

その運命のシャットダウンの日が近づいているが、iPhoneやAndroidが登場する前のBlackBerryがいかにユビキタスであったか、そしてその市場シェアの落ち込みがいかに急激だったかを理解するのは難しいかもしれない。物理キーボードとメッセージングサービスを組み合わせたBlackBerryは、社外の同僚とコミュニケーションを取る手段として、人々に愛用された。良くも悪くも、BlackBerryは多くのビジネスパーソンにモバイル時代の到来を告げた。

Comscoreは、2010年にBlackBerryが43%のシェアを獲得した当時のモバイル市場シェアのデータを追跡した。BlackBerryがスマートフォンのトッププラットフォームとして絶頂期を迎えた頃だ。その数字は同社にとって高水準だったと言えるだろう(その数字はプラットフォームの普及率を示すものであり、販売台数ではないことに注意)。

月/年 市場シェア(上位スマホプラットフォーム別)
Jan 2010 43%
Jan 2011 30.4%
Jan 2012 15.2%
Jan 2013 5.9%

見てのとおり、BlackBerryは、スマートフォンの頂点の座から、瞬く間に一桁台にまで落ち込んだ。AppleとAndroidのタッチスクリーンに完全に打ちのめされ、マーケットシェアの大部分を失った。BlackBerryは最終的にこうした変化に対応し、2011年にはBlackBerry Torchをリリースした。だが、それはあまりにも小さく、あまりにも遅すぎた。さらに、ディスラプション理論の典型的な例として、物理キーボードを愛用していた人々は、BlackBerryのタッチスクリーンになじめなかったのだ。

2011年にMicrosoft(マイクロソフト)と提携し、BlackBerryのデフォルトの検索エンジンをBingにしたことも、今にして思えば絶望的な行動だったが、当時は同社がいろいろ試していることがより肯定的に受け止められた。しかし、何をやってもうまくいかなかった。

社運が傾くなか、2013年にCEOとしてJohn Chen(ジョン・チェン)氏を迎えた。チェン氏は、電話からセキュリティソフトウェアへと同社をシフトさせるプロセスを始めた。

なぜセキュリティなのか。BlackBerryはセキュリティに関しては絶対に磐石との評判だったため、合理的な転換だと思われたのだ。同社は2016年にこの変更を正式に発表した。同社は現在、企業や政府機関へのセキュリティソフトウェアの販売に全面的に注力している。時価総額は50億ドル(約5750億円)程度と控えめだが、まだ存在する。

同僚のBrian Heater(ブライアン・ヒーター)が先の記事で指摘したように、BlackBerryスタイルのデバイスはまだ存在するが、古いBBオペレーティングシステムは動いていない。

もちろん、選択肢はたくさんある。ただし、5G BlackBerryブランドのデバイスを約束したOnwardMobilityは、2021年に発表するとの約束にもかかわらず、現在まだMIA(音信不通)のままだ。カナダの血統を引くOSOMのデバイスもある。やはりプライバシーに焦点を当てたその製品も、2022年2月末のMobile World Congressまで発表されないだろう。

だが、かつてビジネスパーソンや政治家の変わらぬ伴侶であった愛すべきBlackBerryは「ネクスト・ビッグシング(次の大きなもの)」に破壊された別のデバイスとして、歴史に残ることになりそうだ。

画像クレジット:Wojciech30 / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license.

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

本当にクラシックなBlackBerry端末の使用を止めるときがきた

BlackBerryの長く孤独な死は、明日(米国時間1月4日)に新たな節目を迎える。同社はついにレガシーサービスへのアクセスを終了する。しがみつくようにBlackBerry OS 7.1とBlackBerry 10搭載デバイスを使っているユーザーは、同日、実質的にその機能を失ってしまう。携帯電話を使って行うこと、つまりデータ、電話、SMS、911アクセスなどの主要な機能が使えなくなる。

同社が指摘しているように、この動きはまだ先が長い。BlackBerryは2016年に自社製ハードウェアを捨て、TCL(2020年に終了を宣言)のような企業にブランドを明け渡した。同社は2020年に、1月4日のシャットダウンを発表しており、BlackBerryが重要な移行期間を提供していないと非難することはできない。声明では次のように記されている。

BlackBerryのへの移行におけるもう1つのマイルストーンとして、BlackBerry 7.1 OS以前、BlackBerry 10ソフトウェア、BlackBerry PlayBook OS 2.1および以前のバージョンのレガシーサービスを廃止する措置を取る予定であり、2022年1月4日を使用停止または終了日とする予定です。この日をもって、これらのレガシーサービスおよびソフトウェアをキャリアまたはWi-Fi接続で実行するデバイスは、データ、電話、SMS、911機能を含め、信頼性をもって機能しなくなります。私たちは、忠実なパートナーやお客様に対する感謝の気持ちを込めて、この日までサービスを延長することを選択しました。

もちろん、そこにはたくさんの選択肢がある。しかし、5G BlackBerryブランドのデバイスを約束したOnwardMobilityは、2021年の発表を約束したにもかかわらず、現在まだ「MIA(作戦行動中行方不明)」のままだ。カナダの名門OSOMのデバイスもある。しかし、やはり、プライバシーに焦点を当てたこの製品は、2022年2月末のMobile World Congressまで発表されないだろう。

それまでの間、BlackBerryが世界のリーダーや芸能人、一般人から選ばれ、モバイルの世界を支配していた時代を思い出してみよう。しかし、ハードウェアの世界では、物理キーボードも含めて、金のものは残らない。R.I.P. BB classic。本当だよ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

サムスンの2022年スマートテレビはクラウドゲーム、ビデオチャット、NFTまでサポート

CESの正式な開幕に先立ち、Samsung(サムスン)は米国時間1月3日、次世代スマートテレビのビジョンを明らかにした。クラウドベースのゲームサービス、テレビを見ながらのビデオチャット、さらにはNFT(非代替性トークン)まで搭載している。同社によると、2022年のスマートテレビには新しい「スマートハブ」機能が搭載され、メディア、新しいゲーミングハブによるゲーム「アンビエント」(テレビを使用していないときアート、写真、その他の情報をテレビに表示する機能)など、異なる種類のエンターテインメントを切り替える機能を消費者に提供する。

ゲーマーにとって、この新しいテレビに追加される最も注目すべき機能は、Tizenで駆動するゲームストリーミングディスカバリープラットフォーム「Samsung Gaming Hub(サムスンゲーミングハブ)」だろう。このサービスで、ゲームストリーミングプロバイダーは、自社のゲームライブラリを直接テレビに持ち込むことができるようになる。Samsungは1月3日、NVIDIA GeForce NOW、Google(グーグル)のStadia(スタディア)、Utomik(ユートミック)との提携を発表した。さらに多くの提携が今後予定されているという。

Samsung TVのユーザーは、このハブから利用可能な作品をブラウズしたり、ゲームを検索・購入したり、お気に入りのゲームをすぐにプレイしたりすることができるようになる。また、同社によれば、ゲームコントローラーを新しいゲーミングハブとペアリングすることも可能だ。さらに、ユーザーはYouTube(ユーチューブ)に簡単にアクセスでき、お気に入りのストリーマーをフォローしてゲームコンテンツを視聴することもできる。

2022年発売の4Kおよび8Kテレビとゲーミングモニターは、新しい「HDR10+ GAMING」規格に対応し、低レイテンシー、可変リフレッシュレート、120Hz以上のHDRゲーミング体験を提供する。同社によると、この体験の特徴は、コンソールやPCなどの入力ソース間で設定を手動で行う必要がない自動HDRキャリブレーションだ。対応テレビは、Q70テレビシリーズ以上のNeo QLEDラインナップと、Samsungのゲーミングモニターとなる。

Samsungの新しいゲーミングハブは2022年後半に利用開始となる。ゲーム、メディア、ライフスタイルの各カテゴリーのメインナビゲーションメニューから利用できるようになる予定だ。

画像クレジット:Samsung

スマートテレビにクラウドゲームを加えるのはSamsungだけではない。LGは2021年に同社のWebOSスマートテレビでGeForce NOWとGoogle Stadia利用可能になると発表した。Amazon(アマゾン)のLunaは同社のFire TVで動作し、Google StadiaはLG、Hisense(ハイセンス)、TCL、Philips(フィリップス)などの対応スマートテレビで動作する。もちろん、代替手段として、こうしたサービスにストリーミングデバイスからアクセスすることも可能だ。

Samsungの2022年スマートテレビの新しいラインは、ゲーム以外にも、友人とのテレビや映画の共同視聴、NFTの売買など、この1年ほどで人気が高まったトレンドを取り入れる。

パンデミックの初期に人々は、新型コロナウイルスのロックダウンやその他の制限の中で、家族や友人とつながり、時間を一緒に過ごすさまざまな方法を探した。それを受け、共同視聴サービスや、大切な人と同時にエンターテインメントをストリーミングできる機能が増加した。HuluAmazon Prime VideoDisney+などが、異なる場所にいながら、映画や番組を同時にストリーミング再生できる共同視聴機能を取り入れた。最近では、Apple(アップル)がFaceTime上でSharePlayを開始し、Disney+や、NBA、Paramount+、Showtime、Apple TV+、TikTokなどのストリーミングアプリもサポートするようになった。

Samsungはこのトレンドに対し、家族や友人がテレビで番組や映画を見ながらビデオチャットできる、独自の新しい「Watch Together(同時視聴)」アプリを提供することで対応する。

画像クレジット:Samsung

スマートハブに追加された、より奇妙なもう1つの機能はNFTへの対応だ。このプラットフォームでは、2021年後半にSamsungのテレビモデル「MICRO LED」「Neo QLED」「The Frame」で、ユーザーがNFTを探索、購入、取引できるアプリを提供する。

「NFTの需要が増加するなか、視聴と購入が断片化している現状に対するソリューションの必要性がこれまでになく高まっています」と同社はThe Vergeに述べ、同社が「世界初のテレビ画面ベースのNFT探索ツールおよび市場アグリゲーター」と呼ぶものの詳細を説明した。ユーザーは、NFTアートを閲覧、プレビュー、購入するだけでなく、テレビで誰かに見せることもできる。最後の機能は、NFTのクリエイターの推奨に合わせてテレビのディスプレイ設定を自動的に調整する、スマートキャリブレーション機能によって強化されている。また、ユーザーはNFTを調べる際、NFTの履歴やブロックチェーンのメタデータを閲覧できる。

NFTアプリについて、パートナーが誰なのか、どのテレビモデルがこの機能をサポートするのかなど、Samsungは詳細な情報を提供できていない。このニュースは、詳細がすべて明らかになる前に発表されたようだ(また、消費者がテレビ画面からNFTにアクセスしたいという需要がどれだけあるかも不明だ)。

新しいスマートハブに含まれるサービスに加え、2022年のスマートテレビは、ユーザーが画面を縦置きに回転させることができる「Auto Rotating Wall Mount and Stand」などのアクセサリーと連動する予定だ。このモードは、Samsung独自のライフスタイル機能である「アンビエントモード+」や「アートモード」の他、TikTokやYouTubeなどのサードパーティアプリに対応する。

画像クレジット:Samsung

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

小さくて安価なLiDAR技術の生産拡大を目指すVoyantが約17.7億円調達、ロボティクスや工作機械がターゲット

LiDARの未来は、Voyantが望むように、価格と大きさが今の数十分の一にまで下がらないかぎり不確実だ。LiDARがサンドイッチのようなサイズの数千ドル(数十万円)のデバイスであるかぎり、広い普及は望めない。そこでVoyantは、高性能なLiDARを小型化 / 低価格化し、容易に生産できるように資金を調達した。

2019年に同社のシードラウンドをTechCrunchが報じたときの同社の目標は、シリコンフォトニクスを利用してLiDARをサンドイッチから指の爪ほどのサイズに縮小することだった。しかし、どのLiDAR企業でも、その最大の課題は価格を下げることだ。強力なレーザー装置と有能なレセプターとビームの方向を制御する機械的もしくは光学的な手段が合わさると、それをLEDやタッチスクリーン並に安く作って、定価3万ドル(約345万円)未満の車に複数装備することは容易でない。

関連記事:針の頭に載るLiDAR開発のVoyant Photonicsが約4億円超を調達

CEOのPeter Stern(ピーター・スターン)氏は、新型コロナウイルスの初期に同社に加わった。当時同社は、共同創業者のChris Phare(クリス・ファー)氏とSteven Miller(スティーブン・ミラー)氏が開発した有望なプロトタイプを、市販製品として完成させる方法を探していた。基本に戻った彼らが当面の策としてたどり着いたのは、既存の商用半導体工場でも作れる、フォトニクスをベースとする周波数変調連続波(FMCW)システムだった。

「他のシステムはいずれも、高価なものを大量に使っている。私たちのビジョンは、そこらのありふれた半導体のように、大量生産できるチップだ」とピーター・スターン氏はいう。さらにスターン氏は、強力で高精度なレーザーを使わないことが、費用とスペースの大きな節約に貢献していると述べた。「現在、レーザーソースとして使われているものは高額で、組み立てと較正を必要とし、レンズの問題もある。私たちのレーザーソースは、時代遅れのDatacomのレーザーを改造したようなもので、サイズは胡ゴマ一粒ぐらいだ。その価格はおよそ5ドル(約580円)、レーザーパスに30ドル(約3450円)といった程度です」。

このような小型化は、レーダーでよく使われているFMCW方式のおかげだ。光の連続ビームを解読可能なデータパターンでエンコードし、その周波数をコンスタントに調整する。このアプローチは、従来のLiDARの方法にあった多くの問題を回避する。そしてVoyantのやり方では、それを安価でできる。量産で100ドル(約1万1510円)未満になるかもしれない。そして1つのチップの上に、すべての光学系とビームの操作、センシングなどが搭載している。

LiDARチップ上の導波管の一部を接写(画像クレジット:Voyant Photonics)

しかし同社は、Velodyneや自動車分野でしのぎを削っているLuminarやBarajaのような新興のLiDAR企業を相手にしていない。「私たちは資金が少ないため、自動車の開発サイクルにはついていけない」とスターン氏はいう。そして、まさにそれは、参入をトライするだけでも極めて高くつく市場だ。「私たちは安売りをするため、アプリケーションはロボティクスやモビリティ、工場や工作機械などの安全化など、Velodyneのパックを検討しているようなところなら、どこでもいい」とスターン氏はいう。

あなたは、こう問いたくなるかもしれない。「私のスマートフォンにもLiDARが搭載されているが、それとどこが違うの?」。確かに、小型のLiDARはすでにあった。しかしそれらは、能力が極端に限られている。リビングルームをスキャンすることはできても、それより数メートル遠かったり、日射や悪天候の中では信頼性が低い。Voyantは自動車分野には進出しないが、そのスペックはすでに自動車にも搭載できるもので、100m先に対しmm精度だ。時速110kmで走っていても問題ない。

関連記事:元アップルエンジニアによるLiDAR開発のAevaが上場を前に206億円調達

FMCWはAevaのLiDARも使っているが、ポイントが少なく、したがって解像度が低い。しかしそれは、ドップラー速度が瞬間に得られる。ビームを当てたものが、どれぐらい速く動いているのか、それが、スキャンや計算を強力にしなくてもわかる点は明らかに有利なものだ。

競合技術に対してもう1つおもしろい利点は、そのユニットが距離や速度を認識するだけでなく、材質もある程度見分けることだ。光はそれが当たる面の性質によって微妙に変化するが、その偏光と呼ばれる違いをVoyantは計測できる。したがって単一のデータポイントからそのデバイスは、相手が金属か、アスファルトか、木か、衣服か、毛皮かなどを見分けることができる。それは、モノを分類するのにすごく便利だ。毛皮だったら、それは木でもクルマでもなく、野生の動物かもしれない。

LiDARテストキット「Lark」のブロック図(画像クレジット:Voyant Photonics)

1540万ドル(約17億7000万円)のシリーズAは、UP.Partnersがリードし、LDV CapitalとContour Venturesが参加した。同社が計画しているその用途は、本番生産に向かう第一歩として、開発キットをパートナーに提供することだ。2種類の開発キットのうち「Lark」は従来的で、レーザー信号をミラー検流計から反射する。もう1つの「Sparrow」は、2D状にセッティングしたビームを使って、機械的な部品の必要性をさらに減らす。

スターン氏によると、2022年にはパートナー向けのユニットを約200生産し、商用の受注は2023年に開始する。その時点で自動車産業が注目することもありえるが、でもVoyantの戦略がうまくいけば、大きくて高価なユニットを作っている企業にとって産業市場の大きな部分が彼らの手をすり抜けているだろう。

画像クレジット:Voyant Photonics

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

CES 2022大注目カテゴリーのフィットネスリング、医療機器Movanoが女性向けを発表

筆者の初のフィットネスリング実体験は、CES2017にさかのぼる。あれから4年、2022年1月5日から開催される展示会では、対面であろうがなかろうが、フィットネスリングが注目を集めるかもしれないと思っている。Motiv(モーティブ)リングは、フィットネスバンドの機能をリングに移行する可能性を示したが、結局は失敗に終わった。最近、Oura(オーラ)は、これらの製品が実際に何ができるかを示すことに成功した

関連記事:【レビュー】邪魔にならない、スマートリング「Oura Ring」第3世代モデル

2022年には、急成長するフィットネスリング分野においてより多くのスタートアップがフォームファクタを模索することになると筆者は予想しているが、CESはその先鋒という位置づけにある。イーストベイに拠点を置く医療機器メーカーMovano(モバノ)は、独自のRingデバイスを発売することを発表した。この製品は女性をターゲットにしており、心拍数、睡眠、歩数、カロリー、血中酸素、呼吸など標準的なフィットネス項目を測定するよう設計されている。

このリングはより本格的なヘルスケア製品として差別化を図っているようで、装着者に実用的な洞察を提供している。こうした洞察は、ウェアラブルメーカーが単純な歩数計算を超えたものに着目している中で、ターゲットになりつつある。例えば、Ouraは追跡するすべてのデータをより深く理解するために、さまざまな研究に参加している。

また、Ouraもそうだが、Movanoはアプリを情報の中心に据えている。スクリーンなしのフィットネストラッカーの時代に戻ったデバイスとしては理解できることだ。同社CEOのJohn Mastrototaro(ジョン・マストロトタロ)氏は、リリースで次のように語っている。

Movanoは、良好な健康は基本的人権であるという信念のもとに設立されましたが、健康であるためには、毎年の健康診断で得られるいくつかの静的な指標だけでは不十分です。我々は、手頃価格の威圧感のないデバイスを使って、あなたの健康を自身で管理できるようにすることを使命としています。我々のアプリは、あなたの体のシグナルを記録し、それを洞察へと変換します。

リリースにあるように、Movanoはまだ、特に血中酸素や心拍数などに関する部分でFDA(米食品医薬品局)の承認を求めている最中のざっくりとしたフィットネス機器だ。承認の取得は、比較的若い企業にとって厳しいハードルだが、ヘルスケア製品としてより真剣に扱われるためには重要なものだ。

FDAの承認取得などは最終的には発売日、あるいは会社のやり方によっては、発売時の機能セットに影響を与える可能性がある。現時点では、2022年下半期のどこかでベータ版としてリリースされる予定だ。米国時間1月5日から開催されるCESに展示されるフィットネスリングとしてはMovanoが最初のものになるが、ほぼ間違いなくMovanoだけではない。

画像クレジット:Movano

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi