メンタルケアしてくれる「AIパートナー」や高精細な「バーチャルヒューマン」で人とAIの共生を目指すCapexが1.3億円調達

「人とシステムの共生を実現、普及し、人類の機能を拡張する」というビジョンのもと、AIと人間の共生を目指して、ライフパートナーAIアプリ「PATONA」やバーチャルヒューマン事業を展開するCapexが、UTEC、イーストベンチャーズ、Skyland Venturesから総額1億3000万円を調達した。

同社は、自然言語処理を活用した自社開発対話エンジンおよび3DCGを用いたバーチャルヒューマンの開発を強みとし、今回の調達で、事業拡大やエンジンの高度化、バーチャルヒューマン事業の推進を図るという。

寂しさを抱えるあなたに寄り添うAIパートナー「PATONA」

個人向けAIパートナーアプリの「PATONA」は、友達や恋人、メンターとして、個人に寄り添い、理解してくれる存在をコンセプトとしてローンチされた。感情の記録をつけたり、天気を調べることも可能だ。2020年12月にiOS版をリリース、2021年3月にAndroid対応、同年8月には、利用可能な機能がより解放されたサブスクリプション版となるPATONA Premiumがリリースされた。

新型コロナウイルスの影響で人と交流する機会が減少する中、孤独によるメンタルヘルスの不調をサポートしていくため、メンタルヘルス専門家が監修した認知行動療法などを活用した対話を100以上提供。利用者がより自然に対話できるよう、フリーテキスト対話エンジンの開発に注力している。

また、親近感を感じられるよう、顔や髪型、洋服、靴、部屋などがカスタマイズ可能な3DCGモデルの増強も行ってきた。実際に、新型コロナウイルスの影響で寂しさを感じ、ソリューションを検索していたら同サービスにたどり着いたという利用者も多くいるとのこと。従業員のメンタルヘルスケアアプリとして福利厚生の一環でPATONAの導入をした法人もあるという。

3次元との見分けが難しいほど高精細なバーチャルヒューマン

バーチャルヒューマン事業では、もはや本当の人間にしか見えない像を作り出している。個人向けと法人向けの両方で展開。法人からは、スキャンダルリスクを軽減するなどの目的で、看板タレントにバーチャルヒューマンを用いたいというリクエストや、カスタマーサポート担当、社内教育担当などに活用したいというニーズがあるとのこと。個人からは、経営者や著名人などから「自身のバーチャルヒューマンAIを世に残したい」という相談があるそうだ。

Capexは、クライアントがリーチする顧客に応じて最適な体験を提供できるようにするため、デフォルメキャラクターからフォトリアルなバーチャルヒューマンまで幅広い表現をカバーしている。「自然言語処理技術の向上であっと驚くような対話体験を提供する対話AIが作れる。当社の対話AIとバーチャルヒューマンを組み合わせて法人個人のさまざまな需要に対応していきたいと考えている」と代表取締役の小亀俊太郎氏はいう。

同社は2019年に創業。対話エンジンやアプリケーションを開発するエンジニアに加え、アートディレクターや3DCGモデラー、そして自然な会話を構築するためのシナリオライターなどで構成されている。対話は、雑談をこなす非タスク型と質疑応答などのタスク型で分類され、いずれも自社独自開発の対話AIが日々学習をしているという。日本語は英語と比べてデータが少なく大変ではあるが、独自のAIを育てているそうだ。小亀氏は「これまで人間でしか提供できなかった対話体験と比べても遜色ないほどに対話AIの品質が上がってきている。今後も、AIと人が共生する社会の実現に向けて事業を推進していきたい」と語った。

関連記事
自分だけのAIライフパートナーと対話できる「PATONA」アプリのCapexが総額1億円を調達
ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」が「りんな」を手がけるrinnaのAI会話エンジン最新版を採用
AIチャットボット「りんな」のrinnaとUneeQを日本展開するデジタルヒューマンが協業、顔・声・視聴覚を持つ雑談AI実現

ワークスペースシェアのテレスペが従量課金制と使い放題プランを組み合わせた「All Free」プランを提供開始

ワークスペースシェアのテレスペが従量課金制と使い放題プランを組み合わせた「All Free」プランを提供開始

ワークスペースのシェアリングサービス「テレスペ」を運営するテレワーク・テクノロジーズは8月30日、新プラン「All Free」の提供開始を発表した。従来の使い放題プランと従量課金制を組み合わせたプランとなっている。月間29時間未満の利用時は1人あたり基本料金0円+1時間あたり990円(税込)の従量課金制を採用。月間29時間以上利用した場合は1人あたり基本料月額2万4800円(税込)+1時間あたり110円(税込)の使い放題プランに自動的に切り替わる。

例えば、社員1人に1アカウントを発行し、利用しなかった者のアカウントの場合は家賃を0円に、また29時間以上利用した月には使い放題プランに自動的に切り替えることで、企業におけるニューノーマルのオフィスコスト削減をサポートするとしている。ワークスペースシェアのテレスペが従量課金制と使い放題プランを組み合わせた「All Free」プランを提供開始

同社は、2021年6月8日より、都内の個室が使い放題になるサブスクリプション型プランを提供していたものの、月額会員制サービスの場合、スポーツジムなどに代表されるように、時間の経過とともに実際には利用しない幽霊会員や、月間10時間程度しか利用しない例も見受けられるようになったという。

一方、使い放題ではない1時間990円(税込)の従量課金プランでは、社員が例えば週5回8時間、月間160時間利用すると15万8400円となることから、一般的な都内のオフィスコスト(1人あたり6万円)と比較しても高額になってしまっていたという。

そこでAll Freeでは、月額2万4800円(利用時に110円/時)の使い放題プランを基に、利用がなかった月に関しては2万4800円の月額会費を徴収しないプランとして提供する。1人のアカウントで月間29時間未満の利用時には1時間990円で料金を請求し、月間29時間以上利用の場合には月額2万4800円(+利用時に110円/時)の使い放題プランで料金を請求する。

利用可能なスペースは、電源とWi-Fiが完備された1人用のテレワーク個室となる。都内を中心に約30拠点最大300部屋を用意しているほか、各拠点に1部屋から30部屋を拡張できるため、大人数の契約にも対応可能という。また、利用企業の社員在住マップがあれば、新たにスペースを追加していくとしている。ワークスペースシェアのテレスペが従量課金制と使い放題プランを組み合わせた「All Free」プランを提供開始

新プラン「All Free」の概要

  • いつでも解約可能:前月末日までに申し出ると、当月末日での解約となる
  • 月間29時間未満の利用時は従量課金制:月間29時間未満の利用の場合は、1人あたり基本料金0円+1時間あたり990円(税込)の従量課金制。この際は、初期費用や月額の管理費などは請求しない。例えば社員10人にアカウントを発行し10人とも利用がなかった月は、請求額は0円となる
  • 月間29時間以上利用時は自動的に使い放題プランに切り替え:月間29時間以上利用の場合は自動的に使い放題プランへ切り替え。使い放題プランの料金は、1人あたり基本料月額2万4800円(税込)+1時間あたり110円(税込)。1人の社員がオフィス代わりに週5回8時間(160時間)利用した場合、従量課金制の場合1時間あたり990円×160時間=15万8400円(税込)となるが、使い放題プランでは2万4800円+110円×160時間=4万2400円(税込)の請求となる

米国政府・自治体はアップルとグーグル共同開発のコロナ接触通知APIを活用できず大失敗との調査結果

米国政府・自治体はアップルとグーグル共同開発のコロナ接触通知APIを活用できず大失敗との調査結果

ArtMarie via Getty Images

Googleとアップルが共同開発した新型コロナ接触通知APIは世界各国のアプリに採用され、日本ではAndroid版の「COCOA」が数か月にわたって事実上機能していなかった一件もありつつも、英国では6000人もの命を救ったと推計されています。

しかしGoogleとアップルの本国である米国では、このAPIを使ったアプリはほとんど失敗に終わったとの調査結果が発表されています。

米Business Insiderの調べによると、米国の多くの州ではアプリ開発さえ行われず、作られても利用率も低く、わざわざアプリに感染記録を残しているユーザーもほとんどおらず、まるで役に立ってないと判明したとのことです。

この報告では、連邦政府から個人に至るまで様々な失敗例が紹介されています。まず最初の問題は、ホワイトハウス(米行政府)が米国で共通の接触通知アプリを作らず、各州に委ねていたことです。

FTC(米連邦取引委員会)の元チーフテクノロジストは、個々の州にアプリ開発を任せたことが全国的な認知度を高め、ユーザーに検査結果を入力してもらう努力を妨げたのではないかと推測。さらに「もし連邦政府がシステムを支援し、このアプリや同種のアプリを全米に広く展開していたら、この数字(使用率)はおそらく大きく変わっていたでしょう」と述べています。

