Facebook譲り、それなりに使える機能の実装で競合を追い詰めるInstagramの戦略

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それなりに使える機能であれば、ネットワーク効果と組み合わせることで長期的に大きな影響がある。競合に勝つのに、相手より優れた機能を用意する必要はない。競合相手の魅力を奪えば良い。品質が良くなくても便利であれば、ユーザーが離れる心配はないだろう。

それがInstagram Storiesの背後にある戦略だ。

Snapchatは、日々の生活の1コマを共有する素晴らしいフォーマットを発明した。写真と動画のスライドーショーにコメントがつき、それらは24時間で消えるので、コンテンツの質は荒削りでもよく、ユーザーには自分の見ている世界を共有できる窓となった。Snapchatが提供する10秒のプライベートメッセージは爆発的に人気を博し、アプリのデイリーユーザーは1億5000万人となった。

Snapchat StoriesはInstagramのフィードに投稿するには完成度の低い投稿の全ての行き場所になった。この刹那的な仕組みは、恒久的なFacebookやInstagramとSnapchatを差別化する要因となった。人々がシェアする量は増え、Storiesは、Instagramからコンテンツと人々の関心を奪い、次の大規模なソーシャル媒体となるように見えた。

そこでInstagamはFacebookが2011年に使った戦略を取ることにした。

Instagram Stories New

当時、有名人によるリアルタイムのアップデートが大規模なソーシャル媒体の波になることが予想されていた。そういったコンテンツはTwitterに居場所があった。フィルターのかかっていない他人の投稿は、友人の投稿をアルゴリズムでフィルタリングするFacebookからTwitterを差別化するものだった。

そこでFacebookは、有名人をフォローするための Subscribeをローンチした。

「Twitter殺し」の機能ではなかった。そうである必要はなかったのだ。

それはTwitterより良いものではなかった。更新はリアルタイムで表示されるものではなかった。最高のコンテンツ・クリエーターがこの機能を活用し、フォロワーを受け付けるような状態でもなかった。ハッシュタグも急上昇中の話題を示す機能もなかった。Twitterにあるような何の準備なく、多くの人と議論ができる雰囲気もそこにはなかった。

Facebook Subscribe

しかし、Subscribe機能はTwitterのユーザーを奪い返そうとするものではなかったのだ。「Twitter殺し」のための機能ではなかった。Twitterのユーザー1億人に対し、Facebookは8億人のユーザーがいた。まだ早い段階だったので、そうする必要がなかったのだ。

それなりに使える機能を実装する戦略の目標は、競合他社の将来的な成長を遅らせることで、すでに競合が得たものを奪うことではない。

Facebook SubscribeはTwitterに参加しなくても事足りる、それなりに使える機能と思うユーザーもいただろう。Subscribeは、ユーザーが見ているニュースフィード内にあった。別の新しいアカウントにサインアップしたり、新しい用語やインターフェースを覚える必要もなかった。さらに、新しいオーディエンスやフィードを埋めるための作業をゼロから行う必要もなかった。

Twitterに致命傷は与えることにはならなかったが、すでにFacebookを使っている人にとってTwitterを使う理由を少し減らすことができた。5年後、Twitterのユーザー数は3億1300万人にまでしか成長していないが、Facebookには17億1000万人のユーザーがいる。Facebookは今でもリアルタイム、有名人のコンテンツに関して改良を加える一方、Twitterの課題は誰もが彼らのサービスを使用すべき魅力的なユースケースにたどり着けていないことだ。

今、Instagramは同じ方法でSnapchatと対抗しようとしている。

Instagram StoriesはSnapchat Storiesの品質には及ばない。ジオフィルター、アニメーション付きセルフィーレンズ、3Dスタンプ、スピードを変える演出、スクリーンショットのアラートもない。アプリを立ち上げてすぐに撮影を開始できるよう、カメラがホーム画面に設定されてもいない。アップロードもスムーズさに欠ける。

Snapchat Stories Instagram Stories

しかし、Instagram StoreisはSnapchatの成長を遅らせるのに十分かもしれない。特に既存のInstagramユーザーにとってそれはあてはまるだろう。Instagram Storiesはフィードの最上部に登場し、見逃したりはしない。中核となる、お絵描きとテキストの上乗せツールもそこにある。そして最も大事なことに、別のアプリで新しいオーディエンスを獲得する必要がないのだ。

過去にFacebookがSnapchatを真似ようとして失敗したのは、彼らは「さらに良い」バージョンのSnapchatを作ろうとしたからだ。

繰り返しになるが、多くのSnapchat愛好ユーザーは、Snapchatを離れたりしないだろう。けれど私の友達の間でも、もう数十人がInstgram Storiesで遊び始めていて、何人かはSnapchatを使うのをやめてしまった。ただ、Instagram Storiesの本当のターゲットは、Snapchatの楽しげなツールや形式に関心があるけれど、過去に使ってみたが定着しなかった、あるいは10代向けのツールだと割り切った、はたまた使い方を覚えるのに時間がかかりすぎると思った人たちだ。

これがうまくいかなくても、InstagramはStories機能を廃止すればいい。開発した時間とSnapcahatを真似たと批判されるコストがかかるくらいだ。InstagramのCEO、Kevin Systromは「 彼らが賞賛を受けるべき」と私とのインタビューで完全に認めている。FacebookがSubscribeがなくても重大なライフイベントや意見を共有する場であったのと同じように、Storiesがあろうとなかろうと、Instagramの洗練されたソーシャルメディアとしての立ち位置は変わらない。

Instagram Stories Onboarding

もしInstagram Storiesが成功すれば、最も危険な競合相手の牙を抜くことができるかもしれない。Facebookが過去にPoke、Slingshot、BoltといったSnapchatの機能のクローンを作ることに失敗している。それは、スタンドアローンのアプリとしてSnapchatと真っ向から対立するような「さらに良い」機能を作ろうとしたからと言えるだろう。ここでFacebookは学び、すでに人気のあるアプリに、それなりに使える機能を埋め込むことにした。

Storiesのフォーマットでユーザーを争うのではなく、Snapchatは他の付随機能、信頼性、初期の強力なコミュニティーの力で競争すべきだろう。Instagramのそれなりに使える機能ではSnapchatに致命傷を与えることはできないが、Snapchatが今後拡大する力を奪うことにはなるかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

NASA、探査機による最新火星写真を公開

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マーズ・リコネッサンス・オービターから1035枚もの写真が送られてきている。マーズ・リコネッサンス・オービターは、既に十年ほども火星の周りを飛んでいる探査機だ。NASAジェット推進研究所(JPL)が管理するこの探査機は、他の探査機とともに毎月火星からの写真を送ってくる。

写真は毎月送られてくるのだが、Popular Scienceの記事にもあるように、26ヵ月ごとくらいにシャッターチャンスが訪れる。すなわち火星、月、そして太陽の並びが最適な状態となり、この期間に膨大な写真を撮影して地球に送ってくるようになっているのだ。伝送に数週間もかかるほどだ。しかしそれだけの価値がある非常に鮮明な写真が送られてくる。

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今回送られてきたような精細な写真は、火星の表面について多くの情報を与えてくれる。また将来行われるであろう地上探査にも大いに役立つこととなるだろう。もちろんそうした実用上の目的を除いても、謎多き隣人の姿を写した写真は眺めているだけで興味深い。

8月3日に送られてきた写真は、アリゾナ大学のHiRISE(High Resolution Imaging Science Experiment)のページで見ることができる。もちろん過去に写された写真も掲載されている。

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(翻訳:Maeda, H

似顔絵から写真を再現、オランダの研究チームが逆発想のソフトウェアを開発

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スマートフォンで撮影した写真を絵画調のアート作品へと加工するアプリ「Prisma」を愛用している人は多いだろう。しかしその逆のプロセス、つまりアート作品を写真へと変換させることも同様に面白い。そして、そんな逆発想のテクノロジーの実現はそう遠くないと、オランダの研究者たちは断言する。

オランダ、ラドバウド大学の4名の神経科学者は、ディープ・ニューラル・ネットワーク(深層神経回路網)を利用し、似顔絵を写真のようにリアルな顔の画像に転換するモデルに取り組んでいる。この研究(Convolutional Sketch Inversion)の結果は、最初にオンラインアーカイブ「arXiv」にて公表された。10月にアムステルダムで開催予定の「European Conference on Computer Vision」にも先日受理されている。

科学者達によると、このモデルは様々な形で応用が期待できるという。例えば、芸術分野で似顔絵を写真に近い形に変えたり、あるいは科学捜査で、目撃者の情報をもとに書いた犯人の似顔絵を、画像認識ソフトで検知可能なデータにするといったことなどだ。

「最近発表された、ニューラルスタイル変換(neural style transfer)という、写真をアート作品へと変換するアルゴリズムの研究に触発されました」と、29歳のYağmur Güçlütürkと30歳のUmut GüçlüはTechCrunchへのメールに書いた。認知神経科学の博士課程学生である二人は、Marcel van GervenとRob van Lierと共に今回の研究を行った。

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GüçlütürkとGüçlüが参考にした論文には、ドイツの街テュービンゲンを、フィンセント・ヴァン・ゴッホの名作「星月夜」の絵画スタイルで再現するテクニックが記されていた。「これを読んだ時、逆の場合はどうなのかと考え始めました。つまり、このフィンセント・ヴァン・ゴッホの作品を写真にするとどうなるか、ということです」とGüçlütürkとGüçlüは書く。

GüçlütürkとGüçlüによると、人工神経回路網を利用した独自のソフトウェアは以下のように機能する:

「例えば、科学者である私が、人工神経回路網であるあなたに、スケッチ(インプット)を写真(アウトプット)に変換する方法を教えたいとしましょう。まず、スケッチと写真のペアを取り込んだ膨大なデータセットを構築します。そしてあなたにスケッチのみを渡し、写真に変換するよう依頼します。あなたは適当に1つ戦略を考え、写真を再現します。初めのうちは、作成した写真とデータセットの写真はかけ離れています。私は、あなたが描いた写真とデータセットの写真を比べ、間違いを指摘します。そのフィードバックをもとに、あなたは戦略を変え、改めて写真を作り直します。すると徐々に、写真のクオリティが高まっていくのです」。

Examples of the synthesized inverse sketches from the LFW dataset. First image in each column is the ground truth, the second image is the generated sketch and the third one is the synthesized inverse sketch. (Source: "Convolutional Sketch Inversion" Study)

LFWデータセットから合成した似顔絵の例。最初の列が本物、2番目が生成されたスケッチ、そして3番目の列がスケッチから合成した顔写真。(論文「Convolutuonal Sketch Inversion」より)

今回、スケッチと写真を一致させるモデルの習得プロセスにおいて、反復学習がとても重要な役割を果たした(これは神経回路網を訓練させるスタンダードな方法でもある)。

「この最後の2つのステップを何度も繰り返します」とGüçlütürkとGüçlüは書く。「最終的に、合成した写真はデータセットの写真と似てきます。上手くいけば、習得した新たなスキルを使って、すでに見たことのあるスケッチだけでなく、まだ見たことがないスケッチでも素早く高画質な写真へと変換することが可能になるのです」。

このアルゴリズムの訓練とテストを実施するため、研究者達はまずウェブ上で公開されているデータをもとに似顔絵をコンピューターで生成した。使用したのは、CelebAにある20万枚以上の芸能人の写真が保管されたデータセットと1万3000枚の顔写真が保管されているLFWデータセットだ。さらに、手描きのスケッチをCUFSデータセットから入手した。

2人の博士課程の学生がまず始めに試したのは、Güçlütürkが描いた彼ら自身の似顔絵を変換することだった。さらに、このアルゴリズムを使うことで、2人は有名なオランダ人アーティスト3人(レンブラント、ヴァン・ゴッホ、エッシャー)の自画像をもとに、写真のようにリアルな顔の画像を構築することを試みた。

Self-portrait sketches and synthesized inverse sketches along with a reference painting or photograph of famous Dutch artists: Rembrandt (top), Vincent van Gogh (middle) and M. C. Escher (bottom). (Source: "Convolutional Sketch Inversion" Study)

左の列から有名オランダ人アーティストの自画像、スケッチから合成した顔写真、参考写真又は絵。レムブラント(上)、フィンセント・ヴァン・ゴッホ(真ん中)、M. C. エッシャー(下)(論文「Convolutional Sketch Inversion」より)

彼らは現在、この成果を市場に投入する方法を探している。芸術や科学捜査などの領域での収益化を目指している。

「今回の研究からスピンオフして設立した会社Neurantは、そういったアプリケーションの開発をすでに行っています。近いうちに市場に参入したい考えです」とGüçlütürkとGüçlüは締めくくった。

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(翻訳:Tomoya Mori)

Instagram、Storiesをリリース―24時間後に消えるスライド共有は「Snapchatのフォーマット」とCEO認める

LONDON, ENGLAND - MARCH 09:  Kevin Systrom arrives at a party hosted by Instagram's Kevin Systrom and Jamie Oliver. This is their second annual private party, taking place at Barbecoa on March 9, 2015 in London, England.  (Photo by David M. Benett/Getty Images for Instagram)

シリコンバレーにいないものといえば、他の人間のアイディアをコピーしたと認める起業家だ。ところがFacebookの本社―世界有数の巨大なビジネスが運営されている場所―でInstagramのファウンダー、CEOのケビン・シスストロムの発言は私を仰天させた。

シストロムはInstagramがリリースしたInstagram Storiesのデモを見せてくれた。この新しいプロダクトは24時間で消える気軽な写真共有サービスだが、あまりにもライバルのSnapchatに似ているので、シストロムの洒落れたオフィスでプレゼンのスライドを見せられながら私は笑いをこらえるのに苦労するほどだった。

シストロムはInstagramをFacebookに10億ドル近くで売却した、しかしどうやら彼自身はそこから想像されるような華々しい生活をしていないらしい。Instagramのフィードにあまり写真を投稿していない。Instagramは基本的に「生活のハイライト」の写真を投稿するサイトだ。10代のユーザーは投稿後数分で十分な数の「いいね!」が付かないと写真を削除してしまうことが多い。そのためInstagramにはSnapchatのような「なんでもない日常の情景」を写した写真が少ない。【略】

これがシストロムがInstagram Storiesを作った理由だ。

...including an interview with Instagram CEO Kevin Systrom where he says Snapchat "deserves all the credit"

記録を残すのか、体験を共有するのか?

24時間で消えるスライド共有がソーシャルメディア全般にどういう影響を与えるかはまだ不明だ。しかしInstagramという巨大なフィードに欠けていた部分を補うサービスなのは間違いない。Storiesは「大人向けSnapchat」だ。Snapchatの機能や画面への書き込みツールがInstagramにあったらいいと考えていたユーザーは多い。

Storiesのようなサービスに対する私の懸念は、日常の些細な場面を常にフィードするライフキャスティングが人々のポピュラーな行動パターンになりはしないかという点だった。美しい夕日が沈むの見ているときでも、あわててスマートフォンを引っ張りだして自分の体験を放り出し、記録を残さねばならなくなる。

しかしシストロムはそういうふうには考えていなかった。記録か体験かという問題を尋ねられるとシストロムは「なるほどネガティブな面もあるが、ポジティブなユースケースの可能性が圧倒的に上回ると考えた」と答えた。たとえばこれまで北朝鮮や難民キャンプでの日常がInstagramにアップされることはなかった。

「美しい夕日を見ているときに慌ててスマートフォンを引っ張り出すという側面と、世界の無数の人々とつながり、多様な生活を直かに見て新しい考え方、異る文化を理解するためのハードルが低くなる側面〔との比較だ〕。Instagramは世界を巨大な共時的存在と感じさせることに役立った。いつでも誰とでもつながることができ、自分自身は非常に小さいものでありながら多くの人々と共にあるという感覚だ」とシストロムは言う。【略】

テクノロジー・ビジネスで稀な正直さ

なるほどこれまでInstagramには「共有性が足りなかった」かもしれない。しかし私には Instagram Storiesは「共有が過剰」ではないかという思われた。しかしそれはともかくとしてシストロムのオフィスでデモを見た全員の頭上に”Snapchat”という口に出されない大きな疑問がずっとわだかまっていた。そこで私は率直に尋ねた。

「重要な点だと思うが、24時間で消えるライフキャストの共有というフォーマットはSnapchatがパイオニアで、実際、コンセプトから実装手法、細かい機能まで…」

「そのとおり。すべての功績はSnapchatのものだ」とシストロム

シストロムの言葉に私はのけぞった。

Facebookは以前にもPokeやSlingshotでSnapchatをまるごとコピーして失敗に終わったことがある。Facebookの「過去のこの日(On This Day)」は TimeHopというスタートアップをまるごとコピーしたものだ。ハッシュタグや話題のトピックの採用はTwitterのコピーだ。にもかかわらずこうしたプロダクトの責任者は「われわれのユーザーの行動を詳しく観察した結果だ」とか「他人の動向を気にしたことはない」とか述べるのが普通だった。

しかしシステムは大胆にも真実を口にした(強調は筆者)。

これはフォーマットの問題だ。新しいフォーマットをサービスに取り込んで、独自の性格をもたせることができるかどうかだ。【略】

誰もが周囲を見回して最良のフォーマット、最高の先進テクノロジーを採用しようとする

Snapchatで好評の顔フィルターは既存の顔認識テクノロジーを採用したものだ。スライドショーももちろん既存の技術だ。スライドショー作成はFlipagramがだいぶ前から提供している。シリコンバレーのおもしろいところはここだと思う。ゼロから新しいプロダクトを考えつくのは不可能だ。 しかし「このフォーマットはここがすごい」と見極めて、それを自分のサービスに適用することはできる。

Snapchatは非常にいい仕事をした。Facebookもいい仕事をした。Instagramもいい仕事をした。われわれはみないい仕事をしたと思う。彼らはあれを発明した。われわれはこれを発明した。そういう世界だ。

Gmailだって最初のメール・クライアントではない。Googleマップも最初のオンライン地図ではない。iPhoneが最初の携帯電話ではないのは誰もが知っている。重要なのは既存のフォーマット何を付け加えられたかだ。【略】

エンジニアリングの世界でこれは「正しいやり方(The Right Thing)」と呼ばれている。困難な問題を解決するために誰もが採用すべきベストの方法といった意味だ。テクノロジーのバックエンドに「正しいやり方」を採用したプロダクトには、「自分が発明したのではない」としても、標準に成長したものが多数ある。Amazon Web Services、Twilio SMS、各種のMySQL データベース、みなそうだ。

しかしシリコンバレーには病んだプライドが蔓延しており、本質的にはコピーであるにもかかわらず、見た目を少々変えるだけで独自性を主張する例が多い。

Instagram Stories vs Snapchat Stories

Instagram Stories(左)とSnapchat Stories(右)

しかしシストロムはプライドという病とは無縁のようだ。願わくば多くの起業家がシストロムを手本として、透明性を口に唱えるだけでなく堂々とコピーしたソースを名指せるようになってもらいたいものだ。

Instagram Storiesについてのわれわれの記事はこちら。:

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

短期間で人気写真アプリになったFacetuneとEnlight、Lightricks社がその秘密を語る

エルサレムのLightricksは、今何千もある写真アプリの中で目立つためには何をすべきか、を知っている。彼らがこれまで作ったEnlightFacetuneは、App Annieのデータによると、今や写真アプリの上位にいる。

CEOのZeev Farbmanにイスラエルでインタビューしたが、そのとき彼はLightricksの写真アプリを使ったトリックをいくつか見せてくれた。そして、これらのアプリが、混雑している写真アプリの世界で上位に行く、と確信した理由も説明してくれた。

彼によると、“Lightricksの写真アプリはどれも、Photoshopのレタッチ機能を使いやすくしたものだ”。そして、Facetuneの成功によって、単純であることが重要、と学んだそうだ。

Facetune

iOSとAndroidで3ドル99セントのFacetuneは、肌の色のむらをなくし、歯を白くし、にきびなどを消す。こんな処理のできる写真アプリは、ほかにもたくさんあるが、Facetuneでは問題の部分をスワイプするだけでよい。今や自撮りがブームだから、短期間で、写真美化アプリの人気者になった。

同じく3ドル99セントのEnlightはiOSのみで、スマートフォン上の写真をプロが撮った写真のようにする。単なるフィルターではなくて、明るさや色の細かい調整機能が自慢だ。そしてこれもまた、領域を指でなぞるだけでよい。Enlightは、ランドスケープ型の写真や、美術作品的な写真に向いている。

上のビデオが、彼がやってくれたデモだ。

同社はCarmel Venturesから1000万ドルあまりの資金を調達し、エルサレムのヘブライ大学の中にある。Farbmanは、早期に成功した理由の一つとして、技術者が身近にいくらでもいることを挙げる。“これだけの大仕事で成功すると、自然にクリエイティブのエコシステムが出来上がる”、と彼は語る。“人材の大きなプールがあると、そこにまた良質な人材が集まってくるんだ”。

2 Enlight

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ロッキード・マーチンのHydra Fusionはドローン撮影のビデオからリアルタイムで3Dマップを作成する

2016-07-21-hydra-fusion

ドローンのカメラはすばらしい鷹の目だが、単にカメラが撮影した映像以上のデータが必要な場合―たとえば詳細な3Dマップなど―その処理には何時間もかかることを覚悟しなければならない。しかしロッキード・マーチンの場合は事情が違うようだ。その名もクールなHydra Fusion Tooslと呼ばれるシステムはドローンが撮影したビデオだけを使ってリアルタイムで 3Dマップを作成できるという。

写真測量法(photogrammetry)の大進歩だ。ご存知ない読者のために説明しておくと、これは連続撮影された映像を詳細に比較することによって対象物の絶対的サイズ、距離を決定する技術を意味する。コンピューター写真測量法はきわめて有用なため、科学、軍事方面でさまざまな利用法が知られている。最近ではドローンの映像をベース史跡l驚くほど精密に再構成されている。

An example of Lockheed's photogrammetry in action -- a 3D map of Oahu.

ロッキードの写真測量法の例―ハワイのオアフ島の一部の3Dマッップ

ただしこの処理はすべてのピクセルを詳細にチェックしなければならないためコンピューターに非常な大きな負荷をかける。HDビデオを処理するとなれば以前のスーパーコンピューターなみのパワーが必要になる。幸い、現在のGPUボードはサンドイッチくらいのサイズに小型化されたスーパーコンピューターといってよい。ロッキード・マーチンは何枚かのGPUボードを使ってリアルタイムで3Dマップを作ることを可能にしたようだ。

出力結果は壁紙にして眺めたくなるような出来ばえではないが―初期のAppleマップのレベルを考えてみるとよい―ドローンのビデオがベースだということを考えると十分な精密さだ。このマップを利用すれば、ドローンはマップがなければ気づかないであろうビルや塔を避けながら地形に沿って低空を飛ぶことが可能だという。
これはドローンの偵察飛行ですばやく大まかな地図を作るのにも使えそうだ。米軍特殊部隊が使っているというiPhoneで表示するのによいかもしれない。

ロッキードのプレスリリースではHydra Fusionを作動させるために必要なハードウェアについては単に「商用コンピューターが利用できる」としているだけだ。私は価格とコンピューターの仕様についてロッキードに問い合わせておいた。回答があればアップデートするつもりだが、おそらく相当に高額なものになるのだろう。

画像: Lockheed Martin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「iPhoneで撮影」キャンペーンにあなたの写真を採用させるコツ

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最近Appleのビルボード(大きな野外広告看板)の近くに行った事はあるだろうか。おそらく立派な写真の下に「Shot on iPhone(iPhoneで撮影)」という文字を見たのではないかと思う。あなたは写真家として羨ましさに苛まれたかもしれない。なぜあなたの写真があそこにあって世の中で見られていないのだろう?

Jordan IsonはAppleの最新のキャンペーンに採用された写真家の一人である。この世界最大のアート展示に彼の作品が採用された経緯を知るために彼の話を聞いた。

最初の接触

「沢山の写真を撮影していますが、それらの写真に対するスパムメッセージも同時に沢山受け取っているのです」とIsonは言う。「今回のケースでも、私は同じ代理店の2人の異なる人物からとても謎めいたメールを受け取ったのです。しかし、そのメールには何か引っかかるものを感じたので返信をしたのですが、今ではそうしてよかったと心から思います!」。

Appleが「iPhoneで撮影」キャンペーンに採用した写真

この新進気鋭の写真家がメールに返信したところ、次に代理店が行ったことは信じられないくらい厳しい内容のNDAを提示したことだった。それにサインしたことで、彼はいかなる理由であっても、誰に対しても、何も話せなくなった。実際Isonは代理店の名前を出すことさえ躊躇っていたのだ。

「どれくらい秘密主義が徹底しているのかきっと信じられないですよ」とIsonは笑う。「私たちは2016年のキャンペーンに採用された人たちのためのFacebookグループに参加しているのですが、参加者が代理店とコミュニケーションを行う際に、Facebookグループの中で絶対に名前を使わないんですよ。いつでも『my contact』と『the agency』が使われて、名前が使われることはありません」。

Isonが代理店の名前を明かすことは決してなかったが、ここで話題になっている広告代理店がTBWAであることは公然の秘密だ。TBWAは関連会社であるMedia Arts Labを使って写真家に接触しているのである。

選考過程

最初のiPhone 4を買ったときに、Isonの撮影の旅は始まった。

彼の写真を採用したサンフランシスコのビルボードの前に立つJordan Ison

彼の写真を採用したサンフランシスコのビルボードの前に立つJordan Ison

「iPhoneを買うまでは写真を撮ったことなんてなかったんですよ」とインタビューに持参したRolleiflex(iPhone とはずいぶん違ったタイプのカメラだ)のカメラストラップを弄びながら彼は語った。「でも写真を撮ってInstagramに投稿し始めたら、新しい趣味に目覚めたんですよね」。

当初からIsonは、Instagramに投稿する彼の写真に対して#shotoniphoneというハッシュタグをつけていた。それが最終的には世界中のビルボードに彼の写真を着地させることにつながる習慣の始まりだったのだ。

代理店が「iPhoneで撮影」キャンペーンの採用候補者に送ったメッセージはとても簡潔なものだった。「私どものお客様があなたの写真を、とある用途に使いたがっています」。メールは謎かけのようだった。その何かのプロジェクトはコードネームを知らされただけだったそうだが、Isonはその名前を私に教えることも拒んだ。まるでスパイ映画のようだ。

