【体験談】運転中の車がハックされるとどうなるか…電子化の進歩で危険増大

運転中にブレーキとアクセルの両方が効かなくなり、ダッシュボードもおかしくなったことあるかな? 最近そんな経験をしたんだけど、楽しくはないね。車もハッカーのターゲットになる時代だけど、一体どうしたらいいんだろう?

今の車の問題は、その中にいろんなサービスがあることだ。サトナブ(衛星利用ナビ)用のリアルタイム交通情報とか、ネットに接続するサービスも多い。ネットに接続すると、当然、ハッカーの標的になる。とのんびりしたことは言ってられない。ネット接続の次はEV、そして自動運転機能あり、となると、対策は急を要する。

しかも車のシステムは侵入口が複数ある。携帯のセル・ネットワーク、Bluetooth、それにOBD-II、などなど。すべての攻撃をそこでキャッチできる単一の入り口はない。

そこに登場するのがイスラエルのArgus Cyber Securityだが、彼らも単一のソリューションはない、と分かっている。同社が本誌のためにデモしたとき、ぼくの車は運転中に彼らから攻撃されたのだ。

Argusが自動車メーカーなどの顧客に提供するソリューションは一種の管理用ダッシュボードだが、その内容は同社のクラウドから送られる。この方式で同社は、同社からアクセスできる車に対する、攻撃を追跡できる。

ではどうやって、彼らは車をハックしたのか?

その詳細はセキュリティを理由に明かされなかったが、上図のようなPCを使うことは確かだ。

彼らがそのPCを操作すると、ぼくの速度計は異常な値を示し、ブレーキは効かず、計器盤は発狂した。ワイパーがランダムに動いて窓を拭き、アクセルも死んだ。ドアは、ロック/アンロックを繰り返した。方向指示灯は逆方向が点灯した!

以上はすべて、テルアビブの郊外の私有地の駐車場の中で、時速15マイル(24キロメートル)で走りながら行われた。しかし言うまでもなく、公道上でふつうの速度で走ってるとき、こんなことが起きたら、ものすごく危険だ。だから上で述べたように、緊急の対策が必要なのだ。

3.5歳のArgusはAllianz Germany, Softbank, それにイスラエルの指導的VCたちから、計3000万ドルを調達している。主な自動車メーカーやOEMとも、パートナーしている。

ファウンダーと社員の多くは、イスラエル軍のレジェンドと言われる8200部隊出身で、その任務はイスラエルのNSAといったところ。ハッキングの名人がいても、おかしくないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フランス政府の気候計画では化石燃料車の販売を2040年までに終了

Volvoが内燃機関だけの車の販売を2019年までにやめると発表したまさにその翌日に、フランスの環境大臣Nicolas HulotがFinancial Times誌に、化石燃料で動く車の販売を2040年までに終わらせることを含む、この国のための計画の詳細を語った。そのために、代替燃料車への減税などの優遇措置や、内燃機関車への増税などの政策が施行されるようだ。

フランスの環境計画には炭素税の導入も含まれ、また国内で新たに発見された油田に対する採掘免許の発行は停止される。Engadgetによると再生可能エネルギーの生産に対する奨励策もあり、それによりEV用の電力が確実にグリーンエネルギーから得られるようにして、マクロレベルでのクリーンエネルギーへの転換を促す。

ロンドンの市長Sadiq Khanが2050年までに市内の全交通手段を排気ガスゼロにする、と声明したのと同じく、これらフランスの場合も現時点でのプランであり、法的拘束力はない。でもフランスの政府は法律を制定することができるから、少なくとも現政権下では、プランが何らかのアクションに結びつくことを期待できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ボルボ、電気自動車およびハイブリッドへの完全移行をアナウンス

ボルボがこれまでの歴史に区切りをつけることとなった。ガソリンのみで動作する従来型エンジンに別れを告げることにしたらしいのだ。2019年からは、全車種を電気自動車(EV)ないしハイブリッドにするそうだ。従来型エンジンを使わないようにするとアナウンスした自動車メーカーは、今回のボルボが最初となる。

ガソリン燃焼エンジンが消えていくのは、歴史の必然ではあるのかもしれない。電気自動車やハイブリッドの原価は下がり、さらに性能も大幅に伸びてきているからだ。各社ともに、新しい技術に対応するために多大な投資を行なっているところでもある。しかし今回の、2年以内に完全移行するというのは驚きであり、すくなくともボルボの考えとしては、新時代は私たちの想定よりもはやくやってくるようだ。

ボルボは、2025年までに電気自動車およびハイブリッド車を100万台売り上げるという目標を掲げてきていた。19年から全車種を新時代エンジンに変更するのであれば、当然にその数値も現実味をおびてくる。また、2019年から2021年にかけては、ポールスターのものを含めて5種類の電気自動車およびハイブリッド車を送り出すとしてもいる。ポールスターとはボルボの高級車ブランドであり、2車種をポールスターからリリースすることで、Teslaとの競合として育てていく心づもりでもあるようだ。

車に対する環境規制が強化される流れの中で、電気自動車の費用対効果は間違いなく向上している。国際市場でも排ガス規制などが強化される中、ボルボの親会社である吉利汽車(Geely)がある中国でも、電気自動車へのニーズが高まりつつある。そうした規制面の話だけではなく、パーツの低価格化も進んでおり、バッテリーのコンパクト化および大容量化も急速に進んでいる。