第2に、米国の約半数の州がそもそもアプリを開発しない道を選んだことです。サービスを利用できた28州および準州の人口は約1億8680万人。つまり、残り1億4150万人(全人口の43.1%)もの米国人が一切カバーされなかったわけです。

第3にアプリを展開した州でも、プロモーションや教育が不十分であったため、利用率が極めて低かったことです。一部の州では住民にサービスを検討してもらうことさえ困難であり、たとえばアリゾナ州では人口の1.3%しかアプリを導入しないまま、2021年7月にはプログラムを終了したとのことです。ほかミシガン州では住民の6.3%、ワイオミング州では0.69%(約4000人)しかアプリを入れなかったという低調ぶりです。

最後に、新型コロナの陽性反応が出た人々のうち、実際にアプリに記録した人はわずか2%でした。接触通知アプリは、陽性診断を受けた本人がアプリを通じて報告し、その人と濃厚接触した可能性のある人々に警告することが目的のため、98%もの陽性ユーザーが記録を付けなければまったく意味を成さないことになります。

これは同じAPIを使っている英国民保険サービス(NHS)のアプリでは、実に感染ユーザーの40%以上が報告していたこととは対照的ではあります。

米9to5Macは、多くの米国人が接触通知アプリを「自分の居場所や会った人を追跡している」と勘違いしていたと指摘。その原因のひとつは偽情報ではあるのですが、もう一つは政治家らが接触通知アプリを使っても安心だと説得するどころか、アプリの使用に積極的に反対していたためだと推測しています。

新型コロナワクチンについてもYouTubeで誤情報を拡散する動画がはびこっているほか、ロシアが自国製ワクチン売込みのために偽情報を広めているとの報道もありました

人類と新型コロナとの戦いは、一方で人流を減らしたりワクチン接種を進めるといった物理的な対策をしつつ、他方では反ワクチン主義者の出会い系アプリなど誤情報を抑止することも必須のため、いっそう困難となっているといえそうです。

(Source:Business Insider。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

リモートワークに関する議論はすでにスタートアップ企業の勝利で決着がついている

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

リモートワーク、オフィスカルチャー、分散したスタッフのチームをどう管理するかなどの議論は尽きない。新型コロナウイルス(COVID-19)のデルタ株は、多くの企業でオフィスへの復帰日を遅らせているが、未来の仕事がどうなるかについては、まだ健全な議論が続いている。

しかし、大企業が態度を決めかねている間に、この論争はほぼ収束し、スタートアップが勝利したというのが私の見立てだ。

新型コロナの出現以来、スタートアップの創業者たちと膨大な数の通話を行ってきたが、ここ数四半期はアーリーステージの企業と話をすると、ほぼ毎回、遠隔地に分散したチームを持っているように思われた。こうしたスタートアップの中には、文字通り新型コロナの時代に設立されたものもあるため、それも納得だ。しかし、こうした傾向はそうした新しい企業だけでなく、より広い範囲に及んでいる。

スタートアップ市場に限って考えてみると、現在スタートアップにとってサーバーラックを購入し、設置費用を支払うことに資本を使うことが奇妙なことであることと同じように、やがて家賃に費やすために資本を使うことは奇妙な概念になるだろう。今では私たちはAWSやAzureを手にしているし、オフィスに関してはリモートワークがあるのだ。なぜ、床面積のために資金を使うのか?

ある程度単純化して考えているものの、シードやシリーズAの資金を家賃に充ててしまうと、少なくとも、成功するスタートアップにとっては初期のオフィススペースは世界で最も高価な不動産の1つになってしまう。目鼻が利く人なら税金を回避するだろう。

理由はそれだけにとどまらない。現在、多くの重要な職務に対して、人材市場は非常に厳しい状況にある。機械学習の人材を採用しようとしている人に聞いてみると良い。あるいは、上級の開発職でも、もしくは、マーケティングチームのリーダーでも良い。リストはまだ続く。スタートアップ企業が求める人材は、不足しているしコストもかさむ。

新興のハイテク企業にとってさらに悪いことに、ビッグテック企業はかつてないほど裕福になっている。では、若い会社はどうすればいいのだろうか?大手が嫌がるような、リモート指向の仕事を提供するのだ。これにより、スタートアップ企業が大手ハイテク企業から、優れた才能をもった人材を引き抜くことも可能になる。

個人的には、やがて人事担当者の流動性が高まることで、職場に対する柔軟性がどの会社でも高まるのではないかと考えている。また、現在リモートで活動している多くのスタートアップ企業は、このモデルを固持しながら規模を拡大し、完全なリモートチームを持つ明日の大企業になるだろう。そのため、リモートワークか高額なオフィススペースに戻るべきかの会話はまだ続いているものの、それは本当の議論というよりも、沈没しようとしている船の上でデッキチェアをどう並べれば良いかを議論しているように思える。

オフィスでヘッドフォンをつけて集中できるように、本当にクルマや公共交通機関を使った通勤に戻りたいだろうか?どうだろう。私はお断りだ。

ボストンについて

The Exchangeは、世界のさまざまなスタートアップハブの調査に時間を費やしているが、その中でも特に時間を割く価値のある米国市場のいくつかに焦点を当てている。たとえばシカゴ、そして最近ではボストンも見てきた。

ボストンの記事が公開された後、いくつかのコメントが寄せられた。それらのキーポイントをかみ砕いてみよう。

Glasswing VenturesのRudina Seseri(ルディナ・セセリ)氏はボストンの近い将来の展望について「市場に出てくる企業や新しい調達ラウンドを行う企業の数は多く、それらの企業は経営的にも強いものです。なので、市場の調整が行われない限り(それはボストンよりもはるかに広い範囲で行われると思いますが)、資金調達の意欲は失われないでしょう」と語った。

このような状況が続くと、ボストンではスタートアップベンチャーの活動がさらに活発になる可能性がある。セセリ氏はメールでThe Exchangeに対して「プレシードやシードステージの企業の数は劇的に増えています。実際に、資金調達のための高度な資格を持つ人の数は、(前年比で)2倍に増加しています」という。

彼女の見解では、ボストンが生み出しているきちんとしたスタートアップの量は「アーリーテックの起業家精神と、新型コロナウイルスが初めて加速もさせた市場機会の証」だという。

最後に、ニューイングランドベンチャーキャピタル協会のAri Glantz(アリ・グランツ)氏は「2020年上半期に一旦減速した後、パンデミック時代のシフトによって新たなニーズや機会が生まれたことで、創業者も資金提供者も歴史的な資金の流れを目の当たりにしたのです」と語り、そして「企業とその支援者が適応を続けているおかげで、先行きは明るいままです」と続けた。

最後の言葉は、ほぼすべての場所に当てはまるので入れておいた。スタートアップ企業にとって、これ以上良い言葉はない!

ではまた来週。

画像クレジット:Nigel Sussman

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

コミュニティの反発を受けて、ポケモンGOで新型コロナウイルス対策の仕様変更が復活

「Pokémon GO(ポケモンGO)」は米国時間8月26日、ソーシャルディスタンスを保ちながらゲームをプレイしやすくするための仕様変更を、恒久的に維持すると発表した。

この仕様変更は、新型コロナウイルスの蔓延に合わせて導入されたもので、ゲームプレイに欠かせない拡張現実の主要なランドマーク(ジムやポケストップ)にアクセスできる距離を、それまでの2倍にするというものだった。ポケモンGOを提供するNiantic(ナイアンティック)は、8月初めにこの仕様変更を解除したが、コミュニティやクリエイターからの反発を受け、数週間後に恒久的に復活させることにした。

トレーナーのみなさん、9月1日にタスクフォースの結果として私たちの計画をお伝えするのを楽しみにしています。しかし1つだけ、お待たせさせずにお伝えしたいことがあります! 今後、全世界のポケストップとジムの基本交流半径は80mとなります。(1/2)

Pokémon GO

新型コロナウイルス流行前のポケモンGOでは、プレイヤーはポケストップやジムにアクセスするために、半径40メートル以内にいる必要があった。しかし、今回の恒久的な変更により、その半径は80メートルに拡大された。特に障がいのあるプレイヤーは、この変更によって、移動手段が限られている人でも、ゲームにアクセスできるようになったことを実感していた。ポケモンGOは、ARモバイルゲームの先駆けとして、ポケストップやジムのように現実世界の指定された場所に移動できないと、事実上プレイできない。それらの場所に、より遠くからアクセスできるようになったことで(例えば、車イスのユーザーが舗装された歩道から離れられなくても)、新たなプレイヤーにゲームを開放することができた。

ポケモンGOは長い間、現実世界の探索を促すゲームとして位置づけられてきたため、世界的なロックダウン(都市封鎖)はナイアンティックに固有の課題をもたらした。アクセス可能な距離を40メートルだけ伸ばしたり、ポケモンの出現数を増やしたり、より多くのポケモンボールを手に入れやすくするなど、小さな変更を加えることによって、ポケモンGOは自宅にいてもプレイしやすいゲームになった。

これらの変更は、ゲームを壊したり、冒険心を否定したりするものではなかった。そのため、特に現在のデルタ変異株が拡散しつつある状況を考えると、これらの好評だった変更を元に戻すという決定は、プレイヤーを困惑させた。財務面を見ても、このアプリは新型コロナウイルス流行の間に大きな利益を上げていることがわかる。2020年には10億ドル(1100億円)以上を稼ぎ出し、ポケモンGOが2016年に始まってから最高の収益を記録した。アプリ分析会社のSensor Tower(センサー・タワー)によると、この上昇傾向は2021年の上半期も続き、6億4200万ドル(約706億円)の収益を上げているとのこと。2020年上半期の4億7900万ドル(約527億円)と比較すると、消費者の支出が34%増加したことを示している。

親愛なる@NianticLabsさま
最近の #PokemonGO のゲーム内変更について、コミュニティはあなたに再考を求めています。私たちはこのゲームを愛し、ともに築きあげてきたコミュニティを愛しています。このゲームは包括性と多様性の上に栄えてきました。あなたがそれを理解していることを示してください。

ZoëTwoDots

ナイアンティックが交流半径を縮めた後、ポケモンGOのコンテンツクリエーターとコミュニティメンバーは協力して同社宛てに公開書簡を書き上げ、Twitter(ツイッター)ではハッシュタグ「#HearUsNiantic」がトレンド入りした。この公開書簡では、交流半径を広げることで、ゲームがより安全でアクセスしやすくなり、煩わしさが減ると訴えていた。

関連記事:ポケモンGOの新型コロナ対策ボーナス廃止を受けインフルエンサーたちがボイコットを示唆

一部のプレイヤーは、8月5日に「Pokémon No Day(もうポケモンはやらない)」と呼ばれるゲームのボイコットを組織した。同日、ナイアンティックは、ポケモンGOコミュニティに宛てた回答書を発行した。

「人々が探求し、運動し、安全に人と一緒に遊ぶように促すことが、ナイアンティックの使命であることに変わりはありません。プレイヤーのみなさまの健康と幸福は、私たちの最優先事項です」と、ナイアンティックは声明で述べている。これらの懸念に対処するために、同社は「社内部門間協力チーム」を結成し、著名なポケモンGOコンテンツクリエーターを招いてコミュニティからのフィードバックを共有した。交流半径の拡大は、このタスクフォースの最初の成果だが、9月1日にはさらに多くの調査結果を共有すると、ポケモンGOはツイートしている。

TechCrunchは、コミュニティからの好意的な反応や収益の増加をもたらし、新型コロナウイルスの流行が進行中であるにもかかわらず、なぜ最初に変更を元に戻すことを選んだのかとナイアンティックに尋ねたが、同社はコメントを断った。

ソーシャルメディア上でプレイヤーから目に見えるネガティブな反応があったにもかかわらず、Sensor Towerによれば、ボイコット運動の前後で、ポケモンGOの消費者支出やアクティブユーザー数に変化は見られなかったという。しかし、App Storeのレビューでは、否定的な意見が大幅に増加した。

現在では拡大された交流半径が復活しているものの、一部のプレイヤーは依然として不満を感じている。というのも、ナイアンティックが6月にこれらの変更をもとに戻す計画を発表した後、コミュニティリーダーがこのような意見を表明していたからだ。

「私たちの意見を聞いてもらうために、なぜこのような大きなコミュニティ運動が必要だったのでしょうか?」と、クリエイターのZoëTwoDots(ゾーイトゥドッツ)氏は、YouTube(ユーチューブ)の動画で語っている。

関連記事
Nianticが3D-LiDARスキャンアプリのScaniverseを買収
ポケGOスタイルの「トランスフォーマー」ARゲームをNianticがタカラトミー、ハズブロと開発中、事前登録開始
ポケモンGOのNianticジョン・ハンケ氏がARメガネ画像をちら見せ、AR OSの責任者募集

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グラミン日本・SAPジャパン・MAIAがシングルマザーなど女性対象の就労支援・デジタル人材育成プログラムを提供開始

グラミン日本・SAPジャパン・MAIAがシングルマザーなど女性の就労支援・デジタル人材育成プログラム「でじたる女子」を提供開始

グラミン日本SAPジャパンMAIAは8月25日、生活困窮者への経済的自立支援を目的として、デジタルプラットフォームを活用し雇用機会をマッチングさせる就労支援およびデジタル人材育成のためのプログラム「でじたる女子」を開始した。

コロナ禍において、職を失った非正規雇用労働者は2021年7月時点で5万人を超え2020年12月時点より約35%増加(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について」)。その中でもシングルマザーの7割が雇用や収入へのマイナス影響を経験しているという(新型コロナウイルス 深刻化する母子世帯の暮らし―1800人の実態調査・速報)。また、就労機会の減少に伴い、実務を通じたスキルアップやキャリアアップのチャンスが失われつつある。

このような社会的な背景のもと、2021年4月より運用を始めた「ソーシャル・リクルーティング・プラットフォーム「SAP Fieldglass」(エスエーピー・フィールドグラス)を活用し、女性のITスキル向上に特化したMAIAのデジタル人材育成プログラム「でじたる女子」を新たに提供することとなった。

同プログラムは、シングルマザーを含む女性を対象に、MAIAが提供するeラーニングを通じて「RPA」「AI-OCR」「CAD」「デジタルマーケティング」などIT関連スキルの習得機会を提供する。その後、グラミン日本とSAPジャパンが提供するSAP Fieldglassを活用し、対象となる女性と提携企業との雇用機会のマッチングを実施する。グラミン日本は、同プログラムを利用する女性向けに、無担保での少額融資、金融教育を提供する。

グラミン日本・SAPジャパン・MAIAがシングルマザーなど女性の就労支援・デジタル人材育成プログラム「でじたる女子」を提供開始

グラミン日本は、バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス博士が設立した、貧困層に無担保で小口融資を行うグラミン銀行の日本版として2018年設立。「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会へ」をビジョンに掲げ、貧困や生活困窮の状態にある方に低利・無担保で少額の融資を行い、こうした方が起業・就労によって貧困や生活困窮から脱却し自立するのを支援するマイクロファイナンス機関となっている。

これまでの金融ではカバーされなかった人、例えば働く意欲はあっても今は生活が苦しい母子家庭や若者に、生活資金ではなく、「起業や就労の準備のためのお金」を融資するとしている。

MAIAは、「人生100年時代に、『自分らしく生きる』未来を、共に創造する」をビジョンに掲げ、RPAなどIT人材教育や女性の働き方改革に尽力。ITツールの専門スキルを持つ女性が、様々なIT導入から開発・運用、最終的には企業内での自走化までをトータルでサポートするという。

地方創生事業では、地産地消モデルとしてDX化の推進を図り、地域における女性の雇用創出、地域企業の生産性向上の実現を目指している。

YouTubeは2020年2月以降、新型コロナに関する100万の危険な誤情報動画を削除

YouTube(ユーチューブ)の最高製品責任者Neal Mahon(ニール・マホン)氏によると、YouTubeは2020年2月以降に新型コロナウイルス感染症に関する危険な誤情報のために100万点の動画を削除した。

マホン氏は、誤情報に対して同社がどのような措置を取っているのかを示すブログ投稿の中で統計を共有した。「誤情報は端の方からメインストリームへと動きました」と同氏は書いた。「ホロコースト否定者や9-11の真実を求める人たちの封印された世界にとどまらず、社会のあらゆる側面に入り込み、時として猛スピードでコミュニティを駆け抜けます」。

と同時にマホン氏はYouTubeのコンテンツ全体における「悪いコンテンツ」の割合はわずかだと主張しれいる。「悪いコンテンツはYouTube上の何十億という動画のうち、パーセンテージとしてはわずかです(全動画の約0.16〜0.18%がYouTubeの規則に違反)」と同氏は書いた。そしてYouTubeが各四半期に約1000万点の動画を削除していて「削除される動画の大半は視聴回数が10回にも満たない」と付け加えた。

Facebook(フェイスブック)も最近、自社プラットフォーム上のコンテンツについて同様の主張をした。同社は先週、人気の投稿のほとんどはミーム、あるいは非政治的なコンテンツだと主張するレポートを発表した。そして新型コロナウイルス感染症とワクチンの誤情報の扱いに対する批判について、同社はワクチン誤情報は大半のユーザーが目にしているものを代表してはいない、と主張した。

