NY市長がイーロン・マスク氏に人工呼吸器の製造を依頼

ニューヨーク市長のBill de Blasio (ビル・デブラシオ)氏はTesla(テスラ)やSpaceX(スペースX)のCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏に、人工呼吸器の製造を直接頼み込んだ。新型コロナウイルス(COVID-19)対応に追われる病院での不足を緩和するためだ。

18日夜から始まったTwitter上でのマスク氏と、著者でFiveThirtyEight主筆のNate Silver(ネイト・シルバー)氏の議論を受けて、デブラシオ氏がツイートした。

これまで従業員へのメールやソーシャルメディア上で新型コロナウイルスを軽視していたマスク氏だが、3月18日夜に「不足しているのならテスラは人工呼吸器を製造する」とツイートした。シルバー氏は「すでに不足が生じている。どれくらい製造できる?」と返した。

その後マスク氏は「人工呼吸器の製造は難しくない。しかしすぐに製造できるものではない。あなたが言う、現状不足しているのはどこの病院なのか」と尋ねた。このツイートにメディアや公衆衛生当局、議員たちが反応した。議員の中には、オレゴン州には688台の人工呼吸器があると明らかにした共和党議員のJulie Fahey(ジュリー・フェイヒー)氏も含まれる。

そして19日朝、デブラシオ氏は「我々の国は深刻な不足に直面している。可能な限り早く人工呼吸器が必要だ。今後数週間でNY市は何千台もの人工呼吸器が必要になる。できる限り早く確保するが、あなたにお願いすることになるかもしれない!」。

市長室はマスク氏のファミリーオフィス担当者や広報ディレクター、ロビイストに連絡を取った、と秘書のFreddi Goldstein(フレッディ・ゴールドステイン)氏は電子メールでTechCrunchに述べた。「Twitter上の内容からして、マスク氏が手助けしてくれると期待している」とも語った。

新型コロナウイルスに関するマスク氏のツイートや従業員への電子メールは医療福祉やメディア、ビジネス界の人々から批判された。マスク氏の新型コロナウイルスを軽視する態度は悪影響を及ぼすという主張だ。

マスク氏はまた、現在屋内退避指示が出されているアラメダ郡に立地しているにもかかわらずカリフォルニア州フリーモントの工場を稼働させ続けていることでも非難されている。新型コロナウイルスの世界的な拡大のため、屋内退避指示ではバーやジム、レストラン(店内での飲食)を含む必要不可欠ではない事業は閉鎖しなければならない。

テスラの工場や多くの施設がフリーモント内やその周辺にあるが、フリーモントはアラメダ郡内にある。3月17日にアラメダ郡の保安官は「テスラの工場は必要不可欠ではなく、同社は屋内退避指示に従わなければならない」と宣告した。

18日に従業員宛てに送った内部電子メールの中でテスラは、アラメダ郡の屋内退避指示発令中に工場を稼働させることができるかどうかに関して政府のいくつかのソースが出しているガイダンスと相容れないため、フリーモント工場では生産を続けると述べた。

屋内退避指示にもかかわらず、人事部門は従業員に生産、サービス、納車、車両テストを業務としているなら出社するよう伝えた。

CNBCは、郡の指示への協力を協議するためフリーモント市当局がTeslaの工場マネジャーと19日に会う予定だ、と報道した。

しかし18日夜遅くに別のメールが送信された。工場が「必要不可欠な」従業員のために稼働する間、TeslaはCOVID-19の拡大を抑制すべく追加の措置を取るというものだ。

TechCrunchも確認したこのメールでは、フリーモント工場の従業員に終日つけるマスクをTeslaが提供すること、工場内に衛生ステーションを増設すること、可能な限りソーシャルディスタンス(他人との距離)を取れるようオペレーションの配置を変えること、作業エリアの清掃の回数を増やすことを伝えている。

深刻な不足

GMやFordを含む車メーカーが、工場で重要な医療機器を製造しようとホワイトハウスとすでに協議していると報道されている。病院が急いで確保しようとしている医療機器は人工呼吸器だけではない。N95マスクも不足している。

ホワイトハウスは、ヘルスケア職員にとってかなり重要なセーフガードとなると考えられるN95産業用マスクの製造元と協議していると話した。マイク・ペンス副大統領は、新型コロナウイルスに関して毎日開かれるようになった会見で3Mがマスク生産量を1月から月3500万枚に増やしている、と述べた。「生産は急激に増えている」とペンス副大統領は語った。

Honeywellもまたマスク生産を年間1億2000万枚へと増やしている。この増産されているマスクは不足に直面している何千もの病院のほとんどに届いていない。マスクに加え、その他の防護用品などの減少も報道されている。ペンス副大統領は、N95マスクを病院に寄付するようホワイトハウスの呼びかけに建設会社も応じている、と語った。

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(翻訳:Mizoguchi

Netflixが新型コロナによる通信量増加で欧州でのストリーミング画質を30日間抑制へ

TechCrunchは19日、EU委員のThierry Breton(ティエリー・ブルトン)氏がNetflix(ネットフリックス)に欧州でのストリーミングの画質の抑制を求めたとの情報を入手した。全体の通信使用量を抑えるためだ。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が自宅でのエンターテイメントとしてストリーミングサービスを使用している。

Netflixはこの求めに応じることを明らかにした。最初にBusiness Insiderに送り、TechCrunchにも共有した声明の中でNetflixの広報担当は以下のように述べている。

EU委員のティエリー・ブルトン氏やReed Hastings(リード・ハスティングス)氏との協議を受け、またコロナウイルスによる非常に困難な状況を考慮し、Netflixは欧州でのストリーミングのビットレートを30日間下げることを決めた。顧客に高品質のサービスを保証しながら欧州でのNetflix通信量を25%ほど減らすことになると予測している。

Netflixの通信量は、世界のデータ使用においてかなりの割合を占めてきた。2019年末のレポートでは、Netflixのストリーミングはインターネット通信全体の13%を占めた。Netflixは同社の通信への影響を最小限にするプログラムを展開している。1つの例として、コンテンツを物理的にエンドユーザーの近くにもってくることを目的に2012年に立ち上げたコンテンツデリバリーネットワークOpen Connectがある。

画像クレジット: Chesnot / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

サンフランシスコ・ベイエリアの新型コロナ検査能力が1日当り1000名に拡大

サンフランシスコ・ベイエリアでの新型コロナウイルス(COVID-19)の検査能力は、民間セクターによって増強されつつある。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)とPriscilla Chan(プリシラ・チャン)の慈善プロジェクトであるChan Zuckerberg Initiative(チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブ)は、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)および医学研究非営利団体の Chan Zuckerberg Biohub(チャン・ザッカーバーグ・バイオハブ)と共同で、シリコンバレーお膝元の新型コロナウイルスの検査能力を拡大する。

この共同作業は、パンデミックが全世界で地域の健康に脅威を与えている中、UCSF、Zuckerberg San Francisco General Hospital(ザッカーバーグ・サンフランシスコ総合病院)、およびその他の地域公衆衛生局拠点で、新たにオンライン検査が可能になることを意味している。UCSFの目標は、同校の施設内で「数日以内」に1日1000人以上を検査することだ。

検査能力の拡大によって、UCSFの入院患者を優先的に、次にウイルス症状のある外来患者(多くが未検査状態)を検査することになる。現在UCSFでは1日当り60~100件の検査を実施可能だ。

チャン・ザッカーバーグ・バイオハブの共同責任者を務めるJoe DeRisi(ジョー・デリシ)教授はこの取り組みを、臨床検査能力の「全速力」の増強だと説明した。この民間による提携事業は検査機器の購入だけでなく、「運用支援、情報科学、プロトコル開発」などを提供する。去る2003年、デリシ氏の研究は、新型コロナウイルスと関連のあるコロナウイルスの一種であるSARSの同定に貢献した。

チャン・ザッカーバーグ・バイオハブとUCSF検査部門との提携は、Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)カリフォルニア州知事が3月初めに非常事態を宣言した際に発令した行政命令によって可能になった。

「検査能力の劇的な拡大、および必要としている人々への迅速な検査体制の整備は、COVID-19の蔓延を防ぐために不可欠だ」とチャン・ザッカーバーグ・イニシアティブの共同創業で共同CEOのプリシラ・チャン博士が語った。

カリフォルニア州では今週初めに22の公衆衛生研究所がCOVID-19検査を実施していた。3月18日現在、カリフォルニア州では1万2600名が検査を受け、585名が陽性反応を示している。

画像クレジット:Andrew Theodorakis / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フランスで抗マラリア剤と抗生物質の混合投与が新型コロナに有効との研究報告

International Journal of Antimicrobial Agents誌で発表された新たな研究結果によると、抗マラリア剤(商品名:プラケニル)として知られているヒドロキシクロロキン、および抗生物質のアジスロマイシン(商品名:ジスロマックまたはアジスロシン)が、新型コロナウイルス(COVID-19)の治療および患者のウイルス保有期間減少に効果をもつ可能性がある。

研究チームは、新型コロナウイルス認定患者30例に対して、ヒドロキシクロロキン単独あるいは抗生物質アジスロマイシンとの混合、およびいずれも投与しない制御群とに分けて治療を行った。本研究は、中国で複数の患者に対して同じ薬剤の組み合わせで治療したところ、感染期間の短縮に効果があったという報告を受けて実施された。

本研究の対照患者は、無症状6例、上気道症状(くしゃみ、頭痛、喉の痛みなど)22例、下気道症状(主に咳)8例からなる。被験者30名中20名が治療を受けた結果、ヒドロキシクロロキンは単独でも効果があったが、アジスロマイシンと組合わせた場合の方が効果が大きく、有意な差が見られた。

こうした結果は、少数の患者による限定的な研究によるものだが、有望な成果であり、中国の患者に対する同じ治療法の報告を合わせると特に期待が持てる。全世界の研究者がさまざまな治療法の可能性を試験しており、その中にはエボラ、SARS、HIV、その他の世界的流行との戦いに使われた薬品も含まれている。

現時点で新型コロナウイルスに特化した効果的治療方法はまだ確認されていないが、世界中の規制当局と医学研究者は、少なくとも患者の症状の期間短縮あるいは重症度減少に役立つ治療方法の試験・承認プロセスを進めようと日夜努力を続けている。ワクチン開発も進められているが、効果のある承認済み新型コロナウイルスワクチンの登場までには、必要な資源が最速でワクチン開発に向けられたとしても、あと1年から1年半はかかるとみられている。

画像クレジット:GERARD JULIEN / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterが新型コロナ感染拡大につながるツイート削除を強化

経済や日々の暮らしを麻痺させている世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の深刻さを軽視している人がネット上にいる。そうした状況を踏まえ、Twitter(ツイッター)は大衆に新型コロナ感染のリスクを与えるようなツイートを削除するというさらに踏み込んだ対策を取る。新型コロナは世界中で急速に広まっている。

Twitterは18日、「かなりの新型コロナウイルスのリスクを人々に与え得る」ツイートを禁止するためにセーフティ・ポリシーを更新した。新ポリシーではウイルスに関する専門家のガイドラインを否定するツイート、「フェイクまたは効果のない治療や予防、診断方法」を促進するツイート、衛生当局や専門家を装って人々をミスリードするツイートを禁止する。

ブログ投稿の中でTwitterは、こうしたケースでは人々にツイートを削除させる必要があるとしている。TechCrunchはTwitterにこの措置がどういうものなのかより明確にするようTwitterに尋ねている。

アップデート:強制措置を取る中でアカウント履歴のような要素を考慮するとTwitterは明らかにした。これは従来どおりだ。同社の既存のガイダンスによれば、「ツイートがTwitterのルールに抵触したと判断した場合、ルールを破ったユーザーがそのツイートを削除しなければ再びツイートはできないようになっている。これはユーザーに攻撃的なツイートを削除させるためだ。ユーザーにはメールで通知され、ツイートを削除するか抗議するチャンスが与えられる。こうしたプロセスの間、問題のツイートは非表示となる。

Twitterが示した新しいガイドラインでは、そうした手続きを省略する。このルールに基づけば、「ソーシャルディスタンス(他人と距離を取ること)は効果はない」といったツイートは削除対象となる。Twitterはまた、漂白剤を飲む、など効果がなく危険な情報をフォロワーに流すツイートをしたユーザーに削除を求める。たとえ、そのツイートが「冗談」でもだ。というのも、そうしたコンテンツが前後の文脈なしで一人歩きしたとき有害なものになるからだ。

Twitterはまた、衛生当局が推奨するものとは逆の行動を取るよう他のユーザーに呼びかけるツイートも禁止した。たとえば、「コロナウイルスは嘘で、現実のものではない。だからバーに出かけて経営に貢献しよう」といったものだ。つい最近、一部の政治家が似たような発言をし、非難を浴びた。この中には、Fox Businessの視聴者に「出かけよう。地元のパブに行こう」と呼びかけたカリフォルニア州選出共和党議員Devin Nunes(デビン・ヌネス)氏が含まれる。

新しいルールではまた、偽医者を演じたり、「湿った咳ならコロナウイルスではない。乾いた咳はコロナウイルス」といった主張をする人のツイートも禁止する。加えて、中華料理店に行くのを控えるように呼びかけるなど、人種や国籍に基づいて特定のグループをコロナウイルスと関連づけることも許されない。そして、「黒人はコロナウイルスに感染しない」というJohn McAfee(ジョン・マカフィー)のツイートのような人種に基づく主張も禁止される。

コロナウイルスに関連する誤情報のルールを適用するのは難しいことが予想される。健康に関する誤った情報がTwitter上で広がることを阻止するために強化されたポリシーを、かなり多くのツイートがすり抜けることになるかもしれない。

パンデミックで提起された難題に向き合うため、Twitterは有害である可能性の高いツイートが特定され、そして削除されるよう「コンテンツ・シビアリティ・トリアージ・システム」を適用すると話した。同社は以前、プラットフォームルールに反するコンテンツをとらえるのにオートメーションと機械学習に大部分を頼る、とした。一部では間違った対応になるかもしれないことを同社は認めている。

事態を落ち着かせるための取り組みとして、Twitterのポリシーは積極的で流動的なアプローチとなっている。ソーシャルネットワークでは珍しいものだ。今後数日で取り組みがどのように展開されるのか、 COVID-19が全世界にとって脅威となる中でTwitterが致命的な誤情報の拡散を制御できるのか、TechCrunchは今後もフォローする。

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(翻訳:Mizoguchi

富士フイルム富山化学開発のインフルエンザ薬が中国の治験で新型コロナの治療に効果

中国の医療機関が武漢と深圳の患者に対して行った治験によると、日本製のインフルエンザ薬であるファビピラビルィ(販売名:アビガン)が、この薬で治療を受けた患者の体内新型コロナウイルス(COVID-19ウイルス)の存続期間を減らし、肺の症状を改善する効果を示した。

治験を受けた患者は計340名で、薬はすでに開発されインフルエンザの治療に承認されているので、The Guardianの報道では、米国時間3月18日に中国科学技術省のスポークスパーソンとして記者に語ったZhang Xinmin()氏によると「安全性が高い」。その試験は、患者が新型コロナウイルスの検査で陽性である期間を11日からわずか4日に短縮し、ファビピラビルで治療した患者の約91%で肺の症状が改善した。治験を受けなかった患者の改善率は62%だった。

新型コロナウイルスの治療におけるこの薬の効力を試験しているのは中国だけではない。日本の医師たちも独自の研究を積み上げている。日本の厚生労働省筋が毎日新聞に語っているところによると、この薬は現在、約70名から80名に投与されているが、初期の結果では、ウイルスが大きく増殖している重症患者の治療には効果がないことが示されている。

それでも軽症の患者ではウイルスの存続期間を減らし、中程度の症状の患者にも効力があったことは、現在進行中の新型コロナウイルスとの戦いにとって大きな成果だ。ファビピラビルが承認されるまではもちろんさらなる臨床試験(治験)が必要であり、そのあと、各国政府機関の承認を経て広範な利用が可能になる。

新型コロナウイルスの治療には、そのほかの薬もテストされ、あるいは開発されている。しかし、新型コロナウィルスの治療用として公式に承認された薬はまだない。初期において有望の兆候を示した他の薬の中には、ギリアド・サイエンシズが開発した化合物レムデシビルなどがある。この薬は汎用の抗ウイルス物質として有望視されている。

画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASAとSpaceXは新型コロナに屈せず、5月中旬から下旬に初の有人打ち上げを予定

NASAとSpaceXは3月18日、商用有人打ち上げDemonstration Mission 2(Demo2、デモンストレーション・ミッション2)のメディア認定招待状を発送した。商用有人計画で初めて、人を宇宙に送り込むミッションだ。この招待状には現在公表されているスケジュールが記されているが「5月中旬から下旬より早くなることない」という。

今年の初め、打ち上げウィンドウは5月に決定したが、宇宙船と乗員の準備の進捗に応じてSpaceXとNASAは、早ければ4月、遅ければ6月下旬に変更する可能性があると伝えていた。SpaceXは、このミッションで使用するCrew Dragon(クルー・ドラゴン)の準備を早々と整えているとのことだが、NASAはこのデモミッションで国際宇宙ステーションに送られる飛行士Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーレー)氏の宇宙滞在期間を延長するなど、ミッションの内容を変更した。

SpaceXの宇宙船で宇宙飛行士が打ち上げられるのは今回が初めてであり、商用有人計画で人を乗せて飛行するのも初めてとなる。これを通じてNASAは、民間のロケット打ち上げ企業と協力して、人を宇宙に送り込む能力を再び米国の国土に取り戻そうと頑張っている。現在、国際宇宙ステーションの行き帰りは、ロシア連邦宇宙局ロスコスモスとの協力関係により、すべてロシアのソユーズ宇宙船で行われている。

今のところNASAもSpaceXも、Crew Dragonによる初の有人ミッションの予定が、新型コロナウイルスのパンデミックによって変更される心配はしていないようだ。今回のNASAからの招待状は、現時点でミッションが健在であることがもっとも詳細にわかる確認証であり、打ち上げウィンドウまでの日程は、COVID-19の感染が米国で拡大し厳しい社会的距離の確保や隔離措置が実施される以前のものから変わっていない。

最近になってNASAは、すべての施設の有事対応段階を「ステージ3」に引き上げた。これにより、ミッション関連の仕事のために実際にオフィスに出向く必要のある人間を除き、すべての従業員がテレワークを要請される。NASAのエイムズ研究センターは、すでにステージ4にまで引き上げられた。同センターが位置するカリフォルニア州の郡政府から、自宅待機命令が出されているためだ。この命令により、施設は閉鎖されテレワークのみが許可される。

3月18日にメディア向けに発送された招待状でNASAは「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の状況を積極的に監視」し、「ミッションの進行やメディアの取材に影響する事態が発生した際には準備ができ次第、最新情報をお伝えします」と書かれている。さらにNASAは、ハーレー氏とベンケン氏の健康を維持するため、打ち上げ前に規定されている自宅隔離措置を実施しているが、それに加えて体調を崩さないよう特別な予防対策も講じているとも伝えている。

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(翻訳:金井哲夫)

トランプ大統領が新型コロナ対策に国防生産法を発動、マスクと人工呼吸器の増産を約束

3月18日、ホワイトハウスの記者会見の冒頭でトランプ大統領は国防生産法を発動したことを確認した。今週に入って新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行と戦うために大統領はこの法律を用いるべきだとする声が各方面から強くなっていた。

この法律は米国が冷戦の最中だった1950年に制定されたもので、大統領は企業に対し国防のために必要な契約または措置を命じることができる。また必要な生産を可能にするために資産の徴発、労働争議の仲裁、賃金や価格の管理などの広範な権限を大統領に与える。

この法律が発動された理由の一部は、防護マスク、手袋、人工呼吸器など新型コロナウィルスと戦う最前線の医療スタッフが必要とする基本的物資が米国全体で不足しているからだ。記者会見で記者側から指摘があったように、医療施設は数週間前から人工呼吸器が不足し始めており、重大な事態が迫っていると警鐘を鳴らしていた。また今週に入るとマスクに関する状況が悪化していることがたびたび報じられた。使い捨てマスクを再利用したり、マスクを自製したりするなど、リスクの高い間に合わせの手段に頼らざるを得ない医療スタッフが増えているという。

トランプ大統領は次のように述べた。「この法律を発動したのは、まずマスク(の生産)のためだ。信じられないほどの数のマスクが必要とされる。数百万個が発注済だがさらに数百万個が必要だ。まさかこれほど多数のマスクが必要になるとは考えもしなかったが、ともかく数百万個のマスクが緊急に必要なのだ。すぐに発注する。米国には多数の人工呼吸器が必要だ。それは複雑な装置なので(生産は)大変だ。米国には多数の人工呼吸器があるがさらに多数を発注する」。

政府は以前、使用可能な人工呼吸器の数について正確な数値を調べて発表すると述べていた。今回も同じ質問があったが答えは同じだった。しかしマイク・ペンス副大統領は概数を挙げた。副大統領によれば、「1万以上の人工呼吸器が在庫にある」という。この数字は病院や企業内に存在する数を含まない戦略的備蓄だという。

トランプ大統領は、記者団から「連邦政府や州の政治家、専門家から要請が上がったのに国防生産法を発動するまでになぜこれほど時間がかかったのか」と単刀直入に質問された。

大統領は「人工呼吸器が数千台もあると聞けば大変な数に聞こえる。(新型コロナウィルスは)全く予期しなかった問題だ。(人工呼吸器の)台数など政府では誰も考えたこともないし、そんな大きな数字を見たこともない」と答えた。しかし医療専門家はかなり以前から警告を発していた。トランプ大統領がこれは(国防生産法を必要とする)重大な危機だと公に認めるようになったのは最近の変化だ

さらに「米国では数週間前からもっと多くの人工呼吸器が必要だと知っていた」と追求されると トランプ大統領は「それはよく知っていた」と認めたが、「どうなるか様子を見極める必要があった」と弁解した。つまりこういう数字は最悪のシナリオに基づいており、「たいていの場合そうした予想よりも少ない数で済む」とした。しかし、今週に入って、米国のある人工呼吸器メーカーは「生産量を5倍に増やすことは可能だが、そうは求められていない」と述べている。

もちろん国防生産法の発動は、あらゆるハードウェアを製造する米企業に広範囲な影響をもたらす可能性がある。国防生産法は、何であれ国防に必要な物資の生産を優先させるために大統領に非常に幅広い権限を与えるからだ。大統領は新型コロナウイルスとの戦いに有益であると認めれば企業にその生産の優先を命じることができる。当面、国防生産法に基づく命令は人工呼吸器とマスクの増産に絞られるようだ。しかしこの権限は臨時の病院、診療所、またそれらに必要を機器を含め、緊急医療施設を新設することにも拡大できる。

同時にトランプ大統領は新型コロナウィルスの救援活動のために海軍の病院船、マーシーとコンフォートの動員を許可している。マーシーはニューヨークに展開する一方、現在サンディエゴ港に停泊しているコンフォートは必要とされる場所に向かう準備を整えている。双方とも1週間以内に活動開始可能だ。また臨時施設の建設、設置その他の措置の支援のために米陸軍工兵隊が動員できるという。

画像:Alex Wong / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ChromeとChrome OSのリリースも一時休止

Googleは米国時間3月18日、「予定されていたChromeとChrome OSのリリースを「スケジュールの調製のために」休止する」と発表した。

ただしセキュリティアップデートは、現在の安定リリースバージョンであるバージョン80にマージされる。「セキュリティに関するいかなるアップデートも継続的に最優先し、Chrome 80に含まれることになる」とチームは本日の短い発表で言っている。

しかし機能の新たなアップデートは、お預けのようだ。Chromeのバージョン81は目下ベータだが、当分そのままだろう。現在の状況ではいろんなものが先行き不透明だが、Googleが通常のアップデートをいつ再開するつもりか、それも不明だ。

今週初めにGoogleは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックでオフィスの人員が減っており、Androidアプリのレビューに時間がかかることを明らかにしていた。YouTubeも同じで、スタッフを保護するためにコンテンツのモデレーションにAIのアルゴリズムを多く使うと発表している。しかしそのために誤検知が多くなり、利用規約に違反していないビデオでも取り去られるだろう。

今やGoogleなどのテクノロジー企業では在宅勤務が増えているから、人手不足に伴うこのような発表が今後も増えるだろう。今後の見通しが得られるのは、数週間先以降ではないか。

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Androidアプリの公開用レビューも新型コロナウイルス影響で遅れがちに
YouTube warns of increased video removals during COVID-19 crisis(COVID-19危機の間は削除されるビデオが増えるとYouTubeが警告、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ホンダが新型コロナ影響で北米の全工場を6日間閉鎖

ホンダは3月18日、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による経済停滞でマーケット需要の低下が見込まれることから、北米の全工場を6日間閉鎖すると発表した。

工場閉鎖は北米の従業員2万7600人に影響する。ただし閉鎖中も全従業員に給与は支払われるとのことだ。この期間中、12のプラントで車両4万台の生産がなくなる。

「閉鎖は3月23日からで、3月31日に生産を再開する」と同社は声明で述べた。工場ならびに、オハイオ、インディアナ、アラバマ、カナダ、メキシコにあるトランスミッションやエンジンのプラントも一時閉鎖される。閉鎖期間中、工場設備や共用スペースの徹底的クリーニングを行う。

ホンダの一時閉鎖は米国にあるオートメーカーとしては初の全面的措置だ。Ford(フォード)やGMといった他のオートメーカーも、驚くようなシフトや施設内の清掃・消毒などを含む新型コロナウイルス拡大を抑制する策を取っている。しかしUnited Auto Workersが工場を閉鎖するよう呼びかけているにもかかわらず、ほとんどの工場は稼働している。

今回の工場閉鎖はホンダだけにとどまらず、米国全体としては始まりにすぎないかもしれない。地元自治体や州、政府が不可欠でない事業は閉鎖するよう推奨したり、命令したりしているからだ。

ホンダは引き続き状況をみながら「必要ならば追加の措置を取る」と話した。

画像クレジット:Ty Wright/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

テスラは自宅待機要請に反して工場の従業員に出勤を指示

Tesla(テスラ)は、米国カリフォルニア州フレモントの工場は閉鎖せず生産を続ける。アラメダ郡の自宅待機要請が出ている間の操業が可能か否かについて、「政府の異なるレベルからの指示が矛盾」しているためだと、水曜日、同社の人事部から従業員へ向けた電子メールが伝えた。

テスラの人事部は、製造、サービス、配達、自社製電気自動車のテストの各部署に所属する従業員は、アラメダ郡の自宅待機要請に関わらず出勤するよう求めている。郡は、新型コロナウイルスによるCOVID-19の世界的感染拡大のため、バー、スポーツジム、レストランなどの不要不急の事業は停止するよう要請している。

テスラからもアラメダ郡当局からも、コメントを聞き出すことはできなかった。応答があれば更新情報をお伝えする。

テスラの工場とその複数の関連施設は、フレモントとその周辺に点在しており、すべてアラメダ郡の中にある。問題の電子メールは、アラメダ郡保安官がテスラの工場を「不要不急の事業」であり自宅待機要請に従うべきと宣言した後に送信されている。

他のテスラの従業員から聞いたところによれば、テスラは今すぐ生産を中止するつもりはなく、郡と真っ向から対立しているという。匿名で取材に応じたある従業員は、フレモント工場から車が出荷できるように仕事を続けてほしいと3月18日に言われたと話している。

3月18日に、人事部から従業員に送られた電子メールは以下のとおりだ。

市、郡、州、連邦政府からはまだ、私たちの事業の状況に関する最終判断が届いていません。政府の異なるレベルから受けた指示が矛盾しています。

それまでは、必要不可欠な従業員のみで操業を続け、その他の従業員は、自宅勤務、または私たちの事業に対する疾病対策センターのあらゆる指示に従い勤務していただきます。

みなさまの業務分担に変更はなく通常どおりです。担当部署が必要不可欠な業務、つまり生産、サービス、配達、テスト、サポートに携わる方は、今までどおり出勤してください。これら必要不可欠な部署に属さないみなさまには、各部の責任者から必要業務を支援するための一時的な転属の提案、または自宅待機の指示が出ます。

具合が悪い場合は、有給休暇を利用して自宅に留まってください。有給休暇の残りが少ない方には、有給休暇を使い切った後に最大80時間(2週間)分を貸与します。担当責任者にその旨を報告し、通常の病欠の手続きを行ってください。

出勤して仕事を続けることへの不安をテスラの人事部に相談した従業員は、人事部は上記のメールにほぼ沿った内容に、いくつかの詳細情報が追加された返信を受け取っている。

TechCrunchが入手した一通の電子メールでは、出勤できない者、あるいは出勤したくない者は、有給休暇を使うか、有給を使い果たした場合は無給の休暇を取るよう従業員に指示している。またこのメールは、健康上のまたは出勤が不可能な理由により休む判断をした場合には、ペナルティーも懲戒処分も科さないと伝えている。

匿名を条件に話をしてくれたある従業員によれば、セールス担当者は状況に応じて自宅勤務ができるという。テスラ製自動車の納車担当者は出勤の必要があり、購入者の自宅まで直接届けるように言われているとのことだ。

テスラのウェブサイトには、同社のフレモント工場では1万人以上を雇用していると書かれている。普段は、その電気自動車工場には従業員が溢れている。そこで生産されている車両は、Model S、Model X、Model 3、Model Yだ。

自宅待機要請は、米国の他の自動車メーカーの行動とも対立するが、それらはどれも自宅待機を要請している郡には属していない。ホンダは3月18日、新型コロナウイルス(COVID-19)による需要の低下を受け、米国内12箇所にある工場すべてを、3月23日から6日間操業停止にすると発表した。

全米自動車労働組合は、従業員の保護と新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、GM、フォード、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)と対策本部を設立した。同組合は、自動車メーカーに対して、工場を一時的に停止するよう促している。全米自動車労働組合は3月18日、米疾病対策センターによる職場での社会的距離の確保勧告へのアドヒアランスをさらに強めた新たな措置に各自動車メーカーが同意したと話した。

この3つの自動車メーカーは、順番に工場を停止する措置、工場施設と工具のシフトごとの入念な洗浄、シフト間の空き時間の延長、従業員の感染防止のための対策強化を実施することに合意している。

彼らはリスクを最小限にするためにシフト制で仕事をしていると、全米自動車労働組合のウェブサイトに掲載された最新記事には書かれている。「これらの企業は会員を代表し、ワシントンD.C.で業界の混乱に対処する我々と協力することに合意しました」

更新情報:フォードは、北米のすべての工場を3月30日に閉鎖すると発表した。

画像クレジット:David Butow / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

米三大自動車メーカーが新型コロナウィルスの脅威で北米の全工場を閉鎖へ

米国イリノイ州デトロイトの三大自動車メーカーが新型コロナウィルスの脅威を受けて全工場を閉鎖する。詳細はまだ検討中で近く発表される予定だ。

過去数日間、米自動車労働組合(UAW)は、労働者の安全を考慮して工場を閉鎖するようメーカーに求めてきた。UAWのRory Gamble委員長はメーカーに書状を送り、2週間の閉鎖を要請した。この圧力がメーカーの思考プロセスに影響を与えたのかどうかは定かではない。

Ford(フォード)とFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は、ミシガン地域の一部の工場でのみ、操業を停止する意向だと発言していた。米国時間3月18日、ホンダは北米の12工場の全操業を停止すると発表した。その中にはオハイオ州、インディアナ州、アラバマ州、カナダ、およびメキシコのトランスミッションおよびエンジン工場が含まれる。フォードとGM(ゼネラル・モーターズ)も数時間後に歩調を合わせた。そして午後にはFCAも全面閉鎖を決定した。

この時期になって自動車メーカーは製造、組立て工場に注目し始めたようだ。ほとんどの自動車メーカーが、オフィスワーカーについてはすでに在宅勤務を実施している。

主要自動車メーカーの各工場に加え、第三者の部品提供会社も影響を受ける。提供していた部品が不要になるからだ。この閉鎖によって最終的に何人の労働者が影響を受けるのかまだわかっていない。

Teslaは在宅勤務指令の元で作業していると報道されている。3月18日にTechCrunchは、Tesla(テスラ)のカリフォルニア州フリーモント工場の従業員向けに詳細な指示が書かれた社内メモを入手した。

一部を抜粋する。「通常の業務に変わりはなく、製造、サービス、配送、試験、サポートなどの重要任務についてる人たちは、上司と相談の上これまで通り出社して仕事をすること」。Teslaの製造労働者は、デトロイトの三大自動車メーカーと異なり、自動車労働組合に属していない。

画像クレジット:Veanne Cao

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ニューヨーク証券取引所が一時的に「立会場」を閉鎖、電子取引のみに移行

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の運営者であるIntercontinental Exchange(インターコンチネンタル取引所)は米国時間3月18日、3月23日に立会場を閉鎖し電子取引に全面移行すると発表した

実際に閉鎖される場所は、NYSEとNYSE American Options取引所、およびサンフランシスコのNYSE Arca Options取引所の3カ所。

運営者によると、トレーダーおよび取引所職員の健康を守るための予防措置としてこの決定を下した。これまでに同取引所で働く2名が新型コロナウイルス(COVID-19)テストで陽性反応を示したが、彼らは今週建物内にはいなかった。ニューヨーク証券取引所のStacey Cunningham(ステーシー・カニンガム)社長は米国時間3月18日、CNBCで次のように語った。

「NYSEの立会場は発行人と投資家にとって特別な価値を提供する場所だが、当市場は全電子化方式のもとでもすべての参加者に対してすべてのサービスを提供することが可能であり、再び立会場を開くまでの期間、このやり方を進めていく」とカニンガム氏が発表で語った。「予防措置として立会場を閉鎖しても、株式市場が投資家にとって開かれた利用しやすい場であると信じている。立会場の閉鎖に関わらず、全NYSE市場は通常どおりの取引時間で運用を続ける」。

これが株式市場の動きに実質的影響を与えることはないだろう。米国以外では、立会場が残っているところはほとんどなく、大部分の取引きがすでに電子化されている。NASDAQ(ナスダック)も全電子化証券取引所だ。それでもNYSEは、一部の「場立ち」と呼ばれる証券マンがいなくなることに触れ、いつ立会場が復活するかについては何も語らなかった。

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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新型コロナで米国・カナダ間の国境を閉鎖、必須の往来や貿易は継続

米国とカナダはそれぞれ、新型コロナウイルス感染拡大で国際航空便や人の動きを阻止したり制限したりしていたが、両国間の国境は開けたままにしていた。しかし3月18日、それが変更された。両国は「互いの合意のもと」に「必須の往来」と「貿易」以外の行き来を禁止することを決めた。これは最初にドナルド・トランプ大統領がTwitterで明らかにし、カナダのJustin Trudeau(ジャスティン・トルドー)首相もブリーフィングで言及した。

今週初めにカナダは、トルドー首相が会見でカナダ市民と永住権保持者以外の外国人の入国を禁止すると発表した。ただし、米国の市民は対象外だった。トルドー首相は質疑応答で、なぜ米国が対象から除外されたのか何度も尋ねられた。米国での新規感染者数が急速に増えている状況を踏まえての質問だ。

トルドー首相は、米国との国境を閉鎖するという選択肢はまだ検討対象だと述べたが、旅行規制に互いを含めていなかった主な理由として両国の経済が結びついているという性質を強調した。「必須の」往来や貿易輸送を国境封鎖の対象外としたのは、経済活動への影響を最小限にしたいとの思惑からだ。

トルドー首相は3月18日のブリーフィングで、この場合の不要不急の往来とは主に「観光や国境をまたいでの買い物」を指すと述べた。急を要する重要な出張、貿易、商業輸送などは現段階では含まれない。

導入のタイミングについて、カナダは「こうした措置が可能な限り早急に実行されるよう米国と協力している」とトルドー首相は述べた一方で、国境が封鎖される具体的な日時については言明を避けた。

米国のマイク・ペンス副大統領はホワイトハウスでの記者会見で、米国側の国境での入国禁止措置導入は国土安全保障省が受け持つと述べた。

関連記事:カナダが新型コロナ対策で米国市民以外の外国人の入国を禁止

画像クレジット: Getty Images

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ホワイトハウスが建設会社にN95マスクを病院に寄付するよう依頼

米国のwペンス副大統領は3月17日、新型コロナウイルスタスクフォースの記者会見で建設会社に対し、地元の病院にN95マスクの在庫を寄付するとともに、当面は新規発注を控えるよう要請した。この種のマスクは0.3ミクロンの粒子の少なくとも95%をブロックできるが、現在著しく不足している。

N95マスクは微小粒子を捕集できるため、例えばコンクリート粉塵の多い現場で建設作業員が使う。現在、この種のマスクが不足しており、価格は往々にして非常に高い。WHO(世界保健機関)はほとんどの人にマスクの使用を推奨していないものの、とにかく多くの人がマスクを購入した結果、不足する事態となっている。例えば、Home Depot(ホームデポ)では現在完全に売り切れている

「建設会社に対し、N95マスクの在庫を地元の病院に寄付し、産業用マスクの発注を控えるよう要請する。本日議会で進行中の法案に含めるよう大統領が求めた内容のためだ。建設現場で使用する産業用マスクは、医療従事者が呼吸器疾患から自らを守る目的で使用してもまったく問題ない」とペンス氏は述べた。「建設会社にお願いしたいのは、これは大統領が自身の経歴から非常によく知っていることだが、N95マスクを地元の病院に寄付し、今後の発注を控えることだ」。

ペンス副大統領とトランプ大統領は本日のブリーフィングで、政府は必要に応じて軍が野戦病院を設立したり、既存施設の拡張を可能にしたりできるよう検討していると述べた。

現在米政府が建設会社にN95マスクの寄付を依頼しなければならないという事実が、感染拡大への準備がどれほど不十分だったかをはっきりと示している。

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Waymoが新型コロナ対策で完全ドライバーレスを除くロボタクシーサービスを停止

Waymoは3月17日、新型コロナウイルス(COVID-19)流行を受けて、フェニックスエリアで展開しているWaymo Oneサービスの一時取りやめを明らかにした。このサービスは、訓練を受けたセーフティオペレーターが運転席に乗り込んでいる自動運転車の配車をユーザーが依頼できるというものだ。同社はまた、カリフォルニアでの公道試験も中止している。

しかしウェブサイトでの発表によると、Waymoは一部のオペレーションを継続している。それは、セーフティドライバーを必要としない完全ドライバーレス車両だ。これらのドライバーレス車両は、一部のメンバー向けのアーリー・ライダー・プログラムの一環としてフェニックスで展開されている。

Waymoアーリー・ライダー・プログラム、Waymo Oneサービスどちらも、チャンドラーやテンペなどの郊外を含む限定区域内でフェニックス住民を輸送するのに自動運転のChrysler Pacificaミニバンを使用している。昨秋まではこれらの「自動運転乗車」すべてで運転席にはセーフティドライバーが乗り込んでいた。

昨年10月、Waymoはアーリー・ライダー・プログラムのメンバーに、セーフティドライバーが乗り込まないドライバーレス車両による乗車の提供を始めた。

Waymoはドライバーレス車両をきれいに保つ策を強化した、と話す。車両は1日に数回清掃・消毒される。また、乗車する人が利用できるよう、全車両に消毒製品を備え付けた。

以下が発表全文だ。

我々のライダー並びにWaymoコミュニティ全体の健康と安全のために、新型コロナウイルスの状況を鑑みて、Metro Phoenixでの訓練を受けたドライバーが乗り込むWaymo Oneサービスを当面取りやめる。

ローカルデリバリーやトラック輸送とともに、フェニックスでの完全ドライバーレスオペレーションはアーリー・ライダー・プログラムとして継続される。

適切な距離を保つことの重要性を認識し、またCDCや地元当局が共有している衛生ガイドラインを守りながら、我々はライダーやパートナーのためにドライバーレス、デリバリー、トラッキングのサービスを提供する。ドライバーを取り除くことは、移動をより安全なものにするだけでなく、こうした不安定な状況でライダーの健康をサポートするのにも貢献する。

我々は今後も注意深く新型コロナウイルスの状況を見守り、サービスに変更が生じる場合はライダーにお知らせする。それまでは我々のライダー・サポートチームがあらゆる質問に答える。

Waymoスタッフ一同みなさんの健康を願っている。

こうした動きは、新型コロナウイルス感染拡大を抑制しようと特別対策を取っている国のガイダンスに基づくものだ。また、少なくとも1件の事案が影響している。その事案とはWaymo One車両のドライバーが、新型コロナウイルス感染例が確認されたと聞いたためにアリゾナ州チャンドラーにあるIntel(インテル)のキャンパスでのピックアップを拒否したというものだ。

カリフォルニア州外での輸送やトラックテストを含むUPSとのパートナーシップは継続される。

画像クレジット:Dllu / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナウイルス患者の免疫反応に関する新たな研究が治療のヒントに

科学雑誌Nature Medicineに掲載された新しい研究(Bloombergも報道)は、中国の武漢で新型コロナウイルスに感染し、オーストラリアのメルボルンで発症した患者の事例を検証している。それによりなぜ特定の人たちが他の人たちよりもウイルスに強く反応してしまうのか、その原因と状況をより包括的に知ることが可能となりそうだ。

この患者は「軽症から中等度」の症例とされ、入院中は脱水症状を抑えるために点滴のみで治療された。他の薬剤は投与されず、人工呼吸器を装着する必要もなかった。したがって彼女の症状は入院を必要とするほど重いものではなく、科学者にとっては新型コロナウイルスに対する彼女の身体の良好な免疫反応を詳細に観察する機会が得られることになった。

Peter Doherty Institute for Infection and Immunity(ピーター・ドハティ感染および免疫研究所)の研究者は、他の何人かの被験者とともにその患者からも研究への参加の同意を取り付け、免疫反応がどのように機能しいつ活性化したかの手がかりとなる血液サンプルを採取することができた。その結果、患者の症状が完全に消失する前に血液中に抗体が発生し始め、感染症が消失してから少なくとも7日間は、抗体が存在し続けることがわかった。

このケースだけでは確定的な情報を得ることはできず、さらなる研究や他の患者についての調査も必要となる。それでもどの患者はより重篤な症状に至るか、またどの患者の症状は軽くて済むかということを、COVID-19患者の治療に携わる医療従事者が早い段階で見極めることにつながる重要なステップとなる。また、新たな医学的治療介入の開発の手がかりを与え、最終的に患者の重症度を軽減したり最大限の効果を発揮するワクチンの開発にも役立つはずだ。

この研究は、COVID-19に対して、病後に免疫がどのように機能するのかを、よりよく理解するのにも役立つ。風邪やインフルエンザのように、一般的なコロナウイルスでは予防接種の効果は一時的なものとなっている。そのため、シーズンが来るたびごとに注射しなければならない。回復したCOVID-19患者に対して、免疫がどのように機能しているのかについて、まだ詳細はわかっていない。この研究により、その点についてもより多くの洞察を得ることができそうだ。

画像クレジット:dowell/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ファイザーもBioNTechと共同でCOVID-19ワクチン開発を発表

製薬大手のPfizer(ファイザー)は、米国時間3月17日、BioNTechと共同でCOVID-19ワクチンの開発に取り組んでいると発表した。BioNTechは、新しいタイプの免疫治療法に取り組んでいるドイツの企業だ。この共同の取り組みは同日、署名済みの同意書により確認された。両社はメッセンジャーRNAベースのワクチンを共同で開発し、人間が新型コロナウイルスに感染するのを防止することを目指す。

画像クレジット:Rost-9D/Getty Images

通常ワクチンは一般の人が使えるようになるまでの開発と認証に、最短でも1年から1年半はかかる。したがって、これが短期的な解決策になると期待することはできない。しかしこの提携は、製薬バイオテクノロジーの分野において最も有名かつ最大の会社と、mRNAベースの免疫療法の最前線で仕事をしている若い企業が結びついた、というところに意義がある。

こうした治療法では、一般的なワクチンのようにウイルス自体のサンプルは使わない。通常のワクチンでは、死んだか弱体化したウイルスを使って、自然な免疫機能を呼び覚まそうとする。その代わりこの方法では、RNAを利用してウイルスと十分に類似したタンパク質を作り出す。それによって人体が、本物の標的にも有効な抗体を作るように促すのだ。

この共同作業は、早ければ4月にも臨床試験が開始されることになる。両社はmRNAベースのワクチンの研究に関して、今回ゼロから始めたわけではない。すでに2018年から、インフルエンザの治療薬を開発するための研究開発に共同で取り組んでいた。

またこの共同作業は、米国とドイツにまたがる両チーム間ですぐに開始される。ただし財務上の取り決めや成果をどのように扱うか、といった詳細については、今後詰めていく必要がある。両社がそうした詳細の決定を待たずに共同開発を始めようとしていることからも、今回のプロジェクトの背景にある緊急性が理解できる。

プロジェクトは、mRNAベースによって開発中の唯一のCOVID-19ワクチンというわけではない。今週の初めにModernaは、独自の新型コロナウイルス免疫治療法について、人間を使った臨床試験をすでに開始したと発表した。それはNIH(米国立衛生研究所)と協力することで、開発を加速した結果だった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

フェイスブックが新型コロナで零細企業向けに支援金107億円を用意

新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大が今後どのようになるかに関わらず、すでに事態は零細企業に厳しいものとなっている。一部の企業は公共の安全のために閉鎖を余儀なくされ、また別の企業は売上高や信用がもろにダメージを受けている。

Facebook(フェイスブック)は3月17日、零細企業向けに1億ドル(約107億円)の支援金を用意すると発表した。申し込み受付はまだ始まっていないが、この支援には広告クレジットと、従業員への給与支払いや家賃支払いなどの操業費用に当てられる現金の両方が含まれるという。同社がサービスを展開する30カ国超の最大3万社が利用できる見込みだ。

同社はまた、感染拡大の中で生き残ろうとしている企業向けのヒントやリソースを提供するBusiness Hubも立ち上げた。

「さらに多くの取り組みを展開したい」とCOOのSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏はFacebookへの投稿で述べた。「社内チームが企業のサポートに毎日取り組んでいる。ヴァーチャルトレーニングをホストするさらなる方法を検討している。今後数週間のうちに情報を共有する。我々の無料eラーニングトレーニングプログラムであるBlueprintを通じて、人々がつながり、テクノロジーの使い方を学習するさらなる方法を模索している」

加えて同社は、パンデミックを正しく伝えるのにリソースを必要とする米国とカナダのニュースルームに計100万ドル(約1億700万円)の支援金を提供するために、Lenfest Institute for JournalismやLocal Media Associationと提携すると発表した。個々への支援金は最大5000ドル(約54万円)となる。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

CO2からウォッカを作るスタートアップAir Co.が技術転用で手指消毒液を生産し寄付

大気中から二酸化炭素を抽出し、水と混ぜてウォッカを作る技術を開発したニューヨークに本社を置くスタートアップが、そのすべての生産能力をすべて手指消毒液の製造に振り向け、ニューヨーク市当局の協力を通じて、生産した製品のすべてを寄付することにした。それは、社会的距離の確保や自宅待機の措置が続く中、非常に重要となる出前スタッフを雇用している地元レストランにも届く可能性がある。

Air Co.は、2019年にウォッカの販売を開始したばかりだ。事実上、二酸化炭素の収支が完全にゼロの独自開発の工程(NASAとXPrizeから表彰されている)を採用している。空気中から二酸化炭素を1ポンド(約450グラム)取り出し、太陽光を基本とする再生可能エネルギーを使って水と混合し、純粋なエタノールを生産する。エタノールは手指消毒液の主要な成分でもある。最も効果的な作業を繰り返すことで、通常、60パーセントから95パーセントの濃度のアルコールが生成できる。

Air Co.のCEOで共同創設者のGregory Constantine(グレゴリー・コンスタンティン)氏が電子メールで私に話してくれたところによると、同社は社会を良くするという基本的使命に基づいて設立されたため、新型コロナウイルスのパンデミックに対抗する地元の活動に協力できる方法を考えていたという。そして自然の流れとして、同社の主力製品であるエタノールで、アルコール濃度70パーセントの手指消毒液を作ることを思いついた。

同社は、現在の(分別のない)買い占めにより、大手小売り店やAmazonで手指消毒液が売り切れや品薄になる風潮に乗って稼ごうとしているわけではない。むしろ同社は、生産能力の100パーセントを手指消毒液の生産に切り替えながらも、商品すべてを寄付すると決めている。

当初の生産量は思っていたよりも少ないが、製造方法を変えることで生産量を増やせるとコンスタンティン氏は話している。現在、50ミリリットル入りボトル1000本をなんとか生産しているが、今後も「1週間に1000本のペースで生産を続け、技術が追いつく限り供給量を増やしていく」とのことだ。

私はコンスタンティン氏に、手指消毒液を寄付する相手はどうやって決めるのかと尋ねた。このような慈善事業を喜ぶ団体はたくさんあるに違いない。

「私たちは、寄付したすべての製品を、市の助言に従い直接供給します」と彼は言う。「食事をデリバリーする人たちに我々の手指消毒液を使ってもらうよう、地元のレストランと協力したいとも考えています。バーやレストランは閉店を要請され、ここニューヨークでの外食産業の最前線はデリバリーサービスだけとなるからです」

今回の取り組みのために、彼らは利益を生む事業からまったく別の生産ラインに切り替えたわけだが、いつまでこれを続けるつもりかコンスタンティン氏に聞いてみた。どこまでこの必要性が続くのかは不確かながら、彼らは「できる限り」手指消毒液の生産を続けるという。

「私たちは生産ラインを切り替え、非常に限られた人数で運営しています。私たちの活動によりウイルスが拡散しないようにするためです」と彼は言い添えた。「すべての人と企業の小さな支援のひとつひとつが、こうした困難な時期に実を結びます。私たちはできることなら何でもやる覚悟です」

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(翻訳:金井哲夫)