「プロセスは興味深かったですね。彼らは何の手がかりも与えてくれませんでした。本当の最後になるまで、それが「iPhoneで撮影」キャンペーンだということも言いませんでしたね」と彼は肩をすくめた。

「彼らは実際には、最初は別の写真について私と話をしたがったのです」、IsonはBonneville Salt Flatsの素晴らしい写真をiPhoneで見せながら話した。「それでも、もし他に見ることができる写真があれば見せて欲しいとも言ってきました。そこで彼らに半ダースほどの写真を送ったのですが、それが正解でした、最初の写真ではなくて、他の写真を使うことになったのです」。

Appleの広告代理店が最初に使おうとした写真

「彼らはInstagramの上のハッシュタグを使って画像を見つけたんですが」とIsonは説明した。「しかし、彼らは私のTumblrも見ていたんでしょうね。私はInstagramのアカウントではメールアドレスを公開していないので」。

更なる試練

「私が送ったそれぞれの写真に対して、代理店は中身をぎっしり書き込むアンケートに答えるように要求してきました。彼らは私がその写真を撮ると決めた事情やその裏にある物語を知りたがりました」とIsonは続けました。「写真のコンテキストは、彼らにとって本当に重要であるように見えました。誰が、なぜ、どこで、そして何を、について詳しく知りたがったのです」。

代理店はまた、写真家自身が著作権を所有していることへの誓約書と、写真を商用目的で代理店に使用させる許諾書への署名を求めた。写真家は画像の利用に対して支払いを受けるが、それはおそらく読者が想像するほど多額ではない。

目を引く写真を、世界中のポスターやビルボードで見ることができる。どれほど大規模な美術展だろう!

目を引く写真を、世界中のポスターやビルボードで見ることができる。どれほど大規模な美術展だろう!

「まあストックイメージに対して通常払われる金額よりは、随分良いペイでしたけどね」、正確な金額は教えてくれないながらもIsonはこう話した。

「2000ドル位ですかね?」と私は適当に尋ねてみた。

「それよりは少なかったですけどね」とIson。

「代理店は、まだ写真に対する選択と鑑定が続いていること、その中で私は候補の一つであることを仄めかし続けました。しかし同時にビルボードが仕上がる瞬間まで何も最終決定ではないということも念押ししていましたね」とIsonは謎に満ちた4か月のプロセスを付け足した。

結局ビルボードが世界中で公開される4日前まで、彼は自分の写真が選考を勝ち抜いたことを知ることはなかったが、やがて自分の写真があらゆる場所で使われていることを知ることになる。沢山の雑誌の中や、世界中の小さなビルボードとして。そして最大の栄誉は、サンフランシスコ、ミネアポリス、ミラノ、ベルリン、クアラルンプール、パース、広州に出現した壁画サイズのビルボードだった。

Isonは言う「キャンペーンに採用されることは素晴らしいけれど、少し屈辱的なところもありましたね」。しかしそのことが彼の写真のキャリアに対して与える影響に関しては現実的に捉えている。「このことで、私はより多くの注目を集めるかもしれませんが、そうはならないかもしれません。私にとって大事なことは、このことが写真を撮り続ける気持ちに拍車をかけたということですね。私の写真が、このようなキャンペーンに使われる目的に、十分良いものであることを知ったことは本当にやる気にしてくれます」。

Shot on iPhoneキャンペーンの写真家たちはFacebook上でお互いをフォローしていて、世界中の建物にあるお互いの写真をシェアしあっている。

「iPhoneで撮影」キャンペーンの写真家たちはFacebook上でお互いをフォローしていて、世界中の建物にあるお互いの写真をシェアしあっている。これは、グループのメンバーの一人が広州(中国)のショッピングモールの壁を覆うIsonの写真を見つけたときのものだ。

「iPhoneで撮影」キャンペーンに採用されるには

今年のキャンペーンは「色」と呼ばれた。それぞれの写真はほぼ単色のトーンだ。

今年のキャンペーンは「色」と呼ばれた。それぞれの写真はほぼ単色のトーンだ。

次の機会にはあなたの写真にスポットが当たり、採用され、ビルの側壁一面を覆いたいだろうか。それも世界中の国々で?

選択されるための魔法の弾丸は存在しないが、候補の山の頂上付近にあなたの写真を浮かび上がらせる可能性を増すための5つのヒントを紹介しておこう。

  • Appleが製造している最新のiPhoneで撮影する。 あなたがiPhone 5で素晴らしいショットを撮れるかどうかは関係ない – 彼らはただiPhoneの最新モデルを宣伝したいだけなのだから。
  • Instagramの写真にはマメにタグをつけること、そしてあなたのInstagramのフィードの残りの部分も、同様に高品質であることを保つこと。#shotoniphone#shotoniphone6sでタグ付けするのは良いアイデアだが、写真をテンコ盛りのハッシュタグでスパム化する誘惑には耐えること。
  • 元のファイルを保存しておくこと。 Appleは対象となる写真が、本当にあなたが撮影したものか、そして間違いなくあなたが使ったと主張している電話機(ここではiPhone6s)で撮影されたものかを確認する。
  • 連絡先を見つけやすくしておくこと。 代理店は何千人もの候補の中から選別を進めている。もしあなたに電子メールを送ることが難しいようなら、彼らは手間をかけることはしない。
  • メールから目を離さないこと − 肩をいつ叩かれるか、あらかじめ知ることはできないのだ!
  • 素晴らしい写真を撮ること 。まあおそらくこれが秘訣ナンバー1であることに間違いはない。

さあやってみよう!

原文へ

(翻訳:Sako)

Facebookで360 Photosがスタート―スマートフォンを傾けるだけでパノラマが見られる

2016-06-10-facebook-360-photos

やっとズームイン、ズームアウトを繰り返す必要がなくなる。FacebookはようやくパノラマやVR写真をスマートフォンで表示するための当たり前の方法を採用した。360 Photosと名付けられた機能がiOS、Android、ウェブ、Gear VRでスタートする〔日本版注参照〕。これでパノラマやVR写真の作成にもはずみが付くだろう。

1ワールドトレードセンター・ビルの頂上からニューヨークを見渡したマーク・ザッカーバーグのパノラマはここで見ることができる

iPhone、Samsung Galaxyのパノラマ機能、あるいはリコーThetaなどで撮影した360°アプリの写真を普通の写真と同様に投稿できるようになった。Facebookはこれらの写真を自動的に360 photoに変換する。ユーザーが360 photosの写真を表示するとコンパスのアイコンが表示される。ユーザーはデバイスを傾けるだけで写真を隅々まで眺めることができる。クリックないしタップしてドラグすることももちろん可能だ。Gear VRを持っていれば、上部右側の“View in VR”ボタンを押すとヘッドセット用の画像に切り替わる。ヘッドセットを着用したユーザーは頭を動かして周囲を見回すことができる。

paul-feed

Facebookでは大勢の有名人やサイトのパブリッシャーが360 photosを利用した写真の公開のために列を作っている。国際宇宙ステーションの内部写真を公開したNASAには10万人ものファンがいる。ポール・マッカートニーNew York Timesのアカウントも要チェックだ。NYTは最高裁判所の知られざる内部を撮影している。

360 Photo Viewing

Facebookのプロダクト・マネージャー、Andy Huangはブログに「Facebookに写真を投稿できるようになったのは10年以上前だが、たちまちユーザーが体験を共有するための主要な方法になった」と書いている。Facebookでは写真同様にビデオ、360°パノラマ、拡張現実が体験共有のための主要なプラットフォームになると信じており、ニュースフィードにそうした機能を採用してきた。将来、Instagramも360°パノラマ写真をサポートするかもしれない。

ユーザー生成コンテンツの投稿先としてFacebookが非常にポピュラーな存在であることはパノラマ写真の共有でも有利に働く。Snapchatでは投稿写真を誰でも見るわけにいかない。Twitterもまだテキスト中心のプラットフォームだという印象が強い。360°パノラマ写真が優れたコンテンツだと認められてFacebookで人気を得るなら、これもまたFacebookを毎日使う理由の一つになるだろう。

Facebook 360 Photos

同時に、 360 Photosは企業やブランドに取っても注目を集めるマーケティング手段となりそうだ。映画のセット、旅行の目的地となる有名スポットなどが360
photosの広告となって登場する日も近い。

Facebookでは、Samsung Gear VRの月間ユーザーが100万人を超えたというニュースと共に360 Photosという新機能を追加することを先月予告していた。ただしその時点では見ることができるパノラマ写真のバリエーションが少なく、有力ソフトメーカーのゲームや映画などに限られていた。

Facebookではこの点に対処すべく、360°サラウンド・カメラを開発し、デザインをオープンソース化し、3万ドルの資金があるプロが自分で最高品質のVRを撮影できるデバイスを作れるようにした。しかし一般ユーザーがFacebook向けのVRコンテンツを作ろうとする場合はFacebook傘下のOculusのRiftとSamsung Gearヘッドセットが依然、主要な手段となるようだ。

〔日本版〕パノラマ写真はデスクトップ、モバイルともウェブ版では表示可能。360 Photoは円形の中に視野を示す扇型のアイコンが表示される。ドラグして周囲を見ると視野を示す扇型も同期して動く。ただし記事翻訳の時点では「傾けてパノラマを見回す」機能は訳者の環境には実装されていなかった。アップデート後に有効となるようだ。 ザッカーバーグの投稿によれば、1ワールドトレードセンターから見渡したニューヨークの写真は、Michael FranzとJonathan D. Woods がTIMEのために撮影したものという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Motion StillはiOSのライブフォトの手ブレを補正して見やすいアニメにするGoogleアプリ

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Appleのライブフォトはなかなか独創的な発明だ。ライブフォト・モードを選んでもいつもどおり普通に写真を撮れる。しかしiOSが自動的に前後のシーンを撮影しているので、タップするとアニメになって動き出す。

驚くべき仕組みで、ときおり道で宝石を拾うような幸運に恵まれることもある。しかしたいていの場合、ブレがひどく、意味不明なアニメになるため利用度合はそれほど高くなかった。

Googleは先ほど、この点を修正するアプリをリリースした。

Motion Stills〔動く静止画〕と名付けられたアプリは、ほぼiOSのライブフォト専用だ。GoogleはYouTubeなどで積んだビデオ技術をアプリに投入しており、ブレ放題のアニメを見やすく安定させるなどの驚べき効果を瞬時に発揮させることに成功した。

  • ブレがひど過ぎるフレームを除外する。またユーザーがスマートフォンをポケットに戻そうとする間に写ってしまったフレームも判別する。
  • 背景、前景に何が写っているかを認識し、別個に安定させる(納屋の後ろに山なみが撮影されているような場合、それぞれのブレは視差効果のため大きく異なる。下のGIFアニメを参照)
  • ループ表示に適した開始点、終了点を探す。
  • 広く共有できる GIFファイルを作成する

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Motion Stillアプリは今のところiOS版だけしかないが、これはライブフォトが事実上iOS専用であることを考えると理にかなっている。もちろんサードパーティーのデベロッパーはAndroidでもライブフォトの機能を再現しようとして各種のアプリを発表しているが、まだこれといった決定版は出ていない。

そのような現状ではあるものの、このアプリの登場はGoogleのエンジニアがますますiOSに興味を深めていることを示すものだ。Googleアプリとしては、5月にリリースされたiOS向けキーボード(ちなみにこのGboardは素晴らしいアプリだ)、に続き、iOS版が先に発表された2番目の例となる。 Gboardは多くの部分をAndroid版から借りていたが、同時にGIF検索や絵文字の提案などAndroid版では未実装の機能も多数備えていた。

GoogleのMotion StillsはiOSのApp Storeで公開ずみ

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagramの新アルゴリズムがライブに―いちばん興味を引く写真をトップに表示

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今日(米国時間6/3)、Instagramを開いたユーザーはいつもと違っていることに気づいたかもしれない。昔からフォローしている相手や親しい友だちの投稿が、それよりも新しい他の投稿を押さえてトップに表示されているはずだ。「ベストの写真を最初に表示する」というInstagramの新アルゴリズムがいよいよライブになった

TechCrunchでは以前からInstagramが表示順を変えようとしていること報じてきた。

3月に Instagramはそれまでの「厳密に投稿時刻の逆順(一番新しい投稿がトップ)」というアルゴリズムを捨てることを発表した。新しいアルゴリズムは「ユーザーと投稿者との関係や投稿のタイムリーさなどを考慮し、ユーザーがコンテンツを気に入る可能性の高さの順」となるとIInstagramは説明した。

この考え方がInstagramの親会社であるFacebookのニュースフィードの表示アルゴリズム」に似ていると考えるなら、それは正しい。だいぶ以前からFacebookは人々がいちばん見たがる投稿は必ずしも最新の投稿ではないことに気づいていた。ある投稿にどれほどの関心が寄せられるかは、それぞれのユーザーの状況によって異なる。

一方、どんな熱心なファンでも1日24時間サイトにへばりついているわけではない―睡眠時間も必要だ。そういうわけでわれわれは親しい友だちの投稿や重要なニュースに関する投稿を見逃しがちになる。海外旅行などで異なる時間帯にいる場合は特にこの傾向が強くなる。

Instagramが木曜日に発表した短い記事によれば、ユーザーは平均してフィードの70%を見ていないという。Instagramは今や月間ユーザー4億人の巨大サービスに成長した。それに伴って投稿される写真やビデオの数も増加しつづけている。そこでさらなる効率化のためにアルゴリズムのアップデートが必要になったわけだ。

Instagram_UI

Instagramがアルゴリズムの変更を行うことを発表した当初、当然ながらInstagramのプロ・ユーザーやブランドの間には強い懸念が広がった。投稿が以前ほど頻繁にユーザーの目に触れなくなることを恐れて、通知機能を利用するようユーザーに頼むブランドも多かった。

ある意味でこの不安は正しいといえる。もしユーザーがブランドの投稿に興味を示さず、ほとんど見ていなかったとすれば、今後の投稿はフィードのはるか下の方に埋められてしまう。

しかしこれは同時に Instagramの広告ビジネスに好影響を与えるはずだ。

今週Instagramはまさにこの問題を解決するためのビジネス向けの新しいツールを発表した。どんぴしゃのタイミングだ。

このInsightsツールを使うことにより、ブランドはユーザーの性別、年齢、居住地などの人口動態情報や主としてアクセスする時間などのエンゲージメント情報を分析できる。ある投稿の人気が高いと判明すれば、ブランドはアプリ内で数回タップするだけで投稿をInstagram広告に変換することもできる。

すでに報じたとおり、新ツールは数ヶ月以内にまずアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに導入され、今年一杯かけて世界各地に順次展開されるという。

ユーザー向けの新しいアルゴリズムはすでに導入が開始されている。もし読者のInstagramがまだ新しいアルゴリズムを採用していなくても、すぐにそちらに移行することになるだろう。「すぐ」というのはいつ頃かという疑問が生じるが、Instagramの広報によれば、世界のユーザーへのアップデートが完了するには「数ヶ月かか」るという。

〔日本版〕記事中にも既報へのリンクがあるが、Instagramのビジネス向けツールについては6月1日のTechCrunch Japanの翻訳記事を参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

プロのスポーツカメラマンもiPhoneのみで撮影する新時代

PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 15: Jason Day holds up the championship trophy after winning THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 15, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)

プロのスポーツ写真家を思い浮かべてみよう。どのような人を思いうかべるだろうか。ベージュのベストを着て大きな望遠レンズを持ってエンドゾーンあたりに立つ人だろうか。

「プロカメラマン」ときいて、iPhone 6s Plusと、予備のバッテリーパックを持っているだけの人を思い浮かべる人はいないだろうと思う。

ところが、実際にそういう人物がいるのだ。名前をBrad Manginという。かれこれ20年以上もスポーツカメラマンとしての仕事をしていて、スーパー・ボウルやワールドシーリーズ、そしてオリンピックでも写真を撮ってきた。

ただし、彼もこれまでは「ふつう」のDSLR(デジタル一眼カメラ。もちろん昔はフィルムカメラも使っていた)で仕事をしていた。しかし最近はもっぱらiPhoneを使ってスポーツイベントの撮影を行うようになった。カメラがコンパクトになるおかげで、大きな機材を持ち込む必要がなくなり、また違った魅力をもった写真が撮れるようになったのだとBradは言っている。

この話を最初にきいたときは、話を大げさにしているのだろうと思った。しかしiPhoneで撮影して、そしてiPhoneのみを使って編集したTHE PLAYERS Championshipの写真を見せてもらって、ようやく彼の話を信じることができた。

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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 10: Young fans wait for autographs after a practice round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 10, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 15: Jason Day tees off on the first hole during the final round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 15, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 12: Early morning on the practice tee prior to the first round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 12, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 8: Champions locker room in the clubhouse before THE PLAYERS Championship on at TPC Sawgrass on May 8, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 10: Caddies carry clubs through a tunnel away from the 17th green during a practice round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 10, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 10: Rickie Fowler signs autographs for young fans after a practice round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 10, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 13: Jason Day's caddie Colin Swatton cleans his clubs prior to the second round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 13, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 15: NBC sports personalities Johnny Miller and Dan Hicks broadcast live from the studio behind 18 tee during the final round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 15, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 15: Jason Day tees off on the 18th hole during the final round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 15, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 14: The championship trophy sits in front of the clubhouse during the third round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 14, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)
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    PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 15: Jason Day poses for a portrait with the championship trophy after winning THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 15, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)

スポーツ写真といっても、通常イメージするようなものとは少し異なったアプローチで写真を撮っているのだ。

Bradは、まず自分の機材で撮ることのできる写真(すなわち機材の限界)を知ることが大事なのだと言っている。iPhoneに搭載されたカメラは素晴らしい性能を持っているが、しかしコンマ数秒を撮るのに適しているとは言えないだろう。そこでBradは、従来のスポーツ写真とは異なる表現方法を探り、iPhoneのコンパクトさによって得られるメリットを活かした写真を撮るようにしたのだとのこと。

たとえば大きな機材の持ち込みがはばかられる場所がある。さらに、大掛かりな機材を持ち込まないことにより、被写体の緊張感を和らげる機能もあるのだとのこと。より自然な写真が撮れるケースがあるのだそうだ。

PONTE VEDRA BEACH, FL - MAY 13: The private caddie dining room in the clubhouse during the second round of THE PLAYERS Championship on THE PLAYERS Stadium Course at TPC Sawgrass on May 13, 2016. (©2016 Brad Mangin/PGA TOUR)

©2016 Brad Mangin/PGA TOUR

また、撮影および編集をすべてiPhone上で行うことにより、作業のスピードアップを行えるというメリットもある。従来の方法にくらべてはるかにはやく、写真を世界中の人に見てもらうことができるようになるのだ。

ゴルフトーナメントでは、ホールを移動するたびにカメラマンについて回って、写真の入っているメモリカードを編集室に持ち込む人材を用意している。Bradはその場で影の具合の編集などを行い、ただちにメディア本部に写真を送るようにしているそうだ。Bradの方法は、過去のいかなる方法よりも素早く写真を公開/シェアできるようになっているのだそうだ。

ちなみに写真の編集にInstagramのフィルターを用いたりするのかどうかも気になるところだ。問うてみたところ、たまに使うのだとのこと。

ただし、Instagramのフィルターを使う場合も、まずはカメラを機内モードにするのだそうだ。そうしておけば、写真はスマートフォン本体に保存され、間違って共有される心配もない。またGoogleのSnapseedを使うこともあるとのこと。Googleの無料写真編集アプリケーションで、アマチュアおよびプロフェッショナルの双方から支持を集めているアプリケーションだ。編集終了後はPhotoShelterのLibrisを使っているそうだ。これは最近登場した、複数の写真を一括して特定の場所にアップロードするためのiPhoneアプリケーションだ。

ちなみに、ゴルフの1大会中に、Bradは3,232枚の写真を撮影したのだそうだ。このうち最終的に公開したのは380枚だとのこと。なおBradは同じ写真をさまざまなカラーバリエーションないしサイズバリエーション(たとえばInstagramなら正方形になる)でシェアしているそうで、これにより編集部側で目的に応じた写真を選択することができる。

ともかく、スマートフォンに搭載されるカメラは高機能化の一途をたどっているようだ。たくさんの重たい機材を運ばずに、iPhoneなどにシフトするプロフェショナル写真家も増えつつあるようだ。常に狙った写真が撮れるわけではないのだが、コンパクトで邪魔にならないiPhoneでこそなし得る表現があり、それを活かした写真家が増えつつあるようなのだ。

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(翻訳:Maeda, H

PicturesqeはAIを利用してベストの写真をすばやく選んでくれる上級写真家向けツール

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最近のAIブームにはいささか食傷ぎみだが、機械学習を応用した比較的単純だが有用なことが明らかなアプリの登場は大歓迎だ。Picturesqeはその最新の例だろう。これはアメリカとハンガリーを本拠とするスタートアップが開発した大量に写真を撮るプロ、上級者向けの生産性ツールで、AIを利用して一連のスナップからベストの写真を選び出してくれる。ユーザーは大量の不要写真をすばやくフィルターして削除できる。

このアプリはWindows版Adobe Lightroomのプラグインとして提供される(Mac版も近くリリースされる予定)。スマート・グループ機能は類似した写真を自動的にひとまとめてにしてくれる。インテリジェント・ズームは同じ対象を写した複数の写真を簡単に比較できる。ベストショットを選び出してクズ写真を削除するオプション機能もある。そして最近のAIであれば当然なのだろうが、ユーザーが利用するうちにシステムは学習してさらに賢くなるという。

Picturesqeのファウンダー、CEOのDaniel SzollosiofはTechCrunchのインタビューに対し、「プロ級写真家が頭を痛める問題は、何千枚もの写真からベストの1枚を選り分けねばならない点だ。そのために膨大な時間が必要となる。報道写真家にとっては発表までのスピードが決定的な要素だ。スポーツ、コンサート、結婚式などのイベントでも同様の問題が起きる。非常に似通った何十枚もの写真が存在することになる。そこから1枚を選びだすのは時間のかかる困難な作業となる」と語った。

このアプリは写真家専用のAIを利用して選択プロセスを大幅に短縮してくれる。「Picturesqeは似通った写真を自動的にグループ化し、美的な要素によって点数化する。これにより予備的選択が簡単になる」とSzollosiは語った。

さらに便利なことに、客観的基準からして失敗(露出不足、過多、手ブレなど)の写真は自動的にマークされ、後で一括して削除できる。いちいち写真を表示して成否を確かめる必要がないのはありがたい。

ただし現在のバージョンのPicturesqeはデジタル一眼レフで一度に大量の写真を撮影するプロ、セミプロ級写真家のためのツールだ。この点についてSzollosiは「コンパクトデジタルカメラやスマートフォンのカメラによるカジュアルな写真向けの製品ではない。われわれも将来はそうした分野をカバーすることになるかもしれない」と述べている。

Picturesqeの利用は最初の3ヶ月は無料だ。その後も利用を続ける場合は有料会費制で、月額9.99ドルまたは年額39ドルとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FLIRとMovidiusが使ったスマート感熱カメラはより高度なIoTの姿を予見させる

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今年で38歳にもなるFLIR Systemは、高度な、そして小型の感熱画像センサーとカメラを作って、モバイルのスタートアップたちがひしめくコンピュータビジョンの世界に独自の足場を固めている。その同社が今朝(米国時間4/18)、Boson Thermal Cameraという新製品を発表した。Bosonは小型の感熱カメラで、さまざまな用途がありえる:

  • 熱画像の撮影—80年代のシュワルツェネッガー主演映画「プレデター」でおなじみのやつ。
  • セキュリティやマーケティングのための顔認識
  • 歩行者認識(人数を数えたり、彼らの動きや活動を検出する)

MovidiusのJack Dashwoodによると、もっともっといろんなことができる、こういうカメラをソフトウェアで操作すれば、インターネットで悪評を浴びたCSIのズーム技術みたいなことでも、という*。〔*: CSI、テレビの人気連続刑事ドラマCrime Scene Investigation(現場科学捜査)。〕

製品の機能はともかくとして、ぼくはBosonに二つの点で関心を持った(誰もが愛するプレデターの視界を除いて)。ひとつは、小型化がさらに進んでいるので、対話的なアイウェア(eyewear, 眼鏡)への応用がありそうなこと。第二に、Bosonはプロセッサーを内蔵していることだ。それは、SoC, system-on-chipと相並ぶSoS, System-on-Sensorという新しいトレンドだ。

小型化

Bosonは、FLIRの前の機種TAU 2に比べて、サイズは半分、体積は1/10、重さは1/7、電力効率は2倍だ。今回の小型化は、Movidiusとのパートナーシップで可能になり、同社製のMyriad 2チップを使っている。Movidiusの小さな12コアの低電力消費プロセッサー(本誌記事)により、Bosonは前よりもずっと小さくなった。

そのために対話的なアイウェアやスマートグラス、ヘルメットなどへの装着が可能になり、それらのウェア自身も小型化と効率化が可能だ。これまでのヘッドアップディスプレイは、不格好でばかでかいだけでなく、そのために機能にも性能にも制限があった。

Tau 2 vs Boson

System-on-Sensor

もうひとつ重要なのは、System-on-Sensor(システム内蔵型センサー)という、新しいトレンドが予見されることだ。つまりプロセッサーを内蔵できるだけではなくて、センサーにいろんな新しい能力を実装できる。たとえば12コアのMyriad 2チップなら、Boson自身が画像を処理して結果(熱画像情報)をユーザーに提供できるだろう。顔認識アルゴリズムを、Boson自身がリアルタイムで実行することもできる。クラウド上などの別のサブシステムに処理をオフロードしなくてもよい。

低電力だからやれることに限界はあるが、でも一般にこういうSoSチップは今後のIoT(Internet of Things、物のインターネット)の能力を一段と高めるだろう。センサーがシステムをあらかじめ持っていれば、ほかの機器等とのネットワーキングもわりと簡単にできるようになる。

Peter Diamandisが唱える、10年後の一兆個のセンサーが支える経済が実際に訪れるなら、それはまさに、こんな現場&リアルタイムなカメラの上でニューラルネットワークが動き、情報を“記録する”のではなくて、“情報に対応して何かをする”世界だろう。小型の熱カメラ自体は小さな進歩でも、BosonとそのSoSは大きな未来を予見させてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookの視覚障害者用画像説明ツールがまずiOSでローンチ、独自のオブジェクト認識技術を使用

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Facebookが、視覚障害者に同サイト上の画像が“わかる”ためのツールAutomatic Alternative Text(ALTテキスト自動生成)をローンチした。画面上に何が表示されているのか知りたい人のためにATTは、オブジェクト認識技術を使って、Facebook上の写真の説明文を生成する。このツールは、Facebookのアクセシビリティチーム(上図)が数か月かけて作った

Facebookの初めての視覚障害者の技術者であるMatt Kingが、昨年10月に次のように語った:

“ニューズフィードのどれぐらいにビジュアルがあるだろうか。たぶん、ほとんどのニュースにあるだろう。コメントも、写真に関するものが多いし、ニュースをポストする人も写真について何か言ってることが多い。でもそんなテキストからは、その写真に何が写ってるのか分からないね。ぼくみたいな者にとっては、そこで何が行われているのか、何について話しているのか、それを知りたいんだけどね”。

ATTの前には、その写真を共有している人の名前は聞けた。Facebookに写真を投稿した人の、写真に関する説明文も聞けた。しかしATTなら、“画像には戸外で三人の人が写っていて微笑(ほほえ)んでいる”、といったテキストを聞ける。

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  2. image_product_shot2.png

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このFacebookのATTを駆動しているオブジェクト認識技術は、パラメータの数が何百万もあるニューラルネットワークを、何百万ものオブジェクトで訓練したものを使っている。ニューラルネットワークは、機械学習の基本形式の一つだ。画像認識の場合、ニューラルネットワークはパターン認識システムだ、と考えればよい。

ATTが使っているFacebookの技術は、画像と言葉をいくつかのカテゴリーに分類しながら認識する:

・交通(自動車、ボート、オートバイ、などなど)
・自然(アウトドア、山、波、太陽、草、などなど)
・スポーツ(テニス、水泳、スタジアム、などなど)
・食品(アイスクリーム、寿司、デザート、などなど)

また、物の外見を説明する語として、(赤ちゃん、眼鏡、微笑んでいる、宝石、セルフィー、などなど)も使用する。

AATが今対応しているのはiOSの画面のみ、言語は英語のみだ。視覚障害者のFacebook利用は、iOSデバイス上がいちばん多い。ただしもちろん、今後はほかのプラットホームや言語にも対応していく。ATTが実際に使われている様子を、下のビデオでご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが149ドルの本格的な写真編集ソフトNik Collectionを無料化

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アマチュアの写真マニアとプロの写真家の、どちらにも朗報だ。Googleが今日(米国時間3/25)から、同社の写真編集ソフトNik Collectionを完全に無料にする。

この‘コレクション’は、7種類のデスクトップサービスを、Googleが2012年にNik Softwareを買収して以降、ひとつにまとめたものだ。買収の目的は、当時人気の写真アプリSnapseedにあり、それ自体も強力なツールだが、しかしその後GoogleはNik Softwareのそのほかのサービスもすべて加えて、149ドルという魅力的な価格のプロダクトに仕立てた。そして、それが今度から無料になる。今年買った人には、代金が返金される。

それは、Google自身が説明しているように、Instagramなどが提供している初歩的な写真編集機能とは違って、もっとプロ級の本格的なソフトウェアだ:

Nik Collectionは7つのデスクトッププラグインから成り、きわめて多様な写真編集機能を提供する。色を修正するフィルタもあれば、レタッチやクリエイティブなイフェクト集、隠れていた細部を見せる鮮明化(sharpening)機能、色調調整機能などもある。

無料のソフトウェアは高度な写真ツールを大衆化するから大歓迎だが、一部のファンは、このサービスが今後打ち切られる兆候ではないか、と心配している。Googleは最近Picasaを殺したが、それはこれまで、同社のオンライン写真サービスの主役的な存在だったのだ。

でも、Nik Softwareの終わりを口にするのは早すぎるだろう。Googleは今回の無料化を、“これまでになく高度な写真編集ツールを構築していくための長期的な投資の一環”、と呼んでいる。Snapseedは、Nik Softwareの買収の直後にAndroid上で無料のアプリになったが、同社の写真関連のポートフォリオにはGoogle Photosもあり、その、モバイル用のクラウドストレージサービスには最近、アルバムを自動的に作るスマートな機能が加わった*〔*: スマートな==インテリジェントな〕。

出典: PetaPixel

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Instagram、通知タブの追加でウェブ版インターフェイスをさらに強化

2016-03-23-instagram

Facebook傘下のソーシャル写真共有サイトのInstagramはもともとスマートフォン専用アプリとしてスタートした。しかしその後ブラウザ版にも力を入れてきたので現在はスマートフォンをいちいちポケットからひっぱり出さなくても利用できる。

今日(米国時間3/22)、Instagramはウェブ版アクティビティ・タブを追加した。

これはサービス内から通知を送るための機能で、モバイル・アプリ版の「通知」とまったく同じものだ。 投稿に対する「いいね!」、コメント、フォロー、タグ付けなどの状況が通知される。このウェブ版のアクティビティ・タブが今日から全ユーザーに対して有効になった。

新機能についての最初の報告はRob Poitrasからだった。モバイル・ファーストでスタートしたライバル、Snapchatも先月、重要イベントについてについてライブ・ストーリーという形でウェブ版に通知を送る機能が追加された。

Instagramがユーザー・プロフィールをウェブ版でタイムライン風に表示し始めたのは2012年だった。つづいて2013年に「いいね!」を含めたフィードやコメントがスクロールで閲覧できるようになった。そして昨年、ウェブ版でも検索が可能になった。

Instagramは今回の機能追加がウェブ版の強化への大きな動きの一部なのかどうかについては明らかにすることを避けた。つまり単発のバージョンアップという可能性もある。しかしInstagramのクロスプラットフォーム性の拡充は利用を増加させ、ネットワーク効果を強める効果があるだろう。
Instagramの城壁を厚くし、堀を深くして他の同種の写真共有サービスを寄せ付けないようにできるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleフォトがいっそう賢くなった―ベストショットを選んで自動的にアルバムを作成

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今日(米国時間3/22)、Googleフォトに便利な機能が追加された。Googleでは「いっそうスマートなアルバム」と呼んでいる。ユーザーがイベントや旅行で一連の写真を撮ると、Googleがユーザーの代わりにベストな写真を選択してアルバムを自動的に作ってくれる。旅行先で撮った写真であれば位置や自宅からの距離などの情報も含まれるのでどこで撮った写真か忘れる心配はない。

という機能がどこかで聞いたことがあると思うなら正解だ。Googleフォトの左サイドバーからアクセスできる「アシスタント」メニューにはすでにほぼ同様の機能がある。自動的にアルバムを作ってくれる。またGIF式のアニメ、組写真、ストーリーなどもサポートされている。新しいアルバムはこのストーリーを置き換えるものになる。Google Photosは機械学習能力で良く撮れた写真を選ぶ。フォトはまた写真のジオタグなどのメタデータを読み込み、さらにコンテツ、撮影された場所、ランドマークなどを認識する能力がある。

アルバムが作成されると、Googleはユーザーにテキストで写真にキャプションを加えるなどのカスタマイズを勧める。

ユーザーの友達がアルバムに写真を追加することも可能だ。共同アルバムはFacebookがスマートフォンのMomentsアプリでサポートしている同種の機能のライバルになる。12月に発表されたこの機能で、Facebookの写真がMomentsで共有できる ようになった。

自動作成されたアルバムで足りなければ、ユーザーはマニュアルで独自のアルバムを作成することもできる。既存のアルバムに必要な写真、テキスト、位置を示すピンを表示した地図など必要な情報を追加して友達と共有できる。

新しいアルバムは今日からAndroid、iOS、ウェブで公開される。

〔日本版〕訳者の環境(Windows 10)では、GoogleフォトをGoogleドライブから開いた場合と、フォトを直接開いた場合では表示が異なり、ドライブから開いた状態ではフォトのサイドバーのメニューは表示されない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhoneのカメラがプロの道具になりつつあるようだ

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食通のためのオンライン雑誌Bon Appétitが、今月号でちょっとした冒険をした。写真家たちは自分のカメラをデスクに置き、43ページの特集記事用の写真をすべて、iPhoneで撮った。それはAppleの企画ではない。Bon Appétitの特集テーマが「文化」だったので、iPhoneを昨今の食べ物文化の一部と見なしたのだ。

編集長のAdam Rapoportはこう言う: “この号の表紙について議論したとき、今の食べ物文化をいちばん象徴する光景が、自分の食事をスマホで撮ることだ、という結論になった。今はそれを、誰もがやってる。そこで考えた。‘ちょい待ち、特集の全体をiPhoneで撮ったらどうだろう’って。読者も、それを期待してるんじゃないか。それに編集者は、いつも、何かおもしろい企画を考えていなければならないからね”。

つまらない企画だ、と思う人もおられるだろう。でも、プロの写真家Cait Oppermannの反応は違った。“私は、とてもおもしろいと思った。写真は自分の仕事だけど、毎日の生活の中で使うカメラは自分のiPhoneだ”、と彼女は語る。“ある意味では、私のいちばん使いやすいカメラだ。でも、仕事でiPhoneを使うのは、ちょっと変な気分だったけどね”。

今プロの写真家たちは、みんな、彼女と同じように感じているだろう。ファッションや食べ物など一部の業界は、モバイルのカメラとInstagramから大きな影響を受けている。食べ物とファッションの、おもしろいトレンドを知りたかったら、Instagramを見る。そして今度は、自分の写真をInstagramにポストする。

だから、食べ物のオンライン雑誌が、スタッフの多くが日常すでに使っているiPhoneを特集のテーマとして取り上げるのは、当然でもある。Rapportは語る: “今は、食べることの好きな人が、今食べてるものを気に入ったら、すぐにそのスナップ写真を撮れる時代なんだ。そしてその料理の美しさやおいしさを、みんなと目で共有できる。それは当然、プロの写真家にもできることだ。うちの写真家たちも全員、Instagramを毎日のように使っている。おもしろいのは、それらの写真の雰囲気が、彼らがプロとして印刷物の雑誌用に撮る写真とは、全然違うことだ”。

その特集はすばらしい。DSLRで撮ったプロフェッショナルな写真ではないから、最初ちょっと戸惑ったけど、確かにそれは、iPhoneの写真だ。

そしてつくづく分かったのは、iPhoneでも十分に、プロらしい深さのある写真を撮れる、ということ。言い換えるとiPhoneのカメラは、クリエイティブのツールとしても優れている。

写真家たちは今でも、コンピュータの上で自分の写真を編集している。iPhoneのカメラには、レンズ交換ができないなどの制約があり、またそれをコンピュータにすぐにテザーして大画面で写真を見ることもできない。しかしそれでも、iPhoneだけで十分できることは多い。

昨年12月に60 Minutesが、AppleのiPhoneのカメラ部門に800名の社員がいることを、すっぱ抜いた。Appleはカメラに大量の人材を注ぎ込み、他のスマホとの重要な差別化要因にしようとしている。iPhoneの、旧機種に対しても。

AppleはiPhoneのカメラを、スマホのおまけ機能として軽視していない。だから今では、DSLRを家に置いてiPhoneだけを持ち歩くプロの写真家が、増えているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの画像認識/分類API、Cloud Vision APIが誰でも使える公開ベータへ

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短期間、小規模なプレビューをやったあと、Googleは今日(米国時間2/18)、Cloud Vision APIの公開ベータを発表した。このAPIを使ってデベロッパーは、画像認識や分類の機能を自分のアプリケーションに持たせることができる。

Cloud Vision API 2

Googleの技術は、画像からテキストを取り出す、といった基本的なこともできるが、しかしその真価は、画像中の物を実際に認識できることにある。それはGoogle Photosの画像検索でも使われており、花とか食べ物、動物、各地の目標物などを見分ける。GoogleによるとこのAPIのアルゴリズムは、数千種類の物を認識できるよう訓練されている。

このAPIでいちばんおもしろいのは分類機能だと思うが、でもこのサービスは不適切なコンテンツを指摘することもできる。だからたとえば、写真中心のアプリケーションをPG級(保護者同伴必須)に指定したければ、Cloud Vision APIでそれを指定できる。また、集めた写真の中のハッピーな人だけを見たければ、このAPIの感情分析機能を利用できる。

料金は使い方によって異なるが、たとえば画像中に特定のラベルを見つけたいなら、1000画像あたり2ドルだ。単純な文字読み取りなら、1000画像あたり60セントとお安い。

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ベータ中は数量制限があり、一人が1か月あたり最大2000万画像までしか扱えない。すでにプレビューの時点でこのサービスを実装した企業も数社あり、たとえばYik Yakは、このAPIを使ってテキストの取り出しと画像の特徴検出をやっている。

このVision APIは、MicrosoftのProject Oxfordなどと競合することになる(後者は現在プレビュー)。Project Oxfordには、コンピュータビジョンの機能や、顔認識、感情分析などの機能がある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleがついにPicasaの閉鎖へ、Google Photosへの移行ツールについては不明瞭な部分も

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Googleにとって、写真を保存し共有するアプリケーションを二つも提供し続けることは、理に合わない。二つとは、新しいアプリケーションGoogle Photosと、今や古びたソフトウェアPicasaだ。そこで同社はついに腰を上げた: Googleの今朝(米国時間2/12)の発表によると、2016年3月16日以降はPicasaデスクトップアプリケーションのサポートを行わない*。また、さらにそのあとには、Picasa Web Albumsをアーカイブし、ユーザーにはGoogle Photosへの乗り換えを奨励する。〔*: Googleがサポートをやめるだけで、Picasaへの静的アクセスは可能。〕

今日の発表のトーンからは、今でもPicasaを愛用している古くからのユーザーへの遠慮というか、配慮が伺える。同社は、エンドユーザーが移行を苦痛なく行えるために、長い時間をかけて努力した、と言っている。

Google PhotosのトップAnil Sabharwalが、ブログでこう書いている: “多くの方が、Picasaを利用してご自分の写真やビデオをたいせつに管理しておられることを、私たちも承知しております。みなさまはこれまで、多くの時間を投じ、人生のもっとも貴重な瞬間をわたくしどもにゆだねられたのです。ですから、移行は時間をかけて慎重に行わなければなりません。そして、ご自分のコンテンツに容易にアクセスできるためのオプションをお作りし、ご提供しなければなりません”。

Picasaのデスクトップアプリケーションを使っている人は、閉鎖される3月16日まで、コンテンツを見たりダウンロードすることはできるが、この日以降、新たなアップロードはできなくなる。

最近は、Picasaのアップデートも前ほどは行われなくなっていた。デスクトップアプリケーションは、小さな改良やセキュリティパッチ、バグフィクスなどは行われたが、全体的なユーザーインタフェイスは、今ではとても古めかしく感じる。何年も前から、変わっていないのだから。

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Google Photosに乗り換えたい人のために、デスクトップアップローダーアプリケーションがphotos.google.com/appsに用意されている。今後は、これを使うとよいだろう。〔新たに写真等をアップロードする場合〕

ユーザーによっては、Picasa Web Albumの上に集積したデータが気になるかもしれない。その中には、写真に関するとても具体的な情報もある。ユーザーは、写真をまとめるためにタグやキャプションを付けたかもしれない。友だちや家族が、一部の写真にコメントを寄せたかもしれない。しかしこれらのメタデータは、Google Photosに移行しないようだ。

Googleによれば、なにしろGoogle PhotosにログインしただけでPicasa Web Albumのコンテンツは自動的に移転されている。その後のアクセスも変更も共有も、簡単にできる。

しかしそれでも、Google Photosに移行したくないPicasa Web Albumのユーザーもいる。でも、上記のメタデータがその理由なら、Googleは、Google Photosの中にPicasa Web Albumのデータにアクセスできるための“特別の場所を作る”、と言っている。

この特別の場所について詳しい説明はないが、なにしろPicasa Web Albumsを見たり、ダウンロードしたり、削除するためのツールが提供されるらしい。でも、アルバムを新たに作ったり、まとめや編集をやったりするためには、Google Photosやそのほかのプログラムへ移行しなければならない。

こういう移行作業は、2016年5月1日まで可能だ。つまり3月16日の、Picasa閉鎖後でもよい。既存コンテンツへの静的(非加工的)アクセスは、できるのだ。

PicasaのAPIも、一部は機能しなくなるから、困るデベロッパーがいるかもしれない。

Google Photosという機能性の優れた新しいアプリケーションがありながら、Picasaという古いアプリケーションの閉鎖までにこんなに時間がかかったのは、ちょっと意外だ。

私なんか、PicasaやWeb Albumの調子がおかしくなるとGoogleに、Picasaを殺したの?と尋ねていた。するとGoogleの担当はいつも、“no”と答えた。昨年の夏というかなり遅い時期ですら、彼らはPicasaへの献身を自慢していた。“PicasaはPhotosプロダクトの一環として今後も継続します。PicasaにGoogle Photosとの完全な互換性を持たせるために、私たちは真剣に努力しました”、と彼らは言っていた。

今となっては、両者の完全互換は諦めたように見える。

しかしそれでもGoogleは、移行の発表声明で、Picasaとそのオンラインアルバムの、ユーザーベースが今だに相当大きいことを気にして、その人たちに話しかけているし、しかも、古いプロダクトを日常的に使い慣れている人たちは、今回の変化を歓迎しないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa