メタバース化するファッションと現実を橋渡しするスニーカーマニアのためのアプリ

ファッションはメタバースへの移行期にある。

さまざまな高級レーベル、音楽そしてゲームは、バーチャルな世界で人目を引こうと躍起だ。それらに依存してきたイベントや娯楽の業界が休止を余儀なくされたパンデミック下では、バーチャルな物事が大衆文化を代表し始めている。

そこでは、これまで金と名声でしか獲得できなかったステータスシンボルの蓄積に必要なものは、富みではなく、想像力と技術力だけという環境が構築されている。

Marc Jacobs(マークジェイコブズ)Sandy Liang(サンディーリアング)Valentino(ヴァレンティノ)といった有名ブランドが任天堂の「あつまれ どうぶつの森」にデザインを提供し、ハイブベイは2020年5月末にゲームの中でファッションショーを開催する。またEpic Games(エピックゲームズ)の「フォートナイト」とSupreme(シュプリーム)などのブランドとコラボ(これはパンデミック前だが)などさまざまな交流を通じて、ファッションは、その関係性を保とうとゲーム文化に足場を築いている。

スタートアップ企業の創設者であり、そしてスポーツウェアの最大手企業の従業員としてその両方の業界で経験を積んだある起業家が、新しいアプリを立ち上げた。それは、現実とバーチャルのファッション世界の橋渡しとなるものだ。

目指しているのは一流ブランドを愛する人たちに、あこがれの製品のバーチャル版を集める場と、ポイントを貯めればそれが実際に買えるチャンスになることだ。さらにゆくゆくは、新しい才能を発掘して次世代のコラボの流れを作ろうと考えるブランドに自分を売り込み、デザイナーとして身を立てるきっかけを作る場をデザイナーの卵に提供する予定だ。

マークジェイコブズ「カブを売る? 私たちはAnimalCrossingFashionArchiveアカウントと提携してマークジェイコブズのお気に入り6点を『あつまれ どうぶつの森』に展示します。私たちのストーリーでコードをダウンロードしてください」

Agletの第1フェーズ

Adidasの元デジタルイノベーション戦略の責任者であったRyan Mullins(ライアン・ムリンズ)氏が開発したAglet(アグレット)という名のこのアプリは、限定エディションのスニーカーのデジタル版をコレクションできる場であり、将来的には、世界的デザイナーのVirgil Ablohs(バージル・アブロー)やKanye Wests(カニエ・ウェスト)を目指す人たちがメタバースのオリジナルスニーカーを作れるデザインツールにもなる。

2020年4月に、TechCrunchがムリンズ氏に話を聞いたときは、彼はドイツで足止めされていた。彼はロサンゼルスへの移住に合わせて会社を立ち上げる予定だったのだが、新型コロナウイルスの感染拡大予防対策のために旅行ができなくなり、世界の国々がロックダウンしてしまったため、計画は大きく変わってしまった。

もともとこのアプリは、スニーカーマニアのための「Pokémon GO」になるはずだった。バーチャルスニーカーの限定版ドロップ(モデル)が街のあちらこちらに現れ、プレイヤーはそこへ行き、そのバーチャルスニーカーをコレクションに加えるというものだ。プレイヤーは、さまざまな場所へ移動することでポイントを得ることができ、ポイントはアプリ内購入や店舗での割り引きに使える。

「みんなの物理的な行動を私たちがバーチャルなお金に変換して、店舗での新製品の購入に使えるようにするというものです」とムリンズ氏。「ブランドは、プレイヤーに課題を出します。自分の街で他の人たちと競い合いながらいくつかの課題をこなし、勝利すると賞品がもらえます」。

Agletは、プレイヤーが遠征の際にどのバーチャルスニーカーを着用したかに基づいてポイントを決める。バーチャルスニーカーは、エアフォース1からYEEZY、さらにはもっと高価なものやレアなものまで、幅広く用意されている。それを履いて「外を歩く」ほどポイントがもらえる。だがしばらくするとスニーカーはすり減り、新しいものと交換しなければならなくなる。つまり、こうしてアプリにハマりやすくなるのが狙いだ。

アプリ内購入に使える通貨は、1ドル(5Aglets、約108円)から80ドル(1000Aglets、約8630円)の間で好きな額を購入できる。プレイヤーは、集めたスニーカーをアプリ内のバーチャル棚に飾ったり、他のプレイヤーと交換したりもできる。

街がロックダウンされ自宅待機が要請されるようになると、ムリンズ氏と開発者たちは、そのゲームを急いで「パンデミックモード」に作り変えた。プレイヤーはマップ上を自由に移動でき、ゲームをシミュレートするというものだ。

「当初はロサンゼルス限定で、そこで人々に競い合ってもらう計画でしたが、完全に諦めました」とムリンズ氏はいう。

このアプリには、Nikeの「SNKRS」のような先例があった。4月のAgletのローンチについて書いたInputの記事によると、SNKRSでは特定の場所にユーザーを集め、さまざまなコラボを通じて限定ドロップを提供するという。

ムリンズ氏が現在Agletで考えている展開は、ゲームとスニーカー文化を糸で縫い合わせるというおもしろい試みだ。ムリンズ氏は拡張現実を利用して新タイプのショッピング体験ができる、ゲームの世界から一歩外に踏み出したものを作ろうとしている。

画像クレジット:Adidas

将来のファッションはメタバースから発掘される

「私が(Adidasで)最も誇りにしている取り組みは、MakerLab(メイカーラボ)というものです」とムリンズ氏はいう。

MakerLabは、Adidasと若い新進気鋭のデザイナーとを結び付け、同社の古典的なシルエットをベースにした限定版をデザインさせた。ムリンズ氏は、このようなコラボを可能にする場が業界の未来を切り拓き、想像を超える魅力をもたらすと考えている。

「実際のところ私は、次なるNikeはスウッシュが反転したNikeだと確信しています」とムリンズ氏。「若者たちがRoblox(ロブロックス)のバーチャル世界で何かをデザインすると、それが現実世界に飛び出してきて、NikeやAdidasが製品化するという現象が起こりつつあります」。

そうした観点に立てば、Agletのアプリはムリンズ氏が追いかける大きな理想のためのトロイの木馬に見える。デザインスタジオを作り、最高のバーチャル・デザインを陳列して、それを現実世界に持ち出すのだ。

ムリンズ氏はそれを「スマートAgletスニーカースタジオ」と呼んでいる。「そこで標準的なスタイルを元にオリジナルのスニーカーをデザインして、それを履いてゲームの中を歩く。プレイヤーにオリジナルのパーカーをデザインできるようにして、私たちがファッションデザインのYouTubeの役割を果たします」

YouTubeを例えに出したのは、そこがメイクアップアーティストから、ソーシャルメディアのストリーミング配信から見いだされたJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)のようなミュージシャンまで、誰もがスターになれる可能性を提供するプラットフォームだからだ。

「私はバーチャルなデザインプラットフォームを作りたいのです。若者がそこで独自のバーチャルファッションブランドを立ち上げ、ゲームの世界で販売する。そこをまず作りたいと思っています」とムリンズ氏は話す。「ビーバーが発掘されるや、YouTubeは彼がインフラ全体にアクセスできるようにしてスターに育て上げました。NikeもAdidasも、同じことをしています。いろいろなところにいる才能あるデザイナーの卵を見つけ出し、そのインフラを提供して、若いうちからプロとして活躍できるよう後押ししているのです」。

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(翻訳:金井哲夫)

プログラマブルな猫ロボ「Meet MarsCat」は飼い主と一緒に成長・進化する

CES 2020で、製品の見せ方の完成度が高かったジャンルといえば断然、家庭向けロボットだ。そして中でも最もかわいらしいのが、工業用ロボットメーカーのElephant Robotics(エレファント・ロボティクス)が出展したロボペット「MarsCat」だろう。このロボットペットは完全に自律的なコンパニオンで、接触や音声に反応するだけでなく、おもちゃで遊ぶこともできる。ほんの数分間遊んだだけで、誰もが好きになってしまいそうだ。

MarsCatの出自は一風変わっている。なぜならElephant Roboticsは、Cobots(コボット)と呼ばれる、工場や組み立てプラントで人間と一緒に仕事をする工業用ロボットのメーカーだからだ。Elephantは2016年の創業で、今では協働ロボットの製造ラインが3つもあり、韓国、米国、ドイツなど世界中の企業に販売網を広げている。

MarsCatは、そんな同社の初めての家庭用製品で、もちろん工場や研究所ではなく家庭で使用する。初めてのとは言っても、これまでに蓄積されたロボット製造技術が至るところで生かされているはずだ。たとえば脚や尻尾や頭部の関節の動きがとても滑らかで、座る、立つ、歩く、遊ぶ、人の動きを注視するなどの動作を完全に自律で実現する。

しかもMarsCatは、そんな機能性が最初からあるだけでなく、ユーザーがプログラミングしてカスタマイズできる。全体をRaspberry Piが動かしていて、プログラミングする人のためのオープンなライブラリとしてMarsCat SDKが同梱される。そのAPIを使えば、ロボットの動きや機能を完全にコントロールしプログラミングできる。だから、STEM教育の教材にもなるし、ロボティクス(ロボット工学)の勉強もできる。

MarsCatは今、Kickstarterでクラウドファンディングを実施しているが、目標額の2万ドル(約220万円)はとっくに超えて、10万ドル(約1100万円)以上には達しそうだ。Elephant RoboticsのCEOで共同創業者のJoey Song(ジョーイ・ソング)氏によると発売は3月の予定なので、そんなに長く待たされることはない。

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ロボットペットは現在さまざまな製品が市場に出ているが、ソング氏によるとMarsCatのように高度な機能がたくさんあってしかもそのわりには安いという製品はほかにない。例えば、現状でいろんな音声コマンドに応答できるし、ユーザーとのコミュニケーションを通じて進化できる。ユーザーがたくさん話せばお喋りになるし、たくさん遊んでやれば遊びが大好きな子猫みたいになる。しかもプログラミングができるオープンなプラットホームだ。支援者価格699ドル(約7万6600円)はお買い得だろう。

ソニーのAibo(アイボ)はMarsCatの犬バージョンだが、米国の小売価格が2899ドル(約31万7600円)なので、MarsCatはお買い得だ。しかも、本物の猫と違ってMarsCatには排泄も抜け毛もない。それも魅力の1つだろう。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MITのブロック型ロボットは相互通信によって集団行動

MITのComputer Science and Artificial Intelligence Laboratory(コンピューターサイエンスと人工知能研究所、 SAIL)が考案したこのキューブ状のロボットは、自力で移動し、お互いとコミュニケーションして協調しながら自分たちを何らかの構造物へ組み立てる。その振る舞いをMITの研究者たちは蜂の巣作りみたいだと述べた。ビデオを見るとその様子がよく分かる。


このキューブ状のロボットは平らな面の上を転がったり、お互いの上や向こう側に行ったり、短い距離をジャンプしたりする。そして最近の改良で簡単なコミュニケーションができるようになった。固有のバーコードを自分のIDとして持っているので、互いに個体を同定できる。16のブロックが自分のコミュニケーションシステムを使い、自力で動き回って仕事をする。主な仕事はさまざまな形状を作ることだが、矢印や光線に従うこともできる。

今の彼らにできることはごく限られているが、研究者たちが夢見ているのは、このような自己組み立て型ロボットが、災害時などに自力で橋や傾斜路や階段などになってくれることだ。それにもちろん、もっと世俗的なアプリケーション、例えばゲームなどに応用しても面白いと彼らは感じている。

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MITが作った小さな歩くモーターは自分たちを自分で組み立てて複雑なロボットになる

未来のロボットは少しずつ「ウォーリー」的ではなくなり、「蟻の大群を迎えるボルトロン」のようになるだろう。MITのNeil Gershenfeld(ニールガーシェンフェルド)教授と彼の学生たちが作った歩行するモーターを見ていると、そう思わずにはいられない。このモーターは、磁石とコイルとわずかな構造部品の寄せ集めにしか見えないが、前後に歩くことができ、複雑な機械の歯車を左や右に回すこともできる。

この小さな動く微生物はそれだけでもすごいが、仲間や他のロボット部位と組み合わさると真価を発揮する。それがガーシェンフェルド教授らの狙いだ。同じ材料から他の重要部位を組み立てることはすでにできたが、今後はそれらの重要部位をそれら自身が自動的に組み立ててもっと大きな構造物を作り、仕事ができるようにしたい。

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これらの小さなロボットはギア(歯車)も動かせる。それらをもっと大きく作り、より現実性のあるシステムにするには、そのことが重要だ(画像クレジット:MIT)

つまり、小さな歩くモーターとその仲間を彼ら自身が自分で組み立てると、あるときは農業用ロボットのシステムの一部になり、別のときには災害救助ロボットになる。そこまで行くのはまだまだ先の話だが、ガーシェンフェルド教授はすでにMITの大学院生Will Langford(ウィル・ラングフォード)と一緒に、回路を自動的に作る3Dプリンターを作っている。これを未来に延長すれば、デジタルの青写真を入力すれば完全に機能する高度なロボットを作れるようになるだろう。

静的な部品の組み立てを自動化するのではなく、この微小ロボットのように、部品自身が自分たちを自分で自己組み立てする。それが最先端のロボティクスという馬の鼻先にぶら下げた人参だ。映画「ターミネーター」に出てくるT-1000のような高度な能力は、部品ロボットに対して適正な行動制限を設定できれば可能だろう、という期待もある。

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Lockheed Martinがドローンレースのチームと組んでAI自律ドローンの勝利に懸賞

Lockheed MartinDrone Racing League(DRL)が協力して、操縦者のいないドローンを今よりもずっとお利口にしようとしている。商用ドローンをAI化するそのプロジェクトは、“自律航行のドローンが人間が操縦するドローンとレースをして勝つこと”、を目指している。

今日(米国時間9/5)サンフランシスコで行われたTechCrunch Disruptで、Lockheed MartinのCTO Keoki Jacksonが、優勝者の賞金は200万ドル、と発表した。

“Lockheed Martinでは、ドローンに高度なAIを搭載して、これまで不可能だった困難な仕事をやらせることを目指している。それらは、山火事の消火や、自然災害における人命救助、深宇宙の最深部の探検などだ”、とJacksonは語る。“そこで今回は次世代のAIイノベーターたちを招待して、弊社のAlphaPilot Innovation Challengeに挑戦していただきたい。参加者たちは、自律航行とAIの未来を定義する役割を担い、世界がその将来性ある技術を利用して、より明るい未来を構築できるだろう”。

参加者はドローンのAI部にNVIDIAのJetson組み込みモジュールを使用し、しかもそのドローンは、“事前のプログラミング不要、人間の介入不要”でなければならない。レースのコースは、三次元的である。人間が操縦するDRLのドローンに“ドローンの知能テスト”でも勝つと、さらに25万ドルをもらえる。それは、アマチュアのドローン対、Lockheedの知識量の多いドローンプログラムとの勝負だ。

Lockheed Martinは今回、Drone Racing Leagueと協働して、未来のドローンレースにAIを持ち込もうとしている。目標は、人間操縦士よりも上手に飛べる自律ドローンを作ることだ。

懸賞の詳細はここにあり、レースは11月に行われる。

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人間の脳とロボットをつないで、失敗を未然に防ぐシステム

ロボットに壊滅的なことをしないよう教えるにはどうしたらよいか? 言葉やプログラムで命令を与えることもできるが、人間の脳を見て苦痛の兆候を感じ取り、自らを止めさせる方法もある。MITのロボティクス研究所が作った新しいシステムは、人間の脳とつないでロボットに作業の指示を出す。

初期のシステムは実にシンプルだ。作業ロボットのBaxterには頭皮上脳波計と筋電計がつながっていて、ロボットがやってはいけないことをすると、人間が手を振るなどの身振りでやめさせる。決められた仕事——ドリルで穴を開ける等——をこなすことのできるロボットが、慣れない状況に遭遇したとき、すべきことを人間が身振りで指示することもできる。

「筋肉と脳の信号を両方を見ることによって、人間の自然な身振りを解釈して、何がおかしくなったかをすばやく判断できる」と博士候補生のJoseph DelPretoは語った。「こうすることで、人間は人間に対するのと同じようにロボットとコミュニケーションがとれる」

このシステムでは、身振りや感情的反応などの微妙なニュアンスを用いるため、ロボットを訓練して障害のある人とやりとりをしたり、懸念や危険を言葉で言われる前に察知して、事故を防ぐこともできる。これによって作業員は、何かを壊す前にロボットを止めたり、作業が始まる前にわずかな変更をロボットに理解させたりできるようになる。

テストでは、Baxterに飛行機胴体にドリルで穴をあける訓練をした。作業内容はときどき変更され、近くにいる人間が穴の位置の変更を身振りでロボットに教える。こうすることで、現在の作業をしている最中に、新しい作業を教えることができる。しかも、ここで人間の側はプログラミング自体には関わることがなく、ロボットに右か左かを教えるだけだ。いちばん重要なことは何か? 機械とつきあうために人間が特別な考え方をしたり、自分を訓練したりする必要がないことだ。

「このアプローチがすばらしいのは、ユーザーに決められた考え方を教える必要がないことだ」とDelPretoは言った。「機械が人間に寄り添う。その反対ではない」

チームはこの成果を、Robotics: Science and Systems (RSS) カンファレンスで発表する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ペンシルベニア州立大の研究員が本物のクローキングデバイスを作った

ペンシルベニア州立大学の研究員Amanda D. Hanfordが、音波を迂回させる(反射しない)ことによって、一部の感知技術に対してオブジェクトを不可視にする、本当のクローキングデバイス(cloaking device, 物を隠すデバイス、忍者デバイス)を作った。

報告記事は曰く:

Hanfordのチームは、音波が、反射せずに迂回して進むようなメタマテリアルの開発に取り組んだ。メタマテリアルは一般的に、密度が負である、など、自然界に存在しない特異な性質を示す。そのために、メタマテリアルの最小の構成部位であるユニットセルは、この研究の場合、音波の波長よりも小さくなければならない。

Hanfordは、水面下で音を偏向させる音響学的なメタマテリアルを作った。それは、難しい開発テーマだった。テストではその素材を水中に置き、それをねらって発射した音波を測定した。水中のエコーは、音波がその素材から反射していないことを、示していた。したがってその新素材は、ソナーにとって不可視だろう。

まだ初期的段階の技術なので、オブジェクトが完全に不可視にはならないが、しかし水中では検出がきわめて困難だ。これからは、水平線上にレーザー銃を備えた潜水艦が現れたら、船の船長は“クローキングデバイスをonにせよ!”、と叫ぶようになるかもしれない。そう考えると、なかなか楽しい技術だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookはネガティブなメッセージに非対称の優位性を与えている


Facebookの批評家としてRoger McNameeほど適した人物はいない。Elevation Partnersのマネージイング・ディレクターでFacebookの初期の投資家でもあるMcNameeは、Mark Zuckerbergのメンターを務めただけでなく、彼にSheryl Sandbergを引き合わせた人物でもある。

このため、過去数年のFacebook、中でもCambridge Analytica 騒動に対する高まる世論の批判のなかでもMcNemeeの意見は決して軽視することはできてい。

McNameによると、Facebookは「人間の感情」に基づくテクノロジー企業を開拓した。Facebookがわれわれの「潜在的感情」をすべて知っていることから、第三者がこの国の民主主義と経済を根本から揺るがす事態が起きている。McNameeは、2016年の英国EU離脱の国民投票と、米国大統領選挙の両方でこれを目の当たりにし、Facebookはネガティブなメッセージに「非対称の優位性」を与えていると結論づけた。

McNameeは今もFacebookは修正可能だと信じている。しかしそのためには、ZuckerbergとSandbergのふたりが今起きていることに対して「正直」になり、民主主義を強化する「市民の義務」を認識する必要があると主張する。そして彼の言う「ダークサイド」を認めそれに直面するうえでは、テクノロジーも役割を担うことができるとMcNemeeは信じている。

もちろんMcNamee自身もそれを実践している。彼は元Googleの製品哲学担当者、Tristan Harrisと共にThe Center for Human Technologyを設立した。これはシリコンバレーの著名人たちによるアライアンスで、「テクノロジーを人間の最大利益に合わせて再編する」ことを目的としている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Swatch、カスタムデザインシステムのSwatch X Youを公開

大衆のためのファッションウォッチ、Swatchが、オンライン「時計工場」、Swatch X Youを作った。文字盤、ベルト、その他のアクセサリーを選んで65~85ドルで真にカスタマイズされた時計を作る。サービスはすでに公開中で文字盤のサイズは34 mmと41 mmの2種類。

私はSwatchグループにコメントを求めた。基本的に私が知りたいのは、今どき空港で暇を持て余した人以外に誰がSwatchを買うのかということなのだが、返事をもらうまでの間、このプロジェクトを詳細に見てみよう。

まず、様々な色からなる5種類のごく基本的なウォッチ本体を選ぶ。次にベルトや小さな宝石など特別な時や個人の嗜好にあわせたアクセサリーを組み合わせる。価格は約65ドルからでアクセサリーによっては100ドルを超えることもある。

SwatchはEmersyaと提携してこのシステムを作った。時計は3次元で回転させて作品の威厳を確認することができる。Swatchがそれに基づいて時計を作り発送する。

この種のサービスはSwatchにとって初めてだ。長年にわたり、価値の上がる「デザイナー」製品にこだわってきた同社にとって、完全なカスタマイズは待望されていたものであり非常に重要だ。Blancierを始めとするサイトが以前からカスタムウォッチを比較的求めやすい価格で提供してきている。新たにこの市場に参入するSwatchは、従来からのSwatchユーザーだけでなく、たまにしか買わない人々 ―― 子供の卒業祝いや誕生日にカスタムウォッチを買う親など ―― や時計を純粋にファッションアクセサリーとしか見ていない人たちにアピールしていく必要がある。いずれにせよ、失うものがたくさんある会社にとって、これは賢明で重要な行動だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

人間インストラクターに代わって電脳靴下がダンスの正しいステップを教えてくれる

人類がロボットに支配される時代になり、彼らとの社交も強要されるなら、そこにはダンスも含まれるだろう。そんなときわれわれにダンスを教える方法として、モーターを詰め込んだソックス(靴下)以上に優れたものがありうるだろうか?

デザイナーのPascal Zieglerは、ダンスをするペアにステップを教えるために、そんなすごいウェアラブルを作った(上図)。要するにそれは、振動するソックスだ。その作り方と使い方はここにあるから、振動モーター2基とセンサーとArduinoボードを用意すれば自分用に一足作れる。そして振動するタイミングをアプリが教えるから、正しい足の位置が分かる。フィードバックループがシステムをコントロールして、ユーザーにフォックストロットやマンボ、チャールストンなどの踊り方を教える。

Zieglerは曰く:

ソックスに圧力センサーと振動モーターを装備して、ペアのダンサーの足の動きをモニターしガイドする。これらをコントロールするアプリケーションはAndroidスマートフォンの上で動く。足が特定の位置に来たときに、振動によってステップを指示する。ここはかかとで前進、などと。ユーザーが間違えたり、音楽と同期しなくなったら、負帰還を与える。このソックスをはいていても、数分ぐらいは間違えずに踊ることが可能だ。

このソックスの名目上のミッションは、インストラクターの長時間の注視なしで、新人ダンサーに教えることだ。ひまができたインストラクターは、ほかのことができる。たとえば2001 Space Odysseyにおけるビッグカップルのダンス決戦の準備をしたり、あるいはあなたがそうだったように、ブルックリンのベイリッジの心の狭い連中から逃れてビッグシティの生活を体験したいと思っている、すでに大人なのに混乱している若い女性を助けたり。

Zieglerはさらに語る、“目標はダンスのレッスンそのもののクォリティーを上げることだ。ダンス教室では、たくさんの新しいステップを短時間で教わる。彼らにとっては、先生が教える理論的な動きを、音楽とリズムに合わせた実際のダンスステップに翻訳することが、難しい場合が多い。しかしダンスの先生には十分な時間がないし、生徒には一対一で教わるほどのお金がない。何度練習してもうまくいかないと、双方に不満が溜る”。

そこで、ソックスにハンダ付けをしてDancing Kings and Queensをかけ、Electric BuggalooでもElectric FugでもElectrified Mashed Potatoでも、何でもできることを見せつけてやろう。でもソックスのアンペア数が、低いことは期待できないだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

PixTellerがあればデザイナーは(ほとんど)要らない?!…4000以上のテンプレートを揃えたインスタントデザインスタジオだ

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ルーマニアのWebデザイナーAlexandru Roznovatが作ったPixTellerは、既成のテンプレートをたくさん揃えたインスタント・デザインスタジオで、Instagramを独自にカスタマイズしたページとか、おもしろいブックカバーなどを数秒で作れる。

アカウントを作るとすぐに、既成の大量のデザインから自由に選べるようになるが、それらはどれも、かなり平凡でふつうのデザインだ。それらはすでに、ソーシャルメディアへの投稿、カバーやヘッダー、バナー、などなどと、タイプ別目的別にジャンル分けされている。

どれか選んだら、それの編集を開始する。画面上の、写真以外のデザイン要素は、ベクターグラフィックスのように操作できる。ふつうのデザインプログラムのように、テキストと図形を選んで編集できる。ちょっとしたデザインのプロジェクトを簡単に楽しくできる、という点ではTinkercadなんかに似ている。サービスは無料だが、月額9ドル払うと、電子透かしの入ってないデザインをダウンロードしてエディットできる。画像を友だちとシェアして、コメントを求めることもできる。

“うちのサイトのエディターは、すごく仕事が速いんだ。今4000あまりあるテンプレートのデザインを、たった3週間で作れたからね”、とRoznovatはImpactCEEで語っている。もちろんユーザーも、その高速エディターを使用する。彼はこれまで、WebアプリケーションのデベロッパーGeco.roで仕事をしていた。

このようなWeb上のソフトウェアは、とくにタブレットや小さなラップトップを使ってる人には便利だ。本格的なデザインツールのような仕事はできなくても、アイデアをスケッチして手早く共有するための方法としては、優れている。PixTellerがローンチしたのはほぼ1年前だが、その後ずっと、音沙汰がなかった。こんなツールを使って、みんなが、思いついたことや自分の発見を簡単にさっと手早く、自作のWebページにしてシェアするようになると、2017年は楽しい年になるだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

LINE元社長・森川氏の次なる挑戦は動画メディア——5億円を調達し、女性向けの「C Channel」で世界を視野に

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4月1日にLINEの代表取締役社長CEOの座を退いたばかりの森川亮氏。LINEを取締役COOだった出澤剛氏に託し、自身はスタートアップの起業家として新たにサービスを立ち上げる。

新会社の名称は「C Channel」。設立にあわせてアイスタイル、アソビシステムホールディングス、グリー、GMO VenturePartners、ネクシィーズ、B Dash Ventures、MAKコーポレーション、楽天などから約5億円を調達する。今後は社名と同名の動画配信プラットフォーム(同社では「動画ファッション雑誌」とうたっている)「C Channel」のベータ版を展開する。現時点ではウェブのみでのサービス提供となるが、今夏にもスマートフォンアプリも提供する予定。

C Channelでは、「クリッパー」と呼ぶ約100人のモデルやタレントが、独自の動画を配信する。動画では、「カワイイ」「クール」といった切り口で、日本のファッションやフード、トラベル情報など紹介する。動画の長さは1本1分で、1つの店舗やスポットのみを紹介。位置情報とも連携する。お気に入りのクリッパーをフォローするといった機能も備える。ターゲットにするのは10代〜30代の女性。動画は日本語のほか、英語でも提供していく。

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Pinterestライクなクリッパーページ ※クリックで拡大

動画はクリッパーの自撮り、もしくはプロのカメラマンが撮影。そのあとプロが編集している。デモ動画を見せてもらったが、1分でも情報量はそれなりにあるし、クオリティは非常に高い。

もちろんネットにもともとあるようなストリーミングの垂れ流し動画だってライブ感があって面白いのだけれども、それとはちょっと方向性が違う。テレビ番組に近いクオリティだ。

このあたりの理由を森川氏に聞いたのだけれども、C Channelには現在タレントやカメラマン、動画編集者やエンジニアなど約10人のスタッフがおり、SPA(製造から小売りまでを統合・内製)モデルでコンテンツを制作しているため、安価かつ速いスピードで高品質の動画を提供できるのだそうだ。テレビや映画など、映像制作の“職人”的な経験者も多いという。

動画はベータ版のスタート時点で100本程度を用意。今後は毎日アップデートしていく予定だ。「映像のプロとITのプロが集まっている。ちょっとやそっとじゃマネできないと思う」(森川氏)

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動画のイメージ

 

10年かけてタイム・ワーナーのような会社に

「グローバルなメディアを作りたい。マスメディアはまだまだ変わっていないので、その変化の中で大きな流れを作ることに挑戦したい。日本のメディアが海外に成功した事例はないので、10年かけてタイムワーナーのような会社を作りたい」——森川氏はC Cannelについてこう語る。

では森川氏はどうしてLINEの代表退任後のチャレンジとして動画の事業を選んだのか? 森川氏は「起業するのであれば、『自分がやるべき領域』でやろうと思った」と説明する。

新卒で日本テレビ放送網に入社し、その後ソニーを経てLINEの代表となった森川氏は、放送とネット両方のメディアを経験してきた人物。若いスタートアップがメディア事業を立ち上げることについては、「しんどいと思う。資金も人も必要になるので、バイラル的、ワイドショー的なものになりがち」と分析する。だが世界を見てみるとメディアは変革の時期。「(テレビなどマスメディアの)最前線の人は、メディアの中でも問題意識を持っている」と語り、メディアビジネスへの注目度を説く。

また動画メディア事業について、「映像と技術が分からないとできない難易度の高い事業。映像だけだと職人の世界になるし、技術だけだとPVなどを意識しすぎる」と語る。

ではその両方を経験してきた森川氏のサービスがすぐに成功するのかというとそこは慎重で、「ビジネス的には相当厳しい。C Channelは、最初の1年程度は売上ゼロでもユーザー拡大に注力する」のだそう。

ECと広告でマネタイズ、海外展開も積極的に

C Channelでは今後、ECと広告でのマネタイズを進める。ECについては、C Channelブランドの商品を販売する予定。所属タレントによるプロモーションを行うほか、リアルイベントでの販売なども予定する。4月16日には東京・原宿にスタジオ兼オフィスをオープンする予定で、週末などはそこでクリッパーなどを呼んだイベントを積極的に展開していく。また出資するアソビシステムを通じて、所属するアーティストなどとも連携したイベントを検討しており「今後はきゃりーぱみゅぱみゅなどが参加するイベントもやっていきたい」(森川氏)とのことだった。

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スタジオを兼ねた原宿のオフィス

 

直近にはブランド広告を中心に展開する予定。「今まではナショナルスポンサーがつくようなブランド価値の高いような動画メディアがなかった。C ChannelのCはコミュニケーション、キュレーション。質の高いブランドを作りたい。そのためには『選ばれている感』や『憧れ』をどう出していくかが重要」(森川氏)。

また将来的には「アドテクの会社にしたい」(森川氏)とのこと。ユーザーの属性にあわせてリアルタイムに動画広告を編集・生成するシステムを開発中だそうだ。「YouTubeなどに乗らずに自分たちで(インフラまで)抱え込めばいろいろとできることがある。将来的にはそのエンジンを外部に提供することも検討する」(森川氏)。そのほか海外展開もすでに予定中。年内にはニューヨークにスタジオを作り、試験的に動画の制作を開始していく。

48歳での挑戦、「ビジネスはタイミングが大事」

ところで森川氏は今年48歳。この年齢での新しい挑戦を「遅い」と感じなかったのだろうか。

「ビジネスはタイミングが大事。早すぎても遅すぎてもダメ。IoTもITとハードウェアの組み合わせだが、ITと動画という違うモノを組み合わすようなビジネスは難易度が高い。『スケールさせること』と『いいものを作ること』の両方考えないといけない」(森川氏)

森川氏いわく、タイミングの重要性はLINEの時にもさんざん経験した話なんだとか。

「例えば検索(NAVER検索。2013年12月にサービス終了)もそう。どれだけすごい人が最高のものを作っても、タイミングが合わないとダメ。LINEも原型をたどればただのメッセンジャー。(先進性という意味では)大したものじゃない。そう考えていく中で、今のタイミングであれば『動画』だと思った。本当は教育なんかもやりたいが、まだ早い。技術があるか? 市場が熟したタイミングか? そしてビジネスモデルが見えるか? の3点が重要」(森川氏)

新しい産業を生み出す

前述の通り、映像と技術の組み合わせは難易度が高いという話があったので、森川氏に「若手のメディア系スタートアップを蹴散らしていくような感覚を受けた」と話したのだけれど、森川氏は笑いながらそれを否定して、「どちらかというと海外のメディアと戦っていきたい」と語る。

また森川氏は「やるなら正直ゲームのほうが儲かるし、(動画メディアは)あまり若いスタートアップがやらない領域だと思っている。だからこそ選んだ」とも説明。また、「秋元さん(秋元康氏)にも相談したら『応援する』と言ってもらった。メディアも変わるべきところにきている意識がある」とマスメディア側の見方も語ってくれた。

ちなみにLINE退任についても少し話を聞いたのだけれども、一昨年くらいから社内では話をしていたのだそう。

「LINEの次に何をやるか——この年齢になるといつ死ぬか分からないから、社会的に何かを残したいと思った。そこで考えた日本の課題は高齢化に伴う衰退。ではそこで大事なのは何かというと、新しい産業を生み出すこと。それが今は動画だった。そこを考えつつ、また別の軸で教育や投資などもできることをやっていきたい」(森川氏)。実はエンジェルとしても「結構多い数投資している」とのことだった。

研究結果:殆どの人はネットいじめを止めに入らない


1964年、キティー・ジェノベーゼという女性がクイーンズのキューガーデン地区で刺されて死亡した。彼女は助けを求めて30分以上叫び続けたが、通行人や近くのアパート住人たちは彼女の願いを無視した。襲撃時に犯人は変装していた。彼女はその傷が原因で死亡し、当時専門家は傍観者たちの不作為を「ジェノベーゼ症候群」と呼んだ。

オンライン世界はジェノベーゼの悲劇ほど切迫した状態ではないが、最近OSUの最新研究によると、彼女の名前が残された傍観者効果が、未だに強く生き続けていることは明らかだ。調査はチャットルームで対話をする学生221名を対象に行われた。そこではいじめが生まれ、グループ内の他のメンバーをひどくなじった。「虐待に気付いた学生のうち、直接介入したのはわずか10%で、ネット上でいじめに立ち向ったり被害者を助けたりした。

もちろん、このいじめや被害者は研究の一部(サクラ)であり、目的はチャットルームの他の人々の反応を得ることだった。

「結果に驚くことはなかった」と、筆頭著者でオハイオ州立大学大学院生のKelly Dillonは言った。「他の多くの研究結果も、いじめを見た傍観者が介入に消極的であることを示している。この結果に私は人間として失望しているが、科学者としては驚いていない」

リリース文によると、いじめはオンライン調査開始3分後に始まった。

「われわれはサクラに例えばこんなことを言わせた、『アンケートにも答えられなくてよく大学入れたね?』」とDillonは言った。「その後さらに攻撃的になって、被害者にこう言った『自分で考えろ』」。

3分が過ぎ被害者が別の質問をすると、再び台本通りのいじめが始まった。台本では被害者は無礼に対して一切を反応しない。

後に、被験者の約68%がチャットウィンドウでいじめが起きていることに気付いたと答えた。そのうち10人に1人が直接介入し、半数以上(58%)はいじめを非難した。例えば「少しは助けてあげたらどう?」などと言っていた。反応した人の1/4はいじめっ子を罵り「君は敗者の匂いがする」などと言った。

明るい話はあるのか? ある。実験終了後、被験者の70%が匿名レビューの場でいじめを報告あるいは非難した。これは、参加者たちがいじめに立ち向かいはしなかったが、再び起きないよう努力を試みたことを意味している。

これはネットいじめの被害者にとっては、慰めにならない慰めだが、希望があることも確かだ。ネットいじめはますます多くなり、現実的な、しばしば悲劇的な影響を与えている。調査の後、Dillonは被験者に感想を聞いた。

「多くの学生が、いじめに対応したかったが、何をすれば良いかわからなかったと答えた」とDillonは言った。「誰もが時折そうする。誰もがある時点で傍観者になる」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook