スバル「アイサイト」のカメラ発明者が率いるITD、資金調達で開発環境を強化

自動運転車などに用いるステレオカメラを開発するITD lab(以下、ITD)は2月5日、電子部品の専門商社である富士エレクトロニクスを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額は非公開であるものの、2018年6月に発表した前回ラウンド(4.8億円調達)と合わせて6億3000億円を調達したということなので、今回のラウンドでの調達額は1億5000万円ほどと推測される。

ITDが手がけるのは、「小型軽量」「低消費電力」「高速応答性」などの特徴をもつ「ステレオカメラ」と呼ばれる製品だ。2つのイメージセンサーから得られる視差を使って物体までの距離を計算する。自動車、ドローン、建機、ロボットなどに取り付けることで衝突防止をしたり、自動運転を実現したりなどの用途に用いられる。

自動運転車に取り付けるデバイスには、ステレオカメラの他にも「LiDAR」や「単眼カメラシステム」などがあるが、ステレオカメラはLiDARに比べてコストが抑えられてかつ応答速度が早く、単眼カメラとは違って学習モデルにない物体でも距離計算ができるというメリットがある。

ITDの代表取締役会長CTOを務めるのは実吉敬二氏。彼は、元東工大の准教授であり、スバルの運転支援システム「アイサイト」に採用されたステレオカメラの発明者でもある。実吉氏は1998年にスバルを退社した後、東工大へ。それから約20年に渡ってスバルとは独立してステレオカメラ技術の研究開発に従事。この研究を引き継ぐ形で2016年5月に創業されたのがITD Labだ。

ITDのステレオカメラのアルゴリズムは、アイサイトのステレオカメラと同様に「SAD(Sum of Absolute Difference)」方式を採用。一方で、現在商品化されているステレオカメラの多くは「SGM(Semi Global Matching)」方式を採用している。SAD方式はSGM方式に比べ、アルゴリズムの簡素化によってシステムコストや消費電力を大幅に抑えられる、視差画像の中に映る物体の輪郭がよりハッキリと表現されるなどのアドバンテージがあるという。コストや消費電力を抑えながら毎秒60〜160フレームの超高速処理を実現可能だ。

また、ITDのステレオカメラにはアイサイトでも実現できていない「リアルタイム自動調整機能」が搭載されており、例えば温度変化や衝撃などでカメラ本体の組み立て精度が変動してしまっても、システムが自動的に視差画像を調整・補正するそうだ。

ITDはプレスリリースのなかで、「(ITD製のステレオカメラは)毎秒60〜160フレームの超高速で物体の輪郭と距離情報を極めて正確に確定するため、自動運転車の “眼” の役割を担う事ができる。ディープラーニングのAIと組み合わせる事で真の意味 (レベル4、レベル5) の自動運転システムを構築する事ができる」とコメントしている。

ITDは今回調達した資金を利用して、人材の確保、研究環境の整備、外部開発会社を巻き込んだ大規模開発などを進める。

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Google、Chrome OSのインスタントテザリングの対象機種を拡大

GoogleのChrome OSは、インスタントテザリングと呼ばれる自動化プロセスをかなり以前から提供してきたが、これまではGoogle社製のChromebookとNexus 6以降のスマートフォンでしか利用できなかった。Googleは、Chrome OS flagのオプション下での数週間のテストを経て、このほど広範囲にわたるデバイスにも同機能を提供することになった。これでインスタントテザリングは、Chromebook 15機種とスマートフォン 30機種以上で新たに使えるようになった。

インスタント・テザリングが提供する機能は単純明快だ。スマートフォンでホットスポット機能を有効にしてからパソコンを手動でそのホットスポットに接続する(そして終わったときにオフにするのを忘れないように気をつける)代わりに、この機能を一度設定しておくと、ChromebookがWi-Fiネットワークとつながっていない時は、ワンクリックでスマートフォンとつなぐことができる。さらに、使っていない時間が10分を超えるとスマートフォンのホットスポット機能は自動的に切れる。

もちろんテザリングは、携帯電話料金の月間データプランの割当に数えられ、ほとんどの「無制限」プランでさえテザリングで利用できるギガバイト数には上限があるので、この機能を有効にするときには心に留めておく必要がある。

新規に対象となったデバイスの完全リストを以下に貼った。現在広く使われているAndroid携帯とChromebookの多くが含まれている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「CREW」が与論島で自家用車ライドシェア実現

MaaSプラットフォーム「CREW」を提供するAzitは2月1日、ヨロン島観光協会と南陸運と共同で、鹿児島県与論島で自家用車によるライドシェアサービスを提供することを発表した。

自家用車もタクシーも1つのアプリで呼べるように

現在国内では、自家用車を使った営業目的のライドシェアでは法律で禁じられているが、CREWでは利用者が実費(ガソリン代)とシステム利用料、そして任意で謝礼を支払うというかたちで法律に抵触しないサービスを提供。謝礼が「任意」というところがミソ。相互評価システムも搭載しており、ドライバー、ユーザーとも相手を選べるのも安心だ。

与論島では、2018年に訪れた観光客が7万3204名となり、3年前の5万5464人に比べて約30%増加。一方で公共交通機関は、バス1路線とタクシー8台のみで、観光客の移動需要を満たすことが難しいという問題に直面していた。Azitでは、2018年8月に1カ月間、与論島で公共交通機関の不足を解決するための実証実験を実施し、結果として総ライド実績は約130キロになったという。ドライバー、ライダー双方からの評価も高かったことから、ヨロン島観光協会、そして地元でバスやタクシーの事業を手がける南陸運と組んでサービスを提供することになった。

Azitでは今後、交通手段が限られている地域向けの特例である、道路運送法の自家用有償旅客運送を活用したライドシェアサービスを広げていく意向だ。自家用有償旅客運送とは、個人が自家用車での営業運転を可能にする法律。さらにCREWアプリでは、4月以降をメドにアプリ内で地域のタクシーも配車できるように開発を進めている。近い将来、タクシーと自家用車を1つのアプリで配車が可能になることを目指す。

なお、今回の取り組みの運営主体はヨロン島観光協会となり、実施時期は2019年4月以降を予定。実施時間帯は現在のところ未定で、ヨロン島観光協会、タクシー事業者と役割分担の方法について調整するとのこと。

TeslaのModel Y、2020年までに量産開始

TeslaのCEO、Elon Muskが2015年から折に触れて言及してきた同社のSUVタイプの電気自動車Model Yは、2020年末までに量産が始まる見込みだ。同社が水曜日、株主への文書で明らかにした。

TeslaはまだModel Yのプロトタイプを披露していないが、今年Model Yの機械J設備の設置を開始する予定だ。他のモデルと異なり、Model Yはおそらくネバダ州にあるTeslaの大工場“ギガファクトリー”で生産される、とMuskは投資家向けの収支報告で述べた。

MuskはModel Yについて強気の姿勢で、販売台数は新Model 3を上回る、と予想している。

Teslaはまた、Model Y生産ラインのコストは、カリフォルニア・フリーモントにあるModel 3の生産ラインのものよりずいぶん低くなると見込んでいる。というのも、Model YはModel 3と同じプラットフォームで作られ、部品の75%は同じものだからだ。

そして、Model Yの生産スピードは早いだろう、ともTeslaは予言している。

ギガファクトリーでのModel Y生産は、Teslaの執行リスクと、ネバダからModel 3が組み立てられているカリフォルニアへとパーツを移送するコストを低減させる、とMuskは話した。

「今年はTeslaにとって間違いなくエキサイティングな年になる」とTeslaは投資家への文書で述べている。「Model 3はグローバルな商品となり、持続的に収益が上がるようになり、上海に新たに設置するギガファクトリーで車の生産が始まる。そしてModel Y生産設備の準備を開始する」。

イメージクレジット: Tesla

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置き配バッグ「OKIPPA」の累計販売数が6000個を突破、都内1000世帯の実証実験も

Yper(イーパー)は1月31日、同社が開発した置き配バッグ「OKIPPA」(オキッパ)の累計販売数が6000個を突破したことを発表した。2018年9月下旬の発売開始から約4カ月での達成だ。同社は、TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルのファイナリスト。

OKIPPAはその名のとおり、宅配された荷物を施錠可能な専用の袋「OKIPPA」に入れて置きっぱなしにすることで、再配達問題を解決するサービス。盗難が心配な場合は、プレミアムプランに入会すれば置き配保険(盗難保険)をかけられる。とはいえ、現在のところ置き配保険の適用実績はないとのこと。

専用アプリではGmailやHotmailと連携することで、Amazon、ZOZOTOWN、ユニクロ、メガネスーパー、FABIA、ヨドバシ.comなどの通販サイトから発送されてくる荷物の追跡や再配達の依頼がアプリ上で可能だ。ヨドバシ.comについては1月30日にリリースした最新バージョンからの対応となる。

同社によると、OKIPPAの利用者は47都道府県すべてにいるとのこと。同社が設置先2000件を対象にした調査では、オートロックなしの集合住宅が52%、戸建が約46%という割合で利用されていることがわかったそうだ。宅配ボックスのないマンションやアパートでの需要が高いと考えられる。数はまだ少ないが、マンションの管理組合の合意を得てエントランスがオートロックのマンションの設置も進んでいる。

なお同社は2月5日に、日本郵便と組んで実施した東京都杉並区の1000世帯を対象にした1カ月の実証実験の結果を「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2018」のDemo Dayで発表する予定だ。

BMW、ポルシェ、ジャガーが路上支援サービスのUrgentlyに出資

車の故障時に牽引サービスなどを提供する路上支援サービスのスタートアップUrgentlyは、シリーズBラウンドで2100万ドルを調達した。ラウンドにはBMW、Porsche、Jaguar Land Roverらのベンチャー部門も参加した。

BMWは自社の路上支援プラットフォーム(BMW Assist)のベンダー・パートナーとしてもUrgentlyと契約し、米国内BMWの4ブランド、BMW、BMW Motorrad、MINI、およびRolls-Royce Motor Carsすべてのオーナーに路上支援および拡大移動サービスを提供する。

Urgentlyは、Chris Spanos、Surendra Goel、Luke Katholの3人が設立した会社で、AAAなどのオートクラブと異なり年間メンバーシップ料金を取らない。しくみは、UberやLyftとよく似ている。ユーザーがバッテリー接続や牽引、タイヤ交換などの支援をアプリ経由で要請すると、近くのサービス提供者につながる。その時点でユーザーには牽引そのたのサービス料金が提示される。支払いもアプリ内で処理される。

Urgentlyの可能性は、従来の自動車オーナーをつなぐことだけにとどまらない。プラットフォームはスケーラブルなので多数の車両を抱える企業にとっても魅力的だ。さらには電気自動車が増えるにつれ、路上充電など、支援サービスの新たな需要がでてくる可能性もある。

「従来型の路上支援サービスはデジタルな近代的アプローチに取って代わられるべきだ」とBMW i Venturesのパートナー、Kasper Sageは言った。Urgentlyは世界中のOEMが自社顧客にリアルタイムでつながったデジタル体験を提供することを可能にする。いまや、食料配達から乗り合いまであらゆるサービスが期待されている。

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Lightning Motorcycles、140万円の電動オートバイの予約受付開始

近日発売予定のLightning Motorcyclesの電動バイク、Strikeは、一部の人たちにとってヘッドライトとわずかなティーザー画像だけでは不足だったようだ。同社は顧客からの予想を超える反響に答え、米国顧客向けに予約受け付けを開始した。

実際のStrikeがどんなものかを見るには、3月まで待たなくてはならない。予約顧客向けにさえ事前公開はない。

Strikeの予約には2種類ある。カーボンエディションとスタンダードエディションだ。スタンダードエディションの価格は1万2998ドルからで、予約には500ドルの手付金が必要。

Strikeカーボンエディションが欲しい人は手付金1万ドルが必要だ

スーパーバイクLS-218で知られているLightning Motorcylesによると、電動バイクStrikeは1回の充電で150マイル(240 km)走行可能で最高速度は240 km/h。バッテリーはDC高速チャージャーを使って35分で充電できる

Lightning Motorcyclesのほか数社が量産電動オートバイの販売計画を発表している。

4年前に最初のコンセプト電動オートバイを披露したHarley-Davidsonは、量産電動オートバイLiveWireをこの夏に発売する予定だ。LiveWireはHarley-Davidson初の電動オートバイになる。Lightning Motorcylesが市場に出そうとしている製品と比べてLiveWireは価格が2倍以上だ。

バッテリー駆動のLiveWireは0~60 mph加速をわずか3秒弱でこなし、1回の充電で110マイル(176 km)走ることができる。基本モデルの希望小売価格は2万9799ドル。

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Apple、自動運転車部門の200人を配置転換

通称“プロジェクト・タイタン”と呼ばれる、Appleの自動運転車をつくるという密やかな取り組みは今年試練の時をむかえた。Appleはこの部門に従事していた従業員200人を配置転換した。

情報筋の話を引用しているCNBCの報道によると、200人規模のスタッフはApple内の別のプロジェクトに移され、一方で規模は不明だが他の部門のスタッフも同じタイミングで配置転換された。Appleはこの報道に素早く反応し、そこには自動運転分野で“野心”を抱えているというまれな言及とともに、報道内容を認めた。

「我々は、自動運転システムに取り組む非常に才能のあるスタッフを抱えている。チームは2019年のいくつかの鍵となるエリアに専念しているが、一部のグループは社内の他の部門のプロジェクトに異動してもらう。異動先では機械学習や、Apple内でも進取性のあることをサポートする。我々は自動運転システムには大きなチャンスがあると引き続き確信している。そして、そこに貢献できるだけの能力をAppleは持っている。と同時に、これはこれまでで最も野心的な機械学習プロジェクトでもある」と広報は語った。

TechCrunchはさらなるコメントをAppleに求めているが、この記事執筆時点で返事はない。

プロジェクト・タイタンはAppleベテランのBob Mansfield、そしてTeslaを辞めて10月に再びAppleに戻ってきた元Macハードウェアエンジニアリング担当副社長Doug Fieldが率いる新体制となり、スタッフ削減と再編は近いと予想されていた、とCNBCは報じた。

それでも、このプロジェクトについては多くが伏せられている。車両のルーフに変わったテック機材を載せているところ(ここには一連のセンサーや自動ハードウェアも含まれる)など予告のようなものはあり、Appleは昨年1月に車両台数を倍増させた、とされていた。CEOのTIm Cookは以前、Appleの車開発を“全てのAIプロジェクトの母”と呼んでいた。それから推測するに、ミステリーではあるものの、確かにAppleがかなり注力していたのは確かだろう。

Appleがプロジェクトを再編するのはこれが初めてではない。2016年には自前の車を開発するという大胆な目標を断念し、車をスマートにすることを選択した、と言われている。Fieldをプロジェクトの責任者として任命し、再編した今後、戦略がどうなるかは不透明だ。

イメージクレジット: Anthony Kwan/Bloomberg / Getty Images (Image has been modified)

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Waymo、自動運転車の工場をミシガンに計画

WaymoとMagnaは、何千台もの自動運転車をミシガン南東部の工場で製造する計画だ。ここには電気自動車のJaguar I-PACEとChrysler Pacifica Hybridミニバンの自動運転バージョンも含まれる。

Googleの自動運転プロジェクトが前身で、Alphabet傘下での事業展開のためにスピンアウトしたWaymoは火曜日、Michigan Economic Development Corporation(MEDC)が、自動運転車の製造施設をミシガンに構えるというWaymoの計画を承認したと発表した。MEDCはこのプロジェクトのための予算800万ドルを承認した。

今回の発表は、Waymoが商業運用を拡大する準備を進めている、という最新のサインだ。12月、WaymoはフェニックスエリアでWaymo Oneという名称の商業ロボタクシーサービスを制限付きで開始した。

Waymo One自動運転車サービスではまだWaymoの訓練されたドライバーが乗り込んでいる。セーフティードライバーはいずれいなくなり、2019年を通して徐々に多くの人がこのサービスを利用できるようになる。

Waymoの行動は素早い。目標は、2019年半ばまでに新施設に移り、レベル4の自動運転車を製造するために施設の準備を開始する。レベル4というのは米国自動車技術会SAEが定めた基準で、特定の状況で車が運転を操作するというものだ。

施設の場所はミシガン南東になる、ということしか決められていない。おそらく、新設ではなく既存の施設となる可能性が高い。Waymoによると、工場では400人を新たに雇用する。

Waymoは、Fiat Chrysler、そしてJaguar Land Roverとサプライヤー提携を結んでいる。昨年Waymoは、無人配車サービス事業開始後の2年間に最大2万台もの改造I-Pace車両を投入する、と発表した。Waymoはまた、Fiat Chryslerとも最大6万2000台の改造ミニバンの契約を結んでいる。

Waymoはハードウェアとソフトウェアを製造し、それらを車両に統合するという作業を自動車メーカーとともにミシガン・ノバイの工場で行う。MagnaはオーストリアのグラーツでJaguar I-PACEを製造している会社だが、そのMagnaとの提携を通じて製造と統合の作業は専用の施設で行うことになる。

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衛星通信技術の再構築を目指すUbiquitilinkは地上技術(端末技術)に着目

地球世界に高速インターネットをもたらす軌道ネットワークの建設にますます多くの企業が競うように参入しているため、通信衛星の数は年々倍増している。しかし、宇宙旅行会社Nanoracksを創始したCharles Millerが率いるUbiquitilinkは、別の道を行こうとしている。通信衛星技術全体の中の、地上部分に彼は着目したのだ。

Millerの直観を、多くの投資家と通信大手企業が支持し、投資も行っている。彼によると、今の通信衛星の世界で人びとは、正しい問題ではなく間違った問題を解こうと競っている。人工衛星のコストをいくら下げても、彼らが望む革命は訪れない。むしろ、彼の考えでは、この業界の前途は“ユーザー端末”を完全に作り変えることにある。今、地上局と巨大アンテナに支配されているその部分を。

彼は言う: “世界のデジタル格差を解消するために千の衛星と億のユーザー端末を作らなければならないとしたら、コスト最適化の効果が高いのはどっちだ?”。

もちろん、衛星の低価格化も決して無意味ではないが、彼には一理ある。衛星ネットワークがこの惑星のほぼ全域をカバーしたとき、それにアクセスするデバイスが一台何千ドルもしたり、一部の国などの補助でできた高度なハブの近くになければならないとしたら、どうなるのか? 格差は解消しない。

この惑星上には今、何十億もの携帯電話がある、と彼は指摘する。しかしモバイルのインターネット接続を享受できているのは、その10%にすぎない。でも数億単位の信号の届かない人たちにサービスを提供するのは、簡単だ。そのために、タワーを増設する必要もない。もしそれがビジネスとして有効な解なら、通信企業はとっくにやっていただろう。

むしろMillerの計画は、電話機に新しいハードウェアとソフトウェアの組み合わせを装備して、“圏外”にさまよい出たときにも、もっとも基本的な通信機能を確保できるようにすることだ。彼によると、それは一人あたり5ドル足らずでできる。

彼はその技術の詳細を明かそうとしないが、でもベーパーウェアのたぐいではなさそうだ。Millerと彼のチームは宇宙と通信技術のベテランたちだ。それに、ベーパーウェアをテストするために衛星を打ち上げる人はいない。

Ubiquitilinkはすでにプロトタイプがあり、その試験運用が来月始まるし、あと二基の衛星打ち上げも予定している。Millerによると、地上テストはすでに成功しており、本格的な事業としての関心を集めている。

“数年間ステルスでやってきたが、その間に22社のパートナーと契約した。うち20社は数十億ドル規模の企業だ”、と彼は語り、20社の多くは通信企業だ、と言う。社名は挙げない。同社はまた、試験に関して、アメリカも含む5か国の政府の認可を得ている。

最初はMillerの自己資金で始まった企業だが、すぐにBlazar Venturesがリードするプレシードラウンドを調達した。通信インフラストラクチャのNeustarからの間接的投資もあった。その後のシードラウンドはUnshackled Venturesがリードし、RRE VenturesとRise of the Rest、そしてOne Way Venturesが参加した。これで同社の総調達額は650万ドルになり、衛星打ち上げとシステムの試験をまかなえる。そのころには彼らも、技術の詳細をもっと明かすことができるだろう。

“Ubiquitilinkは通信技術における最大の機会を具現している”、とUnshackledの創設者パートナーManan Mehtaは語る。彼の言葉によると同社のチームは、“熱狂的に集中している”そうだ。

創業3年にして衛星通信技術をその根本から作り変える、と称する彼らの技術は興味津々だ。当然ながら疑念も少々あるけど、でもMiller以下の人脈は本物だ。今後数か月の試験の過程で、より詳しいことが分かってくるだろう。

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Uber、電動自転車とスクーターにも自動運転を適用へ

Uberは自動運転技術を自転車とスクーターのシェア事業に統合しようとしている。詳細はほとんどわかっていないが、3D Robotics CEOのChris Andersonによると、Uberは週末行われたDIY Roboticsイベントでこのことを発表し、開発チームはUberで電動オートバイ/スクーターのシェアサービスを担当するJUMPグループに所属するという。

Micromobility Roboticsという新部門が研究するのは、電動自転車/スクーターが充電のために自走したり、利用者が必要な場所まで自動運転する技術だ。Telegraph誌によると、Uberはこのチームのためにすでに採用を始めている

「Uberの新しいMobilitiesチームは、当社が貸し出す電動スクーターと電動自転車の安全性、ライダー体験、および運用効率を、センサーやロボット技術の応用によって改善する方法を研究している」とUberのAdvanced Technologies Groupが求人用Googleフォームに書いた。

昨年12月、 Uberは自己診断機能や交換可能バッテリーを搭載した次世代JUMP電動自転車を披露した。

「これは、システム活用、オペレーティングシステム、実車時間など車両シェアの運用に不可欠な要素の大きな改善だ」とJUMPのプロダクト責任者NIck Foleyが先月本誌に語った。「バッテリーが交換できるということは、充電するために自転車やスクーターを持っていかなくてもよいことを意味している。これはビジネス的にも良いことだ」

自動運転自転車/スクーターはUberのMicromobilityシェアビジネスの人間による充電への依存を減らす。Uberがフル充電の電動自転車/スクーターを、バッテリー残量の少ない車の多い地域に配車するところが想像できるだろう。交換可能バッテリーと合わせて(車両が車庫に戻ってきたらすぐにバッテリーを交換して再度配車できる)、Uberは整備された利用可能台数を増やすとともに、ライダー体験全体を改善することができる。

Uberはコメントを拒んだ。

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2019年CES最優秀賞を車載VRのHolorideにあげたい…楽しいデモだったから

大量のデモと発表と超長距離のウォーキングの日々が終わった今、自信を持って申し上げたいのは、今年のCESのベストはHolorideである!ということだ。もちろん、あくまでも個人的な評価だが、今年のCESで見たものの中ではHolorideが最高だ。

今年のCESは、全体的に良かったんじゃないかな。メインテーマはスマートフォンまわりのネットサービスだ。今やものすごく多様なデバイスがAmazonやGoogle、Appleなどのサービスをサポートしている。CES 2019でその次に目立ったのが、新しいチップセットと自動運転プラットホームだ。でもいちばん印象的だったのは、Audiが産んだスタートアップHolorideだ。このドイツの自動車メーカーは、VRを全車に載せてエンターテインメントを提供し、乗り物酔いを防ごうとしている。

Iron Manが助けを求めている、とRocketが言った。そこで、その宇宙の戦闘に加わってThanosの悪者たちをやっつける。そのとき、頭にはOculusを着けていて、体は宇宙空間の中で銃を構え、H難度のアップ&ダウンを体験している。まるでディズニーワールドの遊具の世界だし、たしかにそのコンテンツにはディズニーも協力している。でも、実際にいた場所はラスベガスで、AudiのSUVの後部座席に乗って時速145キロでトラックを走っていたのだ。


トラックを2周したが、H難度のVR体験にもかかわらず、全然酔わなかった。車の外に出ても、ふらつかない。ただし、車の中でスマホを使ったりしないタイプだけど。

Holorideの真価は、VRコンテンツと自動車の動きとの同期にある。車が動くと、同じ方向へコンテンツも動く。そのために、車酔いがなくなるのだ。…と、思う。

AudiはVRを全車に載せるつもりで、この小さなスタートアップを創った。そのファウンダーたちはすでに過去数年間、車載VRの研究開発をやっている。社名はAudi Electronics Ventureで、Audiの子会社だ。その技術のライセンスをAudiがHolorideに提供し、スタートアップはオープンなプラットホームから多くの自動車メーカーやコンテンツデベロッパーにライセンスを提供していく。

VRのデモは、これまでにたくさん体験したけど、今回はとっても良かった。車載、という形にも無理がない。エンターテインメントを提供するだけでなく、酔いを防ぐ。Uberの車や長距離バスが広告入りで採用するのは、時間の問題だろう。飛行機の中でもよいし、小さい子を乗せた長時間ドライブも、これで楽になるだろう。

Holorideは一種の賭だから、コンテンツやそのデリバリー、他との互換性など、問題はまだ山積みだ。離陸するためには、デベロッパーと自動車メーカーと消費者を巻き込んだエコシステムを作る必要がある。すばらしいユーザー体験は、頑張れば作れる。しかしそれを売るのは、また別のスキルだ。

関連記事: 時速145キロの車の中でVRを使っても気持ち悪くならなかった!

関連記事: Audi spins out Holoride to put VR in every car…Audiは全車にVRを載せる気だ…(未訳)

CES 2019 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

世界初の1テラバイトSDXCカード、Lexarから発売

スーパースローモーションの8Kビデオをしょっちゅう撮ってるって? パソコン全体のデータを財布の中にバックアップしたいって? そういう人にはちっぽけな512 GB SDカードは用をなさないだろう。幸運にもLexarが1 テラバイトのカードを作った。たったの500ドル!

テラバイトカードは何年も前から約束されていた——SanDiskは出すと言っていたが、実現していない。Longsys(Lexarブランドを所有している)が先を越していますぐ買えることになった。いや、支払えるというべきか——出荷時期は明らかにされていない。面白いことにLexarブランドは消えかけていたが戻ってきた。このカード復活の理由だったに違いない。

容量以外に特筆すべきことはない。95 MB/sは普通のSDカードと変わらない。厳密にはSDXCだが、みんな単にSDと呼んでいる。

もちろんテラバイトカードはほとんどの人にとって実用的ではない。大方のフォトグラファーにとって、このカードをバックアップする前にいっぱいにすることは困難だし、推奨できない。もしカードが盗まれたり、壊れたり、故障したりしたら大量のデータ失うことになる。

仮に、やりたいとしても、カード全部を読み込むには3時間ほどかかる。これは理想的ではない。当社のビデオチームのメンバーにテラバイトカードを使いたいか聞いてみた。答えは「うーん、ない。絶対ない」。

ただ、カードスロットが2つあるカメラを使っているなら、こういうスーパー大容量カードと、もっと小さなカードを入れて頻繁にバックアップする方法はある。両方に同時書き込みしておけば、カメラ内バックアップになる。ただ、そうであっても1テラバイトはほとんどの人の必要量を超えている。

とはいえ、初めて1ギガバイトのカードが出てきたとき、みんな笑ったものだ——だれが〈そんな〉大容量を使うのか?

8Kビデオが、高解像度のためというより、トリミングや編集のために普及し、さまざまなメディアで高いフレームレートが要求されるようになると、実際テラバイトがすぐに消えてしまう。ときにはワンカットで。だから、あなたもも私もも必要ないとしても、テラバイトカードがニッチ市場を見つける可能性は高い。

ともあれ、まずは発売日を待とう。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Audi、Waymoらのメーカーが集結して自動運転の教義を広める

自動運転のエバンジェリストたちが集結した。

自動車メーカー、IT企業、その他自動運転車に深く関わる数多くの企業が同盟を結成し、最先端の自動車技術と自動運転車に関する言葉を広めようとしている。Audi、Aurora、Cruise、GM、Mobileye、Nvidia、Toyota、Waymo、Zooxらが参加している。彼らのメッセージはこうだ:このテクノロジーは交通を変革させ安全性と持続性を高める。

新しい同盟、Partners for Automated Vehicle Education(PAVE)は月曜日(米国時間1/7)にラスベガスのCES 2019で発表された。PAVEの目標は、一般市民や政策立案者に自動運転車の可能性を広く知らせることにある。

「一般市民や彼らの選んだ議員たちに、未来の道路を形作るために必要な知識を伝えることは不可欠だ」と米国国家運輸安全委員会のDeborah A.P. Hersman委員長が月曜日に語った。Hersmanは発言の中で、PAVEはロビー団体ではないことを強調した。

「重要なのはロビー活動ではない。教育だ」とHersmanは言った。「われわれは国民に利点と限界を理解してもらいたい」

HersmanはAudi of Americaと共にPAVEの初代共同代表を務める。自動車メーカー、IT企業の中で、Ford、Fiat Chrysler、およびAptiveは同盟の立ち上げに参加しなかった。新組織の活動が本格化すれば参加が増える可能性がある。

自動運転技術に関する業界主導の同盟、団体、ロビー団体は多数存在する。Automated Vehicle Coalitionのほか、Ford、Waymo、Lyft、Uber、Volvoが参加しているSelf-Driving Coalition for Safer Streetsなどがある。

PAVEは、運転者支援や自動運転技術を消費者や政策立案者に紹介するイベントを全米で開催すると言っている。連邦、州、および地方自治体の職員向けの教育ワークショップ、教材の開発や小売店やカスタマーサービス要因への配布も行う。

PAVEは一般消費者も教育したいと考えている。そのために、SAE Internationalと連携して体験ワークショップを後援し、進化する自動運転技術に触れる機会を与える計画だ。

スタンフォード大学のCenter for Automotive Researchなどの学術機関との提携による政策ワークショップも開催し、政策立案者に自動運転技術とその可能性を理解を深めてもらう。

「伝統的自動車メーカーや新規参入者たちは、自動運転車を可能にする技術に数十億ドルをつぎ込んできた」とAudi of Americaのプレジデント、Mark Del Rosso が言った。「PAVEは情報公開への投資の必要性を理解している——消費者と政策立案者に、何が真実で、何が可能で、何が噂や憶測であるかを間違いなく理解させる必要がある」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

車椅子型モビリティのWHILLが自動運転システムを発表、2020年に公道での実用化目指す

車椅子型のパーソナルモビリティ(個人向け移動デバイス)を開発するWHILLは1月7日、「WHILL自動運転システム」を発表した。同システムは2019年1月8日から米ラスベガスで開催される家電・エレクトロニクス技術の祭典「CES 2019」のAccessibilityカテゴリで、最優秀賞受賞が決まっている。

WHILL自動運転システムは、歩道領域のための自動運転・自動停止機能などを備えた独自の車椅子型モビリティ「WHILL自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するためのシステムとで構成される。

同システムのコンセプトは、空港や商業施設、観光地などでのシェアリングを想定し、誰でも簡単・安全に走行できること。また、少子高齢化による人手不足や長距離の歩行が困難な人の増加を念頭に、車椅子の運搬や回収・管理など、これまで人の手で行っていた作業を自動化することを目指したシステムとなっている。

自動車とは違い、歩道を移動するパーソナルモビリティを自動運転・自動停止するには、周囲の歩行者との距離の近さや、家具や柱などの障害物を想定し、周囲を全体的に把握する視野が必要だ。WHILL自動運転モデルでは、前方・側方監視のためのステレオカメラを左右のアームに搭載し、広い視野角度を確保。機体後方にもセンサーなどを搭載し、後退時に衝突が起きないように備える。

また、乗車しながら運転状況を確認できるタブレット端末や、空港などで使うためのスーツケース格納オプションなど、使用シーンに合わせたオプション、アプリケーションも開発される予定だ。

WHILL自動運転システムでは、地図情報と搭載センサー群からの情報を照らし合わせ、安全な自動走行を実現。乗り物などに移動した後は、乗り捨てたWHILLが自動で待機場所へ戻るように運用することも可能だ。通信回線も搭載されており、複数の機体の位置情報を一元管理することもできる。

WHILLではまず、オランダのスキポール空港、イギリスのヒースロー空港、アメリカのラガーディア空港などで、同システムの実用化に向けた協議を関係各社と進める。空港以外にも、スポーツ施設、商業施設、観光地などでの実用化を順次進めていく。

また施設以外でも、小田急グループほか3社とMaaS(Mobility as a Service)連携を開始したというWHILL。将来的には、全世界の歩道領域で公共交通機関のように利用されることを目指し、パートナー企業と協力しながら、2020年に公道での実用化を目指す。

WHILL代表取締役兼CEOの杉江理氏は、発表にあたり、下記の通りコメントしている。

「現状、電車やバス、タクシーなどの交通機関を降りた後、目的地までのわずかな距離を歩けない人々が、結果として外出をためらっている。今や世界中で多くの人々に『自分の足』として利用されているWHILLを、私たちは、個人へのプロダクト提供にとどまらず、誰もがインフラのように当たり前に使えるサービスとして構築したいと考えている。MaaS事業において、目的地までの数キロメートル、ラストワンマイルをつなぐ、だれもが安全に乗れるインフラは、まだ存在していない。WHILLはそこで、『最後の1ピース』としての役割を果たし、すべての人の移動をシームレスに繋ぎ、歩道領域の移動にイノベーションを起こす」

WHILLは、2018年9月の資金調達時にも、デバイスとしてのパーソナルモビリティから、移動をサービスとして展開するMaaS事業にも進出することを発表していた。今回のモデル、システム発表により、その実現が着々と進められていることが、より具体的になってきたと言えるだろう。

中国のアプリデベロッパーがインド市場に大進出、金も人も「地元主義」が成功の鍵に

中国を征服したら、次はインドだ。世界で人口が二番目に多いこの国が、次の寄港地であることは当然だから、消費者向けアプリの世界はまさしくインドブームになりつつある。

スマートフォン本体では中国のXiaomiとOppoがこのところインド市場を支配し、そしてそのタッチスクリーンのガラスの背後のコンテンツでも、中国勢がますます増えている。FactorDaily誌によると、インドのAndroidアプリの上位100のうち44が中国製で、それは昨年の18からの急上昇だ。インドの5億人と言われるインターネットユーザーのほとんどがAndroidのユーザーだから、メディアの記事がもっぱらAndroidにフォーカスするのも当然だ。

上位の中国製アプリとそのベンダーには、ByteDanceのような大物もいる。ここは評価額が世界最高のスタートアップで、大人気のTikTokや、インド語のニュースアプリHeloを提供している。そのほか、AlibabaのUCbrowserや、知名度はやや低いTencent傘下のNewsDog、目立たないけど稼いでいるストリーミングアプリBigoなどが顔を揃えている。

Sensor Towerのデータでは、Androidアプリのトップテンのうちの5つが中国製で、それは2017年末にはわずか2つだった。

近年のインドのテクノロジーシーンをウォッチしてきた者にとって、このようなアプリストアの中国ブームは意外ではないが、変化のスピードは予想外だ。

中国の二大企業AlibabaとTencentは、インドの有望なスタートアップへの投資を増やし、他の中国企業にとってもそれ(地元投資)が中国進出の標準形になりつつある。

Alibabaは2015年に、数億ドルを投資してSnapdealPaytmを買収し、その後は買収のペースをさらに上げている。2017年にTencentは、Gaana(音楽ストリーミング)とSwiggy(フードデリバリー)に大型投資をし、その前年にはByju’s(教育)とOla(ライドシェア)にも投資した。またAli–、Ten–の両社は昨年、インド国内用のクラウドコンピューティングサービスを立ち上げた。

またXiaomiも、スマートフォンを売るだけでなく地元企業を支援し、またその顧客のためのローカルサービスを開発している

このような、地元に根ざす主義のアプローチが、インドで成功するアプリメーカーに共通している。かつてTencentが保有する中国のメッセージングアプリWeChatは硬直的なやり方で失敗したが、対してByteDanceは、地元にチームを育てるだけでなく、インドだけ用の完全にローカルなアプリを作ることもある。今後の何億というインドの新しいインターネットユーザーは、いよいよますます田舎の人たちで、言語は各地固有の方言でばらばらだ、…だからローカルなコンテンツと音声対応の技術が成功の鍵になる。そういうローカル対応はスマートフォンメーカーが当然のように前からやってきたことだが、中国のアプリデベロッパーも、インド市場で一発屋で終わらないためには、その点を十分に意識する必要がある。

FactorDailyの記事はここで読める。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Porsche Taycanは最初の1年間の生産台数がすでに予約で売り切れ、多くがTeslaからの乗り換えだ

Porscheの初めての完全電動スポーツカーは、2019年のもっとも待ちに待たれた車になるのかもしれない。Teslaのオーナーですら、その虜(とりこ)なっている。

最近のCNETのインタビューでPorsche North Americaの社長でCEOのKlaus Zellmerは、すでに預託金を払っている予約購入者が全員実際に購入するとしたら、Taycanの最初の1年の生産量がそれだけで売り切れてしまう、と言っている。

そういう、初期の予約客って誰のことか? Zellmerによると、その半数以上は過去にも現在にもPorscheのオーナーではない/なかった人びとだ。もっと具体的に言うと、これらの潜在的顧客はTeslaから来ている。

CNETから引用しよう:

通常、他のブランドから来る人たちと言えば、それはAudiやBMW、Mercedesなどのブランドからだ。しかし今回のナンバーワンブランドは、Teslaだ。Teslaに関心を持つような人たちにとって、さらにもっと関心を持つ車があることは、たいへん興味深い。

Zellmerは、具体的な数字などを挙げなかった。何人の人が預託金を払ったのか、Taycanの1年間の生産台数は何台か。後者については、計画量2万台、という発表が前にあった。PorscheのCEO Oliver Blumeが11月にドイツの経済誌WirtschaftsWocheに語っているところによると、Taycanは需要が予想外に大きいので生産能力を増やすというが、やはり台数の言及はない。

Taycanは、2019年の年末に発売される。

画像クレジット: Porsche

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中国の若者全員をオタクにするAlibabaの奇策は胃と目のための格安合同会員制

最近の中国の人たちには、外出しない理由がたくさんある。忙しすぎて職場に缶詰めかもしれないし、大気汚染がいやだったり、孤立した生活が好きだったりする。それらの中で今とくに増えているのが、実体のある現実よりもビデオゲームやアニメ、漫画などの仮想世界にいることを好む若い消費者層だ。さらに重要なのは、オンラインショップやフードデリバリーなどのサービスで彼らの閉じこもり欲求に取り入ろうとする、数えきれないほど多くのスタートアップがいることだ。

中国の二つの大手インターネット企業が、このようなインドア人間たちをつかまえようとしている。先週フードデリバリーの大手Ele.meは、若者向けのエンターテインメントサイトBilibiliと組んで、短期で一度かぎりの合同会員制を作り、若い消費者たちをなお一層、出不精にしようとしている。

Ele.meは、中国語で“お腹(なか)すいてる?”という意味で、4月にeコマースの巨獣Alibabaに買収された。今年アメリカで上場したBilibiliは、最初アニメ専門のビデオストリーミングサービスだったが、今では若者文化の何でも屋になっている。アニメ、漫画、コスプレ、ビデオゲーム、そのほかのなんと呼んでいいのか分からないようなさまざまなニッチなどなど、何でも揃えている。

今回の両者のパートナーシップでユーザーには、アニメの無制限ストリーミングと超安値のフードデリバリーのセットが提供される。Bilibiliは最近ではコンテンツへの投資を増やしていて、中国最大のインターネット企業のひとつであるNeteaseの保有コミックのほとんどすべてを買い上げた。大好きな連続アニメを無限に見られて、しかも、お腹(なか)がゴロゴロ言っても家の外へ出なくてよい、これ以上の幸せがあろうか。健康的なライフスタイルではない、かもしれないけど。

このプロモーションでは12月23日から30日まで、月額25元(3.63ドル)で両社合同の会員になれる。通常、二社別々に会員登録したら、これよりも15元高くなる。この提携が合理的と言えるのは、客層がどちらもジェネレーションZ(Z世代)だからだ。QuestMobileのレポートによると、2017年にはBilibiliのユーザーの約82%が8歳から28歳までの層だ。そして中国では、ネットで出前を頼む人たちの60%以上が24歳以下だ

iiMediaによると、中国のフードデリバリー市場は2018年末で2430億元(350億ドル)に達する。フードデリバリーアプリのユーザーは3億5500万人と言われる。これは中国の人口の約40%に相当する。5年前には、ユーザー数1億強の市場、と言われていた。

このブームで、マーケットリーダーであるEle.meの正価も上がり、Alibabaが買収したときの同社評価額は95億ドルだった。そしてTencentが支援する同じくフードデリバリー大手Meituan Dianpingは9月に香港で、華々しいIPOを飾った。

AlibabaとBilibiliは両社の合同会員制のことを“Zhai E Kuai”と呼んでいる。これは“一緒にオタクになりましょう”、という意味で、オタクは元々日本語で“あなたの家”を意味する敬称だったが、のちに、何かに夢中で家に閉じこもっている人を指す現代的な俗語になった。Bilibiliの熱心なユーザーは、アニメやビデオゲームのオタクと呼ばれることが多いが、もちろんその全員が外の世界を避けているわけではない。

AlibabaはBilibili以外にもStarbucksと組んで、、両社のリワードシステムの統合を始めた。〔Starbucksの’Star’, 一種のポイント制〕

中国のテクノロジー大手でも、販売促進策としてAmazon Primeのような優待会員制がますます人気になりつつある。たとえば、Alibabaのポートフォリを企業を集めた88 Membershipは、eコマース(Tmall), 生鮮(Tmall), フードデリバリー(Ele.me), ビデオストリーミング(Youku), 音楽ストリーミング(Xiami), 映画チケット(Taopiaopiao)などなどをカバーしている。一方、TencentのモバイルプランKing Cardは、中国の通信大手とパートナーして、ソーシャルネットワークやビデオストリーミング、ゲームなどTencentのエコシステム内ではアプリのデータ利用を無制限としている。

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クラウド型タクシーコールセンターの電脳交通がJR西日本と連携

鉄道とタクシーのサービスを一本化、代行手配システムも

電脳交通は12月26日、JR西日本イノベーションズを引受先とする第三者割当増資により、資金調達を実施した。調達金額は非公開。今回の提携により、地方の中小タクシー会社と利用者とのマッチングを強化していくという。

電脳交通で代表取締役社長を務める近藤洋祐氏

電脳交通は、TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップでファイナリストに選ばれた企業で、タクシー会社の電話での配車サービスをクラウド化して業務効率を高めるサービスを提供している。2018年12月現在で、10都府県のタクシー事業者にサービスを展開。JR西日本イノベーションズは、JR西日本グループのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)だ。

具体的には、電脳交通が今後構築していく西日本各エリアでのタクシー事業者とのネットワーク、JR西日本の鉄道ネットワークを連携させていくことで、公共交通機関全体の利便性を向上させるのが狙い。鉄道駅から主要の観光地が離れているエリアで、鉄道とタクシーのサービス一本化しつつ、異常時・災害時における鉄道輸送からタクシー輸送への代行手配システムの共同開発を目指すという。

中国での相次ぐ値下げと失われる税額控除の弁済などでTeslaの株価は7.6%下がる

月曜日(米国時間12/24)はアメリカの株式市場にとって厳しい一日だったが、中でもTeslaの株はひどかった。Teslaが中国でModel 3を値下げし、またCEOのElon Muskが、Model 3の遅れによって税額控除の期限に間に合わなかった顧客には弁済すると約束してから、株価は7.6%下げた

週末のロイターの記事によると、Teslaの中国のWebサイトにおけるModel 3の価格は最大7.6%下げられ、最低価格は49万9000人民元(約7万2000ドル)になった。それは11月以来三度目の、中国におけるTesla車の値下げだった。

最初は11月で、Model XとModel Sが12から26%値下げされ、それは“関税の相当部分を吸収して中国の顧客にとって買いやすい値段にするため”、とされた。そして今月は、Model XとModel Sが再び値下げされ、それは中国がアメリカ車とアメリカ製自動車部品の関税を25%に上げることを一時的に保留にし、両国が貿易戦争の休戦モードに入ったため、とされた。

10月にTeslaは同社のサイトで、アメリカの顧客がModel S, Model X, またはModel 3を10月15日までに必要とし、それによる全額7500ドルの税額控除を求めていたとき、それが2019年1月1日から6月30日までに納品されたら税額控除は半額の3750ドルになる、と発表した(生産台数が高額控除の対象台数をオーバーするため)。

日曜日(米国時間12/23)にMuskは、質問に答えるツイートで、12月より前のオーダーが年内に納品されなければTeslaは失われる税額控除ぶんを弁済する、と述べた。

生産と納品が何か月も遅れていたTeslaは、今年の第三四半期にModel 3のオーダーの対応を加速した。それにより全部で83500台の車が納品され、内55840台はModel 3だった。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa