Facebookで大いなる成長を経験したAli Rosenthal。MessageMe参画の理由とは?

Ali Rosenthalは2006年初頭にFacebookに入社している。当時の従業員数は50名で、ユーザー数は400万人だった。そして2011年に退社することとなったが、そのときには従業員3500人、ユーザー数は10億人になろうとしていた。彼女はビジネス創設チームの一員として、モバイル分野でのサービス拡充に努めた。10万人程度だったモバイルユーザーは、退社時には2億5000万人にも拡大していた。ちなみに退社時にはモバイルビジネス開発部門のトップを務めていた。

その後RosenthalはGreylockでExecutive-in-Residenceとしての1年間を過ごした後、再度小規模なスタートアップに籍を移すこととなった。7月よりMessageMeのCOOとして働くことになったのだ。5月に1000万ドルのシリーズA資金を調達してリアルタイム・モバイル・コミュニケーションを手がける同社は、従業員数17名という規模だ。

上のビデオに収録されているインタビューでは、なぜMessageMeを選んだのかということについても質問している。彼女のような大物が、小さなスタートアップを選択するからには、そこに強い動機があるはずだと考えられるからだ。

「優秀な人材がいることも理由のひとつです」と彼女は応えてくれた。共同ファウンダーのAlex CheeやArjun Sethiの名前が挙がった。また、当然のことながらプロダクト自体にも可能性を感じたのだとのこと。Rosenthalの言葉を借りるなら、MessageMeは「マルチモデル・メッセージング」(multi-model messaging)システムなのだそうだ。「スピード」を重視し、実際に会話をするような感覚で利用することができる。Facebookはその出自からしても「ウェブプロダクト」としての特徴を持っていて、その辺りがMessageMeと大きく異なるところであるらしい。「スマートフォンに特化して生まれてきたMessageMeは、将来のリアルタイム・リッチコミュニケーションのための仕組みとして大きな可能性を持っています」と彼女は言っている。

本格的なアスリートでもあるRosenthalは、「タイミング」の大切さも強く意識している。2006年にFacebookを選んだのも良いタイミングだった。今、このタイミングでMessageMeを選んだのも、将来に振り返ってみると、なるほどベストであったと思わせることになるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


ロボットプログラミングを楽しめるLEGO Mindstoms EV3登場

LEGO Mindstorms EV3。名前からしてゴツイ感じがするが、ブロックを繋ぎあわせてドラゴンロボットなどを作っていく前に、ちょっとどんなものなのかを確認しておこう。

EV3は、ロボット製作用の、プログラマブルなLEGOキットで、製品の歴史14年の中でも最もエキサイティングなプロダクトではないかと思う。最も進化していると思われるのは、スマートブロック上で直接にプログラミングできることだ。キットの心臓部とも言えるコンピュータ・パーツで、簡単な「If/Then」ロジックを使うことができる。

以前のものでは、プログラミングは必ずコンピュータ上で行う必要があり、それを同期する必要があった。

Mindstorms EV3の名前からわかるように、これは第三世代のモデルとなるものだ。iOSおよびAndroid用の3D組み立てガイドも用意されていて、LEGOブロックの組み合わせ方などを細かくチェックすることができる。パーツの組み立てには問題がないわけで、すぐにプログラミングに没頭することもできるわけだ。

また、EV3には初めて赤外線センサーも搭載された。これを使えば、組み立てたロボットが外部のモノを「見る」ことができるようになり、また色に反応することもできるようになる。ベースとなるシステムはこれまでと同様Linuxだ。USBおよびSDポートも搭載されている。

価格は349ドル99セントで、子供用と考えれば高額ではある。但し、受け身な態度に繋がりやすいゲームなどと違い、子供を次世代のスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)に育てる可能性もあるわけだ。また、LEGO大好きな人や、あるいはちょっとプログラミングを勉強してみたいと思う大人にも、EV3は非常に有益な投資対象となることだろう。

Mindstoms EV3の動作シーンを見たいという方は、CESの際のビデオも面白いかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


もしものときのため、iPhone 5sのTouch IDにペットの「指紋」も登録しておこう

上のビデオでおわかりのように、iPhone 5sに搭載された指紋センサーは「人間限定」ではないようだ。猫を某所より調達し、そして「ペットの指紋もTouch IDに登録することができるのではないか」という仮説を、実際に試してみたという次第だ。

ちなみに、確かに猫の手でもロック解除することができたが、人間の指で行う場合に比べて、エラーになる頻度は高かった。まあそれでも正しい場所に乗せることができれば、きちんと繰り返し解除することができた。実のところ猫にも人間同様、個々に異なる「指紋」のようなものがあるそうなのだ。確かにそれを裏付けるように、ロック解除用に登録した足以外の足ではロックを解除することができなかった。すなわち、「猫にでも解除できる不安定なデバイス」というわけではなく、セキュリティ機能はきちんと機能しているのだ。

このビデオを見て、いろいろとセキュリティ関連が気になるという人のために実験をしてみた。すなわちロック解除用に指紋ではなく、掌底部の掌紋を登録してみたりもした。あるいは手首付近をセンサーに押し付けて登録を強行してみたりもした。いずれの場合もきちんと登録でき、iPhoneをアンロックすることができた。但し、登録したのと逆側の手の同じような部分をセンサーに押し付けても、アンロックすることはできなかった。

ZDNetは、istouchidhackedyet.comが「偽の指紋によってバイオ認証をかいくぐった人に与える賞金のクラウドファウンディング」を行っているという記事を掲載していた。ここで報告している「猫の手認証」や、「掌底認証」は、そうした類の「ハック」では全くない。iPhone 5sによる「指紋」の定義が、一般よりも少々広めであるということを意味するに過ぎない。自分にもしものことがあったとき、ペットに5sの面倒を見てもらいたいと思うのなら、ぜひとも登録可能な5つのアカウントのうちのひとつに、ペットの「指紋」を登録しておくと良いだろう。

本稿を作成するにあたって、TechCrunchのNatasha Lomasに大いに協力してもらった。

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(翻訳:Maeda, H)


ビデオグリーティングカードアプリVelloはとてもチャーミング

超短篇のインターネットビデオがVineInstagramなどのおかげで流行(はや)り始めているから、グリーティングカードをインターネット化するVello’sは、絶好のタイミングで市場に登場した、と言えるかもしれない。

Velloは、ユーザが自分(たち)を撮った6秒のビデオ(「××ちゃん、お誕生日おめでとう」など)を全部集めてつなぎ、1本の比較的長いビデオにまとめる。そしてそのビデオのリンクを受信者にメールで送る。受信者がリンクをクリックすると、そのビデオを視聴できる。

ユーザはギフトカード(お買い物券)をVelloから買って、ビデオと一緒に送ることもできる。これがVelloの収益源になるが、ギフトカードの添付は必須ではない。

たったこれだけの、単純なアプリだが、たぶんその背後のエンジンは相当複雑な仕事をしているのだろう。まだApple App Storeで審査中だが、とても使いやすいから、きっと人気が出るね。あるいは、どこかのソーシャルネットワークがこのアプリを見たら、早速買収したくなるかもしれない。そうすると、そのソーシャルネットワークの“利用理由ナンバーワン”になったりしてね。とにかく、数日後にはiTunes App Storeでダウンロードできるようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


テレビでのスポーツ観戦を楽しくする技術(ファーストダウン・ラインの表示など)、ヨアメリカズカップでも適用可能性を検証中

テレビでスポーツ観戦をするとき、画面上の仕掛けがここしばらくで随分と進化したことに気付く。データを視覚化する技術が進化して、現地で何が起こっているのかを、家に居ながらにして理解しやすくなったのだ。たとえばアメフトではファーストダウン獲得ラインが黄色で示されるし、野球中継ではストライクゾーンおよび投球コースが示されるようになっている。またNASCARでは特定の車からの状況を続けて映して、抜きつ抜かれつの緊張状態がよくわかるようにもなった。ところで、こうした進化がひとりの人物によりもたらされたものであることはご存知だろうか。長くテック業界に身をおいたStan Honeyが、上に挙げたすべてを実現してきたのだ。昨今の進化を語る上で、絶対に欠かすことのできない人物だ。

現在、Honeyはこれまでの中で最も困難であると言えそうなプロジェクトにとりかかっている。今月、サンフランシスコで行われるアメリカズカップを、誰でも理解できて楽しめるイベントにしようとしているのだ。もちろん、このプロジェクトにはHoneyこそ適任だ。エミー賞を受賞したテレビ技術者であり、かつ48日で世界一周を成し遂げてジュール・ヴェルヌ・トロフィーを受賞した人物でもあるからだ。

Honeyは「アメリカズカップを面白く報道したい」というセーラーやエンジニアと組んで、ぎりぎりまで誰もが理解しやすい番組にしようと奮闘している。そこでTechCrunchはサンフランシスコPier 27にあるアメリカズカップ・ヘッドクォーターを訪問してみた。そこで、番組を支える技術と、それに携わる人々についての情報を得てきたわけだ。ぜひ上に掲載したビデオをご覧頂きたい。

ビデオの撮影および編集はJohn Murilloによるもので、ここに記して感謝の意を表したい。またプロデュースを行ってくれたのはFelicia Williamsだ。

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(翻訳:Maeda, H)


ソフトウェア技術者を巡る雇用ミスマッチ解消のため、実践的コーディング・ブートキャンプを運営するHack Reactor

失業低賃金の問題がアメリカ経済界に広がる中、シリコンバレーおよびテック産業においては人材不足を嘆いているという状況になっている。企業は、ソフトウェアやウェブプロダクトの開発を担う、比較的高給となる職に見合ったコーディングスキルをもった人材を十分に確保できずにいるのだ。さまざまな高度教育の機会が用意されてもいるのだが、ソフトウェア開発の面でいうと、トレーニングギャップとでもいうものが存在してしまっているようだ。

こうした状況の中、実際的に役立つプログラミング技術を学びたいという人と、そしてぜひとも優秀な人材を雇いたいと考えているたくさんの企業との間を橋渡しするための仕組みを提供するのが、サンフランシスコに拠点を置くHack Reactorというスタートアップだ。厳しい、12週間にもおよぶプログラムを提供する。スクールというよりもプログラミング・ブートキャンプとでも言うべきもので、きつい授業と、プロジェクトに取り組む実践を、週に6日、午前9時から午後8時までの時間で行う。

料金の方も、安くはない。3ヵ月コースの平均的授業料は1万7780ドルとなっている(但し、奨学金を利用することもできる)。それでも料金に見合うものであると言えるのかもしれない。Hac Reactor曰く、卒業生全員が、平均6桁の賃金にてソフトウェアエンジニアの職を得ているそうなのだ。Hack Reactorとしては、提供しているプログラムを、新しい時代のコンピューターサイエンスの学位なみに、権威あるものとしたいのだそうだ。

既存の大学教育に対抗するような形で、コーディング・ブートキャンプのプログラムを提供するというのは一種のはやりのようにもなっている(変革に時間がかかりすぎたという意見もある)。TechCrunchではHack Reactor HQに立ち寄り、実際のところはどのようなものかを見てきてみた。冒頭に掲載したビデオでは、Hack Reactorの共同ファウンダーであるShawn Drostや、実際に学んでいる生徒たちに、いろいろと話を聞いている。

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(翻訳:Maeda, H)


楽天がGoogle、Yahooを押しのけてビデオサイトのVikiを2億ドルで買収した理由―クラウドソース字幕翻訳をeコマースにも利用へ(三木谷浩史インタビュー)

日本のeコマースの巨人、楽天はシンガポールのビデオストリーミング・サービス、Vikiを2億ドルで買収した。Vikiは世界各地のユーザーコミュニティーがビデオコンテンツの字幕を翻訳するというユニークな国際化手法を取っているのが特長だ。

楽天のファウンダー、CEOの三木谷浩史にインタビューした結果、楽天はVikiのビデオコンテンツだけでなく、eコマース市場での世界制覇に向けてクラウドソース翻訳というシステムの利用も視野に入れていることが明らかになった。

当然ながらこの買収契約の締結までにはさまざまな曲折があったようだ。Vikiの共同ファウンダー、CEOのRazmig Hovaghimianが私の取材に答えて語ったところによると、楽天との交渉が本格化する前に、VikiはシリーズCの資金調達ラウンドの準備を進めていたところだったという(VikiはそれまでにAndreessenHorowitz、Greylock、Charles River Venturesに加えて個人投資家から総額2430万ドルを調達していた)。また別の情報源によると、Vikiに興味を示していたのはベンチャー投資家ばかりではなく、GoogleとYahooも買収を望んでいたという。

楽天のCEOの“Mickey”こと三木谷浩史もHovaghimianもVikiの買収を他にどんな会社が試みたかについては明らかにしていないが、GoogleはYouTubeを持ち、Yahooは長年にわたって、ビデオコンテンツの強化策を模索してきたから、この両社が含まれているのは意外ではない。また両社のビデオサービスはVikiと同様、広告ベースのビジネスモデルであり、海外での事業拡大を目指していたからVikiは魅力的なターゲットだったはずだ。

一方で、両CEOは、楽天がVikiがどのように出会ったのか、楽天の大戦略におけるVikiの位置づけ、また楽天が単なる投資ではなく直接買収に踏み切ったのか、その理由についても語ってくれた。

Vikiと楽天の出会い:. しばらく前にVikiはBlake Krikorian(Slingのファウンダー、現在Microsoft副社長)、Dave Goldberg(Survey MonkeyのCEO)という2人の戦略的投資家を取締役に加えた。 私は就任のタイミングからしてこの2人が今回の買収に何らかの役割を果たしたのではないかとHovaghimianに尋ねたところ、実は最初の出会いをもたらしたのはMITメディア・ラボの所長、Joiこと伊藤穣一であることが判明した。伊藤はVikiの最初期の投資家であり、以前からの取締役である。「JoiはVikiの日本市場進出を助けてくれた。Mickeyを紹介してくれたのもJoiだ」とHovaghimianは語った。その頃、Hovaghimianはシリコンバレーで投資家を探しており、買収については考えていなかったという。「よそ者がシリコンバレーで資金調達しようとするのは非常に疲れる経験だった」とHovaghimianは認めた。

「VikiはアジアでYahooと密接に協力しているし、YouTubeからもマルチチャンネル・ネットワークとして認められている。しかし楽天は企業文化からも相乗効果からもVikiによりよくフィットすると考えた。われわれがアジアをベースにした企業であることも大きかった」という。

「1ヶ月で10回ほど会った。最初から良い雰囲気で、交渉は非常に速く進んだ。私は〔三木谷浩史という〕人物が気に入ったし、楽天のビジョンにも共感した。彼らは全力でホームランを打ちに来ている。Vikiはさまざまな方面から関心を持たれてきたが、楽天がもっとも魅力的な相手だった」という。

Vikiは当面独立して事業を継続: Hovaghimianによれば、Yahoo、YouTubeとの提携関係には当面変化はないという。またNetflixその他、楽天の潜在的ライバルとの関係も継続される。「楽天はVikiに長期的な効果を期待しており、当面、大きな自由を認めている」とHovaghimianは言う。【中略】

投資でなく買収に踏み切った理由は? 私は三木谷に「なぜ楽天は単なる投資ではなくVikiの完全買収を決断したのか?」と尋ねた。事実、2012年に楽天はPinterestに1億ドルの戦略的投資を実施している。「Pinterestは(当時ブームの絶頂で)高すぎて買収できなかったからね」と三木谷はジョークを飛ばした。実際にはPinterestは楽天の事業にとってVikiほど直接の影響がなかったからだという。三木谷によれば、Pinterestは楽天のLinkshareアフィリエイト市場に大量のトラフィックを送り込んでくるという点が重要だった。ただし、Pinterestが公式な日本版の運用を開始していないので、日本の楽天はまだこのメリットを享受していないという。

ビデオストリーミングを超えた長期的視野:. 三木谷によれば、もっと重要だったのはVikiが楽天がこれまでビデオコンテンツで努力していた分野を強力に補完する存在だったことだという。楽天はNetflix式のOTTビデオストリーミング会社Wuakiをヨーロッパで運営している。また 楽天が買収したKoboデバイス向けにビデオコンテンツを拡充する計画 もある。こうした分野でVikiは直接的に役立つが、三木谷は「Vikiの買収はビデオだけを考えてのことではない」と語った。

三木谷によれば、PinterestとVikiの最大の差は、Pinterestはアメリカに重点を置くアメリカ企業であるのに対して、Vikiはグローバル化を目指す企業だという点にある。「われわれは世界の数多くの国に進出中だ。楽天のビジョンは楽天市場を全世界に広げることだ。そのためには多数の言語への翻訳がきわめて重要な課題になる。Vikiのクラウド翻訳テクノロジーは、字幕だけでなく、eコマースでも利用価値が高い。それが楽天がVikiを買収した大きな理由だ。われわれはビデオのことだけ考えていたわけではない」と三木谷は語った。

〔VikiのサービスについてはこちらのTechCrunch Japan記事参照。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


YouTubeがビデオレスを廃止, クリックスルー率が0.0004%と超低いため

Googleは同社のビデオ共有サイトYouTubeから、9月12日以降、ビデオによるコメント投稿をなくす。ユーザは検索に自分のビデオがかかるために、ハッシュタグや説明文を利用すること。なくす理由は、ビデオレスの平均CTRが0.0004%という微細なものであるため。

YouTubeのチームの説明によると、ユーザ100万のうちたったの4人が、メインのビデオの下にある小さなボックスをクリックしてくれる。オリジナルの作者に対するファンのエンゲージメントを増やす策としては、これは失格である。だから、別の方法を探した方がよい。

この方針は、YouTubeのCreatorsブログに載った。影響を受けるのはクリエイターだから。ビデオレスはYouTube上の人気ビデオが会話を喚起し、ファンとの対話を増すための仕組みだった。ビデオレスは本体ビデオに添付されるから、そのレス自身も見られる機会が増え、本体ビデオをネタとする会話が盛んになる、…はずだった。

YouTubeによると、今度からは、自分のレスにビデオを結びつけたいファンは、ビデオのタイトルやハッシュタグ、説明文などを明示的に書くこと。そうするとオリジナルの作者がそのビデオを見つけて、それをプレイリストに加えたり、チャネルに入れたりできる。

既存のビデオレスは消されずに残るが、要するに視聴率が超低いのだから、そもそもあまり意味がない。

GoogleはYouTubeを、チャネルを軸とする巨大メディア…テレビと互角に戦う…に変身させたいらしい。ビデオレスの廃止は、ファンのレスビデオも(原作者が)チャネルに入れてしまえ、という姿勢の現れだ。いよいよ、改造の総仕上げの段階か。でも、そうやって単にテレビと同じものになるのなら、おもしろくないね。YouTubeは、ビデオレスのような、テレビにできないことがあるから、おもしろかったんじゃないの。チャネルを主役にするのはいいけど、YouTubeがティーンたちのあいだで人気第一位の音楽サービスになった理由を、よーく考えていただきたい(それはYouTubeの、テレビには絶対にない、ネットワーク効果だ)。そして、これからもますます、テレビにはできない、チャネル以外のおもしろいことを、どんどんやっていただきたい。それこそが、YouTubeの人気を今後も維持増大するための秘訣ではないのか。

だから、今後注目すべきは、YouTubeはビデオによるエンゲージメントのためのツールを、ビデオレスからどこへ持っていこうとしているのか、だ。もっとCTRの高い、おもしろい仕掛けを考えてほしいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


I Forgot My Phone ― 話題のショートムービーを見てみた

あちこちでかなり話題になっているようだ。今の「コミュニケーション時代」を客観的に見る面白い内容で、ある種のショックを感じる人も多いのではなかろうか。このショートムービーの主人公はスマートフォンを持っていない女性だ。時代にそぐわない人物設定かもしれない。しかし、ほんの少し前までは常に携帯デバイスを身につけているということもなかったのだった。今や、私達の現実はレンズとスクリーンによって代替されつつある。少し前まで、テレビ画面の近くに座っていると癌になると言われていたりしたものだ。しかしいまやいつでも手元に画面がある。いつまでもいつまでも、際限なく画面を見続けることが普通になっている。

コミュニケーションを支えるテクノロジーが「Glass」の形をとろうとしていることは偶然ではないだろう。現実世界はテクノロジーが作る窓(ガラス)によって切り取られて、認知されるようになってきているのだ。

デバイスを通じてしか外部との関係を保てない状況を変えるにはどうすれば良いだろうか。必要なのは「デジタル・デトックス」ではあるまい。「デジタル」は仕事や、あるいは生活の隅々にまで浸透し、もはやなくてはならないものになっているのだ。必要なのは、ネットワークやコンピューターを介しての「体験」というものが、実際のものとは違うという当たり前のことを再認識することだろう。何かを排除する「デトックス」ではなく、実際の世の中の素晴らしさを再発見することが大事なのだと思う。

世の中が変わっちまったのさと、ビールを飲みながら愚痴るのも良いかもしれない。しかしそれでは時代に流されてしまうだけだ。たまには落ち着いて座ってみて、何もクリックせず、もちろん画面のタップなどせず、もちろん「おや、このシーンをVine化したら面白いぞ」などということも考えずに過ごす。目の前に広がる現実と直接に向き合うということを「意図して」行うことが、「現実」を取り戻すための手段になるだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


近隣住民のためのソーシャルネットワークを運営するNextdoor、iOS版の成功に続きAndroid版もリリース

隣近所の人のみがアクセスできるプライベートなソーシャルネットワークを提供するNextdoorAndroid版のアプリケーションをリリースしている。

Nextdoor CEOのNirav ToliaはTechCrunch TVにて、提供している「ソーシャルネットワーク」の状況について説明してくれた。またNextdoor for Androidの簡単な説明もしてくれた。そのときの様子は上に掲載したビデオに収録されている。

今回のAndroid版デビューはiPhone版に遅れること3ヵ月ほどとなった。ToliaによるとNextdoorに投稿されるコンテンツの20%以上がiOSアプリケーションからのものとなっており、アプリケーション投入は成功したと評価できるとのこと。当時の利用者にはiPhone利用者が圧倒的に多く、そのためにまずiPhoneアプリケーションを投入したのだそうだ。その選択のせいもあって、まずはNextdoorの活動拠点でもあるシリコンバレー近辺で人気を集めたのだろうとToliaは分析している。

もちろん利用者層を広げていくにはAndroid版の有無がキーとなる。Androidのシェアはますます広がりつつある。そのような状況のもと、Android版アプリケーションもリリースすることでNextdoorはアメリカ中のスマートフォン利用者のうち91%をカバーすることとなったわけだ。年内には海外進出も考慮にいれたいと考えている。そして都会でも田舎でも、富裕層にも貧困層にも利用者層を広げたいと考えているそうだ。そのような考えであれば、メジャーなデバイスをサポートするのはもちろん大切なことだ。

現在の状況についてみておこう。この3ヵ月で1万7800人がネットワークに参加し、これはすなわち50%近い増加率を示している。また、私自身参加しているサンフランシスコ近辺でのNextdoorネットワークを見ると、確かに利用率ないし利用者層が拡大しているらしいと感じさせてくれる。ガーデンパーティーの案内から迷子のペット、あるいは近くで起きた犯罪の話まで、ほとんどあらゆる分野の話がNextdoorに投稿されているのだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Android版YouTubeで大改造を実施。検索中も(最小化画面にて)ビデオ再生を継続

Googleは一部利用者に対してAndroid版YouTube最新版の提供を開始した。これまでの更新履歴を振り返っても最大級のもののひとつだといえそうだ。いわゆるアプリケーション内マルチタスキングをサポートしているのだ。どのようなものかといえばすなわち、チャネル内を閲覧していたり、あるいは検索中には、再生中のビデオを最小化して表示するというものだ。また、Googleが提唱する「カード」インタフェースもサポートするようになった。

これまでは別のビデオを探したりする際には、閲覧中のビデオを停止する必要があった。新しいバージョンでは再生中のビデオは右下隅に表示されるようになり、再生は継続されるようになる。最小化状態からフルスクリーンには簡単に戻ることができる。あるいは左右にスワイプすれば再生中のビデオは停止する。

他の動作をしているときにビデオ再生をストップしないというのが、新リリースの目玉であることは間違いない。しかし他にもいろいろな新機能が搭載されている。たとえばビデオを連続して閲覧できるようなプレイリストの検索が、一層簡単に行えるようになっているのだ。

Google Chromecastのリリースなどもあり、YouTubeアプリケーションに利便性向上は当たり前のことと言えるのかもしれない。Chromecastや、スマートTVでビデオを再生していても、他の作業を行いつつプレビュー画面を見ることができるようになるわけだ。ビデオを次々に再生していくのに必要な機能が実装されつつあると言えるだろう。

今回のアップデートが、いつiOS版に反映されるのかについて正式なアナウンスはない。しかしGoogleによれば、すぐにも全プラットフォームに対応する予定なのだそうだ。

Android版は部分的なリリースから始まっているが、まもなくすべての人に公開されるようになりそうだ。公式リリースが待てないという人のためには、Android PoliceがAPKへのリンクを公開している。

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(翻訳:Maeda, H)


Google、Windows PhoneのYouTubeアプリをアク禁―「HTML5で書け」とMicrosoftに要求

今朝(米国時間8/15)、GoogleはMicrosoftのYouTubeのWindows Phoneアプリをアクセス禁止 にしたことを認めた。これはアプリが発表されてから50時間後の決定だった。Windows Phoneユーザーは当然ながら失望している。

いったいどういう事情があったのか? ここ数時間、私が状況を調べてみたところ、以下のようなことがわかった。

Microsoftが新しいYouTubeアプリをWindows Phone向けに最初に発表したのは5月だった。 Googleはこれに不満を抱いた。このアプリはGoogleの配信する広告を正常に表示せず、ビデオのダウンロードが許されていた他、Googleブランドの表示もGoogleが望むような仕様になっていなかった。Microsoftはいったんアプリを引っ込め、両者はアプリの修正に向けて協力していくことで合意した。

それなのに修正されたはずの新アプリが再度、アク禁となってしまったわけだ。問題の原因は、GoogleがアプリがHTML5で開発するよう要求したのに対し、Microsoftは機能面ではGoogleの3つの要求を容れたものの、Windows Phoneプラットフォームの技術的な制約のために不可能だとして、あくまでネーティブ・コードで開発を続行した点にある。

MicrosoftはまたGoogleに対して「将来、Windows Phone側の準備が整い次第HTML5に移行する」ことを約束した(つまりMicrosoftはWindows Phoneのメジャー・バージョンアップに取り組んでいる)。

しかしこの点に関して両者の合意ができないまま、Microsoftはアプリを公開してしまった。当然Googleは不快になり、YouTubeへのアクセス権を剥奪した。またMicrosoftはGoogle自身が利用しているモバイル広告APIへのアクセスを要求していたが、Googleはこれも却下した。

Googleは「YouTubeアプリの開発者は全員が同一のガイドラインに従うべきだ」というコメントを発表した。つまり全員がHTML5で開発せよということだ。それは理にかなっているように聞こえるが、全員というのはGoogleには適用されない。Google自身のiOS向けとAndroidのYouTubeアプリはネーティブ・コードで記述されている。

しかしそのぐらいでGoogleはたじろがず、Microsoftに「そいつをHTML5で書け」と要求した。そこでMicrosoftは困難な立場に立たされた。Windows PhoneにきちんとしたYouTubeアプリが必要なのはもちろんだが、Windows Phoneがアップデートされるまで正常に動作するYouTubeアプリはHTML5で書けない。そこでMicrosoftはGoogleにアク禁にされる可能性が十分あるのを知りながらネーティブ・コードのアプリを一方的に発表するという少々図々しい戦術を取った。で、予想どおりGoogleはアク禁にした。

テクノロジー界隈では「事実は小説より奇なりだ」。

いい迷惑なのは何百万人もWindows Phoneユーザーだ。もちろん、モバイル版Internet Explorerを使えばWindows PhoneでYouTubeを閲覧するのは可能だ。今後どう決着がつくか予想はできない。ともあれ今後もGoogleとMicrosoftは小競り合いを続けていくことになるだろう。

アップデート: MicrosoftはHTML5問題を詳しくブログ記事で説明している。

[画像:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


YouTubeのGeek Weekで投入されたイースターエッグのまとめ。「ミサイルコマンド」やスタートレック、スターウォーズなど

YouTubeが初めて開催したGeek Weekが閉幕した。毎日、ジャンルを変えつつ「ギーク」なコンテンツを大量に紹介していた。たとえば「スローモーションで見る1500人の水入り風船合戦」やNeil deGrasse Tysonの科学トークアニメ版Doctor Whoなどが紹介された。そうしたビデオ自体の他にも、YouTubeは毎日イースターエッグ(ちょっとした仕掛け)を提供していた。これを日々チェックしていたという人は少ないと思うので、ここでまとめておこう。たとえば見ているビデオを敵のミサイルから守る「ミサイルコマンド・クローン」などといったイースターエッグもあった。

これらの仕掛けがいつまで使えるのかはよくわからない。消されてしまう前にぜひ楽しんでみてもらいたい。

Missile Command:YouTube版ミサイルコマンド・クローンをプレイするには、ビデオ閲覧中に「1980」をタイプする。大事なのはテキスト入力エリアではない場所にタイプすることだ。プレイ中に「2300」をタイプすればパワーアップすることができる。

訳注:うまくいくページといかないページがあるように思います。下の「use the force luke」から検索して動画を再生すると、この「1980」もうまくいくようでした。

My Little Pony:ミサイルコマンドは防衛に失敗すると少々いらついてしまったりもするかもしれない。和みたいのだという方はYouTubeの検索欄から「ponies」や「bronies」を検索してみよう。最初は何も起こらないように見えるかもしれないが、しばらく待ってみて欲しい。

Space:Star TrekやStar Warsのファンの方はぜひとも試してもらいたい。これも検索欄に「use the force luke」や「beam me up scotty」と入力して検索すれば良い。ページの表示がGoogleが呼ぶところの「ジェダイスタイル」になったり、Star Trekスタイルで検索結果が表示されたりする。

Elite:リートスピークが好きな人は、動画再生ページで(テキスト入力欄でないところで)「1337」を入力する。するとコメント欄がリートスピーク風に表示されるようになる。

ASCII:古くからあるものだが、まだ使えるようだ。YouTubeの検索欄で何かを検索する際に「/」を冒頭につける。「/」の後にはスペースが必要だ。どんな画面になるかは、ぜひ実際に体験してみて欲しい。

「fibonnaci」というイースターエッグもあると聞いていたが、これはもう機能しなくなっているようだ。先週月曜日の時点では、「fibonnaci」を検索すると検索結果がフィボナッチ・スパイラルで現れるようになっていた。

Bonus:「bronies」の意味がわからないという方には、下のビデオが参考になることだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


現場ジャーナリストの常備武器となったVideolicious, Washington Postらが$2.25Mを投資

携帯上で簡単に(作品として完成した)ビデオを作れるアプリVideoliciousが、企業利用の拡大をねらっている。たとえばこれまでは不動産企業の社員教育に利用されていたが、まだまだいろんな業界でお役に立つはずだ。

新たな成長に活を入れるためにVideoliciousはこのほど、Washington Post Company、Amazon.com、Knight Foundationなどから225万ドルの資金を調達した。この投資ラウンドを仕切ったのはVenture51 とSocial Leverageで、既存の投資家Joanne Wilson、Trestle Ventures、それにQuotidian Venturesらも参加した。同社の資金調達総額は、これで400万ドルあまりになる。

Washington Postなどが投資者として名を連ねているのは、このところジャーナリストがVideoliciousを利用する例が増えているからだ。そのことが同社の今後の業績に大きく貢献するだろう。過去数か月で100社を超える新聞、雑誌、テレビ局などが登録会員となり、彼らが抱えるジャーナリストたちに現場で手早く“ビデオ記事”を作らせている。初期のユーザの一例であるWashington Postでは今、30名の記者がこのアプリを使っている。

このアプリでは、写真やビデオを縫い合わせる作業や、その上に音声を重ね録りする作業が、とても簡単にできる。だから記者たちは、印刷媒体のジャーナリストでも、フォトジャーナリストでも、あるいはビデオジャーナリストでも、速報ニュースに関するビデオを迅速かつ効率的に社に送れる。もはや、重い機材を担いだビデオクルーや、ビデオ編集スタッフは要らない。

Videoliciousがマスメディアの現場で広く使われるようになった理由は、それだけではない。同社が最近リリースしたいくつかのプロ級のツールにより、既存のCMSの上でVideoliciousおよびその上で作ったビデオをシームレスに扱えるようになったのだ。つまり、ビデオを迅速に作れるだけでなく、メディア企業は現場で作られたビデオを、今後いろんなコンテンツで多面的に利用し、お金を稼げるようにもなったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今年(これまで)のVinesビデオ笑撃のケッサク集

8月の金曜日といえば、本誌の準連載となっている「競争の激しいビデオ共有分野においてVineの存続を正当化するためにVineユーザによる超おかしい短篇ビデオを紹介する」の掲載日として、きわめて妥当だ。今日(米国時間8/9)ご紹介するのは、誰かが選んだ、今年の今日までの最高におかしなビデオだ。

ところで、今日がその準連載の第一回である

一部に、残酷なのやアホなのもあるが(友だちをプールに蹴落とすとか)、そのほかはとってもおかしい。NSFW(職場不適)のビデオはあまりないが、少しある。会社のトイレで仕事をサボりながら見るのにも、適しているかもしれない。

これらのビデオは、Vineの最大の魅力を示している。ユーモアによって過激なコミュニティができること。6秒という制約は、創造力を濃縮し、喜劇を強調し、ソーシャルメディアのつまみ食いに最高に適している。

時間がたっぷりない人でもVineへ行けば、ほんの一口のユーモアを味わうことができるから、Vineはやみつきになる。Instagram Videoのように機能豊富ではないが、コミュニティの魅力はこっちが上だ。

では、次回をお楽しみに!

ごめんなさい。サムネイルもある。ぼくの仕業(しわざ)ではないよ。


コメントの一部はJosh Constineによる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


編集済みビデオの投稿ができるようになったInstagram。素人ビデオ投稿者はどこへ行く?

Instagramを使って、上手に写真を撮れる人はかなりいるようだ。ただ、面白い動画を撮るとなると、また別の話になる。しかしこれまでは、誰もがInstagramを使って動画撮影をする必要があった。そのおかげで動画はみなお遊びレベルのものであるという前提もあったわけだ。ところが先日公開されたInstagram 4.1からは、ビデオのアップロードができるようになった。つまり、プロフェッショナルが高性能カメラで撮影して、高価格な機材を用いて編集し、それを投稿するということもできるようになったわけだ。「お遊び」で許される時代は終りを迎えることになる。

リリースされたのはiOS版およびAndroid版で、Android 4.0 Ice Cream Sandwichに対応したり、ビデオの傾きを修正したりする機能が追加された。しかし多くの人の興味をひいたのは、やはりビデオアップロード機能だろう。競合サービスを展開しているVineでは一部ブランドなどに編集ビデオのアップロードを許可してはいるようだが、一般利用者はVineを使ってビデオを作成する必要がある。

アップロード機能の提供により、Instagram Videoには面白みだけではなく、完成度が求められるようになるかもしれない。これまではInstagramでもVineでも、さまざまな編集技法を駆使した思い通りの作品をアップロードするということはできなかった。しかしこれからは、秒数さえ15秒以下であるならば、思う存分に編集作業を加えたものを投稿できるようになる。過去の作品から良いところを抜き出すというのもありだろうし、またプロモーションビデオのようなものを作ることもできるだろうし、またYouTubeビデオのリミックスなども作成できる。

また、編集作品をアップロードできるようになったことで、ブランドの参入も増加していくだろう。多くの場合、手をあまりかけていないチープな感じのするビデオで、ブランド紹介をすることは忌避される傾向にあるからだ。これからはInstagram用のブランドビデオでも大手エージェンシーに作成を依頼するようなこともできる。15秒という時間は、短いテレビコマーシャルと同じ時間であり、双方で流用するような動きも生まれるかもしれない。つまりInstagramやFacebookの広告プログラムを利用せずとも、Instagram上でテレビCMを流したりもできるわけだ。

広告はともかく、Instagram上で美しいビデオ作品を見ることができるようになるのだろうか。それは間違いなかろう。それは良いことかもしれないが、そうした「高品質」ビデオが増える中で、アマチュアは従来のような「素人ビデオ」の投稿を続けるだろうか。投稿をやめてしまう人も出てくるかもしれない。

Instagramはもともと「簡単さ」(simplicity)を強調してサービスの提供を行なってきた。しかし決して「シンプル」ではない各種編集作業を受け入れることにより、築き上げてきたコミュニティを2つに割ってしまうことになり、そして素人衆をVine世界に追いやってしまうという危険性もあるかもしれない。

[Image Credit: AP Photo/Marcio Jose Sanchez]

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(翻訳:Maeda, H)


ビジネスインフラになったYouTube–グルメ専門でメジャーを目指すTastemade

YouTubeのインフラ化、その上の多様なビデオネットワーク(YouTube networks, YouTubeネットワーク)の成長とともに、そこにはさまざまな才能が集まるようになり、また特定分野に絞ったネットワークも数多く登場している。中でもカリフォルニア州サンタモニカのTastemade は、わずか数年で、グルメのための次世代ビデオネットワークとしてトップの座に登りつめた。

本誌は最近、ロサンゼルスのデジタルビデオ企業めぐり を取材企画として行ったが、その一環としてTastemadeを訪問した。本誌は同社を、インターネットビデオの“ニューウェーブ”と位置づけた。Machinimaと同様、Tastemadeも視聴者層を特定している…同社は、グルメのためのライフスタイルネットワークを自称し、ファンの多い料理人や料理愛好家をタレントとして数多く集めている。同社の番組は‘封切’がスケジュール化され、同社の特別スタジオで制作される。

そのスタジオは昔のMTVのスタジオを改造したもので、協同ファウンダのSteven Kyddによると、5つの撮影用セットを新たに作った。たとえば’Brooklyn Kitchen’セット(実際にぼくが過去にブルックリンで見た大きなキッチンの5倍はある)、料理学校セット、おしゃれなカクテルバーセット、などだ。また防音壁で囲った準備用キッチンがあり、そこでシェフたちが下ごしらえをする。

このスタジオでは、オンデマンドで見られる料理番組を制作するだけでなく、さまざまな料理イベントの開催と撮影も行う。たとえばライブの特集番組”Japan week“では、日本料理の料理人複数がコラボレーションして料理する様子を撮影した。

なぜ、グルメを選んだのか? Tastemadeの二人のファウンダはどちらもDemand Mediaの元役員だが、新たなニューメディア企業の創設にあたって、二人の大好きな“食べること”をテーマに選んだ。しかも、食は、収益化の機会がそこら中に転がっている。そして彼らは、ニッチ対象ではなく広い視聴者層を対象とするメジャーなメディアを志向した。それはちょうど数十年前に登場したケーブル企業が、その後メジャーにのし上がったように…そんな成長路線を彼らはイメージした。

“今のケーブル大手は今から25年前には生まれたてのひよっこ企業だった。当時と同じような機会が、今日のデジタルのプラットホームには存在する”、とKyddは考えている。

上のビデオを見ると、Tastemadeのやり方がよく分かる。本誌の、「YouTube経済」特集のそのほかの記事も、ぜひご覧いただきたい。毎週月曜日と火曜日にビデオ付きの記事を載せていく予定だが、以下は、過去記事の一覧だ:

〔仮訳: デジタルビデオが作るニューハリウッド/ゲーマーのためのビデオネットワークMachinima/ビデオクリエイターにプロのツールを与えるFullscreen/(この記事)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


居間の大画面に動画をストリーミングできるGoogle Chromecast―試用してみたが、圧倒的にオススメだ

「十分に進歩したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの名言を思い出した。

GoogleのChromecastの使い方はこの上なんく簡単だ。テレビのHDMI端子に挿しこむだけでよい。すると手持ちの各種スマートフォン、タブレット、パソコンからビデオや音楽をストリーミング再生できる。Chromecastには専用リモコンはない。何であれストリーミングできるデバイスならすべてリモコンとしても利用できる。Chromecastには独自のユーザー・インタフェースさえない。ユーザー・インタフェースもストリーミングを開始したデバイスに任されている。ChromecastはテレビをWiFi経由でクラウドのコンテンツに接続させるポータルに過ぎない。

驚きが詰まった小さなデバイス:

これほどいろいろな意味で驚かされたデバイスは最近記憶にない。

値段が驚きだ。わずか35ドルである。冗談だろう? Googleによれば、これでも赤字販売ではないという。 WiFiチップ、CPU、2GBのフラッシュメモリ、RAM、HDMIライセンス料、組立て、包装、送料等々を支払ってもまだ利益が出るのだそうだ。もちろん利益といっての4セントかそこらだろうが、ともかく35ドルでも赤字ではないそうだ。

設定? HDMI端子に挿す。あとはパソコン、スマートフォンのChromecastアプリからWiFiに接続させるだけ。 以上で終了。これも驚きのシンプルさだ。

アプリがサポートするコンテンツの幅も驚くほど広い。YouTubeやNetflixがすでにサポートされている。しかもいちいち個別のアプリを起動したり、設定したりする必要がない。スマートフォンでYouTubeを訪問するとすでにChromecastボタンが表示されているので、押すだけだ。

Chromecastの発表自体、なかなか驚きの演出だった。Googleは発表のまさにその瞬間までほぼ完全にChromecastの秘密を守ることに成功した。Googleの開発チームに加えてNetflix、Pandora、OEMメーカーなど数多くのサードパーティが加わっているのに見事な情報管理だ。

もちろんChromecastはまだ完全な製品ではない。しかしほとんどは容易に修正可能だろう。それに35ドルでは機能に多少の限定があっても強い批判の対象にはなるまい。

良い点、悪い点:

ストリーミングの画質は良い。少なくともXbox 360やApple TVに劣ることはない。Chromecastに最適化されているNetflix、Youtube、GooglePlayのコンテンツについては非常に良い。再生、停止などはストリーミングを開始したデバイスだけでなくChromecastアプリをインストールしたあらゆるデバイスから自由にできる。

ただし、パソコンのChromeブラウザにChromecastエクステンションをインストールしてHuluやHBOGOのようなChromecastに最適化されていないチャンネルを再生すると画質はかなり落ちる。これはYoutubeなどの場合、サイト側でChromecast向けに直接ストリーミングを行うのに対して、Huluなどの場合、パソコンでChromecast向けにエンコードし直してストリーミングを行わねばならないためだ。パソコンが間に入るため、その能力によって画質に大きな差が出ることなる。

Chromeエクステンションの話が出たついでに紹介しておくと、 パソコンにローカルに保存されたコンテンツをこのエクステンションを通じてChromecastにストリーミングすることもできる。AVI、MOV、MKVなどのフォーマットを試してみたがうまくいった(ただし2012年のMac Book Airと802.11nではかなりフレームレートが落ちた)。

さらに改善されるはず:

AppleTV、正確にいえばAppleTVのAirPlayストリーミング機能と比較してChromecastの最大のセールスポイントはクロスプラットフォームの互換性だ。AirPlayが基本的にiOS、Mac、WindowsのiTunesに限定されるのに対してChromecastアプリはiOS、Android、Mac、Windowsのすべてで作動する。いまのところChromecastのCastプロトコルはAirPlayほどサードパーティのメーカーに広まっていない(なにしろ今登場したばかりだ)が、状況はすぐに変わるだろう。スマートテレビへの内蔵、スピーカーその他のガジェットのサポートなどが近く実現しそうだ。そうなればAirPlayの有力なライバルとなる。

結論:

これほど自信をもって推薦できるデバイスも珍しい。多少でも興味を持ったらともかく買ってみるようお勧めする。35ドル以上の価値があることは保証する。またその機能は近いうちに大きく改良、拡張されるはずだ。多少のバグもすぐに修正されるだろう。

[情報開示:GoogleはChomecastを1台評価用に貸してくれた。この記事を書き終わったら返却しなければならない。大いに気に入ったので私は1台注文ずみだ。]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ビデオ・コンシェルジュサービスの5by、スマートフォンおよびスマートTVにも対応を計画中

退屈で仕方がない中、何も生産的なことなどやる気にならず、何時間もYouTubeを見て過ごしてしまうという経験が、誰にでもあることと思う。但し、そうした中ですら不満を感じてしまう。即ち、そうした何もやる気がしないほど退屈した心をすら、楽しませてくれるビデオになかなか出会うことができないのだ。

こうした問題こそ、5byが対処しようと考えているものだ。モントリオールに拠点をおくこのサービスを立ち上げてCEO職に就いているのはGreg Isenbergだ。モバイル向け音楽推奨サービスにやや似たスタイルで、「キュレーション」を前面に押し出したウェブビデオサービスを提供しようとしている。

外見的に5byはビデオ版Songzaともいったようなサービスだ。その言葉の意味するところは試してみればすぐにわかることだろう。こうしたサービスの場合、たいていはサイトを訪問すると数多くのビデオが掲載されているものだ。しかしこの5byの場合は違う。まずはカテゴリのみが表示されているのだ。曰く「Blowing You Away」(びっくり)、「Killing Time」(ひまつぶし)といったたぐいのものだ。気になるカテゴリを選ぶと、さらに細かなジャンルを選ぶことができる(「Animals」や、個人的に最も気に入っている「Space」などといったジャンルが用意されている)。ここでジャンルを選べば、そこでビデオ(YouTubeないしVimeoのビデオが使われている)が表示されるという仕組みだ。

ビデオの上映が始まると、画面にはさまざまなリアクション用ボタンが表示される。笑ってしまった場合にはそうした場合用のボタンがある。気に入らなかった場合には、その旨を意思表示するボタンもある。もちろんいつでもビデオをスキップできるようにもなっている。こうした利用者からのリアクションは5by側で集約され、嗜好に関する情報は、好みのビデオを提供できるようにと活用される。

やり方としては非常にシンプルなもののように思えることだろう。Isenbergによると、これがとてもうまく機能しているのだとのことだ。彼は当初、他のメンバーとともに、今年3月に行われたLaunchカンファレンスにて「リーンスタートアップ」形式で本サービスを立ち上げた。そして数千の訪問者を獲得し、それぞれサイト上で12分程度の滞在時間を楽しんでもらうことに成功したそうだ。それからしばらくして、現在ではサイト滞在時間は19分程度に伸び、集めたビデオ本数も10万本を超えるのだとIsenbergは話している。

今のところ、コンテンツキュレーションはすべて5by内の少人数チームが担っている。もちろん、複数ソースから魅力的なビデオを選んでくるためのプログラムは利用している。ViceやEpic Mealなどの人気ビデオを集め、適切なカテゴリに分類して利用者に提供しているのだ。利用者の拡大に伴ってニーズも増え、キュレーションサービスを社内リソースのみで行うのは難しくなっていくのだろう。5byのマネタイズプランはStumbleUpon同様にCPVモデルによるところもある。しかしIsenbergによれば、キュレーターとしての存在感もまた、利用者からの人気を集めているものなのだそうだ。

ところで、楽しむためのビデオコンテンツと、そして広告ビデオとの境界が曖昧になってきているのも5byにとっては追い風となるのだろう。BuzzFeedを見てもわかるように、広告コンテンツであっても積極的にシェアしようとする人たちも多い。こうした動向の中、キュレーターとしても通常のコンテンツに加えて、ネイティブ広告を配信してビジネス化するチャンスが生まれているわけだ(5byは利用者の好みを把握しているので、この面からも効率的な配信が行えるかもしれない)。Isenbergによると、まずはPlayboyがネイティブ広告の配信元として提携に名乗りをあげているのだとのこと。

5byが今後考慮すべきは、PCを見ながらのビデオ体験の満足度についてだろう。PCを設置しているデスクの前でビデオを見ても楽しめないことが多い。すなわち5byはPCのみでなく、他の環境にもサービス展開を広げていくことが必要だ。Isenbergもこのことは認識しており、現在はiOSアプリケーションを開発中であるとのこと。モバイル環境では、他のことをしながら端末を操作するというようなことも多。そうしたことを視野に入れて、利用者の興味をいっそう掻き立てるように、カテゴリ分類に工夫を加えようともしているところなのだそうだ。

さらにIsenbergの話によれば、今後のスマートテレビ時代を見据えて、2つの有名番組制作社と提携に向けた話し合いが進んでいるのだとのこと。ネットワークに繋がったテレビでYouTubeを見ても、多くのコンテンツの中で迷い、面白いコンテンツを見逃してしまうのが一般的な話だ。そこに5byの参入余地があるのだとされているようだ。5byがサービスの提供を始めてから、まだ日が浅い。しかし筆者の例で言えば、ビデオを見ながら過ごしてしまう時間がますます増えてしまっている。それもこれも5byのせいなのだが、これでもしマルチプラットフォーム化などをしてしまえば、さらに大きな問題になってしまうに違いないと思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Amazonのクラウド・ドライブ・アプリがビデオのアップロードをサポート―Androidデバイスで再生もできる

モバイル・デバイスから写真をAmazonのクラウド・ストレージにアップロードするアプリ、Amazon Cloud Drive Photosが新たに動画もサポートした。ビデオはマニュアルでファイルごとにアップロードすることも可能だが、デバイスにオートセーブを設定すれば、自動的にアップロードが行われる。

写真の自動アップロードは今年初めのアップデートで可能になっていたが、ビデオのアップロードはマニュアルだろうと自動だろうとこれまでサポートされていなかった。Amazonによればアップロード/ダウンロード可能なビデオは1ファイル最大2GB、最長20分だという。

これはYouTubeのデフォールトの設定である15分よりやや長い(ただしYouTubeでもアカウント認証を受ければこれより長いビデオがアップロードできる)。いずれにせよ20分というのはペットや子供、パーティー、旅行記録などほとんどの個人ユーザーの目的には十分な長さだろう。

ひとたびファイルがAmazonのクラウドに保存されると、Kindle Fire HDを始めとしてAndroidデバイスで再生可能となる。Amazon’s Web Servicesブログによれば、ファイルの保存にあたってはAmazon’s Elastic Transcoderサービスが用いられ、20種類のファイル・フォーマットと40種類のビデオ・コーデックがサポートされる。Amazonは「あらゆるビデオをアップロード後15分以内にコード変換処理を終えるのが目標だったが、さいわい、多くのファイルはアップロード後、1、2分で再生できる」としている。

AmazonはAmazon Cloud Drive PhotosアプリのiOS版も提供しているが、今回ビデオのアップロード機能がサポートされたのはAndroid版だけだ。AmazonのKindleタブレットがAndroidベースであるし、Androidアプリの方がいち早く2012年11月にローンチされていることから考えてもこれは順当だろう。

iOS版はやっと今年の5月に登場した。手頃な利用料金でAppleのiCloud同期サービスに対するライバルとなりつつある。5GBまで無料、 10ドル/年で20 GB、25ドル/年で50GB、等々で最大は500/年で1TBだ。ただしこうした大量nストレージ容量を提供しているのは、Amazon Cloud Storageが単に写真(と今回はビデオも加わったが)だけを対象としたサービスではないからだ。これはGoogleDriveや Dropboxのライバルであり、音楽やドキュメントなどを保存し、ユーザーはAmazon Cloud Playerを通じてストリーミング表示させることができる。

つまり今まもユーザーはAmazon Cloud Storageにビデオをアップロードすることはできた。ただCloud Drive Photosアプリからのアップロードが初めて可能になったわけだ。

Cloud DriveアプリはGoogle PlayとAmazon Appstoreですでに公開されている

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+