BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PROT」を運営するランディットが7000万円のシード調達

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PROT」を運営するランディットが7000万円のシード調達

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PORT」(アットポート)などを手がけるランディットは10月13日、シードラウンドにて約7000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、インキュベイトファンド、mint、個人投資家。調達した資金は、主にプロダクト開発と組織体制の強化にあてる。

at PORTは、BtoB領域における駐車場を「貸したい」側と「借りたい」側をマッチングさせるプラットフォーム。デバイス1台で、借り手は検索・見積もり・予約・契約・決済・管理まで、貸し手は営業代行・顧客管理・契約管理・物件管理までが一括で可能になる。これまでアナログで行なわれていたこうした工程をデジタル化し取引を効率化することで、需要側・供給側のコスト削減、駐車場の稼働率向上に寄与するとしている。なお現在、at PORTアプリを開発中とのこと。

今後の展望としては、at PORTの開発、またat PORTの浸透を推進することで取引の非効率を解消し、顧客(借主・貸主双方)のコスト削減と駐車場の稼働率向上による売上向上に貢献するという。物件の借りる際の手間や物件を管理する際の工程に関して、自社開発ではコストのかかるソフトウェアを安価で提供し、業務の効率化に資するとしている。

また「マッチングプラットフォーム」と「業務効率化ツール」を土台に介在するデータとネットワークを活かし、「駐車場」の不動産価値を向上させる「不動産テック事業」や、車のIoTの進化・自動運転化を見据えた「モビリティインフラ事業」を進めているという。

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PROT」を運営するランディットが7000万円のシード調達

2021年5月設立のランディットは、「世の中を最適化し、豊かにする」をミッションに、建設業界・物流業界・モビリティ業界をデジタルによる仕組み作りによって支えるサービスを提供している。「事業用駐車スペースの確保にかかる手間」という課題は円滑な事業運営に影響を及ぼすことから、その解決ソリューション第1弾として、at PORTの提供を2021年6月より開始した。

不動産仲介会社向け営業支援SaaS「プロポクラウド」を手がけるHousmartが7億円調達、人材採用やカスタマーサクセス強化

不動産仲介会社向け営業支援SaaS「プロポクラウド」を手がけるHousmartが7億円調達、人材採用やカスタマーサクセス強化

不動産営業支援SaaS「プロポクラウド」を手がけるHousmart(ハウスマート)は10月8日、第三者割当増資による計7億円の資金調達契約を締結したと発表した。引受先は、JIC ベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合(JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ)、サファイア第一号投資事業有限責任組合(サファイア・キャピタル)。累計資金調達額は約14億円となった。

調達した資金は、事業拡大・開発スピードを加速させるための人材採用、導入店舗のカスタマーサクセス強化、不動産データベースの拡充、内部体制の強化などに投資する。現在、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県で展開しているプロポクラウドを、近い将来エリアを拡大して提供できるよう事業を進めるという。不動産仲介会社向け営業支援SaaS「プロポクラウド」を手がけるHousmartが7億円調達、人材採用やカスタマーサクセス強化

2014年10月設立のHousmartは、「住を自由に」をミッションに掲げ、テクノロジーとデザイン、不動産の専門知識を融合させ、「住」の概念をもっと自由なものに進化させることを目指すスタートアップ。

プロポクラウドは、営業担当者に代わって顧客の希望条件に合う最新の物件情報や売却に関するコンテンツを自動でメール送信する、不動産仲介会社向け営業支援システム。対象物件は、居住用中古マンション、新築戸建、中古戸建(オーナーチェンジ物件除く)だ。

不動産業界には、従来「物件数が多すぎて最新の物件状況を把握しきれない」「自社のシステムに物件情報を入力するのは手間がかかりすぎる」「顧客の長期フォローが必要だが、人力では対応しきれない」という課題があり、同社独自のビッグデータとシステムにより解決するものという。

最新の物件情報や売却に関するコンテンツの自動メール送信機能に加え、顧客管理機能、顧客別活動履歴のチェック、最新物件情報の検索・閲覧、手動メール送付など、営業活動に必要な機能が備わっており、プロポクラウド1つで不動産営業のDXを実現できるとしている。

 

不動産取引プラットフォーム「カナリー」運営のBluAgeが12億円調達、人材採用・プロダクトマーケティング・新規事業強化

不動産取引プラットフォーム「カナリー」を運営するBluAgeが約12億円調達

不動産情報検索アプリ「カナリー」(Android版iOS版)を開発・運営するBluAgeは9月29日、シリーズBラウンドで総額約12億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のAngel Bridge、新規投資家のNTTファイナンスおよびABCドリームベンチャーズ、ほか複数投資家。

調達した資金は、開発・営業・管理を含む人材採用やプロダクトマーケティング、新規事業に充当。カナリーの運営の強化、不動産仲介会社向けSaaSの展開など、不動産領域の「デジタルなインフラとして産業の発展に貢献する」ミッションの実現を目指す。

カナリーは、2019年6月にリリースされ累計ダウンロード数は100万件を達成。全国の不動産の賃貸・売買に対応しており、同アプリ経由での問い合わせも可能。掲載情報は管理会社や不動産業者向けのデータベースとも連携しているため最新情報が網羅されている。

不動産取引プラットフォーム「カナリー」を運営するBluAgeが約12億円調達

リモートワークが当然のものになる中、一等地のプレミアムな長期賃貸物件を提供するUkioが約9.9億円調達

多くのスタートアップ企業がこの10年間、Airbnb(エアービーアンドビー)に似た、思いつく限りあらゆるバリエーションのサービスを提供しようとしてきた。しかし「Ukio(ウキォウ)」は、リモートワークが一般的になってきた今、増え続ける賃貸住宅の競合他社と規制当局の間をすり抜ける方法を見つけたと考えている。

Ukioは、地元の不動産オーナーと協力して、都市の一等地でターンキー方式(すぐに入居できる出来上がり物件)のプレミアム体験を提供し、1カ月以上のレンタルサービスを提供している。初期の結果は期待できる。

スペインのバルセロナを拠点とするこの会社は、2020年初めに設立され、現在、バルセロナとマドリッドの間に100戸以上のアパートメントを所有し、95%の稼働率を維持している。

米国時間9月23日、ヨーロッパのトップ投資家から900万ドル(約9億9300万円)の大規模なシードラウンドを発表し、2022年には大陸の6つの首都に700以上のアパートメントを展開する計画だ。まずは次にリスボンに展開し、続いてロンドン、ベルリンがその候補地となる。

共同設立者でCEOのStanley Fourteau(スタンレー・フォーチュ)氏によると、Ukioのこれまでのゲストは、2種類のユースケースにほぼ均等に分けられるという。1つは、現地で仕事を見つけ、最終的には永住目的の住宅へ移る予定の長期滞在者だ。今のところ、このグループは6カ月以上滞在する傾向にある。

Airbnbで長年ディレクターを務めたフォーチュ氏によると、リモートワークや分散型の仕事が主流になったことで、短期賃貸以上のものを求めるデジタルノマドタイプのグループも増えてきたという。もう半数のこのユーザーグループは、これまで2〜3カ月程度の滞在が多い傾向にある。

その市場機会を示すために、彼はGartner(ガートナー)のレポートを引用し、リモートワーカー層が2021年末までに全労働者の31%にまで拡大する可能性があると述べている。しかし、TechCrunchの読者はこの数字を少し控えめだと感じるかもしれない。例えば、私が3月にExtra Crunchのために調査したプロップテックの投資家たちは、将来的にはオフィススペースは贅沢なものになり、より多くのワーカーが好きな場所に住み、ヨーロッパの多くの都市で知られているような、娯楽やコミュニティのための楽しい「第3の居場所」がある拠点に住むようになると述べている。

関連記事:近隣小売り店舗への回帰など、意外な2021年の米不動産業界のトレンド

Ukioは、このような人口動態の変化に対応しようとする唯一のスタートアップというわけではない。「Blueground(ブルーグラウンド)」「Sonder(ソンダー)」「Sentinel(センチネル)」「Zeus(ゼウス)」など、数多くの著名なスタートアップが存在する。では、Ukioは何が違うのだろうか?

「Ukioは、物件のレンタル、家具の設置、管理を行い、ゲストの体験全体を監督しています。私たちの垂直統合型アプローチにより、Airbnb(ピアツーピア・マーケットプレイス)のようなプラットフォームへの供給を専門化させることができます。これは、グローバルなホテルチェーンがBooking.comへの供給を専門化させるのと同様です」とフォーチュ氏は説明している。

このアイデアは、Airbnbに在籍していた時に、長期レンタルに対するユーザーのニーズが同社のプラットフォームモデルに合わなかったことから生まれた。「Airbnbでは、ホストコミュニティとの関係を強化し、そのコミュニティを成長させることに重点を置いています」と同氏は語る。もしAirbnbがUkioのような垂直統合型の賃貸事業を作るとしたら「既存のコミュニティと競合することになり、彼らとの関係が損なわれる可能性がある」という。

今日では、都市で最も魅力的な長期賃貸物件は、Airbnbに掲載される前に借りられてしまったり、需要が満たされる前にプラットフォームから取り上げられてしまったりするそうだ。一方、Ukioが運営するアパートメントは「今後もずっとそのコミュニティの一部であり続けるでしょう」と述べている。

Ukioは、不動産オーナーとの関係も、重要な拠点に堀を作るための手段だと考えている。「私たちは、7年から10年の賃貸契約を結び、テナントを完全に管理します。これらの契約は、空室率を回避し、管理コストを削減することで、オーナーの収益を最適化します。また、Ukioは利回りを保証し、煩わしさのないソリューションを提供しています。ビジネスとしては、ターゲットを絞った働きかけよりも、Ukioとの提携を希望する家主からのインバウンドリクエストの方が多く、来年の成長に向けた強力な供給パイプラインを持っています」と語る。

ここで、彼が長期的な差別化につながると考えている点について、より詳細に説明しよう(簡潔に言い換える)。Ukioは、200項目におよぶプロセスを経て候補となるマンションを選び、一等地にある最高のマンションオーナーとのみ取引を行っている。その多くはシングルユニットで、Sentinelのようにビル全体を利用するスタートアップよりも、都市全体でより多く組み合わせ展開が可能になる。また、Bluegroundなどのようなテンプレート化されたアプローチではなく、各ユニットが独自のデザインを採用している。多くの競合他社は、ホストが自分のユニットを提供・管理するプラットフォームが中心だが、Ukioはすべての物件を管理する社内チームを持っている。また、Zeusのような最も直接的な競合他社の多くが米国に焦点を当てているのに対し、Ukioはヨーロッパに焦点を当ててスタートしている。

技術面では、供給獲得ツールに加えて、高い稼働率を維持するためのダイナミックな価格設定モデルや、設置や導入のコストを削減するための社内設計システムとカタログを使用している。Ukio製品に特化した共同設立者であるスタンリー氏の弟、Jeremy(ジェレミー)氏は、Zynga(ジンガ)、EA、Headspace(ヘッドスペース)、そして最近ではKnotel(ノッテル)での重要な役割を担ってきた過去10年の経験を持っている。

物理的な製品を中核とする企業として、Ukioは、新型コロナ関連の規制だけでなく、現地の規制強化のリスクに直面している。フォーチュ(スタンリー)氏は、この問題を認めながらも、Ukioの会社の特殊なモデルは、長期滞在の地元の人々に多用されているため、対処するのに適していると主張している。この段階で大きな問題となるのは、Ukio社の他にも資金力のある競合他社がいることだ。彼らは将来のリモートワーカーを惹きつけるために、何度もビジネスモデルを調整するに違いない。

このように、迅速なスケールアップの必要性が、今回の大規模なシードラウンドの背景にある。このラウンドには、フランスのベンチャー企業Breega(ブリーが)がリードし、Heartcore(ハートコア)とPartech(パーテック)が参加し、エンジェル投資家としてCoverwallet(カバーウォレット)の創業者であるIñaki Berenguer(イニャキ・ベレンゲール)氏やTravelperk(トラベルパーク)の創業者であるAvi Meir(アヴィ・メイル)氏などが参加した。

画像クレジット:Ukio

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(文:Eric Eldon、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Apple Storeのデザイナーが共同設立者となったJuno、アパートの持続可能な建設に約22億円を調達

より持続可能で手頃な価格のアパートを建設することを目的とする不動産テックJuno(ジュノ)が、シリーズA資金調達ラウンドで2000万ドル(約22億円)を調達した。

Comcast Ventures(コムキャスト・ベンチャーズ)、Khosla Ventures(コースラ・ベンチャーズ)、Real Estate Technology(リアル・エステート・テクノロジー、RET)ベンチャーズが共同で資金調達を率いた。これにより同社の調達額は2019年の開始時点から合計で3200万ドル(約35億円)に上る。JLL Spark(JLLスパーク)、Vertex Ventures(バーテックス・ベンチャーズ)、Anim(アニム)、K50(Kフィフティー)、Foundamental(ファンダメンタル)、Green D Alumni Ventures(グリーンDアルムナイ・ベンチャーズ)もシリーズA投資に参加した。

Junoの共同設立者でCEOのJonathan Scherr(ジョナサン・シェル)氏は、サンフランシスコを拠点とするこのスタートアップ企業が「ゼロからの開発に向けた初のOEMエコシステム」を構築し、オール電化施設を建設することを計画していると述べた。

同氏はTechCrunchに次のように話す。「私達は住宅開発を製品開発のように扱い『製品化』と呼んでいます。リピート価値のある建物を作ることにより、継続的な改善を実現して効率を上げるツールとシステムを作ることができます。建物が1回限りの文脈で検討、設計されたら、1つのプロジェクトから次のプロジェクトへの学びが途絶えてしまいます」。

Junoの製品化は、ある意味もっと一般的に使用される言葉「プレハブ工法」に似ていると考えることができる。プレハブ建設会社Katerra(カテラ)は失敗したがAbodu (アボドゥ)Mighty Buildings(マイティー・ビルディングス)を含めコースラが支援し付帯住宅や戸建て住宅にさら重点を置いたこの分野の他の多数の会社は資金調達して成長を続けている。また、ノースカロライナ州に拠点を置くPrescient(プレシャント)もプレハブ工法により集合住宅とホテルを建設している。

関連記事:ソフトバンクが支援する建設の巨人「Katerra」が約2200億円以上を使い果たし事業を閉鎖

オースティンプロジェクトのレンダリング(画像クレジット:Engraff Studio / Juno)

Junoの理論は「製品化」を通じて、設計のタイムラインの短縮、推定やスケジューリングの精度上昇「大幅に加速」した建設プロセスなどにつながるツール、システム、プロセスを作ることができるというものである。それにより、シェル氏は米国中の人々のためのより手頃な価格の住宅オプションを実現できると述べる。また、Junoはその設計プロセスの進捗が従来の不動産開発より60%速いと主張している。

同業他社と同じく、Junoは従来の建築方法よりはるかに持続可能な手法を謳っている。

「今日の建設ごみは、米国の全都市ごみの2倍あります。Junoのシステムはその設計、サプライチェーン、建物の建設に効率を生み、廃棄物とエネルギー使用量を減らします」。低炭素、完全木造建物、木材の露出増加(Junoは抗菌性と話す)、ガスをまったく出さない建物などを特徴とする。

都市部ではオール電化の建物に重点が置かれ、クリーンエネルギー生成へのロードマップが確立されたため、Junoの居住システムは集合住宅ユニットにおける内包カーボンのネットゼロ目標に向けて前進しているとシェル氏はいう。

シェル氏は元々Apple Storeのデザイナーであった BJ Siegel(BJ・シーゲル)氏と、現在同社のアドバイザーを務めるChester Chipperfield(チェスター・チッパーフィールド)氏とともにJunoを創設した。チッパーフィールド氏は、以前Tesla(テスラ)のグローバルクリエイティブディレクター、Appleのスペシャルプロジェクト統括、Burberry(バーバリー)のデジタル部門長を務めていた。シェル氏はベンチャー投資家や多数の会社のアドバイザーとしての経験がある。

「1999年にBJ (シーゲル)はAppleのリテールプログラムのコンセプト・アーキテクトとして、リピート価値のある建築環境のアイデンティティを作り出す方法を考えていました」。とシェル氏は語る。「それによって、彼とAppleの同僚はAppleのリテールを、サプライチェーン分散化に基づくAppleの製品として考えるようになったのです」。

(左から右)共同設立者でアドバイザーのチェスター・チッパーフィールド氏、共同設立者でCEOのジョナサン・シェル氏、共同設立者、設計部門長のBJ・シーゲル氏(画像クレジット:Juno)

父親が不動産開発業者のシェル氏によると、Junoは同じようなモデルを基に作られた。複製可能な「より良い」住宅を設計することにより、会社が「サプライチェーンを構築し、これまで不可能であった方法で学習システムの基礎を築く」ことを目標に掲げる。

Junoは米国の都市に大規模なオール電化木造アパート群の初の国内網を築くことから始めた。Swinerton(スワイナートン)Ennead Architects(エネアド・アーキテクツ)と提携し、そのモデルを実現している。このスタートアップ企業はその最初のプロジェクト、イーストオースティンでのアパート建築にも着工した。現在400棟を開発中である。イーストオースティンの建物は2022年にオープン予定。Junoはシアトルとデンバーでも開発を計画している。

今後同社はその新たな資本を使って製品を作り、最初のプロジェクトのコホートに着手し、さらに多くの開発業者と関わり続けることを計画している。

Junoの投資家は同社の事業と計画について当然楽観的である。

コースラ・ベンチャーズのパートナーであるEvan Moore(エヴァン・ムーア)氏は、普段は不動産開発会社、建設業者、建築家には投資しないと述べた。

「しかし強いチームが重要な業界で劇的に他とは違う製品に取り組んでいるなら、支持するでしょう」。と彼はメールで回答した。

ムーア氏は、これまでアパートは消費財で、使用されることにより価値が得られるという事実にも関わらず、アパート開発は製品主導ではなく資金主導の業界であったと付け加えた。

「顧客体験を第一に考えて建物を設計する機会は山ほどあります。Appleがアパートを建てたら?私からすると、それはみなさんが作り出したい体験とは逆方向に作用するもので、それをサポートする構成要素、サプライチェーン、システムを設計し、制約となる費用の中で作業することを意味します。野心的な考えですから、実験するに値します」。

Comcast Ventures (コムキャスト・ベンチャーズ)社長のSheena Jindal(シーナ・ジンダル)氏は、アメリカの住宅ストックがますます老朽化し不足しており、家を購入することが難しくなっていると指摘する。同社はすべての人が手頃な価格の住宅を手にするに値すると考えているという。

「初めてJunoのチームに会った時、第一原理アプローチに強い印象を受けました」と、ジンダル氏はメールで回答した。「Junoは集合住宅の生産で何が壊れていたか根本的に理解し、その設計およびOEMソース戦略をもって早期にバリューチェーンに焦点を当てて真正面から取り組みました。Junoはバリューチェーンの既存のプレイヤーに取って代わるのではなく、提携しているのです」。

画像クレジット:Engraff Studio / Juno

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

家賃支払いを代行、借り手に支払いの柔軟性をもたらすJettyが約25億円調達

家賃を支払う際に賃借人に柔軟性を与えることを目的としたフィンテック企業であるJetty(ジェッティー)は、Citi(シティ)とFlourish Ventures(フローリッシュ・ベンチャーズ)が共同で行う資金調達ラウンドで2300万ドル(約25億3700万円)を調達した。

今回の資金調達により、Jettyの2016年の創業以来の調達額は7800万ドル(約86億500万円)となった。今回の成長ラウンドに参加した他の投資家には、Credit Ease(クレジット・イーズ)とK5が含まれる。これまでの支援者には、Farmers Insurance Group(ファーマーズ・インシュアランス・グループ)、Khosla(コスラ)、Ribbit Capital(リビット・キャピタル)などがいる。

ニューヨークを拠点とする従業員100名のこのスタートアップは、消費者がオンラインや店頭で利用する機会が増えている「今買って、後で払う」(BNPL)モデルに似たサービスを提供することで、賃借人が家賃を滞納しないようにする方法を考え出した。

簡単にいうと、借り手は家賃の支払い期限が来たら家賃を支払うことができ、その月の24日までに、一括または分割でJettyに借りたお金を返すことができるというものだ。その際、金利や遅延金は発生せず、借り手のリスクプロファイルに応じて15〜25ドル(約1650〜2750円)の月額利用料を支払うことになる。借り手が決められた期間内に返済できなかった場合、翌月の借り増しはできない仕組みになっている。

この月額料金は、家賃が期限内に支払われなかった場合に発生する可能性のある遅延金よりも「はるかに低い」と、共同創業者兼CEOのMike Rudoy(マイク・ルドイ)氏は語っている。

「平均的な賃借人の給料の約50%は家賃に充てられています。つまり、家賃は賃借人にとって最大の支出なのです。だからこそ、ペナルティを受けないように、期日までにお金を用意できるような柔軟性を提供する、何らかの金融サービス商品があると期待されているのです」と彼はいう。

この商品は、実際のBNPLというよりも、従来のBNPLの従兄弟のようなものだと彼は語っている。

ルドイ氏は「当社が賃借人に代わって月初に家賃を全額支払うことで、不動産管理者は必要なときに必要な資金を得ることができます。賃借人は24日間、自分のニーズに合ったスケジュールで返済することができます」と説明してくれた。

Jetty Rentを立ち上げるために、同社は大手不動産投資・開発・管理会社であるCortland(コートランド)と提携し、複数の物件の居住者を対象にベータ版を提供してきた。

そして今回、一般向けに提供を開始したということだ。Jetty Rentは、同社のプラットフォームの中で最も新しい製品で「低コスト」の賃借人保険や敷金返還サービスも提供している。

「この会社のミッションは、賃貸住宅をより手頃で柔軟なものにすることです。また、当社は金融サービスのプラットフォームであり、当社が提供するすべての製品は、不動産管理者と賃借人の両方に価値を提供することを目的としています」とルドイ氏はいう。

Jettyは、今回の動きにより、Insurtech(インシュアテック)から金賃業者へと進化しているとルドイ氏はいう。同社は、Cross River Bank(クロス・リバー銀行)を通じてローンを提供している。

ルドイ氏はTechCrunchに対し「Jettyはこれまでインシュアテック企業と考えられてきましたが、私たちはこのビジネスにさらなる信用力と融資力をもたらすために取り組んでいます」と述べている。

ルドイ氏によると、同社が3つの商品すべてを不動産管理会社に提供していることが、同社の競争力の源泉になっているという。

「これは、同じ空間や問題をターゲットにしている他の金融サービス企業とは異なるものです。敷金の代替商品とフレキシブルな家賃商品の両方を同じ屋根の下に持っているのは、当社だけです。そのため、不動産管理者にとっては、統合や導入の観点からも当社を選択することが非常に容易になります。またそれは、賃借人にとっては、複数の異なるサービスを目にしなくてすむということでもあります」と彼はTechCrunchに語っている。

賃借人はすべての製品の代金を支払い、物件管理者は製品の展開におけるパートナーとなる。

現在、同社は全国で220万戸以上の賃貸住宅を運営する不動産オーナーや管理者と契約している。同社のマーケティング担当副社長のAlex Vlasto(アレックス・ブラスト)氏によると、2017年に不動産パートナーネットワークの構築を開始して以来、Jettyは契約戸数が前年比で平均193%の伸びを示しているという。Cortlandの他にも、AMLI Residential(AMLIレジデンシャル)などとも提携している。

Flourish VenturesのマネージングパートナーであるEmmalyn Shaw(エマリン・ショウ)氏は、米国人の70%以上がその日暮らしな生活をしていると指摘している。

「安定した住宅は、彼らが経済的な安定を得るための重要な要素です」と彼女はいう。

ショー氏は「単一のソリューションに留まらず、賃貸保険や敷金の代替、さらには家賃の柔軟性など、豊富で差別化された金融サービスを提供しているのはJettyだけです」と付け加えた。

「独自の消費者インサイト、差別化された価格設定、消費者のロイヤルティ向上により、Jettyは大きな競争優位性を獲得しています。さらに、Cortlandのような一流の不動産管理会社を通じた消費者へのアプローチは、他に類を見ないものです」とショー氏はメールで述べている。

最近になって、賃借人の生活を楽にするための新しい技術を考え出した他のスタートアップも資金を調達している。アパートを「インタラクティブなコミュニティ」に変えることを目指しているスタートアップSugar(シュガー)は、最近250万ドル(約2億7500万円)のシード資金を調達した。また、自動物件検査プラットフォームを構築しているスタートアップのRentCheck(レントチェック)も、先日260万ドル(約2億8600万円)のシードマネーを調達した。

画像クレジット:Indysystem / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

不動産テックのHomeLightが収益急増に伴い110億円のシリーズDをクローズ

不動産テックプラットフォームを運営するHomeLight(ホームライト)は9月2日、シリーズDラウンドで1億ドル(約110億円)の資金を確保し、2億6300万ドル(約289億円)を負債で調達したと発表した。

今回のエクイティラウンドでは、リターンを提供したZeev Venturesがリードし、Group 11、Stereo Capital、Menlo Ventures、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)のLydia Jett(リディア・ジェット)氏が参加した。今回の資金調達により、サンフランシスコを拠点とするHomeLightは、2012年の創業以来の累計調達額が5億3000万ドル(約583億円)に達した。今回のエクイティファイナンスにより、HomeLightのバリュエーションは16億ドル(約1760億円)となり、2019年11月に発表したシリーズCで、負債と株式で1億900万ドル(約120億円)を調達した際の約3倍となった。

今回の資金調達を担当したZeev Venturesは、2015年のシリーズAもリードした。

HomeLightの創業者でCEOのDrew Uher(ドリュー・ウーヘル)氏によると、今回の資本は、前年比「3倍」成長を待たずにやってきた。同氏は、2021年に同社の年間収益が3倍の3億ドル(約330億円)以上になると予測している。簡単な計算をしてみれば、同社は2020年に約1億ドル(約110億円)の収益を上げたと推測できる。

他の多くの不動産テックプラットフォームと同様、HomeLightは長年にわたりモデルを進化させてきた。同社の初期の製品は、人工知能を使って消費者や不動産投資家をエージェントとマッチングさせることに重きを置いていた。以降、同社はエージェントや住宅販売者へのタイトル・アンド・エスクローサービス(不動産の権利関係の調査や名義書換などを行うサービス)の提供や、販売者とiBuyersのマッチングにまで進出した。2019年7月、同社はEaveを買収し、ますます混み合う住宅ローン融資の分野に参入した。

「私たちの目標は、家を売買するプロセスからできる限りの摩擦を取り除くことです」とウーヘル氏は述べた。

HomeLightは2020年1月、同社の旗艦金融商品となるHomeLight Trade-InとHomeLight Cash Offerを提供し始めた。以降、パンデミックによる後押しもあり、いずれの商品も700%以上成長したとウーヘル氏は話す。

HomeLight Trade-Inは、顧客が引っ越しのスケジュールや取引に関する能力をより自由にコントロールできるようにする。HomeLight Cash Offerは「住宅ローンが必要な場合でも、すべて現金で住宅を購入できる」方法を提供する。

「パンデミックは、当社が創業以来解決しようと力を入れてきた不動産取引プロセスにおける多くの問題点を浮き彫りにしました」とウーヘル氏はTechCrunchに語った。「不動産業界で伝統的な情報の非対称性、時代遅れのプロセス、不合理なコスト、そして足元の記録的な在庫の少なさと史上最高の入札競争は言うまでもなく、世界的なパンデミックによる課題を抜きにしても、家の売買というものは信じられないほど困難を伴うプロセスです」

画像クレジット:HomeLight

そして2020年8月にDisclosures.ioを買収し、HomeLight Listing Managementを立ち上げた。エージェントが物件情報を共有し、買い手の関心をモニターし、オファーの一元管理を容易にすることを目指す。

同社は2021年6月、Lyft(リフト)の会長でTruliaのCFOだったSean Aggarwal(ショーン・アガワル)氏を取締役に任命した。

ウーヘル氏がHomeLightを創業したのは、同氏と妻が、競争の激しいベイエリアの市場で家を買うときに感じた苦痛がきっかけだった。

「サンフランシスコで家を買うプロセスは、壁に頭をぶつけたくなるほどイライラするものでした」とウーヘル氏はHomeLightのシリーズCの際、筆者に話した。「私は、不動産業界には多くの問題があることに気づきました。自分に合った不動産業者を見つけるまでに、何社もの不動産業者を渡り歩きました。だからこそ、見つけたときには、他の買い手と競争して勝ち取る力が湧いてきたのです」

同氏はたった1つの製品でHomeLightを始めた。それはエージェントマッチングプラットフォームだった。「独自の機械学習アルゴリズム」を用いて、何百万もの不動産取引とエージェントのプロファイルを分析するものだ。数百万件の不動産取引とエージェントのプロファイルを分析し、平均で「90秒ごと」に顧客と不動産エージェントを結びつけるという。

ウーヘル氏によると、これまでに何十万ものエージェントがHomeLight社のエージェントネットワークに応募し、米国で100万人以上の住宅購入者および販売者と取引してきた。HomeLightは、不動産業者に取って代わるのではなく、不動産業者と協力して仕事を進めることを目指している。

ウーヘル氏によると、今回の資本は、Trade-In事業およびCash Offer事業を新たな市場に拡大するために使用される予定だ。同社の2つのサービスは、現在、カリフォルニア州、テキサス州、そして最近ではコロラド州でも提供されている。

「できるだけ早く全米に拡大する計画です」とウーヘル氏は語る。「2021年以降も積極的な採用を予定しています」

同社の従業員数は、昨年末の約350人から現在は500人を超えている。現在、アリゾナ州スコッツデール、サンフランシスコ、ニューヨーク、シアトル、タンパにオフィスを構えており、今後数カ月のうちに全米各地に新たな拠点を開設する予定だ。

Zeev Venturesの創業パートナーであるOren Zeev(オレン・ジーブ)氏は、HomeLIghtが他のどの不動産テック企業よりも、エージェントとその顧客の「取引体験を刷新する」という点で優れていると述べた。

「iBuyersの登場や過去10年間に導入されたその他のテクノロジーにより、多くの不動産テック企業はエージェントを取引プロセスから完全に切り離すための製品を開発しています」とジーブ氏はメールで書いた。「HomeLightが競合他社と根本的に異なるのはこの点であり、また優れている点でもあります。彼らは業界に革命を起こすのに最適な位置にいます」。

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画像クレジットIndysystem / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

モバイルアプリでアパートの住人を安全・効率的につなげるSugarが約2.7億円のシード資金を調達

アパートを「インタラクティブなコミュニティ」に変えることを目的とするスタートアップ企業Sugarが、250万ドル(約2億7400万円)のシード資金を調達した。

今回の資金調達には、MetaProp、Agya Ventures、Concrete Rose、Debut Capital、The Community Fund、Consonance Capital、Lightspeed Scout Fund、Jason Calacanis(ジェイソン・カラカニス)氏のLAUNCH Syndicateなど、多数の投資家が参加した。また、SquareFootのCEOであるJonathan Wasserstrum(ジョナサン・ワッサーストラム)氏、Ben Zises(ベン・ジセ)氏、Diran Otegbade(ディラン・オテグバード)氏、Oleksiy Ignatyev(オレクシー・イグナティエフ)氏、Zillowの取締役でありSequoia Scout FundのメンバーでもあるClaire Cormier Thielke(クレア・コーミエ・ティエルケ)氏などのエンジェル投資家も参加した。

ちんたいそこで彼女は、不動産投資グループや不動産管理会社と提携し、近所の人々とのつながりを絶たれて孤立していると感じているアパートや住宅地の住民のために、アプリを作った。

「ほとんどの住宅用アプリは挙動がいまいちで、今風でなく、使いづらいものばかりだ。家賃の支払い、不動産管理者との連絡、ドアの解錠など、簡単であるはずの作業が煩雑で面倒だった」とディッコ氏は語る。

CEO兼創業者のファティマ・ディッコ氏(画像クレジット:Sugar)

その上、隣人とのつながりがなく、孤立していると感じることは、居住者が出ていくことやネット上でのネガティブな評判の原因にもなり、最終的にはビルのオーナーの収入減にもつながりかねない。

そこでディッコ氏は、居住者同士がただ交流できるだけでなく、鍵なしでドアの解錠ができたり、メンテナンスの依頼、家賃の支払いなどができるアプリの開発に着手することにした。このプラットフォームは、パンデミック関連のユースケースを超えて広く成長していった。現在、このスタートアップはさまざまな規模の住宅地、不動産投資グループ、Airbnbによる賃借、ホテル、その他の種類の住宅用地といった顧客を世界中に有している。

Sugarのプロダクトは2つの要素で成り立っている。1つは居住者向けのモバイルアプリ、もう1つは建物のオーナーや管理者向けのウェブベースのダッシュボードだ。モバイルアプリは、建物のオーナーや管理者に直接販売される。不動産管理者も、管理用ダッシュボードにアクセスして、居住者のエンゲージメント指標を把握したり、ポートフォリオ内の物件のオンライン評価やレビューを確認したりすることができる。

ディッコ氏によると、今回の資金調達に先立ち、Sugarは前月比で「一貫した」成長を遂げ、ローンチからわずか4カ月で6桁のARR(年間経常収益)を達成したという。現在、SugarはEquilibrium Real Estate Investment Group、CGI Investment group、Apartment Management Consultants (AMC)などの初期顧客のポートフォリオ内にある特定の物件への展開を開始している。これらの企業は、米国22州で655件の不動産と15万部屋のドアを管理している。

また、Sugarは、7万8000戸以上の住宅を管理し、居住者のエンゲージメントを高めようとしているBozzutoなどの大手不動産管理会社と90日間のパイロット契約を結んだとディッコ氏は語っている。

ディッコ氏によると、ドアの鍵なし解錠のハードウェア製品をコミュニティ・エンゲージメント・ダッシュボードに統合できることが、Sugarの差別化のポイントだという。

「当社のコンシューマー向けアプリは引き寄せる力があり、ユーザーとオーナーにメリットがある。Sugarは、プラットフォームの利用率を高めるためには、アクセスコントロールが最も重要な機能であると考えている」と述べている。「本プロダクトはハードウェアに接続することができ、ユーザーはアプリ内からドアのロックを解除したり、デジタルキーを共有したりすることができるため、製品の導入が進み、コミュニティポータル内でのエンゲージメントが向上するだろう」。

また、建物の既存のハードウェアやソフトウェアのスタックに統合できることも大きな差別化要因であると述べている。スタンフォード・ビジネス・スクールに入学する前、ディッコ氏はProcter & Gambleでシニア・プロダクト・エンジニアとして数年間勤務していた。その時、古い問題を解決するために新しいソリューションを考案するということにワクワクしたという。

2020年は2名だったSugarのフルタイムの社員は、現在9名となっている。今回の資金調達では、エンジニアリングとセールスの両方で重要な人材を採用する予定だ。

Agya VenturesのKunal Lunawat(クナル・ルナワット)氏は、同社がディッコ氏の「粘り強さ、推進力、優秀な人材を惹きつけ、評価する能力」に感銘を受けたと述べている。

「誰もが住宅のコミュニティについて語っているが、それを具体的に解決するプラダクトを作っている人は誰もいない」と彼は語る。「コミュニティに焦点を当てることは、Sugar社の理念の中心であり、だからこそ、世界有数の不動産管理会社の多くが彼らのソフトウェアに集まってきているのだろう」。画像クレジット:Sugar

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Akihito Mizukoshi)

不動産の物件確認をAIで自動化する「スマート物確」のライナフがLIFULL HOME’Sと「おとり広告」撲滅の取り組み

不動産の物件確認をAIで自動化する「スマート物確」のライナフがLIFULL HOME’Sと「おとり広告」撲滅の取り組み

ライナフは8月26日、LIFULL(ライフル)とともに、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」に掲載された、顧客を寄せ付けるために表示される架空広告「おとり広告」を自動的に非掲載にする取り組みを、三菱地所ハウスネット協力のもと実施した。不動産における物件情報の透明性・精度の向上を目的とするものという。

また同実証実験の結果として、特に東京都23区の副都心部エリアで、1人暮らし向け物件が非掲載対象のボリュームゾーンであることもわかった。

物件情報サイトに掲載される物件広告の多くは、物件を仲介する各仲介会社によって掲載・非掲載の情報更新が行われる。仲介会社は、定期的に管理会社へ電話などで物件確認(物確)をすることで、その物件の最新情報を取得し、広告掲載に反映している。

ただそのつど手動で更新作業を行うため、どうしてもタイムラグが発生してしまい、意図せず成約済みの広告が掲載されたままになってしまうことがあるという。またその状態を悪用し、人気物件の広告をあえて掲載させたままにし、意図的に問い合わせを増やす行為も一部で横行している。

こうした悪質な広告を「おとり広告」といい、不動産業界において根深い問題となっている。おとり広告については、宅地建物取引業法32条、不動産の表示に関する公正競争規約の21条によって禁止されており、物件の実在有無に関わらず、取引のできない物件や、取引する意志のない物件広告などが該当するという。

ライナフは、これまでも不動産業界の健全化のためにIT技術の提供やパートナー企業との協業を通じて取り組んでおり、今回長らくまん延するおとり広告排除に向けて、LIFULL HOME’Sと連携し、自動非掲載にできる仕組みを導入した。

ライナフが提供する「スマート物確」と「LIFULL HOME’S」をシステム連携

取り組み内容は、ライナフのAIによって物件確認を自動化するサービス「スマート物確」とLIFULL HOME’Sをシステム連携させることで、自動でLIFULL HOME’Sに掲載される「おとり広告」を非掲載にするというもの。スマート物確から得られる、管理会社が保有する入居の募集・非募集の情報をLIFULL HOME’Sと照合することで、人の手を介すことなくLIFULL HOME’Sへの物件広告を非掲載にできるとしている。

また今回、スマート物確を利用する三菱地所ハウスネット協力のもと、スマート物確に登録されている約1万5000戸の管理物件を対象に実証実験を行った。その結果、1カ月間で1000戸以上の非掲載対象の広告を検知し、非掲載処理を実施した。また、非掲載対象のボリュームゾーンが、東京都23区の副都心部エリア、家賃が10万円〜12万円台、1人暮らし向けの物件であることがわかったという(検知されたLIFULL HOME’S掲載物件を賃料・間取り・エリアで件数集計した結果より。集計期間:2021年5月12日〜6月30日)。

ライナフは、同取り組みによって、仲介会社は管理会社へ物確する手間がなくなることに加え、手動の情報更新作業がなくなるため人為的なミスがなくなり、業務効率化が図れるとしている。

さらにライナフは、企業としてのコンプライアンス遵守を挙げている。消費者に対しては、誤った広告表示がなくなることで、正しい情報を発信できるようになる。スマート物確とのシステム連携によって自動管理が可能になるため、管理会社・仲介会社・消費者に至るまで、物件情報の透明性・統一性を保てるとしている。

2014年11月設立のライナフは、AIとIoTの最新技術を活用した不動産管理ソリューション「ライナフスマートサービス」を展開。美和ロックと共同開発の住宅向けスマートロック「NinjaLockM」をはじめ、入居前のリーシング業務から入居後の物件管理に至るまで、不動産管理業務を効率化するサービスを提供している。

スマート物確は、AIによる音声案内で物件の確認応対を自動化するサービス。あらかじめ管理する物件情報をスマート物確に登録しておくことで、24時間365日、物件確認の電話にAIが応答するという。電話に加え、LINEでも物確が可能。

不動産業務支援SaaS「いえらぶCLOUD」で1区画内の複数物件を扱える「多棟連動」がリクルート「SUUMO」に対応

不動産業務の総合支援SaaS「いえらぶCLOUD」が複数の売買物件・土地を多棟物件として不動産ポータル「SUUMO」に1クリックで掲載可能に

いえらぶGROUPは8月19日、不動産業務の総合支援SaaS「いえらぶCLOUD」において、リクルート運営の不動産ポータルサイト「SUUMO」への売買物件の多棟連動を開始したと発表した。

いえらぶCLOUDは、物件情報や広告の管理をはじめ、チラシや書類の作成から業務分析まで一気通貫で行えるという不動産業務向けクラウドサービス。

不動産会社が不動産ポータルサイトに物件を掲載する際、各媒体の広告掲載ルールに従ってそれぞれの管理画面で情報を入力する必要があることから、いえらぶCLOUDでは、一度入力した物件情報を一括で複数の媒体に連動させる「物件連動」機能を採用している。

また1つの区画に含まれる複数の売買物件・土地を多棟現場としていえらぶCLOUDに登録しておくと、不動産ポータルサイトに対してワンクリックで多棟物件として掲載できるほか、売買物件の多棟連動が可能になる。

いえらぶCLOUDの物件連動機能は30以上の不動産ポータルサイトに対応しており、SUUMOにおいても利用したいというニーズの高まりを受けたことから、今回のリリースに至ったという。

不動産業務の総合支援SaaS「いえらぶCLOUD」が複数の売買物件・土地を多棟物件として不動産ポータル「SUUMO」に1クリックで掲載可能に

いえらぶCLOUDの物件連動機能は、データベース内の全国の物件から公開情報を検索して物件情報を入力する「らくらく物件入力」、各ポータルサイトの仕様に合わせたコメントをAIが自動入力する「コメント自動生成機能」、AI画像認識により物件画像を自動でカテゴリー分けする「AI画像カテゴリ判定」などを利用できるという。

さらに、各ポータルサイトの広告掲載ルールや、不動産公正取引協議会連合会の定める「不動産の表示に関する公正競争規約」(不動産広告のルール)、「不動産業における景品類の提供に関する公正競争規約」に準拠した広告掲載ができているかを自動でチェック可能としている。

不動産業務の総合支援SaaS「いえらぶCLOUD」が複数の売買物件・土地を多棟物件として不動産ポータル「SUUMO」に1クリックで掲載可能に

いえらぶGROUPは「ITを使って不動産会社の業務を効率化する」「誰もが快適に住まいを探せる環境をつくる」という使命のもと、2008年に設立した不動産×ITサービスの運営会社。いえらぶCLOUDは1万2000社以上の不動産会社が利用しているという。また、近年深刻化する「空き家問題」に取り組むメディアの運営や、「おとり広告」を未然に防ぐ独自機能の開発などを通して、住まい探しをサポートしている。

1050社超が利用するAI搭載不動産管理プラットフォーム「管理ロイド」開発・運営のTHIRDが3000万円調達

1050社超が利用するAI搭載不動産管理プラットフォーム「管理ロイド」開発・運営のTHIRDが3000万円調達

AI搭載の不動産管理SaaS「管理ロイド」を開発・運営するTHIRDは8月5日、新株予約権付社債による3000万円の資金調達を7月30日に実施したと発表した。引受先は、野村不動産ホールディングスのCVCファンド「NREG イノベーション 1号投資事業有限責任組合」。また同社は2020年8月、双日商業開発、東急不動産ホールディングス、森トラスト、東京建物、阪急阪神不動産CVCファンドより資金調達済みで、これにより累計調達額は4億7000万円となった。

THIRDは、前回の資金調達以降、「AIによる自動検針」に限定した契約プランの導入、多言語化(日本語、英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語)、電子押印への対応を実施。管理ロイドの機能拡充を通じて、不動産管理業界のDX推進に貢献してきたという。今回の資金調達では、引受先および不動産管理会社における管理ロイド導入拡大に資する人材採用などはじめ、管理ロイドに蓄積されたデータを活用した、修繕工事の自動見積査定機能の開発などに対し積極的な投資を行う。

管理ロイドは、ペーパーレスによる管理、AIによる画像解析でミス防止、各種報告書作成の自動化、不具合管理の自動化を提供するSaaS型ソフトウェア。2019年にリリースし。コロナ禍における不動産管理業務の抜本的な効率化、省人化、ペーパーレス化や現場情報の遠隔確認のニーズの高まりも追い風となり、2020年8月末時点では550社の不動産管理会社が利用しており、2021年7月末時点には1050社以上に利用社数が増加したという。

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Geoloniaがオリジナルの地図を作成できる「Geolonia Maps」正式版を開始、1000アクセスまで無料・10万アクセスまで3万円

Geoloniaがオリジナルの地図を作成できる「Geolonia Maps」正式版を開始、1000アクセスまで無料・10万アクセスまで3万円

Geolonia(ジオロニア)は8月5日、地図作成サービス「Geolonia Maps」の正式提供開始を発表した。従来のベータ版からのアップデートを行っており、デザインやインターフェイスの見直しを行い利便性を向上、正式リリースに伴う有料課金機能を新たに搭載した。ユーザーが持つ住所データをアップロードして地図を作成する機能も近日中に提供予定。

利用料金は、1000アクセスまでは無料、10万アクセスまでは3万円。オープンソースコミュニティ向けには地図を無料で提供しており、地図をGitHub Pagesで利用する場合はアクセス数に関わらず無料となる。ライセンスについては、作成した地図は画像としてダウンロードする、印刷して配布するといった再利用が可能。

また、Geolonia Mapsでは利用に際してCookieを取得しておらず、地図上でのユーザーの行動をトラッキングすることはない。

数万件単位の位置情報データを手軽に扱えるダッシュボードを提供

Geolonia Mapsは、オリジナルの地図を自由に作成できるサービス。地図データは、オープン地図サービス「OpenStreetMap」や日本政府が公開するオープンデータを組み合わせて整備することで、低コストで利用上の制約が少ない、自由度の高い地図プラットフォームを実現した。

一般的に、地図で表示する位置情報データはファイルサイズが数百MBから数GB近い大容量ファイルとなる。位置情報データの需要が高まる昨今、今後はさらに多くの位置情報データが流通し、取り扱うファイル容量がさらに膨大になることが予見される。また、地図に位置情報を表示するためには専用のデータベースが必要であり、カスタマイズには高度な専門知識が必要となる。

そこでGeolonia Mapsでは、数万件単位の位置情報データを手軽に扱える「Geolonia Maps ダッシュボード」を提供し、専用データベースを持つことなく地図を作成できるようにした。

Geoloniaがオリジナルの地図を作成できる「Geolonia Maps」正式版を開始、1000アクセスまで無料・10万アクセスまで3万円

Geolonia Maps ダッシュボード

HTMLの編集で自由にカスタマイズ可能、独自開発のAPIを利用することで地図アプリの開発まで行える

地図の基本的なデザインは、HTMLの編集で自由にカスタマイズできるほか、JavaScript APIを利用することで、自社の店舗一覧、お気に入りの飲食店リスト、観光地の見どころスポットなど、テーマに沿った地図をオリジナルのデザインで作成できる。チュートリアルなど利用方法・作成方法に関するドキュメントの公開も行っている。

Geolonia Maps ダッシュボード

地図のカスタマイズ例

Geolonia Mapsの地図表示については、画像を配信するラスタータイル形式ではなく、データ形式で配信するベクトルタイル形式を採用。地図のレンダリングをサーバーではなくクライアントサイドで行うことで、ラスタータイル形式に比べて高速に動作する上、柔軟なデザインカスタマイズが可能という。地図データの分析や加工、表示方法の変更が簡単に行えることから、デザイン性に優れた地図を作成しやすいそうだ。

またアプリケーション開発者は、Geolonia独自開発のAPIを利用し簡単に地図アプリケーションを開発することも可能。緯度・経度情報に対して住所を返す逆ジオコーダーや、不動産に対してIDを発行する「不動産共通ID」、表記揺れの多い日本の住所表記を正規化する住所正規化APIなど、多彩なAPIサービスを利用できる。

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キエフのアパートが収集可能なNFTとして初オークション、ブロックチェーンスタートアップPropyが企画

TechCrunchは以前、スマートコントラクトのコンセプトの下、ブロックチェーン技術を使用して実際の不動産販売をスムーズにする企業であるPropyを記事で取り上げた。Propyは、こうした機能を最初に実現したブロックチェーンスタートアップだ。現在同社は、実際の物件をNFTとしてオークションにかけることで、その境界線を再び押し広げようとしている。これを単なる人目を引くための行為だと片付けたい人もいるかもしれないが、同イベントは合法的に行うことができることを強調するために企画されたものだ。そしてもちろん、Propyは間違いなく挑戦に向かうだろう。

関連記事:ブロックチェーンで不動産取引を完全にオンライン化、安全かつ簡潔化するPropy

今回オークションにかけられているNFTは、ウクライナのキエフにあるワンベッドルームの近代的な新築アパートメントに付随するものとなっている。Propyが初のブロックチェーンベースの不動産販売で歴史を築いた物件だ。

Propyが作成したNFTは、不動産の実際の所有権を移転するという。あまり詳しくないという人のために説明すると、NFT(非代替性トークン)は、芸術作品、音楽、その他の収集物など、固有の資産を表現する暗号化された「トークン」で、所有権をデジタルで証明する。NFTは、Banksy(バンクシー)のアート作品を焼却したものをはじめ、あらゆるものに応用できる可能性を秘めた暗号の世界に光を当てた。

オークションでアパートメントのNFTを落札すると、所有権譲渡書類へのアクセス権、キエフの人気グラフィティアーティストChizzによるデジタルアート作品のNFT(デジタルアートの物理的な絵が物件の部屋の壁に描かれている)、アパートメントの写真を獲得する。しかし、明らかにここではアパートメントが主要資産である。

オークション自体は24時間かけて行われ、開始価格は2万ドル(約218万円)からとなっている。NFTによる売却の詳細はこちらで確認できる。

当該アパートメントは、まさに本ニュースサイトTechCrunchの創設者であり、現在Arrington XRP Capitalの暗号投資家であるMichael Arrington(マイケル・アーリントン)氏が現在所有している。

Propyはこれまでに10億ドル(約1091億円)相当の取引を処理したとしており、その投資家にはアーリントン氏の他、DFJの元創業者Tim Draper(ティム・ドレイパー)氏も名を連ねる。

PropyのCEOであるNatalia Karayaneva(ナタリア・カラヤネバ)氏は次のように述べている。「このNFTは歴史に残るでしょう。ブロックチェーン技術と非代替性トークン(NFT)の将来性を活用し、分権化された金融経済における『自動運転型』不動産取引と不動産参加を実現する上で、Propyにとって大きなマイルストーンとなります」。

今回の取引の概要を説明しよう。アーリントン氏は、NFTの弁護士が作成した、将来の買い手に所有権を譲渡するための法的書類に署名済みである。PropyはNFTオークションを行い、暗号資産で支払いを受ける。オークションの落札者は、KYCの詳細を入力後、1分以内に物件の所有者となる。

キエフの不動産は米国を拠点とする事業体が所有している。オークションが完了すると、NFTの新しい所有者は事業体の所有者となり、不動産自体の所有者となる。このプロセスは、不動産にアタッチされたNFTが再販売されるたびに繰り返される。

筆者とのインタビューで、カラヤネバ氏は次のように語った。「私たちはブレーンストーミングを行ってきました。今回のことは2017年のホワイトペーパーの自然な展開のように思えます。私たちは実際、不動産、不動産を経由するもの、そしてすでにNFTに着手し始めていますが、独自のスマートコントラクトを活用してそれらの取引を行っています。しかしこのNFTのコンセプトは、2つのウォレット間で不動産をピア・ツー・ピアで転送できる、異なるアプローチを提供します」。

「登記簿上の所有者名を変更する必要はありません。これは米国だけでなく多くの国にも当てはまります。米国では、所有者のプライバシーを保護するためにLLCを通じて不動産を購入するという考え方があります。このモデルは米国でうまく機能し、全体に広がっていくでしょう」。

同じインタビューの中でアーリントン氏は次のように付け加えた。「これを暗号の観点からとらえると、DeFiがどのようにしてクレジット市場に接続されるかを私たちは見てきました。NFTやDeFiの資産を持っていれば、仲介人なしで借りることが可能です。実物の不動産の場合は、今のところ仲介人なしでは借りる方法がありません。銀行を経由して、住宅ローンなどを取得する必要があるからです。それはまた、速度と所要時間の面でのあらゆるコストにも影響します」。

「不動産やその他の実際の資産をDeFiにつなぐ方法が見つかれば、その周りに創出されるクレジットの量は、最終的には数兆ドル(約数百兆円)に達するでしょう。それは実現されるべきだと私は考えます。これを取り巻く問題は、法律と規制です【略】これをめぐる法的な問題は難しく、Propyはそのために多くの取り組みを重ねています。それでも、実際の資産をNFTで表現するというアイデアは、純粋に取引の容易さとクレジット市場へのアクセスの容易さという観点から考えると、すばらしいアイデアだと言えるでしょう」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Propy不動産NFT

画像クレジット:Propy

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(文:Mike Butcher、翻訳:Dragonfly)

空き家の維持管理・⽬視点検サービス「COSOJI」が上天草市および古⺠家再⽣協会と空き家の課題解決へ向け協定

空き家の維持管理・⽬視点検サービス「COSOJI」(コソージ)を提供するRsmileは6月25日、熊本県上天草市および古⺠家再⽣協会熊本と空き家などの適正な管理・発⽣抑制・利活⽤などを通じ、地域の⽣活環境の保全や雇⽤創出と地域活性化に寄与することを⽬的に、相互に連携・協⼒することに合意し、3者間で協定を締結したと発表した。

今回の協定においてRsmileおよび古⺠家再生協会熊本は、上天草市の空き家課題の解決において、経営資源・情報・ノウハウを活用したCOSOJIの推進、共同推進可能な事業の企画・推進を行う。「空き家の発⽣抑制や保全・再⽣」「空き家の保全を地域住⺠の⽅々で⾏うことによる雇⽤創出」「空き家の保全促進のための空き家バンクへの登録数増加」を推進し、地域活性化に寄与する。またCOSOJIを通じて、空き家の所有者が、空き家の点検や掃除を地域住⺠の方に依頼する仕組みを提供する予定。

空き家の維持管理・⽬視点検サービス「COSOJI」が上天草市および古⺠家再⽣協会と空き家の課題解決へ向け協定

熊本県中⻄部に位置する上天草市の⼈⼝は、1960年国勢調査の5万1349⼈をピークに年々減少の⼀途をたどり、2015年国勢調査では2万7006⼈となっているという。また2018年度の住宅⼟地統計調査によると、市の空き家は2920⼾、空き家率は23.3%とされ、人口減少とともに空き家が増加している。

このような状況を受け同市では、空き家の利活⽤の推進・移住定住の促進を⽬的に「空き家バンク制度」を2016年度より運⽤しているという。これにより空き家対策や移住者の増加が進む⼀⽅で、「移住者に紹介可能な物件が不⾜」「登録された物件の中でも成約しやすい物件としにくい物件があり格差が⽣じている」などの課題がある。今回の連携協定は、その解決を目指すものとしている。

またCOSOJIは、「不動産業界の軽作業」と「地域住⺠のライフスタイル」をつなげる、ワークシェアリングサービスとなっている(依頼者向け仕事依頼フォーム働き手向け仕事応募フォーム)。アパート・マンション・戸建てなどの所有者が不動産に関する軽作業(共⽤部清掃、⽬視点検、草むしりなど)を地域住⺠へスマートフォンで依頼可能だ。

COSOJIは3つの特徴として、「地域の不動産業務があつまるプラットフォーム」「スマホで全て完結」「不動産の『今』がわかる報告」を挙げている。空き家の維持管理・⽬視点検サービスは「リーズナブルな金額(1500円/回〜)」で利用でき、「タイムリーな写真報告」が得られ、「物件の問題点・改善提案を受けられる」点がメリットという。

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ヤモリは6月8日、5000万円の資金調達を発表した。引受先はDNX Venturesおよび個人投資家。調達した資金により金融機関との連携をさらに進め、融資申し込みの効率化や融資サービスの開発に注力する。

2019年11月年設立のヤモリは、「不動産の民主化」をミッションに、クラウド・AIを活用し不動産賃貸事業の学習から購入・管理・売却まで、不動産オーナーの経営を支援するクラウド不動産経営管理サービス「大家のヤモリ」を提供。保有物件の収支管理をクラウドで一元管理可能なことから、2020年のサービス開始以来、登録資産規模100億円超、不動産オーナー400人以上と管理会社が利用しているという。

また管理会社向けには「管理会社のヤモリ」を提供しており、相互のシステムが連携することで不動産オーナーと管理会社間のコミュニケーションも円滑に行える。

さらに、これらクラウドSaaSと並行して、不動産投資の初心者向けに、無料学習メディアの「ヤモリの学校」と、物件探しから管理売却まで寄り添ってサポートする「ヤモリの家庭教師」も展開。2021年4月から開始したヤモリの家庭教師の会員数は応募開始から2週間で160名超となり、全国の空き家や築古アパートの探し方からリフォーム、融資購入、管理まで支援しているそうだ。

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ヤモリによると、日本では毎年80万戸近い新築住宅が供給される一方、空き家は約850万戸を突破したという。また、高齢や低所得などを理由に賃貸住宅に入居できない層(住宅確保要配慮者)が年々増加しており、大きな社会矛盾となっている。空き室問題と住宅確保要配慮者の増加という社会課題に対して、ヤモリは個人の不動産投資家に焦点を当て、より多くの人が不動産投資を事業として捉えて、不動産事業に取り組める世界を目指すとしている。

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賃貸不動産の原状回復工事がネットで完結、内装工事クラウド「リモデラ」が6月1日より関東でサービス開始

賃貸不動産の原状回復工事がネットで完結、内装工事クラウド「リモデラ」が6月1日より関東でサービス開始

発注者が現場に行くことなく、賃貸マンションなどの原状回復工事を業者に発注できるクラウドサービス「リモデラ」を提供するREMODELA(リモデラ)は、5月31日、これまで関西地区のみで展開されていた同サービスを、6月1日より関東地域でも展開すると発表した。

不動産管理会社がこのサービスに原状回復工事をしたい物件を登録すれば、リモデラのスタッフが現場へ行き360度写真を撮影する。管理会社はこの画像を利用して、現場に足を運ぶことなく工事の発注ができる。

同社はこのサービスのメリットとして次の3つを掲げている。

  • 自宅やオフィスから工事を発注できる
  • 工事進捗が可視化されるため、最短の入居可能日を把握できる
  • 引渡時の写真データを保存し、将来の退去時に活用できる

賃貸不動産の原状回復工事がネットで完結、内装工事クラウド「リモデラ」が6月1日より関東でサービス開始

また、ITを活用することで業務が簡素化され、工事費用が安くなるという。

同社は順次、全国へサービスを広げてゆく予定だ。

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【インタビュー】恵まれない環境にいる起業家へのCompass創業者の助言、「成功したいのならプランBを用意してはいけない

CEO兼ファウンダーのロバート・レフキン氏(画像クレジット:Compass)

不動産テック企業であるCompass(コンパス)が2021年4月、新規株式公開に踏み切り数十億ドル(数千億円)の評価を受けた。

その際、TechCrunchのシニアエディターAlex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)は創業者兼CEOのRobert Reffkin(ロバート・レフキン)氏を取材し、テクノロジー市場が荒れ狂う最中でのデビューについて話を聞いている。

そして、筆者はそれとはまったく異なるトピックについてレフキン氏を取材した。ホームレスとして亡くなった父親を持ち、家族に縁を切られたシングルマザーの母親に育てられた同氏が起業家になるまでの道のりについてである。レフキン氏は一般の人とは異なる背景を持つ人々に希望を与えるということに情熱を注いでおり、それに関するも出版している。

この会話の中でレフキン氏は、同氏の考える成功の秘訣の他、若い起業家、特に恵まれない環境にいる起業家へのアドバイスなどを話してくれた。

このインタビューはわかりやすくするために編集されている。

TC:私の息子は今ティーネイジャーですでにビジネスを始めようとしているので、あなたがその歳の頃DJをしていたと聞いてとても興味深く感じています。最終的に何がきっかけで学校に関心を持つようになり、どうやって短期間で卒業することができたのでしょうか?

レフキン氏:あなたの息子さんは正しい道を歩んでいるようですね。起業家同氏として、私からの励ましの言葉を伝えておいてください。

母によると、私がDJビジネスを始めるのを許可したことで他の親から頭がおかしいと思われたそうです。しかし高校時代にDJビジネスで成功できたことで、自分自身と起業に対する情熱について知ることができました。それが最終的には自己紹介書に反映され、入学審査チームの数人との関係の形成につながり、コロンビア大学に合格することができました。

常に大きな夢を見るということが初めの一歩だと思っています。私の場合はニューヨークへの旅行がきっかけでした。その際にコロンビア大学を見学してすっかり気に入ってしまったのです。入学が難しいというのは分かっていましたし、実際、高校のカウンセラーには「出願料を払うだけ無駄だから応募するな」と言われました。その瞬間、コロンビア大学に行きたいという気持ちが、単に強い想いから絶対的なものに変わりました。学校そのものに魅力を感じたというだけではなく、私のような人間がチャンスを得るために戦うということに、より大きな意味があるように感じたからです。私の平均成績はCだったのですが、トップ大学についていくために必要な能力があることを示すためSATの準備に力を注ぎました。そしてありがたいことに、それが功を奏したのです。

高校や大学では、微積分や西洋文明を学ぶことが自分の人生や夢にどう関係するのか理解できなかったということもあり、成績では常にCをとっていました。学校で優秀な成績を収めても、世界で自分を際立たせることはできないと思ったのです。その一方で、起業家としての活動や夏のインターンシップでエネルギーを得ていました。現実の世界の方がはるかに理に適っていると感じたため、学校を卒業して本当の人生を始めるためにできる限り早く行動しました。

TC:恵まれない環境にいるシングルマザーに育てられたことが、男性として、また起業家としてのあなたをどう形成したと思いますか?また有色人種であることが自分の道にどのような影響を与えたと思いますか?

レフキン氏:子どもの頃は私と母だけでした。母はイスラエルからの移民で、私が黒人のために両親から勘当されていました。父は私たちを捨て、私が幼い頃にホームレスとして亡くなりました。私が起業家になったのには母が教えてくれたことが一番大きく影響しています。母が起業家精神を体現し「打ちのめされても必ず情熱を持って立ち直ること」という最も重要な原則の1つを教えてくれたのです。母は、男との悪縁、破産、営業の仕事からくる日々の拒絶などに直面しても、必ず立ち直ってきました。そのため、私には決して達成できないと誰かに言われても、そういう言葉に直面する準備ができていたのです。私は母のおかげで立ち直る方法を知っていたのです。

CEOのロバート・レフキン氏と彼の母親(画像クレジット:Ruth / Compass)

黒人でユダヤ人の私は、常に居場所がないと感じていました。高校や大学のほとんどのクラスで私は唯一の黒人でしたし、就職して間もない頃ほぼすべての会議において黒人は私1人でした。Compassのために資金調達をしていたときも、机の反対側に黒人がいるのを見たことはほとんどありません。しかし幸運なことに、今は亡きVernon Jordan(バーノン・ジョーダン)氏や、アメリカン・エキスプレスの元CEOであるKen Chenault(ケン・シェノルト)氏、ゴールドマン・サックスのリードディレクターであるBayo Ogunlesi(アデバヨ・オグンレシ)氏など、多くの黒人のメンターからすばらしいアドバイスを得ることができました。本当に強力なコミュニティがあり、皆がお互いに支え合っています。

TC:これまでにすばらしいメンターと出会ってきたようですが、こういった関係はどのようにして発展したのでしょうか?また、これらの関係性がどのように役立っていますか?

レフキン氏:子どもの頃、私は常に誰かのアドバイスを求めていました。片親家庭で育った私は、より良い生活を送るための助言や知恵をいつも探していたのです。高校生のとき母が非営利団体を紹介してくれたおかげで、世界にはどれほど多くの機会と支援があるかを知りとても驚きました。

私が人生で学んだ最も重要な教訓は、人からのフィードバックは贈り物であるということです。たとえ耳が痛いようなことであってもフィードバックは贈り物なのです。多くのメンターとの関係が深まったのは、他人は教えてくれないだろうと思うような、本当に厳しい率直な意見を私が求め始めたからです。そしてそのアドバイスを実際に受け入れて自分の人生に活かし、それがどのように役立ったかを伝えるようにしました。これをすることで2つの効果がありました。1つ目は、より正直で実用的なアドバイスが得られるようになり、より早く向上できるようになったこと。2つ目は、アドバイスをくれた人たちが私の成功や私が取り組んでいることの成功に、より大きな関心を寄せてくれるようになったことです。

メンターたちが与えてくれたもう1つのことは、世間からは成功できないと言われていても、私は成功できるのだという感覚でした。社長やCEOにアドバイスをしてきたバーノン・ジョーダン氏のような人に出会えたことが、私に大きな影響を与えてくれました。彼は私にとって父親のような存在でした。彼と出会ったのは私が23歳のときでしたが、当時の私には黒人がビジネスの世界で成功できるという実例を見たことがなかったため、よく理解できていませんでした。私がLazard(ラザード)に入社したとき、黒人の投資銀行家はジョーダン氏だけでした。彼はシニアパートナーというだけではなく、フォーチュン500の企業で取締役を歴代最多で務めたことで広く知られる伝説的な人物でした。彼は私に強い関心を寄せ、サポートやアドバイスをしてくれました。そして私に自分の居場所を感じさせてくれ、自分が望むような成功を収める道を示してくれたのです。

私は20代のときにAmerica Needs You(アメリカ・ニーズ・ユー)という非営利団体を設立し、何千人もの学生にメンターシップ、キャリア開発、大学進学支援を行ってきました。私の新刊「No One Succeeds Alone」は、私が多くのすばらしい人々から学んだ教訓を、すべての人に提供することで恩返しをするために書きました。私が収益のすべてを、若者が夢を実現するのをサポートする非営利団体に寄付しているのはそのためです。

TC:起業を志す若い人たち、特に恵まれない環境にいる人たちにアドバイスをお願いします。

レフキン氏:大学を卒業したばかりで最初の仕事に就いている、過小評価されているグループの人へのアドバイスは次のとおりです。

1)社会にも、同僚にも、そして自分自身にも、誰にも自分の夢を邪魔させないことです。誰かにスピードを落とせと言われても、スピードを上げたら良いのです。

2)これからの10年間、できる限り賢い人たちからできるだけ多くのことを学んでください。他の人がくれないような率直なフィードバックをくれるメンターを仕事や仕事の外で見つけてください。フィードバックは贈り物です。聞くのが怖いかもしれませんが、相手があなたにフィードバックいうのは、実はもっと難しいことなのです。だから率直にお願いして、自分がそれを受け止められることを知ってもらう必要があるかもしれません。

3)ネガティブな状況を、自分を奮い立たせるようなポジティブなエネルギーに変える方法を学んでください。あなたには無理だとか、あなたのいる場所じゃないなどと懐疑的なことや嫌味をいう人は必ずどこにでもいるものです。

TC:Compassの今後の動きを教えてください。

レフキン氏:真の成功をつかむためには、プランBを用意してはならないと信じています。CEOとして、Compassの2万3000人のエージェントと従業員のために100%尽くす必要があるのです。私のメンターの1人がかつて「シャワーテスト」という言葉を教えてくれました。シャワーを浴びているときに仕事のことをワクワクしながら考えていないようなら、その仕事はすべきでないという意味です。うれしいことに、私は自分たちが作り上げているこの会社にとても大きな情熱を持っているので、今でもシャワーを浴びながらCompassのことを考えています。弊社はこの8年間で多くのことを成し遂げてきましたが、本当の意味でのスタート地点に、まだ立ったばかりなのです。

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

Open Network Lab第22期デモデーを開催、社内向け動画ツールやCO2削減サービスなど4社が登場

2021年4月20日、デジタルガレージは同社が主催する起業家支援プログラム「Open Network Lab」 の第22期デモデーを開催した。2020年4月に開始したOpen Network Labは2021年で11年目を迎える。2021年3月にOpen Network Labが公開したインフォグラフィックスによると、これまでに投資したスタートアップの累計は132社で、そのうちの5社がM&A、1社がIPOを達成しているそうだ。

第22期となる今期は134社から応募があり、そのうち1次面談と最終面談を通過した5社が採択された。デモデーに登場したの次の4社だ。

社内向け音声・動画プラットフォーム「IMA」

リモートワークで社員同士の会話が減り、会社のミッションや価値観を共有しづらくなった。「IMA」はテキストでは伝えきれない声や表情を音声と動画を通じて発信できるようにすることで、社内のコミュニケーション不足、情報連携不足の解決を目指す。特徴は、Slackなどのツールと連携してすぐに音声や動画を撮影し、同僚や部署に共有できること。インタビュー形式や対談形式での撮影や画面共有機能に加え、動画の自動文字起こし、検索、コメント機能などを備えている。

不動産オーナー向けESG推進支援SaaS「EaSyGo」

国連の調査によると世界の温室効果ガスの約50%が不動産と不動産を起点とした移動、交通から排出されているという。しかし、不動産が排出する85%はテナントの活動が主体であるため、ビルオーナーは残りの15%分しか把握できていない。EaSyGoはビルオーナーがテナントによるCO2排出量の収集・解析の機能を提供することでCO2排出量を可視化し、CO2排出量を削減するためのサービスである。

EaSyGoは今回のデモデーのベストチームアワードとオーディエンスアワードを受賞した。

ウェルビーイングな活動の習慣化をサポートするコミュニティプラットフォーム「nesto」

新型コロナウイルスの影響で、生活習慣の改善に対する意識が高まっている。だが、生活習慣を改善しようと思っても1人では続けるのが難しい。nestoは価値観の合う会員と時間に合わせて、互いにウェルビーイングな習慣ができるようサポートするコミュニティプラットフォームだ。それぞれの活動は「リズム」と呼ばれ、各リズムのホストが中心となって体操や瞑想といった活動やメンバーを集めた対話イベントなどを開催する。nestoは入会金と月会費の30%を得るビジネスモデルを採用している。

「nesto」は今回のデモデーの審査員特別賞を受賞した。

中小企業向けの貿易金融プラットフォーム「Nu-Credits」

80%の貿易取引が融資を活用しているが、中小の輸出入業者の場合は信用情報が足りず、融資を受けられないことが多い。融資する銀行側も、書類の情報漏洩や改ざんリスク、融資判断に必要な情報の不足、複雑な債権回収プロセスといった課題を抱えている。Nu-Creditsは中小の貿易業者向けに、複雑な請求業務を解消するファクタリングサービスやブロックチェーンを用いた与信管理サービスを提供することでこうした問題の解決を目指している。

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タグ:デジタルガレージOpen Network Lab日本IMAリモートワークEaSyGo不動産二酸化炭素nestoウェルビーイングNu-Creditsイベント

画像クレジット:デジタルガレージ

アルゴリズムを利用して賃貸住宅の特定や管理を支援し大家の頭痛を解消するKnox Financialが10.8億円調達

賃貸物件を所有して収入を得る方法を表す「受動的所得」という言葉は、誰もが知っているだろう。受動的に収入が得られたらいいなと思う米国人は多いが、大家になるための手続きは恐ろしいほどに厄介で複雑なものだ。

つまり、土地を売った途端に地価が上がって、売ったことを後悔する人がどれほど多いことか、という話だ。

すでに大家であっても、不動産管理の複雑さには押し潰されそうになる。

アルゴリズムを利用したプラットフォームで賃貸住宅の特定や管理を支援するボストンのスタートアップKnox Financial(ノックス・ファイナンシャル)は、1000万ドル(約10億8000万円)のシリーズA投資を調達し、目標をさらに拡大した。ボストンを拠点とするG20 Venturesがこのラウンドを主導し、Greycroft、Pillar VC、2LVC、Gaingelsなどが参加している。

この投資により、2018年創設以来のKnoxの合計調達額は1470万ドル(約16億円)となった。同社は2020年1月、Greycroft主導によるシード投資ラウンドで300万ドル(約3億2500万円)を調達している。

Knoxの共同創設者でCEOのDavid Friedman(デイビッド・フリードマン)氏は、スタートアップ初心者ではない。同氏は2004年、不動産会社や代理店のための総合マーケティングプラットフォームとオンラインマーケティングサービスBoston Logic(ボストン・ロジック)を創設している。2016年、フリードマン氏は、現在はPropertybase(プロパティーベース)と呼ばれるその会社を、非公開の価格でProvidence Equity(プロビデンス・エクイティー)に売却した。

Knoxは2019年5月にプラットフォームをローンチしている。その目標は、今住んでいる家から退去して投資不動産に変更しようと決意した住宅の所有者に「完全にお任せ」の移行を提供することだ。また、賃貸物件の管理をより簡単に効率的にする手助けもするという。

2020年初めのシード投資ラウンドでは、同社の事業はボストンに限られ、プラットフォーム上の物件は50件しかなかった。現在では7つの州に展開され「数百件」の投資不動産がプラットフォーム上にあり、1億ドル(約108億円)を超えるポートフォリオを監督している。

では、どんな仕組みなのだろうか?物件がKnoxのFrictionless Ownership Platform(フリクションレス・オーナーシップ・プラットフォーム)に登録されると、この物件の財務、税金、保険、賃貸と法務、賃借人と土地建物の管理、銀行口座管理と請求書の支払いといった処理を自動化し監督する。

Knoxではまた、その物件から長期的に得られる投資収益率を計算する、賃貸料と予測のモデルも開発した。

画像クレジット:Knox Financial

「投資家のための大幅な節約を行い、ほぼ確実にポートフォリオの収益性を高めます」とフリードマン氏はいう。「大きな家に引っ越す人がいれば、私たちはその物件を信じられないほどのROI発生器、つまり収入源に生まれ変わらせます」。

同社の収益モデルは単純だ。

「賃貸料が1ドル、このシステムを通過するごとに、私たちは10セントもらいます」とフリードマン氏はTechCrunchに話した。私たちは、顧客の状況に合わせて利益を調整します。賃貸料がまったく入らないときは、私たちも売上げはありません」。

Knoxでは、今回の新しい資金でサービス対象地域を広げ、もっと多くの人たちに知ってもらおう計画している。

G20 Venturesの共同創設者でパートナーのBob Hower(ボブ・ハワー)氏は、大学を卒業して数週間後に、母親の援助でボロ家を購入したことを話してくれた。改修を終えた1週間後に、彼はその家を売りに出した。それから5カ月の間、市場が軟調になるにつれて価格を次第に下げざるを得なくなり、とうとうわずかな儲けで売却してしまった。

「あの家は、今では私が出資した数倍の値がついています」とハワー氏は振り返る。「今思うと、敗因は、そもそも家を売ろうと決めてしまったことにあります」。

その経験からハワー氏は、Knoxのビジネスモデルにある、彼がいうところの「思考の明確さ」を大切にするようになった。

「Knoxが数十年前にあれば、大学卒業後に買ったあのボロ家を、今でも持っていたはずです」と彼はいう。「Betterment(ベターメント)などの投資プラットフォームは、いくつものアドバイスと最適化のための作業を、シングルサインオンの簡単なサービスに凝縮しています。Knoxは、この手のモデルを住宅不動産投資に持ち込んだ、最初の企業なのです」。

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:金井哲夫)

Amazon Alexaの頭脳構築に貢献したチームを擁する住宅関連サービスのHomeXが約98億円調達

家の所有者とサービスプロバイダー向けのホームサービスプラットフォームを提供するHomeXは、このたびNew Mountain Capital(ニューマウンテンキャピタル)が主導する資金調達ラウンドで9000万ドル(約98億円)を調達した。

ニューヨークを拠点とするNew Mountain Capitalは、300億ドル(約3兆2600億円)以上の資産を運用する投資会社で、今回のラウンドでは、同社の幹部と一緒に投資を行った唯一の機関投資家である。HomeXは、2019年の5000万ドル(約54億円)超の負債による資金調達まで、外部からの投資を受けずに運営されていた。

HomeXはシカゴを拠点として2017年に設立された。業者と住宅所有者をバーチャルおよび対面でマッチングして、住宅関連サービスを「根本的に改善」することを目指している。また、ソフトウェアを構築し、請負業者が需要を「より効率的に」掘り起こし、管理できるようにすることを目的としたサービスも提供している。

注目すべきは、HomeXの共同創業者の1人であるCTOのSimon Weaver(サイモン・ウィーバー)氏をはじめとする複数のチームメンバーが、Evi(イービー)の開発チームに在籍していたことだ。Eviは2012年にAmazonに買収されたスタートアップで、アプリを介して自然言語でコミュニケーションできるAIプログラムを開発。その技術は実質的に、アマゾンの仮想アシスタント「Alexa」の頭脳となっている。

HomeXは、人工知能を活用し、業者が家に出向く前に住宅の不具合をバーチャルで診断し、事前に必要な機材を準備するなど問題をより早く解決できるようにして、顧客のエクスペリエンス向上につなげることを目的としている。

同社の共同創業者で社長のVincent Payen(ヴィンセント・ペイヤン)氏は次のように話す。「私たちは、機械が生成したコンテンツを使用して、住宅所有者の問題に応じたソリューションを作成しています。機械を使って不具合や質問を理解し、実際に診断や提案、解決策を導き出すことは、AIが絶対的に優れているところであり、3年前、5年前には不可能だったことが可能になっています」。

5000億ドル(約54兆円)規模のサービス業界で長年勤務していた創業者でCEOのMichael Werner(マイケル・ワーナー)氏は、住宅関連サービスがいかに断片的であるかを認識していた。特に特定の市場では「需要が非常に高いのに、その仕事をする業者が足りないという不均衡、とんでもない労働力不足がある」と話す(彼の家族はWerner Ladders(ワーナー・ラダーズ)を設立している)。

HomeX Remote Assist(ホームエックスリモートアシスト)は、バーチャル(電話や動画、チャットなど)で住宅所有者とHomeXのライセンスを持つ技術者をマッチングし、住宅の一般的な不具合を診断・修理する。ワーナー氏によると、このビジネス部門は1年足らずで400%以上の成長を遂げ、2020年、同社はプラットフォーム上の請負業者の数を「約5倍」に増やした。収益の数字は明らかにしていない。

画像クレジット:HomeX

「私たちは住宅所有者が家のメンテナンスにかける手間を軽減しています」とワーナー氏。「それと同時に、私たちは請負業者の成功を支援したいと考えています。遠隔医療で医療の提供方法が変化したように、HomeX Remote Assistは住宅のメンテナンスサービスの在り方を変えようとしています」。

HomeXのビジネスではB2Bサービスの分野も急速に成長している。住宅保証会社や保険会社は、リモートサービスを「より効率的なビジネスのための付加価値」と考えているとペイヤン氏は指摘する。

「現在、資本金の一部を使って、パイロットプログラムやさまざまなビジネス開発に取り組んでいます」とペイヤン氏は話す。

ワーナー氏によると、今のところ会社全体では赤字だが、サービス面では利益が出ているとのこと。同社は過去12カ月間だけでも、バーチャルと対面でのやり取りで構成されたプラットフォームで「何十万」もの顧客にサービスを提供してきた。

New Mountain CapitalのマネージングディレクターであるHarris Kealey(ハリス・キーリー)氏は、書面による声明で、HomeXは住宅・商業サービス業界を再構築することができるだろうとしている。

同氏は「この市場は巨大で、変化と革新の必要性は相当なもの」という。

この分野では、最近Thumbtack(サムタック)が動画による住宅診断サービスを開始している。Thumbtackは、改修や修繕などのサービスを地元の業者に依頼できるマーケットプレイスで、2020年12月には、スタートアップのSetter(セッター)買収した。Setterは専門家による動画での住宅診断サービスを提供し、不具合の改善方法を個別に提案していた。

Thumbtackは、主要市場で取引が激減し、2020年3月末に250名の従業員を解雇した。しかしその後、CEOのMarco Zappacosta(マルコ・ザッパコスタ)氏はTechCrunchに対し「住宅に再び焦点を当て、デジタル導入を加速させる」と語っている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:HomeX住宅不動産資金調達

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)