ハイブリッド車も生産するとはいえ、一気に電気自動車にシフトしようとするボルボの動きは、将来マーケットでのリーダー的ポジションを狙ってのものだろう。他のメーカーも新時代へのシフトについて口にしてはいる。しかしボルボは口先だけの「検討」ではなく、実際的で大胆な変革を実現しようとしているわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

アメリカへ向かう旅客のラップトップ持ち込み禁止がEtihad、Emirates、Turkishの三社で解除

アメリカ政府は、多くの論争を招いていた航空機へのラップトップ持ち込み禁止を、三つの主要エアラインに対して解除した。

解除が即刻有効になるのは、Etihad AirwaysEmirates Airline、そしてTurkish Airlinesだ。これらの中東からアメリカへの便では、ラップトップやタブレット、eリーダーなどの電子機器の持ち込みが許される。残る6社(Royal Jordanian, EgyptAir, Turkish Airlines, Saudia, Kuwait Airways, Royal Air Maroc, Qatar Airways, Emirates, Ethiad Airways)は、禁止が持続する。

国土安全保障省は、3月に禁令を公布した。禁令は中東の10の空港からアメリカへ向かうすべてのフライトに適用され、それには重要な空路ハブであるドバイ、アブダビ、ドーハ*(カタール)も含まれる。〔*: 原文ではDoharとなっているが、間違いであろう。〕

今日のデジタル時代においてそのような禁令は先例がなく、国の安全を強化するための策である、として正当化された。

お役人たちからの、具体的な脅威に関する説明はなかったが、諜報活動の結果として、一部のテロリスト組織が消費者電子製品に爆発物を隠してひそかに旅客機内に持ち込むおそれがあるための決定、とされた。

これら政府高官たちによると、2016年2月の、ジブチからモガジシオに向かうDaallo航空159便の墜落は、この種のデバイスによるもの、とされた。今日の禁令を1年以上前に起きた事件で説明するのは、ちょいと厳しいのではないかな。

実際には、この禁令は実施が困難だった(中東からアメリカまでのフライトに乗ったことのあるぼくが言うのだから間違いない!)。 空港における通常のチェックインと違って、それは形式化されていないので、行列でむやみに時間を浪費した。荷物のチェックが通常のチェック以外に繰り返され、見つかった電子機器はひとつひとつ箱に入れられた。

同様の禁令がヨーロッパからアメリカへ向かう便にも適用されるという噂もあったが、実現はしなかった。今回一応、数社で解除されたのだから、適用範囲が今後広がることはないだろう。でも2017年のアメリカ政府の現状を見るかぎり、何が起きても不思議ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Einrideが自動運転EVトラックを開発――スウェーデンからT-Podのプロトタイプ登場

スウェーデンのテクノロジー・スタートアップ、EinrideはT-Podのフルスケールのプロトタイプを発表した。これは自動運転の電気自動車で、Einrideでは小型のパレットを運送するトラックの役割を果たすことを狙っている。エネルギー容量は200kWhで航続距離は200km、遠隔操作で積荷の処理が可能だ。

T-Podは写真でわかるとおりたいへんユニークなデザインだ。Einrideでは自動運転と積荷の遠隔操作のためにゼロからデザインしたという。つまり荷物を取扱うためのクルーが乗車する必要はない。この車両は積荷を無人で効率的に運送するために最適化されている。T-Podは2020年までにスウェーデンの2都市、イエテボリ〔ヨーテボリ〕とヘルシンボリを結ぶルートに200台のT-Podを投入する考えだ。同時に充電ステーションも建設される。

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T-Podのネットワークは年間で200万個の荷物パレットを運送することを目指している。Einrideによれば、これはCO2の排出に換算して40万台の自家用車が同じ距離を走った場合に相当するという。Einrideでは需要さえあればネットワークを予定より早く拡大することは可能だとしている。

現在、トラックに関しては既存のセミトレーラーに自動運転機能を後付する方法が主流だが、T-Podのように自動運転電気トラックをゼロから開発するというのは興味ある方向だ。積荷のリモコン処理について、Einrideでは「人間の柔軟な判断力が自動運転を補う」としている。一人のオペレーターが複数のT-Podを同時にコントロールできるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LA-SF間の寝台バスCabinが$3.3Mを調達、飛行機より高いけど人気

寝台バス(上図)のCabinが、330万ドルのシード資金の獲得を発表した。この投資をリードしたのはFounders FundのFF Angel、これに半ダースほどの投資家が参加した。この新たな資金でCabinは、その夜間運行サービスの国内供用地を増やすことができる。

ご覧のようにこの“走るホテル”は、ふつうのバスを改造して、中央に廊下のある寝台車にしている。列車みたいに。社交的で不眠症の人たちのために、小さなラウンジもある。孤独好きな不眠症の人たちには、Wi-Fiがある。耳栓と紅茶は全員にサービスされる。乗務員が待機しているし、バスルームもある。手荷物は二個まで無料だ。

今は、ロサンゼルス|サンフランシスコ便しかない。中心市街地で午後11時に乗車、翌朝7時に着く。会議なんか、十分に間に合う。料金は片道115ドルだ。飛行機なら100ドル足らずだが、Cabinならベッドがあるし、アームレストの取り合いもない。

CabinはTesloopのような企業に参加しているので、飛行機よりも快適な長距離の路上の旅を共有できる、お急ぎでなければ。けっこう、関心を集めている。Cabinが2016年に行ったパイロットプロジェクトSleepBusは、チケットが三日で売り切れた。予約リストには20000名が載り、予想の15000名を超えた。ロサンゼルス|サンフランシスコ間の運行は、毎日だ。

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ガソリンエンジンで飛ぶこのドローンは理論上まる5日間の連続滞空時間を達成

先月、MITのエンジニアチームが、小型車の屋根からJungle Hawk Owlという愛称の大型ドローンの初飛行を行った。この、ガソリンエンジン(5馬力)で飛ぶ翼長24フィート(7メートル)のドローンは、彼らの設計では、一回の給油で5日間飛び続けるはずだ。

この航空機は、アメリカ空軍から与えられた課題でもある。その課題は、太陽エネルギーで長期間滞空する無人機を設計すること、だった。その機の目的は、災害地などにおける通信能力の確保だ。これまでは気球が使われていたが、一箇所に長期間滞留させることが難しかった。

MITのBeaver Works研究所の複数のチームが課題に取り組んだが、ソーラーの利用は早々に放棄された。研究を指揮したWarren Hoburg教授によると、現在のソーラー技術では、パネルの面積を相当大きくし、重い大型の電池を積まないかぎり、長期間の滞空は無理である。また、冬季や高緯度地域では、十分な日照が得られない。

“ソーラーを見捨ててガソリンエンジンを使うのは、確かにかっこよくないけどね”、と彼は語る。“あくまでもソーラーでやろうとすると、時間とお金を湯水のように使っただろう。ガソリンにしたおかげで、最初の飛行はすでに成功した。設計も容易だし、燃料の消費量も少ない。テスト飛行場へ車で行くために使ったガソリンの量で、このドローンを三日飛ばせるね”。

優勝チームはドローンのプロトタイプの設計に、HoburgのPythonベースのモデリングツールGPkitを使った。炭素繊維とケブラーを使った軽い機体の重量は55ポンド(25キログラム)、有効積載量+ガソリン満タンで150ポンド(68キログラム)になる。専用の靴箱サイズの通信機器は、MITのLincoln Labsがこのプロジェクトのために特別に設計した。機体は簡単に分解して任務地へ運び、簡単に組み立てられる。

チームによると、この機は災害救助以外にも、GoogleやFacebookが長年苦労している“インターネットアクセスの全地球的供給”、という夢の実現にも寄与するだろう(すでに放棄されたプロジェクトもあるが)。ただし、完成と実用化までは、まだまだ課題も多く、この夏のテストのためには、実際に5日間連続飛行させるために、FAAの許可が必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フォードの自転車共有、GoBikeスタートへ――年末までにシリコンバレー周辺に7000台配置

フォードの自転車共有プロジェクト、GoBikeが明日からスタートする。これは各ステーションのドックと呼ばれるデバイスに自転車を固定する仕組みで、ベイエリア〔サンフランシスコ周辺〕で6月28日から利用可能となる。

フォード自動車は自転車共有ネットワークのプロバイダー、Motivateの共同プロジェクトと共同でこの夏の終わりまでにサンフランシスコ周辺からサンノゼにかけて3500台の自転車を配置するという。今年の末までにドック・ステーション546カ所、自転車7000台と大幅に増強される予定。自転車共有ネットワークの規模としてアメリカ最大となる。

Ford GoBikeは昨年9月のイベントで発表され、その直後に「単なる実験ではなく、サンフランシスコ、オークランド、バークレー、エメリーヴィル、サンノゼの各地区を含む本格的な事業となる」というニュースが流れた。

フォードによれば、このプロジェクトは人口の密集度がますます高まる都市において住民の交通手段に対する多様な需要を満たすためのものだという。GoBikeプログラムはChariotコミューター・バス・プロジェクトと平行して計画された。Chariotはもとともサンフランシスコをベースにしたスタートアップだったが、昨年フォードが買収し、シアトルですでに運営を開始している。

画像: Lora Kolodny/Lora Kolodny

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MITのドローンは飛行と走行を切り替え、互いに協調して都市交通を最適化する

MITの”Computer Science and Artificial Intelligence Lab”(CSAIL:コンピュータサイエンスと人工知能研究所)は、飛行と地上走行の両者が可能なドローンの新しいプロトタイプを開発した。バッテリー寿命、速度、効率性の観点から最適な手段を探るために用いられる。それは未来の自律型都市交通がどのように運営されるかをプレビューするもので、飛行する車両たちが、お互いに協調しながら密集した都市環境を、シームレスに道路と空路を切り替えながら移動する。

MITで開発されたシステムは、旧来の道路、建物、模式的な公園などを備えた都市ブロックの縮小モデルの中で動作する。現時点ではプロトタイプは理論的には同時に80台の車両を効率的に協調させることができる。着地点、街路、飛行禁止地区その他を、問題なく扱うことが可能だ。

CSAILの研究者たちは、車輪で地上を走行できる8台のクワッドコプタードローンを作製した。これらは走行なら252メートル、飛行だけなら90メートルまでの移動が可能だ。チームは、鳥や昆虫を含む、自然に存在する多くの動物たちが、利便性と必要性に応じて飛行と歩行を切り替えていることを指摘している。そして彼らの作ったロボットも同様に、バッテリー寿命を最大化できるように両方のモードを切り替えるようにデザインした。

写真提供:Alex Waller, MIT CSAIL.

フライングカーは、密集度の高まる都市環境での移動方法を改善する方法を、探している研究者や民間企業の間で、関心が高まっている領域だ。しかしながら、純粋な飛行は地上走行よりも遥かに大きなパワーを必要とするため、バッテリーの寿命が大きな制約として残されている。現在のバッテリー技術では充電無しでの連続飛行が難しいのだ。混合システムは、理論的には、バッテリ技術の改善の必要性を最小限に抑えながら、トラフィックを軽減し、最終的にはフライングカーをより早期に実現するために役立つ。

これは、フライングカーを日常生活に本当に役立てる方法として、私がこれまで見たものの中では最もクールなアイデアの1つだ。明らかに、本格的なシステムという意味では、コンセプトから現実に至るまでにはまだまだ長い時間がかかるが、いずれにせよこれが始まりだ。

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(翻訳:Sako)

データサイエンスとAIの作品でコンペを行うKaggleが国土安全保障省の空港のセキュリティ改善策懸賞に協力

空港のセキュリティを通ることは、どこでもうんざりする体験だ。しかも遅くて人に対し侵害的なプロセスでありながら、TSA(上図)には、脅威を未然に防いだという立派な実績があまりない。そこで国土安全保障省は、データサイエンスのソリューションのコンペを主催しているKaggleの協力を仰いで、空港のセキュリティシステムをより正確かつ効率的にするための、機械学習ツールの懸賞を開催している。

今年の早い時期にGoogleが買収したKaggleは、機械学習の難問の新しい視点による解を競う懸賞付きコンペを、定期的に主催している。今年の三度目のコンペであるこの危険検出アルゴリズムの改良というお題の懸賞は、賞金総額が100万ドルを超えている。

優勝賞金が50万ドルで賞金総額150万ドルのこのコンペの応募作品は、人間が身につけている危険物を正確に予見するアルゴリズムやシステムだ。機械学習を訓練するための画像データ集は、TSAが提供する。服をちゃんと着ていても武器の携行が分かる、という画像の集合だ。プライバシー保護のために、それらは実際の写真ではなくてTSAが作った画像だ。

コンピュータービジョンのスタートアップMatroidのファウンダーでCEOのReza Zadehはこう言う: “このコンペの結果から、実際にそんなシステムを作ったらどれほどのものができるか、その目安が分かるだろう。でも結果がどうであれ、現場の警備員が確実に危険物を見逃さないようにするための、補助的システムは絶対的に必要だ”。

これら17のボディゾーンのどれかに武器が隠されている可能性を検知するシステムが、コンペの課題だ。

もちろんTSAそのものが具体的に機械学習の問題を抱えているわけではない。むしろこのお役所の問題は、高価で複雑なマシンを自力でアップグレードする技術力がないことと、高価とはいっても、今の民間のデータセンターに見られる高度なGPUをまったく導入していないことだ。しかしGoogleやFacebookなどは、軽量級の機械学習フレームワークに重点投資し、エッジで〔各末端現場で〕ローカルに(インターネットなしで)使えるよう最適化しているから、TSAもそれらなら利用できるだろう。

そしてそれなら、コンペの応募作品がいきなり実際に空港の人体スキャンマシンで使われることもありえる。事前に訓練するほかに、いくつかの制約条件に合わせればよいだけの話だ。国土安全保障省も、真の評価のためには実地テストが必要だから協力する、と言っている。

Kaggleを作ったAnthony Goldbloomは、“エンドユーザーマシンに高速なGPUがないのは厳しいが、でも推論部分はヘビーな計算をしないからね”、と言う。

もうひとつの懸念は、危険検出を自動化した場合に起きうる、名誉毀損的な状況だ。旅行者が、身におぼえのない嫌疑をかけられるおそれがある。しかしTSAが作った訓練用画像のデータセットは、それを防ぐための工夫がしてある。

“TSAはそれに関してはいい仕事をしている。ボランティアを採用するときも、特定のタイプの人〔宗教、民族等〕が不名誉な誤認をされないために、十分なダイバーシティ(多様性)を確保するようにしている”、とGoldbloomは念を押す。

近い将来、応募者はGCP(Google Cloud Platform)を(使いたければ)使えるようになる。フレームワークも、KaggleがGoogleの企業だからといって、必ずTensorFlowを使わなければならないことはない。コンペの詳細はここにある。締め切りは12月だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ウーバーティンよ泣かないで――Uberバッシングの原因を考える

Uberはしばらく前からトラブルの渦中にあった。 この会社は「男の友情」的な気質の人間が「やれることは何でもやる」という態度で運営してきた。God ViewによるUberの利用状況のリークからジャーナリストに対するハラスメントまでこの企業文化がベースにあった。簡単にいえば、Uberは「許し難い罪」の上に作られた会社だった。

トラビス・カラニックがUberを去った事情について、シリコンバレーでは二つの相反する見方が流れた。ひとつはこういった見方だ。

トラビス・カラニックがUberを去ったのは大損失。トラビスを知る人間には腹立たしい。彼はメディアがそう思わせたがっているような怪物ではない。―アレクシア・ツォッツィス

これに対してその反対の考えはこうだ。

アレクシア、それは違う。彼は有害な混乱を作った。われわれは有害な混乱を報じただけ。インドでのレイプ事件を見ただけでもUberは怪物だと分かる。―カラ・スウィッシャー

ある程度まで両方とも正しいのだろう。私は長年にわたってアウトサイダーとしてシリコンバレーについて報じてきた。同時に、シリコンバレー文化の忌憚ない批判者でもあったことを誇りに思っている。そこでカラニックを英雄として持ち上げたかと思うと次の瞬間には粉微塵に打ち砕くようなしざまには強い違和感を覚えずにいられない。

カラニックは善良な人間だった。おそらく今でもそれは変わりないだろう。彼を悪く言う人間はいないはずだ―シリコンバレーという偏狭な島国を除けばだが。残念ながら、Uberは巨大な会社評価額とそれ以上に巨大な株価値上がりの期待を背負ってしまった。すべては成長があまりにも急激でUberが途方もないサイズに膨れ上がってしまったからだった。こうなれば無害な存在ではいられなくなる。スキャンダルに沈んだZenefitsという前例を挙げるまでもなく、あまりにも急激な成長がカラニックが追放された主たる原因だろう。またこれはUber自身も破滅させかねない。

Uberは完璧なスタートアップだった。その創立のストーリーもエキサイティングだ(こちらはUberCabのスタートを報じるTechCrunchの記事)。Uberは規制当局との戦い(特にサンフランシスコ)にも勝ち、創立以来7年で都市交通の概念を一変させた。同時にタクシー・メダリオン〔タクシー営業権〕に大金を注ぎ込んできた投資家を怒らせた。つまり大勢の重要人物を敵に回した。

こうしたすべては強いプレッシャーを生じ、どれほど優れた経営者でも扱いに苦慮するような事態となった―学生があれこれ反社会的な罪を犯しているといって学生寮を責め立てるような状況だ。

Ubeにはスタートから塹壕に立てこもるメンタリティーがあった。シリコンバレーには「われわれは世界を変えようとしているんだからその邪魔をしないでくれ」という独特の考え方がある。多くのシリコンバレー企業が危険な時期を乗り切った。その代表は〔プライバシーに関して一時強い非難を浴びた〕Facebookだろう。現在でもこの呪文を唱えている会社は多い。Twitterのエンジニアは「われわれはナチが世界を支配しないようプロダクトを改良するのに忙しいのだから邪魔しないでくれ」と言いたいだろう。しかしTwitterに対する批判がそれで止むわけではない。

Uberも事情は同じだ。Uberはタクシー利権を破壊し政治家をスパイするのに忙しく、立ち止まって適切な企業文化を育てる時間がなかった。もちろんこれがUberの失墜を招いた最大の原因ではない。しかし寄与したことは確かだ。

いずれにせよこれはカラニックのせいではない。いったいどうやって世界中のUberドライバーすべてに法規を守らせることができるというのか? これだけのUber車が走っていて、交通事故、レイプ、殺人なんであれ1件も起きないとしたらその方が奇跡だろう。世界中の政府が目の敵にする中、Uberがここまで閉鎖を免れて生き延びたのがすでに一つの奇跡だ。性差別主義その他の問題を正す時間が少なすぎたなどという非難は状況をねじ曲げたものだ。

Uberは「進歩」という祭壇に犠牲にされた最新のヒツジだが、決して最後ではないだろう。カラニックはなにか別のことを始めるだろう。Uberには「大人の管理」が導入され、エキサイティングなスタートアップは退屈な大企業に変わるだろう。それともUberはすでに負けており、Lyftが勝者となるのかもしれない。結果がどうなるにせよ、これまでのところは文化、成長、恐怖が合体すれば混乱を生むという物語だった。腹立たしいかぎりだ。

画像: Carl Court/Getty Images

〔日本版〕原文タイトル"Don’t Cry, Ubertina"はアンドルー・ロイド・ウェバーのミュージカル、『エビータ』の「アルゼンチンよ泣かないで(Don’t cry, Argentina)」を踏まえたもの。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

HTT、ハイパーループを韓国にライセンス――フルスケールのシステム建設を検討

HTT(Hyperloop Transportation Technologies)はハイパーループ・テクノロジーのライセンスを新たに韓国政府に供与した。供与先の2つの教育研究組織はHTTのテクノロジーをベースにフルスケールのハイパーループ交通ネットワーク建設の可能性を研究する。

HTTと韓国政府は研究開発でも協力を進める。乗客にとって快適な交通システムを実現するための安全性のプラットフォームや基準を開発していく。

韓国のハイパーループ交通システムはHyperTube Expressと呼ばれ、KISTI(韓国科学技術情報研究院)、KICT(韓国建設技術研究院)の支援を受ける。また韓国を代表する工学系大学である漢陽大学校も加わる。

今年1月、KRRI(韓国鉄道技術研究院)がハイパーループに似た高速鉄道の研究を行っており、このプロジェクトがHyper Tube Expressと呼ばれるという報道があった。しかしその時点ではHTTの関与は明らかでなかった(HTTP自体がハイパーループに興味をもつ各種組織の複数年にわたる共同事業)。

HyperTube Expressは計画どおり実現すればソウルからプサンまで20分以下で乗客を輸送できるという。現在は高速道路利用で3時間かかっているので大幅な短縮となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Boomの超音速旅客機に注文76機――パリ航空ショーで新デザインも発表

Boomはパリ航空ショーでXB-1 Supersonic Demonstratorの新デザインを発表した。これは商用超音速旅客機を製造する前段階の実証試験機だ。同時にBoomは航空会社6社から実機76機の注文を受けたことを明らかにした。小さなスタートアップのまだ存在しない新型機に対する注文としては驚くべき数だ。

航空会社が超音速機の実現にいかに強く期待しているかわかる。Boomの計画によれば、この新型機は大陸間の人気路線の所要時間を著しく減少させると同時に、料金を現在のビジネスクラス程度に抑えて、航空会社に維持可能な利益をもたらすことができるという。

技術実証機XB-1の新デザインには推進システムの安定性、全般的な安全性の改良が含まれる。このデモンストレーター機の部品に対するストレス試験が進行中であり、おそらくはその結果が新モデルのデザインに組み込まれたのだろう。

すぐにそれと見てとれる変更は胴体後部、尾翼の直前に新しく設けられた第3の空気取り入れ口だ。同時に主翼や胴体の形状も微妙に修正されている。

〔上のビデオはEtherington記者が今年4月にBoom本社を取材した際のもの〕

Boomの説明によれば商用機の予約には払い戻し不可の頭金が含まれる。これはBoomの当面の経営を助けるだろう。また同社は商用モデルのキャビンについても水平に倒せるシートなど豪華な装備をイラストで発表した。

BoomではXB-1 Demonstratorを来年に飛行させる計画だ。最初はコロラド州デンバーの本社付近で亜音速のテストとなる。その後カリフォルニア南部のエドワーズ空軍基地を利用して超音速の飛行試験に移る予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Uber取締役会、トラビス・カラニックの休職を検討――後任はガレット・キャンプか?

報道によれば、今日(米国時間6/11)、Uberはロサンゼルスで取締役会を開く。この8年のUberの歴史でも、もっとも重要な討議となる模様だ。

New York Timesの記事によると、最大の議題は、窮地に経つCEO、トラビス・カラニックを休職させるべきかだ。この問題に対する取締役会の態度は数ヶ月前に開始された元司法長官、エリック・ホルダーによる調査の結果に大きく左右されることになるという。

エリック・ホルダーの雇用者は有力法律事務所、Covington and Burlingで、調査の費用はUberが負担している。ホルダーのチームはここ数ヶ月で数百人のUber社員に面接し、同社の企業文化を明らかにしようと努めてきた。この調査は元Uberのエンジニアであった女性、スーザン・ファウラー・リゲッティが同社を批判した記事が大きな反響を呼び起こしたことがきっかけだ。ファウラーが執筆した記事はUber社内には性的差別とセクハラが蔓延していると厳しく指摘していた。

Recodeによれば、この問題を担当する取締役会小委員会はすでにホルダーの調査結果を読んでいる。メンバーはメディアの有力者、アリアナ・ハフィントンとビル・ガーリー、デビッド・ボーダーマンの3名で、ホルダーの調査の詳細は火曜日に社内に発表されるという。Recodeの情報源によると「大きなトラブルが連なる光景」が描写されているそうだ。

われわれはUberにコメントを求めているがまだ回答がない。しかし Wall Street Journalによれば、UberのCBO(最高ビジネス責任者)のエミール・マイケル(Emil Michael)は明日朝、辞任を発表するものと観測されている

マイケルは2014年後半以来、さまざまな批判を浴びてきた。Buzzfeedの記事によれば、ジャーナリストも出席しているディナーでマイケルはUberに批判的な相手のスキャンダルのタネを探すために調査会社を雇う件について真剣に話したという。この批判者には、シリコンバレーの著名なジャーナリスト、サラ・レイシー(Sarah Lacy)も含まれていた。

カラニックはTwitterでマイケルを厳しく批判したが、解任することはなかった。マイケルは ホルダーらのチームと並行して実施された別の調査(有力法律事務所、Perkins Coieによるもの)でも解任を免れた。Perkins Coieの調査はここ数ヶ月、人事部門に社員から提起された200件以上のいじめ、セクハラ、性差別などに関する苦情を調査していた。その結果20人の社員が解雇されている

Michaelが辞任することに対する取締役会の判断まだ明らかでない。しかしUberが次々に引き起こしてきた重大なミスや誤った行動の連鎖を考えれば取締役会がこれでが調査を打ち切ることになるかは考えにくい。

たとえば3月のNew York Timesの記事によれば、Uberは何年も前から法的紛争が起きている市場で規制当局を欺くためにプログラムを持っていたという。

先週はUberの幹部、エリック・アレクサンダー(Eric Alexander)が2014年にインドで女性乗客がUberのドライバーにレイプされたという事件で、被害者の医学的記録を不当に入手したことが明らかとなり解雇されている(被害者はUberを訴え、その後和解)。

またカラニックが2013年に社員向けに送った「社内での性的関係についてのガイドライン」も 先週公開されて批判された。

Uberとカラニックをめぐるこうしたネガティブなニュースはキリがないようだ。Uberは 長年に渡って敵対者の数を増やしてきた。Uberがこれ以上の泥沼にはまり込まないよう、抜本的な改革が必要だとする声は強い。

とはいえ、カラニックが永久にUberを離れるということは考えにくい。カラニックの同社に対する影響力はきわめて大きい。New York Timesも報じているが、カラニックは特別議決権株式により圧倒的な議決権を保有している。共同ファウンダーのガレット・キャンプ(Garrett Camp)、長年の腹心であるライアン・グレイブズ(Ryan Graves)も同様だ。両者とも取締役会のメンバーだ。しかしグレイブズは以前は同社の事業責任者であり、したがって人事管理部門もその責任範囲に含まれていた。

その他のUberの取締役にはガーリー、ハフィントン、ボーダーマンが含まれる。

New York Timesによれば定款上あと4人の取締役が任命可能だが、現在は空席だという。

人事管理部門の責任者としてUberの問題ある企業文化の形成に部分的にせよ責任があると考えられているため、グレイブズがカラニックの代理を務めることは考えにくい。

仮にカラニックが一時的にせよUberを離れることになれば、キャンプが後任となることは比較的容易だろう。もともとUberという共有経済の仕組を考え出したのはキャンプだった。またキャンプはスタートアップとベンチャー投資の世界で高い尊敬を受けている。キャンプはスタートアップ・アクセラレータのExpaを運営しており、StumbleUpon,の共同ファウンダーでもある(キャンプは同社を売却した後、再買収した)。キャンプの財産の主要な部分はUberの持ち分で、現在600億ドルから700億ドル程度の価値があるものとみられている。

キャンプにコメントを求めているがまだ回答がない(おそらくはロサンゼルスでの取締役会に出席しているのだろう)。いずれにせよカラニックの後任となればキャンプだろうとわれわれは考えている。

ともあれUberは大きな改革に直面している。さらに情報が得られ次第フォローしていく。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleの無人ドローンによる自動配達プロジェクトProject Wingが第一段階のテストを完了

Googleの実験的部門Google Xの、ドローンを使った無人配達のプロジェクトProject Wingが今日(米国時間6/7)、その取り組みの重要なアップデートを一般に共有した。同社は、無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems, UAS)の航行管理に関する、FAAとNASAが制定した一連のテストを完了した。それは、人間操縦者のいない機がある地点まで到達して、荷物やそのほかの品物を、大規模に自動化されているネットワークの一部として配達できるために、欠かせない要件だ。

Project Wingは、未来のための準備だ。その未来には、同社やそのほかの企業が、数千機から成るドローンの編隊を運用し、荷物の配達などの機能を実行している。そしてその飛行は、建物や悪天候やそのほかのUASに遭遇する環境で安全にインテリジェントに行われる。さまざまな要素が楽器のように加わるその交響曲は、有能な指揮者を要するが、バージニア工科大学のテストサイトで火曜日(米国時間6/6)にWingが行ったテストは、まさにその存在を示した。一人の地上操縦士が3台のWingドローンを同時にコントロールし、それぞれに、別々の集荷と配達ミッションをやらせた。そしてそのとき、同じ空域に、Intelのドローン2機とDJI Inspire 1機を飛ばせて、全員が同時に航行した。

そのデモでは、Wingの航行管理プラットホームが実際の野外環境で、それら全機の航路を自動的に計算把握し、それらを避ける自分の航路を飛行中にリアルタイムで見つけていった。このプラットホームを作るときとくに力を入れたのが、同じ空域を複数のドローンが飛んでいるときの航路計画、リモートの操縦者やその空域の各種警報によって予期せぬ変化が起きたときの通知と対応、そして山火事などの事変に対応する自動的な航路修正だった。

次は、もっと多い台数による同時飛行と、もっと複雑な環境に挑戦する。今回のテストは、あたりにほとんど何もない、都市部の複雑過密な空域とは大違いの環境で行われた。まだまだ初期的なテストだが、自動化ドローンによる自動配達の実現のためには絶対に必要な過程だ。規制当局を満足させ、都市の住民の安全を確保するためには。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IntelのCEOがMobileyeの買収に150億ドルを投じた理由を語る

IntelのCEO Brian Krzanichが木曜日(米国時間6/1)のCode Conferenceでインタビューに応じ、自動車に関する彼の長期的なビジョンを語った。彼によると、“未来の車はサーバーのようなものになる”、という彼の予測が、イスラエルの自動運転技術のスタートアップMobileyeの買収にIntelが150億ドルあまりを投じた理由だった

Krzanichによると、“ランサムウェアやウィルスなどがデバイスのどこかに取り付いても”、Intelはそんなときのためにバックアップを取るだけでなく、“走行中の車を自動的にリフレッシュする”。プライバシーの懸念があることは認めるものの、Krzanichによれば、コネクテッド・カー(connected cars, ネットに接続された車)は“とても安全”だ。

“そのような車が走行するためには、車に視覚が必要だ”、とKrzanichは自動運転車についてそう言う。“そしてそのことから、さまざまな社会的利益が生ずる”。

彼曰く、たとえば自動車技術がAmber Alertのような状況で、行方不明の子どもの所在を突きとめたりするだろう。“そのためにどんなデータが必要か、人工知能をどのように利用すべきか、今実際に研究している”。

彼のプレゼンテーションの直後に、Intelは、2050年には自動運転技術が7兆ドルの経済効果をもたらす、という試算を公表した。その根拠は、“自動運転とスマートシティの技術によって新しい旅客経済が生まれ、産業全体を変貌させるとともに、そこから生ずる余剰時間と余剰能力から新しい産業が創造される”からだ。

このような予言を、Marc AndreessenもCode Conferenceで述べている。彼によると、自動運転車によって通勤がずっと楽になるから、都市の郊外圏がずっと遠くまで広がる。そのことによって大量の雇用や仕事が作り出される、と彼は考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「空飛ぶ自動車」のKitty Hawk、テストパイロットたちも大満足

Kitty Hawk Flyerは、昔から「空飛ぶ自動車」としてイメージされていたものに近いように思う。「自動車」としての機能はもっていないものの、一種のATV(All Terrain Vehicle:全地形対応車)と呼んで差し支えないように思う。これまでのATVよりも、より一層「全地形」に対応している。と、そのような言葉上の問題はどうでもよかろう。ともかく最新の乗り物であり、Googleの共同ファウンダーであるラリー・ペイジも出資している。単なる「コンセプト」の段階ではなく、「ワーキングモデル」(working prototype)が存在するのも面白い。

このたび、Business Insiderが、Kitty Hawk Flyerのテストパイロットについての記事を掲載していた。記事中ではデモスタッフへのインタビューなども取り上げられている。テストパイロットはさまざまな経歴をもつ人から選ばれ、選考あたっては飛行経験の有無のみならず、スポーツ全般への関心度、パラグライダーなどへの興味/経験などについても考慮したとのことだ。

また、トレーニングについては、個々のパイロットの経験に応じた個別のトレーニングメニューが用意されてもいるとのこと。Business Insiderの記事によれば、操縦自体はXboxのコントローラーを操作するのに似ているのだそうだ。上のビデオでも、パイロットが操縦のノウハウをマスターして自在にコントロールできるようになった際の感動などについて触れられている。

Kitty Hawkはこの乗り物を年内中にも発売したい考えだ。ビデオ中のテストパイロットの様子をみるに、テック系のオタク以外の人たちも、大いに興味を持ちそうに感じられる。

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(翻訳:Maeda, H

BMWの未来的なコンセプトバイクをスクーターと間違えてはいけない

これはスクーターみたいだけど、実はBMW Motorrad Concept Linkといって、BMWのオートバイ、Motorrad(モトラッド)ブランドの、最新のコンセプトバイクだ。すべてを説明しようとして、長たらしい名前になってしまった。それは、そう遠くない未来にわれわれみんながこれで旅をすべき、あちこち角(かど)だらけの、SF的スタイルなのだ。

Linkは電動車なので、BMWによれば、乗り降りの楽な低いシートを実現している。バイクには珍しくバックギアがある。過密な都市で駐車しやすいだろう。座席の下に収納スペースがあり、そこの切れ込みからメカの一部が見える。

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計器盤はなく、速度や電池残量、ナビ情報などはすべて、風防部分に表示される。なお、その風防部分は、自分の気に入ったデザインのに取り替えることができる。ハンドルバーの下に第二のディスプレイがあり、それはタッチ入力ができるが、そのタッチ入力機能はハンドルバーにもあるから、走行中にも表示を操作できる。

特別デザインの軽いジャケットまであり、それには転倒時等の保護性能がある。そして、腕を振るとトランクのドアを開けられる、モーションコントロール機能まである。

新型モトラッドの以上のコンセプトは、すぐに生産に入るというものではない。現状はあくまでも、BMWが描くオートバイの未来像だ。ぼくは未来的なデザインのスクーターがほしいな、と思っていたから、これはそんなぼくにもいいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【ポッドキャスト】交通政策の研究者が予見する自動運転車が普及したときの都市交通

今週のTechnotopiaでは、ニューヨーク大学Rudin交通政策研究所のアシスタントディレクターSarah Kaufmanにお話をうかがった。Kaufmanは、ニューヨーカーのための、そして世界の、新しい交通手段について研究しており、未来はきわめておもしろいものになる、と予想している。

彼女の予言はこうだ。自動運転車の普及とともに、これまでになかった新しいタイプのパラトランジット(paratransit, さまざまな補助的交通手段)がいくつも登場する。これまでの公共交通を利用できなかった人たちのためのサービスも、生まれるだろう。そしてそれらの新しいサービスは、効率が良くて、私たちをA地点からB地点へ安全にはやく、より安い費用で運んでくれるだろう。ぜひ、彼女の予言を聴いてみよう。

Technotopiaは、John Biggsによる、より良き未来に関するポッドキャストだ。SticheriTunes、あるいはMP3をここでダウンロードして聴ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleの創始者Sergey Brinの巨大飛行船は世界最大、人道支援目的に提供される

Googleの協同ファウンダーSergey Brinが大きな飛行船を作っていることを4月に知ったが、今日(米国時間5/26)のThe Guardianはその続報として、プロジェクトの目的や性質について触れている。それはBrinと彼の取り巻きたちが私的に使う贅沢な空飛ぶヨットであると同時に、人道援助にも使われる。また、全長200メートル近くあるそれは、世界最大の航空機でもある。bigの次はbiggestをねらうのだな。

ただし時間軸を加えて比較すると、昔のHindenburgやUSS Maconよりも小さい。後者は、今Brinがその空飛ぶ傑作を作っているのと同じ格納庫を使用した。ただしBrinの建造費は国防総省の予算ではなくてBrin個人の、有り余るほどのポケットマネーだ。そして完成後には、援助食糧の輸送など人道目的と共に、個人的大陸間飛行にも使われる。

Brinは前からツェッペリンと飛行船にあこがれていて、いつか自分も持ちたいと考えていた。彼は、夢の実現を助けてくれた専門家たち、NASAの元プログラムディレクターAlan Westonなどの名を挙げている。Brinは最初、Hindenburgと同じく水素ガスを使うつもりだったが、FAAの規制に合わせてヘリウムに変更した。

実用飛行がいつになるのか、その発表はまだないが、なにしろでかいから、飛べば誰にも分かる。シリコンバレーの昔のスターは、豪華なヨットを見せつけることが定番だったが、次の世代は飛行船による贅沢な空の旅がステータスシンボルになるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))