米国時間5月12日、Atlassian(アトラシアン)がHalpの買収を発表した。Halpは、Slack内で統合されたヘルプデスクチケットと自動回答のシステム「Halp Tickets」を開発するアーリーステージのスタートアップだ。買収額は非公開。
この日はHalpにとって重要な日で、Halp Answersという第2のプロダクトも発表した。この新プロダクトは、ユーザーがSlackから離れることなくヘルプデスクチケットを簡単に作成できるようにする 「Halp Tickets」と密接に連携する。
Halpはブログ記事で「Halp Answersは、社内に蓄積されているノウハウを活用して、Slack上でチケットに自動的に回答することを可能にします。このノウハウの内容は、Slackメッセージ、Confluenceの記事、または組織内のあらゆる情報から引き出すことができます」と説明している。
Atlassianが開発・販売するウェブベース企業向けコンテンツ作成・共有ツールであるConfluenceの統合にも注目だ。将来的にAtlassianは、ほかのエンタープライズコミュニケーションツールをJiraでサポートすることも検討している。Jiraは、バグトラッキングや課題管理、プロジェクト管理が可能なAtlassianのプロダクト。同じくブログ記事でHalpは「既存のHalpユーザーは、JiraやConfluenceとのより深い、そして新しい統合に期待してください。また我々は現在、Microsoft Teamsの顧客サポートにも真剣に取り組んでいます」と述べている。
Halpは昨年ローンチしたばかりで、早々のM&Aとなった。PitchBookのデータによると、同社は資金調達後の企業価値が950万ドル(約10億1600万円)で、2019年4月にシードラウンドで200万ドル(約2億1400万円)を調達していた。同社は、Atlassianとの提携にチャンスを見出しており、Atlassian単独では達成できないことだと考えていたようだ。
「Atlassianの膨大なリソースを活用して、我々のミッションを継続していくことができます。そのミッションとは、あらゆるチームが他のチームとリクエストを共同作業する際にHalpを最高のツールにすることです。私たちのチームは成長し、Halpのコアとなる体験をさらに強力なものにすることに集中できます。また、Atlassianスイートとのより深い統合を進めていきます。具体的には、既存のJiraとConfluenceの統合を改善し、インシデント管理管理ツールのOpsgenieでアラートを生成したり、タスク管理ツールのTrelloでカードを生成したり、その他多くの可能性を見つけ出します」と同社は書いている。
Halpの創業者は「大きな企業に加わっても既存の顧客は見捨てない」と約束している。むしろ、HalpはAdobe(アドビ)やVMware、GitHub、Slackなどの多くの大物顧客を抱えており、今回の買収によってこれらの企業がAtlassianの顧客になる。
関連記事:Atlassian brings new automation tools to Jira Cloud(AtlassianがJira Cloudに新たな自動化ツールを導入、未訳)
[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)