今やAmazon Echoは8機種もある!、便利な比較一覧表を作ってみた

どのAmazon Echoを買うべきだろう? 今日(米国時間9/27)新しく発表されたEcho 2, Plus, Spot, Connect, それともButtonsか?

前からあるDot, Show, あるいはLookか?

下図の便利な一覧表を見ると、今日(米国時間9/27)のビッグなイベントで紹介された、いくつかの新機種も含めて、お値段や機能を比較できる。

AmazonはAlexaデバイスEchoに関して、単純性よりは多様性を選んだが、でもAmazon Echo一族のゴージャスな(?)勢揃いを見るかぎり、単純性を選んだGoogle Homeがひ弱に見えてくる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon MusicがAlexaの機能を搭載

Amazonが、Amazon MusicにAlexaの機能を組み込んだ。iOS版およびAndroid版の双方に実装され、音声コントロールが行えるようになったのだ。Amazonの発表によれば、使えるのはアメリカ、イギリス、ドイツ、およびオーストラリアだとのこと。音声コマンドで実施できるのは、再生する曲、アーティストの指示であったり、あるいはドライブ、ランニングなどといったシチュエーションに応じた曲をリクエストすることだ。EchoスピーカーでAlexaを利用していた人にとっては馴染み深い機能だろう。

やはりEchoで利用できる機能だが、歌詞はわかるが曲名がわからないといった曲をリクエストすることもできる。

Echoスピーカーでは、天気予報やニュースの問い合わせだとか、あるいはタイマーやリマインダーの設定に並んで、音楽再生も代表的ユースケースとなっている。そのような状況の中、音楽アプリケーションにAlexaを導入するのは当然の選択といえるだろう。

今回のAlexa導入により、SpotifyやApple Musicとの差別化を行なって、第3位のポジションからの脱却を目指す意味もある。なるほどApple MusicはSiri対応ではある。ただしそれはAppleユーザーに対してのみの話だ。Siriと連携したApple Musicを楽しめるのは、iPhone利用者に限られているのだ。

Amazonは、Alexaのモバイルアプリケーション対応を徐々に進めつつあるようだ。

今年になって、まずはiOS版のショッピングアプリケーションにAlexaを導入し、夏にはAndroid版でも対応した。

Amazonとしては、Echoデバイスを使っていない人々にもAlexaおよび音声アシスタントの便利さを感じてもらい、そして自らの商機を広げようとする意図があるのだろう。Echoの購入を考えている利用者に対して、さまざまなアプリケーションを通じてAlexaの魅力を伝えようとしているわけだ。Amazon Musicの利用者がAlexaの便利さを感じてくれれば、Google HomeやAppleのHomePodではなくてEchoを選択する可能性も高まることになる。

Alexaと連携するのはAmazon Musicの最新版での話だ。旧版を持っている場合には最新版にアップデートする必要がある(訳注:日本では未対応です)。

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(翻訳:Maeda, H

超音波を使えば、「音」を発せずに音声認識デバイスを騙すことができる

セキュリティ関連技術を研究する中国人研究者が、「音」を発せずに音声認識システムを作動させる方法を開発した。人間には聞こえず、しかしマイクでは検知できる高周波音を用いるのだ。このしくみを用いて、人間には音が聞こえない状況で、さまざまなコマンドを発することに成功したのだそうだ。メジャーな音声認識アシスタントのすべてを操作することができたとのこと。

今回の成果を発表したのは浙江大学の研究者たちで、超音波を用いてコミュニケートするイルカたちにならって、用いた仕組みを「DolphinAttack(PDF)」と呼んでいる。しくみをごく簡単に説明しておこう。

音を発せずに音声アシスタントを動かす仕組み

電子デバイスに搭載されるマイクは、音波によって変化する空気圧に反応する小さくて薄い皮膜を利用している。人間はふつう、20キロヘルツ以上の音を感知できないので、一般的なマイクでも20キロヘルツ以上の「音」に反応しない仕組みが搭載されている。その仕組みはローパスフィルタと呼ばれている。

このローパスフィルタ機能が理論通りに機能すれば、たしかに意図した周波数の音声のみに反応することになる。しかし現実には「ハーモニクス」というやっかいなものが存在する。たとえば400Hzの音は、200Hzあるいは800Hzを捉えるようになっているマイクにも捉えられてしまうのだ(正確な仕組みは端折って、効果についてのみ記している。詳細を知りたい方はWikipediaなどを参照してほしい)。ただし「ハーモニクス」は、もとの音声に比べるとかなり小さく響くようになるもので、通常はハーモニクスの存在がなにか問題を引き起こすようなことはない。

ただ、100Hzの音を拾うマイクに対し、何らかの事情で100Hzのを発することができない事情があったとしよう。この場合、音の大きさを大きくすれば、800Hzの音でマイクを反応させることができるのだ。100Hzの音を発したことをさとられずに、マイクのみに100Hzのハーモニクスを伝達することができるのだ。人間の耳には800Hzの音のみが伝わることとなる。

変調装置の仕組み

研究者たちも、大まかにいえば上に記した仕組みをもちいてマイクにのみ通じる音を発生させている。もちろん実際にはさまざまな複雑なプロセスを経るようになっている。そしていろいろと試してみたところでは、スマートフォン、スマートウォッチ、ホームハブなど、音声に反応するように設計されているデバイスのほとんどが、ハーモニクスに反応したとのことだ。

超音波(黒の音声信号)がハーモニクス(赤の信号)を発生させる様子。超音波の方はローパスフィルタによりカットされる。

最初は単なる超音波信号を発生させる実験を行なっていた。それがうまくいったので、次に500ヘルツないし1000ヘルツの音声信号を生成することにしたのだ。複雑な作業が必要になるものの、しかし基本的には同様の方法で音声信号の生成に成功したとのこと。作業が複雑になるといっても、特殊なハードウェアを必要とするわけではない。エレクトロニクスパーツを扱っている店で手に入る部品のみを用いて実現できる。

超音波から生じた音声は確かに機能し、たいていの音声認識プラットフォームで狙い通りに認識されたとのこと。

DolphinAttackで使う音は、人間には聞こえず、感知することすらできません。しかし音声認識を行うデバイスはこの「音声」に反応するのです。Siri、Google Now、Samsung S Voice、Huawei HiVoice、Cortana、およびAlexaなど、いずれのプラットフォームで動作することを確認しました。

超音波から生成した音声により、簡単なフレーズ(「OK、Google」)から、やや複雑なコマンド(「unlock the back door」―勝手口の鍵を開けて)などを認識させ動作させることができたとのこと。スマートフォンによって通じやすいフレーズや通じにくいものがあったり、超音波を発する距離によっても実験結果が左右されたとのこと。ただし、5フィート以上の距離から発した超音波ーハーモニクスに反応したデバイスはなかったとのことだ。

研究で使用した簡単な超音波ーハーモニクス発生システム。

距離に制限があるということのようだが、しかしそれでも脅威に感じる。感知できないコマンドが発せられ、それによって手元のデバイスが作動してしまうのだ(Wi-Fiにも似たようなリスクがないわけではない)。ただし、今のところは大騒ぎすることもないのかもしれない。

たとえば、音声コマンドによってデバイスを活動状態にする機能をオフにしておくだけで、大半のリスクを避けることができるようになる。音声コマンドを受け付けるのは、デバイスがアクティブな状態にあるときのみになるわけだ。

さらに、たとえスリープからの復帰を音声コマンドで行えるようにしていても、たいていのデバイスでは電話をかけたり、アプリケーションを実行したり、あるいはウェブにアクセスしたりする機能を制限している。天候を確認したり、近くのレストランを表示するようなことはできるが、悪意あるサイトへのアクセスなどはできないことが多い。

また、音声コマンドは数フィート以内の距離から発しなければならないというのが一般的だ。もちろん、知らない誰かがすぐ近くから超音波ーハーモニクス音声をもちいてコマンドを発行することはできるだろう。しかし突然スマートフォンがスリープから復帰して、「モスクワに送金しました」などといえば、ただちに適切な対応をすることができるのではなかろうか。

もちろん危険性がゼロでないのは事実だ。超音波を発することのできる、スピーカーを備えたIoTデバイスがEchoに話しかけて、家のロックやアラームを解除するような可能性だってあるわけだ。

直ちにさまざまなリスクに対応する必要があるというわけではないかもしれない。しかし、電子デバイスに対する攻撃を実行しようとするひとたちに、新たな可能性が開かれつつあるのは事実だ。そのリスクを公にし、日常的に利用するデバイスにて対抗手段を備えることが重要になりつつあるといえよう。

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(翻訳:Maeda, H

AmazontとMicrosoft、AlexaとCortanaの会話で合意――両社の人工知能アシスタントの互換性増大へ

有力IT企業は音声アシスタントに力を入れているものの、近い将来自分たちの人工知能が一人勝ちして事実上の標準になるとまでは思っていないようだ。

今日(米国時間8/30)、MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラとAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスはこの分野での提携を発表した

実現は年内となるもようだが、ユーザーはAmazonのAlexa音声アシスタントにMicrosoftのCortana音声アシスタントを呼び出して作業をさせるよう命じることができるようになる(その逆も可能)。

以下は両CEOの声明。

Microsoftのサティヤ・ナデラ: あらゆる状況、あらゆるデバイスを通じてユーザーがCortanaを利用できるようにすることにわれわれは高い優先順位を与えている。Office 365との統合を含めたCortanaの知識がAlexaから利用できるようになるのはこの目標に向かっての大きな前進だ。

Amazonのジェフ・ベゾス: 世界は巨大で多様な場所だ。そこでインテリジェント・アシスタントの勝者も一つではないはず。それぞれの人工知能は独自の知識と得意とする能力を持つことになるだろう。有力な人工知能が相互に連携できるようになることはユーザー体験を豊かなものとし、有用性をいっそう増すだろう。われわれのEchoがCortanaに容易にアクセスができるようになるというのは素晴らしいニュースだ。

また声明ではユーザーが両社の人工知能の相互運用性を得られることがウィン-ウィンの提携である所以も説明されている。【略】

ここで強調されているのは(人工知能が別の人工知能を呼び出して会話するというのはややこっけいな印象だが)CortanaとAlexaの得意分野が大きく異なるという点だ。Cortanaはビジネスユーザーを主たるターゲットとするとする生産性ツールであり、Alexaは消費者を対象とするeコマースとエンタテインメントのツールだ。

こういう状況で両社が縄張り意識を強く持つことには大きな戦略的な意義が見いだせず、逆に提携することによって強みを相互に補完できる可能性があることになる。

New York Timesの記事でベゾスは「将来、ユーザーはさまざまなAIをそれぞれの得意分野に合わせて使うようになるだろう」と予測している。いわばハイキングに行きたいならそういうことに詳しい友達に相談するし、レストランを選ぶならまた別の友達に尋ねるようなものだ。ベゾスは「ユーザーができるかぎり多数のAIを利用できるようにしたい」と述べている。

ベゾスはまたAlexaがAppleのSiriやGoogle AIとも会話できるようになる可能性も考えている。ただしまだ具体的な交渉はないという。

ただしAppleとGoogleが人工知能分野でなんらかの互換性を実現する契約に調印する可能性はゼロだ。両社はiOSとAndroidというモバイルのエコシステムを2分する巨大プラットフォームを運営しており、Amazon、Microsofグループとは全く異なる戦略と優先順位を持っている。われわれは忘れがちになるが、AmazonとMicrosoftはモバイル・プラットフォーム競争に挑んだものの脱落した過去がある。

簡単にいえば、モバイル・プラットフォームで有力な地位を築けなかったのであれば、人工知能の相互運用性を拡大することでモバイル・アプリの有用性を高めることが両社にとって得策となる、ということだろう。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

AmazonがあらゆるサードパーティデバイスにAlexa機能を持たせるべくSDKを無料オープンソースで公開

Amazonは、同社の仮想アシスタントAlexaを、Echoなど同社自身のハードウェアだけでなく、もっといろんなデバイスに載せたい、と考えている。そこで同社は今日(米国時間8/17)、AlexaのSDKを一般公開することによって、商用デバイスのメーカーたちがAlexa機能のある製品を作れるようにした。そのツールセットAlexa Voice Service Device SDKを利用すれば、各種のデバイスに完全なAlexaの能力を持たせて、音声認識だけでなくメディアのストリーミング、タイマーやアラーム、通知、天気予報、そしてAlexaの‘スキル’と呼ばれている何千もの音声アプリケーションにもアクセスできる。

Amazonによると、このSDKはこれまでのプレビューの間、特別招待のデベロッパーにのみ提供されていた。その間、50社あまりの商用デバイスのメーカーが、自分たちの製品にAlexaを実装した。

Amazonが今朝のデベロッパー向けブログ記事で、そのいくつかを紹介している。たとえばTechnicolorはAlexaを同社のHome Networking GatewayとExtenderに加え、ベルリンのスマートホームデバイスメーカーSenicは、同社のスマートホームハブCOVIにAlexaを加えている。

Amazonはここしばらく、Alexaの機能や、マイクロフォンの配列のような、音声駆動デバイスを構築するための根幹となる技術に、容易にアクセスできるためのやり方を検討してきた。

今回のAlexa Voice Service Device SDKもその努力の一環で、今やすべてのデベロッパーが、GitHub上の無料でオープンソースなライセンスでこれを利用できる。このSDKはその中に一連のデベロッパー支援ツールを総まとめしており、ハードウェア開発キットやAPI、Alexa対応デバイスの作り方が書かれているドキュメンテーションまでも含まれている。

Amazonのこのやり方が結実している製品として、たとえばHuaweiのスマートフォンMate 9が挙げられる。これには単純に、音声アシスタントオプションとしてAlexaがある。またスマート温度計Ecobee4や、インターネットラジオTribyさらにスピーカー目覚まし時計インターコム、そしてスマートウォッチにも、Alexa実装の例がある。

一方Amazon自身もAlexaデバイスの幅を広げようとしており、今度の新しいEchoスピーカーには、カメラ付きのEcho Look、画面付きのEcho Showなどがある。

Alexaを載せたデバイスのすべてが、Echo並に成功するとは限らないが、でもやらないよりはやってみるべきだ。今やAlexaのプラットホームには、音声コンピューティングのためのAndroid OSと呼べるほどの広がりがあり、トップの座、すなわち大きなマーケットシェアと多くのユーザーを、ますます維持確保しやすくなっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

家庭のテレビをスマートホームのモニタシステムにしたいAmazonの野心、まずささやかにFire TVのリモコンの完全音声化から

AmazonのFire TVはすでに音声でテレビをコントロールできるが、そのためにはリモコンを手に持つ必要がある。そこで今回AmazonのセットトップボックスはEchoの助けを借りて、ユーザーが自分の腕や指を動かさなくてもリモートコントロールができる方法を身につけた。

今日(米国時間8/1)からユーザーは、AmazonのスマートホームハブAlexa/Echoに命じるだけで、番組を選んだり、チャンネルを変えたり、ボリュームを調節したり、アプリを開いたりできる。二つのAmazonデバイスをそうやってリンクするやり方も簡単で、Fire TVにやらせたいアクションをEchoに言うだけだ。するとリンクが自動的に成立する。

言うまでもなくこの機能は、今ちょっと手を離せない!というときに便利だ。たとえば夕食の支度をしているとき、ハンバーグ用の挽肉でべちょべちょになった手でリモコンに触りたくないだろう。

それはAmazonのFar-Field通信を使うので、マイクロフォンは至近のAlexa対応デバイスへとデフォルトされる。だから別の部屋からでもチャンネルを切り替えたりできる。ただし、複雑な機械の複雑なインタフェイスを、すべて音声でコントロールするのは無理だ。たとえば、たかがテレビでも、いわゆる“チャンネルサーフィン”を、あなたは自分の音声でできるだろうか?

家庭用としていちばん強力、と思われる機能は、目下開発中だ。それは、防犯カメラのコントロール。それができるようになると、August, Netgear Arlo, Ringなどの製品のフィードをテレビで見られるようになる。ある意味でこの統合は、Fire TVの受像機を大型のEcho Showに変えてしまう。今その機能は、“近日封切”に挙がっている。

そしてAmazonは今、Alexaの音声機能をサードパーティのテレビ受像機にも載せようとしている。つまりSony, Logitech, DishなどのテレビがAlexaのスキルを持つのだ。今のところ、Echoに対応しているテレビはFire TV, Fire TV Stick, そしてFireOSを内蔵しているスマートテレビだけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Silent Echoを使えば、Slackの中からAlexaとチャットすることができる

Slack経由でAlexaとチャットしてみたいだろうか?Silent Echoという新しいボットを使えばこれが可能だ。ここでの着想は、AmazonのバーチャルアシスタントAlexaと対話する際に、音声を使いたくない場合があるだろうということだ。たとえば、部屋の中がとても騒々しくて、Alexaが適切に聴き取りを行えない場合や、とても静かに物事を進める必要がある場合などだ。

このサービスは、Alexaがほかのプラットフォーム(例えばEchoスピーカー)で提供している全ての機能にアクセスできるものではない。例えば、Silent Echoからは、Spotifyやその他の音楽サービスをコントロールすることはできないし、セッションタイムが短いため複数のやり取りが必要なAlexaスキルを使うこともできない。

しかし、スマートホームデバイスを制御したり、開発者が行う必要のあるテストの目的でAlexaのスキルと対話したりといったことは、Silent Echoから行なうことができる。

実際、Silent Echoのアイデアは、音声アプリケーションを開発するためのツールを提供するBespokenからやってきたものだ。Bespokenは、昨年インタラクティブ音声広告会社XappMediaを設立し、それ以降多数の多数のオープンソースのコマンドラインツールをリリースしている。それらのツールはおよそ700人の音声アプリ開発者に採用されてきた。これらのツールは、Bespokenが、同社のSaaS製品である、AlexaやGoogle Home向け音声アプリケーション用のロギング/監視ソフトウェアソリューションを周知させる手助けになる。

現在そのソフトウェアは約150顧客に採用されている。主に音声アプリケーションの大きなブランドを扱う代理店によってだ。

Bespokenの創業者兼CEOであるJohn Kelvieによれば、当初チームは車内の企業音声アプリケーションソリューションをサポートするために、Silent EchoのWebクライアントバージョンを構築していた。しかし、多くの人びとがSlackのバージョンを入手できるかどうか尋ねてきたため、それが動機となって新しいSlackボットの開発へとつながった。

Slackにインストールすると、Silent Echoボットに直接メッセージを送信したり、グループチャット内で@silentechoを指定して呼び出したりすることができる。

ボットはSlackでタイプされた内容をテキスト音声変換を使って音声に変換してから、AmazonのAPIを通してAlexaを呼び出している。そしてAlexaが返答した音声を今度は音声テキスト変換を施してテキストに変換しているのだ。

これはAlexaを使用するための非公式な手段だ。要するに技術的には、これはハッキングの一種だ。しかし、これらはすべて「オープンに利用可能なルーチン」だけを使用して行われている、とKelvieは語った。「イカサマをしたり、非公開のAPIや抜け道に頼ったりもしていません」と彼は説明している。

本質的には、Silent Echoは仮想Alexaデバイスのように動作するので、それはユーザーのAlexaアカウントに関連付けられている。すなわち、このボットは、ユーザーのAmazonアカウントと、ユーザーが追加した他のスキルにアクセスすることが可能なのだ。

しかし、セキュリティ上の理由から、グループチャットの内でのSilent Echoとのやりとりは、限られた特権を持つAmazonアカウントにリンクされた汎用Silent Echoインスタンスが使用される。スキルをこのバージョンに追加することはできるが、個人アカウントにリンクする必要があるスキルは追加できない。たとえば、ピザを自宅に届けるよう注文するスキルなどは追加することができない。

リクエストとレスポンスはBespokenのデータベースに保存されている。このデータが共有されることはないが、政府や法執行機関の開示要請の対象になる可能性があることには注意が必要だ。Alexaの音声を文字起こししたものを保存しておくべきか否かは、最近の議論のトピックの1つだ。Amazonはより良い音声アプリの開発助けるために、開発者たちへ文字起こしされた非公開データを提供することを検討しているという報告も挙がっている

しかし、Bespokenのケースに於いては、Echoスピーカーが拾ってしまうようなバックグラウンドノイズが書き起こされることはない。Kelvieによれば、入力された要求と文字化された応答のみを、ユーザーインターフェイスに表示する目的で保存するということだ。

Slackボットに加えて、Silent EchoはWebクライアント、あるいはSDKを介しても利用することができるが、明らかにSlackボットに人気が集まっている。

「私たちは既に35のSlackコミュニティに参加しています。そして1000以上のユーザーを獲得済です」とKelvieは7月中旬にベータ版に関するブログ記事を公開したばかりのSlackボットについて語った。

「使用例は急速に拡大しています」と彼は付け加えた。彼はもともと、このボットが一握り以上のSlackグループで使われるようになるとは思っていなかったのだ。

「このことはTwitter版でのユーザー獲得に向けて、気を少し楽にしてくれる結果です」とKelvieは語る。それはいつ登場するのか、と尋ねたところ、できれば来週にはという答を得ることができた。乞うご期待。

当面Silent Echo Slackボットは、ここから無償で利用できる。

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(翻訳:Sako)

Amazon Alexaのスキルが15000を突破、わずか半年で倍増、競合製品を圧倒

【抄訳】
Amazonの音声プラットホームAlexaの‘スキル’が、15000を超えた。それらが、EchoスピーカーやEcho Dot、Echo Showなどのデバイスの上で、多彩な‘芸’を披露する。Amazonの2月の発表では10000だったが、それ自体は昨年9月に比べて3倍増だった。

15000という数を最初に報じたのはサードパーティの分析企業Voicebotだったが、本誌の問い合わせに対してAmazonもその数字を確認した。

Voicebotが分析したのはアメリカのスキルのみだが、15000に達したのが6月30日だった。6月の前月比増加率が23%で、それまでの3か月の各月の増加率は10%未満だった。

Voicebotの年初の記事では7000だったから、半年で倍増だ。7000という数はAmazonもCESで公式に確認している。

Voicebotによると、Alexa Skill Storeで一番人気のスキルは、Flash Briefingsだ。これは朝の忙しいときなどに、Wall St. Journal, NPR, Washington Post, それに本誌(!)TechCrunchなど主なメディアが、主要記事を教えてくれる。

Flash Briefingsは開発も易しいスキルだから、今や全スキルの約20%を占める。詳しい数字はAlexa Skills Storeへ行けば分かるが、今現在2891のニューススキルがある、となっている。

なにしろ、スキルの数がこれだけ多いのは、Amazonが音声コンピューティングの世界で大成功、という意味だ。

【中略】

Voicebotによると、6月30日現在でGoogle Homeの音声アプリはわずか378、MicrosoftのCortanaは65だ。AppleのHomePodは、スキルのようなアプリをサードパーティが作れるのか、まだ明らかでない

【後略】

画像クレジット – トップ: Adobe; チャート: Voicebot

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon Echoを家庭内のインターコムとして使えるようになった、Showの機能を借用

Echo Showの発売を数日後に控えたAmazonが、そのわずかな間隙を縫うかのように、これまでのEchoデバイスに前から望まれていたインターコム(intercom, 屋内通話)機能を導入した。この追加機能は、Showを持ってる人たち同士のための会議機能Drop-Inを利用して実装されている。Showでは、その会議機能で遠く離れた家族や友だちなどと互いに顔を見ながらおしゃべりできるが、若干の制約はある。

そちらの方は今週試してみて、あまり好きになれなかった。ふつうのテレビ電話などに比べて、強引すぎるのだ。でもこっちのインターコムの方は、よっぽどましだ。このアップグレードでDrop-InがEchoやEcho Dotに搭載され、ネットワーク上のユーザー同士(==デバイス同士)がコミュニケーションできる。たとえばキッチンのEchoから二階の子どもたちに、「ご飯だよ、降りてこい」と怒鳴ることもできる。

この機能は三台のデバイスで使える。インターコム的に利用するためには、まず各Echoに名前をつけ(部屋の名前がいいだろう)、AlexaアプリでDrop-In機能を有効にする。セットアップが終わったら、“Alexa, call the kitchen”とか、“Alexa, drop in on the kitchen”のように部屋の名前で相手を呼び出せる。

このシステムはセットアップのときに作った世帯グループが利用でき、それは必ずしも家の中のWi-Fiの利用者全員ではない。遠くから、連れ合いや子どもたち、高齢者家族などの安否を確認できるし、もっと不道徳な目的にも使える。Amazonによると、同社の人気商品であるホームアシスタントEchoに、もっとも望まれていた機能がインターコムだそうだ。

これまで頑張ってスマートフォンを利用するインターコムアプリを作ってきた連中は、頭にくるかもしれない。そもそもEcho Showは、それらの物真似みたいだし。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazonのバーコードリーダー、Dash WandにAlexaが入って実質無料に

Amazon Dash Wandの第一世代は長くは続かなかった。カリフォルニア州の選ばれたPrime Freshユーザーでこのバーコードリーダーを試行してみたものの、何も起きなかった。代わりにこの会社は今や身近になった単一商品ボタンへと戦術を移した。

そして今、ハードウェアに強気のAmazonは、Echoの大成功を足場にDash WandにAlexaを載せて復活させる。バーコードリーダーとAmazon Fresh購入機能はそのままに、これからはAlexaも使えるようになる。音声による注文、レシピ検索、食品の栄養素含有量の確認なども行える。そう、Alexaはどこへ行ってもAlexaだ。

現在Dash Wandを利用できるのはプライムメンバーのみだ。そして事実上無料だ(期間限定)。価格は20ドルだがデバイス登録後最初の購入で20ドル割引される。Amazon Freshの90日間無料お試し期間もついてくる。つまりこのデバイスは、Amazonの月15ドルの食料品配達サービスへの入り口であるとともに、同社のスマートアシスタントを家庭に持ち込む新たな侵入経路でもある。

この価格設定は、事実上のニッチ製品を多くのユーザーにとって初めてのAlexa体験に変えるにはかなり有効な方法だ。バーコードリーダーを自宅に持ち込もうと思う人はまずいないが、でも、無料は無料。Amazon Fresh同様、おそらく現時点で主流商品とはならないだろうが、Alexaをさらに家庭に送り込むのに一役買うに違いない。

もっともAmazonはその点で特に問題を抱えているわけではない。先月の統計によると、Amazonのスマートアシスタントは 音声制御スピーカー市場の約70%を握っている。この数字が低価格のEcho Dotのおかげであることは間違いなく、実質的に無料の機器にAlexaを載せることは、スマートアシスタントの家庭への浸透率を一層高めるだろう。

これはおそらくAmazonで一番わかりやすい形の客寄せモデルだ。この会社にとってデバイスは常にユーザーをEコマースエコシステムに閉じこめるためのものであり、ハードウェア自身は二の次だ。いくら走ってもAlexaから逃れることはできない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonがAlexaに通知機能を導入、邪魔な人はoffに設定できる

AmazonはAlexaに通知機能を加えようとしている。それによりAlexaのスキルが、情報が可利用になったら求めなくてもそれを提供できるようになる。これまでは、何をやるにしても人間の質問等が最初にまず必要だった。スキルとデバイスに通知を加える能力は、Amazonのソフトウェアとハードウェア両方の開発キットからも使えるが、ただし最初は選ばれた少数のパートナーのスキルと、Amazon.comのショッピングのアップデートのみだ。

その選ばれたパートナーとは、AccuWeather, The Washington Post, Just Eat, Life360などだ。デベロッパープレビューがもうすぐ提供されるので、そのほかのデベロッパーも自作のスキルへの通知の実装をテストできる。そしてAPIが一般供用されたら、すぐに消費者向けにその通知スキルを提供できるだろう。

通知は、チャイムの音、またはEcho, Echo Dot, Echo Showの上部LEDリングのグリーンの点滅で行われる。通知を受け取ったユーザーがAlexaに声をかけると、その情報が分かる。通知を受けとりたくない時間帯には、そのためのDo Not Disturbの設定もできる。

AlexaとEchoに通知が加わるというニュースは、最初、昨年の秋にThe Informationが報じた。この機能がついにやって来たことはたいへん有意義だ。最近のEcho Showの発表にも見られるように、AmazonはAlexaの出花人気を最大限、利用したいのだ。何かやるなら、今の内!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【リーク写真】これがディスプレイありのAmazon Echoだ

AmazonがタッチスクリーンのあるEchoデバイスを作っている、という噂は前からある。AFTVnewsが見つけたこの画像は、Amazonのサーバーの上にあった。そしてそれは、これまで誰も見たことのないデバイスのようだ。

ご覧のように、画像の質は悪い。元の画像が小さなサムネイルだから、大きくするとひどくぼやけている。近いうちに、Amazon Echoのページの上の方に、ほかのEchoデバイスと並んで載ると思うのだけど:

なおAFTVnewsは、Echo Lookも発表前にリークした。それは初代iMacに似ていて、傾いたディスプレイと、その下にスピーカーがある。画面の上の方の明るいドットはカメラかもしれないが、この画質ではよく分からない。

画面のあるEchoデバイス、コードネーム“Knight”をAmazonが作っているとWall Street Journalが報じたのは1年近くも前だ。その後記事では、7インチのディスプレイ、高品質なスピーカー、月末に発売、などなどとなった。

そのデバイスのOSはAmazonのAndroidフォークFire OSになるのか、それとも新しいOSか。それはユーザーの音声による質問に対して、適切な情報を表示できるのだろう。これからAmazonはこの新しいプラットホームのためにアプリを作るよう、デベロッパーを説得しなければならない。人びとはその上でSpotifyのプレイリストを閲覧したり、天気予報を見たりしたいだろう。

スマートアシスタント・デバイスは競合製品が多いから、これのリリースはAmazonにとってとても重要だ。たとえばAppleは6月のWWDCカンファレンスで、iOS 11用Siriのニューバージョンを発表するかもしれない。さらにAppleは、音声アシスタント用のハイエンドのスピーカーを年内に発表するのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazonの新しい開発キットでAlexaの遠方界技術をさらに多くのサードパーティ製品が利用できる

昨年の12月に、部品メーカーのConexantが、製品にAlexaを組み込みたいと考えているサードパーティのメーカーのために、Amazonと共同して開発キットを作る、と発表した。さらにそのフォローアップとして、Alexa Voice Serviceのための開発キットAudioSmart Development Kitに、マイクロフォンが4つのキットが登場した。

Amazonは先月、同社の遠方界(far-field)技術をデベロッパーに公開し、そのとき披露された7マイクロフォンタイプのキットは、Echoの優れた音声認識技術を別の部屋からや、騒音の激しい環境でも十分に利用できる、とした。Conexantの製品は同じ効果を4マイクロフォンで実現できるとし、製造コストを抑える設計を訴求した。

でも、いちばん成功したのは2マイクロフォンタイプのようだ。同社によると、そのEcobeeとよばれる製品は、最近発表されたAlexa対応スマート・サーモスタットにも使われている。まさに、今さらスマートフォンに進出しても遅すぎるハードウェアメーカーは、さまざまなAlexa製品に活路を見出すしかない、かもしれない。

しかもそれは、Amazonにとっても大きな勝利だ。同社のEcho製品はいわば予想外のヒットだったが、今ではAlexaが世界的なメジャーになりつつある。だからこれからは、Amazonが何もしなくても、サードパーティのハードウェアメーカーが同社のスマートアシスタントの宣伝役になるわけだ。

ハードウェアメーカーは必要なスキルをAlexaに焼きこむだけでなく、その製品が既存の12000あまりのスキルにもアクセスできる。製品がいわば、‘仮のEcho’になる。そんなサードパーティのAlexa製品は昨年初めてローンチしたばかりだから、まだ勢いはないが、でもそれは結果的に氷山の一角になるだろう。

しかしもちろん家の壁がマイクロフォンだらけになれば、忘れていたプライバシーの問題が首をもたげる。

Conexantが嬉々として挙げるRBC Capitalの予測では、2020年のAlexa製品のインストール数は1億2800万台となる。もちろん、そのすべてがEchoではない。サプライチェーンの一角を占めるConexantのような企業とパートナーしたことによって、Alexaの採用は加速し、Amazonはスマートホーム市場に強力な地歩を築く。AppleやGoogleがそれに追いつくのは、たいへんかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alexaが囁き、タメ、そして感情豊かな喋りのスキルを身に付けた

これからAmazonのAlexaの声は、より人間臭く聞こえるようになるだろう。今週Amazonは、仮想アシスタントのための新しい発話スキルセットを追加したことを発表した。これによって、囁いたり、強調のためのタメを入れたり、速さや、高さや、声の大きさなどを調整したりすることができるようになる。その上彼女は不適切な言葉に「ピー音」を被せることさえできる。人間そのものではないにせよ、たしかに賢くみえる。

これらの新しいツールは、Alexaアプリ開発者に、Speech Synthesis Markup Language(SSML:音声合成マークアップ言語)という名前の標準的なマークアップ言語の形式で提供される。この言語によってAlexaのスピーチパターンをアプリケーションの中にコードとして埋め込むことが可能になる。これにより、Alexaプラットフォーム上での音声アプリケーション(”Skill”)の作成が可能になる。開発者はSkillのテキスト処理に際し発音や、イントネーション、タイミング、そして感情を制御できる。

Alexaは今日でも、既に多彩な個性を持っていて、人びとがその音声アシスタントを好きになる役割を果たしている。AppleのSiriがそのユーモラスな反応で人びとを驚かせたことを思い出そう、Alexaは彼女自身に対する質問に対して反応し、ジョークを話し、「愛してる」に答え、もしお願いすれば歌さえ歌ってくれる。しかし彼女の声はまだ時折ロボットのように響く、特に彼女が、本来途中で自然な息継ぎをしたり声のトーンを変えるべき長いフレーズやセンテンスを読み上げている最中に、それは顕著だ。

Amazonが説明しているように、開発者はこれらの新しいツールを使ってAlexaにETのように話させることもできるだろうが、ポイントはそこではない。開発者がツールを意図通りに使用できるようにするために、すなわちAlexaの発言パターンを人間らしくできるようにするために、Amazonは速さ、高さ、そして音量に対して開発者が適用できる変化量に制限を加えている(おそらく高音のきしむような叫び声は出せないと思われる)。

囁き、ビー音、強調、代替(Alと書いたものをアルミニウムと発音するなど、Alexaに書かれたもの以外の発音をさせる)、韻律といった合計で5つの新しいSSMLタグが提供される。最後のものは、音量、高さ、および速さを制御することだ。

これらの変更が実際のAlexaアプリでどのように機能するかを示すために、Amazonは新しいタグを使用するクイズゲームテンプレートを用意しているが、これを使って開発者たちは、Alexaの新しい声のトリックをテストすることが可能だ。

こうしたタグに加えて、Amazonは、イギリスとドイツの開発者たちに向けて”speechons”を導入した。それは、Alexaがその対話をより魅了的でパーソナルなものにするための、特別な言葉やフレーズたちだ。米国内では既に、 “abracadabra!”、 “ahem”、 “aloha”、 “eureka!”、 “gotcha”、 “kapow”、 “yay”、その他沢山の、speechconsが利用可能になっている。

これらが新しい市場へ登場することにより、Alexa Skill開発者たちは、地域特有の表現を使うことができるようになる。例えば米国ならば”Blimey”(びっくり!)とか“Bob’s your uncle”(大丈夫だよ)など、ドイツなら“Da lachen ja die Hühner”(大笑い)や、”Donnerwetter”(なんてこった)といったものだ。

現在、市場には1万2000以上のAlexa Skillが存在しているが、どれくらいの開発者が新しい音声タグを使うかは不明だ。

結局のところ、このAlexaの人間化は、アクティブな開発者コミュニティに存在に依存している。これは、Amazonにとって、使いやすい巧妙な仕掛けを構築すること以上に必要とされることだ。開発者たちが単なる興味だけで触れるだけでなく、Amazonの音声コンピューティング基盤上で運用できる実際のビジネスを作り上げるために、アプリコミュニティを支援することができなければならない。

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(翻訳:Sako)

Alexaを支える技術Amazon Lexが開発者に開放された

Amazonの仮想アシスタントAlexaを支えているテクノロジーであるAmazon Lexが、今朝(米国時間20日)のロイターの記事によれば、プレビュー段階を終了したということだ。自然言語理解技術を自動音声認識技術を組み合わせたこのシステムが、最初に紹介されたのは11月にラスベガスで開催された、AmazonのAWS re:Invent会議のことだった。

その時Amazonは、例えばチャットボットのような会話型アプリケーションを作りたい開発者たちが、そのようにLexを使うことができるかを説明した。

例として同社がデモしたのは、ユーザーが声だけを使って飛行機の予約を行うことができるツールだった。

とはいえ、このシステムは、Facebook Messengerのような、今日見られる消費者向けメッセージングアプリ内の、チャットボットに使われることだけに縛られているわけではない(もちろんそうしたプラットフォームに統合することは可能だ)。実際にはLexは、モバイルや、ウェブや、SlackやTwilio SMSのようなMessengerを超えたその他のサービスの中で、音声やテキストチャットボットとしてどのようにも利用することが可能だ。

AmazonはLexが、ウェブやモバイルアプリケーションの中で、ユーザーに情報を提供したり、アプリケーションに能力を与えたり、様々な仕事を支援したり、さらにはロボットやドローンやおもちゃを制御するメカニズムを提供したりといった、様々な目的のために利用できることを示唆している

とはいえ、メッセージング内のチャットボット、特にeコマースのボットは、Lexテクノロジーへの確かなエントリーポイントの1つである。不恰好なナビゲーションメニューをもち、ユーザーの問に対して限られた返答しか行うことができない現行のチャットボットに、消費者たちは不満を抱いている。これに対してLexは、音声をテキストに変換し、テキストの意図を認識して、より会話らしくすることができて、現在市場にあるものよりもさらに洗練されたボットを開発することを可能にする。

Amazonによって管理されるLexは、ボットの使用量が増えるに従って自動的にスケールアップする。つまり開発者たちはLexが処理したテキストと音声の量に従って支払いをするだけでよい。

Lexををより広い開発者コミュニティに解放するAmazonの戦略は、GoogleのAsisistantやAppleのSiriなどの、他社の音声技術に対しての競争優位性を確保するために役立つことだろう。本日のレポートには、AmazonがLexを組み込んだアプリから送られるテキストや録音を用いてLexを改善し、より多くの問い合わせを理解する能力に磨きをかけることを計画していることも書かれている。

このオープン性は、Alexaプラットフォームに対する、Amazonの大きな戦略であり続けている。例えば、Amazonは既に、開発者がAlexaをそれぞれのデバイス(スピーカーや、ベッドサイド時計など)に統合することを可能にするAlexa Voice Servicesをロールアウトしていた。

Amazonがオープンエコシステムを推進している分野は、Alexaのソフトウェアだけではない。同社は今月初めには、そのEchoスピーカーを支える技術を、サードパーティデバイスメーカーも利用できるようにすると発表した。これにはAlexaコマンドを聞き取るためのマイクロフォンアレイや、ウェイクワードを認識する独自ソフトウェア、バックグラウンドノイズの低減、そして大きな部屋の中での反響のキャンセルなどが含まれている。

これらをOEM企業に提供することで、他のメーカーたちも自身のスマート音声認識製品を構築することができる。たとえそれがAmazon自身のEchoスピーカーと競合するとしても。

Amazon Lexに興味のある開発者は、ここから始めることができる。

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(翻訳:Sako)

Alexaの録音内容を警察が聴くことは憲法修正第一条のプライバシー保護に反するとAmazonが主張

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昨年晩く明らかになったように、AmazonのEchoスピーカーが、実は2015年にアーカンソー州で起きた殺人事件の捜査で重要な証拠物件になっていた。そのスマートホームアシスタントの音声の録音を、警察が調べようとしたためだ。しかし今年になってこの巨大テクノロジー企業は反撃に転じ、録音されていたユーザーのコマンドとAlexaの応答は共に、保護されるべき談話だ、と主張した。

先週提出された長大なファイルでAmazonは、これまでユーザーの購入履歴の要請には応じたけれども、Alexaの録音の要請は“憲法修正第一条とプライバシーの原則に抵触するおそれがあるので、裁判所が今回の事案の特別の難度に鑑み、州に対し特段の特例を認めないかぎりは、命令書は廃棄されるべきである”、と主張している。

同社の説明によると、捜査を妨害する意図はないけれども、録音を政府機関の手に渡すことは消費者のプライバシーの権利を冒涜するものである。同社は2010年に同社が関わった裁定を、次のように引用している: “…人が読んだもの、聞いたもの、見たものに対する政府による追跡や検閲の不安があることは、修正第一条の実践を毀損する”。

この場合AmazonとACLUの解釈では、憲法修正第一条が、顧客の記録をノースカロライナ州歳入局に渡すことからAmazonを保護している、となる。

そのファイルでは、Echoはすでにユーザー数がとても多いから、記録の開示が悪い前例となり、Amazon製品にかぎらず、音声を使用する家庭用デバイス全般に対するプライバシーの不安感を多くの人びとに広める〔==営業妨害になる〕、と企業としての主張も展開している。自社製品の宣伝の意図も、ありそうだけれど。

Echoが2015年の殺人事件の重要物件になったのは、その年の11月終わり頃の夜に殺されたアーカンソー州の住民Victor Collinsの、死因等に関する何らかの手がかりが得られるとして、警察がそのデバイスを差し押さえたからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

HealthTapの人工知能ドクターがAlexaをサポート―手が不自由なユーザーに朗報

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Amazon Alaxaからは音声でピザが注文できる。玄関のドアのカギをかけたり外したりできる。これに加えて今日(米国時間2/20)からAlexaのユーザーは(そう望むなら)ヘルスケアのスタートアップ、 HealthTapのオンライン・ドクターから助言を受けることができるようになった。

HealthTapは同社の人工知能を利用した健康アシスタントがAlexaをサポートを発表したと発表した。ユーザーは“Alexa, talk to Dr. AI.”という音声コマンドでHealthTapのAIドクターを呼び出せる。その後Amazonのスマート・スピーカーは医師の診察をシミュレーションした(あくまで補助であって代替するものではないという)フォーマットに従ってユーザーの健康上の問題を聞き取り、助言を与える。

HealthTapによればこのこのAIドクターは「態度が知的であり安心感を与える。ユーザーの質問をダイナミックに処理して自然言語による回答を生成するインターフェイスを備えている」という。さらに緊急性、必要性が高い場合、現実の医師の診察を予約することもできる。

このシステムのターゲットは移動が困難な高齢者、障害者を想定している。Dr. AIはこれまでiPhoneとAndroidアプリから利用可能だったが、Alexaのサポートが追加されたことで、さらにユーザーフレンドリーになった。HealthTapでは特に手の動きが不自由なユーザーにとって利便性が増したとしている。

〔日本版〕HealthTapなどオンライン・ヘルスケアに関してはTechCrunch JapanでもRemedyはKhosla Venturesが支援するAI利用の低料金遠隔医療サービスなどで紹介している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ついに、とうとう、味気ないデザインのAmazon Alexaが歌う魚に変身

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あなたも、世の中の多くの人と同様に、朝起きてAmazon Echoを見るたびに、“おいおいEchoくんよ、ピカピカの円筒形はつまんねーから、歌う魚になったらどうだい?”、と思っているかな?

良いニュースだ。ついに、あなたの夢が実現した。

作者のアーチストBrian KaneがFacebookのプロフィールで、この気品ある歌う魚の短いデモを見せている〔上のビデオ〕。この“Big Mouth Billy Bass”は、2000年代の初めにコマーシャルをさんざん見せられたやつだが、ここではそのゴム製の魚体の中に、Amazonの音声アシスタントを(なんとかして)収めている。

当然、あなたも一つほしいだろう。

でも作者は、その仕組みを明らかにしていない。Raspberry PiがAlexaのAPIを動かしているのか? それともAmazon Echo中身を魚体に詰めただけか? そしてBillyが言葉を発するたびに、彼の電動式筋肉が痙攣するのか? それを明らかにするのは、いまのところ、あなたご自身だ。

〔Flashを無効にしているブラウザーでは上のビデオを再生できません。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon Alexaは2016の大統領選挙戦に関する事実確認もすることができる

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友人たちと大統領選挙に関して議論した際に、ヒートアップしてしまったことはないだろうか?グッドニュースだ:いまやAlexaは2016年の選挙に関して、候補者の主張そのものに対する事実確認(fact check)をすることができる。対象にはクリントンとトランプの発言だけではなく、コメントの内容がチェックされた、他の候補者や政治家のものも含まれている。

この事実確認機能は、新しいスキルによって可能になっている ‐ Amazonの仮想アシスタントのパワーを強化する沢山のアドオン、音声駆動アプリの1つなのだ。この仮想アシスタントは、Amazon Echoスピーカーや、Fire TV、その他のデバイスに搭載されている。

この新しい「 Share the Facts(事実を共有する) 」スキルは、Duke Reporters’ Lab(デュークレポーター研究所:スタンフォード大の1部門)によってもたらされた。同研究所は質問に答えるために、信用のおける既存の事実確認サイトを利用している。例えばWashington Post’s Fact Checker、FactCheck.org、そしてPolitiFactなどが含まれる。

インストール後、スキルを利用するには以下のように言えば良い:「Alexa, ask the fact-checkers…(Alexa、事実確認をお願い…)」そしてあなたの質問を続ける。

同スキルは、討論、キャンペーン広告、その他のインタビュー中で行われた主張を確認することに利用可能だ。

以下に示すのがAlexaに対して訊ねることのできる質問の例だ:

  • “Alexa, ask the fact-checkers did Donald Trump oppose the war in Iraq?”(Alexa、事実確認をお願い。ドナルド・トランプはイラク戦争に反対したの?)
  • “Alexa, ask the fact-checkers was Hillary Clinton right that her email practices were allowed?”(Alexa、事実確認をお願い。ヒラリー・クリントンが主張した、電子メールの使い方は許可されていたという事実は正しかったの?)
  • “Alexa, ask the fact-checkers is it true that 300,000 Floridians have lost their health insurance because of Obamacare?”(Alexa、事実確認をお願い。30万人ものフロリダの住民がオバマケアのせいで健康保険を失ったというのは本当なの?)

このShare the Factsプロジェクトからスピンオフしたスキルは、自然音声認識を利用して質問を分析し、プロによって選別を受けた約2000のチェックデータベースから答を引き出してくる。その結果は、タイムリーで、かつパートナーの事実確認サービスの間でもっとも高い同意が得らているものとなるように、調整されている。

これは、AmazonのAlexaが、大統領キャンペーン中にユーザーを支援してきた唯一の方法ではない。アマゾン自身も最近、特に新しいスキルの追加なしに、ディベートの開催と他の選挙について直接質問することのできる、新しい機能を公開した

例えば、Alexaは有権者に対して、いつディベートがテレビで放映されるかをこれまで答えることができていたし、だれが調査で優位であるかを答えることもできる、そしてこの先はある候補者がどの州で勝ったのかといった質問にも答えられるようになる。

最後の質問は、選挙に関するリアルタイムの情報を伝えるために、Election Day(今年は11月8日)以降にAlexaが答えられるようになる音声コマンドの1つだ。また、誰が優勢なのか、人口の何パーセント票を候補者は得たのか、全体として誰が勝ちつつあるのか、特定の州で勝つと予想されているのは誰か、ある州で集まった票の数は何票か、特定の地域での選挙結果はどうか、あるいは単に「選挙結果は?」と訊ねることもできる。

既に、ユーザーたちは現在進行中の選挙戦とディベートに関する答を求めて、Alexaに向かい始めている。Amazonによれば、例えば水曜日に行われた最後のディベートの間に、「hombre」(スペイン語:「奴」「野郎」といった意味の俗語)に関連した問い合わせが40倍に増えたと言っている。

そして、ユーザーが最も沢山訊ねた2つの質問は、多かった順に次のようなものだ:「Alexa、ディベートの開始時間は?」そして「Alexa、議論に勝ったのは誰?」。

Amazon introduces Amazon Alexa, Echo and the All-New Echo Dot at a product launch in London

Amazonはまた、Alexaのユーザーたちが2016年の選挙に関連して、これまでに何百万もの質問をしていると語った。それらの質問のうちの数十万が、データベースの中身に格納されたものに関係したものだった。そして、ヒラリークリントンに関するものに比べて、ドナルド・トランプに関する質問の数が倍だったことを、Amazonは指摘した。

これはあくまでも個人的な意見だが、Alexaはどちらの陣営の味方もしていない。例えば彼女(Alexa)は、最後のディベートに関しては、どちらも新しい票の増減はなかったようだと答えるだけで、どちらが勝利したのかについては答えない。

一方、どちらに投票するつもりなのかと聞かれたときには – これまでに1万3000回以上聞かれているそうだが – Alexaこのように明るく答えるだけだ:

「雲の中には投票所はありません – 信じて下さいね、私見たんですよ。ここには1と0しかないんです」。

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(翻訳:Sako)

Amazonの新しいFire TV Stickはクアッドコア搭載、Alexa対応のリモコンも付属

firestick

ゆっくりと、しかし着実に、Amazonは音声認識AIソフトウェア「Alexa」の機能を、数ある自社製ハードウェア製品に組み入れつつある。数週間前、Amazonはこの音声アシスタント機能を米国で提供中のTVストリーミング向けハードウェアソリューションに導入すると発表した。ここでいうハードウェアには上位機種のFire TVから、より小型でドングルベースのFire TV Stickなどが含まれる。

Fire TV Stickの新たに発表されたバージョンでは音声認識機能が組み込まれ、「Fire TV Stick with Alexa Voice Remote」という、さらに長くなった新名称での発売となる。このちょっと呼びづらい新バージョンの販売価格は前バージョンから据え置きの40ドルで、音声認識対応のリモコン(以前は単体で30ドルした)が付属している。リモコンからは音声コマンドでアプリの起動、プログラム検索、チャンネル選択などを操作できる。

視聴中のコンテンツがフルにAmazon対応の場合には、Alexa経由で早送りや早戻しも可能だ。またAmazon Echoベースの機能にも対応しているので、ユーザーは天気予報、宅配メニュー、ニュース、映画の上映時間などもソファーでくつろいだまま確認できる。

今回はドングルのハードウェアにもアップグレードが施され、搭載プロセッサはデュアルコアからクアッドコアになった。ソフトウェアのアップデートも年内に予定されており、新デザインのFire UIが登場するという。

米国時間の9月28日から開始した新型Fire TV Stickのプレオーダーは、10月20日に出荷予定となっている。10月末のハロウィン前にTV Stickをゲットしたユーザーには、Sling TV、Hulu、Amazon Videoの65ドル分のコンテンツ無料視聴もプレゼントされるそうだ。

〔編集部〕ちなみにプレオーダー受付開始から1日経った米国時間の9月29日現在、Amazon.comでのFire TV Stickのプレオーダーはすでに「現在在庫切れです」となっている。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website