パンデミックの間、Facebook、YouTubeいずれも健康に関する誤情報をめぐる規則について特に厳しい目が向けられた。両プラットフォームとも10億人超のユーザーを抱えていて、これはたとえほんのわずかな数のコンテンツでも広範に影響を及ぼす力を持っていることを意味する。そしてどちらのプラットフォームもこれまでのところ、ワクチンと健康に関する誤情報がどの程度広まったのか、あるいはどれだけのユーザーが誤情報に遭遇したのか、開示を却下してきた。マホン氏は、誤情報の削除は同社のアプローチの1つの側面にすぎない、とも語った。YouTubeは「信頼できるソースからの情報の増加と害のある誤情報をともなう動画の拡散の抑制」にも取り組んでいる。

編集部注:本記事の初出はEngadget。著者Karissa Bell(カリッサ・ベル)氏はEngadgetのシニアエディター。

関連記事
ツイッターはユーザーに新型コロナと選挙の誤情報報告を依頼
ツイッターがAP通信、ロイターと提携して誤情報の拡散防止を強化
EUが大手テック企業の「新型コロナ偽情報対応は不十分」と指摘
画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

原文へ

(文:Karissa Bell、翻訳:Nariko Mizoguchi

ワクチン接種証明が必要なレストランのためにデジタルワクチンカードを米OpenTableが作成

ニューヨーク、サンフランシスコ、ニューオーリンズなどの都市では、屋内で食事する人に新型コロナウイルスのワクチン接種義務を制定する動きがある。そこで、オンラインレストラン予約サービスのOpenTable(オープンテーブル)は、レストランがワクチン接種のチェックを効率化できる機能の展開を開始する。同社は米国時間8月23日、生体認証セキュリティ企業であるCLEAR(クリア)との提携を発表し、ユーザーがデジタルワクチン接種証明カードを作成できるようにした。

CLEARは、ユーザーが目と顔をスキャンして本人確認を行うことで、空港のセキュリティを迅速化するサブスクリプションサービスで会社を築いてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染流行が始まって以来、同社はユーザーにワクチン接種の証明を提供する無料サービス「Health Pass」を開始した。OpenTableは9月から、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードとの連携を、iOSおよびAndroid向けアプリで展開する。

OpenTableのアプリで、ワクチン接種が必要なレストランを予約すると、確認画面の上部にCLEARのバナーが表示される。このバナーをクリックすると、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードを作成できる。そして食事の際には、予約確認ページの「CLEAR」ボタンをクリックして、デジタルワクチン接種証明カードを呼び出すことができる。OpenTableによれば、同社が個人の健康情報やワクチン接種証明カードのデータを保存することはないとのこと。

CLEARは、ユーザーのワクチン接種情報を照合できる、ワクチンプロバイダーや薬局のネットワークを持っている。あるいはユーザーが、ニューヨークやカリフォルニア、またはWalmart(ウォルマート)でワクチンを接種した人に提供されるSmart-QRコードをスキャンしてもよい。これら2つの方法ではデジタルで検証される一方で、CLEARはユーザーが米国疾病予防管理センター(CDC)の物理的なワクチン接種記録カードから情報をアップロードすることも受け付けているが、この方法では検証レイヤーが追加されていないため、確実性は高くない。

「CLEARは、画像認識を用いてCDCのワクチン接種記録カードの写真であることを認識し、不正行為に対するセキュリティレイヤーを設けています。このプロセスを通すことで、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードはユーザーの認証済みIDと直接結びつくことになり、不正行為の抑止に役立ちます」と、CLEARの担当者は、TechCrunchの取材に語った。このアプリを利用するには、政府が発行した身分証明書をアップロードし、自撮りした写真を送信して本人確認を行う必要がある。

これらのデジタル認証は、偽のワクチン証明カードや他人のカードの写真を使おうとする人たちの不正を防ぐ効果があるだろう。特に、レストランの中には、ワクチンカードと身分証を照合しない店もあるからだ。ニューヨークでは「Excelsior Pass(エクセルシオール・パス)」というアプリを使って、健康記録をもとにワクチン接種の有無を確認しているが、他に同様の技術を導入している州はハワイだけだ。このようにワクチン接種証明の提示を強制することは、多くの州で禁止されている。

今月初め、OpenTableはレストランのプロフィールページに、安全対策として「ワクチン接種の証明」を追加できる機能を導入した。そして個々の食堂は、客が各レストランやレストラングループの入店条件を満たしていることを「認証」することができる。つまり、お気に入りのタコス屋でワクチン接種の証明をしておけば、次回からワクチン接種証明カードを提示する必要がなくなる。これは個人の客にのみ適用されるもので、団体客には適用されない。なお、OpenTableには最近、ダイレクトメッセージ機能が追加され、食事制限の変更をレストランに伝えることもできるようになった。

関連記事:米国のワクチン接種証明アプリ、倫理面でのリスクが潜む中で企業による開発が進む

画像クレジット:OpenTable

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米食品医薬品局がファイザーとビオンテックの新型コロナワクチンを正式承認

米食品医薬品局(FDA)はPfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認した。新型コロナワクチンの正式承認は初となる。mRNAベースのワクチンは緊急使用許可(EUA)を通じて2020年後半から使えるようになっていた。別の承認プロセスが終わるまでは12〜15歳への接種はEUAの下に行われるが、16歳以上向けにはPfizerワクチンは正式承認されたものとなる。

承認の取得は、PfizerとBioNTechが正式に米国内でワクチンを販促できることを意味する。そしてFDAはワクチンが「Comirnarty(コミナルティ)」というトレードドレスのもとに提供されることを明らかにした。このトレードドレスはさほどキャッチーな印象はないが、少なくとも「PfizerとBioNTechの新型コロナワクチン」よりは呼びやすい短さだ。FDAの承認はまた、臨床前データ、臨床試験データ、製造に関する情報、EUA期間の使用から集められたデータを含め、ワクチンが安全性と有効性の基準をすべて満たしていることを意味する。

今回の正式承認は、利用できるにもかかわらずワクチンをまだ接種していないことの言い訳として「正式に承認されるまで待つ」と言ってきた日和見主義者に接種を促すものになるという期待がある。少なくとも、パンデミックに向き合う中で接種を躊躇している人にとって理性的ではない無責任なスタンスを正当化することは難しくなる。

ComirnartyはFDAによって「優先審査」対象となっていた。これは実質的に当局が審査を進めるためにそのプロセスに全力を注いだことを意味する。Moderna(モデルナ)の承認については言及がなかったが、こちらも優先的に審査されている。

TechCrunchはTC Disrupt 2021でBioNTechのCEOで共同創業者のUğur Şahin(ウール・シャヒン)氏に話を聞く。9月21〜23日に開催されるバーチャルイベントをお見逃しなく。

関連記事
アルカディア・システムズが新型コロナ余剰ワクチンとキャンセル待ち希望者のマッチングシステムを試験運用開始
注射に慣れていない医療従事者も対応の「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用
「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に
画像クレジット:JUSTIN TALLIS/AFP / Getty Images

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

米食品医薬品局がファイザーとビオンテックの新型コロナワクチンを正式承認

米食品医薬品局(FDA)はPfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認した。新型コロナワクチンの正式承認は初となる。mRNAベースのワクチンは緊急使用許可(EUA)を通じて2020年後半から使えるようになっていた。別の承認プロセスが終わるまでは12〜15歳への接種はEUAの下に行われるが、16歳以上向けにはPfizerワクチンは正式承認されたものとなる。

承認の取得は、PfizerとBioNTechが正式に米国内でワクチンを販促できることを意味する。そしてFDAはワクチンが「Comirnarty(コミナルティ)」というトレードドレスのもとに提供されることを明らかにした。このトレードドレスはさほどキャッチーな印象はないが、少なくとも「PfizerとBioNTechの新型コロナワクチン」よりは呼びやすい短さだ。FDAの承認はまた、臨床前データ、臨床試験データ、製造に関する情報、EUA期間の使用から集められたデータを含め、ワクチンが安全性と有効性の基準をすべて満たしていることを意味する。

今回の正式承認は、利用できるにもかかわらずワクチンをまだ接種していないことの言い訳として「正式に承認されるまで待つ」と言ってきた日和見主義者に接種を促すものになるという期待がある。少なくとも、パンデミックに向き合う中で接種を躊躇している人にとって理性的ではない無責任なスタンスを正当化することは難しくなる。

ComirnartyはFDAによって「優先審査」対象となっていた。これは実質的に当局が審査を進めるためにそのプロセスに全力を注いだことを意味する。Moderna(モデルナ)の承認については言及がなかったが、こちらも優先的に審査されている。

TechCrunchはTC Disrupt 2021でBioNTechのCEOで共同創業者のUğur Şahin(ウール・シャヒン)氏に話を聞く。9月21〜23日に開催されるバーチャルイベントをお見逃しなく。

関連記事
アルカディア・システムズが新型コロナ余剰ワクチンとキャンセル待ち希望者のマッチングシステムを試験運用開始
注射に慣れていない医療従事者も対応の「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用
「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に
画像クレジット:JUSTIN TALLIS/AFP / Getty Images

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

アルカディア・システムズが新型コロナ余剰ワクチンとキャンセル待ち希望者のマッチングシステムを試験運用開始

ワクチンを1本も無駄にしない、アルカディア・システムズがキャンセル待ち希望者と余剰ワクチンのマッチングシステムを試験運用開始

医療現場で役立つITソリューションを提供するアルカディア・システムズは8月23日、新型コロナウイルスの余剰ワクチンとキャンセル待ちの接種希望者とをマッチングさせるシステム「VAMCS」(ヴァンクス)を開発し、8月中に複数施設での試験運用、また9月には全国展開をはかる予定と発表した。

新型コロナワクチンの不足が続いている。一部には突然の予約キャンセルなどで余ったワクチンをキャンセル待ちの人に融通する措置を講じているクリニックなどもあるが、それには電話連絡や待機者のリスト管理などの業務負担が大きく、実施したくてもできない施設があるとアルカディア・システムズは言う。そこで同社は、ワクチンの簡単な余剰登録をするだけで、メールで自動マッチングをするVANCSを協力施設の指導の下開発した。

キャンセル待ち希望者は、1人で5件まで医療施設に登録でき、医療施設でワクチンの余剰が発生すると順番にメールが自動送信される。医療機関に来訪できる人とマッチングできるまで、15分ごとに次の人へ順番が回され、連絡が行くという仕組みだ。ワクチンは希釈後6時間で利用できなくなるため、すぐに応諾できる方をマッチングできるようにしている。希望者は、有効期限内(メール到着から15分以内)にシステムに応諾の入力をすることで接種予約が完了する。

医療施設の側では、希釈時間、受付終了時間、ワクチン種類、余剰数(シリンジ単位)を入力するだけで、マッチングが開始される。

8月17日の時点で、試験運用に参加している施設は以下のとおり。

  • 福岡東ほばしらクリニック(福岡県福岡市)
  • 岸辺くすのき透析クリニック(大阪府吹田市)
  • 横田クリニック(大阪府大阪市)
  • 下地診療所(沖縄県宮古島市)
  • 大正くすのきクリニック(大阪府大阪市)
  • 一般財団法人 医療情報健康財団(福岡県福岡市)
  • 中馬病院(兵庫県尼崎市)

また現在、試験運用に参加を希望する医療施設を募集している。試験運用に応じた施設には、システムが無償で提供される。9月中予定の本格運用に移ると、医療施設には月額2000円(税抜)の経費がかかるが、試験運用の参加施設は9月以降も無償となる。

アルカディア・システムズは、「VAMCS」というネーミングにはある願いを込めているという。「Vaccines Available Matching Circle System for COVID-19」の頭字語なのだが、この中の「Circle」には、ワクチンの循環という意味のほかに、「みんなで協力して新型コロナウイルスとの闘いに打ち勝てるように」との思いも表現されているとのことだ。

注射に慣れていない医療従事者も対応の「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用

注射に慣れていない医療従事者向け「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用バーチャル技術でカラダの動きをデータ化し、社会実装を進めるイマクリエイトは8月20日、EpiNurse高知県室戸市で8月18日に実施したVR活用ワクチン接種研修において、医療従事者向け「VR注射シミュレーター」を提供したと発表した。今後イマクリエイトは、ワクチン接種研修にとどまらず、地域におけるVR活用の検討を進めるとしている。

VR注射シミュレーターは、注射に慣れていない医療関係者でも筋肉注射の研修を効率的に行えるようにするためのVRコンテンツ。体の動きをデータ化するイマクリエイト独自技術「ナップ」を活用し、京都大学大学院医学研究科監修のもと開発した。教育のための人材を派遣することが難しい地域やコロナ禍において多人数の集まることができない状況においても、効率的にワクチン接種のトレーニングを行える。

同シミュレーターでは、新型コロナワクチンに代表される筋肉注射の手順について、VR内に表示されるお手本に沿って行うだけで感覚的に覚え、身に着けられるという。手順の間違いや漏れを防止できるなど高い学習効果が期待されるとしている。

また今回の取り組みでは、VRを用いたワクチン接種研修の他、Psychic VR LabのXRクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を用いて、室戸市と東京・イマクリエイトをオンラインで接続し、VR空間内におけるディスカッションも実施した。

注射に慣れていない医療従事者向け「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用

VR空間内でのディスカッションの様子

EpiNurseは疫学(Epidemiology)と看護学(Nursing)を組み合わせた方法論を防災・減災に実践する一般社団法人。代表理事を務める高知県立大学看護学部教授の神原咲子氏は、「今回VRを導入することによって、視覚的に確認しながら、動作の練習できるのはまた新しいステップに一気に拡張したと思いました。看護研究で、筋肉注射練習用の筋肉を3Dプリンタで作る試みもしていたところで、そういうものと一緒にすることでさらにいろいろな可能性が広がる」とコメントしている。

2022年1月5日から開催する「CES 2022」の参加者はワクチン接種証明が必要に

2022年1月5日から開催する「CES 2022」の参加者はワクチン接種証明が必要に

ROBYN BECK/AFP via Getty Images

2022年1月5日~8日にラスベガスで対面イベントとして実施される予定の国際家電見本市CES 2022ですが、運営元のCTAより、参加するにはワクチン接種証明を提供する必要があると発表がありました。

CES 2022は対面式イベントとしてラスベガスで開催へ

ワシントンなど米国の一部州では、飲食店や劇場など、屋内施設の利用にはワクチン接種証明の提示が義務付けられましたが、CTAとしては、州や地域のガイドラインや、米国疾病予防管理センター(CDC)の勧告に従うとのことです。

世界中から人が集まるだけに、米国で認可されていないワクチン(アストラゼネカや中国のシノファームなど)を接種している場合にどうなるのかなど、気になるところではあります。ただ、ワクチン接種証明の代わりに、抗体検査が陽性であることを証明して参加できる可能性もあるとしており、こちらに関しては、後日詳細を共有するとのことです。

ウイルスの変異体も広がっており、この先パンデミックがどうなるのか見通しが難しい状況ですが、CTAは引き続き状況を監視・評価し、開催日に近い段階でプロトコルの追加や修正を発表する予定としています。

(Source:CTAEngadget日本版より転載)

関連記事
Googleが新型コロナ「デジタルパス」をAndroid標準機能としてサポート、「Google Pay」で接種情報表示可能に
EUの新型コロナワクチン「デジタルパス」が稼働、ドイツなど7カ国が先行導入
2022年、CESがラスベガスに戻ってくる
【コラム】2021年、テック見本市は復活するのか?
米国初の新型コロナワクチン接種デジタル証明をニューヨーク州が運用開始、IBMがブロックチェーン活用で協力

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:イベント(用語)CDC / 米国疾病予防管理センター(組織)新型コロナウイルス(用語)CES(イベント)ワクチン(用語)

「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に

「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に

「お商売のデジタル化」を支援する「STORES」(ストアーズ)プラットフォームのヘイ(hey)は8月17日、オンライン予約システム「STORES 予約」(ストアーズ予約)を活用した「ワクチン接種予約システム」の累計予約数が128万件に達したと発表した。

heyは、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種予約システムとして、STORES 予約を自治体・病院・企業・教育機関などへ向けて無料提供してきた。2021年5月の無料提供開始以来、全国の各機関・職域接種における導入が加速し、6月以降にはシステムを通じた予約数も大きく伸長、8月には累計約128万件に達した。「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に

STORES 予約では、職域接種の再開やクリニックなどでのワクチン接種状況を鑑みて、追加での申し込みについてもサポートを継続し、ワクチン接種完了に向けたスムーズな予約管理を支援するとしている。

申し込み・問い合わせは「ワクチン接種予約システム特別プラン」特設サイトから行える(申し込み状況により早期に締め切る可能性がある)。

関連記事
STORES 予約を活用した「ワクチン接種予約システム」をANA、森トラスト、損保ジャパン、近畿大学などが採用
ネットショップ開設サービス「STORES」が「STORES 予約」活用の「ワクチン接種予約システム」無料提供開始

カテゴリー:ネットサービス
タグ:新型コロナウイルス(用語)hey(企業)ワクチン(用語)日本(国・地域)

米医療系スタートアップがウェブサイト閉鎖、脆弱性で約6万件のコロナ検査結果が漏えいリスクに

カリフォルニア州を拠点とし、ロサンゼルス全域で新型コロナウイルス検査を提供している医療系スタートアップが、顧客が検査結果にアクセスするために使用していたウェブサイトに他人の個人情報にアクセスできる脆弱性が見つかったため、ウェブサイトを閉鎖した。

Total Testing Solutions(TTS)は、ロサンゼルス市内に10カ所の新型コロナウイルス検査施設を持ち、毎週、職場やスポーツ会場、学校などで「数千件」の新型コロナ(COVID-19)検査を処理している。検査結果通知の準備が整うと、顧客は結果を受け取るためのウェブサイトへのリンクが記載されたメールを受け取るようになっている。

しかし、同社のある顧客によると、ウェブサイトのアドレスに含まれる数字を一桁増減させることで、他の顧客の情報にアクセスできる脆弱性を発見したとのこと。それにより、その顧客は他の顧客の名前やテストの日付を見ることができた。また、新型コロナウイルスの検査結果にアクセスするためには生年月日が必要だが、この脆弱性を発見した顧客は、推測もしくはブルートフォース攻撃を行うのに「時間はかからない」と語った(30歳以下の人であれば、最大で誕生日を約1万1000回推測するだけだ)。

検査結果のウェブサイトは、顧客に電子メールアドレスとパスワードの入力を促すログインページで保護されているが、ウェブアドレスの変更や他の顧客の情報へのアクセスを可能にする脆弱な部分は、ログインプロンプトを完全に回避してウェブから直接アクセスすることができた。

その顧客は、誰かが発見したり悪用する前に(すでに悪用されていた可能性もあるが)Total Testing Solutionsが脆弱性を修正できるよう、脆弱性の詳細をTechCrunchに伝えた。

TechCrunchは顧客の調査結果を検証し、各結果コードを列挙することはしなかったものの、限定的なテストにより、この脆弱性によって約6万件の検査結果が危険にさらされている可能性があることがわかった。TechCrunchは、TTSのチーフメディカルオフィサーであるGeoffrey Trenkle(ジェフリー・トレンクル)氏にこの脆弱性を報告した。同氏は、発見された検査の数には異議を唱えなかったが、脆弱性は、検査結果を提供するために以前使用されていたオンプレミスのレガシーサーバーに限定されており、そのサーバーはその後シャットダウンされ、新しいクラウドベースのシステムに置き換えられたと述べた。

トレンクル氏は声明で次のように述べた。「当社は最近、以前のオンプレミスサーバーに潜在的なセキュリティ脆弱性があり、URL操作と生年月日のプログラミングコードを組み合わせて、特定の患者の名前と検査結果にアクセスできる可能性があることを認識しました。この脆弱性は、クラウドベースのサーバーが構築される前に公共の検査施設で得られた患者情報に限られていました。この潜在的な脅威に対応するため、当社は直ちにオンプレミスのソフトウェアを停止し、そのデータを安全なクラウドベースのシステムに移行する作業を開始して、将来のデータ漏洩のリスクを防ぎました。また、サーバーのアクセスログを確認し、認識されていないネットワーク活動や異常な認証失敗を検出するなど、脆弱性の評価を開始しました」。

同氏は、クラウドサーバーがいつから利用可能になったのか、また、レガシーとされるサーバーに2021年7月の時点でテスト結果が存在した理由については言及を避けた。

「現在TTSでは、以前のサーバーの問題により、保護されていない医療情報が漏洩した事実を認識していません。当社の知る限り、実際に患者の医療情報が漏洩したことはなく、今後のリスクはすべて抑制されています」とトレンクル氏は述べている。

トレンクル氏は、同社は州法に基づく法的義務を遵守すると述べたが、脆弱性について顧客に通知する予定があるかどうかについては明確にしなかった。企業は州の司法長官や顧客に脆弱性を報告する義務はないが、不正アクセスがあったかどうか判断しにくい場合もあることから、多くの企業が念のため報告している。

TTSのLauren Trenkle(ローレン・トレンクル)CEOは、一連の電子メールでコピーされていたが、コメントしなかった。

関連記事
米T-Mobileで顧客データ漏洩、犯罪者フォーラムで販売
保険テック系スタートアップBackNineの過失で米大手保険会社の数十万件の申込書が流出
PR TIMESが会員企業の発表前情報に対する不正アクセス公表

カテゴリー:セキュリティ
タグ:ロサンゼルスバグ / 脆弱性新型コロナウイルスデータ漏洩

画像クレジット:Allen J. Schaben / Los Angeles Times / Getty Images

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体が15匹のプロフィールを登録

マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体がペットのプロフィールを登録

GK Hart/Vikki Hart via Getty Images

ドイツのミュンヘン動物福祉協会が、マッチングアプリのTinderにペットのプロフィールを登録する試みを行っています。評判は上々で、既に何人かの人と最初のデートが設定されているとのことです。

同協会曰く、コロナ禍での自宅時間の増加により、ペットを飼う人は増加傾向にありますが、今度はコロナが収束に向かうにつれてペットを捨ててしまう人が増えるのを懸念しているとのこと。こうしたこともあり、新しい飼い主を見つける方法として、Tinderの利用に思い至ったようです。

マッチングに際しての本気度も高く、広告代理店に依頼して、プロカメラマンの手で15匹のペットの写真を撮影しTinderに登録したとのこと。こうした甲斐があってか、同協会のJillian Moss氏によると、反響は非常に大きいとのことです。

一方で、新しい出会いを求めているのに違いはないとはいえ、こうした利用はTinder側的にはどうなのだろうと思うところですが、Tinderのコミュニケーションチームで働くBenjamin Beilke氏は「これらの動物たちが本当に新しいパートナー、数週間だけでなく、長期的に “パーフェクトマッチ “を見つけてくれることを願っています」とロイターの取材に応えており、好意的に捉えているようです。

(Source:ReutersEngadget日本版より転載)

関連記事
愛犬家のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始
iPS細胞で犬をはじめ動物再生医療に取り組む、日本大学・慶應義塾大学発「Vetanic」が総額1.5億円を調達
ねこ用スマートトイレ「Toletta」が本体無料&アプリ月額料金1078円で利用可能に、トレッタキャッツがリニューアル
スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が約1.1億円を調達、開発運営体制を強化
デートアプリTinderはネットで新たに知り合いを発見する「ソーシャルディスカバリー」に足を踏み出す
首輪型猫用ロギングデバイス「Catlog」が猫の食事バランスを見守る「Catlogフードケア」開始
ワクチン接種普及のためにホワイトハウスはデートアプリと協力
ペット業界に特化したTYLが獣医師往診サービス「anihoc」開始、往診料金税込5500円

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:犬 / イヌ(用語)新型コロナウイルス(用語)Tinder(企業・サービス)猫 / ネコ(用語)ペット(用語)マッチングアプリ / デートアプリ(用語)

電気通信大が粗悪なCO2センサーの見分け方を公開、5000円以下の12製品中8製品はCO2ではなく消毒用アルコールに反応

電気通信大が粗悪なCO2センサーの見分け方を公開、5000円以下の12製品中8製品はCO2ではなく消毒用アルコールに反応

電気通信大学

電気通信大学の研究グループが8月10日、ECサイトで販売されている5000円以下の安価な二酸化炭素濃度測定器(CO2センサ)の多くが、CO2濃度を測定しておらず、消毒用アルコールに反応する疑似センサを使用しているとする調査結果を発表しました。

コロナ禍にあって自宅で作業を行う人が増えていますが、3密を防ぐ感染対策のため、換気の目安として二酸化炭素濃度を測る機器が市場に多く出回っています。しかしながら、二酸化炭素濃度を人が直接体感するのは難しく、センサが正しく動作しているのかは普通の人には確認が困難です。このため、研究チームがECサイトで感染対策用として販売されている2900円~4999円のCO2センサ、計12機種を購入し、実際に精度検証を行いました。

その結果、12機種のうち、1機種は異常値を示したことから故障と考えられ、8機種はCO2には反応しなかったとのこと。残りの3機種は精度は低いながらCO2に反応しており、校正(調整)すれば感染対策目的で使用可能と判断されています。また、CO2に反応しなかった8機種は、いずれも消毒用アルコールに強い反応を示しており、CO2センサをうたいながら、アルコールや総揮発性化合物などの雑ガスに反応する疑似センサを使用している可能性が高いとしています。

なお、コロナ対策関連では、UV除菌・殺菌グッズも数多く出回っていますが、こちらについても、エンガジェットライターの宮里氏により、安物はほぼ効果が期待できないとの調査結果が出ています。

UV除菌・殺菌をうたう激安機器は本当にUV-Cが出ているのか?:ウェブ情報実験室

こうした結果を見ると、自宅で使っているCO2センサが正しいかどうかが心配になるところですが、それを手軽に確認する方法も公開されています。

まず、1つ目として、屋外の新鮮な空気の中にセンサを置き、CO2濃度が400ppm前後(目安としては340~460ppm)を表示するか確認します。数値が大きくずれている場合には、換気モニタにはふさわしくないとのこと。ただし、機種によっては測定値を校正できるものがあるとのことで、取扱説明書を確認するのが良さそうです。

2つ目として、センサに息を吹きかけ、CO2濃度が測定限界値まで上昇することを確認します。呼気には二酸化炭素が含まれているので、これを直接吹きかければ反応するはずということです。このとき、センサがすぐに反応しない場合には、ビニール袋などにセンサを入れ、その袋を息で膨らませて様子を見ます。それでもセンサが反応しない場合には、換気モニタとして使わないことを推奨しています。

3つ目は、消毒用アルコールを吹きかけた手をセンサに近づけ、CO2濃度が上昇しないことを確認します。もし大幅に上昇する場合には、CO2ではなく、他のガスに反応する疑似センサが使われている可能性が高いということになります。

中には、安価でもきちんとした製品はあると考えられますが、残念ながら購入前の見極めは困難です。もし購入する際には、安さだけで選ばず、信用できるメーカーのものを選んだり、レビューを精査するなどの努力が必要になってきそうです。

電気通信大が粗悪なCO2センサーの見分け方を公開、5000円以下の12製品中8製品はCO2ではなく消毒用アルコールに反応

電気通信大学「Accuracy verification of low-cost CO2 concentration measuring devices for general use as a countermeasure against COVID-19」より。参照用として、T&D社製の研究用センサ(センサA)とCHCシステム社製の産業用センサ(センサB)も同時に測定に利用している

(Source:電気通信大学Engadget日本版より転載)

関連記事
ソラコムが施設内の二酸化炭素濃度をIoTセンサーで計測するスターターキットを提供開始
旭化成と奈良県立医大が「226nm UVC LED」紫外光照射による新型コロナウイルス不活化を確認、動物細胞への影響も検証
豊田中央研究所が36cm角実用サイズ人工光合成セルで世界最高の太陽光変換効率7.2%を実現
ウシオ電機と東芝ライテックが一般照明器具など紫外線除菌・ウイルス抑制装置を共同開発、2021年1月販売目指す

カテゴリー:ハードウェア
タグ:新型コロナウイルス(用語)センサー(用語)炭素 / 二酸化炭素(用語)電気通信大学(組織)日本(国・地域)

新型コロナワクチン誤情報の投稿でツイッターが米共和党員のアカウントを一時停止

Twitter(ツイッター)は米国時間8月10日、ジョージア州の共和党員Marjorie Taylor Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)氏がワクチンは新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大を抑制しないと主張するツイートを投稿したことを受け、同氏のアカウントを一時停止した。

グリーン氏は「これらのワクチンは失敗であり、ウイルスの拡散を抑制しない。マスク着用もそうだ」と、科学者らに反論し、FDA(米食品医薬品局)にワクチン承認を拒否するよう求める内容をツイートした。グリーン氏のツイートは同氏のフィードに残ったままだが、Twitterの誤情報警告も一緒に掲載されており、警告の中でユーザーにCDC(米疾病対策予防センター)の情報を案内している。

TwitterはTechCrunchに、グリーン氏のツイートは「(社の)新型コロナに関するミスリーディング情報規則に則ってラベルが貼られ」、プラットフォーム規則を「繰り返し破った」ために同氏のアカウントは7日間閲覧のみのモードとなる、と話した。グリーン氏は2021年7月、ウイルスは65歳以下の健康な人にはほぼ害を及ぼさないと誤った主張を展開したために12時間の一時停止処分となった

Twitterの現在の新型コロナ関連誤情報に関する違反回数に基づくシステムにおいて、今回の新たな一時停止は同氏に対する4回目の措置となる。グリーン氏はTwitterで繰り返し規則を破っていて、同氏のアカウントが復活後に5回目の違反を犯した場合は永久追放となる危機に瀕している。

新型コロナ感染の症状悪化を大幅にそして効果的に抑制したり、感染を予防することがわかっている3種のワクチンが接種できるにもかかわらず、米国の新型コロナ新規感染の件数は増えている。フロリダ州は1日あたりの新規感染者数の最多を更新し続けていて、ワクチン接種が始まる前の2020年の新規感染者数を上回っている。

極めて感染力の強いデルタ変異種のケースが増えているにもかかわらず、オンライン上の誤情報が引き続きワクチン接種に対して米国人を消極的にさせる主要因となっている。ワクチン接種率が最下位の州の1つであるアラバマでは、住民が新たな変異種に対していかに脆弱であるかを認識するにつれて誤情報の件数は増加傾向にあり、ワクチンを接種していない人に痛ましい被害を及ぼしている。

関連記事
Twitterが新型コロナワクチン誤情報への注意を喚起するラベルを導入、まずは英語でのツイートが対象
米上院議員がFacebookに研究者のアカウントを停止させた理由の説明を求める
ツイッターがAP通信、ロイターと提携して誤情報の拡散防止を強化
EUが大手テック企業の「新型コロナ偽情報対応は不十分」と指摘

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Twitter新型コロナウイルスワクチンアメリカ誤情報陰謀論

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberがドライバーへのインセンティブ支払いによる第2四半期の赤字からの業績回復を計画

Uber(ウーバー)は第2四半期に予想を上回る損失を計上した。パンデミックによるドライバー不足を解消するため、4月に2億5000万ドル(約275億円)の大規模な刺激策を実施したことが大きな要因だ。

調整後EBITDAは5億900万ドル(約560億円)の損失だった。一方、Lyft(リフト)は前日、当四半期の調整後EBITDAを2380万ドル(約26億円)の黒字で計上した。Uberの損失は、アプリベースの配車業界が抱えるより大きな問題を指し示している。それは、ドライバー供給の遅延、ドライバーを集めるためのコスト、迫り来る新型コロナウイルスのデルタ変異株という3つの脅威だ。

関連記事
Uberがコロナ収束後のドライバー不足対策で総額約274億円の報奨金を用意
Uberの第2四半期は配車、配達事業の売上高は成長するも赤字幅は拡大
Lyftが調整後EBITDAで初の黒字を達成、事業がコロナ打撃からリバウンド

「ドライバーたちが道路に戻りたいと思う気持ちは強くなっています」とCEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は、米国時間8月4日の決算会見で述べた。「6月には、活動休止中のドライバーの60%が、1カ月以内に運転を再開するつもりだと回答しました。4月の40%から増加しました。また、90%のドライバーが9月までに運転を再開すると回答しています。さまざまな指標が複数の市場で上昇しながら通常の水準へと回復し、マイアミ、アトランタ、ダラス、ヒューストン、フェニックスでは待ち時間がほぼ正常に戻りました。しかし、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの大都市では需要が供給を上回る状態が続いており、遅い時間帯の価格は快適な水準を超えています」。

コスロシャヒ氏は、Uberがドライバーに対する「ポスト・パンデミック」のインセンティブを縮小したとしても、ここ数カ月で回復してきたドライバーの勢いは続くと予想していると語った。だが問題は、パンデミックはまだ終わっていないということだ。米国でのワクチン完全接種は人口の50%にとどまる。CDC(米疾病予防管理センター)によると、7月の最後の2週間で、感染力の高いデルタ型が米国内の新型コロナ感染者の80〜87%を占めた。多くのコンピュータモデルは、8月中旬〜9月上旬に感染者数がピークに達し、1日あたりの感染者数が45万人に達すると予測している。

ドライバー不足の原因はロックダウンだけではない。ドライバーらは、微々たる報酬で、パンデミック中に命をかけてまで働きたくないと考えている。Uberが損失を出しながらもドライバーを増やそうとしているのは、Uberがギグワーカーの働く権利を脅かす存在として再び注目されているからだ。Uberは、アプリベースの配車やオンデマンド配送を行う企業連合の一員であり、マサチューセッツ州で今週、ドライバーを従業員ではなく独立した契約者であると定義する投票法案を通すための請願書を提出した。2020年のカリフォルニア州での提案22号と同じことが起こっている。

2013年から運転しているジェイというUberのドライバーはTechCrunchに「私は、人を呼び戻すために使われたインセンティブを受け取りました。脳みそがあるドライバーならほとんどが同じことをしたと思います」と語った。「インセンティブがなくなったところで私は運転をやめました。今や運転をすれば持ち出しになってしまうからです。Uberが料率を大幅に引き下げたので、もはやUberで働くことは意味をなしません。Uberの車をつかまえるのが難しい理由はここにあります。途方もなく遠い存在である億万長者たちが、この会社を潰しつつあるのです」。

こうした状況にもかかわらず、コスロシャヒ氏は、同氏はおそらくジェイ氏がいう「遠い存在である億万長者」の1人だと思われるが、Uberが年内に会社としてEBITDA黒字化を達成する見込みだと投資家に請け合った。同社は「働き手の体験」と呼ぶものへの投資が、労働者のつなぎ留めに役立つと期待している。

「アプリの品質向上に力を注ぐことから、ターゲットを絞り個々人にあわせた関係再構築キャンペーン、安全に稼ぐという目的のためにこれまで以上に簡単かつ迅速になったオンボーディングフローの全面的な再設計、ロゼッタストーンを利用した無料の語学学習、ASU(アリゾナ州立大学)を授業料無料で利用できることなどのユニークなプログラムの展開まで、当社が提供する働き手のためのスーパーアプリは、世界中のドライバーや宅配業者に提供できる収益機会の深さと幅広さにおいて独自性があります」とコスロシャヒ氏は話す。

豪州のシドニーなどの都市での最近のロックダウンのように移動手段が打撃を受け続けることになっても、Uberは貨物、Uber Eats、宅配便などの他の事業に頼ることができるとコスロシャヒ氏は語る。同氏によると、乗車数が減るとUber Eatsや宅配便の注文が増える傾向にあるという。

Uberは2020年11月、オンラインフードデリバリーアプリのPostmates(ポストメイツ)を買収した。同社によると、買収により約500万人の利用者が加わり、16万人の宅配業者と2万5000以上の加盟店がPostmatesからUber Eatsに移行した他、ロサンゼルスとニューヨークでUberがカテゴリーリーダーとしての地位を確立するのに役立ったという。

関連記事:UberがフードデリバリーPostmatesの買収を完了

また、Uberは最近、食料品、コンビニエンス、アルコール類の配達など、新たな分野にも進出しており、6月の米国でのグロスブッキング(予約総額)は2020年12月の水準から約3倍、英国とフランスでは2倍に増加した。

「私たちが持っている差別化要因はオーディエンスとUberプラットフォームです」とコスロシャヒ氏は述べる。「私たちは、Uberブランド、マーケットプレイスマッチング技術、価格設定技術、ルーティングなどを基盤にデリバリー事業を立ち上げた、最も新しいプレイヤーの1社です。【略】私たちは、他の誰よりも大きなデータセットを持ちあわせています。これにより、マッチング、ルーティング、インセンティブ、マーケティングなど、より個々人に合わせたエンジンを構築することができますし、他の誰よりも優れた機能を備えています」。

「Uberはすべての市場にオペレーションチームを配置しているため、市場ごとに適切な在庫を把握することができます」と同氏は語る。

「その結果、顧客獲得コストの削減、ライフタイムバリューの向上、間接費の削減、技術力の向上が可能になります。これらが差別化につながるのです」。

第4四半期までにEBITDAの目標を達成することに加え、コスロシャヒ氏によると、Uberは会社全体のグロスブッキングが220億〜240億ドル(約2兆4200億円〜2兆6400億円)となり、調整後EBITDAは第3四半期の1億ドル(約110億円)の損失から改善すると見込んでいる。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Uber新型コロナウイルス労働問題

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ポケモンGOの新型コロナ対策ボーナス廃止を受けインフルエンサーたちがボイコットを示唆

Niantic(ナイアンティック)は、世界で初めて普及した拡張現実ゲームの1つである「Pokémon GO(ポケモンGO)」を開発し、2020年は1億6600万人のユーザーと10億ドル(約1090億円)以上の収益を記録した。ポケモン本編のゲームシリーズから着想を受けて誕生したポケモンGOは、ゲーム内の報酬という仕組みを利用して、ユーザーが周囲の環境を探索したり、他のユーザーとチームを組んで伝説の獣と戦ったり、今まで行ったことのない場所に行ったりすることを促すゲームだ。

新型コロナウイルス感染流行以前は、このことがアクセシビリティの問題となっていた。例えば、一定の距離を歩かないと達成できないタスクがあると、身体的な理由で近所を気軽に散歩できないユーザーは疎外されてしまう。また、車いすを使用しているプレイヤーにとって、ポケストップやジムへのアクセスが困難な場合もある。このゲームを最大限に楽しむためには、このように現実世界のランドマークとの関わりが必要なのだ。

2020年3月に世界の多くの地域でロックダウン(都市封鎖)が行われた際、ポケモンGOはプレイヤーがポケストップやジムにアクセスできる距離を半径40メートルから80メートルへと倍増させた。つまり、ランドマークから遠く離れていても、その報酬を得ることができるようになったのだ。これによって、ユーザーは家でプレイしたり、社会的な距離を保ちながら外でプレイしたりすることが容易になっただけでなく、今まで参加することが困難だったユーザーに対しても門戸が広がることになった。さらに、交通事故の原因になるとの悪評があったこのゲームでは、半径が広がったことで、歩行者のプレイヤーが交通法規を無視することなく、ランドマークにアクセスできるようになった(公平に言えば、拡張現実でゲーム中に正しい判断をするべきなのはユーザーだが、この点においてはナイアンティックにも責任がある)。また、レアなモンスターを倒すためにジムの半径内に集まって戦う「レイドバトル」に適した場所に店がある場合、ポケモンプレイヤーはゲーム中に店舗から適度な距離を保つことができるようになった(パンデミック後半には遠隔でレイドバトルに参加できるようになったが、この機能は収益性が高かったため、ゲーム内に残されることになったようだ)。

関連記事:NianticがポケモンGOなどを室内プレイができるように

これらの新型コロナウイルスのための優遇措置は、常に一時的なボーナスという枠組みだったが、プレイヤーはこの変更を歓迎した。2020年にポケモンGOはこれまでで最高の収益を上げたのだ。しかし現在、米国とニュージーランドでは「テストとして」ランドマーク半径の増加が廃止されている。

「私たちが再び外の世界に戻ることにともない、これらの変更はポケモンGOの焦点を、現実世界での移動や探索に戻すことを目的としています」と、同社はブログ記事で書いている。「これらの変更は、あなたの周りの世界を探索することがよりエキサイティングになるように、ゆっくりと慎重に導入されていく予定です」。

新たに導入されるボーナスの1つは、ユーザーが新しいポケストップを初めて訪れる(現実世界の言葉で言えば、新しい場所を訪れる)と、XPが10倍になるというものだ。しかし、デルタ型変異ウイルスが広まりつつある米国では、プレイヤーはこれらの変更に不満を感じ、反発を覚えている。

ゲームをより多くの人が楽しめるようになり、会社の利益にもつながる機能を、ナイアンティックはなぜ取り消すのだろうか?

距離2倍の廃止は、#PokemonGOコミュニティに対する酷い仕打ち以外の何物でもありません。

現実的に言って、もし早急に変更がなされないのであれば、私はGOを辞めるつもりです。

プレイヤーのことを一番に考えないゲームを受け入れることは断固としてできません。

ナイアンティックのスポンサードコンテンツを作成しているポケモンGOのYouTuber(ユーチューバー)、Reversal(リバーサル)氏は、早急に変更がなされない場合、ゲームを辞めると書いている。他のプレイヤーたちは、ポケストップとジムの交流距離の増加を維持するために請願書を起ち上げ、13万人以上の署名を集めた。ZoëTwoDots(ゾーイトゥドッツ)氏やThe Trainer Club(ザ・トレーナー・クラブ)といった著名なポケモンGOのコンテンツ制作者たちは、ナイアンティックが6月に新型コロナウイルスのためのボーナス終了を予告した後、コミュニティの懸念に耳を傾けようとしなかったことを理由に、米国時間8月2日にアップロードした動画で、ゲームをボイコットする可能性について言及している。

Reversal氏と同様、Nianticと提携を結んでいるZoëTwoDots氏は、21万2000人のチャンネル登録者に向けて「もし私たちがそうしたいなら、みんなでゲームをボイコットすることも厭わない」と語った。「私個人としては、彼らが公に対処するまで、今後このゲームには本当にお金を使わないことにしました」。

ポケストップの半径についての私の意見は変わっていません。それは、明らかに生活の質を向上させる変更であり、(現在進行中の)パンデミックによって初めて完全に実現したものです。障がいを持つプレイヤーにはアクセシビリティを、すべてのプレイヤーには安全性を提供し、探索の楽しさにはまったく影響を与えませんでした。

5周年を迎えた今、このゲームが直面している論争は、プレイヤーがゲームをより簡単にして欲しいと願っているということではない。そうではなく、ユーザーの声に耳を傾け、アクセシビリティを優先し、新型コロナウイルス感染者が米国で再び増加する中、ユーザーが家に留まるように仕向けるということを、ナイアンティックが蔑ろにしていると申し立てているのだ。

関連記事
ポケGOスタイルの「トランスフォーマー」ARゲームをNianticがタカラトミー、ハズブロと開発中、事前登録開始
ポケモンGOのNianticが単眼スマホでリアルタイム3Dマップを作成できるAR開発キット「Lightship」ベータ開始
ポケモンGOのNianticジョン・ハンケ氏がARメガネ画像をちら見せ、AR OSの責任者募集

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:NianticPokémon GO新型コロナウイルスインフルエンサー

画像クレジット:Bloomberg/Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)