【先週の話題】アップルが珍しく謝罪、任天堂が自らのイノベーションを再発明


先週のTechCrunchから大きな話題をピックアップして紹介する。

ビッグニュース

Siri、Alexa、Google Assistant、Facebook Mなどはただのデジタルアシスタントではなく、シリコンバレーのAIワークフローの入り口だと暴露する報道が相次いだ。ちなみに「AIワークフロー」とは、ユーザーの質問の意味を理解するために、多くの外部契約者が人力作業を行っているという意味だ。

今週Apple(アップル)は、ユーザーがSiriにリクエストする音声情報の扱い方を全面的に変更し、ユーザーは自分のプライバシーがどう扱われているかを正確にわかるようにする、と発表した。

その大きな変化とは、Siriの録音データをチェックする「グレーディング」と呼ばれる処理にサードパーティー作業者が関与しなくなること、および、ユーザーが明示的にオプトインするプロセスができることだ。Appleは明確に謝罪したが、これはMacBookのキーボードが今も問題ないと思っている会社にとってはかなり異例だ。

こうした状況はいくつかの理由で非常に重要だ。第一に、Appleが消費者のプライバシーを重視する態度を明確に示したことで、他のIT巨人らも追随する可能性がある。第二に、Appleの消費者向けデジタルアシスタントは最低水準にあり、Siriは明らかにAlexaやGoogle Assistantより劣っているので、今回の変化で受けるダメージは大きく、自社技術を改善するためのデータが減ることを意味している。

一連の失敗は、特別ひどいものではなく、扱っていたのは名目上ユーザーにつながりのないデータではあるが、オーディオデータの扱いをもう少し慎重ですべきだったことは間違いない。The Guardianなどの報道が、業界のこうした「一般的」慣行を暴露したことが良い変化をもたらしたと思われる。
関連記事:アップルはSiriの音声クリップのレビュー方法を抜本的に見直しへ

Nintendo Switch Lite

今週のトレンド

大きな会社の大きなニュースをいくつか紹介する。リンク先に詳しい記事がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneハッキングは中国政府によるウイグルのムスリム攻撃の疑い

この2年半、iPhoneをハッキングするために多数の多数の悪意あるウェブサイトが作られてきたと Googleが発表したことをTechCrunchは先週報じた。

この問題に詳しい情報源はこうしたサイトの一部はウイグルのムスリムをターゲットとしており、国家的背景があったと考えていることをTechchCrunchはつかんだ。おそらくは新疆ウイグル自治区のムスリムコミュニティに対する中国政府の攻撃の一環だという。

そうであれば、近年繰り返されてきた中国政府によるムスリムマイノリティ迫害の新たな例だ。国連人権理事会が「ウイグルで100万人以上のムスリム住民が不当に拘束されている」として北京政府に強く抗議したことを先週 WSJが報じたところだ。

iPhoneをハッキングするための悪意あるサイトを発見したのはGoogleのセキュリティ専門家だが、これまで誰をターゲットとしているのか明らかでなかった。

Googleが発見したサイトは訪問してページを開くだけでサーバーが訪問者のデバイスをハッキングし、ユーザーの活動をモニタリングを行うマルウェアを埋め込むブービートラップ式攻撃を行うという。ひとたび感染するとiPhoneのソフトウェアに無制限のアクセスが可能となり、攻撃者はユーザーのメッセージ、パスワード、位置情報などをほとんどリアルタイムで知ることができるようになる。

この攻撃を可能にしたiOSの脆弱性についてGoogleがAppleに密かに警告したため、 同社はiOS 12.1.4のアップデートで修正したという。この攻撃が行われたのは今年2月だったが、明らかになったのは先週だ。

こうした悪意あるウェブサイトへの訪問者は「少なくとも2年間にわたって毎週数千人いた」とGoogleは述べている

米国時間9月1日、Forbes(フォーブス)も我々の記事を受けて、 このハッキングの事実を確認した。iPhoneだけでなく、AndroidやWindowsのユーザーもターゲットだったという。この攻撃は当初Googleが発表したよりはるかに広範にウイグルの住民をターゲットとしたものとフォーブスの記事は示唆している。

被害者は悪意あるサイトへのリンクを開くよう誘い込まれる。サイトがユーザーのデバイスに読み込まれるとマルウェアに感染してしまう。これはスパイウェアを仕込むためによく用いられるテクニックだ。

TechCrunchが取材した情報源によれば、マルウェアを含むサイトはGoogleにインデクシングされるため、ウイグル住民だけでなく、Google検索から偶然サイトを開いたユーザーのデバイスにも感染するという。このためFBIはGoogleにこうした悪意あるサイトを検索結果の表示から削除するよう要請した。

Googleの広報担当者は公表された事実以上のコメントを避けた。 FBIの広報も報道に対して「肯定も否定もしない」方針だと述べた。

これらのサイトは訪問しただけで無差別にユーザーが被害を受ける「ウォーターホール攻撃」であるため危険度が高かった。ブログ記事を公開した後、Googleは「なぜサイト名などの詳細を発表しなかったのか?」と一部から批判された。またGoogleはこの攻撃を行った容疑者についても沈黙している。

Appleはこの件についてコメントを避けた。ニューヨーク市の中国領事館に対してメールでコメントを求めたがこれにも回答がない。

アップデート:フォーブスの記事を受けて関連する部分を補足した。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国の新たな対中国追加関税でアップル製品も影響

何百もの生活雑貨や、一連のApple(アップル)プロダクトを含む消費者向けテック商品が対象となる、中国製品への新たな15%追加関税が米国時間9月1日深夜に発動する。

中国との貿易戦争の一環としてドナルド・トランプ大統領が発動したこの関税は米国時間8月30日に米国の官報に掲載された。

時価総額で米国最大のテック企業であるAppleの製品は、組み立てをFoxconn(フォックスコン、鴻海精密工業)が中国で行い、世界中に出荷している。 AirPods、Apple Watch、Apple Watchバンド、Homepodはすべて9月1日発動の追加関税の対象となる。今回の追加関税ではiPhoneは影響は受けない見通しだが、12月15日からの追加関税の対象となるかもしれない。

中国で最終組立を行うテック企業として、Appleだけが今回の関税で影響を受けるわけではない。テレビ、スピーカー、デジカメ、リチウムイオン電池、フラッシュドライブも、9月1日に発動する15%追加関税の対象となる消費者向けプロダクトの中に入っている。しかしさらなる関税はライバルのSamsung(サムスン)にとっては有利に働く。

新たな追加関税は、AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏がトランプ大統領と会い、関税では同社にとって最大のライバルであるサムスンが恩恵を受けると語ってから、わずか数週間後に発動することになる。

15%の追加関税は、中国からの輸入3000億ドルぶんんを対象とするとしていた当初よりも少ない、1120億ドルぶんに課せられる。先週、米通商代表部はいくつかのプロダクトについては追加関税を12月15日まで延期したり、一部の製品を対象から外したりすなど、当初のリストを修正した。

対象は減ったものの、それでも中国から製品を輸入している企業にとって影響は大きい。15%追加関税の対象となる製品のリストは122ページにもおよぶ。最終的にはこの痛み、つまり価格の上昇は消費者に回ってくる。

Appleは自社製品を値上げするかどうか語っていない。JP MorganのアナリストはAppleがコストを吸収すると予想している。

Consumer Tech Associationによると、関税の影響はすでに出ている。中国に対するスーパー301号(米国の包括通商法の条項のひとつ、不公正な貿易への対処、報復を目的とする)により、2018年7月以来、5G関連プロダクトの10億ドルを含め、消費者テック産業に100億ドルものコストが生じている。

累計で、米国の消費者は貿易戦争が始まった2018年から今年7月にかけて270億ドルも余計に輸入関税を払った。米情報技術工業協議会(ITI)の国勢調査によると、その大半が米中貿易戦争によるものだ。

2500億ドルぶんの製品を対象とする30%の追加関税は10月1日に発動する見通しだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

悪質ウェブサイトを利用して数年間もiPhoneが秘かにハックされていたことが判明

Googleのセキュリティ研究者たちは、ユーザーが訪問すると、これまで公表されていなかったソフトウェアの欠陥を悪用してユーザーのiPhoneをこっそりハックする悪質なウェブサイトを複数見つけた。

GoogleのProject Zeroが米国時間8月29日の午後発表したブログ記事によると、それらのウェブサイトはこれまで何も知らぬ被害者たちが毎週何千人も訪れて「無差別攻撃」にやられている。

Project Zeroのセキュリティ研究家Ian Beer(イアン・ビア)氏は「ただそのサイトを訪れるだけで、悪者サーバーが訪問者のデバイスを攻撃し、攻撃に成功したらモニタリングを行うプログラム片を埋め込む」とコメントしている。

彼によると、それらのウェブサイトはこれまで「少なくとも2年以上」iPhoneをハッキングしていた。

研究者たちが見つけた悪行の連鎖は5種類あり、それらは12のセキュリティ欠陥を利用していた。そのうち7つは、iPhone内蔵のウェブブラウザーであるSafariと関係があった。その5種類の攻撃連鎖により犯人は、最高のアクセスと特権のレベルである「root」アクセスを入手した。そうすると犯人は、一般ユーザーには近づけない特殊な機能にもすべてアクセスできるようになり、悪質なアプリをインストールして、所有者への通知も同意もないままiPhoneを制御できた。

Googleの分析によると、アプリのセキュリティ欠陥、いわゆる脆弱性を利用して犯人は、ユーザーの写真やメッセージを盗み、ユーザーの位置をほぼリアルタイムで追跡できた。その埋め込まれた悪質なプログラムは、デバイス上にユーザーが保存しているパスワードのリストにもアクセスできた。

実害があったのはiOS 10から現在のiOS 12までのバージョンだ。

Googleは2月にAppleにこの脆弱性を教え、被害がひどく、しかも長期にわたっているから、できるだけ短期間で修復しユーザーにアップデートを提供すべきだと推奨した。通常この種の被害ではソフトウェアデベロッパーに90日間の猶予が与えられるが、Appleは事態が深刻なため1週間という期限を設けた。

そしてAppleは6日後に、iPhone 5sとiPad Air以降のiOS 12.1.4のアップデートを発行した。

ビア氏によると、今現在、別のハッキング作戦が展開されていることもありえる。

iPhoneとiPadのメーカーは、セキュリティとプライバシーに関してきれいな話ばかりしてきた。最近ではiPhoneのroot特権を密かに奪うようなバグの発見者への報奨金を100万ドルに増額した。年内に発効するこの新しい報奨金ルールによると、Googleはさしずめ数百万ドルぐらいもらえるかもしれない。

Appleのスポークスパーソンはまだコメントをくれない。

関連記事:アップルがバグ報奨金プログラムを拡大し最大1億円に

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アップルが他社店舗での純正パーツ取り扱いを拡大

Apple(アップル)は、保証期間外のiPhoneの修理を容易にする新しいプログラムを発表した。Appleの正規サービスプロバイダに加えて、外部のサードパーティー修理業者も公式の修理部品やツールを利用できるようになる。

現在、iPhoneの画面や他の部分が壊れた時には3つの選択肢がある。たとえばApple直営店に行って、Appleの従業員にiPhoneを預ける。あるいは正規店(米国ならBest Buy店舗など)にいけば、iPhoneはApple認定の技術者によって修理される。または、普通の修理店にいくこともできる。

正規サービスプロバイダは、もちろん公式の部品やツールにアクセスできる。またiPhoneが保証期間内であれば無料で修理が受けられ、Appleは正規の修理店に修理代金を支払う。

しかし今日までは、正規の修理店でなければ正規の部品は手に入らなかった。これにより、公式パーツと同等に動作しない部品が使われ、さまざまな状況が発生する可能性があった。

しかし本日から米国内の修理店は、新しい修理プログラムにアクセスするための無料のオンライン認定を受けることができる。そして認定されれば、純正部品や工具を購入できる。また、認定修理ショップと同じ修理マニュアルおよび診断にアクセスできる。

Appleは、この新しいプログラムを今後さらに多くの国に拡大するつもりだ。同社はすでに北米、欧州、アジアの20店舗で、このプログラムのテストを進めている。

これは全体的な修理の品質を向上させることから、消費者にとっては素晴らしいニュースだ。Appleは基本的に、公式パーツを入手するための障壁を低くすることになる。

デバイスが確実に純正部品を使用して修理されている、あるいはまだ保証期間内の場合には、正規の修理店またはApple直営店にいくのがベストだ。サードパーティーの修理業者が、本物の部品を使っているかどうかを判断するのは難しい。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルがiPhoneイベント告知、新モデルは9月10日に発表へ

次の大きなApple(アップル)イベントの招待状が報道関係者に届き、うわさどおり9月10日に開かれる。Appleの新しいクパチーノ・キャンパスのSteve Jobs Theater(スティーブ・ジョブズシアター)で開催されるこのイベントの招待状には「by innovation only」とある。会場は比較的小さい。

招待状には、淡いパステルの色合いながら、1980年代のAppleロゴへのマルチカラーオマージュが載っていて、これはカラフルな新ハードウェアに採用されるかもしれない。

イベントの中心となるのは、もちろんiPhone 11だ。うわさでは、スタンダードのiPhone 11(iPhone XRに代わるもの)、それからiPhone XSとiPhone XS Maxに代わる2つのiPhone 11 Proモデルの計3タイプが用意されるようだ。このスキームは、同業他社と同じようにスマホ販売減少に取っ組み合っているAppleにとって、新たなアプローチとなりそうだ。

これまでよりも価格を抑えたフラッグシップモデルの提供で、Appleは常に1000ドルを超えるハイエンドなモデルの価格上昇に嫌気がさしている消費者にアピールできるかもしれない。また、世界のスマホ売上の第1位と第2位である中国とインドのような重要なマーケットで有利な展開が期待できそうだ。

ウルトラワイドレンズなどを含むトリプルカメラ、 A13チップ、Samsung(サムスン)のGalaxyシリーズ風のワイヤレスパワーシェアリング(これは最新のAirPodsにも使えるだろう)など、次期iPhoneには多くの新機能が搭載されるとうわさされてきた。今回の発表はクリスマス商戦前としては最後の大きなハードウェア面での動きとなり、もちろんiPhone以外の発表もたくさんあるだろう。

私はこの記事を書き終え次第、すぐにイベント出席の返事を出すつもりだ。それでは、9月10日午前10時きっかりにクパチーノで。

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(翻訳:Mizoguchi)

トップチャートに入るには?ダウンロード数で見るストアアプリ人気の国際的傾向

Apple(アップル)は、2017年秋のApp Storeの大きなリニューアル以降、消費者の注目を、トップチャートからお勧めのコンテンツに移そうとしてきた。しかし、アプリのデベロッパーは、相変わらずNo.1になることを目指している。アプリストアの調査会社、Sensor Towerによる新たな調査結果によれば、ここ数年で、ゲーム以外のアプリについては、ランキングトップになることが以前よりも易しくなっているように見える。

具体的に言うと、米国のiPhoneのApp Storeでは、ゲーム以外のアプリが1位になるのに必要な1日のダウンロード数の中央値は、2018年の間に13万6000から9万へと約34%減少した。その後、今年になってからは、それが9万4000となり4%ほど増加している。

同時期に、米国のApp Storeでのゲーム以外のアプリのインストール数は、2016年の第1四半期から2019年の第1四半期の間に33%増加している。

こうしたSensor Towerによる調査結果を見れば、米国市場では、上位のソーシャルアプリやメッセージングアプリは、すでに飽和状態になっていることがわかる。FacebookやMessengerのダウンロード数は、むしろ徐々に減り続けているのだ。さらに、SnapchatやBitmojiが、2016年から2017年にかけて達成したのと同じレベルの成功を収めたアプリは他にないことも、そのレポートが示している。

例えばMessengerは、2016年11月に米国のApp Storeでの1カ月間のインストール件数が500万に達した。BitmojiとSnapchatは、それぞれ2016年8月と2017年3月に、やはり500万件のインストールを達成している。そして2017年3月以降、ゲーム以外のアプリが、1か月で350万件のインストールを超えたことはない。

一方、Google Playで1位を獲得するために必要なダウンロード数の減少は、さらに大きなものだった。ゲーム以外の上位アプリの1日あたりのダウンロード数の中央値は、2016年の20万9000件から、2019年のこれまでの7万4000件へと、65%も減少している。

やはりGoogle Playでも、Messenger、Facebook、Snapchat、Pandora、Instagramなど、トップアプリのインストール数は減少した。例えば、Messengerの年間インストール数は、2016年には約8000万件もあったが、2018年には2600万件へと68%減少している。

ゲームの場合

ただし、モバイルゲームに関しては2つのアプリストアで状況が異なっている。

AppleのApp Storeの場合、2019年にはゲームのランキングのトップに達するには、1日のダウンロード数が17万4000件必要となっている。これは、ゲーム以外のアプリがチャートのトップに達するのに必要な9万4000件より85%も多い。

Sensor Towerによれば、この数字は、2016年にチャートのトップに立つために必要だった1日のダウロード数の中央値、11万8000件よりも47%多くなっている。

ある部分では、このような傾向は、ハイパーカジュアルゲームの台頭によるもの。2019年になってから今日まで、米国のApp Storeで1位になったゲームは28本ある。その中で、4本を除く残りすべてが、ハイパーカジュアルゲームなのだ。そしてその4本のうち、1日以上に渡ってチャートのトップに留まったのは「ハリー・ポッター:魔法同盟」だけ。その一方で、「aquapark.io」や「Color Bump 3D」といったハイパーカジュアルゲームは、それぞれ1位を25日と30日の間維持している。

Google Playの場合、1位を獲得するための1日あたりのインストール数の中央値は、2017年には7万件だったものが、2019年のこれまでのところでは11万6000件に増加している。上げ幅は66%だ。ただし、ゲーム全体のダウンロード数は、2017年第1四半期には6億4600万件だったものが、2019年第1四半期には5億4400万件になり16%減少している。

やはり同じように、今年トップの座を獲得した23本のゲームのうち、21本がハイパーカジュアルのタイトルだった。たとえば「Words Story」や「Traffic Run!」のようなものだ。

トップ10に入るには

ここ数年の傾向として、ゲーム以外のアプリがチャートのトップに立つことは、だんだん容易になってきているものの、逆にトップ10に入るのは難しくなっている。ゲーム以外の無料アプリで10位になるために必要な1日のダウンロード数の中央値は、米国のApp Storeで2016年には4万4000件だったが2019年には4万9000件になり11%の増加が見られる。

一方のGoogle Playでは、ゲーム以外のアプリが10位になるための1日のインストール数の中央値は、2016年の5万5000件から、2019年には3万1000件と50%近くも減少している。

ゲームの場合、まずApp Storeでは10位になるための1日あたりのインストール数の中央値は、2016年の2万5000件が2019年のこれまででは4万3000件になり72%も増加している。これがGoogle Playでは、2万7000件から3万4000件へと26%の増加にとどまる。

トップ10に入るのが難しいカテゴリ

トップ10に入る難しさをカテゴリ別に見てみると、App Storeでは「写真/ビデオ」がもっとも敷居が高い。このカテゴリには、YouTube、Instagram、TikTok、さらにSnapchatなどが常駐していることもあり、10位に入るだけでも、1日のダウンロード数の中央値が1万6000を超える必要がある。

その次が「ショッピング」で、10位のアプリのダウンロード数が1万5300、さらに「ソーシャルネットワーキング」の同1万4500、「エンターテインメント」の同1万2600、「仕事効率化」の同1万2400と続く。

一方のGoogle Playでは、Hulu、Netflix、Bitmojiなどが入る「エンタメ」カテゴリでは、米国で10位に入るためには1日あたり約1万7100件のインストールが必要となる。これに続くのが、「ショッピング」の1万800件、「ソーシャルネットワーク」の9100件、「音楽&オーディオ」の8200件、そして「ファイナンス」の8000件となっている。

米国以外では

米国以外の市場にも目を向けてみよう。ゲーム以外のアプリでは、中国のApp Storeでトップ10に入るためには、約9万1000のダウンロードが必要となる。これは、米国でトップ10に入るために必要な4万9000よりもずっと多い。 ただしゲームに関しては、トップ10に入るのは、米国がもっとも難しく、1日あたりのダウンロードの中央値で4万3000が必要となっている。

Google Playの場合には、トップ10に入るのに最もハードルが高い国はインドだ。一般のアプリでは、1日あたり25万6000件、ゲームでは11万7000件のダウンロードを必要とする。

もちろん、App Storeのランキングのアルゴリズムは、アプリのダウンロード数のみに依存しているわけではない。Google Playでもそれは同様だ。Appleでは、ドキュメント化されているわけではないものの、ダウンロード数とともに増加の速度を考慮しているようだ。Google Playでも似たような方式だと考えられる。

しかし最近では、デベロッパーはチャートのトップになるよりも、ストアの検索結果で上位に表示されることを目指している。そのためには、ダウンロード数以外にも、かなり多くの要素が絡んでくる。例えば、キーワード、説明、ユーザーのエンゲージメント、アプリの品質、その他多くの要因を考慮しなければならない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

スマートフォンの売上がまた減ったけどもう誰も驚かない

これはもう、あなたにとってニュースではないかもしれない。スマートフォンの売上が減少した。再び。調査会社Gartner(ガートナー)によると、何年間も成長を続けたスマートフォン市場の最近の落ち込みが2019年第2四半期にも続いた。

前年同期比で減少率は1.7%だから、微々たる量に見えるが、でもメーカー全体としては3億7400万台から3億6800万台への減少だから、悪夢は続いている。最大の被害者は前と同じく高級機で、高価格と更新サイクルの長期化と強力な新機能の欠如がこれまでと同じく減少に貢献している。

世界の5大市場では、中国とブラジルだけが増加している。しかし中国の増加率0.5%には市場を上向きに転ずるほどの力はない。興味深いのは、中国で増加した理由はメーカーがそれまでの旗艦機を引っ込めて5Gモデルを売り込んだからだというのがGartnerの説だ。それなら、市場に5G機がさらに増えて5G対応キャリアも増える近未来には売上が増える、ということか。

中国に次ぐ世界第2の市場であるインドでは、一般消費者のフィーチャーフォンからスマートフォンへの乗り換えが一段落したため、前年同期比で2.3%落ち込んだ。Gartnerは、年内はこの軟調が続くと見ている。

Apple(アップル)も減少が続いているが、前の四半期ほどの大きな落ち込みではない。やや明るかったのが(Samsung(サムスン)とHuawei(ファーウェイ)だ。サムスンの成長を引っ張ったのは主にミッドレンジ機と、エントリーレベル(入門機)のAシリーズだ。一方ファーウェイは、米国市場締め出しの一時的執行猶予により、今四半期の売上がやや伸びた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルからiOS 13.1ベータを配布、安定版リリースは間近

Apple(アップル)は6月のiOS 13プレビュー版の発表以後、最初のアップデートを行った。米国時間8月27日、iOSとiPadOSのデベロッパー向けベータである 13.1がそれぞれリリースされた。

この動きは実は少々意外だった。通常Appleはメジャーアップデート(13.0)を行う前にマイナーアップデート(.1)をリリースすることはしないからだ。 さらにAppleは今回watchOS 6.0、tvOS 13.0のベータを同時にリリースした。

さっきAppleが投稿したのが最初のiOS 13.1ベータなのかな?

そこで考えられるのはiOS 13.0はすでに十分な完成度となっているということだ。 AppleはiOSの新しいメジャーバージョンをリリースして数日後に大がかりなプレスイベントで新しいiPhoneを発表してきた。今年の場合、このプレスイベントは9月上旬に実施されるはずだ。iOS 13.0のリリースは予想より早まるかもしれない。

Appleは初期のiOS 13でいくつかマイナーな機能を落としていた。MacRumorsが発見したところによれば、プレビューで落とされた機能の多くがiOS 13.1ベータに追加されているという。これにはショートカットオートメーションやAppleマップの到着時間推定機能などが含まれる。

つまりAppleでは13.0をできるかぎり安定したプロダクトとしたいと考えているのだろう。そのためにはいくつかの機能は少し後回しになってもいいということらしい。

WWDCでAppleが「これこれがiOS 13にやってくる!」と発表したのは、 「13」にやって来るということで「13.0」に全部がやって来ることを意味しない。これは覚えておく必要がある。

正直言って、どんな新機能が搭載されるのかいち早く知るのは好きだが、販売戦略の上から生煮えの新機能を使わせられるのはゴメンだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

AppleがiPhoneの「脱獄」を可能にするセキュリティー欠陥を再度修正

Appleは、最近のソフトウェアアップデートで誤って古いバグを再発させた後、二度目のセキュリティー修正を公開した。

米国時間8/26に公開されたiOS 12.4.1には、数ヶ月前にiOS 12.3で一度修正したセキュリティー欠陥の修正が含まれている。Appleは5月に修正を施したが、7月のiOS 12.4アップデートで前回の修正を無効化した。

Appleはソフトウェアアップデート公開後に短いセキュリティーノートを発行し、iPhoneまたはiPadでアタッカーが最高レベルの権限でコードを実行できるカーネルの脆弱性を修正したことを伝えた。

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AppleのiOS 12.4.1に関するセキュリティー通知

これはシステム権限またはroot権限とも呼ばれるもので、Appleの厳格なルールのもとでは通常許されていないアプリを実行できるようになる。Jailbreak(ジェイルブレイク)として知られるこの方法を用いると、端末の通常なら触れられない部分にアクセスできる。これは、ユーザーが端末にさまざまなカスタマイズを施せるようになる一方で、端末をマルウェアやスパイウェアなどの悪意あるソフトウェアに露呈する危険もある。

スパイウェアはしばしば、公表されていないJaibreak方法を利用してユーザーのメッセージを読んだり、位置を追跡したり、通話を盗聴したりする。一部の国民国家はモバイルスパイウェアの開発者を雇い、アクティビストや反体制派やジャーナリストの端末に遠隔からマルウェアをインストールしていると言われている。報道によると、サウジ政権の工作員に殺害されたと言われているワシントン・ポスト紙のジャマル・カショギ記者は、モバイルスパイウェアの標的にされていたと信じられている。スパイウェアを提供したと疑われているイスラエル企業のNSO Groupは本件への関与を否定している。

Appleはセキュリティー通知で、先週Jailbreakが再度可能になったことを確認したPwn20wndへの謝辞を載せている。

これと同じカネール脆弱性は、macOS 10.14.6の追加アップデートで修正された。

【関連記事】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

来月、Appleはカメラ3台のiPhone Proを投入、16インチMacBook Pro、新AirPodsなども

Apple(アップル)は恒例の秋の新モデル発表イベントに向けて準備を進めている。われわれにつかんだ情報では9月10日だということだが、まだ正式な発表はない。Bloomberg(ブルームバーグ)は今年のイベントでAppleがお披露目するハードウェアのプレビュー記事を掲載した。

既存のiPhoneに新モデルが登場するのは当然だが、XSの後継機種はiPhone Proとなる。このモデルではメインカメラが3台となり、広角レンズが追加される。スタンダーモデルではiPhone XRがリニューアルされ、2台目の光学ズーム機能つきカメラが追加される。内容はTechCrunch記事に準じており、我々の推測が裏付けられたかっこうだ。

iPhone Proにはカメラ以外にも多数のアップデートが投入されるが、外観はメインカメラ部分を除けば現行XSとほとんど変わりない。Qi規格ワイヤレス充電がサポートされるため、その規格のケースに入っていればAirPodsのワイヤレス充電も可能になる。出先で長時間AirPodsを利用する場合たいへん便利だ。

iPhoneといえばゴージャスな光沢感が特徴だが、新しくマットフィニッシュのモデルも出るようだ。Face IDは認識される角度が広がる。また防水性能も「飛躍的にアップ」するということだ。またガラスの傷耐性も改善される。

来月のイベントで発表されるかどうかはまだわからないが、Appleは今年の16インチ以上のディスプレイを搭載するMacBook Proを投入する。Bloombergによれば、ディスプレイの大型化にもかかわらず新型のベゼルにより全体のサイズは現行15インチモデルとほぼ同様だという。また防水性能が強化され、ノイズキャンセル機能が追加された現行モデルより価格帯が高い新型AirPodsが準備されている。

iPadに関しては今年AppleはiPad Proをカメラやパフォーマンスなどの点でフレッシュアップするはずだが、基本的な外観、能力は変わらないはずだ。エントリーモデルのiPadは9.7インチから10.2インチにディスプレイが大型化される。こちらもベゼルのスリム化とハードのホームボタンの廃止によってフォームファクターは変化しないだろう。ただしBloombergの記事にはこの点についての解説はない。

Apple Watchもアップデートされる。昨年発表されたケースのデザインは変わらないが、新しい素材、フィニッシュが用意される。watchOS 6のアップデートでチタンとセラミックのケースが導入されるはずだ。

apple watch titanium ceramci

今後予定されている他のアップデートには、メインカメラの3D化や5Gのサポートが含まれる。来年はHomePodスピーカーも後継機が出るはず。サイズも小さくなり、何より価格が現在の300ドルから大きく値下げされるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

カザフスタン政府によるブラウザー閲覧盗聴行為をGoogleとMozillaが共同でブロック

Google(グーグル)とMozilla(モジラ)が珍しくも協力して、カザフスタン政府が発行した信頼できない証明をブロックしている。その証明発行行為を批判する人たちによると、政府は国民のインターネットトラフィックを監視する取り組みの一環として、一般市民にその証明のインストールを強制している。

2つのブラウザーメーカーは米国時間8月21日の共同声明で、政府が発行した証明をブロックするための「技術的ソリューション」を適用したと表明している。

国民監視政策の一環として、一般市民が自分のコンピューターやデバイスに政府発行の証明をインストールするよう命じられた。インストールすると、そのデバイス上のネットワークトラフィックに政府がrootアクセスできるようになり、政府が一般市民のインターネット閲覧行為を傍受し、盗聴・盗視ができる。

研究者たちは、実際にモニタされているサイトがFacebookやTwitter、Googleなどごくわずかであることを見つけた。

カザフスタン政府は、彼らが「システムテスト」と称するものを中止し、その証明を削除してもよい、と言っているが、しかしGoogleとMozillaによれば、彼らの技術的ソリューションは証明がインストールされていてもデータの傍受などを不能にする。

Mozillaのセキュリティ担当上級ディレクターであるMarshall Erwin(マーシャル・アーウィン)氏は、「我々はこれを軽い気持ちでやっているのではない」と言う。そしてGoogleのブラウザー担当チーフParisa Tabriz(パリサ・タブリッツ)氏は、「Chromeのユーザーのデータを危険にさらす試みは、誰がやろうとも、たとえ政府の行為であっても、絶対に許さない」とコメントしている。

Apple(アップル)のスポークスパーソンによると、「その証明が信用されないようSafariに手を加えたので、現在ユーザーはこの問題から保護されている」そうだ

その悪質な証明に対するMozillaらのブロックは、ユーザーのアクションを必要とせず、不可視の状態で有効になる。

カザフスタンの人口は1800万人だ。研究者たちによると、インターネットのトラフィックを傍受しようとする政府の取り組みは、この国最大のインターネットプロバイダーを通るインターネット接続のごく一部にしか及んでいない。

中央アジアに位置するこの国は、インターネットの自由のランキングでずっと下のほうにいる。監視団体のFreedom Houseが作ったそのリストによると、同国よりもランクが低いのはロシアとイランのみである。

ニューヨークのカザフスタン領事館のスポークスパーソンは、コメントの要求に応じなかった。

関連記事:Mozillaは悪名漂うUAEDarkMatterHTTPSの証明提供者として否認

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple Cardは革とデニムが大敵と判明

ルールその1。光に当てるのをできるだけ避けること。特に日光は危険だ。強い光に長い間当てると死んでしまう。その2、水を与えてはいけない。その3のルールが最も重要だ。何があろうと夜中を過ぎたら食べ物を与えてはいけない。これは絶対に守る必要がある。なぜなら夜中すぎに餌を与えると…。

というのは、映画「グレムリン」に登場する架空の生き物「モグワイ」の話だったが、Apple(アップル)が発した警告によれば、チタニウムに特殊コーティングを施した美しいApple Card革とデニムが大敵だという。「このような素材と接触するとカード表面が着色され、色が落ちなくなる」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Shazamのデータを活用したチャートがApple Musicに登場

Apple(アップル)は、2018年に4億ドル(約425億円)で買収した音楽認識アプリのShazamを活用している。今月前半にアップルが公式に開始した「Apple Music for Artists」ダッシュボードには、Shazamのデータに基づく分析が使われている。米国時間8月20日には、Shazamのデータを利用したApple Musicの新しいチャート「Shazamディスカバリー Top 50」を公開した。

このチャートには毎週、世界中のShazamのデータをもとに、注目アーティストのヒットしつつある曲、トップ50がフィーチャーされる。

Shazamアプリはこれまでに10億回ダウンロードされ、鳴っている曲が何かを調べるために世界中のユーザーが1日に2000万回、ボタンをタップしている。このデータを使って、ブレイクしそうな曲が選ばれる。

これは、これまでの音楽チャートとは異なる指標だ。ダウンロード、購入、ストリーミングの数を参照するのではなく、これから来そうなアーティストを見つけ出そうとしている。

ただし、このチャートに含まれる曲が、その曲のライフサイクルのどの時点にあるかは、おそらくまちまちだ。大半は新しいアーティストだろうが、すでに大ヒットした曲が何らかの理由で含まれるかもしれない。このチャートにランクインする曲は、Shazamのチャートで動きが速いパターンである、急激に伸びている、着実に伸びている、ある地域で伸びているなどの特徴を示していると思われる。あるいは、これらのすべてに当てはまるかもしれない。

この新しいチャートには、米国をはじめとする10数カ国の傾向に基づいて曲が選ばれる。

Shazamが音楽チャートに進出するのはこれが初めてではない。現在、Shazamのサイトでは、米国やその他の一部の国のディスカバリーチャート10曲に加え、米国や日本など、そして世界のトップ200も公開されている。

Apple Musicの「ディスカバリー Top 50」は、今のところShazamのサイトのディスカバリーチャートとは一致していない。これは更新のタイミングによるのかもしれない。

この新しいチャートから、アップルがShazamを社内に取り込んだ理由がうかがえる。曲を認識するテクニックではなく、音楽のトレンドを知るためのデータを取得したかったのだろう。これはアップルがSpotifyと戦うための新たな手段になる。Spotifyは2017年にベータ版として独自のアーティストダッシュボードを公開し、アーティストやミュージシャンに有益な考察を提供して他社と差をつけていた。

Apple MusicのShazamのチャートは「見つける」タブに表示されていることもあるが、「Shazam」で検索して見つけることもできる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

期待の新クレカApple Cardが米国でスタート、Appleからの購入は3%キャッシュバック

米国時間8月20日、Apple(アップル)はしばらく前から情報が流れていた新しいクレジットカード、Apple Cardをローンチしたことを発表した。対象は 当面米国在住のiPhoneユーザーとなる。

Apple Cardの申し込みはiPhone上のWalletアプリから行う。Apple Cardはオンラインの申し込みが完了するとすぐにApple Payで支払いに利用できる。チタン製の物理的カードが届くのを待つ必要はない。

支払い処理はGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とMastercard(マスターカード)が担う。Apple CardはMastercardが利用できる場所ならどこでも、通常のクレジットカードとしても、Apple Payの支払い手段としても利用できる。カード利用でポイントを付与するサービスはユーザーに人気があるが、Apple Cardの場合はポイントではなくストレートなキャッシュバックとなる。これはApple Payを利用するユーザーに特に魅力的だ。Apple Pay以外の支払いでは1%であるのに対し、Apple Payを利用した場合は2%のキャッシュバックが与えられる。

さらにAppleから各種のプロダクトを購入した場合3%のキャッシュバックがつく。Appleで高額のショッピングする予定があれば誰でも加入したくなるだろう。

キャッシュバックはApple Cashのアカウントに振り込まれるが、Apple Cashに登録していない、ないし利用したくないユーザーの場合、Apple Cardのアカウントに月単位で記帳される。

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Apple Cardは利率、手数料についても透明性が高い。年会費、キャッシング・サービス、限度額超過利用、支払い遅延などにかかる費用はべてゼロだ。 分割払利息のAPR(年率)はユーザーの信用状態によって12.99%から23.99%までとなる。ユーザーに請求される手数料、利息はアプリの計算シートに色つきで表示されるのでわかりやすい。

たとえば、レストランで支払いをするとiPhone上のカードはオレンジ色になる。映画その他エンターテインメントの支払いはオレンジとピンクになる。

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Apple Cardの大きな特徴はiPhoneに統合され、その能力をフルに生かせる点だ。

WalletやApple Cashと同期できるのはもちろんだが、 ユーザーはiMessageを通じてサポートを受けることができ、カードを利用した場所をマップ上にピンポイントで表示できる。

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一般公開に先だって一部のユーザーはApple Cardを試用していたが、本日のローンチで3%のキャッシュバックがApple自身のプロダクト以外にも拡大されることが発表された。

Appleでは3%のキャッシュバックをUberとUber Eatsにも適用するとしている。また3%キャッシュバックを受けるマーチャントの範囲は今後さらに拡大されるという。またApple Payは近くUber Cashと同様にUberの支払いにも利用できるようになる。

ただしチタン製の物理的カードを利用した場合のキャッシュバックは1%だ。

Appleではプライバシー保護が強力であることもこのカードのメリットの1つだとしている。 Apple自身はユーザーがどこでショッピングしたかを知らず、Goldman Sachsもデータをマーケティングや広告などの目的でサードパーティと共有し、あるいは販売することはない。

物理的カードの表面にはカード番号などの情報が一切印刷されていない。情報は磁気ストライプに格納され、アプリを通してのみアクセスできる。カード利用の際にサインも必要ない。

Apple Cardは当面iPhone 6(iOS 12.4)以降を所有する米国在住ユーザー向けに発行される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

トランプ大統領とティム・クックCEOが関税で再び会談

8月15日の夜、トランプ大統領はApple(アップル)について再びツイートした。しかし今回は少し前向きな内容だった。会談に先立ち、大統領は「アップルのティム・クックと今夜一緒に食事する」と書いた。「彼らは米国に巨額投資するだろう。素晴らしい!」。

2人は、ニュージャージー州ベドミンスターにある大統領のゴルフクラブで夕食をとった。8月18日、大統領はクラブで10日過ごした後に、集まっていた少数の記者にクック氏との会談の内容を明らかにした。「ティム・クックといい話し合いができた。ティムは関税について話した。『アップルにとってサムスンが最大の競争相手であり、サムスンは韓国拠点のために関税を払っていない』と主張した。そのサムスンと競争するのはアップルにとって厳しい」。

クック氏がトランプ大統領との会合で関税について懸念を示すのは今回が初めてではない。しかしサムスンへの言及はトランプ大統領の心に引っかかるものだったようだ。クック氏の懸念は、大統領の関税が米国企業が製造したものを不当に不利な立場に置いていると主張するさまざまな産業トップの声を代弁している。

写真: SAUL LOEB/AFP/Getty Images

1週間前、米通商代表部は(USTR)は特定の電化製品の関税を延期すると発表した。これは、トランプ大統領が言うところ、クリスマスシーズンに向け価格を抑制するためとのことだ。

7月下旬、Mac Proデスクトップが米国で生産されなくなるかもしれないという報道を受け、大統領はツイッターでアップルに関税という脅しをかけた。「アップルは、中国で製造するMac Proの部品について関税の免除も軽減も受けないだろう」とツイートした。「米国でMac Proを製造すればいい。そうすれば関税はない!」。

一方、アップルは「全米50州で240万人の雇用を支えている」と最近明らかにした。

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(翻訳:Mizoguchi)

成長製品に転じたウェアラブル市場はアップル、サムスン、フィットビットが牽引

調査会社Canalysの最新の数字によると、北米地区における本年Q2のウェアラブルの市場は成長が続いている。同社によると、市場は当四半期に20億ドルに達し、前年同期比では38%の成長となった。

驚異的な数字ではないが、1〜2年前には死んだと思われていたカテゴリーが、明らかに息を吹き返している。当四半期の成長を引っ張ったのはApple(アップル)とSamsung(サムスン)で、その成長率は32%と121%となり、両社の出荷台数はそれぞれ220万台と40万台で、1位と3位を分かち合った。

関連記事:The smartwatch category is growing, as Apple remains dominant(スマートウォッチがAppleに引っ張られて成長市場に、未訳)

そして2位がFitbit(フィットビット)だ。同社の成長率は18%とやや控えめだが、それはフィットネス製品に対してスマートウォッチの売上が低かったためだ。特に同社の新製品であるVersa Liteが、当四半期は低調だった。Versaは同社の復調に貢献するはずの製品だっただけに、その伸び悩みは残念だ。

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ウェアラブルは北米地区が出荷台数では2位だが、売上高では1位。それはApple Watchをはじめとして高額製品が売れているからだろう。対してXiaomi(シャオミ)の超安値のフィットネス製品が、その母国である中国などでは大量に売れている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MophieのAirPower物マネ品をAppleが公認

iPhoneとApple Watch、AirPodsの同時充電を目指して開発が進められ、結局は開発中止になったApple(アップル)のAirPower。その模造品は市場にあふれている。その多くはApple製の本物が出る前からあり、低価格を売りにしていた。Appleが突然プロジェクトから手を引いたため、入手できるのはそれらの模造品だけだ。

TechCrunchはこの前、99ドルの製品をレビューしたが、今Amazonへ行くともっと安いのがたくさんある。しかし、Mophieを模造品と呼ぶのは失礼かもしれない。このアクセサリーメーカーの製品は主に高級品で、お値段も高い。しかも他社と違って、Appleが公認している。

ゆえに同社の新製品、3 in 1の充電パッドは、Apple Storeへ行ってAirPowerを持って帰れた場合の状況にいちばん近いかもしれない。

Mophieは「その3 in 1のワイヤレス充電パッドでは、iPhoneとAirPodsとApple Watchを中央の同じ位置で充電する。三機種に同一の充電体験を確保するために、AirPods専用のくぼみをつけ、またApple Watchは専用の充電スタンドで理想的な角度を保ち、画面を見やすくした」と語る。

なんだかよさそうだ。この黒い充電パッドは多くの競合製品と似た使い方で、3つのApple製品のための専用スロットがある。オリジナルのAirPowerではまさにこの、1台で3つの機種に対応することが、克服できない難題だったのだ。

関連記事:開発中止になったAirPower99ドルの類似品なら今すぐ手に入る

140ドルというお値段もAirPower並みだ。もちろんもっと安い製品もあるが、Mophieという名前が安心感を与えてくれるかもしれない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがバグ報奨金プログラムを拡大し最大1億円に

Apple(アップル)は、セキュリティー研究者たちが長年望んできたものをようやく提供することになった。macOSのバグ報奨金プログラムだ。

米国時間8月9日に、ITの巨人であるAppleはMac、MacBookおよびApple TV、Apple Watch向けにバグ報奨金プログラムを実施することを発表した。iOS向けバグ報奨金プログラムをスタートしてからちょうど3年後だ。

アイデアはシンプルだ。脆弱性を見つける、Appleに報告する、Appleが修正する。報酬として現金を受け取る。こうしたプログラムは業界では広く行われており、セキュリティー研究者に報奨金を支払うことで、深刻なセキュリティー欠陥が悪意ある者たちに利用されるのを未然に防げる。またこれには、バグの発見者が問題を脆弱性ブローカーに売ったりブラックマーケットに流すのを防ぐ意味もある。

しかしAppleはバグ報奨金プログラムをMacなどの製品向けに実施することに消極的だった。セキュリティー研究者の中には、報奨金制度がないからAppleにはセキュリティー欠陥を報告しないという人たちもいる。

ラスベガスで行われたBlack Hatカンファレンスで、Appleのセキュリティー技術・アーキテクチャー責任者のIvan Krstić(イヴァン・クリスティク)氏は、iOSに続いて今回のバグ報奨金プログラムを行うことを発表した。

セキュリティー専門家で、Jamfの主任セキュリティー研究員であるPatrick Wardle(パトリック・ワードル)氏は、今回の行動を「当然のこと」だと語った。

ワードル氏はいくつかの重要なセキュリティー脆弱性を発見し、企業に対応する時間を与えることなくリリース直前に公開するとともに、macOSにバグ報奨金プログラムがないことを指摘した。同氏はAppleがバグ報奨制度を持たないことを長年批判しており、セキュリティー研究者が欠陥をブローカーに売る機会を与えていることを非難してきた

「Appleには驚くほど有能な研究者やセキュリティー専門家がいるが、外部の独立研究者と透明で相互に有益な関係を持ったことはない」とワードル氏は言う。

「これはAppleにとっての勝利であることはもちろんだが、究極的にはAppleのエンドユーザーにとっての巨大な勝利だ」と付け加えた。

Appleは、このバグ報奨金プログラムを全研究者に向けて開放し、報奨金も現在の脆弱性1件につき最高20万ドルから、100万ドルに引き上げる。

さらにAppleは、一般公開前のプレスリリースビルドの脆弱性を見つけた研究者には、通常の報奨金に加えて最大50%のボーナスを与えるとも言った。

バグ報奨金プログラムは全セキュリティー研究者を対象に今年中に実施される。

またAppleは、今週米国で発売されたForbes誌に掲載された、退役軍人および信頼できるセキュリティー研究者およびハッカーたちに対して、新たなiOSセキュリティー研究用端末プログラムの元で大量の「dev」iPhoneを配布するという記事の内容を正式に認めた。これは特別なデバイスで、セキュアーシェルなどのように、一般のセキュリティー研究者は利用できないシステムやオペレーティングシステムのさまざまな機能をを利用できる。

Appleは、バグ報奨金プログラムを拡大することで、さらに多くの研究者に問題の発見を促し、顧客の安全性を高められることを期待していると言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシア当局が独禁法違反疑いでアップルを調査

テック大企業に対する、また別の独占禁止法違反疑いの調査が始まった。ロシアの公正取引委員会(FAS)は、3月にあったセキュリティ企業Kaspersky Labs(カスペルスキー研究所)からの申し立てを受け、正式にApple(アップル)に対する調査を開始した。

KasperskyFASへの申し立ては、Kaspersky Safe Kidsという同社が提供するペアレントコントロールに対するAppleのポリシーの変更に関するものだ。同社のブログ投稿によると、Kasperskyのアプリは何の問題もなく3年近くAppleのストアで展開されていたが、2017年にAppleはコンフィギューレションプロファイルの使用がApp Storeポリシーに反すると通達してきたとしている。

AppleKasperskyに、アプリからコンフィギューレションプロファイルを削除するように伝えた。これは、アプリコントロールとSafariブラウザブロッキングという、親にとって活用度の高い主要機能2つをなくすことを意味する。

同社はまた、アップルの異議のタイミングはiOS 12におけるスクリーンタイム機能の発表後だったと指摘している。この機能ではiOSユーザーは特定のアプリやウェブサイトに費やした合計時間をモニターしたり、時間制限をセットしたりできる。Kasperskyは、スクリーンタイムが「本質的にペアレントコントロール用のAppleのアプリである」ということに異論を唱えている。それゆえに、Appleがストアでフェアではない支配的パワーを働かせた、との申し立てにつながった。

FASの調査について、我々はAppleにコメントを求めている。同社はロイター通信に対し、他社からの苦情を受けて4月に出した、ペアレントコントロールアプリに対するポリシーに関しての声明文に言及した。

声明文では、AppleはそうしたアプリがユーザーのプライバシーとセキュリティをリスクにさらしたためにApp Storeから除外した、としている。そして「モバイル・デバイス・マネジメント(MDM)と呼ばれるかなり侵略的なテクノロジー」の使用を指摘した。

しかしKasperskyは、同社のアプリはMDMを使用しておらず、過去においても使用していないと主張している。

申し立てと、Appleのペアレントコントロールアプリの締め付けに対するメディアの関心を受け、Appleはこの特異なユースケースに対するMDMへの姿勢を弱めたようだ。具体的には、App Storeレビューガイドラインをアップデートし、限定ながらペアレントコントロール向けにMDMの使用を許可した。

Kasperskyはまた、Appleのデベロッパー・エンタープライズ・プログラム・ライセンス・アグリーメントでは「ホームユーザー向けのアプリにおけるMDMプロファイルとコンフィギュレーションプロファイルの使用は書面でのAppleの同意があった場合のみ可能になる」と明言していると指摘する。

しかしながら、Appleのアップデートされたルールと規制はいまだに「こうしたプロファイルの使用を許可する明らかな基準と、使用に関するAppleの同意を入手するのにクリアすべき基準についての情報を提供していないとKasperskyは主張する。それゆえにKasperskyは申し立てを取り下げる気はない。

Kasperskyはまた欧州でもみられるこの問題に関し、独禁法違反で訴える準備も続けている。競争についての別の申し立てとしては、音楽サービスのSpotifyが最近Appleを提訴した。

ロシアの当局はこれまでテック大企業の独占禁止の苦情対処に比較的素早く対処してきた。最も知られているのが、2015年にロシアの検索大手Yandexが苦情を申し立てた数ヶ月後に、Googleに対しAndroidのサービス制限を是正するよう命令した件だ。

欧州規制当局の場合、Googleの競争阻害に関する似たような結論にたどり着くまでに、さらにもう数年かかっている。

イメージクレジット: EMMANUEL DUNAND/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)